(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】仕訳生成装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2024028572
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.2023年10月4日 TKCイントラサービスにて発表 2.2023年10月24日 https://www.tkc.co.jp/sch/166/3juyotema/%E2%85%A2_1_(1).pdfにて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500105665
【氏名又は名称】株式会社TKC
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 真規
(72)【発明者】
【氏名】土井 了
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-144683(JP,A)
【文献】特開2016-126489(JP,A)
【文献】特開2005-135028(JP,A)
【文献】特開2010-244227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のデジタルインボイスと、前記過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成する仕訳生成装置であって、
取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定する項目設定部と、
今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、前記過去のデジタルインボイスの値、および前記過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、前記仕訳の初期値をセットする仕訳セット部と、
前記取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、前記変更された内容を反映する修正反映部と、
前記デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成する仕訳生成部と
を備えた、仕訳生成装置。
【請求項2】
前記デジタルインボイスの項目の値を基に、前記仕訳の元データを作成し、ディスプレイから表示させる表示制御部をさらに備えた、請求項1に記載の仕訳生成装置。
【請求項3】
前記仕訳セット部は、予め設定されたデジタルインボイスの項目について、今回のデジタルインボイスと過去のデジタルインボイスとで値が一致する場合、前記過去のデジタルインボイスの該当行に指定された取引種類をセットする、請求項1または2に記載の仕訳生成装置。
【請求項4】
前記仕訳セット部は、予め設定されたデジタルインボイスの項目について、今回のデジタルインボイスと前回のデジタルインボイスとで値が一致する場合、前記過去のデジタルインボイスの該当行に指定された部門をセットする、請求項1または2に記載の仕訳生成装置。
【請求項5】
過去のデジタルインボイスと、前記過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成する仕訳生成装置によって実施される仕訳生成方法であって、
前記仕訳生成装置が、
取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定するステップと、
今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、前記過去のデジタルインボイスの値、および前記過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、前記仕訳の初期値をセットするステップと、
前記取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、前記変更された内容を反映するステップと、
前記デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成するステップと
を含む、仕訳生成方法。
【請求項6】
過去のデジタルインボイスと、前記過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成するためのプログラムであって、
取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定する機能、
今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、前記過去のデジタルインボイスの値、および前記過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、前記仕訳の初期値をセットする機能、
前記取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、前記変更された内容を反映する機能、
前記デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成する機能を
プロセッサに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばペポルインボイスからの仕訳入力のために好適な仕訳生成装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、企業が会計システムで自社の業績を詳細に把握するためには、会計システムに細かな単位で仕訳を入力する必要がある。購入した商品や部署といった、細かな単位で仕訳を入力するためには、入力原票である請求書等の鑑部ではなく、その明細部等を参照して入力が必要になり、企業では入力作業が負担になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】https://www.digital.go.jp/policies/electronic_invoice(令和6年1月17日検索)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、請求書等の内容は発行者によって異なる。つまり、請求書等の様式(記載する箇所)やその記載内容は発行者によって異なる。
【0006】
ペポルインボイスのようなデジタルインボイスの標準仕様(JP-PINT)が公開されているが、受領者が会計システムに入力する仕訳の元となる内容をいずれの項目にセットするかは発行者によって異なる。したがって、受領者は、仕訳入力にあたり参照するペポルインボイスの項目を、発行者によって切り替えることが必要となる。
【0007】
これは手間がかかるし、受領者の負担が増えるため、好ましくない。
【0008】
受信者によるペポルインボイスからの仕訳入力に際し、ペポルインボイスの送信者、品名、その摘要といった情報から勘定科目を判断して決定しており、送信者や品名等が同じペポルインボイスを受信した場合は過去に決定した勘定科目と同じ勘定科目を仕訳に入力することが通常である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、前回受領したペポルインボイスと、その際に入力した内容とを元に、簡単に仕訳を生成することが可能な仕訳生成装置、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、過去のデジタルインボイスと、過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成する仕訳生成装置であって、取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定する項目設定部と、今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、過去のデジタルインボイスの値、および過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、仕訳の初期値をセットする仕訳セット部と、取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、前記変更された内容を反映する修正反映部と、デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成する仕訳生成部とを備えた、仕訳生成装置である。
【0011】
本発明の第2の態様は、デジタルインボイスの項目の値を基に、仕訳の元データを作成し、ディスプレイから表示させる表示制御部をさらに備えた、第1の態様の仕訳生成装置である。
【0012】
本発明の第3の態様は、仕訳セット部は、予め設定されたデジタルインボイスの項目について、今回のデジタルインボイスと過去のデジタルインボイスとで値が一致する場合、過去のデジタルインボイスの該当行に指定された取引種類をセットする、第1または第2の態様の仕訳生成装置である。
【0013】
本発明の第4の態様は、仕訳セット部は、予め設定されたデジタルインボイスの項目について、今回のデジタルインボイスと前回のデジタルインボイスとで値が一致する場合、過去のデジタルインボイスの該当行に指定された部門をセットする、第1または第2の態様の仕訳生成装置である。
【0014】
本発明の第5の態様は、過去のデジタルインボイスと、過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成する仕訳生成装置によって実施される仕訳生成方法であって、仕訳生成装置が、取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定するステップと、今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、過去のデジタルインボイスの値、および過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、仕訳の初期値をセットするステップと、取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、変更された内容を反映するステップと、デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成するステップとを含む、仕訳生成方法である。
【0015】
本発明の第6の態様は、過去のデジタルインボイスと、過去のデジタルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成するためのプログラムであって、取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定する機能、今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、過去のデジタルインボイスの値、および過去のデジタルインボイスに指定された取引種類を利用して、仕訳の初期値をセットする機能、取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、変更された内容を反映する機能、デジタルインボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成する機能をプロセッサに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前回受領したデジタルインボイスと、その際に入力した内容とを元に、簡単に仕訳を生成することが可能な仕訳生成装置、方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る仕訳生成方法が適用された仕訳生成装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、ペポルインボイスの全体を示す概念図である。
【
図3】
図3は、ペポルインボイスの全体を示す概念図である。
【
図4】
図4は、仕訳生成用基礎情報欄のデータ項目を説明するための概念図である。
【
図5】
図5は、消費税情報、勘定科目、口座、および部門を含むマスターを例示する図である。
【
図6】
図6は、承認経路、書類の種類、取引種類グループおよび取引種類を含むマスターを例示する図である。
【
図7】
図7は、設定入力を受け付けるための入力画面の表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、送信元の事業者(発行者)に応じたペポルインボイスの項目の値を基に、ディスプレイから表示された仕訳の元データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、過去のペポルインボイスと、過去のペポルインボイスに指定された取引種類とを示す表である。
【
図10】
図10は、今回のペポルインボイスと、自動セットする取引種類とを示す表である。
【
図11】
図11は、ペポルインボイスの同じ取引種類および部門を指定されたデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明や、重複した説明は適宜省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る仕訳生成方法が適用された仕訳生成装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
【0020】
仕訳生成装置20は、過去のペポルインボイスと、前記過去のペポルインボイスに対して入力された内容とを利用して、仕訳を生成する装置であって、
図1に例示するような電子回路構成をしている。仕訳生成装置20は、PC等のコンピュータによって実現できる。
【0021】
仕訳生成装置20は、
図1に例示されるように、バス21によって互いに接続されたCPU22、記録媒体読取部23、キーボードやマウス等の入力部25、ディスプレイ24、記憶装置26、およびメモリ30を備えている。
【0022】
メモリ30は、項目設定プログラム310、初期表示プログラム320、自動セットプログラム330、修正反映プログラム340、および仕訳生成プログラム350を記憶している。
【0023】
CPU22は、プロセッサであって、メモリ30に記憶されている各プログラム310~350に従い、仕訳生成装置20内の各部の動作を制御する。
【0024】
記憶装置26は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなり、過去のペポルインボイスのデータを蓄積することができる。
【0025】
これらプログラム310~350は、メモリ30に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体27から記録媒体読取部23を介してメモリ30に読み込まれ記憶されたものであってもよい。これらプログラム310~350は、書き換えできないようになっている。これら各プログラムの詳細については後述する。
【0026】
メモリ30は、これらプログラム310~350が記憶されているユーザ書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア360を確保している。
【0027】
図2および
図3は、ペポルインボイスの全体を示す概念図である。
【0028】
図2および
図3に示すように、ペポルインボイス10は、取引先情報欄11、合計情報欄12、明細部13、および仕訳生成用基礎情報欄14を含んでいる。
【0029】
仕訳生成用基礎情報欄14は、明細部13の各仕訳に対応して設けられており、
図2に図示できなかったので、
図3に示している。
【0030】
図2および
図3に例示するような画面は、ディスプレイ24から表示される。
【0031】
図4は、仕訳生成用基礎情報欄のデータ項目を説明するための概念図である。
【0032】
図4に示すように、仕訳生成用基礎情報欄14は、編集ボタン欄14a、取引種類欄14b、および部門欄14cを含んでいる。
【0033】
編集ボタン欄14aには、各項目に編集ボタン14aaが表示される。ユーザは、入力部25を操作して、所望する項目の編集ボタン14aaを指定することによって、画面上で取引種類欄14b及び部門欄14Cの値を変更することが可能となる。
【0034】
取引種類欄14bには、仕訳にセットする勘定科目コードや消費税課税区分コードが紐づけられている取引種類がセットされる。
図4は、取引種類欄14bに、コード(B52)「消耗品費」がセットされている例を示している。
【0035】
部門欄14cには、仕訳にセットする部門のコードがセットされる。
図4は、部門欄14cにコード(000)「共通部門」がセットされている例を示している。
【0036】
仕訳生成装置20は、ペポルインボイスに入力された内容を元に、簡単に仕訳を生成するために、
図5および
図6に例示するようなマスターを有している。仕訳生成装置20は、このようなマスターを、記憶装置26に記憶することによって有することができる。
【0037】
図5は、消費税情報、勘定科目、口座、および部門を含むマスターを例示する図である。
【0038】
消費税情報31は、税額経理区分(税抜経理方式又は税込経理方式)、基準期間課税売上高1億円以下等への該当有無を含む。
【0039】
勘定科目32は、商品仕入高等のコード番号(例えば、(5211))を含む。
【0040】
口座33は、商品等のコード番号(例えば、(5211A))を含む。
【0041】
部門34は、部門や支店等のコード番号(例えば、(100))を含む。
【0042】
図6は、承認経路、書類の種類、取引種類グループおよび取引種類を含むマスターを例示する図である。
【0043】
承認経路41と、書類の種類42と、取引種類グループおよび取引種類43とは相関しており、
図6の上段は、承認経路41が、(A)仕入用であり、第1段階が(b)担当者Bであり、書類の種類42は、(A)請求書(仕入用)であり、取引種類グループおよび取引種類43が、(A)仕入用であり、(A01)商品仕入A、(A02)商品仕入B、(A03)商品仕入Cを含む例を示している。
【0044】
また、
図6の下段は、承認経路41が、(B)経費用であり、第1段階が(a)担当者Aおよび(b)担当者Bであり、書類の種類42は、(B)請求書(経費用)であり、取引種類グループおよび取引種類43が、(B)経費用であり、(A01)文具代、(A02)日用雑貨品等、(A03)新聞購読料を含む例を示している。
【0045】
項目設定プログラム310は、予め取引種類43を判定するペポルインボイスの項目と、部門34を判定するペポルインボイスの項目等との設定のためのプログラムである。項目設定プログラム310は、設定入力をユーザから受け付けるために、ディスプレイ24から、
図7に示すような入力画面241を表示する。
【0046】
すなわち、
図7は、設定入力を受け付けるための入力画面の表示例を示す図である。
【0047】
入力画面241からは、登録ボタン241a、修正ボタン241b、削除ボタン241c、取引種類グループ表示部241d、仕入用表示部241e、取引種類(初期値)を判定するペポルインボイスの項目欄241f、および費用負担部門(初期値)を判定するペポルインボイスの項目欄241gが表示される。
【0048】
さらに取引種類(初期値)を判定するペポルインボイスの項目欄241fには、売り手のペポルID241f1、売り手の名称241f2、買い手の会計情報241f3、取引明細内の品名241f4、取引明細内の品目摘要241f5、取引明細内の摘要241f6、および取引明細内の買い手会計情報241f7が含まれる。各項目の前には、選択を受け付けるチェックボックスが表示されており、ユーザは、入力部25を操作して、所望のチェックボックスをチェックすることによって、取引種類(初期値)を判定するペポルインボイスの項目を設定することができる。
【0049】
さらにまた費用負担部門(初期値)を判定するペポルインボイスの項目欄241gには、ログインユーザID241g1、売り手のペポルID241g2、買い手の会計情報241g3、納入先の名称241g4、取引明細内の品目摘要241g5、取引明細内の摘要241g6、および取引明細内の買い手会計情報241g7が含まれる。各項目の前には、選択を受け付けるチェックボックスが表示されており、ユーザは、入力部25を操作して、所望のチェックボックスをチェックすることによって、費用負担部門(初期値)を判定するペポルインボイスの項目を設定することができる。
【0050】
この設定は複数種類登録可能で、ペポルインボイスの保存される記憶装置26において、書類の種類42のマスターごとの関連付けが可能である。これにより、初期表示プログラム320は、送信元の事業者(発行者)に応じたペポルインボイスの項目の値を基に、仕訳の元データを作成し、ディスプレイ24から初期表示できる。
【0051】
図8は、送信元の事業者(発行者)に応じたペポルインボイスの項目の値を基に、ディスプレイ24から表示された仕訳の元データの一例を示す図である。
【0052】
図中雲印で囲まれた箇所は、項目を説明するための説明文であって、ディスプレイ24から画面表示されないことに留意されたい。
【0053】
画面表示された仕訳の元データ251は、納品先の名称251a、取引明細内の品名252b、取引明細内の適用252c、取引明細内の品目適用252d、取引明細内の買い手会計情報252e、および買い手会計情報252fを含んでいるが、表示される項目は、これらに限定されない。
【0054】
自動セットプログラム330は、例えば
図4に例示される取引種類14bについて、今回のペポルインボイスの値、予め設定されたペポルインボイスの項目等、過去のペポルインボイスの値、および過去のペポルインボイスに指定された取引種類を利用して、仕訳の初期値を自動的にセットする。
【0055】
自動セットプログラム330はまた、予め設定されたペポルインボイスの項目等について、今回のペポルインボイスと前回のペポルインボイスとで、値が一致する場合、過去のペポルインボイスの該当行に指定された取引種類14bを自動的にセットする。
【0056】
これら自動的なセットを、
図9および
図10を用いて例示する。
【0057】
図9は、過去のペポルインボイスと、過去のペポルインボイスに指定された取引種類とを示す表である。
【0058】
図10は、今回のペポルインボイスと、自動セットする取引種類とを示す表である。
【0059】
図9および
図10ともに、設定内容は、「取引種類(初期値)を判定するペポルインボイスの項目」が、売り手のペポルID、売り手の名称、および取引明細の品目摘要である。
【0060】
自動セットプログラム330はまた、
図4に示す部門14cに対しても同様に、予め設定されたペポルインボイスの項目等について、今回のペポルインボイスと前回のペポルインボイスとで値が一致する場合、過去のペポルインボイスの該当行に指定された部門を初期値として自動的にセットする。
【0061】
例えば
図4において、ある行の編集ボタン14aaが指定され、対応する取引種類14bが変更された場合、修正反映プログラム340は、以下の条件、すなわち、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたペポルインボイスの項目等の値が、今回変更された行と一致する行に対して、その変更された内容を反映する。
【0062】
仕訳生成プログラム350は、ペポルインボイスの明細データからの仕訳生成に当たり、
図11に例示するように、ペポルインボイスの、同じ取引種類14bおよび部門14cを指定されたデータを合算して、
図12に例示するような仕訳を生成する。なお、
図11のときの設定内容は、
図13に示す通りである。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る仕訳生成方法が適用された仕訳生成装置によれば、前回受領したペポルインボイスと、その際に入力した内容とを元に、簡単に仕訳を生成することが可能となる。
【0064】
また、発行者によって書式が異なるペポルインボイスの差異を吸収し、予め設定されたペポルインボイスの項目の値に応じて、仕訳の元データを初期表示し、様々な発行者からのペポルインボイスから仕訳データを生成することが可能となる。これらによって、受領者の負担を軽減することが可能となる。
【0065】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0066】
10 ペポルインボイス
11 取引先情報欄
12 合計情報欄
13 明細部
14 仕訳生成用基礎情報欄
14a 編集ボタン欄
14aa 編集ボタン
14b 取引種類欄
14c 部門欄
20 仕訳生成装置
21 バス
22 CPU
23 記録媒体読取部
24 ディスプレイ
25 入力部
26 記憶装置
27 外部記録媒体
30 メモリ
31 消費税情報
32 勘定科目
33 口座
34 部門
41 承認経路
42 書類の種類
43 取引種類
241 入力画面
241a 登録ボタン
241b 修正ボタン
241c 削除ボタン
241d 取引種類グループ表示部
241e 仕入用表示部
241f ペポルインボイスの項目欄
241f1 売り手のペポルID
241f2 売り手の名称
241f3 買い手の会計情報
241f4 取引明細内の品名
241f5 取引明細内の品目摘要
241f6 取引明細内の摘要
241f7 および取引明細内の買い手会計情報
241g ペポルインボイスの項目欄
241g1 ログインユーザID
241g2 売り手のペポルID
241g3 買い手の会計情報
241g4 納入先の名称
241g5 取引明細内の品目摘要
241g6 取引明細内の摘要
241g7 および取引明細内の買い手会計情報
251 仕訳の元データ
251a 納品先の名称
252b 取引明細内の品名
252c 取引明細内の適用
252d 取引明細内の品目適用
252e 取引明細内の買い手会計情報
252f および買い手会計情報
310 項目設定プログラム
320 初期表示プログラム
330 自動セットプログラム
340 修正反映プログラム
350 仕訳生成プログラム
360 書込可能データエリア
【要約】
【課題】 前回受領したペポルインボイスと、その際に入力した内容とを元に、簡単に仕訳を生成することが可能な仕訳生成装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、仕訳生成装置は、取引種類を判定するデジタルインボイスの項目と、部門を判定するデジタルインボイスの項目とを設定する項目設定部と、今回のデジタルインボイスの値、予め設定されたデジタルインボイスの項目、過去のデジタルインボイスの値、およびデジタルの電子インボイスに指定された取引種類を利用して、仕訳の初期値をセットする仕訳セット部と、取引種類が変更された場合、今回変更された行の次行以降において、予め設定されたデジタルインボイスの項目の値が、今回変更された行と一致する行に対して、変更された内容を反映する修正反映部と、電子インボイスの、同じ取引種類および部門を指定されたデータを合算することによって、仕訳を生成する仕訳生成部とを備える。
【選択図】
図1