(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】プレハブ式変電所
(51)【国際特許分類】
H02B 7/06 20060101AFI20240627BHJP
H02B 1/30 20060101ALI20240627BHJP
H02B 1/56 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H02B7/06
H02B1/30 H
H02B1/56 A
(21)【出願番号】P 2023023405
(22)【出願日】2023-02-17
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】202221643583.6
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ハンフェイ パン
(72)【発明者】
【氏名】シャンウェイ チャン
(72)【発明者】
【氏名】キヤオ チュー
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0091543(US,A1)
【文献】中国実用新案第210007233(CN,U)
【文献】中国実用新案第216251885(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 7/00 - 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレハブ式変電所であって、
低電圧キャビネット(1)とケース(4)と
前記ケース(4)内に設けられたトランス(2)とを含み、
前記ケース(4)は、前記低電圧キャビネット(1)を収容する低電圧室を含み、
前記低電圧キャビネット(1)は、屋外キャビネットであり、前記低電圧室は、フレーム構造であ
り、
前記低電圧キャビネット(1)は、キャビネット本体と扉体とを含み、
前記キャビネット本体には、操作面が設けられており、前記扉体は、前記操作面に取り付けられており、前記扉体は、前記フレーム構造に露出しており、
前記キャビネット本体には、非操作面がさらに設けられており、前記キャビネット本体は、前記非操作面を介して前記トランス(2)に電気的に接続され、
前記操作面は、第1操作面(11)と、第2操作面(12)と、第3操作面(13)とを含み、
前記第1操作面(11)は、前記非操作面に対向し、前記第2操作面(12)及び前記第3操作面(13)はそれぞれ、前記第1操作面(11)の両側に位置し、
前記扉体は、前記第1操作面(11)に取り付けられる第1面扉体と、前記第2操作面(12)に取り付けられる第2面扉体(121)と、前記第3操作面(13)に取り付けられる第3面扉体(131)とを含む、
ことを特徴とするプレハブ式変電所。
【請求項2】
前記第1操作面(11)は、第1領域(111)と第2領域(112)とを含み、前記第1面扉体は、第1両開き扉(115)と第2両開き扉(116)とを含み、
前記第1両開き扉(115)は、前記第1領域(111)に取り付けられ、前記第2両開き扉(116)は、前記第2領域(112)に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載のプレハブ式変電所。
【請求項3】
前記キャビネット本体内には、配線用遮断器及び気中遮断器が設けられており、
前記配線用遮断器は、前記第1領域(111)に設けられる第1配線用遮断器(51)と、前記第2領域(112)に設けられる第2配線用遮断器(52)と、前記第2操作面(12)に設けられる第3配線用遮断器(53)と、前記第3操作面(13)に設けられる第4配線用遮断器(54)とを含み、
前記気中遮断器は、前記第1領域(111)に設けられる第1気中遮断器(61)と、前記第2領域(112)に設けられる第2気中遮断器(62)とを含む、
ことを特徴とする請求項
2に記載のプレハブ式変電所。
【請求項4】
前記第1配線用遮断器(51)及び前記第3配線用遮断器(53)はそれぞれ、前記第1気中遮断器(61)に電気的に接続され、前記第2配線用遮断器(52)及び前記第4配線用遮断器(54)はそれぞれ、前記第2気中遮断器(62)に電気的に接続され、
あるいは、前記第1配線用遮断器(51)の第1層及び前記第2配線用遮断器(52)の第1層は、第1層配線用遮断器(113)を構成し、前記第1層配線用遮断器(113)及び前記第3配線用遮断器(53)はそれぞれ、前記第1気中遮断器(61)に電気的に接続され、前記第1配線用遮断器(51)の第2層及び前記第2配線用遮断器(52)の第2層は、第2層配線用遮断器(114)を構成し、前記第2層配線用遮断器(114)及び前記第4配線用遮断器(54)はそれぞれ、前記第2気中遮断器(62)に電気的に接続され、
あるいは、前記第1配線用遮断器(51)の第1層及び前記第2配線用遮断器(52)の第1層は、第1層配線用遮断器(113)を構成し、前記第1層配線用遮断器(113)及び前記第4配線用遮断器(54)はそれぞれ、前記第1気中遮断器(61)に電気的に接続され、前記第1配線用遮断器(51)の第2層及び前記第2配線用遮断器(52)の第2層は、第2層配線用遮断器(114)を構成し、前記第2層配線用遮断器(114)及び前記第3配線用遮断器(53)はそれぞれ、前記第2気中遮断器(62)に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項
3に記載のプレハブ式変電所。
【請求項5】
前記扉体には、前記キャビネット本体を放熱するための熱交換器(7)が設けられている、
ことを特徴とする請求項
1~
3のいずれか1項に記載のプレハブ式変電所。
【請求項6】
前記熱交換器(7)は、逆流式熱交換器であり、前記熱交換器(7)には、外側循環吸気口(71)及び外側循環排気口(72)が設けられており、前記キャビネット本体の内部には、内側循環排気口(91)及び内側循環吸気口(92)が設けられており、前記外側循環吸気口(71)及び外側循環排気口(72)の気流の流れ方向は、前記内側循環排気口(91)及び内側循環吸気口(92)の気流の流れ方向とは逆向きである、
ことを特徴とする請求項
5に記載のプレハブ式変電所。
【請求項7】
前記ケース(4)の中電圧配電室内に設けられたリングメインユニット(3)をさらに含み、
前記リングメインユニット(3)は、屋内キャビネットであり、前記中電圧配電室は、囲まれた密閉構造であるか、または、前記リングメインユニット(3)は、屋外キャビネットであり、前記中電圧配電室は、フレーム構造である、
ことを特徴とする請求項
2に記載のプレハブ式変電所。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変電設備という技術的分野に関し、特にプレハブ式変電所に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電用変電所は、ボックス型変電所とも呼ばれ、通常、コンテナにより合流、昇圧、ループ配電網等の設備、即ち、低電圧キャビネット、トランス、リングメインユニット( RMU、Ring Main Unit)等の設備のプレハブ式統合を実現する。海上輸送の要件を満たし、輸送効率を向上させ、輸送コストを低減させるために、コンテナは通常、標準的な海上輸送コンテナである。太陽光発電産業の継続的な発展に伴い、変電所のコストを低減させ、海上輸送標準のコンテナの外形寸法の制限を受けるために、変電所の容量はますます大きくなり、空間利用率はますます高くなる。
【0003】
変電所における低電圧キャビネットは主に、分岐スイッチと気中遮断器(ACB、air circuit breaker)からなり、分岐スイッチは、ストリングインバータの交流出力に接続されるとともに、気中遮断器に接続され、低電圧交流電力の合流を実現する。低電圧キャビネットにおける分岐スイッチの数によって、変電所の容量を決定する。通常、変電所には、低電圧室が設けられ、低電圧室は、溶接隔壁、溶接頂、開閉可能な扉によって囲まれた密閉空間であり、低電圧室には、若干の低電圧キャビネットが取り付けられており、囲まれた低電圧室は、内部の低電圧キャビネットに対して屋外での使用防護を提供する。
【0004】
しかし、低電圧室に囲まれたハウジングは一定の空間を占有し、低電圧キャビネットの有効利用寸法が制限され、内部のスイッチの最大化配置に不利であり、それに、囲まれたハウジングは、コストが比較的高い。なお、低電圧室の内部には、複数の低電圧キャビネットが設けられており、低電圧キャビネットの取り付け及び相互間の接続に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本発明は、低電圧側の空間をより効果的に利用できるプレハブ式変電所を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような技術案を提供する。
【0007】
プレハブ式変電所であって、低電圧キャビネットとケースとを含み、
前記ケースは、前記低電圧キャビネットを収容する低電圧室を含み、
前記低電圧キャビネットは、屋外キャビネットであり、前記低電圧室は、フレーム構造である。
【0008】
好ましくは、前記低電圧キャビネットは、キャビネット本体と扉体とを含み、
前記キャビネット本体には、操作面が設けられており、前記扉体は、前記操作面に取り付けられており、前記扉体は、前記フレーム構造に露出している。
【0009】
好ましくは、前記ケース内に設けられたトランスをさらに含み、
前記キャビネット本体は、非操作面がさらに設けられており、前記キャビネット本体は、前記非操作面を介して前記トランスに電気的に接続される。
【0010】
好ましくは、前記操作面は、第1操作面と、第2操作面と、第3操作面とを含み、
前記第1操作面は、前記非操作面に対向し、前記第2操作面及び前記第3操作面はそれぞれ、前記第1操作面の両側に位置し、
前記扉体は、前記第1操作面に取り付けられる第1面扉体と、前記第2操作面に取り付けられる第2面扉体と、前記第3操作面に取り付けられる第3面扉体とを含む。
【0011】
好ましくは、前記第1操作面は、第1領域と第2領域とを含み、前記第1面扉体は、第1両開き扉と第2両開き扉とを含み、
前記第1両開き扉は、前記第1領域に取り付けられ、前記第2両開き扉は、前記第2領域に取り付けられる。
【0012】
好ましくは、前記キャビネット本体内に、配線用遮断器(MCCB、molded case circuit breaker)及び気中遮断器が設けられており、
前記配線用遮断器は、前記第1領域に設けられる第1配線用遮断器と、前記第2領域に設けられる第2配線用遮断器と、前記第2操作面に設けられる第3配線用遮断器と、前記第3操作面に設けられる第4配線用遮断器とを含み、
前記気中遮断器は、前記第1領域に設けられる第1気中遮断器と、前記第2領域に設けられる第2気中遮断器とを含む。
【0013】
好ましくは、前記第1配線用遮断器及び前記第3配線用遮断器はそれぞれ、前記第1気中遮断器に電気的に接続され、前記第2配線用遮断器及び前記第4配線用遮断器はそれぞれ、前記第2気中遮断器に電気的に接続され、
あるいは、前記第1配線用遮断器の第1層及び前記第2配線用遮断器の第1層は、第1層配線用遮断器を構成し、前記第1層配線用遮断器及び前記第3配線用遮断器はそれぞれ、前記第1気中遮断器に電気的に接続され、前記第1配線用遮断器の第2層及び前記第2配線用遮断器の第2層は、第2層配線用遮断器を構成し、前記第2層配線用遮断器及び前記第4配線用遮断器はそれぞれ、前記第2気中遮断器に電気的に接続され、
あるいは、前記第1配線用遮断器の第1層及び前記第2配線用遮断器の第1層は、第1層配線用遮断器を構成し、前記第1層配線用遮断器及び前記第4配線用遮断器はそれぞれ、前記第1気中遮断器に電気的に接続され、前記第1配線用遮断器の第2層及び前記第2配線用遮断器の第2層は、第2層配線用遮断器を構成し、前記第2層配線用遮断器及び前記第3配線用遮断器はそれぞれ、前記第2気中遮断器に電気的に接続される。
【0014】
好ましくは、前記扉体には、前記キャビネット本体を放熱するための熱交換器が設けられている。
【0015】
好ましくは、前記熱交換器は、逆流式熱交換器であり、前記熱交換器には、外側循環吸気口及び外側循環排気口が設けられており、前記キャビネット本体の内部には、内側循環排気口及び内側循環吸気口が設けられており、前記外側循環吸気口及び外側循環排気口の気流の流れ方向は、前記内側循環排気口及び内側循環吸気口の気流の流れ方向とは逆向きである。
【0016】
好ましくは、前記ケースの中電圧配電室内に設けられるリングメインユニットをさらに含み、
前記リングメインユニットは、屋内キャビネットであり、前記中電圧配電室は、囲まれた密閉構造であるか、または、前記リングメインユニットは、屋外キャビネットであり、前記中電圧配電室は、フレーム構造である。
【0017】
上記の技術案から分かるように、本発明によって提供されるプレハブ式変電所において、低電圧キャビネットは、屋外キャビネットを採用しており、ケースの対応位置は、フレーム構造を採用しており、低電圧側の空間を最大限に利用しつつ、コストを効果的に低減させることができ、スイッチは、正面、左側面、右側面の3つの面に配置されることで、正面、左側面、右側面の操作可能な面を十分に利用し、スイッチの数を最大化に配置することができ、扉には熱交換器が設けられることで、キャビネット本体の内部の熱量の放熱に役立つ。
本開示の実施例、または従来技術における技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例または従来技術の記述に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を費やすことがない前提で、さらにこれらの図面によって他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例によるプレハブ式変電所の構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例による低電圧キャビネットの正面の(扉体を隠した)構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例による低電圧キャビネットの左側面の(扉体を隠した)構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例による低電圧キャビネットの右側面の(扉体を隠した)構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例による低電圧キャビネットの軸測構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における図面を結合して本発明の実施例における技術案を明瞭で完全に記載し、明らかに、記載された実施例はすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0020】
本発明の実施例によって提供されるプレハブ式変電所は、低電圧キャビネット1とケース4とを含み、その構造は、
図1に示すことができる。
ケース4は、低電圧キャビネット1を収容する低電圧室を含み、
低電圧キャビネット1は、屋外キャビネットであり、即ち、防護構造を有し、ケース4によって囲まれて防護される必要がなく、低電圧室は、フレーム構造であり、即ち、密閉するように囲まれることはない。
【0021】
上記の技術案からわかるように、本発明の実施例によって提供されるプレハブ式変電所において、その低電圧キャビネット1は、屋外キャビネットを採用しており、追加の防護を必要としなく、単独で屋外の環境で使用することができ、ケース4の対応位置(即ち、低電圧室)はフレーム構造を採用しており、従来の囲まれた密閉構造と比較すれば、囲まれたハウジングが空間を占有することが回避され、それにより、低電圧キャビネット1の有効利用寸法を大きくし、内部のスイッチの最大化配置に役立ち、コストを低減させることができる。
【0022】
好ましいものとしては、低電圧キャビネット1は、キャビネット本体と扉体とを含み、
当該キャビネット本体には、操作面が設けられており、扉体は、操作面に取り付けられ、扉体は、低電圧室のフレーム構造に露出している。即ち、屋外キャビネットは、扉体を防護構造として採用することにより、内部のスイッチは密閉されており、単独で屋外の環境で使用することができ、直接に扉を開けてメンテナンス等の操作を行うのに便利である。
【0023】
本発明の実施例によって提供されるプレハブ式変電所は、ケース4内に設けられたトランス2をさらに含み、その構造は、
図1に示すことができる。
キャビネット本体には、非操作面がさらに設けられており、キャビネット本体は、非操作面を介してトランス2に電気的に接続される。具体的には、接続銅棒8を介することであってもよく、即ち、接続銅棒8は一端がトランス2に電気的に接続され、他端が低電圧キャビネット1に電気的に接続される。
【0024】
さらに、操作面は、第1操作面11と、第2操作面12と、第3操作面13とを含み、その構造は、
図2~
図4に示すことができる。
第1操作面11は、非操作面に対向し、第2操作面12及び第3操作面13はそれぞれ、第1操作面11の両側に位置し、即ち、本方案のスイッチは3つの面に配置され、それにより、各操作可能な面を十分に利用し、スイッチの数を最大化に配置し、変電所の容量を増やし、
扉体は、第1操作面11に取り付けられる第1面扉体と、第2操作面12に取り付けられる第2面扉体121と、第3操作面13に取り付けられる第3面扉体131とを含み、その構造は、
図5に示すことができ、理解できるように、ケース4の対応位置には、開閉可能な扉が設計されるべきである。
【0025】
具体的には、第1操作面11は、第1領域111と第2領域112とを含み、本方案において、第1領域111は第2操作面12に近接し、第2領域112は第3操作面13に近接し、第1面扉体は、第1両開き扉115と第2両開き扉116とを含み、
図5に示すように、第1両開き扉115は第1領域111に取り付けられ、第2両開き扉116は第2領域112に取り付けられ、メンテナンス及び内部のスイッチの配置に便利である。
【0026】
好ましいものとしては、キャビネット本体内には、電気的に接続される配線用遮断器(即ち、分岐スイッチ)及び気中遮断器が設けられており、その構造は、
図2~
図4に示すことができる。
配線用遮断器は、第1領域111に設けられる第1配線用遮断器51と、第2領域112に設けられる第2配線用遮断器52と、第2操作面12に設けられる第3配線用遮断器53と、第3操作面13に設けられる第4配線用遮断器54とを含み、
気中遮断器は、第1領域111に設けられる第1気中遮断器61と、第2領域112に設けられる第2気中遮断器62とを含む。本方案は、複数セットの配線用遮断器及び気中遮断器を同一の低電圧キャビネット内に設けるため、統合度を向上させ、従来技術における、複数の低電圧キャビネットを設けることが回避され、取り付けや接続が不便な問題が解決される。
【0027】
本実施例において、第1配線用遮断器51及び第3配線用遮断器53はそれぞれ、第1気中遮断器61に電気的に接続され、第2配線用遮断器52及び第4配線用遮断器54はそれぞれ、第2気中遮断器62に電気的に接続され、
あるいは、第1配線用遮断器51及び第2配線用遮断器52はそれぞれ、高低差のあるように多層に設けられ、第1配線用遮断器51の第1層及び第2配線用遮断器52の第1層は第1層配線用遮断器113を構成し、第1層配線用遮断器113及び第3配線用遮断器53はそれぞれ、第1気中遮断器61に電気的に接続され、第1配線用遮断器51の第2層及び第2配線用遮断器52の第2層は第2層配線用遮断器114を構成し、第2層配線用遮断器114及び第4配線用遮断器54はそれぞれ、第2気中遮断器62に電気的に接続され、
あるいは、第1配線用遮断器51の第1層及び第2配線用遮断器52の第1層は第1層配線用遮断器113を構成し、第1層配線用遮断器113及び第4配線用遮断器54はそれぞれ、第1気中遮断器61に電気的に接続され、第1配線用遮断器51の第2層及び第2配線用遮断器52の第2層は第2層配線用遮断器114を構成し、第2層配線用遮断器114及び第3配線用遮断器53はそれぞれ、第2気中遮断器62に電気的に接続される。即ち、本方案は、多種の電気的な接続形式を実現でき、現場の状況に応じて柔軟に調整できる。
【0028】
さらに、低電圧キャビネット1の密閉構造の要求を満たすように、扉体には、キャビネット本体を放熱するための熱交換器7が設けられている。
【0029】
好ましいものとしては、熱交換器7は逆流式熱交換器であり、熱交換器7には外側循環吸気口71及び外側循環排気口72が設けられており、キャビネット本体の内部には内側循環排気口91及び内側循環吸気口92が設けられており、外側循環吸気口71及び外側循環排気口72の気流の流れ方向は、内側循環排気口91及び内側循環吸気口92の気流の流れ方向と逆向きであり、熱交換器コアにおいて熱交換を行って放熱を実現する。
【0030】
本発明の実施例によって提供されるプレハブ式変電所は、リングメインユニット3をさらに含み、その構造は、
図1に示すことができ、当該リングメインユニット3はケース4の中電圧配電室内に設けられ、
リングメインユニット3は屋内キャビネットであり、中電圧配電室は、囲まれた密閉構造であるか、または、リングメインユニット3は、屋外キャビネットであり、即ち、防護構造を有し、ケース4によって囲まれて防護される必要がなく、中電圧配電室は、フレーム構造であり、即ち、囲まれたハウジングが空間を占有することを回避するために、密閉するように囲まれなくなる。
【0031】
以下、完全な実施例を結合して本方案をさらに紹介する。
【0032】
本発明は、低電圧キャビネット1と、トランス2と、リングメインユニット3と、ケース4とを含むプレハブ式変電所を提供する。前記低電圧キャビネット1は、屋外キャビネットであり、追加の防護を必要としなく、単独で屋外の環境で使用することができ、低電圧キャビネット1は、正面、左側面、右側面がいずれも操作面であり、これらの3つの面はいずれも開閉可能なヒンジ扉が設けられ、正面には両開きのヒンジ扉が設けられる。正面操作面領域(即ち、第1操作面11)は、正面左半分領域(即ち、第1領域111)と正面右半分領域(即ち、第2領域112)とに分割される。左半分領域には、複数の第1配線用遮断器51が設けられており、前記複数の第1配線用遮断器5は2層に配置され、第1配線用遮断器51の上側には、第1気中遮断器61が設けられている。前記右半分領域には、複数の第2配線用遮断器52が設けられており、前記複数の第2配線用遮断器52は、2層に配置され、第2配線用遮断器52の上側には、第2気中遮断器62が設けられている。前記左半分領域、右半分領域の2層の配線用遮断器はそれぞれ、対応する高さが同じであり、前記第1気中遮断器61、第2気中遮断器62は、高さが同じである。前記左側面操作面(即ち、第2操作面12)には、複数の第3配線用遮断器53が設けられており、複数の第3配線用遮断器53は少なくとも2層の配置、即ち、2層の配置、3層の配置等を呈している。前記右側面操作面(即ち、第3操作面13)には複数の第4配線用遮断器54が設けられており、複数の第4配線用遮断器54は少なくとも2層の配置、即ち、2層の配置、3層の配置等を呈している。
【0033】
前記正面左半分領域の第1配線用遮断器51、左側面操作面の第3配線用遮断器53はケーブルまたは銅棒を介して第1気中遮断器61に電気的に接続される。前記正面右半分領域の第2配線用遮断器52、右側面操作面の第4配線用遮断器54はケーブルまたは銅棒を介して第2気中遮断器62に電気的に接続される。
【0034】
なお、他の実施形態において、前記正面操作面の第1層配線用遮断器113(左半分領域の第1層配線用遮断器、右半分領域の第1層配線用遮断器)、左側面操作面の第3配線用遮断器53は、ケーブルまたは銅棒を介して第1気中遮断器61に電気的に接続されてもよい。前記正面操作面の第2層配線用遮断器114(左半分領域の第2層配線用遮断器、右半分領域の第2層配線用遮断器)、右側側面操作面の第4配線用遮断器54は4、ケーブルまたは銅棒を介して第2気中遮断器62に電気的に接続されてもよい。
【0035】
他の実施形態において、前記正面操作面の第1層配線用遮断器113(左半分領域の第1層配線用遮断器、右半分領域の第1層配線用遮断器)、右側面操作面の第4配線用遮断器54は、ケーブルまたは銅棒を介して第1気中遮断器61に電気的に接続されてもよい。前記正面操作面の第2層配線用遮断器114(左半分領域の第2層配線用遮断器、右半分領域の第2層配線用遮断器)、左側側面操作面の第3配線用遮断器53は、ケーブルまたは銅棒を介して第2気中遮断器62に電気的に接続されてもよい。
【0036】
前記低電圧キャビネットの正面の両開き扉(即ち、第1面扉体)上にそれぞれ、低電圧キャビネットを放熱するための熱交換器7が設けられ、前記熱交換器7は逆流式熱交換器である。前記逆流式熱交換器は、低電圧キャビネットの外部に外側循環吸気口71、外側循環排気口72が設けられており、低電圧キャビネットの内部に内側循環吸気口92、内側循環排気口91が設けられている。前記外側循環の気流の流れ方向は、内側循環の気流の流れ方向とは逆向きであり、熱交換器コアにおいて熱交換を行って放熱を実現する。
【0037】
前記熱交換器も、左側面扉体(即ち、第2面扉体121)、右側面扉体(即ち、第3面扉体131)上に設けられてもよい。前記左側操作面、右側操作面の対応位置に、内側循環の吸気口、排気口を設ける必要がある。
【0038】
前記トランス2は、ヨーロッパ式変電所、油浸トランスであってもよく、トランスの巻線は、タンクの油に浸入され、絶縁油で絶縁されて冷却媒体とする。タンクの外側には、放熱のヒートシンクが設けられている。
【0039】
前記リングメインユニット3は、SF6ガス絶縁CCVリングメインユニット、またはCVリングメインユニットであり、Vは、インレットラインキャビネットであり、Cは、アウトレットラインキャビネットである。前記リングメインユニットは、屋内キャビネットであってもよいし、屋外キャビネットであってもよい。
【0040】
前記低電圧キャビネット1、トランス2、リングメインユニット3は、前記ケース4の内部に固定され、プレハブ統合を実現する。海上輸送の要件を満たすために、前記ケース4は、標準的な海上輸送コンテナの寸法であってもよく、たとえば、20フィートの標準的なコンテナの寸法である。前記低電圧キャビネット1は、屋外キャビネットであり、前記トランス2は、屋外で使用できるので、前記ケース4は、低電圧キャビネット1、トランス2の実装空間においてフレーム式構造であり、追加の防護を必要としない。前記リングメインユニット3が屋内キャビネットである場合、前記ケースの対応位置は、リングメインユニットの屋外使用への防護を実現するように、密閉空間に囲まれる必要があり、前記ケース4は、リングメインユニットの取り付け及び操作メンテナンスのために、リングメインユニットの側端面に開閉可能な端扉を設ける必要がある。前記リングメインユニット3が屋外キャビネットである場合、前記ケース4は、対応する位置でフレーム構造であってもよい。
【0041】
前記低電圧キャビネット1とトランス2とは、接続銅棒8を介して電気的な接続を実現し、即ち、接続銅棒8は一端がトランスに電気的に接続され、一端が低電圧キャビネットに電気的に接続される。接続銅棒8と低電圧キャビネットとの電気的な接続位置は、第1気中遮断器61の出力端子、第2気中遮断器62の出力端子であり、即ち、第1気中遮断器61、第2気中遮断器62が接続銅棒8を介してトランス2に電気的に接続されることで、それぞれ集約された低電圧電流がトランス2に入力されることを実現する。前記トランス2とリングメインユニット3は、中電圧ケーブルにより電気的な接続を実現する。
【0042】
前記低電圧キャビネット1における各配線用遮断器がストリングインバータの交流出力に電気的に接続されることで、ストリングインバータから出力された低電圧交流電力が前記低電圧キャビネットに入力され、対応する気中遮断器を介して合流し、接続銅棒を介してトランスに入力されることを実現する。トランスは、低電圧交流電力を高圧交流電力に昇圧し、リングメインユニットにより、太陽光発電のオングリッドを実現する。
【0043】
上述のように、本発明の実施例は、プレハブ式変電所を開示し、その低電圧キャビネットは、屋外低電圧キャビネットを採用しており、スイッチは、正面、左側面、右側面の3つの面に配置されることで、正面、左側面、右側面の操作可能な面を十分に利用し、スイッチの数を最大化に配置し、正面のスイッチは2層に配置され、側面のスイッチは少なくとも2層に配置される。正面左半分領域のスイッチ、左側面のスイッチは、第2気中遮断器に電気的に接続され、正面右半分領域のスイッチ、右側面のスイッチは、第2気中遮断器に電気的に接続され、正面の第1層のスイッチ、左側面のスイッチは、第2気中遮断器に電気的に接続され、正面の第2層のスイッチ、右側面のスイッチは、第2気中遮断器に電気的に接続され、正面の第1層スイッチ、右側面のスイッチは、第1気中遮断器に電気的に接続され、正面の第2層のスイッチ、左側面のスイッチは、第2気中遮断器に電気的に接続され、低電圧キャビネットの正面扉、または側面扉上には熱交換器が設けられ、キャビネット本体の内部の熱量の放熱に役立ち、ケースの低電圧キャビネットに対応する領域は、フレーム構造であり、リングメインユニットが屋外キャビネットである場合、ケース全体はフレーム構造であり、低電圧側の空間を最大化に利用しつつ、コストを効果的に低減させることができる。
【0044】
本明細書における各実施例は、漸近的な方式で説明されている。各実施例は、他の実施例と異なる点を重点的に示しており、各実施例間の同じあるいは類似する部分は、相互に参照されてもよい。
【0045】
開示された実施例に対する上記の説明により、当業者が本発明を実現または使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な補正は、当業者にとって自明であり、本文において定義された一般原理は、本発明の精神または範囲を逸脱することなく、他の実施例において実現することができる。したがって、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理および新規特徴点と一致する最も広い範囲に適合しなければならない。
【符号の説明】
【0046】
1 ・・・低電圧キャビネット;11 ・・・第1操作面、111 ・・・第1領域、112 ・・・第2領域、113 ・・・第1層配線用遮断器、114 ・・・第2層配線用遮断器、115 ・・・第1両開き扉、116 ・・・第2両開き扉、12 ・・・第2操作面、121 ・・・第2面扉体、13 ・・・第3操作面、131 ・・・第3面扉体;
2 ・・・トランス、3 ・・・リングメインユニット、4 ・・・ケース;
51 ・・・第1配線用遮断器、52 ・・・第2配線用遮断器、53 ・・・第3配線用遮断器、54 ・・・第4配線用遮断器;
61 ・・・第1気中遮断器、62 ・・・第2気中遮断器;
7 ・・・熱交換器、8 ・・・接続銅棒。