(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】折り畳み情報通信体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
(21)【出願番号】P 2020209715
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-131209(JP,A)
【文献】特開2003-89288(JP,A)
【文献】特開2013-1109(JP,A)
【文献】特開平4-250030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の葉片を折り線を介して横方向に連接すると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接した第1の単位シートが縦方向に連接された第1の長尺シートと、複数の葉片を折り線を介して横方向に連接すると共に片側の外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接し且前記第1の単位シートの横幅よりも短い横幅の単位シートが縦方向に連接された第2~第nの長尺シートを同時に繰り出し、前記繰り出された第1及び第~第nの長尺シートの各々の単位シートを一方のマージナル孔で嵌合させて位置合わせする長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程と、
前記位置合わせされた単位シートの少なくとも一方の面において、疑似接着フィルムシートを前記単位シートの横幅の相違により形成される段差部分で単位シート同士を連接する状態に被覆する、疑似接着フィルムシートの被覆工程と、
疑似接着フィルムシートが被覆された第1及び第2~第nの長尺シートを連続的に折り畳む長尺シートの折り畳み工程と、
折り畳まれた長尺シートを単位シート毎に切除する長尺シートの切除工程と、
切除された単位シートの疑似接着フィルムシートを介する対向面間を剥離可能に接着すると共に、対向面間に疑似接着フィルムシートを介さない葉片同士を単位シートを構成する任意の葉片の周囲に貫通孔を設け前記貫通孔に被覆された疑似接着フィルムシートの露出した接着剤層を介して、近接する葉片と剥離可能に接着する単位シートの接着工程とからなることを特徴とした折り畳み情報通信体の製造方法。
【請求項2】
第2~第nの任意の長尺シートを構成する単位シートを折り畳むことにより、その横幅を第1の単位シートより狭くしたことを特徴とした請求項1に記載の折り畳み情報通信体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片を折畳み或いは切り重ねて剥離可能に一体化した折り畳み情報通信体の製造方法に関する。詳しくは別体の用紙を重ね合わせ折り畳み、疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に一体化することで、伝達する情報量を増やすと共に受取人の興味を引く様々な形態に展開することができる折り畳み情報通信体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告や案内状、パンフレット等の大量の情報を伝達する手段として、封筒に各種伝達物を印刷したシート等を折り畳み、封入封緘して郵送する方法が一般的である。しかし従来の折り畳まれたシートを大量に封筒に詰め込む手法では受取人は興味を示さなくなり開封される前に廃棄されてしまう可能性も考えられる。また多数の宣伝広告物や個別情報が記入されたシートを封入封緘する作業に掛かる多大な経費を削減したいところである。そのような状況下、例えば特開2012-240412号公報に記載される折り畳み情報通信体とその製造方法が提案されている。
【先行技術分野】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既述の引用文献に記載される折り畳み情報通信体は、一枚のシートから自動的に折り畳み封書に仕上げるため、複数の折り畳まれたシートを一つの封筒に封入する際に要する封入封緘の手間が省ける。また従来の封筒の外観と異なるため、受取人に対して開封の興味を起こさせる共に剥離展開後の態様が単に平面に展開されるのではなく不規則な製本形態に展開されるため訴求効果にも優れるという作用効果を発揮する。
【0005】
しかしながら、折り線を介して横方向に複数の葉片が連接されたシートの表裏面に印刷を施すには、印刷機の都合等により用紙幅に限界がある。特にシートの両外側にマージナル部分を設けたフォーム印刷等の場合、一般的に450mm前後の用紙幅が印刷領域の限界で、それ以上の広幅を印刷するには特別なフォーム印刷機に頼らざるを得なくなり汎用性がなくなる。前記印刷領域では折り畳み封書の葉片数は角3封筒を基準に考慮すると、横方向に4葉片が連接するとマージナル部分を加え500mm近くになる。さらにメール便等のA4サイズの葉片が横並びになると2葉片のみで限界幅になってしまう。
【0006】
本発明の折り畳み情報通信体とその製造方法は、上記問題に鑑み、従来の汎用性のあるフォーム印刷等の印刷機でこれまで以上の大量の情報が記載でき、受取人の開封意欲が喚起されると共に開封後は変則的な製本状態で展開するため訴求効果が加わる折り畳み情報通信体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の折り畳み情報通信体の製造方法は、複数の葉片を折り線を介して横方向に連接すると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接した第1の単位シートが縦方向に連接された第1の長尺シートと、複数の葉片を折り線を介して横方向に連接すると共に片側の外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接し且前記第1の単位シートの横幅よりも短い横幅の単位シートが縦方向に連接された第2~第nの長尺シートを同時に繰り出し、前記繰り出された第1及び第~第nの長尺シートの各々の単位シートを一方のマージナル孔で嵌合させて位置合わせする長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程と、前記位置合わせされた単位シートの少なくとも一方の面において、疑似接着フィルムシートを前記単位シートの横幅の相違により形成される段差部分で単位シート同士を連接する状態に被覆する、疑似接着フィルムシートの被覆工程と、 疑似接着フィルムシートが被覆された第1及び第2~第nの長尺シートを連続的に折り畳む長尺シートの折り畳み工程と、折り畳まれた長尺シートを単位シート毎に切除する長尺シートの切除工程と、切除された単位シートの疑似接着フィルムシートを介する対向面間を剥離可能に接着すると共に、対向面間に疑似接着フィルムシートを介さない葉片同士を単位シートを構成する任意の葉片の周囲に貫通孔を設け前記貫通孔に被覆された疑似接着フィルムシートの露出した接着剤層を介して、近接する葉片と剥離可能に接着する単位シートの接着工程とからなることを特徴としている。
【0008】
本発明で使用される各長尺シートの材質に限定はなく、紙、合成紙、樹脂フィルムシート、不織布等印刷可能な平面状の媒体を使用することができる。そして紙面の少なくとも一方の外側縁辺にマージナル孔を設けたマージナル部分が連接されたものが使用される。後述するが貫通孔から露出した疑似接着フィルムシートと、その感熱接着層と接触する隣接葉片は剥離可能に接着される必要があるため、マット紙やコート紙等表面に何らかの材質が塗工されている塗工紙が好適に使用される。
【0009】
本発明で使用される疑似接着フィルムシートは、例えばポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリプロピレン等を基材として、一方の面に公知の感熱接着剤層を形成すると共にもう一方の面に疑似接着層を形成したサーマルラミネート法に対応したものを好適に使用することができる。この物は印刷物等の疑似接着予定面に前記感熱接着剤層を介して剥離不能に接着した後に、表出している疑似接着層を対向させて折り畳み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより対向面同を剥離可能に接着することができる。なお前記感熱接着剤層に代えて感圧接着剤層、乾湿接着剤層、粘着剤層等の公知の接着剤層を使用しても構わない。
【0010】
本発明の折り畳み情報通信体の製造方法では、両外側の縁辺にマージナル部分を連接した第1の長尺シートと前記一方の外側縁辺にマージナル部分を連接した第2~第nの長尺シートを左右何れかのマージナル部分で位置を合わせながら重ね合わせ、任意の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートを被覆する。その後折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより前記疑似接着予定面は剥離可能に接着されることになる。
【0011】
折り畳みにより対向する葉片間の剥離可能な手段として、疑似接着予定面全面に疑似接着フィルムシートを被覆して実行する手段のほかに、例えば対向する葉片の内部は空洞のままで周囲縁辺を剥離可能に接着して封緘する手段がある。具体的には任意の葉片の周囲縁辺に貫通孔を設けておいて、そこから表出した疑似接着予定面に被覆された疑似接着フィルムシートがその接着剤層を利用して、疑似接着フィルムシートが被覆されていない側に隣接する葉片表面の周囲縁辺と剥離可能に接着することにより封緘する手段である。このようにすれば疑似接着フィルムシートの使用量をセーブすることができて経済的である。
【0012】
また一方の外側縁辺にマージナル部分を連接する第2~第nの長尺シートは、その単位シートにおいて横方向に複数連接される任意の葉片同士を、第1の単位シートの横幅よりも短くなるように折り畳んだ状態で第1の長尺シートと重ね合わせても構わない。そのような構成で疑似接着予定面への疑似接着フィルムシートの被覆及び貫通孔による封緘手段等を組み合わせることにより、開封及び開封して展開した後に受取人の興味を引くと共に訴求効果を効果的に高める構造の折り畳み情報通信体を提供することが可能になる。
【0013】
さらに長尺シートは第1及び第2~第nの長尺シートの複数種類を使用するが、例えば第1の長尺シートの一方の面側に他の長尺シートを重ね合わせても、或いは第1の長尺シートを中心にその両面に他の長尺シートを重ね合わせて製造しても構わない。
【0014】
なお、マージナル部分の切除時期に格別な制限はないが、折り畳み工程前或いは後に一度に切除されても良く、或いはマージナル部分毎に段階的に切除されても構わない。また接着工程後に切除されるマージナル部分があっても構わない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の折り畳み情報通信体の製造方法によれば、従来の長尺シートを使用するフォーム印刷等により、折り畳まれる葉片数を多く設定することが可能なため、今までにない多量の情報の伝達が可能となる。さらに受取人の開封意欲を喚起し、開封後は変則的な製本状態に展開するため受取人の興味を引く訴求効果に優れた情報通信体を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(A)は折り畳み情報通信体J1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図2】(A)は
図1(A)におけるイ-イ線断面図、(B)はア-ア線及びウ-ウ線の共通断面図である。
【
図3】(A)は
図1(A)におけるエ-エ線断面図、(B)はオ-オ線断面図である。
【
図4】(A)は貫通孔Hにおける第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3の接着状態を示す断面図、(B)は第一葉片3と第一葉片1の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して第一葉片1及び第三葉片3を分離した状態を示す断面図、(C)は第三葉片に形成されている貫通孔Hを通して第二葉片2に接着している疑似接着フィルムシートGを剥離して第三葉片3及び第二葉片2を分離した状態を示す断面図である。
【
図5】折り畳み情報通信体J1の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図6】(A)は情報通信体J1の製造に使用する第一の長尺シートに印刷される単位シートt1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図7】(A)は情報通信体J1の製造に使用する第二の長尺シートに印刷される単位シートt2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図8】(A)は第一及び第二の長尺シートをマージナル孔6で位置合わせして、単位シートt1、t2を重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるカ-カ線断面図である。
【
図9】
図8の状態に重ね合わせた単位シートt1、t2の上面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるキ-キ線断面図である。
【
図10】(A)は折り畳み情報通信体J2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図11】(A)は
図10(A)におけるケ-ケ線断面図、(B)はク-ク線及びコ-コ線の共通断面図である。
【
図12】(A)は
図10(A)におけるサ-サ線断面図、(B)はシ-シ線断面図である。
【
図13】折り畳み情報通信体J2の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図14】
図13と異なる視点からの折り畳み情報通信体J2の斜視図である。
【
図15】(A)は情報通信体J2の製造に使用する第一の長尺シートに印刷される単位シートt3の表面図、(B)は裏面図である。
【
図16】(A)は情報通信体J2の製造に使用する第二の長尺シートに印刷される単位シートt4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図17】(A)は第一及び第二の長尺シートをマージナル孔20で位置合わせして、単位シートt3、t4を重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるス-ス線断面図である。
【
図18】
図17の状態に重ね合わせた単位シートt3、t4の上下面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるセ-セ線断面図である。
【
図19】(A)は折り畳み情報通信体J3の表面図、(B)は裏面図である。
【
図20】(A)は
図19(A)におけるタ-タ線断面図、(B)はソ-ソ線及びチ-チ線の共通断面図である。
【
図21】(A)は
図19(A)におけるツ-ツ線断面図、(B)はテ-テ線断面図である。
【
図22】折り畳み情報通信体J3の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図23】(A)は情報通信体J3の製造に使用する第一の長尺シートに印刷される単位シートt5の表面図、(B)は裏面図である。
【
図24】(A)は情報通信体J3の製造に使用する第二の長尺シートに印刷される単位シートt6の表面図、(B)は裏面図である。
【
図25】(A)は第一及び第二の長尺シートをマージナル孔38で位置合わせして単位シートt5、t6を重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるト-ト線断面図である。
【
図26】
図25の状態に重ね合わせた単位シートt5、t6の上面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるナ-ナ線断面図である。
【
図27】(A)は折り畳み情報通信体J4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図28】(A)は
図27(A)におけるヌ-ヌ線断面図、(B)はニ-ニ線及びネ-ネ線の共通断面図である。
【
図29】(A)は
図27(A)におけるノ-ノ線断面図、(B)はハ-ハ線断面図である。
【
図30】折り畳み情報通信体J4の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図31】(A)は情報通信体J4の製造に使用する第一の長尺シートに印刷される単位シートt7の表面図、(B)は裏面図である。
【
図32】(A)は情報通信体J4の製造に使用する第二の長尺シートに印刷される単位シートt8の表面図、(B)は裏面図である。
【
図33】(A)は第一及び第二の長尺シートをマージナル孔48で位置合わせして単位シートt7の第二葉片42と、二つ折りされた単位シートt8を重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるヒ-ヒ線断面図である。
【
図34】
図33の状態に重ね合わせた単位シートt7、t8の上下面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるフ-フ線断面図である。
【
図35】(A)は折り畳み情報通信体J5の表面図、(B)は裏面図である。
【
図36】(A)は
図35(A)におけるホ-ホ線断面図、(B)はヘ-ヘ線及びマ-マ線の共通断面図である。
【
図37】(A)は
図35(A)におけるミ-ミ線断面図、(B)は
図35(A)及び
図36(A)におけるム-ム線断面図である。
【
図38】折り畳み情報通信体J5の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図39】(A)は情報通信体J5の製造に使用する第一の長尺シートに印刷される単位シートt9の表面図、(B)は裏面図である。
【
図40】(A)は情報通信体J5の製造に使用する第二の長尺シートに印刷される単位シートt10の表面図、(B)は裏面図である。
【
図41】(A)は情報通信体J5の製造に使用する第三の長尺シートに印刷される単位シートt11の表面図、(B)は裏面図である。
【
図42】(A)は第一、第二及び第三の長尺シートをマージナル孔61で位置合わせして単位シートt9、t10及びt11を重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるメ-メ線断面図である。
【
図43】
図42の状態に重ね合わせた単位シートt9、t10及びt11の上下面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるモ-モ線断面図である。
【
図44】(A)は折り畳み情報通信体J6の表面図、(B)は裏面図である。
【
図45】(A)は
図44(A)におけるユ-ユ線断面図、(B)はヤ-ヤ線及びヨ-ヨ線の共通断面図である。
【
図46】(A)は
図44(A)におけるラ-ラ線断面図、(B)はリ-リ線断面図である。
【
図47】折り畳み情報通信体J6の剥離展開状態を示す斜視図である。
【
図48】(A)は情報通信体J6の製造に使用する長尺シートに印刷される単位シートt12の表面図、(B)は裏面図である。
【
図49】(A)は情報通信体J6の製造に使用する長尺シートに印刷される単位シートt13の表面図、(B)は裏面図である。
【
図50】(A)は情報通信体J6の製造に使用する長尺シートに印刷される単位シートt14の表面図、(B)は裏面図である。
【
図51】(A)は上から単位シートt14、単位シートt13、単位シートt12の順に重ね合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)におけるル-ル線断面図である。
【
図52】
図49の状態に重ね合わせた単位シートの上下面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるレ-レ線断面図である。
【
図53】(A)及び(B)は貫通孔Hの各種形態を示す単位シートの平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0017】
以下本発明を、図面に沿って分かりやすく説明する。
[折り畳み情報通信体J1]
本実施例の折り畳み情報通信体J1は
図1(A)、(B)と
図2(A)、(B)及び
図3(A)、(B)に示す構成である。そして
図2(A)及び(B)に示すように、折り線4を介して二つ折り状態に折り畳まれた第一葉片1及び第二葉片2と、前記2葉片の対向面間に挟まれた第三葉片3とからなる。
【0018】
図2(A)及び(B)において各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第一葉片1と第三葉片3は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0019】
次に第三葉片3と第二葉片2の対向面間は全面的に接着しておらず、
図2(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第一葉片1及び第三葉片3の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片3の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通して、その感熱接着剤層により第二葉片2と剥離可能に接着している。また右側縁辺は折り線4で開口部がなく、さらに左側縁辺は
図3(A)に示すように前記上下縁辺と同様で、疑似接着フィルムシートGにより第三葉片3の左側縁辺に設けられた貫通孔Hを通して剥離可能に接着している。このようにして第三葉片3と第二葉片2の周囲が封緘されている。
【0020】
なお、本実施例の図面では、複雑化を避けるために既述の構成の疑似接着フィルムシートGを1層で示しているが、実際は基材、感熱接着剤層及び疑似接着剤層の3層からなる。そして対向する葉片間で2枚の疑似接着フィルムシートがお互いの疑似接着剤層同士で剥離可能に接着すると共に感熱接着剤層側で対向する各葉片と剥離不能に接着することで、最終的に両葉片を疑似接着層から剥離することができる。そして剥離展開後の各葉片表面にはそれぞれ疑似接着フィルムシートGが被覆された状態で残る。
【0021】
以上を踏まえて本実施例の貫通孔Hを利用した剥離可能な接着状態を、
図4を参照にさらに詳しく説明すると、
図4(A)の貫通孔H部分における各葉片の接着状態を示す拡大断面図にあるように、第一葉片1と第三葉片3は対向面間に介在する2枚の疑似接着フィルムシートG、Gにより剥離可能に全面的に接着されている。そして第三葉片3と第二葉片2は、第三葉片3に形成されている貫通孔Hを通して第二葉片2の表面へ疑似接着フィルムシートGが押し出され、その感熱接着剤層で第二葉片2に接着することで両葉片を密着させている。
【0022】
なお、第三葉片3に形成された貫通孔Hを通して第二葉片2と接着している疑似接着フィルムシートGの感熱接着剤層は、シートの厚みにより貫通孔Hの内部に沿って空間が発生するため中心付近の僅かな面積で接着している。そのため前記接着部分の接着力は減衰され意図的に引き剥がそうとすると剥離することが可能な状態となっている。
【0023】
既述の封緘状態の各葉片は
図4(A)に示す状態から、例えば第一葉片1と第三葉片3の対向面間は
図4(B)に示すように、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG、Gを対向する疑似接着層同士の間から剥離して分離することができる。そして第三葉片3と第二葉片2の対向面間は
図4(C)に示すように、葉片の周囲縁辺に形成されている貫通孔Hから押し出されて接着している疑似接着フィルムシートGを引き剥がし分離することができるのである。
【0024】
折り畳み情報通信体J1の受取人は、第一葉片1と第三葉片3間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封する。また第三葉片3と第二葉片2間を貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を剥離開封して、
図5に示すように別体の第一葉片1と第三葉片3が折り線4部分で疑似接着フィルムシートGにより連接された状態で展開することができる。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている表面はそれを透して内部に記載されていた情報を読み取ることができるのである。
【0025】
[折り畳み情報通信体J1の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J1の製造方法で使用する長尺シートには2種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは、
図6(A)及び(B)に示すように第一葉片1及び第二葉片2が折り線4を介して横方向に連接された単位シートt1が縦方向に連続的に印刷され、第一葉片1及び第二葉片2の外側にマージナル孔6が設けられたマージナル部分7が切除線5を介して連接されている。
【0026】
次に第2の長尺シートは
図7(A)及び(B)に示すように、第一葉片1と縦横幅をほぼ同じとする第三葉片3からなる単位シートt2が縦方向に連続的に印刷され、切除線5を介してマージナル孔6が設けられたマージナル部分7が連接されると共に、前記第三葉片3の上下縁辺とマージナル部分7側の縁辺に沿って複数の貫通孔Hが形成されている。
なお、既述の長尺シートへの単位シートの印刷はビジネスフォーム印刷や輪転印刷等の長尺シートに対応した印刷方式が好適に採用されるがこの点については以下の実施例においても同様である。
このように、第一葉片1及び第二葉片2が横方向に連接された単位シートt1の横幅よりも、第三葉片3のみからなる単位シートt2の横幅は短い。
【0027】
既述の構成の第1及び第2の長尺シートは、上下に分かれて或いは並列状態から下流に配置されているピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、単位シートt1及びt2を
図8(A)及び(B)に示すように、位置合わせしながら重ね合わせ下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される。(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)
【0028】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に送り込まれる両長尺シートに印刷された単位シートt1及びt3の表出面に、上方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、
図9(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第三葉片3と第一葉片1は、段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は折り線4に沿って形成される段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0029】
そして前記状態の第1及び第2の長尺シートは、
図9(B)に矢印で示すように折り線4から第三葉片3と第一葉片1が対向するよう、二つ折り状態に折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0030】
その後スリッタ等の公知の切除装置によりマージナル部分7が切除される共に単位シートt1及びt2毎に分断され(長尺シートの切除工程)、
図1、2及び3の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる。なお、マージナル部分7の切除時期に格別な制限はなく、最終的に仕上げられるまでの何れかの段階で切除されれば良く、何れかの工程間で一気に切除されても或いは複数の工程間において段階的に切除されても構わない。
【0031】
前記単位シートの接着工程は、例えば一対の搬送ローラと一対のヒータパネルを交互に配置しておいて、排出口に加圧ローラを備えた加熱・加圧装置や、一対のヒートローラや金属製のヒートローラとバックアップ用のゴムローラからなる加熱・加圧装置からなり、その間を通過する単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGは対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、既述の通り周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J1は製造されるのである。
【実施例2】
【0032】
[折り畳み情報通信体J2]
本実施例の折り畳み情報通信体J2は
図10(A)、(B)と
図11(A)、(B)及び
図12(A)、(B)に示す構成である。そして
図11(A)及び(B)に示すように、折り線16及び17を介してZ折り状態に折り畳まれた第一葉片11、第二葉片12及び第三葉片13と前記第二葉片12と第三葉片13の対向面間に二つ折り状態で挟まれた第四葉片14及び第五葉片15とからなる。
【0033】
図11(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第三葉片13と第五葉片15の対向面間は全面的に接着しておらず、
図11(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第五葉片15及び第四葉片14の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第五葉片15の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第三葉片13と剥離可能に接着している。また左側縁辺は折り線17、18で開口部がなく、さらに右側縁辺は
図12(B)に示すように、第五葉片15及び第四葉片14の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第五葉片15の右側縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第三葉片13と剥離可能に接着している。このようにして第三葉片13と第五葉片15の周囲は封緘されている。
【0034】
次に第五葉片15と第四葉片14は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0035】
また第四葉片14と第二葉片12の対向面間も全面的には接着しておらず、
図11(B)に示すように既述の第三葉片13及び第五葉片15の対向面間と同じ理屈で、上下縁辺の貫通孔Hと左側縁辺の折り線17、18並びに右側縁辺の貫通孔Hにより周囲縁辺が剥離可能に封緘されている。
【0036】
さらに第二葉片12と第一葉片11は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0037】
なお第一葉片11の表出面に疑似接着フィルムシートGが被覆されているが、この部分は被覆されていなくても構わない。また、第三葉片13の表出面は被覆されていないが、この部分が被覆されていても構わない。これら表出部分の被覆に関しては製造に際して都合のよいフィルム幅を選択することで決定される。
【0038】
既述の構成の折り畳み情報通信体J2の受取人は、第三葉片13と第五葉片15間及び第四葉片14と第二葉片12間を、前記貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開放して開封する。また第五葉片15と第四葉片14間及び第二葉片12と第一葉片11間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封し、
図13及び
図14に示すように別体の第一葉片11と第四葉片14が折り線16部分で疑似接着フィルムシートGにより連接された状態で展開することができる。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている表面はそれを透して内部に記載されていた情報を読み取ることができるのである。
【0039】
[折り畳み情報通信体J2の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J2の製造方法で使用する長尺シートには2種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは、
図15(A)及び(B)に示すように第一葉片11、第二葉片12及び第三葉片13が折り線16及び17を介して横方向に連接された単位シートt3が縦方向に連続的に印刷されている。そして第一葉片11及び第三葉片13外側にはマージナル孔20が設けられたマージナル部分21が切除線19を介して連接されており、さらに第二葉片12の上下縁辺に沿って複数の貫通孔Hが形成されている。
【0040】
次に第2の長尺シートは
図16(A)及び(B)に示すように、第四葉片14と第五葉片15が折り線18を介して横方向に連接された単位シートt4が縦方向に連続的に印刷され、第五葉片15外側にはマージナル孔20が設けられたマージナル部分21が切除線19を介して連接されると共に上下縁辺と右側縁辺に沿って複数の貫通孔Hが形成されている。
このように、第一葉片11、第二葉片12及び第三葉片13が横方向に連接された単位シートt3の横幅よりも、第四葉片14及び第五葉片15からなる単位シートt4の横幅は短い。
【0041】
既述の構成の第1及び第2の長尺シートは、上下に分かれて或いは並列状態からピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、単位シートt3及びt4を
図17(A)及び(B)に示すように、位置合わせしながら重ね合わせ下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される。(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)
【0042】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に位置合わせして送り込まれる第1及び第2の長尺シートの上下両面に、上下方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、
図18(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第四葉片14と第一葉片11は、段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は折り線16に沿って形成される段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0043】
そして前記状態の第1及び第2の長尺シートは
図18(B)に矢印で示すように、重なり合う折り線18、17から第五葉片15と第四葉片14が対向するように、また折り線16から第二葉片12と第一葉片11が対向するように、折り畳み装置等により連続的に断面Z字状態に折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0044】
その後マージナル部分21が切除される共に単位シートt3、t4毎に分断され(長尺シートの切除工程)
図10、11及び12の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0045】
前記単位シートの接着工程では実施例1と同様に、単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士は対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J2は製造されるのである。
【実施例3】
【0046】
[折り畳み情報通信体J3]
本実施例の折り畳み情報通信体J3は
図19(A)、(B)と
図20(A)、(B)及び
図21(A)、(B)に示す構成である。そして
図20(A)及び(B)に示すように、折り線35を介して連接された第一葉片31と第二葉片32の対向面間に、折り線36を介して連接された第三葉片33と第四葉片34が折り畳まれて挟み込まれた構成である。
【0047】
図20(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第一葉片31と第四葉片34は全面的に接着しておらず、
図20(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第四葉片34及び第三葉片33の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第四葉片34の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通して第一葉片31とその感熱接着剤層により剥離可能に接着している。また右側縁辺は折り線36、35で開口部がなく、さらに左側縁辺は
図20(A)、(B)及び
図21(A)に示すように、第一葉片31の縁辺が横幅の狭い第四葉片34の縁辺を跨いで直接疑似接着フィルムシートGに接着して段差を形成している。このようにして第一葉片31と第四葉片34の周囲は封緘されている
【0048】
また第四葉片34と第三葉片33は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0049】
さらに第三葉片33と第二葉片32の対向面間も全面的には接着しておらず、
図20(B)及び
図21(A)に示すように、既述の第一葉片31及び第四葉片34の対向面間と同じ理屈で、上下縁辺の貫通孔Hと右側縁辺の折り線36、35並びに左側縁辺の貫通孔Hにより周囲縁辺が封緘されている。
【0050】
既述の構成の折り畳み情報通信体J3の受取人は、第一葉片31と第四葉片34間及び第三葉片33と第二葉片32間を、貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開放して開封する。また第四葉片34と第三葉片33間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封して、
図22に示すように右側縁辺を製本状態とした形態に展開する。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている面はそれを透過して内部の情報を確認することができるのである。
【0051】
[折り畳み情報通信体J3の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J3の製造方法で使用する長尺シートには2種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは、
図23(A)及び(B)に示すように第一葉片31及び第二葉片32が折り線35を介して横方向に連接された単位シートt5が縦方向に連続的に印刷されている。そして第一葉片31及び第二葉片32の外側にはマージナル孔38が設けられたマージナル部分39が切除線37を介して連接されている。
【0052】
次に第2の長尺シートは
図24(A)及び(B)に示すように、第三葉片33と第四葉片34が折り線36を介して横方向に連接された単位シートt6が縦方向に連続的に印刷されている。そして第三葉片33の外側にはマージナル孔38が設けられたマージナル部分39が切除線37を介して連接されており、さらに上下縁辺と左側縁辺に沿って複数の貫通孔Hが形成されている。また第四葉片34の上下縁辺に沿って貫通孔Hが形成されている。
このように、第一葉片31及び第二葉片32が横方向に連接された単位シートt5の横幅よりも、第三葉片33及び第四葉片34(他の葉片より横幅が短い)からなる単位シートt6の横幅は短い。
【0053】
既述の構成の第一及び第二の長尺シートは、上下に分かれて或いは並列状態からピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、単位シートt5及びt6を
図25(A)及び(B)に示すように、位置合わせしながら重ね合わせ下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される。(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)
【0054】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に位置合わせして送り込まれる第一及び第二の長尺シートの上下両面に、上方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、
図26(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第四葉片34と第一葉片31は、両葉片の右側縁辺に沿って形成されている段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は右側縁辺に沿った帯状部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0055】
そして前記状態の第一及び第二の長尺シートは重なり合う折り線36、35から、
図26(B)に矢印で示すように、第三葉片33と第四葉片34が対向するように二つ折りに折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0056】
その後マージナル部分39が切除される共に単位シートt5、t6毎に分断され(長尺シートの切除工程)
図19、20及び21の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0057】
前記単位シートの接着工程では既述の実施例と同様に、単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士は対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J3は製造されるのである。
【実施例4】
【0058】
[折り畳み情報通信体J4]
本実施例の折り畳み情報通信体J4は
図27(A)、(B)と
図28(A)、(B)及び
図29(A)、(B)に示す構成である。そして
図28(A)及び(B)に示すように、折り線45を介して連接された第一葉片41と第二葉片42の対向面間に、折り線46を介して連接された第三葉片43と第四葉片44が折り畳まれて挟み込まれた構成である。
【0059】
図28(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第一葉片41と第三葉片43は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0060】
また第三葉片43と第四葉片44は全面的に接着しておらず、
図28(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第一葉片41及び第三葉片43の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片43の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片44と剥離可能に接着している。また右側縁辺は折り線46、45で開口部がなく、さらに左側縁辺は
図29(A)に示すように、第一葉片41及び第三葉片43の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片43の左縁辺に設けられた貫通孔Hを通して第四葉片44と、その感熱接着剤層により剥離可能に接着している。このようにして第三葉片43と第四葉片44の周囲は封緘されている。
【0061】
さらに第四葉片44と第二葉片42の対向面間も接着しておらず、
図28(A)及び
図29(A)に示すように既述の第三葉片43及び第四葉片44の対向面間と同じ理屈で、第二葉片42の表出面に被覆された疑似接着フィルムシートGが、第二葉片42の上下縁辺及び左側縁辺の貫通孔Hを通して第四葉片44と、その感熱接着剤層により剥離可能に接着している。また右側縁辺は折り線46、45により開口部がない。このようにして第四葉片44と第二葉片42の周囲は封緘されている。
【0062】
既述の構成の折り畳み情報通信体J4の受取人は、第二葉片42と第四葉片44間及び第四葉片44と第三葉片43間を、前記貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開放して開封する。また第一葉片41と第三葉片43間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封して、
図30に示すように右側縁辺を製本状態とした形態に展開する。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている面はそれを透過して内部の情報を確認することができるのである。
【0063】
[折り畳み情報通信体J4の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J4の製造方法で使用する長尺シートには2種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは、
図31(A)及び(B)に示すように第一葉片41及び第二葉片42が折り線45を介して横方向に連接された単位シートt7が縦方向に連続的に印刷されている。そして第一葉片41及び第二葉片42の外側にはマージナル孔48が設けられたマージナル部分49が切除線47を介して連接されている。さらに第二葉片42の上下縁辺及び切除線47に沿って複数の貫通孔H群が間隔を開けて形成されている。
【0064】
次に第2の長尺シートは
図32(A)及び(B)に示すように、第三葉片43と第四葉片44が折り線46を介して横方向に連接された単位シートt8が縦方向に連続駅に印刷されている。そして第四葉片44外側にはマージナル孔48を設けられたマージナル部分49が切除線47を介して連接されており、さらに第三葉片43の上下縁辺と左側縁辺に沿って複数の貫通孔H群が間隔を置いて形成されている。
このように、第一葉片41及び第二葉片42が横方向に連接された単位シートt7の横幅と、第三葉片43及び第四葉片44が横方向に連接された単位シートt8の横幅は同じであるが、後述するように単位シートt8は折り線46から二つ折りに折り畳まれて重ね合わされる。従って単位シートt7の横幅よりも単位シートt8の横幅は短くなる。
【0065】
既述の構成の第1及び第2の長尺シートは、上下に分かれて或いは並列状態からピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、単位シートt7及びt8が
図33(A)及び(B)に示すように、単位シートt8(二つ折りに折り畳まれている)と単位シートt7の位置合わせしながら重ね合わせ、下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)。なお前記第二の長尺シートは予め折り畳まれて繰り出されても或いはピンでの嵌合までに折り畳まれても構わない。
【0066】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に位置合わせして送り込まれる第1及び第2の長尺シートの上面に、上下方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、
図34(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第三葉片43と第一葉片41は、段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は折り線45に沿った段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0067】
そして前記状態の第1及び第2の長尺シートは
図34(B)に矢印示すように、折り線45から第三葉片43と第一葉片41が対向するように二つ折りに折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0068】
その後マージナル部分49が切除される共に単位シートt7、t8毎に分断され(長尺シートの切除工程)
図27、28及び29の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0069】
前記単位シートの接着工程では既述の実施例と同様に、単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士は対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、既述の通り周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J4は製造されるのである。
【実施例5】
【0070】
[折り畳み情報通信体J5]
本実施例の折り畳み情報通信体J5は
図35(A)、(B)と
図36(A)、(B)及び
図37(A)、(B)に示す構成である。そして
図36(A)及び(B)に示すように、折り線57を介して連接された第二葉片52と第一葉片51の対向面間に、折り線58を介して連接された第四葉片54と第三葉片53が折り畳まれて挟み込まれ、さらに前記第四葉片54と第三葉片53の対向面間に、折り線59を介して連接された第六葉片56と第五葉片55が挟み込まれた構成である。
【0071】
図36(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第二葉片52と第四葉片54は全面的に接着しておらず、
図36(B)に示すように両葉片の上下縁辺において第二葉片52の表出面に被覆されている疑似接着フィルムシートGが、第二葉片52の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片54と剥離可能に接着している。また左側縁辺は折り線57、58で開口部がなく、さらに右側縁辺は
図37(B)に示すように、第二葉片52の表出面に被覆されている疑似接着フィルムシートGが、第二葉片52の右側縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片54と剥離可能に接着して封緘している。
なお前記第二葉片52及び第四葉片54と折り線57及び58で連接されている第一葉片51及び第三葉片53の対向面も同じ理屈により剥離可能に接着して封緘しているが、右側縁辺では疑似接着フィルムシートGが両葉片の横幅の相違により生じた段差を跨いで被覆されることにより封緘されている。
【0072】
また第四葉片54と第六葉片56も全面的に接着しておらず、
図36(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第六葉片56及び第五葉片55の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第六葉片56の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片54と剥離可能に接着している。また左側縁辺は折り線58、59で開口部がなく、さらに右側縁辺は
図37(B)に示すように、第六葉片56及び第五葉片55の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG(第六葉片56側の疑似接着フィルムシートG)が、第六葉片56の右側縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片54と剥離可能に接着している。
なお前記第四葉片54及び第六葉片56と折り線58及び59で連接されている第三葉片53及び第五葉片55の対向面も同じ理屈により剥離可能に接着して封緘しているが、右側縁辺では疑似接着フィルムシートGが両葉片の横幅の相違により生じた段差を跨いで被覆されることにより封緘されている。
【0073】
さらに第六葉片56と第五葉片55は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0074】
既述の構成の折り畳み情報通信体J5の受取人は、第五葉片55と第六葉片56間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封する。またその他の葉片同士は貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開封して、
図38に示すように右側縁辺を製本状態とした形態に展開する。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている面はそれを透過して内部の情報を確認することができるのである。
【0075】
[折り畳み情報通信体J5の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J5の製造方法で使用する長尺シートには3種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは、
図39(A)及び(B)に示すように上下縁辺に沿って貫通孔が設けられた第一葉片51と、上下縁辺と右側縁辺に沿って貫通孔が設けられた第二葉片52が折り線57を介して横方向に連接された単位シートt9が縦方向に連続的に印刷されている。そして第二葉片52の外側にはマージナル孔61が設けられたマージナル部分62が切除線60を介して連接されている。
【0076】
次に第2の長尺シートは
図40(A)及び(B)に示すように、第三葉片53と第四葉片54が折り線58を介して横方向に連接された単位シートt10が縦方向に連続的に印刷されている。そして両葉片の外側にはマージナル孔61が設けられたマージナル部分62が切除線60を介して連接されている。
【0077】
さらに第3の長尺シートは、
図41(A)及び(B)に示すように上下縁辺に沿って貫通孔が設けられた第五葉片55と、上下縁辺と右側縁辺に沿って貫通孔が設けられた第六葉片56が折り線59を介して横方向に連接された単位シートt11が、縦方向に連続的に印刷されている。そして第六葉片56の外側にはマージナル孔61が設けられたマージナル部分62が切除線60を介して連接されている。
このように、第三葉片53及び第四葉片54が横方向に連接された単位シートt10の横幅よりも、単位シートt9及びt11(何れも第一葉片51及び第五葉片55の横幅が他の葉片の横幅より短い)の横幅は短い。
【0078】
既述の構成の第1、第2及び第3の長尺シートは、第2の長尺シートを挟むように上下に分かれて、或いは並列状態からピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、各単位シートが
図42(A)及び(B)に示すように、第2の長尺シートを挟み込み、上から第1、第2及び第3の長尺シートの順に位置合わせしながら重ね合わせられて下流の疑似接着フィルムシートGの被覆工程へと送り出される(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)。
【0079】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に位置合わせして送り込まれる第1、第2及び第3の長尺シートの上下面に、上下方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが
図43(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第一葉片51と第三葉片53及び第三葉片53と第五葉片55は、横幅の相違により生じる段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、三者は第三葉片53を中心にその外側縁辺に沿った段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0080】
そして前記状態の各長尺シートは
図43(B)に矢印で示すように、重なり合う折り線57、58及び59から第五葉片55と第六葉片56が対向するように二つ折りに折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0081】
その後マージナル部分62が切除される共に単位シートt9、t10及びt11毎に分断され(長尺シートの切除工程)
図35、36及び37の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0082】
前記単位シートの接着工程では既述の実施例と同様に、単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士は対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J5は製造されるのである。
【実施例6】
【0083】
[折り畳み情報通信体J6]
本実施例の折り畳み情報通信体J6は
図44(A)、(B)と
図45(A)、(B)及び
図46(A)、(B)に示す構成である。そして
図45(A)及び(B)に示すように、折り線76を介して連接された第一葉片71及び第二葉片72の二つ折りされた対向面間に、折り線77を介して連接された第三葉片73及び第四葉片74が二つ折りされて挟み込まれ、さらに前記第三葉片73及び第四葉片74の対向面間に第五葉片75が挟み込まれた構成である。
【0084】
図45(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第一葉片71と第三葉片73は全面的に接着しておらず、
図45(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第三葉片73及び第五葉片75の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片73の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第一葉片71と剥離可能に接着している。また左側縁辺は第一葉片71と第三葉片73の横幅の相違により、縁辺に沿って形成されている段差部分を跨いで被覆された疑似接着フィルムシートGにより接着され、さらに右側縁辺は折り線76及び77で開口部がない。このようにして第一葉片71と第三葉片73の周囲は封緘されている。
【0085】
次に第三葉片73と第五葉片75は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0086】
また第五葉片75と第四葉片74は全面的に接着しておらず、
図45(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第三葉片73及び第五葉片75の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第五葉片75の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片74と剥離可能に接着している。また左側縁辺も
図46(A)に示すように、第三葉片73及び第五葉片75の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第五葉片75の左縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片74と剥離可能に接着している。さらに右側縁辺は折り線77及び76で開口部がない。このようにして第五葉片75と第四葉片74の周囲は封緘されている。
【0087】
そして第四葉片74と第二葉片72も全面的に接着しておらず、
図45(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第二葉片72の表出面に被覆された疑似接着フィルムシートGが、第二葉片72の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片74と剥離可能に接着している。また左側縁辺も
図46(A)に示すように、第二葉片72の表出面に被覆された疑似接着フィルムシートGが、第二葉片72の左側縁辺に設けられた貫通孔Hを通してその感熱接着剤層により第四葉片74と剥離可能に接着して封緘している。さらに右側縁辺は折り線77及び76で開口部がない。このようにして第四葉片74と第二葉片72の周囲は封緘されている。
【0088】
既述の構成の折り畳み情報通信体J6の受取人は、第三葉片73と第五葉片75間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封する。またその他の葉片同士は貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開封して、
図47に示すように右側縁辺を製本状態とすると共に第五葉片75が単独で第三葉片73と折り線77で連接された形態に展開する。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている面はそれを透過して内部の情報を確認することができるのである。
【0089】
[折り畳み情報通信体J6の製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体J6の製造方法で使用する長尺シートは、3種類の長尺シートが使用される。第1の長尺シートは
図48(A)及び(B)に示すように、第一葉片71、第二葉片72が折り線76を介して横方向に連接された単位シート12が縦方向に連続的に印刷されている。そして第一葉片71及び第二葉片72の外側にマージナル孔79が設けられたマージナル部分80が切除線78を介して連接されており、さらに第二葉片72の上下縁辺とマージナル部分に沿った縁辺に貫通孔Hが形成されている。
【0090】
次に第2の長尺シートは
図49(A)及び(B)に示すように、他の葉片よりも横幅が短い第三葉片73と第四葉片74が折り線77を介して横方向に連接された単位シートt13が縦方向に連続的に印刷されている。そして第四葉片74の外側にはマージナル孔79が設けられたマージナル部分80が切除線78を介して連接されており、さらに第三葉片73の上下縁辺に貫通孔Hが形成されている。
【0091】
また第3の長尺シートは
図50(A)及び(B)に示すように、第五葉片75の上下縁辺及び連接されるマージナル部分80に沿って貫通孔Hが設けられた単位シートt14が縦方向に連続的に印刷されている。
このように、単位シートt12の横幅よりも、単位シートt13及びt14の横幅は短い。
【0092】
既述の構成の長尺シートは
図51(A)及び(B)に示すように、マージナル孔79で位置合わしながら重ね合わされ下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)。なお前記繰り出しに際して、単位シートt13の第三葉片73の外側縁辺及び単位シートt14の貫通孔Hが形成されている側と対向する側の縁辺に、当初印刷時に連接されていたマージナル部分を切り落としながら繰り出しても良く、或いは予め切り落としておいて繰り出しても構わない。(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)。
【0093】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に位置合わせして送り込まれる長尺シートの上下面に、上下方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、
図52(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連接していない第五葉片75と第三葉片73は折り線77に沿って形成される段差を、跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は折り線77に沿った段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。同様に連接していない第三葉片73と第一葉片71は、両葉片の外側縁辺に沿って形成される段差を跨いだ状態で被覆される疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0094】
そして前記状態の長尺シートは
図52(B)に矢印で示すように、折り線76、77から第五葉片75と第三葉片73が対向するように、二つ折りに折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0095】
その後マージナル部分80が切除される共に単位シート毎に分断され(長尺シートの切除工程)
図44、45及び46の状態(この時点では未接着状態)に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0096】
前記単位シートの接着工程では既述の実施例と同様に、単位シートの対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士は対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGにより、貫通孔Hを通して対向する葉片の周囲縁辺同士が剥離可能に接着され封緘される。このようにして折り畳み情報通信体J6は製造されるのである。
【0097】
なお本発明は、上記実施例に限られるものではない。
例えば、葉片の連接数や長尺シートの数に制限はない。
また折り畳みの態様にも制限はなく重ね合わせに際して一方の単位シートの横幅が狭くなるよう(折り畳んで狭くしてもよい)に設計すればよい。折り畳みの態様により、より受取人の興味を引く展開となる形態を実現することができる。
さらに貫通孔は必ずしも封緘対象の縁辺全域に配置する必要はなく、
図53(A)に例示するように、必要と思われる任意の箇所に間隔を開けて配置しても構わない。
また貫通孔の形状にも制限はなく、例えば
図53(B)に示すように横長の窓状の貫通孔が配置されていても構わない。
さらに貫通孔の形状にも制限はなく、異なる形状の貫通孔が混合状態で配置されていても構わない。
【符号の説明】
【0098】
J1、J2、J3、J4、J5、J6 折り畳み情報通信体
t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11、t12、t13、t14 単位シート
H 貫通孔
G 疑似接着フィルムシート
1、2、3、11、12、13、14、15、31、32、33、34、41、42、43、44、51、52、53、54、55、56、71、72、73、74、75 葉片
4、16、17、18、35、36、45、46、57、58、59、76、77 折り線
5、19、37、47、60、78 切除線
6、20、38、48、61、79 マージナル孔
7、21、39、49、62、80 マージナル部分