(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】中継装置のハンドオーバ処理を実行するための、基地局装置、中継装置、制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20240628BHJP
H04W 36/16 20090101ALI20240628BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W36/16
(21)【出願番号】P 2020110807
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】李 ヤンウェイ
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/201487(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130495(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/033546(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置であって、
前記基地局装置に接続している中継装置が、他の基地局装置にハンドオーバする場合に、当該中継装置を介して前記基地局装置に接続されている通信装置を特定する特定手段と、
前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行する実行手段と、
を有し、
前記実行手段は、前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせる際に、前記特定手段によって特定された前記通信装置をも前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行し、
前記実行手段によって実行される前記処理は、前記中継装置のハンドオーバのための制御データと前記通信装置のハンドオーバのための制御データとを多重化した制御信号を前記他の基地局装置に送信すること
と、前記他の基地局装置から受信した前記制御信号に対する応答信号に基づいて、前記中継装置のハンドオーバのための制御情報と前記通信装置のハンドオーバのための制御情報とを前記中継装置に送信することと、を含
み、
前記通信装置のハンドオーバのための制御情報は、前記通信装置が前記他の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含む、
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記中継装置のハンドオーバのための制御情報と前記通信装置のハンドオーバのための制御情報
とを多重化した制御メッセージを前記中継装置に送信す
る、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記中継装置のハンドオーバのための制御情報は、前記中継装置が前記他の基地局装置に対するランダムアクセス処理が必要であることを示す、ことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記実行手
段は、前記中継装置のハンドオーバのための制御情報と前記通信装置のハンドオーバのための制御情報とを多重化せずに前記中継装置に送信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記制御情報は、RRCReconfigurationメッセージである、ことを特徴とする請求項
1から
4のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記制御信号は、HANDOVER REQUESTである、ことを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記実行手段によって実行される前記処理は、前記他の基地局装置から受信した前記制御信号に対する応答信号であって、前記中継装置のための応答データと前記通信装置のための応答データとが多重化された前記応答信号を受信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記実行手段によって実行される前記処理は、前記応答信号から、前記中継装置のための応答データと前記通信装置のための応答データとを分離することをさらに含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記応答信号は、HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEである、ことを特徴とする請求項
7又は
8に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記実行手段は、前記中継装置の前記他の基地局装置との接続のための第1のパラメータと前記通信装置の前記他の基地局装置との接続のための第2のパラメータとにおいて共通するパラメータが存在する場合、当該共通するパラメータを示す1つの値のみが含まれた信号を多重化によって生成する、ことを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記共通するパラメータがCellGroupConfigを含むことを特徴とする請求項1
0に記載の基地局装置。
【請求項12】
中継装置であって、
前記中継装置が接続している第1の基地局装置から第2の基地局装置にハンドオーバする場合に、前記第1の基地局装置から、前記中継装置のハンドオーバのための第1の制御情報と、前記中継装置を介して前記第1の基地局装置に接続されている通信装置のための第2の制御情報
とを受信する受信手段と、
前記第1の制御情報に基づいて前記第2の基地局装置へのハンドオーバを実行する実行手段と、
前記第2の制御情報を前記通信装置に送信する送信手段と、
を有
し、
前記第2の制御情報は、前記通信装置が前記第2の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含む、ことを特徴とする中継装置。
【請求項13】
前記第1の制御情報は、前記中継装置が前記第2の基地局装置に対するランダムアクセス処理が必要であることを示す、ことを特徴とする請求項1
2に記載の中継装置。
【請求項14】
前記受信手段は、前記第1の制御情報と前記第2の制御情報とが多重化された制御メッセージを受信し、
前記中継装置は、前記制御メッセージから前記第1の制御情報と前記第2の制御情報とを分離する分離手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の中継装置。
【請求項15】
前記実行手段は、前記第1の制御情報に対する第1の応答メッセージを生成し、
前記受信手段は、前記第2の制御情報に対する第2の応答メッセージを前記通信装置から受信し、
前記実行手段は、前記第1の応答メッセージと前記第2の応答メッセージを多重化して、前記第2の基地局装置へ送信する、ことを特徴とする請求項
12から
14のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項16】
前記第1の応答メッセージおよび前記第2の応答メッセージは、RRCReconfigurationCompleteメッセージである、ことを特徴とする請求項
15に記載の中継装置。
【請求項17】
前記第1の制御情報および前記第2の制御情報は、RRCReconfigurationメッセージである、ことを特徴とする請求項
12から
16のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項18】
前記中継装置を介して前記第1の基地局装置に接続されている1つ以上の通信装置のための前記第2の制御情報が、F1APメッセージ内に多重化されて受信される、ことを特徴とする請求項
12から
17のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項19】
基地局装置によって実行される制御方法であって、
前記基地局装置に接続している中継装置が、他の基地局装置にハンドオーバする場合に、当該中継装置を介して前記基地局装置に接続されている通信装置を特定することと、
前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行することと、
を含み、
前記基地局装置は、前記処理において、前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせる際に、特定された前記通信装置をも前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行し、
前記基地局装置は、前記処理において、
前記中継装置のハンドオーバのための制御データと前記通信装置のハンドオーバのための制御データとを多重化した制御信号を前記他の基地局装置に送信
し、
前記他の基地局装置から受信した前記制御信号に対する応答信号に基づいて、前記中継装置のハンドオーバのための制御情報と前記通信装置のハンドオーバのための制御情報とを前記中継装置に送信し、
前記通信装置のハンドオーバのための制御情報は、前記通信装置が前記他の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項20】
中継装置によって実行される制御方法であって、
前記中継装置が接続している第1の基地局装置から第2の基地局装置にハンドオーバする場合に、前記第1の基地局装置から、前記中継装置のハンドオーバのための第1の制御情報と、前記中継装置を介して前記第1の基地局装置に接続されている通信装置のための第2の制御情報
とを受信することと、
前記第1の制御情報に基づいて前記第2の基地局装置へのハンドオーバを実行することと、
前記第2の制御情報を前記通信装置に送信することと、
を含
み、
前記第2の制御情報は、前記通信装置が前記第2の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項
19に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項22】
コンピュータに、請求項
20に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と端末装置との間の通信を中継する中継装置のハンドオーバ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、端末装置がネットワークへアクセスする手法をバックホールリンクに応用して使用可能とする技術が検討されている(非特許文献1参照)。この技術は、Integrated Access and Backhaul(IAB)と呼ばれる。IABノードと呼ばれる中継装置が、例えば5Gの基地局装置(IABドナー)との間で無線リンクを用いて接続を確立する。このとき、IABノードは、IABドナーと無線リンクを確立して直接接続してもよいし、IABドナーと直接又は間接的に接続が確立されている他のIABノードと無線リンクを確立して、間接的にIABドナーと接続を確立してもよい。このとき、IABノードは、基地局装置に接続する端末装置として機能することにより、このようなIABドナー側の他装置(上流装置)との間の無線接続を確立する。また、IABノードは、IABドナーとの接続が確立された後に、そのIABドナーと接続しようとする他のIABノードや端末装置との接続を確立することができる。この場合、IABノードは、基地局装置と同様に動作して、端末装置や、端末装置として動作する他のIABノード(下流装置)との無線接続を確立する。このように、IABノードは、端末機能(MT、Mobile Termination)と、基地局装置と同様の動作を行う機能(DU、Distributed Unit)とを有し、これらを用いて、上流装置と下流装置との間の通信を中継することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP、TR38.874、V16.0.0、2018年12月
【文献】3GPP、RP-193251、2019年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3GPP リリース17では、IABノードの接続先のIABドナーの切り替えを伴うトポロジの変更技術の検討開始が提案されている(非特許文献2)。この技術によれば、例えば電車やバスなどの移動体に設置されたIABノードが移動する場合に、IABドナー自身の通信とIABドナーに接続されている他装置の通信を維持することが可能となる。
【0005】
本発明は、IABノードが接続先のIABドナーを切り替える際の処理の効率化技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による基地局装置は、前記基地局装置に接続している中継装置が、他の基地局装置にハンドオーバする場合に、当該中継装置を介して前記基地局装置に接続されている通信装置を特定する特定手段と、前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行する実行手段と、を有し、前記実行手段は、前記中継装置を前記他の基地局装置にハンドオーバさせる際に、前記特定手段によって特定された前記通信装置をも前記他の基地局装置にハンドオーバさせるための処理を実行し、前記実行手段によって実行される前記処理は、前記中継装置のハンドオーバのための制御データと前記通信装置のハンドオーバのための制御データとを多重化した制御信号を前記他の基地局装置に送信することと、前記他の基地局装置から受信した前記制御信号に対する応答信号に基づいて、前記中継装置のハンドオーバのための制御情報と前記通信装置のハンドオーバのための制御情報とを前記中継装置に送信することと、を含み、前記通信装置のハンドオーバのための制御情報は、前記通信装置が前記他の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含む、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様による中継装置は、前記中継装置が接続している第1の基地局装置から第2の基地局装置にハンドオーバする場合に、前記第1の基地局装置から、前記中継装置のハンドオーバのための第1の制御情報と、前記中継装置を介して前記第1の基地局装置に接続されている通信装置のための第2の制御情報とを受信する受信手段と、前記第1の制御情報に基づいて前記第2の基地局装置へのハンドオーバを実行する実行手段と、前記第2の制御情報を前記通信装置に送信する送信手段と、を有し、前記第2の制御情報は、前記通信装置が前記第2の基地局装置に対するランダムアクセス処理が不要であることを示す情報を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、IABノードが接続先のIABドナーを切り替える際の処理を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】IABドナーおよびIABノードのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】無線通信システムで実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
(システム構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。本実施形態に係る無線通信システムは、3GPPで規定されたIntegrated Access and Backhaul(IAB)による中継伝送システムであり、IABドナー101およびIABノード111を含んで構成される。IABノード111は、IABドナー101と端末装置121又は端末装置122との間の通信を中継する中継装置である。すなわち、端末装置121又は端末装置122は、IABノード111を介して、IABドナー101に接続されている。なお、IABドナーが基地局装置として機能し、IABノードが中継装置として機能していると解されてもよい。本実施形態では、例えばIABノード111が移動することや接続中のIABドナー101との間の通信品質の劣化などによって、IABドナー101との間の接続を、他のIABドナー102との間の接続に切り替える(ハンドオーバする)ものとする。
【0013】
端末装置121および端末装置122は、IABノード111を介してIABドナー101と接続を確立している。このため、IABノード111がIABドナー102へハンドオーバしたことに伴って、端末装置121および端末装置122も、接続先の変更処理が必要となる。このときに、従来、各端末装置の接続先の変更処理のため各種メッセージを各端末装置のために個別に送受信する必要がある。このため、特にIABノード111の下流側に大量の端末装置や他のIABノードが接続されている場合、シグナリングオーバヘッドが無視できないほどの増大してしまいうる。
【0014】
このため、本実施形態では、IABノード111の接続先のIABドナーを変更する必要がある場合に、ハンドオーバ元のIABドナー101が、IABノード111をハンドオーバさせるための制御データと、IABノード111の下流側に接続されている端末装置および他のIABノードのハンドオーバ用の制御データを多重化してハンドオーバ用の制御信号を生成し、ハンドオーバ先のIABドナー102へ送信する。すなわち、従来の手順を踏襲すると、IABドナー101が、IABノード111のハンドオーバのための制御信号と、そのIABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードのハンドオーバの制御信号とを別個に生成して送信していたのに対し、本実施形態では、これらの制御信号を多重化した1つの制御信号を生成して送信する。なお、ハンドオーバ用の制御データは、例えば、端末装置(IABノード111や端末装置121および端末装置122)のそれぞれについての、識別情報(ID)、名前、使用していた接続パラメータの情報を含みうる。また、IABドナー101は、例えば、ハンドオーバをするIABノードと端末装置の数が多い場合には、所定数のIABノードおよび端末装置についての制御データを多重化して1つの制御信号を生成し、他のIABノードおよび端末装置についての制御データについては別の制御信号を生成してもよい。なお、この制御信号は、従来の手法においてハンドオーバ元の基地局装置からハンドオーバ先の基地局装置へ送信されるHANDOVER REQUESTメッセージに対応しうる。なお、IABドナー101は、この制御信号を送信した場合に、IABノード111と、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードに関する情報を削除しうる。
【0015】
なお、上述の識別情報(ID)は、基地局装置がそれぞれの端末装置、IABノードに割り当てる識別子である、C-RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)、または、C-RNTIとphysCellId(物理セルID)とから導出(例えば算出)される、ReestabUE-Identityとすることができる。また、IABノード111より下流側に接続されている通信装置がIABノードである場合には、それぞれの(5Gの無線アクセスネットワークノードとしての)IABノードに割り当られているGlobal NG-RAN Node IDやIPアドレスが識別情報(ID)として用いられうる。
【0016】
そして、ハンドオーバ先のIABドナー102は、IABノードおよび端末装置のハンドオーバ用の制御データが多重化された制御信号を受信すると、その多重化された制御信号への応答信号をIABドナー101へ送信する。なお、この応答信号には、IABノード111のための応答データと、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードのための応答データとが多重化されうる。ここでの応答データは、例えば、IABノードや端末装置のそれぞれについて、使用していた接続パラメータに基づいて決定される、ハンドオーバ後に使用すべき接続パラメータの情報を含みうる。なお、この応答信号は、従来の手法においてハンドオーバ先の基地局装置からハンドオーバ元の基地局装置へ送信されるHANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージに対応しうる。
【0017】
なお、IABドナー102は、例えば、IABドナー101からの制御信号に、IABノード111のための制御データとIABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードのための制御データとが多重化されていることを条件に、応答データの多重化を行ってもよい。また、IABドナー101とIABドナー102は、事前に相互の能力の情報を交換し、相手装置が多重化されたハンドオーバ用の制御データや多重化された応答データに対する処理をサポートしている場合に、多重化した制御信号や応答信号を相手装置へ送信するようにしてもよい。
【0018】
IABドナー101は、応答データが多重化された応答信号を受信すると、IABノード111のためのハンドオーバのための制御情報と、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードのためのハンドオーバのための制御情報とを多重化した制御メッセージをIABノード111へ送信する。このとき、IABドナー101は、応答データが多重化された応答信号を受信した場合に、各端末装置のそれぞれのための情報をそのままIABノード111へ送信してもよいし、各情報を一度復号してから再構成して制御メッセージを生成してもよい。また、IABドナー101は、応答データが多重化された応答信号を受信した場合に、それらの応答データを分離し、IABノード111のためのハンドオーバのための制御情報と、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードのためのハンドオーバのための制御情報とを個別に用意してIABノード111へ送信してもよい。すなわち、装置ごとのハンドオーバのための制御情報を、IABノード111において分離させてもよいし、IABドナー101が分離してもよい。なお、ここでのハンドオーバのための制御情報は、例えば、従来のRRCReconfigurationメッセージに対応する。ここで、IABノード111のための制御情報には、接続の切り替え先(IABドナーB)との間での同期確立処理(例えばランダムアクセス処理)が必要であることを示す情報が含まれうる。一方、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードは、直接接続している相手装置(例えば端末装置121および端末装置122にとってはIABノード111)に変化がないため、これらの装置のための制御情報には同期確立処理が不要であることを示す情報が含まれうる。なお、制御情報には、同期確立処理が必要な場合にのみ所定の情報が含まれ、同期確立処理が不要なことはその所定の情報が含まれないことによって黙示的に示されてもよい。反対に、制御情報に、同期確立処理が不要な場合にのみ所定の情報が含まれ、同期確立処理が必要なことはその所定の情報が含まれないことによって黙示的に示されてもよい。なお、IABドナー101は、IABノード111が多重化された制御メッセージに対する処理をサポートしている場合に、多重化した制御メッセージをIABノード111へ送信するようにしてもよい。また、IABドナー101は、端末装置121のための制御情報と、端末装置122のための制御情報を、IABドナー101からIABノード111に送信される1つのF1APメッセージ内に多重させてもよい。この場合、IABノード111のための制御情報は、RRCReconfigurationメッセージによって送信され、端末装置121および端末装置122のための制御情報は、F1APメッセージ内に多重される端末装置121および端末装置122それぞれのRRCReconfigurationメッセージによって、送信されうる。
【0019】
IABノード111は、この制御メッセージを受信すると、その制御メッセージの中から自装置宛の制御情報を抽出して、同期確立処理等の必要な処理を実行する。また、IABノード111は、受信した制御メッセージに含まれる、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードに対して、個別に制御メッセージ(例えばRRCReconfigurationメッセージ)を送信する。なお、IABノード111は、他のIABノードに対して制御メッセージを送信する場合、その他のIABノードより下流に接続されている端末装置やさらなる他のIABノードのための制御情報を多重化した制御メッセージを送信しうる。この場合、IABノード111は、他のIABノードが多重化された制御メッセージに対する処理をサポートしている場合に、多重化した制御メッセージを送信するようにしてもよい。
【0020】
そして、IABノード111は、制御メッセージに対する応答メッセージ(RRCReconfigurationCompleteメッセージ)を、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードから受信する。なお、他のIABノードからは、その他のIABノードより下流に接続されている端末装置やさらなる他のIABノードからの応答メッセージが多重化された応答メッセージを受信しうる。そして、IABノード111は、IABノード111より下流側に接続されている端末装置や他のIABノードから受信した応答メッセージを多重化して、ハンドオーバ先のIABドナー102へ送信しうる。
【0021】
なお、各種信号(メッセージ)が多重化されて送信される際に、複数の多重化される信号に共通の情報については、1つのみが送信されるようにしてもよい。例えば、HANDOVER REQUESTメッセージやHANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージにおいて、複数のIABノードおよび端末装置について共通の接続パラメータが送信される場合、その共通の接続パラメータに対応する装置のうちの1つの装置についての信号はその接続パラメータを示す値を含み、他の装置についての信号は、その1つの装置についての接続パラメータが流用されることを示す値(例えば1ビットの値)を含みうる。これにより、同じ情報が繰り返し送信されることによる情報量の増大を防ぐことができる。なお、例えば接続パラメータのそれぞれについての基準値を示す情報と、各IABノードや各端末装置についての接続パラメータは、その接続パラメータと基準値との差異を示す情報が送受信されてもよい。例えば、IABノード111と、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードは、共通のパラメータとしてCellGroupConfigを使用するように構成されうる。この場合、CellGroupConfigを示す値を信号の中に1つだけ含め、複数の装置のそれぞれについてのパラメータの情報にはこの値に関する情報を含めなくてもよい。なお、信号のフォーマットは、必要な情報が送受信される限りにおいて、どのような形式であってもよい。
【0022】
なお、IABドナー102とIABノード111(および他のIABノード)との間では、IABによる中継経路の設定などを行う必要がある。この場合に用いられるメッセージにおいても、多重化を用いてもよい。例えば、IABノード111と、IABノード111より下流に接続されている他のIABノードとに対して、IABドナー102の情報(例えばCentral Unitの情報)が通知されるときに、IABノード111と他のIABノードとに対して情報が多重化された1つのF1メッセージが送信されてもよい。
【0023】
このようにして、IABノードがハンドオーバする際に、そのIABノードのための信号と、そのIABノードより下流に接続されている装置(端末装置やIABノード)のための信号とを多重化して送信することにより、シグナリングの量を減らすことができる。また、この結果、例えば、信号の送受信のための時間の長期化を防ぎ、端末装置に提供されている通信サービスが中断される期間を短縮することができるようになる。
【0024】
なお、
図1では、IABノード111が、IABドナー101又はIABドナー102に直接接続する場合について例示しているが、他のIABノードを介してIABドナーに接続されてもよい。また、端末装置121又は端末装置122は、他のIABノードであってもよい。また、
図1では、少数のIABドナー、IABノード、および端末装置のみを示しているが、一般性を失うことなく、より多数のIABドナー、IABノード、および端末装置が存在しうる。
【0025】
(装置構成)
続いて、上述のような処理を実行するIABドナーおよびIABノードの構成について説明する。
図2に、IABドナーおよびIABノードのハードウェア構成例を示す。IABドナーおよびIABノードは、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を有する。IABドナーおよびIABノードでは、例えばROM202、RAM203及び記憶装置204のいずれかに記録された、上述のようなIABドナーおよびIABノードの各機能を実現するコンピュータが可読のプログラムがプロセッサ201により実行される。なお、プロセッサ201は、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等の1つ以上のプロセッサによって置き換えられてもよい。
【0026】
IABドナーおよびIABノードは、例えばプロセッサ201により通信回路205を制御して、相手装置(IABドナー、IABノード、端末装置など)との間の通信を行う。なお、
図2では、IABドナーおよびIABノードは、1つの通信回路205を有するような概略図を示しているが、これに限られない。例えば、IABドナーは、IABノードや端末装置との通信用の通信回路と、他のIABドナーとの通信用の通信回路を有しうる。また、IABノードは、例えば、IABドナーとの通信用の通信回路と、他のIABノードや端末装置との通信用の通信回路とを有してもよい。
【0027】
図3に、IABドナーの機能構成例を示す。IABドナーは、例えば、ハンドオーバ対象特定部301、制御データ生成部302、制御データ多重化部303、制御データ分離部304、および、信号送受信部305を含んで構成される。なお、IABドナーは、これら以外の通常のIABドナーとしての機能を当然に果たすことができるように構成される。また、これらの機能構成の一部又は全部は、例えばプロセッサ201がROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することにより実現されうる。また、この機能構成を実現する専用のハードウェアが用意されてもよい。また、例えば、通信回路205内に含まれるプロセッサが専用のプログラムを実行することによって、
図3の機能構成を実現してもよい。また、
図3の機能の一部が省略され、又は、
図3の機能が同様の能力を有する他の機能によって置き換えられてもよい。
【0028】
まず、IABドナーがハンドオーバ元である場合について説明する。ハンドオーバ対象特定部301は、例えば、自装置に接続されている端末装置やIABノードの無線品質の測定結果等に基づいて、その端末装置やIABノードのハンドオーバを行うか否かを決定する。そして、ハンドオーバ対象特定部301は、そのハンドオーバにより、IABノードが、他のIABドナーへハンドオーバすべきであると判定した場合、そのIABノードより下流に接続されている端末装置や他のIABノードをハンドオーバの対象として特定する。制御データ生成部302は、ハンドオーバ対象特定部301で特定された各装置についてのハンドオーバ要求データを生成する。このデータは、各装置についての識別情報(ID)、名前、現在使用中の接続パラメータの情報を含みうる。制御データ多重化部303は、生成されたデータを多重化し、信号送受信部305は、ハンドオーバ先の他のIABドナーへ、その多重化されたデータ(制御信号)を送信する。
【0029】
また、信号送受信部305は、ハンドオーバ先の他のIABドナーから、送信した制御信号に対する応答信号を受信する。このとき、受信した応答信号において、例えばハンドオーバの対象のIABノードと、そのIABノードより下流に接続されている端末装置や他のIABノードのための応答データが多重化されていた場合、制御データ分離部304が、この応答データを分離する。すなわち、制御データ分離部304は、受信した応答信号から、ハンドオーバの対象の各装置についての応答データを分離して抽出する。この応答データは、例えば、各装置についての、識別情報、名前、ハンドオーバ先のIABノードとの間で使用すべき接続パラメータを含みうる。このとき、制御データ分離部304は、多重化の際に共通する接続パラメータの少なくとも一部が省略された第1の装置のための応答データについて、接続パラメータが記述されている第2の装置のための応答データを参照して、接続パラメータを取得しうる。そして、制御データ生成部302は、この取得したデータに基づいて、ハンドオーバの対象となる各装置へ送信すべき制御メッセージ(例えばRRCReconfigurationメッセージ)を生成する。そして、制御データ多重化部303がこの制御メッセージを多重化して、信号送受信部305は、その多重化された制御メッセージを、ハンドオーバを実行するIABノードへ送信する。なお、信号送受信部305は、ハンドオーバ先の他のIABドナーから受信した応答信号に含まれる接続パラメータ等の情報を、透過的にハンドオーバを実行するIABノードへ送信してもよい。この場合、ハンドオーバ元のIABドナーにおいて、各装置についての制御データを改めて生成する必要がなくなる。
【0030】
続いて、IABドナーが、ハンドオーバ先である場合について説明する。信号送受信部305は、上述のようにしてハンドオーバ元の他のIABノードから、ハンドオーバ対象の装置のそれぞれについてのハンドオーバ要求が多重化された制御信号を受信する。そして、制御データ分離部304は、多重化されたハンドオーバ要求を分離して、各装置についてのハンドオーバ要求を取得する。例えば、制御データ分離部304は、多重化の際に、共通する接続パラメータの少なくとも一部が省略された第1の装置のためのハンドオーバ要求について、接続パラメータが記述されている第2の装置のためのハンドオーバ要求を参照して、接続パラメータを取得しうる。また、例えば、多重化の際に、各装置の接続パラメータが、接続パラメータの基準値と各装置についての差分値とによって表現された場合、制御データ分離部304は、その基準値と差分値とに基づいて、接続パラメータを特定してもよい。そして、制御データ生成部302は、その取得したデータに基づいて、各装置について、ハンドオーバ後に使用すべき接続パラメータを決定して、その接続パラメータを含んだ、ハンドオーバ要求への応答データを生成する。制御データ多重化部303は、各装置のための応答データを多重化して応答信号を生成し、信号送受信部305は、応答信号をハンドオーバ元のIABドナーへ送信する。
【0031】
なお、信号送受信部305は、IABノードがハンドオーバのために実行したランダムアクセス処理に基づいて、そのIABノードとの接続を確立する。その後、信号送受信部305は、そのIABノードから、そのIABノードのRRCReconfigurationCompleteメッセージと、そのIABより下流に接続されている端末装置や他のIABノードのRRCReconfigurationCompleteメッセージとが多重化された制御メッセージを受信しうる。そして、制御データ分離部304は、受信した制御メッセージから、各装置についてのメッセージを分離して取得する。なお、IABドナーは、例えば、ハンドオーバ後の中継経路の設定等のために、IABノードとの間でF1インタフェースを用いたメッセージ交換を行うが、その際に、信号の多重化や、多重化された信号の分離を行うように構成されてもよい。
【0032】
続いて、
図4を用いて、IABノードの機能構成例について説明する。IABノードは、例えば、制御データ分離部401、制御データ多重化部402、ハンドオーバ処理部403、および、信号送受信部404を含んで構成される。なお、IABノードは、これら以外の通常のIABノードとしての機能を当然に果たすことができるように構成される。また、これらの機能構成の一部又は全部は、例えばプロセッサ201がROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することにより実現されうる。また、この機能構成を実現する専用のハードウェアが用意されてもよい。また、例えば、通信回路205内に含まれるプロセッサが専用のプログラムを実行することによって、
図4の機能構成を実現してもよい。また、
図4の機能の一部が省略され、又は、
図4の機能が同様の能力を有する他の機能によって置き換えられてもよい。
【0033】
制御データ分離部401は、例えば、ハンドオーバ元のIABドナーから、自装置のためのRRCReconfigurationメッセージと、自装置より下流に接続されている端末装置や他のIABノードのためのRRCReconfigurationメッセージとが多重化された制御信号を、信号送受信部404を介して受信した場合に、それらのメッセージを分離抽出する。そして、信号送受信部404は、IABノードより下流に接続されている端末装置や他のIABノードへ、その分離したメッセージを送信する。ハンドオーバ処理部403は、自装置のためのRRCReconfigurationメッセージに従って、ハンドオーバ先のIABドナーとの間で接続を確立するために、ランダムアクセス処理等の処理を実行する。一方で、信号送受信部404は、例えば、IABノードより下流に接続されている端末装置や他のIABノードからRRCReconfigurationCompleteメッセージを受信する。そして、制御データ多重化部402は、この受信したメッセージを多重化して、ハンドオーバ処理部403によって接続が確立されたIABドナーに対して、信号送受信部404を介して、その多重化したメッセージを送信する。
【0034】
(処理の流れ)
続いて、
図5を用いて、無線通信システムで実行される処理の流れの例について説明する。なお、ここでは、IABノード111が、IABドナー101からIABドナー102へのハンドオーバを実行完了するまでの処理の流れについて説明し、ハンドオーバ後に実行されるべき、中継経路の設定のためのF1インタフェースを介したメッセージの送受信については説明を省略する。また、以下の処理の流れは一例であり、これ以外の処理が実行されてもよい。例えば、以下では、IABドナー101が、IABノード111へ、多重化したRRCReconfigurationメッセージを送信する例を示しているが、IABドナー101は、RRCReconfigurationメッセージを多重化せずに、各装置へ送信するようにしてもよい。その他の変形も当然に可能である。
【0035】
本処理では、まず、IABノード111が接続しているIABドナー101が、IABノード111における、IABドナー101からの信号の第1の無線品質の劣化や、IABドナー102からの信号の第2の無線品質が、所定レベルを超えて第1の無線品質を上回ったことなどに応じて、IABノード111をハンドオーバさせることを決定する。そして、IABドナー101は、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードを特定し、それらの装置のためのHANDOVER REQUESTメッセージと、IABノード111のためのHANDOVER REQUESTメッセージとを生成する。そして、IABドナー101は、それらのHANDOVER REQUESTメッセージを多重化して、ハンドオーバ先のIABドナー102へ送信する(S501)。IABドナー102は、多重化された、各装置のためのHANDOVER REQUESTメッセージを分離して、各装置が使用している接続パラメータ等の情報を取得する。そして、IABドナー102は、ハンドオーバ後に各装置が使用すべき接続パラメータなどを決定し、その情報をそれぞれが含む、各装置宛のHANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージを生成する。そして、IABドナー102は、それらのメッセージを多重化して、ハンドオーバ元のIABドナー101へ送信する(S502)。
【0036】
そして、IABドナー101は、多重化されたHANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージを受信すると、そのメッセージに基づいて、IABノード111と、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードのためのRRCReconfigurationメッセージを生成する。そして、IABドナー101は、生成したメッセージを多重化して、IABノード111へ送信する(S503)。このとき、IABノード111へのRRCReconfigurationメッセージは、ランダムアクセス処理等の同期確立処理を実行すべきことを示しうる。一方、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードへのRRCReconfigurationメッセージは、ランダムアクセス処理等の同期確立処理を実行しないことを示しうる。なお、
図5では、同期確立処理が必要であることを「w sync」との表記により表し、同期確立処理が不要であることを「wo sync」との表記により表している。
【0037】
IABノード111は、多重化されたRRCReconfigurationメッセージを受信すると、各装置宛のメッセージを分離抽出して取得し、自装置より下流に接続されている端末装置や他のIABノードに対して、取得したメッセージを送信する(S504)。また、IABノード111は、自装置宛のRRCReconfigurationメッセージに基づいて、IABドナー102との間でランダムアクセス処理を実行して同期を確立する(S505、S506)。そして、IABノード111は、自装置より下流に接続されている端末装置や他のIABノードから、RRCReconfigurationCompleteメッセージを受信すると(S507)、それらのメッセージと、自装置が送信すべきRRCReconfigurationCompleteメッセージとを多重化して、IABドナー102へ送信する(S508)。
【0038】
この一連の処理により、ハンドオーバが成功する。その後、IABノード111と、IABノード111より下流に接続されている他のIABノードは、IABドナー102との間の中継経路の設定を、F1インタフェースを介したメッセージの送受信により実行する。これにより、IABノード111より下流に接続されている端末装置や他のIABノードがIABドナー102と通信することが可能となる。
【0039】
本実施形態の手法によれば、上述のように、IABノードがIABドナーを跨いでハンドオーバする際のシグナリングメッセージの量を減らし、それに伴い、例えば、信号の送受信のための時間の長期化を防ぎ、端末装置に提供されている通信サービスが中断される期間を短縮することができるようになる。
【0040】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。