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特許7511388取外踏段の固定装置および取外踏段の固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】取外踏段の固定装置および取外踏段の固定方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
B66B31/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020097401
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021187662
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】杉山 直希
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-057401(JP,A)
【文献】特開2006-016179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積み重ねられた一対の取外踏段に取り付けられる取外踏段の固定装置であって、
前記一対の取外踏段における下段側に配置された取外踏段である第1の取外踏段のブラケットである第1のブラケットと前記一対の取外踏段における上段側に配置された取外踏段である第2の取外踏段のブラケットである第2のブラケットとが互いに積み重ねられた状態で、前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む一対の挟み部と、
前記一対の挟み部が前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む状態を維持するロック部と、
を備え、
前記一対の挟み部は、前記ロック部による維持が解除された場合に、前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む状態と、前記一対の挟み部から前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットが取外可能となる状態との間で状態が変化する取外踏段の固定装置。
【請求項2】
前記一対の挟み部は、
一対の腕部と、
前記一対の腕部のそれぞれに設けられ、前記一対の挟み部の状態が前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む状態である場合に、前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを互いに近づく方向に押す一対の弾性部と、
を有している請求項1に記載の取外踏段の固定装置。
【請求項3】
二組の前記一対の取外踏段が互いに積み重ねられた場合に、前記二組のうちの下段側に配置された前記一対の取外踏段における前記第2の取外踏段の踏板である第2の踏板と上段側に配置された前記一対の取外踏段における前記第1の取外踏段の踏板である第1の踏板とが互いに重ねられており、
下段側に配置された前記一対の取外踏段に取り付けられた前記一対の挟み部と上段側に配置された前記一対の取外踏段に取り付けられた前記一対の挟み部とを互いに連結する連結部
をさらに備えている請求項1または請求項2に記載の取外踏段の固定装置。
【請求項4】
前記一対の取外踏段の周囲に設けられるクッション部
をさらに備えている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の取外踏段の固定装置。
【請求項5】
前記クッション部は、前記一対の挟み部に連結されている請求項4に記載の取外踏段の固定装置。
【請求項6】
前記一対の挟み部は、前記第1のブラケットにおける前記第1の取外踏段の踏板である第1の踏板側の部分と前記第2のブラケットにおける前記第2の取外踏段のライザである第2のライザ側の部分とを積層方向に挟む請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の取外踏段の固定装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の取外踏段の固定装置を用いて前記一対の取外踏段を互いに固定する取外踏段の固定方法であって、
前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとが互いに積み重ねられた状態で、前記一対の挟み部が前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む挟み部取付工程と、
前記挟み部取付工程の後、前記一対の挟み部が前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットを積層方向に挟む状態を前記ロック部が維持するロック工程と、
を備えている取外踏段の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取外踏段の固定装置および取外踏段の固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレーターの点検時において、トラスから踏段が取り外される。トラスから取り外された踏段である取外踏段は、上階側階床または下階側階床に配置される。複数の踏段がトラスから取り外された場合には、複数の取外踏段は、互いに積み重ねられる。従来、積み重ねられた複数の取外踏段の周囲には、安全柵が配置される。これにより、エスカレーターの周囲を通過する通行人が、積み重ねられた取外踏段に当たってしまうことを抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-203473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通行人が安全柵に当たってしまい、積み重ねられた複数の取外踏段に安全柵が当たってしまった場合には、積み重ねられた複数の取外踏段が崩れてしまうという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、積み重ねられた複数の取外踏段が崩れることを抑制することができる取外踏段の固定装置および取外踏段の固定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る取外踏段の固定装置は、互いに積み重ねられた一対の取外踏段に取り付けられる取外踏段の固定装置であって、一対の取外踏段における下段側に配置された取外踏段である第1の取外踏段のブラケットである第1のブラケットと一対の取外踏段における上段側に配置された取外踏段である第2の取外踏段のブラケットである第2のブラケットとが互いに積み重ねられた状態で、第1のブラケットおよび第2のブラケットを積層方向に挟む一対の挟み部と、一対の挟み部が第1のブラケットおよび第2のブラケットを積層方向に挟む状態を維持するロック部と、を備え、一対の挟み部は、ロック部による維持が解除された場合に、第1のブラケットおよび第2のブラケットを積層方向に挟む状態と、一対の挟み部から第1のブラケットおよび第2のブラケットが取外可能となる状態との間で状態が変化する。
本開示に係る取外踏段の固定方法は、取外踏段の固定装置を用いて一対の取外踏段を互いに固定する取外踏段の固定方法であって、第1のブラケットと第2のブラケットとが互いに積み重ねられた状態で、一対の挟み部が第1のブラケットおよび第2のブラケットを積層方向に挟む挟み部取付工程と、挟み部取付工程の後、一対の挟み部が第1のブラケットおよび第2のブラケットを積層方向に挟む状態をロック部が維持するロック工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る取外踏段の固定装置および取外踏段の固定方法によれば、積み重ねられた複数の取外踏段が崩れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る取外踏段の固定装置が取り付けられる一対の取外踏段を示す側面図である。
図2】実施の形態1に係る取外踏段の固定装置を示す側面図である。
図3図3は、図2の一対の挟み部の状態が変化した様子を示す図である。
図4図1の取外踏段に取外踏段の固定装置が取り付けられた様子を示す図である。
図5図2の取外踏段の固定装置を用いた取外踏段の固定方法を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る取外踏段の固定装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る取外踏段の固定装置が取り付けられる一対の取外踏段を示す側面図である。一対の取外踏段のそれぞれは、エスカレーターのトラスから取り外された踏段である。一対の取外踏段は、下段側に配置された取外踏段である第1の取外踏段1と、上段側に配置された取外踏段である第2の取外踏段2と、を備えている。第1の取外踏段1および第2の取外踏段2は、第2の取外踏段2が第1の取外踏段1の上に重ねられるように、互いに積み重ねられている。
【0010】
第1の取外踏段1は、踏板である第1の踏板11と、ライザである第1のライザ12と、ブラケットである第1のブラケット13と、を有している。第1の踏板11は、第1の取外踏段1がトラスに配置され、かつ、踏段の移動経路における往路側の部分に配置されている場合に、利用者に乗られる踏段の部分である。第1のライザ12は、第1の取外踏段1がトラスに配置され、かつ、踏段の移動経路における往路側の部分に配置されている場合に、第1の踏板11よりも下階側に配置される踏段の部分である。第1のブラケット13は、第1の踏板11における第1のライザ12側とは反対側の端部と第1のライザ12における第1の踏板11側とは反対側の端部とに渡って配置されている。第1の踏板11が水平面に沿って配置されている場合に、第1のブラケット13は水平面に対して傾斜して配置される。図1では、第1の取外踏段1は、第1の踏板11の踏面が下方を向くように配置されている。
【0011】
第1のブラケット13における第1の踏板11側の端部には、駆動ローラのステップ軸が取り付けられる第1のステップ軸取付部131が配置されている。第1のブラケット13における第1のライザ12側の端部には、従動ローラの回転軸が取り付けられる第1の従動軸取付部132が配置されている。
【0012】
第2の取外踏段2は、第1の取外踏段1と同様に、踏板である第2の踏板21と、ライザである第2のライザ22と、ブラケットである第2のブラケット23と、を有している。第2の踏板21は、第2の取外踏段2がトラスに配置され、かつ、踏段の移動経路における往路側の部分に配置されている場合に、利用者に乗られる踏段の部分である。第2のライザ22は、第2の取外踏段2がトラスに配置され、かつ、踏段の移動経路における往路側の部分に配置されている場合に、第2の踏板21よりも下階側に配置される踏段の部分である。第2のブラケット23は、第2の踏板21における第2のライザ22側とは反対側の端部と第2のライザ22における第2の踏板21側とは反対側の端部とに渡って配置されている。第2の踏板21が水平面に沿って配置されている場合に、第2のブラケット23は水平面に対して傾斜して配置される。図1では、第2の取外踏段2は、第2の踏板21の踏面が上方を向くように配置されている。
【0013】
第2のブラケット23における第2の踏板21側の端部には、駆動ローラのステップ軸が取り付けられる第2のステップ軸取付部231が配置されている。第2のブラケット23における第2のライザ22側の端部には、従動ローラの回転軸が取り付けられる第2の従動軸取付部232が配置されている。
【0014】
第1の取外踏段1および第2の取外踏段2が互いに積み重ねられている場合に、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に上方側から当たり、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に上方側から当たる。これによって、第2の取外踏段2が第1の取外踏段1に対して第1のブラケット13および第2のブラケット23に沿って滑り落ちることが制限される。図1では、第1のブラケット13と第2のブラケット23とが高さ方向に互いに離れて配置されているように示されているが、第1のブラケット13と第2のブラケット23とが高さ方向について互いに接触して配置されている。
【0015】
第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に乗り上げ、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に乗り上げた場合には、第2の取外踏段2が第1の取外踏段1に対して第1のブラケット13に沿って滑り落ちてしまう。実施の形態1に係る取外踏段の固定装置は、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に乗り上げることを抑制し、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に乗り上げることを抑制するものである。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る取外踏段の固定装置を示す側面図である。取外踏段の固定装置3Aは、一対の挟み部31と、ロック部32と、を備えている。一対の挟み部31は、第1の取外踏段1の第1のブラケット13と第2の取外踏段2の第2のブラケット23とが互いに積み重ねられた状態で、第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む。積層方向D1とは、第1のブラケット13と第2のブラケット23とが互いに積み重ねられている方向である。ロック部32は、一対の挟み部31が第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態を維持する。
【0017】
図3は、図2の一対の挟み部31の状態が変化した様子を示す図である。図2および図3に示すように、一対の挟み部31は、ロック部32による維持が解除された場合に、状態が変化する。一対の挟み部31が第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む一対の挟み部31の状態を挟み状態とする。一対の挟み部31から第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23が取外可能となる一対の挟み部31の状態を解除状態とする。一対の挟み部31は、ロック部32による維持が解除された場合に、挟み状態と解除状態との間で状態が変化する。
【0018】
一対の挟み部31は、一対の腕部311と、一対の腕部311のそれぞれに設けられた一対の弾性部312と、一対の腕部311に渡って設けられた蝶番313と、を有している。一対の腕部311のそれぞれは、断面U字形状に形成されている。一対の弾性部312は、一対の腕部311のそれぞれの内側に配置されている。
【0019】
一対の弾性部312は、一対の挟み部31の状態が挟み状態である場合に、第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を互いに近づく方向に押す。弾性部312を構成する部材としては、例えば、ゴムが挙げられる。一対の弾性部312が第1のブラケット13および第2のブラケット23を互いに近づく方向に押すことによって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に押し付けられる。また、一対の弾性部312が第1のブラケット13および第2のブラケット23を互いに近づく方向に押すことによって、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に押し付けられる。これにより、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に対してスライドすることが抑制され、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に対してスライドすることが抑制される。
【0020】
図4は、図1の取外踏段に取外踏段の固定装置3Aが取り付けられた様子を示す図である。一対の挟み部31は、第1の取外踏段1の第1のブラケット13における第1の踏板11側の部分と第2の取外踏段2の第2のブラケット23における第2のライザ22側の部分とを積層方向D1に挟む。
【0021】
次に、取外踏段の固定装置3Aを用いて一対の取外踏段を互いに固定する取外踏段の固定方法について説明する。図5は、図2の取外踏段の固定装置3Aを用いた取外踏段の固定方法を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、挟み部取付工程を行う。挟み部取付工程では、まず、第1の取外踏段1の第1のブラケット13と第2の取外踏段2の第2のブラケット23とを互いに積み重ねる。また、挟み部取付工程では、第1のブラケット13と第2のブラケット23とが互いに積み重ねられた状態で、一対の挟み部31が第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む。
【0022】
挟み部取付工程の後、ステップS102において、ロック工程を行う。ロック工程では、一対の挟み部31が第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態をロック部32が維持する。これにより、取外踏段の固定装置3Aが第1の取外踏段1および第2の取外踏段2に固定される。したがって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に乗り上げることが抑制され、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に乗り上げることが抑制される。
【0023】
以上説明したように、実施の形態1に係る取外踏段の固定装置3Aによれば、一対の挟み部31と、ロック部32とを備えている。一対の挟み部31は、第1の取外踏段1の第1のブラケット13と第2の取外踏段2の第2のブラケット23とが互いに積み重ねられた状態で、第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む。ロック部32は、一対の挟み部31が第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態を維持する。一対の挟み部31は、ロック部32による維持が解除された場合に、挟み状態と解除状態との間で状態が変化する。挟み状態とは、第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態である。解除状態とは、一対の挟み部31から第1のブラケット13および第2のブラケット23が取外可能となる状態である。この構成によれば、一対の挟み部31の状態が挟み状態となり、ロック部32が一対の挟み部31の挟み状態を維持することによって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に乗り上げることを抑制することができる。また、同様に、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に乗り上げることを抑制することができる。その結果、積み重ねられた複数の取外踏段が崩れることを抑制することができる。
【0024】
また、一対の挟み部31は、一対の腕部311と、一対の弾性部312と、を有している。一対の弾性部312は、一対の腕部311のそれぞれに設けられている。一対の弾性部312は、一対の挟み部31の状態が第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態である場合に、第1のブラケット13および第2のブラケット23を互いに近づく方向に押す。この構成によれば、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に押し付けられ、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に押し付けられる。これにより、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に対してスライドすることを抑制することができる。また、同様に、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に対してスライドすることを抑制することができる。
【0025】
また、実施の形態1に係る取外踏段の固定方法によれば、挟み部取付工程と、挟み部取付工程の後に行われるロック工程と、を備えている。挟み部取付工程では、第1の取外踏段1の第1のブラケット13と第2の取外踏段2の第2のブラケット23とが互いに積み重ねられた状態で、一対の挟み部31が第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向に挟む。ロック工程では、一対の挟み部31が第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態をロック部が維持する。この方法によれば、一対の挟み部31の状態が挟み状態となり、ロック部32が一対の挟み部31の挟み状態を維持することによって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に乗り上げることを抑制することができる。また、同様に、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に乗り上げることを抑制することができる。その結果、積み重ねられた複数の取外踏段が崩れることを抑制することができる。
【0026】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る取外踏段の固定装置を示す側面図である。図6には、互いに積層された二組の一対の取外踏段も合わせて示されている。二組の一対の取外踏段のうちの一方の一対の取外踏段を下段側の一対の取外踏段4とし、他方の一対の取外踏段を上段側の一対の取外踏段5とする。下段側の一対の取外踏段4および上段側の一対の取外踏段5は、上段側の一対の取外踏段5が下段側の一対の取外踏段4の上に重ねられるように、互いに積み重ねられている。下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2の踏板21と上段側の一対の取外踏段5における第1の取外踏段1の第1の踏板11とが互いに重ねられている。
【0027】
実施の形態2に係る取外踏段の固定装置3Bは、四組の一対の挟み部と、4個のロック部と、を備えている。図6では、二組の一対の挟み部が示されている。二組の一対の挟み部のうちの一方の一対の挟み部31Aは、下段側の一対の取外踏段4に取り付けられており、他方の一対の挟み部31Bは、上段側の一対の取外踏段5に取り付けられている。四組の一対の挟み部のうちの図示されていない二組の一対の挟み部は、図示されている二組の一対の挟み部と同様である。図示されていない二組の一対の挟み部のうちの一方の一対の挟み部は、一対の挟み部31Aと同様に、下段側の一対の取外踏段4に取り付けられており、他方の一対の挟み部は、一対の挟み部31Bと同様に、上段側の一対の取外踏段5に取り付けられている。4個のロック部は、4個の一対の挟み部に1個ずつ設けられている。
【0028】
下段側の一対の取外踏段4に取り付けられた一対の挟み部31Aは、実施の形態1の一対の挟み部31と同様に、第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む。一対の挟み部31Aに設けられているロック部は、実施の形態1のロック部32と同様に、一対の挟み部31Aが第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態を維持する。
【0029】
下段側の一対の取外踏段4に取り付けられた一対の挟み部31Aは、ロック部による維持が解除された場合に、状態が変化する。一対の挟み部31Aが第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む一対の挟み部31Aの状態を挟み状態とする。一対の挟み部31Aから第1のブラケット13および第2のブラケット23が取外可能となる一対の挟み部31Aの状態を解除状態とする。一対の挟み部31Aは、ロック部による維持が解除された場合に、挟み状態と解除状態との間で状態が変化する。
【0030】
下段側の一対の取外踏段4に取り付けられた一対の挟み部31Aは、実施の形態1の一対の挟み部31と同様に、一対の腕部と、一対の腕部のそれぞれに設けられた一対の弾性部と、一対の腕部に渡って設けられた蝶番と、を有している。一対の腕部のそれぞれは、断面U字形状に形成されている。一対の弾性部は、一対の腕部のそれぞれの内側に配置されている。
【0031】
一対の挟み部31Aにおける一対の弾性部は、一対の挟み部31Aの状態が挟み状態である場合に、第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を互いに近づく方向に押す。弾性部を構成する部材としては、例えば、ゴムが挙げられる。一対の弾性部が第1のブラケット13および第2のブラケット23を互いに近づく方向に押すことによって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に押し付けられ、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に押し付けられる。これにより、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に対してスライドすることが抑制され、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に対してスライドすることが抑制される。
【0032】
上段側の一対の取外踏段5に取り付けられた一対の挟み部31Bは、実施の形態1の一対の挟み部31と同様に、第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む。一対の挟み部31Bに設けられているロック部は、実施の形態1のロック部32と同様に、一対の挟み部31Bが第1のブラケット13および第2のブラケット23を積層方向D1に挟む状態を維持する。
【0033】
上段側の一対の取外踏段5に取り付けられた一対の挟み部31Bは、ロック部による維持が解除された場合に、状態が変化する。一対の挟み部31Bが第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を積層方向D1に挟む一対の挟み部31Bの状態を挟み状態とする。一対の挟み部31Bから第1のブラケット13および第2のブラケット23が取外可能となる一対の挟み部31Bの状態を解除状態とする。一対の挟み部31Bは、ロック部による維持が解除された場合に、挟み状態と解除状態との間で状態が変化する。
【0034】
上段側の一対の取外踏段5に取り付けられた一対の挟み部31Bは、実施の形態1の一対の挟み部31と同様に、一対の腕部と、一対の腕部のそれぞれに設けられた一対の弾性部と、一対の腕部に渡って設けられた蝶番と、を有している。一対の腕部のそれぞれは、断面U字形状に形成されている。一対の弾性部は、一対の腕部のそれぞれの内側に配置されている。
【0035】
一対の挟み部31Bにおける一対の弾性部は、一対の挟み部31Bの状態が挟み状態である場合に、第1の取外踏段1の第1のブラケット13および第2の取外踏段2の第2のブラケット23を互いに近づく方向に押す。弾性部を構成する部材としては、例えば、ゴムが挙げられる。一対の弾性部が第1のブラケット13および第2のブラケット23を互いに近づく方向に押すことによって、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に押し付けられ、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に押し付けられる。これにより、第2の従動軸取付部232が第1のステップ軸取付部131に対してスライドすることが抑制され、第2のステップ軸取付部231が第1の従動軸取付部132に対してスライドすることが抑制される。
【0036】
実施の形態2に係る取外踏段の固定装置3Bは、クッション部33と、連結部34と、をさらに備えている。クッション部33は、下段側の一対の取外踏段4および上段側の一対の取外踏段5の周囲に設けられている。この構成では、クッション部33は、下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2のライザ22および上段側の一対の取外踏段5における第2の取外踏段2の第2のライザ22のそれぞれに対向して配置されている。
【0037】
連結部34は、長尺部材から構成されている。長尺部材としては、例えば、ベルト、ロープなどが挙げられる。連結部34は、下段側の一対の取外踏段4に取り付けられた一対の挟み部31Aと、上段側の一対の取外踏段5に取り付けられた一対の挟み部31Bと、を互いに連結している。これにより、下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2の踏板21と上段側の一対の取外踏段5における第1の取外踏段1の第1の踏板11とが互いに離れることが抑制される。
【0038】
また、連結部34は、一対の挟み部31Aとクッション部33とを互いに連結している。また、連結部34は、一対の挟み部31Bとクッション部33とを互いに連結している。これにより、クッション部33が一対の挟み部31Aおよび一対の挟み部31Bに支持される。
【0039】
連結部34は、一対の挟み部31A、一対の挟み部31Bおよびクッション部33に渡って設けられている。連結部34には、連結部34の長さを調整する調整部341が設けられている。一対の挟み部31Aおよび一対の挟み部31Bのそれぞれが取外踏段に取り付けられる時には、連結部34の長さが長くされ、クッション部33が取外踏段に取り付けられる時には、連結部34の長さが短くされる。これにより、クッション部33を取外踏段に容易に取り付けることができる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0040】
以上説明したように、二対の取外踏段が互いに積み重ねられた場合に、下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2の踏板21と上段側の一対の取外踏段5における第1の取外踏段1の第1の踏板11とが互いに重ねられている。実施の形態2に係る取外踏段の固定装置3Bは、下段側の一対の取外踏段4に取り付けられた一対の挟み部31Aと上段側の一対の取外踏段5に取り付けられた一対の挟み部31Bとを互いに連結する連結部34をさらに備えている。この構成によれば、下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2の踏板21と上段側の一対の取外踏段5における第1の取外踏段1の第1の踏板11とが互いに離れることを抑制することができる。これにより、下段側の一対の取外踏段4における第2の取外踏段2の第2の踏板21に対して、上段側の一対の取外踏段5における第1の取外踏段1の第1の踏板11がスライドすることを抑制することができる。
【0041】
また、実施の形態2に係る取外踏段の固定装置3Bは、下段側の一対の取外踏段4の周囲および上段側の一対の取外踏段5の周囲に設けられるクッション部33をさらに備えている。この構成によれば、利用者が下段側の一対の取外踏段4および上段側の一対の取外踏段5に当たることを抑制することができる。
【0042】
また、実施の形態2に係る取外踏段の固定装置3Bでは、クッション部33は、一対の挟み部31Aおよび一対の挟み部31Bのそれぞれに連結されている。この構成によれば、クッション部33を取外踏段の周囲に容易に設置することができる。
【0043】
なお、各実施の形態では、安全柵が設けられていない構成について説明した。しかしながら、クッション部33の周囲に安全柵が設けられた構成であってもよい。この場合に、クッション部33は、互いに積み重ねられた二対の取外踏段と安全柵との間に配置される。
【符号の説明】
【0044】
1 第1の取外踏段、2 第2の取外踏段、3A、3B 取外踏段の固定装置、4 下段側の一対の取外踏段、5 上段側の一対の取外踏段、11 第1の踏板、12 第1のライザ、13 第1のブラケット、21 第2の踏板、22 第2のライザ、23 第2のブラケット、31、31A、31B 挟み部、32 ロック部、33 クッション部、34 連結部、131 第1のステップ軸取付部、132 第1の従動軸取付部、231 第2のステップ軸取付部、232 第2の従動軸取付部、311 腕部、312 弾性部、313 蝶番。
図1
図2
図3
図4
図5
図6