(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】色判定システム、色判定方法及び色判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/90 20170101AFI20240627BHJP
G06T 7/73 20170101ALI20240627BHJP
G01J 3/52 20060101ALI20240627BHJP
G06V 10/56 20220101ALI20240627BHJP
【FI】
G06T7/90 Z
G06T7/73
G01J3/52
G06V10/56
(21)【出願番号】P 2023089745
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】592131906
【氏名又は名称】みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】永田 亮
(72)【発明者】
【氏名】下元 正義
(72)【発明者】
【氏名】山本 凱
(72)【発明者】
【氏名】笠間 俊夫
【審査官】稲垣 良一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-34740(JP,A)
【文献】国際公開第2013/145295(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G01J 3/52
G06V 10/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部から画像を取得する制御部を備えた色判定システムであって、
前記制御部が、
対象物とともに、複数の色見本を含むスケールを撮影した画像において、複数の前記色見本の検出領域を特定し、
前記検出領域と、前記スケールの色見本の配置パターンを用いて、前記色見本の未検出領域を特定し、
前記検出領域と前記未検出領域とを用いて、前記スケールの配置を予測し、
前記予測した配置で前記スケールの色見本を用いて、前記対象物の色を判定することを特徴とする色判定システム。
【請求項2】
前記色見本は、色属性として明度、色相及び彩度の少なくとも一つの色属性値を変更した配色の見本であることを特徴とする請求項1に記載の色判定システム。
【請求項3】
前記制御部が、前記複数の色見本の検出領域の色属性値と、前記スケールの色見本の配置パターンとにより、前記未検出領域を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の色判定システム。
【請求項4】
前記制御部が、前記画像に含まれる色分布の均一性に応じて、前記検出領域及び前記未検出領域を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の色判定システム。
【請求項5】
前記制御部が、
前記画像において、前記スケールの色見本のエッジを特定し、
前記エッジを用いて、複数の色見本の輪郭の配置を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の色判定システム。
【請求項6】
前記制御部が、
前記検出領域の重心位置を特定し、
前記重心位置と、前記スケールにおける色見本の配置パターンとから、前記未検出領域を特定することを特徴とする請求項5に記載の色判定システム。
【請求項7】
前記スケールは、コンクリートの色評価のための色見本を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の色判定システム。
【請求項8】
撮影部から画像を取得する制御部を備えた色判定システムを用いて、対象物の色を判定する方法であって、
前記制御部が、
対象物とともに、複数の色見本を含むスケールを撮影した画像において、複数の前記色見本の検出領域を特定し、
前記検出領域と、前記スケールの色見本の配置パターンを用いて、前記色見本の未検出領域を特定し、
前記検出領域と前記未検出領域とを用いて、前記スケールの配置を予測し、
前記予測した配置で前記スケールの色見本を用いて、前記対象物の色を判定することを特徴とする色判定方法。
【請求項9】
撮影部から画像を取得する制御部を備えた色判定システムを用いて、対象物の色を判定するためのプログラムであって、
前記制御部を、
対象物とともに、複数の色見本を含むスケールを撮影した画像において、複数の前記色見本の検出領域を特定し、
前記検出領域と、前記スケールの色見本の配置パターンを用いて、前記色見本の未検出領域を特定し、
前記検出領域と前記未検出領域とを用いて、前記スケールの配置を予測し、
前記予測した配置で前記スケールの色見本を用いて、前記対象物の色を判定する手段として機能させるための色判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色見本を用いて、色を判定するための色判定システム、色判定方法及び色判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物の色を判定する場合、カラースケールを用いることがある。カラースケールでは、「色」の色見本が配列されている。そして、対象物の色と色見本とを比較することにより、対象物に対応する色見本により色を判定する。また、対象物の状況を、対象物の色によって判定することもある(例えば、特許文献1を参照)。この文献に記載された変化度合い導出装置は、対象物を撮影した位置を確認するための位置確認手段および色の数値が既知である複数の色見本を有する色既知体と共に対象物を撮影した画像を受け付ける。次に、画像に含まれる色見本から装置非依存の色空間における数値に変換する変換規則を生成する。そして、変換規則に従って、画像に含まれる対象物の色を装置非依存の色空間における数値に変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カラースケールを撮影した画像には、複数の色見本が含まれる。撮影状態によっては、各色見本の識別が困難な場合があるため、色の判定が難しいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する色判定システムは、撮影部から画像を取得する制御部を備える。そして、前記制御部が、対象物とともに、複数の色見本を含むスケールを撮影した画像において、複数の前記色見本の検出領域を特定し、前記検出領域と、前記スケールの色見本の配置パターンを用いて、前記色見本の未検出領域を特定し、前記検出領域と前記未検出領域とを用いて、前記スケールの配置を予測し、前記予測した配置で前記スケールの色見本を用いて、前記対象物の色を判定する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、的確に色を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図である。
【
図4】実施形態の画像の説明図であって、(a)は撮影画像、(b)はグレースケール画像、(c)はエッジ抽出画像の説明図である。
【
図5】実施形態の画像の説明図であって、(a)はエッジ強調画像、(b)は輪郭抽出画像、(c)は重畳画像の説明図である。
【
図6】実施形態の画像の説明図であって、(a)は重畳画像、(b)はレイアウト、(c)は重畳画像の説明図である。
【
図7】実施形態の処理手順の説明図であって、(a)は輪郭の間隔が小さい場合、(b)は輪郭の間隔が大きい場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~
図7に従って、色判定システム、色判定方法及び色判定プログラムを具体化した実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態では、コンクリート材の色評価のために、異なる色が配置されたスケールを用いる。そして、色判定システムとしての判定装置20は、対象物T1の近傍に配置されたスケール10を用いて色を判定する。
【0009】
(ハードウェア構成例)
図2は、判定装置20として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
【0010】
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0011】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0012】
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。
【0013】
記憶装置H14は、判定装置20の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0014】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、判定装置20における各処理(例えば、後述する制御部21における処理)を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、判定装置20のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
【0015】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0016】
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0017】
(各情報処理装置の機能)
図1を用いて、スケール10、判定装置20の機能を説明する。
スケール10には、異なる配色の複数の色見本が配置される。本実施形態のスケール10は、異なる配色として明度の色属性値を順次変更して、白から黒までの複数の色見本が配置されたカラースケールを用いる。
【0018】
判定装置20は、撮影画像において対象物の色を判定するコンピュータシステムである。この判定装置20は、撮影部201、制御部21、スケール情報記憶部22を備えている。
【0019】
撮影部201は、被写体を撮影する装置である。本実施形態では、撮影部201を用いて、色判定の対象物T1とともに、スケール10を撮影する。
制御部21は、後述する処理(管理段階、画像処理段階、予測段階等を含む処理)を行なう。このための色判定プログラムを実行することにより、制御部21は、管理部210、画像処理部211、予測部212等として機能する。
【0020】
管理部210は、撮影部201から撮影画像を取得するとともに、画像処理部211、予測部212を制御する。
画像処理部211は、撮影部201による撮影画像の画像処理を実行する。
予測部212は、画像処理された画像を用いて、色を判定する処理を実行する。
【0021】
スケール情報記憶部22には、スケール10の色見本の配置パターン(フォーマット)に関するスケール管理情報が記録される。このスケール管理情報は、スケール10が登録された場合に記録される。スケール管理情報には、カラー見本のレイアウト、各カラー見本の色情報に関するデータが記録される。
【0022】
(色判定処理)
次に、
図3~
図7を用いて、色判定処理を説明する。
図3に示すように、まず、スケールを配置する(ステップS10)。具体的には、スケール10を、対象物T1の近傍に配置する。
【0023】
次に、判定装置20の制御部21は、撮影画像の取得処理を実行する(ステップS20)。具体的には、判定装置20の撮影部201を用いて、対象物T1とスケール10とを、被写体として撮影する。この場合、制御部21の管理部210は、対象物T1とスケール10とが含まれる撮影画像を生成する。なお、以下の画像では、スケール10の近傍のみを切り出した画像を用いて説明する。
具体的には、
図4(a)に示すように、撮影部201によって撮影されたカラーの画像500を取得する。
【0024】
次に、判定装置20の制御部21は、四角形検出処理を実行する(ステップS30)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、撮影画像において、色見本の配置を特定する。
四角形検出処理(ステップS30)については、以下で詳述する。
【0025】
ここでは、まず、判定装置20の制御部21は、グレースケール化処理を実行する(ステップS31)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、画像500の色の濃淡の画素値を、白から黒までの256階調で表示したグレースケール画像に変換する。
図4(a)に示す画像500を、
図4(b)に示すように、グレースケールの画像510に変換する。
【0026】
次に、判定装置20の制御部21は、エッジ検出処理を実行する(ステップS32)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、グレースケール画像において、画素値が閾値以上で不連続な部分を検出するフィルタをかけることにより、エッジを表示したエッジ抽出画像を生成する。
図4(b)に示す画像510を、
図4(c)に示すように、エッジを表示した画像520に変換する。
【0027】
次に、判定装置20の制御部21は、エッジ強調処理を実行する(ステップS33)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、エッジ抽出画像におけるエッジを強調するフィルタをかけることにより、エッジ強調画像を生成する。
図4(c)に示す画像520を、
図5(a)に示すように、エッジを強調した画像530に変換する。
【0028】
次に、判定装置20の制御部21は、輪郭抽出処理を実行する(ステップS34)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、エッジ強調画像において、輪郭を抽出する。
【0029】
次に、判定装置20の制御部21は、閉図形の抽出処理を実行する(ステップS35)。具体的には、制御部21の画像処理部211は、抽出した輪郭の中で、閉図形のみを含めた四角形の輪郭抽出画像を生成する。ここでは、四角形(4点で表示できる輪郭)のみを抽出する。
図5(a)に示す画像530から、
図5(b)に示すように、四角形のみを抽出した画像540を生成する。画像540には、輪郭541~546が含まれる。
以上の四角形検出処理(ステップS30)によって、色見本の配置を特定する。
【0030】
次に、判定装置20の制御部21は、位置推定処理を実行する(ステップS40)。具体的には、制御部21の予測部212は、輪郭抽出画像において、スケールの位置を推定する。
位置推定処理(ステップS40)については、以下で詳述する。
【0031】
ここでは、まず、判定装置20の制御部21は、未検出領域の予測処理を実行する(ステップS41)。具体的には、制御部21の予測部212は、撮影画像に対して、輪郭抽出画像を重畳させた重畳画像を生成する。
【0032】
図5(c)に示すように、画像500に、
図5(b)に示す画像540を重畳させた画像550を生成する。
この場合、制御部21の予測部212は、画像550において、各輪郭内の色分布の均一性を確認する。そして、予測部212は、色分布が均一でない輪郭を除去する。
図6(a)に示すように、画像550において、輪郭541内には、複数の色が分布しているため、輪郭541を削除する。
【0033】
次に、判定装置20の制御部21は、スケールの配置判定処理を実行する(ステップS42)。具体的には、制御部21の予測部212は、スケール情報記憶部22に記録された色見本のレイアウト(色見本の配置)を当てはめる。
ここでは、
図6(b)に示すレイアウト220を用いる。
【0034】
次に、判定装置20の制御部21は、未検出の色見本推定処理を実行する(ステップS43)。具体的には、制御部21の予測部212は、各輪郭の重心位置を特定する。そして、予測部212は、重心位置を結ぶ線を延長させて、検出できていない色見本領域を予測する。
【0035】
図7(a)に示すように、3個の輪郭F1~F3(検出領域)を特定している場合には、各輪郭F1~F3の重心位置を結ぶ線を延長させることにより、存在する可能性がある未検出領域Fx1,Fx2等を特定する。
ここでは、隣接する色見本の輪郭F1~F3を検出しているので、重心の間隔を延長した領域に未検出領域Fx1,Fx2を特定する。これら未検出領域Fx1,Fx2は、輪郭F1,F3の外側の領域に配置される。
また、
図7(b)に示すように、3個の輪郭F1~F3(検出領域)のように、複数の輪郭が、検出領域のサイズ(幅)以上で大きい場合には、検出した輪郭の間隔を輪郭の幅で除算した個数の未検出領域を特定する。ここでは、更に、輪郭F2,F3間に未検出領域Fx3を特定する。
【0036】
そして、予測部212は、未検出領域Fx1,Fx2等の色分布を確認し、色分布が均一な場合には、色見本領域と判定する。
そして、
図6(c)に示すように、画像560において、すべての色見本が配置された輪郭を特定する。この画像560においては、輪郭561,562が新たに検出されている。
【0037】
次に、判定装置20の制御部21は、色の判定処理を実行する(ステップS50)。具体的には、制御部21の管理部210は、スケール10において、対象物T1の色に対応する色見本を特定する。そして、管理部210は、特定した色見本の色を、対象物T1の色として判定して、表示装置H13に出力する。
【0038】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、判定装置20の制御部21は、グレースケール化処理を実行する(ステップS31)。これにより、明るさの濃淡により、スケールの配置を予測することができる。
【0039】
(2)本実施形態においては、判定装置20の制御部21は、エッジ検出処理(ステップS32)、エッジ強調処理(ステップS33)を実行する。これにより、一つの色見本領域は単色であるため、各色見本領域を抽出することができる。
【0040】
(3)本実施形態においては、判定装置20の制御部21は、輪郭抽出処理(ステップS34)、閉図形の抽出処理(ステップS35)を実行する。これにより、閉図形の輪郭で囲まれた色見本領域を特定することができる。
【0041】
(4)本実施形態においては、判定装置20の制御部21は、未検出領域の予測処理(ステップS41)、スケールの配置判定処理(ステップS42)、未検出の色見本推定処理(ステップS43)を実行する。撮影状況に応じて、的確に色見本領域を特定できない場合にも、検出したい色見本領域から未検出の色見本領域を予測することができる。
【0042】
(5)本実施形態においては、判定装置20の制御部21は、色の判定処理を実行する(ステップS50)。これにより、スケールの色見本を用いて、対象物の色を判定することができる。
【0043】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態、以下の実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0044】
・上記実施形態では、コンクリート材の色を判定したが、色を判定する対象物は、コンクリート材に限定されるものではない。
・上記実施形態では、判定装置20を用いる。ハードウェアの構成は、これらに限定されるものではない。例えば、撮影部201と判定装置20とを分けて、クライアント・サーバ形式で実現してもよい。
・上記実施形態では、スケール10として、明度異なる色見本が配置されたグレースケールを用いたが、明度、色相及び彩度の少なくとも一つの色属性値が異なる色見本が配置されたカラースケールを用いてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、判定装置20の制御部21は、未検出の色見本推定処理を実行する(ステップS43)。具体的には、輪郭の配置から、未検出の色見本を推定する。これに加えて、色勾配を用いてもよい。ここでは、複数の色見本の検出領域の色属性値と、スケールの色見本の配置パターンとにより、未検出領域を特定する。具体的には、予測部212は、検出した複数の色見本領域の色を比較して色勾配を算出する。そして、予測部212は、算出している勾配と、スケール情報記憶部22に記録されているスケールの色見本の配置に応じた色勾配とを比較して、スケールの配置を予測する。
【符号の説明】
【0046】
T1…対象物、10…スケール、20…判定装置、201…撮影部、21…制御部、210…管理部、211…画像処理部、212…予測部、22…スケール情報記憶部。
【要約】
【課題】的確に色を判定するための色判定システム、色判定方法及び色判定プログラムを提供する。
【解決手段】判定装置20は、撮影部201から画像を取得する制御部21を備える。そして、制御部21が、対象物とともに、複数の色見本を含むスケールを撮影した画像において、複数の色見本の検出領域を特定し、検出領域と、スケール10の色見本の配置パターンを用いて、色見本の未検出領域を特定し、検出領域と未検出領域とを用いて、スケール10の配置を予測し、予測した配置でスケール10の色見本を用いて、対象物の色を判定する。
【選択図】
図1