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特許7511035ストレスイベントを検出するためのウェアラブルデバイス上の手首側の継続的皮膚電気活動電極の配置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ストレスイベントを検出するためのウェアラブルデバイス上の手首側の継続的皮膚電気活動電極の配置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240627BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240627BHJP
   A61B 5/0531 20210101ALI20240627BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B5/16 110
G06F1/16 312G
G06F1/16 312Z
A61B5/0531
A61B5/02 310F
A61B5/02 310B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022580523
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2021047119
(87)【国際公開番号】W WO2023027685
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】517230219
【氏名又は名称】フィットビット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FITBIT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンデン,リンジー
(72)【発明者】
【氏名】ハウ,ダニエル・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ワング,コンラッド・グアンチャング
(72)【発明者】
【氏名】宮川 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】トムソン,シーマス・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ガットシック,デイビッド・ダンカンソン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0296088(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0059821(US,A1)
【文献】国際公開第2020/011570(WO,A1)
【文献】特開2015-104516(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03305186(EP,A1)
【文献】Yekta Said Can et al.,Personal stress-level clustering and decision-level smoothing to enhance the performance of ambulatory stress detection with smartwatches,IEEE Access,2020年03月03日,volume 8, pages 38146-38163
【文献】Yekta Said Can et al.,Stress detection in daily life scenarios using smart phones and wearable sensors: A survey,Journal of Biomedical Informatics,2019年04月,volume 92, 103139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
G06F 1/16
A61B 5/0531
A61B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスのユーザによって装着されているときに前記ユーザの手首背面に当たるように構成された手首背側面を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置された電子ディスプレイと、
前記ユーザによって前記手首背面に装着されているときに前記ユーザとの皮膚接触を維持するために前記ハウジングの前記手首背側面に位置決めされた複数の生体センサ電極とを備え、前記複数の生体センサ電極は、少なくとも、前記皮膚接触の位置において前記ユーザの電気インピーダンスを示す1つ以上のパラメータを測定し、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
前記複数の生体センサ電極に通信可能に結合された少なくとも1つのドライバと、
前記少なくとも1つのドライバに通信可能に結合された少なくとも1つのコントローラとを備え、前記少なくとも1つのコントローラは、前記ユーザの前記電気インピーダンスに基づいて特定の期間にわたる前記ユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を判定し、前記SCLに少なくとも部分的に基づいて前記ユーザのストレス状態を計算するように構成されており、
前記複数の生体センサ電極のうちの少なくともいくつかは複数のペアで配置され、
前記少なくとも1つのコントローラは、前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアのうちの1つを選択して、前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアから収集されたデータに基づいて前記特定の期間にわたる前記ユーザの前記SCLを判定し、前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアのうちの残りをオフにするように構成されている、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記複数の生体センサ電極の各々は継続的皮膚電気活動(cEDA)センサ電極を含み、前記cEDAセンサ電極は前記SCLおよび皮膚コンダクタンス応答(SCR)を測定するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記ハウジングの内部に配置されて前記ハウジングの前記手首背側面から少なくとも部分的に露出している光学パッケージをさらに備え、前記複数の生体センサ電極は、前記ハウジングの前記手首背側面上の前記光学パッケージの周りに、前記光学パッケージに隣接して、前記光学パッケージを間に挟んで、前記光学パッケージに囲まれて、または前記光学パッケージの上に、位置決めされる、請求項1または2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記複数の生体センサ電極は、少なくとも第1の生体センサ電極および第2の生体センサ電極を含み、前記第1および第2の生体センサ電極は少なくとも1つの隙間を隔てて配置されている、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの隙間は、前記光学パッケージの両側に配置された第1の隙間および第2の隙間を含む、請求項4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記第1および第2の生体センサ電極は同心構成で配置され、前記少なくとも1つの隙間は環状の隙間である、請求項4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記複数の生体センサ電極は、前記光学パッケージの周りに配置された、前記光学パッケージに隣接して配置された、前記光学パッケージを間に挟んで配置された、前記光学パッケージに囲まれて配置された、または前記光学パッケージの上に配置された、3つ以上の生体センサ電極を含む、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記3つ以上の生体センサ電極は、前記光学パッケージの周りに環状構成で配置される、請求項7に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記3つ以上の生体センサ電極は、前記光学パッケージの周りに、前記光学パッケージに隣接して、前記光学パッケージを間に挟んで、前記光学パッケージに囲まれて、または前記光学パッケージの上に、四角形の構成で配置される、請求項7に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記複数のペアの各々は、互いに平行であり、隙間を隔てて配置されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記複数の生体センサ電極のうちの2つ以上は、異なる形状を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記複数の生体センサ電極は、前記ハウジングの前記手首背側面の端部から隙間を隔てて配置されている、請求項1から11のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記複数の生体センサ電極のうちの1つ以上は、前記ハウジングの前記手首背側面の表面上の前記複数の生体センサ電極に隣接した領域に対して隆起している、請求項1から12のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
少なくとも1つの追加の生体センサ電極をさらに備え、前記少なくとも1つの追加の生体センサ電極は、1つ以上の温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサ、マイクロフォン、または光電式容積脈波記録法(PPG)センサ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記複数の生体センサ電極のうちの1つ以上は、以下の特徴、すなわち、透明性、前記手首背側面との面一性、表面仕上げ、または曲線状の端部、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から14のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
ウェアラブルコンピューティングデバイスを使用してユーザのストレス状態を監視する、コンピュータで実現される方法であって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスは、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスのハウジングの手首背側面に複数の生体センサ電極を有し、前記複数の生体センサ電極のうちの少なくともいくつかは複数のペアで配置され、前記コンピュータで実現される方法は、
前記複数の生体センサ電極のうちの1つ以上を前記ユーザの手首背面に隣接して配置することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記複数の生体センサ電極のうちの前記1つ以上を介して、少なくとも、手首における前記ユーザの電気インピーダンスを示す1つ以上のパラメータを特定の期間にわたって連続測定することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスのコントローラを介して、前記ユーザの前記電気インピーダンスに基づいて前記特定の期間にわたる前記ユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を判定することと、
前記コントローラを介して、前記SCLに少なくとも部分的に基づいて前記ユーザの前記ストレス状態を計算することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイを介して、前記ストレス状態を前記ユーザに表示することと
前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアのうちの1つを選択して、前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアから収集されたデータに基づいて前記特定の期間にわたる前記ユーザの前記SCLを判定することと、
前記複数の生体センサ電極の前記複数のペアのうちの残りをオフにすることとを備える、コンピュータで実現される方法。
【請求項17】
測定用の最適な電極ペアを選択することをさらに備える、請求項16に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項18】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが収集した1つ以上の追加のパラメータに基づいて、前記ユーザの前記電気インピーダンスをフィルタリングすることをさらに備える、請求項16または17に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項19】
前記複数の生体センサ電極は、前記ハウジングの前記手首背側面上の光学パッケージの周りに、前記光学パッケージに隣接して、前記光学パッケージを間に挟んで、前記光学パッケージに囲まれて、または前記光学パッケージの上に、配置される、請求項16から18のいずれか1項に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項に記載のコンピュータで実現される方法をプロセッサに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、概してウェアラブルコンピューティングデバイスに関し、より具体的には、ウェアラブルデバイス上の手首側の継続的皮膚電気活動センサ電極の配置によって、増加した接触面積および改善されたセンサ信号の信号品質を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
個人の健康に対する近年の消費者の関心により、さまざまな個人健康監視デバイスが販売されるようになっている。センサ、電子機器、および電源の小型化における近年の進歩により、個人健康監視デバイス(本明細書では「生体追跡」または「生体監視」デバイスとも呼ばれる)のサイズを、これまで非現実的であった極めて小さいサイズで提供することが可能になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの生体監視デバイスは、以下の種類の情報、すなわち、心拍数、消費カロリー、上昇および/または下降階数、位置および/または方位、標高、歩行速度および/または移動距離等、のうちの1つ以上を収集、導出、および/または提供し得る。消費者向けデバイスを通して利用可能な技術を含む技術の近年の進歩により、健康の検出および監視も対応して進歩している。たとえば、フィットネストラッカーおよびスマートウォッチなどのデバイスは、デバイスを装着している人の脈拍または動作に関連する情報を判定することができる。しかしながら、従来のデバイスの能力が原因で、そのようなデバイスを使用して判定可能な健康情報の量および種類は限られている。
【0004】
しかしながら、センサ、電子機器、および電源の小型化における近年の進歩により、個人健康監視デバイスのサイズを、これまで非現実的であった極めて小さいサイズで提供することが可能になっており、それによって、追加のパラメータを監視することが可能になっている。一例として、ある生体監視デバイスは、ユーザの皮膚上の微小な電気的変化である皮膚電気活動(EDA)応答を、ユーザの手のひらでEDA応答を検出する電気センサを使用して測定する。
【0005】
特に、EDA応答については、手のひらで電気インピーダンスを測定し、測定した電気インピーダンスに基づいて皮膚コンダクタンスを計算する。次に、計算した皮膚コンダクタンスから、計算した皮膚コンダクタンスデータにおけるスパイクである皮膚コンダクタンス応答(SCR)を判定する。より具体的には、SCRスパイクを特定するために、皮膚コンダクタンスをベースライン値または基準点と比較する。一般に、SCRは、ユーザの手のひらなどの、汗腺密度が高いことが分かっている人体の特定の領域から収集したデータを用いると、より正確に特定される。
【0006】
しかしながら、皮膚コンダクタンスから評価可能な主な皮膚電気活動の特徴は、1)(前述のような)SCR、および2)皮膚コンダクタンスレベル(SCL)、の2つがある。SCLは、SCR単独よりも、ユーザの継続的皮膚電気活動(cEDA)を判定するのに有益であり得る。cEDAは、急性ストレスイベントに対する身体の反応など、特定の生物学的事象の前兆として使用することができるからである。しかしながら、cEDAは正確な測定値を提供するために継続的な皮膚接触が必要であるため、生体監視デバイスの上面(すなわち、身体との非接触面)に取り付けられた電極を使用してcEDAを検出するのは困難な場合がある。さらに、いくつかの例では、EDAデバイスはユーザからのアクティブなやり取りが必要な場合がある。
【0007】
いくつかの例では、デバイスは手首腹側のEDA測定を含み得るが、そのようなデバイスには欠点がある。この欠点として、電気的接続がデバイス本体からリストバンドを通って電極に至る必要があること、一定の接触を維持するために電極がリストバンドから突き出る必要があること、ならびに、電極の下を通ってしっかりと握るために筋肉および腱を使うため、ベースライン測定値が誤って変化する可能性があること、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
したがって、本開示は、cEDA電極の手首背側の配置を有するウェアラブル生体監視デバイスに向けられる。特に、本開示は、急性ストレスイベントを検出するためのウェアラブル生体監視デバイス上の手首背側のcEDA電極のレイアウト、サイジング、間隔、および構成に向けられる。本開示は、ウェアラブル生体監視デバイスの手首側に電極が配置されたときに十分な信号品質を得ることに関連する課題にも対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
要約
本開示の実施形態の態様および利点は、一部が以下の説明に記載されるか、または説明から学ぶことができるか、または実施形態の実践を通して学ぶことができる。
【0010】
本開示の態様の一例は、ウェアラブルコンピューティングデバイスに向けられる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスのユーザによって装着されているときにユーザの手首背面に当たるように構成された手首背側面を有するハウジングと、ハウジングの内部に配置された電子ディスプレイと、ユーザによって手首に装着されているときにユーザとの皮膚接触を維持するために手首側面に位置決めされた複数の生体センサ電極と、複数の生体センサ電極に通信可能に結合された少なくとも1つのドライバとを含む。複数の生体センサ電極の各々は、少なくとも、皮膚接触の位置においてユーザの電気インピーダンスを示す1つ以上のパラメータを測定する。さらに、ドライバは、少なくとも1つのコントローラに通信可能に結合されている。さらに、コントローラは、ユーザの電気インピーダンスに基づいて特定の期間にわたるユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を判定し、SCLに少なくとも部分的に基づいてユーザのストレス状態を計算するように構成されている。
【0011】
本開示の態様の別の例は、ウェアラブルコンピューティングデバイスを使用してユーザのストレス状態を監視する、コンピュータで実現される方法に向けられる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスのハウジングの手首背側面に複数の生体センサ電極を含む。このコンピュータで実現される方法は、複数の生体センサ電極のうちの1つ以上をユーザの手首背面に隣接して配置することを含む。さらに、この方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの複数の生体センサ電極のうちの1つ以上を介して、少なくとも、手首におけるユーザの電気インピーダンスを示す1つ以上のパラメータを特定の期間にわたって連続測定することを含む。さらに、この方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも1つのコントローラを介して、ユーザの電気インピーダンスに基づいて特定の期間にわたるユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を判定することを含む。加えて、この方法は、コントローラを介して、SCLに少なくとも部分的に基づいてユーザのストレス状態を計算することを含む。したがって、この方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイを介して、ストレス状態をユーザに表示することをさらに含む。
【0012】
本開示の他の態様は、各種システム、装置、非一時的なコンピュータ読取可能媒体、ユーザインターフェイス、および電子デバイスに向けられる。
【0013】
本開示のさまざまな実施形態のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の請求項を参照するとより良く理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、本説明とともに、関連する原理を説明する役割を果たす。
【0014】
当業者に向けられた実施形態の詳細な記述が、添付の図面を参照する明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態に係る皮膚電気活動(EDA)振幅(y軸)対時間(x軸)のグラフ表示を提供する図である。
図2】本開示の一実施形態に係るユーザの手首背面上のウェアラブルコンピューティングデバイスの斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの正面斜視図である。
図4図3のウェアラブルコンピューティングデバイスの背面斜視図である。
図5図3のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの分解図である。
図6】本開示の一実施形態に従って利用され得るシステムの一例のさまざまなコントローラコンポーネントを示す図である。
図7】本開示の一実施形態に従って通信可能なデバイスのセットの一例の概略図である。
図8A】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトの実施形態を提供する図である。
図8B】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトの実施形態を提供する図である。
図8C】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトの実施形態を提供する図である。
図8D】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトの実施形態を提供する図である。
図9A】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9B】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9C】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9D】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9E】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9F】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9G】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9H】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9I】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9J】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9K】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図9L】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の複数の生体センサ電極のレイアウトのさらなる実施形態を提供する図である。
図10】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの手首側の図であり、特に、ユーザの肘および手首に対する複数の生体センサ電極の配置を示す図である。
図11】本開示の一実施形態に係るEDA振幅(すなわち、コンダクタンスの二乗とサセプタンスの二乗との和の平方根として計算されるアドミタンスの大きさ)(y軸)対時間(x軸)のグラフ表示を示す図であり、特に、経時的に特定の動作がEDA測定に与える影響を示す図である。
図12A】本開示の一実施形態に係るアドミタンス、周囲湿度、および温度(たとえば、皮膚温または周囲温度)のグラフ表示を示す図であり、特に、湿度および温度がユーザの手首に装着されているウェアラブルコンピューティングデバイスによって測定される導電率に与える影響を示す図である。
図12B】本開示の一実施形態に係るアドミタンス、周囲湿度、および温度(たとえば、皮膚温または周囲温度)のグラフ表示を示す図であり、特に、湿度および温度がユーザの手首に装着されているウェアラブルコンピューティングデバイスによって測定される導電率に与える影響を示す図である。
図13】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスを使用してユーザのストレス状態を監視する方法の一実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
以下に本発明の実施形態を詳細に参照し、その1つ以上の例が図面に示されている。各例は、本発明の説明として提供されており、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく本発明において各種修正および変更がなされ得ることが当業者にとって明らかであろう。たとえば、ある実施形態の一部として図示または記載されている特徴を別の実施形態とともに使用することで、さらに他の実施形態を得ることができる。したがって、本発明は、添付の請求項およびその均等物の範囲内のそのような修正および変更をカバーすることが意図されている。
【0017】
概要
消費者向けデバイスを通して利用可能な技術を含む技術の近年の進歩により、健康の検出および監視も対応して進歩している。たとえば、フィットネストラッカーおよびスマートウォッチなどのデバイスは、デバイスを装着している人の脈拍または動作に関連する情報を判定することができる。しかしながら、従来のデバイスの能力が原因で、そのようなデバイスを使用して判定可能な健康情報の量および種類は限られている。
【0018】
しかしながら、センサ、電子機器、および電源の小型化における近年の進歩により、個人健康監視デバイスのサイズを、これまで非現実的であった極めて小さいサイズで提供することが可能になっている。たとえば、ある生体監視デバイスは、およそ幅4センチメートル(cm)×長さ4cm×厚さ1.3cmのハウジングを有するリストバンドを含む。そのような生体監視デバイスは、一般に、この小さな体積の中にパッケージ化されたディスプレイ、バッテリ、センサ、電子機器パッケージ、無線通信機能、電源、およびインターフェイスボタンを含む。さらに、ある生体監視デバイスは、特に、心拍センサ、心電図(ECG)およびEDAアプリケーションと互換性がある多目的電気センサ、赤色および赤外線センサ、ジャイロスコープ、高度計、加速度計、温度センサ、周囲光センサ、Wi-Fi(登録商標)、GPS、振動または触覚フィードバックセンサ、スピーカ、ならびにマイクロフォンなど、デバイスのユーザにとって有益であり得る複数の生体パラメータを測定するための各種センサを含む。一例として、ある生体監視デバイスは、ユーザの皮膚上の電極間のコンダクタンスおよびサセプタンスの変化であるEDA応答を、ユーザの手のひらでEDA応答を検出する単一経路電気センサを典型的に使用して測定する。
【0019】
たとえば、EDA応答については、手のひらまたはユーザの指の腹側で電気インピーダンスを測定し、測定した電気インピーダンスに基づいて皮膚コンダクタンスを計算する。次に、計算した皮膚コンダクタンスから、計算した皮膚コンダクタンスデータにおけるスパイクである皮膚コンダクタンス応答(SCR)を判定する。より具体的には、SCRスパイクを特定するために、皮膚コンダクタンスをベースライン値または基準点と比較する。一般に、SCRは、ユーザの手のひらまたはユーザの指の腹側から収集したデータから、より正確に判定される。
【0020】
しかしながら、皮膚コンダクタンスから評価可能な主な皮膚電気活動の特徴は、1)(前述のような)SCR、および2)SCL、の2つがある。SCLは、SCR単独よりも、ユーザの継続的皮膚電気活動(cEDA)を判定するのに有益であり得る。cEDAは、急性ストレスイベントに対する身体の反応など、特定の生物学的事象の指標として使用することができるからである。しかしながら、cEDAは正確な測定値を提供するために継続的かつ安定した皮膚接触が必要であるため、生体監視デバイスの上面(すなわち、身体との非接触面)に取り付けられた電極を使用してcEDAを検出するのは困難な場合がある。
【0021】
より具体的には、タイミングの点で、両者の違いは、SCRは秒単位で発生するのに対し、SCLは秒、分、および/または時間にわたって評価されることである。一例として、図1は、EDA振幅対ミリ秒(ms)単位の時間のグラフ表示10を示す。図示のように、グラフ表示10は、SCRとSCLとの違いを示すために、一過性の皮膚コンダクタンス応答(SCR)12と、持続性の皮膚コンダクタンスレベル(SCL)14と、EDAピーク16との比較を提供している。したがって、図1のグラフ表示10によって示されるように、SCLの変化を正確に検出するためには、皮膚コンダクタンスを(数分/数時間/数日にわたって)連続測定する必要がある。しかしながら、手のひらまたは指の測定を使用してEDAを測定する場合は、ユーザが手のひらまたは手をウェアラブルデバイスに当て続けなければならないため、正確なSCLを判定するのは困難である。
【0022】
したがって、本開示は、cEDA電極の手首背側の配置を有するウェアラブル生体監視デバイスに向けられる。特に、本開示は、急性ストレスイベントを検出するためのウェアラブル生体監視デバイス上の手首背側のcEDA電極のレイアウト、サイジング、間隔、および構成に向けられる。本開示は、ウェアラブル生体監視デバイスの手首側に電極が配置されたときに十分な信号品質を得ることに関連する課題にも対処する。
【0023】
本明細書に記載されている実施形態に従って、増加した接触面積、皮膚接触を維持する改善された方法、およびそれに対応して改善されたセンサ信号の信号品質が保証され得る構成を提案する。
【0024】
次に図面を参照して、本開示の実施形態の例についてさらに詳細に述べる。
デバイスおよびシステムの例
次に図面を参照して、図2図5は本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100の斜視図である。特に、図2に示されるように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、腕時計のようにユーザの前腕102に装着されてもよい。したがって、図示のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100をユーザの前腕102に固定するためのリストバンド103を含み得る。加えて、図2図3および図5に示されるように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、外側カバー105と、ウェアラブルコンピューティングデバイス100に関連する電子機器を収容するハウジング104とを有する。たとえば、ある実施形態において、外側カバー105は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、または同等物で構成されてもよい。さらに、図2図3および図5に示されるように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ハウジング104の内部に配置されて外側カバー105を通して見える電子ディスプレイ106を含む。さらに、図示のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100のさまざまなセンサを起動してユーザの特定の健康データを収集する機構を提供するように実装され得る1つ以上のボタン108も含み得る。さらに、ある実施形態において、電子ディスプレイ106は電子機器パッケージ(図示せず)を覆ってもよく、当該パッケージもハウジング104の内部に収納されてもよい。
【0025】
特に図4を参照して、ウェアラブルコンピューティングデバイス100のハウジング104は、ユーザによって装着されているときにユーザの手首背面に当たるように構成された手首背側面110と、ユーザによって手首に装着されているときにユーザとの皮膚接触を維持するためにハウジング104の手首背側面110に位置決めされた複数の生体センサ電極112とをさらに含む。したがって、そのような実施形態では、生体センサ電極112の各々は、少なくとも、手首背面上の皮膚接触の位置においてユーザの電気インピーダンスを連続測定する。したがって、1つ以上の実施形態において、複数の生体センサ電極112のうちの1つまたは複数(またはすべて)はcEDAセンサ電極であってもよい。いくつかの実施形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、cEDAセンサ電極に加えて、少なくとも1つの追加の生体センサ電極も含み得る。そのような実施形態では、追加の生体センサ電極は、1つ以上の温度センサ(周囲温度センサもしくは皮膚温センサなど)、湿度センサ、光センサ、圧力センサ、マイクロフォン、またはPPGセンサを含み得る。
【0026】
さらに、本明細書に記載されている生体センサ電極112は、任意の適切な材料で構成されてもよい。たとえば、ある実施形態において、本明細書に記載されている生体センサ電極112は、ステンレス鋼、または適切な導電性および/もしくは耐食性を有する任意の他の材料で構成されてもよく、任意のPVDコーティング(1マイクロメートル厚の窒化チタンであり得る)を有してもよい。そのような実施形態では、PVDコーティングは、センサ電極112に所望の色を提供し、それによって、ステンレス鋼がすでに提供している酸化防止を超える酸化防止を提供し、耐久性も高める。
【0027】
追加の実施形態において、PVDおよび表面仕上げを用いて、cEDA信号およびユーザの快適さに影響を与える保湿性を増加/減少させることができる。特定の実施形態において、生体センサ電極112はスズとニッケルの合金(TiN)で形成され、光沢のある表面仕上げまたは鏡面仕上げが施されてもよい。さらに、ある実施形態において、生体センサ電極112は疎水性材料または透明材料で構成されてもよい。
【0028】
次に図6を参照して、さまざまな実施形態に従って利用され得るウェアラブルコンピューティングデバイス100の一例としてのシステム200のコンポーネントが示されている。特に、図示のように、システム200は、ユーザの電気インピーダンスを用いて特定の期間にわたるユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)および/または皮膚コンダクタンス応答(SCR)を判定するための複数の生体センサ電極112に通信可能に結合された少なくとも1つのコントローラ202も含み得る。したがって、そのような実施形態では、生体センサ電極112は、電圧、電流、インピーダンス、および/またはEDAアプリケーションのためにコントローラ202が使用可能な任意の他の適切なパラメータを測定することができる。
【0029】
さらに、ある実施形態において、コントローラ(複数可)202は、他のそのような選択肢の中でも特に、フラッシュメモリまたはDRAMなどのメモリデバイス204に格納可能な命令を実行するための中央処理装置(CPU)またはグラフィック処理装置(GPU)であってもよい。たとえば、ある実施形態において、メモリデバイス204は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、または他の非一時的なデジタルデータストレージを含んでもよく、メモリデバイス204からロードされてコントローラ(複数可)202を用いて実行されると本明細書に記載されている機能をコントローラ(複数可)202に実行させる命令のシーケンスを備える制御プログラムを含んでもよい。当業者には明らかであるように、システム200は、コントローラまたは任意の適切なプロセッサによって実行されるプログラム命令のためのデータストレージなどの、多くの種類のメモリ、データストレージ、またはコンピュータ読取可能媒体を含むことができる。同じまたは別のストレージを画像またはデータに使用することができ、取り外し可能メモリを他のデバイスとの情報共有に利用することができ、任意の数の通信アプローチを他のデバイスとの共有に利用することができる。加えて、図示のように、システム200は、タッチスクリーン、有機発光ダイオード(OLED)、または液晶ディスプレイ(LCD)などの任意の適切なディスプレイ206を含むが、デバイスは、オーディオスピーカ、プロジェクタを通して、または、携帯電話などの別のデバイスにディスプレイもしくはストリーミングデータをキャストして携帯電話上のアプリケーションがデータを表示するなどして、他の手段を介して情報を伝える場合がある。
【0030】
システム200は、特定の無線チャネルの通信範囲内にある1つ以上の電子デバイスと通信するように動作可能な1つ以上の無線コンポーネント212も含み得る。無線チャネルは、Bluetooth(登録商標)、セルラー、NFC、ウルトラワイドバンド(UWB)、またはWi-Fiチャネルなど、デバイスが無線通信することを可能にするために使用される任意の適切なチャネルであり得る。システム200は、当技術分野で知られている1つ以上の従来の有線通信接続を有することができることを理解されたい。
【0031】
システム200は、従来のプラグインアプローチを通じて、または電源マットもしくは他のそのようなデバイとの近接による容量性充電などの他のアプローチを通じて再充電されるように動作可能なバッテリを含み得るような、1つ以上の電力コンポーネント208も含む。さらなる実施形態において、システム200は、ユーザからの従来の入力を受信可能な少なくとも1つの追加のI/Oデバイス210も含むことができる。この従来の入力は、たとえば、押しボタン、タッチパッド、タッチスクリーン、ホイール、ジョイスティック、キーボード、マウス、キーパッド、またはユーザがシステム200にコマンドを入力可能な任意の他のそのようなデバイスもしくは要素を含むことができる。別の実施形態において、I/Oデバイス210は、いくつかの実施形態において無線赤外線またはBluetoothまたは他のリンクによって接続されてもよい。いくつかの実施形態において、システム200は、マイクロフォン、または音声もしくは他のオーディオコマンドを受け付ける他のオーディオキャプチャ要素も含み得る。たとえば、特定の実施形態において、システム200はボタンをまったく含まず、ユーザがウェアラブルコンピューティングデバイス100と接触することなくウェアラブルコンピューティングデバイス100を制御できるように、視覚およびオーディオコマンドの組み合わせによってのみ制御されることもある。特定の実施形態において、I/O要素210は、本明細書に記載されている生体センサ電極112、光学センサ、気圧センサ(たとえば高度計等)などのうちの1つ以上をさらに含み得る。
【0032】
引き続き図6を参照して、システム200は、ドライバ214と、ウェアラブルコンピューティングデバイス100を装着している人などの人体の1つ以上の測定項目のデータを測定するための1つ以上のエミッタ216と1つ以上の検出器218との少なくとも何らかの組み合わせ(本明細書では光学パッケージ215と呼ばれる)とをさらに含み得る。そのような実施形態では、たとえば図4に示されるように、光学パッケージ215はハウジング104の内部に配置され、ハウジング104の手首背側面110から少なくとも部分的に露出していてもよい。したがって、本明細書に図示されてさらに説明されるように、生体センサ電極112は、ハウジング104の手首側面110上の光学パッケージ215の周りに位置決めされてもよい。代替の実施形態において、光学パッケージ215のさまざまなコンポーネントは、生体センサ電極112の周りに位置決めされてもよく、および/または、光学パッケージ215に隣接して、光学パッケージ215を間に挟んで、光学パッケージ215に囲まれて、もしくは光学パッケージ215の上に、などの他の適切な構成で位置決めされてもよい。たとえば、生体センサ電極112が透明である特定の実施形態において、生体センサ電極112は光学パッケージ215の上に配置されてもよい。
【0033】
再び図6を参照して、いくつかの実施形態において、これは、周辺環境の画像を取り込むことができるとともにデバイスの付近のユーザ、人、または物体を撮像することができる1つ以上のカメラなどの、少なくとも1つの撮像要素を含み得る。この画像取込要素は、ユーザがデバイスを操作しているときにユーザの画像を取り込むのに十分な解像度、焦点距離、および視認可能領域を有するCCD画像取込要素などの、任意の適切な技術を含み得る。さらなる画像取込要素は、深度センサも含み得る。コンピューティングデバイスを有するカメラ要素を使用して画像を取り込む方法は当技術分野で周知であり、本明細書では詳細には記載しない。画像の取り込みは、単一の画像、複数の画像、周期的な撮像、連続的な画像取り込み、画像ストリーミング等を使用して実行可能であることを理解されたい。さらに、システム200は、ユーザ、アプリケーション、または他のデバイスからコマンドを受信するときなどに画像取り込みを開始および/または停止する能力を含むことができる。
【0034】
一例では、図6のエミッタ216および検出器218を用いて、光学的な光電式容積脈波記録法(PPG)測定値を得ることもできる。PPG技術の中には、単一の空間的位置で光を検出すること、または2つ以上の空間的位置から取られた信号を加算することに依存するものもある。これらのアプローチではいずれも、結果として単一の空間的測定値が得られ、そこから心拍数(HR)推定値(または他の生理学的な測定項目)を判定することができる。いくつかの実施形態において、PPGデバイスは、単一の検出器に結合された単一の光源(すなわち、単一の光路)を使用する。あるいは、PPGデバイスは、単一の検出器または複数の検出器に結合された複数の光源(すなわち、2つ以上の光路)を使用してもよい。他の実施形態において、PPGデバイスは、単一の光源または複数の光源に結合された複数の検出器(すなわち、2つ以上の光路)を使用する。いくつかの例では、光源(複数可)は、緑色、赤色、赤外(IR)光、およびスペクトル内の任意の他の適切な波長(代謝モニタリング用の長赤外線など)のうちの1つ以上を発するように構成されてもよい。たとえば、PPGデバイスは、単一の光源と、各々が特定の波長または波長範囲を検出するように構成された2つ以上の光検出器とを使用してもよい。いくつかの例では、各検出器が互いに異なる波長または波長範囲を検出するように構成されている。他の例では、2つ以上の検出器が同じ波長または波長範囲を検出するように構成されている。さらに別の例では、1つ以上の検出器が、1つ以上の他の検出器とは異なる特定の波長または波長範囲を検出するように構成されている。複数の光路を使用する実施形態において、PPGデバイスは、HR推定値または他の生理学的な測定項目を判定する前に、複数の光路から得られた信号の平均を求めてもよい。
【0035】
さらに、ある実施形態において、エミッタ216および検出器218は、コントローラ202に直接結合されてもよく、または、コントローラ202がエミッタ216を駆動して検出器218から信号を得ることができるようにするためのドライバ回路を用いて間接的に結合されてもよい。ホストコンピュータ222は、1つ以上のネットワーク220を介して無線ネットワーキングコンポーネント212と通信可能であり、ネットワーク220は、1つ以上のローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、UWB、および/または地上波もしくは衛星リンクのいずれかを使用するインターネットワークを含み得る。いくつかの実施形態において、ホストコンピュータ222は、本明細書に記載されている機能のうちのいくつかを実行するように構成された制御プログラムおよび/またはアプリケーションプログラムを実行する。
【0036】
次に図7を参照して、さまざまな実施形態の態様が実現され得る環境300の概略図が示されている。特に、図示のように、ユーザは、少なくとも1つの無線通信プロトコルを使用して通信可能ないくつかの異なるデバイスを有する場合がある。たとえば、図示のように、ユーザはスマートウォッチ302またはフィットネストラッカー(ウェアラブルコンピューティングデバイス100など)を有し、これをスマートフォン304およびタブレットコンピュータ306と通信できるようにしたい場合がある。複数のデバイスと通信する能力は、ユーザが、スマートフォン304またはタブレットコンピュータ306のいずれかにインストールされたアプリケーションを使用して、スマートウォッチ302から情報、たとえばスマートウォッチ302上のセンサを使用して取り込まれたデータを取得することを可能にすることができる。ユーザは、スマートウォッチ302を、スマートウォッチからデータを取得して処理し、スマートウォッチまたは個々のデバイスにインストールされたアプリケーション上では利用できないかもしれない機能を提供することができるサービスプロバイダ308または他のそのようなエンティティと、通信できるようにしたい場合もある。加えて、図示のように、スマートウォッチ302は、インターネットもしくはセルラーネットワークなどの少なくとも1つのネットワーク210を通じてサービスプロバイダ308と通信可能であってもよく、またはBluetoothなどの無線接続を介して個々のデバイスのうちの1つと通信してもよく、当該デバイスは次にこの少なくとも1つのネットワーク上で通信することができる。さまざまな実施形態において多数の他の種類の通信または通信の理由が存在し得る。
【0037】
通信可能であることに加えて、ユーザは、デバイスを多数の方法でまたは特定の態様で通信できるようにしたい場合もある。たとえば、ユーザは、特にデータが個人の健康データまたは他のそのような通信を含み得る場合、デバイス間の通信を保護したい場合がある。デバイスまたはアプリケーションプロバイダは、少なくともいくつかの状況においてこの情報を保護することを要求される場合もある。ユーザは、デバイス同士を順次ではなく同時に通信できるようにしたい場合がある。これは、ペアリングが必要とされ得る場合に特に当てはまり得る。ユーザは、手動ペアリングが不要であるように、各デバイスが最大で一度ペアリングされることを好む場合があるからである。ユーザは、ユーザ側での手動操作をほぼ不要にするためだけでなく、デバイスができるだけ多くの他の種類のデバイスと通信できるようにする(さまざまな独自仕様のフォーマットではそうでないことが多い)ためにも、通信ができるだけ標準規格に準拠していることを望む場合もある。したがって、ユーザは、あるデバイスを持って部屋に入り、ユーザ側ではまったくまたはほとんど何もせずにそのようなデバイスが別のターゲットデバイスと自動的に通信できることを望む場合がある。さまざまな従来のアプローチでは、デバイスは、Wi-Fiなどの通信技術を利用して、無線ローカルエリアネットワーキング(WLAN)を使用して他のデバイスと通信することになる。多くのモノのインターネット(IoT)デバイスなどの小型または低容量デバイスは、代わりに、Bluetooth、特に消費電力が非常に低いBluetooth Low Energy(BLE)などの通信技術を利用する。
【0038】
さらなる実施形態において、図7に示される環境300は、多数の異なる方法でデータを取り込み、処理し、表示することを可能にする。たとえば、データはスマートウォッチ302上のセンサを使用して取り込まれてもよいが、スマートウォッチ302上のリソースは限られているため、データはスマートフォン304またはサービスプロバイダ308(またはクラウドリソース)に転送されて処理されてもよく、その処理の結果はその後、スマートウォッチ302、スマートフォン304、および/またはタブレットコンピュータ306などのそのユーザに関連付けられた別のそのようなデバイス上でそのユーザに提示されてもよい。少なくともいくつかの実施形態において、ユーザはまた、これらのデバイスのうちのいずれかのデバイス上のインターフェイスを使用して健康データなどの入力を提供可能であってもよく、その後この入力を、その判定を行う際に考慮することができる。
【0039】
次に図8A図8Dおよび図9A図9Lを参照して、本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100のハウジング104の手首側面110の複数の実施形態のさまざまな図が示されており、特に手首側面110上の生体センサ電極112の異なる配置が示されている。本明細書に記載されている複数の生体センサ電極112の配置の各実施形態は、限定することを意図したものではなく、本明細書では配置の一例として提供されていることを理解されたい。特に、図8A図8Dおよび図9A図9Lを通して示されるように、複数の生体センサ電極112は、複数の生体センサ電極112をハウジング104の手首側面110の中心近くに維持するために、すなわちユーザとの皮膚接触の維持を補助するために、ハウジング104の手首側面110の端部124から端部隙間122を隔てて配置されている。そのような配置は、電極表面積を最大化すると同時に、使用中ずっとユーザとの皮膚接触が維持されるようにウェアラブルコンピューティングデバイス100の手首側面110の中心にできるだけ近く位置するなど、複数の利点を提供する。本明細書に記載されている配置と同じ利点を提供するさらに他の配置も利用可能である。
【0040】
加えて、図示のように、複数の生体センサ電極112のうちの2つ以上が、異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。特定の実施形態において、たとえば、各生体センサ電極112の最も狭い寸法は、約2ミリメートル~約10mmの範囲であってもよく、たとえば約5mm、または約4.5mmであってもよい。したがって、ハウジング104の手首側面110上のすべての生体センサ電極112の総面積は、約100平方ミリメートル(mm2)~約150mm2であってもよく、たとえば約130mm2であってもよい。さらなる実施形態において、本明細書に記載されている複数の生体センサ電極112は、鋭い端部ではなく全体的に曲線状の端部を有してもよく、さらにハウジング104と面一であってもよい。さらなる実施形態において、皮膚接触を最大化するためにできるだけ大きいことが望まれる複数の生体センサ電極112は、より大きな電極長および/またはボンディングボックスというさらなる利点を提供する。
【0041】
さらなる実施形態において、図8Aおよび図8Bの各々は、第1の生体センサ電極114および第2の生体センサ電極116を示す。さらに、図示のように、第1および第2の生体センサ電極114、116は少なくとも1つの隙間118、120を隔てて配置されている。特に、図示のように、第1および第2の生体センサ電極114、116は、光学パッケージ215の両側に配置された第1の隙間118および第2の隙間120を隔てて配置されている。本明細書に記載されている隙間は任意の適切なサイズであり得ることを理解されたい。たとえば、特定の実施形態において、本明細書に記載されている隙間(複数可)は約1mm~約10mmの範囲であってもよく、たとえば約5mmであってもよく、より好ましくは約2mmであってもよい。
【0042】
次に図9A図9Lを参照して、本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100のハウジング104の手首側面110の複数の実施形態のさまざまな図が示されており、特に手首側面110上の生体センサ電極112の異なる配置が示されている。特に、図9Aに示されるように、第1および第2の生体センサ電極114、116は同心構成で配置されてもよい。したがって、図示のように、そのような実施形態では、第1および第2の生体センサ電極114、116の間の隙間118は環状の隙間122である。
【0043】
別の実施形態において、図9Bに示されるように、第1および第2の生体センサ電極114、116は光学パッケージ215(図示せず)の周りに環状構成で配置されてもよい。これに対して、図9C図9Iおよび図9Jに示されるように、第1および第2の生体センサ電極114、116の各々は四角形の構成(たとえば、正方形、長方形等)を有してもよい。さらに、特定の実施形態において、図9Cに示されるように、生体センサ電極112は、一方の生体センサ電極114が他方の中に入れ子になる(すなわち、一方の生体センサ電極116が他方よりも大きいため、小さい方の生体センサ電極114が他方の中に収まる)ように配置されてもよい。
【0044】
図9E図9Lに示されるように、複数の生体センサ電極112は、光学パッケージ215の周りに配置された3つ以上の生体センサ電極を含み得る。たとえば、図9Eおよび図9Fに示されるように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、光学パッケージ215(図示せず)の周りに環状構成で配置された3つ以上の生体センサ電極114、116を有し得る。より具体的には、図9Eに示されるように、4つの生体センサ電極112が手首側面110に環状構成で配置される。別の実施形態において、図9Fに示されるように、8つの生体センサ電極112が手首側面110に環状構成で配置される。当業者であれば、センサ電極の表面積を増加させ、それによってセンサ信号品質を改善するために、任意の数の生体センサ電極がウェアラブルコンピューティングデバイス100の手首側面110に配置され得ることを理解するであろう。
【0045】
次に図9G図9Hおよび図9Kを参照して、複数の生体センサ電極112のうちの少なくとも2つはペア114、116で配置されてもよい。たとえば、コントローラ(複数可)202は、複数の生体センサ電極112のペア114、116のうちの1つを選択して、そこから収集されたデータに基づいて特定の期間にわたるユーザのSCLを判定するように構成されている。特定の実施形態において、省電力化およびデバイスの小型化のために、生体センサ電極112はデューティサイクル化されてもよい(すなわち、断続的にオフにされてもよい)。一度にアクティブな電極ペアが1つしかない場合でも、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、アクティブなペアを迅速に切り替えることによって、可能なすべての電極ペアにわたって連続測定を実現することができる。これにより、電力バジェットが減少し、異なる電極ペア間の信号の混入が回避され、データを出力する最適な電極ペアをコントローラが選択することができる。あるいは、生体センサ電極の複数のペアを、たとえば重複しない方形波励起で有効にすることができる。つまり、ほぼ一定の励起電流が存在するが、どの瞬間においても当該電流は1つの電極ペアからしか流れない。
【0046】
さらに、そのような実施形態では、図示のように、生体センサ電極112のペア114、116の各々の少なくとも一部は、互いに平行であり、特定の距離の隙間118を隔てて配置されてもよい。したがって、そのような配置は、2つの生体センサ電極114、116の間で収集された最良のまたは最も正確なデータをさらなる処理に使用することができるように、複数の(しかし同様に位置する)センサ電極からサンプルデータを受信するのに有益であり得る。特に、図9Gおよび図9Kに示されるように、生体センサ電極112のペア114、116は、実質的に同じサイズおよび/または寸法を有してもよく、手首側面110に対して垂直方向に(図9G)、手首側面110に対して水平方向に(図9k)、および/またはその組み合わせで、配置されてもよい。代替の実施形態において、図9Hに示されるように、生体センサ電極112は、大きな中央の生体センサ電極116を含み、複数の小さな生体センサ電極114が大きな中央の生体センサ電極116を取り囲んでもよい。
【0047】
図9Lを参照して、さらに別の実施形態において、複数の生体センサ電極112は図9Cと同様に配置され得るが、その間に複数の隙間118、120がある。たとえば、図示のように、複数の生体センサ電極112は、第1の生体センサ電極114および第2の生体センサ電極116を2セット含み得る。各セットは光学パッケージ215(図示せず)の両側に配置され、隙間120を隔てて分離されている。さらに、第1および第2の生体センサ電極114、116の各々も、隙間118を隔てて分離されている。
【0048】
次に図10を参照して、さらに別の実施形態において、複数の生体センサ電極112のうちの1つ以上が、ハウジング104の手首側面110の表面上の複数の生体センサ電極112に隣接した領域に対して隆起していてもよい。そのような実施形態では、図示のように、生体センサ電極112は、ハウジング104の手首側面110に対して高くなっていてもよい。さらなる実施形態において、生体センサ電極112は、ハウジング104の手首側面110と面一であってもよいが、生体センサ電極112に隣接する溝または凹部を含んでもよい。そのような配置は、一般に、蒸発を周囲空気に直接放散できるようにするのに効率的である。そのような実施形態では、溝(複数可)は外気と接続するように構成されてもよい。
【0049】
次に図10および図11を参照して、ユーザの肘および手に関する(ステンレス鋼316Lの電極で形成された)生体センサ電極112の配置の一実施形態が提供され、時間に対する生体センサ電極112のcEDA測定値のグラフ400とともに示されている。特に、T1とT2との間に示されるように、生体センサ電極1および2(図10)からのcEDA測定値は、ユーザが開始402に示されるように手首を回したときに提供される。さらに、T3とT4との間に示されるように、生体センサ電極3および4(図10)からのcEDA測定値は、ユーザが開始404に示されるように手首を回したときに提供される。さらに、T4とT5との間に示されるように、生体センサ電極3および4(図10)からのcEDA測定値は、ユーザがダンベルロウを完了したときに提供される。加えて、T5とT6との間に示されるように、生体センサ電極1および2(図10)からのcEDA測定値は、ユーザがダンベルロウを完了したときに提供される。したがって、図10および図11は、複数の単一経路電極を使用するcEDA測定が、電極の位置決めおよび身振り/運動(たとえばウェイト)を評価する機会を与える実例を提供している。さらに、特定の実施形態において、特定の電極の組み合わせは、最適化されたcEDA信号品質を(すなわち、被験者/活動のばらつきに関して)有し得る。
【0050】
次に図12Aおよび図12Bを参照して、本明細書に記載されているウェアラブルコンピューティングデバイス100を装着しているユーザの温度(たとえば、皮膚温および/または周囲温度など)、湿度、ならびに導電率のグラフが本開示に従って提供されている。特に、図12Aに示されるように、ユーザは、加湿器のある部屋とない部屋の2つの部屋の間を行き来する。さらに、図12Bに示されるように、ユーザは、熱いシャワーで湿度を高めた部屋とそうでない部屋の2つの部屋の間を行き来する。したがって、図12Aおよび12Bのグラフに全体的に示されるように、厄介な変数(たとえば、周囲条件および被験者条件)が存在するため、データは、cEDAと温度と湿度との間の明確な関係を導き出すには不十分である。したがって、本明細書に記載されている追加の温度および/または湿度センサは、そのような厄介なデータを削除してユーザのcEDA測定をさらに改善するのに有益であり得る。
【0051】
次に図13を参照して、ウェアラブルコンピューティングデバイスを使用してユーザのストレス状態を監視する方法500の一実施形態のフロー図が提供されている。ある実施形態において、たとえば、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、図1図10を参照して本明細書において説明したウェアラブルコンピューティングデバイス100などの任意の適切なウェアラブルコンピューティングデバイスであってもよい。一般に、方法500は、図1図10のウェアラブルコンピューティングデバイス100を参照して本明細書において説明される。しかしながら、開示されている方法500は、任意の他の適切な構成を有する任意の他の適切なウェアラブルコンピューティングデバイスで実現されてもよいことを理解されたい。加えて、図13は図示および説明のために特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書に記載されている方法はいずれの特定の順序または配置にも限定されない。当業者は、本明細書に提供されている開示内容を使用して、本明細書に開示されている方法のさまざまなステップを本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな方法で省略する、並び替える、組み合わせる、および/または適合させることができることを理解するであろう。
【0052】
本明細書において言及して説明したように、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスのハウジングの手首背側面に複数の生体センサ電極を含む。したがって、(502)に示されるように、方法500は、複数の生体センサ電極のうちの1つ以上をユーザの手首背面に隣接して配置することを含む。たとえば、ある実施形態において、方法500は、複数の生体センサ電極を、ハウジングの手首背側面上の光学パッケージの周りに、当該パッケージに隣接して、当該パッケージを間に挟んで、当該パッケージに囲まれて、または当該パッケージの上に、配置することを含み得る。(504)に示されるように、方法500は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの複数の生体センサ電極のうちの1つ以上を介して、少なくとも、手首におけるユーザの電気インピーダンスを示す1つ以上のパラメータを特定の期間にわたって連続測定することを含む。(506)に示されるように、方法500は、ウェアラブルコンピューティングデバイスが収集した1つ以上の追加のパラメータに基づいて、測定されたユーザの電気インピーダンスをフィルタリングすることを含む。たとえば、図12Aおよび図12Bに関して説明したように、特定のパラメータまたはイベント(湿度、温度、導電率、ノイズ、圧力、光等)を考慮し、収集されたデータから削除することができる。
【0053】
再び図13を参照して、(508)に示されるように、方法500は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも1つのコントローラを介して、ユーザの電気インピーダンスに基づいて特定の期間にわたるユーザの皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を判定することを含む。(510)に示されるように、方法500は、コントローラ(複数可)を介して、SCL、またはSCLと心拍数などの他のデバイスが収集した測定項目との組み合わせに基づいて、ユーザのストレス状態を計算することを含む。(512)に示されるように、方法500は、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイを介して、ストレス状態をユーザに表示することを含む。さらに別の実施形態において、方法500は、たとえば電力使用に関する測定値を最大化するために、測定用の複数の生体センサ電極112の最適なペアを選択することを含み得る。電極の数が増えるにつれて、刺激電流および信号処理の両方において消費電力が増えるため、複数の経路から同時に測定を行うことは有用であり得る。
【0054】
追加の開示
本明細書に記載の技術は、サーバ、データベース、ソフトウェアアプリケーション、およびその他のコンピュータベースのシステム、ならびに行われる動作およびそのようなシステムとの間で送受信される情報に言及している。コンピュータベースのシステムの固有の柔軟性は、コンポーネント間のタスクおよび機能の多種多様な可能な構成、組み合わせ、および分割を可能にする。たとえば、本明細書に記載のプロセスは、単一のデバイスもしくはコンポーネントを使用して、または組み合わされて機能する複数のデバイスもしくはコンポーネントを使用して、実行することができる。データベースおよびアプリケーションは、単一のシステム上で実装することができ、または複数のシステムに分散させることができる。分散したコンポーネントは、順次または並列に動作可能である。
【0055】
本主題を、その実施形態のさまざまな具体例に関して詳細に説明してきたが、各例は説明として提供されており、本開示を限定するものではない。当業者は、上記の理解を得た上で、そのような実施形態に対する変更、変形、および等価物を容易に作りだすことができる。したがって、本開示は、当業者に容易に明らかになるような本主題に対するそのような修正、変形および/または追加の包含を排除するものではない。たとえば、ある実施形態の一部として図示または記載されている特徴を別の実施形態とともに使用することで、さらに他の実施形態を得ることができる。したがって、本開示はそのような変更、変形、および等価物をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
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図8A
図8B
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図13