(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】イメージセンサとその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2022123730
(22)【出願日】2022-08-03
【審査請求日】2022-08-03
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】何偲瑜
(72)【発明者】
【氏名】鄭嶽青
(72)【発明者】
【氏名】張育淇
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/124562(WO,A1)
【文献】特開2021-072295(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092632(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/065373(WO,A1)
【文献】特開2012-238774(JP,A)
【文献】特開2010-232537(JP,A)
【文献】特開2015-068853(JP,A)
【文献】特開2021-068816(JP,A)
【文献】特開2013-033864(JP,A)
【文献】特開2017-134362(JP,A)
【文献】特開2009-218357(JP,A)
【文献】特開2012-009704(JP,A)
【文献】特開2019-046960(JP,A)
【文献】特開2020-174158(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110972505(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229852(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとを有する半導体基板と、
前記半導体基板上に配置され、前記第1のフォトダイオードの上方に配置された第1のピラーアレイと、前記第2のフォトダイオードの上方に配置された第2のピラーアレイとを有するピラーアレイ層と、
前記ピラーアレイ層上に配置された平面層と、
前記平面層上に配置されたマイクロレンズ層とを備える、イメージセンサであって、
前記第1のピラーアレイは、複数の第1のピラー構造を含み、前記第2のピラーアレイは、複数の第2のピラー構造を含み、前記第1のピラー構造の全てが第1の高さを有し、前記第2のピラー構造の全てが第2の高さを有し、かつ、前記ピラーアレイ層は、
前記第1のピラー構造のそれぞれの第1の高さが、前記第2のピラー構造のそれぞれの第2の高さと異なり、
それぞれの第1のピラー構造の底面は互いに接しており、それぞれの第2のピラー構造の底面は互いに接しており、
前記ピラーアレイ層の屈折率は前記半導体基板の屈折率未満であることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記第1のピラー構造のそれぞれの第1の高さは0.1μm~1.6μmの範囲であり、前記第2のピラー構造のそれぞれの第2の高さは0.1μm~1.6μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
2つの前記第1のピラー構造の間のピッチは0.3μm~0.5μmの範囲であり、2つの前記第2のピラー構造の間のピッチは0.3μm~0.5μmの範囲で
あることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
第1の方向における2つの前記第1のピラー構造の間のピッチが、前記第1の方向における2つの前記第2のピラー構造の間のピッチよりも大きく
、
第2の方向における2つの前記第1のピラー構造の間のピッチが、前記第2の方向における2つの前記第2のピラー構造の間のピッチよりも大きいか、同じか、または小さく、
前記第1の方向は、前記第2の方向に対して略垂直であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1のピラーアレイの配置がA×B配列であり、前記第2のピラーアレイの配置がC×D配列であり、A、B、C、Dが正の整数であり、AとBとは同じか異なり、かつCとDとは同じか異なり、A、B、C、およびDは、4~9の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
第1のピラー構造のそれぞれの上面の形状が矩形、円形、正方形、又は楕円形状であり、第2のピラー構造のそれぞれの上面の形状が矩形、円形、正方形、又は楕円形状であり、
第1のピラー構造のそれぞれの底面の形状が矩形、円形、正方形、又は楕円形状であり、第2のピラー構造のそれぞれの底面の形状が矩形、円形、正方形、又は楕円形状であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1のピラー構造のそれぞれの上面の幅が前記第1のピラー構造のそれぞれの底面の幅未満であり、かつ、前記第2のピラー構造のそれぞれの上面の幅が前記第2のピラー構造のそれぞれの底面の幅未満であり、
前記第1のピラー構造のそれぞれの上面の幅が0.16μm~0.4μmの範囲であり、前記第1のピラー構造のそれぞれの底面の幅が0.2μm~0.5μmの範囲であり、前記第2のピラー構造のそれぞれの上面の幅が0.16μm~0.4μmの範囲であり、前記第2のピラー構造のそれぞれの底面の幅が0.2μm~0.5μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1のピラー構造が全て同一であり、前記第2のピラー構造が全て同一であり、かつ前記第1のピラー構造が前記第2のピラー構造と異なり、
前記第1のピラー構造の屈折率は1.4~1.6の範囲であり、前記第2のピラー構造の屈折率は1.4~1.6の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記平面層の厚さが3.3μm~3.9μmの範囲であり、前記ピラーアレイ層の材料が前記平面層の材料とは異なることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記イメージセンサは、920nm~960nmの範囲の波長を有する光を受光するように構成され、
前記半導体基板は、第3のフォトダイオードをさらに備え、前記第3のフォトダイオードの上方の前記ピラーアレイ層の部分は、いかなるピラー構造も含まないことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードを有する半導体基板を調達し、
前記半導体基板上に光透過層を形成し、
ピラーアレイ層を形成するためにモールドによって前記光透過層をインプリントし、
前記ピラーアレイ層を形成するために前記モールドによって前記光透過層をインプリントした後、前記ピラーアレイ層を形成するために前記光透過層に硬化操作を実行し、
前記ピラーアレイ層上に平面層を形成し、
前記平面層上にマイクロレンズ層を形成することを含む、イメージセンサの製造方法であって、
前記ピラーアレイ層は前記第1のフォトダイオードの上方に配置された第1のピラーアレイと、前記第2のフォトダイオードの上方に配置された第2のピラーアレイとを有し、
前記第1のピラーアレイは複数の第1のピラー構造を含み、前記第2のピラーアレイは複数の第2のピラー構造を含み、全ての前記第1のピラー構造が第1の高さを有し、全ての前記第2のピラー構造が第2の高さを有し、かつ、前記ピラーアレイ層は、
前記第1のピラー構造のそれぞれの第1の高さが、前記第2のピラー構造のそれぞれの第2の高さと異なり、
それぞれの第1のピラー構造の底面は互いに接しており、それぞれの第2のピラー構造の底面は互いに接しており、
前記ピラーアレイ層の屈折率を前記半導体基板の屈折率未満とすることを特徴とするイメージセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサ及びそのイメージセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なイメージセンサは、通常、マイクロレンズ層と半導体基板とを有し、マイクロレンズ層は、半導体基板の上方に位置する。光はマイクロレンズ層を通過し、半導体基板内のフォトダイオードに吸収され得る。ただし、マイクロレンズ層と半導体基板とは屈折率が異なっている。また、光がマイクロレンズ層や半導体基板を通過する際に、光の反射が発生し得る。その結果、半導体基板中のフォトダイオードに吸収される光が減少する。また、光の回折により、光がマイクロレンズ層や半導体基板を通過する際にイメージセンサがペタルフレアを発生することがあり、これによりイメージセンサの性能が低下する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様は、イメージセンサを提供する。イメージセンサは、半導体基板、ピラーアレイ層、平面層、及びマイクロレンズ層を含む。半導体基板は、第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードを含む。ピラーアレイ層は、半導体基板上に配置され、ピラーアレイ層は、第1フォトダイオードの上方に配置された第1ピラーアレイと、第2フォトダイオードの上方に配置された第2ピラーアレイとを含む。第1のピラーアレイは複数の第1のピラー構造を含み、第2のピラーアレイは複数の第2のピラー構造を含み、全ての第1のピラー構造は第1の高さを有し、全ての第2のピラー構造は第2の高さを有する。ピラーアレイ層は、以下の条件の少なくとも1つを満たす。(1)それぞれの第1のピラー構造の第1の高さが、それぞれの第2のピラー構造の第2の高さと異なる。(2)2つの第1のピラー構造の間のピッチが、2つの第2のピラー構造の間のピッチと異なる。(3)それぞれの第1のピラー構造の形状が、それぞれの第2のピラー構造の形状と異なる。平面層はピラーアレイ層上に配置される。マイクロレンズ層は平面層上に配置される。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態によれば、それぞれの第1のピラー構造の第1の高さは、0.1μm~1.6μmの範囲であり、それぞれの第2のピラー構造の第2の高さは、0.1μm~1.6μmの範囲である。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、2つの第1のピラー構造の間のピッチは、0.3μm~0.5μmの範囲であり、2つの第2のピラー構造の間のピッチは、0.3μm~0.5μmの範囲である。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第1の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチよりも大きく、第2の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第2の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチと同じであり、第1の方向は、第2の方向に対して略垂直である。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第1の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチよりも大きく、第2の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第2の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチよりも大きく、第1の方向は、第2の方向に対して略垂直である。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第1の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチよりも大きく、第2の方向における2つの第1のピラー構造の間のピッチが、第2の方向における2つの第2のピラー構造の間のピッチよりも小さく、第1の方向は第2の方向に対して略垂直である。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のピラーアレイの配置はA×B配列であり、第2のピラーアレイの配置はC×D配列であり、A、B、C、Dは正の整数であり、AとBとは同じか異なり、かつCとDとは同じか異なる。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、A、B、C、及びDは、4~9の範囲である。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のピラー構造のそれぞれの上面の形状は、矩形、円形、正方形、又は楕円形状であり、第2のピラー構造のそれぞれの上面の形状は、矩形、円形、正方形、又は楕円形状である。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のピラー構造のそれぞれの底面の形状は、矩形、円形、正方形、又は楕円形状であり、第2のピラー構造のそれぞれの底面の形状は、矩形、円形、正方形、又は楕円形状である。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、それぞれの第1のピラー構造の上面の幅は、それぞれの第1のピラー構造の底面の幅未満であり、かつ、それぞれの第2のピラー構造の上面の幅は、それぞれの第2のピラー構造の底面の幅未満である。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、それぞれの第1のピラー構造の上面の幅は、0.16μm~0.4μmの範囲であり、それぞれの第1のピラー構造の底面の幅は0.2μm~0.5μmの範囲であり、それぞれの第2のピラー構造の上面の幅は、0.16μm~0.4μmの範囲であり、それぞれの第2のピラー構造の底面の幅は0.2μm~0.5μmの範囲である。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、全ての第1のピラー構造は同一であり、全ての第2のピラー構造は同一であり、第1のピラー構造は、第2のピラー構造と異なる。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のピラー構造の屈折率は、1.4~1.6の範囲にあり、第2のピラー構造の屈折率は、1.4~1.6の範囲である。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、平面層の厚さは3.3μm~3.9μmの範囲である。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ピラーアレイ層の材料は平面層の材料とは異なる。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、イメージセンサは、920nm~960nmの範囲の波長を有する光を受光するように構成される。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体基板は、第3のフォトダイオードをさらに含み、第3のフォトダイオードの上方のピラーアレイ層の部分は、いかなるピラー構造も含まない。
【0021】
本開示の一態様は、以下の工程を含むイメージセンサの製造方法を提供する。第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードを含む半導体基板を調達する。光透過層を半導体基板上に形成する。光透過層を、ピラーアレイ層を形成するためにモールドによりインプリントする。ピラーアレイ層は、第1のフォトダイオードの上方に配置された第1のピラーアレイと、第2のフォトダイオードの上方に配置された第2のピラーアレイとを含む。第1のピラーアレイは複数の第1のピラー構造を含み、第2のピラーアレイは複数の第2のピラー構造を含み、全ての第1のピラー構造は第1の高さを有し、全ての第2のピラー構造は第2の高さを有する。ピラーアレイ層は、以下の条件の少なくとも1つを満たす。(1)それぞれの第1のピラー構造の第1の高さが、それぞれの第2のピラー構造の第2の高さと異なる。(2)2つの第1のピラー構造の間のピッチが、2つの第2のピラー構造の間のピッチと異なる。(3)それぞれの第1のピラー構造の形状が、それぞれの第2のピラー構造の形状と異なる。平面層をピラーアレイ層上に形成する。マイクロレンズ層を平面層上に形成する。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、この方法は、ピラーアレイ層を形成するためにモールドによって光透過層をインプリントした後、ピラーアレイ層を形成するために光透過層に硬化操作を実行すること、をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の態様は、添付の図と共に読むと以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な構成が縮尺通りには描かれていないことに留意されたい。実際、様々な構成の寸法は、説明を明瞭にするために任意に拡大または縮小され得る。
【0024】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
【0025】
【0026】
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
【0027】
【0028】
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
【0029】
【0030】
【
図4】本発明のいくつかの実施形態によるピラーアレイ層の上面図である。
【0031】
【
図5A】本発明のいくつかの代替実施形態による第1のピラーアレイ又は第2のピラーアレイの上面図である。
【
図5B】本発明のいくつかの代替実施形態による第1のピラーアレイ又は第2のピラーアレイの上面図である。
【0032】
【
図6】本発明のいくつかの実施形態によるピラーアレイ層の上面図である。
【0033】
【
図7】
図6のピラーアレイ層を含むイメージセンサの断面図であり、
図6のA-A’線に沿う断面図である。
【0034】
【
図8】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法のフローチャートである。
【0035】
【
図9】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法の工程における断面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法の工程における断面図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法の工程における断面図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法の工程における断面図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施形態によるイメージセンサの製造方法の工程における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の開示は、提供された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本開示を単純化するために構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図するものではない。
例えば、以下の説明における第2の構成の上またはそれをまたぐ第1の構成の形成は、第1および第2の構成が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、また、第1および第2の構成が直接接触しないように、第1の構成と第2の構成との間に追加の構成が形成され得る実施形態を含んでもよい。加えて、本開示は、種々の実施例において参照番号および/または文字を繰り返してもよい。この繰り返しは、単純化および明瞭化を目的としており、それ自体では、説明される様々な実施形態および/または構成間の関係を示すものではない。任意の要素/構成要素の数は単なる例示のためのものであり、本開示を限定する意図はないことを理解されたい。
【0037】
さらに、上や下など(「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」など)の空間的に相対的な用語は、図に例示されるように、ある要素または構成と別の要素または構成との関係を記述するためのものであり、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図する。装置は、他の方向を向いていてもよく(90度または他の向きに回転してもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子(descriptors)も同様に解されてもよい。
【0038】
本開示のイメージセンサは、複数のピラー構造を有するピラーアレイ層を含み、前記ピラー構造がテーパー構造を有する。これらのピラー構造の屈折率はスムーズに変化する。そのため、光Lがマイクロレンズとフォトダイオードとの間のピラーアレイ層を通ってイメージセンサに入射した後、光Lが反射しにくくなるため、光Lの経路を広げることができ、フォトダイオードの光吸収率やイメージセンサの性能を高めることができる。また、ピラーアレイ層の複数のピラーアレイ間で高さ、ピッチ、形状を異ならせることができるため、光Lの回折により発生するペタルフレアを低減することができる。
【0039】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ100の断面図である。イメージセンサ100は、半導体基板110と、ピラーアレイ層120と、平面層130と、マイクロレンズ層140とを含む。半導体基板110は、第1のフォトダイオード112aと第2のフォトダイオード112bとを含む。第2のフォトダイオード112bは、方向Xに沿って第1のフォトダイオード112aの脇に配置されている。第1のフォトダイオード112aと第2のフォトダイオード112bとは、シールド素子114によって分離されている。シールド素子114は、第1のフォトダイオード112aと第2のフォトダイオード112b間の光の干渉を回避するように構成されている。第1のフォトダイオード112aおよび/または第2のフォトダイオード112bは、Siフォトダイオード、GeオンSiフォトダイオード、または他の適切なフォトダイオードからなっていてもよい。ピラーアレイ層120は、半導体基板110上に配置されている。ピラーアレイ層120は、第1のピラーアレイ122aと第2のピラーアレイ122bとを含むピラーアレイ122を含む。第2のピラーアレイ122bは、方向Xに沿って第1のピラーアレイ122aの脇に配置されている。平面層130は、ピラーアレイ層120上に配置されている。具体的には、平面層130は、第1フォトダイオード112a、第2のフォトダイオード112b、及び半導体基板110を覆っている。マイクロレンズ層140は、平面層130上に配置されている。つまり、ピラーアレイ層120は、平面層130に埋め込まれており、半導体基板110とマイクロレンズ層140との間にある。マイクロレンズ層140は、複数のマイクロレンズを含み、外部の光Lを受光するように構成されている。マイクロレンズ層140のそれぞれのマイクロレンズは、第1のピラーアレイ122aおよび第1のフォトダイオード112aと方向Zに整列し、マイクロレンズ層140のマイクロレンズのそれぞれは、方向Zにおいて、第2のピラーアレイ122bおよび第2のフォトダイオード112bと整列する。光Lは、マイクロレンズ層140、平面層130、及びピラーアレイ層120をZ方向に沿って通過できて、半導体基板110内の第1のフォトダイオード112a及び第2のフォトダイオード112bに向かうことができる。いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、930、940、または950nmなどの920nm~960nmの範囲の波長を有する光Lを受光するように構成されている。
【0040】
なお、
図1Aを参照されたい。ピラーアレイ層120の第1のピラーアレイ122aは、第1のフォトダイオード112aの上方に配置され、ピラーアレイ層120の第2のピラーアレイ122bは、第2のフォトダイオード112bの上方に配置されている。第1のピラーアレイ122aは、複数の第1のピラー構造124aを含み、全ての第1のピラー構造124aは、第1の高さH1を有する。第2のピラーアレイ122bは、複数の第2のピラー構造124bを含み、全ての第2ピラー構造124bは、第2の高さH2を有する。一実施形態では、それぞれの第1のピラー構造124aの第1の高さH1は、
図1Aに示すように、各第2のピラー構造124bの第2の高さH2とは異なる。本実施形態では、光Lの回折により発生するペタルフレアを低減できる。例えば、ピラーアレイ層120に印加される波長が約940nmの場合、ペタルフレアを約25%減少させ、イメージセンサ100の量子効率を約20%に維持できる。いくつかの実施形態では、第1の高さH1および第2の高さH2は、それぞれ、0.12、0.13、0.14、または0.15μmなどの0.1μm~1.6μmの範囲にある。
【0041】
いくつかの実施形態では、ピラーアレイ層120の第1のピラー構造124aおよび第2のピラー構造124bの屈折率は、それぞれ1.4~1.6の範囲、例えば1.5である。
図1Aの光L(下記の
図2Aおよび
図3Aにおいても)は、単に説明を容易にするために示されているに過ぎず、光Lが、ある媒質から別の媒質に入射すると、光Lの進行方向が変化することが理解できる。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ層140の屈折率が平面層130の屈折率未満であり、平面層130の屈折率がピラーアレイ層120の屈折率未満であり、かつピラーアレイ層120の屈折率が半導体基板110の屈折率未満である。具体的には、ピラー構造124a,124bがテーパー構造を有することにより、イメージセンサ100の屈折率が上から下に向かって徐々に増加するため、半導体基板110内の第1フォトダイオード112a及び第2フォトダイオード112bに向かって、光Lがマイクロレンズ層140、平面層130、ピラーアレイ層120を通過する際に、光Lの反射の可能性を低減できる。また、それぞれの第1のピラー構造124aの第1の高さH1は、それぞれの第2のピラー構造124bの第2の高さH2と異なるため、光Lの回折はイメージセンサ100のペタルフレアを低減するように改善でき、これによりイメージセンサ100の性能を高めることができる。いくつかの実施形態では、ピラーアレイ層120の第1のピラー構造124aおよび第2のピラー構造124bは、SiO
2およびSiNなどの誘電体材料を含む材料で構成してもよい。
【0042】
図1Aに示すように、ピラーアレイ層120の第1のピラー構造124a及び第2のピラー構造124bはテーパーのついた形状である。具体的には、第1のピラー構造124aの上面の幅Wa1は、それぞれの第1のピラー構造124aの底面の幅Wa2よりも小さい。それぞれの第2のピラー構造124bの上面の幅Wb1は、それぞれの第2のピラー構造124bの底面の幅Wb2よりも小さい。第1のピラー構造124a及び第2のピラー構造124bはテーパのついた構造であるため、第1のピラー構造124a及び第2のピラー構造124bの屈折率(上から下へ)が滑らかに増加し、これにより、第1のピラー構造124a及び第2のピラー構造124bが反射防止効果を発揮し、光Lの経路を延長することができる。その結果、半導体基板110における第1のフォトダイオード112aおよび第2のフォトダイオード112bは、所望の量の光Lを吸収してイメージセンサ100の性能を高めることができる。いくつかの実施形態では、それぞれの第1のピラー構造124aの上面の幅Wa1は0.16μm~0.4μmの範囲であり、それぞれの第1のピラー構造124aの底面の幅Wa2は0.2μm~0.5μmの範囲である。いくつかの実施形態では、それぞれの第2のピラー構造124bの上面の幅Wb1は0.16μm~0.4μmの範囲であり、それぞれの第2のピラー構造124bの底面の幅Wb2は0.2μm~0.5μmの範囲である。
【0043】
図1Aをもう一度参照されたい。いくつかの実施形態では、平面層130の厚さTは、3.4、3.5、3.6、3.7、または3.8μmなどの3.3μm~3.9μmの範囲である。例えば、ピラーアレイ層120の印加波長が940nm、かつ、平面層130の厚さTが3.5μmの場合、ペタルフレアを約32%減少させ、イメージセンサ100の量子効率を20%に維持することができる。いくつかの実施形態では、平面層130は、ポリマーを含む材料からなっていてもよい。いくつかの実施形態では、ピラーアレイ層120の材料は、平面層130の材料とは異なる。
【0044】
図1Bは、
図1Aのピラーアレイ層120の上面図である。第1のピラーアレイ122aにおける第1のピラー構造124aのそれぞれの上面は正方形状であり、第2のピラーアレイ122bにおける第2のピラー構造124bのそれぞれの上面は正方形状である。いくつかの実施形態では、第1のピラーアレイ122aの配置はA×Bアレイであり、第2のピラーアレイ122bの配置はC×Dアレイである。A、B、C、Dは正の整数で、AはBと異なるか等しく、CはDと異なるか等しい。いくつかの実施形態では、A、B、C、およびDは、5、6、7、または8などの4~9の範囲にある。具体的には、AがBに等しい場合(またはCがDに等しい場合)、4×4、5×5、6×6、7×7、8×8、または9×9の配列であってもよい。
図1Bに示すように、第1のピラーアレイ122aは4×4アレイであり、第2のピラーアレイ122bは4×4アレイである。一実施形態では、第1のピラーアレイ122aの全ての第1のピラー構造124aは同一であり、第2のピラーアレイ122bの全ての第2のピラー構造124bは同一であり、第1のピラー構造124aは、第2のピラー構造124bと異なる。AがBと異なる場合(またはCがDと異なる場合)、4×5、4×6、4×7、4×8、4×9、5×4、5×6、5×7、5×8、5×9、6×4、6×5、6×7、6×8、6×9、7×4、7×5、7×6、7×8、7×9、8×4、8×5、8×6、8×7、8×9、9×4、9×5、9×6、9×7、9×8アレイなどのランダムな配列であってもよい。本開示の第1のピラーアレイ122a及び第2のピラーアレイ122bのいくつかの実施形態について、以下に詳細に説明する。
【0045】
本明細書における「ピッチ」とは、方向Xのピッチと、方向Yのピッチとを含み、方向Xが方向Yに対して略垂直であることが理解される。
図1Aをもう一度参照されたい。本明細書における「ピッチ」とは、2つのピラー構造毎(例えば第1のピラー構造124a同士や第2のピラー構造124b同士)の距離によって定義され、ピッチは、ピラーアレイ(第1のピラーアレイ122aおよび第2のピラーアレイ122bなど)を形成するための繰り返し単位である。
図1A、
図1Bをもう一度参照されたい。第1のピラーアレイ122aと第2のピラーアレイ122bはいずれも4×4の配列であるため、方向Xにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1xは、方向Xにおける2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2xと同じであり、方向Yにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1yは、方向Yにおける2つの第2のピラー構造124bの間のピッチP2yと同じである。いくつかの実施形態では、2つの第1のピラー構造124aの間のピッチ(方向XのピッチP1xおよび方向YのピッチP1yを含む)は、0.3μm~0.5μmの範囲、例えば0.35、0.4、または0.45μmである。いくつかの実施形態では、2つの第2のピラー構造124bの間のピッチ(方向XのピッチP2xおよび方向YのピッチP2yを含む)は、0.3μm~0.5μmの範囲、例えば0.35、0.4、または0.45μmである。
【0046】
図2A、
図2B、
図2C、
図3A、
図3B、
図4、
図5A、
図5B、
図6、及び
図7は、イメージセンサ100の各種実施形態の断面図及び上面図を示す。なお、本明細書では、
図1A及び
図1Bに示された同一又は類似の構成を示すために符号を繰り返して示すものであり、上記の説明は、以下に説明する実施形態にも同様にあてはまり、その詳細は繰り返し説明しない。
【0047】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ100Aの断面図である。
図2B及び
図2Cは、
図2Aのピラーアレイ層120Aの上面の上面図である。具体的には、
図2Bのピラーアレイ層120A1及び
図2Cのピラーアレイ層120A2はいずれも、
図2Aのイメージセンサ100Aの上面の上面図である。
【0048】
図2Bを参照されたい。ピラーアレイ層120A1は、第1のピラーアレイ122a及び第2のピラーアレイ122bを含み、第1のピラーアレイ122aの配置が4×4配列であり、第2のピラーアレイ122bの配置が7×4配列である。具体的には、方向Xにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1xは、方向Xの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2xよりも大きく、方向Yの2つの第1のピラー構造124aの間のピッチP1yは、方向Yの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2yと同じである。いくつかの実施形態では、
図2Bに示すように、第1のピラーアレイ122aにおける第1のピラー構造124aの各上面は正方形状であり、第2のピラーアレイ122bにおける第2のピラー構造124bの各上面は、長方形状である。第1のピラー構造124aの数と第2のピラー構造124bの数とが異なるため、イメージセンサ100A(
図2A参照)のペタルフレアを低減するために光Lの回折を改善できる。
【0049】
図2Cを参照されたい。ピラーアレイ層120A2は、第1のピラーアレイ122a及び第2のピラーアレイ122bを含み、第1のピラーアレイ122aの配置が4×4配列であり、第2のピラーアレイ122bの配置が7×6配列である。具体的には、方向Xにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1xは、方向Xの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2xよりも大きく、方向Yの2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1yは、方向Yの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2yよりも大きい。第1のピラー構造124aの数と第2のピラー構造124bの数とが異なるため、イメージセンサ100A(
図2A参照)のペタルフレアを低減するために光Lの回折を改善できる。
【0050】
図2A、
図2B、
図2Cを参照すると、第1のピラー構造124aの全てが第1の高さH1であり、第2のピラー構造124bの全てが第2の高さH2であり、第1の高さH1が第2の高さH2と同じである。ただし、2つの第1のピラー構造124a間のピッチ(方向XのピッチP1xおよび/または方向YのピッチP1yを含む)は、2つの第2のピラー構造124b間のピッチ(方向XのピッチP2xおよび/または方向YのピッチP2yを含む)とは異なる。
【0051】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ100Bの断面図である。
図3Bは、
図3Aのピラーアレイ層120Bの上面の上面図である。
【0052】
図3Bを参照されたい。ピラーアレイ層120Bは、第1のピラーアレイ122a及び第2のピラーアレイ122bを含み、第1のピラーアレイ122aの配置は5×5配列であり、第2のピラーアレイ122bの配置は7×4配列である。具体的には、方向Xにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1xは、方向Xにおける2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2xよりも大きく、方向Yにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1yは、方向Yにおける2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2yよりも小さい。第1のピラー構造124aの数と第2のピラー構造124bの数とが異なるため、イメージセンサ100B(
図3A参照)のペタルフレアを低減するために光Lの回折を改善できる。
【0053】
図3A及び
図3Bを参照して、全ての第1のピラー構造124aは、第1の高さH1を有し、全ての第2のピラー構造124bは、第2の高さH2を有し、第1の高さH1は、第2の高さH2と同じである。ただし、2つの第1のピラー構造124a間のピッチ(方向XのピッチP1x及び方向YのピッチP1yを含む)は、2つの第2のピラー構造124b間のピッチ(方向XのピッチP2x及び方向YのピッチP2yを含む)とは異なる。
【0054】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるピラーアレイ層120Cの上面の上面図である。
図4に示すように、第1のピラーアレイ122aの配置は9×9配列であり、第2のピラーアレイ122bの配置は5×7の配列である。具体的には、方向Xにおける2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1xは、方向Xの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2xよりも小さく、方向Yの2つの第1のピラー構造124a間のピッチP1yは、方向Yの2つの第2のピラー構造124b間のピッチP2yよりも小さい。
【0055】
図5A及び
図5Bは、本開示のいくつかの代替実施形態による第1のピラーアレイ122a又は第2のピラーアレイ122bの上面の上面図である。
図5Aを参照して、それぞれの第1のピラー構造124aまたはそれぞれの第2のピラー構造124bの上面の形状は円形状である。
図5Bを参照して、それぞれの第1のピラー構造124aまたはそれぞれの第2のピラー構造124bの上面の形状は楕円形状である。それぞれの第1のピラー構造124aおよび/またはそれぞれの第2のピラー構造124bの上面の形状は、矩形、円形、正方形、または楕円形状であり得ることが理解される。いくつかの実施形態では、それぞれの第1のピラー構造124aおよび/またはそれぞれの第2のピラー構造124bの底面の形状は、矩形、円形、正方形、または楕円形状であり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの第1のピラー構造124aの形状は、それぞれの第2のピラー構造124bの形状とは異なる。第1のピラー構造124aの形状と第2のピラー構造124bの形状とが異なるため、イメージセンサのペタルフレアを低減するために光Lの回折を改善できる(
図1A、
図2A、
図3A参照)。
【0056】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるピラーアレイ層120Dの上面の上面図である。
図6は、16個の配列を示しており、これらの配列におけるそれぞれのピラー構造124の上面の形状は、矩形、円形、正方形、又は楕円形状である。ピラーアレイ層のいくつかの部分、例えば122bとピラーアレイ122dとの間の部分には、いかなるピラー構造も存在しないことがわかる。
【0057】
図7は、
図6のピラーアレイ層120Dを含むイメージセンサ100Cの断面図であり、
図6のA-A’線に沿った断面図である。
図7に示すように、ピラーアレイ層120Dは、複数のピラーアレイ122a,122b,122dを含む。具体的には、ピラーアレイ122aは、複数のピラー構造124aを含み、ピラーアレイ122bは、複数のピラー構造124bを含み、ピラーアレイ122dは、複数のピラー構造124dを含む。第3のフォトダイオード112cの上方のピラーアレイ層120Dの部分には、いかなるピラー構造(例えば、ピラー構造124a、124b、124d)も含まれていないことを注目されたい。ピラー構造124aの高さHaと、ピラー構造124bの高さHbと、ピラー構造124dの高さHdとは、互いに異なっている。高さHa、高さHb、および高さHdは、上で論じたのと同一または類似の特徴を有することが理解される。方向Xの2つのピラー構造124a間のピッチPaxと、方向Xの2つのピラー構造124b間のピッチPbxと、方向Xの2つのピラー構造124d間のピッチPdxとが互いに異なっている。ピッチPax、ピッチPbx、およびピッチPdxは、上で論じたのと同一または類似の特徴を有することが理解される。
【0058】
図1A、
図2A、
図3Aをもう一度参照されたい。イメージセンサ100,100A,100Bのピラーアレイ層120,120A,120Bにおいて、第1のピラーアレイ122aにおける全ての第1ピラー構造124aは、同じ第1の高さH1を有し、第2のピラーアレイ122bにおける全ての第2ピラー構造124bは、同じ第2の高さH2を有する。ピラーアレイ層120は、以下の条件の少なくとも1つを満たす:
(1)それぞれの第1のピラー構造124aの第1の高さH1が、それぞれの第2のピラー構造124bの第2の高さH2と異なる(
図1A及び
図1B参照)。
(2)2つの第1のピラー構造124a間のピッチ(方向XのピッチP1xおよび/または方向YのピッチP1yを含む)が、2つの第2のピラー構造124b間のピッチ(方向XのピッチP2xおよび/または方向YのピッチP2yを含む)と異なる(
図2A、
図2B、
図2C、
図3A、
図3B、および
図4参照)。
(3)それぞれの第1のピラー構造124aの形状が、それぞれの第2のピラー構造124bの形状と異なる(
図2B、
図2C、
図3B、
図4、
図5A、及び
図5B参照)。
【0059】
図8は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ100を製造する方法800のフローチャートである。
図9~
図13は、本開示のいくつかの実施形態に係るイメージセンサ100の製造方法800の各工程における断面図である。
【0060】
方法800は、ステップS1~ステップS5を含む。
図8のステップS1では、第1のフォトダイオード112a及び第2のフォトダイオード112bを含む半導体基板110を調達する。
図8のステップS2では、
図9に示すように、半導体基板110上に光透過層910を形成する。いくつかの実施形態では、光透過層910は、感光性ベース樹脂を含む材料からなっていてもよい。
図8のステップS3では、光透過層910をモールド1010によりインプリントしてピラーアレイ層120を形成する。ピラーアレイ層120は、
図10及び
図11に示すように、第1のフォトダイオード112aの上方に配置された第1のピラーアレイ122a及び第2のフォトダイオード112bの上方に配置された第2のピラーアレイ122bを含む。いくつかの実施形態では、インプリントプロセスは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)プロセスであってもよい。いくつかの実施形態では、モールド1010は、ポリマーを含む材料からなっていてもよい。
図10を参照して、モールド1010は、第1の凹部1012aと第2の凹部1012bとを含み、第1の凹部1012aの深さが第2の凹部1012bの深さとは異なる。モールド1010の第1の凹部1012aおよび第2の凹部1012bは、リソグラフィー、レーザー直接描画リソグラフィー、エッチングおよびダイヤモンド旋削加工により形成することができる。いくつかの実施形態では、モールド1010の第1の凹部1012aおよび第2の凹部1012bの形状は、矩形、円形、正方形、または楕円形状である。
図11を参照して、ステップS3の後、光透過層910に対して硬化操作を行い、第1のピラーアレイ122a及び第2のピラーアレイ122bを含むピラーアレイ層120を形成する。
図12を参照して、硬化操作後、ピラーアレイ層120及び半導体基板110からモールド1010を取り外す。つまり、モールド1010の形状がピラーアレイ層120上に転写される。
図8のステップS4では、
図13に示すように、ピラーアレイ層120上に平面層130を形成する。具体的には、平面層130は、ピラーアレイ層120及び半導体基板110を被覆する。いくつかの実施形態では、平面層130は、コーティングプロセスによって形成される。
図8のステップS5では、平面層130上にマイクロレンズ層140を形成する。
【0061】
本開示のイメージセンサは複数のピラー構造を含み、それぞれのピラーアレイは複数のピラー構造を有する。全てのピラー構造はテーパー構造であるため、テーパー構造の屈折率が滑らかに変化する。そのため、マイクロレンズとフォトダイオードとの間のピラーアレイ層を通ってイメージセンサに入射した光Lは、反射しにくくなるため、光の経路を広げることができ、フォトダイオードの光の吸収率やイメージセンサの性能が向上する。
それぞれのピラーアレイ内のすべてのピラー構造は同じ高さである。なお、ピラー構造の高さ、ピッチ(方向Xのピッチ及び方向Yのピッチを含む)、及び形状は、複数のピラーアレイ間で異ならせることにより、光Lの回折により発生するペタルフレアを削減できる。
【0062】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書で紹介した実施形態の同じ目的を実行し、かつ/または同じ利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、および同業者が本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および変更を行い得ることを認識すべきである。
【符号の説明】
【0063】
100、100A、100B、100C イメージセンサ
110 半導体基板
112a 第1のフォトダイオード
112b 第2のフォトダイオード
112c 第3のフォトダイオード
120、120A、120A1、120A2、120B、120C、120D ピラーアレイ層
122、122d ピラーアレイ
122a 第1のピラーアレイ
122b 第2のピラーアレイ
124、124d ピラー構造
124a 第1のピラー構造
124b 第2のピラー構造
130 平面層
140 マイクロレンズ層
800 方法(イメージセンサの製造方法)
910 光透過層
1010 モールド
H1、H2、Ha、Hb、Hd 高さ
L 光
P1x、P2x、P1y、P2y、Pax、Pbx、Pdx ピッチ
T 厚さ
Wa1 第1のピラー構造の上面の幅
Wa2 第1のピラー構造の底面の幅
Wb1 第2のピラー構造の上面の幅
Wb2 第2のピラー構造の底面の幅
X、Y、Z 方向