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特許7511155端末装置、照明システムおよび照明システムのマッピング設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】端末装置、照明システムおよび照明システムのマッピング設定方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20240628BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240628BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240628BHJP
   H04M 1/724 20210101ALI20240628BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/105
H04M1/00 U
H04M1/724
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021038524
(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公開番号】P2022138573
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西保 和磨
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 朝
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220435(JP,A)
【文献】特開2019-032943(JP,A)
【文献】特許第6436722(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/19
H05B 47/105
H04M 1/00
H04M 1/724
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う通信部と、
複数の無線照明器具のそれぞれの位置に対応する複数のアイコン、および、前記複数の無線照明器具のそれぞれの固有アドレスを表示する表示部と、
前記通信部および前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数の無線照明器具のうちの所定の無線照明器具の前記アイコンと前記所定の無線照明器具の前記固有アドレスとを関連付けるマッピング入力を受け付けた場合に、前記通信部を介して取得した前記所定の無線照明器具の通信品質と、前記所定の無線照明器具の位置に対応する比較用の通信品質とを比べることで、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する
端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定の無線照明器具の通信品質の値と前記比較用の通信品質の値との差が予め決められた閾値以上である場合に、前記マッピング入力に誤りの可能性があると判断する
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、前記マッピング入力の再確認を促すメッセージを前記表示部に表示させる
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、前記マッピング入力に誤りの可能性がある前記無線照明器具の前記アイコンおよび前記固有アドレスの少なくとも一方を前記表示部に一覧表示させる
請求項2または3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記通信品質は、電波強度である
請求項1~4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通信部を介して取得した前記所定の無線照明器具の通信品質の値と前記比較用の通信品質の値との差に応じて、前記表示部に表示させる前記アイコンの色、形状および大きさの少なくとも1つを変更する
請求項1~5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記通信品質は、前記複数の無線照明器具が通信アクセスを行う無線アクセスポイントと前記所定の無線照明器具との電波強度であり、
前記制御部は、前記通信部を介して前記無線アクセスポイントから前記所定の無線照明器具の前記電波強度を取得する
請求項1~4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記比較用の通信品質の値は、前記無線アクセスポイントと前記所定の無線照明器具との距離に基づいて決まる値である
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記比較用の通信品質の値は、前記複数の無線照明器具のうち、前記所定の無線照明器具の周辺に位置する無線照明器具の通信品質によって決まる値である
請求項1~7のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記通信品質は、前記複数の無線照明器具が通信アクセスを行う前記端末装置と前記所定の無線照明器具との電波強度であり、
前記制御部は、前記端末装置の移動に伴って変化する前記複数の無線照明器具と前記端末装置との前記電波強度に基づいて、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する
請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
さらに、前記比較用の通信品質が記憶される記憶部を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して取得した前記所定の無線照明器具の通信品質と、前記記憶部に予め記憶された前記比較用の通信品質とを比べることで、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する
請求項1~10のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の端末装置と、
前記端末装置と通信する通信インターフェースと、
前記通信インターフェースと通信する複数の無線照明器具と、
を備える照明システム。
【請求項13】
複数の無線照明器具の位置情報と固有アドレスとを関連付けることで前記複数の無線照明器具を備える照明システムのマッピング設定を行う方法であって、
前記複数の無線照明器具のうちの所定の無線照明器具の前記位置情報と前記所定の無線照明器具の前記固有アドレスとを関連付けるマッピング入力を受け付けるステップと、
外部から取得した前記所定の無線照明器具の通信品質、および、前記所定の無線照明器具の位置に対応する比較用の通信品質を比べることで、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断するステップと、
を含む照明システムのマッピング設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムのマッピング設定を行う端末装置、この端末装置および無線照明器具を備える照明システム、および、照明システムのマッピング設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信を行う複数の無線照明器具を備えた照明システムが知られている。この種の照明システムの一例として、特許文献1には、複数の無線照明器具と、複数の無線照明器具の位置情報と固有アドレスとの関連付けを行う端末装置(設定器)と、を備えた照明システムが開示されている。この照明システムでは、端末装置の操作入力によって所定の無線照明器具の点灯状態を変更し、点灯状態が変更した無線照明器具の位置を人が確認することで、所定の無線照明器具の位置情報と固有アドレスとの関連付けを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-91637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように照明システムでは、端末装置を用いて無線照明器具の位置情報と固有アドレスとを関連付けるマッピング設定が行われる。しかしながら、特許文献1に記載された照明システムでは、例えば、点灯状態が変更した無線照明器具の位置の認識に誤りがあると、照明システムのマッピング設定に誤りが生じることがある。
【0005】
そこで、本発明は、照明システムのマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる端末装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置の一態様は、無線通信を行う通信部と、複数の無線照明器具のそれぞれの位置に対応する複数のアイコン、および、前記複数の無線照明器具のそれぞれの固有アドレスを表示する表示部と、前記通信部および前記表示部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の無線照明器具のうちの所定の無線照明器具の前記アイコンと前記所定の無線照明器具の前記固有アドレスとを関連付けるマッピング入力を受け付けた場合に、前記通信部を介して取得した前記所定の無線照明器具の通信品質と、前記所定の無線照明器具の位置に対応する比較用の通信品質とを比べることで、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する。
【0007】
本発明の照明システムの一態様は、上記記載の端末装置と、前記端末装置と通信する通信インターフェースと、前記通信インターフェースと通信する複数の無線照明器具と、を備える。
【0008】
本発明の照明システムのマッピング設定方法の一態様は、複数の無線照明器具の位置情報と固有アドレスとを関連付けることで前記複数の無線照明器具を備える照明システムのマッピング設定を行う方法であって、前記複数の無線照明器具のうちの所定の無線照明器具の前記位置情報と前記所定の無線照明器具の前記固有アドレスとを関連付けるマッピング入力を受け付けるステップと、外部から取得した前記所定の無線照明器具の通信品質、および、前記所定の無線照明器具の位置に対応する比較用の通信品質を比べることで、前記マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の端末装置等は、照明システムのマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】照明システムのマッピング設定を行う様子を示す図である。
図2】実施の形態1に係る照明システムを模式的に示す図である。
図3】実施の形態1に係る照明システムのブロック構成図である。
図4】実施の形態1に係る照明システムが備える無線照明器具および無線アクセスポイントの配置の一例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る端末装置を示す平面図である。
図6】実施の形態1において、端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図7】無線アクセスポイントと無線照明器具との間の通信品質の一例である電波強度を示す図である。
図8】マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図9】マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置に表示される画面の他の一例を示す図である。
図10】実施の形態1に係る照明システムのマッピング設定の一部を示すシーケンス図である。
図11図10に続き、照明システムのマッピング設定を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2に係る照明システムのマッピング設定を示すフローチャートである。
図13】実施の形態2において、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図14】実施の形態3に係る照明システムのブロック構成図である。
図15】実施の形態3に係る照明システムの端末装置に表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明に至る経緯)
照明システムは、無線通信を行う複数の無線照明器具と、複数の無線照明器具に対して各種の設定を行う端末装置とを備えている。複数の無線照明器具は、例えば建物の造営材(天井など)に設置される。
【0012】
造営材に設置された複数の無線照明器具を点灯制御するためには、各無線照明器具の位置情報および固有アドレスを把握する必要がある。そこで、複数の無線照明器具を建物に設置した後、各無線照明器具の位置情報と固有アドレスとを関連付けるマッピング設定が行われる。
【0013】
図1は、照明システム1のマッピング設定を行う様子を示す図である。この例では、建物の同じ階に2つの照明システム1、101が設けられている例について説明する。なおこの例は、実施の形態を理解するための一例であって、従来技術ではない。
【0014】
マッピング設定を行う作業者は、例えば、図1の(a)に示すように、端末装置10の画面上に表示されている無線照明器具30の固有アドレスuaを選択し、選択した固有アドレスuaに対応する無線照明器具30を点滅させることで、無線照明器具30の位置と固有アドレスuaとの関係を知る。そして作業者は、画面上において、選択した固有アドレスuaをドラッグ(drag)して無線照明器具30に対応するアイコン18に重ねることで、無線照明器具30の位置情報と固有アドレスuaとの関連付けを行う。
【0015】
ここで、一方の照明システム1および他方の照明システム101のマッピング設定を、一方の端末装置10および他方の端末装置110のそれぞれを用いて同時に行う場合について説明する。この場合、他方の照明システム101の無線照明器具130の作動によって、一方の照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることがある。例えば、図1の(b)に示すように、他方の端末装置110の操作入力により点滅した無線照明器具130を、一方の照明システム1の点滅指示により点滅させた無線照明器具30であると作業者が勘違いし、誤って無線照明器具130に対応するアイコン118にマッピング設定を行うことがある。マッピング設定に誤りがあると、誤って設定された無線照明器具30または130を探すために、複数の無線照明器具を1台ずつ点滅させて確認する必要があり、多大な労力を有する。
【0016】
それに対し、本実施の形態の端末装置10等は、以下に示す構成を有することにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制することができる。
【0017】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本発明の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
【0018】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0019】
(実施の形態1)
[1-1.照明システムの全体構成]
実施の形態1に係る照明システム1の全体構成について、図2および図3を参照しながら説明する。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る照明システム1を模式的に示す図である。図3は、照明システム1のブロック構成図である。
【0021】
本実施の形態に係る照明システム1は、複数の無線照明器具30と、通信インターフェース40と、端末装置10とを備える。
【0022】
複数の無線照明器具30と通信インターフェース40とは、無線r1によって通信可能となっている。無線r1による通信方式としては、920MHz帯の周波数を利用した特定小電力無線、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または、WiFi(登録商標)などの方式が用いられる。
【0023】
通信インターフェース40と端末装置10とは、無線r2によって通信可能となっている。無線r2による通信方式としては、WiFi(登録商標)などの方式が用いられる。
【0024】
通信インターフェース40は、無線アクセスポイント41および無線コントローラ42によって構成されている。無線アクセスポイント41は、複数の無線照明器具30が通信アクセスを行うための装置であり、無線r1によって複数の無線照明器具30に通信接続されている。無線コントローラ42は、無線r2によって端末装置10に通信接続されている。無線アクセスポイント41および無線コントローラ42は、互いに有線接続されている。
【0025】
なお、無線アクセスポイント41および無線コントローラ42は、無線によって通信接続されていてもよい。通信インターフェース40は、照明システム1の作動を管理する管理サーバに通信接続されていてもよい。図2および図3では、通信インターフェース40が、無線アクセスポイント41および無線コントローラ42によって構成されているが、それに限られない。例えば、通信インターフェース40は、無線アクセスポイント41のみによって構成され、無線アクセスポイント41と端末装置10とが無線r2で通信可能であってもよい。
【0026】
[1-2.無線照明器具、通信インターフェースおよび端末装置の構成]
上記の照明システム1が備える複数の無線照明器具30、通信インターフェース40および端末装置10の構成について、図2図9を参照しながら説明する。
【0027】
図4は、照明システム1が備える無線照明器具30および無線アクセスポイント41の配置の一例を示す図である。
【0028】
無線照明器具30は、例えばLEDライトであり、建物の造営材に設置される。図4には、18台の無線照明器具30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30i、30j、30k、30L、30m、30n、30o、30p、30qおよび30rが示されているが、これに限られず、無線照明器具30は造営材に100台以上設置されてもよい。以下、複数の無線照明器具30a~30rの全部または1つを指して無線照明器具30と呼ぶ場合がある。
【0029】
図3に示すように、無線照明器具30は、通信部31と、計測部33と、点灯部37と、制御部35とを備えている。
【0030】
通信部31は、アンテナを含む無線モジュールなどによって構成されている。通信部31は、無線r1にて通信インターフェース40の無線アクセスポイント41と通信する。点灯部37は、例えば、白色光、赤色光、緑色光または青色光を発する複数の発光ダイオードなどの光源を含む。
【0031】
制御部35は、マイクロプロセッサおよびメモリなどにより構成されている。制御部35は、例えば端末装置10および通信インターフェース40から送信された制御信号に基づいて、通信部31、計測部33および点灯部37の動作を制御する。メモリには、無線照明器具30自身の固有アドレスuaが記憶されている。固有アドレスuaは、MACアドレス(Media Access Control address)であってもよいし、通信用のアドレスであってもよい。
【0032】
計測部33は、無線照明器具30における電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を計測する検出装置である。計測部33は、無線アクセスポイント41から送信された信号の電波強度を計測する。電波強度は、後述する通信品質Q1の一例である。電波強度は、所定期間における平均の電波強度であってもよい。計測部33で計測した電波強度は、無線照明器具30の固有アドレスuaとともに、通信部31を介して通信インターフェース40に送信される。
【0033】
通信インターフェース40は、無線照明器具30と同様に、造営材に設置される。本実施の形態では、通信インターフェース40の無線アクセスポイント41は、造営材に固定されている。
【0034】
通信インターフェース40は、無線照明器具30および端末装置10を繋ぐ通信装置である。例えば、通信インターフェース40は、端末装置10から送信された無線照明器具30の点灯指示信号を、無線照明器具30が読み取り可能な信号に変換し、無線照明器具30に送信する。また、通信インターフェース40は、各無線照明器具30から送信された電波強度および固有アドレスuaなどの情報を含む信号を、端末装置10が読み取り可能な信号に変換し、端末装置10に送信する。
【0035】
なお上記では、無線照明器具30が電波強度を計測する例を示したが、それに限られない。例えば、無線アクセスポイント41が計測部を有し、この計測部を用いて、無線照明器具30から送信された信号の電波強度を計測してもよい。
【0036】
端末装置10は、通信インターフェース40を介して、無線照明器具30の点灯制御を行う装置である。本実施の形態では、この端末装置10を用いて、複数の無線照明器具30の位置情報ipと固有アドレスuaとを関連付けるマッピング設定が行われる。
【0037】
図5は、端末装置10を示す平面図である。
【0038】
図3および図5に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部17と、制御部15と、記憶部16と、を備えている。端末装置10は、例えば、タブレット端末または携帯端末である。
【0039】
通信部11は、アンテナを含む無線モジュールなどにより構成されている。通信部11は、無線r2によって通信インターフェース40と通信する。
【0040】
図6は、端末装置10の表示部17に表示される画面の一例を示す図である。
【0041】
表示部17は、図6に示すように、建物内における複数の無線照明器具30のそれぞれの位置に対応する複数のアイコン18を表示する。複数のアイコン18の位置関係は、造営材に設置されている複数の無線照明器具30の位置関係と同じになっている。例えば、複数の無線照明器具30が3行6列で配列されている場合、複数のアイコン18も3行6列で表示部17に表示される。また、表示部17は、複数のアイコン18のそれぞれに、複数の無線照明器具30の位置を示す位置情報ipを表示する。図6の表示部17には、照明システム1が備える無線照明器具30のアイコン18が示されているが、さらに、他方の照明システム101(図1参照)の無線照明器具のアイコンが表示されていてもよい。
【0042】
また、表示部17は、複数の無線照明器具30のそれぞれの固有アドレスuaを表示する。各固有アドレスuaは、例えば、表示部17内の一部の領域に一覧表示される。
【0043】
表示部17は、例えばタッチパネルであり、各種の操作入力を受け付ける入力部としての機能も有している。例えば、表示部17は、マッピング設定の対象とする所定の無線照明器具30を点滅させるためのキー操作入力を受け付けると、このキー操作入力を受け付けたことを示す信号を制御部15に出力する。
【0044】
制御部15は、例えばマイクロプロセッサによって構成されている。制御部15は、通信部11、表示部17および記憶部16を制御する。制御部15は、表示部17を介して上記のキー操作入力を受け付けると、通信部11を介して、所定のアイコン18に対応する無線照明器具30を点滅させる点滅指示信号を送信する。また、制御部15は、各無線照明器具30から出力された各通信品質Q1に関する情報を、通信インターフェース40を介して取得し、各通信品質Q1に関する情報を表示部17に表示させる。通信品質Q1は、例えば、無線アクセスポイント41と各無線照明器具30との間の電波強度である。表示部17に表示される通信品質Q1に関する情報は、電波強度の値であってもよいし、電波の強さを示す電波マークであってもよい。
【0045】
記憶部16は、メモリ、および、メモリに格納されたプログラムなどによって構成されている。記憶部16には、建物内の地図情報(レイアウト情報)が保存されている。具体的には、記憶部16には、複数の無線照明器具30および無線アクセスポイント41の位置情報ipが保存されている。位置情報ipは、例えば、建物内における複数の無線照明器具30および無線アクセスポイント41の位置座標である。位置情報ipには、各無線照明器具30と無線アクセスポイント41との距離に関する情報が含まれていてもよい。なお、各無線照明器具30と無線アクセスポイント41との距離は、制御部15の演算によって求められてもよい。
【0046】
また、記憶部16には、各無線照明器具30の固有アドレスuaが保存されている。ただし、照明システム1のマッピング設定が行われる前は、位置情報ipと固有アドレスuaとの関連付けはされていない。位置情報ipおよび固有アドレスuaは、マッピング設定作業が行われることで関連付けされる。
【0047】
また、記憶部16には、各無線照明器具30の通信品質Q1を評価するための比較用の通信品質Qr、および、閾値Qthが保存されている。比較用の通信品質Qrおよび閾値Qthについては後述する。
【0048】
ここで、照明システム1のマッピング設定を行う場面を説明しながら、照明システム1の各構成についてさらに詳しく説明する。
【0049】
制御部15は、表示部17に表示された所定のアイコン18のキー操作入力を受け付けると、通信部11を介して、所定のアイコン18に対応する無線照明器具30を点滅させる点滅指示信号を送信する。無線照明器具30は、通信インターフェース40を介して点滅指示信号を受け付け、点滅指示信号に基づいて点滅を行う。マッピング設定を行う作業者は、点滅した無線照明器具30の位置を確認し、端末装置10に対する入力を行う。
【0050】
端末装置10では、例えば、表示部17の固有アドレスuaをドラッグしてアイコン18に重ねることで、無線照明器具30の位置情報ipと固有アドレスuaとの関連付けが行われる。このように制御部15は、表示部17を介して、複数の無線照明器具30のうちの所定の無線照明器具の位置情報ipと所定の無線照明器具30の固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付ける。
【0051】
制御部15は、このマッピング入力を受け付けた場合に、通信部11を介して取得した所定の無線照明器具30の通信品質Q1と、所定の無線照明器具30の位置に対応する比較用の通信品質Qrとを比べることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する。具体的に制御部15は、所定の無線照明器具30の通信品質Q1の値(評価値)と比較用の通信品質Qrの値(評価値)との差が予め決められた閾値Qth以上である場合に、マッピング入力に誤りの可能性があると判断する。なお、比較用の通信品質Qrの値は、記憶部16に予め記憶されている値であり、閾値Qthは、通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差の許容値である。
【0052】
図7は、無線アクセスポイント41と無線照明器具30との間の通信品質Q1の一例である電波強度を示す図である。図7の横軸には、無線アクセスポイント41と無線照明器具30との距離が示され、縦軸には、無線アクセスポイント41と無線照明器具30との間の電波強度(電波減衰量)が示されている。また同図には、理論上の電波減衰モデルが示されている。同図に示すように、無線アクセスポイント41と無線照明器具30との距離が長くなるほど、電波強度は弱くなる。
【0053】
本実施の形態では、この電波減衰モデルを用いて、比較用の通信品質Qrの値および閾値Qthを決定する。ただし、電波強度は、無線アクセスポイント41と無線照明器具30との距離によって異なるので、比較用の通信品質Qrの値および閾値Qthは、上記の距離に応じて決定される。
【0054】
例えば、無線アクセスポイント41から距離10mに位置する無線照明器具30を見ると、理論上の電波強度が-52dBmとなっている。この場合、距離10mに位置する実際の無線照明器具30の通信品質Q1を評価するために比べる比較用の通信品質Qrは、-52dBmとなる。
【0055】
閾値Qthは、所定の距離を基準としてプラスマイナス(±)5mの位置における電波強度に基づいて決められる。例えば、距離10mを基準としてプラスマイナス(±)5mの位置における電波強度は、マイナス距離側が-46dBmであり、プラス距離側が-56dBmである。この例における閾値Qthは、マイナス距離側(電波強度が強くなる方向)が6dBm、プラス距離側(電波強度が弱くなる方向)が4dBmとなる。
【0056】
このように、制御部15は、所定の無線照明器具30の通信品質Q1が特異である場合に、マッピング入力に誤りの可能性があると判断する。そして、制御部15は、マッピング入力に誤りの可能性があることを、表示部17を用いて作業者等に通知する。
【0057】
図8は、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置10に表示される画面の一例を示す図である。
【0058】
図8には、作業者に対して無線照明器具30の点灯確認を再度行うように促すメッセージ19が表示されている。このように制御部15は、マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、マッピング入力の再確認を促すメッセージ19を表示部17に表示させてもよい。
【0059】
図9は、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置10に表示される画面の他の一例を示す図である。
【0060】
図9には、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具30に対応するアイコン18が一覧表示されている。このように制御部15は、マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、誤りの可能性がある無線照明器具30に対応するアイコン18および固有アドレスuaの少なくとも一方を表示部17に一覧表示させてもよい。
【0061】
マッピング設定を行う作業者は、この表示部17の表示に基づいて、マッピング入力の再入力を行ってもよい。具体的には、マッピング設定を再び行う無線照明器具30のアイコン18に触れることで、無線照明器具30を点滅させ、点滅した無線照明器具に対してマッピング設定を再び行ってもよい。
【0062】
本実施の形態に係る端末装置10では、所定の無線照明器具30のアイコン18と固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付けた場合に、所定の無線照明器具30の通信品質Q1と、比較用の通信品質Qrとを比べることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する。これによれば、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等に通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0063】
[1-3.照明システムのマッピング設定方法]
実施の形態に係る照明システム1のマッピング設定方法について、図10および図11を参照しながら説明する。なお、この例では、照明システム1と異なる他の照明システムを他方の照明システム101と呼び、他方の照明システム101に含まれる無線照明器具を無線照明器具130と呼び、他方の照明システム101のマッピング設定をする端末装置を端末装置110と呼ぶ。
【0064】
図10は、照明システム1のマッピング設定の一部を示すシーケンス図である。
【0065】
まず、照明システム1の端末装置10は、表示部17に表示された所定のアイコン18のキー操作入力を受け付けると(ステップS11)。通信部11を介して、所定のアイコン18に対応する無線照明器具(例えば30h)を点滅させる点滅指示信号を送信する(ステップS12)。無線照明器具30hは、通信インターフェース40を介して点滅指示信号を受け付け、点滅指示信号に基づいて点滅を行う(ステップS13)。
【0066】
他方の照明システム101の端末装置110は、表示部に表示された所定のアイコンのキー操作入力を受け付けると(ステップS21)。通信部を介して、所定のアイコンに対応する無線照明器具130を点滅させる点滅指示信号を送信する(ステップS22)。無線照明器具130は、通信インターフェースを介して点滅指示信号を受け付け、点滅指示信号に基づいて点滅を行う(ステップS23)。
【0067】
ここでマッピング設定を行う作業者は、点滅した無線照明器具30hの位置を確認し、端末装置10への入力を行う。しかし、作業者が、他方の照明システム101のマッピング設定により点滅した無線照明器具130を、照明システム1の点滅指示により点滅させた無線照明器具30hであると勘違いすると、無線照明器具30hまたは130に誤ったマッピング入力が行われることがある(ステップS31)。そこで本実施の形態では、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制するため、以下のステップが実行される。
【0068】
図11は、図10に続き、照明システム1のマッピング設定を示すフローチャートである。
【0069】
まず、端末装置10は、複数の無線照明器具30のうちの所定の無線照明器具30hの位置情報ipと所定の無線照明器具30hの固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付ける(図10のステップS31と同じ)。具体的には、表示部17の固有アドレスuaをドラッグしてアイコン18に重ねることで、無線照明器具30hの位置情報ipと固有アドレスuaとの関連付けが行われる。
【0070】
端末装置10は、外部から取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1と、所定の無線照明器具30hの位置に対応する比較用の通信品質Qrとを比べる。具体的には、端末装置10は、所定の無線照明器具30hの通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が予め決められた閾値Qth以上であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0071】
端末装置10は、通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が閾値Qthよりも小さい場合(S32にてNo)、マッピング入力に誤りの可能性がないと判断し、この無線照明器具30hに対してのマッピング設定を終了する。
【0072】
端末装置10は、通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が閾値Qth以上である場合(S32にてYes)、マッピング入力に誤りの可能性があると判断し、表示部17にマッピング入力の再確認を促すメッセージ19を表示する(ステップS33)(図8参照)。作業者は、メッセージ19に基づいて、無線照明器具30を再度点滅させるか否かを判断する。
【0073】
端末装置10は、ステップS33の画面にて、無線照明器具30を再度点滅するか、それとも、再度の点滅をキャンセルするかのいずれかの入力を受け付ける(ステップS34)。
【0074】
端末装置10は、「キャンセル」の入力を受け付けると、マッピング設定の再確認の必要がないと判断し、無線照明器具30hに対してのマッピング設定を終了する。
【0075】
端末装置10は、「再度点滅」の入力を受け付けると、通信部11および通信インターフェース40を介して無線照明器具30hを再度点滅させる(ステップS35)。
【0076】
次に端末装置10は、表示部17にマッピング設定の解除の要否を確認するメッセージ19を表示する(ステップS36)。マッピング設定を行う作業者は、点滅した無線照明器具30hの位置を確認し、マッピング設定の解除の要否を判断する。
【0077】
端末装置10は、ステップS36の画面にて、マッピング設定を解除するか、それとも、解除しないかのいずれかの入力を受け付ける(ステップS37)。
【0078】
端末装置10は、「解除しない」の入力を受け付けると、マッピング設定の解除を行う必要がないと判断し、無線照明器具30hに対してのマッピング設定を終了する。
【0079】
端末装置10は、「解除する」の入力を受け付けると、すでに設定されたマッピング設定を解除する(ステップS38)。そして、ステップS11に戻り、照明システム1のマッピング設定をやり直す。
【0080】
無線照明器具30hと異なる他の無線照明器具についても同様にステップS11~S38が実行される。これらのステップS11~S38が実行されることで、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制することができる。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る照明システム1Aについて、図12および図13を参照しながら説明する。実施の形態2では、比較用の通信品質Qrが、所定の無線照明器具30hの周辺に位置する無線照明器具の通信品質である場合を例に挙げて説明する。
【0082】
ステップS11~S23は、実施の形態1と同様であるので、ここではステップS31以降について説明する。
【0083】
図12は、実施の形態2に係る照明システム1Aのマッピング設定を示すフローチャートである。なお、図12のフローチャート自体は、図11と同じである。
【0084】
図12に示すように、端末装置10Aは、複数の無線照明器具30のうちの所定の無線照明器具(例えば30h)の位置情報ipと所定の無線照明器具30hの固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付ける(ステップS31)。
【0085】
端末装置10Aは、外部から取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1と、所定の無線照明器具30hの位置に対応する比較用の通信品質Qrとを比べる。
【0086】
実施の形態2における比較用の通信品質Qrの値は、例えば、マッピング設定の対象である無線照明器具30hの周辺に位置する無線照明器具30a、30b、30c、30g、30i、30m、30n、30oの通信品質Q1(図13参照)によって決まる値である。比較用の通信品質Qrの値は、例えば、複数の無線照明器具30b、30g、30i、30nの通信品質Q1の平均値である。閾値Qthは、例えば、複数の無線照明器具30b、30g、30i、30nの通信品質Q1の平均値と最大値と差、または、平均値と最小値との差によって決められる。なお、比較用の通信品質Qrの値は、無線アクセスポイント41に対する距離が所定の無線照明器具30hにもっと近い無線照明器具(例えば30m)の通信品質Q1の値であってもよい。
【0087】
端末装置10Aは、所定の無線照明器具30hの通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が予め決められた閾値Qth以上であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0088】
通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrとの差が閾値Qthよりも小さい場合(S32にてNo)、端末装置10Aは、マッピング入力に誤りの可能性がないと判断し、この無線照明器具30hに対してのマッピング設定を終了する。
【0089】
通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が閾値Qth以上である場合(S32にてYes)、端末装置10Aは、マッピング入力に誤りの可能性があると判断し、表示部17にマッピング入力の再確認を促すメッセージ19を表示する(ステップS33)。以降のステップは、実施の形態1と同様である。
【0090】
なお、端末装置10Aは、無線照明器具30b、30g、30h、30i、30nに対応するアイコン18の表示を変更してもよい。
【0091】
図13は、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、端末装置10Aに表示される画面の他の一例を示す図である。端末装置10Aの制御部15は、通信部11を介して取得した所定の無線照明器具30b、30g、30h、30i、30nの通信品質Q1と比較用の通信品質Qrとの差に応じて、表示部17に表示させるアイコン18の色、形状および大きさの少なくとも1つを変更してもよい。図13では、アイコン18の色の違いをハッチングの違いで示している。これによれば、作業者は、画面上において、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具30を簡易に見つけることができる。
【0092】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る照明システム1Bについて、図14および図15を参照しながら説明する。実施の形態3では、無線アクセスポイント41に関する機能が端末装置10Bに含まれ、端末装置10Bが移動自在である例について説明する。
【0093】
図14は、実施の形態3に係る照明システム1Bのブロック構成図である。
【0094】
実施の形態3に係る照明システム1Bは、複数の無線照明器具30と、端末装置10Bとを備える。複数の無線照明器具30と端末装置10Bとは、無線r2によって通信可能となっている。端末装置10Bは、実施の形態1の通信インターフェース40と同じ機能を備えている。端末装置10Bは、建物内において、異なる位置に移動自在である。
【0095】
図15は、照明システム1Bの端末装置10Bに表示される画像の一例を示す図である。図15の(a)には、端末装置10Bが、照明システム1Bの中央である無線照明器具30o、30pの近傍に配置され、図15の(b)には、端末装置10Bが、照明システム1Bの右端である無線照明器具30rの近傍に配置されている例が示されている。
【0096】
本実施の形態における通信品質Q1は、複数の無線照明器具30が通信アクセスを行う端末装置10Bと所定の無線照明器具との電波強度である。制御部15は、端末装置10Bの移動に伴って変化する複数の無線照明器具30と端末装置10Bとの電波強度に基づいて、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する。
【0097】
例えば、マッピング入力に誤りがある無線照明器具を無線照明器具30rであるとした場合、図15の(a)のように端末装置10Bが照明システム1Bの中央に位置するときは、周辺に位置する無線照明器具30L、30qなどとの電波強度の差が小さく、無線照明器具30rに誤りがあることを見つけにくい。そこで、図15の(b)のように端末装置10Bを照明システム1Bの右側に移動させると、周辺に位置する無線照明器具30L、30qなどの電波強度が強くなるにもかかわらず、無線照明器具30rの電波強度が弱いままとなり、無線照明器具30rのマッピング入力に誤りの可能性があることを見つけることができる。
【0098】
また、端末装置10Bは、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具30rを見つける場合に、無線照明器具30rと周りの無線照明器具30L、30qとの間で電波強度に差がでるように、自身が移動すべき方向を表示部17に表示してもよい。
【0099】
(まとめ)
本実施の形態に係る端末装置10は、無線通信を行う通信部11と、複数の無線照明器具30のそれぞれの位置に対応する複数のアイコン18、および、複数の無線照明器具30のそれぞれの固有アドレスuaを表示する表示部17と、通信部11および表示部17を制御する制御部15と、を備える。制御部15は、複数の無線照明器具30のうちの所定の無線照明器具(例えば30h)のアイコン18と所定の無線照明器具30hの固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付けた場合に、通信部11を介して取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1と、所定の無線照明器具30hの位置に対応する比較用の通信品質Qrとを比べることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断する。
【0100】
これによれば、例えば、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等へ通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0101】
また、制御部15は、所定の無線照明器具30hの通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差が予め決められた閾値Qth以上である場合に、マッピング入力に誤りの可能性があると判断してもよい。
【0102】
これによれば、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かの判断の正確さを高めることができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0103】
また、制御部15は、マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、マッピング入力の再確認を促すメッセージ19を表示部17に表示させてもよい。
【0104】
このように、マッピング入力の再確認を促すメッセージ19を表示することで、マッピング入力に誤りの可能性があることを作業者に知らせることができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0105】
また、制御部15は、マッピング入力に誤りの可能性があると判断した場合に、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具30のアイコン18および固有アドレスuaの少なくとも一方を表示部17に一覧表示させてもよい。
【0106】
これによれば、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具30を作業者に知らせることができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0107】
また、通信品質Q1は、電波強度であってもよい。
【0108】
これによれば、電波強度に基づいて、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断することができる。そして、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等へ通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0109】
また、制御部15は、通信部11を介して取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1の値と比較用の通信品質Qrの値との差に応じて、表示部17に表示させるアイコン18の色、形状および大きさの少なくとも1つを変更してもよい。
【0110】
これによれば、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具をわかりやすく作業者に知らせることができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0111】
また、通信品質Q1は、複数の無線照明器具30が通信アクセスを行う無線アクセスポイント41と所定の無線照明器具30hとの電波強度であり、制御部15は、通信部11を介して無線アクセスポイント41から所定の無線照明器具30hの電波強度を取得してもよい。
【0112】
これによれば、無線アクセスポイント41から取得した電波強度に基づいて、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断することができる。そして、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等へ通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0113】
また、比較用の通信品質Qrの値は、無線アクセスポイント41と所定の無線照明器具30hとの距離に基づいて決まる値であってもよい。
【0114】
このように、上記の距離によって比較用の通信品質Qrの値を決めることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かの判断の正確さを高めることができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0115】
また、比較用の通信品質Qrの値は、複数の無線照明器具30のうち、所定の無線照明器具30hの周辺に位置する無線照明器具の通信品質Q1の値に基づいて決まる値であってもよい。
【0116】
このように、周辺に位置する無線照明器具の通信品質Q1によって比較用の通信品質Qrの値を決めることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かの判断の正確さを高めることができる。これにより、照明システム1Aのマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0117】
また、通信品質Q1は、複数の無線照明器具30が通信アクセスを行う端末装置10Bと所定の無線照明器具との電波強度であり、制御部15は、端末装置10Bの移動に伴って変化する複数の無線照明器具30と端末装置10Bとの電波強度に基づいて、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断してもよい。
【0118】
このように、端末装置10Bを移動させたときの電波強度に基づいて、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断することで、例えば、電波強度に差がない場合であっても、マッピング入力に誤りの可能性がある無線照明器具を見つけることができる。これにより、照明システム1Bのマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0119】
また、端末装置10は、さらに、比較用の通信品質Qrが記憶される記憶部16を備え、制御部15は、通信部11を介して取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1と、記憶部16に予め記憶された比較用の通信品質Qrとを比べることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断してもよい。
【0120】
これによれば、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かの判断を安定して行うことができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0121】
本実施の形態に係る照明システム1は、上記の端末装置10と、端末装置10と通信する通信インターフェース40と、通信インターフェース40と通信する複数の無線照明器具30と、を備える。
【0122】
この照明システム1によれば、例えば、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等へ通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0123】
本実施の形態に係る照明システムのマッピング設定方法は、複数の無線照明器具30の位置情報ipと固有アドレスuaとを関連付けることで複数の無線照明器具30を備える照明システム1のマッピング設定を行う方法であって、複数の無線照明器具30のうちの所定の無線照明器具(例えば30h)の位置情報ipと所定の無線照明器具30hの固有アドレスuaとを関連付けるマッピング入力を受け付けるステップと、外部から取得した所定の無線照明器具30hの通信品質Q1、および、所定の無線照明器具30hの位置に対応する比較用の通信品質Qrを比べることで、マッピング入力に誤りの可能性があるか否かを判断するステップと、を含む。
【0124】
この方法によれば、例えば、マッピング入力に誤りの可能性がある場合に、マッピング入力の正誤を確認するように作業者等へ通知することができる。これにより、照明システム1のマッピング設定に誤りが生じることを抑制できる。
【0125】
(その他の形態)
以上、端末装置、照明システムおよび照明システムのマッピング設定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0126】
また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0129】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0130】
例えば、本発明は、上記実施の形態の操作端末が行う処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このようなプログラムには、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末(操作端末の一例)にインストールされるアプリケーションプログラムが含まれる。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1、1A、1B 照明システム
10、10A、10B 端末装置
11 通信部
15 制御部
16 記憶部
17 表示部
18 アイコン
19 メッセージ
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30i、30j、30k、30L、30m、30n、30o、30p、30q、30r 無線照明器具
40 通信インターフェース
41 無線アクセスポイント
ip 位置情報
ua 固有アドレス
Q1 通信品質
Qr 比較用の通信品質
Qth 閾値
r1、r2 無線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15