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特許7511023エアロゾル生成コンポーネントを調製するためのシステム及びプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】エアロゾル生成コンポーネントを調製するためのシステム及びプロセス
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20240627BHJP
【FI】
A24B15/16
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022561060
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 GB2021050988
(87)【国際公開番号】W WO2021214483
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】2005966.3
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, シャサ
(72)【発明者】
【氏名】ラフリー, ハワード
(72)【発明者】
【氏名】マシエル, グスタヴォ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103300472(CN,A)
【文献】特表2018-525975(JP,A)
【文献】特表2018-521909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成コンポーネントのユーザによってカスタマイズされる前記エアロゾル生成コンポーネントを調製するためのシステムであって、
付加製造プロセスにおいて使用するための2つ以上の異なる原材料を含む装置を備え、
1つ又は複数の原材料が前記ユーザによって選択され、前記ユーザによって与えられる指示に従って前記付加製造プロセスによって、前記1つ又は複数の原材料が前記エアロゾル生成コンポーネントに形成される、システム。
【請求項2】
前記エアロゾル生成コンポーネントがエアロゾル生成材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記付加製造プロセスが、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを使用して前記原材料から三次元物体を形成する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記付加製造プロセスが、前記原材料の層上に層を積層させる3Dプリントプロセスである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
複数の原材料の配列を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
当該システムは、前記ユーザによって与えられる指示に従って1つ又は複数の原材料を調製する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記付加製造プロセスによって形成された前記エアロゾル生成コンポーネントを硬化させる、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
当該システムは、前記ユーザによって与えられる指示に従って、前記エアロゾル生成コンポーネントを消耗品に組み込む、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
当該システムは自動販売機である、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
当該システムは家庭用機器である、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
カスタマイズされたエアロゾル生成コンポーネントを製造するためのプロセスであって、2つ以上の様々な異なる原材料から1つ又は複数の原材料を選択することと、前記エアロゾル生成コンポーネントのユーザによって与えられる指示に従って付加製造プロセスにより、選択された前記1つ又は複数の原材料を前記エアロゾル生成コンポーネントに形成することを含む、プロセス。
【請求項12】
前記エアロゾル生成コンポーネントがエアロゾル生成材料を含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記付加製造プロセスが、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを使用して前記原材料から三次元物体を形成する、請求項11又は12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記付加製造プロセスが、原材料の層の上に層を積層させる3Dプリントプロセスである、請求項1113のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記ユーザによって与えられる指示に従って原材料を調製するステップを含む、請求項1114のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ユーザによって与えられる指示に従って2つ以上の原材料からエアロゾル生成コンポーネントを形成する、請求項1115のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記付加製造プロセスによって形成された前記エアロゾル生成コンポーネントを硬化させることをさらに含む、請求項1116のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、例えば、エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1種の成分を揮発させるための装置に含まれるエアロゾル生成コンポーネントを調製するシステムに関する。本発明はまた、そのようなコンポーネントを調製するためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成材料は、多種多様な活性物質及び/又は香料を含むことができ、ユーザは、エアロゾル生成材料を選択して所望のユーザエクスペリエンスをもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、ユーザによってカスタマイズされるエアロゾル生成コンポーネントを調製するためのシステムであって、付加製造プロセスにおいて1つ又は複数の原材料を使用するための装置を含み、ユーザによって与えられる指示ないしは命令に従って、1つ又は複数の原材料が選択され、付加製造プロセスによってエアロゾル生成コンポーネントに形成されるシステムが提供される。
【0004】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントはエアロゾル生成材料を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、付加製造プロセスは、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを使用して原材料から三次元物体を形成する。
【0006】
いくつかの実施形態では、付加製造プロセスは、原材料の層の上に層を堆積させる3Dプリントプロセスである。
【0007】
いくつかの実施形態では、システムは複数の原材料の配列を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザによって与えられれる指示に従って、1つ以上の原材料を調製する。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザによって与えられる指示に従って2つ以上の原材料をエアロゾル生成コンポーネントに組み込む。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、付加製造プロセスによって形成されたエアロゾル生成コンポーネントを硬化させる。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザによって与えられる指示に従ってエアロゾル生成コンポーネントを消耗品に組み込む。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは自動販売機である。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは家庭用機器である。
【0014】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、カスタマイズされたエアロゾル生成コンポーネントを製造するためのプロセスが提供され、このプロセスは、ユーザによって与えられる指示に従って付加製造プロセスにより1つ以上の原材料をエアロゾル生成コンポーネントに形成することを含む。
【0015】
いつくかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントはエアロゾル生成材料を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、付加製造プロセスにより、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを使用して、原材料から三次元物体を形成する。
【0017】
いくつかの実施形態では、付加製造プロセスは、原材料の層の上に層を積層する3Dプリントプロセスである。
【0018】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、ユーザによって与えられる指示に従って原材料を調製するステップを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、ユーザによって与えられる指示に従って2つ以上の原材料からエアロゾル生成コンポーネントを形成する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、付加製造プロセスによって形成されたエアロゾル生成コンポーネントを硬化させることをさらに含む。
【0021】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本明細書に記載されるシステム又はプロセスの機能を示すフローチャートである。
図2】本明細書に記載されるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
いくつかの態様では、本発明は、ユーザによってカスタマイズされるエアロゾル生成コンポーネントを調製するためのシステムに関し、このシステムは、1種以上の原材料と、付加製造プロセスにおいて原材料を使用するための装置とを含む。1種以上の原材料が選択され、ユーザによって与えられる指示に従って付加製造プロセスによってエアロゾル生成コンポーネントへと形成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントはエアロゾル生成材料を含む。エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、放射線照射又は任意の他の方法でエネルギー供給されたときにエアロゾルを生成することが可能な材料である。
【0025】
本明細書で使用される場合、エアロゾル生成コンポーネントは、送達システム、例えば、非燃焼型エアロゾル供給システムにおいて使用する準備ができているコンポーネントである。これは、本システムにより製造されるエアロゾル生成コンポーネントが、さらなる適合又は加工の必要なしに送達システムにおいて使用する準備ができていることを意味する。
【0026】
エアロゾル生成コンポーネントを形成するために使用される付加製造プロセスは、本明細書に開示されるシステム及びプロセスを使用して製造されるエアロゾル生成コンポーネントの三次元形状に関して重要な柔軟性を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、コンポーネントに大きな表面積を付与することが望ましく、付加製造プロセスは、コンポーネントを、チャンネル及び/又は複雑な断面形状(例えば、Y形状、X形状又は星形の形状)で製造して、表面積を最大にする一方、コンポーネントの必要な強度及び安定性をなお維持するために使用することができる。
【0027】
付加製造は、コンピュータ支援設計(CAD)モデルから、通常、材料を層毎に連続的に付加することによって、三次元物体を構築する。種々のプロセスを、コンピュータ制御下で材料を結合又は硬化させて三次元物体を作り出すために使用してもよい。
【0028】
「付加製造」という用語は、本明細書において、例えば、供給ヘッドにより層毎に材料を積層するプリントプロセス(「3Dプリント」)を含む種々の方法を指すために使用される。
【0029】
本システムは、カスタマイズされたエアロゾル生成コンポーネントを作成する力をユーザに与える。ユーザはコンポーネントのサイズ、形状及び構成のうちの1つ又は複数を選択することができる。ユーザはまた、必要とされるときにエアロゾル生成コンポーネントを作製することを選択することができる。
【0030】
いくつかの態様では、本発明は、カスタマイズされたエアロゾル生成コンポーネントを製造するためのプロセスに関し、このプロセスは、ユーザによって与えられる指示に従って付加製造プロセスによって1つ以上の原材料をエアロゾル生成コンポーネントに形成することを含む。
【0031】
本プロセスは、カスタマイズされたエアロゾル生成コンポーネントを作成する能力をユーザに与える。ユーザはコンポーネントのサイズ、形状及び構成のうちの1つ又は複数を選択することができる。ユーザはまた、必要とされるときにエアロゾル生成コンポーネントを作製することを選択することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、3Dプリンタ等の付加製造装置の使用を含む。付加製造装置は、例えばコンピュータプログラムの制御下で、原材料を使用してエアロゾル生成コンポーネントを形成する。
【0033】
本システム又は本プロセスのいくつかの実施形態では、ユーザは、エアロゾル生成コンポーネントを形成するために使用される原材料を選択する。追加的又は代替的に、ユーザは、形成されるエアロゾル生成コンポーネントのサイズ及び/又は形状を選択する。
【0034】
いくつかの実施形態では、ユーザは、提供された原材料の配列から1つ以上の原材料を選択する。他の実施形態では、ユーザは、1つ又は複数の原材料を提供するために混合される成分を選択することによって、1つ又は複数の異なる原材料を作成することができる。例えば、基本的な原材料が提供され、ユーザは、所望の特性を有するエアロゾルを生成するカスタマイズされた原材料を作製するために、この基本的な原材料に添加される1つ以上の追加の成分を選択してもよい。追加の成分としては、活性物質、香料及び他の機能性成分が挙げられる。
【0035】
したがって、原材料及びエアロゾル生成材料は、1種又は複数の活性物質及び/又は香料、1種又は複数のエアロゾル形成材料、並びに任意選択で1種又は複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0036】
本明細書で使用される場合、活性物質は、生理反応を達成するか又は強化するかすることを目的とした材料である生理活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、及び、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、天然に存在するものであっても、合成により得られるものであってもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6、B12、C等のビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの構成成分、誘導体、若しくはそれらの組合せを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻又は別の植物性物質の1種又は複数の構成成分、誘導体又は抽出物を含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質はカフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種又は複数の植物性物質又はその構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか又はそれらに由来してもよい。本明細書で使用される場合、「植物性物質」という用語は、これらに限定されないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む、植物に由来する任意の材料を含む。或いは、材料は、植物性物質中に天然に存在し、合成により得られる活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、塵、粉砕粒子、顆粒、ペレット、細断物、ストリップ、シートなどの形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリノキ、スターアニス、麻、カカオ、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ(Ginkgo biloba)、ハシバミ、ハイビスカス、ローリエ、リコリス、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、クローヴ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種:メンタ・アルベンティス(Mentha Arventis)、メンタ属園芸品種(Mentha c.v.)、メンタ・ニリアカ(Mentha niliaca)、メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、メンタ・ピペリタ園芸品種シトラタ(Mentha piperita citrata c.v.)、メンタ・ピペリタ園芸品種(Mentha piperita c.v.)、メンタ・スピカタ クリスパ(Mentha spicata crispa)、メンタ・カルディフォリア(Mentha cardifolia)、メンタ・ロンギフォリア(Mentha longifolia)、メンタ・スアベオレンス バリエガタ(Mentha suaveolens variegata)、メンタ・プレギウム(Mentha pulegium)、メンタ・スピカタ園芸品種(Mentha spicata c.v.)、及びメンタ・スアベオレンス(Mentha suaveolens)から選択され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種又は複数の植物性物質又はその構成成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれに由来し、植物性物質はタバコである。
【0040】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種又は複数の植物性物質又はその構成成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種又は複数の植物性物質又はその構成成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれに由来し、植物性物質は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンである。これは、タバコ材料の粒子の形態の供給物及びエアロゾル生成材料、タバコ抽出物並びに/又はニコチンの精製若しくは合成形態で供給されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、原材料及びエアロゾル生成材料は香料を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、現地の規制が許す場合、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用することができる材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、リコリス、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローヴ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワール(naswar)、キンマ、シーシャ、パイン、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、メンタ属の任意の品種由来のミント油、ユーカリノキ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローリエ、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤、若しくは刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール又はマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含んでもよい。それらは、模造、合成若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の好適な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体又は気体であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、香料は、嗅覚神経又は味覚神経に加えて又はその代わりに、第5の脳神経(三叉神経)を刺激することによって通常化学的に誘起され、知覚される体性感覚を達成することを目的とした感覚剤を含んでもよく、これらは、加熱、冷却、ひりつき、麻痺効果をもたらす薬剤を含んでもよい。適切な加熱効果剤は、これらに限定されないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、好適な冷却剤は、これらに限定されないが、ユーカリプトール(eucolyptol)、WS-3であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、供給物及びエアロゾル生成材料は、エアロゾル形成材料を含む。エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することが可能な1種又は複数の構成成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニルアセテート、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカルボネートのうちの1種又は複数を含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、供給物及びエアロゾル生成材料は、1種又は複数の機能性材料を含む。1種又は複数の他の機能性材料は、pH調節剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤及び/又は酸化防止剤のうちの1種又は複数を含んでもよい。
【0049】
好適な結合剤としては、例えば、ペクチン、グアーガム、果実ペクチン、柑橘類ペクチン、タバコペクチン、ヒドロキシルエチルグアーガム、ヒドロキシルプロピルグアーガム、ヒドロキシルエチルローカストビーンガム、ヒドロキシルプロピルローカストビーンガム、アルギネート、デンプン、変性デンプン、誘導体化デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、タマリンドガム、デキストラン、プラロン(pullalon)、コンニャク粉又はキサンタンガムが挙げられる。
【0050】
1つ以上の原材料が選択されると、装置は、付加製造プロセスにおいて原材料を使用して、三次元的な固体のエアロゾル生成コンポーネントを形成する。1つ以上の原材料を使用して、単一のエアロゾル生成コンポーネントを形成してもよい。2つ以上の異なる原材料が選択される場合、これらは、均質混合物等の混合物として使用されて、エアロゾル生成コンポーネントを形成することもできる。代替的又は追加的に、様々な原材料又はその混合物を順番に用いて、色々なエアロゾル生成材料からエアロゾル生成コンポーネントの様々な部分又は層を形成してもよい。得られるエアロゾル生成コンポーネントのこれらの可変的な特徴は、システムのユーザによって選択され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントの形状又は形態も選択され得る。エアロゾル生成コンポーネントは、種々様々な送達システムで使用されてもよく、そのようなシステムで加熱されるコンポーネントの形状及び/又はサイズも様々となる。いくつかの実施形態では、システムのユーザは、調製されるエアロゾル生成コンポーネントの形状及び/又はサイズを選択して、例えば、コンポーネントが使用される送達システムに適合させることができる。
【0052】
送達システム
本明細書で使用される場合、「送達システム」という用語は、少なくとも1種の物質をユーザに送達するシステムを包含することが意図され、これには、
燃焼型エアロゾル供給システム、例えば、紙巻タバコ、シガリロ、葉巻タバコ、及びパイプ又は手巻き又は手作り紙巻タバコ用タバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨化タバコ、再成タバコ、タバコ代替品又は他の喫煙材に基づくかに関わらず);並びに
エアロゾル生成材料を燃焼させずにエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼型エアロゾル供給システム、例えば、タバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステム
が含まれる。
【0053】
本開示によると、「非燃焼型」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システムの構成成分エアロゾル生成材料(又はその成分)が、ユーザへの少なくとも1種の物質の送達を促進するために燃焼(combust)されないもの又は燃え(burn)ないものである。
【0054】
いくつかの実施形態では、送達システムは、非燃焼型エアロゾル供給システム、例えば、粉末化非燃焼型エアロゾル供給システムである。
【0055】
いくつかの実施形態では、非燃焼型エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても公知のエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例は、タバコ加熱システムである。
【0056】
いくつかの実施形態では、非燃焼型エアロゾル供給システムは、そのうちの1つ又は複数が加熱されてもよいエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルエアロゾル生成材料及び固体エアロゾル生成材料を備える。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ生成物を含んでもよい。
【0057】
典型的には、非燃焼型エアロゾル供給システムは、非燃焼型エアロゾル供給デバイス及び非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される消耗品を備えてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成コンポーネントを備え、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用されるように構成された消耗品に関する。このような消耗品は、本開示においては物品と称される場合もある。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、本明細書に開示されるシステム又はプロセスにより調整されるエアロゾル生成コンポーネントを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、非燃焼型エアロゾル供給システム、例えば、その非燃焼型エアロゾル供給デバイスは、電源及びコントローラを備えてもよい。電源は、例えば、電力源又は発熱電源であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱電源は、エアロゾル生成材料に熱の形態の電力を分布させるように通電され得る炭素基体、又は発熱電源に近接した伝熱材料を備える。
【0060】
いくつかの実施形態では、非燃焼型エアロゾル供給システムは、消耗品を受容する領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル変性剤を備えてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保存領域、エアロゾル生成材料移動構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、巻紙、フィルター、マウスピース及び/又はエアロゾル変性剤を備えてもよい。
【0062】
消耗品は、その一部又はすべてがユーザによる使用中に消費されることが意図されるエアロゾル生成材料を備えるか、又はそれからなる物品である。消耗品は、1つ又は複数の他の構成要素、例えば、エアロゾル生成材料保存領域、エアロゾル生成材料移動構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、巻紙、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル変性剤を備えてもよい。消耗品はまた、エアロゾル生成器、例えば、使用中にエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように熱を発生するヒータを備えてもよい。
【0063】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からのエアロゾルの生成を引き起こすように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに供して、エアロゾル生成材料から1種又は複数の揮発物質を放出させてエアロゾルを形成するように構成されたヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱することなく、エアロゾル生成材料からのエアロゾルの生成を引き起こすように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、高圧、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数に供するように構成されていてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、付加製造プロセスを実行するための装置は、コンピュータプログラムの制御下で三次元物体を形成するために原材料層を順次積層するために使用され得る装置である。特定の実施形態では、付加製造プロセスは3Dプリントであり、これを実行するための適切な装置としては、三次元物体を形成するために原材料の複数の層を配置するプリントヘッドを有する3Dプリンタ等である。一般に、プリントヘッドは、積層される原材料が供給されるチャンバと、高度に制御された態様で原材料を分配するノズルとを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントを調製するために使用される原材料はペースト又はスラリーである。そのような実施形態において、付加製造プロセスは、ペースト又はスラリー押出式の3Dプリントプロセスである。
【0066】
本開示によるシステムは、ユーザの指示に基づくコンピュータ制御下で、所望の形状及びサイズのエアロゾル生成コンポーネントをもたらすように制御された態様で、選択された原材料の層を積層させることによって、選択された原材料又は選択された原材料成分を使用してエアロゾル生成コンポーネントを調製する。
【0067】
原材料の粘度や、ノズル開口のサイズ及び/又は原材料が送達される速度等の付加製造装置の特性は、エアロゾル生成コンポーネントの特徴をその求められた用途に合わせることができるように最適化することができる。
【0068】
任意選択のさらなるステップにおいて、エアロゾル生成コンポーネントは、付加製造プロセス後に処理される。例えば、付加製造プロセスによって調製されたコンポーネントは、その後硬化されてもよい。硬化は、いくつかの実施形態において、適切な熱源(例えば、熱風、赤外線、レーザー又はプラズマジェット)への曝露を含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、エアロゾル生成コンポーネントを調製するために使用される原材料に関する指示、及び/又は、エアロゾル生成コンポーネントのサイズ及び/又は形状に関する指示をユーザがシステムに与えることを可能にするインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、活性成分、香味、並びにサイズ及び形状のうちの1つ以上を組み合わせる製品オプションの選択をもたらす。サイズ及び形状は、エアロゾル生成コンポーネントが使用されるエアロゾル供給システムに関して定めることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは自動販売機である。いくつかの実施形態では、自動販売機は、ユーザからの支払いを受け入れるための手段を含む。
【0071】
他の実施形態では、システムは、家庭での使用に適したデバイス(家庭用機器)である。
【0072】
図1は、本明細書に記載されるプロセスのステップ及び本明細書に記載されるシステムの機能を示すフローチャートである。まず、ユーザは、製造されるエアロゾル生成コンポーネントの仕様を入力する。これは、コンポーネントの構成並びにコンポーネントのサイズ及び形状等の情報を含む。これらは、例えば、ユーザが選択できる予めプログラムされたオプションとして提供されてもよい。
【0073】
この情報の結果として、システムは、エアロゾル生成コンポーネントを形成するために使用される1つ以上の原材料を選択又は用意する。例えば、原材料は、ユーザによって所望される成分の構成に従って、活性成分、香味成分又は他の成分を含む。
【0074】
次に、3Dプリンタ等の付加製造装置は、原料を受け取る。次いで、装置は、原材料を使用して、ユーザの指示に従って適切な形状及び寸法を有するエアロゾル生成コンポーネントを製造する。装置は、原材料を使用して適切な三次元形態を形成するために、ユーザ入力を指示に変換するソフトウェアによって制御される。
【0075】
任意選択のステップにおいて、付加製造ステップの製品が処理される。例えば、それは硬化又は他の方法で処理されてもよい。
【0076】
最後に、完成したエアロゾル生成コンポーネントはユーザに供給される。いくつかの実施形態において、コンポーネントは、適切な送達システムにおいて使用される状態とされる。
【0077】
自動販売機1の一例が図2に概略的に示されている。ハウジング2内には、原材料を収容するリザーバ3が設けられている。リザーバは、原材料を付加製造装置4に供給する。リザーバから付加製造装置への原材料の流れ、及び装置は、ユーザインターフェース5を介してユーザによって与えられる指示に基づいて制御される。自動販売機1によって生成されたエアロゾル生成コンポーネントは、アクセス開口6を通してユーザに供給される。
【0078】
本明細書に記載される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を補助するためにのみ示される。これらの実施形態は、実施形態の代表サンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書に記載される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲への制限又は特許請求の範囲の等価物への制限とは判断されないこと、並びに他の実施形態が利用されてもよく、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことが理解される。本発明の様々な実施形態は、好適には、本明細書に具体的に記載されるもの以外の本開示の要素、成分、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組合せを含んでもよく、それらからなってもよく、又はそれらから本質的になってもよい。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含んでもよい。
図1
図2