(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】検品装置、検品システム、検品システムの制御方法、情報処理装置、情報処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20240628BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240628BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240628BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 206
B41J29/00 H
H04N1/387 110
(21)【出願番号】P 2020032192
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩野 俊介
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-003335(JP,A)
【文献】特開2016-177787(JP,A)
【文献】特開2002-269542(JP,A)
【文献】特開2005-205703(JP,A)
【文献】特開2006-289699(JP,A)
【文献】特開2014-202923(JP,A)
【文献】特開2017-170841(JP,A)
【文献】特開2014-232441(JP,A)
【文献】特開2008-065447(JP,A)
【文献】特開2013-254276(JP,A)
【文献】特開2021-111873(JP,A)
【文献】特開2015-230687(JP,A)
【文献】特開2007-050546(JP,A)
【文献】特開2019-077052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0075193(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/393
B41J 29/38
B41J 29/00
H04N 1/387
B41J 21/16
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに画像と後処理用の1または複数の付加情報とを印字した印刷物の品位を検品する検品装置であって、
前記後処理用の1または複数の付加情報に関する情報を受信する受信手段と、
検品対象の印刷物の読み取りにより生成した読取画像と予め登録された正解画像とに基づいて、検品対象の印刷物の検品領域に対して検品処理を行う検品手段と、を有し、
前記検品手段は、
前記情報に含まれる、後処理
で前記1または複数の付加情報
が読み取られるかどうかを示す情報に基づいて、前記印刷物の前記後処理用の1または複数の付加情報が印字された領域に対する検品処理の実行をするか否かを制御することを特徴とする検品装置。
【請求項2】
前記
1または複数の付加情報は、テキスト情報であることを特徴とする請求項1に記載の検品装置。
【請求項3】
前記後処理用の1または複数の付加情報は、前記記録シートにおける前記画像を印字する範囲外に印刷されていることを特徴とする請求項1または2に記載の検品装置。
【請求項4】
前記後処理用の1または複数の付加情報に関する情報は、
さらに前記
1または複数の付加情報の印字位置
及びサイズに関する情報
を含み、
前記検品手段は、前記
1または複数の付加情報の印字位置
及びサイズに関する情報に基づいて、前記後処理用の1または複数の付加情報
を前記検品領域に
含めて前記検品処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検品装置。
【請求項5】
前記検品装置は、前記印刷物に含まれる前記後処理用の1または複数の付加情報を配置する情報処理装置と通信可能に接続しており、
前記受信手段は、前記情報処理装置から前記後処理用の1または複数の付加情報に関する情報を受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検品装置。
【請求項6】
記録シートに画像と、後処理用の第1の付加情報と該第1の付加情報と異なる第2の付加情報とを含む複数の付加情報と、を印字した印刷物の品位を検品する検品システムであって、
前記第1の付加情報に関する情報と、前記第2の付加情報に関する情報と、を含む複数の付加情報に関する情報を取得する取得手段と、
検品対象の印刷物の読み取りにより生成した読取画像と予め登録された正解画像とに基づいて、検品対象の印刷物の検品領域に対して検品処理を行う検品手段と、を有し、
前記検品手段は、前記第1の付加情報に関する情報
が後処理で前記第1の付加情報が読み取られることを示すことに基づいて、前記印刷物の前記第1の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行し、前記第2の付加情報に関する情報
が前記後処理で前記第2の付加情報が読み取られないことを示すことに基づいて、前記印刷物の前記第2の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行しないよう制御することを特徴とする検品システム。
【請求項7】
前記
複数の付加情報は、テキスト情報であることを特徴とする請求項6に記載の検品システム。
【請求項8】
前記複数の付加情報は、前記記録シートにおける前記画像を印字する範囲外に印刷されていることを特徴とする請求項6または7に記載の検品システム。
【請求項9】
記録シート上において、検品処理を行う前記検品領域と検品を行わない非検品領域とを設定する設定手段を有し、
前記設定手段は、前記複数の付加情報
が前記後処理で前記第1の付加情報が読み取られることを示すことに基づいて、前記第1の付加情報が印字された領域を前記検品領域に設定することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の検品システム。
【請求項10】
記録シートに画像と、後処理用の第1の付加情報と該第1の付加情報と異なる第2の付加情報とを含む複数の付加情報と、を印字した印刷物の品位を検品する検品システムの制御方法であって、
前記第1の付加情報に関する情報と、前記第2の付加情報に関する情報と、を含む複数の付加情報に関する情報を取得する取得工程と、
検品対象の印刷物の読み取りにより生成した読取画像と予め登録された正解画像とに基づいて、検品対象の印刷物の検品領域に対して検品処理を行う検品工程と、
を有し、
前記検品工程では、前記第1の付加情報に関する情報
が後処理で前記第1の付加情報が読み取られることを示すことに基づいて、前記印刷物の前記第1の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行し、前記第2の付加情報に関する情報
が前記後処理で前記第2の付加情報が読み取られないことを示すことに基づいて、前記印刷物の前記第2の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行しないよう制御されることを特徴とする検品システムの制御方法。
【請求項11】
前記
複数の付加情報は、テキスト情報であることを特徴とする請求項
10に記載の検品システムの制御方法。
【請求項12】
前記複数の付加情報は、前記記録シートにおける前記画像を印字する範囲外に印刷されていることを特徴とする請求項
10または
11に記載の検品システムの制御方法。
【請求項13】
記録シート上において、検品処理を行う前記検品領域と検品を行わない非検品領域とを設定する設定工程を有し、
前記設定工程では、前記複数の付加情報に関する情報
が前記後処理で前記第1の付加情報が読み取られることを示すことに基づいて、前記第1の付加情報が印字された領域を前記検品領域に設定することを特徴とする請求項
10乃至
12のいずれか1項に記載の検品システムの制御方法。
【請求項14】
記録シートに画像と、第1の付加情報と第1の付加情報と異なる第2の付加情報とを含む複数の付加情報と、を印字した印刷物の品位を検品する検品装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記第1の付加情報に関する情報と、前記第2の付加情報に関する情報と、を含む複数の付加情報に関する情報を取得する取得手段と、
前記検品装置に対して、
前記複数の付加情報に関する情報において、前記第1の付加情報に関する情報
が前記第1の付加情報が後処理で読み取られることを示し、前記第2の付加情報に関する情報
が前記第2の付加情報が前記後処理で読み取られないことを示すことで、前記印刷物の前記第1の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行し、前記印刷物の前記第2の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行しないよう制御するためのデータを送信する送信手段と
、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
前記データは、少なくとも前記検品処理を実行する領域の情報を含むことを特徴とする請求項
14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記データは、前記検品処理を実行する際の検品強度に関する情報を含むことを特徴とする請求項
14または
15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記複数の付加情報に関する情報には、前記検品処理を行うか否かの情報を含むことを特徴とする請求項
14ないし
16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記複数の付加情報に関する情報には、前記検品処理を行う場合に前記検品処理を行う検査強度に関する情報を含むことを特徴とする請求項
17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記複数の付加情報は、前記記録シートにおける前記画像を印字する範囲外に印刷されていることを特徴とする請求項
14乃至
18のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記複数の付加情報は、製本および裁断の設定値の呼び出しに使用されるバーコード、裁断位置の認識に使用されるトンボ、カラーキャリブレーションに使用されるカラーチャート、テキスト、のうち1以上を含むことを特徴とする請求項
14乃至
19のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
記録シートに画像と、第1の付加情報と第1の付加情報と異なる第2の付加情報とを含む複数の付加情報と、を印字した印刷物の品位を検品する検品装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記第1の付加情報に関する情報と、前記第2の付加情報に関する情報と、を含む複数の付加情報に関する情報を取得する取得工程と、
前記検品装置に対して、
前記複数の付加情報に関する情報において、前記第1の付加情報に関する情報
が前記第1の付加情報が後処理で読み取られることを示し、前記第2の付加情報に関する情報
が前記第2の付加情報が前記後処理で読み取られないことを示すことで、前記印刷物の前記第1の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行し、前記印刷物の前記第2の付加情報が印字された領域に対して検品処理を実行しないよう制御するためのデータを送信する送信工程と
、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の検品技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置により印刷されたシート(印刷シート)を搬送中に、検品装置によって該印刷シートの検査(検品)を可能にする印刷システムが知られている。印刷シートの検査では、検品装置が搬送された印刷シートの画像を読み取り、該読み取った画像の画像解析により、該印刷シートが正常であるか否かを判定する。検品装置は、例えばバーコードや罫線の欠け、画像抜け、印刷不良、ページ抜け、色ずれなどを検出することが可能である。印刷シートが欠陥シートであると判定された場合、該欠陥シートは正常シートとは別の排紙先に排紙される。これにより、欠陥シートが正常シートに混入することを防ぐことができ、オペレータが欠陥シートを廃棄することが可能となる。
【0003】
読み取られた印刷シートには、版面外で断裁される領域が含まれることがある。断裁される領域の印刷不良は最終的な印刷製品には残らないため、断裁される領域に汚れや傷といった印刷不良があったとしても正常シートとして扱い、生産性を上げたい場合がある。そのため、検品装置でシート中の検品領域をあらかじめ設定しておき、断裁される領域は検品対象から除外することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によれば、印刷ジョブに設定されている断裁処理の設定値から、断裁後に残る画像領域を特定し、断裁される領域を自動で検品対象から外すことで、手作業で検品領域を設定する手間を削減することができる。
【0006】
しかしながら、商業印刷では、成果物にならない場所に付加情報を印字し、後加工を効率的に処理することが行われている。これらの付加情報が特許文献1に開示された技術よって検品対象から除外された場合、印刷不良の付加情報は後処理で読み取られなくなることで、印刷後の工程の生産性が低下する。一方で、付加情報によっては後加工で読み取らない場合もあり、後加工で読み取るかどうかを個別に判断して手作業で検品領域を設定しなければならないという課題がある。本発明では、シートに印刷された複数の付加情報のうち検品処理の対象に含める付加情報を判断して検品処理を行うための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一様態は、記録シートに画像と後処理用の1または複数の付加情報とを印字した印刷物の品位を検品する検品装置であって、
前記後処理用の1または複数の付加情報に関する情報を受信する受信手段と、
検品対象の印刷物の読み取りにより生成した読取画像と予め登録された正解画像とに基づいて、検品対象の印刷物の検品領域に対して検品処理を行う検品手段と、を有し、
前記検品手段は、前記情報に含まれる、前記後処理で前記1または複数の付加情報が読み取られるかどうかを示す情報に基づいて、前記印刷物の前記後処理用の1または複数の付加情報が印字された領域に対する検品処理の実行をするか否かを制御することを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、シートに印刷された複数の付加情報のうち検品処理の対象に含める付加情報を判断して検品処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】画像処理システムにおける各装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図4】PC103、外部コントローラ102、検品装置109のそれぞれの機能構成例を示すブロック図。
【
図5】全ての付加情報を配置したページの一例を示す図。
【
図10】印刷ジョブに基づいて印刷した各シートに対する検品を行うために行う処理のフローチャート。
【
図11】ステップS1001における処理の詳細を示すフローチャート。
【
図12】ステップS1002における処理の詳細を示すフローチャート。
【
図13】ステップS1003における処理の詳細を示すフローチャート。
【
図14】ステップS1004における処理の詳細を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[第1の実施形態]
先ず、本実施形態に係る画像処理システムの構成例について、
図1を用いて説明する。
図1に示す如く、本実施形態に係る画像処理システムは、画像形成装置101と、外部コントローラ102と、を有する。画像形成装置101は、内部LAN105およびビデオケーブル106を介して外部コントローラ102と通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、外部LAN104を介して情報処理装置としてのPC(パーソナルコンピュータ)103と通信可能に接続されている。
【0012】
外部コントローラ102は、画像処理コントローラ、デジタルフロントエンド、プリントサーバ、DFEなどと呼ばれることもある。また、画像形成装置101は、複合機、マルチファンクションペリフェラル、MFPと呼ばれることもある。
【0013】
PC103には印刷ジョブを外部コントローラ102で処理可能な印刷記述言語に変換する機能を有するプリンタドライバがインストールされている。PC103のユーザは、該PC103上で動作する各種アプリケーションを操作することで、該各種アプリケーションからプリンタドライバを介して外部コントローラ102に印刷ジョブを送信することができる。外部コントローラ102は、PC103から送信された印刷ジョブに対してデータ解析やラスタライズ処理を行うことで、シートに印刷する画像や文字のデータ(印刷データ)を生成する。そして外部コントローラ102は、該生成した印刷データを画像形成装置101に対して送信することで、該画像形成装置101に対し、該印刷データに基づいて画像や文字をシートに印刷する印刷指示を行う。
【0014】
次に、画像形成装置101についてより詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置101は、印刷装置107、インサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111、を有する。
【0015】
先ず、印刷装置107について説明する。印刷装置107は、印刷装置107の下部に設けられている給紙部から搬送されるシートに対し、外部コントローラ102からの印刷データに基づいて画像や文字を印刷し、該印刷を行ったシートをインサータ108に搬送する。印刷装置107の構成及び動作原理の一例を以下に説明する。印刷装置107では、外部コントローラ102からの印刷データに応じて変調された、レーザ光などの光線をポリゴンミラー等の回転多面鏡により反射して走査光として感光ドラムに照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられたシートに、そのトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーについて順次実行することにより、シート上にフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写ドラム上のシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラーやベルト等を含み、ローラー内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解してシートに定着させる。そしてトナーが定着したシートは印刷済みのシートとしてインサータ108に搬送される。
【0016】
次に、インサータ108について説明する。インサータ108は、印刷装置107から搬送されてくる印刷済みのシートを後段の検品装置109に搬送するが、その際、任意のシート位置に挿入シートを挿入して後段の検品装置109に搬送することができる。
【0017】
次に、検品装置109について説明する。検品装置109は、インサータ108から搬送されてくる各シートを後段の大容量スタッカ110に搬送するが、その際、該シートを撮影することで該シートの撮影画像を取得する。そして検品装置109は、撮影画像を、予め登録された正解画像と比較することで、該撮影画像に対応するシートが正常か否かを判断する検品処理を行う。
【0018】
次に、大容量スタッカ110について説明する。大容量スタッカ110は、検品装置109から搬送されてくるシートを積載するためのもので、大容量のシートを積載することができる。
【0019】
次に、フィニッシャ111について説明する。フィニッシャ111は、大容量スタッカ110に積載されている各シートに対して、ステイプル、パンチ、中綴じ製本などのフィニッシング処理(後処理)を行うことで製本を行い、該製本で生成された製品を排紙トレイに排紙する後処理装置である。
【0020】
なお、
図1では、印刷装置107と外部コントローラ102とは別個の装置としているが、印刷装置107と外部コントローラ102とを一体化させてもよい。この場合、PC103は印刷装置107が解釈可能な印刷ジョブを生成し、該生成した印刷ジョブを印刷装置107に対して送信する。印刷装置107は、PC103から送信された印刷ジョブを解釈して印刷データを生成し、該印刷データに基づいてシート上に画像や文字を印刷し、印刷済みのシートを後段のインサータ108に搬送する。
【0021】
次に、
図1に示した、PC103、外部コントローラ102、印刷装置107、インサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111、のそれぞれのハードウェア構成例について、
図2のブロック図を用いて説明する。
【0022】
先ず、PC103のハードウェア構成例について説明する。CPU201は、メモリ202に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU201は、PC103全体の動作制御を行うとともに、PC103が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0023】
メモリ202は、揮発性メモリの一例であり、HDD(ハードディスクドライブ)203からロードされたコンピュータプログラムやデータ、LAN I/F206を介して外部コントローラ102から受信したデータ、を格納するためのエリアを有する。さらにメモリ202は、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ202は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0024】
HDD203には、OS(オペレーティングシステム)や、PC103が行うものとして説明する各処理をCPU201に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。このコンピュータプログラムには、例えば、画像や文字を含む文書を作成するアプリケーションソフトウェアのコンピュータプログラムや、外部コントローラ102や印刷装置107に対応するドライバが含まれている。ユーザがこのアプリケーションソフトウェアを用いて作成した文書の印刷指示を入力すると、ドライバは該文書の印刷ジョブを生成し、印刷指示と共に外部コントローラ102に送信する。HDD203に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU201による制御に従って適宜メモリ202にロードされ、CPU201による処理対象となる。
【0025】
キーボード204は、ユーザインターフェースの一例であり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU201に対して入力することができる。ユーザインターフェースには、キーボード204に加えてもしくは代えて、マウスやタッチパネル画面を適用することができる。
【0026】
ディスプレイ205は、液晶画面やタッチパネル画面を有し、CPU201による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。LAN I/F206は、外部コントローラ102との間で外部LAN104を介したデータ通信を行うための通信インターフェースとして機能する。CPU201、メモリ202、HDD203、キーボード204、ディスプレイ205、LAN I/F206は何れもシステムバス207に接続されている。
【0027】
次に、外部コントローラ102について説明する。CPU208は、メモリ209に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU208は、外部コントローラ102全体の動作制御を行うとともに、外部コントローラ102が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0028】
メモリ209は、揮発性メモリの一例である。メモリ209は、HDD210からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ209は、LAN I/F213を介してPC103から受信したデータ、LAN I/F214やビデオ I/F215を介して印刷装置107から受信したデータ、を格納するためのエリアを有する。さらにメモリ209は、CPU208が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ209は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0029】
HDD210には、OS(オペレーティングシステム)や、外部コントローラ102が行うものとして説明する各処理をCPU208に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。HDD210に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU208による制御に従って適宜メモリ209にロードされ、CPU208による処理対象となる。
【0030】
キーボード211は、ユーザインターフェースの一例であり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU208に対して入力することができる。ユーザインターフェースには、キーボード211に加えてもしくは代えて、マウスやタッチパネル画面を適用することができる。
【0031】
ディスプレイ212は、液晶画面やタッチパネル画面を有し、CPU208による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。LAN I/F213は、PC103との間で外部LAN104を介したデータ通信を行うための通信インターフェースとして機能する。
【0032】
LAN I/F214は、印刷装置107との間で内部LAN105を介したデータ通信(例えば、印刷装置107に対する印刷指示の送信)を行うための通信インターフェースとして機能する。
【0033】
ビデオ I/F215は、印刷装置107との間でビデオケーブル106を介したデータ通信(例えば、印刷装置107に対する印刷データの送信)を行うための通信インターフェースとして機能する。
【0034】
CPU208、メモリ209、HDD210、キーボード211、ディスプレイ212、LAN I/F213、LAN I/F214、ビデオ I/F215、は何れもシステムバス216に接続されている。
【0035】
次に、印刷装置107について説明する。通信I/F217は、通信ケーブル254を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111と接続されている。印刷装置107によるインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111の制御のための通信は、通信ケーブル254を介して行われる。
【0036】
LAN I/F218は、内部LAN105を介して外部コントローラ102(LAN I/F214)と接続されている。印刷装置107は、LAN I/F218を介して外部コントローラ102とのデータ通信(例えば、外部コントローラ102からの印刷指示の受信)を行う。
【0037】
ビデオ I/F220は、ビデオケーブル106を介して外部コントローラ102(ビデオ I/F215)と接続されている。印刷装置107は、ビデオ I/F220を介して外部コントローラ102とのデータ通信(例えば、外部コントローラ102からの印刷データの受信)を行う。
【0038】
HDD221には、OS(オペレーティングシステム)や、印刷装置107が行うものとして説明する各処理をCPU222に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。HDD221に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU222による制御に従って適宜メモリ223にロードされ、CPU222による処理対象となる。
【0039】
CPU222は、メモリ223に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU222は、印刷装置107全体の動作制御を行うとともに、印刷装置107が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0040】
メモリ223は、揮発性メモリの一例である。メモリ223は、HDD221からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ223は、通信I/F217を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ223は、LAN I/F218やビデオ I/F220を介して外部コントローラ102から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ223は、CPU222が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ223は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0041】
操作部224は、ユーザが各種の指示を入力するために操作するボタン群などのユーザインターフェースである。ディスプレイ225は、液晶画面やタッチパネル画面を有し、CPU222による処理結果(画像形成装置101の設定情報や印刷ジョブの処理状況など)を画像や文字などでもって表示することができる。
【0042】
原稿露光部226は、コピー機能やスキャン機能を使用する際に、シート(原稿)を読み込む処理を行う。原稿露光部226は、シートに対して露光ランプを照らしながらCCDカメラなどの撮像部で該シートを撮影することで、該シートの撮影画像を取得する。
【0043】
レーザ露光部227は、トナー像を転写するために感光ドラムにレーザ光を照射するための一次帯電や、レーザ露光を行う装置である。レーザ露光部227は、先ず、感光ドラム表面を均一なマイナス電位に帯電させる一次帯電を行い、次に、レーザードライバーによってレーザ光を、ポリゴンミラーで反射角度を調節しながら感光ドラムに照射する。これにより、照射した部分のマイナス電荷が中和され、静電潜像が形成される。
【0044】
作像部228は、シートに対してトナーを転写するための装置であり、現像ユニット、転写ユニット、トナー補給部等により構成され、感光ドラム上のトナーをシートに転写する。現像ユニットにおいては、現像シリンダーからマイナスに帯電したトナーを感光ドラム表面の静電潜像に付着させ、可視像化する。転写ユニットにおいては、一次転写ローラーにプラス電位を印可して感光ドラム表面のトナーを転写ベルトに転写する一次転写、二次転写外ローラーにプラス電位を印可して転写ベルト上のトナーをシートに転写する二次転写が行われる。
【0045】
定着部229は、シート上のトナーを熱と圧力で該シートに溶解固着するための装置であり、加熱ヒーター、定着ベルト、加圧ベルト等で構成される。給紙部230は、シートを給紙するための装置であり、ローラーや各種センサにより、シートの給紙動作、搬送動作を制御する。
【0046】
通信I/F217、LAN I/F218、ビデオ I/F220、HDD221、CPU222、メモリ223、操作部224、ディスプレイ225、原稿露光部226、レーザ露光部227、作像部228、定着部229、給紙部230はシステムバス231に接続されている。
【0047】
次に、インサータ108について説明する。通信I/F232は、通信ケーブル254を介して印刷装置107、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111と接続されている。
【0048】
CPU233は、メモリ234に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU233は、インサータ108全体の動作制御を行うとともに、インサータ108が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0049】
メモリ234は、揮発性メモリの一例である。メモリ234は、通信I/F232を介して印刷装置107、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ234は、CPU233が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ234は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0050】
給紙制御部235は、CPU233からの指示に基づき、ローラとセンサを制御しながら、インサータ108の給紙部におけるシートの給紙や印刷装置107から搬送されたシートの搬送を制御する。通信I/F232、CPU233、メモリ234、給紙制御部235はシステムバス236に接続されている。
【0051】
次に、検品装置109について説明する。通信I/F237は、通信ケーブル254を介して印刷装置107、インサータ108、大容量スタッカ110、フィニッシャ111と接続されている。
【0052】
CPU238は、メモリ239に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU238は、検品装置109全体の動作制御を行うとともに、検品装置109が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0053】
メモリ239は、揮発性メモリの一例である。メモリ239は、通信I/F237を介して印刷装置107、インサータ108、大容量スタッカ110、フィニッシャ111から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ239は、撮影部240が撮影した撮影画像を格納するためのエリアを有する。さらにメモリ239は、CPU238が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ239は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0054】
撮影部240は、インサータ108から搬送されてきたシートを、CPU238からの指示に基づいて撮影し、該撮影により得られた撮影画像を出力する。CPU238は、この撮影画像を、予めメモリ239に登録されている正解画像と比較して、該撮影画像中に映っているシートに対する検品を行い、該シートが正常であるか否かを判断する。なお、新たにHDDを設けて、該HDDに正解画像を保存しておいてもよい。
【0055】
表示部241は、液晶画面やタッチパネル画面を有し、CPU238による処理結果(CPU238による検品の結果や各種の設定画面など)を画像や文字などでもって表示することができる。
【0056】
操作部242は、ユーザが各種の指示(検品装置109の設定変更や正解画像の登録などの指示)を入力するために操作するボタン群などのユーザインターフェースである。
【0057】
通信I/F237、CPU238、メモリ239、撮影部240、表示部241、操作部242、はシステムバス243に接続されている。
【0058】
次に、大容量スタッカ110について説明する。通信I/F244は、通信ケーブル254を介して印刷装置107、インサータ108、検品装置109、フィニッシャ111と接続されている。
【0059】
CPU245は、メモリ246に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU245は、大容量スタッカ110全体の動作制御を行うとともに、大容量スタッカ110が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0060】
メモリ246は、揮発性メモリの一例である。メモリ246は、通信I/F244を介して印刷装置107、インサータ108、検品装置109、フィニッシャ111から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ246は、CPU245が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ246は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0061】
排紙制御部247は、検品装置109から搬送されてきたシートを、CPU245からの指示に基づき、スタックトレイ、エスケープトレイ、または後続のフィニッシャ111に搬送する制御を行う。通信I/F244、CPU245、メモリ246、排紙制御部247、はシステムバス248に接続されている。
【0062】
次に、フィニッシャ111について説明する。通信I/F249は、通信ケーブル254を介して印刷装置107、インサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110と接続されている。
【0063】
CPU250は、メモリ251に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU250は、フィニッシャ111全体の動作制御を行うとともに、フィニッシャ111が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0064】
メモリ251は、揮発性メモリの一例である。メモリ251は、通信I/F249を介して印刷装置107、インサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110から受信したデータを格納するためのエリアを有する。さらにメモリ251は、CPU250が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにメモリ251は、各種のエリアを適宜提供することができる。排紙制御部252は、大容量スタッカ110から搬送されてきたシートの搬送や排紙を、CPU250からの指示に基づき制御する。
【0065】
フィニッシング処理部253は、CPU250からの指示に基づき、大容量スタッカ110から搬送されてきたシートに対するステイプルやパンチ、中綴じ製本等のフィニッシング処理を制御する。通信I/F249、CPU250、メモリ251、排紙制御部252、フィニッシング処理部253はシステムバス259に接続されている。
【0066】
なお、上記の説明では、メモリ202、メモリ209、メモリ223、メモリ234、メモリ239、メモリ246、メモリ251は何れも、コンピュータプログラムやデータを格納するための揮発性メモリとして説明した。しかし、これらのメモリは、対応するコンピュータプログラムやデータを格納することができる記憶装置であればよく、例えば、揮発性のRAM、不揮発性のROM、内蔵HDD、外付けHDD、USBメモリなどのメモリ装置であってもよい。
【0067】
次に、画像形成装置101のメカ構成について、その断面図を示す
図3を用いて説明する。給紙デッキ301,302のそれぞれには、各種シートを収容しておくことが可能である。給紙デッキ301,302のそれぞれからは、収容されたシートの最上位のシート一枚のみを分離し、シート搬送パス303へ搬送することが可能である。
【0068】
現像ステーション304~307は、カラー画像を形成するために、それぞれY、M、C、Kの有色トナーを用いてトナー像を形成する。ここで形成されたトナー像は中間転写ベルト308に一次転写され、中間転写ベルト308は時計回りに回転し、二次転写位置309でシート搬送パス303から搬送されてきたシートにトナー像が転写される。
【0069】
ディスプレイ225は、画像形成装置101の印刷状況や設定のための情報を表示する。定着ユニット311は、加圧ローラと加熱ローラを備え、各ローラの間をシートが通過することにより、トナーを溶融・圧着することでシートにトナー像を定着させる。定着ユニット311を抜けたシートはシート搬送パス312を通ってパス315へと搬送される。シートの種類によって定着のためにさらに溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット311を通過した後、上のシート搬送パスを使って第二定着ユニット313へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、シート搬送パス314を通ってパス315へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、シート反転パス316へとシートを搬送し、シート反転パス316で反転した後、両面搬送パス317へとシートが搬送され、二次転写位置309で2面目の画像転写が行われる。
【0070】
インサータ108はインサータトレイ321を備え、シート搬送パス322を通じて給紙されたシートを搬送パスへ合流させる。これにより、印刷装置107から搬送される一連のシート群に、任意の位置でシートを挿入させて後段の検品装置109へ搬送させることが可能となる。
【0071】
インサータ108を通過したシートは検品装置109へ搬送される。検品装置109内には、撮影部240としてのカメラ331、332が対向する形で配置される。カメラ331はシートの上面を、カメラ332はシートの下面を読み取るためのカメラである。検品装置109は、シート搬送パス333に搬送されたシートが所定に位置に到達したタイミングで、カメラ331、332を用いてシートの両面を読み取り、該読み取った画像が正常であるかを判断することができる。表示部241には、検品装置109によって行われた検品の結果などが表示される。
【0072】
大容量スタッカ110は、シートを積載するトレイとしてスタックトレイ341を有する。検品装置109を通過したシートはシート搬送パス344を通って大容量スタッカ110に搬送されてくる。シートはシート搬送パス344からシート搬送パス345を経由して、スタックトレイ341に積載される。さらに大容量スタッカ110は、排紙トレイとしてエスケープトレイ346を有する。エスケープトレイ346は、検品装置109によって欠陥シートと判定されたシートを排出するために使用される排紙トレイである。エスケープトレイ346に出力する場合は、シート搬送パス344からシート搬送パス347を経由してエスケープトレイ346へシートが搬送される。なお大容量スタッカ110の後段のフィニッシャ111へシートを搬送する場合には、シート搬送パス348を経由してシートが搬送される。反転部349は、シートをスタックトレイ341に積載する場合に使用される。入力されたシートの向きと出力時点でのシートの向きが同一となるように、スタックトレイ341に積載する場合には反転部349で一度シートを反転させる。エスケープトレイ346や後続のフィニッシャ111へシートを搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのままシートを排出するため、反転部349での反転動作は行わない。
【0073】
フィニッシャ111では、具体的にはステイプル(1個所・2箇所綴じ)やパンチ(2穴・3穴)や中とじ製本等のフィニッシング機能を有する。フィニッシャ111は、排紙トレイ351、352を備え、シートはシート搬送パス353を経由して排紙トレイ351に出力される。ただしシート搬送パス353ではステイプル等のフィニッシング処理を行うことはできない。ステイプル等のフィニッシング処理を行う場合は、シート搬送パス354を経由して搬送されたシートに対して、処理部355でユーザにより指定されたフィニッシング機能が実行され、排紙トレイ352へ出力される。排紙トレイ351、352は、それぞれ昇降することが可能であり、排紙トレイ351を下降させ、処理部355でフィニッシング処理したシートを排紙トレイ351へ積載するように動作することも可能である。中とじ製本が指定された場合には、中とじ処理部356で、シート中央にステイプル処理をした後、シートを二つ折りにしてシート搬送パス357を経由して中とじ製本トレイ358へ出力される。中とじ製本トレイ358はベルトコンベア構成になっており、中とじ製本トレイ358上に積載された中とじ製本束は左側へ搬送される構成となっている。
【0074】
PC103、外部コントローラ102、検品装置109のそれぞれの機能構成例を
図4に示す。PC103は、受付部401、記憶部402、画像処理部403、記憶部404、送信部405、送信部406、決定部407、制御部408、通信処理部409を有する。以下では、受付部401、画像処理部403、送信部405、送信部406、決定部407、制御部408、通信処理部409を処理の主体として説明する。しかし、実際には、これらの機能部の機能をCPU201に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムをCPU201が実行することで、これらの機能部の機能を実現させることができる。また、記憶部402および記憶部404はメモリ202やHDD203で実装可能である。
【0075】
外部コントローラ102は、通信処理部411、制御部412、受付部413、記憶部414、印刷実行部415、送信部416を有する。以下では、通信処理部411、制御部412、受付部413、印刷実行部415、送信部416を処理の主体として説明する。しかし、実際には、これらの機能部の機能をCPU208に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムをCPU208が実行することで、これらの機能部の機能を実現させることができる。また、記憶部414はメモリ209やHDD210で実装可能である。
【0076】
検品装置109は、通信処理部421、制御部422、受付部423、記憶部424、検品処理部425を有する。以下では、通信処理部421、制御部422、受付部423、検品処理部425を処理の主体として説明する。しかし、実際には、これらの機能部の機能をCPU238に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムをCPU238が実行することで、これらの機能部の機能を実現させることができる。また、記憶部424はメモリ239で実装可能である。
【0077】
なお、
図4に示した各装置の機能構成は一例であり、この機能構成に限定することを意図したものではない。例えば、1つの機能部の一部若しくは全部の機能を1つ以上の機能部に分担させてもよいし、2つ以上の機能部の機能を1つの機能部が担ってもよい。
図4に示した各機能部はハードウェアで実装してもよい。
【0078】
次に、本実施形態に係る画像処理システムが、印刷ジョブに基づいて印刷した各シートに対する検品を行うために行う処理について、同処理のフローチャートを示す
図10を用いて説明する。
【0079】
ステップS1001ではPC103は、ユーザがキーボード204を用いてアプリケーションソフトウェアを操作することで作成した文書のページに対し、「該ページが印刷されたシートからフィニッシング処理用(後処理用)に読み取られる付加情報」を配置(合成)する。ステップS1001における処理の詳細について、
図11のフローチャートに従って説明する。
【0080】
ステップS1101では、受付部401は、ユーザがキーボード204を操作して印刷を指示した文書を受け付けて記憶部402に格納する。そして画像処理部403は、該文書のページにすべての付加情報を配置したか否かを判断する。ページに配置する付加情報は予め定められている。ページに配置する付加情報を規定する情報が登録されているテーブルの構成例を
図7に示す。
【0081】
図7において列701には、ページ上に配置するそれぞれの付加情報のID(付加情報ID)が登録されている。列702には、ページ上に配置するそれぞれの付加情報について、該付加情報を読み取る後処理装置のID(後処理装置ID)が登録されている。列703には、ページ上に配置するそれぞれの付加情報の種類(付加情報種類)が登録されている。
【0082】
よってステップS1101では、
図7のテーブルに登録されている4つの付加情報の全てが文書のページ上に配置されたか否かを判断する。この判断の結果、文書のページにすべての付加情報を配置した場合には、処理はステップS1107に進み、文書のページに未だ配置していない付加情報が残っている場合には、処理はステップS1102に進む。なお、
図7のテーブルは予め作成されて、記憶部402に格納されている。
【0083】
ステップS1102では、画像処理部403は、文書のページにまだ配置していない付加情報を該ページ上に配置する。付加情報を配置する位置や該付加情報のサイズ(縦および横のサイズ)は予め定められているものとする。
【0084】
ステップS1104では、決定部407は、
図6のテーブルに登録されている後処理装置が、ステップS1102で配置した付加情報を読み取るか否かを判断する。
図6において列601には、各後処理装置のID(後処理装置ID)が登録されている。列602には、付加情報の種類が登録されている。列603には、列602に登録されている種類の付加情報を、列601に登録されている後処理装置IDに対応する後処理装置が読み取るか否かを示すフラグが登録されている。例えば、
図7のテーブルでは、後処理装置ID=D001に対応する後処理装置は、種類「Barcode」の付加情報は読み取る(TRUE)が、種類「Trim mark」の付加情報は読み取らない(False)と設定されている。
【0085】
例えば、ステップS1102で、付加情報ID=A001に対応する付加情報を配置した場合、この付加情報に対応する後処理装置IDおよび付加情報種類は、
図7のテーブルより、それぞれ「D001」、「Barcode」である。
図6のテーブルにおいて、後処理装置ID=D001および付加情報種類=「Barcode」に対応するフラグは「TRUE」であるから、この付加情報については、「読み取る」と判断する。
【0086】
また例えば、ステップS1102で、付加情報ID=A002に対応する付加情報を配置した場合、この付加情報に対応する後処理装置IDおよび付加情報種類は、
図7のテーブルより、それぞれ「D001」、「Trim mark」である。
図6のテーブルにおいて、後処理装置ID=D001および付加情報種類=「Trim mark」に対応するフラグは「False」であるから、この付加情報については、「読み取らない」と判断する。なお、
図6のテーブルは、予め作成されて記憶部404に格納されている。
【0087】
ステップS1104における判断の結果、読み取ると判断した場合には、処理はステップS1105に進み、読み取らないと判断した場合には、処理はステップS1101に進む。
【0088】
ステップS1105では、決定部407は、ステップS1102で配置した付加情報の位置およびサイズを取得する。上記の通り、付加情報を配置するページ上の位置および該付加情報のサイズについては予め定められているので、この情報を取得することになるが、付加情報の位置およびサイズの取得方法は特定の取得方法に限らない。
【0089】
ステップS1106では、決定部407は、ステップS1105で取得した付加情報の位置およびサイズを、該付加情報の付加情報IDと関連付けて、記憶部404に格納されている位置データに登録する。位置データの構成例を
図8に示す。
図8において列801には、付加情報IDが登録されている。列802には、該付加情報IDに対応する付加情報の位置(付加情報位置)を表す座標(X,Y)が登録されている。X、Yはそれぞれ、ページの左上隅の位置を原点としたときのX座標値、Y座標値を示している。列803には、該付加情報IDに対応する付加情報のサイズ(付加情報サイズ)(縦、横)が登録されている。
【0090】
全ての付加情報を配置したページの一例を
図5に示す。付加情報は、製本や断裁、測色といった後処理を実行する後処理装置の制御のために版面外に配置され、バーコードリーダーやスキャナといった付加情報を読み取る装置によって読み込まれる場合がある。一方で、オペレータ向けのメモや、オペレータ向けの目印としてのマークが印字される場合もある。
【0091】
ページ501には、ユーザがキーボード204を用いてアプリケーションソフトウェアを操作することで作成した文書のページの領域(画像および/または文字の領域)502が存在する。領域502の外側の領域は版面外の領域であり、後処理装置によって断裁されるため、成果物に含まれない。バーコード503は、例えば、後処理装置であるニアライン製本機やニアライン断裁機のバーコードリーダにて読み込まれ、製本や断裁の設定値の呼び出しに使用される。トンボ504は、例えば、後処理装置であるニアライン断裁機のスキャナにて読み込まれ、断裁位置の認識に使用される。カラーチャート505は、例えば、後処理装置である測色機のスキャナにて読み込まれ、カラーキャリブレーションに使用される。テキスト506は、例えば、後処理装置であるニアライン製本機やニアライン断裁機のOCR装置にて読み込まれ、設定値の呼び出しに使用される。
【0092】
ステップS1107では、送信部406は、記憶部404に格納されている位置データと、印刷指示された文書の印刷ジョブに固有のIDと、を対応付けた送信データ(ジョブチケット)を生成する。送信データの構成例を
図9に示す。
図9おいて行901には、印刷指示された文書の印刷ジョブに固有のID(ジョブID)が登録されており、行902には、上記の位置データが付加情報位置として登録されている。そして送信部406は、制御部408による制御の元、通信処理部409を制御して、該生成した送信データを、外部コントローラ102に対して送信する。外部コントローラ102の制御部412は、該送信データを通信処理部411を介して受信すると、該送信データを印刷装置107に対して送信し、該印刷装置107は該送信データを検品装置109に対して送信する。検品装置109の受付部423は、該送信データを受信すると、該送信データを記憶部424に格納する。
【0093】
上記の処理により、印刷指示のあった文書のページに配置された付加情報のうち後処理装置にて読み取られる付加情報を該ページ上で特定するための情報を、検品装置109に登録することができる。
【0094】
図10に戻って、次に、ステップS1002では、PC103、印刷装置107、検品装置109によって、正解画像を生成する。ステップS1002の処理は、ステップS1001以降、ステップS1004以前に実行されていればよく、その実行タイミングは、ステップS1001とステップS1003の間に限らない。ステップS1002における処理の詳細について、同処理のフローチャートを示す
図12を用いて説明する。
【0095】
ステップS1201では、送信部405は、文書(付加情報を配置した文書)の正解画像を印刷する印刷ジョブを、制御部408による制御の元、通信処理部409を介して外部コントローラ102に対して送信する。その際、送信部405は、印刷部数を「1」とする印刷指示を外部コントローラ102に対して送信する。
【0096】
ステップS1202では、受付部413は、制御部412による制御の元、通信処理部411を介して、ステップS1201で送信された印刷ジョブ及び印刷指示を受信して、記憶部414に格納する。そして送信部416は、該印刷指示に含まれる情報(印刷部数や印刷ページ数等)を検品情報として、制御部412による制御の元、通信処理部411を介して印刷装置107に対して送信する。印刷装置107は該検品情報を検品装置109に対して送信するので、検品装置109の受付部423は、該検品情報を受信すると、該検品情報を記憶部424に格納する。
【0097】
ステップS1203では、印刷実行部415は、ステップS1201で受信した印刷ジョブから印刷データを生成し、該該生成した印刷データを印刷装置107に送信するとともに、該印刷データに基づく1部の印刷を印刷装置107に指示する。これにより印刷装置107は該印刷データに基づいて1部の文書を印刷する。印刷した文書の各ページのシートは上記の如く順次検品装置109に搬送される。印刷装置107への印刷指示には、給紙先や排紙先の情報も含まれる。印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した情報に応じて、通信ケーブル254を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111を制御する。
【0098】
ステップS1204では、検品処理部425が、印刷装置107からシートが搬送されたか否かを判断する。この判断の結果、印刷装置107からシートが搬送された場合には、処理はステップS1205に進み、未だ印刷装置107からシートが搬送されていない場合には、処理はステップS1204で待機する。
【0099】
ステップS1205では、検品処理部425は撮影部240を制御して、印刷装置107から搬送されてきたシートを撮影(読み取り)させることで、該シートの撮影画像を「該シートに対応するページの正解画像」として取得する。
【0100】
ステップS1206では、検品処理部425は、検品情報が示す印刷ページ数分の撮影を行ったか否かを判断する。この判断の結果、検品情報が示す印刷ページ数分の撮影を行った場合には、処理はステップS1207に進み、検品情報が示す印刷ページ数分の撮影を未だ完了していない場合には、処理はステップS1204に進む。
【0101】
ステップS1207では、検品処理部425は、ステップS1205で取得した各ページの正解画像を記憶部424に格納する。
【0102】
図10に戻って、次に、ステップS1003では、印刷装置107は、印刷指示のあった文書(付加情報を配置した文書)を印刷する。ステップS1003における処理の詳細について、同処理のフローチャートを示す
図13を用いて説明する。
【0103】
送信部405は、文書(付加情報を配置した文書)の印刷ジョブ(送信データ中のジョブIDに対応する印刷ジョブ)を、制御部408による制御の元、通信処理部409を介して外部コントローラ102に対して送信する。その際、送信部405は、印刷部数としてユーザがキーボード204を用いて指定した部数が設定された印刷指示を外部コントローラ102に対して送信する。受付部413は、制御部412による制御の元、通信処理部411を介して、該送信された印刷ジョブ及び印刷指示を受信して、記憶部414に格納する。印刷実行部415は、該印刷ジョブから印刷データを生成し、該生成した印刷データを印刷装置107に送信するとともに、該印刷データに基づく印刷を印刷装置107に指示する。
【0104】
ステップS1301では、CPU222は、外部コントローラ102から印刷データ及び印刷指示を受信したか否かを判断する。この判断の結果、外部コントローラ102から印刷データおよび印刷指示を受信した場合には、処理はステップS1302に進み、受信していない場合には、処理はステップS1301で待機する。
【0105】
ステップS1302では、CPU222は、原稿露光部226、レーザ露光部227、作像部228、定着部229、給紙部230を制御して、外部コントローラ102から受信した印刷データおよび印刷指示に基づいて文書における各ページの印刷を行う。この印刷により得られる印刷済みのシートは上記の如く、インサータ108を介して検品装置109に搬送される。
【0106】
図10に戻って、ステップS1004では、検品装置109は、ステップS1003で印刷した各シートに対する検品処理を行う。ステップS1004における処理の詳細について、
図14のフローチャートに従って説明する。
【0107】
ステップS1402では、検品処理部425は、検品処理を終了するか否かを判断する。例えば、検品処理部425は、ユーザが操作部242を操作して検品処理の終了指示を入力したことを検知したり、全てのページの撮影画像について検品処理を完了した場合には、検品処理を終了すると判断する。一方、検品処理部425は、該検品処理の終了指示の入力を検知していない場合や、検品処理を行っていないページの撮影画像がまだ残っている場合には、検品処理を終了しないと判断する。
【0108】
この判断の結果、検品処理を終了する場合には、
図14のフローチャートに従った処理は終了し、検品処理を終了しないと判断した場合には、処理はステップS1403に進む。
【0109】
ステップS1403では、検品処理部425が、上記のステップS1302で印刷を行った印刷装置107からシートが搬送されたか否かを判断する。この判断の結果、印刷装置107からシートが搬送された場合には、処理はステップS1404に進み、未だ印刷装置107からシートが搬送されていない場合には、処理はステップS1402に進む。
【0110】
ステップS1404では、検品処理部425は撮影部240を制御して、印刷装置107から搬送されてきたシートを撮影(読み取り)させることで、該シートの撮影画像を取得する。
【0111】
ステップS1405では、検品処理部425は、ステップS1404で取得した撮影画像において検品処理を行う画像領域(検品領域)を設定する。先ず検品処理部425は、撮影画像において、ユーザがキーボード204を用いてアプリケーションソフトウェアを操作することで作成した文書のページの画像領域(例えば、
図5の領域502)を検品領域に含める。また、検品処理部425は、記憶部424に格納されている送信データ(今回印刷した印刷ジョブのIDを含む送信データ)に含まれている、それぞれの付加情報の位置およびサイズを取得し、該取得した位置の該取得したサイズを有する画像領域(後処理装置において読み取る付加情報の領域)を検品領域に含める。つまり、検品処理部425は、撮影画像において、文書のページの画像領域と、送信データに含まれている付加情報の位置およびサイズで規定される画像領域と、を検品領域に含める。
【0112】
そして検品処理部425は、撮影画像内の検品領域内の画像(第1画像)と、対応するページの正解画像において該検品領域に対応する画像領域内の画像(第2画像)と、を比較し、該比較の結果に応じて、撮影画像に対応するページのシートの検品を行う。
【0113】
例えば、検品処理部425は、第1画像と第2画像との差分画像(第1画像と第2画像とで対応する位置の画素の画素値の差の絶対値を、該位置の画素の画素値とする画像)を生成する。そして、検品処理部425は、差分画像の全画素数に対する「差分画像において画素値が閾値以上の画素の数」の割合が閾値未満であれば、撮影画像に対応するページのシートは「検品OK」と判断する。一方、この割合が閾値以上であれば、撮影画像に対応するページのシートは「検品NG」と判断する。
【0114】
なお、撮影画像に対応するページのシートが「検品OK」であるか「検品NG」であるかを第1画像と第2画像との比較結果に基づいて判断する検品処理には様々な処理を適用することができ、上記の例に限らない。
【0115】
ステップS1405における検品処理の結果、撮影画像に対応するページのシートが「検品OK」である場合には、処理はステップS1406を介してステップS1407に進む。一方、「検品NG」である場合には、処理はステップS1406を介してステップS1408に進む。
【0116】
ステップS1407では、検品処理部425は、ステップS1404で撮影したシートを、大容量スタッカ110のスタックトレイ341に排紙するよう、印刷装置107に指示する。印刷装置107は、該指示に基づき、大容量スタッカ110に対してスタックトレイ341に該シートを排紙するよう指示する。これにより、大容量スタッカ110は、「検品OK」のシートをスタックトレイ341に排紙する。
【0117】
ステップS1408では、検品処理部425は、ステップS1404で撮影したシートを、大容量スタッカ110のエスケープトレイ346に排紙するよう、印刷装置107に指示する。印刷装置107は、該指示に基づき、大容量スタッカ110に対してエスケープトレイ346に該シートを排紙するよう指示する。これにより、大容量スタッカ110は、「検品NG」のシートをエスケープトレイ346に排紙する。
【0118】
[第2の実施形態]
以下では、第1の実施形態との差分について説明し、以下で特に触れない限りは、第1の実施形態と同様であるものとする。第1の実施形態では、ステップS1104からステップS1105に遷移するための条件は、「
図6のテーブルに登録されている後処理装置が、ステップS1102で配置した付加情報を読み取る」という条件のみであったが、更に他の条件を加えてもよい。ステップS1104からステップS1105に遷移するためにさらに満たすべき条件としては、例えば、「付加情報種類がQRコードの場合、該QRコードに誤り補正が入っていない」という条件が考えられる。また、ステップS1104からステップS1105に遷移するためにさらに満たすべき条件としては、例えば、「付加情報種類がバーコードの場合、該バーコードのフォントサイズが指定値より小さい」という条件も考えられる。
【0119】
また、例えば、
図6のテーブルの代わりに、
図15に示すようなテーブルと、
図7に示すテーブルと、を用いて送信データを生成するようにしてもよい。
図15に示すテーブルは、
図6に示したテーブルにおいて列603の代わりに列1501を設けた構成を有する。列1501には、列602に登録されている種類の付加情報に対する検品の強度が登録されている。「LOW」は低い検品強度を示しており、「HIGH」は高い検品強度を示しており、「OFF」は検品を行わないことを示している。
図15のテーブルは、
図6のテーブルと同様、記憶部404に格納されている。
【0120】
本実施形態では、ステップS1104で決定部407は、
図15のテーブルを参照し、ステップS1102で配置した付加情報の種類(付加情報種類)に対応する検品強度が「HIGH」もしくは「LOW」であるかを判断する。この判断の結果、ステップS1102で配置した付加情報の種類(付加情報種類)に対応する検品強度が「HIGH」もしくは「LOW」であれば、処理はステップS1105に進む。一方、ステップS1102で配置した付加情報の種類(付加情報種類)に対応する検品強度が「HIGH」でも「LOW」でもない(つまり「OFF」である)場合には、処理はステップS1101に進む。
【0121】
ステップS1106では、決定部407は、ステップS1105で取得した付加情報の位置およびサイズを、該付加情報の付加情報IDと、該付加情報の検品強度と、関連付けて、記憶部404に格納されている位置データに登録する。
【0122】
ステップS1107では、送信部406は、記憶部404に格納されている位置データと、印刷指示された文書の印刷ジョブに固有のIDと、を対応付けた送信データ(ジョブチケット)を生成する。本実施形態に係る送信データの構成例を
図16に示す。
図16に示す如く、本実施形態では位置データには、付加情報の付加情報ID、位置、サイズだけでなく、該付加情報の検品強度も含まれている。
【0123】
この検品強度の使用方法は特定の使用方法に限らない。つまり、検品処理部425における付加情報を、該付加情報の検品強度に応じた強度で検品できればよい。例えば、検品強度が「HIGH」の付加情報の画像領域については、上記の閾値を第1の値に設定し、検品強度が「LOW」の付加情報の画像領域については、上記の閾値を第2の値(>第1の値)に設定する。
【0124】
[第3の実施形態]
図1に示した構成は、上記の各実施形態にて説明した処理を実現可能な構成の一例にすぎず、この構成に限定することを意図するものではない。例えば、装置間の接続形態は
図1に示した接続形態に限らない。また例えば、外部コントローラ102と画像形成装置101との間は内部LAN105とビデオケーブル106で接続されているが、印刷に必要なデータの送受信が行える構成であればよく、例えば、ビデオケーブルのみの接続構成でもよい。また例えば、
図1に示した各装置のうち2つ以上を1つの装置に一体化させてもよいし、1つの装置を機能別に複数の装置で実装してもよい。また、画像形成装置101に含まれる装置は
図1に示した装置群に限らず、例えば、複数台の後処理装置を含めてもよい。
【0125】
また、上記の説明において登場したテーブルの構成は一例であり、同様の情報管理を可能にするのであれば、その構成は特定の構成に限らない。つまり、テーブルにおいて対応付けている情報の管理方法は特定の管理方法に限らない。
【0126】
また、上記の説明では、複数ページを含む文書を印刷および検品の対象とする例を説明した。しかし、印刷および検品の対象は文書に限らず、例えば、写真および付加情報が配置されているページを有するデータファイルを印刷および検品の対象としてもよい。
【0127】
また、第2の実施形態では、検品強度が「HIGH」もしくは「LOW」である付加情報を位置データに含めたが、検品強度が「HIGH」である付加情報のみを位置データに含めるようにしてもよい。
【0128】
また、第2の実施形態では、検品強度は2段階(「HIGH」と「LOW」の2段階)としているが、N(Nは3以上の整数)段階としてもよい。その場合、どの検品強度以上の付加情報を位置データに含めるのかについては、予め設定してもよい良いし、ユーザが設定してもよい。
【0129】
なお、上記の説明において使用した数値、処理タイミング、処理順などは、具体的な説明を行うために一例として挙げたものであり、これらの数値、処理タイミング、処理順などに限定することを意図したものではない。
【0130】
また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を適宜組み合わせて使用しても構わない。また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を選択的に使用しても構わない。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0132】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0133】
401:受付部 402:記憶部 403:画像処理部 404:記憶部 405:送信部 406:送信部 407:決定部 408:制御部 409:通信処理部 411:通信処理部 412:制御部 413:受付部 414:記憶部 415:印刷実行部 416:送信部 421:通信処理部 422:制御部 423:受付部 424:記憶部 425:検品処理部