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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
F24C7/02 320M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021094835
(22)【出願日】2021-06-07
(65)【公開番号】P2022187040
(43)【公開日】2022-12-19
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 匡薫
(72)【発明者】
【氏名】森井 彰
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-314814(JP,A)
【文献】特開2015-072117(JP,A)
【文献】実開平04-117305(JP,U)
【文献】特開平02-197719(JP,A)
【文献】特開2018-054233(JP,A)
【文献】特開2014-109421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を収納する加熱室と、
前記加熱室にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と、
前記加熱室に配置された輻射熱加熱手段と、
前記加熱室内を複数に分割したエリア毎の温度を検知する非接触式温度センサと、
前記加熱室の温度を検知する室内温度センサと、
前記マイクロ波加熱手段、及び前記輻射熱加熱手段の駆動を制御する制御手段と、
前記制御手段に対し、前記非接触式温度センサで検知したエリア毎の温度状態に応じて、前記マイクロ波加熱手段と前記輻射熱加熱手段とを駆動した後に前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを駆動、又は、前記マイクロ波加熱手段のみを駆動、のいずれか一方を実行する第1の工程と、前記第1の工程に引き続き、前記マイクロ波加熱段を駆動するとともに前記輻射熱加熱手段を駆動する第2の工程と、前記第2の工程に引き続き、前記マイクロ波加熱手段を停止し、前記輻射熱加熱手段を駆動する第3の工程と、を行わせる制御メニューを設定できる操作手段と、を備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第1の工程では、前記非接触式温度センサで検知されたエリア毎の温度の、最大値と最小値との差が第1の所定値以上である場合、前記マイクロ波加熱手段を第1の出力で前記輻射熱加熱手段を第2の出力で駆動した後に、前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを第3の出力で駆動することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第1の工程では、前記非接触式温度センサで検知されたエリア毎の温度の、最大値と最小値との差が第1の所定値未満であるが、室内温度センサで検知された温度と、前記最小値との差が第2の所定値以上である場合、前記マイクロ波加熱手段を第1の出力で前記輻射熱加熱手段を第2の出力で駆動した後に、前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを第3の出力で駆動することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記第1の工程では、前記非接触式温度センサで検知できるエリアのうち一部のエリアからなるエリア群におけるエリア毎の温度の、最大値と最小値との差が第1の所定値以上である場合、前記マイクロ波加熱手段を第1の出力で前記輻射熱加熱手段を第2の出力で駆動した後に、前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを第3の出力で駆動することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第1の工程では、前記非接触式温度センサで検知できるエリアのうち一部のエリアからなるエリア群におけるエリア毎の温度の、最大値と最小値との差が第1の所定値未満であるが、室内温度センサで検知された温度と、前記最小値との差が第2の所定値以上である場合、前記マイクロ波加熱手段を第1の出力で前記輻射熱加熱手段を第2の出力で駆動した後に、前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを第3の出力で駆動することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第1の所定値は、室内温度センサで検知された温度に応じて変化することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記第1の所定値と第2の所定値は、室内温度センサで検知された温度に応じて変化することを特徴とする請求項3又は5に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記第1の出力は前記第3の出力よりも小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記第1の工程は、前記マイクロ波加熱手段と前記輻射熱加熱手段とを駆動した後に前記輻射熱加熱手段を停止させ前記マイクロ波加熱手段のみを駆動後、前記非接触式温度センサで検知されたエリアの温度のいずれかが第1の温度以上になった場合、又は、室内温度センサで検知された温度が第2の温度以上になった場合に終了することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記第1の工程は、前記マイクロ波加熱手段のみを駆動後、前記非接触式温度センサで検知されたエリアの温度のいずれかが第3の温度以上になった場合、又は、室内温度センサで検知された温度が第4の温度以上になった場合に終了することを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記第1の温度は前記第3の温度より高く、前記第2の温度は前記第4の温度より高いことを特徴とする請求項10に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンジ加熱とグリル加熱が可能であり、加熱室内に入れた調理物に対して自動で加熱制御できる加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、マグネトロンにより加熱するレンジ加熱と、電気ヒーターにより加熱するグリル加熱の機能を有し、それらを組み合わせて調理を行うことができる加熱調理器が存在している。例えば、特許文献1のものでは、メニューから焼き物料理を選択した場合には、レンジ加熱で被調理物内部を加熱した後、ヒーター加熱で調理が行えるようにしたもの(従来方法1)や、低出力でレンジ加熱とヒーター加熱の同時加熱、その後に、ヒーター加熱とオーブン加熱の同時加熱、その後に、高温スチーム加熱、その後に、ヒーター加熱を行うようにしたもの(従来方法2)が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-10164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍保存した食材の場合には、常温食材を焼き上げるのと同様に、加熱初期から焼き上げるように高出力でヒーター加熱を行ってしまうと、内部が冷たい状態(半生状態)で仕上がってしまう。そこで、最初に食材を解凍したのちに加熱することが必要になる。しかし、従来方法1の場合には、レンジ加熱で冷凍食材の内部を解凍した後に、ヒーター加熱を行うので、ヒーター加熱の初期段階、まだ加熱室内部が温かくなっていない状況で食材内部の熱が逃げてしまい、加熱ムラが発生する課題がある。
また、従来方法2のように、レンジ加熱とヒーター加熱を最初から行ってしまうと、冷凍食材の内部が解凍されるまえに、食材の外部が温かくなり水分が発生してしまうので、加熱ムラが発生するという課題がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するもので、冷凍保存した食材でも食材内部の解凍と食材外部の焼き上げを最適に行い、加熱ムラがなく焼き上げることができる加熱調理器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に関する加熱調理器は、調理物を収納する加熱室と、加熱室にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と、加熱室に配置された輻射熱加熱手段と、加熱室内を複数に分割したエリア毎の温度を検知する非接触式温度センサと、加熱室の温度を検知する室内温度センサと、マイクロ波加熱手段、及び輻射熱加熱手段の駆動を制御する制御手段と、制御手段に対し、非接触式温度センサで検知したエリア毎の温度状態に応じて、マイクロ波加熱手段と輻射熱加熱手段とを駆動した後に輻射熱加熱手段を停止させマイクロ波加熱手段のみを駆動、又は、マイクロ波加熱手段のみを駆動、のいずれか一方を実行する第1の工程と、第1の工程に引き続き、マイクロ波加熱段を駆動するとともに輻射熱加熱手段を駆動する第2の工程と、第2の工程に引き続き、マイクロ波加熱手段を停止し、輻射熱加熱手段を駆動する第3の工程と、を行わせる制御メニューを設定できる操作手段と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示の加熱調理器により、加熱ムラを抑制して、冷凍食材の解凍から焼き上げまでを効率的に行う事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る加熱調理器の設置例を説明する図である。
図2】実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面模式図である。
図3】実施の形態1に係る加熱調理器の赤外線センサの検知エリア説明図である。
図4】実施の形態1に係る加熱調理器の上面図である。
図5】実施の形態1に係る左表示部、左火力表示部および左操作部を拡大した図である。
図6】実施の形態1に係る右表示部、右火力表示部および右操作部を拡大した図である。
図7】実施の形態1に係る中央表示部、中央操作部および中央加熱状況表示部を拡大した図である。
図8】実施の形態1に係る中央表示部に表示される調理メニューの一例である。
図9】実施の形態1に係る加熱調理器の制御ブロック図である。
図10】実施の形態1に係る加熱調理器の制御メニューを示す図である。
図11】実施の形態1に係る中央表示部に表示される初期画面である。
図12】実施の形態1に係る中央表示部に表示される調理メニューの一例である。
図13】実施の形態1に係る中央表示部に表示される調理メニューの一例である。
図14】実施の形態1に係るレンジグリル調理の制御を示すフローチャートである。
図15】実施の形態1に係る内部加熱工程を示すフローチャートである。
図16】実施の形態1に係る冷凍判定工程を示すフローチャートである。
図17】実施の形態1に係る加熱設定工程を示すフローチャートである。
図18】実施の形態1に係る終了温度設定工程を示すフローチャートである。
図19】実施の形態1に係る内部加熱工程での中央加熱状態表示部での表示を示す図である。
図20】実施の形態1に係る内部加熱工程での中央表示部での表示を示す図である。
図21】実施の形態1に係る内外加熱工程を示すフローチャートである。
図22】実施の形態1に係る内外加熱工程での中央加熱状態表示部での表示を示す図である。
図23】実施の形態1に係る内外加熱工程での中央表示部での表示を示す図である。
図24】実施の形態1に係る外部加熱工程を示すフローチャートである。
図25】実施の形態1に係る外部加熱工程での中央加熱状態表示部での表示を示す図である。
図26】実施の形態1に係る外部加熱工程での中央表示部での表示を示す図である。
図27】実施の形態1に係る外部加熱工程での中央表示部での表示を示す図である。
図28】実施の形態1に係る調理終了後での中央表示部での表示を示す図である。
図29】実施の形態1に係るレンジグリル調理での温度遷移を示す図である。
図30】実施の形態1に係る内外加熱工程での温度遷移を示す図である。
図31】実施の形態1に係る内外加熱工程での電力遷移を示す図である。
図32】実施の形態1に係る外部加熱工程での温度遷移を示す図である。
図33】実施の形態1に係る外部加熱工程での電力遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る加熱調理器について図面を参照して説明する。図面に示す加熱調理器は、本発明の加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された加熱調理器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の設置例を説明する図である。本実施の形態の加熱調理器100は、上部に調理台を備えたキッチン家具200に組み込まれて使用されるビルトイン型(組込み型)のIHクッキングヒータである。加熱調理器100は、本体1と、本体1の上に設置されたトッププレート2とを有する。トッププレート2は、キッチン家具200の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。
【0011】
トッププレート2は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート2の上面には、左加熱口20Lと、右加熱口20Rの2つの加熱口が設けられている。左加熱口20Lと右加熱口20Rは、鍋またはフライパンなどの調理容器が載置される領域を示すものである。トッププレート2の奥側には、排気口カバー4が設けられている。排気口カバー4は、通気性を有するパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器100からの排気は、排気口カバー4を通過して加熱調理器100の外へ流出する。
【0012】
加熱調理器100の本体1の前面には、本体1の内部に配置される加熱室5の前面を開閉する加熱扉50が設けられている。加熱扉50には、加熱扉50を開閉するための取っ手51が設けられている。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100を側方から見た縦断面模式図である。図2に示すように、左加熱口20Lの下方には、左誘導加熱手段3Lが設けられている。同様に、右加熱口20Rの下方にも右誘導加熱手段3Rが設けられている。これら、誘導加熱手段3は、例えば銅線またはアルミ線などの導線が巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口20Lおよび右加熱口20R上に配置された調理容器が誘導加熱される。
【0014】
本体1の内部であって、誘導加熱手段3の下方には、加熱室5が設けられている。加熱室5は、加熱室5内に収容される調理容器内の調理物を加熱するための装置である。加熱室5の前方には、調理容器を出し入れするための開口が形成されている。加熱室5の開口は、加熱扉50により開閉自在に覆われている。加熱扉50は、本体1とヒンジおよびアーム(図示せず)により回動自在に支持されている。これにより、加熱扉50は、下端部を支点(回動中心)として前方に開く構成となっている。なお、加熱扉50は、スライドレールによって、調理容器を下方から支持する支持部材と一体的に引き出されてもよい。
【0015】
加熱扉50には、加熱扉50の開閉を検知するための開閉検知部52が設けられる。開閉検知部52は、例えばマイクロスイッチまたは赤外線センサである。加熱室5の後方には、加熱室5内に収容される調理容器内の調理物を加熱するマイクロ波加熱手段6が設けられている。このマイクロ波加熱手段6は、加熱室5内にマイクロ波を照射することで、加熱室5に置かれた調理物を加熱する、いわゆるレンジ加熱を行う。
【0016】
また、加熱室5には、調理物を上下から、いわゆるヒーター加熱をする上側輻射熱加熱手段8a、及び、下側輻射熱加熱手段8bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段8aは加熱室5内天井面に、下側輻射熱加熱手段8bは加熱室5内床面に配置されており、共に、シーズヒーターである。
【0017】
また、加熱室5には、加熱室5内の調理物の温度を非接触で検知する、非接触式温度センサである赤外線センサ53が設けられる。この赤外線センサ53によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~200℃に設定される。これにより、調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。
【0018】
また、加熱室5には、加熱室5内の雰囲気温度または加熱室5の壁面温度を検知する接触式の室内温度センサであるサーミスタセンサ54も設けられている。サーミスタセンサ54は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知できる温度の上限値は、300℃程度である。
【0019】
図3は加熱室5に配置された赤外線センサ53の検知エリアの説明図であり、図3(a)は上から見た図、図3(b)は開閉扉50側から見た図である。
赤外線センサ53は加熱扉50側から見て加熱室5の右壁面に設置され、サーミスタセンサ54は加熱庫5の奥側の後壁面に設置されている。
【0020】
赤外線センサ53は規定の視野角で庫内温度を検知しており、ここでは、加熱室5を16のエリアに分けて温度を検知している。なお、図3(a)では赤外線センサ53が検知するエリアをAからPの16のエリアに分けて図示している。また、赤外線センサ53が右壁面に設置されているため、室内底面の各検知エリアまでの距離が異なっており、よって、各検知エリアAからPの検知面積も異なっている。すなわち、赤外線センサ53に近い検知エリアD、H、L、Pの面積は検知エリアB、F、J、Nの面積より小さい。つまり赤外線センサ53に近い方が検知エリアの面積が小さく、赤外線センサ53から遠い方が検知エリアの面積が大きくなる。
【0021】
加熱室5に調理物が入っていない場合、赤外線センサ53が検知するエリアの内、A、E、I、Mでは、ほとんど加熱室5の左壁面の温度を検知されており、A、E、I、M以外のエリアでは加熱室5の底面の温度を検知されている。また、図3(b)のように、加熱庫5に調理物が入っている場合には、赤外線センサ53で、調理物の温度を検知することができ、特に、調理物が大きい(高い)場合でも、検知エリアA、E、I、Mによって調理物の上部の温度を検知することができる。
【0022】
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の上面図である。図4に示すように、加熱調理器100のトッププレート2の上面の手前側には、左操作部40L、中央操作部40Mおよび右操作部40Rが設けられている。また、左操作部40L、中央操作部40Mおよび右操作部40Rの奥側には、左表示部30L、中央表示部30Mおよび右表示部30Rと、左火力表示部31Lおよび右火力表示部31Rと、中央加熱状況表示部31Mが設けられている。
【0023】
また、右操作部40Rに隣接して、主電源キー400が設けられている。主電源キー400は、加熱調理器100の主電源をONまたはOFFする際に操作されるキーである。加熱調理器100の主電源がOFFの状態で主電源キー400が例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器100の主電源がONの状態で、主電源キー400が例えば数秒間押されることにより、主電源がOFFとなる。
【0024】
図5は、実施の形態1に係る左表示部30L、左火力表示部31Lおよび左操作部40Lを拡大した図である。左表示部30Lは、左加熱口20Lにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。具体的には、左表示部30Lは、左加熱口20L上に載置された調理物に対するタイマー調理の設定時間、左加熱口20Lでの加熱動作を開始してからの経過時間、またはタイマー設定時間が終了するまでの残時間などを表示する。または、左表示部30Lは、左加熱口20Lにおける予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)、または現在の温度などを表示する。
【0025】
左火力表示部31Lは、複数のLEDから構成され、左加熱口20Lの火力を複数段階に表示するものである。左火力表示部31Lは、複数のLEDの点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。これにより、使用者に直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
【0026】
左操作部40Lは、左加熱口20Lにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図5に示すように、左操作部40Lは、5つの入力キー401L、402L、403L、404Lおよび405Lを備える。入力キー401L、402L、403L、404Lおよび405Lは、例えば使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチセンサである。また、入力キー401L、402L、403L、404Lおよび405Lに対応して、発光部410Lが設けられる。発光部410LはLEDで構成され、入力キー401L、402L、403L、404Lおよび405Lの操作に応じて発光する。
【0027】
入力キー401Lは、左加熱口20Lにおけるタイマー調理を選択する際に操作されるキーである。タイマー調理は、使用者が調理時間を設定し、設定された時間の間だけ誘導加熱動作を行う調理方法である。
【0028】
入力キー402Lは、左加熱口20Lで実施する調理メニューを選択する際に操作されるキーである。入力キー402Lを押すごとに、複数の調理メニューの中から1つを選択することができる。調理メニューは、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等である。調理メニューごとに、左誘導加熱手段3Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
【0029】
入力キー403Lは、左加熱口20Lにおける加熱調理を開始または停止するために操作されるキーである。すなわち、入力キー403Lが押されることにより、左加熱口20Lの下方に配置される左誘導加熱手段3Lが駆動され、左誘導加熱手段3Lが駆動されている状態で入力キー403Lが押されることにより左誘導加熱手段3Lの駆動が停止され、加熱が停止される。
【0030】
入力キー404Lおよび405Lは、左加熱口20Lにおける加熱調理時の火力を指定する際に操作されるキーである。入力キー404Lを押すことで、1段階ずつ火力が下げられ、入力キー405Lを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。
【0031】
図6は、実施の形態1に係る右表示部30R、右火力表示部31Rおよび右操作部40Rを拡大した図である。右表示部30Rは、右加熱口20Rにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。右表示部30Rに表示される右加熱口20Rにおける加熱調理に関する情報は、左加熱口20Lにおける加熱調理に関する情報と同じである。
【0032】
右火力表示部31Rは、複数のLEDから構成され、右加熱口20Rの火力を複数段階に表示するものである。右火力表示部31Rは、左火力表示部31Lと同様に複数のLEDの点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。
【0033】
右操作部40Rは、右加熱口20Rにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図6に示すように、右操作部40Rは、5つの入力キー401R、402R、403R、404Rおよび405Rを備える。入力キー401R、402R、403R、404Rおよび405Rは、例えば使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチセンサである。また、入力キー401R、402R、403R、404Rおよび405Rに対応して、発光部410Rが設けられる。発光部410RはLEDであり、入力キー401R、402R、403R、404Rおよび405Rの操作に応じて発光する。
【0034】
入力キー401Rは、右加熱口20Rにおけるタイマー調理を選択する際に操作されるキーである。入力キー402Rは、右加熱口20Rで実施する調理メニューを選択する際に操作されるキーである。入力キー403Rは、右加熱口20Rにおける加熱調理を開始または停止するために操作されるキーである。入力キー404Rおよび405Rは、右加熱口20Rにおける加熱調理時の火力を指定する際に操作されるキーである。入力キー404Rを押すことで、1段階ずつ火力が下げられ、入力キー405Rを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。
【0035】
図7は、実施の形態1に係る中央表示部30M、中央操作部40M、中央加熱状況表示部31Mを拡大した図である。中央表示部30Mは、加熱調理器100全体の情報および警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部30Mは、誘導加熱手段3、マイクロ波加熱手段6、輻射熱加熱手段8の選択結果、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、または警告情報を表示する。中央表示部30Mは、ハードウェア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、図7に示すように第1エリア301、第2エリア302および第3エリア303の3つの表示エリアを有し、表示エリアごとに異なる表示を行うこともできる。
【0036】
中央加熱状況表示部31Mは、2段になっており、下段には、レンジの文字表示の後方のレンジ用LED310、グリルの文字表示の後方のグリル用LED311、オーブンの文字表示の後方のオーブン用LED312と、上段には、高温注意の文字と、左加熱口、加熱室、右加熱口を表す図示の前方にそれぞれ設置された高温注意用LED群313とで構成されている。
【0037】
中央操作部40Mは、主に加熱室5における加熱調理に関する操作を入力するものである。図7に示すように、中央操作部40Mは、9個の入力キー411、412、413、414、415、416、417、418、419を備える。入力キー411、412、413、414、415、416、417、418、419は、例えば使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチセンサである。また、入力キー411、412、413、414、415、416、417、418、419に対応して、発光部410Mが設けられる。発光部410MはLEDで構成され、入力キー411、412、413、414、415、416、417、418、419の操作に応じて発光する。
【0038】
入力キー411は、加熱室5における加熱調理を開始するために操作されるキーであり、入力キー412は、加熱室5における加熱調理を停止または終了するために操作されるキーである。入力キー413は、加熱室5で実施する調理メニューを中央表示部30Mに表示させる際に操作されるキーである。
【0039】
入力キー414および415は、中央表示部30Mの第1エリア301に隣接して配置され、中央表示部30Mの第1エリア301に表示された画面を切り替えるためのキーである。図8の例で説明すると、入力キー414が操作されることにより、第1エリア301に表示される「レンジ手動」が前方に移動して、後方側に表示されている「あたため」が中央に表示される。また、入力キー415が操作されることにより、第1エリア301に表示される「レンジ手動」が後方に移動し、前方側に表示されている「葉菜下ゆで」が中央に表示される。使用者は、入力キー414および415を操作することで、加熱室5で実施する調理メニューを選択することができる。そして、入力キー411が操作されることで、中央に表示されている調理メニューが実施される。
【0040】
入力キー416および417は、中央表示部30Mの第2エリア302に隣接して配置され、中央表示部30Mの第2エリア302に表示された画面を切り替えるためのキーである。図8の例で説明すると、入力キー416が操作されることにより、第2エリア302に表示されるワット数が一段階減少され、入力キー417が操作されることにより、第2エリア302に表示されるワット数が一段階増加される。使用者は、入力キー416および417を操作することで、加熱室5で実施するレンジ調理のワット数を選択することができる。
【0041】
入力キー418および419は、中央表示部30Mの第3エリア303に隣接して配置され、中央表示部30Mの第3エリア303に表示された画面を切り替えるためのキーである。図8の例で説明すると、入力キー418が操作されることにより、第3エリア303に表示される時間が一段階増加され、入力キー419が操作されることにより、第3エリア303に表示される時間が一段階減少される。使用者は、入力キー418および419を操作することで、加熱室5で実施するレンジ調理の時間を選択することができる。
【0042】
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器100の制御ブロック図である。図9に示すように、加熱調理器100は、加熱調理器100の全体を制御する制御部7を備える。制御部7は、加熱調理器100を構成する各部の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。制御部7は、左操作部40Lおよび右操作部40Rの操作、ならびにトッププレート2上の調理容器の温度に基づき、左誘導加熱手段3L、右誘導加熱手段3Rを駆動制御する。また、制御部7は、中央操作部40Mの操作および赤外線センサ53、サーミスタセンサ54の検出結果に基づき、マイクロ波加熱手段6を駆動制御してマイクロ波を加熱室5内に照射させ、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bを駆動制御する。
【0043】
また、制御部7は左操作部40Lおよび右操作部40Rの操作に基づき、左表示部30L、右表示部30R、左火力表示部31Lおよび右火力表示部31Rの表示を制御する。さらに、制御部7は、開閉検知部52からの開放信号、ならびに左操作部40L、右操作部40Rおよび中央操作部40Mの操作に基づき、中央表示部30M、中央加熱状況表示部31Mの表示を制御する。制御部7は、加熱調理器100の制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ、ならびに各表示部に表示される画面のデータを記憶する記憶部(図示せず)を有する。また、制御部7は音声報知部70を必要に応じて起動し、使用者に状況を音声で伝える。
【0044】
次に、中央操作部40Mによって中央表示部30Mに表示され、選択できる制御メニューについて、図10を参照しながら説明する。
【0045】
中央操作部40Mによって選択できる制御メニューは、マイクロ波加熱手段6と上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bの一方又は双方を使用する。
中央操作部40Mの入力キー413が操作されると、中央表示部30Mの第1エリア301には、図10の「左表示エリア」に記載された「あたため」という制御メニューが必ず最初に表示される。この「あたため」という制御メニューがデフォルト設定してあるからである。
【0046】
また、図10の「左表示エリア」に記載されているように、「あたため」以外には、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」、「中央ヒーター」の11個の制御メニューがある。但し、「中央ヒーター」は、右加熱部20Rと左加熱部20Lの間に、別の誘導加熱部を増設した場合に対応するものであり、本実施の形態では表示されない 。
【0047】
図10の「中央表示エリア」に記載された内容は、中央表示部30Mの第2エリア302に表示される内容であり、温度や時間、火力、「強め」、「弱め」など、調理中の加熱状況の調整に関するものである。この「中央表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「中央表示エリア」の右の列に列挙している。
【0048】
図10の「右表示エリア」に記載された内容は、中央表示部30Mの第3エリア303に表示される内容を示している。「右表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「右表示エリア」の右の列に列挙している。空白の部分は、変更が可能な数字ではなく、変更ができない空白や適宜の説明文などが表示されることを意味している。
【0049】
次に、「左表示エリア」に表示されている制御メニューについて説明する。
(1)あたため:マイクロ波加熱手段6を使用して食品を加熱することをいう。食品の再加熱の場合も、この「あたため」が適する。デフォルト設定で「80℃」となっているので、食品が加熱されて80℃になった時点で自動的に停止する。なお、「80℃」は、目標温度であり、この温度は加熱開始前にユーザーが調節できる。
【0050】
(2)レンジ手動:マイクロ波加熱手段6を使用して食品を加熱することをいうが、加熱時間を設定して行うものである。
【0051】
(3)葉菜下ゆで:マイクロ波加熱手段6を使用して食品、特に、葉を食用とする野菜、例えば、ほうれん草、白菜などの葉菜類を茹でることに適するものである。赤外線センサ53が温度上昇を計測し、自動的に停止する。
【0052】
(4)根菜下ゆで:マイクロ波加熱手段6を使用して食品、特に、根や地下茎、じゃが芋などの根菜類を茹でることに適するものである。
【0053】
(5)肉解凍:冷凍した各種の肉類を解凍する場合に適する制御メニューである。
(6)レンジグリル(RG)調理:加熱室5を使用した調理に適するものであり、マイクロ波加熱手段6を使用したマイクロ波加熱と、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bを使用したオーブン加熱とを組み合わせて加熱調理するものである。
【0054】
(7)レンジグリル(RG)再加熱:加熱室5を使用して、調理済の食品を再度加熱する場合に適するものである。
(8)レンジグリル(RG)手動:加熱室5を使用した調理に適するものであり、マイクロ波加熱とオーブン加熱を使用者が適宜選択して加熱調理するものである。
【0055】
(9)グリル:加熱室5を使用して、食品を加熱するものであり、加熱源としては、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bの一方又は両方が使用される。加熱室5の温度管理は行わず、また調理物の温度上昇を検知して加熱動作を停止するという制御も行わない。
(10)オーブン:加熱室5を使用して、食品を加熱するものであり、加熱源としては、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bの一方又は両方が使用される。加熱室5の温度は、サーミスタセンサ54によって計測され、設定した目標温度になるように通電制御が行われる。
【0056】
次に、中央操作部40Mが操作された際の、中央表示部30Mでの表示について、図11図12の模式図に基づいて説明する。
まず、使用者が主電源キー400を押下し主電源をオンすると、左操作部40L,中央操作部40M、右操作部40Rの操作を受け付ける状態になり、中央表示部30Mには、図11に記載された画面が表示される。
【0057】
この状態で、使用者が入力キー413を操作すると、図12の表示画面4STが中央表示部30Mに表示される。表示画面4STから明らかなように、第1エリア301の前後方向の中央には、「あたため」という制御メニューの名称が大きく表示される。
【0058】
第1エリア301の中央に表示された「あたため」の後方には、「オーブン」という文字が、また逆に前方側には「レンジ手動」という文字が、少し小さく表示される。
これにより、ユーザーが制御メニューを選択する場合、次の候補は「オーブン」と「レンジ手動」であることが分かる。仮にこの段階で、入力キー414を1回押すと、「あたため」という文字の位置に「レンジ手動」が移動し大きく表示される。また、入力キー415を1回押すと、「あたため」という文字の位置に「オーブン」が移動し大きく表示される。
【0059】
図12において、表示画面4STは、第2エリア302に「80℃」という目標温度が表示される。この目標温度でマイクロ波加熱した場合には、食品の温度が80℃であることが、サーミスタセンサ54によって検知された際に、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
【0060】
この第2エリア302の温度を変えたい場合には、入力キー416、又は417を操作すればよく、1回押すことに5℃上下する。
【0061】
また、第2エリア302には、加熱源がマイクロ波加熱手段6であることを文字で表示した加熱源表示部30Kがある。
【0062】
次に、本開示のポイントであるレンジグリル調理を選択した場合の制御について説明する。
まず、使用者は、図12の表示画面4STにおいて、入力キー414、或いは、入力キー415を複数回押すことで、第1エリア301の中央にRG調理を表示した図13の画面にすることができる。この状態では、第2エリア302には、「標準」が表示されている。なお、加熱する調理物の分量が少なかったり、調理物の厚みが薄い場合は火力を弱くし、調理物の量が多かったり、調理物の厚みが厚い場合は火力を強くしたりして出来栄えを調整したい場合もある。その場合には、入力キー416、又は、入力キー417を操作し、第2エリア302を「強め」、「やや強め」、「やや弱め」、「弱め」に変えることができる。
以下では、「強め」に設定した場合を想定しており、この状態で、入力キー411を押すことで、音声報知部70から「RG調理、強めを開始します」と音声での報知を行い、レンジグリル調理を開始する。
【0063】
図14は、レンジグリル調理の制御を示すフローチャートであり、主に内部加熱工程(第1の工程:ST1)、内外加熱工程(第2の工程:ST2)、外部加熱工程(第3の工程:ST3)の3つの加熱工程からなっている。なお、例えば、鶏肉でも冷蔵状態のものと、冷凍状態のものがあるが、どちらであるかに関係なく、使用者が加熱室5に鶏肉を入れて調理することを、想定している。
【0064】
図15は、図14の内部加熱工程を示すフローチャートである。
内部加熱工程では、冷凍判定工程(ST11)、加熱設定工程(ST12)、終了温度設定工程(ST13)、を行った後に、赤外線センサ53の検知温度が内部加熱終了温度A以上になる(ST15)、又は、サーミスタセンサ54が内部加熱終了温度B以上になる(ST16)まで、マイクロ波加熱手段6の駆動(ST14)を継続し調理物の加熱を継続する。
【0065】
ここでは、正常に加熱が行われた場合には、赤外線センサ53の検知温度による内部加熱工程を終了することになるが、食材の配置や大きさにより赤外線センサ53により食品の温度が正常に検知できていない場合もあり得る。そのため、サーミスタセンサ54も使用し内部加熱工程を終了できるようにしている。
【0066】
なお、ST15では、赤外線センサ53の検知温度は、図3の検知エリアA~Pで検知された温度のうち、最大値としている。但し、赤外線センサ53の検知温度はすべての検知エリアの検知温度の平均値や限定された検知エリアの最大値または平均値を使用してもよく、さらに、赤外線センサ53で検知した温度を使用して算出された温度とすることも可能である。
【0067】
次に、図15における冷凍判定工程ST11に関し、図16のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、赤外線センサ53で検知した検知エリアA~Pでの温度の内、最大値をIRMAX、最小値をIRMINとして記載しており、サーミスタセンサ54で検知した温度をサーミスタセンサ検知温度として記載している。
【0068】
なお、IRMAXとIRMINは、全エリアのうち、一部に限定したエリア群とし、その範囲での検知温度を使用してもよい。例えば、加熱室5の左壁面の温度を検知する可能性がある検知エリアA、E、I、M以外のエリア、すなわち、検知エリアB、C、D、F、G、H、J、K、L、N、O、Pをエリア群とし、そのエリア群内の各エリアの検知温度での最大値、最小値を使用することも可能である。この場合には、室内壁面の温度を検出することを防ぐことができる。
【0069】
図16において、まず、サーミスタセンサ54での検知温度によって、赤外線センサ53の検知温度による判定をするか否かを判断する。これは、オーブン加熱を行った直後などでサーミスタセンサ54での検知温度が100℃を超えている場合には、加熱室5内に入れた調理物が冷凍状態であっても、加熱室5内の空気によって解凍が促進されるので、常温のものと同様の加熱としても問題はないからである。
よって、図16では、サーミスタセンサ54での検知温度が100℃を超えるか否かを判定し(ST100)、超える場合には、常温と判定する(ST110)。
【0070】
ST100で、サーミスタセンサ54での検知温度が100℃以下であった場合には、次に、サーミスタセンサ54での検知温度が0℃未満か否かを判定し(ST101)、0℃未満である場合には、冷凍と判定する(ST111)。加熱室内が0℃未満は、加熱室内に冷凍の調理物を入れたために発生する場合がほとんどであることから、冷凍と判定しても問題はない。
【0071】
ST101で、サーミスタセンサ54での検知温度が0℃以上である場合には、次に、サーミスタセンサ54での検知温度が50℃未満か否か判定し(ST102)、それぞれに応じて赤外線センサ53での検知温度による判定に移行する。
【0072】
なお、赤外線センサ53で検知される温度は、周りの温度状況(以後、環境温度)、ここでは、加熱室内の温度によって検知する温度で変化する。すなわち、調理物の温度が同じでも、前の調理が終わってそれほど時間がたっていない加熱室内に調理物を入れた場合には、時間が経過し、キッチンの室内温度とほぼ同じになった加熱室内に調理物を入れた場合に比較して、赤外線センサ53で検知される温度が高くなる。また、加熱室5内の温度が高い場合、常温の調理物を置いた場合でもIRMAXとIRMINの温度差又はサーミスタセンサの検知温度とIRMINの温度差が大きくなる場合がある。
そのため、サーミスタセンサ54の検知温度が50℃未満か否かで、その後の制御を変えている。
【0073】
まず、ST102にて、サーミスタセンサ54での検知温度が50℃未満と判定された場合には、IRMAXとIRMINの差が10℃未満であるか否かを判定する(ST103)。室内の温度がそれほど高くない状態で、普通の調理物を加熱室5内に入れた場合には、調理物に対応する検知エリアでの温度がIRMIN、調理物に対応していない検知エリアでの温度がIRMAXになるが、調理物に対応する検知エリアでの温度はそれほど下がらない。
【0074】
例えば、室内温度が30℃の場合に、10℃の調理物を室内にいれても、その調理物に対応した検知エリアで検知する温度は、例えば、25℃程度であり、それほどの温度差はできない。この温度差が大きくなるのは、冷凍物のような温度が低い調理物を入れた時が想定される。
従って、この温度差が10℃以上になった場合、すなわち、ST103でNOとなった場合に、冷凍と判定する(ST108)。
【0075】
但し、大きな調理物を室内に入れたがために、全ての検知エリアに調理物が対応してしまい、IRMAXとIRMINとの差が小さい場合もありえる。
例えば、30℃であった加熱室内に大きな冷凍物を入れた場合、全ての検知エリアでの温度が、例えば10℃になってしまい、IRMAXとIRMINの差が10℃未満になっているような場合である。
【0076】
但し、室内に冷凍物が全体に配置されていても室内の温度は急速には冷えないためサーミスタセンサ検知温度は冷凍物を入れる前とほぼ同じ温度を検知する。そこで、サーミスタセンサの検知温度とIRMINとを比較することで、冷凍物か否かの判定を行うようにしている。
【0077】
図16では、ST103で温度差が10℃未満と判定した場合、すなわち、ST103でYESとなった場合には、サーミスタセンサ検知温度とIRMINとの温度差が15℃未満であるか否かを判定し(ST104)、温度差が15℃以上の場合には、冷凍と判定し(ST108)、15℃未満の場合には、常温と判定する(ST107)。
【0078】
ST102にて、サーミスタセンサ54での検知温度が50℃以上と判定された場合以降の流れも、サーミスタセンサ54での検知温度が50℃未満と判定された場合以降の流れST103、ST104とほぼ同じであるが、判定するための温度閾値を異なるようにしている。これは、庫内温度が高いため、その影響より赤外線センサ53での検知温度を考慮したものである。
【0079】
ST102にて、サーミスタセンサ54での検知温度が50℃以上と判定された場合には、IRMAXとIRMINの差が20℃未満であるか否かを判定する(ST105)。そして、この温度差が20℃以上になった場合、すなわち、ST105でNOとなった場合に、冷凍と判定する(ST108)。
【0080】
また、ST105で温度差が20℃未満と判定した場合には、サーミスタ検知温度とIRMINとの温度差が30℃未満であるか否かを判定し(ST106)、温度差が30℃以上の場合には、冷凍と判定し(ST108)、30℃未満の場合には、常温と判定する(ST109)。
【0081】
図15にて、冷凍判定工程ST11が終了すると、次に、加熱設定工程ST12に移行する。加熱設定工程では、冷凍判定の結果が冷凍だった場合、解凍加熱工程を行い、その後、通常の内部加熱工程の加熱の設定を行う。
【0082】
図17は、加熱設定工程を示すフローチャートである。
まず、赤外線センサ53で検知した温度(検知エリアA~Pで検知された温度のうち、最大値)を初期温度として記憶する(ST111)。
次に、冷凍判定工程ST11での判定結果が冷凍であったか否かを判定し(ST112)、冷凍であった場合には、調理物を解凍するための解凍加熱を行う。
【0083】
まず、マイクロ波出力を200Wと上側輻射熱加熱手段8aの出力200Wの低火力に設定し(ST113)、各加熱手段を駆動(ST114)して加熱を開始し、赤外線センサの検知温度と初期温度との温度差が5℃を超えたかは判定(ST114)、超えるまで加熱を継続させて解凍を促進させるとともに、超えた場合には、上側輻射熱加熱手段8aによる加熱を停止し(ST116)、マイクロ波出力を400Wに設定する(ST117)。なお、上側輻射熱加熱手段8aの低火力出力は通電率制御により平均電力を200Wとするものである。
【0084】
また、ST112で、冷凍判定工程ST11での判定結果が常温であった場合には、ST117にて、マイクロ波出力を400Wに設定する。
【0085】
なお、ST113では、解凍加熱でのマイクロ波出力は200Wに限らず通常の内部加熱のマイクロ波出力より低くすればよい。また、上側輻射熱加熱手段8aの出力も200Wに限らず低火力出力、例えば100Wや300Wでもよい。
【0086】
図15にて、加熱設定工程ST12が終了すると、次に、終了温度設定工程ST13に移行する。
図18は、終了温度設定工程ST13を示すフローチャートである。
まず、冷凍判定工程ST11での判定結果が冷凍であったか否かを判定し(ST121)、判定が常温の場合、内部加熱終了温度Aは30℃、内部加熱終了温度Bは80℃に設定し(ST122)、判定が冷凍の場合、内部加熱終了温度Aは40℃、内部加熱終了温度Bは90℃に設定する(ST123)。
【0087】
調理物が冷凍の場合、加熱設定工程ST12にて、解凍加熱を行っているが、調理物に温度ムラがある場合がある。そのため、ST121にて冷凍と判定された場合には、赤外線センサ53による終了温度を常温と判定された場合よりも高めに設定し、内部加熱工程の加熱時間を長くすることで加熱ムラを軽減している。また、解凍加熱で上側輻射熱加熱手段8aによる加熱を行っているため、加熱庫5内の温度が通常のとき(調理物が常温)より上がっていることから、ST121にて冷凍と判定された場合には、サーミスタセンサ54による終了温度を常温と判定された場合よりも高めに設定し、誤検知による加熱の早切れを防止する。
【0088】
図15にて、終了温度設定工程ST13が終了すると、マイクロ波加熱手段を駆動(ST14)し、赤外線センサ53の検知温度が、内部加熱終了温度A以上かを判定(ST15)し、内部加熱終了温度A以上でなかった場合には、サーミスタセンサ54の検知温度が、内部加熱終了温度B以上かを判定(ST16)する。
ここで、ST15にて赤外線センサ53の検知温度が、内部加熱終了温度A以上と判定されるまで、或いは、ST16にて、サーミスタセンサ54の検知温度が、内部加熱終了温度B以上と判定させるまで、マイクロ波加熱手段6による加熱は継続される。
【0089】
図19は、内部加熱工程ST1を実施している時間帯での中央加熱状態表示部31Mでの表示である。この間は、高温注意用LED群313のうち、加熱室6を示す図の前方のLEDが、使用者に加熱室6が高温であることを示すために点灯している。また、マイクロ波加熱手段6を稼働させているため、レンジ用LED310が点灯している。
【0090】
図20は、内部加熱工程ST1を実施している時間帯での中央表示部30Mの表示である。中央表示部30Mの第1エリア301には、動作中の制御メニューである「RG調理」が表示され、第2エリア302には、「強め」が表示される。なお、第1エリア301、第2エリア302の表示は、レンジグリル調理の間は変化しない。
【0091】
しかし、第3エリア303には、マイクロ波加熱手段6が駆動中であることを示す「レンジ加熱中・・・」という表示を行い、その下のインジケータ表示が、図20(a)―>図20(b)―>図20(c)―>図20(a)―>・・・の順で3種類の表示を1秒おきに行う事で、内部加熱工程が実行中であることを表示(実行表示)している。
【0092】
次に、内外加熱工程ST2に関し、図21のフローチャートに基づいて説明する。
なお、内外加熱工程開始時には、音声報知部70などを用いて、内外加熱工程が始まった旨を報知する。
【0093】
内外加熱工程ST2は、内部加熱工程ST1が終了後に実施するもので、マイクロ波加
熱手段6の稼働はそのまま継続する。
【0094】
まず、上側輻射熱加熱手段8aを駆動させ(ST21)、マイクロ波加熱手段6と上側輻射熱加熱手段8aの同時駆動を、予め定められた時間、すなわち、内外加熱工程加熱時間になるまで継続する。具体的には、内外加熱工程加熱時間から現在までの時間を引いて残時間を算出し、この残時間がゼロになるまで継続する。(ST22)。
【0095】
図22は、内外加熱工程ST2を実施している時間帯での中央加熱状態表示部31Mでの表示である。この間は、高温注意用LED群313のうち、加熱室6を示す図の前方のLEDが、使用者に加熱室6が高温であることを示すために点灯している。また、マイクロ波加熱手段6を稼働させているため、レンジ用LED310とグリル用LED311が点灯している。
【0096】
図23は、内外加熱工程ST2を実施している時間帯での中央表示部30Mの表示である。図23に示すように、第1エリア301には「RG調理」が、第2エリア302には「強め」が表示される状態で、第3エリア303には、マイクロ波加熱手段6と上側輻射熱加熱手段8aが駆動中であることを示す「レンジグリル加熱中・・・」という表示を行い、その下のインジケータ表示が、図23(a)―>図23(b)―>図23(c)―>図23(a)―>・・・の順で3種類の表示を1秒おきに変えることで、内外加熱工程が実行中であることを表示(実行表示)している。
【0097】
次に、外部加熱工程ST3に関し、図24のフローチャートに基づいて説明する。
なお、外部加熱工程開始時には、音声報知部70などを用いて、外部加熱工程が始まっ
た旨を報知する。
【0098】
外部加熱工程では、まず、マイクロ波加熱手段6を停止し、上側輻射熱加熱手段8aは駆動させたままで、下側輻射熱加熱手段8bを駆動させる(ST31)。その後、サーミスタセンサ54の検知温度とサーミスタセンサの初期温度との温度差が10℃以上になったかを判定(ST32)、10℃以上になった場合には、その間の時間(以降、△TIME1とする)から外部加熱工程時間を算出し(ST33)、外部加熱工程時間から経過時間を差し引いた外部加熱工程残時間を算出し(ST34)、この外部加熱工程残時間が0になったかを判定する(ST35)。ST35で、外部加熱工程残時間が0となったならば、上側輻射熱加熱手段8aと下側輻射熱加熱手段8bを停止させ(ST36)、レンジグリル調理は終了する。
【0099】
なお、外部加熱工程時間の算出方法は、下記の計算式(1)となる。
(α×△TIME1+β)×γ ・・・ (1)
計算式(1)で、αは△TIME1に応じて外部加熱工程の時間を増幅する係数である。βは△TIME1の時間に関係なく外部加熱工程の時間を確保する時間であり、外部加熱工程の時間の最小時間でもある。γは火力に応じて残時間を調整する係数である。「RG調理」の火力は「強め」、「やや強め」、「標準」、「やや弱め」、「弱め」の5つあり、各火力に対するγは「強め:1.5」「やや強め:1.2」「標準:1.0」「やや弱め:0.8」「弱め:0.5」となっている。
【0100】
なお、ST34で、外部加熱工程残時間算出後、外部加熱工程残時間が3分を下回ったら、音声報知部70で調理が終了する旨を報知するようにしても良い。
【0101】
図25は、外部加熱工程ST3を実施している時間帯での中央加熱状態表示部31Mでの表示である。この間は、高温注意用LED群313のうち、加熱室6を示す図の前方のLEDが、使用者に加熱室6が高温であることを示すために点灯している。また、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bを稼働させているため、グリル用LED311が点灯している。
【0102】
図26図27は、外部加熱工程ST3を実施している時間帯での中央表示部30Mの表示である。まず、図24のST34にて残時間を算出するまで、すなわち、ST31、32、33を実施している間は、図26に示すように、第1エリア301には「RG調理」が、第2エリア302には「強め」が表示される状態で、第3エリア303には、上側輻射熱加熱手段8a、下側輻射熱加熱手段8bが駆動中であることを示す「グリル加熱中・・・」という外部加熱工程の表示を行い、その下のインジケータ表示が、図26(a)―>図26(b)―>図26(c)―>図26(a)―>・・・の順で3種類を1秒おきに表示し外部加熱工程が実行中であることを表示している。
【0103】
また、図24のST34、ST35にて残時間を算出しながら加熱を継続している間は、図27に示すように、第1エリア301には「RG調理」が、第2エリア302には「強め」が表示される状態で、第3エリア303には、残時間を1秒毎に変更して表示させるとともに、その下のインジケータ表示が、図27(a)―>図27(b)―>図27(c)―>図27(a)―>・・・の順で3種類を1秒おきに表示し外部加熱工程が実行中であることを表示している。
【0104】
図28は、調理終了後の中央表示部30Mの表示である。「調理終了」を表示し、食品の取り出しを知らせる「食品を取り出してください」を表示するようになる。食品を取り出した後、すなわちドアを開けた後、又は入力キー412を押下すると電源がオンであることを知らせる「電源が入っています」と、高温であることを知らせる「レンジグリル高温注意」を表示する。
【0105】
なお、図示はしないが、各加熱工程にユーザーが加熱扉50を開けるなどをして加熱が停止した際は、例えば、図20では、「RG調理」と「強め」の表示はそのままで、「レンジ加熱中」とインジケータ表示の表示を消し、加熱を再開した際には再度「レンジ加熱中」とインジケータ表示の表示を行う。また、残時間を表示している場合は、残時間のカウントダウンを停止し表示する。
【0106】
次に、レンジグルリ調理での加熱室5内の温度状態を図29に基づいて説明する。
図29では、IRMAXが20℃、IRMINが-5℃であり、IRMAXとIRMINとの温度差が25℃なので冷凍判断では冷凍と判定される。また、このときの赤外線センサ53の検知温度をIRMAXと同じ20℃とする。
【0107】
そのため、内部加熱工程ST1では、まず解凍加熱が行われる。解凍加熱ではマイクロ波加熱手段6の出力200W、上側輻射熱加熱手段8aの出力200Wの合計400Wで加熱を行い、赤外線センサ53の検知温度が初期温度より5℃高い25℃になると上側輻射熱加熱手段8aによる加熱を停止し、解凍加熱工程を終了する。
【0108】
解凍加熱工程が終了すると、引き続き通常の内部加熱工程ST1の加熱を行う。
マイクロ波加熱手段6の出力400Wに変更し加熱を継続し、赤外線センサ53の検知温度が40℃になるまで加熱を行う
【0109】
その後、内外加熱工程ST2に移行し、マイクロ波加熱手段6の出力400W、上側輻射熱加熱手段8aの出力1000Wの合計1400Wで稼働する。なお、内外加熱工程ST2での温度遷移を図30に、電力遷移を図31で示す。この工程では、常温になった状態から上側輻射熱加熱手段8aも加えて庫内温度を上げながら肉の内部・外部の温度を上げる(例えば、鶏もも肉であれば、50~70℃程度まで上げる)。肉内部の温度が50~70℃とすると肉のたんぱく質が凝固し始める温度となる。同時に、庫内温度も80℃以上まで上げることで肉の温度変動がなくなり外部加熱工程へ移行したときの温度変動が小さくなる。
【0110】
その後、外部加熱工程ST3に移行し、マイクロ波加熱手段6を停止して、上側輻射熱加熱手段8aの出力1000W、下側輻射熱加熱手段8bの出力800Wの合計1800Wで駆動する。なお、外部加熱工程ST3での温度遷移を図32に、電力遷移を図33に示す。この工程では、肉内部温度、外部温度が50~70℃となった後に、加熱により鶏もも肉の外部から輻射加熱もしくは受け皿からの熱伝導による加熱で表面温度を100℃以上にし、水分を飛ばすことでパリッとさせ、さらに褐変化して香ばしくなる(メイラード反応)。外部加熱工程ST3では、食材内部の温度上昇はマイクロ波加熱に比較して緩やかに上がるため、乾燥によるパサつきをおさえ、肉のやわらかさを保持しジューシーに仕上がる。
【0111】
実施の形態1では、マイクロ波加熱手段6による内部加熱工程の終了後、マイクロ波加熱手段6での駆動を維持したまま、上側輻射熱加熱手段8aを駆動させるので、工程切り換えに伴う加熱室6内の温度低下を防ぐことができ、食材の温度ムラの発生を防止できる。
【0112】
なお、実施の形態1では、内部加熱工程を終了するサーミスタセンサ54の温度を1つとしているが、これを複数設けてもよい。
また、内部加熱工程での冷凍判定では、冷凍と冷蔵の2つを想定しているが、例えば、冷凍、冷蔵、常温の3つを想定して、もう一つ基準をもうけ、マイクロ波出力と内部加熱工程終了温度を変更するようにしてもよい。
【0113】
以上、実施の形態1に基づいて説明したが、開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜工程の流れを変更したり、設定時間、温度を変更したりすることは当然に可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 本体、2 トッププレート、3 誘導加熱手段、4 排気口カバー、5 加熱室、
6 マイクロ波加熱手段、7 制御部、8 輻射熱加熱手段、20L 左加熱口、20R
右加熱口、30L 左表示部、30M 中央表示部、30R 右表示部、31L 左火
力表示部、31R 右火力表示部、31M 中央加熱状況表示部、40L 左操作部、4
0M 中央操作部、40R 右操作部、50 加熱扉、51 取っ手、52 開閉検知部
、53 赤外線センサ、54 サーミスタセンサ、100 加熱調理器、200 キッチ
ン家具、301 第1表示領域、302 第2表示領域、303 第3表示領域、310
レンジ用LED、311 グリル用LED、312 オーブン用LED、313 高温
注意用LED群、400 主電源キー、401L、401R、402L、402R、40
3L、403R、404L、404R、405L、405R、411、412、413、
414、415、416、417、418、419 入力キー、410 発光部。
図1
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