(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】結合用樹脂を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C09J 197/00 20060101AFI20240628BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20240628BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20240628BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20240628BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C09J197/00
C09J163/00
B27M3/00 E
C09J11/04
C09J11/06
(21)【出願番号】P 2020570001
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2019055492
(87)【国際公開番号】W WO2020008311
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-05-30
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナスリ バキール、ベン
(72)【発明者】
【氏名】トールセル、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ヒェルム、ラース
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン、リー
(72)【発明者】
【氏名】ファム、ヒュイン トラン アン
(72)【発明者】
【氏名】ザファール、アシャール
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-210816(JP,A)
【文献】特開2011-116930(JP,A)
【文献】特開2011-218775(JP,A)
【文献】特開2005-290020(JP,A)
【文献】特表2022-539516(JP,A)
【文献】特表2018-519392(JP,A)
【文献】特開2005-060590(JP,A)
【文献】特開2016-030824(JP,A)
【文献】野中裕史ほか,リグニン/エポキシ樹脂の物性と接着性,木材工業,1996年,51巻,6号,250-254
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 197/00
B27M 3/00
C09J 163/00
C09J 11/06
C09J 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤用の樹脂を調製するための方法であって、リグニン水溶液が、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1~5個のプロピレングリコール単位を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテル、のうち1種以上と、1種以上の添加剤と、混合され、リグニンは
クラフト法中で生成され、黒液から単離され、更に精製され、前記1種以上の添加剤が、尿素、タンニン、界面活性剤、分散剤、フィラー、及び/又は溶剤から選択される、接着剤用の樹脂を調製するための方法。
【請求項2】
前記エーテルがポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リグニン水溶液がアルカリ溶液である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
乾燥リグニンを基準として算出したリグニンと、グリセロールジグリシジルエーテル及び/又はエチレングリコールジグリシジルエーテルの総量と、の重量比が、1:10~10:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記添加剤が溶剤の場合、前記溶剤が、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するいずれかのジオール末端である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リグニンが、リグニンのヒドロキシ基含有量又はアミン含有量又はチオール含有量が増加する、グリオキシル化(glyoxylation)、エーテル化、エステル化、又はその他のいずれかの方法によって変性される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項の方法によって入手可能な接着剤用の樹脂。
【請求項8】
請求項7に記載の接着剤用の樹脂の使用であって、積層品、ミネラルウール断熱材、及び木質製品の製作における、前記結合用樹脂の使用。
【請求項9】
請求項7に記載の接着剤用の樹脂の使用であって、前記接着剤用の樹脂が、積層品、ミネラルウール断熱材、及び木質製品の調製において、表面に提供され、前記表面が圧力及び熱にさらされると、前記接着剤用の樹脂の硬化が生じ、接着剤を形成する、前記接着剤用の樹脂の使用。
【請求項10】
請求項9に記載の接着剤用の樹脂を用いて製作される、積層品、ミネラルウール断熱材、及び木質製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合用樹脂を調製するためのプロセスであって、リグニンが水溶液の形態で提供され、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2~9個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1~5個のプロピレングリコール単位を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテル、のうち1種以上と、任意により1種以上の添加剤と、混合されるプロセスに関する。結合用樹脂は、例えば積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF又はパーティクルボードなどの木質製品の製作に有用である。また、結合用樹脂は、例えば複合体、成形配合物、鋳造の用途、及び紙、木材又は金属基材のコーティングにおいても有用である。
【背景技術】
【0002】
リグニンは、木材などの主要構成成分となる芳香族ポリマーであり、セルロースに次ぐ地球上で最も豊富な炭素源である。近年、パルプ製造プロセスから高度に精製された、固体かつ特定の形態でリグニンを抽出する技術が開発・商業化されたことに伴い、現在は石油化学産業から供給される、主として芳香族の化学的前駆体の、あり得る再生可能代替物として、リグニンは大きな注目を集めている。
【0003】
多環芳香族のネットワークであるリグニンは、フェノール・ホルムアルデヒド接着剤の製造における、フェノールの好適な代替物として広く研究されている。これらは、積層品及び構造用の木質製品、例えば合板、配向性ストランドボード及び繊維板などの製作中に使用される。このようなフェノール・ホルムアルデヒド接着剤の合成の間、部分的にリグニンに置き換えられてもよいフェノールは、塩基性触媒又は酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応して、ノボラック(酸性触媒を利用したとき)又はレゾール(塩基性触媒を利用したとき)と称される、高度に架橋した芳香族樹脂を形成する。現在は、リグニンの反応性が低いために、限られた量のフェノールのみがリグニンに置き換えられ得る。
【0004】
リグニンを含む樹脂を調製する際の1つの問題は、ホルムアルデヒド含有樹脂、例えばリグニン・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂などでリグニンが使用されるときの、ホルムアルデヒドの使用である。ホルムアルデヒド系樹脂は、有毒な揮発性有機化合物であるホルムアルデヒドを放散する。ホルムアルデヒド放散量の低減又は除去を目的として、現在の法規制及び提唱中の法規制により、木材用接着剤の用途で、ホルムアルデヒドを含まない樹脂の開発が進められている。
【0005】
Jingxian Li R.ら(グリーンケミストリー(Green Chemistry)、2018、20、1459~1466)は、リグニンが固体で提供される、グリセロールジグリシジルエーテル及びリグニンを含む樹脂の調製について記載している。この論文に記載の技術に関する1つの問題は、長いプレス時間と高いプレス温度である。3層合板試料の樹脂を完全に硬化させるために、150℃の温度で15分間プレスした。
【0006】
Engelmann G.及びGanster J.(Holzforschung、2014、68、435~446)は、低分子量クラフトリグニン及びピロガロールを有する、バイオベースのエポキシ樹脂であって、リグニン成分がクラフトリグニンからのアセトン抽出物からなるエポキシ樹脂の調製について記載している。
【発明の概要】
【0007】
驚くべきことに、ホルムアルデヒドの使用を回避できる結合用樹脂を容易に調製することが可能であると見出されている。また、水溶液の形態でリグニンを提供することにより、改良された結合用樹脂を得られることも見出されている。水溶液の形態でリグニンを提供することで、反応の速度が著しく上がる。それゆえ、例えば積層品、ミネラルウール断熱材及び、合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF又はパーティクルボードなどの木質製品を製作するときに、結合用樹脂を硬化させるためのプレス時間が短縮され、より低いプレス温度の使用が可能となる。また、結合用樹脂は、例えば複合体、成形配合物、鋳造の用途、及び紙、木材又は金属基材のコーティングにおいても有用である。
【0008】
それゆえ、本発明は、結合用樹脂を調製するための方法であって、リグニン水溶液が、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2~9個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1~5個のプロピレングリコール単位を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテル、のうち1種以上と混合される方法を対象とする。
【0009】
本発明の一態様は、結合用樹脂を調製するための方法であって、リグニン水溶液が1種以上の架橋剤及び/又は1種以上のグリシジルエーテルと混合され、架橋剤が4eq/kgを超えるエポキシ指数を有する方法である。エポキシ指数はISO 3001に準拠して決定できる。好ましくは、架橋剤は5eq/kgを超えるエポキシ指数を有する。架橋剤は脂肪族グリシジルエーテル又は、好ましくは芳香族グリシジルエーテルである。好ましくは、架橋剤は脂肪族である。
【0010】
グリシジルエーテルは多官能性エポキシドでもよく、本発明による方法はエポキシドの混合物、例えば単官能性、二官能性、三官能性及び/又は四官能性のエポキシド混合物を使用してもよい。
【0011】
それゆえ、本発明はまた、上記方法を用いて得られる結合用樹脂、並びに積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF又はパーティクルボードなどの木質製品の製作における、結合用樹脂の使用を対象とする。本発明による結合用樹脂はまた、コーティングにおいて又はコーティング用に、例えば金属表面若しくは木材若しくはその他の基材上に適用されるコーティングに使用され得る。本発明はまた、結合用樹脂を用いて製作される、このような積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF又はパーティクルボードなどの木質製品を対象とする。本発明による結合用樹脂はまた、複合体の製作、成形配合物、鋳造用途、及び紙、木材又は金属基材のコーティングにおいて使用され得る。
他の記載と重複するが、本発明及びその諸態様を以下に示す。ただし、本発明は以下に限定されない。
[1]
結合用樹脂を調製するための方法であって、リグニン水溶液が、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2~9個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1~5個のプロピレングリコール単位を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテル、のうち1種以上と、任意により1種以上の添加剤と、混合される、結合用樹脂を調製するための方法。
[2]
前記エーテルがポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、[1]に記載の方法。
[3]
前記リグニン水溶液がアルカリ溶液である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
乾燥リグニンを基準として算出したリグニンと、グリセロールジグリシジルエーテル及び/又はエチレングリコールジグリシジルエーテルの総量と、の重量比が、1:10~10:1である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記添加剤が、尿素、タンニン、界面活性剤、分散剤、フィラー、及び/又は溶剤である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記溶剤が、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するいずれかのジオール末端である、[5]に記載の方法。
[7]
前記リグニンが、リグニンのヒドロキシ基含有量又はアミン含有量又はチオール含有量が増加する、グリオキシル化(glyoxylation)、エーテル化、エステル化、又はその他のいずれかの方法によって変性される、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
リグニン水溶液が1種以上の架橋剤及び/又は1種以上のグリシジルエーテルと混合され、前記架橋剤が4eq/kgを超えるエポキシ指数を有する、結合用樹脂を調製するための方法。
[9]
[1]~[8]のいずれかの方法によって入手可能な結合用樹脂。
[10]
[9]に記載の結合用樹脂の使用であって、積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF、又はパーティクルボードなどの木質製品の製作における、前記結合用樹脂の使用。
[11]
[9]に記載の結合用樹脂の使用であって、前記結合用樹脂が、積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF、又はパーティクルボードなどの木質製品の調製において、表面に提供され、前記表面が圧力及び熱にさらされると、前記結合用樹脂の硬化が生じ、接着剤を形成する、前記結合用樹脂の使用。
[12]
[11]に記載の結合用樹脂を用いて製作される、積層品、ミネラルウール断熱材、及び合板、配向性ストランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、寄木張りフローリング、曲面合板、化粧張りパーティクルボード、化粧張りMDF、又はパーティクルボードなどの木質製品。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の記載全体を通じて、「リグニン」という表現は、あらゆる種類のリグニン、例えば広葉樹、針葉樹又は環状植物に由来するリグニンを包含することが意図される。リグニンは、例えばクラフト法中で生成されるアルカリリグニンが好ましい。リグニンは、本発明によるプロセスで用いられる前に、精製又は単離されていることが好ましい。リグニンは黒液から単離されてよく、任意により、本発明によるプロセスで用いられる前に更に精製されてもよい。精製は通常、リグニンの純度が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%となるようなものである。それゆえ、本発明の方法に従って用いられるリグニンは、10%未満、好ましくは5%未満の不純物を含有することが好ましい。続いて、リグニンは、国際公開第2006031175号パンフレットに開示されているプロセスを用いて黒液から分離されてもよい。そして、リグニンは、リグノブースト法と称されるプロセスを用いて黒液から分離されてもよい。
【0013】
本発明に従って用いられるグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2~9個のエチレングリコール単位(好ましくは2~5個のエチレングリコール単位、例えば2~3個又は4~5個のエチレン単位)を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1~3個のプロピレングリコール単位又は4~5個のプロピレングリコール単位(2~4個のプロピレングリコール単位又は2~6個のプロピレングリコール単位など)を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテルは、架橋剤として作用する。より多くの官能性エポキシ基を有するグリシジルエーテル、例えばグリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテルなどを使用できる。2~9個のアルキレングリコール基(例えば2~4個のアルキレングリコール基又は2~6個のアルキレングリコール基)を有するその他のグリシジルエーテル、例えばジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル及びトリプロピレンジグリシジルエーテルなども使用できる。2つのグリシジルエーテル基の間の鎖長が長くなるにつれて、樹脂はより柔軟になるが、それにより、樹脂の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。樹脂は、結果として、硬化中に接着剤となる。通常、本発明による結合用樹脂は、合板の製作などにおいて、例えば単板の表面に適用される。加熱下で単板が同時にプレスされると、結合用樹脂中で架橋が生じ、結果として樹脂が接着剤となる。
【0014】
リグニンの水溶液は、当該技術分野において公知の方法、例えばリグニン、アルカリ及び水を混合することによって調製できる。リグニン水溶液のpHは、好ましくは10~14の範囲である。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びそれらの混合物が挙げられる。水溶液中のアルカリの量は、好ましくは水溶液の0.1重量%~15重量%、例えば水溶液の0.1重量%~10重量%などである。
【0015】
リグニン(乾燥重量)と、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アルコキシル化グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールトリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2~9個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1~5個のプロピレングリコール単位を有するプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するジオール末端のジグリシジルエーテルの総量と、の重量比は、好ましくは1:10~10:1の範囲内である。結合用樹脂中のリグニンの量は、好ましくは5重量%~50重量%であり、リグニンの乾燥重量及び結合用樹脂の総重量として算出される。
【0016】
結合用樹脂はまた、添加剤、例えば尿素、タンニン、溶剤、界面活性剤、分散剤及びフィラーなどを含んでよい。
【0017】
結合用樹脂中の尿素の量は、0~40%、好ましくは5~20%であることができ、尿素の乾燥重量及び結合用樹脂の総重量として算出される。
【0018】
フィラー及び/又は硬化剤もまた、結合用樹脂に添加できる。このようなフィラー及び/又は硬化剤の例としては、石灰岩、セルロース、炭酸ナトリウム及びデンプンが挙げられる。
【0019】
リグニンのグリシジルエーテルとの反応性は、リグニンのヒドロキシ基含有量又はカルボキシ基含有量又はアミン含有量又はチオール含有量が増加する、グリオキシル化(glyoxylation)、エーテル化、エステル化又はその他の方法で、リグニンを変性することにより高めることができる。
【0020】
本発明による結合用樹脂中で使用できるその他の溶剤は、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール及び/又は炭素原子3~6個の直鎖状炭素鎖を有するいずれかのジオール末端である。
【0021】
リグニン水溶液は、好ましくは室温で、例えば15℃~30℃の温度などで、グリシジルエーテルと混合される。混合は、約5分~2時間実施されることが好ましい。混合の間、混合物の粘度は連続的にモニタリングされる、又はサンプリングし、その粘度を決定することによってモニタリングされることが好ましい。
【実施例】
【0022】
例1
最初に、182gの粉末リグニン(固体含有率90%)及び257gの水を、1Lのガラス反応器に周囲温度にて添加することでリグニン水溶液を調製し、リグニンが完全かつ均一に分散するまで撹拌した。次に、60gの50%アルカリ溶液をリグニン分散液に添加した。リグニンがアルカリ媒体において、確実に完全に溶解するように、組成物を120分間撹拌した。
【0023】
例2
例1のリグニン・アルカリ水溶液30.3g及びグリセロールジグリシジルエーテル(Sigma Aldrich製)10gをビーカー中で、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて20分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0024】
接着剤配合物を、標準試験方法EN 205:2016に準拠して試験した。目標の結合用樹脂含有量は150g/m
2であり、ワイヤーの円形アプリケーターを用いて一面に広げた。150℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを実施した。総プレス時間は5分であった。評価の前に、全ての試料をEN12765:2016 C2に準拠してコンディショニングした。コンディショニングあり及びコンディショニングなしの、試験片10個の平均データを表1に提示する。
【表1】
【0025】
例3(比較例)
リグニン30g及びグリセロールジグリシジルエーテル30gをビーカー中で、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて20分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0026】
接着剤配合物を、標準試験方法EN 205:2016に準拠して試験した。目標の結合用樹脂含有量は150g/m2であり、ワイヤーの円形アプリケーターを用いて一面に広げた。150℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを実施した。総プレス時間は5分であった。大部分の試料は、ホットプレス後にばらばらになった。プレス時間は試料を完全に硬化させるのに十分でなく、5分で完全に硬化した例2に記載の系よりも、硬化により長い時間を必要とした。
【0027】
例4
厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm
2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。
グルー混合物を、表2に従って調製した。
【表2】
【0028】
目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。150℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを実施した。総プレス時間は6分25秒であった。
【0029】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、全ての試料をEN314_1_2005の5.1.1に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表3に提示する。
【表3】
【0030】
例5
厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm
2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。
グルー混合物を、表4に従って調製した。
【表4】
【0031】
目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。130℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを実施した。2つの合板試験板を、2つの異なるホットプレス時間、すなわち1つ目は6分25秒、2つ目は5分25秒で調製した。
【0032】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、全ての試料をEN314_1_2005の5.1.1に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表5に提示する。
【表5】
【0033】
例6
160gの粉末リグニン(固体含有率90%)及び229gの水を、1Lのガラス反応器に周囲温度にて添加することでリグニン水溶液を調製し、リグニンが完全かつ均一に分散するまで撹拌した。次に、35gの50%アルカリ溶液及び75gの尿素を、リグニン分散液に添加した。リグニンがアルカリ媒体において、確実に完全に溶解するように、組成物を120分間撹拌した。
【0034】
例7
例6のリグニン・アルカリ水溶液69.6g、水9g、及びグリセロールジグリシジルエーテル10.5gをビーカー中で、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて20分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0035】
接着剤配合物を、自動接着評価システム(ABES)引張試験機を使用した重ね継手試験で試験した。
【0036】
この目的のために、0.6mmの比較的薄い厚みのブナノキ単板を、104×20mmの試験片へと切断して使用した。2つの試験片の一端部分の片面上、4mm×20mmの面積に、樹脂を適用した。一連の試料の、樹脂でコーティングした重ね合わせた一端部分を、5kg/m2の圧力、90秒のプレス時間、150℃のプレス温度を使用して、ホットプレスで同時に加圧した。
【0037】
評価の前に、全ての試料を室温で24時間、水に浸漬した。コンディショニングあり及びコンディショニングなしの、試験片5個の平均データを表6に提示する。
【表6】
【0038】
例8
344.1gの粉末リグニン(固体含有率95.9%)及び535.9gの水を、1Lのガラス反応器に周囲温度にて添加することでリグニン水溶液を調製し、リグニンが完全かつ均一に分散するまで撹拌した。次に、120gの50%アルカリ溶液をリグニン分散液に添加した。リグニンがアルカリ媒体において、確実に完全に溶解するように、組成物を120分間撹拌した。
【0039】
例9
例8のリグニン・アルカリ水溶液100g及びグリセロールジグリシジルエーテル(CAS番号72207-80-8)33gをビーカー中で、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0040】
樹脂配合物を使用して、5層合板の試験板を調製した。厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。110℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを7分間実施した。
【0041】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、試料をクラス1(乾燥した内側層)及びクラス3(被覆されない外側層)用に、EN314_1_2005の5.1.1及び5.1.3に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表7に提示する。
【表7】
【0042】
例10
例8のリグニン・アルカリ水溶液100g及びエチレングリコールジグリシジルエーテル33gをビーカー中で、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0043】
樹脂配合物を使用して、5層合板の試験板を調製した。厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。110℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを7分間実施した。
【0044】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、試料をEN314_1_2005の5.1.1及び5.1.3に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表8に提示する。
【表8】
【0045】
例11
例8のリグニン・アルカリ水溶液100g及びソルビトールポリグリシジルエーテル11gをビーカー中で、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0046】
樹脂配合物を使用して、5層合板の試験板を調製した。厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。110℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを7分間実施した。
【0047】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、試料をEN314_1_2005の5.1.1及び5.1.3に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表9に提示する。
【表9】
【0048】
例12
例8のリグニン・アルカリ水溶液100g及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル33gをビーカー中で、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0049】
樹脂配合物を使用して、5層合板の試験板を調製した。厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。110℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを7分間実施した。
【0050】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、試料をEN314_1_2005の5.1.1に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表10に提示する。
【表10】
【0051】
例13
例8のリグニン・アルカリ水溶液30.3g及びグリセロールジグリシジルエーテル10gをビーカーで、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0052】
接着剤配合物を、標準試験方法EN 205:2016に準拠して試験した。目標の結合用樹脂含有量は150g/m
2であり、ワイヤーの円形アプリケーターを用いて一面に広げた。1.8MPaの圧力でコールドプレスを2時間実施した。評価の前に、全ての試料をEN12765:2016 C2に準拠してコンディショニングした。コンディショニングあり及びコンディショニングなしの、試験片10個の平均データを表11に提示する。
【表11】
【0053】
例14
例8のリグニン・アルカリ水溶液29.55g、グリセロール5.25g、及びグリセロールジグリシジルエーテル5.25gをビーカー中で、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて20分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0054】
接着剤配合物を、自動接着評価システム(ABES)引張試験機を使用した重ね継手試験で試験した。
【0055】
この目的のために、0.6mmの比較的薄い厚みのブナノキ単板を、104×20mmの試験片へと切断して使用した。2つの試験片の一端部分の片面上、5mm×20mmの面積に、樹脂を適用した。一連の試料の、樹脂でコーティングした重ね合わせた一端部分を、5kg/m2の圧力、90秒のプレス時間、150℃のプレス温度を使用して、ホットプレスで同時に加圧した。
【0056】
評価の前に、全ての試料を室温で24時間、水に浸漬した。コンディショニングあり及びコンディショニングなしの、試験片5個の平均データを表12に提示する。
【表12】
【0057】
例15
リグニン33g、タンニン5g、及び50%の水酸化ナトリウム溶液12gを水50gに添加することで、リグニン・タンニン水溶液を調製した。組成物を、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて、リグニン及びタンニンが完全に溶解するまで撹拌した。
【0058】
リグニン・タンニン・アルカリ水溶液26.3g及びグリセロールジグリシジルエーテル10gをビーカー中で、室温において、オーバーヘッド撹拌機を用いて5分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0059】
接着剤配合物を、自動接着評価システム(ABES)引張試験機を使用した重ね継手試験で試験した。
【0060】
この目的のために、0.6mmの比較的薄い厚みのブナノキ単板を、104×20mmの試験片へと切断して使用した。2つの試験片の一端部分の片面上、5mm×20mmの面積に、樹脂を適用した。一連の試料の、樹脂でコーティングした重ね合わせた一端部分を、5kg/m2の圧力、90秒のプレス時間、150℃のプレス温度を使用して、ホットプレスで同時に加圧した。
【0061】
評価の前に、全ての試料を室温で24時間、水に浸漬した。コンディショニングあり及びコンディショニングなしの、試験片5個の平均データを表13に提示する。
【表13】
【0062】
例16
例8のリグニン・アルカリ水溶液100g及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル(CAS番号118549-88-5)33gをビーカー中で、室温において2分間混合することで、接着剤配合物を調製した。
【0063】
樹脂配合物を使用して、5層合板の試験板を調製した。厚み1.54~1.62mmのカバノキ単板を300×300mm2の寸法に鋸で切断し、製作前に20℃、65%RHでコンディショニングした。目標のグルー含有量は155g/m2であり、それを一面に広げた。1.8MPaの圧力で予備プレスを5分間実施した。110℃の温度、1.8MPaの圧力でホットプレスを7分間実施した。
【0064】
試験片のせん断強さを、EN314_1_2005試験方法に準拠して評価した。評価の前に、試料をクラス1(乾燥した内側層)及びクラス3(被覆されない外側層)用に、EN314_1_2005の5.1.1及び5.1.3に準拠してコンディショニングした。試験片20個の平均データを表14に提示する。
【表14】
【0065】
上記の、本発明の発明を実施するための形態を考慮すると、その他の修正及び変更は当業者には明らかであろう。しかしながら、このようなその他の修正及び変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしになされ得ると、明らかにされるべきである。