(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】太陽電池パネルのメインテナンス用足場、及びこのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法
(51)【国際特許分類】
E04G 1/30 20060101AFI20240628BHJP
H02S 30/10 20140101ALI20240628BHJP
H02S 40/10 20140101ALI20240628BHJP
E04G 7/34 20060101ALI20240628BHJP
E04G 3/22 20060101ALI20240628BHJP
E04G 3/26 20060101ALI20240628BHJP
E04G 5/08 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
E04G1/30 Z
H02S30/10
H02S40/10
E04G7/34 302Z
E04G3/22 A ETD
E04G3/26
E04G5/08 Q
(21)【出願番号】P 2020095972
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】520201824
【氏名又は名称】株式会社イングス
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】清水 晃
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08596414(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0062761(US,A1)
【文献】特開2020-023848(JP,A)
【文献】実開平07-001141(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D1/00-3/40
13/00-15/07
E04G1/00-7/34
27/00
H02S30/10
40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜を有する架台に設置された複数の太陽電池パネルのメインテナンスに用いられ、該架台の傾斜方向に向かって該太陽電池パネル上に並設される長尺状のフレームと、該フレームに固着されて足場板が架設される台座と、を備える太陽電池パネルのメインテナンス用足場であって、
該フレームは、フレーム本体と、該フレーム本体の先端に設けられた鉤状の掛着部とを有し、
該台座は該フレーム本体の複数の所定位置又は任意位置に固着され、該フレーム本体の長手方向に延在して該足場板が載置される台座本体と、該台座本体の後端部に立設された該足場板の滑り落ちを防止する滑落防止板とを有し、
該台座本体の上面と該フレーム本体の上面とは、所定の角度をなして
おり、
該掛着部は角パイプからなり、該掛着部の表面には丸パイプからなる移動部材が該フレーム本体と略垂直に設けられ、
該移動部材に長尺状の移動ポールの先端を挿入することにより、該フレームを移動させることを特徴とする太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項2】
前記台座本体の先端部には、回動軸を軸心として前記台座を回動可能にする回動軸部が設けられ、
該台座本体の後端部には、該台座の回動を任意位置で静止させて固定させる傾斜調整部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項3】
前記フレーム本体には、複数の透孔が所定位置に設けられ、
前記回動軸部は、該フレーム本体に密着する密着部と、該密着部から連続して突設される軸支部とからなる略長方形の板状をなす回動軸部側板を一対有し、
該軸支部において、前記台座本体の先端部を貫通する前記回動軸の両端が軸支され、
該密着部には固着孔が設けられ、所定位置の該透孔と該固着孔とを合致させて固着部材により該フレーム本体に該回動軸部を固着させることを特徴とする請求項
2記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項4】
前記傾斜調整部は、断面がH形状をなし前記フレーム本体の上面と両側面とに密着する調整部本体と、該調整部本体に回動可能に軸支される支持軸と、該支持軸の中央から垂直に突設され表面に雄ネジが形成された調整軸と、前記台座本体の後端から該台座本体の上面と平行に後方に延長された調整板とを有し、
該調整部本体は、該フレーム本体の上面に密着して装着される四角形の本体板と、該本体板の平行な端面に固定される一対の調整部側板とを有し、
該調整部側板は、該フレーム本体に密着する密着部と、該密着部から連続して突設される軸支部とからなり、
該軸支部において該支持軸の両端が軸支され、
該密着部には固着孔が設けられ、所定位置の前記透孔と該固着孔とを合致させて前記固着部材により該フレーム本体に該傾斜調整部を固着させ、
該調整板に設けられた貫通孔を貫通する該調整軸に螺合されたナットにより、該台座本体の傾斜を調整することを特徴とする請求項
3記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項5】
前記フレームは、前記掛着部を有するメインフレームと、該メインフレームに接続され該掛着部を有しない拡張フレームとからなり、
該拡張フレームには、複数の透孔が所定位置に設けられ、前記台座が着脱可能に固着されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項6】
前記フレーム本体は角パイプからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法であって、
前記フレームに前記台座を固着して前記台座本体の傾斜を調整した後、該フレームを前記太陽電池パネル上に取り付け、該フレームの該台座に前記足場板を架け渡す取付工程と、
該足場板に乗り、コーティング剤塗布作業を行うコーティング剤塗布工程と、
コーティング剤塗布作業が終了していない場合、該フレームを該太陽電池パネル上で移動させ、該コーティング剤塗布工程に進む移動工程と、
コーティング剤塗布作業が終了している場合、該フレームを該太陽電池パネル上から取り外す取外し工程と、を備えることを特徴とする太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜を有する架台に設置された複数の太陽電池パネルのメインテナンスに用いられるメインテナンス用足場、及びこのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池システムにおいては、太陽電池パネルが風雨に曝されパネル表面に粉塵が付着して発電効率が低下するため、太陽電池パネルの洗浄、コーティング剤の塗布等のメインテナンスが必要である。特に、コーティング剤の塗布作業は、太陽電池パネルの取り付け前においては容易であるが、太陽電池パネルの取り付け後においては複数の太陽電池パネルが広い傾斜面を形成するため容易ではない。従来、太陽電池パネルの洗浄に関しては特許文献1、及びコーティング剤の塗布に関しては特許文献2に示される提案がされている。これらの洗浄装置、塗布装置によれば、太陽電池パネルの洗浄、及びコーティング剤の塗布を効率よく行うことができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-34306号公報
【文献】特開2018-74691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、2の洗浄装置、塗布装置では、装置自体が大型であるだけでなく電源等の付随設備も必要であり運搬、及び取り扱いが難しい上、高価である。さらには、これらの装置の保管場所の確保、メインテナンス等の管理も必要である。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、簡便に使用することができ、安価な太陽電池パネルのメインテナンス用足場、及びこのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、傾斜を有する架台に設置された複数の太陽電池パネルのメインテナンスに用いられ、該架台の傾斜方向に向かって該太陽電池パネル上に並設される長尺状のフレームと、該フレームに固着されて足場板が架設される台座と、を備える太陽電池パネルのメインテナンス用足場であって、該フレームは、フレーム本体と、該フレーム本体の先端に設けられた鉤状の掛着部とを有し、該台座は該フレーム本体の複数の所定位置又は任意位置に固着され、該フレーム本体の長手方向に延在して該足場板が載置される台座本体と、該台座本体の後端部に立設された該足場板の滑り落ちを防止する滑落防止板とを有し、該台座本体の上面と該フレーム本体の上面とは、所定の角度をなしており、該掛着部は角パイプからなり、該掛着部の表面には丸パイプからなる移動部材が該フレーム本体と略垂直に設けられ、該移動部材に長尺状の移動ポールの先端を挿入することにより、該フレームを移動させることである。
【0007】
請求項2に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、前記台座本体の先端部には、回動軸を軸心として前記台座を回動可能にする回動軸部が設けられ、該台座本体の後端部には、該台座の回動を任意位置で静止させて固定させる傾斜調整部が設けられていることである。
【0008】
請求項3に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、前記フレーム本体には、複数の透孔が所定位置に設けられ、前記回動軸部は、該フレーム本体に密着する密着部と、該密着部から連続して突設される軸支部とからなる略長方形の板状をなす回動軸部側板を一対有し、該軸支部において、前記台座本体の先端部を貫通する前記回動軸の両端が軸支され、該密着部には固着孔が設けられ、所定位置の該透孔と該固着孔とを合致させて固着部材により該フレーム本体に該回動軸部を固着させることである。
【0009】
請求項4に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、前記傾斜調整部は、断面がH形状をなし前記フレーム本体の上面と両側面とに密着する調整部本体と、該調整部本体に回動可能に軸支される支持軸と、該支持軸の中央から垂直に突設され表面に雄ネジが形成された調整軸と、前記台座本体の後端から該台座本体の上面と平行に後方に延長された調整板とを有し、該調整部本体は、該フレーム本体の上面に密着して装着される四角形の本体板と、該本体板の平行な端面に固定される一対の調整部側板とを有し、該調整部側板は、該フレーム本体に密着する密着部と、該密着部から連続して突設される軸支部とからなり、該軸支部において該支持軸の両端が軸支され、該密着部には固着孔が設けられ、所定位置の前記透孔と該固着孔とを合致させて前記固着部材により該フレーム本体に該傾斜調整部を固着させ、該調整板に設けられた貫通孔を貫通する該調整軸に螺合されたナットにより、該台座本体の傾斜を調整することである。
【0010】
請求項5に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、前記フレームは、前記掛着部を有するメインフレームと、該メインフレームに接続され該掛着部を有しない拡張フレームとからなり、該拡張フレームには、複数の透孔が所定位置に設けられ、前記台座が着脱可能に固着されることである。
【0011】
請求項6に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場の特徴は、前記フレーム本体は角パイプからなることである。
【0013】
請求項7に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法の特徴は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法であって、前記フレームに前記台座を固着して前記台座本体の傾斜を調整した後、該フレームを前記太陽電池パネル上に取り付け、該フレームの該台座に前記足場板を架け渡す取付工程と、該足場板に乗り、コーティング剤塗布作業を行うコーティング剤塗布工程と、コーティング剤塗布作業が終了していない場合、該フレームを該太陽電池パネル上で移動させ、該コーティング剤塗布工程に進む移動工程と、コーティング剤塗布作業が終了している場合、該フレームを該太陽電池パネル上から取り外す取外し工程と、を備えることである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場は、架台の傾斜方向に向かって太陽電池パネル上に並設される長尺状のフレームと、フレームに固着されて足場板が架設される台座とを備えたものであり、電源等の付随設備は不要で、小型化が可能である上、運搬、保管も容易である。また、フレーム本体の先端に設けられた鉤状の掛着部を架台、又は太陽電池パネルの枠体に引掛けることにより、フレームを太陽電池パネル上に簡単に取り付けることができ、簡単に取り扱うことができる。
【0015】
さらに、台座をフレーム本体の複数の所定位置又は任意位置に固着することができるため、フレーム本体の好適な位置に台座を固着してメインテナンス作業を容易にすることができる。また、台座には滑落防止板が設けられているため、足場板の滑り落ちを防止して作業者の安全を確保することができる。さらに、台座本体の上面とフレーム本体の上面とは、所定の角度をなしているため、作業者の安全を確保するとともに、作業効率を向上させることができる。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場によれば、簡便に使用することができ、安価である。なお、「所定位置」とは太陽電池パネルのメインテナンス作業の遣り残しを防ぐことのできる位置をいい、「複数の所定位置」とは離散的に設定された所定位置をいう。また、「任意位置」とは連続的な位置をいう。さらに、「所定の角度」とは、足場板を略水平にすることできる角度をいう。
そして、掛止部材の表面に設けられた丸パイプからなる移動部材に移動ポールの先端を挿入することにより、フレームを回転させることなく移動させることができる。
【0016】
請求項2に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、台座本体に設けられた回動軸部と傾斜調整部により、台座の回動を任意位置で静止させて固定させることができるため、太陽電池パネルの傾斜に合わせて足場板を水平に維持することができ作業者の安全を確保するとともに、作業効率を向上させることができる。
【0017】
請求項3に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、回動軸部側板は軸支部と密着部とからなり、軸支部において台座本体の先端部を貫通する回動軸の両端が軸支される。また、密着部には固着孔が設けられ、フレーム本体の所定位置の透孔と固着孔とを合致させて固着部材によりフレーム本体に回動軸部を固着させることができる。そのため、簡単な構造でフレーム本体の所定位置に台座を回動可能に取り付けることができる。なお、「固着部材」として、例えば、ボルト、ナットを採用することができる。
【0018】
請求項4に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、調整部本体がフレーム本体の上面と両側面とに密着して固着される。また、調整部側板が軸支部と密着部とからなり、軸支部において支持軸の両端が回動可能に軸支され、密着部には固着孔が設けられている。そして、フレーム本体の所定位置の透孔と固着孔とを合致させて固着部材によりフレーム本体に傾斜調整部を固着させることができる。そのため、フレーム本体の所定位置に傾斜調整部を安定して強固に取り付けることができる。また、支持軸の中央に垂直に突設された調整軸が調整板の貫通孔を貫通し、調整軸に螺合されたナットにより、台座本体の傾斜を調整することができる。
【0019】
請求項5に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、メインフレームに拡張フレームを接続できるため、簡単にメインフレームを延長することができる。また、拡張フレームの所定位置に透孔が設けられているため、台座を着脱可能に固着することができる。
【0020】
請求項6に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、フレーム本体が角パイプからなるため軽量化することができる。また、フレーム本体、及び台座をアルミニウム製とすればさらに軽量化することができる。なお、「角パイプ」には、断面形状が正方形のものだけでなく長方形のものも含まれる。
【0022】
請求項7に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法においては、取付工程において、フレームに台座を固着して台座本体の傾斜を調整した後、フレームを太陽電池パネル上に取り付け、フレームの台座に足場板を架け渡す。このメインテナンス用足場は、フレームと台座とを備えたものであり、電源等の付随設備は不要で、小型化が可能である上、運搬、保管も容易である。また、フレーム本体の先端に設けられた鉤状の掛着部を架台、又は太陽電池パネルの枠体に引掛けることにより、フレームを太陽電池パネル上に簡単に取り付けることができ、簡単に取り扱うことができる。
【0023】
コーティング剤塗布工程においては、取付工程において、最適な位置に取り付けられた台座に足場板が架け渡され、台座は略水平にされているため、作業者は太陽電池パネルの表面に容易にコーティング剤を塗布することができる。また、台座には滑落防止板が設けられているため、足場板の滑り落ちを防止して作業者の安全を確保することができる。
【0024】
移動工程においては、フレームを太陽電池パネル上で移動させた後、コーティング剤塗布工程に進むため、塗布作業を容易に継続するすることができる。また、取外し工程においては、フレームの掛着部を架台、又は太陽電池パネルの枠体から外してフレームを太陽電池パネルから下ろせばよいため、簡単かつ確実に取り外しできる。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法によれば、簡便に使用することができ、安価である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場に係り、太陽電池パネルの上面にメインテナンス用足場を取り付けた斜視図。
【
図2】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場に係り、メインフレームの斜視図。
【
図3】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場に係り、メインフレームの先端部分の一部拡大斜視図。
【
図4】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場に係り、台座の斜視図。
【
図5】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場に係り、拡張フレームの斜視図。
【
図6】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る太陽電池パネルのメインテナンス用足場、及びこのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法を具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場を太陽電池パネル91の上面に取り付けた斜視図である。このメインテナンス用足場は、傾斜を有する架台90に設置された複数の太陽電池パネル91の洗浄、コーティング剤の塗布等のメインテナンスに用いられ、アルミニウム製の肉薄の角パイプからなる長尺状のフレーム1、アルミニウム製の台座2、及び後述する移動ポール15(
図3参照)からなっている。ただし、本実施形態においては、フレーム1は、メインフレーム3と拡張フレーム4、5とからなっている。これらのメインフレーム3、拡張フレーム4、5は肉薄の角パイプからなるため軽量(メインフレーム3に台座2を取り付けた状態で約7kg)である上、長さを約2mとしているため、軽トラックの荷台に載せて簡単に運搬することができる。
【0027】
拡張フレーム5はメインフレーム3に接続され、拡張フレーム4は拡張フレーム5に接続されて、複数の太陽電池パネル91の傾斜方向の長さに十分対応できるようになっている。そして、メインフレーム3、及び拡張フレーム5には台座2が取り付けられている。また、一対の拡張フレーム5の台座2には足場板95が架け渡されている。作業者は、足場板95に乗ってメインテナンス作業をすることができる。これにより、傾斜方向の太陽電池パネル91のメインテナンス作業は十分に行えるようになっている。なお、拡張フレーム4、5の接続は自由に行えるため、太陽電池パネル91の傾斜方向の枚数により最適な組み合わせを選択することができる。また、メインフレーム3の長さを長くして、メインフレーム3のみを用いるようにしてもよい。
【0028】
図2は、メインフレーム3に台座2を取り付けた斜視図である。メインフレーム3は、長尺状のフレーム本体10と、フレーム本体10の先端に設けられた掛着部13と、後端に設けられた拡張部材18とからなっている。フレーム本体10には、複数の透孔10aが所定位置に設けられ、この透孔10aを用いて台座2がフレーム本体10に固着される。拡張部材18は断面コ状のアルミニウムからなり、フレーム本体10の上面と両側面とに密着して固定されている。ただし、拡張部材18の長手方向の半分の部分にフレーム本体10の後端が挿入された状態になっており、拡張部材18の残りの部分に拡張フレーム4、又は拡張フレーム5の先端を挿入してボルト、及びナットで固定することにより、メインフレーム3を延長するものである。この拡張部材18は着脱自在に取り付けられている。
【0029】
図3に示すように、掛着部13は鉤状の角パイプからなり、フレーム本体10の先端を被覆して固定される被覆部材13aと、被覆部材13aから略直角に延びる掛止部材13bとからなっている。この掛着部13を架台90、又は太陽電池パネル91の枠体に引掛けることにより、メインフレーム3を太陽電池パネル91上に簡単に取り付けることができるようになっている。また、掛止部材13bの先端部には取付具13cに固定された丸パイプからなる移動部材14がフレーム本体10と略垂直に設けられている。そして、取付具13cは掛止部材13bの先端部に着脱可能に固着されている。また、移動ポール15は丸パイプからなり、大径の把持部15aの先端に小径の挿入部15bが固定されて段付き状になっている。この挿入部15bを移動部材14に挿入することにより、メインフレーム3と拡張フレーム4、5を移動させることができる。この際、挿入部15bが移動部材14に挿入されているため、メインフレーム3、拡張フレーム4、5の回転を防止することができ、台座2が回転して太陽電池パネル91を破損させることを防止することができる。なお、架台90の高さが低く、作業者が直接メインフレーム3と拡張フレーム4、5を移動させることができる場合は、移動ポール15は不要であり、移動部材14を取付具13cとともに取り外しておいてもよい。また、架台90(太陽電池パネル91の枠体)に当接する掛着部13の部分に、シート状のゴムを貼ったり、ローラを取り付けたりしてもよい。
【0030】
図4に示すように、台座2は、フレーム本体10の長手方向に延在して足場板95が載置される角パイプからなる台座本体20と、台座本体20の後端部20bに立設された防止板21とからなっている。滑落防止板21は、補強のため断面形状がコ形になるように折り曲げ加工が施されている。台座本体20の先端部20aには、回動軸27を軸心として台座2を回動可能にする回動軸部25が設けられている。また、台座本体20の後端部20bには、台座2の回動を任意位置で静止させて固定させる傾斜調整部30が設けられている。
【0031】
回動軸部25は、軸支部26aと密着部26bとからなる略長方形の板状をなす一対の回動軸部側板26からなり、回動軸部25と傾斜調整部30とにより台座2がフレーム本体10に取り付けられる。軸支部26aは、フレーム本体10の上面より突出する部分であり、この軸支部26aにおいて台座本体20の先端部20aを貫通する回動軸27の両端が軸支される。これにより、台座2は回動軸27を軸心として回動することができる。また、密着部26bは、フレーム本体10の側面に密着して固着される部分であり、固着孔26cが設けられている。この固着孔26cとフレーム本体10の所定位置の透孔10aとを合致させて、固着部材としてのボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に回動軸部側板26を密着させて固着させることができる。これにより、回動軸部25がフレーム本体10に確実に固着され、台座2は回動軸27を軸心として安定して回動することができる。なお、このナット28bは蝶ナットであるため、フレーム本体10への台座2の取り付け、取り外しを迅速に行うことができる。
【0032】
傾斜調整部30は、調整部本体31と支持軸34と調整軸35と調整板22とからなり、傾斜調整部30と回動軸部25とにより台座2がフレーム本体10に取り付けられる。調整部本体31は、断面がH形状をなしフレーム本体10の上面と両側面とに密着して固着される。この調整部本体31は、フレーム本体10の上面に密着して装着される四角形の本体板32と、本体板32の平行な端面に固定される一対の調整部側板33とからなっている。整部側板33は、軸支部33aと密着部33bとからなっている。軸支部33aは、フレーム本体10の上面より突出する部分であり、この軸支部33aにおいて支持軸34の両端が回動可能に軸支される。また、密着部33bは、フレーム本体10の側面に密着して固着される部分であり、固着孔33cが設けられている。この固着孔33cとフレーム本体10の所定位置の透孔10aとを合致させて、ボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に調整部側板33を密着させて固着させることができる。これにより、傾斜調整部30がフレーム本体10に確実に固着される。
【0033】
支持軸34の中央には、表面に雄ネジが形成された調整軸35が垂直に突設されている。また、台座本体20の後端には、台座本体20の上面と平行に後方に延長された調整板22が設けられている。調整板22には貫通孔22aが設けられている。そして、調整軸35は貫通孔22aに貫設され、調整軸35には調整板22を挟んでナット35a、35bが螺合されている。このナット35a、35bの位置を調整して調整板22をナット35a、35bで挟んで固定することにより、台座本体20の傾斜を調整することができる。この際、台座本体20は回動軸27を中心に回動し、貫通孔22aは回動軸27を中心とした円弧上を回動する。そして、支持軸34が調整部側板33に回動可能に軸支されているため、調整軸35は貫通孔22aに追従して円滑に動くことができる。
【0034】
図5(1)は拡張フレーム4の斜視図、
図5(2)は拡張フレーム5に台座2が取り付けられた斜視図である。
図5(1)に示すように、拡張フレーム4はフレーム本体40のみからなっている。フレーム本体40は、メインフレーム3のフレーム本体10と同様、肉薄の角パイプからなり、複数の透孔40aが所定位置に設けられている。ただし、メインフレーム3の下端部分の太陽電池パネル91へのメインテナンス作業については、拡張フレーム5の上端部分に足場板95を架け渡さなければならないため(
図1参照)、透孔40aの数の方がメインフレーム3の透孔10aの数より多くなっている。そして、拡張フレーム4の先端をメインフレーム3、又は拡張フレーム5の拡張部材18に挿入してボルト、及びナットにより固定することにより、メインフレーム3を延長することができる。また、透孔40aを利用して台座2を取り付けることもできる。
【0035】
図5(2)に示すように、拡張フレーム5は、フレーム本体40の後端に拡張部材18が取り付けられたものである。この拡張フレーム5も、拡張フレーム4と同様、台座2を着脱可能である。なお、
図5(2)は、フレーム本体40に台座2を取り付けた状態を表している。
【0036】
以上の構成をしたメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS1において、一対のメインフレーム3、一対の拡張フレーム4、5、4個の台座2、移動ポール15等を用意する。そして、まず、一対のメインフレーム3に台座2を取り付ける。詳細には、回動軸部25の一対の回動軸部側板26に設けられた固着孔26cとフレーム本体10の所定位置の透孔10aとを合致させて、ボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に回動軸部側板26を密着させて固着させる。次に、傾斜調整部30の一対の調整部側板33に設けられた固着孔33cとフレーム本体10の所定位置の透孔10aとを合致させて、ボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に調整部側板33を密着させて固着させる。これにより、回動軸部25、傾斜調整部30がフレーム本体10に固着され、台座2がフレーム本体10に取り付けられる。
【0037】
次に、太陽電池パネルの傾斜に合わせて台座本体20を回動軸27を中心に回動させ、台座本体20とフレーム本体10との角度を調整する。この際、支持軸34が回動可能になっているため、支持軸34に固定された調整軸35が調整板22の貫通孔22aに従って動くことができる。そして、台座本体20とフレーム本体10との角度を調整後、調整板22をナット35a、35bで挟んで固定する。これにより、フレーム本体10に対する台座本体20の角度を所望の角度にすることができる。同様の作業を一対の拡張フレーム5についても行い、拡張フレーム5に台座2を取り付ける。その後、メインフレーム3のフレーム本体10の後端に設けられた拡張部材18に拡張フレーム5の先端を挿入してボルト、及びナットにより固定して、メインフレーム3に拡張フレーム5を接続する。次に、拡張フレーム5のフレーム本体40の後端に設けられた拡張部材18に拡張フレーム4のフレーム本体40の先端を挿入してボルト、及びナットにより固定して、拡張フレーム5に拡張フレーム4を接続する。以上により、メインフレーム3、及び拡張フレーム4、5の組み立てが終了する。
【0038】
そして、組み立てられたメインフレーム3、拡張フレーム4、5を太陽電池パネル91上に取り付ける。この作業は二人で行うことができる。太陽電池パネル91の傾斜の上端部に位置する一方の一人(以下、「一方の一人」という。)が移動ポール15の挿入部15bをメインフレーム3の移動部材14に挿入して、移動ポール15の把持部15aを持ち上げれば、メインフレーム3の先端部を太陽電池パネル91上に持ち上げることができる。同時に、太陽電池パネル91の傾斜の下端部に位置する他方の一人(以下、「他方の一人」という。)が拡張フレーム4の後端を太陽電池パネル91上に持ち上げる。そして、メインフレーム3の掛着部13を架台90、又は太陽電池パネル91の枠体に引掛けて、メインフレーム3、拡張フレーム4、5を太陽電池パネル91上に取り付ける。ただし、一対のメインフレーム3、拡張フレーム4、5を足場板95の長さやコーティング剤塗布の作業性を考慮して、適切な距離をもって平行に取り付けることが必要である。最後に、台座2に足場板95を架け渡す。ステップS1が取付工程である。
【0039】
ステップS2においては、作業者が足場板95に乗り、太陽電池パネル91の表面にコーティング剤を塗布する。足場板95は、最適な位置に取り付けられた台座2に架け渡され、台座2の傾斜調整部30により水平にされているため、作業者は容易にコーティング剤を塗布することができる。そして、一対のメインフレーム3、拡張フレーム4、5間の太陽電池パネル91の塗布作業の終了により、すべての太陽電池パネル91の塗布作業が終了する場合(ステップS3)、ステップS5に進む。また、すべての太陽電池パネル91の塗布作業が終了しない場合(ステップS3)、ステップS4に進む。ステップS2がコーティング剤塗布工程である。
【0040】
ステップS4においては、一対のメインフレーム3、拡張フレーム4、5を未だ塗布作業が終了していない太陽電池パネル91の上に移動させる。この作業は二人で行うことができる。まず、足場板95を台座2から取り外す。そして、一方の一人が移動ポール15の挿入部15bをメインフレーム3の移動部材14に挿入し、移動ポール15の把持部15aを持ち上げて、メインフレーム3の先端部を太陽電池パネル91から少し持ち上げる。同時に、他方の一人が拡張フレーム4の後端を持ち上げる。その状態のまま、同時に目的の太陽電池パネル91まで横に移動させる。その後、一方の一人がメインフレーム3の掛着部13を架台90、又は太陽電池パネル91の枠体に引掛ける。また、他方の一人が拡張フレーム4の後端を太陽電池パネル91上に下ろす。これを両方のメインフレーム3、拡張フレーム4、5について行う。最後に、足場板95を台座2に架け渡す。これにより、メインフレーム3、拡張フレーム4、5の移動が終了する。その後、ステップS2に戻る。ステップS4が移動工程である。
【0041】
ステップS5においては、メインフレーム3、拡張フレーム4、5を太陽電池パネル91から取り外す。この作業も二人で行うことができる。まず、足場板95を台座2から取り外す。そして、一方の一人が移動ポール15の挿入部15bをメインフレーム3の移動部材14に挿入し、移動ポール15の把持部15aを持ち上げて、メインフレーム3の先端部を太陽電池パネル91から少し持ち上げる。同時に、他方の一人が拡張フレーム4の後端を持ち上げる。その状態のまま、メインフレーム3、拡張フレーム4、5を横に移動させて太陽電池パネル91からずらした後、地上に下ろす。
【0042】
そして、メインフレーム3、拡張フレーム4、5を解体する。まず、拡張フレーム5のフレーム本体40の後端に設けられた拡張部材18のボルト、及びナットを緩め、拡張フレーム4のフレーム本体40の先端を拡張部材18から外して、拡張フレーム5から拡張フレーム4を外す。同様に、メインフレーム3のフレーム本体10の後端に設けられた拡張部材18のボルト、及びナットを緩め、拡張フレーム5のフレーム本体40の先端を拡張部材18から外して、メインフレーム3から拡張フレーム5を外す。これにより、メインフレーム3、拡張フレーム4、5の解体が終了し、すべての作業が終了する。ステップS5が取外し工である。なお、必要に応じ、メインフレーム3、拡張フレーム5に取り付けられている台座2を取り外してもよい。この場合は、回動軸部側板26をフレーム本体10に固着させている固着孔26cのボルト28a、ナット28bを緩めて取り外す。また、調整部側板33をフレーム本体10に固着させている固着孔33cのボルト28a、ナット28bを緩めて取り外す。これにより、台座2をフレーム本体10から簡単に取り外すことができる。
【0043】
実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用足場は、架台90の傾斜方向に向かって太陽電池パネル91上に並設される長尺状のフレーム1と、フレーム1に固着されて足場板95が架設される台座2とを備えたものであり、電源等の付随設備は不要で、小型化が可能である上、運搬、保管も容易である。また、フレーム本体10の先端に設けられた鉤状の掛着部13を架台90、又は太陽電池パネル91の枠体に引掛けることにより、フレーム1を太陽電池パネル91上に簡単に取り付けることができ、簡単に取り扱うことができる。
【0044】
さらに、台座2をフレーム本体10の複数の所定位置に固着することができるため、フレーム本体10の好適な位置に台座2を固着してメインテナンス作業を容易にすることができる。また、台座2には滑落防止板21が設けられているため、足場板95の滑り落ちを防止して作業者の安全を確保することができる。さらに、台座本体20の上面とフレーム本体10の上面とは、所定の角度をなしているため、作業者の安全を確保するとともに、作業効率を向上させることができる。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場によれば、簡便に使用することができ、安価である。
【0045】
また、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、台座本体20に設けられた回動軸部25と傾斜調整部30により、台座2の回動を任意位置で静止させて固定させることができるため、太陽電池パネル91の傾斜に合わせて足場板95を水平に維持することができ作業者の安全を確保するとともに、作業効率を向上させることができる。
【0046】
さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、回動軸部側板26は軸支部26aと密着部26bとからなり、軸支部26aにおいて台座本体20の先端部20aを貫通する回動軸27の両端が軸支される。また、密着部26bには固着孔26cが設けられ、フレーム本体10の所定位置の透孔10aと固着孔26cとを合致させてボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に回動軸部25を固着させることができる。そのため、簡単な構造でフレーム本体10の所定位置に台座2を回動可能に取り付けることができる。
【0047】
また、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、調整部本体31がフレーム本体10の上面と両側面とに密着して固着される。また、調整部側板33が軸支部33aと密着部33bとからなり、軸支部33aにおいて支持軸34の両端が回動可能に軸支され、密着部33bには固着孔33cが設けられている。そして、フレーム本体10の所定位置の透孔10aと固着孔33とを合致させてボルト28a、ナット28bによりフレーム本体10に傾斜調整部30を固着させることができる。そのため、フレーム本体10の所定位置に傾斜調整部30を安定して強固に取り付けることができる。また、支持軸34の中央に垂直に突設された調整軸35が調整板22の貫通孔22aを貫通し、調整軸35に螺合されたナット35a、35bにより、台座本体20の傾斜を調整することができる。
【0048】
さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、メインフレーム3に拡張フレーム4、5を接続できるため、簡単にメインフレーム3を延長することができる。また、拡張フレーム4、5の所定位置に透孔40aが設けられているため、台座2を着脱可能に固着することができる。
【0049】
また、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、フレーム本体10、40が角パイプからなるため軽量化することができる。また、フレーム本体10、40、及び台座2をアルミニウム製としているため、さらに軽量化することができる。
【0050】
さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場においては、掛止部材13bの表面に設けられた丸パイプからなる移動部材14に移動ポール15の先端を挿入することにより、フレーム1を回転させることなく移動させることができる。
【0051】
また、太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法においては、取付工程S1においてフレーム本体10、40の所定位置の透孔10a、40aと回動軸部側板26、及び調整部側板33の固着孔26c、33cとを合致させてボルト28a、ナット28bにより固着すればメインフレーム3、及び拡張フレーム5に台座2を固着することができるため、簡単な構造でフレーム本体10、40の所定位置に台座2を回動可能に取り付けることができる。また、台座本体20の傾斜の調整は、台座2を回動させて、所望の位置において調整軸35に螺合されたナット35a、35bにより台座本体20を固定することができるため、簡単かつ確実に行うことができる。さらに、メインフレーム3と拡張フレーム5、拡張フレーム5と拡張フレーム4の連結は、フレーム本体10、40の後端に設けられた拡張部材18に、拡張フレーム5、4の先端を挿入して固定することにより、簡単に行うことができる。
【0052】
そして、移動ポール15を使用してメインフレーム3の掛着部13を架台90、又は太陽電池パネル91の枠体に引掛けることにより、メインフレーム3、及び拡張フレーム4、5を太陽電池パネル91上に簡単に取り付けることができる。コーティング剤塗布工程S2においては、取付工程S1において、最適な位置に取り付けられた台座2に足場板95が架け渡され、台座2の傾斜調整部30により水平にされているため、作業者は太陽電池パネル91の表面に容易にコーティング剤を塗布することができる。
【0053】
移動工程S4、及び取外し工程S5においては、移動ポール15を用いてメインフレーム3、拡張フレーム4、5を太陽電池パネル91から簡単に移動、又は取り外すことができる。この方法で用いられる太陽電池パネル91のメインテナンス用足場は、角パイプからなるため軽量化することができ、電源等の付随設備は不要で、小型化が可能である上、運搬、保管も容易である。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法によれば、簡便に使用することができ、安価である。
【0054】
以上、本発明の太陽電池パネルのメインテナンス用足場、及びこのメインテナンス用足場を用いた太陽電池パネル表面へのコーティング剤塗布方法を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、本実施形態においては、太陽電池パネルのメインテナンス用足場を架台90に設置された地上設置型太陽電池パネル91のメインテナンスに用いたが、屋根設置型太陽電池パネルに用いてもよい。また、本実施形態においては、メインフレーム3、拡張フレーム5の数箇所に設けられた透孔10a、40aを用いて台座2を固着しているが、台座2をメインフレーム3、拡張フレーム5に無段階に固着できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…フレーム、2…台座、3…メインフレーム、4、5…拡張フレーム、10、40…フレーム本体、10a、40a…透孔、13…掛着部、14…移動部材、15…移動ポール、18…拡張部材、20…台座本体、20a…先端部、20b…後端部、21…滑落防止板、22…調整板、22a…貫通孔、25…回動軸部、26…回動軸部側板、26a、33a…軸支部、26b、33b…密着部、26c、33c…固着孔、27…回動軸、28a、28b…固着部材(28a…ボルト、28b…ナット)30…傾斜調整部、31…調整部本体、32…本体板、33…調整部側板、34…支持軸、35…調整軸、35a、35b…ナット、90…架台、91…太陽電池パネル、95…足場板、S1…取付工程、S2…コーティング剤塗布工程、S4…移動工程、S5…取外し工程。