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特許7511047情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0226 20230101AFI20240627BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
G06Q30/0226
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023077633
(22)【出願日】2023-05-10
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】土家 恒生
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-046756(JP,A)
【文献】特開2005-174088(JP,A)
【文献】特開2015-158868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、前記決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び前記決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を前記端末装置から取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が第1形式である場合に、前記決済情報に基づく特典を前記第1識別情報に関連付けて付与する特典付与部と、
前記第1識別情報が前記第1形式とは別の第2形式である場合に、前記第1識別情報を、前記第1形式で表される第2識別情報に変換することが可能な変換情報が記憶される記憶部と、
前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が前記第2形式である場合に、前記変換情報に基づいて前記第1識別情報を前記第2識別情報に変換する変換部と、を備え、
前記特典付与部は、前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が前記第2形式である場合には、前記特典を前記第2識別情報に関連付けて付与する
情報処理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記決済媒体を用いた決済が接触式の決済である場合には、前記第1識別情報として、前記第1形式の識別情報を前記決済媒体から取得し、
前記決済媒体を用いた決済が非接触式の決済である場合には、前記第1識別情報として、前記第2形式の識別情報を前記決済媒体から取得する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2形式は、前記第1形式よりも情報量が少ない形式である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記決済媒体は、携帯端末装置である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記決済媒体には、前記ユーザにより設定された決済手段に対応した前記第2形式の識別情報が前記第1識別情報として記憶されている
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2形式の前記第1識別情報は、前記決済媒体に記憶されているデータにおいて、前記ユーザにより設定された決済手段に対応したデータ領域に保持されている
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記決済媒体には、前記決済に用いられる決済番号情報と、前記第1識別情報とが記憶され、
前記端末装置は、前記決済番号情報を保持しない
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記記憶部には、前記第2形式の前記第1識別情報と前記第2識別情報とがユーザ毎に関連付けて記憶されており、
前記第2識別情報に関連付けられる前記ユーザの前記決済媒体に前記第2形式の前記第1識別情報を送信して前記決済媒体に記憶させる送信部を更に備える
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記端末装置は、前記第1形式の前記第1識別情報と前記決済情報とが関連付けられた第1送信情報、及び前記第2形式の前記第1識別情報と前記決済情報とが関連付けられた第2送信情報をファイル情報に登録する処理を所定の蓄積期間だけ継続して、前記所定の蓄積期間が経過する都度、前記所定の蓄積期間内に作成された前記ファイル情報を前記変換部に周期的に送信し、
前記変換部は、
前記ファイル情報に前記第1送信情報が含まれている場合には、前記第1送信情報に含まれる前記第1形式の前記第1識別情報と、前記第1識別情報に関連付けられた前記決済情報とを対応付けて前記特典付与部に送信し、
前記ファイル情報に前記第2送信情報が含まれている場合には、前記第2送信情報に含まれる前記第2形式の前記第1識別情報を前記変換情報に基づいて前記第2識別情報に変換した後、前記第2識別情報と、前記第1識別情報に関連付けられた前記決済情報とを対応付けて前記特典付与部に送信する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記端末装置は、前記第1識別情報が前記第1形式及び前記第2形式のいずれであるかを示す識別子を前記第1識別情報に関連付けて前記変換部に送信する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記変換部は、前記識別子に基づいて前記第1識別情報が前記第1形式及び前記第2形式のいずれであるかを判断して、前記第1識別情報が前記第2形式であると判断した場合には、前記変換情報に基づいて前記第1識別情報を前記第2識別情報に変換する
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータが、
ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、前記決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び前記決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を前記端末装置から取得し、
前記端末装置から取得した前記第1識別情報が第1形式である場合に、前記決済情報に基づく特典を前記第1識別情報に関連付けて付与し、
前記端末装置から取得した前記第1識別情報が前記第1形式とは別の第2形式である場合に、前記第2形式で表される前記第1識別情報を、前記第1形式で表される第2識別情報に変換することが可能な変換情報を記憶部から取得して、前記端末装置から取得した前記第1識別情報を前記変換情報に基づいて前記第2識別情報に変換するとともに、前記特典を前記第2識別情報に関連付けて付与する
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、前記決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び前記決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を前記端末装置から取得させ、
前記端末装置から取得した前記第1識別情報が第1形式である場合に、前記決済情報に基づく特典を前記第1識別情報に関連付けて付与させ、
前記端末装置から取得した前記第1識別情報が前記第1形式とは別の第2形式である場合に、前記第2形式で表される前記第1識別情報を、前記第1形式で表される第2識別情報に変換することが可能な変換情報を記憶部から取得させ、前記端末装置から取得した前記第1識別情報を前記変換情報に基づいて前記第2識別情報に変換させるとともに、前記特典を前記第2識別情報に関連付けて付与させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが商品を購入したり、サービスを利用したりした際にユーザにポイントを付与するサービスが普及している。例えば下記の特許文献1に記載の情報処理システムでは、決済時にユーザがポイントカードを提示しなかった場合であっても、商品の購入時等の決済情報に基づいてユーザにポイントを付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-46756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような情報処理システムでは、例えばユーザがスマートフォンやクレジットカード等を用いて決済を行った場合、スマートフォンやクレジットカード等の決済媒体からユーザの識別情報が端末装置により取得されて、その識別情報にポイントを関連付けることによりユーザにポイントが付与される。スマートフォンやクレジットカード等の各種の決済媒体では、記憶可能な情報量が相違する等の理由により、ある決済媒体では所定の形式の識別情報が用いられる一方、別の決済媒体ではそれとは別の形式の識別情報が用いられる場合がある。このように異なる2つの形式の識別情報が存在する場合、ポイント等の特典を適切にユーザに付与することができない可能性がある。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より適切にポイントをユーザに付与することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による情報処理システムは、情報取得部と、特典付与部と、記憶部と、変換部と、を備える。情報取得部は、ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を端末装置から取得する。特典付与部は、情報取得部により取得された第1識別情報が第1形式である場合に、決済情報に基づく特典を第1識別情報に関連付けて付与する。記憶部は、第1識別情報が第1形式とは別の第2形式である場合に、第1識別情報を、第1形式で表される第2識別情報に変換することが可能な変換情報が記憶される。変換部は、情報取得部により取得された第1識別情報が第2形式である場合に、変換情報に基づいて第1識別情報を第2識別情報に変換する。特典付与部は、情報取得部により取得された第1識別情報が第2形式である場合には、特典を第2識別情報に関連付けて付与する。
【0007】
本開示の一態様による情報処理方法は、ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を端末装置から取得し、第1識別情報が第1形式である場合に、決済情報に基づく特典を第1識別情報に関連付けて付与し、第1識別情報が第1形式とは別の第2形式である場合に、第1識別情報を、第1形式で表される第2識別情報に変換して、特典を第2識別情報に関連付けて付与する。
【0008】
本開示の一態様によるプログラムは、コンピュータに、ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を端末装置から取得させ、第1識別情報が第1形式である場合に、決済情報に基づく特典を第1識別情報に関連付けて付与させ、第1識別情報が第1形式とは別の第2形式である場合に、第1識別情報を、第1形式で表される第2識別情報に変換させて、特典を第2識別情報に関連付けて付与させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムによれば、より適切にポイントをユーザに付与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】(A)及び(B)は、実施形態の情報処理システムのハードウェア的な構成を示すブロック図。
図3】実施形態のPOS端末装置の概略構成を示すブロック図。
図4】(A)~(C)は、実施形態の利用者情報に含まれるデータの一例を模式的に示す図。
図5】実施形態のポイント付与ファイルに含まれる情報の一例を示す図。
図6】実施形態の第2送信部により実行される識別子の付与処理の一例を示す図。
図7】実施形態の決済処理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図8】実施形態のポイント処理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図9】実施形態の変換テーブルの一例を模式的に示す図。
図10】実施形態の情報処理システムの動作例を示すフローチャート及びシーケンスチャート。
図11】実施形態の情報処理システムの動作例を示すフローチャート及びシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<システムの構成>
図1は、実施形態の情報処理システム10の概略構成を示すブロック図である。図1に示される情報処理システム10は、ユーザが商品やサービス等を購入した際に決済処理を行うとともに、決済処理された額に応じてユーザにポイントを付与するものである。図1に示されるように、情報処理システム10は、ユーザ端末装置11、POS(point of sale)端末装置12、決済処理サーバ装置13、及びポイント処理サーバ装置14を備えている。ユーザ端末装置11は、ユーザによって使用される装置であって、例えばスマートフォンである。ユーザ端末装置11は、例えば複数のユーザがそれぞれ所持することにより複数存在する場合がある。POS端末装置12は、ユーザが商品やサービスを購入する店舗等の場所に設定されて、商品又はサービスが購入される際の決済等を行うための装置である。POS端末装置12は、例えば複数の店舗にそれぞれ設置されることにより、複数存在する場合がある。ポイント処理サーバ装置14は、ユーザに対してポイントサービスを提供するための装置である。決済処理サーバ装置13は、ユーザに対して決済サービスを提供するための装置である。ポイントサービスを利用することによりユーザが獲得したポイントは、例えばユーザが決済を行う際に決済額の一部又は全部として利用することが可能である。ユーザは、ユーザ端末装置11を介してポイント処理サーバ装置14及び決済処理サーバ装置13によって提供される各種サービスを利用することが可能である。本実施形態では、ユーザ端末装置11が携帯端末装置に相当し、ポイントが特典に相当する。
【0012】
<各装置のハードウェア的な構成>
図2は、本実施形態の情報処理システム10のハードウェア的な構成を示すブロック図である。
ユーザ端末装置11は、例えば図2(A)に示されるコンピュータ20により実現可能である。図2(A)に示されるように、コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶装置24、通信装置25、入力装置26、及び出力装置27等を備えている。記憶装置24は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等である。通信装置25は、NIC(Network Interface Card)等である。
【0013】
POS端末装置12は、例えばユーザ端末装置11と同様に、図2(A)に示されるコンピュータ20により実現可能である。POS端末装置12は、入力装置26として、キーボードやタッチパネルの他に、光学コードリーダやRFIDリーダ、Felica(登録商標)やNFC(Near Field Communication)に対応した近距離無線通信が可能な通信装置等、ユーザ端末装置11やクレジットカード等から各種情報を読み取るための装置を備えている。POS端末装置12は、従来のPOSレジスター端末に限らず、スマートフォン等であってもよい。
【0014】
決済処理サーバ装置13及びポイント処理サーバ装置14は、例えば図2(B)に示されるコンピュータ30により実現可能である。図2(B)に示されるように、このコンピュータ30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、及び通信装置35等を備えている。
【0015】
<POS端末装置の構成>
POS端末装置12では、CPU21が、記憶装置24に記憶されているプログラムを読み込んで実行することによりPOS端末装置12の各ハードウェアを制御する。POS端末装置12は、CPU21による各ハードウェアの制御により実現される機能的な構成として、図3に示されるように、読取部41、第1送信部42、及び第2送信部43を備えている。
【0016】
読取部41は、決済処理を行う際にユーザにより指定された方法に基づいて利用者情報を読み取る。ユーザにより指定される方法としては、例えばユーザ端末装置11との近距離無線通信により利用者情報を読み取る方法や、ユーザが所持する板のクレジットカードから利用者情報を読み取る方法等がある。本実施形態では、ユーザ端末装置11又は板のクレジットカードが決済媒体に相当する。
【0017】
ユーザ端末装置11との近距離無線通信により利用者情報を読み取る方法としては、例えばユーザ端末装置11に搭載されるFelicaチップ又はNFCから非接触式で近距離無線通信により利用者情報を読み取る方法がある。
クレジットカードから利用者情報を読み取る方法としては、接触式の方法と、非接触式の方法とがある。接触式の方法とは、例えばクレジットカードに設けられる磁気ストライプ領域に磁気ヘッドを接触させることで利用者情報を読み取る方法である。非接触式の方法とは、例えばクレジットカードに設けられるNFCチップから近距離無線通信により利用者情報を読み取る方法である。
【0018】
読取部41により読み取られる利用者情報には、決済用固有情報及びポイント用固有情報が含まれている。決済用固有情報は、決済の際に用いられる識別番号、例えばクレジットカード番号である。本実施形態では、決済用固有情報が決済番号情報に相当する。ポイント用固有情報は、ポイントを付与するユーザを特定することが可能な情報である。本実施形態では、ポイント用固有情報が第1識別情報に相当する。ポイント用固有情報は、上記の読み取り方法に応じて異なった形式で読み取られる。
【0019】
例えばクレジットカードの磁気ストライプ領域から読取部41が接触式で利用者情報を読み取った場合、その利用者情報には、例えば図4(A)に示されるようなデータ構造で決済用固有情報及びポイント用固有情報が含まれている。この場合、ポイント用固有情報は、ポイントサービスを利用する各ユーザに対して個別に付与されている情報であって、ユーザを特定することが可能なユーザ識別情報である。ユーザ識別情報は、例えば9桁の10進数で表されるデータである。本実施形態では、ユーザ識別情報が第1形式の第1識別情報に相当する。
【0020】
一方、クレジットカードのNFCチップから読取部41が非接触式で利用者情報を読み取った場合、その利用者情報には、例えば図4(B)に示されるようなデータ構造で決済用固有情報及びポイント用固有情報が含まれている。この場合、ポイント用固有情報は、ユーザ識別情報とは別の情報であって、ユーザ識別情報に変換可能な代替識別情報である。本実施形態では、ポイントサービスを利用する各ユーザに対して異なるユーザ識別情報が個別に割り振られるとともに、各ユーザ識別情報に対して異なる代替識別情報が個別に関連付けられている。したがって、一つの代替識別情報から、その代替識別情報に関連付けられているユーザ識別情報を特定することが可能である。代替識別情報は、ユーザ識別情報よりも桁数が少ないデータ、例えば36進数で表される4桁のである。ユーザ端末装置11のNFCチップから非接触式で読取部41が利用者情報を読み取る場合にも、同様に、図4(B)に示されるようなユーザ識別情報が読取部41により読み取られる。NFCチップは磁気ストライプやFelicaチップと比較して記憶可能な情報量が少ないため、NFCチップには利用者情報が図4(B)に示されるような形式で記憶されている。本実施形態では、代替識別情報が第2形式の第1識別情報に相当する。なお、以下では、NFCチップを利用した決済を「NFC決済」とも称する。
【0021】
なお、NFC決済は、例えばクレジットカードの発行事業者との契約により利用可能となる。クレジットカードの発行事業者は複数存在するため、それぞれの発行事業者に応じて、NFCチップに記憶されている利用者情報のデータ構造が異なる場合がある。例えば、第1発行事業者に対応した利用者情報は、図4(B)に示されるようなデータ構造を有している一方、それとは別の第2発行事業者に対応した利用者情報は、図4(C)に示されるようなデータ構造を有している場合がある。図4(B),(C)にそれぞれ示されるデータ構造では、利用者情報において代替識別情報が記憶されているデータ領域が異なっている。また、図4(B)に示される利用者情報に含まれる決済用固有情報と、図4(C)に示される利用者情報に含まれる決済用固有情報とは異なっている。また、図4(B)に示される利用者情報に含まれる代替識別情報と、図4(C)に示される利用者情報に含まれる代替識別情報とは異なっている。このように、代替識別情報は、クレジットカード又はユーザ端末装置11のNFCチップのデータ構造において、ユーザにより設定された発行事業者に対応した位置に格納されている。そのため、読取部41は、例えばNFCチップからの読み込みであるか否かの情報、及び発行事業者の情報等に基づいて、データの構造におけるポイント用固有情報の位置や桁数等を特定することにより、NFCチップから読み込まれたデータからポイント用固有情報を的確に抽出する。
【0022】
また、ユーザは、ユーザ端末装置11にインストールされている決済アプリを用いることにより、NFC決済として、第1発行事業者に対応したNFC決済、及び第2発行事業者に対応したNFC決済のいずれを用いるかを選択することができる。例えば、ユーザが決済アプリにおいて、第1発行事業者に対応したNFC決済を選択する操作を行った場合、NFCチップに記憶されている利用者情報は、図4(B)に示されるような構造を有する。一方、ユーザが決済アプリにおいて、第2発行事業者に対応したNFC決済を選択する操作を行った場合、NFCチップに記憶されている利用者情報は、図4(C)に示されるような構造を有する。なお、ユーザ端末装置11ではユーザがNFC決済の発行事業者を選択する操作が行われると、ユーザ端末装置11は、選択された発行事業者に対応する利用者情報をNFCチップに書き込む処理を実行する。
【0023】
第1送信部42は、決済処理サーバ装置13に各種情報を送信する。例えば、第1送信部42は、読取部41により読み取られた利用者情報に含まれる決済用固有情報、決済処理の指示、及び決済情報を決済処理サーバ装置13に送信する。決済情報は、ユーザ端末装置11又はクレジットカードを用いて行われた決済の内容、例えばユーザの商品又はサービスの決済額の情報等が含まれている。なお、第1送信部42は、決済を行う際にユーザがポイントを使用する操作を行った場合には、使用されたポイントを決済額から減じた額を決済処理サーバ装置13に送信する。
【0024】
第2送信部43は、ポイント処理サーバ装置14に各種情報を送信する。例えば、第2送信部43は、読取部41により読み取られた利用者情報に含まれるポイント用固有情報、決済額、及び決済日時等が関連付けられて登録されているポイント付与ファイルF10を作成するとともに、作成されたポイント付与ファイルF10をポイント処理サーバ装置14に送信する。
【0025】
図5は、ポイント付与ファイルF10の概要を模式的に示したものである。図5に示されるように、ポイント付与ファイルF10には、レコード番号毎に、ポイント用固有情報、決済日時、及び決済金額が関連付けられて記憶されている。第2送信部43は、ユーザ端末装置11を用いて決済が行われる都度、決済の際にユーザ端末装置11から読取部41により読み取られたポイント用固有情報、決済日時、及び決済金額をポイント付与ファイルF10に登録して蓄積していく。
【0026】
このとき、ポイント用固有情報にはユーザ識別情報及び代替識別情報のいずれかが含まれている。第2送信部43は、読取部41により読み取られたユーザ識別情報に、ポイント用固有情報として代替識別情報が含まれている場合、図6に示されるように代替識別情報に所定の識別子を付与する。所定の識別子は、例えば「NFC」といった特定の文字列や特定の数字等である。そして、第2送信部43は、所定の識別子が付与された代替識別情報を、図5に示されるようにポイント付与ファイルF10に登録する。
【0027】
第2送信部43は、所定の蓄積期間が経過する都度、蓄積期間内に作成されたポイント付与ファイルF10をポイント処理サーバ装置14に周期的に送信する。ポイント付与ファイルF10は、例えば所定期間が経過すると送信されるバッチ処理されたファイルとして構成されている。ポイント付与ファイルF10の蓄積期間及びバッチ処理の周期は例えば1日に設定される。
【0028】
<決済処理サーバ装置の構成>
決済処理サーバ装置13では、CPU31が、記憶装置34に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより決済処理サーバ装置13の各ハードウェアを制御する。決済処理サーバ装置13は、CPU31による各ハードウェアの制御により実現される機能的な構成として、図7に示されるように、受信部61、及び決済処理部62を備えている。
【0029】
受信部61は、POS端末装置12から送信される決済用固有情報、決済処理の指示、及び決済情報を受信する。
決済処理部62は、受信部61により受信された決済用固有情報、及び決済情報に基づいて決済処理を行う。
【0030】
<ポイント処理サーバ装置の構成>
ポイント処理サーバ装置14では、CPU31が、記憶装置34に記憶されているプログラムを読み込んで実行することによりポイント処理サーバ装置14の各ハードウェアを制御する。ポイント処理サーバ装置14は、CPU31による各ハードウェアの制御により実現される機能的な構成として、図8に示されるように、記憶部51、受信部52、変換部53、及びポイント付与部54を備えている。
【0031】
記憶部51には、ポイントデータベース510、及び変換テーブル511が記憶されている。ポイントデータベース510には、例えばポイントサービスを利用しているユーザの識別情報毎にポイントの残高が登録されている。変換テーブル511は、図9に示されるようにユーザ識別情報と代替識別情報との対応関係を示すものである。変換テーブル511は、代替識別情報から、その代替識別情報に関連付けられているユーザ識別情報を特定するために用いられる。換言すれば、変換テーブル511は、4桁の36進数で表される代替識別情報を、9桁の10進数で表されるユーザ識別情報に変換するために用いられる。本実施形態では、変換テーブル511が変換情報に相当する。
【0032】
受信部52は、蓄積期間が経過する度にPOS端末装置12から送信されるポイント付与ファイルF10を受信する。本実施形態では、受信部52が情報取得部に相当する。
変換部53は、受信部52により受信されるポイント付与ファイルF10において決済情報に関連付けられているポイント用固有情報が代替識別情報である場合、代替識別情報をユーザ識別情報に変換する。具体的には、変換部53は、ポイント付与ファイルF10に含まれるレコード番号毎に、ポイント用固有情報に所定の識別子、例えば「NFC」といった識別子が付与されているか否かを判断する。変換部53は、例えば図5に示されるNo.2及びNo.3のように、ポイント用固有情報に所定の識別子が含まれている場合には、その所定の識別子を除いた4桁の代替識別情報を読み込むとともに、読み込んだ代替識別情報を、変換テーブル511を用いてユーザ識別情報に変換する変換処理を行う。これにより、代替識別情報に対応した決済額と、ユーザ識別情報とを関連付けることが可能となる。本実施形態では、変換部53により変換されたユーザ識別情報が第2識別情報に相当する。
【0033】
一方、変換部53は、図5に示されるNo.1のように、ポイント用固有情報に所定の識別子が付与されていない場合には、変換処理を行わない。これは、ポイント用固有情報にはユーザ識別情報が含まれているため、ユーザ識別情報と決済情報との関連付けが既に行われているためである。
【0034】
ポイント付与部54は、ポイント付与ファイルF10に含まれるレコード番号毎に、決済に応じたポイントをユーザに付与するポイント付与処理を実行する。具体的には、ポイント付与部54は、レコード番号毎に決済額に応じたポイントを算出するとともに、算出されたポイントを、ユーザ識別情報の残高に加算するかたちでポイントデータベース510に記憶させる。本実施形態では、ポイント付与部54が特典付与部に相当する。
【0035】
<情報処理システムの処理の流れ>
次に、本実施形態の情報処理システムにより実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0036】
図10は、本実施形態の決済フローの概要を示すフローチャート及びシーケンスチャートである。フローチャートで示された処理は、POS端末装置12において、商品又はサービスに付されたバーコードがスキャンされたり、店員により商品又はサービスの価格が入力されたりした後に、店員により決済額を確定する操作が行われたことを契機として実行される。
【0037】
POS端末装置12は、店員による決済額の確定操作を受け付けると、ユーザの決済額を確定した後(ステップS10)、ユーザが希望する決済方法を受け付けるための画面を表示して、ユーザによる決済方法の選択操作を受け付ける(ステップS11)。なお、決済方法を選択する操作は店員により行われても良い。ここで、現金等、決済処理サーバ装置13において利用可能な決済方法とは別の決済方法である対象外決済方法を利用することをユーザが選択した場合(ステップS11:対象外決済)、POS端末装置12は、選択された決済方法を用いて決済処理を実行して(ステップS12)、決済を完了させる(ステップS15)。対象外決済方法の処理の詳細な説明は割愛する。
【0038】
一方、決済処理サーバ装置13において利用可能な決済方法である対象決済方法を利用することをユーザが選択した場合(ステップS11:対象決済)、POS端末装置12の読取部41は、店員の操作等により、ユーザ端末装置11や、ユーザが提示したクレジットカード等から利用者情報を取得する(ステップS13)。続いて、POS端末装置12の第1送信部42は、ユーザにより選択された対象決済方法による決済処理の指示、利用者情報に含まれる決済用固有情報、及び決済情報を決済処理サーバ装置13に送信する(ステップS14)。第1送信部42は、決済用固有情報をサーバ装置13に送信した後に破棄する。これにより、POS端末装置12から決済用固有情報が漏洩することを未然に回避できる。
【0039】
決済処理サーバ装置13では、受信部61が、POS端末装置12から送信される決済処理の指示、決済用固有情報、及び決済情報を受信すると(ステップS20)、決済処理部62が、決済処理の指示に基づく決済額を決済して(ステップS21)、決済が完了したことをPOS端末装置12に通知する(ステップS22)。この際、ユーザがユーザ端末装置11を用いて決済を行っている場合、決済処理部62は、ユーザ端末装置11の決済用アプリケーション等に対して決済の完了を通知してもよい。POS端末装置12は、決済処理サーバ装置13から決済の完了が通知されると、決済を完了させる(ステップS15)。
【0040】
決済が完了すると、POS端末装置12の第2送信部43は、今回の決済において読取部41により読み取られた利用者情報に含まれるポイント用固有情報に所定の識別子を付与した後、所定の識別子が付与されたポイント用固有情報を、対象ユーザの決済額、及び決済日時と関連付けてポイント付与ファイルF10に蓄積する(ステップS16)。
【0041】
図11は、本実施形態のポイント付与フローの概要を示すフローチャート及びシーケンスチャートである。本フローチャートに示された処理は、予め設定された所定時間毎(例えば1日毎)に実行されるバッチ処理である。
POS端末装置12の第2送信部43は、予め設定された所定時間が経過すると、ポイント付与ファイルをポイント処理サーバ装置14に送信する(ステップS30)。ポイント処理サーバ装置14では、POS端末装置12から送信されるポイント付与ファイルF10を受信部52が受信すると(ステップS40)、変換部53が、ポイント付与ファイルF10に含まれる未処理のポイント用固有情報を読み出す(ステップS41)。変換部53は、読み出したポイント用固有情報に所定の識別子が付与されているか否かを判定する(ステップS42)。
【0042】
変換部53は、ポイント用固有情報に所定の識別子が付与されていると判定した場合には(ステップS42:YES)、読み出したポイント用固有情報が代替識別情報であると判断して、図9に示される変換テーブル511を用いて代替識別情報をユーザ識別情報に変換する変換処理を行った後(ステップS43)、ステップS44の処理に進む。一方、変換部53は、ポイント用固有情報に所定の識別子が付与されていないと判定した場合には(ステップS42:NO)、読み出したポイント用固有情報がユーザ識別情報であると判断して、変換処理を行うことなくステップS44の処理に進む。
【0043】
ポイント処理サーバ装置14のポイント付与部54は、ステップS44の処理として、ユーザに対してポイントを付与する。具体的には、ポイント付与部54は、決済額に応じたポイントを算出するとともに、算出されたポイントを、ユーザ識別情報に基づいて特定されたユーザのポイント残高に加算する。続いて、ポイント付与部54は、ポイント付与ファイルF10に含まれる全てのポイント用固有情報について処理が完了したか否かを確認する(ステップS45)。ポイント付与部54は、ポイント付与ファイルF10に未処理のポイント用固有情報が残っている場合には、全てのポイント用固有情報について処理が完了していないと判断して(ステップS45:NO)、ステップS41の処理に戻る。よって、ステップS41~S44までの処理は、ポイント付与ファイルF10に含まれる全てのポイント固有情報について処理が完了するまで繰り返し実行される。一方、ポイント付与部54は、ポイント付与ファイルF10に未処理のポイント固有情報が残っていない場合には、全てのポイント用固有情報について処理が完了したと判断して(ステップS45:YES)、図11に示される処理を終了する。
【0044】
<本実施形態の情報処理システの作用及び効果>
以上のように、情報処理システム10は、受信部52と、ポイント付与部54と、記憶部51と、変換部53とを備えている。受信部52は、ユーザがユーザ端末装置11又はクレジットカードを用いてPOS端末装置12において決済を行った際に、ユーザ端末装置11又はクレジットカードに記憶されているポイント用固有情報及び決済情報を、POS端末装置12を介して取得する。ポイント付与部54は、受信部52により取得されたポイント用固有情報がユーザ識別情報である場合に、決済情報に基づくポイントをユーザ識別情報に関連付けて付与する。記憶部51には、図9に示されるような変換テーブル511が記憶されている。変換部53は、受信部52により取得されたポイント用固有情報が代替識別情報である場合に、変換テーブル511に基づいて代替識別情報をユーザ識別情報に変換する。ポイント付与部54は、受信部52により取得されたポイント用固有情報が代替識別情報である場合には、変換部53により変換されたユーザ識別情報に関連付けてポイントを付与する。
【0045】
この構成によれば、NFCチップのような記憶容量の少ない媒体に関しては、ユーザ識別情報に代えて代替識別情報を記憶させることで、決済時にポイントカード等の提示をユーザに要求することなく、ユーザにポイントを付与することができる。よって、より適切にポイントをユーザに付与することが可能となる。
【0046】
ユーザがクレジットカードを用いて接触式の決済を行った場合、POS端末装置12は、ポイント用固有情報として、ユーザ識別情報を取得する。ユーザがクレジットカード又はユーザ端末装置11を用いて非接触式の決済を行った場合、POS端末装置12は、ポイント用固有情報として、代替識別情報を取得する。第2形式の識別情報である代替識別情報は、第1形式の識別情報であるユーザ識別情報よりも情報量が少ない。
この構成によれば、ユーザが接触式の決済及び非接触式の決済のいずれを指示した場合であっても対応することができるため、利便性を向上させることができる。
【0047】
決済媒体の一つであるユーザ端末装置11には、決済アプリ等を通じてユーザにより設定された決済手段に対応した代替識別情報、例えば第1発行事業者に対応した代替識別情報や、第2発行事業者に対応した代替識別情報が記憶されている。
この構成によれば、決済アプリ等において発行事業者を選択する操作を行うという簡単な操作を行うだけでポイントを獲得することが可能となる。
【0048】
代替識別情報は、図4(B),(C)に示されるように、ユーザ端末装置11及びクレジットカードのそれぞれのNFCチップに記憶されているデータにおいて、ユーザにより設定された発行事業者に対応したデータ領域に保持されている。
この構成によれば、発行事業者毎にNFCチップのデータ構造が異なる場合であっても、代替識別情報を適切に記憶させることができる。
【0049】
POS端末装置12は、利用者情報に含まれるポイント用固有情報をポイント付与ファイルF10として保持する一方、決済用固有情報を保持しない。
この構成によれば、クレジットカード番号等の決済用固有情報がPOS端末装置12から漏洩することを未然に防止できるため、セキュリティ性を向上させることができる。
【0050】
POS端末装置12はポイント付与ファイルF10をポイント処理サーバ装置14に送信する。ポイント付与ファイルF10には、ユーザ識別情報と決済情報とが関連付けられた第1送信情報、及び代替識別情報と決済情報とが関連付けられた第2送信情報が含まれている。変換部53は、ポイント付与ファイルF10に第1送信情報が含まれている場合には、第1送信情報に含まれるユーザ識別情報と、第1識別情報に関連付けられた決済情報とを対応付けてポイント付与部54に送信する。変換部53は、ポイント付与ファイルF10に第2送信情報が含まれている場合には、第2送信情報に含まれる代替識別情報を変換テーブル511に基づいてユーザ識別情報に変換した後、ユーザ識別情報と、代替識別情報に関連付けられた決済情報とを対応付けてポイント付与部54に送信する。
この構成によれば、ポイント付与ファイルF10に第1送信情報及び第2送信情報が混在している場合であっても、ユーザ識別情報と決済情報とを適切に対応付けることができるため、より適格にポイントをユーザに付与することができる。
【0051】
POS端末装置12は、ポイント用固有情報がユーザ識別情報及び代替識別情報のいずれであるかを示す所定の識別子をポイント用固有情報に関連付けてポイント処理サーバ装置14に送信する。変換部53は、所定の識別子に基づいてポイント用固有情報がユーザ識別情報及び代替識別情報のいずれであるかを判断して、ポイント用固有情報が代替識別情報であると判断した場合に、変換テーブル511に基づいて代替識別情報をユーザ識別情報に変換する。
この構成によれば、ポイント処理サーバ装置14において代替識別情報をユーザ識別情報に変換する処理を行い易くなる。
【0052】
<変形例>
次に、実施形態の情報処理システム10の変形例について説明する。
本変形例のポイント処理サーバ装置14は、図8に破線で示されるように、送信部55を更に備えている。送信部55は、例えばユーザ端末装置11にインストールされている決済アプリやポイントアプリ等を介して、ユーザに対応した代替識別情報をユーザ端末装置11に送信する。ユーザ端末装置11では、ポイント処理サーバ装置14から送信される代替識別情報を受信すると、例えば図4(B),(C)に示されるような形でNFCチップに記憶させる。
この構成によれば、代替識別情報をユーザ端末装置11に容易に記憶させることができる。
【0053】
<他の実施形態>
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。
POS端末装置12、決済処理サーバ装置13、及びポイント処理サーバ装置14がそれぞれ備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU21により実行されるものに限らず、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
ポイント付与ファイルの蓄積期間及びバッチ処理の周期は、上記実施形態において例示される1日単位に限定されない。例えば、ポイント付与フローは、ポイント付与ファイルに所定件数のレコードが蓄積されたことを契機として実行されてもよい。
【0054】
上記実施形態のPOS端末装置12は、ポイント用固有情報に所定の識別子を付与せずに、ポイント用固有情報をそのままポイント処理サーバ装置14に送信してもよい。この場合、ポイント処理サーバ装置14の変換部53は、図11に示されるステップS42の処理において、ユーザ識別情報又は代替識別情報の桁数の情報に基づいて変換処理を実行するか否かを判断してもよい。例えば上記実施形態のようにユーザ識別情報が9桁の情報で構成され、且つ代替識別情報が4桁の情報で構成されている場合、変換部53は、ポイント用固有情報が9桁の情報であるか否かに基づいて、あるいはポイント用固有情報が4桁の情報であるか否かに基づいて変換処理を実行するか否かを判断する。
【0055】
ユーザ端末装置11、POS端末装置12、決済処理サーバ装置13、及びポイント処理サーバ装置14はそれぞれ、単一の筐体からなる装置に限らず、いわゆるクラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた複数の装置により実現されていてもよい。
上記実施形態では、ポイント処理と決済処理とが異なるサーバ装置において処理される構成を例に挙げて説明したが、ネットワークや装置の構成は、上記実施形態の例示に限定されるものではない。例えばポイント処理と決済処理とが単一のサーバ装置により処理されてもよい。また、ポイント処理及び決済処理のそれぞれは更に複数のサーバ装置に分散して行われてもよい。
【0056】
上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【0057】
<付記>
次に、上記実施形態及び変形例から把握可能な本発明の特徴を以下の通り示す。
(付記1)
ユーザが決済媒体を用いて端末装置において決済を行った際に、前記決済媒体に記憶されている第1識別情報、及び前記決済媒体を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を前記端末装置から取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が第1形式である場合に、前記決済情報に基づく特典を前記第1識別情報に関連付けて付与する特典付与部と、
前記第1識別情報が第1形式とは別の第2形式である場合に、前記第1識別情報を、前記第1形式で表される第2識別情報に変換することが可能な変換情報が記憶される記憶部と、
前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が前記第2形式である場合に、前記変換情報に基づいて前記第1識別情報を前記第2識別情報に変換する変換部と、を備え、
前記特典付与部は、前記情報取得部により取得された前記第1識別情報が前記第2形式である場合には、前記特典を前記第2識別情報に関連付けて付与する
情報処理システム。
【0058】
(付記2)
前記端末装置は、
前記決済媒体を用いた決済が接触式の決済である場合には、前記第1識別情報として、前記第1形式の識別情報を前記決済媒体から取得し、
前記決済媒体を用いた決済が非接触式の決済である場合には、前記第1識別情報として、前記第2形式の識別情報を前記決済媒体から取得する
付記1に記載の情報処理システム。
【0059】
(付記3)
前記第2形式は、前記第1形式よりも情報量が少ない形式である
付記1又は2に記載の情報処理システム。
【0060】
(付記4)
前記決済媒体は、携帯端末装置である
付記1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【0061】
(付記5)
前記決済媒体には、前記ユーザにより設定された決済手段に対応した前記第2形式の識別情報が前記第1識別情報として記憶されている
付記1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【0062】
(付記6)
前記第2形式の前記第1識別情報は、前記決済媒体に記憶されているデータにおいて、前記ユーザにより設定された決済手段に対応したデータ領域に保持されている
付記5に記載の情報処理システム。
【0063】
(付記7)
前記決済媒体には、前記決済に用いられる決済番号情報と、前記第1識別情報とが記憶され、
前記端末装置は、前記決済番号情報を保持しない
付記1~6のいずれかに記載の情報処理システム。
【0064】
(付記8)
前記記憶部には、前記第2形式の前記第1識別情報と前記第2識別情報とがユーザ毎に関連付けて記憶されており、
前記第2識別情報に関連付けられる前記ユーザの前記決済媒体に前記第2形式の前記第1識別情報を送信して前記決済媒体に記憶させる送信部を更に備える
付記1~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【0065】
(付記9)
前記端末装置は、前記第1形式の前記第1識別情報と前記決済情報とが関連付けられた第1送信情報、及び前記第2形式の前記第1識別情報と前記決済情報とが関連付けられた第2送信情報を含むファイル情報を前記変換部に所定の周期で送信し、
前記変換部は、
前記ファイル情報に前記第1送信情報が含まれている場合には、前記第1送信情報に含まれる前記第1形式の前記第1識別情報と、前記第1識別情報に関連付けられた前記決済情報とを対応付けて前記特典付与部に送信し、
前記ファイル情報に前記第2送信情報が含まれている場合には、前記第2送信情報に含まれる前記第2形式の前記第1識別情報を前記変換情報に基づいて前記第2識別情報に変換した後、前記第2識別情報と、前記第1識別情報に関連付けられた前記決済情報とを対応付けて前記特典付与部に送信する
付記1~8のいずれかに記載の情報処理システム。
【0066】
(付記10)
前記端末装置は、前記第1識別情報が前記第1形式及び前記第2形式のいずれであるかを示す識別子を前記第1識別情報に関連付けて前記変換部に送信する
付記1~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【0067】
(付記11)
前記変換部は、前記識別子に基づいて前記第1識別情報が前記第1形式及び前記第2形式のいずれであるかを判断して、前記第1識別情報が前記第2形式であると判断した場合には、前記変換情報に基づいて前記第1識別情報を前記第2識別情報に変換する
付記10に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0068】
10:情報処理システム、11:ユーザ端末装置(決済媒体)、12:POS端末装置、51:記憶部、52:受信部(情報取得部)、53:変換部、54:ポイント付与部(特典付与部)、55:送信部。
【要約】
【課題】より適切にポイントをユーザに付与することが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、受信部52と、ポイント付与部54と、変換部53と、を備える。受信部52は、ユーザが決済媒体を用いて決済を行った際に、決済媒体に記憶されているポイント用固有情報及び決済情報を端末装置から取得する。ポイント付与部54は、受信部52により取得されたポイント用固有情報がユーザ識別情報である場合に、決済情報に基づくポイントをユーザ識別情報に関連付けて付与する。変換部53は、受信部52により取得されたポイント用固有情報が代替識別情報である場合に、代替識別情報をユーザ識別情報に変換する。ポイント付与部54は、変換されたユーザ識別情報に関連付けてポイントを付与する。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11