(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20240628BHJP
F23L 17/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F24H9/02 301C
F23L17/04 606J
(21)【出願番号】P 2020105385
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】霜出 泰彦
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-047782(JP,A)
【文献】特開2014-066486(JP,A)
【文献】特開2006-078112(JP,A)
【文献】実開昭50-045718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00-15/493
F23L 17/00-17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、湯水を加熱して供給する給湯装置であって、
前記湯水を加熱する加熱部と、前記加熱部を収容し、前記壁孔に嵌め込まれる筐体と、前記筐体に接続されている筒状のアダプターとを備え、
前記筐体は、屋内と屋外とを連通するようにして前記壁孔に嵌め込まれる筒状の筐体筒状部と、前記筐体筒状部の屋外側の開口を覆う筐体蓋部とを有し、
前記筐体蓋部には、前記筐体の内部と前記アダプターの内部と連通している筐体開口部が形成され、
前記筐体の内部と屋外とは、前記アダプター及び前記筐体開口部を介して、連通して
おり、
前記筐体開口部は、前記筐体蓋部に形成された第1開口部及び第2開口部からなり、
前記筐体蓋部から、前記第1開口部を覆うように屋外側に向かって突出した中空の第1突出部と、前記筐体蓋部から、前記第2開口部を覆うように屋外側に向かって突出した中空の第2突出部とを有しており、
前記アダプターは、前記第1開口部とともに前記筐体の内部と外部とを連通する第1アダプターと、前記第2開口部とともに前記筐体の内部と外部とを連通する第2アダプターとを含み、
前記第1アダプターは、筒状の第1筒状部を有し、該第1筒状部の屋内側の開口部と前記第1突出部は嵌合自在であり、
前記第1筒状部の外径は、前記第1筒状部を前記第1開口部に接続した状態で、前記筐体筒状部の軸線方向から見て、前記筐体筒状部の外径よりも小さく、
前記第2アダプターは、筒状の第2筒状部を有し、該第2筒状部の屋内側の開口部と前記第2突出部は嵌合自在であり、前記第2筒状部の屋外側の開口が第2蓋部で覆われており、
前記第2筒状部の外径は、前記第2筒状部を前記第2開口部に接続した状態で前記軸線方向から見て、前記筐体筒状部の外径に対応した大きさであり、
前記第2蓋部には、第3開口部が形成され、
前記第1筒状部は、前記第1アダプター及び前記第2アダプターを前記筐体に接続した状態で、前記第3開口部に嵌合されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯装置において、
前記
第1アダプター
及び前記第2アダプターは、
各アダプターの軸線が前記筐体筒状部の軸線方向に沿う向きで、前記筐体蓋部に着脱自在であることを特徴とする給湯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の給湯装置において、
前記第1突出部には、前記第1突出部の内部と前記筐体の外部とを連通している第1突出部開口部が形成され、前記第2突出部には、前記第2突出部の内部と前記筐体の外部とを連通している第2突出部開口部が形成されており、
前記第1アダプターと前記第1突出部とを嵌合させた状態では、前記筐体の内部と屋外とは、前記第1アダプター、前記第1突出部開口部及び前記第1開口部を介して、連通しており、
前記第2アダプターと前記第2突出部とを嵌合させた状態では、前記筐体の内部と屋外とは、前記第2アダプター、前記第2突出部開口部及び前記第2開口部を介して、連通していることを特徴とする給湯装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の給湯装置において、
各アダプターは、前記筐体に着脱自在な筒状のアダプター筒状部と、前記アダプター筒状部の屋外側の開口を覆うアダプター蓋部を有し、
前記アダプター筒状部及び前記アダプター蓋部には、前記アダプター蓋部の下端部から前記アダプター筒状部の前記アダプター蓋部に隣接している端部まで広がる連通孔が形成されていることを特徴とする給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、湯水を加熱して供給する給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、導入された湯水を加熱して供給する給湯装置がある。この種の給湯装置としては、湯水を加熱するための熱交換器と、熱交換器を収容し、壁孔に嵌め込まれる筐体とを備えているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の給湯装置では、設置した状態で屋外に位置する部分に、給気口、排気口等となる開口が設けられている。そして、その開口を介して、筐体の内部の電装部品にまでその雨水が到達してしまうおそれがある。そこで、その開口の筐体内側の部分には、雨水を受け止める防雨板が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の給湯装置に設けられているような防雨板は、通常、筐体にポップリベット等によって仮止めする工程と、その後にスポット溶接等によって固定する工程とを経て、筐体に取り付けられる。しかし、そのような取り付けのための工程をさらに簡易化したいという要望があった。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、筐体の内部の電装部品まで雨水が浸入してしまうことを抑制でき、組み立てが容易な給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の給湯装置は、
屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、湯水を加熱して供給する給湯装置であって、
前記湯水を加熱する加熱部と、前記加熱部を収容し、前記壁孔に嵌め込まれる筐体と、前記筐体に接続されている筒状のアダプターとを備え、
前記筐体は、屋内と屋外とを連通するようにして前記壁孔に嵌め込まれる筒状の筐体筒状部と、前記筐体筒状部の屋外側の開口を覆う筐体蓋部とを有し、
前記筐体蓋部には、前記筐体の内部と前記アダプターの内部と連通している筐体開口部が形成され、
前記筐体の内部と屋外とは、前記アダプター及び前記筐体開口部を介して、連通しており、
前記筐体開口部は、前記筐体蓋部に形成された第1開口部及び第2開口部からなり、
前記筐体蓋部から、前記第1開口部を覆うように屋外側に向かって突出した中空の第1突出部と、前記筐体蓋部から、前記第2開口部を覆うように屋外側に向かって突出した中空の第2突出部とを有しており、
前記アダプターは、前記第1開口部とともに前記筐体の内部と外部とを連通する第1アダプターと、前記第2開口部とともに前記筐体の内部と外部とを連通する第2アダプターとを含み、
前記第1アダプターは、筒状の第1筒状部を有し、該第1筒状部の屋内側の開口部と前記第1突出部は嵌合自在であり、
前記第1筒状部の外径は、前記第1筒状部を前記第1開口部に接続した状態で、前記筐体筒状部の軸線方向から見て、前記筐体筒状部の外径よりも小さく、
前記第2アダプターは、筒状の第2筒状部を有し、該第2筒状部の屋内側の開口部と前記第2突出部は嵌合自在であり、前記第2筒状部の屋外側の開口が第2蓋部で覆われており、
前記第2筒状部の外径は、前記第2筒状部を前記第2開口部に接続した状態で前記軸線方向から見て、前記筐体筒状部の外径に対応した大きさであり、
前記第2蓋部には、第3開口部が形成され、
前記第1筒状部は、前記第1アダプター及び前記第2アダプターを前記筐体に接続した状態で、前記第3開口部に嵌合されていることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明の給湯装置では、筐体の内部と屋外とは、筒状のアダプター及び筐体の筐体開口部を介して、連通している。すなわち、アダプターと筐体開口部とで、連通路が形成されている。これにより、その連通路に外部から雨水が浸入してしまったとしても、その雨水の多くはまずアダプターの内周面に付着するので、そのアダプターによって筐体の内部への雨水の浸入が抑制される。
【0009】
また、本発明の給湯装置では、アダプターは、筐体と別体に構成されたものであり、筐体筒状部の屋外側の開口を覆う筐体蓋部(すなわち、屋外側の面)に接続されている。これにより、雨水の浸入を防止するためのアダプターの接続は、筐体の内部に何らかの部材を取り付ける場合に比べて、比較的容易に行うことができる。また、その接続する工程も、加熱部、電装部品の取り付け工程の前後のいずれでも行うことができるので、接続を行いやすい段階で、実施しやすい。
【0010】
したがって、本発明の給湯装置によれば、アダプターによって雨水の浸入が抑制されるので、筐体の内部(ひいては、そこに配置している電装部品)にまで、その雨水が到達してしまうことを抑制することができる。また、本発明の給湯装置によれば、アダプターの接続は容易に行うことができるものであるので、給湯装置を容易に組み立てることができる。
また、一般に、筐体には複数の開口部が設けられており、開口部ごとに流通する気体の種類は異なる。そのため、開口部とアダプターとによって構成される連通路は、内部を流通する気体が混ざることのないように、互いに独立したものにする必要がある。しかし、それらを満たすように筐体に複数のアダプターを接続すると、給湯装置の外形が複雑なものになってしまい、その給湯装置を壁孔に設置しにくくなってしまうおそれがあった。
そこで、それらのアダプターを上記の第1アダプター及び第2アダプターのように構成すると、それらのアダプターを筐体に接続した際には、筐体と第2アダプターとによって、給湯装置の外形が形成される。ここで、第2アダプターの外径は軸線方向から見て筐体の大きさに対応したものであるので、筐体に第2アダプターを接続しても、給湯装置の外形は、単に筐体が延長されたような単純な形状となる。
また、このとき、筐体に接続されている第1アダプターの屋外側の端部は、第2アダプターの内部と屋外とを連通している第3開口部に嵌合されている。すなわち、第1アダプターの屋外側の端部以外の部分は第2アダプターに収容され、第1アダプターの屋外側の端部(すなわち、内部へ連通している開口部)は屋外に露出した状態になっている。
そのため、第1アダプターが第2アダプターに収容されている状態でも、第1アダプターの内部と第2アダプターの内部とは連通した状態とはならない。これにより、それらのアダプターの内部を流通する気体が混ざることも防止される。
【0011】
また、本発明の給湯装置においては、
前記第1アダプター及び前記第2アダプターは、各アダプターの軸線が前記筐体筒状部の軸線方向に沿う向きで、前記筐体蓋部に着脱自在であることが好ましい。
【0012】
本発明の給湯装置のように屋内と屋外とを連通する壁孔に設置される給湯装置では、設置する壁孔の長さ(すなわち、壁の厚さ)に対応するように、給湯装置の長さ(具体的には、筐体の長さ)も構成する必要がある。しかし、壁の厚さは建物によって種々様々である。そして、それらの壁の全てに対応できるように長さの異なる複数の給湯装置(すなわち、それに対応する複数の筐体)を準備しておくことは、コストが増加するので難しいという問題があった。
【0013】
そこで、このように、アダプターをその軸線が筐体筒状部の軸線方向に沿う向きで筐体蓋部に着脱自在に構成すると、軸線方向(すなわち、壁の厚さ方向)における給湯装置全体の長さを、採用するアダプターを変更するだけで、変更することができるようになる。したがって、このように構成すると、アダプターを変更するだけで、種々様々な厚さの壁に対応した長さの給湯装置を、容易に構成することができる。
【0019】
また、本発明の給湯装置においては、
前記第1突出部には、前記第1突出部の内部と前記筐体の外部とを連通している第1突出部開口部が形成され、前記第2突出部には、前記第2突出部の内部と前記筐体の外部とを連通している第2突出部開口部が形成されており、
前記第1アダプターと前記第1突出部とを嵌合させた状態では、前記筐体の内部と屋外とは、前記第1アダプター、前記第1突出部開口部及び前記第1開口部を介して、連通しており、
前記第2アダプターと前記第2突出部とを嵌合させた状態では、前記筐体の内部と屋外とは、前記第2アダプター、前記第2突出部開口部及び前記第2開口部を介して、連通していることが好ましい。
【0020】
このように構成すると、各突出部を対応するアダプターに挿入させるだけで、筐体にアダプターを容易に接続することができる。
【0021】
また、本発明の給湯装置においては、
各アダプターは、前記筐体に着脱自在な筒状のアダプター筒状部と、前記アダプター筒状部の屋外側の開口を覆うアダプター蓋部を有し、
前記アダプター筒状部及び前記アダプター蓋部には、前記アダプター蓋部の下端部から前記アダプター筒状部の前記アダプター蓋部に隣接している端部まで広がる連通孔が形成されていることが好ましい。
【0022】
このように構成すると、アダプターの内周面に付着した雨水が連通孔から排出されやすくなる。これにより、アダプターからの水切れが良くなる。
【0023】
また、給湯装置は、
屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、湯水を加熱して供給する給湯装置であって、
前記湯水を加熱する加熱部と、前記加熱部を収容し、前記壁孔に嵌め込まれる筐体とを備え、
前記筐体は、屋内と屋外とを連通するようにして前記壁孔に嵌め込まれる筒状の筐体筒状部と、前記筐体筒状部の屋外側の開口を覆う筐体蓋部と、前記筐体蓋部から屋外側に向かって突出している中空の突出部とを有し、
前記筐体蓋部には、前記筐体筒状部の内部と前記突出部との内部とを連通している筐体開口部が形成され、
前記突出部は、前記筐体開口部を覆うように配置され、
前記突出部には、前記突出部の内部と前記筐体の外部とを連通している突出部開口部が形成されていてもよい。
【0024】
このように、上記給湯装置では、屋外側に向かって突出している中空の突出部を有している。すなわち、筐体の内部の突出部より中心側の空間(すなわち、電装部品等が配置されている筐体筒状部の内部の空間)と屋外とは、突出部の内部の空間を介して連通している。
【0025】
これにより、突出部に形成されている開口部を介して、突出部の内部に雨水が浸入してしまったとしても、その雨水の多くはまず突出部の内周面に付着するので、その雨水の突出部よりも内部(すなわち、筐体筒状部の内部の空間)への浸入が抑制される。
【0026】
また、このような突出部は、予め形成されていた部材を筐体に後付けしたり、筐体を形成する段階でプレス加工したりすること等によって、比較的容易に形成することができる。
【0027】
したがって、上記給湯装置によれば、突出部によって雨水の浸入が抑制されるので、筐体筒状部の内部(ひいては、そこに配置している電装部品)にまで、その雨水が到達してしまうことを抑制することができる。また、本発明の給湯装置によれば、突出部の形成は容易に行うことができるものであるので、給湯装置を容易に組み立てることができる。
【0028】
また、上記給湯装置においては、
前記突出部は、前記筐体に接続されている突出部筒状部と、前記突出部筒状部の屋外側の開口を覆う突出部蓋部を有し、
前記突出部開口部は、前記突出部蓋部の下端部から前記突出部筒状部の前記突出部蓋部に隣接している端部まで広がっていることが好ましい。
【0029】
このように構成すると、突出部の内周面に付着した雨水が連通孔から排出されやすくなる。これにより、突出部からの水切れが良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】実施形態に係る給湯装置のアダプターを接続した場合における設置状態及び構成を概念的に説明する側面図。
【
図2】
図1の給湯装置のアダプターを接続していない場合における設置状態及び構成を概念的に説明する側面図。
【
図3】
図1の給湯装置の筐体にアダプターを接続している状態の斜視図。
【
図4】
図1の給湯装置の筐体からアダプターを外した状態の斜視図。
【
図5】
図1の給湯装置の排気用アダプターの先端部の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、実施形態に係る給湯装置1について説明する。本実施形態の給湯装置1は、水道等の給水源から導入した給湯用水を加熱して浴室2に設置されているカラン等に供給する給湯機能を備えたものである。
【0032】
まず、
図1を参照して、給湯装置1の概略構成について説明する。
【0033】
図1に示すように、給湯装置1は、浴室2の浴槽20、カラン等に加熱した湯水を供給するためのものである。浴室2の浴室壁21には、浴室2の内部と外部とを連通する壁孔21aが設けられており、給湯装置1は、その壁孔21aに嵌め込まれるようにして設置される。
【0034】
なお、本発明の給湯装置は、このような構成に限定されるものではなく、屋内と屋外とを連通する壁孔に設置され、湯水を加熱して供給するものであればよい。そのため、例えば、加熱した湯水をキッチン等に供給するものであってもよい。また、例えば、給湯機能の他に、浴槽に貯められた湯水である浴槽湯水を循環加熱する追い焚き機能を備えたものであってもよい。
【0035】
給湯装置1は、壁孔21aに嵌め込まれる矩形状のケース10(筐体)を備えている。ケース10の内部には、燃焼筐11と、燃焼ファン12と、電装部品13とが収容されている。
【0036】
このように構成されている給湯装置1では、まず、ケース10の外部から吸気された燃焼用空気が、燃焼ファン12の回転によって、燃焼筐11に送られる。また、燃焼筐11の内部には、バーナ11aが設置されている。バーナ11aには、燃料の供給管14を介して、燃料ガスが供給され、その燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスによって、燃焼が行われる。
【0037】
次に、バーナ11aの燃焼により生じた燃焼排ガスは、燃焼ファン12が燃焼筐11に送り込んだ燃焼用空気によって押し出されて、燃焼筐11の排気口部11bを介して、ケース10の外部に排気される。
【0038】
ケース10は、断面矩形の筒状の筐体筒状部10aの一方側(屋外側)の開口部に、板状の筐体蓋部10bを組み付けることによって、他方側に浴室側開口部10cを有する有底筒状の部材として構成されている。筐体蓋部10bには、後述する排気用アダプター15及び給気用アダプター16が接続されている。
【0039】
筐体筒状部10a及び給気用アダプター16の屋内側の部分は、浴室2の壁孔21aに嵌め込まれる。一方、給気用アダプター16の屋外側の部分及び排気用アダプター15の先端部(屋外側の端部)は、設置された状態で、浴室壁21から屋外に突出している。
【0040】
ケース10の浴室側開口部10cの端部の内周側には、支持板17が設けられており、支持板17の浴室2側には、制御基板18が取り付けられている。浴室側開口部10c及び制御基板18は、フロントカバー19に覆われている。なお、制御基板18の一部は、フロントカバー19から露出しており、浴室2からユーザによって操作することができるようになっている。
【0041】
燃焼筐11は、内部に、バーナ11aと、バーナ11aの上方に配置され、バーナ11aによる燃焼排ガスの顕熱を回収する熱交換器11c(加熱部)とを有している。
【0042】
熱交換器11cは、多数の吸熱フィン11dと、これらの吸熱フィン11dを貫通する熱交換水路11eとを有している。熱交換水路11eには、不図示の給水源から供給された給湯用水が導かれる。熱交換水路11eを流れる給湯用水は、吸熱フィン11dを介して吸収された燃焼排ガスの顕熱によって加熱される。そのようにして加熱された給湯用水は、浴室2に設けられたカラン等へと導かれる。
【0043】
電装部品13は、バーナ11a及び燃焼ファン12の駆動を制御する。なお、
図1において、電装部品13は、燃焼筐11及び燃焼ファン12の側方に図示しているが、これは模式的に示したものである。
【0044】
このように構成されている給湯装置1は、ケース10を壁孔21aに挿入することによって、その屋外側の先端部が、浴室壁21から屋外側に突出するようにして配置される。しかし、浴室壁21の厚さは、建物によって種々様々である。
【0045】
その厚さに対応可能にするために、この給湯装置1は、前述の排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続していない状態(
図2に示す状態)、及び、接続している状態のいずれの状態(
図1に示す状態)でも、設置して使用可能に構成されている。
【0046】
以下においては、ケース10、並びに、それに接続される排気用アダプター15及び給気用アダプター16の構成について、詳細に説明する。
【0047】
図2に示すように、ケース10は、断面矩形の筒状の筐体筒状部10aの一方側(屋外側)の開口部に、板状の筐体蓋部10bを組み付けることによって、他方側(屋内側)に浴室側開口部10cを有する有底筒状の部材として構成されている。設置された状態では、筐体筒状部10aは、浴室側開口部10cを浴室2側に向けて、壁孔21aに嵌め込まれる。
【0048】
筐体蓋部10bには、燃焼筐11の排気口部11bが嵌め込まれる上方側開口部10d(筐体開口部、第1開口部)が形成されている。また、筐体蓋部10bの上方側開口部10dの下方となる位置には、下方側開口部10e(筐体開口部、第2開口部)が形成されている。
【0049】
また、筐体蓋部10bには、排気用アダプター15(アダプター、第1アダプター)及び給気用アダプター16(アダプター、第2アダプター)が、着脱自在となっている(
図1、
図3及び
図4参照)。
【0050】
筐体蓋部10bの上方側開口部10dの形成されている部分には、屋外側に突出するようにして上方側開口部10dを覆う中空の第1突出部10fが設けられている。また、筐体蓋部10bの下方側開口部10eの形成されている部分には、屋外側に突出するようにして下方側開口部10eを覆う中空の第2突出部10gが設けられている。
【0051】
ここで、第1突出部10f及び第2突出部10gについて詳細に説明する。
【0052】
図2及び
図4に示すように、第1突出部10fは、ケース10に接続されている断面矩形の筒状の第1突出部筒状部10hと、第1突出部筒状部10hの屋外側の開口を覆う第1突出部蓋部10iとを有している。第2突出部10gは、ケース10に接続されている断面矩形の筒状の第2突出部筒状部10jと、第2突出部筒状部10jの屋外側の開口を覆う第2突出部蓋部10kとを有している。
【0053】
第1突出部10fの屋外側の側面(すなわち、第1突出部蓋部10i)には、第1突出部10fの内部(ひいては、上方側開口部10dを介して連通しているケース10の内部)とケース10の外部とを連通している排気用開口部10l(突出部開口部)が形成されている。
【0054】
また、第2突出部10gの屋外側の側面(すなわち、第2突出部蓋部10k)には、第2突出部10gの内部(ひいては、下方側開口部10eを介している連通しているケース10の内部)とケース10の外部とを連通している給気用開口部10m(突出部開口部)が形成されている。
【0055】
以上説明したように、この給湯装置1では、屋外側に向かって突出している中空の第1突出部10f及び第2突出部10gを有している。すなわち、ケース10の内部のそれらの突出部より中心側の空間(すなわち、電装部品13等が配置されている筐体筒状部10aの内部の空間)と屋外とは、それらの突出部の内部の空間を介して連通している。
【0056】
これにより、
図2に示すように、給湯装置1を排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続していない状態で使用している場合には、第1突出部10fに形成されている排気用開口部10l、又は、第2突出部10gに形成されている給気用開口部10mを介して、それらの突出部の内部に雨水が浸入してしまったとしても、その雨水の多くは、まずそれらの突出部の内周面に付着するので、その雨水のそれらの突出部よりも内部(すなわち、筐体筒状部10aの内部)への浸入が抑制される。
【0057】
したがって、この給湯装置1によれば、排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続していない状態で使用している場合であっても、第1突出部10f及び第2突出部10gによって雨水の浸入が抑制される。これにより、筐体筒状部10aの内部(ひいては、そこに配置している電装部品13)にまで、その雨水が到達してしまうことを抑制することができる。
【0058】
また、この給湯装置1では、第1突出部10f及び第2突出部10gは、予め形成されていた部材をケース10に後付けすることによって形成されている。このような製造方法は容易に行うことができるものである。したがって、この給湯装置1は、容易に組み立てることができる。
【0059】
次に、排気用アダプター15及び給気用アダプター16について、詳細に説明する。
【0060】
図3及び
図4に示すように、排気用アダプター15は、ケース10の第1突出部10fの形成部分に着脱自在な断面矩形の筒状の第1筒状部15a(アダプター筒状部)と、第1筒状部15aの屋外側の開口を覆う第1蓋部15b(アダプター蓋部)と、第1筒状部15aの屋内側の開口の縁部から、第1筒状部15aの径方向外側に延設されている第1フランジ部15cとを備えている。
【0061】
排気用アダプター15は、ケース10の筐体蓋部10b(すなわち、屋外側の側面)には、着脱自在となっている。具体的には、排気用アダプター15の第1筒状部15aの軸線が、筐体筒状部10aの軸線方向(
図1において左右方向、
図3及び
図4において左上から右下に延びる方向)に沿う向きで、着脱自在となっている。
【0062】
排気用アダプター15は、筐体蓋部10bに接続された後には、第1フランジ部15cを介して、ケース10の筐体蓋部10bにネジ止めされて固定される。
【0063】
第1筒状部15aの外径は、排気用アダプター15を第1突出部10fに接続した状態で軸線方向から見て、ケース10の外径よりも小さくなっている。
【0064】
また、第1筒状部15aの外径は、軸線方向における位置によって異なっている。具体的には、第1筒状部15aの屋内側の端部の外径は、その屋外側の部分よりも大径に形成されている。これは、最も屋内側に位置する第1フランジ部15cをケース10にネジ止めする際に、第1筒状部15aの手前側(すなわち、屋外側)の部分が邪魔にならないようにして、そのネジを着脱するためのドライバー等を操作しやすくするためである。
【0065】
第1筒状部15aの屋内側の開口部の内径、及び、その内周面側の形状は、第1突出部10fを嵌合自在な大きさ及び形状となっている。これにより、第1突出部10fを排気用アダプター15に挿入するだけで、ケース10に排気用アダプター15を容易に接続することができるようになっている。なお、この給湯装置1では、そのように接続した後、前述のようにネジ止めによる固定を行っている。
【0066】
図5に示すように、第1蓋部15bには、複数の第1連通孔15dが形成されている。それらの複数の第1連通孔15dを介して、排気用アダプター15の内部と屋外とは連通している。
【0067】
それらの複数の第1連通孔15dのうち、第1蓋部15bの下端部に形成されているものは、その下端部から第1筒状部15aの第1蓋部15bに隣接している端部まで広がっている。これにより、排気用アダプター15の内部に外部から雨水が浸入した場合であっても、その雨水が第1連通孔15dから排出されやすくなっている。ひいては、排気用アダプター15からの水切れが良くなっている。
【0068】
このように構成されている排気用アダプター15は、その排気用アダプター15が接続される第1突出部10fの排気用開口部10l及び第1突出部10fに覆われている筐体蓋部10bの上方側開口部10dとともに、ケース10の筐体筒状部10aの内部と屋外とを連通する連通路を形成する。
【0069】
また、
図3及び
図4に示すように、給気用アダプター16は、ケース10の第2突出部10gの形成部分に着脱自在な断面矩形の筒状の第2筒状部16a(アダプター筒状部)と、第2筒状部16aの屋外側の開口を覆う第2蓋部16b(アダプター蓋部)と、第2筒状部16aの屋内側の開口の縁部から、第2筒状部16aの径方向外側に延設されている第2フランジ部16cとを備えている。
【0070】
給気用アダプター16は、ケース10の筐体蓋部10b(すなわち、屋外側の側面)には、着脱自在となっている。具体的には、給気用アダプター16の後述する第2筒状部16aの軸線が、筐体筒状部10aの軸線方向(
図1において左右方向、
図3及び
図4において図番FIG.3及びFIG.4を上方としたときに左上から右下に延びる方向)に沿う向きで、着脱自在となっている。
【0071】
給気用アダプター16は、筐体蓋部10bに接続された後には、排気用アダプター15の第1フランジ部15c、及び、ケース10の第2突出部10gにネジ止めされることによって、第2フランジ部16c及び第2突出部10gを介して、ケース10の筐体蓋部10bに固定される。
【0072】
第2筒状部16aの外径の大きさ及び形状は、給気用アダプター16を第2突出部10gに接続した状態で軸線方向から見て、ケース10の外径の大きさ及び形状に対応している。具体的には、第2筒状部16aの外径の大きさ及び形状は、ケース10の外径の大きさ及び形状に略一致しており、第2フランジ部16cの大きさの分だけわずかに小さくなっている。
【0073】
第2筒状部16aの屋内側の開口部の下方部分では、その内径、及び、その内周面側の形状は、第2突出部10gを嵌合自在な大きさ及び形状となっている。これにより、第2突出部10gを給気用アダプター16に挿入するだけで、ケース10に給気用アダプター16を容易に位置決めする(ひいては、接続する)ことができるようになっている。なお、この給湯装置1では、そのように位置決めした後、前述のようにネジ止めによる固定を行っている。
【0074】
第2蓋部16bの下方部分には、複数の第2連通孔16dが形成されている。また、第2蓋部16bの上方部分には、嵌合用開口部16e(第3開口部)が形成されている。それらの第2連通孔16d及び嵌合用開口部16eを介して、給気用アダプター16の内部と屋外とは連通している。
【0075】
嵌合用開口部16eの内径は、排気用アダプター15の屋外側の端部の外径に対応した大きさとなっている。そのため、ケース10に対して排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続した状態では、排気用アダプター15の屋外側の端部は、嵌合用開口部16eに嵌合される。一方、排気用アダプター15の屋外側の端部よりも屋内側の部分は、給気用アダプター16に収容される。
【0076】
このように構成されている給気用アダプター16は、その給気用アダプター16が接続される第2突出部10gの給気用開口部10m及び第2突出部10gに覆われている筐体蓋部10bの下方側開口部10eとともに、ケース10の筐体筒状部10aの内部と屋外とを連通する連通路を形成している。
【0077】
以上説明したように、この給湯装置1では、ケース10の内部と屋外とは、筒状の排気用アダプター15及び給気用アダプター16と、第1突出部10fの排気用開口部10l及び第2突出部10gの給気用開口部10mと、ケース10の筐体蓋部10bに形成されている上方側開口部10d及び下方側開口部10eとを介して、連通している。すなわち、それらのアダプターと、それらの突出部と、それらの開口部とで、連通路が形成されている。
【0078】
これにより、
図1に示すように、排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続した状態で使用している場合には、それらの連通路に外部から雨水が浸入してしまったとしても、その雨水の多くはまずそれらのアダプターの内周面又はそれらの突出部の内周面に付着するので、それらのアダプター及びそれらの突出部によってケース10の筐体筒状部10aの内部への雨水の浸入が抑制される。
【0079】
したがって、給湯装置1では、このように形成された連通路によって、ケース10の内部(ひいては、そこに配置している電装部品13)にまで、その雨水が到達してしまうことを抑制することができる。
【0080】
なお、排気用アダプター15及び給気用アダプター16のみを設けたり、第1突出部10f及び第2突出部10gのみを設けたりした場合にも、雨水の浸入を抑制することはできる。しかし、このように、これらを併用すると、いずれか一方のみの場合に比べ、さらに雨水の浸入を抑制することができる。
【0081】
また、この給湯装置1では、排気用アダプター15及び給気用アダプター16は、ケース10と別体に構成されたものであり、ケース10の筐体筒状部10aの屋外側の開口を覆う筐体蓋部10b(すなわち、屋外側の面)に接続されている。
【0082】
これにより、雨水の浸入を防止するための排気用アダプター15及び給気用アダプター16の接続は、ケース10の内部に何らかの部材を取り付ける場合に比べて、比較的容易に行うことができる。また、その接続する工程も、加熱部、電装部品13の取り付け工程の前後のいずれでも行うことができるので、接続を行いやすい段階で、実施しやすい。
【0083】
したがって、この給湯装置1によれば、排気用アダプター15及び給気用アダプター16の接続は容易に行うことができるものであるので、給湯装置1を容易に組み立てることができる。
【0084】
ところで、
図1及び
図2に示すように、この給湯装置1のように屋内と屋外とを連通する壁孔21aに設置されるものでは、設置する壁孔21aの長さ(すなわち、浴室壁21の厚さ)に対応するように、給湯装置1の長さ(具体的には、ケース10の長さ)も構成する必要がある。
【0085】
しかし、給湯装置1を設置する浴室壁21の厚さは建物によって種々様々である。そして、それらの浴室壁21の全てに対応できるように長さの異なる複数の給湯装置1(すなわち、それに対応する複数のケース10)を準備しておくことは、コストが増加するので難しいという問題がある。
【0086】
そこで、前述のように、この給湯装置1では、ケース10とともに給湯装置1の長さを規定する排気用アダプター15及び給気用アダプター16を、その軸線が筐体筒状部10aの軸線方向に沿う向きで、筐体蓋部10bに着脱自在に構成している。
【0087】
これにより、給湯装置1の軸線方向(すなわち、浴室壁21の厚さ方向)における長さを、採用する排気用アダプター15及び給気用アダプター16を変更するだけで、変更することができるようになっている。
【0088】
したがって、給湯装置1は、このように構成することによって、排気用アダプター15及び給気用アダプター16を変更するだけで、種々様々な厚さの浴室壁21に対応した長さを、容易に構成することができるようになっている。
【0089】
なお、給湯装置1では、このように、排気用アダプター15及び給気用アダプター16の2つを用いて、給湯装置1の長さを変更可能に構成しているが、給湯装置の種類によっては、アダプターが1つであったり、排気用アダプター及び給気用アダプターの一方と筐体とのみで全体の長さが規定されたりする場合もある。そのような場合には、長さを変更するために必要なアダプターのみを、筐体に対して着脱自在にしてもよい。
【0090】
ところで、給湯装置1では、排気用開口部10l及び給気用開口部10mの2つの開口部が設けられている。それらの開口部からの雨水の浸入を防止するために、各々の開口部に、排気用アダプター15又は給気用アダプター16が接続されている。ここで、それらの開口部とアダプターとによって構成される連通路は、内部を流通する気体が混ざることのないように、互いに独立したものにする必要がある。
【0091】
しかし、接続するアダプターの形状によっては、給湯装置1の外形が複雑なものになってしまい、その給湯装置1を壁孔21aに設置しにくくなってしまうおそれがある。
【0092】
そこで、前述のように、給湯装置1では、排気用アダプター15の外径をケース10よりも小径に形成し、給気用アダプター16の外径をケース10に対応したものにするとともに、排気用アダプター15の屋外側の端部以外の部分を、給気用アダプター16に収容可能に構成している。
【0093】
これにより、それらのアダプターをケース10に接続した際には、ケースと給気用アダプター16とによって、給湯装置1の外形が形成される。ここで、給気用アダプター16の外径は軸線方向から見てケース10に対応したものであるので、ケース10に給気用アダプター16を接続しても、給湯装置1の外形は、単にケース10が延長されたような単純な形状となる。
【0094】
また、このとき、排気用アダプター15は、給気用アダプター16に収容された状態になる。ここで、ケース10に接続されている排気用アダプター15の屋外側の端部は、給気用アダプター16の内部と屋外とを連通している嵌合用開口部16eに嵌合されている。
【0095】
すなわち、排気用アダプター15の屋外側の内部へ連通している開口部(具体的には、第1連通孔15d)は屋外にのみ露出している。これにより、排気用アダプター15が給気用アダプター16に収容されている状態でも、排気用アダプター15の内部と給気用アダプター16の内部とは連通していないので、それらのアダプターの内部を流通する気体が混ざることは防止されている。
【0096】
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記実施形態では、
図1及び
図4に示すように、筐体であるケース10は、断面矩形の筐体筒状部10aに筐体蓋部10bを組み付けて、構成されている。しかし、本発明の筐体は、そのような構成に限定されるものではなく、内部に加熱部及び電装部品を収容できるものであればよい。そのため、1つの部材又は3つ以上の部材で、筐体を構成してもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、アダプターとして、排気用アダプター15及び給気用アダプター16の2つのアダプターを採用している。しかし、本発明のアダプターは、そのような構成に限定されるものではなく、筐体に形成されている開口部の数に応じて、設けて良い。また、複数の開口部の一部にのみ、アダプターを接続するようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、筐体であるケース10の筐体蓋部10bに、第1突出部10f及び第2突出部10gを設け、それらの突出部の上下方向に延びる面に排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続自在としている。すなわち、ケース10の側面に、筐体開口部である上方側開口部10d及び下方側開口部10eを形成している。
【0100】
しかし、本発明の筐体開口部は、そのような構成に限定されるものではなく、筐体の内部と外部又はアダプターの内部とを連通しているものであればよい。そのため、筐体開口部の形成位置は、筐体の下面に形成されていてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、筐体であるケース10の筐体蓋部10bに、中空の第1突出部10f及び第2突出部10gを設けている。これは、排気用アダプター15及び給気用アダプター16を接続していない状態で使用しても、ケース10の内部に雨水が浸入してしまうことを抑制できるようにするためである。
【0102】
しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、アダプターを使用することを前提とするのであれば、突出部は省略してもよい。また、逆に、アダプターを必ず使用する場合には、突出部を省略してもよい。また、突出部は中空であればよいので、その形状は、他の部材との関係等に応じて、適宜設計してよい。
【0103】
また、上記実施形態では、
図3及び
図4に示すように、排気用アダプター15及び給気用アダプター16の屋内側の開口部の内周面側の形状は、第1突出部10f及び第2突出部10gを嵌合自在な形状にしている。
【0104】
しかし、本発明のアダプターの屋内側の開口部の内周面側の形状はそのような構成に限定されるものではなく、筐体開口部にアダプターを接続した際に、連通路を形成できるような形状であればよい。そのため、例えば、アダプターの端部の内周面側の形状を、突出部の外径よりも大きく、突出部の形状とは異なるようなものとしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態においては、
図5に示すように、排気用アダプター15に形成されている第1連通孔15dの形状が、第1蓋部15bの下端部から第1筒状部15aの第1蓋部15bに隣接している端部(すなわち、屋外側の端部)まで広がる形状となっている。しかし、本発明の連通孔は、このような構成に限定されるものではなく、アダプターの内部と外部とを連通できるものであればよい。
【0106】
そのため、例えば、連通路の形状を、蓋部の下端部から筒状部の蓋部に隣接している端部(すなわち、屋外側の端部)まで広がる形状以外の形状(例えば、
図5において、第1蓋部15bの下端部以外に形成されている第1連通孔15dの形状)のみとしてもよい。また、例えば、蓋部を省略し、筒状部の屋外側の開口を連通路としてもよい。
【0107】
また、例えば、上記実施形態では、排気用アダプター15の第1連通孔15dのみをそのような形状としたが、給気用アダプター16の第2連通孔16d、第1突出部10fの排気用開口部10l、及び、第2突出部10gの給気用開口部10mの形状を、第1連通孔15dと同様の形状としてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、
図3及び
図4に示すように、排気用アダプター15及び給気用アダプター16を筐体であるケース10に接続した状態では、ケース10と給気用アダプター16とで給湯装置1の外形を形成するとともに、排気用アダプター15は給気用アダプター16に収容されるように構成されている。しかし、本発明のアダプターは、このような構成に限定されるものではない。そのため、例えば、各々のアダプターが、他のアダプターに収容されないように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…給湯装置、2…浴室、10…ケース(筐体)、10a…筐体筒状部、10b…筐体蓋部、10c…浴室側開口部、10d…上方側開口部(筐体開口部、第1開口部)、10e…下方側開口部(筐体開口部、第2開口部)、10f…第1突出部、10g…第2突出部、10h…第1突出部筒状部、10i…第1突出部蓋部、10j…第2突出部筒状部、10k…第2突出部蓋部、10l…排気用開口部(突出部開口部)、10m…給気用開口部(突出部開口部)、11…燃焼筐、11a…バーナ(加熱部)、11b…排気口部、11c…熱交換器(加熱部)、11d…吸熱フィン、11e…熱交換水路、12…燃焼ファン、13…電装部品、14…供給管、15…排気用アダプター(アダプター、第1アダプター)、15a…第1筒状部(アダプター筒状部)、15b…第1蓋部(アダプター蓋部)、15c…第1フランジ部、15d…第1連通孔、16…給気用アダプター(アダプター、第2アダプター)、16a…第2筒状部(アダプター筒状部)、16b…第2蓋部(アダプター蓋部)、16c…第2フランジ部、16d…第2連通孔、16e…嵌合用開口部(第3開口部)、17…支持板、18…制御基板、19…フロントカバー、20…浴槽、21…浴室壁、21a…壁孔。