(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】運転分析方法、プログラム、運転分析システム、及び提示装置
(51)【国際特許分類】
D06F 33/30 20200101AFI20240628BHJP
【FI】
D06F33/30
(21)【出願番号】P 2021568413
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 JP2021024633
(87)【国際公開番号】W WO2022180880
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2021029306
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】米田 友花
(72)【発明者】
【氏名】西村 亮
(72)【発明者】
【氏名】中曾 麻理子
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076627(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0118749(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第112323343(CN,A)
【文献】特開2017-134635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0258029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
D06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の運転履歴を取得する第1取得ステップと、
少なくとも前記洗濯機のユーザの行動予定を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップが取得した前記運転履歴に基づいて、前記ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する立案ステップと、
前記第2取得ステップが取得した前記行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する分析ステップと、を含み、
前記立案ステップでは、前記分析ステップの分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する、
運転分析方法。
【請求項2】
前記立案ステップが立案した前記運転計画、及び前記第2取得ステップが取得した前記行動予定を前記ユーザに提示する提示ステップを更に含む、
請求項1に記載の運転分析方法。
【請求項3】
前記提示ステップでは、所定期間における前記運転計画及び前記行動予定を前記ユーザに提示する、
請求項2に記載の運転分析方法。
【請求項4】
前記運転計画は、前記洗濯機が運転を実行する時間帯を含む、
請求項2又は3に記載の運転分析方法。
【請求項5】
前記提示ステップでは、前記洗濯機に関する付加情報を更に前記ユーザに提示する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の運転分析方法。
【請求項6】
前記分析ステップでは、前記提示ステップが提示した前記運転計画に対する前記ユーザの修正結果に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する、
請求項2~5のいずれか1項に記載の運転分析方法。
【請求項7】
前記洗濯機の運転に関する属性情報を取得する第3取得ステップを更に含み、
前記立案ステップでは、前記第3取得ステップが取得した前記属性情報に更に基づいて、前記運転計画を立案する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の運転分析方法。
【請求項8】
前記分析ステップでは、前記第2取得ステップが取得した前記行動予定に基づいて、前記ユーザが不定期に行う臨時運転が発生するか否かを予測する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の運転分析方法。
【請求項9】
洗濯機の運転履歴を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップが取得した前記運転履歴に基づいて、
ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する立案ステップと、
少なくとも前記洗濯機の
前記ユーザの行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する分析ステップと、を含み、
前記立案ステップでは、前記分析ステップの分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する、
運転分析方法。
【請求項10】
1以上のプロセッサに、
請求項1~9のいずれか1項に記載の運転分析方法を実行させる、
プログラム。
【請求項11】
洗濯機の運転履歴を取得する第1取得部と、
少なくとも前記洗濯機のユーザの行動予定を取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記運転履歴に基づいて、前記ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する立案部と、
前記第2取得部が取得した前記行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する分析部と、を備え、
前記立案部は、前記分析部の分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する、
運転分析システム。
【請求項12】
請求項11に記載の前記運転分析システムとの間で通信する通信機能と、
前記通信機能により前記立案部が立案した前記運転計画、及び前記第2取得部が取得した前記行動予定を含む信号を受信すると、当該運転計画及び当該行動予定を前記ユーザに提示する提示機能と、を有する、
提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機の運転を分析する運転分析方法、プログラム、運転分析システム、及び提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インテリジェント衣類洗濯制御システムを開示する。このシステムは、インテリジェント端末に搭載される洗濯プログラムモジュールと、取得モジュールと、処理モジュールと、推薦モジュールと、通信モジュールと、クラウドに搭載されるサーバとを少なくとも含む。上記端末は、サーバと通信接続される。洗濯プログラムモジュールは、少なくとも1つの洗濯プログラムを含む。取得モジュールは、洗濯プログラムの洗濯記録を取得する。処理モジュールは、分析を行うサーバに洗濯記録を送信する。サーバは洗濯記録を分析し、さらにビッグデータを利用し、洗濯記録に適合する洗濯提案を得て、推薦モジュールに送信する。推薦モジュールは、サーバが送信した洗濯提案を端末インタフェースに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザによる洗濯機の運転の態様を把握しやすい運転分析方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る運転分析方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、立案ステップと、分析ステップと、を含む。前記第1取得ステップでは、洗濯機の運転履歴を取得する。前記第2取得ステップでは、少なくとも前記洗濯機のユーザの行動予定を取得する。前記立案ステップでは、前記第1取得ステップが取得した前記運転履歴に基づいて、前記ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する。前記分析ステップでは、前記第2取得ステップが取得した前記行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する。前記立案ステップでは、前記分析ステップの分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する。
【0006】
本開示の一態様に係る運転分析方法は、第1取得ステップと、立案ステップと、分析ステップと、を含む。前記第1取得ステップでは、洗濯機の運転履歴を取得する。前記立案ステップでは、前記第1取得ステップが取得した前記運転履歴に基づいて、前記ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する。前記分析ステップでは、少なくとも前記洗濯機のユーザの行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する。前記立案ステップでは、前記分析ステップの分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記運転分析方法を実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係る運転分析システムは、第1取得部と、第2取得部と、立案部と、分析部と、を備える。前記第1取得部は、洗濯機の運転履歴を取得する。前記第2取得部は、少なくとも前記洗濯機のユーザの行動予定を取得する。前記立案部は、前記第1取得部が取得した前記運転履歴に基づいて、前記ユーザが定期的に行う前記洗濯機の通常運転についての将来の運転計画を立案する。前記分析部は、前記第2取得部が取得した前記行動予定に基づいて、前記洗濯機の運転が前記通常運転であるか否かを分析する。前記立案部は、前記分析部の分析結果に基づいて、前記運転計画を更新する。
【0009】
本開示の一態様に係る提示装置は、通信機能と、提示機能と、を有する。前記通信機能は、前記運転分析システムとの間で通信する機能である。前記提示機能は、前記通信機能により前記立案部が立案した前記運転計画、及び前記第2取得部が取得した前記行動予定を含む信号を受信すると、当該運転計画及び当該行動予定を前記ユーザに提示する。
【発明の効果】
【0010】
本開示による運転分析方法等によれば、ユーザによる洗濯機の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態における運転分析システムを含む全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における情報端末での実運転計画及び行動予定の第1表示例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態における情報端末での実運転計画及び行動予定の第2表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態における情報端末での実運転計画及び行動予定の第3表示例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態における情報端末での実運転計画及び行動予定の第4表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態における運転分析システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態の変形例における運転分析システムを含む全体構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例における運転分析システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
まず、発明者の着眼点が、下記に説明される。
【0013】
例えば特許文献1に開示されているインテリジェント衣類洗濯制御システムでは、洗濯プログラムの洗濯記録を分析し、更にビックデータを利用することで、ユーザに適した洗濯提案を生成し、生成した洗濯提案をユーザの所有する端末に表示する。ユーザは、端末に表示された洗濯提案を見ることにより、自ら洗濯機の運転モード等を考えることなく、ユーザにとって適した洗濯機の運転を実行することが期待できる。
【0014】
ところで、洗濯機の運転には、ユーザが定期的に行う通常運転の他に、ユーザが不定期に行う臨時運転が含まれ得る。通常運転は、例えば毎日決まった時間帯に行われる洗濯機の運転を含み得る。また、通常運転は、例えば毎週木曜日に子供のサッカーの後に、子供の衣類を洗濯する運転を含み得る。つまり、通常運転は、何らかの周期性を有する洗濯機の運転である。一方、臨時運転は、例えばユーザが旅行から帰ってきた後に、旅行中に使用した衣類を洗濯する運転を含み得る。また、臨時運転は、例えば子供の運動会の後に、子供の衣類を洗濯する運転を含み得る。つまり、臨時運転は、ユーザ又はユーザの家族の不定期な行動の後に発生し得る洗濯機の運転であって、周期性を有さない運転である。
【0015】
ここで、特許文献1に開示されているインテリジェント衣類洗濯制御システムでは、洗濯記録を分析する際に、過去の洗濯機の運転が通常運転であったか否かを分析していない。言い換えれば、このシステムでは、ユーザによる洗濯機の運転の態様を把握していない。このため、このシステムでは、臨時運転を含めて洗濯記録を分析することになり、結果としてユーザに対する洗濯提案は、ユーザにとって適した洗濯機の運転(つまり、通常運転)の提案となりにくく、ユーザの利便性の低下を招く可能性がある。
【0016】
以上を鑑み、発明者は本開示を創作するに至った。
【0017】
以下、適宜図面を参照しながら、各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0019】
(実施の形態)
[1-1.全体構成]
まず、実施の形態における運転分析システム1を含む全体構成について
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態における運転分析システム1を含む全体構成を示すブロック図である。実施の形態では、運転分析システム1は、乾燥機能付き洗濯機2(以下、特に断りのない限り、単に「洗濯機2」という)の運転を分析するために用いられる。つまり、実施の形態では、洗濯機2の運転は、少なくとも衣類を洗濯する洗濯運転を含む他、衣類を乾燥する乾燥運転を含み得る。
【0020】
洗濯機2は、機能部21と、通信部22と、を備えている。実施の形態では、洗濯機2は、一例としてドラム式の洗濯機である。もちろん、洗濯機2は、ドラム式の洗濯機に限らず、例えば縦型の洗濯機等であってもよい。
【0021】
機能部21は、洗濯機2が備える各種機能を実行する。実施の形態では、機能部21は、洗濯槽に収容された衣類を洗濯する洗濯運転を実行する洗濯機能と、洗濯槽に収容されて洗濯された衣類を乾燥する乾燥運転を実行する乾燥機能と、を有している。洗濯運転は、洗濯槽を回転させる等して、洗濯槽に収容された衣類に対して洗い、すすぎ、及び/又は脱水等を行うことにより、衣類を洗濯する。乾燥運転は、ヒートポンプにより除湿された乾燥空気を送る等して、洗濯槽に収容されて洗濯された衣類を乾燥する。
【0022】
機能部21は、例えば洗濯機2が搭載するユーザインタフェースが受け付けたユーザの入力に応じた機能を実行する。また、機能部21は、例えばユーザが所有する情報端末3との間で通信部22を介して通信することにより、情報端末3で受け付けたユーザの入力に応じた機能を実行する。
【0023】
通信部22は、例えばインターネット等の外部ネットワークNT1を介して運転分析システム1の通信部10との間で通信する。通信部22と運転分析システム1の通信部10との間の通信は、無線通信の他に、有線通信であってもよい。また、通信部22と運転分析システム1との間の通信の規格は、特に限定されない。また、通信部22は、上述のように情報端末3との間でも通信する。
【0024】
実施の形態では、洗濯機2は、洗濯機2が搭載するメモリに記憶された運転履歴を含む信号を、通信部22を介して運転分析システム1へ送信する。運転履歴は、洗濯機2が過去に行った運転の履歴であって、通常運転の履歴の他に、臨時運転の履歴も含み得る。なお、運転履歴においては、洗濯機2が過去に行った運転が通常運転であるか否かについてのデータは含まれていない。
【0025】
情報端末3は、上述のようにユーザが所有する端末であって、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はデスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータ等を含み得る。実施の形態では、情報端末3はスマートフォンである。情報端末3は、通信部31と、表示部32と、入力受付部33と、を備えている。
【0026】
通信部31は、洗濯機2の通信部22との間で通信する機能と、運転分析システム1の通信部10との間で通信する機能と、を有している。通信部31と洗濯機2の通信部22との間の通信は、例えばWiFi(登録商標)又はBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の規格に従った無線通信である。なお、通信部31と洗濯機2の通信部22との間の通信の規格は、特に限定されない。また、通信部31と運転分析システム1の通信部10との間の通信は、外部ネットワークNT1を介した無線通信の他に、有線通信であってもよい。また、通信部31と運転分析システム1の通信部10との間の通信の規格は、特に限定されない。
【0027】
表示部32は、例えば液晶ディスプレイであって、各種情報を表示する。実施の形態では、表示部32は、通信部31が運転分析システム1から受信した洗濯機2の運転計画を表示する。洗濯機2の運転計画の詳細については、後述する。
【0028】
入力受付部33は、ユーザの操作による入力を受け付ける。入力受付部33は、例えば表示部32に表示された運転計画について、運転計画を承認する入力の他、運転計画を修正する入力等を受け付ける。実施の形態では、表示部32がタッチパネルディスプレイで構成されている。したがって、実施の形態では、表示部32が入力受付部33を兼ねている。
【0029】
[1-2.運転分析システム]
次に、運転分析システム1の詳細について説明する。実施の形態では、運転分析システム1は、例えば洗濯機2が設置されている施設(ここでは、ユーザが居住する住宅)から離れた遠隔地に設置されているサーバにより構成されている。実施の形態では、運転分析システム1が対象とする洗濯機2は1台であることとして説明するが、運転分析システム1が対象とする洗濯機2は複数台であってもよい。運転分析システム1は、
図1に示すように、通信部10と、処理部11と、記憶部12と、を備えている。
【0030】
通信部10は、既に述べたように、外部ネットワークNT1を介して洗濯機2の通信部22との間で通信する機能を有している。また、通信部10は、既に述べたように、外部ネットワークNT1を介して情報端末3の通信部31との間で通信する機能を有している。
【0031】
処理部11は、プロセッサ及びメモリを備えており、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、種々の機能を発揮するように構成されている。処理部11は、第1取得部111と、第2取得部112と、立案部113と、分析部114と、提示部115と、を実行する機能を有している。言い換えれば、運転分析システム1は、第1取得部111と、第2取得部112と、立案部113と、分析部114と、提示部115と、を備えている。なお、提示部115は、運転分析システム1の構成要素に含まれていなくてもよい。
【0032】
第1取得部111は、洗濯機2の運転履歴を取得する。第1取得部111は、運転分析方法における第1取得ステップST1の実行主体である。実施の形態では、第1取得部111は、洗濯機2に要求することで洗濯機2から送信される、又は洗濯機2から定期的に送信される運転履歴を、通信部10を介して取得する。運転履歴は、洗濯機2の運転の種類(洗濯運転、及び/又は乾燥運転)と、運転が実行された日時(運転開始時間、運転終了時間、及び予約終了時間等)と、運転パラメータと、を含んでいる。運転パラメータは、例えば洗濯運転の場合、コース(洗濯コース等)、洗濯量、洗濯時間(実働時間及び想定時間)、脱水時間、脱水の繰り返し回数、すすぎ時間、すすぎ回数、洗剤の自動投入の有無、洗剤の投入量、柔軟剤の自動投入の有無、柔軟剤の投入量、ふろ水の使用の有無、洗濯運転に使用する水の温度、又は洗濯運転と乾燥運転との切り替えの有無等を含み得る。第1取得部111が取得した運転履歴は、後述する記憶部12の運転履歴DB(Database)121に記憶される。
【0033】
第2取得部112は、少なくとも洗濯機2のユーザの行動予定を取得する。第2取得部112は、運転分析方法における第2取得ステップST2の実行主体である。実施の形態では、行動予定は、情報端末3にインストールされているスケジュール管理のアプリケーションが管理しており、ユーザのスケジュールを含む他、ユーザの家族のスケジュールを含み得る。行動予定には、少なくともユーザについての行動開始日時と、ユーザの行動終了日時と、ユーザの行動の概要と、が含まれている。なお、ユーザの行動の概要には、ユーザの行動中においてユーザが在宅しているか外出しているかを示す情報が含まれていればよく、行動の具体的な内容は含まれていなくてもよい。第2取得部112は、情報端末3に要求することで情報端末3から送信される、又は情報端末3から定期的に送信される行動予定を、通信部10を介して取得する。第2取得部112が取得した行動予定は、後述する記憶部12の行動予定DB122に記憶される。
【0034】
なお、例えば行動予定がスケジュール管理用のサーバで管理されている場合、第2取得部112は、情報端末3ではなく、当該サーバに要求することで当該サーバから送信される、又は当該サーバから定期的に送信される行動予定を、通信部10を介して取得してもよい。
【0035】
立案部113は、第1取得部111(第1取得ステップST1)が取得した運転履歴に基づいて、ユーザが定期的に行う洗濯機2の通常運転についての将来の運転計画を立案する。立案部113は、運転分析方法における立案ステップST3の実行主体である。実施の形態では、運転計画にて設定された時間になると洗濯機2が自動的に通常運転を行うことを想定している。このため、運転計画は、洗濯機2が運転を実行する時間帯を含んでいる。実施の形態では、立案部113は、所定期間(例えば、1週間)における洗濯機2の通常運転についての運転計画を立案する。一例として、立案部113は、日曜日に立案する場合、次の週の月曜日~日曜日の各々での洗濯機2の通常運転の開始時間、終了時間、及び運転パラメータを含む運転計画を立案する。
【0036】
実施の形態では、立案部113は、記憶部12の運転履歴DB121に記憶された運転履歴に対して適宜の統計処理を実行することにより、運転計画を立案する。一例として、立案部113が毎週月曜日の運転計画を立案する過程について簡単に説明する。以下で説明する過程は、各曜日について実行される。まず、立案部113は、運転履歴DB121に記憶された運転履歴のうち、月曜日に実行された洗濯機2の運転履歴を読み出す。次に、立案部113は、読み出した運転履歴に基づいて、運転パラメータの代表値(平均値、中央値、又は最頻値等)を算出し、算出した代表値を毎週月曜日に実行する通常運転の運転パラメータとして決定する。例えば、運転パラメータにすすぎ回数が含まれている場合、すすぎ回数の最頻値を毎週月曜日に実行する通常運転におけるすすぎ回数として決定する。
【0037】
立案部113が立案した運転計画は、後述する記憶部12の通常運転DB123に記憶される。また、後述するが、立案部113は、分析部114の分析結果によっては、記憶部12の通常運転DB123に記憶された運転計画を更新する。
【0038】
なお、立案部113は、例えば1週間等の複数日分の運転計画を立案するだけでなく、翌日分(つまり、1日分)の運転計画を立案してもよい。また、立案部113は、運転計画を立案する日の翌日以降の運転計画を立案するだけでなく、運転計画を立案する日中における数時間先の運転計画を立案してもよい。
【0039】
分析部114は、第2取得部112(第2取得ステップST2)が取得した行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。分析部114は、運転分析方法における分析ステップST4の実行主体である。実施の形態では、分析部114は(分析ステップST4では)、後述する提示部115(提示ステップST5)が提示した運転計画に対するユーザの修正結果に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。この分析の一例については、後述する[1-4.分析及び更新の一例]にて詳細に説明する。
【0040】
また、分析部114は、例えば第1取得部111が取得した運転履歴と、第2取得部112が取得した行動予定とを参照し、ユーザの行動予定のうち不定期な行動(例えば、子供の運動会、又は旅行等)の後に行われた洗濯機2の運転を、臨時運転であると分析する。この分析は、ユーザに対して運転計画及び行動予定を提示しなくても、実行可能である。
【0041】
そして、立案部113は、分析部114(分析ステップST4)の分析結果に基づいて、運転計画を更新する。例えば、立案部113は、運転計画にて通常運転として予定されていた洗濯機2の運転がユーザにより削除された場合、この洗濯機2の運転に対する分析部114の分析結果に応じて、運転計画を更新する。また、例えば、立案部113は、運転計画にて通常運転として予定されていた洗濯機2の運転が、分析部114により臨時運転であると分析された場合、この洗濯機2の運転を除外するように運転計画を更新する。運転計画の更新の一例については、後述する[1-4.分析及び更新の一例]にて詳細に説明する。
【0042】
提示部115は、立案部113(立案ステップST3)が立案した運転計画、及び第2取得部112(ST2)が取得した行動予定をユーザに提示する。提示部115は、運転分析方法における提示ステップST5の実行主体である。具体的には、提示部115は、後述する記憶部12の運転予定DB124に記憶されている運転計画と、行動予定DB122に記憶されている行動予定とを読み出し、運転計画及び行動予定を組み合わせたスケジュール情報を含む信号を、通信部10を介して情報端末3に送信する。情報端末3では、当該信号を通信部31で受信すると、当該信号に含まれるスケジュール情報を表示部32に表示させる。これにより、運転計画及び行動予定を組み合わせたスケジュールがユーザに提示される。
【0043】
なお、実施の形態では、提示部115が提示する運転計画は、後述する実運転計画、つまり立案部113が立案した運転計画に実際の日時を反映した運転計画である。
【0044】
実施の形態では、立案部113は、既に述べたように所定期間(例えば、1週間)における洗濯機2の通常運転についての運転計画を立案している。したがって、実施の形態では、提示部115は、所定期間における運転計画及び行動予定をユーザに提示する。実施の形態では、提示部115は、例えば
図2~
図5に示すように、運転計画及び行動予定をカレンダー形式の画像で表示部32に表示させることにより、運転計画及び行動予定をユーザに提示する。なお、立案部113が翌日分(つまり、1日分)の運転計画を立案する場合、提示部115は、当該翌日における運転計画及び行動予定をユーザに提示する。
【0045】
記憶部12は、処理部11の各部が各種機能を実行するために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部12は、例えば半導体メモリにより実現されるが、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。記憶部12は、運転履歴DB121と、行動予定DB122と、通常運転DB123と、運転予定DB124と、を有している。
【0046】
運転履歴DB121には、第1取得部111が取得した運転履歴が記憶される。行動予定DB122には、第2取得部112が取得した行動予定が記憶される。通常運転DB123には、立案部113が立案した運転計画が記憶される。通常運転DB123に記憶される運転計画は、実際の日時と紐づけられていない。運転予定DB124には、通常運転DB123に記憶されている運転計画に、実際の日時を反映した運転計画(以下、「実運転計画」ともいう)が記憶される。例えば、立案部113が1週間分の運転計画を立案した日が12月1日(日)であると仮定する。この場合、運転予定DB124には、12月2日(月)から12月7日(日)までの実運転計画が記憶されることになる。
【0047】
[1-4.分析及び更新の一例]
以下、分析部114による分析、及び立案部113による実運転計画の更新の一例について、
図2~
図5を用いて説明する。
図2は、実施の形態における情報端末3での実運転計画及び行動予定の第1表示例を示す図である。
図3は、実施の形態における情報端末3での実運転計画及び行動予定の第2表示例を示す図である。
図4は、実施の形態における情報端末3での実運転計画及び行動予定の第3表示例を示す図である。
図5は、実施の形態における情報端末3での実運転計画及び行動予定の第4表示例を示す図である。
【0048】
図2及び
図4にそれぞれ示す第1表示例及び第3表示例では、いずれも表示部32には、1週間(ここでは、11月2日(月)~11月8日(日)の1週間)分の実運転計画及び行動予定がカレンダー形式で表示されている。また、
図3及び
図5にそれぞれ示す第2表示例及び第4表示例では、いずれも表示部32には、次の1週間(ここでは、11月9日(月)~11月15(日)の1週間)分の実運転計画及び行動予定がカレンダー形式で表示されている。第1表示例~第4表示例では、いずれも表示部32には、第1領域A1と、第2領域A2と、第3領域A3と、が表示される。第1領域A1には、実運転計画の承認又は修正をユーザに促すメッセージが表示される。第2領域A2には、実運転計画及び行動予定を含むスケジュールが表示される。第3領域A3には、実運転計画を承認する操作を受け付けるアイコンが表示されている。
【0049】
第2領域A2において、領域A11には、ユーザの行動予定が表示されている。例えば
図2に示すように、11月2日(月)においては、領域A11には、ユーザの行動開始時間を示す「10:00」、ユーザの行動終了時間を示す「15:00」、及びユーザの行動の概要を示す「パート」の文字列が表示されている。また、第2領域A2において、領域A12には、実運転計画が表示されている。例えば
図2に示すように、11月2日(月)においては、領域A12には、洗濯機2の運転の終了時間を示す「20時終了」、洗濯機2の運転の種類を示す「洗濯」、洗濯機2の運転内容を示す「おまかせ」の文字列が表示されている。また、領域A12の右上端部には、×印のアイコンA121が表示されている。
【0050】
ユーザは、領域A12に対して指先で触れる等して操作を行うことで、実運転計画を修正することが可能である。例えば、ユーザは、いずれかの領域A12のアイコンA121をタップすることにより、当該領域A12に対応する洗濯機2の運転を実運転計画から削除することが可能である。また、例えば、ユーザは、いずれかの領域A12をタップすることにより、当該領域A12に対応する洗濯機2の運転内容を変更することが可能である。また、例えば、ユーザは、いずれかの領域A12をドラッグして移動させることにより、当該領域A12に対応する洗濯機2の運転の終了時間を変更することが可能である。そして、ユーザは、第3領域A3に表示されているアイコンをタップすることにより、実運転計画を承認することが可能である。そして、洗濯機2は、ユーザにより承認された実運転計画に従って洗濯機2の運転を実行する。
【0051】
ここで、
図2に示す第1表示例のように、立案部113が運転計画を立案し、提示部115が実運転計画及び行動予定をユーザに提示した、と仮定する。
図2に示すように、第1表示例では、11月7日(土)において、領域A13に対応する洗濯機2の運転である「12時終了・洗濯・おまかせ」が、ユーザの行動予定である「10:00~17:00・運動会」と重複している。そこで、ユーザは、行動予定を優先するために、領域A13に対応する洗濯機2の運転を削除したとする。この場合、分析部114は、行動予定と通常運転とが重複しているためにユーザが削除したに過ぎないと判定し、削除された洗濯機2の運転は依然として通常運転であると分析する。
【0052】
そして、
図3に示す第2表示例のように、立案部113は、分析部114の分析結果に基づいて次の運転計画を立案し、提示部115が次の実運転計画及び行動予定をユーザに提示する。ここでは、分析部114が削除された洗濯機2の運転は依然として通常運転であると分析しているので、立案部113は、1週間分の運転計画を更新することなく、次の週の日時に反映させる。したがって、
図3に示すように、次の週の土曜日(11月14日)においても、その前の週の土曜日(11月7日)と同様に、領域A13に対応する洗濯機2の運転である「12時終了・洗濯・おまかせ」が実運転計画に含まれる形でユーザに提示される。
【0053】
一方、
図4に示す第3表示例のように、立案部113が運転計画を立案し、提示部115が実運転計画及び行動予定をユーザに提示した、と仮定する。
図4に示すように、第3表示例では、11月7日(土)において、領域A13に対応する洗濯機2の運転である「12時終了・洗濯・おまかせ」は、ユーザの行動予定と重複していない。しかしながら、ユーザは、今後はこの時間帯において衣類を洗濯するのを止めようと考え、領域A13に対応する洗濯機2の運転を削除したとする。この場合、分析部114は、行動予定が重複していないにも関わらずユーザが通常運転を削除していると判定し、削除された洗濯機2の運転が通常運転ではないと分析する。
【0054】
そして、
図5に示す第4表示例のように、立案部113は、分析部114の分析結果に基づいて次の運転計画を立案し、提示部115が次の実運転計画及び行動予定をユーザに提示する。ここでは、分析部114が削除された洗濯機2の運転が通常運転ではないと分析しているので、立案部113は、領域A13に対応する洗濯機2の運転を除外するように運転計画を更新し、次の週の日時に反映させる。したがって、
図5に示すように、次の週の土曜日(11月14日)においては、その前の週の土曜日(11月7日)とは異なり、領域A13に対応する洗濯機2の運転である「12時終了・洗濯・おまかせ」が実運転計画から除外される形でユーザに提示される。
【0055】
その他、ユーザが行動予定との重複が無いにも関わらず洗濯機2の運転の時間帯及び/又は運転内容を修正した場合、分析部114は、修正された洗濯機2の運転は依然として通常運転であると分析する。この場合、立案部113は、ユーザによる修正結果に応じて運転計画を更新する。また、ユーザが新規に洗濯機2の運転を追加した場合、分析部114は、追加された洗濯機2の運転がユーザの定期的な行動(例えば、
図2に示す「パート」等)の後に行われるように設定されていれば、当該運転が新規の通常運転であると分析する。この場合、立案部113は、新規の通常運転を含むように運転計画を更新する。一方、分析部114は、追加された洗濯機2の運転がユーザの不定期な行動(例えば、
図2に示す「運動会」等)の後に行われるように設定されていれば、当該運転が臨時運転であると分析する。この場合、立案部113は、運転計画を更新しない。
【0056】
[2.動作]
以上のように構成された運転分析システム1の動作について、以下
図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態における運転分析システム1の動作例を示すフローチャートである。以下では、立案部113が1週間分の運転計画を立案し、立案した運転計画に対するユーザの修正結果に応じて運転計画を更新する(又は更新しない)処理の流れについて説明する。ここでは、ユーザの修正は、ユーザが洗濯機2の運転を削除することとする。また、以下では、記憶部12の各DBにデータを記憶する処理、及び各DBからデータを読み出す処理については説明を省略する。
【0057】
まず、第1取得部111は、洗濯機2から運転履歴を取得する(S1)。処理S1は、運転分析方法の第1取得ステップST1に相当する。次に、第2取得部112は、情報端末3からユーザの行動予定を取得する(S2)。処理S2は、運転分析方法の第2取得ステップST2に相当する。処理S1,S2は、順番が逆であってもよいし、並列的に実行されてもよい。次に、立案部113は、第1取得部111が取得した運転履歴に基づいて、運転計画を立案する(S3)。処理S3は、運転分析方法の立案ステップST3に相当する。そして、提示部115は、立案部113が立案した運転計画、及び第2取得部112が取得した行動予定をユーザに提示する(S4)。処理S4は、運転分析方法の提示ステップST5に相当する。
【0058】
その後、ユーザは、情報端末3の表示部32に表示された運転計画及び行動予定を見ながら、運転計画を修正して承認するか、又は運転計画を修正せずに承認する。ユーザが運転計画を修正しなかった場合(S5:No)、分析部114は、運転計画に含まれる洗濯機2の運転が通常運転であり、次の運転計画の変更が不要であると分析する(S6)。この場合、立案部113は、次の運転計画を更新しない。また、ユーザが運転計画を修正した場合であって(S5:Yes)、かつ、修正した洗濯機2の運転が行動予定と重複していた場合(S7:No)、分析部114は、修正した洗濯機2の運転が通常運転であり、次の運転計画の変更が不要であると分析する(S6)。この場合も、立案部113は、次の運転計画を更新しない。
【0059】
一方、ユーザが運転計画を修正した場合であって(S5:Yes)、かつ、修正した洗濯機2の運転が行動予定と重複していなかった場合(S7:Yes)、分析部114は、修正した洗濯機2の運転が通常運転ではなく、次の運転計画の変更が必要と分析する(S8)。この場合、立案部113は、修正した洗濯機2の運転を除外する形で次の運転計画を更新する(S9)。処理S4~S8は、運転分析方法の分析ステップST4に相当する。処理S9は、運転分析方法の立案ステップST3に相当する。
【0060】
[3.効果等]
以下、実施の形態における運転分析システム1の利点について説明する。
【0061】
既に述べたように、特許文献1に開示されているインテリジェント衣類洗濯制御システムでは、洗濯記録を分析する際に、過去の洗濯機の運転が通常運転であったか否かを分析していない。このため、このシステムでは、臨時運転を含めて洗濯記録を分析することになり、結果としてユーザに対する洗濯提案は、ユーザにとって適した洗濯機の運転(つまり、通常運転)の提案となりにくく、ユーザの利便性の低下を招く可能性がある。
【0062】
これに対して、実施の形態における運転分析システム1では、ユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析している。このため、実施の形態における運転分析システム1では、ユーザによる洗濯機2の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。そして、実施の形態における運転分析システム1では、分析結果を運転計画に反映させている。このため、実施の形態における運転分析システム1では、例えば臨時運転等の通常運転ではない洗濯機2の運転を除外して運転計画を立案することができるので、ユーザにとって適した洗濯機2の運転を提案しやすくなり、ユーザの利便性の向上が期待できる、という利点がある。
【0063】
[4.変形例]
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0064】
そこで、以下、実施の形態の変形例を例示する。
【0065】
上記実施の形態において、運転分析システム1は、洗濯機2の運転に関する属性情報を更に取得する態様であってもよい。以下、実施の形態の変形例における運転分析システム1Aについて、
図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態の変形例における運転分析システム1Aを含む全体構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本変形例における運転分析システム1Aでは、処理部11が第3取得部116を更に備えている点で、実施の形態における運転分析システム1と相違する。
【0066】
第3取得部116は、洗濯機2の運転に関する属性情報を取得する。第3取得部116は、運転分析方法における第3取得ステップST6の実行主体である。本変形例では、属性情報は、気象情報である。なお、気象情報は、少なくとも洗濯機2の運転が行われる日の天気を含んでいればよい。第3取得部116は、例えば気象情報を提供するサービス事業者が運営するサーバから、外部ネットワークNT1を介して気象情報を取得する。
【0067】
そして、立案部113は(立案ステップST3では)、第3取得部116(第3取得ステップST6)が取得した属性情報に更に基づいて、運転計画を立案する。例えば、通常運転DB123に天気予報に応じた複数のパターンが記憶されている場合、立案部113は、第3取得部116が取得した天気予報(属性情報)に基づいて、複数のパターンのうちのいずれか1つのパターンを含めるように運転計画を立案する。具体例として、立案部113が3日後までの運転計画を立案する場合であって、通常運転DB123には、第1パターン、第2パターン、及び第3パターンが記憶されている、と仮定する。第1パターンは、運転計画の対象となる3日間が全て晴天であるという天気予報であれば、毎日洗濯運転を行うというパターンである。第2パターンは、運転計画の対象となる3日間のうち、1日目のみが雨天であり、残りの2日が晴天であるという天気予報であれば、2日目に1日目の分も纏めて洗濯運転を行うというパターンである。第3パターンは、1,2日目が雨天であり、3日目のみが晴天であるという天気予報であれば、諦めて毎日洗濯運転を行うというパターンである。上記の場合、立案部113は、第3取得部116が取得した3日後までの天気予報に基づいて、第1パターン~第3パターンのうちの1つのパターンを含めるように運転計画を立案する。
【0068】
また、例えば、洗濯機2の運転を行う日の天気が晴天である場合、立案部113は、当該日においては洗濯運転のみを実行するように運転計画を立案する。また、例えば、洗濯機2の運転を行う日の天気が雨天である場合、立案部113は、当該日においては洗濯運転及び乾燥運転の両方を実行するように運転計画を立案する。このように、本変形例では、属性情報を参照しない場合と比較して、ユーザにとって更に適した運転計画を立案しやすくなる、という利点がある。
【0069】
図8は、実施の形態の変形例における運転分析システム1Aの動作例を示すフローチャートである。
図8に示すように、本変形例では、第3取得部116が属性情報を取得する処理S10が、処理S2と処理S3との間で実行される。処理S10は、運転分析方法の第3取得ステップST6に相当する。なお、処理S1~S3は、この順に実行されなくてもよいし、また、並列的に実行されてもよい。
【0070】
上記実施の形態では、運転分析システム1はサーバにより構成されているが、これに限られない。例えば、運転分析システム1は、洗濯機2に搭載されていてもよい。この場合、運転分析システム1は、情報端末3と通信可能に構成されていればよい。また、この場合、運転分析システム1(洗濯機2)は、外部ネットワークNT1を介さずに、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に従った無線通信により、情報端末3と通信可能に構成されていてもよい。
【0071】
上記実施の形態において、提示部115は(提示ステップST5では)、洗濯機2に関する付加情報を更にユーザに提示してもよい。例えば、第1取得部111が取得する運転履歴に洗剤の投入量が含まれている場合、運転分析システム1は、洗剤の残量を把握することが可能である。この場合、提示部115は、洗剤の残量が所定量以下になった時点で、付加情報として「来週の水曜日の運転で、洗剤が無くなります。洗剤を購入しませんか?」等の洗剤の購入を促すメッセージ及び/又は画像を情報端末3の表示部32に表示させることで、ユーザに付加情報を提示してもよい。
【0072】
上記実施の形態において、分析部114は(分析ステップST4では)、第2取得部112(第2取得ステップST2)が取得した行動予定に基づいて、ユーザが不定期に行う臨時運転が発生するか否かを予測してもよい。例えば、ユーザの行動予定に子供の運動会等の不定期な行動であって、かつ、衣類の汚れが発生し得る行動が含まれている場合、分析部114は、当該行動の後に臨時運転が発生すると予測してもよい。この場合、立案部113は、分析部114の分析結果に応じて、上記の臨時運転を含むように運転計画を更新してもよい。
【0073】
上記実施の形態では、運転計画には、洗濯機2が運転を実行する時間帯が含まれているが、これに限らない。例えば、立案部113は、運転計画において、洗濯機2の運転を実行する日を立案する一方、洗濯機2の運転を実行する時間帯までは立案しなくてもよい。この場合、ユーザは、当日の任意のタイミングで洗濯機2の運転を開始する操作を行えば、運転パラメータの設定等を行うことなく、ユーザにとって適した洗濯機2の運転を実行することが可能である。
【0074】
上記実施の形態において、立案部113は(立案ステップST3では)、実際の日時を反映した実運転計画を運転計画として立案してもよい。つまり、運転計画を立案する段階で、実際の日時を反映させてもよい。
【0075】
上記実施の形態では、運転分析システム1は、乾燥機能付き洗濯機2を対象としているが、これに限られない。例えば、運転分析システム1は、乾燥機能の付いていない洗濯機を対象としてもよい。
【0076】
上記実施の形態では、提示部115は(提示ステップST5では)、運転計画及び行動予定を情報端末3を介してユーザに提示しているが、これに限られない。例えば、提示部115は、運転計画及び行動予定を洗濯機2の備えるディスプレイに表示させることでユーザに提示してもよい。つまり、運転計画及び行動予定をユーザに提示する装置は、情報端末3に限らず、洗濯機2であってもよい。
【0077】
また、例えば、上記実施の形態では、運転分析システム1は、単一の装置として実現されたが、複数の装置によって実現されてもよい。運転分析システム1が複数の装置によって実現される場合、運転分析システム1が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。つまり、本開示は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0078】
また、例えば、上記実施の形態において、本開示における運転分析システム1の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0079】
また、本開示における運転分析システム1の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0080】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0081】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体で実現されてもよい。例えば、本開示は、上記実施の形態における制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体に記録されてもよいし、インターネット等の通信路で配信されてもよい。
【0082】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0083】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0084】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【0085】
(まとめ)
以上述べたように、実施の形態における運転分析方法は、第1取得ステップST1と、第2取得ステップST2と、立案ステップST3と、分析ステップST4と、を含む。第1取得ステップST1では、洗濯機2の運転履歴を取得する。第2取得ステップST2では、少なくとも洗濯機2のユーザの行動予定を取得する。立案ステップST3では、第1取得ステップST1が取得した運転履歴に基づいて、ユーザが定期的に行う洗濯機2の通常運転についての将来の運転計画を立案する。分析ステップST4では、第2取得ステップST2が取得した行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。立案ステップST3では、分析ステップST4の分析結果に基づいて、運転計画を更新する。
【0086】
これによれば、ユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析しているので、ユーザによる洗濯機2の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。
【0087】
また、例えば、運転分析方法は、立案ステップST3が立案した運転計画、及び第2取得ステップST2が取得した行動予定をユーザに提示する提示ステップST5を更に含む。
【0088】
これによれば、ユーザが運転計画を把握することができるので、例えばユーザが望まない洗濯機2の運転が実行されるのを未然に回避したり等、ユーザの利便性が向上しやすい、という利点がある。
【0089】
また、例えば、提示ステップST5では、所定期間における運転計画及び行動予定をユーザに提示する。
【0090】
これによれば、ユーザが所定期間における運転計画及び行動予定を一括して把握することができるので、ユーザの利便性が向上しやすい、という利点がある。
【0091】
また、例えば、運転計画は、洗濯機2が運転を実行する時間帯を含む。
【0092】
これによれば、ユーザが洗濯された衣類を干す時間帯を把握しやすくなり、ユーザの利便性が向上しやすい、という利点がある。
【0093】
また、例えば、提示ステップST5では、洗濯機2に関する付加情報を更にユーザに提示する。
【0094】
これによれば、ユーザが例えば洗剤の購入を促す等の付加情報を確認することで、ユーザの利便性が向上しやすい、という利点がある。
【0095】
また、例えば、分析ステップST4では、提示ステップST5が提示した運転計画に対するユーザの修正結果に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。
【0096】
これによれば、ユーザの修正結果を用いない場合と比較して、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する精度が向上しやすい、という利点がある。
【0097】
また、例えば、運転分析方法は、洗濯機2の運転に関する属性情報を取得する第3取得ステップST6を更に含む。立案ステップST3では、第3取得ステップST6が取得した属性情報に更に基づいて、運転計画を立案する。
【0098】
これによれば、属性情報を参照しない場合と比較して、ユーザにとって更に適した運転計画を立案しやすくなる、という利点がある。
【0099】
また、例えば、分析ステップST4では、第2取得ステップST2が取得した行動予定に基づいて、前記ユーザが不定期に行う臨時運転が発生するか否かを予測する。
【0100】
これによれば、ユーザが自ら臨時運転を計画しなくて済むので、ユーザの利便性の向上が期待できる、という利点がある。
【0101】
また、実施の形態における運転分析方法は、第1取得ステップST1と、立案ステップST3と、分析ステップST4と、を含む。第1取得ステップST1では、洗濯機2の運転履歴を取得する。立案ステップST3では、第1取得ステップST1が取得した運転履歴に基づいて、ユーザが定期的に行う洗濯機2の通常運転についての将来の運転計画を立案する。分析ステップST4では、少なくとも洗濯機2のユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。立案ステップST3では、分析ステップST4の分析結果に基づいて、運転計画を更新する。
【0102】
これによれば、ユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析しているので、ユーザによる洗濯機2の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。
【0103】
また、実施の形態におけるプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の運転分析方法を実行させる。
【0104】
これによれば、ユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析しているので、ユーザによる洗濯機2の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。
【0105】
また、実施の形態における運転分析システム1,1Aは、第1取得部111と、第2取得部112と、立案部113と、分析部114と、を備える。第1取得部111は、洗濯機2の運転履歴を取得する。第2取得部112は、少なくとも洗濯機2のユーザの行動予定を取得する。立案部113は、第1取得部111が取得した運転履歴に基づいて、ユーザが定期的に行う洗濯機2の通常運転についての将来の運転計画を立案する。分析部114は、第2取得部112が取得した行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析する。立案部113は、分析部114の分析結果に基づいて、運転計画を更新する。
【0106】
これによれば、ユーザの行動予定に基づいて、洗濯機2の運転が通常運転であるか否かを分析しているので、ユーザによる洗濯機2の運転の態様を把握しやすい、という利点がある。
【0107】
また、実施の形態における提示装置(情報端末3又は洗濯機2)は、通信機能と、提示機能と、を有する。通信機能は、運転分析システム1との間で通信する機能である。提示機能は、通信機能により立案部113が立案した運転計画、及び第2取得部112が取得した行動予定を含む信号を受信すると、当該運転計画及び当該行動予定をユーザに提示する機能である。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本開示は、洗濯機の運転計画をユーザに提示するシステム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1,1A 運転分析システム
111 第1取得部
112 第2取得部
113 立案部
114 分析部
2 洗濯機
ST1 第1取得ステップ
ST2 第2取得ステップ
ST3 立案ステップ
ST4 分析ステップ
ST5 提示ステップ
ST6 第3取得ステップ