(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】アンテナアセンブリおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20240627BHJP
H01P 11/00 20060101ALI20240627BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01P11/00
H01Q21/08
(21)【出願番号】P 2023502673
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 KR2021009457
(87)【国際公開番号】W WO2022019667
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0091952
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095745
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン ホヮン ソ
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
(72)【発明者】
【氏名】オ ソン チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョウン ソク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ウン セオ
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111384600(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0148996(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0009689(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0906351(KR,B1)
【文献】特表2018-532344(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0088682(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
H01P 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属材質で形成され
、縦方向および横方向に配列された複数の放射素子と、
前記第1金属材質または前記第1金属材質と異なる第2金属材質で形成され、前記
複数の放射素子
のそれぞれを一面から離隔させる
複数の固定部材を含むベースパネルと、
前記ベースパネルの他面に配置され
、かつ、前記ベースパネルを貫通して前記
複数の放射素子
のそれぞれに連結され、
各放射素子に給電信号を提供する
複数の信号カップリング用ストリップラインと、を含
み、
前記ベースパネルは、隣接する前記放射素子間の信号干渉を最小化するように形成された隔壁を含み、前記隔壁は、前記縦方向および横方向に隣接する前記放射素子間を区画し、各放射素子に対応する占有領域となる複数の空間を形成し、前記複数の空間は前記縦方向および横方向に複数配置される、アンテナアセンブリ。
【請求項2】
前記放射素子への給電のために、前記放射素子および前記ベースパネルは、全体として電気的接地(Ground)を形成している、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項3】
前記放射素子および前記ベースパネルのそれぞれは、ダイカスト金型またはプレス金型で製造される、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項4】
前記放射素子の第1材質は、金属材質または表面が金属めっきされたプラスチックを含む、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項5】
前記ベースパネルの第2材質は、アルミニウム材質またはマグネシウム材質を含む、請求項1または
4に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項6】
前記放射素子は、
円形または多角形状に形成される、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項7】
第1金属材質で形成された少なくとも1つの放射素子と、
前記第1金属材質または前記第1金属材質と異なる第2金属材質で形成され、前記放射素子を一面から離隔させる固定部材を含むベースパネルと、
前記ベースパネルの他面に配置されかつ、前記ベースパネルを貫通して前記放射素子に連結され、前記放射素子に給電信号を提供する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップラインと、を含み、
前記信号カップリング用ストリップラインは、
一列に配置された前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つを連結する一直線に対応して直線形状に形成されたストリップライン本体と、
前記ストリップライン本体から分岐延長して、前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つに接続される複数の貫通端子とを含み、
前記複数の貫通端子は、前記放射素子を貫通して連結されるか、前記放射素子から前記ベースパネルの底面に向かって延長形成された複数の延長接続レッグに連結され、
前記放射素子には、前記複数の延長接続レッグを介して前記複数の貫通端子とレーザポイント溶接連結するために、周縁の一部が切開形成されたレーザ透過切開部が備えられる
、アンテナアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の延長接続レッグの端部には、前記複数の貫通端子が挿入される給電連結ホールが貫通形成され、
前記複数の延長接続レッグは、前記給電連結ホールが形成された端部が前記レーザ透過切開部の直下方に位置するように延びている、請求項
7に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項9】
前記固定部材は、前記隔壁がそれぞれ形成する底面の中央から突出形成され、
前記放射素子には、前記放射素子を取付可能な前記固定部材の上端取付部分が貫通する固定部材貫通ホールがそれぞれ形成されている、請求項
1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項10】
前記放射素子と前記信号カップリング用ストリップライン、および前記放射素子と前記固定部材は、それぞれレーザポイント溶接結合方式で連結されている、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項11】
第1金属材質で形成された少なくとも1つの放射素子と、
前記第1金属材質または前記第1金属材質と異なる第2金属材質で形成され、前記放射素子を一面から離隔させる固定部材を含むベースパネルと、
前記ベースパネルの他面に配置されかつ、前記ベースパネルを貫通して前記放射素子に連結され、前記放射素子に給電信号を提供する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップラインと、を含み、
前記放射素子は、±45度偏波または垂直/水平偏波のいずれか1つの二重偏波を発生させる二重偏波パッチ素子を備え、
前記信号カップリング用ストリップラインは、一列に配置された前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つと同時に接続される直線形状に備えられ、
前記信号カップリング用ストリップラインのうち隣接して配置された一対の信号カップリング用ストリップラインを介して同時に給電信号が供給されかつ、
一列に配置された前記放射素子の配列の中心地点に前記給電信号を供給した後、並列に分配され、前記分配された給電信号が一側直線方向および他側直線方向にそれぞれ直列に供給される
、アンテナアセンブリ。
【請求項12】
第1金属材質で形成された少なくとも1つの放射素子と、
前記第1金属材質または前記第1金属材質と異なる第2金属材質で形成され、前記放射素子を一面から離隔させる固定部材を含むベースパネルと、
前記ベースパネルの他面に配置されかつ、前記ベースパネルを貫通して前記放射素子に連結され、前記放射素子に給電信号を提供する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップラインと、を含み、
前記ベースパネルの他面には、複数の前記信号カップリング用ストリップラインをそれぞれ区画して収容する複数の接地収容リブが一体形成されている
、アンテナアセンブリ。
【請求項13】
第1金属材質のモールド材を用いて
、給電連結ホールおよび固定部材貫通ホールを有する放射素子をダイカスト工法またはプレス工法で金型製造する放射素
子製造ステップと、
前記第1金属材質と同一の材質または前記第1金属材質と異なる材質のモールド材を用いて
形成され、一面から突出形成される固定部材を含むベースパネルをダイカスト工法またはプレス工法で金型製造するベースパネル製造ステップと、
前記ベースパネルの固定部材の先端部を前記放射素子の固定部材貫通ホールに接続するステップと、
前記ベースパネルの他面側に、貫通端子を有する信号カップリング用ストリップラインを配置し、前記貫通端子を前記ベースパネルに貫通させて前記放射素子の給電連結ホールに接続するステップと、
前記放射素子に形成された給電連結ホールを介して露出した前記信号カップリング用ストリップラインの貫通端子に、レーザを照射して前記放射素子に溶接し、かつ、前記放射素子に形成された固定部材貫通ホールを介して露出した前記固定部材の先端部に、レーザを照射して前記放射素子に溶接するステップとを含む、アンテナアセンブリの製造方法。
【請求項14】
第1金属材質のモールド材を用いて放射素子をダイカスト工法またはプレス工法で金型製造する放射素子製造ステップと、
前記第1金属材質と同一の材質または前記第1金属材質と異なる材質のモールド材を用いてベースパネルをダイカスト工法またはプレス工法で金型製造するベースパネル製造ステップと、
前記ベースパネルを貫通するように備えられた信号カップリング用ストリップラインおよび前記ベースパネルに対する前記放射素子の各々を、レーザ溶接装置を用いたレーザポイント溶接方式で結合させる固定ステップとを含み、
前記放射素
子製造ステップは、
前記放射素子の一面から所定の長さ延びた一対の延長接続レッグがさらに備えられる際、前記放射素子に前記レーザポイント溶接方式の結合のためのレーザ透過切開部が形成される
、アンテナアセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナアセンブリおよびその製造方法(ANTENNA ASSEMBLY AND MANUFACTURING METHOD OF THE SAME)に関し、より詳しくは、反射板および誘電体構造物など複数の従来の構成が削除された形態の自動化工程組立が可能なアンテナアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムに用いられる中継器をはじめとする基地局アンテナは、多様な形態と構造を有し、通常、長手方向に直立する少なくとも1つの反射板上に複数の放射素子が適切に配置される構造を有する。
【0003】
最近は、多重入出力(MIMO)ベースのアンテナに対する高性能の要求を満足すると同時に、小型化、軽量化および低費用構造を達成しようとする研究が活発に行われており、特に、線形偏波または円形偏波を実現するためのパッチタイプの放射素子が適用されたアンテナ装置の場合、通常、プラスチックやセラミック素材の誘電体基板からなる放射素子にめっきをし、PCB(印刷回路基板)などに半田付けにより結合する方式が広く用いられている。
【0004】
代表的な基地局アンテナに関する従来技術として、本出願人により先出願された大韓民国公開特許公報第10-2011-0054150号(2011.05.25.公開)が挙げられる。前記公開特許によれば、反射板(1)を基準として一面にパッチタイプの第1放射素子(11)およびダイポールタイプの第2放射素子(21)を積層し、反射板(1)を基準として他面に第1放射素子(11)への給電のための回路基板(111)およびこの回路基板(111)を貫通するように配置され、第2放射素子(21)への給電のための給電線路(例えば、給電ケーブル)を備えなければならないという点から、反射板(1)の裏面にこれを設けるための必要空間が比較的多く要求される問題点があった。
【0005】
これを解決するために、本出願人は、大韓民国登録特許公報第10-1609665号(2016.04.06.公告)に開示されたように、反射板(1)と第1放射素子(14)との間にX字状に配置されて、当該パッチ板(140)に給電信号を提供する複数の第1給電線路(142)を構成するとともに、反射板(1)から延びた給電ケーブル構造や信号カップリング用ストリップライン構造として第2放射素子(13)に連結される第2給電線路を構成しているが、前記構造によっても第1給電線路(142)を形成する信号カップリング用ストリップラインは、カップリング方式でパッチ板(140)に給電信号を提供するために、当該カップリング信号伝達部位がパッチ板(140)との適切な離隔距離を有するように反射板(1)上で比較的高い位置を維持するように設けられなければならない一方、複数の信号カップリング用ストリップラインの設置状態を安定的に支持および固定するために、テフロン(登録商標)(誘電体)などの合成物質で形成された適切な形態の支持物が補強されなければならない問題点があった。
【0006】
また、従来は、アンテナ用基板(図示せず)の一面に反射板(1)を積層結合させた後、第1給電線路(142)に関わる回路基板をX字状に配列した後、プラスチック素材で製造されたパッチ板の外面にめっきする方式で製造された第1放射素子(14)を手動で積層させながら、給電信号連結部位に予め塗布された半田クリームを用いた半田方式で連結する組立方式を採用しているが、費用が増大し、製造工程が複雑なだけでなく、複数の半田付け地点による半田付け間のばらつきの問題がアンテナ不良の主な原因につながるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、自動化組立工程の構築が可能なアンテナアセンブリおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
これとともに、本発明は、放射素子およびベースパネルを第1材質または第2材質でダイカスト金型またはプレス金型により製造した後、別のめっき工程なしに、信号カップリング用ストリップラインとレーザポイント溶接方式で組立可能なことから、組立ラインの自動化構築が容易なアンテナアセンブリおよびその製造方法を提供することを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、放射素子の各給電フィードポイントに対して直列配置される複数の信号カップリング用ストリップラインの連結が可能なことから、利得(gain)が高いアンテナアセンブリおよびその製造方法を提供することをさらに他の目的とする。
【0010】
本発明の課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるアンテナアセンブリの一実施例は、第1金属材質で形成された少なくとも1つの放射素子と、前記第1金属材質または前記第1金属材質と異なる第2金属材質で形成され、前記放射素子を一面から離隔させる固定部材を含むベースパネルと、前記ベースパネルの他面に配置されかつ、前記ベースパネルを貫通して前記放射素子に連結されて、前記放射素子に給電信号を提供する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップラインとを含むことができる。
【0012】
ここで、前記放射素子への給電のために、前記放射素子および前記ベースパネルは、全体として電気的接地(Ground)をなすことができる。
【0013】
また、前記ベースパネルは、隣接する放射素子間の信号干渉を最小化するように形成された少なくとも1つの隔壁をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記放射素子および前記ベースパネルそれぞれは、ダイカスト金型またはプレス金型で製造される。
【0015】
また、前記放射素子の第1材質は、金属材質または表面が金属めっきされたプラスチックを含むことができる。
【0016】
また、前記ベースパネルの第2材質は、アルミニウム材質またはマグネシウム材質を含むことができる。
【0017】
また、前記放射素子は、原板または多角形状に形成される。
【0018】
また、前記信号カップリング用ストリップラインは、一列に配置された前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つを連結する一直線に対応して直線形状に形成されたストリップライン本体と、前記ストリップライン本体から分岐延長して、前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つに接続される複数の貫通端子とを含むことができる。
【0019】
また、前記複数の貫通端子は、前記放射素子を貫通して連結されるか、前記放射素子から前記ベースパネルの底面に向かって延長形成された複数の延長接続レッグに連結される。
【0020】
また、前記放射素子には、前記複数の延長接続レッグを介した前記複数の貫通端子とのレーザポイント溶接連結のために、周縁の一部が切開形成されたレーザ透過切開部が備えられる。
【0021】
また、前記複数の延長接続レッグの端部には、前記複数の貫通端子が挿入される給電連結ホールが貫通形成され、前記複数の延長接続レッグは、前記給電連結ホールが形成された端部が前記レーザ透過切開部の直下方に位置するように延びることができる。
【0022】
また、前記固定部材は、前記隔壁がそれぞれ形成する底面の中央から突出形成され、前記放射素子には、前記放射素子を取付可能な前記固定部材の上端取付部分が貫通する固定部材貫通ホールがそれぞれ形成される。
【0023】
また、前記放射素子と前記信号カップリング用ストリップライン、および前記放射素子と前記固定部材とは、レーザポイント溶接結合方式で連結される。
【0024】
また、前記放射素子は、±45度偏波または垂直/水平偏波のいずれか1つの二重偏波を発生させる二重偏波パッチ素子で備えられ、前記信号カップリング用ストリップラインは、一列に配置された前記放射素子の給電ポイントのいずれか1つと同時に接続される直線形状に備えられる。
【0025】
また、前記信号カップリング用ストリップラインのうち隣接して配置された一対の信号カップリング用ストリップラインを介して同時に給電信号が供給されかつ、一列に配置された前記放射素子の中心地点に前記給電信号を並列に供給した後、一側直線方向および他側直線方向に前記給電信号が分岐してそれぞれ直列に供給される。
【0026】
また、前記ベースパネルの他面には、前記複数の信号カップリング用ストリップラインをそれぞれ区画して収容する複数の接地収容リブが一体に形成される。
【0027】
本発明によるアンテナアセンブリの製造方法の一実施例は、第1金属材質のモールド材を用いて放射素子をダイカスト工法またはプレス工法で金型製造する放射素材製造ステップと、前記第1金属材質と同一の材質または前記第1金属材質と異なる材質のモールド材を用いてベースパネルをダイカスト工法またはプレス工法で金型製造するベースパネル製造ステップと、前記ベースパネルを貫通するように備えられた信号カップリング用ストリップラインおよび前記ベースパネルに対する前記放射素子を、レーザ溶接装置を用いてそれぞれレーザポイント溶接方式で結合させる固定ステップとを含む。
【0028】
ここで、前記放射素材製造ステップは、前記放射素子の一面から所定の長さ延びた一対の延長接続レッグがさらに備えられた場合、前記放射素子に前記レーザポイント溶接方式の結合のためのレーザ透過切開部が形成されるように実現される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によるアンテナアセンブリおよびその製造方法の一実施例によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0030】
第一、金属材質で放射素材およびベースパネルをダイカスト工法またはプレス工法で金型製造することから、従来に比べて印刷回路基板(PCB)、給電ケーブルおよび反射板の構成を省略可能なため、費用節減の効果を有する。
【0031】
第二、放射素材をプラスチックやセラミック素材で製造する従来と比較して、半田クリームの塗布を利用した半田工程を削除できることはもちろん、別のめっき工程を削除可能なため、半田工程上の均一な半田付けの設計を必要としなくなって、組立工数の節減はもちろん、めっき工程にかかる費用を大きく節減する効果を有する。
【0032】
第三、手作業で行われていた半田工程の削除によって組立工程の自動化を容易に構築可能なため、製造時間を短縮できることはもちろん、組立の正確性を確保できる効果を有する。
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施例によるアンテナアセンブリの構成のうち、円形パッチ板が適用された実施例の外観の様子を示す斜視図である。
【
図3】
図1の構成のうち、ベースパネルの背面および信号カップリング用ストリップラインの正面図である。
【
図4】信号カップリング用ストリップラインを用いた放射素子に対する給電信号のフィーディングの様子および二重偏波の実現を説明するための模式図である。
【
図5】
図1のA-A線に沿った断面図およびその部分拡大図である。
【
図6】
図1のB-B線に沿った断面図およびその部分拡大図である。
【
図7】
図1のC-C線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図である。
【
図8】本発明の他の実施例によるアンテナアセンブリの構成のうち、変形パッチ板が適用された実現例の外観の様子を示す斜視図である。
【
図10】
図8のD-D線に沿った断面図およびその部分拡大図である。
【
図11】
図8のE-E線に沿った断面図およびその部分拡大図である。
【
図12】
図8のF-F線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図である。
【
図13】本発明の実施例によるアンテナアセンブリの給電過程を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例によるアンテナアセンブリおよびその製造方法を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0036】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0037】
図1は、本発明の一実施例によるアンテナアセンブリの構成のうち、円形パッチ板が適用された実現例の外観の様子を示す斜視図であり、
図2は、
図1の分解斜視図であり、
図3は、
図1の構成のうち、ベースパネルの背面および信号カップリング用ストリップラインの正面図である。
【0038】
本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100は、
図1~
図2に示すように、第1材質で形成されたパッチタイプ(Patch Type)またはダイポール(Dypole Type)タイプの放射素子120と、前記第1材質と同一の材質または前記第1材質と異なる第2材質で形成された板状のベースパネル110と、ベースパネル110の他面に配置されかつ、予め定められた周波数帯域の放射素子の配列を満足させる間隔で離隔した複数の貫通端子133がベースパネル110を貫通して放射素子120それぞれに連結され、放射素子120に給電信号を提供する複数の信号カップリング用ストリップライン130とを含む。
【0039】
放射素子120は、そのタイプがパッチタイプまたはダイポールタイプのいずれか1つまたは両者とも採用可能であり、いずれか1つのタイプで採用された場合にも、他の1つの採用を排除する意味ではない。
【0040】
以下、説明の便宜のために、放射素子120は、パッチタイプの放射素子120に限定して説明しかつ、
図1~
図7の図面グループ群を通じて説明するように、パッチタイプのうち円板形状のパッチタイプで実現された一実施例と、後述する
図8~
図12の図面グループ群で説明するように、円板形状のパッチタイプから変形された多角形状のパッチタイプで実現された他の実施例とに区分して説明する。
【0041】
パッチタイプの放射素子120は、
図1~
図3に示すように、円形の板形状に形成される(以下、「円形タイプのパッチ板」と称し、図面符号120で指し示す)。円形タイプのパッチ板120は、第1材質で形成される。ここで、第1材質は、金属材質または表面が金属めっきされたプラスチックを含み、好ましくは、アルミニウム材質であってもよい。特に、円形タイプのパッチ板120の加工のために、プレス加工、ダイカスト加工などの様々な方法が考慮されてもよいが、好ましくは、大量生産製造方式に適したダイカスト工法の製造方式が採用可能である。
【0042】
これによれば、従来の場合、パッチタイプの放射素子120は、プラスチックやセラミックなどの誘電体基板に成形された後、腐食防止および給電線路との電気的半田連結を目的などとして外面がめっき工程によって被膜され、めっき材質としては金材質が使用されて、費用が大きく増加する問題点があったが、本発明の一実施例では、パッチタイプの放射素子120を金属材質の一種であるアルミニウムモールド材を用いてダイカスト工法で製造できることから、別のめっき工程が不必要であるのに対し、後述する給電線路による給電構造が非常に単純になり、二重偏波の実現が容易という利点を有する。
【0043】
円形タイプのパッチ板120には、
図1~
図3に示すように、後述する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130の構成のうち、複数の貫通端子133の先端が挿入されて貫通する給電連結ホール123の2個が左右幅方向に所定距離離隔して形成される。
【0044】
一方、ベースパネル110は、
図1~
図3に示すように、金属材質で形成されて、パッチタイプの放射素子120が配置される反射板としての機能を果たすと同時に、パッチタイプの放射素子120と共に全体として電気的接地(Ground)の機能を果たす。具体的に説明すれば、従来技術によるパッチ放射素子への給電のためには、プラスチックまたはセラミックなどの誘電体基板からなる放射素子の下面に接地面が形成され、同軸線給電構造(Coaxial feeding)により同軸線の内部導体は前記接地面に連結され、外部導体は前記誘電体基板を貫通して放射素子の上面のパッチに連結された方式が利用される。しかし、前記構造によれば、パッチ放射素子の接地面とパッチ面が空間上分離されていて、それによる給電構造が複雑になり、半田付けなどによりパッチ放射素子を反射板に結合しなければならない問題があった。
【0045】
これに対し、本発明によれば、パッチタイプの放射素子120とベースパネル110のすべてを金属材質で形成して、放射素子への給電のための接地(Ground)の役割を全体として果たすことにより、別の接地面とパッチ面を空間上分離する必要がなくて、給電などのための電気的設計が非常に容易になるだけでなく、後述する固定部材115および溶接工程により放射素子120とベースパネル110との間の結合工程も単純化されるという利点を有する。
【0046】
一方、ベースパネル110は、所定の厚さの金属板状に形成されたパネル本体111と、パネル本体111の一面に一体に形成されかつ、放射素子120との間に所定の区画された空間113を形成するように備えられた少なくとも1つの隔壁(cavity wall)112と、前記区画された空間113の底面(すなわち、パネル本体111の一面)から放射素子120を離隔させる固定部材115とを含むことができる。
【0047】
ここで、パネル本体111は、すでに説明したように、第1金属材質または第2金属材質からなり、ダイカスト工法により上述した少なくとも1つの隔壁112と固定部材115および後述する複数の接地収容リブ114が一体に簡単に金型製造できる。
【0048】
一方、上述した区画された空間113は、一種のキャビティ(Cavity、空間)であって、その底面(すなわち、パネル本体111の一面)から一側方向に所定の距離離隔した円形タイプのパッチ板120との間に存在する空間として定義される。より詳しくは、前記区画された空間113は、パネル本体111の一面側に配列された各放射素子120の占有領域を四角形状をなす少なくとも1つの隔壁(cavity wall)112を介して区画された空間113と理解される。
【0049】
ここで、少なくとも1つの隔壁112がなす形状は、円形タイプのパッチ板120の外形に対応する円形に形成されることはもちろん、少なくとも円形タイプのパッチ板120の直径より大きい辺の長さを有する長方形または正方形に形成されてもよい。このように、少なくとも1つの隔壁112によって区画された空間113には、その中心に形成された固定部材115を除けば、誘電率が1である、空気が満たされる空間としての意味を有し、少なくとも1つの隔壁112によって外部信号の流出入を制限するか、または隣接する放射素子120との信号干渉を最小化することから、信号が安定化される空間と理解することができる。
【0050】
このために、少なくとも1つの隔壁112の高さ(すなわち、パネル本体111の一面から突出する長さ)は、上述した外部信号の流出入量および隣接する放射素子120との信号干渉量を考慮して最適な値に設計されることが好ましい。隔壁112の高さの最適値は、放射素子120の離隔距離と同一であるか、少なくとも放射素子120の離隔距離よりも小さく形成されるものに設定可能である。
【0051】
従来の場合、前記区画された空間113に対応する位置には、放射素子120を反射板から離隔させると同時に、給電信号の供給のためにX字状に交差して配置された給電線路(例えば、給電ケーブルまたは給電PCB)が備えられ、その補強のために所定の誘電率を有するテフロン(登録商標)部材の構造物が追加的に設けられて、その構造が非常に複雑な問題点があった。
【0052】
本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100では、別の補強構造物を追加設置しなくても、後述する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130の連結部位および固定部材115を除けば、少なくとも1つの隔壁112によって形成された区画された空間113によって外部信号および隣接する放射素子120との信号干渉を最小化させるという利点を有する。
【0053】
ベースパネル110のパネル本体111は、
図1および
図2に示すように、上下方向には長く形成され、左右方向には相対的に上下方向の長さより小さい長方形のパネル形状に形成される。パネル本体111の一面には、前後の厚さ(すなわち、隔壁112の高さ)が薄い直方体形状の区画された複数の空間113がそれぞれ上下方向および左右方向に直列配置される。ベースパネル110の一面に形成された区画された空間113の個数は、これにそれぞれ載置および固定される円形タイプのパッチ板120の個数と同一に設定可能である。
【0054】
この時、円形タイプのパッチ板120は、予め定められた周波数帯域の放射素子120の配列を満足させる間隔で離隔して形成される。一般的に、予め定められた周波数帯域の放射素子120の配列を満足させる間隔が意味することは、隣接する円形タイプのパッチ板120間の電気的な離隔距離であって、約1λの距離を意味する。
【0055】
ここで、各区画された空間113の中心には、上述した固定部材115がそれぞれ突出形成されかつ、少なくとも円形タイプのパッチ板120の対向面よりも外側に突出する大きさに突出形成される。固定部材115は、区画された空間113がそれぞれ形成する底面(すなわち、パネル本体111の一面)の中央から突出形成されることが好ましい。これとともに、固定部材115は、円柱形状に形成されかつ、特に、その先端部は相対的に直径が小さく形成されて、後述する円形タイプのパッチ板120の中心に形成された固定部材貫通ホール121には挿入されるが、相対的に直径が大きく形成された固定部材115の段差部位(上端取付部分)に円形タイプのパッチ板120が取付けられて、円形タイプのパッチ板120が区画された空間113の底面から所定距離離隔して固定される。
【0056】
円形タイプのパッチ板120の中心には、固定部材115それぞれが挿入貫通する固定部材貫通ホール121がそれぞれ形成される。固定部材貫通ホール121は、円形タイプのパッチ板120の真ん中に形成されるものであって、後述する他の実施例に適用された変形タイプのパッチ板220においても、同じく変形タイプのパッチ板220の対称形状の中心に位置するように設定されることが好ましい。
【0057】
一方、区画された空間113には、後述する少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130中の複数の貫通端子133が挿入および貫通する一対のパネル貫通ホール116が形成される。一対のパネル貫通ホール116の形成位置は、区画された空間113上に占める複数の貫通端子133による信号干渉が最小化される位置に設計されることが好ましい。より好ましくは、区画された空間113のうち隔壁112に隣接して位置するように設定可能である(後述する
図7参照)。
【0058】
少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130は、
図3に示すように、ベースパネル110のパネル本体111の他面にそれぞれ固定され、パネル本体111の一面に位置した円形タイプのパッチ板120を向くように分岐延長して形成された複数の貫通端子133を含むことができる。信号カップリング用ストリップライン130の当該放射素子120に対する具体的な給電構造は、後により詳しく説明する。
【0059】
ベースパネル110のパネル本体111の他面には、
図1~
図3に示すように、少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130をそれぞれ区画して収容する複数の接地収容リブ114がパネル本体111と一体に形成可能である。少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130の個数は、例えば、パネル本体111の一面に配置される放射素子120が±45度偏波または垂直/水平偏波(horizontal/vertical polarization)のような二重偏波を発生させる二重偏波パッチ素子で備えられた場合、単一の放射素子120にそれぞれ2個が対をなすように形成されることが好ましい。すなわち、放射素子120が、
図1~
図3に示すように、パネル本体111の幅方向に4個が離隔して配置された場合、信号カップリング用ストリップライン130は8個備えられる。
【0060】
ここで、パネル本体111の他面に形成された複数の接地収容リブ114の個数は、信号カップリング用ストリップライン130が8個備えられた場合、信号カップリング用ストリップライン130全部がそれぞれ収容される個数で形成される。また、少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130それぞれに形成された貫通端子133は、放射素子120が、
図1~
図3に示すように、パネル本体111の長手方向に10個が離隔して配置された場合、それぞれ10個備えられて、同時に、10個の放射素子120それぞれに備えられた給電フィードポイントのいずれか1つに同時に給電信号を直列供給するように直線形状に備えられる。
【0061】
通常、周波数の帯域幅(Band width)が400~500MHz以上と大きい場合には、給電信号の供給方式として並列供給が直列供給方式に比べて有利であることが知られている。これは直列供給方式の場合、中心周波数から遠く離れた周波数での位相(傾き)が変化して位相偏差が発生しうるからである。仮に、帯域幅(Band width)が400MHzの場合、給電信号の供給方式として直列供給方式を採用すれば、中心周波数付近の位相は変更されないが、中心から最も遠く離れた周波数では-6度程度の位相遅延が発生して、利得(gain)が低下しうる。しかし、給電信号の並列供給方式は、直列供給方式よりラインがさらに追加されなければならない一方、追加されたラインだけ損失が増加し、利得(gain)が減少し、その損失を最小化するために複雑なライン設計が要求される。
【0062】
最近、5G周波数として用いられている3.5GHz、28GHzの場合を例に挙げると、3.5GHz帯域では300MHz幅、28GHzでは1GHz幅が用いられ、仮に、3つの移動通信事業者でこの帯域幅を分けて使うと仮定すれば、3.5GHz帯域では100MHz、28GHz帯域では333MHz程度の帯域幅が割り当てられる。
【0063】
本発明の実施例では、給電信号の直列供給方式により、帯域幅が300MHz以下の環境で広く使用可能なことから、上述した並列供給方式での損失問題と複雑なライン設計のデメリットをすべて解決できるという利点がある。このために、パネル本体111の一面に一列(直線形状)に配置された放射素子120それぞれに同時に給電信号を直列供給方式で供給可能に、少なくとも1つの信号カップリング用ストリップライン130も直線形状に備えられることが好ましい。
【0064】
図4は、信号カップリング用ストリップラインを用いた放射素子に対する給電信号のフィーディングの様子および二重偏波の実現を説明するための模式図である。信号カップリング用ストリップライン130それぞれに形成された貫通端子133は、放射素子120に備えられた一対の給電フィードポイントa、bに給電信号を供給する。仮に、放射素子120が±45度偏波を発生させる二重偏波パッチ素子の場合、+45度および-45度偏波に対応する給電信号をそれぞれの給電フィードポイントa、bに供給する。
【0065】
ここで、放射素子120に偏波給電信号が給電されれば、高周波帯域の信号の特性上、放射素子120の中央部位ではない端側に信号が流れながら放射素子120の共振を発生させる。この時、互いに異なる偏波信号が重なっても、2つの偏波信号は互いにベクトルの方向が直交(Orthogonal)して互いに影響を及ぼさない。仮に、
図4を参照すれば、a給電ポイントに比べてこれと対角線に位置するc給電ポイントでの送信信号は180度位相遅延され、同じく、b給電ポイントに比べてこれと対角線に位置するd給電ポイントでの送信信号も180度位相遅延される。これによって、放射素子120のa、c給電ポイントおよびb、d給電ポイントで互いに直交する二重偏波が発生するのである。
【0066】
一方、ベースパネル110は、上述のように、パネル本体111および隔壁112を含む材質が金属材質で形成されて、放射素子120への給電のための接地(Ground)の役割を全体として果たすことができる。ここで、信号カップリング用ストリップライン130の貫通端子133が直接ベースパネル110に通電する場合、電気的なショート現象が発生する恐れがあるので、後述するパネル貫通ホール116の内周端と貫通端子133との間を絶縁させる絶縁チップ126が備えられる。信号カップリング用ストリップライン130の貫通端子133は、絶縁チップ126を貫通してベースパネル110の空間113側に露出できる。
【0067】
信号カップリング用ストリップライン130を用いた具体的な給電信号の直列供給の様子は、後述する
図13を通じてより詳しく説明する。一方、上述した構成を含むベースパネル110は、前記円形タイプのパッチ板120と同一の材質である第1材質(すなわち、アルミニウム材質)または第1材質と異なる第2材質で形成される。ここで、第2材質は、第1材質であるアルミニウム材質を除いたマグネシウム材質を含むことができる。そのため、ベースパネル110は、アルミニウム材質およびマグネシウム材質のいずれか1つで形成される。このようなベースパネル110は、先に説明した放射素子120と同じく、ダイカスト工法によって金型製造できる。
【0068】
ここで、ベースパネル110は、上述のように、金属材質である第1材質および第2材質のいずれか1つからなるものであって、放射素子120から放射された周波数信号の反射のための反射板の機能をともに果たすという利点を有する。
【0069】
図5は、
図1のA-A線に沿った断面図およびその部分拡大図であり、
図6は、
図1のB-B線に沿った断面図およびその部分拡大図であり、
図7は、
図1のC-C線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図である。
【0070】
上記の構成からなる本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100は、
図5~
図7に示すように、自動化組立工程により自動組立が可能である。より詳しくは、本発明の一実施例によるアンテナアセンブリの製造方法は、第1金属材質のモールド材を用いて放射素子をダイカスト工法またはプレス工法で金型製造する放射素材製造ステップと、第1金属材質と同一の材質または第1金属材質と異なる材質のモールド材を用いてベースパネルをダイカスト工法またはプレス工法で金型製造するベースパネル製造ステップと、ベースパネルを貫通するように備えられた信号カップリング用ストリップラインおよびベースパネルに対する放射素子を、レーザ溶接装置を用いてそれぞれレーザポイント溶接方式で結合させる固定ステップとを含むことができる。
【0071】
特に、固定ステップは、全体的に接地(Ground)の機能を果たすとともに、ダイカスト工法で金型を製造する時、少なくとも1つの隔壁112によって区画された空間113が形成されたベースパネル110を、図示しない自動化組立装置の固定部位置に固定させる過程を含む。
【0072】
次に、固定ステップは、自動化組立装置を用いて、複数の信号カップリング用ストリップライン130をパネル本体111の他面中のそれぞれに相当する接地収容リブ114の間に移動させかつ、パネル貫通ホール116を介して信号カップリング用ストリップライン130のストリップライン本体131から分岐延長された複数の貫通端子133が貫通するように固定させる過程を含むことができる。この時、パネル貫通ホール116と信号カップリング用ストリップライン130の貫通端子133との間には、上述のような絶縁チップ126が備えられて相互絶縁されるように貫通端子133が貫通固定される。
【0073】
そして、固定ステップは、自動化組立装置のクランピング部(図示せず)を用いて、円形タイプのパッチ板120を同時にパネル本体111の一面側に移動させて、固定部材115の先端部が円形タイプのパッチ板120それぞれに形成された固定部材貫通ホール121をそれぞれ貫通して載置されるように仮組立の過程をさらに含むことができる。
【0074】
最後に、固定ステップは、図示しないレーザ溶接装置を用いて、円形タイプのパッチ板120に形成された給電連結ホール123を介してパネル本体111の一面方向に露出した信号カップリング用ストリップライン130の貫通端子133、および円形タイプのパッチ板120に形成された固定部材貫通ホール121を介して露出した固定部材115の先端部に、レーザを照射してポイント溶接させる過程をさらに含むことができる。
【0075】
このように、本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100は、ベースパネル110を金属材質のモールド材を用いてダイカスト工法で製造することはもちろん、これに結合される放射素子120も金属材質のモールド材を用いてダイカスト工法で製造することにより、両構成部品を固定させるための別の半田クリームの塗布過程が不必要であり、レーザ溶接装置を用いて非常に簡明に固定させることができるという利点を有する。
【0076】
参照として、
図8~
図12の参照図面を通じて説明する他の実施例のように、放射素子220の一面から所定の長さ延びた一対の延長接続レッグ225が備えられた場合、上述した固定ステップを行うために、放射素子製造ステップは、レーザ透過切開部227が形成されるように実現されることが好ましい。
【0077】
図8は、本発明の他の実施例によるアンテナアセンブリの構成のうち、変形タイプのパッチ板が適用された実現例の外観の様子を示す斜視図であり、
図9は、
図8の分解斜視図であり、
図10は、
図8のD-D線に沿った断面図およびその部分拡大図であり、
図11は、
図8のE-E線に沿った断面図およびその部分拡大図であり、
図12は、
図8のF-F線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図である。
【0078】
本発明の他の実施例によるアンテナアセンブリ200は、
図1~
図7の図面グループ群を通じてすでに説明した本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100と比較して、放射素子120の形状が円形タイプのパッチ板120から変形タイプのパッチ板220の形状に変形された実施例である。放射素子の形状変更(120→220)は、後述するレーザポイント溶接過程における溶接位置の変更をもたらす。
【0079】
以下、すでに説明した本発明の一実施例によるアンテナアセンブリ100と比較して共通した構成およびその機能に関する具体的な説明は省略し、相対的に異なるか変更された部分に関する構成を中心に説明する。
【0080】
本発明の他の実施例によるアンテナアセンブリ200は、
図8~
図12に示すように、信号カップリング用ストリップライン230のストリップライン本体231から分岐形成された複数の貫通端子233が変形タイプのパッチ板220からベースパネル210の底面(すなわち、パネル本体211の一面)に向かって延長形成された複数の延長接続レッグ225に連結されるように構成される。
【0081】
複数の貫通端子133は、本発明の一実施例100のように、パネル本体111の一面に形成された区画された空間113を貫通して直接放射素子120に形成された給電連結ホール123に連結されることが好ましいが、この場合、二重偏波の設計において一定部分制約を受けられる。したがって、本発明の他の実施例200では、パネル本体211の一面を向く面である放射素子220の対向面から延びた一対の延長接続レッグ225が追加的に備えられる。一対の延長接続レッグ225の端部には、上述した一実施例の給電連結ホール123と同一の給電連結ホール223が形成される。
【0082】
一対の延長接続レッグ225は、本発明の一実施例100と比較して、相対的に複数の貫通端子233との連結部位をパネル本体211の一面側に近いように変更させるものであることから、その端部を上述したパネル貫通ホール216が形成された側に折曲延長形成しかつ、ベースパネル210の空間213のうち一面に隣接する位置まで下向き延長形成されるように備えられる。そのため、信号カップリング用ストリップライン230のストリップライン本体231に形成された複数の延長接続レッグ225の長さは、パネル本体211のパネル貫通ホール216を貫通してそれに隣接して位置した一対の延長接続レッグ225の各給電連結ホール223に挿入される長さに形成されれば十分である。また、一対の延長接続レッグ225は、給電連結ホール223が形成された端部が、後述する変形タイプのパッチ板220に形成されたレーザ透過切開部227の直下方に位置する長さに延びることが好ましい。
【0083】
これとともに、変形タイプのパッチ板220は、パネル本体211の一面外側に位置したレーザ溶接装置から照射されたレーザが、放射素子220の対向面とパネル本体211の一面との間に干渉なしに投射できるように、一部が切開形成されたレーザ透過切開部227をさらに含むことができる。ここで、放射素子220の特性上、一部をレーザ透過切開部227として切開する場合、外形が対称でなければならないという点から、放射素子220の中心を基準として切開部分に対称の部位を追加切開形成することが好ましい。
【0084】
図13は、本発明の実施例によるアンテナアセンブリの給電過程を説明するための概念図である。以下、上記のように構成される本発明の実施例100、200によるアンテナアセンブリの給電過程を、添付した図面(特に、
図12参照)を簡略に説明する。
【0085】
図13に示すように、一対の信号カップリング用ストリップライン230の中心により予め設定された二重偏波給電信号を、放射素子の配列の中心地点に給電信号が供給された後、並列に分配、すなわち信号カップリング用ストリップライン230のストリップライン本体231の中心により両側に分岐された後、放射素子220それぞれの給電フィードポイントに分岐延長された貫通端子233を介して同時に直列方式で給電される。
【0086】
パネル本体211の一面に配列された放射素子220は、電気的距離である1λずつ離隔するが、給電信号がストリップライン本体231の中心ではない端部側により供給される場合、離隔する電気的な距離だけ位相が遅延される問題があった。したがって、本発明では、最初の給電信号をストリップライン本体231の中心により、両側に対称的に供給することにより、離隔する電気的な距離だけ位相が遅延される現象を防止できるという利点がある。
【0087】
以上、本発明の実施例によるアンテナアセンブリおよびその製造方法を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは言うまでもない。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、放射素子およびベースパネルを第1材質または第2材質でダイカスト金型またはプレス金型により製造した後、別のめっき工程なしに、信号カップリング用ストリップラインとレーザポイント溶接方式で組立可能なアンテナアセンブリおよびその製造方法を提供する。
【符号の説明】
【0089】
100、200:アンテナアセンブリ 110:ベースパネル
111:パネル本体 112:隔壁
113:区画された空間 114:接地収容リブ
115:固定部材 116:パネル貫通ホール
120:放射素子 121:固定部材貫通ホール
123:給電連結ホール 130:信号カップリング用ストリップライン
131:ストリップライン本体 133:貫通端子