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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】実験室システムの整備方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
G01N35/00 F
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020109375
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2021021724
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】19182503
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マイク・ハドルン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ボーンヘフト
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・シュルテンベルガー
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/007868(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/099859(WO,A1)
【文献】特表2018-528693(JP,A)
【文献】特開2017-224181(JP,A)
【文献】特表2012-519280(JP,A)
【文献】特開2013-002826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
G01N 27/60-27/70、27/92
H04L 12/00-12/22
H04L 12/50-12/66
H04L 45/00-49/9057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を処理する第1グループ(1)および第2グループ(2)の実験室機器(10)と、前記第1グループ(1)または第2グループ(2)の実験室機器(10)に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)と、前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)に通信可能に接続されたリモート整備システム(50)とを備える実験室システム(100)の整備方法であって、前記第1グループの実験室機器(10)が第1データ収集コンポーネント(20.1)に接続され、前記第2グループ(2)の実験室機器(10)が第2データ収集コンポーネント(20.2)に接続され、前記方法が、
-前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって前記実験室機器(10)から動作データを収集するステップであって、前記動作データが前記それぞれの実験室機器(10)の1つ以上の動作パラメータを示す、ステップと、
-前記収集した動作データに基づいて、前記複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント(20.1)によって、前記第1グループ(1)の複数の実験室機器(10)の1つ以上に関係する異常を検出するステップと、
-異常の検出時に、前記複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント(20.1)によってコンテキスト・データをリモート整備システム(50)に送信するステップであって、前記コンテキスト・データが動作データと前記異常を示すデータとを含む、ステップと、
-前記リモート整備システム(50)において、前記動作データと前記異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定するステップと、
-前記リモート整備システム(50)において前記1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するステップと、
前記リモート整備システム(50)において、前記妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を決定するステップと、
-前記リモート整備システム(50)によって、前記1つ以上の予測規則(1つまたは複数)を前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)に送信するステップと、
-前記1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)の内1つ以上によって、前記複数の実験室機器(10)の内1つ以上の異常の発生を予測するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の整備方法であって、更に、
-異常が検出されたが予測されていなかった場合、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)の内1つ以上が、前記1つ以上の予測規則(1つまたは複数)の失敗を示すデータを前記リモート整備システム(50)に送信するステップ、および/または、
-特に前記異常の予測が確認されていた場合、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)の内1つ以上が、前記異常を予測した予測規則(1つまたは複数)の成功を示すデータを、前記リモート整備システム(50)に送信するステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、予測規則(1つまたは複数)の成功および失敗を示す前記データを評価し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に有効のフラグを立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に、無効のフラグが立てられた予測規則(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の整備方法であって、更に、
-前記リモート整備システム(50)において、前記異常に対応する1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を決定するステップであって、前記1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)が、命令(1つまたは複数)を含み、前記命令が実験室機器(10)の1つ以上に関して実行されると、異常の発生の確率を低下させる、ステップと、
-前記1つ以上の処方的整備処置をリモート整備システム(50)から複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に送信するステップと、
-異常の発生を予測したときに、複数の収集コンポーネント(20.1、20.2)の内1つ以上が、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起するステップであって、実験室機器(10)の1つ以上に、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令する動作、および/または処方的整備処置(1つまたは複数)を操作員に提示する(provide)動作を含む、ステップと、
を含む、整備方法。
【請求項4】
請求項3記載の整備方法であって、更に、
-前記1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起した前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって前記異常を検出することができなかった場合、前記処方的整備処置の成功を示すデータを前記リモート整備システム(50)に送信するステップと、
-前記1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起した前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって前記異常が検出された場合、前記処方的整備処置の失敗を示すデータをリモート整備システム(50)に送信するステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、処方的整備処置の成功または失敗を示す前記データを評価し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に有効のフラグと立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に、無効のフラグが立てられた処方的整備処置(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項5】
請求項3または4記載の整備方法において、前記処方的整備処置(1つまたは複数)が、
-前記それぞれの実験室機器(10)上のSWを更新する、
-複数の実験室機器(10)間における作業負荷の再分配を行わせる、
-前記予測された異常に対応する前記実験室機器(10)(1つまたは複数)から、前記予測された異常に対応する前記実験室機器(10)(1つまたは複数)以外の実験室機器(1つまたは複数)(10)に、1つ以上の生体試料の宛先を変更する、
-前記予測された異常に対応する実験室機器(10)(1つまたは複数)の1つ以上の部品の交換および/または保守を誘起する、
-前記予測された異常に対応する実験室機器(10)(1つまたは複数)の較正および/または品質管理プロセスを誘起する、
-不適切な取り扱いおよび/または製造業者の製品回収の対応する指示がある試薬および/または試薬のロットの破棄を誘起する、
-不適切な整備の対応する指示がある実験室機器(10)(1つまたは複数)の破棄を誘起する、
-実験室機器(1つまたは複数)または実験室機器(1つまたは複数)のコンポーネント(1つまたは複数)の自動再調節を誘起する、
の内1つ以上を含む、整備方法。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項記載の整備方法であって、更に、
-前記リモート整備システム(50)において、異常に対応する1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)を決定するステップであって、前記1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)が命令を含み、前記命令が前記実験室機器(10)の1つ以上によって実行されると、異常の悪影響を軽減する、ステップと、
-前記1つ以上の軽減処置(1つまたは複数)を前記リモート整備システム(50)から前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に送信するステップと、
-前記実験室機器(10)の1つ以上に前記1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令したデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって異常が検出された場合、前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)が、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)の実行を誘起するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項7】
請求項6記載の整備方法であって、更に、
-前記異常の悪影響が軽減された場合、前記軽減処置(1つまたは複数)の成功を示すデータを、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)から前記リモート整備システム(50)に送信するステップと、
-前記異常の悪影響を軽減できなかった場合、前記軽減処置(1つまたは複数)の失敗を示すデータを前記リモート整備システム(50)に送信するステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、前記軽減処置(1つまたは複数)の成功および失敗を示す前記データを集計し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に有効のフラグを立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-前記リモート整備システム(50)が、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に、無効のフラグが立てられた軽減処置(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の整備方法において、前記複数の実験室機器(10)の1つ以上に関係する異常を検出するステップが、
-前記実験室機器(10)の1つ以上の動作パラメータの製造業者の動作範囲からの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
-前記実験室機器(10)の近傍であるがその外側に配置され、前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)の内の1つに通信可能に接続された1つ以上のセンサ(12)によって取り込まれたデータに基づいて、前記実験室機器(10)の周りにおける1つ以上の環境パラメータの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の整備方法であって、更に、異常の発生を予測したときに、前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって取り込まれた、前記実験室機器(10)からの動作データのパラメータの頻度、および/または分量、および/または選択を増やすステップを含む、整備方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項記載の整備方法において、前記リモート整備システム(50)において動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定する前記ステップが、
-動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を示す入力を受け取るステップ、および/または
-動作データおよび前記複数の実験室機器(10)の内同じものまたは他のものに関係する異常のデータベースに基づいて、前記動作データおよび同じ種類の異常(1つまたは複数)の間における相関を識別するように、パターン認識システムに命令するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の整備方法において、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断し、それぞれの相関に妥当性確認の印を付ける前記ステップが、
-動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性判断を示す入力を受け取るステップと、
-妥当性判断エンジンに、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するように命令するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項記載の整備方法において、前記リモート整備システム(50)が、各々前記複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に通信可能に接続された1つ以上の地域サーバ(1つまたは複数)(150)を備え、前記方法が、更に、動作データとそれぞれの地域に特定的な異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を検出するために、各地域サーバ(150)が、個々の地域サーバ(150)に接続された前記実験室機器(10)の全てに共通する動作パラメータ、および/または前記実験室機器(10)の部分集合に共通する動作パラメータを分析するステップを含む、整備方法。
【請求項13】
請求項12記載の整備方法において、前記リモート整備システム(50)が、複数の地域サーバ(150)に通信可能に接続された広域サーバ(250)を備え、前記方法が、更に、
-各地域サーバ(150)によって、地域的な機密データを動作データから排除するステップと、
-選別した動作データを複数の地域サーバ(150)の各々から前記広域サーバ(250)に送信するステップと、
-前記広域サーバ(250)が、地域に関係なく、動作データと異常(1つまたは複数)との間において広域的に関連する相関(1つまたは複数)を検出するために、実験室システム(100)の全ての実験室機器(10)に共通する動作パラメータを分析するステップと、
を含む、整備方法。
【請求項14】
実験室システム(100)であって、
-第1データ収集コンポーネント(20.1)に通信可能に接続され、生体試料を処理する第1グループ(1)の複数の実験室機器(10)と、
-第2データ収集コンポーネント(20.2)に通信可能に接続され、生体試料を処理する第2グループ(2)の複数の実験室機器(10)と、
-複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)に通信可能に接続されたリモート整備システム(50)と、
を備え、請求項1から13までのいずれか1つによる方法を実行するように構成される、実験室システム(100)。
【請求項15】
命令を含むコンピュータ・プログラム製品であって、 生体試料を処理する第1グループ(1)および第2グループ(2)の実験室機器(10)と、第1グループ(1)または第2グループ(2)の実験室機器(10)に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント(20.1、20.2)と、データ収集コンポーネント(20.1、20.2)に通信可能に接続されたリモート整備システム(50)とを備え、前記第1グループ(1)の実験室機器(10)が第1データ収集コンポーネント(20.1)に接続され、前記第2グループ(2)の実験室機器(10)が第2データ収集コンポーネント(20.2)に接続された、実験室システム(100)の前記リモート整備システム(50)よび前記複数の前記データ収集コンポーネント(20.1、20.2)によって命令が実行されると、請求項1から13に記載された方法のうちのいずれか1つを、前記実験室システム(100)に実行させる、コンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、実験室システムの整備方法、この整備方法を実行するように構成された実験室システム、実験室システムのリモート整備システムによって実行されると実験室システムに整備方法を実行させるコンピュータ・プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 実験室機器(分析前実験室機器、分析後実験室機器、および分析実験室機器、輸送システム、または実験室ミドルウェア等)および実験室システムが増々複雑になるに連れて、ある程度の介入/整備を必要とする異常に対処するモダリティ(modalities)が重要性を増している。本開示のコンテキストでは、異常とは、実験室機器/システムまたはシステム・コンポーネントの障害(failure)、および/またはそれぞれのシステムまたは機器の、正常または(respectively)容認可能な動作と見なされるステータスからの逸脱に関する。正常なまたは容認可能な動作とは、製造業者/所有者/規制機関によって定められる動作パラメータ/仕様、同一または同様のシステム/機器のそれぞれの動作パラメータの統計的に判定された平均(mean/average)値(同等比較)、および/または操作員/技術者/専門家によって正常動作として印された動作の内の1つ以上によって定められる。
【0003】
[0003] 異常に対処する1つのモダリティは、事後保全(reactive maintenance)によるもの、即ち、この名称が暗示するように、既に起こった異常に対して反応することによるものである。しかしながら、事後保全は、通常、影響を受けた実験室機器/システムの休止時間を伴い、実験室機器(1つまたは複数)そして実験室システム全体の動作にも影響が及ぶ。更に、事後保全は、多くの場合、反応を計画することができないため、異常を修復するために技術者の緊急出動が必要になる。
【0004】
[0004] 休止時間の発生および技術者の緊急出動の必要性は、予防保全(preventive maintenance)によってある程度減らされる。この手法によれば、製品を作成した技術またはR&Dチームからの知見に基づいて、機器をどのように整備するかについて1組の推奨にしたがって、実験室機器/システムを整備する。多くの場合、定期保全要件の応諾が、貸借または保証条件の一部として要求される。しかしながら、予防保全が効率的なのは、比較的予測可能なサービス活動だけに過ぎない。加えて、予防保全は追加のコストを招く。何故なら、この名称が暗示するように、予見可能な(少なくともある程度の確率で)異常を防止するために、実際に必要とされる前に保全作業を実行するという概念に基づくからである。これが意味するのは、異常の確率が特定の閾値を超えたときに、コンポーネントを交換する、修理点検する(service)、チェックする等であり、確率は統計的データに基づくのであって、実験室機器/システムの実際の状態には応じていないということである。したがって、例えば、未だ機能する予備部品が、予め定められた時間期間の経過のために、交換されるということが起こる可能性がある。これは、多大な不要コストを発生させるに至る。
【0005】
[0005] 条件に基づく整備は、予め定められたスケジュールに基づいて実験室機器/システムを整備する代わりに、整備の必要性を判断するために、アセットの実際の状態を評価することによって、予防保全の欠点に対処する。多くの業界の自動化、ならびにコンピュータおよびセンサの使用普及に伴い、条件に基づく整備は増々自動化しつつある。実験室機器(1つまたは複数)/システム(1つまたは複数)の一部であるセンサ、またはこれらに接続されたセンサは、(リアル・タイム)データをリモート整備システムに供給し、異常が発生する前に整備チームが機器を整備するときに役立つ。
【0006】
[0006] 事後保全または(respectively)予防保全の欠点に対処するために、予知保全は、それぞれの実験室機器/システムに特定的な異常を能動的に予測するという概念に基づく。予知保全は、条件に基づく保全を更にもう一歩進める。一旦動作データおよび異常を示すデータが入手可能になったなら、高度な分析を使用して動作データと異常(1つまたは複数)との間の相関を同定する(identify)。
【0007】
[0007] 実験室機器(1つまたは複数)/システム(1つまたは複数)によって生成されたデータに分析(専門家によって主導される、および/または機械学習による)を行い、それらの状態について一層深い理解を得ることによって、改良プロセスの一部としてこれらに取り組むことができる(act on)。言い換えると、予知保全は、実験室機器(1つまたは複数)/システム(1つまたは複数)のパラメータを監視するために実験室機器(1つまたは複数)/システム(1つまたは複数)からのデータを使用し、このデータを、分析された過去の傾向と共に使用してシステムの健全性(health)を(連続的に)評価し、異常が発生する前にそれを予測する。加えて、環境データ、他のシステムからの情報(患者データ等)、および価値があると思われる任意の他のデータ源というような、機器の範囲を超えるデータも予測のために使用することができる。
【0008】
[0008] 予知保全の既知の実施態様では、異常に至る可能性がある実験室機器(1つまたは複数)/システム(1つまたは複数)の状態(1つまたは複数)を高度の分析によって同定できるようにするために、データに余すところなくアクセスするということが共通の前提条件になっている。しかしながら、予知保全に必要とされるデータの分量のために、深刻な制約が生じる。複雑な実験室システムは、数十または数百もの機器を備えており、その各々が数十もの動作パラメータによって特徴付けられる。予知保全のための分析のために送信する必要があるデータの分量は膨大であり、これがボトルネックとなり、高度な分析が非実用的になるおそれがある。
【0009】
[0009] 高度な分析のために転送されるデータの分量を削減するために、既知の解決策では、実験室から転送されるデータにフィルタリングを行う。しかしながら、異常の原因を判定するために使用されるデータにフィルタリングを行うと、異常に関連するデータが入手できないという危険性を負うことになる。
【0010】
[0010] 大量のデータを転送するボトルネックを回避し、更に潜在的に関連する可能性があるデータを排除することによって引き起こされる危険性も回避するために、他に提案されている既知のシステムによれば、予知保全を現場で実行する。
【0011】
[0011] 予知保全の高度な分析に必要とされるデータの分量に対する限界に加えて、プライバシーの懸念によってデータの入手可能性が制限されることによって、特に、特定の疾病、状態、感染等を示すデータというような、患者の健康状態に関する機密データを扱う診断実験室システムの分野では、予知保全の適用可能性に更に制約が生ずる。データの機密性を考慮して、特定の実験室システムの運営者は、いかなるデータでも実験室システムから持ち出すことを厳しく制限するか、または禁止する。更に、データを実験室システムから持ち出すことが許されても、法的規制が、特定の管轄区(例えば、ある州の境界を越える)からデータを持ち出すことを制限または禁止する場合もある。予知保全の高度な分析のために利用可能なデータの種類に対する制限というこの問題に対処するために、既知の提案によれば、地域の境界内において予知保全を実施し、その内部に機密データを保持しなければならない。
【0012】
[0012] しかしながら、データ分量のためか、および/またはデータのプライバシー上の制限のためかには関係なく、予知保全の局所的なまたは地域的な実施では、大量のデータによって可能になる高度な分析の発見を利用することができない。例えば、1つの局所的に実施されたシステムでは、希にしか起こらない異常は、事後保全の必要性が生じる前には検出できないおそれがある。同時に、同じ異常が異なる場所で過去に発生したが、他のいずれの場所でも知られることがなかったということも起こる可能性がある。予知保全の局所的または地域的な実施が複数あっても、このような希な異常を効果的に予測することはできない。何故なら、これらの異常は分離されたシステムだけで起こり、各システムは、特定の動作データとそれぞれの異常の発生との間のパターンを認識できないからである。
【0013】
[0013] したがって、事後および予防保全の欠点に対処し、更に現在知られている予知保全の実施に対する制約にも対処する、実験室システムの整備方法が求められている。
【発明の概要】
【0014】
[0014] 本明細書において開示するのは、実験室システムの整備方法である。この実験室システムは、生体試料を処理する第1グループおよび第2グループの実験室機器と、第1グループまたは第2グループの実験室機器に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネントと、データ収集コンポーネントに通信可能に接続されたリモート整備システムとを備える。第1グループの実験室機器は、第1データ収集コンポーネントに接続され、第2グループの実験室機器は第2データ収集コンポーネントに接続される。データ収集コンポーネントは、特定のグループの実験室機器に専用であり、実験室機器の動作データに直接アクセスすることができる。本明細書において開示する実施形態によれば、1つのデータ収集コンポーネントが各グループの実験室機器に通信可能に接続される。
【0015】
[0015] 本明細書において開示する実施形態は、実験室システムの整備方法によって、以上で確認した必要性に対処する。この方法は、
-データ収集コンポーネントによって実験室機器からの動作データを収集するステップを含む。
【0016】
実験室機器から収集された動作データは、それぞれの実験室機器の1つ以上の動作パラメータを示す。本明細書において開示する実施形態によれば、第1グループの実験室機器の実験室機器の動作データは、複数のデータ収集コンポーネントの内第1のデータ収集コンポーネントによって収集され、第2グループの実験室機器の実験室機器の動作データは、複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって収集される。
【0017】
-複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって、第1グループの複数の実験室機器の内1つ以上に関係する異常を検出するステップ。随意に、加えて、第2グループの複数の実験室機器の内1つ以上に関係する異常は、複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって検出される。
【0018】
本明細書において開示する実施形態によれば、異常は、動作パラメータ(1つまたは複数)の標準値(1つまたは複数)および/または範囲からの逸脱によって反映される、実験室機器/システムの障害/最適でない動作を示す。
【0019】
-異常の検出時に、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって、コンテキスト・データをリモート整備システムに送信する。複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによってリモート整備システムに送られるコンテキスト・データは、動作データおよび異常を示すデータの双方を含む。随意に、加えて、異常の検出時に、コンテキスト・データは複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって、リモート整備システムに送信される。複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによってリモート整備システムに送られるコンテキスト・データは、動作データおよび異常を示すデータの双方を含む。
【0020】
-リモート整備システムにおいて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定する。
本明細書において開示する実施形態によれば、相関は、特定の動作データ(一定の時間期間内における動作データ等)と関連付けられた異常の(繰り返し)発生を示す。
【0021】
本明細書において開示する実施形態によれば、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、このような相関(1つまたは複数)を示す入力を(例えば、専門家から)受け取ることによって判定される。あるいは、または加えて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、パターン認識方法を使用して、特に、専門家による以前の判定(1つまたは複数)に基づいて、自動的に判定される。
【0022】
本明細書において開示する実施形態によれば、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって送信される動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を判定し、および/または複数の収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって送信される動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を判定する。
【0023】
-1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断し、それぞれの相関に妥当性確認という印を付けるステップ。
相関は常に因果関係を示す訳ではないので、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性を判断する必要がある。妥当性が確認された相関は、特定の動作データと異常との間における(ほぼ確実な)因果関係の指示となる。
【0024】
本明細書において開示する実施形態によれば、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性(ほぼ確実な因果関係)を示す(例えば、専門家からの入力)入力を受け取ることによって、妥当性が判断される。あるいは、または加えて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、特に、専門家による以前の妥当性判断(1つまたは複数)に基づいて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するように、コンピュータ実装妥当性判断エンジンに命令することによって、妥当性が判断される。
【0025】
ある実施形態によれば、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって送信された動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)について妥当性を判断するには、これらを複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって送信された動作データと異常(1つまたは複数)との間で妥当性が確認された相関と比較する。つまり、複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネントによって送信された動作データから導き出され、妥当性が確認された相関を、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって送信された動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するための基準として、使用することができる。
【0026】
-リモート整備システムにおいて、妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を決定する。
本明細書において開示する実施形態によれば、予測規則は条件を含み、この条件が動作データによって満たされた場合、一定量の時間枠において一定の確率で、および/または更に他の予測規則(入れ子型の規則または従属規則)にしたがって、異常の発生を予測する。
【0027】
-データ収集コンポーネントが適時に異常の発生を予測することを可能にするために、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)がリモート整備システムによってデータ収集コンポーネントに送信される。
【0028】
本明細書において開示する実施形態によれば、予測規則(1つまたは複数)は、リモート整備システムによって、(データのプライバシーまたは他の理由で)それ自体はコンテキスト・データをリモート整備システムに送信しないデータ収集コンポーネントにも送信される。
【0029】
-複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上によって、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、複数の実験室機器の内1つ以上の異常の発生を予測する。
本明細書において開示する実施形態によれば、データ収集コンポーネントは、一定の確率で異常(1つまたは複数)を予測する。
【0030】
[0016] 本明細書において開示する実施形態は、機器の動作データに直接アクセスして異常を検出および予測することに関連する利点を、リモート整備システムによる動作データの集中処理のパワーを利用することと組み合わせるので、有利である。
【0031】
I.データ収集コンポーネントによってデータ収集および異常検出を局所的に実行することによって、本明細書において開示する実施形態は、異常の検出が、局所的に入手可能な全てのデータに基づき(それぞれの機器グループ内で、分量および/またはプライバシーによる制限を受けずに)、そして遠隔地への送信による遅延を伴わないことを確保する。これによって、一層正確な異常の検出が可能になり、最も関連がある動作データを異常と関連付けることを確保する。
【0032】
II.異常と関連付けられた動作データをリモート整備システムに送信し、データ分析(相関の判定および妥当性判断、ならびに予測規則の決定)を一元化された場所(centralized location)において実行することによって、本明細書において開示する実施形態は、できるだけ多くの利用可能なデータを共同してかき集め(harvest)集中的に分析するために、複数のグループの実験室機器からのデータを組み合わせる。
【0033】
III.1つ以上の予測規則(1つまたは複数)をデータ収集コンポーネントに送信し、データ収集コンポーネントによって異常を予測することによって、本明細書において開示する実施形態は、遠隔地へのデータ送信によって生ずる可能性がある遅れを回避することによって、はるかに時期を得た異常の予測を可能にする。更に、データ収集コンポーネントによって異常を予測することによって、異常の予測が、それぞれのグループの機器内部で局所的に入手可能な動作データ全体に基づくことを確保する。
【0034】
[0017] 本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、整備方法は、更に、リモート整備システムにおいて、異常に対応する1つ以上の処方的整備処置(1つ以上)を決定するステップと、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)をリモート整備システムから複数のデータ収集コンポーネントに送信するステップと、複数の収集コンポーネントの内1つ以上が、実験室機器に関係する異常の発生が予測されたときに、実験室機器の内1つ以上に、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令するステップとを含む。
【0035】
1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)は、実験室機器の内1つ以上によって実行されると、異常の発生確率を低下させる命令(1つまたは複数)を含む。
[0018] 予測規則を使用して異常を予測しても、異常がそれでもなお発生する場合に対処するために、本明細書において開示する更に他の実施形態は、異常に対応する異常軽減処置(1つまたは複数)を決定するステップと、軽減処置(1つまたは複数)をリモート整備システムから複数データ収集コンポーネントに送信するステップと、実験室機器の1つ以上に1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令したデータ収集コンポーネントによって異常が検出された場合、データ収集コンポーネントが、実験室機器(1つまたは複数)に、異常軽減処置(1つまたは複数)を実行するように命令するステップとを含む。1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)は、実験室機器の内1つ以上によって実行されると、異常の悪影響を軽減する命令を含む。言い換えると、異常の影響が軽減される。
【0036】
[0019] 本明細書において開示する更に他の実施形態は、整備方法に関し、リモート整備システムは、各々複数のデータ収集コンポーネントに通信可能に接続された1つ以上の地域サーバ(1つまたは複数)を備える。この方法は、更に、動作データとそれぞれの地域に特定的な異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を検出するために、各地域サーバが、個々の地域サーバに接続された実験室機器の全てに共通する動作パラメータ、および/またはその部分集合に共通する動作パラメータを分析するステップを含む。このような実施形態は、高度な分析のためにできるだけ大きなデータ集合を使用することと、異なる地域間において送信されるデータの量/型との間における折衷案を可能にし、これによってデータのプライバシー規制による制限を満たす(fulfilling)ので有利である。
【0037】
[0020] 総合的に、本明細書において開示する実施形態は、総合的で適時なデータ取り込みおよび(respectively)異常予測(データ分量および/またはプライバシーによる制限を回避する)のためのエッジ・コンピューティングを、複数のデータ源に基づく高度データ分析および妥当性判断による品質確保のためのクラウド・コンピューティングのパワーを効果的に組み合わせる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
[0021] 以下に、開示する方法/デバイス/システムの更に他の特徴および利点について、説明によって、そして以下の図面を参照することによって、詳細に説明する。
図1】開示する実験室システムの実施形態の非常に模式的なブロック図。
図2】開示する方法の第1実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図。
図3A】開示する方法の他の実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図の第1ページ。
図3B】開示する方法の他の実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図の第2ページ。
図3C】処方的整備を更に含む、開示する方法の更に他の実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図の第3ページ。
図3D】軽減処置を更に含む、開示する方法の更に他の実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図の第4ページ。
図3E】軽減処置の評価を更に含む、開示する方法の更に他の実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図の第5ページ。
図4】開示する実験室システムの更に他の実施形態の非常に模式的なブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
[0022] 「a」または「an」の使用は、本明細書における実施形態のエレメントおよびコンポーネントを記述するために採用される。これは、単に便宜上、そして発明概念の総合的な意味を与えるために行われるに過ぎない。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含むように読解されてしかるべきであり、単数は、逆を意味することが自明でない限り、複数も含む。
【0040】
[0023] 本明細書において使用する場合、「約」(about)、「ほぼ」(approximately)、および「実質的に」(substantially)というような修飾子は、修飾される品目または値が、指定される値または量そのものに限定されるのではなく、例えば、測定誤差または不正確さ、製造許容度、種々の部品に加えられる応力、損耗(wear and tear)、およびこれらの組み合わせによって生じる、何らかの多少のばらつきまたは偏差を含むことを意味することを意図している。
【0041】
[0024] 「試料」(sample)、「患者試料(patient sample)および「生物学的試料」(biological sample)という用語は、潜在的に対象の検体を含有する可能性がある材料(1つまたは複数)を指す。患者試料は、血液、唾液、眼球水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、母乳、腹水、粘液、滑液、腹腔液、羊水を含む生理液、組織、培養細胞等のような、任意の生物源から得ることができる。患者試料は、例えば、血液から血漿を調製する、粘性の流体を希釈する、溶解等のように、使用に先立って前処理されてもよい。処置の方法は、ろ過、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、および試薬の添加を伴うことができる。患者試料は、供給源から入手されたものとしてそのまま使用されてもよく、また、試料の特性を改変するための前処理に続いて使用されてもよい。ある実施態様では、初めに固体または半固体であった生物材料を、それが適切な液体溶媒に溶解されるまたは懸濁されることによって液体にすることができる。ある実施態様では、試料が特定の抗原または核酸を含有するのではないかと疑うことができる。
【0042】
[0025] 「検体」(analyte)という用語は、分析される試料の成分、例えば、種々のサイズの分子、イオン、タンパク質、代謝物等である。検体について収集された情報は、有機体または特定の組織に対する投薬の影響を評価するため、または診断を行うために使用することができる。つまり、「検体」は、存在および/または濃度に関する情報が意図される物質について一般的な用語である。検体の例には、例えば、グルコース、凝固パラメータ、内在性タンパク質(例えば、心筋から遊離されるタンパク質等)、代謝物、核酸等がある。
【0043】
[0026] 「実験室機器」(laboratory instrument)という用語は、本明細書において使用する場合、1つ以上の生体試料および/または1つ以上の試薬に対して1つ以上の処理ステップ/ワークフロー・ステップを実行する、および/またはその実行を行わせるように動作可能な任意の装置または装置コンポーネントを包含する。「処理ステップ」(processing step)という表現は、したがって、遠心分離、分取(aliquotation)、試料分析等のような、物理的に実行される処理ステップを指す。「機器」(instrument)という用語は、分析前機器、分析後機器、分析機器、および実験室ミドルウェアにも該当する。
【0044】
[0027] 「分析後機器」(post-analytical instrument)という用語は、本明細書において使用する場合、1つ以上の分析後処理ステップ/ワークフロー・ステップを実行するように構成された任意の装置または装置コンポーネントを包含する。これらのステップは、試料の取り出し、輸送、リキャッピング、ディキャッピング、一時的貯蔵/緩衝(buffering)、保管(冷凍するまたはしない)、引き出し、および/または廃棄を含むが、これらに限定されるのではない。
【0045】
[0028] 「分析前機器」(pre-analytical instrument)という用語は、本明細書において使用する場合、1つ以上の分析前処理ステップ/ワークフロー・ステップを実行するように構成された任意の装置または装置コンポーネントを包含する。これらのステップは、遠心分離、再懸濁(例えば、混合または渦巻きによる)、キャッピング(capping)、ディキャッピング(decapping)、またはリキャッピング(recapping)、仕分け(sorting)、管種識別、試料品質判定、および/または分取ステップを含むが、これらに限定されるのではない。また、前記処理ステップは、化学薬品または緩衝剤を試料に添加するステップ、試料を濃縮するステップ、試料を培養するステップ等も含んでもよい。
【0046】
[0029] 「アナライザ/分析機器」(analyzer/analytical instrument)という用語は、本明細書において使用する場合、測定値を得るように構成された任意の装置または装置のコンポーネントを包含する。アナライザは、種々の化学的、生物学的、物理的、光学的、またはその他の技術的手順によって、試料またはその成分のパラメータ値を決定するように動作可能である。アナライザは、前述の試料または少なくとも1つの検体の前記パラメータを測定し、得られた測定値を返すように動作可能であってもよい。アナライザから返される可能性のある分析結果のリストは、限定ではなく、試料中の検体濃度、試料中の検体の存在を示すディジタル(はい、またはいいえ)結果(検出レベルを上回る濃度に対応する)、光学的パラメータ、DNAまたはRNA配列、タンパク質または代謝物の質量分析から得られたデータ、および様々な種類の物理的または化学的パラメータを含む。分析機器は、試料および/または試薬のピペット操作(pipetting)、分与、および混合を補助するユニットを含むことができる。アナライザは、アッセイを行うために試薬を保持するための試薬保持ユニットを含んでもよい。 試薬は、例えば、個別の試薬または1群の試薬を収容するコンテナまたはカセットの形態で配置され、貯蔵区画またはコンベヤ内の該当する受容部または位置に置かれてもよい。これは、消耗品の供給ユニットを含んでもよい。アナライザは、そのワークフローが特定の種類の分析に対して最適化されたプロセスおよび検出システムを含んでもよい。このようなアナライザの例には、化学反応または生体反応の結果を検出するため、あるいは化学反応または生体反応の進行を監視するために使用される、臨床化学アナライザ、凝固化学アナライザ、免疫化学アナライザ、尿アナライザ、核酸アナライザがある。
【0047】
[0030] 「実験室ミドルウェア」(laboratory middleware)という用語は、本明細書において使用する場合、1つ以上の実験室機器を含む実験室機器/システムを制御して、ワークフロー(1つまたは複数)およびワークフロー・ステップ(1つまたは複数)が実験室機器/システムによって行われるように構成可能な任意の物理処理デバイスまたは仮想処理デバイスを包含する。実験室ミドルウェアは、例えば、分析前、分析後、および分析ワークフロー(1つまたは複数)/ワークフロー・ステップ(1つまたは複数)を実行するように、実験室機器/システムに命令することができる。実験室ミドルウェアは、特定の試料にはどのステップを実行する必要があるかについて、データ管理ユニットから情報を受信することができる。ある実施形態では、実験室ミドルウェアは、データ管理ユニットと一体であり、サーバ・コンピュータに含まれ、および/または1つの実験室機器の一部であり、あるいは実験室システムの複数の機器に跨がって分散されることもある。実験室ミドルウェアは、実例をあげると、動作を実行するための命令を備えたコンピュータ読み取り可能プログラムを実行するプログラマブル・ロジック・コントローラとして具体化することもできる。
【0048】
[0031] 「試料輸送システム」(sample transportation system)という用語は、本明細書において使用する場合、実験室機器間で試料キャリア(各々1つ以上の試料コンテナを保持する)を輸送するように構成された任意の装置または装置コンポーネントを包含する。具体的には、試料輸送システムは、一次元コンベア・ベルト・ベース・システム、二次元輸送システム(磁気試料キャリア輸送システム等)、またはこれらの組み合わせである。
【0049】
[0032] 「実験室システム」(laboratory system)は、本明細書において使用する場合、1つ以上の分析実験室機器、分析前実験室機器、および分析語実験室機器、試料輸送システム、および/または実験室ミドルウェアを含む。
【0050】
[0033] 「分析」(analysis)または「分析検査」(analytical test)という用語は、本明細書において使用する場合、検体の機能的活動の存在または量を定性的に評価するあるいは定量的に測定するために、生体試料のパラメータを特徴付ける実験室手順を包含する。
【0051】
[0034] 「消耗品」(consumable)という用語は、試薬、システム液(system fluid)、品質管理資材(quality control material)、較正資材(calibrator material)、マイクロプレート/マイクロウェル・プレート、反応ベッセル、測定キュベット、試料管(sample tube)、ピペット・チップ等を含むが、これらに限定されるのではない。
【0052】
[0035] 「通信ネットワーク」(communication network)という用語は、本明細書において使用する場合、WiFi(商標)、GSM(商標)、UMTS、または他のワイヤレス・ディジタル・ネットワークのようなワイヤレス・ネットワーク、またはイーサネット(商標)等のようなケーブル系ネットワークの内任意の型式のものを包含する。具体的には、通信ネットワークはインターネット・プロトコルIPを実施することができる。例えば、通信ネットワークは、ケーブル系およびワイヤレス・ネットワークとの組み合わせを含む。
【0053】
[0036] 「リモート・システム」(remote system)または「サーバ」(server)という用語は、本明細書において使用する場合、データを受信し、処理し、送ることができる物理プロセッサまたは仮想プロセッサを有する任意の物理機械または仮想機械を包含する。サーバは、多くの場合個々に「サーバ」とも呼ばれる専用コンピュータ、または仮想サーバのような共有リソースを含む任意のコンピュータ上で実行することができる。多くの場合、コンピュータは様々なサービスを提供し、様々な実行するサーバを有することができる。したがたって、サーバという用語は、1つ以上のクライアント・プロセスとリソースを共有する任意のコンピュータ化デバイスを包含するものとする。更に、「リモート・システム」(remote system)または「サーバ」(server)という用語は、データ・ネットワーク全体(クラウド環境等)にわたって分散されたデータ送信および処理システムも包含する。
【0054】
[0037] 「ユーザ・インターフェース 」(user interface)という用語は、本明細書において使用する場合、操作員と機械とのあいだの対話処理のための任意の適したソフトウェアおよび/またはハードウェアを包含し、操作員からのコマンドを入力として受け取り、更にフィードバックを提供し、それに情報を伝えるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを含むが、これに限定されるのではない。また、システム/デバイスは、異なる種類のユーザ/操作員を担当するために、様々なユーザ・インターフェースを露出することができる。
【0055】
[0038] 「品質管理」(Quality control)または「分析品質管理」(analytical quality control)という用語は、実験室分析(分析検査)の結果が、首尾一貫し、比較可能であり、精度が高く、指定された精度範囲内にあることを確認するように設計された全てのプロセスおよび手順を意味する。
【0056】
[0039] これより、開示する方法の実施形態を、実例図を参照しながら、紹介する。
[0040] 図1の非常に模式的なブロック図に示すように、開示する実験室システム100は、複数の実験室機器10を備えており、これらは実験室機器10の第1グループ1および第2グループ2に分けられている。実験室計器10は、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2の内1つに通信可能に接続されている(例えば、通信ネットワークによって)。図1に示す例では、第1グループ1の実験室機器10は第1データ収集コンポーネント20.1に接続され、一方第2グループ2の実験室機器10は第2データ収集コンポーネント20.2に接続されている。図1の例では、随意の実験室ミドルウェア15が示されており、1つ以上の検査命令にしたがって、生体試料を処理するように、複数の実験室機器10に命令するように構成されている。本明細書において開示する種々の実施形態によれば、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、直接、または実験室ミドルウェア15を介して、実験室機器10に接続される。尚、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、専用ハードウェア・ユニット、および/または実験室ミドルウェア15、ルータ、あるいは本明細書において開示するようなデータ収集コンポーネントの機能を実行するように構成された任意のコンピューティング・デバイスのような、サーバ・コンピュータの一部(例えば、サーバ・インスタンス/プロセス、および/または仮想機械における)のいずれかであることを注記しておく。全ての実施形態のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に共通するのは、これらが特定のグループの実験室機器10に専用であり、実験室機器10の動作データに直接アクセスできることである。
【0057】
[0041] データ収集コンポーネント20.1、20.2は、例えば、通信ネットワークによって、リモート整備システム50に通信可能に接続されている。リモート整備システムに関するリモート(remote)という用語は、第1または第2グループの実験室機器10の少なくとも1つとは異なる場所に、コンピュータ・システムが配置されることとして理解されるものとする。
【0058】
[0042] これより図2図3Eに移り、開示する方法の実施形態について説明する。
[0043] 図には示されない準備ステップにおいて、実験室機器を種々のグループに類別する。実験室機器の類別は、それぞれの実験室機器の共通する物理的な場所、および/または種類、製造業者、および/またはそれぞれの実験室機器の作業エリアによる論理的類別に基づいてもよい。本明細書において開示する実施形態によれば、特定のグループの実験室機器が異なる物理的な場所に配置されてもよい。
【0059】
[0044] 他の準備ステップでは、実験室機器の各グループを、例えば、通信ネットワークによって、データ収集コンポーネントに通信可能に接続する。
[0045] 図2は、開示する方法の第1実施形態を実行するシステムのエレメント間における相互作用を示すスイム・レーン図を示す。
【0060】
[0046] 第1ステップ102において、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、第1または第2グループ1、2の実験室機器10から動作データを収集する。動作データは、それぞれの実験室機器10の1つ以上の動作パラメータを示す。
【0061】
[0047] 本明細書において開示する実施形態によれば、動作データは以下の内1つ以上を含む。
-湿度、温度、空気、水、電源品質、振動のような環境的要因。
【0062】
○それぞれの実験室機器内にあるセンサによって供給され、温度、湿度、電圧、電流、トルク(例えば、モータの)、ノイズ、および/または振動のような、実験室機器の1つ以上のコンポーネントの状態を示す。
【0063】
○実験室機器の外部に配置されたセンサによって供給され、実験室機器の近傍における温度、湿度、電圧、電流、トルク(例えば、モータの)、ノイズ、および/または振動を示すデータを供給する。
【0064】
-実験室機器のスループット、QC、および較正頻度のような、動作要因。
-実験室機器のQCおよび較正結果、エラー・メッセージ、ログ・ファイルのような、デバイスの性能要因。
【0065】
-有効期限、輸送、および保管状態を含む、消耗品についてのデータ。
-整備活動の実施/未実施(non-performance)、顧客整備期限/期限超過を含む、操作員の作業についてのデータ。
【0066】
-記憶空間および/またはメモリの可用性/不可用性、ソフトウェアの最新さを含む、HWおよびSW性能を示すデータ。
本明細書において開示する実施形態によれば、動作要因、消耗品についてのデータ、操作員の作業についてのデータ、および/またはHWおよびSW性能を示すデータは、データ収集コンポーネントによって実験室機器から引き出され、および/または実験室機器からのデータに基づいてデータ収集コンポーネントによって判定される。
【0067】
[0048] 続くステップ104において、第1グループ1の複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常を、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって検出する。
【0068】
[0049] 本明細書において開示する実施形態によれば、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、設定された閾値からの動作パラメータの逸脱を検出することを含む、1つ以上の異常検出規則を適用することによって、異常を検出する。閾値は、それぞれの実験室機器の製造業者によって設定されるか、および/または実験室システムの操作員によって設定される。具体的には、複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常を検出するステップ104は、実験室機器10の1つ以上の動作パラメータの製造業者動作範囲からの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップ、および/または実験室機器10の近傍であるがその外側に配置され、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2の内の1つに通信可能に接続された1つ以上のセンサによって取り込まれたデータに基づいて、実験室機器10周囲における1つ以上の環境パラメータの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップを含む。
【0069】
[0050] 加えて、または代わりに、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、実験室機器のログ・ファイル(1つまたは複数)を調べて、それぞれの実験室機器(1つまたは複数)に関係する異常を指し示す可能性があるログ・エントリを識別することによって、異常を検出する。
【0070】
[0051] このように、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、収集した動作データ、例えば、動作パラメータ、環境データ、および/またはログ・ファイル・エントリに基づいて、異常を検出することができる。例えば、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、1つ以上の動作パラメータの設定閾値からの逸脱を検出することによって、1つ以上の環境パラメータの設定閾値からの逸脱を検出することによって、および/または異常を指し示す可能性があるログ・エントリを識別することによって、複数の実験室機器10の内1つ以上の異常を検出することができる。
【0071】
[0052] 異常を示すデータは、異常を示す任意のデータ、例えば、動作データの逸脱、および/または異常が起こったことの指示、ならびに起こった異常の種類を含むことができる(例えば、ログ・ファイルにおけるフラグとして)。異常を示すデータは、自動的におよび/または入力によって(例えば、専門家からの入力)作成することができる。
【0072】
[0053] データ収集コンポーネント20.1、20.2は、例えば、実験室機器/システムまたはシステム・コンポーネントの障害(failure)を検出することにより、および/または正常なまたは容認可能な動作と見なされるステータスからのそれぞれの機器の逸脱を検出することにより、複数の実験室機器10の内1つ以上の異常を検出することができる。正常なまたは容認可能な動作は、例えば、製造業者/所有者/規制機関によって定められる動作パラメータ/仕様、同一または同様の機器のそれぞれの動作パラメータから統計的に判定された平均(mean/average)値(同等比較)、および/または操作員/技術者/専門家によって正常動作として印された動作の内の1つ以上によって定めることができる。
【0073】
[0054] 本明細書において開示する実施形態によれば、ステップ104において、第1グループ1の複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常は、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって検出され、および/または第2グループ2の複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常は、複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によって検出される。
【0074】
[0055] 異常の検出時に、ステップ106において、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ集合コンポーネント20.1は、コンテキスト・データをリモート整備システム50に送信する。「時に」(upon)という用語は、異常の検出直後の送信(技術的に実現可能な範囲で)、および/または異常の検出後、スケジュールおよび/または送信に基づいて、このような送信のための第1データ収集コンポーネント20.1とリモート整備システム50との間のネットワーク接続が利用可能になったときにおける、即座の送信を含むように理解することができる。コンテキスト・データは、動作データおよび異常を示すデータの双方を含む。本明細書において開示する実施形態によれば、コンテキスト・データは、異常が検出されていた間に収集された動作データ、ならびに異常が検出されるときよりも指定時間量だけ前に収集された動作データ、および/または異常が検出されてから指定時間量だけ後に収集された動作データというような、異常に関係する動作データだけを含む。更に、異常に関係する動作データは、異常が検出されていた間に生成されたそれぞれの実験室機器の検査結果データ、および/または異常が検出されるよりも指定時間量だけ前に生成されたそれぞれの実験室機器の検査結果データ、および/または異常が検出されてから指定時間量だけ後に生成されたそれぞれの実験室機器の検査結果データを含んでもよい。
【0075】
[0056] 本明細書において開示する実施形態によれば、異常の検出時、ステップ106において、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1がコンテキスト・データをリモート整備システム50に送信し、および/または複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2がコンテキスト・データをリモート整備システム50に送信する。
【0076】
[0057] 本明細書において開示する実施形態によれば、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、前記動作データをリモート整備システム50に送信する前に、複数の実験室機器10から収集した動作データから機密データを排除する。例えば、機密データは、患者を特定するデータ、実験室機器の1つによって行われた分析検査の結果、および/または実験室システム100の運営者によって設定された規制もしくは規則を考慮して機密であると分類される任意のデータを含む。
【0077】
[0058] データ収集コンポーネント20.1、20.2によって送信されたコンテキスト・データに基づいて、ステップ108において、動作データと異常(1つまたは複数)との間において1つ以上の相関(1つまたは複数)を、リモート整備システム50において判定する。本明細書において開示する実施形態によれば、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、このような相関(1つまたは複数)を示す入力を(例えば、専門家から)受け取ることによって判定される。あるいは、または加えて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、自動的に、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には、専門家による以前の判定(1つまたは複数)に基づいて(専門家監視パターン照合)判定される。本明細書において開示する他の実施形態によれば、相関の検出を改善するために、以前の専門家判定相関を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0078】
[0059] しかしながら、相関は必ずしも因果関係と関連付けられる訳ではないので、ステップ110において、リモート整備システム50において相関の妥当性を判断する。妥当性が確認された相関は、特定の動作データと異常との間における(ほぼ確実な)因果関係を示す。本明細書において開示する種々の実施形態によれば、因果関係の確率度/確率割合(degree/ percentage of probability of a causality)が設定され、これよりも高いときに相関の妥当性が確認される。本明細書において開示する実施形態によれば、(因果関係の)確率度/確率割合(これよりも高いときに相関の妥当性が確認される)は、異なる異常または異常の種類に対応して、例えば、それぞれの異常の厳しさ/影響によって、異なるレベルに設定される。本明細書において開示する実施形態によれば、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、このような妥当性判断(1つまたは複数)を示す入力(例えば、専門家からの入力)を受け取ることによって、その妥当性が判断される。あるいは、または加えて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)は、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には、専門家による以前の妥当性判断(1つまたは複数)に基づいて(専門家監視パターン照合)、自動的に妥当性が判断される。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、相関の妥当性判断を改善するために、以前に専門家によって判定された妥当性を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0079】
[0060] 以下の例は、更に、ステップ102~110を例示する。分析機器は、複数のコンポーネント(例えば、ピペット・デバイス、加熱デバイス、光源、検出デバイス)を含み、各コンポーネントはQC結果のような測定値を得ることに関与する。データ収集コンポーネント20.1、20.2は、各コンポーネントのQC結果および動作データを含む動作データを収集する。コンポーネントの各々の動作データは、分析機器内にあるセンサによって供給され、分析機器のコンポーネントの状態を示す。データ収集コンポーネントは、予め定められた範囲または目標値からのQC結果の逸脱を検出することによって、異常を検出する。QC結果の逸脱を検出すると、データ収集コンポーネントは、各コンポーネントのQC結果の逸脱(異常を示すデータ)および動作データを含むコンテキスト・データをリモート整備システム50に送信する。送信されたコンテキスト・データは、異常に関係するコンポーネントの動作データのみを含む。例えば、QC結果の逸脱が検出される前における指定時間量の間および/またはQC結果の逸脱が検出された後における指定時間量の間に収集された各コンポーネントの動作データを含む。続いて、リモート整備システム50は、コンポーネントの動作データとQC結果の逸脱との間において1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定する。いくつかのコンポーネントの動作データには、QC結果の逸脱と相関があるかもしれないが、他のコンポーネントの動作データは、QC結果の逸脱と相関がないかもしれない。例えば、加熱デバイスおよび光源の動作データは、QC結果の逸脱と相関があるが、ピペット・デバイスおよび検出デバイスの動作データは、QC結果の逸脱と相関がない。次いで、対応するコンポーネントの動作データについて判定された相関(1つまたは複数)とQC結果の逸脱との間における因果関係を判定するために、加熱デバイスおよび光源の動作データについて判定された相関の妥当性を判断する。例えば、光源の状態だけがQC結果の測定値に関連がありこれに影響を及ぼすが、加熱デバイスの状態には関連がない。したがって、光源の動作データとQC結果の逸脱との相関だけが、妥当性があると判断される。このように、相関の判定、および続いて行われる、判定された相関の妥当性判断に基づいて、複数のコンポーネントの内1つ以上の状態と異常との因果関係を判定することができる。
【0080】
[0061] 本明細書において開示する実施形態によれば、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、前記動作データをリモート整備システム50に送信する前に、複数の実験室機器10から収集した動作データの一部を排除する。例えば、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、以前の妥当性判断において相関の妥当性が判断されなかった、即ち、拒否された動作データを排除する。したがって、無効な相関に繋がる動作データを排除することによって、リモート整備システム50に送信されるデータの分量は、更に削減される。
【0081】
[0062] 続くステップ112において、妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を、リモート整備システム50において決定する。予測規則は、動作データがそれを満たす場合、一定量の時間枠において一定の確率で異常の発生を予測する条件を含む。本明細書において開示する実施形態によれば、異常の発生の確率および時間枠は、異なる異常または異常の種類に対応して、例えば、それぞれの異常の厳しさ/影響によって、異なるレベルに設定される。本明細書において開示する実施形態によれば、予測規則(1つまたは複数)によって定められる異常の発生確率は、因果関係の確率に等しい。本明細書において開示する他の実施形態によれば、予測規則(1つまたは複数)によって定められる異常の発生確率は、因果関係の確率の関数として判定される。例えば、因果関係の確率に、異常危険係数(anomaly risk factor)のような、個々のグループの実験室機器に特定的な値を乗算してもよい。
【0082】
[0063] 本明細書において開示する実施形態によれば、予測規則(1つまたは複数)は、このような予測規則(1つまたは複数)を示す入力(例えば、専門家からの入力)を受け取ることによって決定される。あるいは、または加えて、予測規則(1つまたは複数)は、自動的に、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には、専門家によって決定された以前の予測規則(1つまたは複数)に基づいて(専門家監視パターン照合)、決定される。本明細書において開示する他の実施形態によれば、予測規則(1つまたは複数)の決定を改善するために、以前に専門家が決定した予測規則を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0083】
[0064] 続くステップ114において、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)をリモート整備システム50によってデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信する。予測規則は、それらの決定後直ちに(技術的に可能な範囲で)、および/または流通スケジュールに基づいて、および/またはリモート整備システム50とデータ収集コンポーネント20.1、20.2との間におけるネットワーク接続が利用可能になったら直ちに、のいずれかで送信される。
【0084】
[0065] 本明細書において開示する実施形態によれば、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)は、リモート整備システム50によって、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1に、および/または複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2に送信される。
【0085】
[0066] 1つ以上の予測規則(1つまたは複数)を受け取った後、ステップ116において、複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上20.1、20.2は、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、複数の実験室機器10の内1つ以上の異常(1つまたは複数)の発生を予測する。異常(1つまたは複数)の発生を予測するステップ116は、既定の確率で、一定の時間量内にそれぞれの異常が発生しようとしていることを判定するステップを含む。
【0086】
[0067] 予測規則をデータ収集コンポーネント20.1、20.2に展開することによって、開示する方法/システムは、異常発生の適時予測を可能にする。更に、予測規則をデータ収集コンポーネント20.1、20.2に展開することによって、開示する方法/システムは、プライバシーまたは技術的な理由で、リモート整備システム50においてコンテキスト・データが入手できない(または制約されている)実験室機器10に関しても、異常の予測を可能にする。これは、実験室機器10自体が遠隔地にデータをアップロードできなくても、これらの実験室機器について異常予測を可能にすることによって、既知の解決策に対して大きな利点を提供する。本明細書において開示する特定実施形態によれば、可搬型記憶デバイス、光または磁気データ担体のような、オフライン・データ担体上で、予測規則を特定のデータ収集コンポーネントに分散させてもよい。
【0087】
[0068] 本明細書において開示する実施形態によれば、異常の発生を予測したとき、データ収集コンポーネント20.1、20.2によって取り込まれる、実験室機器10からの動作データのパラメータの頻度(frequency)および/または分量および/または選択を増やす、または変更する。言い換えると、異常の発生を予測したとき、データ収集コンポーネント20.1、20.2は実験室機器10をはるかに念入りに、具体的には、設定された緊密監視期間の間監視する。
【0088】
[0069] これより図3A図3Eに移り、開示する方法の更に他の実施形態について説明する。
[0070] 図3Aは、オフ・ページ・コネクタA、B1、およびB2までのスイム・レーン図の第1ページを示す。図3Bは、図3Aから図3Eのスイム・レーン図の内、オフ・ページ・コネクタA、B1、およびB2からの第2ページを示す。
【0089】
[0071] 本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、図3Bに示すように、ステップ116において、異常が検出されたが予測されていなかった場合、ステップ117において、それぞれのデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)の失敗(failure)、具体的には、検出されたが予測されていなかった異常に関連する予測規則の失敗を示すデータを、リモート整備システム50に送信する。一方、予測規則を使用してデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって異常が予測された場合、ステップ118において、それぞれのデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、異常を予測した予測規則(1つまたは複数)の成功を示すデータを送信する。特定実施形態によれば、予測規則の成功は、偽陽性を除外するために、その成功を示すデータを送信する前に、確認される。成功の確認は、予測規則の成功を示す入力(専門家からの)を受け取ることによって行われてもよく、および/または自動的に、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には、専門家による以前の確認に基づいて(専門家監視パターン照合)判定されてもよい。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、予測規則の確認を改善するために、以前の専門家の確認を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0090】
[0072] 続くステップ120において、リモート整備システム50は、予測規則(1つまたは複数)の成功または失敗を示すデータを評価する。成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る場合、予測規則(1つまたは複数)に有効というフラグを立てる。他方で、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る場合、予測規則(1つまたは複数)に無効というフラグを立てる。上回るという用語は、成功対失敗の指示数の比較を含むように理解されるものとする。あるいは、または加えて、重み付け関数を適用してもよく、成功を示すデータと比較して、失敗を示すデータを異なる重みで考慮する。更に、このような指示の発生源(特定のデータ収集コンポーネント)が、成功または失敗の指示の重み付けに作用してもよい。ステップ120の評価に続いて、リモート整備システム50は、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効というフラグが立てられた予測規則(1つまたは複数)を破棄するように命令する。破棄とは、格納されている予測規則のリストからの削除、および/または前記予測規則の無効化(deactivating) 、および/または無効と印された予測規則から得られたあらゆる予測を見直すための(専門家による)指定(flagging)を含むように理解するものとする。
【0091】
[0073] 図3Cは、図3A図3Eのスイム・レーン図の内、図3Bのオフ・ページ・コネクタC1、C2、およびDからの第3ページを示す。
[0074] 本明細書において開示し図3Cに示す実施形態によれば、ステップ130において、異常に対応する1つ以上の処方的整備処置(prescriptive maintenance action)(1つまたは複数)を、リモート整備システム50において決定する。処方的整備処置には、実験室機器10の内1つ以上に関して実行されると、異常の発生確率を低下させる命令(1つまたは複数)が含まれる。本明細書において開示する実施形態によれば、処方的整備処置(1つまたは複数)は、このような処方的整備処置(1つまたは複数)を示す入力(例えば、専門家からの入力)を受け取ることによって決定される。あるいは、または加えて、整備処置(1つまたは複数)は、自動的に、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には,専門家によって決定された以前の処方的整備処置(1つまたは複数)に基づいて(専門家監視パターン照合)決定される。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、整備処置(1つまたは複数)の決定を改善するために、以前に専門家が決定した整備処置を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0092】
[0075] 続くステップ132において、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)をリモート整備システム50から複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信する。
【0093】
[0076] 異常の発生を予測したとき、ステップ134において、複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上20.1、20.2が、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起する。
【0094】
[0077] 本明細書において開示する実施形態によれば、処方的整備処置は、コンピュータ読み取り可能命令(1つまたは複数)を含み、データ収集コンポーネント20.1、20.2がそれぞれの実験室機器10に1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令する。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、処方的整備処置は、実験室機器10上において操作員/保守技術員によって実行される人間読み取り可能命令(1つまたは複数)を含む。
【0095】
[0078] 本明細書において開示する実施形態によれば、処方的整備処置(1つまたは複数)は、以下の内1つ以上を含む。
-それぞれの実験室機器10上においてソフトウェアまたはソフトウェア・コンポーネントを更新する。
【0096】
-複数の実験室機器10間において作業負荷の再分配を行わせる。本明細書において開示する実施形態によれば、複数の実験室機器10間における作業負荷の再分配は、実験室ミドルウェア15に、1つ以上の負荷均衡化規則を調節して、影響を受けた機器にかかる負荷を低減させるように命令することを含む。
【0097】
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)10から、予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)10以外の実験室機器10に、1つ以上の生体試料の宛先を変更する。
【0098】
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)10の1つ以上の部品の交換および/または保守(service)を誘起する。
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)10の較正および/または品質管理プロセスを誘起する。
【0099】
-不適切な取り扱いおよび/または製造業者の製品回収の対応する指示がある試薬および/または試薬のロットの破棄を誘起する。
-不適切な整備の対応する指示がある実験室機器(1つまたは複数)10の破棄を誘起する。
【0100】
-実験室機器(1つまたは複数)または実験室機器(1つまたは複数)のコンポーネント(1つまたは複数)の自動再調節を誘起する。
処方的整備処置(1つまたは複数)の誘起には、データ収集コンポーネント20.1、20.2が、それぞれの実験室機器10に、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令すること、および/または処方的整備処置を、操作員/保守技術員に実行させる人間読み取り可能命令(1つまたは複数)として提供させることが含まれる。処方的整備処置の人間読み取り可能命令(1つまたは複数)は、それぞれの実験室機器10に含まれるユーザ・インターフェース上、またはそれぞれの実験室機器10に接続されたユーザ・インターフェース上において操作員/保守技術員に提示されてもよく、および/または電子メール、SMS、インスタント・メッセージング・アラートのような、電子通信手段によって操作員/保守技術員に送られてもよい。加えて、または代わりに、人間読み取り可能命令(1つまたは複数)は、ウェアラブル・デバイス上において、具体的には、実験室機器10上で実行される一連のステップとして処方的整備処置(1つまたは複数)を提示するように構成された拡張現実デバイス上で、操作員/保守技術員に提示される。
【0101】
[0079] 処方的整備処置の有効性を測定するために、ステップ136において、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、それぞれの実験室機器10を監視して、異常が回避されたか否か判定する。異常が検出できなかった場合、ステップ138において、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、処方的整備処置(1つまたは複数)の成功を示すデータを、リモート整備システム50に送信する。処方的整備処置の誘起にも拘わらず、異常が検出された場合、ステップ139において、データ収集コンポーネント20.1、20.2は処方的整備処置(1つまたは複数)の失敗を示すデータを送信する。
【0102】
[0080] 図3Dは、図3Cのオフ・ページ・コネクタE1、E2、およびFからのスイム・レーン図の第4ページを示す。図3Dに示すように、ステップ140において、リモート整備システム50は、処方的整備処置の成功または失敗を示すデータを評価する。成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る場合、処方的整備処置には有効のフラグが立てられる。他方で、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る場合、処方的整備処置には無効のフラグが立てられる。上回るという用語は、成功対失敗の指示数の比較を含むように理解されるものとする。あるいは、または加えて、重み付け関数を適用してもよく、成功を示すデータと比較して、失敗を示すデータを異なる重みで考慮する。更に、このような指示の発生源(特定のデータ収集コンポーネント)が、成功または失敗の指示の重み付けに作用してもよい。ステップ140の評価に続いて、ステップ142において、リモート整備システム50は、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効というフラグが立てられた処方的整備処置を破棄するように命令する。破棄とは、格納されている処方的整備処置のリストからの削除、および/または前記処方的整備処置の無効化(deactivating) 、および/または無効と印されたあらゆる処方的整備処置を見直すための(専門家による)指定を含むように理解するものとする。
【0103】
[0081] 更に図3Dに示すように、本明細書において開示する実施形態によれば、異常の影響(悪影響)を低減するために、軽減処置を決定し割り当てる(distribute)。言い換えると、異常軽減処置が実施されるのは、あらゆる努力にも拘わらず(予防的、処方的、または他の形態の整備)、一定の時間量において異常が発生したとき、または発生すると予測されるときである。例えば、実験室機器10のコンポーネントが故障することが不可避である場合、異常軽減処置は、全ての未処理の生体試料をそれぞれの実験室機器10から取り外し、これらを他の実験室機器に転送するか、または故障が修正されるまで、保管庫に入れておくことを含む。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、軽減処置は、未だ異常を経験したことがないが、リモート整備システム50によって異常に直面する危険性があると判定された実験室機器10のグループのデータ収集コンポーネント20.1、20.2に展開される。軽減処置は、例えば、実験室機器の操作員の新たな訓練活動、または更新した訓練活動を誘起するという形態であってもよい。
【0104】
[0082] ステップ150において、異常に対応する1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)をリモート整備システム50において決定する。1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)は、実験室機器10の内1つ以上によって実行されると、異常の悪影響を軽減する命令(1つまたは複数)を含む。本明細書において開示する実施形態によれば、異常軽減処置(1つまたは複数)、このような異常軽減処置(1つまたは複数)を示す入力を(例えば、専門家から)受け取ることによって決定される。あるいは、または加えて、異常軽減処置(1つまたは複数)は、自動的に、1組の規則、パターン認識方法を使用して、具体的には、専門家によって決定された以前の異常軽減処置に基づいて(専門家監視パターン照合)決定される。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、異常軽減処置(1つまたは複数)の決定を改善するために、以前に専門家が決定した異常軽減処置を教師データとして有する機械学習方法を採用する。
【0105】
[0083] 本明細書において開示する実施形態によれば、異常軽減処置は、コンピュータ読み取り可能命令(1つまたは複数)を含み、データ収集コンポーネント20.1、20.2が、それぞれの実験室機器10に、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)を実行するように命令する。本明細書において開示する更に他の実施形態によれば、異常軽減処置は、実験室機器10上において操作員/保守技術員によって実行される人間読み取り可能命令を含む。
【0106】
[0084] ステップ152において、リモート整備システム50は1つ以上の軽減処置(1つまたは複数)を複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信する。
[0085] 続くステップ154において、実験室機器10の1つ以上に1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令したデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって異常が検出された場合、データ収集コンポーネント20.1、20.2は1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)の実行を誘起する。異常軽減処置(1つまたは複数)の誘起には、データ収集コンポーネント20.1、20.2が、それぞれの実験室機器10に、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)を実行するように命令すること、および/または異常軽減処置を、操作員/保守技術員に実行させる人間読み取り可能命令として、供給させることが含まれる。
【0107】
[0086] 図3Eは、図3Dのオフ・ページ・コネクタG1、G2、およびFからのスイム・レーン図の第4ページを示す。異常軽減処置の有効性を測定するために、ステップ156において、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネント20.1、20.2は、それぞれの実験室計器10を監視し、異常の影響が軽減(低減)されたか否か判定する。異常を軽減できた場合、ステップ158において、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、異常軽減処置(1つまたは複数)の成功を示すデータを、リモート整備システム50に送信する。異常軽減処置の誘起にも拘わらず、異常が軽減されなかった場合、ステップ159において、データ収集コンポーネント20.1、20.2は、異常軽減処置(1つまたは複数)の失敗を示すデータを送信する。
【0108】
[0087] 図3Eに示すように、ステップ160において、リモート整備システム50は、異常軽減処置の成功または失敗を示すデータを評価する。成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る場合、異常軽減処置には有効のフラグが立てられる。他方で、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る場合、異常軽減処置には無効のフラグが立てられる。 上回るという用語は、成功対失敗の指示数の比較を含むように理解されるものとする。あるいは、または加えて、重み付け関数を適用してもよく、成功を示すデータと比較して、失敗を示すデータを異なる重みで考慮する。更に、このような指示の発生源(特定のデータ収集コンポーネント)が、成功または失敗の指示の重み付けに作用してもよい。ステップ160の評価に続いて、ステップ162において、リモート整備システム50は、複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効というフラグが立てられた異常軽減処置を破棄するように命令する。破棄とは、格納されている異常軽減処置のリストからの削除、および/または前記異常軽減処置の無効化(deactivating) 、および/または無効と印されたあらゆる異常軽減処置を専門家によって見直すための指定を含むように理解するものとする。
【0109】
[0088] これより図4に移り、開示するシステムの実施形態および対応する方法を開示する。これは、リモート整備システムを有することにより、コンテキスト・データの可用性(予知/処方的整備および軽減のため)と地域的レベルまたは広域的レベルにおけるプライバシーおよび規制によるその可用性の制限との間において釣り合いを取る必要性に対処する。図4は、開示した実験室システム100の更に他の実施形態の非常に模式的なブロック図を示し、リモート整備システム50は複数の地域サーバ150を備え、各々が複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2に通信可能に接続されている。
【0110】
[0089] 各々複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2に通信可能に接続された1つ以上の地域サーバ(1つまたは複数)150を備えたリモート整備システム50に対応する開示方法の実施形態は、更に、各地域サーバ150が、動作データとそれぞれの地域に特定的な異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を検出するために、特定の地域サーバ150に接続されている実験室機器10の全てに共通する動作パラメータ、および/またはその部分集合に共通する動作パラメータを分析するステップを含む。このような方法/システムは、異常と、地域に特定的であるがその地域内におけるいくつかのグループの実験室機器に共通するコンテキスト・データとの間における相関の検出を可能にするので、有利である。例えば、特定の消耗品のために、時折範囲外の分析検査結果が出たことが観察されたことがあるとする。各データ収集コンポーネントにおける調査により、範囲外の結果は、様々な場所(実験室機器のグループ)において起こっていたが、特定の地域だけではなかったことが判明した。地域サーバにおける更なる調査の後、特定の言語を有する特定の地域に配達されたある種の試薬ロットに対応する添付文書に、希釈係数に関する誤訳があったことが判明した。この場合、実験室機器のいずれによって使用される試薬のロット番号であってもチェックすることを条件とする予測規則が決定された。この異常に対応する処方的処置は、翻訳を訂正した更新版添付文書を提供することである。間違って希釈された試薬が既に実験室機器に装填されてしまった場合(したがって、もはや異常を回避することができなかった)、対応する軽減処置は、このような試薬を使用してそれ以上の試料を処理することを停止し、あらゆる検査結果に無効(invalid)のフラグを立てることである。この例が示すように、特定の地域に対して「抽象」レベルを有することは、地域全体に適用可能な相関、予測規則、処方的処置および軽減処置を決定するときに有利である。更に他の地域因子(regional factor)には、1つの地域内にある実験室機器10のグループに共通の規制上の制約、共通の消耗品輸送および保管条件、および/または実験室機器の動作に影響を及ぼす共通の環境要因(高湿度、高い高度、例えば、メキシコ・シティ)が含まれる。
【0111】
[0090] 更に、図4には、複数の地域サーバ150に通信可能に接続された広域サーバ250も示されている。広域(global)および地域(regional)という用語は、相対的な関係で解釈されることとする。即ち、広域サーバ250は、地域サーバ150よりも多くの数の実験室機器10のグループに通信可能に接続される(地域サーバおよびそれぞれのデータ収集コンポーネントを介して)。広域および地域という用語は、地理的および/または論理的類別を含む。複数の地域サーバ150に通信可能に接続された広域サーバ250を更に備え、階層的に編成されたリモート整備システム50に対応する開示方法の実施形態は、更に、
-各地域サーバ150が、地域的な機密データを動作データから排除するステップと、
-複数の地域サーバ150の各々が、選別した動作データを広域サーバ250に送信するステップと、
-広域サーバ250が、動作データと異常(1つまたは複数)との間における、広域的に関連のある相関(1つまたは複数)を、地域に関係なく検出するために、実験室システム100の全ての実験室機器10に共通の動作パラメータを分析するステップと、
を含む。
【0112】
[0091] 地域に関係ない広域的要因には、同じ種類の実験室機器ならばそのいずれの動作にも影響を及ぼす設計または製造パラメータ、広域的に共通の整備および動作プロセス、および/または広域的に共通な実験室機器のソフトウェア・バージョン、および/またはそれぞれの実験室機器(1つまたは複数)の設置後に得られた知見(例えば、実験室機器の提供業者の保守組織において)が含まれる(が、これらに限定されるのではない)。
【0113】
[0092] 更に開示するのは、命令を含むコンピュータ・プログラム製品であり、リモート整備システム50、ならびに生体試料を処理する第1グループ1および第2グループ2の実験室機器10と、第1グループ1または第2グループ2の実験室機器10に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2と、データ収集コンポーネント20.1,20.2に通信可能に接続されたリモート整備システム50とを備え、第1グループ1の実験室機器10が第1データ収集コンポーネント20.1に接続され、一方第2グループ2の実験室機器10が第2データ収集コンポーネント20.2に接続された実験室システム100の複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2によって命令が実行されると、実験室システム100に、本明細書において開示した方法の内任意の1つのステップを実行させる。つまり、具体的には、本明細書において開示した方法ステップの内1つ、2つ以上、または全てであっても、コンピュータまたはコンピュータ・ネットワーク(クラウド・コンピューティング・サービス等)、あるいは任意の適したデータ処理機材(equipment)を使用することによって、実行することができる。本明細書において使用する場合、コンピュータ・プログラム製品とは、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、ダウンロード可能なファイルで、あるいは自社内または遠隔地(クラウド)にあるコンピュータ読み取り可能データ担体上にというように、任意のフォーマットで存在することができる。コンピュータ・プログラム製品は、非一時的コンピュータ読み取り可能データ担体、サーバ・コンピュータ、およびデータ搬送信号のような一時的コンピュータ読み取り可能データ担体上に格納することもできる。具体的には、データ・ネットワークを通じてコンピュータ・プログラム製品を流通させることもできる。更に、コンピュータ・プログラム製品だけでなく、実行ハードウェアも、自社内またはクラウド環境内というような遠隔地(a remotely)に配置することができる。
【0114】
[0093] 更に開示および提案するのは、命令を含む非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体であり、生体試料を処理する第1グループ1および第2グループの実験室機器10と、第1グループ1または第2グループの実験室機器10に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2と、データ収集コンポーネント20.1,20.2に通信可能に接続されたリモート整備システム50とを備える実験室システム100のリモート整備システム50によって命令が実行されると、実験室システム100に、本明細書において開示した方法の内任意の1つのステップを実行させる。
【0115】
[0094] 更に開示および提案するのは、命令を含む変調データ信号であって、生体試料を処理する第1グループ1および第2グループの実験室機器10と、第1グループ1または第2グループの実験室機器10に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2と、データ収集コンポーネント20.1,20.2に通信可能に接続されたリモート整備システム50とを備える実験室システム100のリモート整備システム50によって命令が実行されると、実験室システム100に、本明細書において開示した方法の内任意の1つのステップを実行させる。
【0116】
[0095] ある実施形態によれば、実験室機器10からの動作データは、第1グループの実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント20.1,20.2によって収集され、動作データは、それぞれの実験室機器10の1つ以上の動作パラメータを示す。第1グループ1の複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常は、収集された動作データに基づいて、第1グループ1の実験室機器10に接続されている複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって検出される。コンテキスト・データは、異常の検出時に、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって、リモート整備システム50に送信され、コンテキスト・データは、動作データと、異常を示すデータとを含む。動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を、リモート整備システム50において判定する。リモート整備システム50において、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断する。妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を、リモート整備システム50において決定する。リモート整備システム50によって、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント20.1、20.2に1つ以上の予測規則(1つまたは複数)を送信する。1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、第2グループ2の実験室機器10に接続されている複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によって、少なくとも第2グループ2の実験室機器における複数の実験室機器10の内1つ以上の異常の発生を予測する。
【0117】
[0096] 一例によれば、実験室機器10からの動作データは、異常の検出、コンテキスト・データの送信、動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)の判定、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性判断、および妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則の決定のために、第1グループ1の実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって収集される。実験室機器10からの動作データは、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2による、少なくとも第2グループ2の実験室機器における複数の実験室機器10の内1つ以上の異常の発生の予測のために、第2グループ2の実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によって収集される。
【0118】
[0097] 一例によれば、実験室機器10からの動作データは、第1グループ1の実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって収集され、動作データは、それぞれの実験室機器10の1つ以上の動作パラメータを示す。第1グループ1の複数の実験室機器10の内1つ以上に関係する異常は、収集された動作データに基づいて、第1グループ1の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって検出される。コンテキスト・データは、異常の検出時に、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1からリモート整備システム50に送信され、コンテキスト・データは、動作データと、異常を示すデータとを含む。動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を、リモート整備システム50において判定する。リモート整備システム50において、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断する。妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を、リモート整備システム50において決定する。1つ以上の予測規則(1つまたは複数)は、リモート整備システム50によって、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信される。実験室機器10からの動作データは、第2グループ2の実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によって収集される。動作データは、それぞれの実験室機器10の1つ以上の動作パラメータを示し、第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2による、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づく、少なくとも第2グループ2の実験室機器の複数の実験室機器10の内1つ以上の異常の発生の予測のために使用される。
【0119】
[0098] ある実施形態によれば、実験室機器10からの動作データは、第1グループ1の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント、第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント、更に第3グループの実験室機器に接続されたデータ収集コンポーネントによって収集され、動作データは、それぞれの実験室機器10の1つ以上の動作パラメータを示す。第1グループ1の複数の機器10の内1つ以上に関係する異常は、収集された動作データに基づいて、第1グループ1の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって検出され、および/または第2グループ2の複数の機器10の内1つ以上に関係する異常は、収集された動作データに基づいて、第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によって検出される。コンテキスト・データは、異常の検出時に、複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネント20.1によって、および/または複数のデータ収集コンポーネントの内第2データ収集コンポーネント20.2によってリモート整備システム50に送信され、コンテキスト・データは、動作データと、異常を示すデータとを含む。動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を、リモート整備システム50において判定する。リモート整備システム50において、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断する。妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を、リモート整備システム50において決定する。1つ以上の予測規則(1つまたは複数)は、リモート整備システム50によって、第1グループ1の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント、第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント、更に第3グループの実験室機器に接続されたデータ収集コンポーネントに送信される。少なくとも第3グループの実験室機器における複数の実験室機器の内1つ以上の異常の発生は、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、第3グループの実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第3データ収集コンポーネントによって予測される。
【0120】
[0099] 一例によれば、実験室機器10からの動作データは、異常の検出、コンテキスト・データの送信、動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)の判定、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性判断、および妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則の決定のために、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって収集される。実験室機器からの動作データは、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、第3グループの実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第3データ収集コンポーネントによる、少なくとも第3グループの実験室機器における複数の実験室機器の内1つ以上の異常の発生の予測のために、第3グループの実験室機器に接続された複数のデータ収集コンポーネントの内第3データ収集コンポーネントによって収集される。
【0121】
[00100] ある実施形態によれば、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2の1つ以上は、異常が検出されたが予測されなかった場合、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)の失敗を示すデータをリモート整備システム50に送信する。および/または第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数複数のデータ収集コンポーネント20.1,20.2の1つ以上は、特に異常の予測が確認されていた場合、リモート整備システム50に、異常を予測した予測規則(1つまたは複数)の成功を示すデータを送信する。リモート整備システム50は、予測規則(1つまたは複数)の成功および(respectively)失敗を示す前記データを評価し、成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に、有効のフラグを立て、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に、無効のフラグを立てる。リモート整備システム50は、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効のフラグが立てられた予測規則(1つまたは複数)を破棄するように命令する。
【0122】
[00101] ある実施形態によれば、異常に対応する1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)をリモート整備システム50において決定する。1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)は、命令(1つまたは複数)を含み、命令が実験室機器10の1つ以上に関して実行されると、異常の発生の確率を下げる。1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)は、リモート整備システム50から、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信される。第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数の収集コンポーネント20.1,20.2の1つ以上は、異常の発生を予測したときに、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起する。これは、実験室機器10の1つ以上に、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行すること、および/または処方的整備処置(1つまたは複数)を操作員に提示する(provide)ように命令することを含む。
【0123】
[00102] ある実施形態によれば、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって異常を検出することができなかった場合、処方的整備処置の成功を示すデータがリモート整備システム50に送信される。1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって異常が検出されなかった場合、処方的整備処置の失敗を示すデータが、リモート整備システム50に送信される。リモート整備システム50は、処方的整備処置の成功および失敗を示す前記データを評価し、成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に、有効のフラグを立て、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に、無効のフラグを立てる。リモート整備システム50は、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効のフラグが立てられた処方的整備処置(1つまたは複数)を破棄するように命令する。
【0124】
[00103] ある実施形態によれば、異常に対応する1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)をリモート整備システム50において決定する。1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)は、命令(1つまたは複数)を含み、命令が実験室機器10の1つ以上によって実行されると、異常の悪影響を軽減する。1つ以上の軽減処置(1つまたは複数)は、リモート整備システム50から、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に送信される。データ収集コンポーネント20.1、20.2は、実験室機器10の1つ以上に1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令した収集コンポーネント20.1、20.2によって異常が検出された場合、1つ以上の異常軽減処置の実行を誘起する。
【0125】
[00104] ある実施形態によれば、異常の悪影響が軽減された場合、軽減処置(1つまたは複数)の成功を示すデータが、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2からリモート整備システム50に送信される。異常の悪影響を軽減できなかった場合、軽減処置(1つまたは複数)の失敗を示すデータがリモート整備システム50に送信される。リモート整備システム50は、軽減処置(1つまたは複数)の成功および失敗を示す前記データを集計し(consolidate)、成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に有効のフラグを立て、失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に無効のフラグを立てる。リモート整備システム50は、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に、無効のフラグが立てられた軽減処置(1つまたは複数)を破棄するように命令する。
【0126】
[00105] ある実施形態によれば、複数の実験室機器10の1つ以上に関係する異常を検出するステップは、
-実験室機器10の1つ以上の動作パラメータの製造業者の動作範囲からの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
-実験室機器10の近傍であるがその外側に配置され、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.1の内の1つに通信可能に接続された1つ以上のセンサ12によって取り込まれたデータに基づいて、実験室機器10の周りにおける1つ以上の環境パラメータの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
を含む。
【0127】
[00106] ある実施形態によれば、整備方法は、更に、異常の発生を予測するとき、第1グループ1の実験室機器10および第2グループ2の実験室機器10に接続されたデータ収集コンポーネント20.1、20.2によって取り込まれた、実験室機器10からの動作パラメータの頻度、および/または分量、および/または選択を増やすステップも含む。
【0128】
[00107] ある実施形態によれば、リモート整備システム50は、各々複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2に通信可能に接続された1つ以上の地域サーバ(1つまたは複数)150を備える。前述の方法は、更に、各地域サーバ150が、動作データとそれぞれの地域に特定的な異常(1つまたは複数)との間における相関を検出するために、特定の地域サーバ150に接続された実験室機器10の全てに共通する動作パラメータ、および/またはその部分集合に共通する動作パラメータを分析するステップを含む。ある実施形態によれば、地域サーバ150に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネント20.1、20.2の各々は、特定のグループの実験室機器に専用である。
【0129】
[00108] 第1の態様によれば、実験室システムの整備方法を提案する。実験室システムは、生体試料を処理する第1および第2グループの実験室機器と、第1または(respectively)第2グループの実験室機器に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネントと、データ収集コンポーネントに通信可能に接続されたリモート整備システムとを備える。この方法は、
-データ収集コンポーネントによって実験室機器からの動作データを収集するステップであって、動作データがそれぞれの実験室機器の1つ以上の動作パラメータを示す、ステップと、
-複数のデータ収集コンポーネントの内第1データ収集コンポーネントによって、第1グループの複数の実験室機器の1つ以上に関係する異常を検出するステップと、
-異常の検出時に、複数のデータ収集コンポーネントの内第1のデータ収集コンポーネントによって、コンテキスト・データをリモート整備システムに送信するステップであって、コンテキスト・データが動作データと異常を示すデータとを含む、ステップと、
-リモート整備システムにおいて、動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定するステップと、
-リモート整備システムにおいて1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するステップと、
-リモート整備システムにおいて、妥当性が確認された相関に対応する1つ以上の予測規則を決定するステップと、
リモート整備システムによって、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)をデータ収集コンポーネントに送信するステップと、
-複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上によって、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)に基づいて、複数の実験室機器の内1つ以上の異常の発生を予測するステップと、
を含む。
【0130】
[00109] 第2の態様によれば、第1の態様による整備方法を提案する。この方法は、更に、
-異常が検出されたが予測されていなかった場合、複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上が、1つ以上の予測規則(1つまたは複数)の失敗を示すデータを、リモート整備システムに送信するステップ、および/または
-特に、異常の予測が確認されていた場合、複数のデータ収集コンポーネントの内1つ以上が、異常を予測した予測規則(1つまたは複数)の成功を示すデータを、リモート整備システムに送信するステップ、
-リモート整備システムが、予測規則(1つまたは複数)の成功または(respectively)失敗を示す前記データを評価し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に有効のフラグを立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る予測規則(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-リモート整備システムが、複数のデータ収集コンポーネントに、無効のフラグが立てられた予測規則(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む。
【0131】
[00110] 第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様による整備方法を提案する。この方法は、更に、
-リモート整備システムにおいて、異常に対応する1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を決定するステップであって、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)が、命令(1つまたは複数)を含み、この命令が実験室機器の1つ以上に関して実行されると、異常の発生の確率を低下させる、ステップと、
-1つ以上の処方的整備処置をリモート整備システムから複数のデータ収集コンポーネントに送信するステップと、
-異常の発生を予測したときに、複数の収集コンポーネントの内1つ以上が、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起するステップであって、実験室機器の1つ以上に、1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令する、および/または処方的整備処置(1つまたは複数)を操作員に提示する(provide)動作を含む、ステップと、
を含む。
【0132】
[00111] 第4の態様によれば、第3の態様による整備方法を提案する。この方法は、更に、
-1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネントによって異常を検出することができなかった場合、処方的整備処置の成功を示すデータをリモート整備システムに送信するステップと、
-1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)の実行を誘起したデータ収集コンポーネントによって異常が検出された場合、処方的整備処置の失敗を示すデータをリモート整備システムに送信するステップと、
-リモート整備システムが、処方的整備処置の成功または失敗を示す前記データを評価し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に有効のフラグと立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る処方的整備処置(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-リモート整備システムが、複数のデータ収集コンポーネントに、無効のフラグが立てられた処方的整備処置(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む。
【0133】
[00112] 第5の態様によれば、第3の態様または第4の態様による整備方法を提供し、処方的整備処置(1つまたは複数)が以下の内1つ以上を含む。
-それぞれの実験室機器上のSWを更新する。
【0134】
-複数の実験室機器間における作業負荷の再分配を行わせる。
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)から、予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)以外の実験室機器(1つまたは複数)に、1つ以上の生体試料の宛先を変更する。
【0135】
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)の1つ以上の部品の交換および/または保守(service)を誘起する。
-予測された異常に対応する実験室機器(1つまたは複数)の較正および/または品質管理プロセスを誘起する。
【0136】
-不適切な取り扱いおよび/または製造業者の製品回収の対応する指示がある試薬および/または試薬のロットの破棄を誘起する。
-不適切な整備の対応する指示がある実験室機器(1つまたは複数)の破棄を誘起する。
【0137】
[00113] 第6の態様によれば、第3の態様から第5の態様までのいずれか1つによる整備方法を提案する。この方法は、更に、
-リモート整備システムにおいて、異常に対応する1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)を決定するステップであって、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)が、命令を含み、この命令が実験室機器の1つ以上によって実行されると、異常の悪影響を軽減する、ステップと、
-1つ以上の軽減処置(1つまたは複数)をリモート整備システムから複数のデータ収集コンポーネントに送信するステップと、
-実験室機器の1つ以上に1つ以上の処方的整備処置(1つまたは複数)を実行するように命令したデータ収集コンポーネントによって異常が検出された場合、このデータ収集コンポーネントが、1つ以上の異常軽減処置(1つまたは複数)の実行を誘起するステップと、
を含む。
【0138】
[00114] 第7の態様によれば、第6の態様による整備方法を提案する。この方法は、更に、
-異常の悪影響が軽減された場合、軽減処置(1つまたは複数)の成功を示すデータを、複数のデータ収集コンポーネントからリモート整備システムに送信するステップと、
-異常の悪影響を軽減できなかった場合、軽減処置(1つまたは複数)の失敗を示すデータをリモート整備システムに送信するステップと、
-リモート整備システムが、軽減処置(1つまたは複数)の成功および失敗を示す前記データを集計し、
-成功を示すデータが失敗を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に有効のフラグを立てるステップと、
-失敗を示すデータが成功を示すデータを上回る軽減処置(1つまたは複数)に無効のフラグを立てるステップと、
-リモート整備システムが、複数のデータ収集コンポーネントに、無効のフラグが立てられた軽減処置(1つまたは複数)を破棄するように命令するステップと、
を含む。
【0139】
[00115] 第8の態様によれば、前出の態様のいずれかによる整備方法を提案する。ここでは、複数の実験室機器の1つ以上に関係する異常を検出するステップが、
-実験室機器の1つ以上の動作パラメータの製造業者の動作範囲からの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
-実験室機器の近傍であるがその外側に配置され、複数のデータ収集コンポーネントの内の1つに通信可能に接続された1つ以上のセンサによって取り込まれたデータに基づいて、実験室機器の周りにおける1つ以上の環境パラメータの逸脱(1つまたは複数)を検出するステップと、
を含む。
【0140】
[00116] 第9の態様によれば、前出の態様のいずれかによる整備方法を提案する。この方法は、更に、異常の発生を予測したときに、データ収集コンポーネントによって取り込まれた、実験室機器からの動作データのパラメータの頻度、および/または分量、および/または選択を増やすステップを含む。
【0141】
[00117] 第10の態様によれば、前出の態様のいずれかによる整備方法を提案する。ここでは、リモート整備システムにおいて動作データと異常(1つまたは複数)との間における1つ以上の相関(1つまたは複数)を判定するステップが、
-動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関を示す入力を受け取るステップと、
-動作データおよび複数の実験室機器の内同じものまたは他のものに関係する異常のデータベースに基づいて、動作データおよび同じ種類の異常(1つまたは複数)の間における相関を識別するように、パターン認識システムに命令するステップと、
を含む。
【0142】
[00118] 第11の態様によれば、前出の態様のいずれかによる整備方法を提案する。ここでは、1つ以上の相関(1つまたは複数)の妥当性を判断し、それぞれの相関に妥当性確認の印を付けるステップが、
-動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性判断(validatation)を示す入力を受け取るステップ、および/または
-妥当性判断エンジンに、動作データと異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)の妥当性を判断するように命令するステップと、
を含む。
【0143】
[00119] 第12の態様によれば、前出の態様のいずれかによる整備方法を提案する。ここでは、リモート整備システムが、各々複数のデータ収集コンポーネントに通信可能に接続された1つ以上の地域サーバ(1つまたは複数)を備え、この方法が、更に、動作データとそれぞれの地域に特定的な異常(1つまたは複数)との間における相関(1つまたは複数)を検出するために、各地域サーバが、個々の地域サーバに接続された実験室機器の全てに共通する動作パラメータ、および/またはその部分集合に共通する動作パラメータを分析するステップを含む。
【0144】
[00120] 第13の態様によれば、第12の態様による整備方法であって、リモート整備システムが、複数の地域サーバに通信可能に接続された広域サーバを備え、この方法が、更に、
-各地域サーバによって、地域的な機密データを動作データから排除するステップと、
-選別した動作データを複数の地域サーバの各々から広域サーバに送信するステップと、
-広域サーバが、地域に関係なく、動作データと異常(1つまたは複数)との間において広域的に関連する相関(1つまたは複数)を検出するために、実験室システムの全ての実験室機器に共通する動作パラメータを分析するステップと、
を含む。
【0145】
[00121] 第14の態様によれば、実験室システムを提案する。この実験室システムは、
-第1データ収集コンポーネントに通信可能に接続され、生体試料を処理する第1グループの複数の実験室機器と、
-第2データ収集コンポーネントに通信可能に接続され、生体試料を処理する第2グループの複数の実験室機器と、
-複数のデータ収集コンポーネントに通信可能に接続されたリモート整備システムと、
を備え、実験室システムが、第1の態様から第13の態様までのいずれか1つによる方法を実行するように構成される。
【0146】
[00122] 第15の態様によれば、命令を含むコンピュータ・プログラム製品を提案する。 生体試料を処理する第1グループおよび第2グループの実験室機器と、第1グループまたは第2グループの実験室機器に通信可能に接続された複数のデータ収集コンポーネントと、データ収集コンポーネントに通信可能に接続されたリモート整備システムとを備える実験室システムのリモート整備システムによって命令が実行されると、第1の態様から第13の態様までのいずれかによる方法のいずれか1つのステップを、実験室システムに実行させる。
【符号の説明】
【0147】
1 第1グループ(の実験室機器)
2 第2グループ(の実験室機器)
10 実験室機器
15 実験室ミドルウェア
100 実験室システム
20.1 第1データ収集コンポーネント
20.2 第2データ収集コンポーネント
50 リモート整備システム
ステップ102 動作データを収集する
ステップ104 異常(1つまたは複数)を検出する
ステップ106 コンテキスト・データを送信する
ステップ108 (コンテキスト・データと異常との間における)相関(1つまたは複数)を判定する
ステップ110 相関の妥当性を判断する
ステップ112 予測規則(1つまたは複数)を決定する
ステップ114 予測規則(1つまたは複数)をデータ収集コンポーネントに送信する
ステップ116 異常(1つまたは複数)を予測する
ステップ117 予測規則(1つまたは複数)の失敗を示すデータを送信する
ステップ118 予測規則(1つまたは複数)の成功を示すデータを送信する
ステップ120 予測規則(1つまたは複数)の有効性を評価する
ステップ122 無効な予測規則(1つまたは複数)を破棄する
ステップ130 処方的整備処置を決定する
ステップ132 処方的整備処置を送信する
ステップ134 処方的整備処置を誘起する
ステップ136 異常が回避されたか否か判定する
ステップ138 処方的整備処置の成功を示すデータを送信する
ステップ139 処方的整備処置の失敗を示すデータを送信する
ステップ140 処方的整備処置の有効性を評価する
ステップ142 無効な処方的整備処置を破棄する
ステップ150 異常軽減処置を決定する
ステップ152 異常軽減処置を送信する
ステップ154 異常軽減処置を誘起する
ステップ156 異常が軽減されたか否か判定する
ステップ158 異常軽減処置の成功を示すデータを送信する
ステップ158 異常軽減処置の失敗を示すデータを送信する
ステップ160 異常軽減処置の有効性を評価する
ステップ162 無効な異常軽減処置を破棄する
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4