(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ガラスリボンを連続的に製造する方法および同ガラスリボンから製造された延伸済みのガラス物品
(51)【国際特許分類】
C03B 17/06 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
C03B17/06
(21)【出願番号】P 2020571847
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2019036948
(87)【国際公開番号】W WO2020005555
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ダノー,ティエリー リュック アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴリアティン,ヴラディスラフ ユリエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,ランディ リー
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/104513(WO,A1)
【文献】特開昭62-283831(JP,A)
【文献】特表2009-509896(JP,A)
【文献】特開2008-133174(JP,A)
【文献】特開2006-256938(JP,A)
【文献】国際公開第2011/004844(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 7/00-7/22
9/00-17/06
19/00-19/10
21/00-21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスリボンを製造するための方法であって、
キャストガラスを成形するために、約100mm~約5mの幅(W
cast)および約1mm~約500mmの厚さ(t)を有するキャスタの中にガラスを流し込むステップと、
前記キャスタ内の前記キャストガラスを少なくとも10
8ポアズ(10
7Pa・s)の粘度に冷却するステップと、
前記キャスタから前記キャストガラスを搬送するステップと、
前記キャストガラスを10
7ポアズ(10
6Pa・s)未満の平均粘度に加熱して、前記キャストガラスを、W
castよりも小さい幅(W
ribbon)を有するガラスリボンへと延伸するステップを含む、前記キャスタから前記キャストガラスを延伸するステップと、その後、
前記ガラスリボンを周囲温度に冷却するステップと
を含み、
前記冷却、搬送および延伸するステップ中の前記キャストガラスは約50℃以上である、
方法。
【請求項2】
前記流し込むステップは、前記ガラスを約50,000ポアズ(5,000Pa・s)~約10ポアズ(1Pa・s)の粘度で流し込むステップを含み、前記キャストガラスを冷却するステップは、前記キャスタ内の前記キャストガラスが少なくとも10
9ポアズ(10
8Pa・s)の粘度に冷却されるように行われ、前記延伸するステップは、前記キャストガラスが10
6ポアズ(10
5Pa・s)未満の平均粘度に加熱されるように行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記冷却、搬送および延伸するステップ中の前記キャストガラスは約200℃以上である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記延伸するステップは、前記キャストガラスを冷却するステップの後、前記キャストガラスに対して約30秒~約30分行われる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記延伸するステップは、前記キャストガラスのコアが前記キャストガラスの表面を少なくとも部分的に10
7ポアズ(10
6Pa・s)未満の平均粘度に加熱するように行われる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記流し込むステップは、ガラスを溶融装置の、約100mm~約5mの幅を有するオリフィスから流し込むことによって行われ、前記オリフィスの前記幅は前記キャスタの前記幅(W
cast)以下である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記キャストガラスの任意の結晶相の最大結晶成長速度が、前記キャストガラスを冷却、搬送および延伸するステップ中に約0.01μm/分~約10μm/分である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記ガラスは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスおよびリン酸塩ガラスからなる群から選択される組成物を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記ガラスリボンは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約100μmの反りを有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/691,031号明細書の優先権の利益を主張する2018年7月17日に出願された蘭国特許出願第2021322号明細書の優先権の利益を主張し、その内容が依拠され、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ガラスリボンを製造する方法、より詳細には、比較的低い液相粘度を有するガラス組成物から高い寸法安定性を有するガラスリボンを連続的に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高屈折率の組成物を含む液相粘度が低いガラス組成物からレンズおよび他の光学部品を製造する従来の方法では、コストが非常に高く、これらの方法から得られる溶融ガラスの利用率は低い。典型的には、これらの方法は、組成物を、最終的な最終製品よりも大幅に大きい厚さを有する長いバーへとキャスティングすることを含む。つまり、これらの成形方法では、最終製品の形状および寸法を得るために付加的な処理が必要となるキャストバーが製造される。
【0004】
これらのキャストバーの付加的な処理は大規模になることが多い。具体的には、キャストバーはディスクへとソーイングされる。次いで、最終製品のレンズの最終的な外寸に外径を合わせるように研磨するために、ディスクが研削される。次いで、ディスクは、最終的なレンズ最終製品の大凡の厚さにワイヤソーイングされ、その後、最終製品レンズに必要となる反りおよび寸法均一性を得るために、かなり多くの回数の研削および研磨ステップに供される。結果として、これらのガラス組成物からレンズおよび他の光学部品を形成する従来のプロセスでは、コストが高く、溶融ガラスの利用率が低くなってしまう。
【発明の概要】
【0005】
本開示の幾つかの態様によれば、ガラスリボンを製造する方法であって、キャストガラスを成形するために、約100mm~約5mの幅(Wcast)および約1mm~約500mmの厚さ(t)を有するキャスタの中にガラスを流し込むことと、キャスタ内のキャストガラスを少なくとも108ポアズ(107Pa・s)の粘度に冷却することと、キャスタからキャストガラスを搬送することと、キャストガラスを107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱して、キャストガラスを、Wcastよりも小さい幅(Wribbon)を有するガラスリボンへと延伸するステップを含む、キャストガラスを延伸するステップと、その後、ガラスリボンを周囲温度に冷却することとを含む方法が提供される。さらに、冷却、搬送および延伸するステップ中のキャストガラスは約50℃以上である。
【0006】
本開示の幾つかの態様によれば、ガラス物品であって、約1mm~約25mmの厚さおよび25mm~約200mmの幅を有する未研磨のガラスリボンを含むガラス物品が提供される。リボンは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスおよびホウ酸塩ガラスからなる群から選択されるガラスを含む。さらに、組成物は、5×105ポアズ(5×104Pa・s)未満の上限液相粘度を含む。加えて、ガラスリボンは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約200μmの反りを有するガラスウェーハへと切断可能である。
【0007】
本開示の幾つかの態様によれば、ガラス物品であって、約1mm~約25mmの厚さおよび100mm~約200mmの幅を有する未研磨のガラスウェーハを含むガラス物品が提供される。リボンは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスおよびホウ酸塩ガラスからなる群から選択されるガラスを含む。さらに、組成物は、5×105ポアズ(5×104Pa・s)未満の上限液相粘度を含む。加えて、ガラスウェーハは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約200μmの反りを有する。
【0008】
付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されるが、それらはその説明から当業者に容易に明らかになるか、あるいは以下の詳細な説明、特許請求の範囲および添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって認識されるであろう。
【0009】
前述した概略的な説明と、以下の詳細な説明とは、共に様々な実施形態を説明しており、これらは、特許請求の範囲の主題の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図していると理解すべきである。
【0010】
添付の図面は、様々な実施形態を詳しく理解するために含まれていて、本明細書に組み込まれており、また、本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書に記載の様々な実施形態を示しており、説明と共に特許請求の範囲の主題の原理および工程を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下は、添付の図面における図の説明である。図は必ずしも縮尺通りではなく、図の特定の機能および特定の表示は、明確さおよび簡潔さのために、縮尺または模式図において誇張して示されている場合がある。
【
図1】一実施形態による、ガラスリボンを製造する方法の概略図である。
【
図2】一実施形態による、ガラスリボンを製造する方法に従って使用できる装置、特にオリフィスと、キャスタと、加熱装置とを備えた溶融装置の概略図である。
【
図3A】一実施形態による、ガラスリボンを製造する方法で使用される流動ガラス用のアイソパイプを備えたオーバフロー成形装置の概略図である。
【
図3B】一実施形態による、ガラスリボンを製造する方法で使用される流動ガラス用のアイソパイプを備えたオーバフロー成形装置の概略図である。
【0012】
前述した概要および特定の発明技術の以下の詳細な説明は、図と併せて読むと、より理解しやすくなるであろう。特許請求の範囲は、図に示されている配置および手段に限定されないことを理解すべきである。さらに、図に示されている外観は、装置の規定の機能を達成するために採用可能な多くの装飾的な外観のうちの1つである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されるが、それらは、その説明から当業者に明らかになるか、あるいは特許請求の範囲および添付の図面と共に以下の説明に記載されている実施形態を実施することによって認識されるであろう。
【0014】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、2つ以上の項目の列挙で使用される場合、列挙された項目のうちのいずれか1つを、単独でまたは列挙された項目の2つ以上の任意の組合せで使用できることを意味する。例えば、組成物が成分A、Bおよび/またはCを含むと記載されている場合、組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せまたはAとBとCの組合せを含むことができる。
【0015】
本明細書では、第1および第2、上および下などの関係を示す用語は、ある存在または行為を別の存在または行為から区別するためにのみ使用され、そのような存在または行為の間のなんらかの実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または暗示するものではない。
【0016】
当業者および本開示を製造または使用する者は、本開示の変更を思い付くであろう。したがって、図面に示されていて、上述されている実施形態は、例示目的にすぎず、均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるように、以下の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定することを意図しないことが理解される。
【0017】
本明細書において使用される「約」という用語は、量、サイズ、配合物、パラメータならびにその他の量および特性が正確ではなく、また正確である必要はないが、必要に応じて公差、換算係数、四捨五入、測定誤差などおよび当業者に知られている他の要因を反映し、概算であってよいことおよび/またはそれよりも大きくても小さくてもよいことを意味する。「約」という用語が範囲の値または端点の記述において使用される場合、本開示は、言及される特定の値または端点を含むと理解すべきである。明細書の範囲の数値または端点に「約」が記載されているか否かにかかわらず、範囲の数値または端点は、「約」によって修飾されたものと、「約」によって修飾されていないものの2つの実施形態を含むことが意図されている。さらに、各範囲の端点は、他の端点と関連してかつ他の端点とは無関係に、の両方の意味を有することが理解されるであろう。
【0018】
本明細書で使用される用語「実質的な」、「実質的に」およびそれらの変形形態では、説明された特徴が値または説明と等しいかほぼ等しいことに言及することが意図されている。例えば、「実質的に平面状の」表面は、平面状であるかほぼ平面状である表面を意味することが意図されている。さらに、「実質的に」は、2つの値が等しいかほぼ等しいことを示すことが意図されている。幾つかの実施形態では、「実質的に」は、互いの約10%以内の値、例えば互いの約5%以内または互いの約2%以内を示す場合がある。
【0019】
本明細書で使用される方向に関する用語、例えば、上、下、右、左、前、後、頂部、底部は、描かれている図に関してのみ言及しており、絶対的な方向を意味することを意図するものではない。
【0020】
本明細書で使用される「the」、「a」または「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、そうでないとの明示的な指示がない限り、「1つのみ」に限定されるべきではない。したがって、例えば「ある構成要素(a component)」への言及は、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する実施形態が含まれる。
【0021】
本明細書で使用される「上限液相粘度」および「上限液相温度」という用語は、ガラスが結晶のない均質な溶融物を形成する時点の、本開示の物品および方法で使用されるガラスのそれぞれの粘度および温度を指す。さらに、「上限液相粘度」および「液相粘度」という用語は本明細書では互換的に使用され、また、「上限液相温度」および「液相温度」という用語も本明細書では互換的に使用される。
【0022】
同様に、本明細書で使用される「下限液相粘度」および「下限液相温度」という用語は、ガラスの1つ以上の結晶相を成長しやすくできる時点の、本開示の物品および方法で使用されるガラスのそれぞれの粘度および温度を指す。
【0023】
本明細書において、本開示の物品および方法で使用されるガラスの「失透ゾーン」は、上限液相温度から下限液相温度までによって与えられる温度範囲、例えばガラスが0.01μm/分を超える1つ以上の結晶相の結晶成長を行う温度範囲である。
【0024】
本明細書において、本開示の物品および方法で使用されるガラスの「平均粘度」は、本開示の分野の当業者によって理解される分析および測定方法に従って、平均粘度値を確認するのに十分な物品の領域および時間にわたって、言及されるプロセスまたは方法のステップ(例えば延伸)中に測定される、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシートまたは他の物品の粘度を指す。
【0025】
本明細書で使用される「連続的」という用語は、アニールまたは再延伸などの中間のかつ/または後冷却する熱処理を必要とせずに、ガラスシート、リボンおよび他の物品を形成するように構成された本開示の方法およびプロセスを指す。言い換えると、本開示のプロセスおよび方法は、延伸ステップよりも前にカットまたは切断されないガラスシート、ガラスリボンおよび他の物品を形成するように構成される。
【0026】
本明細書で使用される「最大結晶成長速度」は、参照温度または参照温度範囲内における、本開示の物品および方法で使用されるガラスの任意の結晶相の例えばμm/分の単位での最大成長速度を指す。同様に、本明細書で使用される「結晶成長速度」は、参照温度または参照温度範囲内における、本開示の物品および方法で使用されるガラスの任意の結晶相の例えばμm/分の単位での成長速度を指す。
【0027】
本明細書において、本開示のガラスウェーハ、ガラスリボン、ガラスシートまたは他の物品の「厚さ変動(thickness variation)」は、機械的接触式キャリパもしくはマイクロメータにより、または厚さが1mm以上の物品については非接触式レーザゲージにより、ガラスウェーハ、ガラスリボン、ガラスシートまたは他の物品の最小と最大の厚さの差を決定することによって測定される。
【0028】
本明細書において、本開示のガラスウェーハ、ガラスリボン、ガラスシートまたは他の物品の「反り(warp)」は、物品を含む2つの平面間の距離から物品の平均厚さを引くことにより測定される。実質的に長方形の形状の本開示のガラスリボン、ガラスシートおよび他のガラス物品の場合、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。具体的には、反りは、各ビードの内側縁部から5mm引いた物品のビード間の品質領域から定義される長さの正方形の測定領域から評価される。同様に、実質的に円形のディスク様形状を有する本開示のガラスウェーハについても、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。具体的には、反りは、ウェーハの外径から5mm引くことにより定義される半径を有する円形の測定領域から評価される。
【0029】
本明細書において、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシートまたは他の物品の「臨界冷却速度」は、ガラス、ガラスシートまたは他の物品の複数のサンプルを、選択された様々な冷却速度でそのガラス転移温度まで溶融することによって決定される。サンプルは、その後、標準的な切断および研磨技術によって断面され、光学顕微鏡にて100倍で評価され、バルクおよびその自由表面(すなわち上面、露出面および坩堝などとの界面の下面)における結晶の存在が確認される。臨界冷却速度は、冷却速度が最も低く、その表面とバルクとで結晶を示さないサンプルに対応する。
【0030】
全般的に図面、特に
図1を参照するが、図示は特定の実施形態を説明することを目的としており、これに添付された特許請求の範囲に本開示を限定することを意図していないことが理解されるであろう。図は必ずしも縮尺通りではなく、図の特定の特徴および特定の表示は、明確さおよび簡潔さのために、縮尺または概略的な形態において誇張して示されている場合がある。
【0031】
本開示では、ガラスリボンを製造する方法、より詳しくは比較的低い液相粘度(例えば<5×105ポアズ(5×104Pa・s))および/または比較的高いガラス屈折率を有するガラス組成物からの、レンズおよび他の光学部品のためのガラスリボンを連続的に製造する方法が記述される。これらの方法により製造されたガラスリボンは、高い寸法安定性と低い反りを有し、目的の最終製品と同等の最終寸法で製造される。結果として、本開示の方法に従って製造されたガラスリボンは、限られた後処理を必要とする。その結果、本開示のプロセスの方法は、液相粘度が低いガラス組成物からのレンズの製造において使用される従来のガラス成形プロセスと比較して、著しく低い製造コストを有する。さらに、本開示の方法は、溶融した状態のガラスの利用率が著しく高く、廃棄物が少ない。
【0032】
特に、本開示のガラスリボンを製造する方法は、製造後のアニールまたは他の製造後の熱処理を必要としないという意味で連続的である。この方法は、例えばキャストガラスをキャスタを通して搬送することによって、失透ゾーンを通り周囲温度よりも高い温度(例えば>50℃)に冷却することを採用している。ガラスを周囲温度よりも高い温度に冷却した後、方法は、失透ゾーンへの若干の再加熱を伴う付加的な延伸ステップを採用する。延伸ステップにより、最終的な最終製品、例えば、高屈折率のウェーハ、レンズまたは他の光学部品で意図される程度の厚さ寸法を有するガラスリボンが得られる。さらに、延伸ステップは、失透を最小限に抑えるか、失透の可能性をなくすガラス粘度および温度で限られた時間行われることが有利である。加えて、この方法は、最終製品、例えばガラスリボン、ウェーハ、レンズまたは他のガラス物品を得るために、アニールまたは再延伸などの、冷却後(すなわち周囲温度に到達した後)の熱処理を必要としないという意味で特に有利である。同様に有利なことには、本開示の方法の複数の態様により、光学部品の反りおよび/または厚さ変動レベルを満たすために付加的な機械的処理、例えば研磨や研削などを必要としないガラスリボン、ウェーハ、レンズまたは他のガラス物品が得られる。
【0033】
ここで
図1を参照すると、ガラスリボン30bを製造する方法100の概略図が示されている。
図1に示されているように、約200mm~約5mの幅(W
cast)22と1mm以上の厚さ(t)24(
図2を参照)とを有するキャスタ20の中にガラス30を溶融装置10から流し込んでキャストガラス30aを成形するステップ110を含む、ガラスリボン30bを製造する方法100が提供される。ガラスリボン30bを製造する方法100は、キャスタ20内のキャストガラス30aを少なくとも10
8ポアズ(10
7Pa・s)の粘度および50℃以上の温度に冷却するステップ120をさらに含む。ガラスリボン30bを製造する方法100は、キャストガラス30aをキャスタ20から搬送するステップ130も含む。加えて、ガラスリボン30bを製造する方法100は、10
7ポアズ(10
6Pa・s)未満の平均粘度のキャストガラス30aを、キャストガラス30aの幅(W
cast)22よりも小さい幅(W
ribbon)32を有するガラスリボン30bに、最終的な厚さ24(t)まで延伸するステップ140をさらに含む。さらに、延伸ステップ140は、キャストガラス30aを10
7ポアズ(10
6Pa・s)未満の平均粘度に加熱することを含む。ガラスリボン30bを製造する方法100は、ガラスリボン30bを周囲温度に冷却するステップ150をさらに含む。
【0034】
図1に示されているガラスを流し込むステップ110に関して、適切な溶融装置10は、ガラス30が溶融装置10を出てキャスタ20の中に流入する際のガラス30の大凡の幅である最大寸法12を有する出口要素4を介してガラス30を送給することができる。溶融装置10から流れるガラス30の粘度に応じて、ガラス30は出口要素4の最大寸法12とほぼ同じか、それよりも小さい幅を有することができる。ガラスリボン30bを製造する方法100の幾つかの実施形態によれば、出口要素4の最大寸法12は、キャスタ20の幅(W
cast)22以下である。別の実施形態では、出口要素4の最大寸法12は、例えば比較的低い上限液相粘度(例えば5ポアズ(0.5Pa・s)~5000ポアズ(500Pa・s))を有するガラス30の組成物については、キャスタ20の幅(W
cast)22よりも大きくすることができる。特に、これらのガラスは、溶融すると、溶融装置10の出口要素4を離れる際に「ネック」になることができ、溶融装置10の出口要素4の最大寸法12よりも小さい寸法の幅22を有するキャスタ20の中に流入することができる。
【0035】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100を再度参照すると、溶融装置10の複数の実施形態は、出口要素4がガラス30を分配するように機能するオーバフロー成形装置またはオリフィス形態の出口要素4を備えた溶融器を含む。後者の実施形態では、溶融装置10は、ガラス30がオーバフローし、アイソパイプの形態で出口要素4に沿って広がることを可能にする堰を含むことができる(例えば、
図3Aおよび
図3Bで示されているアイソパイプを備えたオーバフロー成形装置を参照のこと)。そのような実施形態では、ガラス30は、アイソパイプの片側または両側に広がることができる。前者の実施形態に関して、溶融装置10は、溶融ガラス30が溶融装置10を離れる際にこれを分配するオリフィスを備えた溶融器を含むことができる。さらに、本開示の分野の当業者は、ガラスリボン30bを製造する方法100での使用に適した他の溶融装置10を構成することができる。
【0036】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100の複数の実施形態では、ガラス30は、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスおよびリン酸塩ガラスを含むガラス組成物から得られる。一実施形態によれば、ガラス30は、レンズおよび光学部品に適した光学特性(例えば透過率、屈折率、熱膨張係数など)を示す任意のガラス組成物から得られる。一実施形態によれば、ガラス30は、以下のガラス組成物(本明細書では「ガラスA」と呼ぶ)、つまり、40.2モル%のSiO
2、2.4モル%のB
2O
3、11.3モル%のLi
2O、22.9モル%のCaO、5.4モル%のLa
2O
3、3.8モル%のZrO
2、4.8モル%のNb
2O
5および9.3モル%のTiO
2から得られる。別の実施形態によれば、ガラス30は、以下のガラス組成物(本明細書では「ガラスB」と呼ぶ)、つまり、42.7モル%のSiO
2、3.9モル%のB
2O
3、4.7モル%のBaO、26.6モル%のCaO、4.5モル%のLa
2O
3、2.2モル%のZrO
2、6.1モル%のNb
2O
5および9.3モル%のTiO
2から得られる。
【0037】
図1に示されるガラスリボン30bを製造する方法100の幾つかの実施形態では、ガラス30は、5×10
5ポアズ(5×10
4Pa・s)未満の上限液相粘度を有する。幾つかの実施形態によれば、ガラス30は、5×10
5ポアズ(5×10
4Pa・s)未満、1×10
5ポアズ(1×10
4Pa・s)未満、5×10
4ポアズ(5×10
3Pa・s)未満、1×10
4ポアズ(1×10
3Pa・s)未満、5×10
3ポアズ(5×10
2Pa・s)未満、1×10
3ポアズ(1×10
2Pa・s)未満、5×10
2ポアズ(50Pa・s)未満、100ポアズ(10Pa・s)未満、50ポアズ(5Pa・s)未満、40ポアズ(4Pa・s)未満、30ポアズ(3Pa・s)未満、20ポアズ(2Pa・s)未満、10ポアズ(1Pa・s)未満の上限液相粘度およびこれらのレベル間の全ての上限液相粘度を示す組成物から構成することができる。方法の幾つかの実施形態によれば、ステップ110中のガラス30の上限液相粘度は、約5ポアズ(0.5Pa・s)~約50000ポアズ(5000Pa・s)の範囲である。さらに、方法100の特定の実施形態では、ガラス30は、約1.5~約2.1の屈折率を有するガラス組成物から得られる。幾つかの実施形態では、ガラス30は、約1.6~約2.0、約1.65~約1.9、約1.7~約1.85の屈折率およびこれらのレベル間の全ての屈折率値を有するガラス組成物から得られる。
【0038】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100の流し込むステップ110を再度参照すると、このステップは、ガラス30が1000℃以上の温度で流動するように行うことができる。ガラス30は、約1000℃~約1500℃、約1000℃~約1400℃、約1000℃~約1300℃、約1000℃~約1250℃、約1000℃~約1200℃、約1000℃~約1150℃およびこれらのレベル間の全ての値の温度で流動させることができる。流し込むステップ110は、ガラス30が溶融装置10から流れる際に5×10
4ポアズ(5×10
3Pa・s)未満の粘度を有するように行うことができる。幾つかの実施形態では、溶融装置10の出口要素4を出てキャスタ20に流入する際のガラス30は、5×10
4ポアズ(5×10
3Pa・s)未満、1×10
4ポアズ(1×10
3Pa・s)未満、5×10
3ポアズ(5×10
2Pa・s)未満、1×10
3ポアズ(1×10
2Pa・s)未満、5×10
2ポアズ(50Pa・s)未満、100ポアズ(10Pa・s)未満、50ポアズ(5Pa・s)未満、40ポアズ(4Pa・s)未満、30ポアズ(3Pa・s)未満、20ポアズ(2Pa・s)未満、10ポアズ(1Pa・s)未満の粘度およびこれらのレベル間の全ての粘度を有する。方法100の幾つかの実施形態によれば、溶融装置10を出る際のガラス30は、ステップ110の間に、約10ポアズ(1Pa・s)~約1000ポアズ(100Pa・s)または約10ポアズ(1Pa・s)~約50,000ポアズ(5,000Pa・s)の範囲の粘度を有する。
【0039】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100のステップ110を再度参照すると、このステップは、約200mm~約5メートル(m)の幅(W
cast)22と1mm~約500mmの厚さ(t)24を有するキャスタ20の中にガラス30を流し込んでキャストガラス30aを成形することを含む(
図2を参照)。幾つかの実施形態では、キャスタ20の幅(W
cast)22は、約200mm~約5メートル(m)、約250mm~約5m、約300mm~約5m、約350mm~約5m、約400mm~約5m、約450mm~約5m、約500mm~約5mおよびこれらのレベル間の全ての幅の値である。幾つかの実施形態によれば、キャスタ20の幅(W
cast)22は、約200mm~約5m、約200mm~約4m、約200mm~約3m、約200mm~約2m、約200mm~約1m、約200mm~約0.9m、約200mm~約0.8m、約200mm~約0.7m、約200mm~約0.6m、約200mm~約0.5mおよびこれらのレベル間の全ての幅の値である。さらに、幾つかの実施形態では、キャスタ20の厚さ(t)24(
図2を参照)は、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上、約15mm以上、約20mm以上、約25mm以上、約30mm以上、約35mm以上、約40mm以上、約45mm以上、約50mm以上または約500mmまでの任意の厚さである。
【0040】
ここで、
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100のステップ120を参照すると、このステップは、キャスタ20内のキャストガラス30aを少なくとも10
8ポアズ(10
7Pa・s)の粘度および50℃以上の温度に冷却するためのものである。そのため、本開示の分野の当業者に理解されるように、例えばキャストガラス30aが
図1で示されている矢印の方向に牽引器40によって搬送される際に、キャスタ20がキャストガラス30aを50℃以上の温度に冷却するための失透ゾーンを通してガラス30を冷却できることを条件として、キャスタ20は、例えば付加的な冷却能力の有無にかかわらず様々な材料の様々な構造のものとすることができる。キャストガラス30aを冷却するステップ120は、任意の結晶相の最大成長速度が、ガラス30aの上限液相粘度から下部液相粘度まで(本明細書では「失透ゾーン」とも呼ばれる)10μm/分未満であるように行うことができる。幾つかの実施形態では、キャストガラス30aを冷却するステップ120は、失透ゾーンを通るガラス30の任意の結晶相の最大成長速度が、10μm/分未満、9μm/分未満、8μm/分、7μm/分未満、6μm/分未満、5μm/分未満、4μm/分未満、3μm/分未満、2μm/分未満、1未満μm/分、0.5μm/分未満、0.1μm/分未満、0.01μm/分未満ならびにこれらの速度未満および/またはこれらの速度の間の全ての成長速度であるように行われる。特に、ガラスAおよびガラスBの組成物の最大結晶成長速度(Vmax)は、それぞれ1030℃で約6~7μm/分、1050℃で約2~3μm/分である。したがって、方法100の複数の態様は、ガラスAまたはガラスBの組成物から製造された場合のガラス30の結晶成長速度がこれらの最大結晶成長速度(Vmax)値よりも小さくなるように冷却ステップ120を行うことを含む。
【0041】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100の別の態様によれば、冷却ステップ120は、キャストガラス30aを、キャストガラス30aの臨界冷却速度またはそれよりも高い温度(すなわち50℃以上)に冷却するために行うことができる。本明細書において、「臨界冷却速度」は、所定のガラス組成物の複数のサンプルを、選択された様々な冷却速度でそのガラス転移温度まで溶融することによって決定される。サンプルは、その後、標準的な切断および研磨技術によって断面され、光学顕微鏡により100倍で評価され、バルクおよびその自由表面(すなわち、上面、露出面および坩堝などとの界面の下面)における結晶の存在が確認される。臨界冷却速度は、冷却速度が最も低くその表面とバルクで結晶を示さないサンプルに対応する。
【0042】
一実施形態によれば、牽引器40は、キャストガラス30aが冷却ステップ120および搬送ステップ130の間にそれぞれキャスタ20を通過して出る際のキャストガラス30aの速度を制御するための1つ以上のローラを含む。有利には、冷却ステップ120は、キャストガラス30aが50℃を確実に下回らないようにかつ後続の搬送ステップ130および延伸ステップ140の間にそれぞれ行われる付加的な加熱を考慮して方法100が連続性を確実に維持できるように行われる。幾つかの態様では、後続のそれぞれ搬送ステップ130および延伸ステップ140の間にキャストガラス30aをそのコアからその表面に向かって再加熱するために、冷却ステップ120の後にキャストガラス30a中に残っている熱エネルギーが使用される。
【0043】
図1に示されている方法100の幾つかの実施形態では、冷却ステップ120中の温度は、50℃以上、100℃以上、150℃以上、200℃以上、250℃以上、300℃以上、350℃以上、400℃以上、450℃以上、500℃以上およびこれらの下限閾値レベル間の全ての温度値である。方法100の実施形態では、冷却ステップ120は、キャスタ20内のキャストガラス30aを800℃未満かつ50℃以上の温度に冷却することを含む。方法100の実施形態によれば、流し込み、冷却、引っ張りおよび延伸のステップ110~140は、例えば方法100を連続的に確実に実施できるようにするために、キャストガラス30aが50℃未満の温度に到達しないように行われる。方法100の幾つかの実施形態によれば、冷却120のステップは、キャスタ20内のキャストガラス30aが少なくとも10
8ポアズ(10
7Pa・s)、少なくとも5×10
8ポアズ(5×10
7Pa・s)、少なくとも10
9ポアズ(10
8Pa・s)、少なくとも5×10
9ポアズ(5×10
8Pa・s)、少なくとも10
10ポアズ(10
9Pa・s)、少なくとも5×10
10ポアズ(5×10
9Pa・s)またはそれより大きい粘度になるように行われる。ガラスリボン30bを製造する方法100の幾つかの態様では、冷却ステップ120は、キャストガラス30aが約650℃~約750℃の温度および少なくとも10
9ポアズ(10
8Pa・s)の粘度に維持されるように行われる。
【0044】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100を再度参照すると、この方法は、キャストガラス30aをキャスタ20から搬送するための搬送ステップ130をさらに含む。ステップ130の搬送態様は、一部、牽引器40の作用によって行うことができる。具体的には、キャストガラス30aが、ステップ130中に牽引器40によってキャスタ20の端部からヒータ50およびエッジローラ60の任意選択的なバンクに向かって移動させられるかまたは別の形態で搬送される。方法100の複数の実施形態によれば、搬送ステップ130は、キャストガラス30aの速度を制御するように、例えばキャストガラス30aの流量が1%以下しか変動しないように行うことができる。
【0045】
ガラスリボン30bを製造する方法100は、搬送ステップ130におけるキャストガラス30aの粘度よりも低い平均粘度、例えば107ポアズ(106Pa・s)よりも低い平均粘度でキャストガラス30aを延伸するステップ140も含む。ステップ140は、例えばヒータ50の任意選択的なバンクを用いてキャストガラス30aを107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱することも含む。ヒータ50は、存在する場合、抵抗加熱要素、誘導加熱要素、赤外線加熱要素および本開示の分野の当業者に理解されるその他のものなどの、キャストガラス30aを107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱するための任意の様々な構造および構成要素を含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、キャストガラス30aを107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱することを含むステップ140の態様は、キャストガラス30aに付加的な熱エネルギーを与えない。例えば、延伸ステップ140は、キャストガラス30aのコアがキャストガラス30aの表面を少なくとも部分的に107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱するように行うことができる。
【0046】
さらに、キャストガラス30aを、キャスタ20の幅22(W
cast)以下の幅32(W
ribbon)を有しかつキャストガラス30aの厚さ(t)24以下である最終的な厚さ(t)34を有するガラスリボン30bへと延伸するために、キャストガラス30aを延伸する延伸ステップ140が行われる(
図2も参照)。幾つかの態様では、ガラスリボン30bの幅32(W
ribbon)は、約10mm~約5mm、約20mm~約5mm、約30mm~約5mm、約40mm~約5mm、約50mm~約5mm、約100mm~約5mm、約200mm~約5mm、約250mm~約5mm、約300mm~約5mm、約350mm~約5mm、約400mm~約5mmおよびこれらのレベル間の全ての幅の値である。キャストガラス30aをリボン30bへと延伸するステップ140の態様は、一部、
図1に示されているエッジローラ60の作用によって行うことができる。
【0047】
ガラスリボン30bを製造する方法100の幾つかの実施形態によれば、延伸ステップ140は、キャストガラス30aに対して30分以内(すなわち、キャストガラス30aを冷却するためのステップ120およびキャストガラス30aを搬送するためのステップ130の後で、ガラスリボン30bを周囲温度に冷却するための後続のステップ150の前に)行われる。方法100によれば、キャストガラス30aは、ステップ110~140のそれぞれの最中に約50℃以上の温度にあることを理解すべきである。幾つかの実施形態では、延伸ステップ140は、少なくとも30秒の時間を維持しながら、30分以下、25分以下、20分以下、15分以下、10分以下、5分以下およびこれらの上限時間閾値未満の全ての時間にわたって行うことができる。前述したように、ガラスリボン30bを製造する方法100の複数の態様は、キャストガラス30aをこのステップの延伸態様に影響を与えるのに十分に低い粘度に維持しながら、すなわち、キャストガラス30aを、キャストガラス30aの幅22よりも小さい幅32を有するガラスリボン30bへと変換しながら、キャストガラス30aが確実に全くまたはほとんど結晶化しないようにするために延伸ステップ140中の温度および/または時間が有利に最小化されるように行われる。
【0048】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100の幾つかの実施形態によれば、搬送ステップ130および延伸ステップ140は、キャストガラス30aが、10
7ポアズ(10
6Pa・s)未満、5×10
6ポアズ(5×10
5Pa・s)未満、10
6ポアズ(10
5Pa・s)未満、5×10
5ポアズ(5×10
4Pa・s)未満、10
5ポアズ(10
4Pa・s)未満、5×10
4ポアズ(5×10
3Pa・s)未満である一方で10
4ポアズ(10
3Pa・s)以上である平均粘度およびこれらのレベル間の全ての平均粘度に維持されるように行われる。方法100の幾つかの実施形態では、キャストガラス30aの平均粘度は、搬送ステップ130および延伸ステップ140の最中に750℃~900℃の温度で10
6ポアズ(10
5Pa・s)~10
4ポアズ(10
3Pa・s)に維持される。
【0049】
図1に示されるガラスリボン30bを製造する方法100を再度参照すると、方法の最終冷却ステップ150は、ガラスリボン30bを周囲温度に冷却することを含み得る。前述したように、方法100の複数の実施形態は、ガラス30およびキャストガラス30aがステップ110~140の最中に50℃以上の温度に維持されるように行われ、そのため、方法100を連続的に確実に実施することができる。方法100の幾つかの実施形態によれば、ステップ110~140は、50℃以上、75℃以上、100℃以上、150℃以上、200℃以上、250℃以上、300℃以上およびこれらの下限温度間の全ての下限温度閾値の温度で行われる。さらに、ガラスリボン30bを冷却するためのステップ150は、本開示の分野の当業者によって理解されるように、外部冷却の有無にかかわらず行うことができる。さらに、方法100の幾つかの態様では、エッジローラ60は、冷却ステップ150のうちの冷却の一部または全部を行うための冷却能力を含むことができる。
【0050】
図1に示されているガラスリボン30bを製造する方法100をさらに参照すると、方法100の複数の実施形態は、ガラスリボン30bが200μm未満の厚さ変動を有するように行われる。幾つかの実施形態によれば、ガラスリボン30bは、200μm未満、150μm未満、100μm未満、75μm未満、50μm未満、40μm未満、30μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、1μm未満、0.5μm未満の厚さ変動およびこれらのレベル間の全ての厚さ変動レベルを有し得る。実用上の観点から、方法100に従って製造されたガラスリボン30bは、わずか0.01μmの厚さ変動を有し得る。方法100の幾つかの実施形態では、方法100によって製造されたガラスリボン30bは、500μm未満の反りを有する。幾つかの実施形態によれば、方法100によって製造されたガラスリボン30bは、500μm未満、400μm未満、300μm未満、200μm未満、150μm未満、100μm未満、50μm未満、40μm未満、30μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、0.1μm未満、0.05μm超の反りおよびこれらのレベル間の全ての反りの値を有する。実用上の観点から、方法100に従って製造されたガラスリボン30bは、わずか0.01μmの反りを有し得る。さらに、方法100の幾つかの実施形態は、ガラスリボン30bが5μm未満の表面粗さ(Ra)(任意の後処理の前に測定)を有するように行われる。幾つかの実施形態によれば、方法100によって製造されたガラスリボン30bは、5μm未満、4μm未満、3μm未満、3μm未満、2μm未満、1μm未満、0.75μm未満、0.5μm未満、0.25μm未満、0.1μm未満、50nm未満、わずか10nmの表面粗さ(Ra)およびこれらのレベル間の全ての表面粗さの値を有する。一実施形態によれば、方法100によって製造されたガラスリボン30bは、1μm未満、0.9μm未満、0.8μm未満、0.7μm未満、0.6μm未満、0.5μm未満、0.4μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満、0.1μm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、未満40nm、30nm未満、20nm未満、わずか10nmの表面粗さ(Ra)およびこれらのレベル間の全ての表面粗さの値を有する。
【0051】
ここで
図2を参照すると、本開示によるガラスリボン30bを製造する方法100(
図1を参照)に従って使用可能な装置の概略図が提供される。具体的には、
図2には、他の特徴の中でもとりわけ、オリフィス4a、キャスタ20およびヒータ50を備えた溶融装置10aが示されている。他の全ての点において、
図2に示されている装置は、ガラスリボン30bを製造する方法100で使用するための
図1で示されている装置に等しいかまたは実質的に類似している(
図1および前述の説明を参照)。したがって、
図2における同様の番号の要素は、
図1に示されているものと同じまたは実質的に同様の機能および構造を有する。さらに、方法100(
図1を参照)の実施形態によれば、流し込むステップ110は、溶融装置10a(
図2を参照)の、5メートル(m)未満の最大寸法12を有するオリフィス4aからガラス30を流し込むことによって行うことができる。オリフィス4aの最大寸法12は、キャスタ20の幅(W
cast)22以下とすることができる。さらに、オリフィス4aの幅14は、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上、約15mm以上、約20mm以上、約25mm以上、約30mm以上、約35mm以上、約40mm以上、約45mm以上、約50mm以上または約500mmまでの任意の幅とすることができる。
【0052】
図2を再度参照すると、流し込むステップ110(
図1を参照)の最中の溶融装置10aから流れるガラス30の粘度に応じて、ガラス30は、オリフィス4aの最大寸法12とほぼ同じかそれよりも小さい幅を有することができる。そのため、オリフィス4aの最大寸法12は、キャスタ20の幅(W
cast)22以下とすることができる。別の実施形態では、オリフィス4aの最大寸法12は、例えば上限液相粘度が比較的低い(例えば5ポアズ(0.5Pa・s)~50000ポアズ(5000Pa・s))ガラス30の組成物については、キャスタ20の幅(W
cast)22よりも大きくすることができる。特に、これらのガラスは、溶融すると、溶融装置10aのオリフィス4aを離れる際に「ネック」になることができ、溶融装置10aのオリフィス4aの最大寸法12よりも小さい寸法の幅22を有するキャスタ20の中に流入することができる。
【0053】
図2にも示されているように、ガラスリボン30bは、ガラスリボン30bの幅32(W
ribbon)と実質的に同等から、ガラスリボン30bの幅32の約50%までの範囲の外径を有するウェーハ36へと切断することができる。複数の実施形態では、ガラスリボン30bからウェーハ36を切断するステップは、上で概説した
図1に示されている方法100の冷却ステップ150の後に行うことができる。
図2に例示的な形態で示されているウェーハ36は、ディスクの形態である。しかしながら、ウェーハ36は、限定するものではないが、正方形、長方形、円形、楕円形などの任意の様々な形状をとることができる。幾つかの実施形態によれば、ウェーハ36は、約2mm以下の厚さ34(t)および約100mm~約500mmの最大寸法(例えば直径、幅またはその他の最大寸法)を有することができる。幾つかの態様では、ウェーハ36は、約1mm以下の厚さ34(t)および150mm~約300mmの最大寸法を有する。ウェーハ36は、約1mm~約50mmまたは約1mm~約25mmの範囲の厚さも有することができる。ウェーハ36は、約25mm~約300mm、約50mm~約250mm、約50mm~約200mmまたは約100mm~約200mmの範囲の最大寸法も有することができる。有利には、方法100に従って形成されたウェーハ36は、付加的な表面研磨なしで、ガラスリボン30bに関連して上で概説したものと同じ厚さ変動レベル、表面粗さおよび/または反りのレベルを示すことができる。複数の実施形態では、最終製品、例えば光学用途のレンズの最終寸法を得るために、ウェーハ36に対してそれらの外径のある程度の限定的な研削および研磨を行うことができる。
【0054】
ここで
図3Aおよび3Bを参照すると、一実施形態による、ガラスリボン30bを製造する方法100(
図1を参照)で使用されるガラス30を流し込むためのアイソパイプ8を備えたオーバフロー溶融装置10bの概略図が示されている。特に、オーバフロー溶融装置10bは、ガラス30を流し込むステップ110の間に使用することができる。一実施形態によれば、ガラス30は、方法100の溶融態様に従って溶融し、容器6からアイソパイプ8へと流入することができる。容器6は、ガラスの溶融に関する本開示の分野の当業者によって理解される任意の様々な加熱要素のいずれかを含む。ガラス30が堰またはアイソパイプ8の同様の態様からオーバフローすると、これはアイソパイプ8を越えてキャスタ20(図示せず)の中に流れ落ちる。
図3Aおよび
図3Bの例示的な形態で示されているように、オーバフロー溶融装置10bは、アイソパイプ8内に堰を含むことができ、これによって、ガラス30がオーバフローし、アイソパイプ8の外側表面に沿って広がることができる。そのような実施形態では、ガラス30は、アイソパイプ8の片側または両側で幅4bに広がることができる。
図3Aおよび
図3Bに示されているように、アイソパイプ8は、垂直から角度9だけ角度が付けられた片側を有する。典型的には、角度9は、約0°~30°、好ましくは0°~20°である。ガラスリボン30bを製造する方法100の一実施形態(
図1を参照)によれば、オーバフロー溶融装置10bは、5m未満の幅4bを有し、これはキャスタ20の幅22(W
cast)以下である。
【0055】
例示的な実施形態および例を例示の目的で説明してきたが、前述した説明は、開示および添付の特許請求の範囲を限定することをいかなる形でも意図するものではない。したがって、本開示の趣旨および様々な原理から実質的に逸脱することなしに、上述した実施形態および例に対して変更および修正を行うことができる。そのような全ての修正および変更は、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが本明細書では意図されている。
【0056】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0057】
実施形態1
ガラスリボンを製造するための方法であって、
キャストガラスを成形するために、約100mm~約5mの幅(Wcast)および約1mm~約500mmの厚さ(t)を有するキャスタの中にガラスを流し込むステップと、
前記キャスタ内の前記キャストガラスを少なくとも108ポアズ(107Pa・s)の粘度に冷却するステップと、
前記キャスタから前記キャストガラスを搬送するステップと、
前記キャストガラスを107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱して、前記キャストガラスを、Wcastよりも小さい幅(Wribbon)を有するガラスリボンへと延伸するステップを含む、前記キャスタから前記キャストガラスを延伸するステップと、その後、
前記ガラスリボンを周囲温度に冷却するステップと
を含み、
前記冷却、搬送および延伸するステップ中の前記キャストガラスは約50℃以上である、
方法。
【0058】
実施形態2
前記流し込むステップは、前記ガラスを約50,000ポアズ(5,000Pa・s)~約10ポアズ(1Pa・s)の粘度で流し込むステップを含む、実施形態1記載の方法。
【0059】
実施形態3
前記冷却、搬送および延伸するステップ中の前記キャストガラスは約200℃以上である、実施形態1または2記載の方法。
【0060】
実施形態4
前記キャストガラスを冷却するステップは、前記キャスタ内の前記キャストガラスが少なくとも109ポアズ(108Pa・s)の粘度に冷却されるように行われる、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の方法。
【0061】
実施形態5
前記延伸するステップは、前記キャストガラスが106ポアズ(105Pa・s)未満の平均粘度に加熱されるように行われる、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の方法。
【0062】
実施形態6
前記ガラスは、5×105ポアズ(5×104Pa・s)未満の上限液相粘度を含む、実施形態1から5までのいずれか1つ記載の方法。
【0063】
実施形態7
前記ガラスは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスおよびリン酸塩ガラスからなる群から選択される組成物を含む、実施形態1から6までのいずれか1つ記載の方法。
【0064】
実施形態8
前記流し込むステップは、前記ガラスを1000℃以上の温度で流し込むステップを含み、前記キャストガラスを冷却するステップは、前記キャスタ内の前記キャストガラスを800℃以下50℃以上の温度に冷却するステップを含む、実施形態1から7までのいずれか1つ記載の方法。
【0065】
実施形態9
前記幅(Wcast)は約400mm~約5mであり、前記厚さ(t)は約5mm~約500mmである、実施形態1から8までのいずれか1つ記載の方法。
【0066】
実施形態10
前記延伸するステップは、前記キャストガラスを冷却するステップの後、前記キャストガラスに対して約30秒~約30分行われる、実施形態1から9までのいずれか1つ記載の方法。
【0067】
実施形態11
前記延伸するステップは、前記キャストガラスのコアが前記キャストガラスの表面を少なくとも部分的に107ポアズ(106Pa・s)未満の平均粘度に加熱するように行われる、実施形態1から10までのいずれか1つ記載の方法。
【0068】
実施形態12
前記ガラスリボンは約0.01μm~約50μmの厚さ変動を有する、実施形態1から11までのいずれか1つ記載の方法。
【0069】
実施形態13
前記ガラスリボンは約0.01μm~約100μmの反りを有する、実施形態1から12までのいずれか1つ記載の方法。
【0070】
実施形態14
前記流し込むステップは、ガラスを溶融装置の、約100mm~約5mの幅を有するオリフィスから流し込むことによって行われ、前記オリフィスの前記幅は前記キャスタの前記幅(Wcast)以下である、実施形態1から13までのいずれか1つ記載の方法。
【0071】
実施形態15
前記溶融装置はオーバフロー成形装置である、実施形態14記載の方法。
【0072】
実施形態16
前記キャストガラスの任意の結晶相の最大結晶成長速度が、前記キャストガラスを冷却、搬送および延伸するステップ中に約0.01μm/分~約10μm/分である、実施形態1から15までのいずれか1つ記載の方法。
【0073】
実施形態17
前記キャストガラスの任意の結晶相の最大結晶成長速度が、前記キャストガラスを冷却、搬送および延伸するステップ中に約0.01μm/分~約5μm/分である、実施形態1から15までのいずれか1つ記載の方法。
【0074】
実施形態18
前記ガラスの前記組成物は、前記キャストガラスの上限液相温度から下限液相温度まで測定すると、約0.01μm/分~1μm/分未満の任意の結晶相の結晶成長速度をさらに含む、実施形態7記載の方法。
【0075】
実施形態19
前記ガラスリボンは約0.01μm~約50μmの厚さ変動を有する、実施形態16から18までのいずれか1つ記載の方法。
【0076】
実施形態20
前記ガラスリボンは約0.01μm~約100μmの反りを有する、実施形態16から19までのいずれか1つ記載の方法。
【0077】
実施形態21
前記キャストガラスを冷却するステップは、前記キャストガラスを前記キャストガラスに対する臨界冷却速度以上の温度に冷却するために行われる、実施形態16から20までのいずれか1つ記載の方法。
【0078】
実施形態22
ガラス物品であって、
約1mm~約25mmの厚さおよび25mm~約200mmの幅を有する未研磨のガラスリボンを含み、
前記ガラスリボンは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスおよびホウ酸塩ガラスからなる群から選択される組成物を含み、
前記組成物は、5×105ポアズ(5×104Pa・s)未満の上限液相粘度をさらに含み、
さらに、前記ガラスリボンは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約200μmの反りを有するガラスウェーハへと切断可能である、
ガラス物品。
【0079】
実施形態23
前記ガラスリボンは約1.65~約1.90の屈折率を有する、実施形態22記載のガラス物品。
【0080】
実施形態24
前記ガラスリボンは、約0.01μm~約0.5μmの厚さ変動および約0.01μm~約10μmの反りを有するガラスウェーハへと切断可能である、実施形態22または23記載のガラス物品。
【0081】
実施形態25
前記ガラスリボンは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約200μmの反りを有する、実施形態22から24までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0082】
実施形態26
ガラス物品であって、
約1mm~約25mmの厚さおよび100mm~約200mmの幅を有する未研磨のガラスウェーハを含み、
前記ガラスウェーハは、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、スルホリン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスおよびホウ酸塩ガラスからなる群から選択される組成物を含み、
前記組成物は、5×105ポアズ(5×104Pa・s)未満の上限液相粘度をさらに含み、
さらに、前記ガラスウェーハは、約0.01μm~約50μmの厚さ変動および約0.01μm~約200μmの反りを有する、
ガラス物品。
【0083】
実施形態27
前記ガラスウェーハは約1.65~約1.90の屈折率を有する、実施形態26記載のガラス物品。
【0084】
実施形態28
前記ガラスウェーハは、約0.01μm~約0.5μmの厚さ変動および約0.01μm~約10μmの反りを有する、実施形態26または27記載のガラス物品。