(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】反応性ストラップとともに使うためのチューニングブロック方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/07 20060101AFI20240627BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20240627BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20240627BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G06K19/07 260
H01Q9/16
H01Q7/00
G06K19/077 280
G06K19/077 296
(21)【出願番号】P 2022540472
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020067210
(87)【国際公開番号】W WO2021134074
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン ジェイ.
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-021840(JP,A)
【文献】特表2010-515119(JP,A)
【文献】特開2010-135945(JP,A)
【文献】特表2006-521632(JP,A)
【文献】特開2003-224415(JP,A)
【文献】特開2015-130056(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0123553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
17/00-19/18
H01Q 5/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDチップ及び前記RFIDチップに接続された導電性リングを含む反応性ストラップと、
反応性ストラップに結合されるように構成されたアンテナと、
反応性ストラップの付近に位置し、前記反応性ストラップの一部に重なり、前記アンテナから離隔および分離されたチューニングブロックセットであって、RFID装置の共振周波数がチューニングブロックセットの形状及び少なくとも反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの重なりの程度のうちの少なくとも一つによって少なくとも部分的に決定されるチューニングブロックセットと、
を含
み、
前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して横方向に均一な寸法を有するチューニングブロックを含む、
RFID装置。
【請求項2】
RFIDチップ及び前記RFIDチップに接続された導電性リングを含む反応性ストラップと、
反応性ストラップに結合されるように構成されたアンテナと、
反応性ストラップの付近に位置し、前記反応性ストラップの一部に重なり、前記アンテナから離隔および分離されたチューニングブロックセットであって、RFID装置の共振周波数がチューニングブロックセットの形状及び少なくとも反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの重なりの程度のうちの少なくとも一つによって少なくとも部分的に決定されるチューニングブロックセットと、
を含
み、
前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して横方向に不均一な寸法を有するチューニングブロックを含む、
RFID装置。
【請求項3】
前記チューニングブロックセットは一つ以上のチューニングブロックを含む、請求項1に記載のRFID装置。
【請求項4】
前記反応性ストラップ、前記アンテナ、及び前記チューニングブロックセットのうちの少なくとも一部に付着される基板をさらに含む、請求項1に記載のRFID装置。
【請求項5】
前記チューニングブロックセットは少なくとも部分的に金属材料、無機化合物材料及び/またはセラミック材料から形成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項6】
前記導電性リング及び前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対する前記チューニングブロックセットの位置と前記RFID装置の共振周波数の変化との間に線形関係があるように構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項7】
前記導電性リング及び前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対する前記チューニングブロックセットの位置と前記RFID装置の共振周波数の変化との間に非線形関係があるように構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項8】
前記導電性リング及び前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対する前記チューニングブロックセットの位置と前記RFID装置の共振周波数変化との間に段階的関係があるように構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項9】
前記チューニングブロックセットは前記反応性ストラップに対して複数の軸で変化する 位置に位置するように構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項10】
前記チューニングブロックセットは前記アンテナのいずれの部分とも重ならない、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項11】
前記チューニングブロックセットは前記アンテナの一部と重なる、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項12】
前記アンテナはモノポールアンテナとして構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項13】
前記チューニングブロックセットは可変の大きさを有する、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項14】
前記チューニングブロックセットは前記導電性リングの一部と重なることにより前記RFID装置の共振周波数の変更を引き起こすように構成される、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項15】
RFID装置の共振周波数を設定するために前記RFID装置の反応性ストラップに対してチューニングブロックセットを配置するステップであって、前記反応性ストラップは導電性リングおよび前記導電性リングに接続されたRFIDチップを含み、前記チューニングブロックセットの一部は前記反応性ストラップに重なり、前記チューニングブロックセットは前記RFID装置のアンテナから離隔および分離される、チューニングブロックセットを配置するステップと、
前記RFID装置の共振周波数を規定するために前記反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの重なりの位置を固定するステップと、
を含
み、
前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して横方向に均一な寸法を有するチューニングブロックを含む、
チューニングされたRFID装置を形成する方法。
【請求項16】
RFID装置の共振周波数を設定するために前記RFID装置の反応性ストラップに対してチューニングブロックセットを配置するステップであって、前記反応性ストラップは導電性リングおよび前記導電性リングに接続されたRFIDチップを含み、前記チューニングブロックセットの一部は前記反応性ストラップに重なり、前記チューニングブロックセットは前記RFID装置のアンテナから離隔および分離される、チューニングブロックセットを配置するステップと、
前記RFID装置の共振周波数を規定するために前記反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの重なりの位置を固定するステップと、
を含
み、
前記チューニングブロックセットは、前記反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して横方向に不均一な寸法を有するチューニングブロックを含む、
チューニングされたRFID装置を形成する方法。
【請求項17】
前記RFID装置は、前記反応性ストラップ、前記アンテナ、及び前記チューニングブロックセットのうちの少なくとも一部に付着される基板をさらに含む、
請求項
15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記反応性ストラップに対して前記チューニングブロックセットを配置するステップは、前記チューニングブロックセットの一部が前記導電性リングの一部と重なるようにするステップを含む、
請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記反応性ストラップに対する前記チューニングブロックセットの位置と前記RFID装置の共振周波数の変化との間に線形関係がある、または
前記反応性ストラップに対する前記チューニングブロックセットの位置と前記RFID装置の共振周波数変化との間に非線形関係がある、
請求項
15または請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2019年12月28日付で出願された米国仮特許出願第62/954,474号の優先権を主張し、その全体の内容はこの明細書に参照として含まれる。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグ及びラベル(本明細書で「装置」と総称する)は物体を識別コードと関連させるために広く使われる。RFID装置は一般的にアンテナと、例えば通信電子装置、データメモリ及び制御ロジックを含み得るアナログ及び/またはデジタル電子装置との組合せを有する。例えば、RFIDタグは自動車の安全ロック装置とともに使われ、建物に対するアクセス制御と在庫及び小包追跡に使われる。
【0003】
一番基本的に、RFID装置はアンテナに結合されたRFIDチップ(RFIDストラップに組み込まれ得る)を含む。典型的には、RFIDストラップは、例えばストラップの導電性パッドにアンテナを接続することで、アンテナに容量的にまたは伝導的に結合される。RFIDストラップは、その代わりに、RFIDチップが導電性リングに連結される反応性ストラップとして構成され得る。関連のアンテナに接続される代わりに、反応性ストラップはそのアンテナから離隔し、その代わりに磁場及び/または電場を介してリアクタンスによってアンテナに結合される。
【0004】
アンテナに容量的にまたは伝導的に接続されたRFIDストラップの場合、アンテナの構成は結果的なRFID装置の周波数を調整するように変更され得る。しかし、反応性ストラップはRFIDチップのキャパシタンス及び導電性リングのインダクタンスによって決定される共振周波数を有するので、アンテナを再構成しても非反応性ストラップの場合と同じ効果を有しないであろう。言い替えれば、反応性ストラップは容量的にまたは伝導的に結合されたストラップの場合にチューニングループの一部であり得る一方で、反応性ストラップはチューニングループであり得る。
【0005】
より具体的には、反応性ストラップを含むRFID装置のアンテナ応答は2個の基本極を含むか2個の基本極から構成されることができ、その一つは反応性ストラップの共振周波数に係わり、他の一つはアンテナに係わる。反応性ストラップとアンテナとの間の結合と周波数領域での相対位置は、例えば、特定の周波数で、かつ誘電体のローディング及び金属または他のRFID装置に対する接近を伴う用途にRFID装置の性能を最適化するのに使われることができる。
【0006】
従来のRFIDチップでは、RFIDチップのキャパシタンスを調整して反応性ストラップの共振周波数を調整することができない。反応性ストラップは多くの要因(例えば、反応性ストラップが究極に連関する物品の特性)によって相異なる周波数でもっとうまく遂行することができるので、チューニング可能なRFIDチップ(すなわち、調整可能なキャパシタンスを有するもの)を提供すると知られている。特に、RFIDチップがRFIDリーダーから信号を受信するときに電源を入れようと試みるとき、その自動調整回路は複数のチューニング可能なキャパシタのそれぞれに対して当該キャパシタが関連アンテナからRFIDチップが受信する電力を最大化するために電流の流れを受けるかを自動で決定するであろう。RFIDチップが感度を高めるためにキャパシタンスを自動で調整することができるこのような機能は一般的に「自動チューニング」という。
【0007】
チューニング可能なRFIDチップが固定周波数RFIDチップに対する改善であることができるが、欠点がないものではない。例えば、すべてのチューニング可能なキャパシタは、RFIDチップが電源を入れようとする度にチューニングされる。通常、各チューニング可能なキャパシタはRFIDチップが電源を入れようとするときに電流の流れを受けるであろう。開始キャパシタンス(各キャパシタが電流の流れを受信)によってアンテナとRFIDチップとの間の不一致が発生して、自動チューニング回路に十分でない電力が伝達されるので、より高水準の電力(低感度とRFID装置がRFIDリーダーにもっと近くなる必要性とに係わる)が自動チューニングプロセスを始めてRFIDチップが作動スレッショルドに到逹するように伝達される電力を最適化する必要がある場合があり得る。
【0008】
よって、他のメカニズムを介して調整可能な共振周波数を有する反応性ストラップを提供することが有利であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下で説明し請求する装置及びシステムで個別的にまたは一緒に具現されることができる本発明のいくつかの様態がある。これらの様態は単独でまたはこの明細書に説明する発明対象のその他の様態とともに具現されることができ、これらの様態を一緒に説明することはこのような様態を別に使うか、本明細書に添付する特許請求の範囲に開示されるようにこのような様態を個別的に使用するかあるいは別々にまたは相異なる組合せで請求することを排除するものはない。
【0010】
いくつかの実施形態で、RFID装置は、RFIDチップ及びRFIDチップに接続された導電性リングを有する反応性ストラップを含む。RFID装置は、反応性ストラップに結合されるように構成されたアンテナと、反応性ストラップ付近に位置するチューニングブロックセットとを含むことができ、RFID装置の共振周波数は、チューニングブロックセットの形状及び少なくとも反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの位置のうちの少なくとも一つによって少なくとも部分的に決定される。
【0011】
いくつかの実施形態で、チューニングブロックセットは、一つ以上のチューニングブロックを含むことができる。RFID装置は、反応性ストラップ、アンテナ、及びチューニングブロックセットのうちの少なくとも一部に付着される基板を含むことができる。チューニングブロックは少なくとも部分的に金属材料、無機化合物材料、及び/またはセラミック材料から形成されることができる。チューニングブロックセットは、チューニングブロックが反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して少なくとも実質的に均一な寸法を有するチューニングブロックを含むことができる。チューニングブロックセットは、チューニングブロックが反応性ストラップに対して移動するように構成される方向に対して横方向に不均一な寸法を有するチューニングブロックを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態で、導電性リング及びチューニングブロックセットは、反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの移動及び/または位置とRFID装置の共振周波数の変化との間に実質的に線形関係があるように構成されることができる。導電性リング及びチューニングブロックセットは、反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの移動及び/または位置とRFID装置の共振周波数変化との間に非線形関係があるように構成されることができる。
【0013】
いくつかの実施形態で、導電性リング及びチューニングブロックセットは、反応性ストラップに対するチューニングブロックセットの位置とRFID装置の共振周波数の変化との間に段階的関係があるように構成されることができる。チューニングブロックセットは反応性ストラップに対して複数の軸での移動及び/または位置付けができるように構成されることができる。チューニングブロックセットは、アンテナの何の部分とも重畳しないことができる。チューニングブロックセットはアンテナの一部と重畳することができる。アンテナはモノポール(monopole)アンテナから構成されることができる。チューニングブロックセットは可変大きさを有することができる。チューニングブロックセットは導電性リングの一部と重畳することによってRFID装置の共振周波数を変更するように構成されることができる。チューニングブロックセットは、導電性リングの何の部分とも重畳せずにRFID装置の共振周波数を変更するように構成されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態で、同調RFID装置を形成する方法は、RFID装置の共振周波数を設定するためにRFID装置の反応性ストラップに対してチューニングブロックセットを配置する段階を含むことができ、ここでRFID装置は、アンテナと、RFIDチップ及び前記RFIDチップに接続された導電性リングを有する反応性ストラップとを含むことができる。また、この方法は、RFID装置の共振周波数を規定するために反応性ストラップに対してチューニングブロックセットの位置を固定する段階を含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態で、チューニングブロックセットは一つ以上のチューニングブロックを含むことができる。RFID装置は、反応性ストラップ、アンテナ、及びチューニングブロックセットのうちの少なくとも一部に付着される基板を含むことができる。反応性ストラップに対してチューニングブロックセットを配置する段階は、チューニングブロックセットの一部が導電性リングの一部と重畳するようにする段階を含むことができる。反応性ストラップに対してチューニングブロックセットを配置する段階は、チューニングブロックセットが導電性リングのどの部分とも重畳することを防止する段階を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】いくつかの実施形態によるチューニングブロックを含む例示的なRFID装置の概略図である。
【0017】
【
図2】
図1のRFID装置のチューニングブロックの位置と共振周波数との間の関係を例示する図である。
【0018】
【
図3】いくつかの実施形態によるチューニングブロックを含む例示的なRFID装置の他の実施形態の概略図である。
【0019】
【
図4】
図3のRFID装置のチューニングブロックの位置と共振周波数との間の関係を例示する図である。
【0020】
【
図5】いくつかの実施形態によるチューニングブロックを含む他の例示的なRFID装置の概略図である。
【0021】
【
図6】
図5のRFID装置のチューニングブロックの位置と共振周波数との間の関係を例示する。
【0022】
【
図7】いくつかの実施形態によるチューニングブロックを含むさらに他の例示的なRFID装置の概略図である。
【0023】
【
図8】いくつかの実施形態によるチューニングブロックを含む例示的なRFID装置のさらに他の実施形態の概略図である。
【0024】
【
図9A】いくつかの実施形態による例示的な導電性リングの概略図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による例示的な導電性リングの概略図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による例示的な導電性リングの概略図である。
【0025】
【
図10A】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【
図10C】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【
図10D】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【
図10E】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【
図10F】いくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。
【0026】
【
図11】いくつかの実施形態によるチューニングブロックの位置とRFID装置の共振周波数との間の関係を例示する図である。
【0027】
【
図12A】いくつかの実施形態によるRFID装置の組立工程を例示する図である。
【
図12B】いくつかの実施形態によるRFID装置の組立工程を例示する図である。
【
図12C】いくつかの実施形態によるRFID装置の組立工程を例示する図である。
【
図12D】いくつかの実施形態によるRFID装置の組立工程を例示する図である。
【0028】
【
図13】いくつかの実施形態によるRFID装置の構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
要求に応じて、ここで本発明の詳細な実施形態を開示するが、開示された実施形態は多様な形態に具現可能な本発明の例示であるだけであることを理解しなければならない。したがって、本明細書に開示する特定の詳細事項は制限するものと解釈されるべきではなく、ただ特許請求の範囲に対する基礎としてかつ事実上どの適切な方式でも本発明を多様に使うように当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されなければならない。
【0030】
図1はいくつかの実施形態によるRFID装置10Aの例示的な実施形態を示す。RFID装置10Aは、導電性リング16Aに接続されたRFIDチップ14を有する反応性ストラップ12Aを含む。反応性ストラップ12Aは、特にRFID装置10Aの他の構成要素と組み合わせられるように構成されることができるか、その他の設計を有することができる。例えば、
図1のようないくつかの実施形態で、導電性リング16Aは高い縦横比(すなわち、高さよりかなり大きい幅)を有する実質的に長方形であることができる。かなり大きいというのは、10-20%、20-30%、30-40%、40-50%、50-60%、60-80%、または80-100%の分だけ大きいことを意味するか、または幅が2-3倍、3-5倍、5-10倍、または10-100倍またはそれ以上のような高さの倍数であることを意味することができる。
【0031】
他のいくつかの実施形態は、部分的に、実質的にまたは完全に環形であるか他の形状を有する導電性リングを含むことができ、これは
図9A~
図9Cを参照して以下でより詳細に説明する。本発明によるRFID装置に組み込まれた導電性リングが高
い縦横比を有することが有利であるが、多様な実施形態は中
程度の縦横比または低
い縦横比を有することができる。
【0032】
導電性リング16Aは、第1側面30、第2側面32、第3側面34、及び第4側面36を含むことができる。第1側面30及び第3側面34はY軸方向に測定された幅とともにX軸方向に延びる長さを有することができる。第2側面32及び第4側面36はX軸方向に測定された幅とともにY軸方向に延びる長さを有することができる。第1側面30、第2側面32、第3側面34及び第4側面36の場合、長さは幅より1-2倍、2-6倍、6-10倍、10-20倍、20-40倍、40-100倍、100-1000倍、またはそれ以上の因数だけ大きくなることができる。第1側面30及び第3側面34のそれぞれは第2側面32及び第4側面36のそれぞれの長さより大きな長さを有することができる。
【0033】
図1のRFID装置10Aのようないくつかの実施形態は、アンテナ18Aを含む。アンテナ18Aはダイポールアンテナとして
図1に例示されているが、他の実施形態は他のアンテナを使うことができる。反応性ストラップ12Aに容量的にまたは伝導的に連結される代わりに、アンテナ18Aは反応性ストラップ12Aから離隔し、磁場及び/または電場を介してリアクタンスによって反応性ストラップ12Aに結合されることができる。反応性ストラップ12A及びアンテナ18Aは基板28及び/またはバッキング材上に配置されることができる。アンテナ18Aに対する反応性ストラップ12Aの位置はいくつかの実施形態で変わることができる。例示の実施形態で、反応性ストラップ12Aは、ダイポールアンテナの場合、その中心にあり得る最高磁場及び最低電場の領域に隣接して配置される。
【0034】
アンテナ18Aは、第1部分38、第2部分40、及び第3部分42を含むことができる。第1部分38及び第3部分42はX軸方向に測定された幅とともにY軸方向に延びる長さを有することができる。第2部分40はY軸方向に測定された幅とともにX軸方向に延びる長さを有することができる。第1部分38、第2部分40、及び第3部分42の場合、長さは幅より1-2倍、2-6倍、6-10倍、10-20倍、20-40倍、40-100倍、100-1000倍またはそれ以上の分だけ大きくなることができる。
【0035】
いくつかの実施形態で、第1部分38は第2側面32から離隔し、これに近接することができる。第2部分40は第3側面34から離隔し、これに近接することができる。第3部分42は第4側面36から離隔し、これに近接することができる。
【0036】
いくつかの実施形態で、反応性ストラップ12A及びアンテナ18Aに加えて、RFID装置10Aはチューニングブロック20Aをさらに含む。チューニングブロック20Aは、
例えばRFID装置10Aの製造中
に、反応性ストラップ12Aに対して多様な位置に移動及び/または配置されるように構成され
得る。このような移動及び/または配置変化は水平方向または軸(例えば、X軸)
に沿っての移動及び/または位置変化として
図1に例示されているが、チューニングブロック20Aはその代わりに他の方
向または軸(例えば、Y軸またはZ軸、またはX、Y及びZ軸の組合
せ)に沿って移動することができ、これはチューニングブロック20Aが反応性ストラップ12Aに対して複数の軸のうちの一つ以上の軸
に沿って移動することを含
み得る。例えば、Z軸に沿ってチューニングブロック20Aを移動させるためには、チューニングブロック20Aと反応性ストラップ12Aとの間に一つ以上の材料層を配置する必要があり得る。
【0037】
チューニングブロック20Aは、反応性ストラップ12Aに対する位置を変更することによりRFID装置10Aの共振周波数を変更または「チューニング(tune)」するように構成される。チューニングブロック20Aが所望の共振周波数を生成する位置に移動及び/または配置されると、反応性ストラップ12Aに対するその位置が、RFID装置10Aの共振周波数を規定及び維持するために、任意の適切な方法で(例えば、チューニングブロック20AをRFID装置10Aの他の構成要素と同じ基板に固定することにより)固定され得る。固定は、導電性または非導電性の接着剤、溶接、クランピング、積層、ファスナーまたはその他の方法を用いてなされ得る。チューニングブロック20Aは、基板28、導電性リング16A、及び/またはアンテナ18Aのうちの一つ以上に固定され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、チューニングブロック20Aは、所望の位置に移動し、基板28、導電性リング16A、及び/またはアンテナ18Aに対して定位置に一時的に固定され得る固体構成要素である。他の実施形態において、チューニングブロック20Aは、既知の、事前にテストされ、そして/あるいは予測された共振周波数特性を得るために、RFID装置10Aに対して所望の位置に移動して定位置に固定され得る。いくつかの実施形態で、チューニングブロック20Aは、例えば3Dプリンティング、ペインティング、電気メッキ、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング、またはその他の製造技術によって所望の位置に生成及び/または製造される。
【0039】
いくつかの実施形態では、チューニングブロック20Aはまず所定の位置に(例えば、基板28上に)固定され得る。そして、アンテナ18A及び導電性リング16Aのうちの一つ以上は、所望の共振周波数特性を有するRFID装置10Aを得るために、所定の位置に固定される前にチューニングブロック20Aに対して動かされ得る。いくつかの実施形態では、チューニングブロック20A、アンテナ18A、及び導電性リング16Aのうちの一つ以上は、RFID装置10Aの所望の共振周波数特性を得るために、所望の位置に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、チューニングブロック20Aは、導電性リング16Aの上に形成または配置され得る。これにより、導電性リング16Aがチューニングブロック20Aと基板28との間に配置されるようにすることができる。いくつかの実施形態では、導電性リング16Aは、チューニングブロック20Aの上に形成または配置され得る。これにより、チューニングブロック20Aが導電性リング16Aと基板28との間に配置されるようにすることができる。
【0040】
基板28は部分的にまたは全体的に非導電性材料から形成されることができる。アンテナ18A、導電性リング16A、及びチューニングブロック20Aのうちの一つ以上は部分的にまたは全体的に導電性材料から形成されることができる。本明細書で説明する構成要素の一部または全部を形成するのに使用可能な材料は、プラスチック、ガラス、金属、木材、紙、ボール紙、炭素繊維、セラミック及び/または金属ホイルのうちの一つ以上を含むことができる。
【0041】
開示されたシステム及び方法を使うことにより、広く相異なる用途に用いられるRFID装置(例えば、衣類に適用されるRFID装置、自動車フロントガラスに適用されるRFID装置)に単一セットの構成要素が使われることができ、チューニングブロック20Aの相対位置は適切な共振周波数を規定するように選択される。
【0042】
図1に示すようないくつかの実施形態
において、反応性ストラップ12Aの少なくとも一部とチューニングブロック20Aの少なくとも一部との間に
重なりが生じるようにチューニングブロック20A及び反応性ストラップ12Aのうちの一方または両方を移動及び/または形成す
ることにより、反応性ストラップ12Aの少なくとも一特性(例えば、インダクタンス)の変化を引き起こすことができ、これはRFID装置10Aの共振周波数の変化をもたらす。チューニングブロック20Aの構成に
依存して、
重なりの程度
の増加は、RFID装置10Aの共振周波数を増加させ
る(例えば、
重なりの程度が減少すればRFID装置10Aの共振周波数が減少)
、またはRFID装置10Aの共振周波数を減少させる(例えば、
重なりの程度が減少すればRFID装置10Aの共振周波数が増加)。
【0043】
図1のチューニングブロック20Aは実質的な正方形構造を有するものとして示されており、チューニングブロック20Aはアンテナ18Aから離隔して分離されている。Y軸
に沿った方向であってチューニングブロック20Aが反応性ストラップ12Aに対して移動及び/または選択的に配置または形成される方向(例えば、X軸方向)を
横切る方向におけるチューニングブロック20Aの寸法dを少なくとも実質的に均一な寸法
にすることにより、
図2に示すように、反応性ストラップ12Aに対するチューニングブロック20Aの位置変化とRFID装置10Aの共振周波数の関連
する変化との間に線形関係があ
るようにすることができる。しかし、いくつかの実施形態
において、チューニングブロックの相対位置変化とRFID装置の共振周波数の結果的な変化との間に非線形
の関係があ
ってもよい。チューニングブロック及び導電性リングの相対位置とその結果のRFID装置10Aの共振周波数との間の多様な関係は
、チューニングブロックの形状及び/または導電性リングの形状に
依存して適用され
得る。導電性リングの形状のいくつかの追加例が
図9A~
図9Cに開示されており、チューニングブロックの形状のいくつかの追加例が
図10A~10fに開示されている。
【0044】
図1について先に論議した実施形態について説明した材料及び方法は本発明の残りの実施形態にも適用可能であり、
図3~
図13の実施形態に限定されない。
【0045】
図3は
図1のチューニングブロック20Aと異なる構成を有するチューニングブロック20BがあるRFID装置10Aを示し、これは、
図4に示すように、反応性ストラップ12Aに対するチューニングブロック20Bの位置変化とRFID装置10Bの共振周波数の関連変化との間に異なる非線形関係をもたらすことができる。いくつかの実施形態で、
図3のチューニングブロック20Aは三角形として構成され、その一コーナーは(移動方向及び/または位置設定変化によって)反応性ストラップ12Aに対して移動するときチューニングブロック20Aの先端または後端である。チューニングブロック20Bは、第1端部52、第2端部54、第1側面56、第2側面58、及び第3側面60を含むことができる。チューニングブロック20Bは第2端部54から第1端部52までテーパーをなすことができ、第1端部52は第1側面56と第3側面60との交差によって規定されるコーナーであり得る。
【0046】
図3はチューニングブロックが関連の反応性ストラップに対して移動及び/または配置される方向(例えば、X軸)を横断するY軸に沿って測定された不規則であるか一定でない寸法Dを有するチューニングブロックに対する可能な一構成を示すが、他の構成も可能であることを理解しなければならない。
【0047】
図4に示すように、関連の反応性ストラップ12Aに対する
図3のチューニングブロック20Aの図示の移動及び/または配置は、チューニングブロック20Bと反応性ストラップ12Aとの間に多少の重畳があるので、2次多項式の形態の非線形的な位置対周波数の関係をもたらすことができる。しかし、チューニングブロック20B及び/または反応性ストラップ12Aの構成、及び/またはチューニングブロック20Aと反応性ストラップ12Aとの間の相対移動及び/または位置変化の特性は多様な位置対周波数の関係のうちの任意の関係をもたらすように変化されることができる。導電性リング16Aに対する追加変形は
図9A~
図9Cで見つけることができ、チューニングブロック20A-Bに対する追加変形は
図10A~
図10Fで見つけることができる。
【0048】
例えば、
図5は反応性ストラップの構成(チューニングブロックの構成または相対移動及び/または配置の特性ではない)が位置対周波数の関係の特性を変化させるようにどのように修正されるかを例示する。
図5の実施形態で、チューニングブロック20Aは
図1と同様に構成され、チューニングブロック20が反応性ストラップ12Bに対して移動及び/または位置変化する方向を横断する少なくとも実質的に均一な寸法を有する。この場合も、多様な実施形態で、チューニングブロック、反応性ストラップ、及び/またはアンテナのうちの一つ以上は相異なる共振周波数を得るために移動及び/または位置変更することができる。多様な実施形態で、チューニングブロック、反応性ストラップ、及び/またはアンテナのうちの一つ以上は例えば基板28に付着することによって定位置に固定されることができる。これは、残りの固定されていない構成要素のうちの一つ以上を移動及び/または配置することにより、チューニングブロック、反応性ストラップ及び/またはアンテナと対応共振周波数との間の相対位置に対する特定の構成を達成するのに必要な変数及び/または移動部品の数を減らすことができる。
【0049】
導電性リング16Aが実質的に長方形構成を有する
図1と同様に反応性ストラッ
プが構成されるとき、チューニングブロック20と反応性ストラップ12Aとの間の重畳程度の変化とRFID装置10Aの共振周波数の変化との間には線形関係があり得る(
図2と同様)。
図5に示すようないくつかの実施形態で、RFID装置10Cは、長方形ではない構成を有する導電性リング16Bを含むことができる。いくつかの実施形態で、導電性リング16Bは2個の対向する実質的に線形の短エッジ22、短エッジ22の間で延びる実質的に線形の長エッジ24、及びやはり短エッジ22の間で延びる非線形の長エッジ26を含むことができる。例示の実施形態で、非線形エッジ26は矩形波(square wave)の形態として提供されるが、非線形エッジまたは導電性リングの領域は多様な実施形態で他の構成を有することができる。例えば、非線形エッジ26は鋸歯状波、正弦波、相異なる高さを有する一つ以上の突出部、相異なる高さを有する一つ以上の湾入部、またはその他の形状として形成されることができる。例えば、非線形エッジ26はアンテナ18Aの第2部分40から遠くまたはこれに向かってY軸に沿って延びる1個、2個、3個またはそれ以上の突出部62を有することができる。いくつかの実施形態で、非線形エッジ26はアンテナ18Aの第2部分40から遠くまたはこれに向かってY軸に沿って延びる1個、2個、3個、またはそれ以上の湾入部64を有することができる。
【0050】
導電性リング16Bの非線形エッジ26の長さ寸法はチューニングブロック20Aの(例えば、X-軸に沿って)相対的移動及び/または位置差の方向に延びることができ、
図6のように、これはチューニングブロック20Aと反応性ストラップ12Bとの間の重畳程度の変化とRFID装置10Cの共振周波数との間の非線形関係をもたらすことができる。
図6の曲線は一つ以上の平らな領域66及び一つ以上の急勾配領域68を含むことができる。平らな領域66は
図6のX軸と急勾配領域68との間に形成された角度より
図6のX軸に対する小さな角度を有することができる。
図11に示すように、平らな領域66BはX軸に対して角度θ1を形成することができ、急勾配領域68BはX軸に対して角度θ2を形成することができる。θ2はθ1より大きくてもよい。θ1は0-5度、5-10度、10-20度、20-30度、または30-45度であることができ、θ2は0-5度、5-10度、10-20度、20-30度、30-45度または45-90度の分だけθ1より大きくてもよい。
【0051】
図6または
図11に示す段階的関係は、反応性ストラップ12Bに対するチューニングブロック20Aの相対的な移動及び/または位置差があるとき、(急勾配領域68に比べて)共振周波数に変化がないか、実質的に変化がないか、または変化が少ない一つ以上の平らな領域66によって有利であることができる。よって、RFID装置10Cを組み立てるシステムの欠陥によって引き起こされることができるチューニングブロック20A及び反応性ストラップ12Bの相対的な位置設定におけるある程度の不安定性、不一致、及び/または不正確性を許容することができる。チューニングブロック20A及び反応性ストラップ12Bの目標配置が平らな領域のうちの一つ内にあるとき、(例えば、組立機械の欠陥による)小さな不整合は、配置が平坦な対象領域から他の曲線セクションに離脱する程度に不整合が酷くない限り、少しの不整合は共振周波数に影響を及ぼさないであろう。RFID装置10Dの構成要素は平らな領域66の中心を取るように構成されることができ、よってRFID装置10Dの構成要素のうちの一つ以上の不整合は依然として目標平らな領域66範囲内にある共振周波数を取ることができる。
【0052】
図1、
図3及び
図5に示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロック20(例えば、チューニングブロック20A-Hのうちの一つまたは他のチューニングブロック)とアンテナ18(例えば、アンテナ18A-Bのうちの一つまたはその他のアンテナ)との電界結合を防止するために、チューニングブロックはRFID装置10(例えば、RFID装置10A-Fのうちの一つまたはその他のRFID装置)のアンテナ18(例えば、アンテナ18A、18Bまたはその他のアンテナ)から離隔して分離されることができる。
【0053】
図7に示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロックは関連のアンテナ18と連結されるか少なくとも部分的に重畳することができる。
図7のRFID装置10Dは、反応性ストラップ12B、アンテナ18B、及びチューニングブロック20Cを含む。アンテナ18Bは、第1部分178、第2部分180、及び第3部分182を含むことができる。第1部分178及び第3部分182は、X軸方向に延びる長さとY軸方向に測定された幅を含むことができる。第2部分180はX軸方向に測定された幅とともにY軸方向に延びる長さを有することができる。第1部分178、第2部分180、及び第3部分182の場合、長さは幅より1-2倍、2-6倍、6-10倍、10-20倍、20-40倍、40-100倍、100-1、000倍、またはそれ以上の因数だけ大きくなることができる。
【0054】
第1部分178はX軸方向に第2部分180から一番遠い導電性リング16Bの側面を過ぎてX軸方向に延びることができる。第3部分182は第2部分180からX軸に沿って導電性リング16Bの最も近接な側面を過ぎてX軸方向に延びることができる。第3部分182は第2部分180から最も遠い導電性リング16Bの側面を過ぎて延びる前に終了することができる。導電性リング16Bは第1部分178と第3部分182との間に部分的にまたは全体的に配置されることができる。
【0055】
反応性ストラップ12Bは
図5の実施形態のように構成されるものとして示されている、いくつかの実施形態では異なるように構成されることができる。アンテナ18Bに関しては、反応性ストラップ12B及びアンテナ18Cの両者の少なくとも一部と重畳するチューニングブロック20Cを有するモノポールアンテナとして構成される。アンテナ18Bとチューニングブロック20Cとを接続するか重畳させることにより、両者の間に電界接続が生成されることができる。いくつかの実施形態で、このような構成はアンテナ18Cを不均衡にし、これは特定の用途に有利であることができる。いくつかの実施形態で、チューニングブロック20Cは第1部分178及び導電性リング16Bの少なくとも一部と接触するように構成及び/または位置する。いくつかの実施形態で、チューニングブロック20Cは、第1部分178、導電性リング16B、及び第3部分182の少なくとも一部と接触するように構成及び/または位置する。
【0056】
図7に示すようないくつかの実施形態で、反応性ストラップ12B及びアンテナ18Cに対するチューニングブロック20Cの初期位置はアンテナ18Bの性能特性とともにRFID装置10Cの共振周波数を決定することができる。
図1、
図3及び
図5の実施形態のように、反応性ストラップ12Bに対するチューニングブロック20Cの移動及び/または相異なる位置へのチューニングブロック20Cの位置はRFID装置10Dの共振周波数を変更するであろう。しかし、チューニングブロック20Cとアンテナ18Cとの重畳によって、チューニングブロック20Cの位置変化もアンテナ18Bの特性を変化させることができる。RFID装置10Cに位置付け可能なチューニングブロック20Cと個別的に相互作用することができる2個の構成要素(すなわち、反応性ストラップ12B及びアンテナ18C)を提供することで、RFID装置10Cの性能は、例えば手動付着または他の製造工程の間に、RFID装置10Cの他の構成要素に対するチューニングブロック20Cの配置における許容誤差を補償するように安定化することができる。
【0057】
チューニングブロックをRFID装置のアンテナに接続することができる可能性に加えて、
図8の実施形態のように、アンテナの一部としてチューニングブロックが形成されることも本発明の範囲内にある。
図8の実施形態で、RFID装置10Dは、反応性ストラップ12A及びアンテナ18
Aを含み、アンテナ18
Aの一部として形成されたチューニングブロック20Dを有する。アンテナ18Aは、第1部分38、第2部分40、及び第3部分42を含むことができる。
【0058】
チューニングブロック20Dは可変大きさ及び/または構成を有するように構成されることができ、チューニングブロック20Dの初期大きさ及び構成は
図8に実線で示され、後続の大きさ及び構成は破線で示される。破線はチューニングブロック20Dが変更されることができる一つの例示的な構成を示し、いくつかの実施形態でチューニングブロック20Dが一つ以上の他の大きさ及び/または構成に変更されることができることを理解しなければならない。チューニングブロック20Dの大きさまたは構成を変更することも、チューニングブロック(20A-C及びE-I)の移動及び/または再位置付けのように、RFID装置10Dの共振周波数に影響を及ぼすことができる。
【0059】
多数の大きさ及び形態のうちのいずれにも構成されることに加えて、本発明によるチューニングブロックは多数の可能な材料のうちのいずれからも形成されることができ、これはチューニングブロックが組み込まれたRFID装置の性能に多様な影響を及ぼすであろう。例えば、前記列挙した材料の他にも、チューニングブロックは、金属材料、無機化合物材料及び/またはセラミック材料から少なくとも部分的に形成されることができる。一実施形態で、チューニングブロックは少なくとも部分的に導電性材料(例えば、アルミニウム)から形成されることができ、この場合、チューニングブロックの位置を変更すればチューニングブロックが反応性ストラップのどの部分とも重畳する必要なしにRFID装置の共振周波数を変更させることができる。いくつかの実施形態で、チューニングブロックは比較的高い誘電率を有する材料(例えば、チタン酸バリウムまたは二酸化チタン)から少なくとも部分的に形成されることができる。このような実施形態で、反応性ストラップに間隔を横切って差別的電場を有する間隔がある場合(例えば、RFIDチップが導電性リングに接続された位置)、ギャップを横切ってチューニングブロックを移動すれば、ギャップによって分離された反応性ストラップの地点の間にキャパシタンスを生成してRFID装置の共振周波数を変更することができる。
【0060】
いくつかの実施形態で、チューニングブロックは、チューニングブロックの相対位置が変更されるのに伴い、RFID装置の共振周波数を調整するために高い比誘電率(relative permittivity)を有する材料(例えば、フェライト材料)から少なくとも部分的に形成されることができる。さらに他の実施形態で、チューニングブロックは抵抗性または比較的高い誘電または磁気損失を有する材料から少なくとも部分的に形成されることができる。関連の反応性ストラップに対するこのようなチューニングブロックの重畳程度または近接程度を変更すれば、(上述したように)RFID装置の共振周波数に影響を及ぼすが、(エネルギー損失によって)RFID装置の性能を低下させることがある(特定の状況で交差リーディング減少)。しかし、他の可能な効果はRFID装置の帯域幅が増加することであり、これは特定の用途でRFID装置の性能を向上させることができる。適切なチューニングブロック構成を選択するとき、チューニングブロックの厚さ及び/または透磁率のような追加の因子も考慮することができる。
【0061】
図9A~
図9Cはいくつかの実施形態による例示的な導電性リングの概略図である。
図9Aに示すようないくつかの実施形態で、導電性リング16Cは、実質的に線形であり、X軸方向に延びる長さ及びY軸方向に測定された幅を有する2個の側面102を含むことができる。導電性リング16Cは、第1屈曲端部106及び/または第2屈曲端部104を含むことができる。屈曲端部を使えば機械的応力集中及び/またはその他の効果を減らすことができる。例えば、周波数変化とチューニングブロックの位置変化との間の関係は、チューニングブロックが屈曲端部を横切って相異なる位置に移動及び/または位置するときは非線形であることができるが、チューニングブロックが側面102と重畳する相異なる位置を横切って移動及び/または位置し始めるとき、関係は線形または実質的に線形の関係に移行することができる。側面102の場合、長さは幅より1-2倍、2-6倍、6-10倍、10-20倍、20-40倍、40-100倍、100-1、000倍、またはそれ以上の因数だけ大きくなることができる。
【0062】
図9Bに示すようないくつかの実施形態で、導電性リング16Dはテーパー形または三角形を有することができる。例えば、導電性リング16Dは、第1側面108、第2側面110、及び第3側面112を含むことができる。導電性リング16Dは、X軸方向に沿って動くか、X軸に対して相異なる位置に位置するか、または相異なる形状を有する多様な形状のチューニングブロックの移動及び/または位置付け基づいて相異なる効果を有する多様な配向を有することができる。例えば、第1側面108は、Y軸方向、X軸方向または相異なる方向に平行であることができる。第2側面110及び第3側面112は同じ長さを有するか長さが異なることができる。
【0063】
いくつかの実施形態で、第1側面108はY軸に平行であることができ、導電性リング16Dに向かって移動するチューニングブロックに対して近くまたは遠くあることができる。チューニングブロックが正方形または長方形であり、X軸方向に第1側面108に向かって移動するときに第2側面110と第3側面112との間のコーナーと先に会う実施形態の場合、RFID装置の共振周波数はチューニングブロックと導電性リング16Dとの間の相対位置に対する周波数変化の増加率によって非線形的に増加することができる。チューニングブロックが正方形または長方形であり、第2側面110と第3側面112との間のコーナーに向けてX軸方向に移動するときに第1側面108と先に会う実施形態の場合、RFID装置の共振周波数はチューニングブロックと導電性リング16Dとの間の相対位置に対する周波数変化の減少率によって非線形的に増加することができる。
【0064】
図9Cに示すようないくつかの実施形態で、導電性リング16Eは、第1側面114、第2側面116、第3側面118、及び第4側面120を含むことができる。第1側面114及び第3側面118はY軸方向に測定された幅とともにX軸方向に延びる長さを有することができる。第2側面116及び第4側面120はX軸方向に測定された幅とともにY軸方向に延びる長さを有することができる。第1側面114、第2側面116、第3側面118及び第4側面120の場合、長さは幅より1-2倍、2-6倍、6-10倍、10-20倍、20-40倍、40-100倍、100-1、000倍、またはそれ以上大きくなることができる。第1側面114及び第3側面118のそれぞれは第2側面116及び第4側面120のそれぞれの長さより短い長さを有することができる。
【0065】
図10A~
図10Fはいくつかの実施形態による例示的なチューニングブロックの概略図である。いくつかの実施形態で、
図1、
図3、
図5、
図7、
図8及び
図10A-
図10Fに示すチューニングブロックのうちの一つ以上がRFID装置の共振周波数を調整するのに使われることができる。
図10Aに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロック20Eは円形及び/またはラウンド形を有することができる。楕円形チューニングブロックの場合、楕円形の最大寸法はX軸、Y軸またはXY平面内のどの他の方向とも整列されることができる。
【0066】
図10Bに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロック20Fは、第1側面122、第2側面124、第3側面126、及び第1側面122の反対側の端部128を含む三角形を有することができる。第1側面122、第2側面124、及び第3側面のうちの一つ以上は同じか異なる長さを有することができる。いくつかの実施形態で、端部128から第1側面122の中間点まで延びるラインはX軸、Y軸、またはXY平面内の他の方向と整列されることができる。
【0067】
図10Cに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロック20GはX軸測定値よりY軸測定値が長い長方形を有することができる。チューニングブロック20Gは、一対の第1側面130及び一対の第2側面132を含むことができる。第1側面130はY軸と整列され、第2側面132はX軸と整列され、第1側面130は第2側面132より長くてもよい。
【0068】
図10Dに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロック20Hは、一対の第1側面142及び一対の第2側面144を含むことができる。第1側面142は第2側面144より長くてもよくその逆も同様である。第1側面142は、X軸、Y軸、またはXY平面の他の方向と整列されることができる。第1側面142は、一つ以上の突出部134及び/または一つ以上の湾入部136を含むことができる。Y軸に沿って測定されたチューニングブロック20Hの最大寸法の長さ138はY軸に沿って測定されたチューニングブロック20Hの最小寸法より0-2倍、2-4倍、4-10倍または10-100倍の因数だけ大きくなることができる。
【0069】
図10Eに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロックセット21Aは一つ以上のチューニングブロック150から構成されることができる。チューニングブロックセット21Aは、一対の第1側面146及び一対の第2側面148を含むことができる。第1側面146は第2側面148より長くてもよくその逆も同様である。第1側面146は、X軸、Y軸、またはXY平面の他の方向と整列されることができる。
【0070】
いくつかの実施形態で、チューニングブロックセット21Aのチューニングブロック150のそれぞれはY軸に沿って整列され、X軸に沿って距離156だけ離隔することができる。それぞれのチューニングブロックは長さ152及び幅154を有することができ、長さ152は幅154より大きくてもよい。長さ152は多様な実施形態でY軸または他の方向と整列されることができる。
【0071】
動作の際に、多様な位置に移動するか配置されるとき、RFID装置の共振周波数はチューニングブロック150のうちの一つ以上と導電性リングとの間の重畳の変化が大きくなるほどもっと早い速度で増加するかまたは他の方式で変更されることができる。対照的に、RFID装置の共振周波数は、例えばX軸方向に沿って、チューニングブロックセット21Aの位置変更が一つ以上のチューニングブロック150の間の重畳量を変更しないがX導電性リングに対する追加のチューニングブロック150の近接性を変更させるとき、もっと遅い速度で増加するかまたは他の方式で変更されることができる。例えば、チューニングブロックセット21AがX軸方向に導電性リングに向かって移動するとき、第1交差チューニングブロック150が導電性リングの円位端部(distal end)に向かって移動するとき、共振周波数は第1速度で(例えば、X軸位置に対して線形的に)変更されることができる。チューニングブロックセット21Aの第1チューニングブロック150が導電性リングと重畳し、チューニングブロックセット21Aの第2チューニングブロック150が導電性リングとまだ接触しなければ、共振周波数はチューニングブロックセット21Aが導電性リングの円位端部に向かって移動するときに第1速度より低い第2速度で変更されることができる。
【0072】
図10Fに示すようないくつかの実施形態で、チューニングブロックセット21Bは同じか異なる長さの高さ168及び幅166をそれぞれ有する一つ以上のチューニングブロック164から構成されることができる。多様な実施形態で、チューニングブロック164はY軸に沿って測定された第1距離176及び/またはX軸に沿って測定された第2距離170だけ分離されることができる。第1距離176は第2距離170より大きくてもよいかまたはその逆も同様である。チューニングブロックセット21Bは幅172及び長さ174を有することができ、長さは幅と同じかそれより大きくてもよく、またはその逆も同様である。
【0073】
多様な実施形態で、チューニングブロックセット21B内のチューニングブロック164の数は1-2個、2-4個、4-6個、6-10個、10-15個、15-25個、25-50個、50-100個、またはそれ以上であることができる。多様な実施形態で、チューニングブロック164のうちの一つ以上はその外部境界内に連続的な表面を有するか、または一つ以上の孔、開口または湾入部を有する表面から部分的にまたは全体的に構成されることができる。いくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック164及び/またはRFID装置のチューニングブロック164またはその他の構成要素の間の一つ以上のギャップは少なくとも部分的にメッシュから構成されることができる。
【0074】
図11はいくつかの実施形態によるチューニングブロックの位置とRFID装置の共振周波数との間の関係を示す。例えば、
図5の実施形態で、相異なる位置でのチューニングブロック20Aの移動、位置付け及び/または配置は
図11のグラフをもたらすことができる。導電性リング16Bの突出部62のカバレージ(coverage)が増加することによってチューニングブロック20Aが移動及び/または位置するとき、X軸に沿う位置に対する周波数の増加はθ1の比または角度を有することができる。導電性リング16Bの湾入部64のカバレージが増加することによってチューニングブロック20Aが移動及び/または位置するとき、X軸に沿う位置に対する周波数の増加はθ2の比または角度を有することができる。θ1はθ2より0-5度、5-20度、20-50度、または50-100度だけ大きくなることができる。
【0075】
図12A~
図12Dはいくつかの実施形態によるRFID装置を組み立てる工程を例示する。
図12A及び
図12Bはそれぞれ基板70に付着されたチューニングブロック20Aを例示する平面図及び側面図を示す。多様な実施形態で、チューニングブロック20A-H及び/またはチューニングブロック
セット21A-Bのうちのいずれも
図1~
図13の構成要素のいずれの構成要素との組合せとともに使われることができる。例えば、いくつかの実施形態で、チューニングブロックセット21Aまたは21Bが基板70に付着されることができる。
【0076】
図12Cに示すようないくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック20(例えば、一つ以上のチューニングブロック20A-H)及び/またはチューニングブロック
セット21(例えば、一つ以上のチューニングブロック
セット21A-B)を支持する基板70は少なくとも導電性リング16(例えば、16A-Eのうちの一つ以上)を支持する追加の基板28と整列されることができる。一つ以上のチューニングブロック20の少なくとも一部は導電性リング16の少なくとも一部と接触することができる。一つのチューニングブロック20及び導電性リング16は、
図12Dに示すように、基板70と基板28との間に配置されることができる。
【0077】
図13はいくつかの実施形態によるRFID装置の構成要素の概略図を例示する。いくつかの実施形態で、RFID装置10(例えば、RFID装置10A-F)はチューニングブロックセット21Cを形成する一つ以上のチューニングブロック2011-2015を含む。RFID装置10は、反応性ストラップ12A、導電性リング16A、アンテナ18A、チューニングブロック2011、チューニングブロック2012、チューニングブロック2013、チューニングブロック2014、及びチューニングブロック2015のうちの一つ以上を含むことができる。アンテナ18Aは、第1部分38、第2部分40、及び第3部分42を含むことができる。導電性リング16Aは、第1側面30、第2側面32、第3側面34、及び第4側面36を含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック20(例えば、一つ以上のチューニングブロック20A-I)及び/またはチューニングブロックセット21の一部または全部(例えば、一つ以上のチューニングブロックセット21A-C)は導電性リング16の内部境界内に配置されることができる。いくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック20の一部または全部及び/またはチューニングブロックセット21の一部または全部は導電性リング16及びアンテナ18のうちの一つ以上と重畳することができる。いくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック20及び/またはチューニングブロックセット21の一部または全部は第1部分38と第2側面32との間、第2部分40と第3側面34との間、かつ第3部分と第4側面36との間に配置されることができる。いくつかの実施形態で、導電性リング16は第2部分40と一つ以上のチューニングブロック20及び/またはチューニングブロックセット21の一部または全部との間に配置されることができる。いくつかの実施形態で、一つ以上のチューニングブロック20の一部または全部及び/またはチューニングブロックセット21の一部または全部は導電性リング16より第2部分40から遠いことができる。
【0079】
前述した実施形態は本発明対象の原理の用途の一部を例示するものと理解されるであろう。本明細書に個別的に開示するか請求する特徴の組合せを含めて多くの変更が請求対象の精神及び範囲を逸脱しない範囲内で当業者によってなされることができる。このような理由で、本発明の範囲は前記説明に限定されず、次の特許請求の範囲に開示し、請求範囲はこの明細書に個別的に開示するか請求する特徴の組合せを含む本発明の特徴に関することを理解しなければならない。