(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ペプチド並びにそれを含む化粧料組成物及び薬学組成物
(51)【国際特許分類】
C07K 7/06 20060101AFI20240628BHJP
C07K 5/103 20060101ALI20240628BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20240628BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20240628BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20240628BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20240628BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240628BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240628BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C07K7/06 ZNA
C07K5/103
A61K8/64
A61K38/07
A61K38/08
A61P3/00
A61P17/00
A61P17/16
A61P29/00
A61P43/00 111
A61Q19/00
A61Q19/08
(21)【出願番号】P 2023514969
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2021011446
(87)【国際公開番号】W WO2022050634
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113278
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521467917
【氏名又は名称】ソウル大学病院
【氏名又は名称原語表記】Seoul National University Hospital
【住所又は居所原語表記】(Yeongeon-dong) 101, Daehak-ro, Jongno-gu, Seoul, 03080, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】チャング, ジン ホー
(72)【発明者】
【氏名】キム, イユン ジュ
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0100944(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0105902(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0100945(KR,A)
【文献】特表2020-504714(JP,A)
【文献】特表2018-528263(JP,A)
【文献】特表2016-519683(JP,A)
【文献】特表2019-531094(JP,A)
【文献】国際公開第2012/142142(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
C12N
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番
号2のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有するペプチド。
【請求項2】
N末端から2番目、3番目または4番目の位置のアミノ酸がD型である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
配列番号1のアミノ酸配列からなり、N末端から3番目の位置のアミノ酸がD型であ
るペプチド。
【請求項4】
配列番
号2のアミノ酸配列からなり、
N末端から2番目の位置のアミノ酸がD型であるペプチド。
【請求項5】
配列番号1のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有し、N末端から1番目の位置のアミノ酸がD型であ
るペプチド。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチドを含む
皮膚しわの改善用の化粧料組成物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチドを含む皮膚しわの改
善用の薬学組成物。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチドを含む代謝性疾患治療用の薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド並びにそれを含む化粧料組成物及び薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚老化は主に皮膚のしわ、たるみ及びゆるみの増加に関連する外的・内的な過程によるものであり、外的老化は紫外線(ultraviolet rays、UV)を浴び続けることによって主に発生するため、一般に「光老化」という。自然に老化した皮膚は滑らかで蒼白で小じわがあるが、光老化した皮膚は太いしわが生じ、色素沈着および毛細血管拡張症を引き起こすことになる。
【0003】
皮下脂肪は、他の組織の代謝を調節するホルモンとアディポカイン(adipokine)を分泌し、エネルギー恒常性を維持する上で重要な役割を果たす。最近では、光老化と炎症、免疫抑制、癌などの様々な疾患を引き起こす環境因子である紫外線により、ヒト皮下脂肪組織の脂肪含量が減少し、脂肪由来の産物であるアディポネクチンが老化した皮膚では減少しており、MMP-1の増加とコラーゲンの減少が誘導されることが知られている。
【0004】
敏感肌とは、外部の刺激性物質、アレルギー性物質、環境の変化または人体内部の原因に対して普通の皮膚よりも敏感に反応して刺激反応や皮膚炎を起こしやすくなっている皮膚を指す。敏感肌を判別する検査法としては、刺激を誘発することが知られている乳酸やDMSOを処理して敏感肌を区別する例もある。代謝性疾患(Metabolic Disease)とは、体内の過剰栄養の蓄積と運動不足による肥満、糖尿病、高血圧および動脈硬化、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease、NAFLD)などの危険因子が一緒に現れる症候群を指し、最近では世界保健機関と米国国立衛生研究所の心臓、肺、血液研究所により制定された成人治療プログラムIIIを通じて、代謝症候群またはインスリン抵抗性症候群(Insulin resistance syndrome)と公式に命名された。また、2001年に公表された米国NCEP(National Cholesterol Education Program)のATPによると、ウエストサイズが男性40インチ(102cm)、女性35インチ(88cm)以上の腹部肥満、中性脂肪(triglycerides)が150mg/dL以上、HDLコレステロールが男性40mg/dL、女性50mg/dL以下、血圧が130/85mmHg以上、空腹時血糖(fasting glucose)が110mg/dL以上、などの5つの危険因子のうち3つ以上を示す場合を代謝性疾患と判定する。東洋人の場合においては、ウエストサイズが男性90、女性80以上の場合に腹部肥満と判定するように多少調整されている。この規定を適用する場合、韓国人は全人口の25%程度が代謝症候群の症状を示すという最近の研究報告もある。
【0005】
一方、アディポネクチンは脂肪細胞から特異的に分泌されるタンパク質ホルモンであるアディポカインの一種であり、インスリンの機能を増進させ、インスリン抵抗性を抑制することにより、高血糖、高インスリン症、肥満、動脈硬化のような心血管疾患などを調節する上で重要な役割を果たす。また、アディポネクチンは癌細胞の転移と炎症反応を抑制する機能がある。アディポネクチンは、角質細胞の増殖だけでなく、皮膚でのフィラグリン(filaggrin)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)と細胞外基質の発現を促進することにより、創傷の治療、線維化の抑制、皮膚しわの改善、保湿などの機能を果たす。アディポネクチンは244個のアミノ酸から構成されており、シグナル配列(signal sequence)、N末端(N-terminal)に位置するコラーゲン様ドメインとC末端に位置するC1q様球状ドメイン(globular domain)からなっている。六量体(hexamer)と400kDaの高分子複合体(HMW complex)が主な小重合体(oligomer)であり、前記高分子複合体は低分子複合体(LMW complex)よりも高い活性を有することが知られている。
【0006】
従来、様々な生理的活性を有することが知られているアディポネクチン由来のペプチドの開発は、これまで韓国内外の多くの研究者や製薬会社の標的となってきたが、体内重合体の形成の難しさで最終成功の可能性が相対的に低かった。
【0007】
そこで、優れた生理的活性を有するアディポネクチン由来の短いペプチドの開発、化粧料および薬物への製剤化に有利なアディポネクチンの修飾ペプチドに関する研究が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、溶解度および安定性に優れたペプチドを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、前記ペプチドを含む化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、前記ペプチドを含む皮膚しわの改善、敏感肌の改善、皮膚炎の改善または発毛促進用の化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、前記ペプチドを含む皮膚しわの改善、皮膚炎の改善または発毛促進用の薬学組成物を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、前記ペプチドを含む代謝性疾患治療用の薬学組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1.配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有するペプチド。
【0014】
2.前記項目1において、少なくとも1つのアミノ酸がD型である、ペプチド。
【0015】
3.前記項目1において、1つのアミノ酸がD型である、ペプチド。
【0016】
4.配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、少なくとも1つのアミノ酸がD型である、ペプチド。
【0017】
5.前記項目4において、1つのアミノ酸がD型である、ペプチド。
【0018】
6.前記項目1~5のいずれかに記載のペプチドを含む化粧料組成物。
【0019】
7.前記項目6において、皮膚しわの改善、敏感肌の改善、皮膚炎の改善または発毛促進用である、化粧料組成物。
【0020】
8.前記項目1~5のいずれかに記載のペプチドを含む皮膚しわの改善、皮膚炎の改善または発毛促進用の薬学組成物。
【0021】
9.前記項目1~5のいずれかに記載のペプチドを含む代謝性疾患治療用の薬学組成物。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ペプチド並びにそれを含む化粧料組成物及び薬学組成物に関し、溶解度および安定性に優れ、それを含む化粧料または薬物製造時の製剤化に有利であり、皮膚しわ、敏感肌および皮膚炎の改善効果、発毛促進効果および代謝性疾患への薬効を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明のペプチドの細胞透過度の実験結果である。
【
図2】
図2は、本発明のペプチドの細胞毒性の実験結果である。
【
図3】
図3は、本発明のペプチドの安定性の実験結果である。
【
図4】
図4は、本発明のペプチドのインビトロAMPK-リン酸化(phosporylation)活性を確認したものである。
【
図5-7】
図5-7は、本発明のペプチドのアディポネクチンの生成、プロコラーゲンおよびp-AMPKの発現促進効果を実験した結果である。
【
図8】
図8は、本発明のペプチドの肝細胞脂肪蓄積抑制能を確認したものである。
【
図9-10】
図9-10は、本発明のペプチドの敏感肌および皮膚炎の改善効果を実験した結果である。
【
図11】
図11は、本発明のペプチドの発毛促進効果を実験した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明は、配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有するペプチドを提供する。
【0026】
本発明のペプチドは、配列番号1(LYYF)または配列番号2(GLYYF)のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有することにより、C末端に-OH基を有するペプチドに比べて溶解度、細胞透過度、細胞毒性および安定性が向上したものである。
【0027】
前記ペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸がD型であってもよい。このとき、アミノ酸の位置とは関係なく、少なくとも1つのアミノ酸がD型であれば前記効果を達成できる。
【0028】
本発明のペプチドは、一般的な化学合成、例えば固相ペプチド合成技術(solid-phase peptide synthesis)により製造することができ、前記ペプチドをコードする核酸を含有する組換えベクターで形質転換された微生物を培養して前記ペプチドを発現させた後、通常の方法により精製して製造することもできるが、これに限定されるものではない。
【0029】
本発明は、配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、C末端にアミノ基を有するペプチドの機能的同等物および変異体を含むことができる。
【0030】
前記ペプチドの機能的同等物とは、ペプチドの活性を全体的に変化させないペプチドを含むものであり、機能的に同一の作用をすることができるペプチドが本発明の範囲に含まれる。前記変異体とは、例えば、前記アミノ酸配列中の1つまたは数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたもの、前記アミノ酸配列と95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有するものなどを言う。ここで「同一性」とは、2つのアミノ酸配列にギャップを導入するか、または導入しないで最も高い一致度となるように整列(アライメント)させたときに、前記ギャップの数を含む、一方のアミノ酸配列の全アミノ酸残基数に対する他方のアミノ酸配列の同じアミノ酸残基数の割合(%)をいう。また、「数個」とは、2~10の整数、例えば2~7、2~5、2~4、2~3の整数を意味する。天然変異体の具体例としては、SNP(一塩基多型)などの多型に基づく変異体やスプライス変異体などが挙げられる。前記置換は、保存的アミノ酸置換であることが好ましい。保存的アミノ酸置換であれば、前記アミノ酸配列を有するペプチドと実質的に同等の構造または性質を有することができるからである。保存的アミノ酸とは、互いに非極性アミノ酸(グリシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン)および極性アミノ酸(非極性アミノ酸以外のアミノ酸)、荷電アミノ酸(酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)および塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン))および非荷電アミノ酸(荷電アミノ酸以外のアミノ酸)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)、分枝状アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)および脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン)などが知られている。また、アミノ酸配列上の変異または修飾によってペプチドの熱、pHなどに対する構造的安定性が増加したり、ペプチド活性が増加したペプチドを含むことができる。
【0031】
本発明は、配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、少なくとも1つのアミノ酸がD型であるペプチドを提供する。
【0032】
本発明のペプチドは、配列番号1(LYYF)または配列番号2(GLYYF)のアミノ酸配列からなり、少なくとも1つのアミノ酸がD型であるため、全てのアミノ酸がL型であるペプチドに比べて溶解度、細胞透過度、細胞毒性および安定性が向上している。
【0033】
前記ペプチドは、1つのアミノ酸がD型であってもよい。このとき、アミノ酸の位置とは関係なく、1つのアミノ酸がD型であれば前記効果を達成できる。
【0034】
本発明のペプチドは、一般的な化学合成、例えば固相ペプチド合成技術(solid-phase peptide synthesis)により製造することができ、前記ペプチドをコードする核酸を含有する組換えベクターで形質転換された微生物を培養して前記ペプチドを発現させた後、通常の方法により精製して製造することもできるが、これに限定されるものではない。
【0035】
本発明は、配列番号1または2のアミノ酸配列からなり、少なくとも1つのアミノ酸がD型であるペプチドの機能的同等物および変異体を含むことができる。
【0036】
前記ペプチドの機能的同等物とは、ペプチドの活性を全体的に変化させないペプチドを含むものであり、機能的に同一の作用をすることができるペプチドが本発明の範囲に含まれる。前記変異体とは、例えば、前記アミノ酸配列中の1つまたは数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたもの、前記アミノ酸配列と95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有するものなどを言う。ここで「同一性」とは、2つのアミノ酸配列にギャップを導入するか、または導入しないで最も高い一致度となるように整列(アライメント)させたときに、前記ギャップの数を含む、一方のアミノ酸配列の全アミノ酸残基数に対する他方のアミノ酸配列の同じアミノ酸残基数の割合(%)をいう。また、「数個」とは、2~10の整数、例えば2~7、2~5、2~4、2~3の整数を意味する。天然変異体の具体例としては、SNP(一塩基多型)などの多型に基づく変異体やスプライス変異体などが挙げられる。前記置換は、保存的アミノ酸置換であることが好ましい。保存的アミノ酸置換であれば、前記アミノ酸配列を有するペプチドと実質的に同等の構造または性質を有することができるからである。保存的アミノ酸とは、互いに非極性アミノ酸(グリシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン)および極性アミノ酸(非極性アミノ酸以外のアミノ酸)、荷電アミノ酸(酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)および塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン))および非荷電アミノ酸(荷電アミノ酸以外のアミノ酸)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)、分枝状アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)および脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン)などが知られている。また、アミノ酸配列上の変異または修飾によってペプチドの熱、pHなどに対する構造的安定性が増加したり、ペプチド活性が増加したペプチドを含むことができる。
【0037】
本発明は、前記ペプチドを含む化粧料組成物を提供する。
【0038】
本発明の化粧料組成物は、皮膚しわの改善、敏感肌の改善、皮膚炎の改善または発毛促進用であってもよい。
【0039】
前記敏感肌とは、外的・内的要因により皮膚生理機能の低下または異常が発生し、様々な過敏反応を示す皮膚を意味し得る。具体的には、非敏感肌では反応しない皮膚刺激物質、睡眠不足、過労、季節の変わり目やストレスなどにより皮膚乾燥、肌荒れ、痛み、かゆみ、アレルギー反応、紅潮および紅斑などの症状を起こしやすくなっている皮膚を意味し得る。
【0040】
前記皮膚炎は、皮膚に現れる様々な炎症性疾患を含むことができ、例えば、乾癬性皮膚炎、乾燥性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎および貨幣状皮膚炎を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本発明において、改善とは、本発明の化粧料組成物によりその症状がある程度良くなる全ての過程を示し、予防、緩和などを意味し得る。
【0042】
前記発毛促進とは、当業界で使用される他の用語である養毛または育毛促進を含み、脱毛予防または緩和などを意味し得る。
【0043】
本発明のペプチドを含む化粧料組成物は、化粧料組成物に通常使用される成分を含むことができ、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料および香料などの通常の補助剤、そして担体を含むことができる。
【0044】
前記組成物を添加できる製品としては、例えば、収斂化粧水、柔軟化粧水、栄養化粧水、各種クリーム、エッセンス、パック、ファンデーション等の化粧品類と、クレンジング、洗顔剤、石鹸、トリートメント、美容液などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
本発明の化粧料組成物の具体的な製剤としては、スキンローション、スキンソフトナー、スキントナー、アストリンジェント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、シャンプー、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローション、ボディクレンザー、乳液、口紅、メイクアップベース、ファンデーション、プレストパウダー、ルースパウダー、アイシャドウ、リンス、ジェル、ワックス、ミストなどの製剤を含むが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0046】
前記組成物は、前記ペプチドをナノリポソーム内に含有させて安定化して製剤化することもできる。前記ペプチドをナノリポソーム内に含有させると、ペプチドの成分が安定化し、製剤化時の沈殿形成、変形などの問題点を解決することができ、成分の溶解度および経皮吸収率を高めることができるので、前記ペプチドから期待される効果を最大に発現させることができる。
【0047】
本発明は、前記ペプチドを含む薬学組成物を提供する。
【0048】
本発明の薬学組成物は、皮膚しわの改善、皮膚炎の改善、発毛促進、または代謝性疾患の治療用であってもよい。
【0049】
前記皮膚炎は、例えば、乾癬性皮膚炎、乾燥性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎および貨幣状皮膚炎を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明において、改善とは、本発明の薬学組成物の投与によりその症状がある程度良くなる全ての過程を示し、予防、緩和、治療などを意味し得る。
【0051】
前記発毛促進とは、当業界で使用される他の用語である養毛または育毛促進を含み、脱毛予防または治療を意味し得る。
【0052】
代謝性疾患は、例えば、肥満、糖尿病、糖尿病性合併症、脂肪肝、脂質異常症、インスリン抵抗性、心血管疾患、動脈硬化症、高血糖症、高脂血症または炭水化物代謝異常などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本発明のペプチドを含む薬学組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができ、担体と共に製剤化することができる。本発明で「薬学的に許容可能な担体」という用語は、生物体を刺激せずに投与化合物の生物学的活性および特性を阻害しない担体または希釈剤を指す。液状溶液として製剤化される組成物において許容される薬剤学的担体としては、滅菌及び生体に適したものとして、生理食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、アルブミン注射用溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分の1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤などの他の通常の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤および潤滑剤を追加的に添加して、水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用製剤、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。
【0054】
本発明の薬学組成物は、本発明のペプチドを有効成分として含むいずれの製剤にも適用可能であり、経口用または非経口用製剤として製造することができる。具体的な製剤は、口腔(oral)、直腸(rectal)、鼻腔(nasal)、局所(topical;頬および舌下を含む)、皮下、膣(vaginal)または非経口(parenteral;筋肉内、皮下および静脈内を含む)投与に適したもの、若しくは吸入、注入または塗布等による投与に適した形態を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0055】
本発明の薬学組成物は、薬学的に有効な量で投与する。有効用量のレベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路および排出率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素、およびその他の医学分野でよく知られている要素によって決定することができる。
【0056】
本発明の薬学組成物は、個々の治療剤として投与するか、他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤と順次または同時投与することができ、単一または多重投与することができる。前述の要素をすべて考慮して、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定され得る。
【0057】
本発明の薬学組成物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄率および疾患の重症度などによってその範囲が非常に多様であり、適正な投与量は、例えば患者の体内に蓄積された薬物の量及び/又は使用される本発明のペプチドの具体的な効果程度によって異なり得る。一般に、インビボ(in vivo)動物モデルおよびインビトロ(in vitro)で有効であると測定されたEC50に基づいて計算することができる。例えば、体重1kg当たり0.01μg~1gであってもよく、日別、週別、月別または年別を単位期間として、単位期間当たり1回~数回に分けて投与することができ、またはインフュージョンポンプを用いて長期間連続して投与することができる。繰り返し投与回数は、薬物が体内に留まる時間、体内薬物濃度などを考慮して決定する。疾患の治療経過によって、治療された後でも、再発防止のために組成物を投与することができる。
【0058】
本発明の薬学組成物は、前記疾患の改善及び治療において同一又は類似の機能を示す有効成分を1種以上または有効成分の溶解性及び/又は吸収性を維持/増加させる化合物をさらに含有することができる。また、選択的に、化学治療剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤及び/又は免疫調節剤などをさらに含むことができる。
【0059】
また、本発明の薬学組成物は、哺乳動物に投与された後に活性成分の迅速、持続または遅延放出を提供できるように、当業界で公知の方法を使用して製剤化することができる。製剤は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、滅菌粉末の形態であってもよい。
【0060】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明することとする。
【0061】
実施例.ペプチドの製造
本発明で使用されるペプチドの合成は、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(9-fluorenylmethoxycarbonyl、Fmoc)をNα-アミノ酸の保護基として用いる固相法により行われ(Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis)、HOBt-DIC(N-hydroxybenzotriazole-diisopropylcarbodiimide)方法によりペプチドを延長した(Wang C.Chan、Perter D.white、「Fmoc solid phase peptide synthesis」Oxford)。合成されたペプチドは、精製高速液体クロマトグラフィー(Prep-HPLC、column C18、10um、250mm×22mm)を用いて精製し、凍結乾燥して粉末形態で得た。液体クロマトグラフィー質量分析器(LC/MS)を用いて表1の化合物の分子量を確認した。合成プロセスの詳細は以下で説明する。
【0062】
【0063】
1.反応物質の合成
(1)Fmoc-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物1a)の合成
50mlの反応容器に、Rink Amide AM Resin(1mmol、1.43g)とピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-DimethylFormamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-Phe-OH(N-Fmoc-L-phenylalanine)(8mmol、3.1g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物1aを定量的に得た。
【0064】
(2)Fmoc-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物1b)の合成
50mlの反応容器に、化合物1aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-Tyr(tBu)-OH(N-Fmoc-O-tert-butyl-L-tyrosine)(8mmol, 3.68g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物1bを定量的に得た。
【0065】
(3)Fmoc-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物1c)の合成
50mlの反応容器に、化合物1bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0066】
(4)Fmoc-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物1d)の合成
50mlの反応容器に、化合物1cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-Leu-OH(N-Fmoc-L-leucine)(8mmol、3.68g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物1dを定量的に得た。
【0067】
(5)Fmoc-Gly-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物2a)の合成
50mlの反応容器に、化合物1dとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-Gly-OH(Fmoc-Glycine)(8mmol、2.38g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物2aを定量的に得た。
【0068】
(6)Fmoc-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物3a)の合成
50mlの反応容器に、2-クロロトリチルクロリドレジン(2-Chloro trityl chloride Resin)(1mmol、0.714g)とFmoc-Phe-OH(N-Fmoc-L-phenylalanine)(2mmol、0.78g)、ジイソプロピルエチルアミン(N,N-Diisopropylethylamine)(6mmol、1.05ml)を50mlのジクロロメタンに溶かして加え、常温で6時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethane、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物3aを定量的に得た。
【0069】
(7)Fmoc-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物3b)の合成
50mlの反応容器に、化合物3aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0070】
(8)Fmoc-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物3c)の合成
50mlの反応容器に、化合物3bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0071】
(9)Fmoc-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物3d)の合成
50mlの反応容器に、化合物3cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-D-Leu-OH(N-Fmoc-D-leucine)(8mmol、3.68g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物3dを定量的に得た。
【0072】
(10)Fmoc-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物4a)の合成
50mlの反応容器に、化合物3bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-D-Tyr(tBu)-OH(N-Fmoc-O-tert-butyl-D-tyrosine)(8mmol、3.68g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24mL)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物4aを定量的に得た。
【0073】
(11)Fmoc-Leu-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物4b)の合成
50mlの反応容器に、化合物4aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0074】
(12)Fmoc-D-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物5a)の合成
50mlの反応容器に、化合物3aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(10)と同様である。
【0075】
(13)Fmoc-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物5b)の合成
50mlの反応容器に、化合物5aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0076】
(14)Fmoc-Leu-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物5c)の合成
50mlの反応容器に、化合物5bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0077】
(15)Fmoc-D-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物6a)の合成
50mlの反応容器に、2-クロロトリチルクロリドレジン(2-Chloro trityl chloride Resin)(1mmol、0.714g)とFmoc-D-Phe-OH(N-Fmoc-D-phenylalanine)(2mmol、0.78g)、ジイソプロピルエチルアミン(N,N-Diisopropylethylamine)(6mmol、1.05ml)を50mlのジクロロメタンに溶かして加え、常温で6時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethane、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物6aを定量的に得た。
【0078】
(16)Fmoc-Tyr(tBu)-D-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物6b)の合成
50mlの反応容器に、化合物6aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0079】
(17)Fmoc-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物6c)の合成
50mlの反応容器に、化合物6bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0080】
(18)Fmoc-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物6d)の合成
50mlの反応容器に、化合物6cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0081】
(19)Fmoc-Gly-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物7a)の合成
50mlの反応容器に、化合物3dとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0082】
(20)Fmoc-Gly-Leu-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物8a)の合成
50mlの反応容器に、化合物4bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0083】
(21)Fmoc-Gly-Leu-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物9a)の合成
50mlの反応容器に、化合物5cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0084】
(22)Fmoc-Gly-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-2-Chloro-Trityl Resin(化合物10a)の合成
50mlの反応容器に、化合物6dとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0085】
(23)Fmoc-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物11a)の合成
Fmoc-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(11a)の合成:50mlの反応容器に、化合物1cとピペリジンが20%含有されたジメチルホルムアミドの50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-D-Leu-OH(N-Fmoc-D-leucine)(8mmol、3.68g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物11a(Fmoc-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin)を定量的に得た。
【0086】
(24)Fmoc-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物12a)の合成
50mlの反応容器に、化合物1bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(10)と同様である。
【0087】
(25)Fmoc-Leu-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物12b)の合成
50mlの反応容器に、化合物12aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0088】
(26)Fmoc-D-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物13a)の合成
50mlの反応容器に、化合物1aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(10)と同様である。
【0089】
(27)Fmoc-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物13b)の合成
50mlの反応容器に、化合物13aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0090】
(28)Fmoc-Leu-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物13c)の合成
50mlの反応容器に化合物13bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0091】
(29)Fmoc-D-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物14a)の合成
50mlの反応容器に、Rink Amide AM Resin(1mmol、1.43g)とピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタン(Dichloromethan、DCM)とメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物にFmoc-D-Phe-OH(N-Fmoc-D-phenylalanine)(8mmol、3.1g)、HOBt(8mmol、1.081g)、そしてDIC(8mmol、1.24ml)を50mlのジメチルホルムアミドに溶かして加え、常温で4時間反応させた。ろ過して反応液を除去し、合成したレジンをそれぞれ50mlのジクロロメタンとメチルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドを用いて順次洗浄した。真空乾燥して固相形態の化合物14aを定量的に得た。
【0092】
(30)Fmoc-Tyr(tBu)-D-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物14b)の合成
50mlの反応容器に、化合物14aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0093】
(31)Fmoc-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物14c)の合成
50mlの反応容器に、化合物14bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(2)と同様である。
【0094】
(32)Fmoc-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物14d)の合成
50mlの反応容器に、化合物14cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(4)と同様である。
【0095】
(33)Fmoc-Gly-D-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物15a)の合成
50mlの反応容器に、化合物11aとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れ、常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0096】
(34)Fmoc-Gly-Leu-D-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物16a)の合成
50mlの反応容器に、化合物12bとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0097】
(35)Fmoc-Gly-Leu-Tyr(tBu)-D-Tyr(tBu)-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物17a)の合成
50mlの反応容器に、化合物13cとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0098】
(36)Fmoc-Gly-Leu-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-D-Phe-Rink Amide AM Resin(化合物18a)の合成
50mlの反応容器に、化合物14dとピペリジン(piperidine)が20%含有されたジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide、DMF)の50mlを入れて常温で10分間反応させた以外、以後の過程は実施例(5)と同様である。
【0099】
2.ペプチドの合成
50mlの反応容器に、前記実施例1で合成した化合物のいずれか一つ(表2)とピペリジンが20%含有されたジメチルホルムアミドの50mlを入れ、常温で10分間反応させた。ろ過して反応液を除去し、それぞれ50mlのジクロロメタンを用いて3回洗浄した。真空乾燥して固相形態のFmocが除去された生成物に50mlの樹脂および保護基分離用混合液(trifluoro acetic acid(三フッ素酢酸):triisopropylsilane(トリイソプロピルシラン):水=95:2.5:2.5)を加え、常温で3時間反応させた。ろ過して反応液を集め、ここに500mlのジエチルエーテル(diethyl ether)を加えて生成物を沈殿させた。遠心分離機を用いて固体生成物を集め、500mlのジエチルエーテルで2回洗浄し、乾燥した。得られた固体生成物をPrep-HPLC(column C18、10μm、250mm×22mm)を用いて精製した後、凍結乾燥して各ペプチドを得た。
【0100】
【0101】
実験例
1.溶解度の測定
前記の方法で合成した各ペプチドを5mgずつ、水またはブチレングリコール(butylene glycol)を少量ずつ加えて溶解度を測定した。
その結果は下記表3に示す通りである。
【0102】
【0103】
2.細胞透過度の測定
前記方法で合成した各ペプチドの皮膚透過度は、ヒトの皮膚と最も類似していることから透過度試験に通常用いられる豚皮を用いて検証した。豚皮を2cm角に切った後、FITC蛍光付着した該当ペプチドストック(陽性対照群P5:GLYYFペプチド)とDMSOを濃度別に準備し、豚皮上に十分な量を塗布した。光を遮断し、37℃のインキュベーターで2時間静置した。LN2を用いて急速冷凍した後、凍結切断(Cryosection)を行った。DAPI(核染色)で5分間処理後に洗浄し、共焦点顕微鏡で観察した。
【0104】
その結果、本発明のペプチド(P5N:GLYYF-NH2、P4d:LYyF)は、対照群として用いられたP5:GLYYFペプチドと比較して豚皮に対する透過度に優れていることを確認した(
図1)。
【0105】
3.細胞毒性の確認
3つの細胞株(3T3-L1 adipocytes、RD muscle cells、fibroblasts)を用いて各細胞を24ウェルプレートにウェル当たり5×10
4個に分注した後、各細胞培養条件で24時間培養した。培地を捨ててPBSで洗浄した後、10%FBSを含まない新しい培地に交換し、濃度別のペプチドを処理して24時間培養した。再び培地を注意深く除去し、PBSで洗浄した後、MTT試薬を製造メーカーの指針通りに入れて、室温で30分間反応した後、450nmにおける吸光度を測定し、全ての細胞株において各ペプチドによる毒性がないことを確認した(
図2)。
【0106】
4.安定性の確認
マウスの全血(whole blood)にペプチド(1mg/ml)を処理して0、15、30、60、120分間反応させた後、LC-QTOF_MSで残っているペプチドを分析した。その結果、本発明のペプチド(P5N:GLYYF-NH2、P4d:LYyF)は、対照群として使用されたP5:GLYYFペプチドと比較して安定性が改善されたことを確認した(
図3)。
【0107】
5.インビトロAMPK-phosporylation activityの確認
マウス脂肪細胞株である3T3-L1に各ペプチドを10μMの濃度で処理して24時間培養した後、細胞を取得し、タンパク質を抽出してアディポネクチンの主な下位シグナリングを担うAMPKリン酸化に及ぼす影響をウェスタンブロット(Western blot)で比較確認した(
図4)。本発明のペプチドがAMPKのリン酸化を増加させることを確認することができた(V:DMSO、p5:GLYYF)。
【0108】
6.内因性老化した老人の皮膚への塗布時のアディポネクチンの生成、基質タンパク質コラーゲンおよびp-AMPKの発現促進効果の確認
アディポネクチンが減少していることが報告されている老人の皮膚に本発明のペプチドを塗布し、24時間後に組織検査を行った。アディポネクチン、基質タンパク質プロコラーゲン及びp-AMPKの発現をウェスタンブロット(Western blot)及び免疫化学染色法を用いて観察した。その結果、陰性対照群(vehicle)および従来のP5ペプチドと比較して、本発明のペプチドにおいてアディポネクチン、プロコラーゲンおよびp-AMPKの発現が増加した(
図5~7)。
【0109】
7.肝細胞脂肪蓄積抑制能の確認
肝がん細胞株であるHepG2細胞に1mMの遊離脂肪酸(free fatty acid、FFA)および10μMの濃度のペプチドを処理して中性脂肪の含有量を比較したところ、陽性対照群であるロシグリタゾン(rosiglitazone)とP5に比べて、本発明のペプチドが脂肪蓄積抑制能に優れていた(
図8)。また、中性脂肪を合成する主な酵素であるアセチル-CoAカルボキシラーゼ(Acetyl-CoA carboxylase、ACC)およびその調節を担うアディポネクチン下位シグナル調節子であるAMPKのリン酸化を増加させた(p-ACCは不活性型で中性脂肪の合成を阻害する。)。
【0110】
8.敏感肌、皮膚炎の改善効果の確認
敏感肌患者を区分するために、敏感肌の診断に最も多く使われており、高信頼性の検査として知られている乳酸スティンギング試験(Contact Dermatitis 2010;62:137-49)を行い、二重盲検で長期塗布研究を行った(全54名、本発明のペプチドP5N:GLYYF-NH2(APN5N)0.01% vs 対照物質(placebo)、塗布グループ当たり27名)。組織検査に同意した志願者(本発明のペプチドP5N:GLYYF-NH2(APN5N)0.01% vs 対照物質(placebo)、塗布グループ当たり8名)から2mmのポンチ(punch)で顔のベースライン(Baseline)の皮膚組織および8週塗布後の皮膚組織をそれぞれ2カ所ずつ合計4カ所から得て、アディポネクチンを含む敏感肌に関連する遺伝子とマーカーに対する定量PCR分析と免疫組織化学染色(immunohistochemistry)を行った。乳酸スティンギング試験において、「10分間一度でも2以上の刺激感を見せた人を陽性」に分類し、2回目の訪問(塗布後4週)、3回目の訪問(塗布後8週)時に乳酸スティンギング試験を行ったところ、APN5Nを塗布した試験群の敏感肌が非敏感肌に有意に改善された(
図9)。2回目の訪問時、試験群の29.6%において敏感肌が非敏感肌に好転した。対照群では14.8%が好転し、2つのグループ間に有意な差はなかった(p=0.327、fisher's exact test)。3回目の訪問時は、試験群の48.1%において初期の敏感肌が非敏感肌に好転し、対照群では2回目の訪問と同様に14.8%だけが非敏感肌に好転し、2つのグループ間で有意な差があった(p=0.018)。また、敏感肌患者の皮膚ではアディポネクチンの発現が減少していたため、APN5Nの処理後のアディポネクチン遺伝子発現の変化は敏感性の改善の重要な指標と言えるため、組織検査を通じてアディポネクチン、アディポネクチンの下位シグナル因子であるP-AMPKおよび敏感性誘発因子TRPV1の発現を確認したところ(
図10)、APN5Nを含む試験群ではアディポネクチンの発現およびP-AMPKの発現が塗布後に増加し、TRPV1の発現は減少した。試験群では8週間1日2回ずつAPN5Nを含む試験物質を塗布した後、アディポネクチンの発現が塗布前よりも約4倍以上、統計的に有意に増加した。これに対して、対照群では、対照物質の塗布後、アディポネクチンの発現において統計的に有意な変化がなかった。
【0111】
9.発毛促進効果の確認
マウスは、生後7週齢~8週齢に全ての毛が休止期に入って、再び生長期に転換される過程を経ることが知られている。そこで、C57BL/6マウスを用いて、本発明のペプチドが前記生長期誘導過程に及ぼす影響を確認した。マウスの下側背中の皮膚に従来の脱毛防止および毛髪成長治療剤として使用されているミノキシジル(MNX)3%、従来のアディポネクチン由来のペプチドP5(GLYYF、0.05mmおよび0.1mM)および本発明のペプチドP5N(GLYYF-NH2)0.1mMの濃度で毎日1回ずつ塗布した後、毛髪の生長を確認した。その結果、約4週間後、最初に毛を除去した部位のうち、生長期の毛髪が成長した部位の割合が、陽性対照群のように本発明のペプチドを処理した群で増加した(
図11)。
【配列表】