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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】断熱配管構造及びその製法
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/147 20060101AFI20240628BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20240628BHJP
   B32B 5/10 20060101ALI20240628BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20240628BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F16L59/147
B32B1/08 Z
B32B5/10
B32B5/18
B32B15/08 U
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020133866
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2022030098
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000244084
【氏名又は名称】明星工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(72)【発明者】
【氏名】本田 渉
(72)【発明者】
【氏名】日野出 充樹
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-048903(JP,A)
【文献】特開昭62-052299(JP,A)
【文献】特開2013-018928(JP,A)
【文献】実開昭60-024995(JP,U)
【文献】登録実用新案第3051581(JP,U)
【文献】特開2001-289392(JP,A)
【文献】特開平05-057826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259115(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/147
B32B 1/08
B32B 5/10
B32B 5/18
B32B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温流体配管装置の外周部を全周に亘って覆う発泡ポリウレタン樹脂の断熱材から成る保冷層を設け、
前記保冷層の外周部を全周に亘って覆う防湿層を設けた断熱配管構造であって、
前記防湿層は、内側にアルミニウム箔層を配置してあると共に、
前記アルミニウム箔層の外側に炭素繊維から成るクロスに熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させて硬化した炭素繊維強化樹脂層(CFRP層)を配置して互いに積層したものから成り、
前記防湿層の外側には、その全周に亘って覆うエポキシ樹脂保護層を設け、そのエポキシ樹脂保護層に酸化チタン(TiO2)を含有させてある断熱配管構造。
【請求項2】
前記炭素繊維強化樹脂層の外周部は、ポリエステル樹脂層(PET樹脂層)で覆われている 請求項1に記載の断熱配管構造。
【請求項3】
請求項1に記載の断熱配管構造の製法であって、
前記保冷層の外周部の全周に亘ってアルミニウム箔を巻いて前記アルミニウム箔層を形成し、
前記アルミニウム箔層の外側に、炭素繊維クロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻きつけた後に、
前記プリプレグシートの外側に、伸縮性及び耐熱性の離型シートを巻きつけて全周を覆い、その離型シート層の外側から前記プリプレグシートに対して加圧脱泡を行いながら
近赤外線を照射して熱硬化性エポキシ樹脂を硬化反応させ前記防湿層を形成する断熱配管構造の製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばLNG基地などの長距離直管ラインの保冷工事などで採用され、低温流体配管装置の外周部を全周に亘って覆う断熱材から成る保冷層を設け、前記保冷層の外周部を全周に亘って覆う防湿層を設けた断熱配管構造及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管に保冷材と外装材を一体化させた円筒製品を、周方向に複数に分割した成形品をあらかじめ生産しておいて、配管現場で配管の外周部を覆う状態に組み付ける方式や、配管の外周部の全周に亘って保冷層や防湿層を、樹脂吹き付けなどにより予め工場などで一体形成した断熱配管を準備しておいて、配管施工現場でそれらの断熱配管同士を接続施工する方式が採用されている。
そして、いずれの方式も、前記防湿層は、一般的に配管の外周部を覆うために、ガラスマット層にエポキシ樹脂を吹き付けて硬化させたガラス繊維強化エポキシ(GRE)で形成してあった(周知技術である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の防湿層は、所定の防湿性能及び引張強度を確保するためには、層が厚くなり、製作に長時間を要すると共に、ガラスマットにエポキシ樹脂を吹き付けるのに手作業が多くかかり作業性が悪く、また、エポキシ樹脂の硬化養生に多くの時間がかかるという問題点がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、所定の性能を得るのに短時間で製作できる断熱配管構造及びその製法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の断熱配管構造の特徴構成は、低温流体配管装置の外周部を全周に亘って覆う発泡ポリウレタン樹脂の断熱材から成る保冷層を設け、前記保冷層の外周部を全周に亘って覆う防湿層を設けた断熱配管構造であって、前記防湿層は、内側にアルミニウム箔層を配置してあると共に、前記アルミニウム箔層の外側に炭素繊維から成るクロスに熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させて硬化した炭素繊維強化樹脂層(CFRP層)を配置して互いに積層したものから成り、前記防湿層の外側には、その全周に亘って覆うエポキシ樹脂保護層を設け、そのエポキシ樹脂保護層に酸化チタン(TiO2)を含有させたところにある。
【0006】
本発明の第1の特徴構成によれば、内側にアルミニウム箔層を配置してあると共に、前記アルミニウム箔層の外側に炭素繊維強化樹脂層(CFRP層)を配置して互いに積層した防湿層は、ガラスマット層にエポキシ樹脂を吹き付けて硬化させて形成した従来の防湿層に比べて、所定の引張強度や防湿性能を得るのに肉厚を薄くできる。
つまり、同じ厚みならば引張強度は、炭素繊維強化樹脂の方がガラス繊維強化樹脂よりも大きくなる。
しかし、樹脂の層が薄くなれば防湿性能は低下するという弱点があるのを、内側に配置したアルミニウム箔層によって、防湿性能を向上させることができる。
従って、所定の強度と防湿性を確保できながら、防湿層を薄くできるために生産効率が向上し、短時間で製作できる。
その上、アルミニウム箔層の外側に炭素繊維強化樹脂層(CFRP層)を配置してあるために、例えば、アルミニウム箔層の内側に炭素繊維強化樹脂層を配置する場合よりも、アルミニウム箔層は、炭素繊維強化樹脂層を形成する時の未硬化の樹脂が、その内側の保冷層に含浸して取られるのを防止して、保冷層の断熱性能の維持と、防湿層の性能の低下を防止できる。
しかも、アルミニウム箔層は、その外側に配置される炭素繊維強化樹脂層により守られて、外部からの他物の接触による傷つきが防止され、所定の防湿性能を維持できる。
【0007】
【0008】
炭素繊維から成るクロスに熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させて硬化した炭素繊維強化樹脂層は、発泡ポリウレタン樹脂の保冷層に対し、水や水蒸気の侵入による断熱性の低下現象を防止しながら、しかも、製作時に、炭素繊維のクロスに含浸した熱硬化性エポキシ樹脂は、加熱により硬化反応が迅速に進行して短時間で製作できる。
防湿層の外側に、その全周を覆うエポキシ樹脂保護層を設けることにより、防湿層はエポキシ樹脂保護層により守られ、他物との接触に基づく防湿層の傷つきが防止され、防湿の維持ができる。
しかも、エポキシ樹脂保護層に酸化チタン(TiO2)を含有させてあることにより、配管施工後に酸化チタンが紫外線などから樹脂保護層を遮蔽して保護し、従って、高い耐候性を配管に備えさせることができる。
【0009】
本発明の第2の特徴構成は、前記炭素繊維強化樹脂層の外周部は、ポリエステル樹脂層(PET樹脂層)で覆われているものである。
【0010】
本発明の第2の特徴構成によれば、炭素繊維強化樹脂層の外周部をポリエステル樹脂で覆われていると、炭素繊維に含浸させた熱硬化性エポキシ樹脂に加熱のための近赤外線を照射しても、耐熱性があり、且つ、その光線を透過させやすく、しかも、防水性や防湿性をより向上させることができる。
【0011】
【0012】
【0013】
本発明の第3の断熱配管構造の製法の特徴構成は、前記保冷層の外周部の全周に亘ってアルミニウム箔を巻いて前記アルミニウム箔層を形成し、前記アルミニウム箔層の外側に、炭素繊維クロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻きつけた後に、前記プリプレグシートの外側に、伸縮性及び耐熱性の離型シートを巻きつけて全周を覆い、その離型シート層の外側から前記プリプレグシートに対して加圧脱泡を行いながら近赤外線を照射して熱硬化性エポキシ樹脂を硬化反応させ前記防湿層を形成するところにある。
【0014】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記保冷層の外周部に巻いたアルミニウム箔層の外側に、炭素繊維クロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻きつけた後に、近赤外線を照射して熱硬化性エポキシ樹脂を硬化反応させ前記防湿層を形成することにより、近赤外線は、アルミニウム箔層によって遮られて、保冷層の断熱性能の低下を防止できながら、熱硬化性エポキシ樹脂の硬化反応を短時間で完了させることができる。
しかも、炭素繊維クロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを、アルミニウム箔層の外側に巻き付けることにより、従来のガラスマット層にエポキシ樹脂を吹き付けるのに比べて製作手間を少なくできる。
【0015】
【0016】
前記プリプレグシートの外側に、伸縮性及び耐熱性の離型シートを巻きつけて全周を覆うことにより、巻き付けたプリプレグシートを整った形状に脱泡しながら成形でき、近赤外線による加熱硬化反応を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】配管にガラスマットを巻き付けた図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図2】更にガラスクロスを巻き付けた図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図3】更に発泡ポリウレタン層で被覆した図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図4】保冷層の外側にアルミニウム箔層を被覆した図で、(a)は斜視図で、(b)は断面図である。
図5】アルミ箔層の外側に炭素繊維強化樹脂層を被覆した図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図6】炭素繊維強化樹脂層の外側にポリエステルフィルムを被覆して近赤外線を照射している状態を表す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図7】(a)は、本実施形態の断熱配管の一部切欠き斜視図で、(b)は断面図である。
図8】(a)は、別実施形態の断熱配管の一部切欠き斜視図で、(b)は断面図である。
図9】作業エリアの生産設備を示す全体正面図である。
図10】巻き付けエリアの生産設備を示す全体正面図である。
図11】加熱エリアの生産設備を示す全体正面図である。
図12】加熱エリアにおける装置の縦断側面図である。
図13図12における装置の部分平面図である。
図14】第1巻き付け装置を示し、(a)は縦断側面図、(b)は正面図である。
図15】加熱エリアにおける加圧ローラの別実施形態を示し、(a)は全体側面図、(b)は要部の拡大縦断測面図である。
図16】加熱エリアにおける加圧ローラの別実施形態を示し、(a)は全体側面図、(b)は要部の拡大縦断測面図である。
図17】加熱エリアにおける加熱加圧装置の別実施形態を示し、(a)は全体縦断側面図、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図7(a)、(b)に示すように、配管施工現場でそれらの断熱配管同士を接続施工する前に、予め断熱配管を工場にて製作しておくのに、低温流体配管装置の外周部を全周に亘って覆う断熱材から成る保冷層2を設け、前記保冷層2の外周部を全周に亘って覆う防湿層3を設けた断熱配管構造を、次に説明する。
【0019】
図1~3に示すように、前記保冷層2は、低温流体配管1の外周部を全周に亘って巻き付けたガラスマット4(ガラスマット端部の目地は粘着テープでシールしてある)と(図1(a)、(b))、そのガラスマット4の外周部に螺旋状に巻きつけたガラスクロス5を設け(図2(a)、(b))、ガラスクロス5の外周部を全周に亘って覆う発泡ポリウレタン層6を更に設けて構成してある(図3(a)、(b))。
発泡ポリウレタン層6は、未発泡のポリウレタン原液をガラスクロス5の外周部に吹き付けるか、または、流し込みにより塗布した後に、発泡させて形成してある。
尚、前記ガラスマット4とガラスクロス5を巻き付けた層は、低温流体を通流させる配管の線膨張及び収縮に伴って、発泡ポリウレタン層6が追従して割れるのを防ぐ緩衝材の役割を備えている。
【0020】
前記保冷層2を覆う前記防湿層3は、図4図5に示すように、発泡ポリウレタン層6の外周部全体にアルミニウム粘着テープを巻いて形成するアルミニウム箔層7を内側に配置してあると共に(図4(a)、(b))、前記アルミニウム箔層7の外側に、炭素繊維から成るクロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシート8aと称するシートを巻き付けた後に、硬化させた炭素繊維強化樹脂層8(CFRP層)を配置して構成してある。
尚、前記アルミニウム箔層7は、粘着層を一面側に付設したアルミニウム粘着テープを保冷層2の外周側に巻き付けて形成するものであり、前記炭素繊維強化樹脂層8は、プリプレグシート8aを、各層毎にシート方向(繊維方向)を90°変えて2層以上巻き付けた積層構造にして、所定の強度を確保して形成してある(図5(a)、(b)、図6(b))。
【0021】
[第1実施形態]
前記断熱配管には、防湿層3の外側に、全周に亘って被覆する酸化チタン(TiO2)を含有させたエポキシ樹脂保護層9を設けてあり、そのエポキシ樹脂保護層9により配管全体の耐候性及び防水性をさらに上げ、また、他物との接触による破損から保護できるように構成してある(図7(a)、(b))。
【0022】
[製法]
図4~7に示すように、前記低温流体配管1の外側を覆う保冷層2の外周部全周に亘ってアルミニウム箔を巻いてアルミニウム箔層7を形成し(図4(a)、(b))、アルミニウム箔層7の外側に、炭素繊維クロスに未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシート8aを巻きつけた後に(図5(a)、(b))、巻きつけたプリプレグシート8aの外側に、伸縮性及び耐熱性のポリエステルフィルム(PET)から成る無色透明の離型シート10を巻きつけて全周を覆い(図6(a)、(b))、その離型シート層の外側からプリプレグシート8aに対して加圧ローラ12を押し当てて加圧脱泡を行いながら、ポリエステルフィルムを通して近赤外線Bを照射して(図6(a))、熱硬化性エポキシ樹脂を硬化反応させて防湿層3を形成する。
熱硬化性エポキシ樹脂の硬化後に、離形シート10を取り除き、防湿層3の外周部には、酸化チタン(TiO2)を含有させたエポキシ樹脂を塗布して硬化させ、エポキシ樹脂保護層9を形成する(図7(a)、(b))。
【0023】
ところで、従来のガラス繊維強化エポキシ(GRE)層が所定の防湿性能を確保するのに、5層巻きに積層して5.2mm必要であったのに対し、本発明の防湿層3では、アルミ箔テープ層を0.025mm以上で、且つ、炭素繊維強化樹脂層8(CFRP層)を2層以上巻き付けた積層構造になり、因みに、2層巻きした積層構造では、約1.0mmの厚みとなる。
【0024】
[生産設備]
図9図14に示されるように、各工程エリアにおける設備を示す。
図9の作業エリアにおいては、被断熱用の低温流体配管1をトロッコ16により巻き付けエリアにレール18上を搬送される。
【0025】
図10の巻付けエリアにおいては、低温流体配管1は、回転装置17によって管軸心周りに回転駆動されるように設置され、第1巻き付け装置19がレール18上を等速移動しながら低温流体配管1にプリプレグシート8aを巻き付けて炭素繊維強化樹脂層8が形成され、更に、その巻きつけられたプリプレグシート8aの上から第2巻き付け装置20によって、レール18上を等速移動しながら離型シート10が巻きつけられる。
【0026】
次に、図11図12図13に示すように、加熱エリアにおいては、低温流体配管1の長手方向に複数並べられた近赤外線ランプ11、加圧ローラ12、によって、管軸心周りに回転する低温流体配管1の外周面に巻き付けられたプリプレグシート8a及び離型シート10の表面を、加圧しながら加熱してプリプレグシート8aに含侵させた熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させる。
尚、第1巻き付け装置19は、図14(a)、(b)に示すように構成されている。
つまり、装置本体24の底部に設けられた滑車25がレール18上に乗って、第1巻き付け装置19が移動自在に構成され、プリプレグ巻付けロール21から繰り出されるプリプレグシート8aが、送りロール22を介して低温流体配管1の外周面に巻きけるように構成されている。
尚、図中の23は、パウダーブレーキである。
【0027】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記低温流体配管装置は、一例として直管部分の断熱配管構造を説明したが、配管同士を接続する管継手部分や、バルブ部分の外周部を覆う構造に採用してあってもよく、それらの断熱対象を、低温流体配管装置と総称する。
〈2〉 金属製の加圧ローラ12による加圧脱泡時に及び近赤外線照射時に使用するポリエステルフィルムからなる離型シート10の層は、図8(a)、(b)に示すように、前記エポキシ樹脂保護層9の内側で前記防湿層3との間に、取り除かずに設けてあってもよい。これによりアルミニウム箔層7と炭素繊維強化樹脂層8の他にポリエステルフィルムを加えて、更に、防湿性、防水性がより向上する防湿層3を形成させることができる。
〈3〉 前記プリプレグシート8aに含浸させた熱硬化性エポキシ樹脂を加熱して硬化させるのに、図12に示すように近赤外線を照射する以外に、加圧ローラ側を発熱させたりしてもよく、その加圧ローラ12を発熱させるのに、図15(a)、(b)に示すように、加圧ローラ12の軸内に棒状ヒーター15を内蔵させたり、その上、図16(a)、(b)に示すように、加圧ローラ12の下にエンドレス鏡面板13を入れたりしてもよい。尚、そのエンドレス鏡面板13には、水冷により焼き付き防止を行う機構を設ける。又は、図17(a)、(b)に示すように、面状ヒーター14(例えば、シート状のラバーヒーター)を、配管に巻き付けたプリプレグシート8aの上から螺旋状に巻き付けたりしてもよい。
【0028】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1 低温流体配管
2 保冷層
3 防湿層
4 ガラスマット
5 ガラスクロス
6 発泡ポリウレタン層
7 アルミニウム箔層
8 炭素繊維強化樹脂層
8a プリプレグシート
9 エポキシ樹脂保護層
10 離型シート
11 近赤外線ランプ
12 加圧ローラ
13 エンドレス鏡面板
14 面状ヒーター
15 棒状ヒーター
16 トロッコ
17 回転装置
18 レール
19 第1巻き付け装置
20 第2巻き付け装置
21 プリプレグ巻付けロール
22 送りロール
23 パウダーブレーキ
24 装置本体
25 滑車
B 近赤外線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17