(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240628BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240628BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20240628BHJP
H04R 3/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
G10K15/04 302J
B60R11/02 M
B60R11/02 S
G01H17/00 Z
H04R3/04
(21)【出願番号】P 2019210179
(22)【出願日】2019-11-21
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】10-2018-0160475
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 仁 秀
(72)【発明者】
【氏名】李 東 チョル
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-516193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0330550(US,A1)
【文献】特開2012-218732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
G01H 1/00-17/00
G10K 11/178
G10K 15/04
H04R 3/04
H04S 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両エンジン音を補強するように補強サウンドを発生させるサウンド出力装置、
前記エンジン音の音源特性を測定するエンジン特性測定センサ、
前記車両の室内騒音を検知する室内騒音測定センサ、
前記エンジン特性測定センサから信号をリアルタイムに受信し、目標音色に到達するように前記サウンド出力装置を制御する信号処理制御器、および
前記信号処理制御器と連結された音色制御演算器で人工知能により前記目標音色に到達するようにサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を最適化
し、
前記サウンドクオリティインデックスは運転者の希望走行モードの選択によって、自動的に変更されるように設定されることを特徴とする車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項2】
前記信号処理制御器は、CAN通信を介した車両走行情報、マイクロホンで測定された室内騒音情報の1つ以上が追加的に入力されることを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項3】
前記信号処理制御器は、室内オーディオを通して前記音色制御演算器で計算されたエンジン音色を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項4】
前記音色制御演算器は、ディープラーニングベースでエンジン音色をリアルタイム能動制御するが、
前記ディープラーニングの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から前記目標音色を制御する因子であって、オーダー配列とオーダーレベルを決定して出力することを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項5】
前記音色制御演算器は、ディープラーニングベースでエンジン音色をリアルタイム能動制御するが、
前記ディープラーニングの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から前記目標音色を制御する因子であって、低減されるべき騒音源を対象としたオーダー配列とオーダーレベルを決定して不要な周波数帯域を低減制御することを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項6】
前記サウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)は、
コンフォートドライビングに合った穏やかなサウンドである第1のインデックス又はスポーツドライビングに合った第1のインデックスより強烈なサウンドである第2のインデックスのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項7】
前記サウンド出力装置は、エンジンルーム内のスピーカ、車両室内スピーカおよび車両外部スピーカのいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項8】
前記エンジン音の出力による補強サウンドによってエンジン音が補強されるように前記サウンド出力装置を制御するPID制御器を追加的に含むことを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項9】
前記補強サウンドと前記目標音色をデータとして格納し、前記格納されたデータに基づいて実現することを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項10】
前記エンジン音の音源特性情報は、エンジンから振動、燃焼圧、ブースト圧、排気圧の1つ以上のエンジン騒音特性であることを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項11】
前記車両走行情報は、車速、ペダル、回転数、走行モードの1つ以上のエンジン騒音特性であることを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項12】
前記人工知能の入力変数は、車両サウンド特性、運転者要求目標音色および運転者走行パターン特性の1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム。
【請求項13】
車両走行情報、エンジン騒音特性情報、室内騒音情報のいずれか1つ以上を信号処理制御器で計算されたエンジン音色を持つサウンドを車両室内に出力するが、
前記信号処理制御器は、人工知能ベースで前記サウンドのインデックスを最適化するステップ、を含
み、
前記人工知能の出力変数としては、エンジンオーダーの配列およびエンジンオーダーのレベルの変化が発生すると、サウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を出力し、
前記サウンドクオリティインデックスは運転者の希望走行モードの選択によって、自動的に変更されるように設定されることを特徴とする車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【請求項14】
前記出力されたサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を満足させる制御値を前記車両室内にスピーカを通して出力することを特徴とする請求項
13に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【請求項15】
前記出力された室内エンジン音をモニタリングして変化したサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を計算し、再度フィードバック制御することを特徴とする請求項
14に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【請求項16】
前記エンジン騒音特性情報は、エンジンからの振動、燃焼圧、ブースト圧、排気圧の1つ以上のエンジン騒音特性であることを特徴とする請求項
13に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【請求項17】
前記車両走行情報は、車速、ペダル、回転数、走行モードの1つ以上のエンジン騒音特性であることを特徴とする請求項
13に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【請求項18】
前記人工知能の入力変数は、車両サウンド特性、運転者要求目標音色および運転者走行パターン特性の1つ以上であることを特徴とする請求項
13に記載の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両サウンドインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムおよび方法に係り、より詳しくは、人工知能により目標音色に到達するようにサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を最適化する車両サウンドインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の自動車は単なる移動手段を越えて一つの楽しみの対象になっている。
自動車が運転者に与える楽しさの一つはまさにドライビングパフォーマンスである。最近、自動車消費者のトレンドは、スポーティーな走行と安定した走行をすべて望んでいる。
現在、自動車業界は、このようなニーズを満足させるために、走行モードを変化させる車両の開発に力を注いでいる。走行モードは、サスペンションやエンジン制御により乗り心地を調節し、ドライビングパフォーマンスを変化させる機能を目指している。
しかし、ドライビングパフォーマンスを高めるために、物理的かつ機械的なアプローチだけで解決するための製作費用が過度に費やされるためその限界がある。もちろん、高価なスポーツカーであれば問題にならない点ではあるが、ほとんどの一般車両メーカーでは、製作費用が合理的でありながらもドライビングパフォーマンス効果を極大化できる方策を模索している。
【0003】
運転者は視覚だけでなく、聴覚にも非常に敏感である。特に、迫力あふれるエンジンサウンドは、ドライビングの楽しさを倍加させる決定的な要因として作用する。そのため、一部の自動車メーカーでは、魅力的なエンジンサウンドを作るために高排気ガスを用いる方法を、オーケストラ関係者とともに共同開発し始めた。
しかし、このような技術開発は、特定の高排気量エンジンでなければならないため制限的であり、製作費用が高価になるため限界がある。そこで、最近登場した技術が、まさにサウンドジェネレータである。
【0004】
サウンドジェネレータは、車両に搭載されたスピーカを通して人為的にエンジンサウンドと類似の音を発生させる装置である。しかし、従来のサウンドジェネレータは、単純に格納されたエンジン音を聞かせたり、単純に加速ペダルと連動してエンジン回転数に応じて人為的に出力音量を増幅するにとどまっていた。
したがって、運転者は、自然のエンジンの音色ではなく、スピーカを通して出る人為的なサウンドであることに簡単に気付くことができ、結局、ドライビングの楽しさを半減させるという問題があった。
【0005】
一方、ドライビングの楽しさのためにやたらにエンジンサウンドを迫力あるように展開させるわけにはいかない理由がある。運転者は感情の動物であり、場合によって迫力あふれるサウンドがうるさい騒音に聞こえたりするからである。そのため、必要によっては、運転者の感じるエンジンサウンドおよびその他の騒音を低減してより静かな室内雰囲気を形成することも必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】US2009-0080672A1
【文献】DE2013-113803A1
【文献】JP2017-202734A
【文献】JP2011-042348A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、人工知能により上記の目標音色に到達するようにサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を最適化する車両サウンドインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムは、車両エンジン音を補強するように補強サウンドを発生させるサウンド出力装置、前記エンジン音の音源特性を測定するエンジン特性測定センサ、前記車両の室内騒音を検知する室内騒音測定センサ、前記エンジン特性測定センサから信号をリアルタイムに受信し、目標音色に到達するように前記サウンド出力装置を制御する信号処理制御器、および前記信号処理制御器と連結された音色制御演算器で人工知能により前記目標音色に到達するようにサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を最適化し、前記サウンドクオリティインデックスは運転者の希望走行モードの選択によって、自動的に変更されるように設定されることを特徴とする。
【0009】
前記信号処理制御器は、CAN通信を介した車両走行情報、マイクロホンで測定された室内騒音情報の1つ以上が追加的に入力されることができる。
前記信号処理制御器は、室内オーディオを通して前記音色制御演算器で計算されたエンジン音色を出力することがよい。
前記音色制御演算器は、ディープラーニングベースでエンジン音色をリアルタイム能動制御するが、前記ディープラーニングの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から前記目標音色を制御する因子であって、オーダー配列とオーダーレベルを決定して出力することが好ましい。
【0010】
前記音色制御演算器は、ディープラーニングベースでエンジン音色をリアルタイム能動制御するが、前記ディープラーニングの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から前記目標音色を制御する因子であって、低減されるべき騒音源を対象としたオーダー配列とオーダーレベルを決定して不要な周波数帯域を低減制御することがよい。
前記室内測定騒音のサウンドクオリティインデックス(Sound Quality
Index)は、コンフォートドライビングに合った穏やかなサウンドである第1のインデックス又はスポーツドライビングに合った第1のインデックスより強烈なサウンドである第2のインデックスのいずれか1つであることができる。
前記サウンド出力装置は、前記エンジンルーム内のスピーカ、車両室内スピーカおよび
車両外部スピーカのいずれか1つ以上であることが好ましい。
【0011】
前記エンジン音色の出力による補強サウンドによってエンジン音が補強されるように前記サウンド出力装置を制御するPID制御器を追加的に含むことがよい。
前記補強サウンドと前記目標音色をデータとして格納し、前記格納されたデータに基づいて実現することができる。
前記格納されたデータは、ASD(Active Sound Design)であることがよい。
【0012】
前記エンジン音の音源特性情報は、エンジンから振動、燃焼圧、ブースト圧、排気圧の1つ以上のエンジン騒音特性であることが好ましい。
前記車両走行情報は、車速、ペダル、回転数、走行モードの1つ以上のエンジン騒音特性であることを特徴とすることができる。
前記人工知能の入力変数は、車両サウンド特性、運転者要求目標音色および運転者走行パターン特性の1つ以上であることが好ましい。
【0013】
上記の課題を解決するためになされた本発明の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法は、車両走行情報、エンジン騒音特性情報および室内騒音情報のいずれか1つ以上を信号処理制御器で計算されたエンジン音色を持つサウンドを車両室内に出力するが、前記信号処理制御器は、音色制御演算器の人工知能ベースで前記サウンドのインデックスを最適化するステップを含み、前記人工知能の出力変数としては、エンジンオーダーの配列およびエンジンオーダーのレベルの変化が発生すると、サウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を出力し、
前記サウンドクオリティインデックスは運転者の希望走行モードの選択によって、自動的に変更されるように設定されることを特徴とする。
【0014】
前記出力されたサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を満足させる制御値を前記車両室内にスピーカを通して出力することができる。
前記出力された室内エンジン音をモニタリングして変化したサウンドクオリティインデックス(Sound Quality Index)を計算し、再度フィードバック制御することがよい。
【0015】
前記エンジン騒音特性情報は、エンジンから振動、燃焼圧、ブースト圧、排気圧の1つ以上のエンジン騒音特性であることができる。
前記車両走行情報は、車速、ペダル、回転数、走行モードの1つ以上のエンジン騒音特性であることがよい。
前記人工知能の入力変数は、車両サウンド特性、運転者要求目標音色および運転者走行パターン特性の1つ以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本発明の車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムおよび方法は、次の効果がある。
第一に、車両のサウンドを客観的に評価するインデックスを目標音色の設定に用いるため、多様な目標音色の最適化による能動制御が可能になる。
第二に、ディープラーニング人工知能を用いて目標音色を最適化するため、より正確かつ迅速に目標音色を制御できるという強みがある。
第三に、走行モードに応じて実際の該当エンジン音に対応する多様な目標音色を提供することにより、ドライビングの楽しさと躍動感を与えることができる。
第四に、スピーカを通して出力されたサウンドが再度フィードバックされることにより、より実際に近いエンジン音色を与えることができる。
第五に、予め格納された音源を使用できるため、既存の車両にも容易に適用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例による音色制御演算器の模式図である。
【
図3】本発明の実施例による音色制御演算器のエンジン音色補強制御および増幅グラフである。
【
図4】本発明の実施例による音色制御演算器のエンジン音色補強および低減制御グラフである。
【
図5】本発明の実施例による全体アルゴリズムの作動効果である。
【
図6】本発明の実施例によるサウンドクオリティインデックスである。
【
図7】本発明の第1実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図8】本発明の第1実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図9】本発明の第1実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図10】本発明の第2実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図11】本発明の第2実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図12】本発明の第2実施例の全体アルゴリズム図である。
【
図13】本発明の実施例の音源格納部を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、多様な変更が加えられて様々な実施例を有し得ることから、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明において具体的に説明しようとするものである。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
各図面を説明するにあたり、類似の符号を類似の構成要素について使用する。
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲で第1構成要素は第2構成要素と名付けられ、同様に、第2構成要素も第1構成要素と名付けられてもよい。「および/または」という用語は、複数の関連する記載項目の組み合わせまたは複数の関連する記載項目のいずれかの項目を含む。
【0019】
別途に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味がある。
一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されてはならない。
【0020】
<車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム>
まず、本発明の第1実施例による車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システムを説明する。
以下に説明されるディープラーニング(Deep learning)は、人工知能学習または機械学習などと類似の意味で理解される。
【0021】
図1は、本発明の第1実施例のフローチャートである。
車両1に適用されたサウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム1-1は、サウンド出力装置100と、室内騒音測定センサ200と、エンジン特性測定センサ300と、車両走行情報検出器400と、音色制御演算器500と、信号処理制御器600とを含む。
サウンド出力装置100は、エンジン特性測定センサ値に基づいて生成された音源出力装置である。
より詳細には、サウンド出力装置100は、車両エンジン音を補強するように補強サウンドを発生させる装置である。
【0022】
サウンド出力装置100は、エンジンルーム内のスピーカ、車両室内スピーカおよび車両外部スピーカのいずれか1つ以上であってもよい。
すなわち、サウンド出力装置100は、エンジンルームの内部、車両の室内、車両外部の少なくともいずれか1つに設けられる。
サウンド出力装置100が車両外部に設けられるのは、歩行者を保護する目的もある。
サウンド出力装置100は、特定の周波数帯域出力のために設けられ、薄膜タイプ(thin type)やメンブレン再生可能装置など多様に設けられる。
室内騒音測定センサ200は、車両の室内騒音を測定する。
車両室内には、室内騒音を測定可能なマイクロホン(図示せず)が設けられる。マイクロホンは、車両室内の音色変化をリアルタイムに計測可能であり、車両に複数設けられてもよい。
【0023】
以下に説明される室内騒音とは、車両エンジンが駆動状態で室内で聞こえる車両走行に関連するエンジン音色および排気サウンドなどを含むドライビングパフォーマンスサウンドを指し、カーエンターテイメントシステムで提供されるラジオサウンドやミュージックサウンドなどとは異なる概念である。
一方、目標音色とは、運転者の希望するドライビングパフォーマンスサウンドである。
室内騒音測定センサ200は、PID制御器(Proportional-Integral-Differential controller)(
図5参照)のためのレファレンス信号を測定する。
室内騒音測定センサ200は、車両エンジン音色の変化を測定し、目標音色との差を比較するために用いられる。
より詳細には、室内騒音測定センサ200は、ドライビングパフォーマンスサウンドが目標音色に近くなるように補正するために、補強すべきサウンド領域と低減させるべきサウンド領域を判断するために用いられる。
【0024】
エンジン特性測定センサ300は、エンジン音の音源の特性を測定する。
エンジン音の音源特性情報は、エンジン音の音色を決定可能な動力特性情報を指す。
エンジン音の音源特性情報は、エンジンの振動、燃焼圧、ブースト圧、排気圧、吸気圧の1つ以上のエンジン騒音特性であってもよい。
エンジン騒音特性とは、エンジン特性測定センサがセンシングする動力系統の騒音特性を意味する。
すなわち、エンジン音の音源特性は、振動データ、燃焼圧データ、ブースト圧データ、排気圧データ、吸気圧データのいずれか1つ以上から決定できるものである。
このようなエンジン音の音源特性情報を測定するセンサがまさにエンジン特性測定センサ300である。
【0025】
エンジン特性測定センサ300としては、振動センサ、燃焼圧センサ、ブースト圧センサ、排気圧センサ、吸気圧センサなどであってもよい。
特に、振動センサは、単軸加速度計(図示せず)あるいは多軸加速度計(図示せず)を含むことができる。
車両走行情報は、車速、ペダル、回転数(RPM)、走行モードの1つ以上のエンジン騒音特性であってもよい。
車両走行情報検出器400は、車両走行情報として車両のリアルタイム制御に必要な車両走行情報を検出する。
車両走行情報検出器400は、運転者の走行意思と走行パターンを判断できるようにすることが好ましい。
【0026】
運転者が車両走行に関連してリアルタイムに車両に伝達する命令媒体は、ステアリングホイール、加速ペダル、ブレーキペダル、ギヤノブ(ペダルシフト)、走行モードボタンなどである。
運転者は、状況に応じて加速ペダルあるいはブレーキペダルを踏み込む程度を変化させることができる。
運転者は、追い越しを試みる場合、加速ペダルを瞬間的に深く踏み込むことができ、この時、車両は、運転者の加速意思を読み取ってギヤ段数を下げながらエンジン回転数を高めて車速を増加させる。
【0027】
一方、運転者は、時には走行を優先するスポーツドライビングを追い求めたり、逆に、乗り心地を優先するコンフォートドライビングを望む時がある。
これは、車両に搭載された走行モードを選択することにより解決される。
走行モードとは、運転者の走行意思を達成するための所定のセットモードである。
このような走行モードに応じて、車両のドライビングパフォーマンスサウンドも変化する必要がある。ドライビングパフォーマンスサウンドが目標音色というサウンドクオリティインデックス700である。サウンドクオリティインデックス700は、運転者が直接選択することが可能である。
【0028】
次に、本発明の好ましい実施例による音色制御演算器500について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施例による音色制御演算器の模式図である。
音色制御演算器500は、大きく、入力変数部510と、隠匿学習層部520と、出力変数部530とを含む。
出力変数部530は、オーダー配列531、オーダーレベル532、騒音低減配列および騒音低減レベル533を含む。
入力変数部510は、先に説明された室内騒音測定センサ200、エンジン特性測定センサ300およびCAN車両走行情報検出器400から入力されたデータ値である。
【0029】
より詳細には、人工知能の入力変数は、車両サウンド特性、運転者要求目標音色および運転者走行パターン特性の1つ以上であってもよい。
音色制御演算器500は、ディープラーニングベースでエンジン音色のリアルタイム能動制御が可能である。
ディープラーニングベースの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から目標音色を制御する因子であって、出力変数部530のオーダー配列531とオーダーレベル532を決定して出力することができる。
【0030】
一方、ディープラーニングベースの能動制御は、運転者の求めた目標音色および室内測定騒音から目標音色を制御する因子であって、低減されるべき騒音源を対象とした出力変数部530のオーダー配列531とオーダーレベル532を決定して不要な周波数帯域を低減制御することができる。
隠匿学習層部520は、ディープラーニングを用いて入力変数部510の入力変数データを分析し、出力変数部530の出力変数として出力する。
出力変数部530のオーダー配列531は、エンジン回転数(例、Revolution Per Minute)に応じて並べられる周波数の配列を指し、出力変数部530のオーダーレベル532は、オーダー配列の周波数の大きさを指す。
音色制御演算器500は、不要な騒音は出力変数部530の騒音低減配列および騒音低減レベル533として出力する。
【0031】
図3は、本発明の実施例による音色制御演算器のエンジン音色補強および増幅制御グラフである。
図3に示したとおり、運転者が車両加速ペダルを操作して加速する場合、増幅前のエンジン音色542は、第1中域帯543および第1低域帯544が増幅されながら増幅後のエンジン音色541に変化する。
音色制御演算器500は、入力変数部510の入力変数を用いて補強前のエンジン音色542で増幅が必要な第1中域帯543と第1低域帯544をすべて把握して、該当部分の周波数を増幅させることができる。この場合、前記増幅は、出力変数部530のオーダーレベル532の周波数の大きさで行われる。
すなわち、音色制御演算器500がFFT分析ベースのオーダー成分を抽出し、必要なオーダー配列およびオーダーレベルを決定して加速区間でのエンジン音色レベルを強化させる。
【0032】
図4は、本発明の実施例による音色制御演算器のエンジン音色補強および低減制御グラフである。
エンジン音色補強および低減制御グラフ550は、エンジン音色補強および増幅制御グラフ540で併せて増幅されて騒音が過剰形成された第2低域帯554を減少させる。この場合、前記減少は、出力変数部530のオーダーレベルの周波数の大きさで行われる。
【0033】
これは、増幅された音色を考慮した低減制御であって、問題の周波数帯域の逆位相出力を印加することにより可能になる。
すなわち、車両室内の音圧バランスとオーダーの線形性のために必要な区間のオーダー配列とオーダーレベルを低減させる逆位相出力を発生させる。
エンジン音色補強および増幅制御グラフ540において増幅の足りない部分である第2中域帯553を追加的に増幅させて、最終的に、最適化前のエンジン音色552が最適化されたエンジン音色551となるようにする。
その結果、最適化されたエンジン音色551は、エンジン回転数に応じて線形的に増加する形態に変化する。
【0034】
このような作動効果を
図5に示した。
図5は、本発明の実施例による全体アルゴリズムの作動効果である。この場合、前記アルゴリズムは、信号処理制御器600に全体領域が搭載されるか、信号処理制御器600と音色制御演算器500のそれぞれに部分領域として搭載される。
本発明のアルゴリズム適用前の車両サウンド10を
図5の右側上端に示している。
【0035】
まず、車両1のエンジン特性測定センサ300のエンジン特性測定信号310(
図7参照)からエンジン音色制御に必要な成分がリアルタイムに抽出される。
ここで、エンジン特性測定信号310のリアルタイム検出値は、振動周波数、燃焼圧、排気圧、ブースト圧、加速度計信号、その他エンジン特性測定データ、そして、エンジン回転数(RPM)、車速、ギヤ段数、走行モードなどの情報が用いられる。
エンジン音色補強および増幅制御グラフ540は、
図3のとおりエンジン音色を増幅させた結果である。
エンジン音色補強および増幅制御グラフ540は、特定の周波数帯域の騒音は低減させる必要があり、増幅されたエンジンオーダー成分中の一部のオーダーレベルの低減が必要である。
【0036】
エンジン音色補強および低減制御グラフ550は、
図4のとおりエンジン音色を減少させた結果である。よって、エンジン音色補強および低減制御グラフ550は、必要な成分は増幅させ、不要な成分は低減させた結果である。
その結果、サウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値560は、サウンドクオリティインデックスをリアルタイムに演算した結果を出力して、音色制御演算器500に入力変数として付与される。
サウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値560は、Powerfulインデックス点数、Dynamicインデックス点数、Pleasantインデックス点数、Sportyインデックス点数のいずれか1つであってもよい。この場合、前記インデックスは、
図6のサウンドクオリティインデックス700として例示される。
【0037】
音色制御演算器500は、入力されたサウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値560の情報を信号処理制御器600に出力させる。
信号処理制御器600は、サウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値560の情報を用いた車両サウンドインデックスビッグデータベースで制御を行う。前記車両サウンドインデックスビッグデータベースの制御は、エンジンオーダー配列の追加および除去制御、エンジンオーダーレベルの増幅および低減制御、そして、不要な周波数帯域の低減制御を行い、その結果値をサウンド出力装置100に出力させる。
【0038】
サウンド出力装置100から出力されたサウンドは、再度エンジン特性測定信号310に反映されながらフィードバック制御されるのである。
一方、車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム1-1は、PID制御器100-1を含むことができる。前記PID制御器100-1は、信号処理制御器600とサウンド出力装置100とを連結する。
サウンド出力装置100は、PID制御器100-1によって制御されてもよい。
PID制御器100-1は、エンジン音色の出力による補強サウンドを用いてエンジン音を補強させる。
【0039】
図6は、本発明の実施例によるサウンドクオリティインデックスである。
室内測定騒音のサウンドクオリティインデックス700は、Powerfulインデックス710、Dynamicインデックス720、Pleasantインデックス730、Sportyインデックス740のいずれか1つであってもよい。
運転者は、目標音色として、Powerfulインデックス710、Dynamicインデックス720、Pleasantインデックス730、Sportyインデックス740のいずれか1つを直接選択することができる。
【0040】
一方、サウンドクオリティインデックス700は、運転者の希望走行モードの選択によって、自動的にPowerfulインデックス710、Dynamicインデックス720、Pleasantインデックス730、Sportyインデックス740のいずれか1つに変更されるように設定することも可能である。
信号処理制御器600は、車両の室内オーディオを通して音色制御演算器500で計算されたエンジン音色を出力する。
【0041】
運転者がスポーツドライビングに合ったサウンドを望むと、Powerfulインデックス710、Dynamicインデックス720あるいはSportyインデックス740のような、Pleasantインデックス730よりも強烈なサウンドをサウンド出力装置100を通して出力することができる。
逆に、運転者がコンフォートドライビングに合ったサウンドが望む場合は、信号処理制御器600は、Pleasantインデックス730のような穏やかなサウンドをサウンド出力装置100を通して出力することができる。
【0042】
一方、信号処理制御器600は、CAN(Controller Area Network)通信を介した車両走行情報検出器400の車両走行情報、室内騒音測定センサ200のマイクロホンで測定された室内騒音情報の1つ以上が追加的に入力される。
信号処理制御器600は、エンジン特性測定センサ300から発信された信号をリアルタイムに受信して、運転者の希望する目標音色に到達するようにサウンド出力装置100を制御する。
この時、音色制御演算器500は、信号処理制御器600と連結され、人工知能により目標音色に到達するように入力されたサウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値560の情報を用いてサウンドクオリティインデックス700を最適化させる。
【0043】
より詳細には、音色制御演算器500は、出力変数部530のオーダー配列531とオーダーレベル532および騒音低減配列および騒音低減レベル533を用いて、必要なエンジンオーダー配列やオーダーレベルの増幅および低減、そして、不要な周波数帯域を削除する等、リアルタイムに演算可能である。
すなわち、音色制御演算器500は、エンジン特性測定センサ300を介してエンジン音色補強のための音圧強化を制御したり、騒音低減制御のための音圧低減を制御することができる。
したがって、リアルタイムに必要な音色の補強および不要な騒音の低減制御により車両室内の音圧のバランスを維持し、目標音色の実現が可能になる。
【0044】
<車両サウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御方法>
次に、本発明の実施例の全体アルゴリズムを説明する。
図7~
図9は、本発明の第1実施例の全体アルゴリズム図である。
図7~
図9に示したとおり、前記アルゴリズムは、入力装置600-1と、アルゴリズム装置600-2と、出力装置600-3とから構成される。
入力装置600-1の動作は下記のとおりである。
入力装置600-1の入力信号には、室内音色測定信号210、エンジン特性測定信号310、エンジン回転数411、ペダル開度量412、車速データ413、走行モードおよびギヤ段数414、サウンドクオリティインデックス700が含まれる。
【0045】
エンジン特性測定信号310は、加速度計、燃焼圧センサ、ブースト圧センサ、排気圧センサなどのエンジン特性測定センサ300から取得されたデータ値である。
エンジン回転数411は、車両走行情報検出器400のCANデータである。
室内音色測定信号210は、車両室内に設けられた室内騒音測定センサ200の室内マイクロホン、エンジンルームに設けられたエンジンルームマイクロホンからそれぞれ取得されたデータ値である。
この時、室内マイクロホンおよびエンジンルームマイクロホンは、それぞれ複数設けられてもよい。
ペダル開度量412、車速データ413、走行モードおよびギヤ段数414は、車両走行情報検出器400のCAN車両走行情報に関するデータである。
サウンドクオリティインデックス700は、運転者が選択する目標音色である。
【0046】
アルゴリズム装置600-2の動作は下記のとおりである。 エンジン回転数411からエンジン回転数の重み付けがリアルタイムエンジン回転数とともにオーディオシステムのマスターボリュームに反映されるが、この時、ペダル開度量412から取得されたペダル開度量の重み付けの結果およびリアルタイムペダル位置値が反映される。
車速データ413から車速変化微分値ベースの定速または加速条件が判断され、定速条件の場合、静粛性維持のために重み付けを下方調整し、逆に、加速条件の場合、加速感を向上させるために重み付けを上方調整した後、サウンド出力装置100の出力直前に反映される。
一方、走行モードおよびギヤ段数414から走行モードの変化によるエンジンオーダー成分別レベルの重み付けが可変的に適用されて、オーディオシステムのマスターボリュームと周波数バンドの重み付けの設定の間に反映される。
【0047】
エンジン特性測定信号310から周波数特性が分析(FFT analysis)されるが、この時、エンジン回転数411から取得されたメインエンジンオーダー成分の周波数が計算されて反映される。
メインエンジンオーダー成分の抽出によりオーダーレベルが導出され、エンジンオーダー配列の組み合わせが生成されて目標音色が実現される過程にエンジン回転数411が反映される。
オーダーレベルが導出されると、エンジン音色補強および増幅制御グラフ540のように配列されたオーダー成分を増幅するレベルが決定され、リアルタイムに増幅制御される。(
図3参照)
【0048】
この時、音色制御演算器500によるサウンドクオリティインデックスベースの人工知能目標音色結果610が反映される。
すなわち、運転者がサウンドクオリティインデックス700を選択すると、車両室内の音色が室内騒音測定センサ200でリアルタイムに測定され、サウンドインデックス水準の結果値が入力装置600-1の出力として入力される。
次に、サウンドインデックスの計算によりエンジンオーダー配列が変更、エンジンオーダーレベルの変更および不要なオーダーレベル低減情報を含む入力変数が音色制御演算器500に入力される。
【0049】
音色制御演算器500は、隠匿学習層部520を介してディープラーニングベースの目標音色制御因子を最適化するための出力変数として、オーダー配列531、オーダーレベル532、騒音低減配列および騒音低減レベル533を出力する。音色制御演算器500が出力した最終制御因子のうち、オーダー配列531およびオーダーレベル532が目標音色の実現に反映される。(
図2~
図5参照)
一方、音色制御演算器500が出力した最終制御因子のうち、騒音低減配列および騒音低減レベル533は、室内音色測定信号210から除去が必要なオーダー成分、すなわち、必要な低減レベルを計算して低減が必要な周波数帯域に対応する逆位相出力の範囲を決定し、オーディオシステムのマスターボリュームに反映させる。(
図4参照)
【0050】
出力装置600-3の動作は次のとおりである。
音色制御演算器500によって目標音色に近くなったデータ値がオーディオシステムのマスターボリュームを通して、最終的にサウンド出力装置100の出力信号110により出力される。
サウンド出力装置100が出力した出力信号110のサウンドは、上記のようなアルゴリズムによって再度エンジン特性測定信号310および室内音色測定信号210に反映されるようにフィードバック(feed-back)制御される。
運転者は、上記のような音色制御演算器500を有するフィードバック(feed-back)制御により希望する目標音色の車両サウンドをより迅速かつ正確に楽しむことができる。
【0051】
これに対し、
図10~
図12は、本発明の第2実施例の全体アルゴリズム図である。この場合、前記第2実施例のアルゴリズムは、第1実施例のアルゴリズムと同様に、入力装置600-1、アルゴリズム装置600-2、出力装置600-3で実行される。
ただし、第2実施例のアルゴリズムは、第1実施例のアルゴリズムとは異なり、入力装置600-1は、サウンドクオリティインデックス700を含まない。また、第2実施例のアルゴリズムは、第1実施例のアルゴリズムとは異なり、アルゴリズム装置600-2は、音色制御演算器500によるサウンドクオリティインデックスベースの人工知能目標音色結果610を反映しない。
【0052】
一方、
図13は、本発明の実施例の音源格納部を含む図である。図示したとおり、車両1に適用されたサウンドクオリティインデックスベースの人工知能エンジン音色制御システム1-1は、音源格納部800を含むことができる。
音源格納部800は、補強サウンドと目標音色をデータとして格納する。この場合、サウンド出力装置100は、音源格納部800に連結され、格納されたデータに基づいてエンジン音を補強させる。
この時、音源格納部800に格納されたデータは、ASD(active sound design)であることが好ましい。
【符号の説明】
【0053】
1:車両
1-1:人工知能エンジン音色制御システム
10:車両サウンド
100:サウンド出力装置
100-1:PID制御器
110:出力信号
200:室内騒音測定センサ
210:室内音色測定信号
300:エンジン特性測定センサ
310:エンジン特性測定信号
400:(CAN)車両走行情報検出器
411:エンジン回転数
412:ペダル開度量
413:車速データ
414:走行モードおよびギヤ段数
500:音色制御演算器
510:入力変数部。
520:隠匿学習層部
530:出力変数部
531:オーダー配列
532:オーダーレベル
533:騒音低減レベル
540:エンジン音色補強制御および増幅制御グラフ
541:エンジン音色
542:エンジン音色
543:第1中域帯
544:第1低域帯
550:エンジン音色補強および低減制御グラフ
551:最適化されたエンジン音色
552:最適化前のエンジン音色
553:第2中域帯
554:第2低域帯
560:サウンドクオリティリアルタイム測定結果出力値
600:信号処理制御器
600-1:入力装置
600-2:アルゴリズム装置
600-3:出力装置
610:人工知能目標音色結果
700:サウンドクオリティインデックス
710:Powerfulインデックス
720:Dynamicインデックス
730:Pleasantインデックス
740:Sportyインデックス
800:音源格納部