(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】灯具装着器具、照明装置および矯正具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240628BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240628BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240628BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240628BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240628BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V19/00 130
F21Y103:10
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2020031688
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 豪
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-219238(JP,A)
【文献】特開2016-136536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 19/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する灯具が装着される灯具装着器具であって、
取付対象に沿って配置される器具天面部および前記器具天面部から前記器具天面部と交わる方向に沿って立ち上がる器具側面部を有する器具本体部と、
前記器具天面部に取り付けられる基部および前記基部から前記基部と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部を有する矯正具と
を備え、
前記矯正具は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記器具本体部の前記器具天面部と前記器具側面部とがなす成形角度が前記基部と前記矯正部とがなす矯正角度になるように前記器具側面部を矯正し、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記矯正部と前記器具側面部とが少なくとも一部で離間する灯具装着器具。
【請求項2】
前記器具本体部は、
離間した前記器具側面部と前記矯正部とが一部で接触するように、前記器具側面部が固定手段により矯正される請求項1に記載の灯具装着器具。
【請求項3】
光源を有する灯具が装着される灯具装着器具であって、
取付対象に沿って配置される器具天面部および前記器具天面部から前記器具天面部と交わる方向に沿って立ち上がる器具側面部を有する器具本体部と、
前記器具天面部に取り付けられる基部および前記基部から前記基部と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部を有する矯正具と
を備え、
前記器具天面部は、
前記器具本体部を前記取付対象に取り付ける吊ボルトが挿通される吊ボルト挿通孔を有し、
前記矯正具は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記器具本体部の前記器具天面部と前記器具側面部とがなす成形角度が前記基部と前記矯正部とがなす矯正角度になるように前記器具側面部を矯正し、前記
器具天面部が有する前記吊ボルト挿通孔とともに前記吊ボルトが挿通可能な吊ボルト挿通孔を有し、前記器具本体部に複数取り付けられる灯具装着器具。
【請求項4】
前記矯正具は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記矯正部の少なくとも一部が前記器具側面部と接触する請求項3に記載の灯具装着器具。
【請求項5】
前記成形角度は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられていない状態において、前記矯正角度よりも小さい角度である請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の灯具装着器具。
【請求項6】
前記器具本体部は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態の前記成形角度が、前記基部が前記器具天面部に取り付けられていない状態の前記成形角度よりも大きくなるように、前記器具側面部が矯正される請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の灯具装着器具。
【請求項7】
前記成形角度は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられていない状態において、前記矯正角度よりも大きい角度である請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の灯具装着器具。
【請求項8】
前記器具本体部は、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態の前記成形角度が、前記基部が前記器具天面部に取り付けられていない状態の前記成形角度よりも小さくなるように、前記器具側面部が矯正される請求項1または請求項7に記載の灯具装着器具。
【請求項9】
前記基部は、前記器具天面部における前記取付対象に設置される側と反対側に取り付けられる請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の灯具装着器具。
【請求項10】
前記基部は、前記器具天面部の前記取付対象に設置される側に取り付けられる請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の灯具装着器具。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の灯具装着器具と、
前記灯具装着器具に取り付けられる灯具と
を備えた照明装置。
【請求項12】
取付対象に沿って配置される器具天面部および前記器具天面部から前記器具天面部と交わる方向に沿って立ち上がる器具側面部を有する器具本体部に取り付けられる矯正具であって、
前記器具天面部に取り付けられる基部と、
前記基部から前記基部と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部と
を備え、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記器具本体部の前記器具天面部と前記器具側面部とがなす成形角度が前記基部と前記矯正部とがなす矯正角度になるように前記器具側面部を矯正し、
前記基部が前記器具天面部に取り付けられた状態において、前記矯正部と前記器具側面部とが少なくとも一部で離間する矯正具。
【請求項13】
請求項12に記載の矯正具および前記矯正具により矯正された器具本体部を有する灯具装着器具と、
前記灯具装着器具に取り付けられる灯具と
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、灯具装着器具、照明装置および矯正具に関するものである。特に、灯具装着器具における開口部分の寸法管理に係るものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置において、カバーで覆われた光源を有する灯具と、灯具が装着され、取付対象となる壁などに取り付けられる灯具装着器具とを備えるものがある。このような照明装置において、灯具装着器具の側壁下端部に設けられた突片により、灯具と灯具装着器具との間の隙間を少なくし、灯具と灯具装着器具との境界部分における明るさの低下を抑えつつ、灯具装着器具の小型化をはかるものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1の灯具装着器具は、器具本体の長手方向の両端部における開口寸法については、器具本体の長手方向の両端部に取り付けられる第2側壁によって、高い管理精度が得られる。しかし、器具本体の長手方向における両端部以外の部分(特に中央部)の開口寸法について高い管理精度を得ることが困難であった。また、特許文献1の灯具装着器具においては、突片が、光源ユニットのケースの損傷、意匠性の悪化および施工の妨げになるおそれがあった。
【0005】
そこで、上記の課題に鑑み、器具本体全体にわたって開口寸法を精度良く管理することができる灯具装着器具、照明装置および矯正具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される灯具装着器具は、光源を有する灯具が装着される灯具装着器具であって、取付対象に沿って配置される器具天面部および器具天面部から器具天面部と交わる方向に沿って立ち上がる器具側面部を有する器具本体部と、器具天面部に取り付けられる基部および基部から基部と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部を有する矯正具とを備え、矯正具は、基部が器具天面部に取り付けられた状態において、器具本体部の器具天面部と器具側面部とがなす成形角度が基部と矯正部とがなす矯正角度になるように器具側面部を矯正し、基部が器具天面部に取り付けられた状態において、矯正部と器具側面部とが少なくとも一部で離間するものである。
【0007】
また、ここで開示される照明装置は、上記の灯具装着器具と、灯具装着器具に取り付けられる灯具とを備えたものである。
【0008】
そして、ここで開示される矯正具は、取付対象に沿って配置される器具天面部および器具天面部から器具天面部と交わる方向に沿って立ち上がる器具側面部を有する器具本体部に取り付けられる矯正具であって、器具天面部に取り付けられる基部と、基部から基部と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部とを備え、基部が器具天面部に取り付けられた状態において、器具本体部の器具天面部と器具側面部とがなす成形角度が基部と矯正部とがなす矯正角度になるように器具側面部を矯正し、基部が器具天面部に取り付けられた状態において、矯正部と器具側面部とが少なくとも一部で離間するものである。
【発明の効果】
【0009】
ここで開示される灯具装着器具などにおいては、器具本体部に取り付ける矯正具を備えるようにした。そして、器具本体部の器具天面部と器具側面部とがなす成形角度が、矯正具の基部と矯正部とがなす矯正角度になるように器具本体部の器具側面部を矯正するようにした。このため、器具本体部の開口寸法を精度良く管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置1を部分拡大した斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明装置1の灯具装着器具2と灯具3とを分割した分割斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る灯具装着器具2の分割斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る矯正具29の斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る矯正具29の上方から視た平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る矯正具29において
図7のC部に係る断面図である。
【
図9】実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられている途中の状態を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられた後の状態を示す図である。
【
図12】実施の形態1に係る灯具3の斜視図である。
【
図13】実施の形態1に係る灯具3の一方の端部における分解斜視図である。
【
図14】実施の形態1に係る矯正具29の器具本体部20に対して、器具端部23および矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図15】実施の形態1に係る矯正具29の器具本体部20に対して、器具端部23が取り付けられ、矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図16】実施の形態1に係る矯正具29の器具本体部20に対して、器具端部23および矯正具29が取り付けられた後の状態を示す図である。
【
図17】実施の形態1の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図18】実施の形態1の変形例1に係る矯正具29aの斜視図である。
【
図19】実施の形態2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図20】実施の形態2に係る矯正具29eの斜視図である。
【
図21】実施の形態2の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図22】実施の形態2の変形例1に係る矯正具29fの斜視図である。
【
図23】実施の形態2の変形例2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図24】実施の形態2の変形例2に係る矯正具29gの斜視図である。
【
図25】実施の形態3に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図26】実施の形態3に係る灯具装着器具2hの分解斜視図である。
【
図27】実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図28】実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられている途中の状態を示す図である。
【
図29】実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられた後の状態を示す図である。
【
図30】実施の形態3の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【
図31】実施の形態3の変形例2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この開示に係る灯具装着器具などに係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで開示する構成要素の形態は、あくまで例示であって、これらの記載に限定されるものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは、明細書の全文において共通している。そして、断面図では、視認性に鑑みて、一部の図および機器において、ハッチングを省略している。さらに、各図において、各構成要素の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。ここで、以下の説明において、理解を容易にするために、方向(向き)を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は、実施の形態の内容を限定するものではない。また、方向(向き)を表す用語としては、たとえば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」または「後」などがある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1を部分拡大した斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
図4は、実施の形態1に係る照明装置1の灯具装着器具2と灯具3とを分割した分割斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る灯具装着器具2の分割斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る矯正具29の斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る矯正具29の上方から視た平面図である。
図8は、実施の形態1に係る矯正具29において
図7のC部に係る断面図である。
図9は、実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
図10は、実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられている途中の状態を示す図である。そして、
図11は、実施の形態1に係る灯具装着器具2において矯正具29が取り付けられた後の状態を示す図である。
図12は、実施の形態1に係る灯具3の斜視図である。
図13は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部における分解斜視図である。
図14は、実施の形態1に係る灯具装着器具2の器具本体部20に対して、器具端部23および矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
図15は、実施の形態1に係る灯具装着器具2の器具本体部20に対して、器具端部23が取り付けられ、矯正具29が取り付けられる前の状態を示す図である。
図16は、実施の形態1に係る灯具装着器具2の器具本体部20に対して、器具端部23および矯正具29が取り付けられた後の状態を示す図である。
【0013】
<照明装置1の構成>
図1~
図16を参照して、実施の形態1に係る照明装置1の構成などについて説明を行う。ここで、以下の説明において、照明装置1の長手側に沿った方向を、第1方向となる長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手側に沿った方向を、第2方向となる短手方向Yとする。そして、長手方向Xおよび短手方向Yのいずれとも直交する方向を、第3方向となる上下方向Zとする。ここで、実施の形態1における上下方向Zは、鉛直方向であるものとする。また、長手方向Xにおいて、長手端部側への向きを、端向きX1とする。そして、端向きX1と反対側への向きであり、長手中央側への向きを、中向きX2とする。さらに、上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる造営部9の側(たとえば、天井または壁側)への向きを、上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり、照明装置1から光が照射される照射空間側への向きを、下向きZ2とする。ここで、上向きZ1は、灯具3が灯具装着器具2に取り付けられる向きである。また、下向きZ2は、灯具3が灯具装着器具2から取り外される向きである。
【0014】
図1に示すように、実施の形態1における照明装置1は、天井または壁などの造営部9に取り付けられる灯具装着器具2と灯具装着器具2に装着される灯具3とを有する。実施の形態1では、所謂トラフタイプの照明装置1における灯具装着器具2を例として示す。
【0015】
<灯具装着器具2>
灯具装着器具2は、灯具3が取り付けられる筐体である。灯具装着器具2は、照明器具とも称される。灯具装着器具2は、器具本体部20と器具端部23と矯正具29とを有する。
【0016】
器具本体部20は、器具天面部21および2つで一組となる器具側面部22を有する。器具天面部21は、天井などの取付対象となる造営部9に沿って配置される取付部となる。器具天面部21は、長手方向Xに長尺、かつ、後述する開口面に対向して、長手方向Xおよび短手方向Yに延びる平板状に形成されている。器具天面部21は、器具底面部とも称される。器具天面部21は、短手方向Yにおける側縁部間の距離が最小幅となる。また、対となる2つで一組の器具側面部22は、器具天面部21の短手方向Yの両端に配置されている。器具本体部20は、実施の形態1では、金属製の板材をプレス加工またはロール加工などによって折り曲げて形成される。器具本体部20は、押出成形または三次元造形といった加工方法によって形成されるようにしてもよい。
【0017】
灯具装着器具2は、実施の形態1では、
図4などに示すように、造営部9に設けられた吊ボルト90および吊ボルト90に締め込まれるナット91などの固定具によって、造営部9に取り付けられる。器具天面部21は、灯具装着器具2を造営部9に固定するために用いる吊ボルト90を挿通する挿通孔(図示は省略)を有する。また、器具天面部21は、商用電源などの外部電源と接続された外部電源線(図示は省略)を引き込むための電源線引込孔を有する。さらに、器具天面部21には、矯正具29を固定する取付ネジ76がねじ込まれるネジ孔210などの貫通孔が形成されている。そして、器具本体部20には、外部電源線が接続される端子台(図示は省略)が配置されている。
【0018】
器具端部23は、器具天面部21の長手方向Xにおける両端に配置されている。器具端部23は、2つで一組となり対をなす。
図2などに示すように、器具端部23は、ノックアウト加工によって形成された端部蓋24を有しており、端部孔を塞いでいる。端部孔は、たとえば、複数の照明装置1を長手方向Xに沿って連結して設置する場合に、たとえば、隣接する照明装置などから引き込む送り配線を通す通し孔などに利用することができる。
【0019】
装着部25は、器具本体部20の器具天面部21、一組の器具側面部22および一組の器具端部23により、器具天面部21と対向する一面が開口した開口面を有する凹形状(箱形状)に形成される。このため、装着部25は、器具本体部20の器具天面部21、一組の器具側面部22および一組の器具端部23で囲まれる空間を形成している。
【0020】
装着部25は、灯具3が装着される部分であり、装着された灯具3の一部を収容する収容部となる。装着部25に収容される灯具3の一部は、照射側ではない非照射部となる。また、装着部25のうち、灯具3が収容された状態で、灯具3に占有されていない部分は、後述する配線材85などが灯具3に接続される際に経由し、配置される配線領域となる。
【0021】
一組の器具側面部22は、長手方向Xにおける装着部25の周壁部であり、器具天面部21の長手方向Xに沿って並行するように、器具天面部21の側縁部を基端部として、対をなして立ち上がる側壁である。器具側面部22は、器具天面部21に対して略垂直に立ち上がる第1側面部220と、第1側面部220の下端である屈曲部222から、短手方向Yにおける内側に向かって傾斜する第2側面部221とを有する。ここで、一組の器具側面部22において、第1側面部220間の距離は、短手方向Yにおける器具天面部21の最小幅となる側縁部間の距離と同じである。そして、第2側面部221間の距離は、短手方向Yにおける器具天面部21の側縁部間の距離よりも短くなる。このため、器具側面部22は、器具天面部21の幅の領域よりも内側に位置する。
【0022】
第2側面部221における下端の側は、短手方向Yにおける内側に巻かれて、カール状に曲げられたカール部223となっている。カール部223は、後述するように、一組の器具側面部22において、短手方向Yの間隔が最も狭い部分となる。カール部223の下端は、後述する開口端部26となり、上下方向Zにおいて、器具側面部22で最端となる部分となる。また、後述するようにカール部223の内側に巻かれた部分の端部と第2側面部221との間は隙間を有する。さらに、後述するように、カール部223の内側は、巻かれて形成されることで、捕捉溝224となる空間を有する。ここで、第2側面部221およびカール部223は、後述する灯具3のカバー30に対向するように、端部カバー40が配置されない範囲に設けられる。
【0023】
器具本体部20の下端に位置する開口端部26は、器具本体部20において開口している部分の端部であり、器具側面部22の先端部となる。開口端部26は、灯具装着器具2の装着部25に対して、灯具3の着脱を行う際の装着口となる。器具本体部20の開口端部26において、長手方向Xの両端部には、連結部27が形成されている。連結部27には、灯具3が取り付けられる。灯具3が連結部27に取り付けられて支えられている。
【0024】
実施の形態1では、連結部27は、器具端部23と一体に形成されており、開口端部26から長手方向Xにおける中向きX2に向かって、折り曲げて形成されている。連結部27に形成されたネジ孔28は、灯具3に取り付けられた、後述する連結ネジ48がねじ止めされる孔である。灯具3は、連結ネジ48によって灯具装着器具2にねじ止めされて固定される。
【0025】
図5などに示すように、装着部25には、複数の矯正具29が配置される。矯正具29は、実施の形態1では、取付ネジ76を用いて器具天面部21に固定される。実施の形態1では、灯具装着器具2の長手方向Xに沿って、複数の矯正具29が設けられている。
【0026】
矯正具29は、器具本体部20の長手方向Xにおける端部以外の部分に取り付けられる。矯正具29は、装着部25内において、造営部9である天井などに灯具装着器具2を取り付ける吊ボルト90などの固定具または端子台(図示は省略)などが配置されない領域に取り付けられる。
【0027】
矯正具29は、器具本体部20の器具天面部21と器具側面部22(第1側面部220)とのなす角度である成形角度(θ2)を、器具本体部20の内側から矯正する。
図6、
図7および
図8などに示すように、矯正具29は、基部290と、基部290の端部から基部290と交わる方向に沿って立ち上がる矯正部293とからなる。実施の形態1では、矯正具29は、金属製の板材を折り曲げて形成される。矯正具29は、断面形状が概略U字形である。矯正具29は、器具本体部20よりも剛性が高くなるように、材料、組成、厚さ寸法および形状などが選択されて形成される。矯正具29は、器具本体部20の矯正を保つことができれば、金属以外の材料を用いて形成されてもよい。また、矯正具29は、押出成形または三次元造形などの加工方法で形成される。
【0028】
基部290は、矯正具29を器具天面部21に取り付けるための取付ネジ76が挿通されるネジ挿通孔291である貫通孔を有する。矯正具29は、取付ネジ76の軸部が基部290に設けられたネジ挿通孔291を挿通し、器具天面部21に設けられたネジ孔210にねじ込まれることによって、器具本体部20に固定される。
【0029】
ここで、
図3などに示すP1は、器具本体部20の器具天面部21と器具側面部22との境界となる器具側面部22が折り曲がって立ち上がった部分であり、器具側面部22の器具基端部である。また、
図9などに示すW1は、一組の器具側面部22における2つの器具基端部P1における外側(外面)の部分どうしの距離寸法である。さらに、
図9などに示すW2は、一組の器具側面部22における2つの器具基端部P1における内側(内面)の部分どうしの距離寸法である。W1は、短手方向Yにおける器具天面部21の外側の幅寸法であり、W2は、短手方向Yにおける器具天面部21の内側の幅寸法である。
【0030】
また、
図3などに示すP2は、第2側面部221の折り曲げ部分である。さらに、
図3などに示すP3は、器具側面部22における下端部分となる。ここでは、P3は、開口端部26の位置となる。そして、
図3などに示すP4は、カール部223において、短手方向Y(第2方向)の最も内側に位置する側面最狭部である。
【0031】
ここで、
図9および
図10などに示すように、W3sは、器具本体部20に矯正具29が取り付けられていない組立前における、一組の器具側面部22における2つの側面最狭部P4どうしの距離寸法である。ここで、距離寸法W1、距離寸法W2および距離寸法W3sは、W1>W2>W3sの関係にある。
【0032】
また、
図11などに示すように、W3cは、器具本体部20に矯正具29が取り付けられた組立後における、一組の器具側面部22における2つのP4どうしの距離寸法である。ここで、距離寸法W1、距離寸法W2および距離寸法W3cは、W1>W2>W3cの関係にある。
【0033】
図3などに示すP5は、矯正具29の基部290と矯正部293との境界となる矯正部293が折り曲がって立ち上がった部分であり、矯正部293の矯正基端部である。
図8および
図9などに示すW4は、一組の矯正部293における2つの矯正基端部P5における外側(外面)の部分どうしの距離寸法である。
図9に示すように、距離寸法W4は、短手方向Yにおける基部290の外側の幅の寸法となる。また、
図9などに示すW5は、一組の矯正部293における2つの矯正基端部P5における内側(内面)の部分どうしの距離寸法である。距離寸法W5は、短手方向Yにおける基部290の内側の幅の寸法となる。
【0034】
また、
図8などに示すように、P6は、矯正部293における矯正基端部P5と反対側の端部であり、矯正部293の先端部である。
図9および
図10に示すW6は、一組の矯正部293における2つの先端部P6における内側(内面)の部分どうしの距離寸法である。また、
図9などに示すW7は、一組の矯正部293における2つの先端部P6における外側(外面)の部分どうしの距離寸法である。ここで、
図8および
図9に示すように、距離寸法W4および距離寸法W7は、W7>W4の関係にあり、距離寸法W5および距離寸法W6は、W6>W5の関係にある。
【0035】
そして、
図9に示すように、器具本体部20は、器具本体部20に矯正具29が取り付けられる前の状態で、前述した2つの側面最狭部P4どうしの距離寸法W3sが、後述する灯具3の2つのカバー最広部P7の距離寸法W8以下となるように成形されている。
【0036】
図9に示すように、矯正具29の基部290と矯正部293とのなす角度である矯正角度(θ1)は、矯正具29が取り付けられる前における器具本体部20の器具天面部21と器具側面部22(第1側面部220)とのなす角度である成形角度(θ2)より大きい。そして、矯正部293の基部290の側の端部である矯正基端部P5の外面どうしの距離寸法(外寸法)W4は、器具側面部22(第1側面部220)の器具天面部21の側の端部である器具基端部P1の内面どうしの距離寸法(内寸法)W2以下である。ここで、距離寸法W4は、矯正基端部P5の外面どうしの距離における最大部分の距離寸法である。また、距離寸法W2は、器具基端部P1の内面どうしの最小部分の距離寸法である。実施の形態1の照明装置1においては、器具本体部20の装着部25側に矯正具29が設置されるため、距離寸法W4≦距離寸法W2となる。
【0037】
<灯具3>
次に、主として
図3および
図4を用いて灯具3について説明する。灯具3は、灯具装着器具2に取り付けられることによって照明装置1を構成する。照明具および光源ユニットとなる灯具3は、長尺状に形成されており、灯具装着器具2に装着されて使用される。実施の形態1では、灯具3は、灯具装着器具2の長手方向Xにおける両端部において、後述する連結ネジ48によって灯具装着器具2の連結部27に取り付けられる。実施の形態1の灯具3は、
図2および
図3などに示すように、主として、カバー30、端部カバー40および発光部60などを有する。
【0038】
<カバー30>
外郭となるカバー30は、少なくとも可視光を透過する透光性の材料が用いられる透光性のカバーである。カバー30は、後述する取付部材50、発光部60、制御部80などを内部の空間に収容して、保護する、筒形状となっている。カバー30は、ガラスまたはポリカーボネイト(PC)、アクリル(PMMA)などの樹脂材料を用いて形成することができる。また、カバー30の装着部25から外部に露出している部分は、照明光が発せられる部分であり外観意匠部分でもある。実施の形態1のカバー30は、たとえば、押出成形によって筒形部材を形成し、製品の仕様などに応じて必要な長さに切断することで、製造することができる。
【0039】
実施の形態1の灯具3では、
図3に示すように、カバー30のうち、装着部25から外部に露出している部分は、発光部60の照射側および取付部材50における台座51の表面を覆う外壁部となる外殻部になる。ここで、カバー30において外部に露出した部分のカバー外周部37については、外面部に対する法線の向きが、発光素子61の光軸に沿う向きから光軸に直交する向きまでの範囲内となっている。たとえば、照明装置1から下方に向けて光が照射されるように、灯具3が灯具装着器具2に装着された場合において、カバー30の装着部25から外部に露出している部分は、外面部が下方、斜め下方、あるいは側方(水平方向外側)に向いている。すなわち、カバー30の装着部25から外部に露出している部分は、外面部が、上方、あるいは斜め上方に向いていない。また、カバー30のうち、装着部25に収容され、外部に露出していない部分は、制御部80および台座51における取付面部52の制御部80が配置される側を覆う。そして、カバー30のうち、装着部25に収容され、外部に露出していない部分の表面は、器具本体部20の器具天面部21および一組の器具側面部22と対向する。ここで、カバー30は、製品の仕様などに応じて、光拡散性、波長弁別性などを有するものであってもよい。また、カバー30のうち、外部に露出していない部分については、反射性、遮光性などを有する材料を用いて形成してもよい。
【0040】
実施の形態1に示す筒形のカバー30は、
図3などに示すように、内部に収容される機器を覆い、内部に収容される機器に対する位置によって、一組の並行部31、第1接続部32および第2接続部33に分かれている。一組の並行部31は、カバー30において、一組の面が同じ距離で並行する面を形成している。カバー30は、一組の並行部31の外側の面部分となる外面部および内側の面部分となる内面部が、それぞれ、ともに平面形状である。一組の外面部および一組の内面部は、カバー30に収容される発光素子61の光軸に沿った平面である。実施の形態1では、この平面は、灯具3が灯具装着器具2に装着された状態で、上下方向Zに沿っている。さらに、この平面は、一組の外面部および一組の内面部が、灯具3が灯具装着器具2に装着された状態で、それぞれ対向する器具側面部22に沿った平面でもあり、それぞれ対向するカール部223に沿った平面でもある。そして、この平面は、灯具3が灯具装着器具2に取り付けられる向きまたは灯具装着器具2から取り外される向きに沿った平面にもなる。このため、カバー30の並行部31は、短手方向Yにおいて、器具側面部22より外側にはならず、器具側面部22の内側に位置し、カール部223と対向する。並行部31のうち、灯具3が灯具装着器具2に装着されたときに露出している部分は、灯具3の側方における照射部となる。また、実施の形態1の照明装置1において、一組の並行部31間の距離は、灯具3における最も広い部分となる。
【0041】
ここで、P7は、カバー30のカバー外周部37において、カバー30の短手方向Yにおける幅が最も広いカバー最広部であり、一組の器具側面部22における側面最狭部P4と対向する。P7は、カバー外周部37の並行部31の部分となる。
【0042】
灯具3が灯具装着器具2の装着部25に装着された状態において、カバー30のカバー外周部37は、灯具装着器具2と最も近接する部分となる。カバー外周部37の並行部31におけるカバー最広部P7とカール部223の側面最狭部P4とは、(距離寸法W3c-距離寸法W8)/2の隙間を有し、対向して配置される。また、開口端部26となるP3は、短手方向Yにおいて側面最狭部P4よりも外側に位置する。
【0043】
したがって、実施の形態1の照明装置1では、カバー最広部P7は、短手方向Yにおいて、開口端部26が位置するP3とも離れた位置にある。このため、カバー最広部P7を有するカバー30の並行部31におけるカバー外周部37と側面最狭部P4を有するカール部223(特に開口端部26)とは、上下方向Zに沿って視たときに、重ならない位置関係にある。
【0044】
第1接続部32は、一組の並行部31における照射側の端部同士を繋いでいる部分であり、発光素子61の光軸と交わり、灯具3の主たる照射部となる。第1接続部32は、発光素子61からの光を下方に向けて照射する。第1接続部32の外面部および内面部は、1つまたは複数の面で構成されている。
図3などに示すように、実施の形態1では、カバー30における第1接続部32の外面部および内面部が、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第1接続部32の外面部および内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。第2接続部33は、一組の並行部31における器具側の端部同士を繋いでいる部分であり、灯具3が灯具装着器具2に装着された状態において、装着部25に収容される部分である。実施の形態1では、カバー30における第2接続部33の外面部および内面部は、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第2接続部33の外面部および内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。
【0045】
配線材85は、外部から灯具3に接続される、電源線81、接地線82および制御線83などの各種配線を有する。また、これらの配線を接続する端子、配線保持具およびソケットなども配線材85とする。
図3では、灯具3と接続される電源線81、接地線82および制御線83を、配線材85として示している。配線材85は、それぞれ絶縁材料で被包された各配線を被覆で一纏めにしたり、結束バンドで束ねたりした状態で、装着部25内の配線領域に配置されるようにしてもよい。また、配線材85が、各配線をバラバラに分離した状態で、装着部25内の配線領域に配置されるようにしてもよい。
【0046】
実施の形態1においては、配線材85が、カバー30に接触するものとして説明する。ただし、配線材85だけでなく、たとえば、施工場所に設けられる、灯具3外の送り配線および調光線などの電線についても、配線領域内に配置されることで、被覆が接触する可能性がある。図示は省略するが、実施の形態1においては、カバー30は、灯具3から照射される光を妨げない領域であって、配線材85の被覆が接触する可能性がある部分に可塑剤遮断部が設けられてもよい。
【0047】
図示は省略するが、カバー30は、異なる材料を用いた複数の層からなる積層構造としてもよい。積層構造は、異種材料を用いた多色成形、塗布または噴霧による基材表面に対する膜形成、基材表面に対する膜貼合などの方法によって形成することができる。この際、発光部60に近い層である内側層は、耐衝撃性、耐熱性または難燃性の面で優れた材料を用いて形成されることが好ましい。また、照射空間に近い層である外側層は、耐水性、耐薬品性、防汚性、帯電防止性または吸水率管理の面で優れた材料を用いて形成されることが好ましい。
【0048】
カバー30は、たとえば、耐衝撃性に優れた材料を用いて内側層を形成した場合、発光部60をカバー30の内部に収容する際に接触しても、損傷しにくくなる。また、たとえば、カバー30は、難燃性に優れた材料を用いて内側層を形成した場合、発光部60由来の万が一の発火に際して、外部への類焼を防止することができる。
【0049】
カバー30は、たとえば、加水分解が主鎖に及ばない材料を用いて外側層を形成した場合または吸水率が低い成分を用いて外側層を形成した場合、内側層には加水分解が進行しにくく、長期に渡って発光部60を保護する機能が保たれる。また、カバー30は、吸水率が高い成分を用いて外側層を形成した場合、発光部60の動作熱の影響を受ける内側層の熱膨張量と吸水の影響を受ける外側層の吸水膨張量とをバランスさせることができるため、内側層と外側層とが剥離しにくくなる。
【0050】
カバー30は、たとえば、発光部60に近い層としてポリカーボネイト(PC)を主成分とする材料を用いて筒形部材を形成し、筒形部材における照射空間の側の表面にアクリル(PMMA)を主成分とする膜を形成した、異種材料積層構造とすることができる。
【0051】
さらに、図示は省略するが、カバー30の形状を安定させることまたは剛性を向上させることなどを目的として、一組の並行部31において、それぞれ長手方向Xに渡るリブを設けてもよい。この際、リブは、灯具3が灯具装着器具2に装着された状態で、器具側面部22におけるカール部223付近と対向するような位置に形成される。ここで、カバー30が、後述する端部カバー40と嵌合できるように、リブは、端部36の外面部には形成されない。
【0052】
そして、カバー30は、取付部材50に配置された発光素子61の発光面を覆うと共に、取付部材50の長手方向に沿った長手方向Xとなる第1方向における端部36に、開口が形成されている。換言すれば、カバー30は、少なくとも一方の端部36が開口する長尺形状の中空体であると共に、発光素子61が実装された基板62を内部に収容する。カバー端部35は、カバー30の長手方向Xにおいて、カバー30の両端部分である。カバー30のカバー端部35には、端部36が設けられている。端部36は、カバー端部35において端部カバー40が嵌合される部分であり、端部蓋である端部カバー40に覆われる部分である。端部36は、カバー30の伸縮に伴い、端部カバー40と共に長手方向Xである第1方向に沿って移動自在な自由端である。厳密には、カバー30の端部36および端部カバー40は、「長手方向X」以外の方向にも伸縮するものであるが、実施の形態に係る灯具3においては、カバー30は「長手方向X」の伸縮を許容する構造(構成)を有するものとする。
図3などに示すように、カバー30のカバー外周部37は、一組の並行部31、第1接続部32および第2接続部33となる外殻部の外面側である。また、カバー内周部38は、一組の並行部31、第1接続部32および第2接続部33となる外殻部の内面側である。
【0053】
<端部カバー40の概要>
図1、
図2および
図12などに示すように、端部カバー40は、カバー30の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。
図13に示すように、端部カバー40は、封止具43を挟んで嵌着または嵌合することによって、カバー30を密閉構造とする。ここで、端部カバー40に取り付けられる取付部材50およびカバー30は、照明装置1の使用環境温度、灯具3の点灯時と消灯時とにおける温度の変化に対し、特に、長手方向Xにおける伸縮量が異なる。端部カバー40は、カバー30の密閉を維持しながら、カバー30および取付部材50の長手方向Xにおける端部同士が、相互に移動可能となるような構造となっている。
【0054】
図13に示すように、端部カバー40は、外カバーとなる第1端部カバー41と内カバーとなる第2端部カバー42とを有する。第1端部カバー41は、第1カバー貫通孔411、第1カバー連結孔412、連結ガイド413、カバー下面部414、カバー下面貫通孔415、カバー電線保持部416、カバー端面部417、カバー端面貫通孔418および端部カバー外周部419を有する。ここで、カバー下面貫通孔415は、
図2に示すように、カバー蓋49によって覆われる。また、第2端部カバー42は、第2カバー主部420、端部カバー挿通部421、第2カバー係合片422、第2カバー係合爪423および端部カバー内周部425を有する。また、端部カバー挿通部421を形成する縁部に沿って、挿通壁421aが形成されている。ここで、実施の形態1の第1端部カバー41および第2端部カバー42は、樹脂材料を用いて形成されているものとして説明する。ただし、これに限定するものではない。樹脂材料以外の金属材料、セラミック材料などを用いて形成されてもよい。また、実施の形態1では、第1端部カバー41と第2端部カバー42とを別部材とし、嵌着または嵌合して一体化するようにしているが、あらかじめ一体化された1つの部材として成形するようにしてもよい。
【0055】
<封止具43>
封止具43は、カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部カバー40との間に挟まれた状態で、カバー30の長手方向Xにおける両端部に配置される弾性部材である。弾性部材である封止具43は、カバー30の端部36に取り付けられて端部36の開口を塞いでいる。封止具43は、樹脂材料を用いて製造されており、弾性変形するシール部材(ガスケット、パッキンなど)である。そのため、封止具43は、カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部カバー40との間に挟まれた状態で、カバー30の長手方向Xにおける両端部を密閉する。封止具43は、樹脂材料を用いて弾性変形するように形成されて、カバー30および端部カバー40に密着する。
【0056】
封止具43は、封止具主部430、封止内周部435、封止外周部437および封止接続部436を有する。封止具43は、封止具主部430、封止内周部435、封止外周部437および封止接続部436が一体に形成されている。封止具主部430は、封止内周部435の内側を塞ぐように形成される。封止具主部430は、後述する固定具54の固定部56と第2端部カバー42の第2カバー主部420とに挟まれる。封止具主部430は、板状に形成されており、封止具43と端部カバー40とが係合した状態において、端部カバー40と対向する面側に、電線挿通部431と封止具筒状部433とが形成されている。封止具主部430は、封止具43と端部カバー40とが係合した状態において、第2端部カバー42の第2カバー主部420と当接する。電線挿通部431は、封止具43と端部カバー40とが係合した状態において、端部カバー40と対向する面側から突出しており、電源線81、接地線82および制御線83を通過させる電線挿通孔432を形成している。封止具筒状部433は、電線挿通部431を挟んで2つ設けられているが、封止具筒状部433の形成数は、固定具54の固定部56の数以上であれば、1つでもよく、3つ以上でもよい。封止具筒状部433は、封止具43と端部カバー40とが係合した状態において、端部カバー40と対向する面側から突出している。封止具筒状部433は、封止具43と固定具54とが係合した状態において、固定具54の固定部56から突出するボス部57が挿入される。封止具筒状部433は、円筒状に形成されている。封止具筒状部433の先端には、固定ネジ75をネジ止めするネジ挿通孔434が形成されている。
【0057】
板状に形成された封止具主部430の周縁部には、封止内周部435が形成されている。封止内周部435は、弾性部材である封止具43が、第2端部カバー42およびカバー30と係合した状態において、第2端部カバー42の端部カバー内周部425とカバー30の端部36のカバー内周部38とに挟まれる部分である。
【0058】
封止具43の封止外周部437は、環状に形成されており、カバー内周部38と対向するようにカバー内周部38の外側に配置される。封止外周部437は、封止具43が、第1端部カバー41およびカバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の外壁部410aとカバー30のカバー外周部37とに挟まれる部分である。
【0059】
封止具43の封止接続部436は、封止具主部430の封止内周部435と封止外周部437との間に位置する。封止接続部436は、封止具43が、第1端部カバー41およびカバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の第1カバー主部410とカバー30のカバー端部35とに挟まれる部分である。
【0060】
連結部材44は連結具であり、灯具3の長手方向Xの両端部に備えられており、灯具3を灯具装着器具2に取り付けるための取付金具である。連結部材44は、固定部46の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の面とボス部57の端面とが当接した状態で、2つの固定ネジ75を用いて固定具54に取り付けられて固定される。連結部材44は、端部カバー40に対して、ネジなどを用いた直接的な固定はされていない。連結部材44は、固定具54のボス部57に密着する封止具43を介して位置決めされて間接的に固定される。すなわち、連結部材44は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、端部カバー40の外側に配置されると共に、一部が端部カバー40を貫通している取付部材50に固定されると共に、他の一部が灯具装着器具2に固定される。実施の形態1では、連結部材44は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、連結部材44は、金属製の板材の折り曲げから形成されるものに限定されるものではなく、たとえば、樹脂、セラミックなど、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形など、他の方法で形成されてもよい。連結部材44は、連結部45と、固定部46と、係合部47とを有する。
【0061】
連結部45は、固定部46において、下方側(Z2側)の端部から灯具3の端部側(X1側)に延設する板状の部材である。すなわち、連結部45は、固定部46の下縁部から突出する板状の部材である。連結部45は、端部カバー40と係合した状態において、端部カバー40側とは反対側に突出している。換言すれば、連結部45は、係合部47の突出方向とは反対側に突出している。連結部45は、灯具3が灯具装着器具2に取り付けられている状態では、段差部450以外の上方の面が灯具装着器具2の連結部27に当接する。
【0062】
連結部45には、面の高さが異なる段差部450が形成されており、段差部450には、連結ネジ48が挿入される連結ネジ挿通部451が形成されている。段差部450は、連結部45の短手方向Yの中央領域において一部下方(Z2側)に窪ませた部分である。連結部45の段差部450には、連結ネジ挿通部451を通過した連結ネジ48を固定する抜け止めワッシャ480が配置される。この抜け止めワッシャ480は、連結ネジ48から外れないように予め連結ネジ48に嵌着されている。段差部450の高さ(深さ、段差)寸法は、抜け止めワッシャ480の厚さ寸法と同じ寸法である。灯具3が灯具装着器具2に取り付けられている状態では、抜け止めワッシャ480の上方(Z1側)の面が灯具装着器具2の連結部27に当接し、抜け止めワッシャ480の下方(Z2側)の面は連結部材44の段差部450に当接する。段差部450の形状および面積は、抜け止めワッシャ480の形状および寸法を考慮して決定される。連結ネジ挿通部451は、段差部450の短手方向Yにおける略中央において、長手方向X(第1方向)における端部側(X1側)からスリット状に形成されている。連結ネジ挿通部451は、連結ネジ48のネジ本体部481より大きい幅寸法で形成されており、連結ネジ48のネジ本体部481が挿通する。連結ネジ挿通部451の形状はスリット状に限定されず、断面が楕円形を含む円形、多角形の貫通孔でもよい。
【0063】
固定部46は、連結部45において、長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の端部から上方に延びた部分である。固定部46は、板状の部材である。固定部46は、端部カバー40および封止具43を、取付部材50の固定具54と共に挟持する。固定部46には、固定ネジ75をネジ止めする固定ネジ挿通孔460が形成されている。固定ネジ挿通孔460は、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれる固定ネジ75が挿通する貫通孔である。固定部46は、固定ネジ挿通孔460に挿入される固定ネジ75によってボス部57に取り付けられる。
【0064】
連結部材44には、電源線81、接地線82、制御線83などの電線を通過させる電線挿通孔470がスリット状に形成されている。電線挿通孔470は、上部スリット4710と、端部スリット4711とを有する。固定部46に形成されている電線挿通孔470を端部スリット4711と称する。端部スリット4711は、連結部材44の上下方向(Z軸方向)に形成されている。端部スリット4711は、係合部47に形成されている後述する上部スリット4710と繋がっている。
【0065】
固定部46には、係合片挿通孔461が形成されてもよい。係合片挿通孔461は、第2端部カバー42の第2カバー係合片422および第2カバー係合爪423の断面形状に対応して、固定部46に設けられる貫通孔である。係合片挿通孔461は、カバー30の伸長に伴い長手方向X(第1方向)に移動する第2端部カバー42の第2カバー係合片422および第2カバー係合爪423が、連結部材44の固定部46と干渉しないように、形成されている。係合片挿通孔461は、カバー30の伸長の量、すなわち、第2カバー係合片422および第2カバー係合爪423の移動の量が小さい場合、あるいは、端部カバー40が一体形成されている場合などは不要であり、灯具3の必須の構成ではない。
【0066】
係合部47は、固定部46において、上方側(Z1側)の端部から長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)に延びた部分である。すなわち、係合部47は、固定部46の上縁部から突出する板状の部材である。係合部47は、端部カバー40と係合した状態において、端部カバー40側に突出しており、灯具3において、灯具3の上方側(Z1側)に配置される。
【0067】
上述したように、連結部材44には、電源線81、接地線82、制御線83などの電線を通過させる電線挿通孔470がスリット状に形成されている。係合部47に形成されている電線挿通孔470を上部スリット4710と称する。上部スリット4710は、灯具3の長手方向Xに沿って形成されている。上部スリット4710は、固定部46に形成された端部スリット4711と繋がっている。上部スリット4710は、カバー30の端部36および端部カバー40を、長手方向X(第1方向)の移動が規制されない自由端とするために、連結部材44の係合部47に形成されたスリットである。上部スリット4710には、後述する挿入孔472から挿入されるカバー電線保持部416が、短手方向Yおよび上下方向Zに移動が規制された状態で係合する。ここで、挿入孔472に配置されるカバー電線保持部416は、長手方向X(第1方向)には移動が規制されない。上部スリット4710に、カバー電線保持部416が係合した状態では、連結部材44の端部カバー40に対する位置が決まるので、固定ネジ75を用いて連結部材44をボス部57に固定する際に固定ネジ75の位置合わせがしやすくなる。電源線81、接地線82、制御線83の全てまたは一部を編組チューブなどで束線した状態では、一般的に硬くなり曲がり難くなる。しかし、連結部材44は、上部スリット4710と繋がるように形成された端部スリット4711を有することにより、電源線81などが束線されて曲がり難くなっても、配線がし易くなる。
【0068】
係合部47には、後述するカバー電線保持部416が挿入される挿入孔472が形成されている。挿入孔472は、上部スリット4710と連続して形成されている。挿入孔472は、固定部46に形成されている貫通孔であり、上部スリット4710の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)と繋がって形成されている。挿入孔472は、カバー電線保持部416が挿入可能な形状および寸法で形成されている。挿入孔472から挿入されたカバー電線保持部416は、カバー30の伸長に応じて、上部スリット4710と係合した状態で、長手方向Xに沿って移動する。そのためカバー電線保持部416は、カバー30の伸縮、およびカバー30の伸縮に伴う端部カバー40および封止具43の移動を妨げない。
【0069】
<取付部材50>
取付部材50は、
図3および
図9に示すように、発光部60および制御部80などをカバー30内の空間に固定させる部材である。また、取付部材50は、カバー30の両端部に取り付けられた端部カバー40および連結部材44に取付部材50を固定する部材である。取付部材50は、台座51と、固定具54と、を有する。取付部材50は、カバー30に収容される。そして、取付部材50は、
図9に示すように、固定ネジ75によって、端部カバー40および連結部材44に固定される。したがって、取付部材50は、カバー30には直接固定されていないが、カバー30の長手方向Xにおける両側のカバー端部35に嵌合または嵌着している端部カバー40を介してカバー30と繋がっている。
【0070】
台座51は、取付部材50の主たる部分であり、発光部60および制御部80などが取り付けられる。実施の形態1では、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、たとえば、樹脂、セラミックなど、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよく、また、押出成形、積層造形など、他の方法で形成されたものでもよい。また、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、あるいは、光の利用効率(反射率)などを向上させるために、台座51に表面処理を施し、あるいは、台座51に機能部材を敷設してもよい。台座51は、取付面部52と、側部53とを有する。台座51の取付面部52は、長尺の平板状に形成されており、照射側の面である表面には、発光部60が取り付けられる。また、器具側の面である裏面には、電源装置などの制御部80が取り付けられる。
【0071】
図9に示すように、台座51の取付面部52には、ネジ孔520が形成されている。ネジ孔520は、取付面部52の長手方向Xの両端部に形成されている。このネジ孔520には、取付部材50を端部カバー40および連結部材44に固定するための固定ネジ75が挿入される。取付面部52には、給電線84などを通過させる切り欠き部521が形成されている。切り欠き521部は、取付面部52の長手方向Xの両端部において、取付面部52の縁部に形成されている。ここで、灯具3の他方の端部における、取付面部52には、切り欠き部521が形成されている代わりに、貫通孔である装着孔が形成されている。
【0072】
台座51の側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分から照射側に折り曲げられて立ち上がった部分である。側部53は、取付面部52の長手方向Xに沿って取付面部52の縁部から立設していることで、台座51の剛性を向上させる。実施の形態1では、側部53は、制御部80などが配置される灯具装着器具2の側だけに立設させている。しかし、側部53は、発光部60が配置される照射側だけに立設させてもよく、あるいは、照射側および灯具装着器具2の側の両方に立設させてもよい。また、実施の形態1では、側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分に立設させているが、たとえば、取付面部52の短手方向Yにおける中央部分など、両端部分以外の位置に立ち上がるように設置させてもよい。
【0073】
固定具54は、台座51の長手方向Xの両端部分に配置されており、カバー30の両端部に取り付けられた端部カバー40および連結部材44に取付部材50を固定する部材である。固定具54は、端部カバー40を貫通すると共に連結部材44が固定される。ここで、実施の形態1では、固定具54は台座51と別部材で構成されているが、固定具54の構成は、当該構成に限定するものではない。たとえば、台座51の両端部分を折り曲げるなどして、台座51と固定具54とを一体に形成し、台座51が固定具54と同じ機能をもつ部分を有するようにしてもよい。固定具54は、取付ネジ(図示は省略)などの固定部材を用いて台座51に取り付けてもよい。
【0074】
固定具54は、取付部55と、固定部56とを有しており、板金を折り曲げることによって製造している。ここで、固定具54は、金具であるが、金具に限定するものではなく、たとえば、樹脂またはセラミックなど、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形または積層造形など、他の方法で形成されたものでもよい。
【0075】
固定具54の取付部55は、固定具54を台座51に取り付ける部分であり、固定ネジ75を用いて台座51の両端部分に固定される。取付部55は、たとえば、カシメ、溶着、溶接、嵌着または係着などの方法で、台座51と構造的に一体化されてもよい。
【0076】
固定具54の固定部56は、連結部材44の固定部46と共に端部カバー40と封止具43とを挟持する。すなわち、カバー30と、封止具43と、端部カバー40と、連結部材44とが組み合わされた状態において、固定部56と連結部材44の固定部46との間には、封止具43が配置されている。固定部56には、ボス部57が設けられている。
【0077】
ボス部57は、たとえば、カシメ、溶着(溶接)または嵌着(係着)などの方法によって固定部56に取り付けられている。ボス部57には、固定ネジ75がねじ込まれるネジ孔58が形成されている。ネジ孔58の内周側には、ネジ溝が形成されている。そして、連結部材44の外側から、連結部材44の固定ネジ挿通孔460、第2端部カバー42の端部カバー挿通部421、第1端部カバー41の第1カバー貫通孔411および封止具43のネジ挿通孔434に固定ネジ75が挿通される。そして固定ネジ75が、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれて、連結部材44は取付部材50の固定具54に固定される。すなわち、連結部材44が固定されるのは、固定具54のボス部57である。
【0078】
<発光部60>
発光部60は、
図3などに示すように、発光素子61、基板62などを有する。発光素子61は、電力供給により発光する。実施の形態1では、発光素子61として、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いており、基板62の実装面に、長手方向Xに沿って、列状、千鳥状などに実装される。そして、実施の形態1の発光素子61は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配して、パッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。ここで、発光素子61が出射する光は、光束値が最大であり、発光面に垂直な光軸に対して、対称に照射角αだけ広がる。実施の形態1の照明装置1では、発光素子61の照射角αは、120度であるものとする。発光素子61は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機ELなどを用いてもよい。基板62は、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板などが用いられる。
【0079】
制御部80は、電源装置であり、外部から供給される電力から発光素子61を点灯させる電力に変換して、発光素子61に供給する。実施の形態1の照明装置1では、制御部80は、前述したように、台座51の取付面部52の裏面に、ネジ(図示は省略)などの固定部材を用いて取り付けられた状態で、発光素子61などと共に筒状のカバー30に収容されている。ただし、制御部80は、灯具3ではなく、灯具装着器具2に取り付けられる構成であってもよい。この場合、電線は、制御部80から発光素子61に供給される電力の供給経路として機能する給電線となる。実施の形態1の照明装置1における電源線81、接地線82および制御線83などの電線は、一端は、制御部80に接続される。そして、電線の他端は、灯具装着器具2に取り付けられている端子台(図示は省略)に接続される。
【0080】
<作用および効果>
矯正具29の矯正部293は、器具本体部20の器具側面部22の先端部を矯正できる位置まで延びている。具体的には、矯正部293は、カール部223の上端付近まで延びている。そして、矯正部293における先端部P6の外面は、器具本体部20に矯正具29が取り付けられた組立後の状態で、器具本体部20の器具側面部22の内面と接触する。
【0081】
矯正具29は、基部290が器具本体部20の器具天面部21に取り付けられた状態において、器具天面部21と器具側面部22(第1側面部220)との角度である成形角度(θ2)が基部290と矯正部293との角度である矯正角度(θ1)になるように器具側面部22を矯正する。ここで、成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)になるように矯正するとは、成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)と一致すること、および成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)と近いことを含む。
【0082】
矯正具29は、器具本体部20よりも剛性が高くなるような材料、組成、厚さ寸法、形状などが選択されて形成される。このため、矯正部293の先端部P6は、器具本体部20に矯正具29が取り付けられた組立後の状態で、器具本体部20の器具側面部22の内面を短手方向Y(第2方向)の外側に向かって変位させることができる。
【0083】
たとえば、
図14に示すように、器具端部23および矯正具29が取り付けられる前の組立前の器具本体部20は、前述したように、2つの側面最狭部P4のどうしの距離寸法W3sは、灯具3の2つのカバー最広部P7の距離寸法W8より狭い。そして、
図16に示すように、器具端部23が取り付けられると、器具本体部20の端部は拡がるが、他の部分は、拡がらない。一方、
図11および
図16に示すように、器具本体部20に矯正具29が取り付けられることで、前述した2つの側面最狭部P4のどうしの距離寸法W3cが、灯具3の2つのカバー最広部P7の距離寸法W8以上となるように、矯正部293によって矯正される。したがって、実施の形態1において、器具本体部20は、矯正具29を備えることで、器具端部23で拡げられた部分以外の部分を距離寸法W3cに拡げ、器具本体部20全体にわたって、開口寸法を精度良く管理することができる。
【0084】
器具本体部20の器具側面部22は、距離寸法W3cが、灯具3の2つのカバー最広部P7の距離寸法W8より大きくなるように、矯正部293によって矯正されると、灯具3を灯具装着器具2に装着する際にカバー30を損傷させずにすむ。また、側面最狭部P4が、カバー30と離間することによって、摩擦、擦れなどに起因する異音を発生させずにすむ。
【0085】
ここで、矯正具29を吊ボルト90に近接させて配置する、吊ボルト90を間にして両側へ矯正具29を配置するなどの配置を行うことによって、矯正具29は、施工時に造営部9である天井などに取り付けられる灯具装着器具2の変形抑制具として機能する。
【0086】
器具本体部20は、器具本体部20よりも剛性が高くなるような材料、組成、厚さ寸法、形状などが選択されて形成された矯正具29によって矯正されるので、厚さ寸法を小さくしたり、簡素な形状にしたりすることができる。このため、灯具装着器具2の軽量化、コスト削減といった効果を得ることができる。
【0087】
<変形例1>
図17は、実施の形態1の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
図18は、実施の形態1の変形例1に係る矯正具29aの斜視図である。
【0088】
矯正具29aの基部290aには、吊ボルト90を挿通することができる吊ボルト挿通孔292が形成されている。矯正具29aは、器具本体部20よりも剛性が高くなるように材料、組成、厚さ寸法および形状などが選択されて形成される。このため、矯正具29aは、吊ボルト90を挿通させ、吊ボルト90に締め込まれるナット91またはワッシャ92を受ける部材として活用してもよい。この場合、矯正具29aは、装着部25のうち、灯具装着器具2を造営部9である天井などに取り付けるための吊ボルト90などの固定具が配置される領域に取り付けられる。矯正具29aは、器具本体部20よりも剛性が高くなるように形成されているので、ナット91の締め込みに伴う応力の影響を受け難く、器具本体部20をはじめとする灯具装着器具2の変形を防止することができる。
【0089】
すなわち、矯正具29aは、施工時に造営部9である天井などに取り付けられる灯具装着器具2の変形防止具として機能する。
【0090】
<変形例2>
図示は省略するが、矯正具29が器具本体部20における長手方向Xまたは上下方向Zに沿って移動することを規制するために、器具本体部20に移動規制部が設けられてもよい。移動規制部は、器具天面部21、器具側面部22の少なくともいずれかに設けられる。移動規制部は、器具本体部20の一部を切り起こすなどして形成されてもよいし、器具天面部21または器具側面部22に別部材である移動規制部材が取り付けられてもよい。
【0091】
<変形例3>
図示は省略するが、矯正具29は、取付ネジ76以外の主たる固定手段を用いて器具本体部20に固定されてもよい。たとえば、リベットカシメ、切り起こしカシメ、切り起こし係合などを用いる方法を採用することが可能である。
【0092】
<変形例4>
図示は省略するが、矯正具29は、矯正部293を上記した固定手段を用いて器具側面部22に固定することによって器具本体部20に取り付けられてもよい。他にも、カール部223と矯正部293との係合を主たる固定手段としてもよい。この際、接着部材によって矯正具29を器具本体部20に接合する補助手段を組み合わせる方法を採用することが可能である。
【0093】
<変形例5>
図示は省略するが、矯正具29において、基部290が器具天面部21に取り付けられた状態において、矯正部293と器具側面部22とが離間する構成であってもよい。そして、離間した矯正部293と器具側面部22とが少なくとも一部で接触するように、ネジなどの固定手段を用いて、器具側面部22を矯正してもよい。
【0094】
<変形例6>
図示は省略するが、矯正具29には、外部電源線あるいは配線材85などが接続される端子台、送り配線などが接続される配線保持具、連結具といった機能部品が取り付けられてもよい。
【0095】
実施の形態2.
図19は、実施の形態2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
図20は、実施の形態2に係る矯正具29eの斜視図である。ここで、実施の形態2で説明する
図19などに示す機器などにおいて、
図3などと同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1などで説明したことと同様の機能を有する。
【0096】
図19に示すように、実施の形態2に係る矯正具29eには、基部290eと矯正部293eとを繋ぐ矯正接続部294が形成されている。矯正接続部294は平面である。矯正具29eは、5つの平面から構成されており、断面形状は概略U字形である。
【0097】
矯正接続部294は、実施の形態1における基部290の端部よりも内側から基部290eと交わる方向に沿って立ち上がり、器具側面部22における基端部と先端部との間の位置に向かって延びている。矯正部293eは、矯正接続部294の基部290eの側とは反対側の端部から器具側面部22の先端部に向かって延びている。
【0098】
矯正具29eが器具本体部20に取り付けられた組立後の状態で、矯正接続部294と器具天面部21と器具側面部22とに囲まれた領域は、長手方向Xに沿って、装着部25と連通している。この領域は、たとえば、隣接する照明装置などから引き込む送り配線などの電線を保持する電線保持部250として利用することができる。
【0099】
また、器具本体部20は、矯正具29eが取り付けられていない組立前の状態で、基部290eの短手方向Y(第2方向)における端部の間の距離が、カール部223における、短手方向Yの最も内側に位置する2つの側面最狭部P4の間の距離W3よりも小さい。このため、器具本体部20に矯正具29eを取り付けしやすくなるので、灯具装着器具2の組立性を改善することができる。
【0100】
<変形例1>
図21は、実施の形態2の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
図22は、実施の形態2の変形例1に係る矯正具29fの斜視図である。
【0101】
図22に示すように、実施の形態2の変形例1に係る矯正具29fは、基部290fと矯正部293fとを繋ぐ矯正接続部294fが形成されている。矯正接続部294fは曲面であり、矯正具29fは3つの平面と2つの曲面から構成され断面形状が概略U字形である。
【0102】
矯正接続部294fは、実施の形態1における基部290の端部よりも内側から基部290fと交わる方向に沿って立ち上がる。そして、基部290fに対する傾斜角度が徐々に大きくなるように変化しながら、器具側面部22における基端部と先端部との間の位置に向かって延びている。矯正部293fは、矯正接続部294fの基部290fの側とは反対側の端部から器具側面部22の先端部に向かって延びている。
【0103】
矯正接続部294fは、基部290fと矯正部293fとを連続した曲面によって繋いでおり、器具側面部22を矯正する際に発生する応力は、屈曲部222などの特定の部分に集中せず、矯正具29fの全体に分散される。このため、矯正具29fは、長期に渡って器具側面部22を矯正し続けることができ、矯正された灯具装着器具2の形状は長期に渡って持続される。
【0104】
矯正具29fが器具本体部20に取り付けられた組立後の状態で、矯正接続部294fと器具天面部21と器具側面部22とに囲まれた領域は、長手方向Xに沿って、装着部25と連通している。この領域は、たとえば、隣接する照明装置などから引き込む送り配線などの電線を保持する電線保持部250fとして利用することができる。
【0105】
また、器具本体部20は、矯正具29fが取り付けられていない組立前の状態で、矯正具29fの短手方向Y(第2方向)における端部の間の距離が、カール部223における、短手方向Yの最も内側に位置する2つの側面最狭部P4の間の距離W3よりも小さい。このため、器具本体部20に矯正具29fを取り付けしやすくなるので、灯具装着器具2の組立性を改善することができる。
【0106】
<変形例2>
図23は、実施の形態2の変形例2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
図24は、実施の形態2の変形例2に係る矯正具29gの斜視図である。
【0107】
図24に示すように、実施の形態2の変形例2に係る矯正具29gは、器具側面部22に沿う(対向する)矯正部293は形成されていない。矯正接続部294gは、実施の形態1における基部290dの端部よりも内側から基部290dと交わる方向に沿って立ち上がり、器具側面部22の先端部に向かって延びている。矯正接続部294gの先端部はわずかに折り曲げられている。矯正接続部294gは先端部を除き平面であり、矯正具29gの断面形状は概略U字形である。
【0108】
器具側面部22は、矯正接続部294gの先端部によって矯正される。つまり、矯正接続部294gの先端部は、器具側面部22を矯正する機能を有する。
【0109】
矯正具29gが器具本体部20に取り付けられた組立後の状態で、矯正接続部294gと器具天面部21と器具側面部22とに囲まれた領域は、長手方向Xに沿って、装着部25と連通している。この領域は、たとえば、隣接する照明装置などから引き込む送り配線などの電線を保持する電線保持部250gとして利用することができる。
【0110】
また、灯具3が灯具装着器具2に取り付けられた状態で、矯正接続部294gの内側の面には灯具3のカバー30が接触または近接する。このため、灯具3は、矯正接続部294gによって装着される適正な位置に案内される。このような構成にすることで、矯正具29gに案内された灯具3は、矯正具29gに矯正された灯具装着器具2の適正な位置に適正な姿勢で装着される。そして、灯具装着器具2(カール部223)と灯具3(カバー30)との間の隙間に係るバランスを保つことができる。
【0111】
実施の形態3.
図25は、実施の形態3に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。また、
図26は、実施の形態3に係る灯具装着器具2hの分解斜視図である。
図27は、実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられる前の状態を示す図である。
図28は、実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられている途中の状態を示す図である。そして、
図29は、実施の形態3に係る灯具装着器具2hにおいて矯正具29hが取り付けられた後の状態を示す図である。ここで、実施の形態3で説明する
図25などに示す機器などにおいて、
図3などと同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1などで説明したことと同様の機能を有する。
【0112】
実施の形態3に係る灯具装着器具2hは、器具本体部20hの外側に取り付けられる矯正具29hを備える。矯正具29hは、実施の形態3では、取付ネジ76を用いて器具天面部21hに固定される。実施の形態3では、灯具装着器具2hの長手方向Xに沿って複数の矯正具29hが設けられている。
【0113】
矯正具29hは、器具本体部20hの長手方向Xにおける端部以外の部分に取り付けられる。矯正具29hは、灯具装着器具2hを造営部9である天井などに取り付けるための吊ボルト90などの固定具または外部電源線(図示は省略)を引き込むための電源線引込孔などが配置されない、器具本体部20hの外側の領域に取り付けられる。
【0114】
矯正具29hは、器具本体部20hの器具天面部21hと器具側面部22(第1側面部220)とのなす角度である成形角度(θ2)を器具本体部20hの外側から矯正する。
【0115】
基部290hには矯正具29hを器具天面部21hに取り付けるための取付ネジ76が挿通されるネジ挿通孔291である貫通孔が形成されている。矯正具29hは、取付ネジ76(の軸部)が基部290hに設けられたネジ挿通孔291を挿通し、器具天面部21hに設けられたネジ孔210hにねじ込まれることによって、器具本体部20hに固定される。
【0116】
ここで、W9sは、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられていない組立前における、一組の器具側面部22hにおける2つのP2の外側どうしの距離寸法である。そして、距離寸法W1および距離寸法W9sは、W9s≧W1の関係にある。
【0117】
また、W9cは、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられた組立後における、一組の器具側面部22hにおける2つのP4の外側どうしの距離寸法である。そして、距離寸法W9sおよび距離寸法W9cは、W9s>W9cの関係にある。
【0118】
さらに、矯正具29hにおける、距離寸法W4およびW7は、W7≦W4の関係にあり、距離寸法W5および距離寸法W6は、W6≦W5の関係にある。
【0119】
そして、器具本体部20hは、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられる前の状態で、前述した2つの側面最狭部P4どうしの距離寸法W3sが、灯具3の2つのカバー最広部P7の距離寸法W8以下となるように成形されている。
【0120】
図27のように、矯正具29hの基部290hと矯正部293hとのなす角度である矯正角度(θ1)は、矯正具29hが取り付けられる前における器具天面部21hと器具側面部22h(第1側面部220h)とのなす角度である成形角度(θ2)より小さい。そして、矯正部293hの基部290hの側の端部である矯正基端部P5の内面どうしの距離寸法(内寸法)W5は、器具側面部22h(第1側面部220h)の器具天面部21hの側の端部である器具基端部P1の外面どうしの距離寸法(内寸法)W1以上である。ここで、距離寸法W5は、矯正基端部P5の内面どうしの距離における最小部分の距離寸法である。また、距離寸法W1は、器具基端部P1の外面どうしの最大部分の距離寸法である。実施の形態3の照明装置1においては、器具本体部20hの外面側に矯正具29hが設置されるため、距離寸法W1≦距離寸法W5となる。
【0121】
矯正具29hの矯正部293hは、器具本体部20hの器具側面部22hの先端部を矯正できる位置まで延びている。具体的には、矯正部293hは、第1側面部220hの下端付近、すなわちカール部223の上端付近まで延びている。そして、矯正部293hにおける先端部P6の内面は、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられた組立後の状態で、器具本体部20hの器具側面部22hの外面に接触する。
【0122】
矯正具29hは、基部290hが器具本体部20hの器具天面部21hに取り付けられた状態において、器具天面部21hと器具側面部22h(第1側面部220h)との角度である成形角度(θ2)が基部290hと矯正部293hとの角度である矯正角度(θ1)になるように器具側面部22hを矯正する。ここで、成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)になるように矯正するとは、成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)と一致すること、および成形角度(θ2)が矯正角度(θ1)と近いことを含む。
【0123】
矯正具29hは、器具本体部20hよりも剛性が高くなるように材料、組成、厚さ寸法、形状などが選択されて形成される。このため、矯正部293hの先端部P6は、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられた組立後の状態で、器具本体部20hの器具側面部22hの外面を短手方向Y(第2方向)の内側に向かって変位させ、変形させることができる。
【0124】
このように、器具側面部22hは、器具本体部20hに矯正具29hが取り付けられることで、前述した2つの側面最狭部P4の間の距離寸法W3cが、灯具3の2つのカバー最広部P7の間の距離寸法W8以上となるように、矯正部293hによって矯正される。
【0125】
器具本体部20hの器具側面部22hは、距離寸法W3cが、灯具3の2つのカバー最広部P7の間の距離寸法W8より大きくなるように矯正部293hによって矯正されることで、灯具3を灯具装着器具2hに装着する際にカバー30を損傷させずにすむ。また、側面最狭部P4がカバー30と離間することによって、摩擦、擦れなどに起因する異音を発生させずにすむ。
【0126】
ここで、矯正具29hは、矯正具29hを吊ボルト90に近接させて配置したり、吊ボルト90を間にして複数配置したりすることによって、施工時に造営部9である天井などに取り付けられる灯具装着器具2hの変形抑制具として機能する。
【0127】
<変形例1>
図30は、実施の形態3の変形例1に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【0128】
矯正具29iの基部290iには、吊ボルト90を挿通することができる吊ボルト挿通孔292が形成されている。矯正具29iは、器具本体部20iよりも剛性が高くなるように材料、組成、厚さ寸法、形状などが選択されて形成される。このため、矯正具29iは、吊ボルト90を挿通させ、吊ボルト90に締め込まれるナット91またはワッシャ92を受ける部材として活用してもよい。この場合、矯正具29iは、灯具装着器具2iを造営部9である天井などに取り付けるための吊ボルト90などの固定具が配置される器具本体部20iの外側の領域に取り付けられる。矯正具29iは器具本体部20iよりも剛性が高くなるように形成されているので、ナット91の締め込みに伴う応力の影響を受け難く、器具本体部20iをはじめとする灯具装着器具2iの変形を防止することができる。
【0129】
すなわち、矯正具29iは、施工時に造営部9である天井などに取り付けられる灯具装着器具2iの変形防止具として機能する。
【0130】
<変形例2>
図31は、実施の形態3の変形例2に係る照明装置1の長手方向Xに直交する照明装置1の垂直断面を模式的に示した断面図である。
【0131】
矯正具29jは、器具本体部20jよりも剛性が高くなるように材料、組成、厚さ寸法、形状などが選択されて形成される。このため、矯正具29jは、吊ボルト90を挿通させ、吊ボルト90に締め込まれるナット91またはワッシャ92を受ける部材として活用してもよい。この場合、矯正具29jは、灯具装着器具2jを造営部9である天井などに取り付けるための吊ボルト90などの固定具が配置される器具本体部20jの外側の領域に取り付けられる。矯正具29jは器具本体部20jよりも剛性が高くなるように形成されており、ナット91またはワッシャ92は、矯正具29jのみで受ける構成としている。このため、器具本体部20jをはじめとする灯具装着器具2jは、ナット91の締め込みに伴う応力の影響を受け難く、器具本体部20jをはじめとする灯具装着器具2jの変形を防止することができる。
【0132】
したがって、矯正具29jは、施工時に造営部9である天井などに取り付けられる灯具装着器具2jの変形防止具として機能する。
【0133】
以上、実施の形態1~実施の形態3、および、いくつかの変形例について説明したが、これらの実施の形態および変形例の2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。また、これらの実施の形態および変形例のうち、1つを部分的に実施しても構わない。さらに、これらの実施の形態および変形例のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの実施の形態および変形例を、全体としてあるいは部分的に、可能な限りどのように組み合わせて実施しても構わない。ここで、上記の実施の形態および変形例は、あくまで例示であって、その適用や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0134】
たとえば、照明装置1は、トラフタイプ以外の直付型の照明装置であってもよいし、埋込型の照明装置であってもよい。また、照明装置1は、2つの側面最狭部P4と向き合うカバー30が灯具装着具の側に開口が形成された箱状をなしていてもよいし、灯具3のカバー30以外の部分が2つの側面最狭部P4と向き合っていてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 照明装置、2,2h,2i,2j 灯具装着器具、3 灯具、9 造営部、20,20h,20i,20j 器具本体部、21,21h 器具天面部、22,22h 器具側面部、23 器具端部、24 端部蓋、25 装着部、26 開口端部、27 連結部、28 ネジ孔、29,29a,29e,29f,29g,29h,29i,29j 矯正具、30 カバー、31 並行部、32 第1接続部、33 第2接続部、35 カバー端部、36 端部、37 カバー外周部、38 カバー内周部、40 端部カバー、41 第1端部カバー、42 第2端部カバー、43 封止具、44 連結部材、45 連結部、46 固定部、47 係合部、48 連結ネジ、49 カバー蓋、50 取付部材、51 台座、52 取付面部、53 側部、54 固定具、55 取付部、56 固定部、57 ボス部、58 ネジ孔、60 発光部、61 発光素子、62 基板、75 固定ネジ、76 取付ネジ、80 制御部、81 電源線、82 接地線、83 制御線、84 給電線、85 配線材、90 吊ボルト、91 ナット、92 ワッシャ、210,210h ネジ孔、220,220h 第1側面部、221 第2側面部、222 屈曲部、223 カール部、224 捕捉溝、250,250f,250g 電線保持部、290,290a,290d,290e,290f,290h,290i 基部、291 ネジ挿通孔、292 吊ボルト挿通孔、293,293e,293f,293h 矯正部、294,294f,294g 矯正接続部、410 第1カバー主部、410a 外壁部、411 第1カバー貫通孔、412 第1カバー連結孔、413 連結ガイド、414 カバー下面部、415 カバー下面貫通孔、416 カバー電線保持部、417 カバー端面部、418 カバー端面貫通孔、419 端部カバー外周部、420 第2カバー主部、421 端部カバー挿通部、421a 挿通壁、422 第2カバー係合片、423 第2カバー係合爪、425 端部カバー内周部、430 封止具主部、431 電線挿通部、432 電線挿通孔、433 封止具筒状部、434 ネジ挿通孔、435 封止内周部、436 封止接続部、437 封止外周部、450 段差部、451 連結ネジ挿通部、460 固定ネジ挿通孔、461 係合片挿通孔、470 電線挿通孔、472 挿入孔、480 抜け止めワッシャ、481 ネジ本体部、520 ネジ孔、521 切り欠き部、4710 上部スリット、4711 端部スリット。