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▶ ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】無線受信機
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240627BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20240627BHJP
【FI】
H04L27/26 410
H04L27/26 114
H04L27/26 113
H04B7/0413
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022554785
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 FI2021050111
(87)【国際公開番号】W WO2021181002
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】20205261
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ホンカラ ミッコ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】コルピ ダニ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】フットゥネン ヤンネ マッティ ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】スタルク ヴェサ
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/080987(WO,A1)
【文献】特開2004-104769(JP,A)
【文献】特開2019-101792(JP,A)
【文献】国際公開第2020/035920(WO,A1)
【文献】特開2003-174485(JP,A)
【文献】Narengerile, John Thompson,Deep Learning for Signal Detection in Non-Orthogonal Multiple Access Wireless Systems[online],2019 UK/ China Emerging Technologies (UCET),2019年10月24日,[検索日2023.12.11],インターネット<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8881888>
【文献】Myung-Sun Baek et al.,Implementation Methodologies of Deep Learning-Based Signal Detection for Conventional MIMO Transmitters,IEEE Transactions on Broadcasting,2019年01月22日,Vol.65, No.3,pp.636 - 642
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/0413
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線受信機であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線受信機に、
複数の要素を含むデータアレイを取得させ、前記データアレイ内の前記複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応し、
前記時間間隔中に適用される基準信号構成を表す基準信号アレイを取得させ、
ニューラルネットワークを実装させ、
前記ニューラルネットワークにデータを入力させるように構成され、前記データは少なくとも、前記データアレイおよび前記基準信号アレイを含み、
前記ニューラルネットワークは、前記データに基づいて、前記データアレイ内の前記複数の要素の値を表す出力アレイを出力するように構成され、前記値はビットまたはシンボルを含み、
前記基準信号アレイは複数の畳込みチャネルを含み、前記基準信号アレイにおける前記複数の畳込みチャネルにおける各畳込みチャネルは、多入力多出力(MIMO)送信の層に対応する、無線受信機。
【請求項2】
前記ニューラルネットワークは畳込みニューラルネットワークを含む、請求項1に記載の無線受信機。
【請求項3】
前記基準信号アレイは複数の基準信号を含み、前記複数の基準信号における各基準信号の前記基準信号アレイ内のロケーションは、前記基準信号のサブキャリアおよび前記基準信号のタイムスロットを示す、請求項1または2に記載の無線受信機。
【請求項4】
前記基準信号アレイは、基準信号を含まない前記基準信号アレイの各ロケーションにおける事前構成されたインジケータ値を更に含む、請求項3に記載の無線受信機。
【請求項5】
前記ニューラルネットワークは、少なくとも1つの残差ブロックを更に含む、請求項1~のいずれか1項に記載の無線受信機。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線受信機に、
前記複数のサブキャリアのサブキャリア周波数を表す周波数アレイを取得させるように更に構成され、
前記データは前記周波数アレイを更に含む、請求項1~のいずれか1項に記載の無線受信機。
【請求項7】
前記データは複数の畳込みチャネルを含む、請求項に記載の無線受信機。
【請求項8】
前記データの前記複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは前記基準信号アレイに対応する、請求項に記載の無線受信機。
【請求項9】
前記データの前記複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは前記周波数アレイに対応する、請求項またはに記載の無線受信機。
【請求項10】
前記データアレイは、複数の畳込みチャネルと、複数のアンテナストリームからのデータとを含み、前記データアレイにおける各畳込みチャネルは、前記複数のアンテナストリームにおけるアンテナストリームに対応する、請求項1~のいずれか1項に記載の無線受信機。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線受信機に、
前記時間間隔および前記複数のサブキャリアについて用いられる変調方式に基づいて、前記出力アレイの各要素からビットのサブセットを抽出させるように更に構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の無線受信機。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線受信機に、
前記時間間隔中に複数のサンプルを用いて未加工データを受信することと、
前記受信した未加工データに対しフーリエ変換を行って前記データアレイを生成することと、
を実行することによって、前記データアレイの前記取得を行わせるように更に構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の無線受信機。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の無線受信機を備えるクライアントデバイス。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載の無線受信機を備えるネットワークノードデバイス。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか1項に記載の無線受信機のニューラルネットワークをトレーニングするための方法であって、前記方法は、
トレーニング入力データセットと、前記トレーニング入力データセットに対応するグランドトゥルースとを取得することと、
トレーニング入力データセットを前記ニューラルネットワークに入力することであって、前記トレーニング入力データセットは、複数の要素を含むトレーニングデータアレイを含み、前記トレーニングデータアレイ内の前記複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応する、入力することと、
前記ニューラルネットワークから、前記トレーニングデータアレイにおける前記複数の要素のビット値を表す前記トレーニング入力データセットの推定出力を受信することと、
前記トレーニング入力データセットについて用いられる変調方式に基づいて、前記推定出力の各要素からビットのサブセットを抽出することと、
前記抽出されたビットおよび前記グランドトゥルースに含まれるビットに基づいてコスト関数を計算することと、
前記計算されたコスト関数に従って前記ニューラルネットワークの少なくとも1つのパラメータを調整することと、
を含む、方法。
【請求項16】
ンピュータ上で実行されると、請求項15に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、ワイヤレス通信の分野に関する。特に、本出願は、ワイヤレス通信のための無線受信機デバイス、ならびに関連する方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線受信機アルゴリズムは、数学的および統計的アルゴリズムに基づくブロックを含むことができる。これらのアルゴリズムは、手動で開発およびプログラムすることができるが、労働集約的である場合がある。例えば、異なる基準信号構成を実施するには、大量の手作業を必要とする。このように設計された受信機アルゴリズムは、ほとんどのチャネル条件について適切に機能することができるが、チャネルのうちの任意のものについて可能な限り最良の性能を与えない場合がある。また、理論的チャネル条件に基づいて開発されたアルゴリズムがどのように実際の物理的チャネル条件と整合するかを推定することが困難である場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の様々な例示的な実施形態に求められる保護範囲は、独立請求項によって記載される。独立請求項の範囲に入らない本明細書において記載される例示的な実施形態および特徴は、存在する場合、本発明の様々な例示的な実施形態を理解するのに有用な例として解釈される。
【0004】
無線受信機の例示的な実施形態が、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機に、複数の要素を含むデータアレイを取得させ、データアレイ内の複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応し、時間間隔中に適用される基準信号構成を表す基準信号アレイを取得させ、ニューラルネットワークを実装させ、ニューラルネットワークにデータを入力させるように構成され、データは少なくとも、データアレイおよび基準信号アレイを含み、ニューラルネットワークは、データに基づいて、データアレイ内の複数の要素の値を表す出力アレイを出力するように構成され、値はビットまたはシンボルを含む。無線受信機は、例えば、様々な基準信号構成を用いて送信されたデータを受信することが可能であり得る。
【0005】
無線受信機の例示的な実施形態は、複数の要素を含むデータアレイを取得することであって、データアレイ内の複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応する、取得することと、時間間隔中に適用される基準信号構成を表す基準信号アレイを取得することと、ニューラルネットワークを実装することと、ニューラルネットワークにデータを入力することであって、データは少なくとも、データアレイおよび基準信号アレイを含む、入力することと、
を実行するための手段を備え、ニューラルネットワークは、データに基づいて、データアレイ内の複数の要素の値を表す出力アレイを出力するように構成され、値はビットまたはシンボルを含む。
【0006】
例示的な実施形態において、上記の例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、ニューラルネットワークは畳込みニューラルネットワークを含む。無線受信機は、例えば、畳込みニューラルネットワークにおける畳込み動作を介して時間および周波数における相関および/または障害を扱うことが可能であり得る。
【0007】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、基準信号アレイは複数の基準信号を含み、複数の基準信号における各基準信号の基準信号アレイ内のロケーションは、基準信号のサブキャリアおよび基準信号のタイムスロットを示す。無線受信機は、例えば、様々な基準信号構成にわたってチャネル推定値を補間することが可能であり得る。
【0008】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、基準信号アレイは、基準信号を含まない基準信号アレイの各ロケーションにおける事前構成されたインジケータ値を更に含む。無線受信機は、例えば、チャネル推定を実行するとき、基準信号を含まない基準信号アレイ内の要素を無視することが可能であり得る。
【0009】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、基準信号アレイは複数の畳込みチャネルを含み、基準信号アレイにおける複数の畳込みチャネルにおける各畳込みチャネルは、多入力多出力(MIMO)送信の層に対応する。無線受信機は、例えば、MIMO送信を受信するために基準信号を利用することが可能であり得る。
【0010】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、ニューラルネットワークは少なくとも1つの残差ブロックを更に含む。無線受信機は、例えば、より効率的にデータを受信することが可能であり得る。
【0011】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機に、複数のサブキャリアのサブキャリア周波数を表す周波数アレイを取得させるように更に構成され、データは周波数アレイを更に含む。無線受信機は、例えば、用いられる周波数帯域に依拠するワイヤレスチャネルの物理特性を利用することが可能であり得る。
【0012】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、データの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは基準信号アレイに対応する。無線受信機は、例えば、改善された柔軟性で基準信号アレイをニューラルネットワークに入力することが可能であり得る。
【0013】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、データの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは周波数アレイに対応する。無線受信機は、例えば、改善された柔軟性で周波数アレイをニューラルネットワークに入力することが可能であり得る。
【0014】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、データアレイは、複数の畳込みチャネルと、複数のアンテナストリームからのデータとを含み、データアレイにおける各畳込みチャネルは、複数のアンテナストリームにおけるアンテナストリームに対応する。無線受信機は、例えば、改善された柔軟性でアンテナストリームをニューラルネットワークに入力することが可能であり得る。
【0015】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機に、時間間隔および複数のサブキャリアについて用いられる変調方式に基づいて、出力アレイの各要素からビットのサブセットを抽出させるように更に構成される。無線受信機は、例えば、様々な変調方式を用いてデータを柔軟に受信することが可能であり得る。
【0016】
例示的な実施形態において、上記で説明した例示的な実施形態の代わりに、またはこれに加えて、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機に、時間間隔中に複数のサンプルを用いて未加工データを受信させ、受信した未加工データに対しフーリエ変換を行わせてデータアレイを生成するように更に構成される。無線受信機は、例えば、OFDMベースの技法を用いて互換性のある形式で動作することが可能であり得る。
【0017】
無線受信機の例示的な実施形態は、上記で説明した例示的な実施形態のうちの任意のものによる無線受信機を含む。
【0018】
ネットワークノードデバイスの例示的な実施形態は、上記で説明した例示的な実施形態のうちの任意のものによる無線受信機を含む。
【0019】
上記で説明した例示的な実施形態のうちの任意のものによる無線受信機のニューラルネットワークをトレーニングするための方法の例示的な実施形態は、トレーニング入力データセットと、トレーニング入力データセットに対応するグランドトゥルースとを取得することと、トレーニング入力データセットをニューラルネットワークに入力することであって、トレーニング入力データセットは、複数の要素を含むトレーニングデータアレイを含み、トレーニングデータアレイ内の複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応する、入力することと、ニューラルネットワークから、トレーニングデータアレイにおける複数の要素のビット値を表すトレーニング入力データセットの推定出力を受信することと、トレーニング入力データセットについて用いられる変調方式に基づいて、推定出力の各要素からビットのサブセットを抽出することと、抽出されたビットおよびグランドトゥルースに含まれるビットに基づいてコスト関数を計算することと、計算されたコスト関数に従ってニューラルネットワークの少なくとも1つのパラメータを調整することと、を含む。方法は、ニューラルネットワークが、様々な変調方式を用いて柔軟に機能するようにトレーニングされることを可能にすることができる。
【0020】
コンピュータプログラム製品の例示的な実施形態は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、上記の例示的な実施形態のうちの任意のものによる方法を実行するように構成されたプログラムコードを含む。
【0021】
例示的な実施形態の更なる理解をもたらすために包含され、本明細書の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、記述と共に、例示的な実施形態の原理を説明することを補助する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】無線受信機を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す図である。
図2】無線受信機のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す図である。
図3】ニューラルネットワークを含む無線受信機のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す図である。
図4】チャネル推定のためのニューラルネットワークを含む無線受信機のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す図である。
図5】ニューラルネットワークにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す図である。
図6】MIMOのために構成された、ニューラルネットワークにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図7】ニューラルネットワークパラメータおよび残差ネットワークブロックのテーブルを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図8】コンスタレーション図を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図9】ビット抽出を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図10】ニューラルネットワークトレーニングにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図11】トレーニングされたニューラルネットワークを用いるときのデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図12】トレーニングされたニューラルネットワークを微調整する際のデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図13】リソース割り当てを示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す図である。
図14】リソース割り当てを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
図15】リソース割り当てを示す図である、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
図16】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図17】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図18】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図19】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図20】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図21】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図22】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
図23】シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
類似の参照符号は、添付の図面において類似の部分を示すのに用いられる。
【0024】
次に、添付の図面に例が示されている例示的な実施形態を詳細に参照する。以下で添付の図面と併せて提供される詳細な説明は、本例の説明として意図され、本開示を構築または利用することができる唯一の形式を表すことを意図したものではない。説明は、例の機能、および例を構築し動作させるためのステップのシーケンスを示す。しかしながら、同じまたは等価の機能およびシーケンスを、異なる例示的な実施形態によって達成することができる。
【0025】
図1は、例示的な実施形態に従って構成される無線受信機100のブロック図である。
【0026】
無線受信機100は、1つまたは複数のプロセッサ101と、コンピュータプログラムコードを含む1つまたは複数のメモリ102とを備えることができる。無線受信機100はまた、少なくとも1つのアンテナポートと、入力/出力モジュール(図1に示されていない)、および/または通信インタフェース(図1に示されていない)等の他の要素とを備えることができる。
【0027】
例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリ102およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ101を用いて、無線受信機100に、複数の要素を含むデータアレイを取得させるように構成され、データアレイ内の複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応する。
【0028】
複数のサブキャリアは、例えば、コード/リソースブロックのサブキャリアに対応することができる。
【0029】
時間間隔は、例えば、送信時間間隔(TTI)に対応することができる。
【0030】
データは、例えば、直交周波数分割多重(OFDM)を用いて送信することができる。複数のサブキャリアにおける各サブキャリアは、OFDMサブキャリアに対応することができる。
【0031】
データアレイは、例えば、コードブロックに対応することができる。
【0032】
各タイムスロットは、時間領域における1つのOFDMシンボルに対応することができる。
【0033】
複数の要素における各要素は、例えば、シンボルコンスタレーションにおけるシンボルに対応することができる。シンボルコンスタレーションは、受信データのために用いられる変調方式に依拠することができる。
【0034】
少なくとも1つのメモリ102およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ101を用いて、無線受信機100に、時間間隔中に適用される基準信号構成を表す基準信号アレイを取得させるように更に構成することができる。
【0035】
少なくとも1つのメモリ102およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ101を用いて、無線受信機100に、ニューラルネットワークを実装させるように更に構成することができる。
【0036】
ニューラルネットワークは、本明細書に開示されるようにトレーニングしておくことができる。
【0037】
ニューラルネットワークは、例えば、畳込みニューラルネットワークを含むことができる。代替的に、ニューラルネットワークは、例えば、アテンション機構および/または変換器ニューラルネットワークを用いて実施することができる。
【0038】
少なくとも1つのメモリ102およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ101を用いて、無線受信機100に、ニューラルネットワークにデータを入力させるように更に構成することができ、データは少なくとも、データアレイおよび基準信号アレイを含む。
【0039】
データは、本明細書に開示されるように任意の他の情報を更に含むことができる。
【0040】
データは3次元アレイを含むことができる。データの第1の次元は周波数に対応することができ、データの第2の次元は時間に対応することができ、データの第3の次元は畳込みチャネルに対応することができる。データまたは本明細書に開示される任意の他のアレイの畳込みチャネル次元は、深さ次元またはチャネル次元と呼ぶこともできる。データの第3の次元は、異なるタイプのデータに対応することができる。
【0041】
ニューラルネットワークは、データに基づいて、データアレイ内の複数の要素の値を表す出力アレイを出力するように構成することができ、値はビットまたはシンボルを含む。
【0042】
出力アレイは、例えば、対数尤度比(LLR)または未加工ビット値を含むことができる。
【0043】
無線受信機は、例えば、時間間隔中に複数のサンプルを用いて未加工データを受信し、受信した未加工データに対しフーリエ変換を実行してデータアレイを生成することによって、データアレイの取得を実行することができる。
【0044】
無線受信機100は、1つのみのプロセッサ101を含むように示されている場合があるが、無線受信機100はより多くのプロセッサを含む場合がある。例示的な実施形態において、メモリ102は、オペレーティングシステムおよび/または様々なアプリケーション等の命令を記憶することが可能である。
【0045】
更に、プロセッサ101は、記憶された命令を実行することが可能であり得る。例示的な実施形態において、プロセッサ101は、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、または1つもしくは複数のマルチコアプロセッサおよび1つもしくは複数のシングルコアプロセッサの組み合わせとして具現化することができる。例えば、プロセッサ101は、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、付随するDSPを伴うもしくは伴わない処理回路等の様々な処理デバイス、または、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップ等の集積回路を含む他の様々な処理デバイスのうちの1つもしくは複数として具現化することができる。例示的な実施形態において、プロセッサ101は、ハードコードされた機能を実行するように構成することができる。例示的な実施形態において、プロセッサ101は、ソフトウェア命令の実行部として具現化され、命令は、命令が実行されると本明細書に記載のアルゴリズムおよび/または動作を実行するようにプロセッサ101を特に構成することができる。
【0046】
メモリ102は、1つもしくは複数の揮発性メモリデバイス、1つもしくは複数の不揮発性メモリデバイス、および/または1つもしくは複数の揮発性メモリデバイスおよび不揮発性メモリデバイスの組み合わせとして具現化することができる。例えば、メモリ102は、半導体メモリ(マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)等)として具現化することができる。
【0047】
無線受信機100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、もしくは任意のハンドヘルドもしくはポータブルデバイス、または、車両、ロボットまたはリピータ等の任意の他の装置において具現化することができる。
【0048】
無線受信機100は、例えば、基地局(BS)等のネットワークノードデバイスにおいて具現化することができる。基地局は、例えば、gNB、または、ワイヤレス送信を介してワイヤレスネットワークに接続するための無線インタフェースをクライアントデバイスに提供する任意のそのようなデバイスを含むことができる。
【0049】
無線受信機100がいくつかの機能を実施するように構成されているとき、少なくとも1つのプロセッサ101および/またはメモリ102等の無線受信機100の何らかの単数および/または複数の構成要素は、この機能を実施するように構成することができる。更に、少なくとも1つのプロセッサ101が何らかの機能を実施するように構成されているとき、この機能は、例えばメモリ102に含まれるプログラムコードを用いて実施することができる。例えば、無線受信機100が動作を実行するように構成されている場合、少なくとも1つのメモリ102およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ101を用いて、無線受信機100に、その動作を実行させるように構成することができる。
【0050】
本明細書において用いられるいくつかの用語は、現行の形式における4Gまたは5G技術の命名方式に従うことができる。しかしながら、この用語は、限定とみなされるべきでなく、用語は経時的に変化する場合がある。このため、任意の例示的な実施形態に関する以下の論考は、他の技術に当てはめることもできる。
【0051】
図2は、無線受信機のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す。
【0052】
無線受信機は、1つまたは複数のアンテナ201に電気的に結合することができる。無線受信機は、1つまたは複数のアンテナ201から未加工受信データ202を取得することができる。無線受信機は、未加工受信データ202からサイクリックプレフィックス(CP)を除去する(203)ように構成することができる。無線受信機200は、例えば未加工受信データ202に対する高速フーリエ変換(FFT)を用いてフーリエ変換を実行するように構成することができる。
【0053】
無線受信機は、基準信号構成に基づいてチャネル推定205および補間206を行うように構成することができる。
【0054】
無線受信機は、フーリエ変換されたデータおよびチャネル推定値に基づいて等化207を実行するように構成することができる。等化207の後、無線受信機200は、対数尤度比(LLR)推定208を行うことができる。LLRに基づいて、無線受信機200はビット値210を復号する(209)ことができる。
【0055】
図3は、無線受信機100のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0056】
図3の例示的な実施形態を図2の比較例と比較することによって見て取ることができるように、ニューラルネットワーク301は、例えば、機能ブロック205~208と置き換わることができる。
【0057】
ニューラルネットワーク301は、部分的に処理された受信波形を取り込み、例えば対数尤度比(LLR)として情報を出力するかまたは復号されたビットを直接出力することができる。前者の場合、ニューラルネットワーク出力を処理して情報ビット210を取得するために、別個のデコーダ209が必要とされる場合がある。例えば、5Gアップリンク共有チャネル(UL-SCH)データを取得するために、低密度パリティチェック(LDPC)デコーダが必要とされる場合がある。ニューラルネットワーク301は、適切なトレーニングアルゴリズムおよびデータをトレーニングすることによって、無線受信機100の少なくともいくつかの機能を実行するようにトレーニングすることができる。
【0058】
無線受信機100の構造は、ニューラルネットワークチップおよび/またはAIアクセラレータを用いて無線受信機100の高速で効率的な実施を可能にすることができる。特定のチャネル条件下および/または非常にスパースな基準信号構成等のいくつかの状況下では、ニューラルネットワーク無線受信機により、結果として性能が改善する可能性も高い。
【0059】
多くの無線送信機および受信機は、シンボルが直交サブキャリア上に変調される直交周波数分割多重に基づく。例えば、5Gシステムにおいて、OFDMは、アップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)の双方において用いられ、それによって、異なるユーザを、隣接するサブキャリアブロックに多重化することが可能である(直交周波数分割多重アクセス(OFDMA))。
【0060】
ニューラルネットワーク301は、チャネル推定205(サブキャリアデマッピング)、等化207およびLLR推定208(ビット検出)を実施することができる。更に、無線受信機100は、可撓性復調基準信号(DMRS)構成、マルチレイヤMIMO、および四位相偏移変調(QPSK)または直交振幅変調(QAM)等の様々な変調方式を扱うことが可能であり得る。
【0061】
ニューラルネットワーク301は、畳込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて実施することができる。ニューラルネットワーク301は、FFT204後に受信データを取り込み、LLRまたはビット値を出力することができる。CNNは、2次元とすることができ、時間軸および周波数軸にわたって動作することができる。CNNは、送信時間間隔(TTI)において全てのサブキャリアおよびシンボルを同時に検討することができる。このようにして、CNNにおける畳込みフィルタは、時間および周波数において、アンテナ構成、マルチパス伝播および移動性から生じる相関および/または障害を暗黙的に扱うことができる。
【0062】
スパースなパイロットシンボルは、チャネルに関するローカル情報のみを提供することができる。ニューラルネットワークが、パイロットロケーションから遠く離れたLLR推定の改善のために、未知のデータおよびその既知の分布を利用することを可能にすることが有益である場合がある。このため、LLR推定は、データおよびパイロット信号の双方がコヒーレントな形式でニューラルネットワークに入力されるときに改善することができる。これにより、ニューラルネットワークが、LLR推定を実行するために双方を利用することを可能にすることができる。例えば、ニューラルネットワークは、進化した反復受信機方式の何らかのバージョンを学習することができる。
【0063】
図4は、無線受信機のブロック図を示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す。
【0064】
図4の比較例において、チャネル推定205および補間206は、ニューラルネットワークチャネル推定器401と置き換えられる。チャネル推定値は、等化器およびコンバイナ402においてフーリエ変換データと組み合わせることができる。
【0065】
図5は、ニューラルネットワークにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0066】
無線受信機100は、様々な情報源を組み合わせてデータ510にするように構成することができる。例えば、無線受信機100は、様々な情報源を連結して(505)、データ510を形成することができる。連結505後、様々な情報源は、データ510の畳込みチャネルに対応することができる。このため、情報源501~504は、データ510の深さ次元において連結することができる。
【0067】
データ510は、ニューラルネットワーク入力データまたはそれに類するものと呼ぶこともできる。
【0068】
1次元ベクトルおよび2次元行列は、3次元アレイに拡張することができる。このため、単一の3次元アレイは、データ510として形成することができる。データ510は、ニューラルネットワーク301に供給することができる。
【0069】
データ510は、データアレイ501を含むことができる。データアレイ501は、フーリエ変換データとして受信することができる。図3の例示的な実施形態において、データアレイ501は、FFT204の出力として取得することができる。
【0070】
データアレイ501は、次元Nfreq(複数のサブキャリアにおけるサブキャリア数)×Ntime(時間間隔におけるタイムスロット数)×Nant(アンテナストリーム数)を有する3次元アレイとして表すことができる。Ntimeは、例えば5Gにおいて14とすることができる。
【0071】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機100に、時間間隔中に適用される基準信号構成を表す基準信号アレイ502を取得させるように更に構成することができる。データ510は、基準信号アレイ502を更に含むことができる。
【0072】
基準信号アレイ502は、時間間隔中に適用される基準信号(パイロット構成)を表すことができる。基準信号アレイ502は、チャネル推定のために用いることができる。例えば、単一ユーザの事例では、基準信号アレイ502の次元は、Nfreq×Ntimeとすることができる。
【0073】
基準信号アレイ502は複数の基準信号を含むことができ、複数の基準信号における各基準信号の基準信号アレイ内のロケーションは、基準信号のサブキャリアおよび基準信号のタイムスロットを示す。例えば、図5の例示的な実施形態において、基準信号アレイ502は2つの基準信号を含む。
【0074】
基準信号アレイ502は、基準信号を含まない基準信号アレイ502の各ロケーションにおける事前構成されたインジケータ値を更に含むことができる。事前構成されたインジケータ値は、基準信号アレイ502の対応する要素が基準信号を含まないことを示すことができる。例えば、図5の例示的な実施形態において、基準信号アレイ502は、事前構成されたインジケータ値としてゼロを含む。
【0075】
基準信号アレイ502の要素は、対応するサブキャリアおよびタイムスロットが基準信号である場合、非ゼロとすることができる。非ゼロ要素の値は、基準信号値で埋めることができる。
【0076】
MIMOの場合、基準信号アレイ502は3次元とすることができる。同じサブキャリア周波数を用いたMIMOチャネルごとの基準信号構成は、深さ次元においてスタックすることができる。
【0077】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機に、複数のサブキャリアのサブキャリア周波数を表す周波数アレイ503を取得させるように更に構成することができる。データ510は、周波数アレイ503を更に含むことができる。
【0078】
サブキャリアの周波数をニューラルネットワーク301に供給することによって、周波数軸にわたって複数のブロックにおける1つの時間間隔を処理することも可能であり得る。無線受信機100の計算リソースが時間間隔全体を一度に処理するのに十分でない場合、この手法を用いて、ニューラルネットワーク301のサイズを制限することができる。更に、ワイヤレスチャネルの物理特性は、周波数帯域に依拠することができる。このため、ニューラルネットワーク301がこの情報を利用することを可能にすることも有益であり得る。
【0079】
周波数アレイ503の次元は、Nfreq×1とすることができる。周波数アレイ503は、サブキャリア周波数を表すベクトルを含むことができる。これは、ニューラルネットワーク301のためのサブキャリア周波数に関する情報を提供することができる。これは、ネットワークがサブキャリア周波数に基づいていくつかの下位レベルフィルタを異なる形で機能するように特殊化することを可能にすることができる。周波数アレイ503は、例えばハードウェアまたは負荷要件に起因して、周波数の任意の部分を別個に処理する機能も加えることができる。
【0080】
データは、複数の畳込みチャネルを含むことができる。
【0081】
データの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは基準信号アレイに対応することができる。
【0082】
データの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは周波数アレイに対応することができる。
【0083】
データ510は、他の情報504を更に含むことができる。他の情報504は、例えば、エンコーディング、UE識別子、UEスケジューリング情報等に関する情報を含むことができる。
【0084】
連結505の後、データ510の次元は、Nfreq×Ntime×Nchとすることができ、ここで、Nchは畳込みチャネル数である。畳込みチャネル数は、深さと呼ぶこともできる。このため、連結505の後、データアレイ501、基準信号アレイ502および周波数アレイ503等の異なるデータタイプをデータ510の畳込みチャネル/深さ次元にスタックすることができる。
【0085】
ニューラルネットワーク301は、時間および周波数方向において動作する少なくとも1つの2次元畳込み層を含むことができる。ニューラルネットワーク301は、複数のそのような畳込み層を含むことができる。
【0086】
ニューラルネットワーク301における各畳込み層は、k個のフィルタを含むことができる。各フィルタの深さは、その層の入力の深さに等しくすることができる。例えば、ニューラルネットワーク301の第1の層における各フィルタの深さは、Nchとすることができる。このため、k個のフィルタの各々が周波数および時間次元におけるデータ510で畳み込まれるとき、サイズNfreq×Ntime×kの新たな3次元アレイ506を生成することができる。
【0087】
ニューラルネットワーク301における各フィルタは、例えばサイズ3×3または任意の他のサイズとすることができる。
【0088】
ニューラルネットワーク301は、例えば10~20個の畳込み層を含むことができる。
【0089】
ニューラルネットワーク301の畳込み動作において、ゼロパディングを用いることができる。ピリオドパディング等の代替的なパディング方式も用いることができる。いくつかの場合、NfreqおよびNtime次元がニューラルネットワーク301を通じて一定に留まるようなパディングを用いることが有益であり得る。
【0090】
ニューラルネットワーク301の畳込み演算において、周波数および時間次元における2次元畳込みの後、結果を畳込みチャネル方向にわたって合算することができる。
【0091】
代替的にまたは更に、深さ方向の分離可能な畳込み等の他のタイプの畳込み演算をニューラルネットワーク301において実施することができる。
【0092】
ニューラルネットワーク301は、正規化線形ユニット(ReLU)等の非線形性、およびトレーニング中のバッチ正規化等の可能な正規化を更に含むことができる。ニューラルネットワーク301における各畳込み層は、ReLUおよび/または他の非線形性を含むことができる。
【0093】
ニューラルネットワーク301における各層は、別個の重みを含むことができる。重みは、フィルタの要素に対応することができる。重みは、パラメータ、モデルパラメータまたはそれに類するものと呼ぶこともできる。
【0094】
例えば、アンテナ構成およびUEの移動性(ドップラシフト/拡散)に起因して、畳込みにより、時間および周波数における相関および/または障害を扱うことを可能にすることができる。チャネル推定値は、実際のデータシンボルが送信されるサブキャリアおよびシンボルにわたって補間されるべきであるため、畳込みは、時間間隔にわたるチャネル情報の補間も改善することができる。
【0095】
ニューラルネットワーク301は、少なくとも1つの残差ブロックを更に含むことができる。
【0096】
最終的な畳込み層の出力は、2次元畳込み層からの出力畳込みチャネルを組み合わせる1×1の畳込みに供給することができ、ビットLLR508が生成される。1×1の畳込み層は、NMIMO×Nbit出力チャネルを有することができ、ここで、NMIMOはMIMO層の数であり、Nbitはシンボルあたりの最大ビット数である。例えば、最大256QAMをサポートするために、Nbit=8である。
【0097】
ニューラルネットワーク301の出力は、Nfreq×Ntime×NMIMO×Nbitの要素に再構築することができ、各要素をシグモイド関数に供給することができる。シグモイド関数は、各ビットが1である確率201を出力することができる。出力アレイはこれらの確率を含むことができる。
【0098】
シグモイド層の出力は、ビット確率であるため、シグモイド層への入力はLLRに対応し、-1との可能な乗算は、用いられる規則に依拠する。換言すれば、シグモイドの前の1×1の畳込み層の出力は、対応するビットLLRを与えることができる。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、出力アレイにおいてビットLLR508を出力するように構成することができる。いくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、出力アレイにおいてビット確率509を出力するように構成することができる。いくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、出力アレイにおいてビット値を出力するように構成することができる。
【0100】
ニューラルネットワーク301によって実行される任意の動作は、複素領域または実領域におけるものであり得る。これは、例えば、ニューラルネットワーク301が実施されるハードウェアに依拠することができる。データアレイ501はフーリエ変換信号とすることができるため、本明細書における開示は複素演算を想定することができる。実演算を用いた実施の場合、複素数の実部および虚部をニューラルネットワーク301の畳込みチャネルに供給することができる。そのような場合、データ510における畳込みチャネル数は、複素事例と比較して2倍にすることができる。
【0101】
ニューラルネットワーク301は、TTI/コードブロック全体を、ニューラルネットワーク301を通る単一のパスとして処理することができる。このため、ニューラルネットワーク301は、TTI全体にわたってチャネル推定および補間を暗黙的に学習することができる。更に、コードブロック全体を処理することは、最終的な復号段階にとって有益であり得る。なぜなら、この結果、より正確な信号対雑音比(SNR)推定を得ることができるためである。
【0102】
図6は、多入力多出力(MIMO)のために構成された、ニューラルネットワークにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0103】
データアレイ501は、複数の畳込みチャネルと、複数のアンテナストリームからのデータとを含むことができ、データアレイ501における各畳込みチャネルは、複数のアンテナストリームにおけるアンテナストリームに対応する。畳込みチャネルは、入力チャネルと呼ぶこともできる。
【0104】
基準信号アレイ502は複数の畳込みチャネルを含むことができ、基準信号アレイ502における複数の畳込みチャネルにおける各畳込みチャネルは、MIMO送信の層に対応する。層は、例えば、単一ユーザMIMOまたは単一および複数ユーザ混合MIMOからのものとすることができる。
【0105】
図6の例示的な実施形態において、データアレイ501は2つの畳込みチャネルを含む。各畳込みチャネルは、別個のアンテナストリームに対応することができる。更に、基準信号アレイ502は2つの畳込みチャネルを含む。各畳込みチャネルはMIMO層に対応することができる。
【0106】
データアレイ510のアンテナストリームおよび基準信号アレイ502のMIMO層は、データ510に連結することができる。
【0107】
ニューラルネットワーク301は、データ510に基づいてMIMO層ごとにLLR508を出力することができる。
【0108】
図6の例示的な実施形態は、複数ユーザMIMOまたは単一ユーザMIMOに適用することができる。複数ユーザMIMOにおいて、MIMO層の数は、MIMOユーザの数に対応することができる。
【0109】
図7は、ニューラルネットワークパラメータおよび残差ネットワークブロック753のテーブル750を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0110】
図7の例示的な実施形態において、データアレイ501、基準信号アレイ502およびチャネル推定値アレイ504は連結され、データ510が形成される。データ510は実部および虚部に分割され、これにより複素データ510と比較して2倍の数の畳込みチャネルを含むアレイ751が生成される。
【0111】
図7の例示的な実施形態のニューラルネットワークは、第1の畳込み層752と、9つの残差ネットワークブロック753と、1×1の畳込み層754とを含む。1×1の畳込み層754はLLR508を出力する。
【0112】
図7の例示的な実施形態において、各残差ネットワークブロック753は、2つのバッチ正規化(BN)ブロック761と、2つのReLUブロック762と、2つの分離可能な2次元畳込みブロック763と、2つの1×1の2次元畳込みブロック764とを含む。残差ネットワークブロック753の入力760は第1のBNブロック761に供給され、第1のBNブロック761の出力は第1のReLUブロック762に供給され、第1のReLUブロック762の出力は第1の分離可能な2次元畳込みブロック763に供給され、第1の分離可能な2次元畳込みブロック763の出力は第1の1×1畳込みブロック764に供給される。次に、プロセスは、第2のBNブロック761、第2のReLUブロック762、第2の分離可能な2次元畳込みブロック763、および第2の1×1の2次元畳込みブロック764を用いて第1の1×1の畳込みブロック764の出力について繰り返される。次に、第2の1×1の2次元畳込みブロック764の出力は、入力760と合算され(765)、残差ネットワークブロック753の出力766が生成される。
【0113】
図8は、コンスタレーション図を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0114】
図8の実施形態は、16直交振幅変調(QAM)コンスタレーションにおけるシンボルからどのようにビット値を抽出することができるかを示す。最初の2つのビット値b12は、シンボルが存在する複素平面の四半分(quarter)によって決定することができる。例えば、図8の実施形態において、シンボルは、複素平面の第1の四半分701にある。
【0115】
次の2つのビット値b34は、第1の四半分701を再び4つの四半分に分割し、シンボルが存在する四半分702を選択することによって決定することができる。
【0116】
より高次のQAMコンスタレーションは、以下の類似のプロセスによって階層方式で構築することができる。例えば、32QAMにおいて、四半分702は再び四半分に分割され、次の2つのビット値が決定され、より高次のQAMコンスタレーションについて以下同様である。
【0117】
図9は、ビット抽出を示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0118】
例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線受信機100に、時間間隔および複数のサブキャリアについて用いられる変調方式に基づいて、出力アレイの各要素からビットのサブセットを抽出させるように更に構成される。
【0119】
無線受信機100は、例えば或る特定のビットをマスキングすることによって、ビットの或る特定のサブセットを抽出することができる。このようにして、無線受信機は、用いられる変調方式に従って最終的なビットストリームを構築することができる。
【0120】
例えば、2nQAMが用いられる場合、無線受信機100はn個のビットを抽出することができる。抽出されたビットは、出力アレイの各要素の最初のn個のビットを含むことができる。
【0121】
例えば、QPSKまたは4QAMが用いられる場合、無線受信機100は、図9の例示的な実施形態に示されるように最初の2つのビット802を抽出することができる。
【0122】
他方で、16QAMが用いられる場合、無線受信機100は、図9の例示的な実施形態に示されるように最初の4つのビット801を抽出することができる。
【0123】
ビットのサブセットは、無線受信機100の使用中および/またはニューラルネットワーク301のトレーニング中に抽出することができる。したがって、ニューラルネットワークは、異なるビット出力ノードを、コンスタレーションの異なる階層四分位にマッピングするように学習することができる。このため、ニューラルネットワーク301は、様々な異なる変調方式を用いて機能するようにトレーニングすることができる。
【0124】
図10は、ニューラルネットワークトレーニングにおけるデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0125】
実施形態によれば、無線受信機のためのニューラルネットワークをトレーニングするための方法が、トレーニング入力データセットと、トレーニング入力データセットに対応するグランドトゥルースとを取得することを含む。
【0126】
トレーニング入力データセットは、複数のトレーニングデータレコードの一部とすることができる。そのような各トレーニングデータレコードは、ニューラルネットワークのトレーニングのために用いることができる。
【0127】
方法は、トレーニング入力データセットをニューラルネットワークに入力することを更に含むことができる。トレーニング入力データセットは、複数の要素を含むトレーニングデータアレイを含むことができ、トレーニングデータアレイ内の複数の要素における各要素は、複数のサブキャリアにおけるサブキャリア、および時間間隔におけるタイムスロットに対応する。
【0128】
入力トレーニングデータセットは、例えばシミュレートされたデータ901を含むことができる。シミュレートされたデータ901は、例えばリンクレベルシミュレータを用いて生成することができる。シミュレートされたデータ901は、送信機-受信機チェーンをシミュレートし、(グランドトゥルースのための)送信された符号化ビット、受信信号、ならびに基準信号構成およびパラメータ等の他の関連情報を記憶することによって生成することができる。
【0129】
トレーニングの開始時に、ニューラルネットワーク301は、ランダムパラメータ908を用いて構成することができる。
【0130】
シミュレートされたデータ901はニューラルネットワークに供給することができる。これは、モデル順方向パス902と呼ぶことができる。
【0131】
この方法は、ニューラルネットワークから、トレーニングデータアレイにおける複数の要素のビット値を表すトレーニング入力データセットの推定出力を受信することを更に含むことができる。
【0132】
推定出力は、入力トレーニングデータセットのための推定ビット値903を含むことができる。
【0133】
方法は、トレーニング入力データセットについて用いられる変調方式に基づいて、推定出力の各要素からビットのサブセットを抽出することを更に含むことができる。ビットは、例えば本明細書に開示される方式で抽出することができる。図9の例示的な実施形態におけるように、ビットは、例えば類似の方式で抽出することができる。ビットは用いられる変調方式に基づいて抽出されるため、ニューラルネットワーク301は、様々な変調方式を用いて機能するようにトレーニングすることができる。
【0134】
方法は、抽出されたビットおよびグランドトゥルースに含まれるビットに基づいてコスト関数を計算することを更に含むことができる。
【0135】
コスト関数は、例えば、抽出されたビット値903をグランドトゥルースビット値904と比較することによって計算することができる。グランドトゥルースビット値904は、トレーニングデータセットから得ることができる。コスト関数905は、例えば、グランドトゥルースビット904と抽出されたビット903との間のエントロピー間損失を含むことができる。
【0136】
方法は、計算されたコスト関数に従ってニューラルネットワークの少なくとも1つのパラメータを調整することを更に含むことができる。ニューラルネットワークの少なくとも1つのパラメータは、例えば、ニューラルネットワーク301の少なくとも1つの重みを含むことができる。
【0137】
少なくとも1つのパラメータの調整は、後方パス906と呼ぶことができる。パラメータは、例えば、統計勾配降下(SGD)またはその拡張(例えば、Adam最適化器)および後方伝搬を用いて調整することができる。これは、トレーニングされたパラメータ907を出力することができる。
【0138】
トレーニングプロセスの上記の説明は、トレーニングプロセスの一部にのみ対応することができる。ニューラルネットワーク301のパラメータは、反復的な形式で調整することができ、それによって、順方向パス902は各調整後に行われる。以前のパラメータ調整が損失関数905の値をどのように変更するかに基づいて、例えばSGDを用いて更なる調整を推論することができる。パラメータのそのような反復は、例えば、損失関数が予め構成された閾値に達するまで、またはニューラルネットワーク301の性能の何らかの他の条件に達するまで継続することができる。
【0139】
トレーニングは、コンピュータ等の任意のコンピューティングデバイスによって行うことができる。例えば、トレーニングは、BSから収集したシミュレートされたデータまたは実データを用いてクラウドにおいて行うことができる。トレーニングのためにグランドトゥルースチャネル情報は必要とされない場合があり、受信されたRX信号およびグランドトゥルースビットのみが必要とされる場合がある。
【0140】
データ510に関する本明細書における任意の開示は、トレーニング入力データセットにも適用することができる。
【0141】
トレーニング入力データセットは、基準信号アレイを更に含むことができる。基準信号アレイは複数の基準信号を含むことができ、複数の基準信号における各基準信号の基準信号アレイにおけるロケーションは、基準信号のサブキャリアおよび基準信号のタイムスロットを示す。基準信号アレイは、基準信号を含まない基準信号アレイの各ロケーションにおける事前構成されたインジケータ値を更に含むことができる。基準信号アレイは複数の畳込みチャネルを含むことができ、基準信号アレイにおける複数の畳込みチャネルにおける各畳込みチャネルは、MIMO送信の層に対応する。
【0142】
トレーニング入力データセットは、複数のサブキャリアのサブキャリア周波数を表す周波数アレイを更に含むことができる。
【0143】
トレーニング入力データセットは、複数の畳込みチャネルを含むことができる。データセットの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは基準信号アレイに対応する。トレーニング入力データセットの複数の畳込みチャネルにおける少なくとも1つの畳込みチャネルは周波数アレイに対応することができる。データアレイは、複数の畳込みチャネル、および複数のアンテナストリームからのデータを含むことができる。データアレイにおける各畳込みチャネルは、複数のアンテナストリームにおけるアンテナストリームに対応することができる。
【0144】
図11は、トレーニングされたニューラルネットワークを用いるときのデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0145】
トレーニング手順の出力は、トレーニングされたモデルパラメータ907とすることができる。これらは、シミュレーショントレーニングされたモデルと呼ぶこともできる。このモデルは、図11の例示的な実施形態に示すような生成において用いることができる。
【0146】
例えば、無線受信機100は、データ510を順方向パス902方式でニューラルネットワークに入力することによって、ニューラルネットワーク301を用いることができる。トレーニングされたモデルパラメータ907およびデータ510を用いて、ニューラルネットワーク301は、推定ビット値201を含む出力データセットを出力することができる。
【0147】
図12は、トレーニングされたニューラルネットワークを微調整する際のデータフローを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0148】
トレーニングされたモデルパラメータ907は、トレーニングが行われた後、特定のロケーションまたは状況について微調整することができる。微調整は、例えば、フィールドから収集されたデータを用いて実行することができる。微調整のために、グランドトゥルース1102を、例えば、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)再提出により取得することができる。これは、復号が最初に失敗する事例についてもトレーニングデータを取得することを可能にすることができる。
【0149】
ニューラルネットワーク301のパラメータの微調整は、トレーニングと類似して行うことができる。シミュレーショントレーニングされたモデルパラメータ907は、微調整の開始点として機能することができる。微調整において、記録されたデータ1101は、トレーニングにおいて用いられるシミュレートされたデータ901の代わりに用いることができ、グランドトゥルース1102はHARQにより取得することができる。結果として得られるパラメータは、微調整されたパラメータ1103である。
【0150】
図13は、リソース割り当てを示す、本明細書に記載の主題の比較例を示す。
【0151】
図13の比較例は、データリソース要素1201およびパイロット信号リソース要素1202を含むフレーム構造を示す。フレーム構造は、全てのサブキャリアについて時間において分離された2つのパイロット信号1202を含む。このタイプのフレーム構造は、例えば4G物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)において実施することができる。
【0152】
図14は、リソース割り当てを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0153】
図14の例示的な実施形態は、データリソース要素1201、パイロット信号リソース要素1202、および他のリソース要素1203を含むフレーム構造を示す。このタイプのフレーム構造は、例えば5G PUSCHにおいて実施することができる。図14の例示的な実施形態を図13の比較例と比較することによって見て取ることができるように、5G PUSCHフレーム構造において、パイロット信号1202の数およびそれらのロケーションは、4Gと比較してより自由に割り当てることができる。
【0154】
図15は、リソース割り当てを示す、本明細書に記載の主題の別の例示的な実施形態を示す。
【0155】
受信機100のニューラルネットワーク301は、データシンボル分布からもチャネルをより効率的に推定するように学習することができる。このため、パイロット信号1202に割り当てられるリソース要素の数を低減させることができ、この結果として、スループットを高めることができる。パイロット1202の数が低減したフレーム構造の例示的な実施形態が図15に示されている。パイロット信号1202の数およびそれらのロケーションは、5Gにおいてより自由に割り当てることができるため、無線受信機100は、5Gにおいてより高いスループットを提供することができる。
【0156】
少なくとも、いくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、様々な基準信号構成を用いて動作可能であり得る。トレーニング中、ニューラルネットワーク301は、ニューラルネットワーク301がトレーニングされる様々な構成にわたってチャネル推定値を補間するように学習することができる。このため、異なる構成について無線受信機100を手動でプログラムすることは必要でない場合がある。
【0157】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、用いられる変調方式に依拠して、異なる数のビットを出力することができる。
【0158】
少なくともいくつかの実施形態において、ニューラルネットワーク301は、UEおよびBSがMIMOアンテナアレイを有するときに、空間多重化を扱うことができる。UEスケジューリング情報は、データ510に含まれるベクトルまたは行列とすることができる。
【0159】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、無線受信機100は、隣接するリソースブロックにおいてスケジューリングされた異なるUEを処理することができる。異なるUEは、異なるコンスタレーションおよび基準信号構成を有する可能性が高い。
【0160】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、無線受信機100の実施を単純化することができる。ニューラルネットワーク301は、チャネル推定、マルチアンテナ等化、周波数オフセット(例えば、ドップラシフト)推定/補償、および/またはLLR推定を実行するように学習することができる。ニューラルネットワーク301は、異なる基準信号構成を手動でプログラムする必要なく、これらを扱うことが可能であり得る。ニューラルネットワーク301は、トレーニングのためにRxデータおよびグランドトゥルースシンボルのみを必要とし得る。チャネルまたはSNR推定値の必要がない場合がある。
【0161】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、依然として規約に準拠しながら、物理層においてニューラルネットワーク301を利用することができる。
【0162】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、1つのニューラルネットワーク301を用いたRXチェーン全体の実施の結果として、より高い性能を得ることができる。並列化は単純であり得る。複雑性および電力消費を低減することができる。これは、エンドツーエンド形式でニューラルネットワーク301を差別化およびトレーニングすることを依然として可能にしながら、受信機処理の他の部分をニューラルネットワーク301に組み込むことによって更に改善することができる。1ビットアーキテクチャ等の高性能ニューラルネットワーク推論チップを用いることが有益であり得る。
【0163】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、トレーニングは、送信機およびチャネルのシミュレーションのみを必要とする場合がある。受信は、データから学習することができる。機能はトレーニングデータから学習することができるため、無線受信機100におけるプログラムコードの量を低減させることができる。
【0164】
いくつかの例示的な実施形態において、時間領域RXデータは、ニューラルネットワーク301に直接供給され、ニューラルネットワーク301は、FFTまたは類似の演算を実行する。FFTは、ニューラルネットワーク301の固定部分とすることができるか、または類似の挙動を学習することができる。
【0165】
いくつかの例示的な実施形態において、パラメータ数の低減およびより高速な推論のために深さ方向の分離可能な畳込みを行うことができる。
【0166】
いくつかの例示的な実施形態において、無線受信機100は、TTI間のチャネル情報を記憶するための長短期記憶(LSTM)を含むことができる。
【0167】
いくつかの例示的な実施形態において、無線受信機100を分割し、例えば組み合わされたマルチポイント受信機(UlCoMP)の構成要素として複数のノードで実行することができる。
【0168】
いくつかの例示的な実施形態において、ニューラルネットワーク301は、最後の層を調整することによって、LLRの代わりに検出シンボルを出力することができる。
【0169】
いくつかの例示的な実施形態において、柔軟な周波数割り当てにより複数のUEから同時に受信するために、UEマスクを実施することができる。
【0170】
いくつかの例示的な実施形態において、全てのサブキャリア周波数の代わりに、周波数のブロックをニューラルネットワーク301に入力することができる。
【0171】
図16は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0172】
図16の例示的な実施形態において、シミュレーション結果を、干渉なしで、ランダムな速度を有するモバイルUEを用いて、および時間における1つのパイロット信号を用いて、5G 2Rx単入力多出力(SIMO)受信機について提示することができる。図16のプロットは、信号対干渉雑音比(SINR)の関数として符号化ビット誤り率(BER)を示す。
【0173】
曲線1501は無線受信機100に対応し、曲線1502は基準受信機に対応し、曲線1503は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。全チャネル情報を有する基準受信機は、チャネルを完全に知っているという意味で理想的な受信機に対応することができる。しかしながら、任意のタイプの干渉拒絶/キャンセルまたはドップラスプレッド補償を実行することが可能でない場合がある。
【0174】
図17は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0175】
図17の例示的な実施形態において、シミュレーション結果が、干渉なしで、ランダムな速度を有するモバイルUEを用いて、および時間における2つのパイロット信号を用いて、5G 2Rx SIMO受信機について提示される。図17のプロットは、SINRの関数として符号化BERを示す。
【0176】
曲線1601は無線受信機100に対応し、曲線1602は基準受信機に対応し、曲線1603は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0177】
図18は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0178】
図18の例示的な実施形態において、シミュレーション結果が、時間における1つまたは2つのパイロット信号を含む4つのパイロット構成を用いて、およびランダムに選択された3GPPチャネルモデルを用いて、5G 2×4MIMO受信機について提示される。トレーニングおよび検証のために異なるチャネルモデルが用いられた。図18のプロットは、SINRの関数として未加工BERを示す。
【0179】
曲線1701は無線受信機100に対応し、曲線1702は基準受信機に対応し、曲線1703は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0180】
図19は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0181】
図19のプロットは、図18に関して上記で説明したシミュレーションについて、SINRの関数として符号化BERを示す。
【0182】
曲線1801は無線受信機100に対応し、曲線1802は基準受信機に対応し、曲線1803は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0183】
図20は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0184】
図20の例示的な実施形態において、シミュレーション結果が、時間における1つまたは2つのパイロットを用いて、干渉を伴って、2RX SIMOダウンリンクチャネル推定器について提示される。図20のプロットは、SINRの関数として未加工BERを示す。
【0185】
曲線1901は無線受信機100に対応し、曲線1902は基準受信機に対応し、曲線1903は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0186】
図21は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0187】
図21のプロットは、図20に関して上記で説明したシミュレーションについて、SINRの関数として符号化BERを示す。
【0188】
曲線2001は無線受信機100に対応し、曲線2002は基準受信機に対応し、曲線2003は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0189】
図22は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0190】
図22の例示的な実施形態において、シミュレーション結果が、時間における1つまたは2つのパイロット信号を用いて、干渉を伴って、2RX SIMO無線受信機について提示される。図22のプロットは、SINRの関数として未加工BERを示す。
【0191】
曲線2101は無線受信機100に対応し、曲線2102は基準受信機に対応し、曲線2103は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0192】
図23は、シミュレーション結果を示す、本明細書に記載の主題の例示的な実施形態を示す。
【0193】
図23のプロットは、図22に関して上記で説明したシミュレーションについて、符号化BERをSINRの関数として示す。
【0194】
曲線2201は無線受信機100に対応し、曲線2202は基準受信機に対応し、曲線2203は全チャネル情報を有する基準受信機に対応する。
【0195】
装置は、本明細書に記載の方法の任意の態様を実行するための手段を備えることができる。例示的な実施形態によれば、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、プログラムコードを含むメモリとを備え、少なくとも1つのプロセッサ、およびプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、方法の任意の態様を実行させるように構成される。
【0196】
本明細書に記載の機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェアコンポーネント等の1つまたは複数のコンピュータプログラム製品コンポーネントによって実行することができる。例示的な実施形態によれば、無線受信機100は、実行されると、説明した動作および機能の例示的な実施形態を実行するようにプログラムコードによって構成されたプロセッサを備える。代替的にまたは更に、本明細書に記載の機能は、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネントによって実行することができる。例えば、限定ではないが、用いることができるハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途用標準品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)、およびグラフィック処理ユニット(GPU)を含む。
【0197】
本明細書に与えられた任意の範囲またはデバイスは、求められる効果を失うことなく拡張または改変することができる。また、明確に却下されない限り、任意の例示的な実施形態を別の例示的な実施形態に結合することができる。
【0198】
構造上の特徴および/または行動に特定の言語で主題について記述したが、添付の特許請求の範囲に規定される主題は、必ずしも、上記で説明した特定の特徴または行動に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記で説明した特定の特徴および行動は、特許請求の範囲を実施する例として開示されたものであり、他の同等の特徴および行動が特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0199】
上記で説明した利益および利点は、1つの例示的な実施形態に関連してもよいし、いくつかの例示的な実施形態に関連してもよいことが理解されよう。例示的な実施形態は、上述した問題のいずれかもしくは全部を解消するもの、または上述した利益および利点のいずれかもしくは全部を有するものに限定されない。「1つの(an)」アイテムへの言及は、1つまたは複数のそのアイテムを指す場合があることを更に理解されたい。
【0200】
本明細書に記載の方法のステップは、任意の適切な順序で実行されてもよいし、適宜、同時に実行されてもよい。加えて、個々のブロックは、本明細書に記載の主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、方法のうちの任意のものから削除されてもよい。上記で説明した例示的な実施形態のいずれの観点も、説明した他の例示的な実施形態の観点のうちの任意のものと組み合わせて、求められる効果を失うことなく更なる例示的な実施形態を形成することができる。
【0201】
「備える、含む(comprising)」という語は、本明細書において、識別された方法、ブロックまたは要素を含むことを意味するために用いられるが、そのようなブロックまたは要素は、排他的リストを含まず、方法または装置は、付加的なブロックまたは要素を含んでもよい。
【0202】
上記の説明は一例にすぎず、当業者により種々の変更がなされ得ることが理解されよう。上記の仕様、実施例およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を与える。種々の例示的な実施形態は、ある程度の特殊性で、または1つもしくは複数の個々の例示的な実施形態を参照して上記で説明されたが、当業者であれば、本明細書の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された例示的な実施形態に対して多数の変更をなすことができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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