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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】農産物の選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/00 20060101AFI20240628BHJP
   B65G 47/48 20060101ALI20240628BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B07C5/00
B65G47/48
G03B21/00 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020046865
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021146247
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000163501
【氏名又は名称】近江度量衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】中井 剛
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-150271(JP,A)
【文献】特開2005-298199(JP,A)
【文献】特開2020-011182(JP,A)
【文献】特開2017-185414(JP,A)
【文献】特開2018-146251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00-99/00
B65G 47/34-47/51
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物の外部品質を判定する判定部と、
前記判定部の下流側に設けられ、前記判定の適否を目視で検査するための目視検査装置と、
を備え、
前記目視検査装置は、
前記外部品質が判定された農産物を並列的に搬送する搬送装置と、
前記外部品質が格外と判定された農産物と他の農産物を振り分けて前記搬送装置に排出する排出装置と、
前記格外と判定された農産物及び/又は当該農産物を搬送する前記搬送装置の搬送面に、前記格外として判定された理由を指標するマーカーを表示する表示装置と、
を備え、
前記排出装置は、前記他の農産物を前記外部品質の等級比率に応じて振り分けて排出することを特徴とする、農産物の選別装置。
【請求項2】
前記表示装置は、前記搬送装置の各列に対して、前記判定された外部品質の等級に対応する色彩を表示する、請求項1に記載の農産物の選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農産物の選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農産物の選別装置は、生産者より搬入された農産物を搬送しながら各農産物の等階級を判定し、判定した等階級毎に農産物を仕分け排出する。当該農産物の等級は、糖度や酸度、内部の空洞率といった農産物の内部品質に関する等級(内部等級)や、形状や色、傷の有無といった農産物の外部品質に関する等級(外部等級)であり、これらは専用の測定装置によって測定され、測定された結果に基づいて決定される。
【0003】
ここで、特許文献1に記載された農産物の選別装置は、農産物を搬送しながら当該農産物の外部品質を測定した後に内部品質を測定するものであるが、当該外部品質の測定区間と内部品質の測定区間の間に目視による検査区間を設けている。目視検査区間は、外部品質の判定結果の適否を作業員によって検査する区間であって、搬送面が等級別の搬送コースに区分けされたコンベアと、各搬送コースに対して該当する農産物を振り分ける振分手段と、備えており、外部品質の判定結果を視覚的に認識できるように、各搬送コースは色付きのラインで区分けされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-122765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術によれば、搬送面を色付きのラインで区分けし、該当する搬送コースに農産物を振り分けることで、作業者は、判定結果を視覚的に認識できるものの、当該コンベアは農産物を単列搬送するものであるため、十分な搬送能力を得るために搬送速度をあげると目視確認が困難となる。このように効率的な搬送と目視確認の容易性はトレードオフの関係にあり、効率的な目視検査を達成することが困難である。また、搬送面に対して固定的に付された色付きラインでは、外部品質の判定理由までは把握することができないため、作業者は、各農産物に対して外部等級の判定要因(形や色、傷の有無)を個々に確認する必要があり、効率的な目視検査が困難となっている。
【0006】
また、内部等級や外部等級が判定された農産物を搬送しながらピッキングロボットで格外品等を除去したいといった要望があるが、工業製品とは異なり、農産物は形状が不統一な自然物であるため、ピックアップロボットによるピックアップを高速化させるのは困難であり、作業者を補助的に配置する必要がある。しかしながら、除去すべき農産物を作業者に示さなければ、作業者は全ての農産物を確認する必要が生じ、効率的な作業が困難となる。なお、当該問題は、ピックアップロボットを用いずに作業者のみよって行う場合も同様に生ずるものである。
【0007】
本発明は、作業者が効率的に作業し得る農産物の選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、等級が判定された農産物を並列的に搬送する搬送装置と、前記搬送装置及び/又は前記農産物に、前記農産物の等級に関する情報を表示させる表示装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記搬送装置に対して前記農産物を等級別に振分排出する排出装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、前記表示装置は、前記搬送面に前記情報を投影する投影装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の農産物の選別装置によれば、作業者は効率的に作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る農産物の選別装置の概略平面図
図2】上記農産物の選別装置の概略側面図
図3】本発明の第2実施形態に係る農産物の選別装置の概略平面図
図4】上記農産物の選別装置の変形例1における投影態様を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る農産物の選別装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
【0015】
図1に示すように、第1実施形態の農産物Wの選別装置1は、農産物Wを搬送しながら外部等級や内部等級を判定し、これら判定した等級に基づいて農産物Wを選別する装置であって、農産物Wを搬送する第一コンベア10の搬送経路に設けられた内部等級判定装置12および外部等級判定装置14と、メインコンピュータ20と、を備えている。
【0016】
第一コンベア10は、農産物Wを単列搬送する無端搬送装置であって、本実施形態では、農産物Wが載置されたフリートレイ22(以下、農産物入りトレイ22)を搬送するベルトコンベアが用いられている。各農産物入りトレイ22にはRFタグが付されており、RFタグには他の農産物入りトレイ22とは異なるよう一意に定められた識別情報が記憶されている。当該RFタグは、各種判定装置の直上流に設置されたRFIDリーダ26によって読み取られ、読み取られた識別情報は判定装置に接続されている第一コンピュータ28へと送信される。
【0017】
内部等級判定装置12は、農産物Wの内部品質に関する等級を判定する装置であって、第一コンピュータ28と通信可能に接続された照明及び受光装置によって構成されている。
【0018】
照明は、農産物Wの内部品質を測定するために必要な測定光を農産物Wに対して照射する装置であって、本実施形態では近赤外線を照射している。受光装置は、農産物Wの内部を透過した測定光を受光するものであり、例えば、一端が農産物Wの側方に配置された光ファイバーと、光ファイバーの他端から出た光を分光する分光器と、分光器によって分光された光の強度を測定する測定装置と、により構成される。測定された光の値は第一コンピュータ28へと出力される。第一コンピュータ28は、入力された光の値に基づいて農産物Wの糖度などの内部等級を判定するものであり、内部等級を判定するためのプログラムがメモリに記憶されている。そして、第一コンピュータ28は、そのCPUが当該プログラムを実行することで、RFIDリーダから識別情報を取得し、当該識別情報を取得したときに受光装置から光の値を取得する取得部、取得した光の値に基づいて農産物Wの内部等級を判定する判定部、判定した内部等級を識別情報と対応づけてメインコンピュータ20に送信する送信部、として機能する。本実施形態において農産物Wの内部等級は、一定の品質水準を満たす良品又は品質水準を満たさない不良品として判定されているが、例えば、秀、優、良、並のように品質水準をさらに細分化して判定するものであっても構わない。
【0019】
外部等級判定装置14は、農産物Wの外部品質に関する等級を判定する装置であって、第一コンピュータ28と通信可能に接続されたカメラによって構成されている。カメラは、第一コンベア10によって搬送されてきた農産物Wの外観を撮像する撮像装置であって、第一コンベア10の上方に配され、第一コンベア10上にある農産物Wを撮像しうるように第一コンベア10に向かって設置されている。カメラは、第一コンピュータ28からの指令に基づいて農産物Wを撮像して農産物Wの外観画像を生成する。そして、カメラは、生成した農産物Wの外観画像を第一コンピュータ28に送信する。
【0020】
第一コンピュータ28は、RFIDリーダおよびカメラを制御する。具体的には、第一コンピュータ28は、CPUとメモリを備えており、メモリに記憶された外部等級判定プログラムをCPUが実行することで、RFIDリーダから識別情報を取得したときにカメラに対して撮像を指令する指令部、カメラから外観画像を取得する外観画像取得部、取得した外観画像を解析して農産物Wの外部等級を判定する判定部、及び判定した外部等級を識別情報に対応づけてメインコンピュータ20に送信する送信部として機能する。ここで、農産物Wの外部等級は、A級、B級、及び一定の品質水準を満たさない格外品として判定される。
【0021】
メインコンピュータ20は、第一コンピュータ28と通信可能に接続されており、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することで、第一コンピュータ28から識別情報、内部等級、及び外部等級を受信する受信部として機能する。また、受信した識別情報に対応づけて外部等級および内部等級をメモリ(記憶部)に記憶させる。さらに、メインコンピュータ20は、受信した識別情報に対応する外部等級および内部等級に基づいて最終的な等級を判定する判定部として機能する。さらにまた、メインコンピュータ20は、判定した等級を識別情報に対応づけてメモリ(記憶部)に記憶する。
【0022】
ここで、本実施形態では、外部等級判定装置14の後に目視検査装置30が設けられている。当該目視検査装置30は、外部等級判定装置14によって判定された外部等級の適否を作業員が目視で検査するための装置であって、農産物入りトレイ22を第二コンベア32で並列的に搬送しながら、当該第二コンベア32の搬送面36に外部等級に関する情報38をプロジェクター34で投影する構成として、目視検査を行うこととしている。
【0023】
第二コンベア32は、搬送面36が白色のベルトコンベアであって、農産物入りトレイ22を並列的に搬送(本実施形態では7列で搬送)可能な程度に幅広い搬送面36を有している。この第二コンベア32は、第一コンベア10の下流部に配置されており、その搬送方向が第一コンベア10の搬送方向と直交するよう設けられている。また、第二コンベア32は第一コンベア10よりも遅い速度で農産物入りトレイ22を搬送する。
【0024】
第一コンベア10の下流部には、RFIDリーダ40と排出装置42が設けられている。排出装置42は、第二コンベア32に対して農産物入りトレイ22を外部等級ごとに振り分けて排出する装置であって、本実施形態では外部等級が割り当てられた複数のプッシャー42a~42gが用いられている。複数のプッシャー42a~42gは、RFIDリーダ40の直下流において第一コンベア10の搬送方向に沿って設けられており、メインコンピュータ20と通信可能に接続されている。
【0025】
メインコンピュータ20は、外部等級判定装置14から識別情報と外部等級を受信するたびに、本実施形態の選別装置1によって選別されている農産物Wの等級比率を算出し、算出した等級比率に応じて複数のプッシャー42a~42gを制御する。例えば、算出された等級比率が、A級:B級:格外品=5:1:1であった場合には、プッシャー42aからプッシャー42eにA級を割り当て、プッシャー42fにB級を割り当て、プッシャー42gに格外品を割り当てる。そして、RFIDリーダ40から取得した識別情報に対応する農産物Wの外部等級をメモリから抽出し、抽出した外部等級に対応するプッシャー42a~42gを制御して農産物入りトレイ22を第二コンベア32に排出させる。したがって、プッシャー42aからプッシャー42eによって排出された農産物Wの外部等級はA級であり、当該農産物入りトレイ22が第二コンベア32の搬送面36において搬送される搬送は外部等級がA級と判定された農産物Wが搬送されるエリアとなる。また、プッシャー42fによって排出された農産物Wの外部等級はB級であり、当該農産物入りトレイ22が搬送される搬送エリアは外部等級がB級と判定された農産物Wが搬送されるエリアである。また、プッシャー42gによって排出された農産物Wの外部等級は格外品であり、当該農産物Wが搬送される搬送エリアは外部等級が格外品と判定された農産物Wが搬送されるエリアである。
【0026】
図2に示すように、上記第二コンベア32の上方には表示装置であるプロジェクター34が設置されている。プロジェクター34は、メインコンピュータ20に接続されており、図1に示すように、メインコンピュータ20から入力された映像信号に基づいて、第二コンベア32の搬送面36に外部等級に関する情報38を投影する。当該外部等級に関する情報は、例えば等級識別情報である。等級識別情報は、第二コンベア32の搬送方向に伸びる帯状の色彩であって、等級毎に異なる色彩が採用されている。例えば、等級がA級の農産物Wが搬送される搬送エリアには緑色の色彩(38a)が投影され、等級がB級の農産物Wが搬送される搬送エリアには黄色の色彩(38b)が投影され、等級が格外品の農産物Wが搬送される搬送エリアには赤色の色彩(38c)が投影される。すなわち、外部等級の等級比率に応じて搬送面36を幅方向に区分けし(本実施形態では5:1:1に区分けし)、区分けされた搬送エリアには外部等級に対応する色彩が投影される。
【0027】
第二コンベア32の下流部には、ガイドレール44および旋回レール46が設けられており、農産物入りトレイ22はガイドレール44および旋回レール46に沿って等級別コンベア16へと搬送される。旋回レール46は、第二コンベア32の搬送方向に沿って伸びる板状体であって、モータやソレノイド、流体圧シリンダ等の回動手段によって下流端が水平回動されることにより、その上流端が旋回移動する。A級品の農産物入りトレイ22を搬送するA級搬送コンベア16aの入り口にはRFIDリーダ48aが設けられており、RFIDリーダ48aによって読み取られた識別情報に対応する農産物の外部等級がA級品として確定する。A級搬送コンベア16aの搬送経路には階級判定装置(不図示)が設けられており、階級判定装置により階級が判定され、仕分け排出装置(不図示)によって箱詰装置へと排出される。
【0028】
B級および格外品を搬送する搬送エリアについては、作業員Mによって農産物Wの目視検査が実施される。目視検査の結果、B級や格外品と判定すべきではない農産物Wについては、目視検査において判定された等級の搬送エリアへと投入される。目視検査を行った結果、B級として認定された場合には、旋回レール46によって、B級品を搬送するB級搬送コンベア16bへと搬送される。B級搬送コンベア16bの入り口にはRFIDリーダ48bが設けられており、RFIDリーダ48bによって読み取られた識別情報に対応する農産物Wの外部等級がB級品として確定する。目視検査を行なった結果、格外品として認定された場合には、格外品を搬送する格外搬送コンベア16cへと搬送される。
【0029】
本実施形態の農産物Wの選別装置1によれば、並列的に農産物Wを搬送する第二コンベア32が、単列搬送する従来のコンベヤよりも遅い速度で多くの農産物を搬送することができ、作業者Mは余裕をもって目視検査を行うことができるので、目視検査の効率が向上する。また、外部等級判定装置14で農産物Wの外部等級が判定されるとともに、搬送されている農産物Wの外部等級の等級比率がメインコンピュータ20によって計測される。そして、外部等級が判定された農産物Wを搬送する第二コンベア32の搬送面36は計測された等級比率に応じて、等級別に色彩で区分けされ、メインコンピュータ20によって制御される排出装置42は、色彩が付された搬送エリアへと農産物Wを排出する。したがって、作業者Mは、搬送面36の色彩によって判定された外部等級を把握しながら、特に検査の必要な搬送エリアに注目してその適否を検査できる。また、プロジェクター34によって投影する等級識別情報は、外部等級の比率に応じて変更することができるので、当該比率の変動に応じて排出装置を制御することで、第二コンベア32の搬送能力を低下するのを防ぐことができる。
【0030】
[第2実施形態]
【0031】
第2実施形態に係る農産物Wの選別装置100は、農産物Wを搬送する第一コンベア110の搬送経路に内部等級判定装置112および外部等級判定装置114が設けられている。本実施形態の第一コンベア110は、農産物Wを載置して搬送する搬送体122がフリートレイではなく、第一コンベア110に連結されている点において第1実施形態とは異なっている。当該搬送体122は、例えば農産物Wを回転させてながら搬送する回転式の搬送体122である。当該第一コンベア110はコンピュータ120によって駆動制御されており、コンピュータ120は、搬送体122の各々に連番を付してその位置を追跡している。
【0032】
内部等級判定装置112は、第1実施形態と同様に、コンピュータ120と通信可能に接続された照明と受光装置を備えており、通過する農産物Wの内部等級を判定するとともに、判定した内部等級を搬送体122の番号に対応づけて記憶する。
【0033】
外部等級判定装置114は、第1実施形態と同様にカメラとコンピュータ120を備えており、第一コンベア110によって回転しながら搬送されている農産物Wの外観を撮像する。この際、カメラは、回転しながら搬送されている農産物Wの外観を複数回撮像することで、農産物Wの全周の外観画像が生成される。コンピュータ120は、農産物Wの全周の外観画像をカメラから取得すると、取得した外観画像に基づいて農産物Wの外観等級を判定するとともに、判定した等級を搬送体122の番号に対応づけて記憶する。
【0034】
上記のようにして内部等級判定装置112と外部等級判定装置114を通過した農産物Wは、外部等級が割り当てられた複数の中継コンベア150へと排出される。複数の中継コンベア150は、第一コンベア110から排出された農産物Wを後述の第二コンベア132に中継するベルトコンベアであって、その搬送方向が第一コンベア110と第二コンベア132の搬送方向に直交するように設けられた第一中継コンベア150a乃至第四中継コンベア150dを備えている。第一中継コンベア150aは第二コンベア132の第一搬送レーン132aへと農産物Wを搬送するように設けられており、第二中継コンベア150bは第二コンベア132の第二搬送レーン132bへと農産物Wを搬送するように設けられており、第三中継コンベア150cは第二コンベア132の第三搬送レーンへ132cと農産物Wを搬送するように設けられており、第四中継コンベア150dは第二コンベア132の第四搬送レーン132dへと農産物Wを搬送するように設けられている。
【0035】
本実施形態の第二コンベア132は、農産物Wを並列的に搬送可能な程度に幅広に形成されたローラーコンベアであり、農産物Wが搬送される搬送面に、搬送方向に延在する複数のガイドレール152が設けられている。複数のガイドレール152によって、ローラーコンベアは複数の(本実施形態では4つの)搬送レーン132a~132dに区分けされている。各搬送レーン132a~132dは、農産物Wが単列で搬送可能な幅に形成されており、各搬送レーン132a~132dには表示装置である複数のLED154が搬送方向に沿って設けられている。LED154は、ローラーコンベアを構成する各ローラーの間に上向きに設けられている。これにより、ローラーコンベアの搬送面、すなわち各搬送レーンの搬送面が下方からLEDの光で照射され、作業員が当該LED154の光を視認可能となっている。これら複数のLED154はコンピュータ120によって制御される。
【0036】
上記各中継コンベア150および各搬送レーン132a~132dには予め農産物Wの外部等級が割り当てられており、第一コンベア110によって搬送される農産物Wが、該当する中継コンベア150に排出される。具体的には、第一中継コンベア150aおよび第一搬送レーン132aには格外品が割り当てられ、第二中継コンベア150bおよび第二搬送レーン132bには不良品が割り当てられ、第三中継コンベア150cおよび第四中継コンベア150dならびに第三搬送レーン132cおよび第四搬送レーン132dには良品が割り当てられる。コンピュータ120は、第一コンベア110によって搬送される農産物Wの位置を追跡するとともに、当該農産物Wの外部等級に対応する中継コンベア150に向かって、搬送体122を傾動制御して農産物Wを排出する。
【0037】
ここで、本実施形態では、コンピュータ120が複数のLED154を制御することで、搬送装置である第二コンベア132の搬送面に外部等級に関する情報を表示することとしている。具体的には、第一搬送レーン132aに設けられた複数のLED154は赤色に発光制御され、第二搬送レーン132bに設けられた複数のLED154は黄色に発光制御され、第三搬送レーン132cおよび第四搬送レーン132dに設けられた複数のLED154は緑色に発光制御される。これにより、作業員は、緑色の搬送レーン132c,132dが良品、黄色の搬送レーン132bが不良品、赤色の搬送レーン132aが格外品として認識することができ、黄色および赤色の搬送レーン132b,132aを重点的に目視検査することができる。
【0038】
目視検査の結果、第三搬送レーン132cおよび第四搬送レーン132dを移動する農産物Wは階級判定装置へと搬送される。また、第一搬送レーン132aおよび第二搬送レーン132bを移動する農産物Wは廃棄用搬送コンベアへと搬送される。
【0039】
第1実施形態および第2実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られず、下記の様に変形した態様であっても構わない。
【0040】
<変形例1>
図4に示すように、第二コンベアにおいて搬送される農産物Wに対して、外部等級に関する情報である判定理由を投影しても構わない。当該判定理由の投影は、外部等級が判定された理由を指標するマーカーであって、第二コンベアにより搬送される農産物入りトレイの近傍に投影される。例えば、外部等級がA品と判定された農産物Wには緑マーカーm1が投影される。また、外部等級がB品と判定された農産物Wには黄マーカーm2が投影される。一方、外部等級が格外と判定された農産物Wには赤マーカーm3が投影される。マーカーの形状については、図示したドットに限られず、農産物を囲う枠組でもよい。このとき、例えば、枠組みの形状を円形にすることでA品を指標し、枠組みの形状を三角にすることでB品を指標し、四角にすることで格外品を指標するものであっても構わない。さらに、色彩を付した枠組みを表示することで、外部等級とその判定理由を同時に表示しても構わない。また、農産物Wとその周囲を照らす円状のマーカーや、“キズ”や“カタチ”など不良理由を表示するマーカーであっても構わない。であっても構わない。さらに、マーカーは、農産物Wのみに表示されても構わない。
【0041】
このように、外部等級が判定された理由を投影することで、作業員は、当該判定理由を重点的に確認すればよいので、目視検査の効率が向上することとなる。
【0042】
<変形例2>
上記第1実施形態では外部等級の等級比率に応じて第二コンベアを区分けしていたが、第2実施形態のように、予め定めたエリアに第二コンベアを区分けしても構わない。
【0043】
<変形例3>
上記第2実施形態では、第二コンベアを構成するローラー間に表示装置である複数のLEDを設ける構成としたが、例えば、搬送装置である第二コンベア上のガイドレールに、その延在方向に沿って複数のLEDを設けても構わない。
【0044】
<変形例4>
上記変形例1では、外部等級を目視検査するための目視検査装置として本発明を説明したが、他の用途、例えば、等級が判定された農産物を搬送するコンベアにおいて、外部等級だけでなく内部等級が格外と判定された農産物をピックアップする用途として用いても構わない。
【符号の説明】
【0045】
1、100 … 選別装置
W … 農産物
32、132 … 第二コンベア(搬送装置)
38 … 等級に関する情報
34 … プロジェクタ(表示装置)
42 … プッシャー(排出装置)
154 … LED(表示装置)

図1
図2
図3
図4