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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】光学ガラス及び光学素子
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/247 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
C03C3/247
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020160706
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2021054709
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019176731
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇人
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-104670(JP,A)
【文献】特開2018-145028(JP,A)
【文献】特開2015-078086(JP,A)
【文献】国際公開第2008/111439(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/018273(WO,A1)
【文献】特開2009-256149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相温度における粘性が10.0dPa・s以上であり、Pg,F>-0.0004νd+0.5720を満たし、以下の成分を含む、フツリン酸塩系の光学ガラス。
5+ 30カチオン%以下
Li 6.0カチオン%以下
Ba 2+ 16カチオン%以下
80アニオン%以下
【請求項2】
アッベ数νdが77.50以上、83.50以下である、請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
の含有量が60アニオン%以上である、請求項2に記載の光学ガラス。
【請求項4】
Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 及びZn 2+ の含有量の合計(Mg 2+ +Ca 2+ +Sr 2+ +Ba 2+ +Zn 2+ )が50カチオン%以下である、請求項3に記載の光学ガラス。
【請求項5】
Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 及びZn 2+ の含有量の合計(Mg 2+ +Ca 2+ +Sr 2+ +Ba 2+ +Zn 2+ )が48カチオン%以下である、請求項3に記載の光学ガラス。
【請求項6】
Mg 2+ の含有量が1.0カチオン%以上である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項7】
Li 成分の含有量が0.1カチオン%以上、
Ca 2+ 成分の含有量30カチオン%以下、
Sr 2+ 成分の含有量が25カチオン%以下、
Zn 2+ 成分の含有量が6.0カチオン%以下、
Al 3+ 成分の含有量が45カチオン%以下、
である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項8】
液相温度における粘性が10.0dPa・s以上であり、Pg,F>-0.0004νd+0.5720を満たし、以下の成分を含む、フツリン酸塩系の光学ガラス。
5+ 32.93カチオン%以下
Nb 5+ 3カチオン%以上
Al 3+ 20カチオン%以下
【請求項9】
アッベ数vdが53.50以下である、請求項8に記載の光学ガラス。
【請求項10】
の含有量が80アニオン%以下である、請求項8または9に記載の光学ガラス。
【請求項11】
Mg 2+ 成分の含有量が8カチオン%以下、
Ca 2+ 成分の含有量が10カチオン%以下、
Sr 2+ 成分の含有量が10カチオン%以下、
Ba 2+ 成分の含有量が50カチオン%以下、
Zn 2+ 成分の含有量が6.0カチオン%以下、
Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 及びZn 2+ の含有量の合計(Mg 2+ +Ca 2+ +Sr 2+ +Ba 2+ +Zn 2+ )が15カチオン%以上、50カチオン%以下、
である、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項12】
部分分散比Pg,Fが0.6000以下、
液相温度LTが900℃以下、
Na 成分の含有量が6.0カチオン%以下、
成分の含有量が6.0カチオン%以下、
3+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
La 3+ 、Gd 3+ 、Y 3+ 及びYb 3+ 成分の含有量の合計(La 3+ +Gd 3+ +Y 3+ +Yb 3+ )が7カチオン%以下、
Ti 4+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
Nb 5+ 成分の含有量が15カチオン%以下、
Ta 5+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
6+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
Bi 3+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
Ta 5+ 、W 6+ 及びBi 3+ 成分の含有量の合計(Ta 5+ +W 6+ +Bi 3+ )が10カチオン%以下、
2- 成分と、P 5+ 成分及びTi 4+ 成分の合計とのモル比(O 2- /(P 5+ +Ti 4+ ))が3.0以上、
2- 成分と、P 5+ 成分及びNb 5+ 成分の合計とのモル比(O 2- /(P 5+ +Nb 5+ ))が3.0以上、
Zr 4+ 成分の含有量が5カチオン%以下、
Cl の含有量が1アニオン%以下、
Br の含有量が1アニオン%以下、
の含有量が1アニオン%以下、
である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項13】
屈折率(nd)が1.45000以上、1.65000以下である、請求項1乃至11に記載の光学ガラス。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラス及びそれからなる光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
異常分散性を有する光学ガラスが従来から知られており、異常分散性が高い光学ガラスは、色収差補正に好適なレンズとなり得る。
【0003】
異常分散性が高い光学ガラスの一つにフツリン酸塩系光学ガラスが挙げられる。フツリン酸塩系光学ガラスは、高温でガラス成分が揮発しやすく、また熔融ガラスを鋳型に流し込む際、熔融ガラスの粘度が低いと鋳型の中でガラスの対流が著しくなり、ガラス組成の均質性が維持できず、脈理が発生する。脈理とは、屈折率等の光学的な特性の均質部分を指し、光学ガラス材料にとって好ましいものではない。
【0004】
上記問題を解決するために、熔融ガラスの温度を下げる方法が考えられる。熔融ガラスの温度を下げることにより、揮発が減少し、ガラスの粘度も高くなるため、ガラスの対流を抑えることが可能である。しかし、ガラスの温度を下げ過ぎると失透しやすくなり、製造の難易度が高くなる。
【0005】
例えば、特許文献1は、異常分散性を有し、液相温度における粘度が4dPa・s以上のフツリン酸塩系光学ガラスが開示されている。しかし、特許文献1の実施例のガラスは、液相温度における粘度はある程度改善されているものの、所望の異常分散性を有さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-137877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、製造時に脈理の発生を低減し、色収差補正により適切な光学ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、製造時に脈理の発生を低減し、色収差補正により適切な光学ガラスを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 液相温度における粘性が10.0dPa・s以上であり、Pg,F>-0.0004νd+0.5720を満たす、フツリン酸塩系の光学ガラス。
[2] 屈折率(nd)が1.45000以上、1.65000以下であり、アッベ数(νd)が45.0以上、85.0以下である、[1]に記載の光学ガラス。
[3] カチオン%で下記範囲の成分を含む、[1]又は[2]に記載の光学ガラス;
5+ 5%以上、55%以下
Al3+ 5%以上、50%以下、
Ba2+ 3%以上、50%以下。
[4] カチオン%でTi4+を20%以下含む、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の光学ガラス。
[5] カチオン%でNb5+を30%以下含む、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の光学ガラス。
[6] [1]乃至[5]のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光学ガラスは、製造時に脈理の発生を低減し、色収差補正により適切な光学ガラスである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の光学ガラスの研磨面の写真である。
図2】比較例2の光学ガラスの研磨面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
【0012】
まず、本発明のガラス特性及び光学ガラスの組成について説明する。本明細書において、カチオン成分の含有量及び合計含有量は、特記しない限り、カチオン%(cation%)で表示するものとし、アニオン成分(本明細書では、O2-、F、Cl、Br、I)の含有量及び合計含有量は、特記しない限り、アニオン%(anion%)で表示するものとする。
ここで、カチオン%とは、「(注目するカチオンの個数/ガラス成分のカチオン総数)×100」で算出される値であって、注目するカチオン量のカチオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
また、アニオン%とは、「(注目するアニオンの個数/ガラス成分のアニオン総数)×100」で算出される値であって、注目するアニオン量のアニオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
【0013】
カチオン成分同士の含有量の比は、注目するカチオン成分のカチオン%表示による含有量の比に等しく、アニオン成分同士の含有量の比は、注目するアニオン成分のアニオン%表示による含有量の比に等しい。
【0014】
また、ガラス構成成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)、イオンクロマトグラフィー法等の方法で定量することができ、本発明において、ガラス構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、当該成分が不可避的不純物レベルで含まれることは許容される。
【0015】
各波長の屈折率は、JIS B 7071に従って小数第六位まで測定し、小数第五位で表記する。主分散nF-nC(本明細書では、nF-nCを「D」として表記する場合がある。)、及びng-nFも、小数第五位で表記する。したがってnd、D、ng-nFの変化量は小数第五位で表記する。
アッベ数νdは、小数第二位で表記し、アッベ数の変化量も小数第二位で表記する。
Pg,Fは、小数第四位で表記し、Pg,Fの変化量も小数第四位で表記する。
【0016】
本発明の光学ガラスは、具体的に「第一態様」、「第二態様」の光学ガラスがあるが、本発明は、これらの第一態様、第二態様を包含するものである。以下の説明では、「第一態様」と「第二態様」を別々に記載する場合がある。
【0017】
[光学ガラス特性]
(部分分散比Pg,F)
本発明の光学ガラスは色修正差補正に好適なものであり、高い異常分散性を有するものが好ましい。異常分散性を示す指標としては、部分分散比Pg,Fが使用される。
【0018】
部分分散比Pg,Fは、F線(波長486.13nm)における屈折率nF、C線(波長656.27nm)における屈折率nC、並びにg線(波長435.84nm)における屈折率ngを用いて、式(1)のように表される。
Pg,F=(ng-nF)/(nF-nC) ・・・(1)
【0019】
本発明の光学ガラスは、部分分散比Pg,Fとアッベ数νdが式(2)を満たすことが好ましい。
Pg,F>-0.0004νd+0.5720 ・・・(2)
部分分散比Pg,Fとアッベ数νdが式(2)を満たす光学ガラスは、高次色収差補正用の光学ガラスとして好適に用いることができる。
【0020】
本発明の光学ガラスのPg,Fの値について、下限は、0.5200以上、0.5250以上、0.5300以上とすることができ、上限は、0.6000以下、0.5950以下、0.5900以下とすることができる。
【0021】
第一態様の光学ガラスにおいて、Pg,F値の下限は、0.545以上、0.550以上、0.555以上の順で好ましく、上限は、0.600以下、0.595以下、0.590以下の順で好ましい。
第二態様の光学ガラスにおいて、Pg,Fの値の下限は、0.520以上、0.525以上、0.530以上の順で好ましく、上限は、0.570以下、0.565以下、0.560以下の順で好ましい。
【0022】
(液相温度LTにおける粘度)
本発明の光学ガラスは、液相温度LTにおける粘度が、10.0dPa・s以上のものである。液相温度LTにおける粘度が、10.0dPa・s以上であれば、熔融ガラスをキャストするときに、脈理を抑制することができ、均質なガラスを得ることができる。
液相温度LTにおける粘度は、10.3dPa・s以上が好ましく、10.5dPa・s以上がより好ましく、10.8dPa・s以上がさらに好ましく、11.0dPa・s以上がより一層好ましい。なお、本明細書では、粘性の単位は、「dPa・s」で表記するが、その値は「ポアズ」と同じである。
なお、本明細書において、ガラス融液の粘度は、JIS規格Z8803の粘度測定方法により、共軸二重回転円筒型回転粘度計(東京工業株式会社製、高温粘度測定装置RHEOTRONIC II(改良型))を用いて測定した。試料である光学ガラスの温度を変えて、各温度でのガラスの粘度を測定し、粘度と温度の関係を示すグラフを作成し、このグラフを用いて 、液相温度におけるガラスの粘度を読み取った。
【0023】
(液相温度LT)
本発明の光学ガラスは、液相温度LTにおける粘度が高いという特徴を有するが、液相温度LT自体は、特に制限されるものではない。
本発明の光学ガラスの液相温度LTの下限は、450℃以上、470℃以上、480℃以上とすることができ、上限は、900℃以下、890℃以下、880℃以下とすることができる。
【0024】
第一態様の光学ガラスにおいては、液相温度LTの下限は、700℃以上、720℃以上、730℃以上、740℃以上、750℃以上の順で好ましく、液相温度LTの上限は、900℃以下、890℃以下、880℃以下、870℃以下、860℃以下の順で好ましい。
第二態様の光学ガラスにおいては、液相温度LTの下限は、450℃以上、470℃以上、480℃以上、490℃以上、500℃以上の順で好ましく、液相温度LTの上限は、720℃以下、700以下、690℃以下、680℃以下、670℃以下の順で好ましい。
なお、本明細書において、液相温度LTは、所定の白金坩堝にガラス50gを秤量し、所定の温度で2時間保持してから室温まで冷却し、ガラスの表面、内部を目視および光学顕微鏡で拡大観察(倍率は100倍)し、結晶の析出の有無を調べ、結晶が確認されなかった最低の温度(10℃刻み)を液相温度LTとした。
【0025】
(屈折率nd)
本発明の光学ガラスの屈折率ndは特に制限されるものではない。
本発明の光学ガラスの屈折率ndの下限については1.44000以上、1.44500以上、1.45000以上とすることができ、屈折率ndの上限については、1.65000以下、1.64500以下、1.64000以下とすることができる。
【0026】
第一態様の光学ガラスにおいて、屈折率ndの下限は、1.57000以上、1.57500以上、1.58000以上、1.58500以上、1.59000以上の順で好ましい。また、屈折率ndの上限は、1.66000以下、1.65500以下、1.65000以下、1.64500以下の順で好ましい。
第二態様の光学ガラスにおいて、屈折率ndの下限は、1.44000以上、1.44500以上、1.45000以上、1.45500以上、1.46000以上の順で好ましい。また、屈折率ndの上限は、1.48500以下、1.48000以下、1.47500以下、1.47000以下の順で好ましい。
【0027】
(アッベ数νd)
本発明の光学ガラスのアッベ数νdは特に制限されるものではない。
下限については、44.00以上、44.50以上、45.00以上、45.50以上とすることができ、上限は、86.00以下、85.50以下、85.00以下とすることができる。
第一態様の光学ガラスにおいて、アッベ数νdの下限は、45.00以上、45.50以上、46.00以上、46.50以上、47.00以上、47.50以上の順で好ましい。また、アッベ数νdの上限は、53.50以下、53.00以下、52.50以下、52.00以下、51.50以下の順で好ましい。
第二態様の光学ガラスにおいて、アッベ数νdの下限は、75.00以上、75.50以上、76.00以上、76.50以上、77.00以上、77.50以上の順で好ましい。また、アッベ数νdの上限は、86.00以下、85.50以下、85.00以下、84.50以下、84.00以下、83.50以下の順で好ましい。
【0028】
[光学ガラス組成]
以下、本発明の光学ガラスに含有することができるガラス成分について説明する。本発明の光学ガラスは、フツリン酸塩系ガラスであり、少なくともフッ素(F)と、リン(P)、酸素(O)を含むものである。
【0029】
(P5+成分)
本発明の光学ガラスにおいて、必須成分であるP5+成分は、ガラスの骨格を構成する成分であり、ガラスの熱安定性を改善する成分である。また、低屈折率、低分散に寄与する成分である。本発明の光学ガラスに含まれるP5+成分の下限は5%以上、7%以上とすることができ、上限は、55%以下、50%以下、45%以下とすることができる。粘性が10.0dPa・s以上で、かつ、式:Pg,F>-0.0004νd+0.5720を満たすガラス骨格を形成するためには、例えば、P5+成分の下限を5%以上、上限を55%以下に設定することが好ましい。
【0030】
第一態様においては、P5+の下限は、10%以上、15%以上、20%以上、22%、25%、28%、29%以上の順で好ましく、上限は、55%以下、50%以下、45%以下、42%以下、40%以下、39%以下、38%以下の順で好ましい。
第二態様においては、P5+の下限は、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上の順で好ましく、上限は、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下の順で好ましい。
【0031】
(Si4+、B3+成分)
本発明の光学ガラスの成分として、P5+成分に加えて、ガラスの骨格を構成する成分として、Si4+成分及び/又はB3+成分を含有することができる。Si4+成分及びB3+成分は、ガラスの熱安定性を改善する成分であり、また、低屈折率、低分散に寄与する成分である。
Si4+及びB3+成分のそれぞれの含有量は特に制限はなく、任意に含有することできるが、含有量の上限は、10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.1%以下、0%の順で好ましい。本明細書において、0%以上とは、実質的に当該成分を含有していないことが含まれる。なお、Si4+成分及びB3+成分の好ましい範囲は、第一態様、第二態様のいずれも同様である。
【0032】
Si4+及びB3+成分の合計含有量についても、10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.1%以下、0%の順で好ましい。
【0033】
(Li、Na、K、Rb及びCs成分)
本発明の光学ガラスには、Li、Na、K、Rb及びCs成分(これらの成分を以下「アルカリ金属成分」と称する場合がある。)の一種又は複数種を含有することができる。Li、Na、K、Rb及びCs成分は、熔融性の改善やガラスの粘性及び屈折率を調整することが可能な成分であるが、多すぎると、熱的に不安定になる場合がある。
Li成分の含有量は、特に制限されるものではないが、上限としては、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、13%以下、11%以下、9.0%以下、7.5%以下、6.0%以下の順で好ましい。下限は、0%以上、0%超、0.1%以上、0.5%以上、1.0%以上、1.5%以上、2.0%以上、2.5%以上の順で好ましい。
なお、Li成分の上記の含有量は、第一態様も第二態様も同様である。
【0034】
Na、K、Rb及びCs成分についても、含有量は任意であるが、それぞれの含有量の上限は、好ましくは、10%以下、6.0%%以下、4.0%以下、3.0%以下、2.0%以下、1.0%以下、0.5%以下の順で好ましい。いずれの成分も0%にすることもできる。
Na、K、Rb及びCs成分の上記の含有量は、第一態様も第二態様も同様である。なお、必要により、Li成分の一部を他のアルカリ成分(Na、K、Rb及びCs成分)に置換してもよい。
【0035】
(Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分)
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分は、ガラスの熔融性の改善やガラスの粘性及び屈折率を調整する成分であるが、多すぎると、熱的に不安定になる場合がある。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の上限は、50%以下、45%以下、40%以下にすることができ、それぞれの含有量の下限は、例えば、0%以上、0%超、1%以上、3%以上とすることができる。
【0036】
具体的には、第一態様において、Mg2+の含有量の上限は、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下の順で好ましく、0%(含有しない)にすることができる。
第二態様において、Mg2+の含有量の上限は、15%以下、10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下の順で好ましい。下限は特に制限はされないが、0%以上、0%超、1.0%以上、1.5%以上、2.0%以上の順で好ましい。
【0037】
Ca2+は第一態様において、上限は、10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下の順で好ましく、0%(含有しない)にすることもできる。
Ca2+は第二態様において、上限は特に限定されないが、30%以下、27%以下、25%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下の順で好ましい。下限は特に限定されないが、0%以上、0%超、1.0%以上、5%以上、7%以上、9%以上、11%以上、12%以上の順で好ましい。
【0038】
Sr2+は第一態様において、上限は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下の順で好ましく、0%(含有しない)にすることができる。
Sr2+は第二態様において、上限は30%以下、25%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下の順で好ましい。下限は特に限定されないが、0%以上、0%超、1.0%以上、5%以上、7%以上、9%以上、10%以上、11%以上の順で好ましい。
【0039】
Ba2+は第一態様において、上限は50%以下、45%以下、43%以下、42%以下、41%以下、40%以下、39%以下の順で好ましい。下限は、10%以上、15%以上、22%以上、25%以上、26%以上、27%、28%以上、29%以上の順で好ましい。
Ba2+は第二態様において、上限は25%以下、23%以下、20%以下、18%以下、16%以下の順で好ましい。下限は特に限定されないが、0%以上、1.0%以上、2%以上、3%以上、4%以上の順で好ましい。中でも、Ba2+は粘性及び高屈折率化・低分散化に寄与する成分であるため、本発明のフツリン酸塩系の光学ガラスにおいて、10.0dPa・s以上の粘性にしつつ、所望の屈折率・アッベ数にするためには、Ba2+を3%以上、50%以下にすることが好ましい。また、場合により、Ba2+の一部をMg2+、Ca2+、Sr2+、又はZn2+に置換してもよい。
【0040】
Zn2+成分についても、含有量は任意であるが、それぞれの含有量の上限は、好ましくは、10%以下、6.0%%以下、4.0%以下、3.0%以下、2.0%以下、1.0%以下、0.5%以下の順で好ましい。0%にすることもできる。
Zn2+成分の上記の含有量は、第一態様も第二態様も同様である。
【0041】
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の合計(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+)の下限は、例えば、15%以上、20%以上、25%以上、27%以上、28%以上、29%以上とすることができ、上限は、60%以下、55%以下、52%以下、50%以下、48%以下とすることができる。
なお、Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+成分の合計の含有量のとりうる値は、第一態様も第二態様も同様である。
【0042】
(La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分)
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+成分に比べて屈折率を高める成分であり、高屈折率、低分散化に寄与する成分であるが、多すぎると熔融性が悪化してしまう場合がある。La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分のそれぞれの含有量は特に制限はなく、La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分のそれぞれの含有量の上限は、例えば、20%以下、10%以下、7%以下、5%以下であってもよい。下限は特に制限はなく、0%以上とすることができる。
特に、Y3+成分の含有量については、第一態様においては、上限は、20%以下、10%以下、7%以下、5%以下の順で好ましく、0%(含有しない)とすることもできる。
3+成分の含有量については、第二態様においては、上限は、20%以下、10%以下、7%以下、5%以下であってもよい。下限は特に制限はなく、0%以上、0%超、0.5%以上、1.0%以上の順で好ましい。
【0043】
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分の含有量の合計(La3++Gd3++Y3++Yb3+)も特に制限されず、La3++Gd3++Y3++Yb3+の上限は、例えば、20%以下、10%以下、7%以下、5%以下であってもよい。
【0044】
(Ti4+成分)
Ti4+成分は、高屈折率化及び高Pg,F化に寄与する成分であるが、多すぎると、高分散化してしまう場合がある。
Ti4+成分の含有量は、上限は、20%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下の順で好ましく、0%(含有しない)とすることもできる。なお、第二態様のみ、下限を1.0%以上とすることができる。
【0045】
(Nb5+成分)
Nb5+は高屈折率化及び高Pg,F化に寄与する成分であるが、多すぎると高分散化してしまう場合がある。
Nb5+成分の含有量は、上限は、30%以下、20%以下、15%以下、14%以下、13%以下の順で好ましく、0%(含有しない)とすることもできる。なお、第一態様では、下限が1%以上、3%以上、5%以上の順で好ましい。
本発明のフツリン酸塩系のガラスにおいて、Ti4+成分の含有量の上限を上記値とする、及び/又はNb5+成分の含有量の上限を上記値とすることによりPg,Fの値が「-0.0004νd+0.5720」の値を超えるように設定しやすくなる。例えば、Ti4+成分の含有量を20%以下、及び/又はNb5+成分の含有量を30%以下とすることで、Pg,Fの値が「-0.0004νd+0.5720」の値を超えるように設定しやすくなる。
【0046】
Ta5+、W6+及びBi3+成分は、高屈折率化及び高Pg,F化に寄与する成分であるが、多すぎると高分散化してしまう場合がある。これらの成分は本発明の光学ガラスの特性を失わない範囲で含有することができる。Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量は特に制限されず、それぞれの含有量の上限は、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下とすることができ、0%(含有しない)とすることもできる。
【0047】
Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量の合計(Ta5++W6++Bi3+)も特に制限されず、上限は、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下とすることができる。下限は0%以上とすることができる。
【0048】
なお、本発明の光学ガラスにおいては、Ti4+及び/又はNb5+を含むことが好ましい。Ti4+、Nb5+は、異常分散性を有する光学ガラスの場合、これらを添加することによりPg,Fを高めることができる場合がある。これらの成分を加えることにより、式(1)を満たすような高いPg,Fにすることができる場合があるため、好ましい。
【0049】
本発明の光学ガラスにP5+成分とTi4+成分を含有させる場合は、O2-成分とP5+成分+Ti4+成分とのモル比(O2-/(P5++Ti4+))は、揮発の抑制の観点から3.0以上、3.1以上、3.2以上の順で好ましく、上限はガラスの熱的安定性の観点から、4.0以下、3.9以下、3.8以下の順で好ましい。なお、モル比(O2-/(P5++Ti4+))の値は、原子%(atom%)の値から算出する。
【0050】
本発明の光学ガラスにP5+成分とNb5+成分を含有させる場合は、O2-成分とP5+成分+Nb5+成分とのモル比(O2-/(P5++Nb5+))は、揮発の抑制の観点から3.0以上、3.1以上、3.2以上の順で好ましく、上限はガラスの熱的安定性の観点から、4.0以下、3.9以下、3.8以下の順で好ましい。なお、モル比(O2-/(P5++Nb5+))の値についても、原子%(atom%)の値から算出する。
【0051】
(Al3+成分)
Al3+成分は、化学的耐久性を改善させる成分であり、導入することでガラスの熱安定性を改善させる場合がある。また、Al3+は加工性を改善する働きがある場合もある。過剰に含有させると熔融性が悪化してしまう場合がある。Al3+成分の含有量も特に制限されないが、熔融性の観点からAl3+成分のそれぞれの含有量の上限は、例えば、50%以下、45%以下、40%以下とすることができ、下限は、5%以上、8%以上、10%以上とすることができる。例えば、Al3+成分を5%以上、50%以下含有させることにより、本発明のフツリン酸塩系のガラスに、良好な化学的耐久性を付与させるとともに、場合によっては、失透しにくくさせ、安定的に当該ガラスの生産を容易にさせることができる。
【0052】
第一態様では、Al3+成分の上限は、30%以下、25%以下、22%以下、21%以下、20%以下の順で好ましく、下限は、5%以上、8%以上、10%以上、12%以上、13%以上の順で好ましい。
具体的には、第二態様では、Al3+成分の上限は、50%以下、45%以下、42%以下、40%以下、38%以下の順で好ましく、下限は、10%以上、12%以上、15%以上、17%以上、20%以上の順で好ましい。
【0053】
なお、P5+とAl3+との割合については、特に制限されるものではなく、P5+が比較的多い光学ガラスにも、Al3+が比較的多いガラスにも効果が確認できる。
【0054】
(Zr4+成分)
Zr4+成分も、化学的耐久性を改善させる成分であり、導入することでガラスの熱安定性を改善させる場合があり、本発明の光学ガラスには、少量含有することができるが、過剰に含有すると熔融性を悪化させてしまう場合がある。したがって、Zr4+成分のそれぞれの含有量の上限は、例えば、10%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下であってもよく、0%(含有しない)にすることができる。
Zr4+成分のとりうる含有量は、第一態様も第二態様も同様である。
【0055】
必要に応じ、As、Sb及びSnの少なくとも一種のカチオンをガラスに加えることができる。As、Sb及びSnのカチオンは、ガラス熔融時における清澄効果、及び得られるガラス中の白金ブツを低減させる効果がある。また、ガラスの酸化・還元状態の調整することができる場合もある。As、Sb及びSnのカチオンの含有量は、特に制限されるものではないが、As、Sb及びSnのカチオンのそれぞれの含有量の上限は、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.09%以下、0.08%以下、0.07%以下、0.06%以下、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、0.01%以下、0.009%以下、0.008%以下、0.007%以下、0.006%以下、0.005%以下、0.004%以下、0.003%以下、0.002%以下、0.001%以下であってもよい。また、As、Sb及びSnのカチオンのそれぞれの含有量の下限は、0%以上、0.001%以上、0.002%以上、0.003%以上、0.004%以上、0.005%以上、0.006%以上、0.007%以上、0.008%以上、0.009%以上、0.01%以上、0.02%以上、0.03%以上、0.04%以上、0.05%以上、0.06%以上、0.07%以上、0.08%以上、0.09%以上、0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上、0.5%以上、0.6%以上、0.7%以上、0.8%以上、0.9%以上であってもよい。不含有とすることもできる。
As、Sb及びSn成分のとりうる含有量は、第一態様も第二態様も同様である。
【0056】
(F成分)
本発明の光学ガラスであり、アニオン成分として、フッ素(F)を含有する。Fの含有量は、特に限定されるものではないが、90%以下、85%以下、80%以下とすることができ、また、Fの含有量の下限は、10%以上、15%以上、20%以上、とすることができる。
【0057】
具体的には、第一態様におけるFの含有量の上限は、50%以下、45%以下、43%以下、40%以下、39%以下の順で好ましく、また、下限は、15%以上、20%以上、22%以上、25%以上、27%以上の順で好ましい。
また、第二態様におけるFの含有量の上限は、90%以下、85%以下、83%以下、80%以下、78%以下の順で好ましく、また、下限は、60%以上、62%以上、65%以上、68%以上、70%以上、72%以上の順で好ましい。
【0058】
(Cl、Br、I成分)
本発明の光学ガラスは、Fに加えてCl、Br、I等のハロゲンイオンを含有することができる。それぞれの含有量の上限は、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下とすることができ、0%(含有しない)とすることができる。
【0059】
これらの中でも、F及びClは、導入することにより、低分散化するとともに、ガラスの異常分散性を付与する働きや、ガラス転移温度を低下させる働きや、化学的耐久性を改善させる働きがある。
【0060】
なお、用途により材料に放射性物質が含まれることが問題になる場合は、放射性同位体の含有率を一定量以下に抑える、或いは意図的に含有しないことが好ましい(ただし不純物としての混入を妨げない)。
【0061】
[光学ガラスの製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば、所定の特性が得られるようにガラス原料の調合、熔融、成形することにより得ることができる。ガラス原料としては、例えば、リン酸塩、フッ化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物を用いればよい。ガラスの熔融法、成形法については公知の方法を用いればよい。
【0062】
なお、本発明の熔解の「所定の温度」とは、ガラスが完全に熔解できる温度である。具体的な所定の温度は、(A)950℃、又は、(B)ガラスの液相温度(以下、LTと表記するときがある)+150℃~400℃で熔解した温度(LTに150℃を加えた温度~LTに400℃を加えた温度)である。したがって、所定の温度は、前記(A)又は(B)のいずれかを満たす。具体的な所定の温度としては、例えば、850、900℃、950℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃等が挙げられる。
【0063】
本発明の光学ガラスの熔解における雰囲気は、大気下、非酸化性雰囲気、還元雰囲気下などとすることができるが、非酸化性雰囲気(具体的にはN雰囲気、Ar雰囲気等)などで熔解することが好ましい。
【実施例
【0064】
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【0065】
(光学ガラス特性の測定)
光学ガラス級の高純度の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、フッ化物、硫酸塩等の原料を使用し、表1の各実施例・比較例の組成を有するガラスが得られるように原料を秤量して混合し、調合原料とした。次に各調合原料を、それぞれ白金坩堝に入れ、上記したような所定の温度に加熱し、窒素雰囲気下で、熔解開始から2時間又は4時間熔融した後、撹拌し均質化を行った後、静置し清澄を行った後、鋳型に流し込んだ。ガラスが固化した後、次いでガラスの徐冷点近くに加熱しておいた電気炉内に移し、室温まで徐冷した。このようして各実施例・比較例のガラスからなるブロックを作製した。得られた各ガラスブロックから測定に必要なテストピースを切り出し、研磨加工を施して特性評価を行った。
【0066】
(1)nd、ng、nF、nC及びアッベ数νdの測定
降温速度-30℃/時間で降温して得られたガラスについて、JIS B 7071の屈折率測定法によって、屈折率nd、ng、nF、nC及びアッベ数νdの測定をした。
【0067】
(2)部分分散比Pg,Fの測定
上記(1)で得られたnd、ng、nF、nCから、部分分散比Pg,Fを算出した。
【0068】
実施例、比較例で使用した光学ガラスの組成を表1(カチオン%(cat.%)及びアニオン%(ani.%)による表記)、表2(原子%(atom.%)による表記)に示し、表3には各光学ガラスの特性を示す。なお、表3中のnd、νd、Pg,Fの値は、ガラスを1.5時間熔解したときの値である。
【0069】
なお、表2中のLT(液相温度)、LT粘性(液相温度における粘性)は、明細書中に記載した方法で測定した値である。なお、測定に使用した光学ガラスは、いずれも液相温度LT測定の場合は、50gであり、ガラス体積としては、12.5ml±2.0mlの範囲にあった。また、LT粘性の測定は、ガラス体積は20~25ccで行った。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
さらに、実施例1で得られた光学ガラスを研磨したときの写真を図1に示し、比較例2で得られた光学ガラスを研磨したときの写真を図2に示す。比較例2の光学ガラスは、LT粘性が低いため、キャスト時に対流等の影響により、脈理が発見された。一方、図1の光学ガラスは、脈理が極めて少なく、光学ガラスとして、有用である。
【0074】
本発明の光学ガラスは、光学素子の材料として利用することができる。
図1
図2