(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】照明制御システム及びバックアップコントローラ
(51)【国際特許分類】
G06F 11/20 20060101AFI20240628BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20240628BHJP
H05B 47/20 20200101ALI20240628BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20240628BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240628BHJP
【FI】
G06F11/20 638
G06F11/07 196
G06F11/07 140Q
H05B47/20
H05B47/18
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020142490
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 幸司
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091618(JP,A)
【文献】特開平10-135993(JP,A)
【文献】特開2000-349823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/20
G06F 11/07
H05B 47/20
H05B 47/18
H05B 47/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、
前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、
前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップするバックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部と
、
前記バックアップコントローラの故障を検知する第2検知部と、
前記バックアップコントローラが前記故障から回復するための信号を出力する通信部とを備え、
前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する
照明制御システム。
【請求項2】
前記バックアップコントローラをさらに備え、
前記バックアップコントローラには、前記第1検知部と、前記記憶部と、前記情報処理部とが格納されている
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラに、前記第1識別情報に替えて、前記ネットワークにおいて識別されるための第3識別情報を付与する
請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記バックアップコントローラは、前記コントローラが前記故障から回復した後も、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記第1検知部は、それぞれ異なる前記第1識別情報が付与された複数の前記コントローラであってそれぞれ異なる前記照明器具を制御する前記複数のコントローラのうち2以上のコントローラの故障を検知し、
前記情報処理部は、前記2以上のコントローラの前記故障が検知された後に、前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、前記2以上のコントローラに付与された2以上の前記第1識別情報を付与し、
前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記2以上の第1識別情報のそれぞれとに基づいて複数の前記照明器具を制御する
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
サーバ装置をさらに備え、
前記サーバ装置は、
前記第2検知部と、
前記通信部とを有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、
前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、
前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップするバックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部とを備え、
前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御し、
前記記憶部には、前記バックアップコントローラが前記ネットワークに接続されている積算時間が記憶されている
照明制御システム。
【請求項8】
前記ネットワークは、無線ネットワークである
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記ネットワークは、有線ネットワークである
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
バックアップコントローラであって、
ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、
前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、
前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップする前記バックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部とを備え、
前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御
し、
前記記憶部には、前記バックアップコントローラが前記ネットワークに接続されている積算時間が記憶されている
バックアップコントローラ。
【請求項11】
バックアップコントローラであって、
ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、
前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、
前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップする前記バックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部とを備え、
前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御し、
第2検知部によって前記バックアップコントローラの故障が検知された場合に、通信部が、前記バックアップコントローラが前記故障から回復するための信号を出力し、
前記バックアップコントローラは、出力された前記信号を取得する
バックアップコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システム及びバックアップコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバシステムなどの分野においては、サーバ装置の故障又は障害などに備え、冗長化技術が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、冗長化技術が用いられている例として、冗長化システムとこの冗長化システムを管理する管理サーバとが開示されている。
【0004】
冗長化システムは、複数の稼働系サーバ及びコールドスタンバイの待機系サーバから構成されている。冗長化システムを管理する管理サーバは、複数の稼働系サーバに対して稼働状況を問合せ、各稼働系サーバからの応答に障害情報が含まれている場合に、待機系サーバをホットスタンバイに移行させるなどの処理を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照明器具を制御するためのコントローラを備える照明システムにおいても、コントローラの故障などに備えるため、このような冗長化技術が求められている。
【0007】
本発明は、コントローラが故障しても、照明器具を制御することができる照明制御システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る照明制御システムは、ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップするバックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部とを備え、前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する。
【0009】
本発明の一態様に係るバックアップコントローラは、バックアップコントローラであって、ネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されたコントローラであって照明器具を制御するための照明制御情報と前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する前記コントローラの故障を検知する第1検知部と、前記第1識別情報が予め記憶されている記憶部と、前記コントローラの前記故障が検知された後に、前記コントローラをバックアップする前記バックアップコントローラであって前記ネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が付与された前記バックアップコントローラに、前記第2識別情報に替えて、記憶されている前記第1識別情報を付与する情報処理部とを備え、前記第1識別情報が付与された前記バックアップコントローラは、前記照明制御情報と付与された前記第1識別情報とに基づいて前記照明器具を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の照明制御システムなどは、コントローラが故障しても、照明器具を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明制御システムの動作例のフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るバックアップコントローラに第1識別情報が付与される第1例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るバックアップコントローラに第1識別情報が付与される第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、本実施の形態に係る照明制御システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明制御システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
実施の形態に係る照明制御システム1は、複数の照明器具601~606を制御するためのシステムである。具体的には、照明制御システム1においては、コントローラ子機(以下、「Ctr子機」と記載)501~506のそれぞれは、照明器具601~606のそれぞれを制御する。つまり例えば、Ctr子機501は照明器具601を制御し、1つのCtr子機と1つの照明器具とは1対1で対応する。さらに、バックアップコントローラ(以下、「BKCtr」と記載)100は、Ctr子機501~506のいずれかの故障を検知した場合に、故障が検知されたCtr子機の替わりに、故障が検知されたCtr子機が制御していた照明器具を制御する。なお、以下では故障が検知されたCtr子機を故障したCtr子機と記載する場合がある。
【0016】
図1に示されるように、照明制御システム1は、サーバ装置200と、ハブ装置301及び302と、コントローラ親機(以下、「Ctr親機」と記載)400と、複数のCtr子機として6個のCtr子機501~506と、BKCtr100とを備える。一例として、照明制御システム1は、屋外空間を照明器具601~606を用いて演出する照明演出のために用いられる。
【0017】
[サーバ装置]
まず、サーバ装置200について説明する。サーバ装置200は、複数の照明器具601~606のそれぞれを制御するための照明制御情報を出力するための情報処理を行うクラウドサーバである。また、サーバ装置200は、BKCtr100が故障していれば、BKCtr100の故障を検知し、BKCtr100が故障から回復するための信号を出力する。サーバ装置200は、第2検知部210と、通信部として第2通信部220と、第2記憶部230とを備える。
【0018】
第2検知部210は、BKCtr100が故障していれば、BKCtr100の故障を検知する情報処理を行う処理部である。第2検知部210は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0019】
第2通信部220は、サーバ装置200がハブ装置301とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第2通信部220は、例えば、第2記憶部230に記憶されている上記照明制御情報を出力する。また、第2通信部220は、第2検知部210がBKCtr100の故障を検知した場合に、BKCtr100が故障から回復するための信号を出力する。第2通信部220によって行われる通信は、無線通信及び有線通信のいずれであってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0020】
第2記憶部230は、第2検知部210によって実行されるプログラム、及び、上記情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。第2記憶部230には、上記照明制御情報が記憶されている。また、第2記憶部230は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0021】
なお、サーバ装置200は、サーバ装置200が行う処理についての画像を表示装置に表示させてもよい。表示装置は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0022】
[ハブ装置]
ハブ装置301及び302は、構成要素どうしを広域通信ネットワークを介して接続する中継装置である。より具体的には、ハブ装置301はサーバ装置200とCtr親機400とを接続し、ハブ装置302はCtr親機400とCtr子機503~506とを接続する。
【0023】
なお、ハブ装置301及び302による接続は上記に限られない。例えば、Ctr子機501及び502並びにBKCtr100は、Ctr親機400を介さずに、ハブ装置301と接続されてもよい。また、Ctr子機501及び502並びにBKCtr100は、ハブ装置302と接続されてもよい。
【0024】
[コントローラ]
次に、Ctr子機501~506、Ctr親機400、及び、BKCtr100について説明する。Ctr子機501~506、Ctr親機400、及び、BKCtr100は、例えば、汎用の調光操作装置であるが、照明制御システム1の専用装置であってもよい。
【0025】
Ctr子機501~506は、それぞれ照明器具601~606を制御する装置である。Ctr子機501~506のそれぞれは、コントローラの一例である。Ctr子機501~506のそれぞれは、広域通信ネットワークなどのネットワークにおいて識別されるための第1識別情報が付与されている。より具体的には、Ctr子機501~506は、それぞれ異なる第1識別情報が付与されている。Ctr子機501~506のそれぞれは、Ctr親機400を介して取得した照明制御情報と第1識別情報とに基づいて照明器具601~606を制御する。また、本実施の形態においては、照明制御システム1は、6個のCtr子機501~506を備えているが、これに限られず、1以上のCtr子機を備えていればよい。
【0026】
なお、第1識別情報と、後述される第2及び第3識別情報とは、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスなどを含むが、これに限られない。
【0027】
Ctr親機400は、サーバ装置200の第2通信部220から出力された照明制御情報を取得し、取得した照明制御情報をCtr子機501~506及びBKCtr100に向けて出力する。本実施の形態においては、Ctr親機400は、照明器具を制御していないが、照明器具を制御していてもよい。この場合、Ctr親機400は、Ctr子機501~506に付与されている第1識別情報とは異なる第1識別情報が付与されており、Ctr親機400は、この異なる第1識別情報と取得した照明制御情報とに基づいて照明器具を制御する。
【0028】
BKCtr100は、Ctr子機501~506をバックアップする装置である。具体的には、BKCtr100は、Ctr子機501~506のいずれかの故障を検知した場合に、故障したCtr子機の替わりに照明器具を制御する。例えば、Ctr子機506の故障が検知された後に、BKCtr100は、Ctr子機506の替わりに、Ctr506が制御していた照明器具606を制御する。また、BKCtr100には、上記のネットワークにおいて識別されるための第2識別情報が予め付与されている。
【0029】
より具体的には、BKCtr100は、第1検知部110と、記憶部として第1記憶部120と、情報処理部130と、制御部140と、第1通信部150とを有する。
【0030】
第1検知部110は、上記の6個のCtr子機501~506の故障を検知する処理部である。つまり、第1検知部110は、6個のCtr子機501~506の死活監視を行っている。
【0031】
第1記憶部120は、Ctr子機501~506のそれぞれに付与されている第1識別情報が予め記憶されている記憶装置である。例えば、第1記憶部120には、Ctr子機501~506のそれぞれ、及び、Ctr子機501~506のそれぞれに付与されている第1識別情報が対応付けられた情報である対応情報が記憶されている。また、第1記憶部120には、情報処理部130及び制御部140によって実行されるプログラム、及び、情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶されている。第1記憶部120は、例えば、HDDなどによって実現される。
【0032】
情報処理部130は、6個のCtr子機501~506のいずれかのCtr子機の故障が検知された後に、BKCtr100に、第2識別情報に替えて、第1記憶部120によって記憶されている第1識別情報を付与する情報処理を行う処理部である。このとき、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報が、BKCtr100に付与される。
【0033】
情報処理部130は、Ctr子機501~506のいずれかのCtr子機の故障が検知された後に、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報に替えて、故障したCtr子機に、ネットワークにおいて識別されるための第3識別情報を付与する。
【0034】
制御部140は、情報処理部130によってBKCtr100に付与された上記第1識別情報と、照明制御情報とに基づいて、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御する情報処理を行う処理部である。
【0035】
また、第1検知部110、情報処理部130及び制御部140は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0036】
第1通信部150は、BKCtr100がCtr親機400とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第1通信部150は、例えば、Ctr親機400を介して照明制御情報を取得する。第2通信部220によって行われる通信は、無線通信及び有線通信のいずれであってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0037】
また、本実施の形態においては、BKCtr100は、第2識別情報に替えて第1識別情報が付与される前には、照明器具を制御していないが、これに限られない。例えば、BKCtr100は、第2識別情報に替えて第1識別情報が付与される前においても、第2識別情報と照明制御情報とに基づいて、照明器具を制御してもよい。
【0038】
[照明器具]
照明器具601~606のそれぞれは、Ctr子機501~506のそれぞれによって制御され、光を放つ装置である。照明器具601~606が光を放つことで、照明制御システム1は屋外空間を演出することができる。照明器具601~606とCtr子機501~506との間で用いられる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。なお、本実施の形態においては、照明制御システム1は、6個の照明器具601~606を制御するが、これに限られない。
【0039】
[動作例]
以下、照明制御システム1の動作例について説明する。
図2は、本実施の形態に係る照明制御システム1の動作例のフローチャートである。
【0040】
Ctr子機501~506のそれぞれは、照明制御情報と第1識別情報とに基づいて、照明器具601~606のそれぞれを制御する(S10)。つまり、照明器具601~606による照明演出が行われている。このように、照明演出が行われているときにCtr子機が故障すると、故障したCtr子機によって制御されていた照明器具が光を放たなくなるなどの問題が発生する。
【0041】
ここで、照明器具601~606を制御するための照明制御情報は、第1識別情報と対応付けられた照明器具を示す照明器具情報と、照明器具が放つ光の光量及び色度などの特性を制御するための特性情報とを含む。
【0042】
例えば、照明器具情報においては、Ctr子機501に付与されている第1識別情報と照明器具601とが対応付けられている。Ctr子機501は、Ctr子機501に付与されている第1識別情報及び照明器具情報に基づいて、Ctr子機501自身が制御する照明器具として照明器具601を特定する。さらに、Ctr子機501は、特性情報に基づいて、照明器具601が放つ光の光量及び色度などを制御する。
【0043】
また、S10においては、第1検知部110はCtr子機501~506の死活監視を行っている。
【0044】
続いて、Ctr子機501~506のいずれかのCtr子機が故障した場合、第1検知部110は、当該Ctr子機の故障を検知する(S20)。
【0045】
第1検知部110が、Ctr子機501~506の故障を検知する方法としては、以下の応答確認信号を用いる方法がある。
【0046】
第1検知部110は、第1通信部150がCtr子機501~506のそれぞれに向けて定期的に応答確認信号を出力するように制御する。応答確認信号とは、当該応答確認信号を取得したCtr子機501~506が第1応答信号又は第2応答信号を出力するように制御する信号である。
【0047】
第1応答信号とは、Ctr子機501~506のそれぞれが、第1識別情報と照明制御情報とに基づいて、照明器具601~606のそれぞれを制御できる場合に、第1通信部150に向けて出力する信号である。つまり、照明器具601~606のそれぞれが光を放つことができれば、Ctr子機501~506のそれぞれは、第1応答信号を第1通信部150に出力する。
【0048】
第2応答信号とは、Ctr子機501~506のそれぞれが、照明器具601~606のそれぞれを制御できていない場合に、第1通信部150に向けて出力する信号である。つまり、照明器具601~606のそれぞれが光を放つことができなければ、Ctr子機501~506のそれぞれは、第2応答信号を第1通信部150に出力する。
【0049】
ここで、第1通信部150がCtr子機501~506のいずれかのCtr子機から第2応答信号を取得した場合には、第1検知部110は、当該Ctr子機が照明器具を制御できていないことを検知し、つまり、当該Ctr子機の故障を検知する。
【0050】
また、同様に、第1通信部150がCtr子機501~506のいずれかのCtr子機から第1及び第2応答信号の両方を取得しなかった場合には、第1検知部110は、当該Ctr子機に通信の問題があることを検知し、つまり、当該Ctr子機の故障を検知する。
【0051】
第1検知部110は、このように応答確認信号を用いる方法によって、Ctr子機501~506のいずれかの故障を検知するが、故障を検知する方法は上記に限られない。
【0052】
第1検知部110がCtr子機501~506のいずれかの故障を検知すると、情報処理部130は、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報に替えて、故障したCtr子機に、第3識別情報を付与する(S30)。
【0053】
さらに、情報処理部130は、BKCtr100に、第2識別情報に替えて、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報を付与する(S40)。
【0054】
S30及びS40の処理が行われることで、故障したCtr子機及びBKCtr100の両方に、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報を重複して付与することが防がれる。
【0055】
また、上述の通り、Ctr子機501~506のそれぞれは、照明制御情報と第1識別情報とに基づいて、照明器具601~606のそれぞれを制御する。故障したCtr子機には第1識別情報ではなく第3識別情報が付与されているため、故障したCtr子機は照明器具を制御しない。
【0056】
さらに、第1識別情報が付与されたBKCtr100は、照明制御情報と第1識別情報とに基づいて、照明器具を制御する(S50)。上述のように、BKCtr100には、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報が付与されているため、BKCtr100は、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御する。
【0057】
以上まとめると、本実施の形態に係る照明制御システム1においては、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、BKCtr100に故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報が付与される。このため、BKCtr100は、故障したCtr子機の替わりに、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0058】
また、S50の後に、BKCtr100の第1通信部150又はサーバ装置200の第2通信部220が、故障から回復するための信号を、故障したCtr子機に出力することで、故障したCtr子機の故障が回復する場合がある。この後においても、BKCtr100は、照明器具を制御してもよい。つまり、Ctr子機が故障から回復しても、BKCtr100は、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御し続けてもよい。なお、故障から回復するための信号とは、例えば、故障したCtr子機を再起動させるための信号である。
【0059】
また、BKCtr100が故障する場合もある。この場合、サーバ装置200の第2検知部210がBKCtr100の故障を検知してもよい。第2検知部210は、例えば、以下の方法で、BKCtr100の故障を検知する。
【0060】
例えば、サーバ装置200の第2記憶部230には、BKCtr100の第1記憶部120と同じく、対応情報が記憶されている。上記の通り、対応情報とは、Ctr子機501~506のそれぞれ、及び、Ctr子機501~506のそれぞれに付与されている第1識別情報が対応付けられた情報である。第2記憶部230と第1記憶部120とは、定期的に、対応情報を更新している。
【0061】
第1通信部150は、対応情報が更新される度に、第1記憶部120に記憶されている対応情報をサーバ装置200の第2通信部220に出力する。第2通信部220は、第1通信部150から出力された対応情報を取得する。
【0062】
ここで、第2検知部210は、対応情報に基づいて、BKCtr100が故障しているか否かを検知する。具体的には、第2検知部210は、第2通信部220が取得した対応情報(つまりはBKCtr100に記憶されていた対応情報)と第2記憶部230に記憶されている対応情報とを比較することで、BKCtr100が故障しているか否かを検知する。上記2つの対応情報が比較され一致する場合には、第2検知部210はBKCtr100の故障がないことを検知する。また、上記2つの対応情報が比較され一致しない場合には、第2検知部210はBKCtr100が対応情報を更新できていないため、BKCtr100が故障していることを検知する。
【0063】
さらに、第2検知部210がBKCtr100の故障を検知した場合、サーバ装置200の第2通信部220は、BKCtr100が故障から回復するための信号を出力する。BKCtr100が当該信号を取得することで、BKCtr100が故障から回復する。また、故障から回復したBKCtr100は、故障したCtr子機の替わりに、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。なお、故障から回復するための信号とは、例えば、故障したBKCtr100を再起動させるための信号である。
【0064】
さらに、以下では、
図2が示すS30及びS40についてより詳細に説明する。具体的には、サーバ装置200とCtr子機501~506及びBKCtr100との通信が、無線通信である第1例と有線通信である第2例とについて、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0065】
図3は、本実施の形態に係るBKCtr100に第1識別情報が付与される第1例を示す図である。
図4は、本実施の形態に係るBKCtr100に第1識別情報が付与される第2例を示す図である。
図3の(a)及び
図4の(a)には、S30及びS40の処理が行われる前の照明制御システム1が示され、
図3の(b)及び
図4の(b)には、S30及びS40の処理が行われた後の照明制御システム1が示されている。なお、
図3及び
図4においては、Ctr子機506が故障した例が示されており、簡単のためCtr子機501~505及び照明器具601~605は図示されていない。
【0066】
<第1例>
ここでは、サーバ装置200とCtr子機501~506及びBKCtr100との通信が無線通信である。つまり、上述のネットワークは、無線ネットワークであるため、ハブ装置301及び302として、無線ハブ装置301a及び302aが用いられている。
【0067】
第1例においては、S20で、第1検知部110がCtr子機506の故障を検知する。S30で、情報処理部130は、故障したCtr子機506に付与されていた第1識別情報に替えて、故障したCtr子機506に、第3識別情報を付与する。S40で、情報処理部130は、BKCtr100に、第2識別情報に替えて、故障したCtr子機506に付与されていた第1識別情報を付与する。
【0068】
ここでは、第1~3識別信号の一例として、IPアドレスが用いられている。なお、
図3及び後述する
図4においては、IPアドレスは、「IP」と記載されている。よって、S30では、故障したCtr子機506のIPアドレスは、「BBB.BBB.BBB.BBB」(第1識別情報)から「CCC.CCC.CCC.CCC」(第3識別情報)に変更される。S40では、BKCtr100のIPアドレスは、「AAA.AAA.AAA.AAA」(第2識別情報)から「BBB.BBB.BBB.BBB」(第1識別情報)に変更される。
【0069】
この結果、S50で、BKCtr100は、故障したCtr子機506が制御していた照明器具606を制御することができる。
【0070】
<第2例>
ここでは、サーバ装置200とCtr子機501~506及びBKCtr100との通信が有線通信である。つまり、上述のネットワークは、有線ネットワークであるため、ハブ装置301として有線上位ハブ装置301b、ハブ装置302として有線下位ハブ装置302bが用いられている。
【0071】
第2例においては、S20~S40で行われる処理は、第1例と同じである。
【0072】
ここでは、第1~3識別信号の一例として、IPアドレス、セグメント及びポートが用いられている。セグメントとは照明制御情報が出力される所定の領域を意味し、ポートとは有線上位ハブ装置301b及び有線下位ハブ装置302bにおける有線ケーブルが差し込まれる箇所である。
【0073】
第2例においては、S30では、故障したCtr子機506のIPアドレス及びセグメントのそれぞれは、「BBB.BBB.BBB.BBB」及び「X」(第1識別情報)から「CCC.CCC.CCC.CCC」及び「Z」(第3識別情報)に変更される。
【0074】
S40では、BKCtr100のIPアドレス及びセグメントのそれぞれは、「AAA.AAA.AAA.AAA」及び「Z」(第2識別情報)から「BBB.BBB.BBB.BBB」及び「X」(第1識別情報)に変更される。
【0075】
つまり、第2例が示すように、サーバ装置200とCtr子機501~506及びBKCtr100との通信が有線通信である場合は、IPアドレスに加えて、セグメントも変更される必要がある。
【0076】
この結果、S50で、BKCtr100は、故障したCtr子機506が制御していた照明器具606を制御することができる。
【0077】
また、上記第1例及び第2例においては、無線通信及び有線通信の一方が用いられている例が示されているが、これに限られない。つまり無線通信及び有線通信の両方が用いられている場合がある。この場合には、Ctr親機400と故障したCtr子機506との通信が無線通信及び有線通信のいずれかであるかが判断された後、第1例又は第2例が示す処理が実行される。
【0078】
なお、本実施の形態においては、Ctr子機501~506のいずれか1個のCtr子機が故障した例について説明されているが、これに限られない。つまり、第1検知部110はCtr子機501~506のうち複数のCtr子機の故障を検知し、情報処理部130は、BKCtr100に、第2識別情報に替えて、複数の故障したCtr子機のそれぞれに付与されていた第1識別情報を付与する。
【0079】
制御部140は、照明制御情報と、複数の故障したCtr子機のそれぞれに付与されていた第1識別情報とに基づいて、複数の故障したCtr子機のそれぞれが制御していた照明器具を制御する。つまり、複数のCtr子機が故障しても、BKCtr100は複数の照明器具を制御することができる。
【0080】
また、第1記憶部120には、BKCtr100が上記ネットワークに接続されている積算時間が記憶されてもよい。より具体的には、第1記憶部120には、Ctr子機501~506が故障しているか否かが第1検知部110によって検知されている時間が積算され記憶されてもよい。この時間は、第1検知部110が6個のCtr子機501~506の死活監視を行っている時間でもある。さらに、第1記憶部120には、BKCtr100が照明器具を制御している時間が積算され記憶されてもよい。換言すると、第1記憶部120には、BKCtr100がいずれかの処理を実行している時間が積算され記憶されてもよい。
【0081】
[効果など]
本実施の形態に係る照明制御システム1は、第1検知部110と、記憶部(第1記憶部120)と、情報処理部130とを備える。第1検知部110は、照明器具を制御するための照明制御情報と第1識別情報とに基づいて照明器具を制御するコントローラの故障を検知する。本実施の形態においては、複数のコントローラとしてCtr子機501~506が設けられている。情報処理部130は、Ctr子機501~506のいずれかの故障が検知された後に、BKCtr100に、第2識別情報に替えて第1識別情報を付与する。第1識別情報が付与されたBKCtr100(より具体的には、制御部140)は、照明制御情報と付与された第1識別情報とに基づいて、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御する。
【0082】
これにより、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる照明制御システム1が実現される。
【0083】
このような照明制御システム1が照明演出に用いられることで、例えば、故障したCtr子機を修理するための修理作業員は、Ctr子機の故障時に、充分に時間をかけてCtr子機を修理することが可能になる。
【0084】
また、例えば、照明制御システム1は、BKCtr100をさらに備える。BKCtr100には、第1検知部110と、第1記憶部120と、情報処理部130とが格納されている。
【0085】
これにより、BKCtr100を備える照明制御システム1において、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0086】
また、例えば、情報処理部130は、Ctr子機501~506のいずれかの故障が検知された後に、故障したCtr子機に、第1識別情報に替えて、ネットワークにおいて識別されるための第3識別情報を付与する。
【0087】
これにより、故障したCtr子機及びBKCtr100の両方に、故障したCtr子機に付与されていた第1識別情報を重複して付与することが防がれる。このため、BKCtr100は、より容易に、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0088】
また、例えば、BKCtr100(より具体的には、制御部140)は、故障したCtr子機が故障から回復した後も、照明制御情報と付与された第1識別情報とに基づいて照明器具を制御する。
【0089】
これにより、上記の修理作業員は、故障したCtr子機を修理することが必要でなくなり、省人化が可能となる。
【0090】
また、例えば、第1検知部110は、照明器具601~606のそれぞれを制御するCtr子機501~506のうち2以上のCtr子機の故障を検知する。情報処理部130は、BKCtr100に、第2識別情報に替えて、2以上の故障したCtr子機に付与された2以上の第1識別情報を付与する。BKCtr100(より具体的には、制御部140)は、2以上の故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御する。
【0091】
これにより、Ctr子機501~506のうち複数のCtr子機が故障しても、故障した複数のCtr子機のそれぞれが制御していた照明器具を制御することができる照明制御システム1が実現される。
【0092】
なお、Ctr子機501~506の全てが故障した場合、BKCtr100は、照明器具601~606の全てを制御する。
【0093】
また、例えば、照明制御システム1は、サーバ装置200をさらに備える。サーバ装置200は、BKCtr100の故障を検知する第2検知部210と、BKCtr100が故障から回復するための信号を出力する通信部(第2通信部220)とを有する。
【0094】
これにより、BKCtr100は故障しても回復し、故障から回復したBKCtr100は故障したCtr子機の替わりに、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0095】
また、例えば、第1記憶部120には、BKCtr100がネットワークに接続されている積算時間が記憶されている。
【0096】
これにより、BKCtr100が処理を実行している積算時間が第1記憶部120に記憶されているため、当該積算時間に応じて照明制御システム1のユーザが支払う料金を算出することが可能となる。
【0097】
また、例えば、ネットワークは、無線ネットワークである。
【0098】
これにより、ネットワークが無線ネットワークである照明制御システム1において、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0099】
また、例えば、ネットワークは、有線ネットワークである。
【0100】
これにより、ネットワークが有線ネットワークである照明制御システム1において、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができる。
【0101】
また、例えば、本実施の形態に係るBKCtr100は、第1検知部110と、記憶する記憶部(第1記憶部120)と、情報処理部130とを備える。第1識別情報が付与されたBKCtr100(より具体的には、制御部140)は、照明制御情報と付与された第1識別情報とに基づいて、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御する。
【0102】
これにより、Ctr子機501~506のいずれかが故障しても、故障したCtr子機が制御していた照明器具を制御することができるBKCtr100が実現される。
【0103】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0104】
例えば、上記実施の形態では、照明制御システム1は、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、照明制御システム1は、Ctr親機400に相当する単一の装置として実現されてもよい。照明制御システム1が複数の装置によって実現される場合、照明制御システム1が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、サーバ装置200が、第1検知部110と、第1記憶部120と、情報処理部130と、制御部140と、第1通信部150とを有してもよい。
【0105】
BKCtr100が有する構成要素の全ては、冗長化されているとよい。これにより、BKCtr100が有する構成要素の一部が故障しても、継続して稼働することができる場合がある。具体的には、第1検知部110、情報処理部130及び制御部140を構成する複数のマイクロコンピュータ又は複数のプロセッサなどが設けられているとよい。
【0106】
第1検知部110がCtr子機の故障を検知する方法として、応答確認信号を用いる方法が示された。このとき、Ctr子機が照明器具を制御できるか否かの判断は、以下の方法が用いられてもよい。
【0107】
一例として、まず、第1通信部150から応答確認信号を取得したCtr子機501~506のそれぞれは、照明器具601~606のそれぞれに第1出力信号を出力する。次に、第1出力信号を取得した照明器具601~606のそれぞれは、Ctr子機501~506のそれぞれに第2出力信号を出力する。
【0108】
このとき、Ctr子機501~506のうち第2出力信号を取得したCtr子機は、照明器具と通信可能であるため、照明器具を制御できるとみなされる。当該Ctr子機は、第1応答信号を第1通信部150に出力する。一方、Ctr子機501~506のうち第2出力信号を取得しなかったCtr子機は、照明器具と通信不可能であるため、照明器具を制御できないとみなされる。当該Ctr子機は、第2応答信号を第1通信部150に出力する。
【0109】
なお、Ctr子機及びBKCtr100の故障について、以下の処理が行われてもよい。第1通信部150は、第1検知部110がCtr子機501~506のいずれかの故障を検知したことを示す第1故障情報を、第2通信部220に出力する。さらに、第2記憶部230には、第2通信部220が取得した第1故障情報が記憶される。また、第2記憶部230には、第2検知部210がBKCtr100の故障を検知したことを示す第2故障情報が記憶される。第1故障情報及び第2故障情報は、照明制御システム1の履歴管理又は保守予測に利用されることができる。
【0110】
また、サーバ装置200において、照明制御システム1の起動時などに、Ctr子機501~506及びBKCtr100の故障を検知するためのプログラムが実行されるとよい。当該プログラムは、第1故障情報及び第2故障情報に基づく教師あり学習によって構築される機械学習モデルを含むとよい。
【0111】
また、実施の形態においては、1つのCtr子機と1つの照明器具とは1対1で対応したが、これに限られず、1つのCtr子機が複数の照明器具を制御してもよい。
【0112】
また、S30では、情報処理部130が故障したCtr子機に第3識別情報を付与したが、これに加えて以下の処理が行われてもよい。例えば、S30において、第1記憶部120及び第2記憶部230に記憶されている対応情報が更新される処理が行われる。このとき、対応情報は、故障したCtr子機と故障したCtr子機に付与された第3識別情報とが対応付けられるように更新される。
【0113】
実施の形態が示す通り、BKCtr100は故障したCtr子機の替わりに照明器具を制御することができる。さらに、Ctr親機400が故障した場合に、BKCtr100は、故障したCtr親機400の替わりにCtr親機400が行う上述の処理を行ってもよい。
【0114】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0115】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0117】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0118】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0119】
例えば、本発明は、照明制御システムなどのコンピュータが実行する照明制御方法として実現されてもよいし、このような照明制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、汎用のコンピュータを上記実施の形態の情報端末として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0120】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1 照明制御システム
100 BKCtr
110 第1検知部
120 第1記憶部
130 情報処理部
200 サーバ装置
210 第2検知部
220 第2通信部
501、502、503、504、505、506 Ctr子機
601、602、603、604、605、606 照明器具