(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】イベント入場のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20240628BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240628BHJP
【FI】
G06Q30/08
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021518721
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 CA2019051418
(87)【国際公開番号】W WO2020069622
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517405415
【氏名又は名称】ベノワ・フレデッテ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベノワ・フレデッテ
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-168049(JP,A)
【文献】特開2013-020513(JP,A)
【文献】特開2018-106218(JP,A)
【文献】特表2018-515873(JP,A)
【文献】米国特許第10055780(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントへのアクセス権を管理するためのコンピュータ実装方法であって、コンピューティングデバイスにおいて、
入札手順の間に、ユーザ固有の基準に基づいて前記イベントへのアクセスを獲得するための1つまたは複数の入札を含むリアルタイムの入札データを受信するステップと、
前記イベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つに関連する過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを取得するステップと、
前記入札データと、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータとに基づいてリアルタイムのインサイトを出力するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップであって、
前記過去のデータが、前記入札手順の開始前に取得され、
前記現在のデータが、前記入札手順の間に取得され、前記過去のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、
前記将来のデータが、前記入札手順の間および前記入札手順が終了した後のうちの1つで取得され、前記過去のデータおよび前記現在のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、
前記インサイトが、
前記ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するためにかつ前記入札手順を任意選択で無視するために支払われるべき価
格、および、
前記入札手順を任意選択で無視するために、受信された前記1つまたは複数の入札に従って即座に獲得され得る少なくとも1つの第2のアクセス
権
のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記インサイトに応答して
、前記価格または前記第2のアクセス権を受け入れることを示すユーザ入力を受信するステップと、
前記ユーザ入力に
基づいて、アクセス権を前記イベントに自動的に割り振るステップおよびアクセス権選択プラットフォームへのアクセスを与えるステップのうちの1つと
を含む方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の入札が行われた時点と、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータのうちの少なくとも1つとに基づいて前記少なくとも1つの第1のアクセス権についての需要と供給の均衡点を判定するために、前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップと、
前記均衡点および前記入札データに基づいて前記価格を判定するステップと
を
さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータがリアルタイムで変化し、さらに、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータに基づいて前記リアルタイムのインサイトを生成するステップが、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータの各々に割り振られた重みをリアルタイムで調整するために前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ固有の基準が、イベント選択、少なくとも1つの座席カテゴリ、少なくとも1つの座席セクション、および前記イベントのために購入されるべき座席の数のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記過去のデータが
、前記イベントおよび参加者市場に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、前記コンテンツプロバイダのファン層に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、前記コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリック、前記コンテンツプロバイダのソーシャルメディアのプレゼンスおよびパフォーマンス、同じまたは同等のコンテンツプロバイダからの以前のイベントに関連するデータ、同じまたは同等のイベントからの以前のデータ、前記会場または類似の会場における他のイベントからの以前のデータ、前記会場内の特定の場所からの以前のデータ、ならびにイベントデータタギングのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記現在のデータが、前記入札手順の間に実際に行われた前記1つまたは複数の入札に関連するデータと、前記入札手順の間に行われると予想される1つまたは複数の入札に関連するデータとをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記将来のデータを取得するステップが、前記過去のデータおよび前記現在のデータについての1つまたは複数のパターンおよび統計データ点を予測するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前
記インサイ
トが、前記1つまたは複数の入札についての定性的フィードバックおよび定量的フィードバックのうちの少なくとも1つを
さらに含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記インサイトに応答して前記ユーザ入力を受信するステップが、前記1つまたは複数の入札に対する変更
、前記少なくとも1つの第2のアクセス権を即座に獲得することの受入れの指示、およびアクセス権を獲得するために前記入札手順の終わりまで待つことの受入れの指示のうちの1つを受信するステップを含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記入札データを受信するステップの前に、
複数のイベントの各々、複数の会場の各々、複数のコンテンツプロバイダの各々、および複数のユーザの各々のうちの少なくとも1つについての前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータを収集するステップと、
前記複数のユーザのうちの任意の所与の1人について、イベント、会場、コンテンツプロバイダ、座席カテゴリ、座席セクション、前記ユーザにとって適切と見なされる入札額のうちの少なくとも1つについてのリアルタイムの推奨事項を生成するために、前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用して、前記複数のイベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つにわたって前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータを較正し、相関させるステップと
をさらに含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
イベントへのアクセス権を管理するためのシステムであって、
処理ユニットと、
前記処理ユニットに通信可能に結合された非一時的メモリであって、
入札手順の間に、ユーザ固有の基準に基づいて前記イベントへのアクセスを獲得するための1つまたは複数の入札を含むリアルタイムの入札データを受信することと、
前記イベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つに関連する過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを取得することと、
前記入札データと、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータとに基づいてリアルタイムのインサイトを出力するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用することであって、
前記過去のデータが、前記入札手順の開始前に取得され、
前記現在のデータが、前記入札手順の間に取得され、前記過去のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、
前記将来のデータが、前記入札手順の間および前記入札手順が終了した後のうちの1つで取得され、前記過去のデータおよび前記現在のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、
前記インサイトが、
前記ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するためにかつ前記入札手順を任意選択で無視するために支払われるべき価
格、および、
前記入札手順を任意選択で無視するために、受信された前記1つまたは複数の入札に従って即座に獲得され得る少なくとも1つの第2のアクセス
権
のうちの少なくとも1つを含む、使用することと、
前記インサイトに応答して
、前記価格または前記第2のアクセス権を受け入れることを示すユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力に
基づいて、アクセス権を前記イベントに自動的に割り振ることおよびアクセス権選択プラットフォームへのアクセスを与えることのうちの1つと
を行うために前記処理ユニットによって実行可能なコンピュータ可読プログラム命令を含む非一時的メモリと
を含むシステム。
【請求項12】
前記命令が、
前記1つまたは複数の入札が行われた時点と、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータのうちの少なくとも1つとに基づいて前記少なくとも1つの第1のアクセス権についての需要と供給の均衡点を判定するために、前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用することと、
前記均衡点および前記入札データに基づいて前記価格を判定することと
を行うために前記処理ユニットによって実行可能である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータに基づいて前記リアルタイムのインサイトを生成するために前記処理ユニットによって実行可能
な命令が、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータの各々に割り振られた重みをリアルタイムで調整するために前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用する
ための命令を含み、前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータがリアルタイムで変化する、請求項
11または
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記現在のデータが、前記入札手順の間に実際に行われた前記1つまたは複数の入札に関連するデータと、前記入札手順の間に行われると予想される1つまたは複数の入札に関連するデータとをさらに含む、請求項
11に記載のシステム。
【請求項15】
前記将来のデータを取得するために前記処理ユニットによって実行可能であ
る命令が、前記過去のデータおよび前記現在のデータについての1つまたは複数のパターンおよび統計データ点を予測する
ための命令を含む、請求項
11に記載のシステム。
【請求項16】
前記インサイト
が、前記1つまたは複数の入札についての定性的フィードバックおよび定量的フィードバッ
クを含む、請求項
11から
15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記インサイトに応答して前記ユーザ入力を受信するために前記処理ユニットによって実行可能
な命令が、前記1つまたは複数の入札に対する変更
、前記少なくとも1つの第2のアクセス権を即座に獲得することの受入れの指示、およびアクセス権を獲得するために前記入札手順の終わりまで待つことの受入れの指示のうちの1つを受信する
ための命令を含む、請求項
11から
16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記命令がさらに、前記入札データを受信する前に、
複数のイベントの各々、複数の会場の各々、複数のコンテンツプロバイダの各々、および複数のユーザの各々のうちの少なくとも1つについての前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータを収集することと、
前記複数のユーザのうちの任意の所与の1人について、イベント、会場、コンテンツプロバイダ、座席カテゴリ、座席セクション、前記ユーザにとって適切と見なされる入札額のうちの少なくとも1つについてのリアルタイムの推奨事項を生成するために、前記少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用して、前記複数のイベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つにわたって前記過去のデータ、前記現在のデータ、および前記将来のデータを較正し、相関させることと
を行うために前記処理ユニットによって実行可能である、請求項
11から
17のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年10月5日に出願された米国仮出願第62/741,713号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、イベント入場の分野に関し、より詳細には、イベントへの電子アクセス権を管理することに関する。
【背景技術】
【0003】
イベント参加者は通常、イベントが開催される会場に入るためにチケットを購入することが必要とされる。チケットは異なる方法で取得され得、普通は、非常に人気があるイベントの場合は特に、参加者が自分のチケットをかなり前に購入することが望ましい。しかしながら、チケットを購入するとき、ユーザは通常、固定価格を支払わなければならず、自分のチケットが購入される時点で利用可能な座席に関して限定された選択肢を有し得る。これは、顧客満足の低下につながり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、イベント入場のための、およびイベントへの電子アクセス権を管理するための改善されたシステムおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、イベントへのアクセス権を管理するためのコンピュータ実装方法が提供され、方法は、コンピューティングデバイスにおいて、入札手順の間に、ユーザ固有の基準に基づいてイベントへのアクセスを獲得するための1つまたは複数の入札を含むリアルタイムの入札データを受信するステップと、イベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つに関連する過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを取得するステップと、入札データと、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータとに基づいてリアルタイムのインサイトを出力するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップであって、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するためにかつ入札手順を任意選択で無視するために支払われるべき価格をリアルタイムで返すステップ、および、入札手順を任意選択で無視するために、受信された1つまたは複数の入札に従って即座に獲得され得る少なくとも1つの第2のアクセス権をリアルタイムで示すステップのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、インサイトに応答してユーザ入力を受信するステップと、ユーザ入力に応答して、アクセス権をイベントに自動的に割り振るステップおよびアクセス権選択プラットフォームへのアクセスを与えるステップのうちの1つとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するために支払われるべき価格を返すステップは、1つまたは複数の入札が行われた時点と、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータのうちの少なくとも1つとに基づいて少なくとも1つの第1のアクセス権についての需要と供給の均衡点を判定するために、少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップと、均衡点および入札データに基づいて価格を判定するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータはリアルタイムで変化し、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータに基づいてリアルタイムのインサイトを生成するステップは、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータの各々に割り振られた重みをリアルタイムで調整するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用するステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、ユーザ固有の基準は、イベント選択、少なくとも1つの座席カテゴリ、少なくとも1つの座席セクション、およびイベントのために購入されるべき座席の数のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、過去のデータは、入札手順の開始前に取得され、イベントおよび参加者市場に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、コンテンツプロバイダのファン層に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリック、コンテンツプロバイダのソーシャルメディアのプレゼンスおよびパフォーマンス、同じまたは同等のコンテンツプロバイダからの以前のイベントに関連するデータ、同じまたは同等のイベントからの以前のデータ、会場または類似の会場における他のイベントからの以前のデータ、会場内の特定の場所からの以前のデータ、ならびにイベントデータタギング(event data tagging)のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、現在のデータは、入札手順の間に取得され、過去のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、将来のデータは、入札手順の間および入札手順が終了した後のうちの1つで取得され、過去のデータおよび現在のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、現在のデータは、入札手順の間に実際に行われた1つまたは複数の入札に関連するデータと、入札手順の間に行われると予想される1つまたは複数の入札に関連するデータとをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、将来のデータを取得するステップは、過去のデータおよび現在のデータについての1つまたは複数のパターンおよび統計データ点を予測するステップをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、リアルタイムのインサイトを出力するステップは、1つまたは複数の入札についての定性的フィードバックおよび定量的フィードバックのうちの少なくとも1つをリアルタイムで提供するステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、インサイトに応答してユーザ入力を受信するステップは、1つまたは複数の入札に対する変更、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するために価格を支払うことの受入れの指示、少なくとも1つの第2のアクセス権を即座に獲得することの受入れの指示、およびアクセス権を獲得するために入札手順の終わりまで待つことの受入れの指示のうちの1つを受信するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、入札データを受信するステップの前に、複数のイベントの各々、複数の会場の各々、複数のコンテンツプロバイダの各々、および複数のユーザの各々のうちの少なくとも1つについての過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを収集するステップと、複数のユーザのうちの任意の所与の1人について、イベント、会場、コンテンツプロバイダ、座席カテゴリ、座席セクション、ユーザにとって適切と見なされる入札額のうちの少なくとも1つについてのリアルタイムの推奨事項を生成するために、少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用して、複数のイベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つにわたって過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを較正し、相関させるステップとをさらに含む。
【0017】
別の態様によれば、イベントへのアクセス権を管理するためのシステムが提供され、システムは、処理ユニットと、処理ユニットに通信可能に結合された非一時的メモリであって、入札手順の間に、ユーザ固有の基準に基づいてイベントへのアクセスを獲得するための1つまたは複数の入札を含むリアルタイムの入札データを受信することと、イベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つに関連する過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを取得することと、入札データと、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータとに基づいてリアルタイムのインサイトを出力するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用することであって、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するためにかつ入札手順を任意選択で無視するために支払われるべき価格をリアルタイムで返すこと、および、入札手順を任意選択で無視するために、受信された1つまたは複数の入札に従って即座に獲得され得る少なくとも1つの第2のアクセス権をリアルタイムで示すことのうちの少なくとも1つを含む、使用することと、インサイトに応答してユーザ入力を受信することと、ユーザ入力に応答して、アクセス権をイベントに自動的に割り振ることおよびアクセス権選択プラットフォームへのアクセスを与えることのうちの1つとを行うために処理ユニットによって実行可能なコンピュータ可読プログラム命令を含む非一時的メモリとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、命令は、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するために支払われるべき価格を返すために処理ユニットによって実行可能であり、1つまたは複数の入札が行われた時点と、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータのうちの少なくとも1つとに基づいて少なくとも1つの第1のアクセス権についての需要と供給の均衡点を判定するために、少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用することと、均衡点および入札データに基づいて価格を判定することとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、命令は、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータに基づいてリアルタイムのインサイトを生成するために処理ユニットによって実行可能であり、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータの各々に割り振られた重みをリアルタイムで調整するために少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用することを含み、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータはリアルタイムで変化する。
【0020】
いくつかの実施形態では、命令は、入札手順の開始前に過去のデータを取得し、入札手順の間に現在のデータを取得し、入札手順の間および入札手順の後のうちの1つで将来のデータを取得するために処理ユニットによって実行可能であり、現在のデータは、過去のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み、将来のデータは、過去のデータおよび現在のデータに対する任意のリアルタイムの変更を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、命令は、現在のデータを取得するために処理ユニットによって実行可能であり、入札手順の間に実際に行われた1つまたは複数の入札に関連するデータと、入札手順の間に行われると予想される1つまたは複数の入札に関連するデータとをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、命令は、将来のデータを取得するために処理ユニットによって実行可能であり、過去のデータおよび現在のデータについての1つまたは複数のパターンおよび統計データ点を予測することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、命令は、リアルタイムのインサイトを出力するために処理ユニットによって実行可能であり、1つまたは複数の入札についての定性的フィードバックおよび定量的フィードバックのうちの少なくとも1つをリアルタイムで提供することを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、命令は、インサイトに応答してユーザ入力を受信するために処理ユニットによって実行可能であり、1つまたは複数の入札に対する変更、ユーザ固有の基準を満たす少なくとも1つの第1のアクセス権を獲得するために価格を支払うことの受入れの指示、少なくとも1つの第2のアクセス権を即座に獲得することの受入れの指示、およびアクセス権を獲得するために入札手順の終わりまで待つことの受入れの指示のうちの1つを受信することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、命令はさらに、入札データを受信する前に、複数のイベントの各々、複数の会場の各々、複数のコンテンツプロバイダの各々、および複数のユーザの各々のうちの少なくとも1つについての過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを収集することと、複数のユーザのうちの任意の所与の1人について、イベント、会場、コンテンツプロバイダ、座席カテゴリ、座席セクション、ユーザにとって適切と見なされる入札額のうちの少なくとも1つについてのリアルタイムの推奨事項を生成するために、少なくとも1つのインテリジェント処理技法を使用して、複数のイベント、会場、およびコンテンツプロバイダのうちの少なくとも1つにわたって過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータを較正し、相関させることとを行うために処理ユニットによって実行可能である。
【0026】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的な実施形態によるイベント入場のための方法のフローチャートである。
【
図2】インサイトをリアルタイムで生成するために機械学習/人工知能(AI)技法を使用する
図1のステップのフローチャートである。
【
図3】ユーザ固有の基準を満たすアクセス権を確保するために支払われるべき価格を返す
図2のステップのフローチャートである。
【
図4】本発明の別の例示的な実施形態によるイベント入場のための方法のフローチャートである。
【
図5】推奨事項を生成する
図4のステップのフローチャートである。
【
図6】本発明の例示的な実施形態によるイベント入場のためのシステムの概略図である。
【
図7】
図6のプロセッサ上で動作するアプリケーションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の参照符号によって識別されることに留意されたい。
【0029】
図1を参照すると、一実施形態によるイベント入場のためのコンピュータ実装方法100がこれから説明される。方法100は、ユーザが、会場、イベント、またはコンテンツプロバイダに関連付けられたプラットフォームを管理するコンピュータベースのアクセス権を通じて、会場で行われることになっている今度のイベントのアクセス権を取得することを可能にする。イベントは、ライブコンサート、スポーツゲームなどのライブのエンターテインメントイベントであり得、アーティスト、スポーツチームなどのコンテンツプロバイダによって提供され得る。会場は、座席などの物理的な空間が参加者に一意に割り当てられる、スタジアム/アリーナ、劇場、コンサートホールなどの施設であり得る。一般入場または開放座席が使用される座席なしの会場またはイベント(たとえば、屋外のフェスティバルショー)などの場合、参加者に割り当てられる物理的な空間は、特定の座席ではなく、会場のセクション(たとえば、バルコニーまたはフロア)を含み得ることを理解されたい。したがって、「座席」という表現は、本明細書では会場における物理的な空間または確定されたエリアを指すために使用される。
【0030】
以下の説明はエンターテインメント会場(たとえば、スタジアム/アリーナ)に言及しているが、コンベンションセンターなどの他の会場が適用され得ることも理解されたい。会場へのアクセスは例示的には、任意の適切な購入証明などの任意のタイプのアクセス権を用いて制御され、このアクセス権は、電子的または物理的であり得、会場で行われるイベントへの入場の代金が支払われていることを示し、さらに特定の座席をアクセス権の保持者に割り当てるために使用され得る。したがって、本明細書で使用される場合、「アクセス権」という用語は、イベントまたは会場にアクセスするためにユーザによって獲得される権利を指す。
【0031】
参加者は通常、イベントの大半の間に、割り当てられた自分の座席に着席していることが予想される。上記で論じられたように、いくつかの会場では、座席が参加者に割り当てられず、その結果、アクセス権上に提供された座席場所表示は、座席の特定の物理的な場所ではなく、会場のセクションを示す。一実施形態では、アクセス権は、会場における参加者の座席の物理的な場所を一意に確定する座席場所表示(たとえば、列番号および座席番号)を含む。別の実施形態では、ユーザは、以下でさらに論じられるように、ユーザの一意のプロファイルに関連付けられた購入証明を提供される。会場への入場は、ユーザが実際に会場における1つまたは複数の座席の権利を獲得しており、それによってイベントへの入場を許可されていることを確認するために、ユーザのプロファイル情報を検証することによって制御され得る。
【0032】
方法100は例示的には、ステップ102において、コンピュータ実装入札手順の間に、ユーザからの1つまたは複数の入札をリアルタイムで受信することを含む。各ユーザは実際には、ユーザ固有の基準に基づいて、イベントへのアクセスを獲得するために(アクセス権管理プラットフォームを通じて)1つまたは複数の入札を行う。一実施形態では、ユーザ固有の基準はユーザによって入力され、ユーザが参加したいと望むイベントの選択を含む。いくつかの実施形態では、ユーザ固有の基準は、限定はしないが、少なくとも1つの座席カテゴリ、少なくとも1つの座席セクション、および購入されるべき座席の数を含む、追加の基準を含む。最良の利用可能な座席がユーザに割り振られる実施形態では、ユーザ固有の基準は、会場で利用可能なすべてのアクセス権がユーザにとって関心のあるものであるという指示を含み得る。次いで、ユーザは、ユーザが入力した基準に従ってイベントのアクセス権を獲得する、たとえば、座席を購入するために、ユーザが支払う用意がある価格(すなわち、ユーザの入札)を示し得る。限定はしないが、ヴィックリーオークションおよびダッチオークションを含む複数の入札機構が適用され得る。
【0033】
方法100の終わりに、SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING EVENT ACCESS RIGHTSと題された、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる同時係属の米国出願第15/575,770号に記載されているように、ユーザにはアクセス権が自動的に割り振られるか、または1つもしくは複数のアクセス権選択機構(もしくはプラットフォーム)へのアクセスが与えられるかのいずれかである。実際に、いくつかの実施形態では、ユーザには、アクセス権(たとえば、座席)が自動的に割り振られる。他の実施形態では、ユーザは、アクセス権が自動的に割り振られる代わりにアクセス権の選択を行うために、入札額とは別の料金、入札額の一部の料金、または入札額に関連付けられた料金を支払うことを求められることがある。この場合、1つまたは複数のアクセス権選択機構は、ユーザが優先して(たとえば、他のユーザの前に)自分のアクセス権を獲得する権利を与えられる優先アクセス権選択機構を含み得る。別の実施形態では、1つまたは複数のアクセス権選択機構は、すべてのユーザが自分のアクセス権を獲得する同じ機会を与えられ、すべてのユーザが自分のアクセス権を選択する平等なチャンスを有する(すなわち、優先アクセス権選択を利用可能にしない)機構を含み得る。
【0034】
入札は例示的には、イベントが告知され、入札ルームが開かれると行われる。いくつかの実施形態では、入札は、いかなる金銭的価値もイベントの座席のいずれにも割り当てられることなしに受信される。たとえば、特定の日の所与のアーティストのコンサートが告知され、入札に対して任意の上限および/または下限の金銭的価値限界を設定することなしに所定の時間期間の間に入札が開かれる。代替的に、所与のイベントに対して上限および/または下限の金銭的価値限界が設定され得る。たとえば、入札手順に参加するために最低入札額が必要とされることがある。
【0035】
いくつかの実施形態では、登録済みのユーザのみがステップ102において入札を行うことを許可され得ることを理解されたい。他の実施形態では、すべてのユーザが、登録の有無にかかわらず、入札を行うことを許可される。したがって、ステップ102は、入札を行ったユーザが登録済みのユーザであるかどうかを評価することも含み得る。これは、入札ユーザごとに、ユーザの入札の受信時にユーザから受信された識別子(たとえば、ユーザ名および/またはパスワード)をメモリから取り出された識別子と比較することによって実施され得る。両方の識別子が一致した場合、入札ユーザは成功裏に認証され、ユーザは登録済みのユーザであると判定される。
【0036】
ステップ102は、受信された入札ごとに支払いデータを収集することも含み得る。これは、入札ユーザの入札とともに、ステップ102において入札ユーザによって提供された支払い情報を使用して達成され得る。支払いデータもメモリから取り出され得る(たとえば、以下でさらに論じられるユーザのプロファイル情報から取得され得る)ことを理解されたい。いくつかの実施形態では、支払いの事前許可は支払いデータとともに取得される。代替的に、支払いデータは、事前許可を必要とせずに、後で使用するために収集される。この実施形態は、入札プロセスが長く、ユーザのクレジットカードに多額をとどめておくことが実際的ではない場合がある事例において好まれ得る。他の実施形態では、プロセスの後でのみ、たとえば、入札が成功したと見なされると、支払いデータが収集される。
【0037】
支払いデータは、支払い額と、場合によっては支払いの方法とを含み得る。支払いの方法に関連するデータは、クレジットカード情報、金融口座情報、口座引き落とし許可情報、電子資金振替情報などを含み得る。支払いデータは、ユーザのプロファイルに関連付けられ、資金がユーザのプロファイルに関連付けられていることを示す、記憶された支払い値も含み得る。成功した入札についてのみ(たとえば、ユーザのクレジットカード、金融口座などに請求することによって)支払いが処理されることを理解されたい。
【0038】
依然として
図1を参照すると、ステップ102において入札が受信された後、次のステップ104は、ステップ102において受信されたデータに基づいて、インサイトをリアルタイムで生成するために機械学習(ML)および/または人工知能(AI)技法を使用することである。次いで、以下でさらに論じられるように、ステップ104において生成され、ユーザに提供されたインサイトに応答して、ユーザ入力がステップ106において任意選択で受信され得る。本明細書で使用される場合、機械学習および/またはAI技法は、データから学習し、サンプル入力からモデルを構築することによってデータ駆動型の予測または決定を行うことができる任意の適切なコンピュータベースのアルゴリズムを指す。具体的には、本明細書で言及されるMLおよび/またはAI技法は、本明細書で説明されるシステムおよび方法に学習する(たとえば、入札手順に関連して本明細書で説明されるタスクのパフォーマンスを徐々にかつ経時的に改善する)能力を与えるために様々な要因に重み付けするインテリジェント処理技法であり得る。本明細書で言及されるMLおよび/またはAI技法は、限定はしないが、決定木学習、アソシエーションルール学習、サポートベクターマシン、クラスタ分析(教師なし学習)、および強化学習を含む。しかしながら、他の適切な技法が適用され得ることを理解されたい。
【0039】
任意選択で、次いで、次のステップ108は入札期間が終了したかどうかを判定することであり得る。いくつかの実施形態では、入札は実際には、所定の時間期間の間にのみ受信され得、入札期間は所定の日および/または時間(たとえば、発売日/時間の後の48時間)に終了し得る。入札期間の終わりに達していないとステップ108において判定された場合、方法100は任意選択で、入札をリアルタイムで受信するステップ102に戻る。入札期間の終わりに達したとステップ108において判定された場合、入札が閉じられ、任意選択で成功した入札を選択し、支払いを処理する(ステップ110)ために、受信された入札が評価される。成功した入札者は例示的には、たとえば、成功した入札者の各々に送信するための対応するメッセージを出力することによって識別され、通知される。一実施形態では、入札は、ランクまたはスタンディングをステップ102において受信された各入札に関連付けることによって、ステップ110において評価され、それによって、受信された入札の順位を提供する。より高いスタンディングの入札が受信されたときはいつでも、より低いスタンディングの入札は、追加のアクセス権(たとえば、座席)が選択可能でない限り、順位から外される(または「バンプされる」)。いくつかの実施形態では、等しい入札が行われたとき、より早い時間に行われた等しい入札のうちの1つが優先し得る。等しい入札の数が利用可能なアクセス権の数を超えたときに等しい入札から選択するために、他の要因も使用され得る。次に、ステップ112において、次いで、ユーザには1つもしくは複数のアクセス権が自動的に割り振られるか、または(ステップ102において受信された入札およびステップ106において受信されたユーザ入力に従って)1つもしくは複数のアクセス権選択機構へのアクセスを与えられ、次いで、座席が割り振られる。
【0040】
次に
図2を参照すると、インサイトをリアルタイムで生成するステップ104は、販売またはオークションの前に(すなわち、入札手順の開始前に、ステップ202)データ(本明細書では「過去のデータ」と呼ばれる)を取得することと、販売の間に(すなわち、入札手順が行われている間に、ステップ204)データ(本明細書では「現在のデータ」と呼ばれる)を取得することと、(たとえば、入札手順の間にまたは入札手順の終わりの後に、ステップ206)ステップ202および204のデータを予測することとを含む。過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータは、イベント、会場、および/またはコンテンツプロバイダに関連する。次いで、MLおよび/またはAI技法は、ステップ202、204、および206において取得されたデータと、
図1のステップ102および104において受信されたデータとに基づいて、インサイトをリアルタイムで生成するために使用され、ステップ208において受信された入札についてのフィードバックを提供することと、ステップ210においてユーザ固有の基準を満たすアクセス権を確保するためにユーザによって支払われるべき価格を返すことおよび/またはステップ212において受信された入札に従って直ちに獲得され得るアクセス権を確認することとを含む。次いで、
図1のステップ106において受信されたユーザ入力は、ユーザがステップ210において返された価格を受け入れる用意があるというユーザからの指示、ユーザがステップ212において推奨されたアクセス権を受け入れる用意があるという指示、
図1のステップ102において受信されたユーザの当初の入札に対する変更、または、ユーザが自分のアクセス権を獲得するために入札期間の終わりまで待つ用意があることを示す、当初の入札に対する変更なしを含み得る。ユーザ入力が、ユーザがステップ210において返された価格を受け入れる用意があるという指示、またはユーザがステップ212において推奨されたアクセス権を受け入れる用意があるという指示を含む場合、入札手順がスキップまたは無視され(すなわち、ユーザは入札期間が終了するのを待つ必要がない)、アクセス権が確保されることを理解されたい。
【0041】
一実施形態では、ユーザによって行われた入札についてのリアルタイムの定性的および/または定量的フィードバックがステップ208において提供される。たとえば、ユーザは、自分の入札がどのくらい他の入札に匹敵するか(たとえば、入札がどのくらい良いか)の指示を提供され得る。ステップ208は、ユーザが後で後続の入札を行った場合、ユーザが所望の同じアクセス権を確保するためにより高額の(またはより低額の)入札を行わなければならないことをユーザに示すことも含み得る。他の実施形態が適用され得る。
【0042】
一実施形態では、ステップ212は、(
図1のステップ104において受信されたような)ユーザによって行われた入札に基づいて、ユーザが自分の入札を行った時点で、会場全体において、どのアクセス権がユーザによって獲得され得るかを判定することを含む。たとえば、ユーザが$100の入札を行った場合、ステップ212は、$100でユーザによって直ちに確保され得るアクセス権を判定し、ユーザに示す。これは、一実施形態では、MLおよび/またはAI技法を使用して達成される。
【0043】
図2に加えて次に
図3を参照すると、ステップ210は、ユーザ固有の基準を満たすアクセス権を確保するためにユーザによって支払われるべき価格(たとえば、行われるべき入札)を判定することを含む。たとえば、ユーザは、(
図1のステップ102において)$70の価値を有する入札を行った場合がある。しかしながら、ステップ210において、ユーザ固有の基準を満たすアクセス権(たとえば、座席)を確保できるためには、ユーザは$300を支払わなければならないと判定され得る。このために、一実施形態では、ステップ210は、ステップ202、204、および206において取得されたデータならびに(以下でさらに説明されるように)ユーザが自分の入札を行った時点に基づいて会場における所与のアクセス権(たとえば、座席)についての需要と供給の均衡点(本明細書では「平衡点(point of equilibrium)」とも呼ばれる)を判定するために、ステップ302においてMLおよび/またはAI技法を使用することを含む。したがって、均衡点は、(たとえば、MLおよび/またはAI技法を使用して構築された)コンピュータベースのモデルに基づいて判定され得る。別の実施形態では、需要と供給の均衡点は、収集されたデータに基づいて平均を計算することによって判定され得る。次いで、所望のアクセス権(たとえば、ユーザ固有の基準を満たす座席)を確保するためにユーザによって支払われるべき価格が、ステップ302において判定された均衡点およびユーザから受信された最初の入札に基づいて判定され得る。次いで、支払われるべき価格がステップ304において出力される。次いで、ユーザがステップ304において返された価格を受け入れ、(
図1のステップ106において受信されたユーザ入力に示されるような)自分のアクセス権を直ちに獲得すると決定した場合、このユーザについて入札手順が停止する。このようにして、ユーザは、イベントの自分のアクセス権を獲得する(たとえば、座席を確保する)前に入札期間が終了するのを待つ必要がない。
【0044】
以下でさらに論じられるように、収集されたデータ点に与えられた重み(たとえば、重要度)はML/AI技法を使用して経時的に調整されることを理解されたい。たとえば、ステップ210は、好ましくはステップ202、204、および206の3つすべてにおいて取得されたデータ点に基づいて実施されるものとして本明細書で説明され、図示されているが、支払われるべき価格は、ステップ202、204、および206のうちの1つまたは複数において取得されたデータ点を使用してステップ210において判定され得ることを理解されたい。
【0045】
一実施形態では、ステップ202における販売の前に取得されたデータは、イベントおよび参加者市場に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、コンテンツプロバイダのファン層に関連する人口統計学的要因および社会経済的要因、コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリック(たとえば、ビルボードチャート、リーグランキング、レコード売上高、ストリーミング統計、パフォーマンス軌跡/パターンなど)、コンテンツプロバイダのソーシャルメディアのプレゼンスおよびパフォーマンス、同じまたは同等のコンテンツプロバイダからの以前のイベントに関連するデータ(たとえば、販売、入場者数、再販売、行われたオファーまたは入札、ロイヤルティなど)、同じまたは同等のイベントからの以前のデータ、同じ会場または類似の会場における他のアクティビティまたはイベントからの以前のデータ、会場内の特定の場所からの以前のデータ、ならびに任意の可能なイベントデータタギング(event data tagging)(たとえば、出演者、歌、入場者数、スコア、プレイヤー、聴衆の反応など)を含むが、これらに限定されない。データは、メモリまたは他の適切なデータ記憶手段に記憶された(たとえば、コンテンツプロバイダ、会場、または任意の他の適切なソースから取得された)容易に利用可能なデータを含み得、任意の適切な手段を使用してそこから取出し可能であり得る。
【0046】
ステップ204において取得されたデータは、ステップ202において収集されたデータに対する任意のリアルタイムの変更を含み得る。ステップ204において取得されたデータは、販売の間に行われたオファー(たとえば、入札)に関連するデータと、販売の間に行われると予想されるオファーに関連するデータとをさらに含み得る。これは、オファーの数、座席の量、価格、要求された座席カテゴリ、オファー側(または入札者)の場所、インターネットプロトコル(IP)アドレス、およびオファー側の他の関連するデータ点を含み得るが、これらに限定されない。ステップ204において取得されたデータはまた、行われたオファーのパターンおよび統計データ点と、販売の間に予想されるオファーのパターンおよび統計データ点とを含み得る。パターンおよび統計データ点は、頻度、変動率、分散、および標準偏差を含むが、これらに限定されない。
【0047】
ステップ206において取得された(または予測された)データは、ステップ202および204において収集されたデータに対する、および任意の他の関連するデータに対する任意のリアルタイムの変更を含む。データは、入札手順の間にまたは入札手順の後にステップ206において取得され得る。ステップ206において取得されたデータは、ステップ202において(すなわち、販売の前に)およびステップ204において(すなわち、販売の間に)収集されたデータについての(たとえば、販売の間または販売の後に)予想または予測されるパターンおよび統計データ点をさらに含み得る。たとえば、ステップ206において取得されたデータは、コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリックの頻度、変動率、分散、および/または標準偏差を含み得る。ステップ206において取得されたデータは、販売の後に予想されるトランザクションのパターンおよび統計データ点をさらに含み得る。
【0048】
ステップ302において、MLおよび/またはAI技法は、需要と供給との間の平衡点を判定する目的で、ステップ202、204、206において取得されたデータ点をリアルタイムで較正するために使用される。平衡点は所定の許容差内に及び得ることを理解されたい。ステップ202、204、206において取得されたデータ点は継続的にかつリアルタイムで変化するので、ステップ302において実施されるデータ較正は例示的には、経時的に変化または進化する(たとえば、収集されたデータ点に与えられた重みは、ML/AI技法を使用して経時的に調整される)ことも理解されたい。具体的には、一実施形態では、ステップ202において(すなわち、販売の前に)取得されたデータは最初に、ステップ302においてデータ較正を実施するときに、より多くの重みを与えられ得る。たとえば、コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリックは最初に、平衡点を判定するために使用され得る。経時的に、より多くのパターンデータ(たとえば、販売の間におよび/または販売の後に取得されるデータ)が取得されるにつれて、パターンデータは、過去のデータ(たとえば、販売の前に取得されたデータ)よりも関連性が高いものになり得、ステップ302において実施される較正プロセスは、ユーザ固有の基準を満たすアクセス権を確保するためにユーザによって支払われるべき価格を判定するために、ステップ204および206において取得されたデータにより多くの重みを与え得る。
【0049】
たとえば、コンテンツプロバイダの過去のパフォーマンスメトリックが販売は以前には低迷していたことを示すが、現在のパフォーマンスメトリックが販売は上向いていることを示す場合、支払われるべき価格は増加し得る。別の例として、現在のデータが、ますます増加するユーザが入札を行っているが、選択されたアクセス権に対してのみ入札が行われており、残りのアクセス権に対する低い関心を示していることを示す場合、残りのアクセス権のいずれかを確保するために支払われるべき価格は低下し得る。
【0050】
別の例として、過去のデータが、所与のイベントのアクセス権に対する需要が過去には(たとえば、入札ルームが開いたときに)最初に高い傾向があるが、次いで、経時的に減少する傾向があることを示し、現在のデータが、現在の入札手順の場合、入札ルームのオープン以降に少数のユーザだけが所与のイベントのアクセス権に対する入札を行ったことを示す場合、MLおよび/またはAI技法は、現在の低い需要の考えられる原因を判定し得る。所与のイベントに対する関心の欠如(たとえば、イベントに関連付けられたアーティストの人気の欠如)のせいではなく、他の理由(たとえば、入札が開かれていた時間が不適切である)のせいで現在の需要が低いと判定された場合、イベントのアクセス権を確保するために支払われるべき価格は(従来の技法の場合に行われ得るように下げられるのではなく)維持され得る。
【0051】
一実施形態では、予測されるデータは、入札期間の終わりに到達しそうなときにデータパターンの正確な指示を提供し得るが、予測されるデータは、入札期間が開始しているときに経時的に変化する可能性が高い。したがって、入札期間の終わりよりも初めに、より高い支払われるべき価格が設定され得る。また、販売の後に取得されるデータは、イベントのアクセス権の価値が増加する(または減少する)可能性を示し、したがって、支払われるべき価格の判定に影響を及ぼし得る。したがって、ステップ302において実施される較正は、それに応じてリアルタイムで調整され得る。平衡点を判定するためにステップ302において実施される較正は、好ましくはコンピュータベースである(すなわち、コンピュータデバイスによってリアルタイムで実施される)ことを理解されたい。
【0052】
次に
図4を参照すると、別の実施形態によるイベント入場のための方法400がこれから説明される。方法400は、以下でさらに論じられるように、ステップ402において1つまたは複数の推奨事項をリアルタイムで生成することを含む。本明細書で使用される場合、「推奨事項」という用語は、ユーザに特有の情報(たとえば、地理的場所、関心のある表現、入札履歴、入札プロファイル、アクティビティなど)に基づいてユーザにとって関心があるまたはユーザに適している(すなわち、ユーザにとって適切である)と見なされるイベント、会場、コンテンツプロバイダ、座席カテゴリ、座席セクション、価格(たとえば、入札額)の推奨事項を含むが、これらに限定されない。
【0053】
次いで、推奨事項は、一実施形態では、推奨事項のうちの1つ(または複数)を選択し、それに応じて1つまたは複数の入札を行うユーザに出力され得る。別の実施形態では、ユーザは、返された推奨事項のいずれも選択しないことを選び得る。それに応じて、少なくともイベント選択を含み、限定はしないが、(本明細書で上記で論じられたような)座席カテゴリ、セクション、および座席番号のうちの1つまたは複数を任意選択で含むユーザ固有の基準が、ステップ404においてリアルタイムで受信される。次いで、ステップ404において生成された推奨事項は、ステップ404において受信された基準に基づいて、ステップ406においてリアルタイムで精緻化され得る。次いで、方法400は、入札がリアルタイムで受信される
図1のステップ102またはステップ104に進む。次いで、
図1の後続のステップが実施される。したがって、両方の方法400および100が一緒に実施され得る。
【0054】
図5を参照すると、推奨事項を生成するステップ402および406は、異なるイベントに関連するデータに基づいて所与のイベントについての推奨事項をユーザに返すことおよび/または異なる会場に関連するデータに基づいて所与の会場についての推奨事項を返すことを含む。推奨事項は、ユーザの意思決定プロセスを導くのを助けるために使用され、例示的には、オファーされる価格(たとえば、入札値)およびイベント場所に関連し得る。推奨事項の一例は、「$180でヤンキースタジアムの一塁の横に座るのが好きであれば、フェンウェイパークでは$140でグリーンモンスターの上に座ることを楽しめます」である。
【0055】
このために、ユーザが入札することができるイベントごとに、ステップ502において過去のデータ(たとえば、販売の前のデータ)および現在のデータ(たとえば、販売の間のデータ)が収集され、将来のデータ(たとえば、販売の後に予想されるデータ)が予測される。たとえば、ステップ502において収集されたデータは、会場におけるイベントごとに、アーティスト名、イベントの日、イベントの時間、イベントの場所、イベントの当日に行われた注目に値するあらゆることについての情報、およびイベントについての任意の他の関連するタギング情報を含み得る。ステップ504において、会場ごとに、過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータが取得される。ステップ504において収集されたデータは、限定はしないが、視野角、仰角、および会場の構成または構造の間の類似点を含む、会場関連のデータを含み得る。過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータはまた、コンテンツプロバイダ(たとえば、各アーティスト、スポーツチームなど)ごとにステップ506において取得される。加えて、入札ユーザごとに、ステップ508において過去のデータおよび現在のデータが収集され、将来のデータが予測される。ステップ508において収集されたユーザデータは、ユーザのプロファイルまたはアカウントから取得され得、ユーザの関心、入札履歴、入札アクティビティ、地理的場所などの指示を提供し得る。
【0056】
次いで、MLおよび/またはAI技法は、会場、コンテンツプロバイダ、および/またはイベントにわたってステップ502、504、506、および508において収集されたデータを相関させ、1つまたは複数の推奨事項を策定するためにステップ510において使用され、次いで、推奨事項は、ステップ512においてリアルタイムで出力される。このために、MLおよび/またはAI技法は、ステップ502、504、506、および508においてリアルタイムで取得されたデータ点を較正するように構成される。ステップ502、504、506、および508において取得されたデータ点は継続的にかつリアルタイムで変化するので、データ較正は例示的には、経時的に変化する(たとえば、収集されたデータ点に与えられた重みは、ML/AI技法を使用して経時的に調整される)。たとえば、ステップ510は、好ましくはステップ502、504、506、および508の4つすべてにおいて取得されたデータ点に基づいて実施されるものとして本明細書で説明され、図示されているが、推奨事項は、ステップ502、504、506、および508のうちの1つまたは複数において取得されたデータ点を使用してステップ510において策定され得ることを理解されたい。このようにして、複数のイベントにわたって、複数のコンテンツプロバイダにわたって、および複数の会場にわたって推奨事項を作成することが可能であり、推奨事項はリアルタイムで進化する。
【0057】
本明細書では入札手順への言及がなされているが、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるインテリジェント処理技法のパフォーマンスは、本明細書で説明されるシステムおよび方法が参加者市場を正確に表すモデルを(たとえば、収集された過去のデータ、現在のデータ、および将来のデータに基づいて)構築することを可能にし得るようなものであり得ることを理解されたい。結果として、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、アクセス権を獲得するために支払われるべき価格の指示をユーザに容易に提供し、ユーザが入札手順の間に入札を行う必要を軽減し得る。したがって、本明細書では「販売」への言及がなされており、「販売」は、その間に所与の金額の支払いと引き換えにアクセス権がユーザによって獲得され得る手順(限定はしないが、入札手順を含む)を指す。
【0058】
次に
図6を参照すると、一実施形態によるイベント入場のためのシステム600がこれから説明される。システム600は、インターネット、セルラーネットワーク、Wi-Fi、または当業者に知られている他のものなどのネットワーク606を介して複数のモバイルデバイス604と通信するように適合された1つまたは複数のサーバ602を含み得る。以下でさらに論じられるように、デバイス604は、会場で行われるイベントへの入場を確実にするためのシステム600へのアクセスをユーザに提供し得る。デバイス604は、ネットワーク606上で通信するように適合された、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレット、スマートフォンなどの任意のデバイスを含み得る。
【0059】
一実施形態では、システム600は、ユーザが一意の識別子の使用を通じてシステム600にログインするかまたは他の方法でシステム600への許可されたアクセスを得ることを必要とする。このために、ユーザは例示的には、申込みを完了することによってシステム600に登録し、それによって、メモリ612および/またはデータベース616に記憶され得る一意のプロファイルまたはアカウントを作成する。これは、ユーザのデバイス604を使用して、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、またはシステム600に関連付けられた他の適切なアクセス手段にアクセスすることによって行われ得る。登録が完了すると、各ユーザは例示的には、自分のプロファイルに関連付けられた、電子メールアドレス、ユーザ名、および/またはパスワードなどの、任意の暗号化方法を使用して暗号化され得る一意の識別子を提供される。識別子は、ユーザがシステム600にアクセスしようと試みる際にユーザのアイデンティティを検証するために使用され得る。たとえば、一意の識別子は、政府データベースまたは識別目的で使用されるデータの別のソースと比較され得る。いくつかの実施形態では、一意の識別子はモバイルフォン番号であり、セキュリティ目的で、許可されたモバイルフォン番号および/または許可されていないモバイルフォン番号のリストと比較される。ユーザのアイデンティティを検証するために、他のセキュリティ対策も適用され得る。次いで、ユーザが識別子を用いてウェブサイトにログオンし、モバイルアプリケーションにアクセスし、顔認識などの認証技法を使用し、および/または任意の他の適切なアクセス手段を使用することによって、システム600へのアクセスが実施され得る。代替的に、システム600はソフトウェアアプリケーションとしてデバイス604上にインストールされ得、ソフトウェアアプリケーションはデバイス604上でユーザによって起動され得る。システム600は同時に複数のユーザによってアクセスされ得ることを理解されたい。所与のユーザは、ユーザが加入しているオンラインソーシャルネットワークまたはソーシャルネットワーキングアプリケーション(たとえば、Facebook(商標)、Google+(商標)、Twitter(商標)など)に関連付けられた識別子を使用してシステム600にログインし得ることも理解さ
れたい。
【0060】
一実施形態では、支払い情報、デジタルクーポン、使用されたアクセス権の履歴、将来のイベントのアクティブなアクセス権、および他の関連する情報を含む電子ウォレットは、各ユーザプロファイルに関連付けられ得る。電子ウォレットは、たとえばID確認ステップの間に顔認識目的で使用され得るユーザの写真も含み得る。システム600はまた、ユーザのプロファイルを、一時的であり購入証明(たとえば、ユーザによって購入されたアクセス権)を表す一意の暗号化されたトークンに関連付け得る。トークンは、購入されたアクセス権に関連付けられた価格値などの情報、ならびに会場および/またはイベントを識別する他の関連する情報(たとえば、座席番号、会場の識別情報、イベントの識別情報など)を含み得る。所与のユーザは複数のアクセス権を購入し得るので、所与のユーザプロファイルは、たとえば異なる価格値を有する複数のトークンを保持し得ることを理解されたい。
【0061】
サーバ602はさらに、アクセス権発行器608によってアクセスされ得る。一実施形態では、アクセス権発行器608は、アクセス権についての価格情報、たとえば、アクセス権のカテゴリごとの最低価格値をサーバ602に提供する。アクセス権発行器608は、限定はしないが、座席マップまたはレイアウト、座席セクション、永続的なアクセス権の詳細、インベントリデータ(たとえば、会場で利用可能なアクセス権についての情報)などを含む、他の関連する情報も提供し得る。
【0062】
サーバ602は、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、およびデータベースサーバに対応する一連のサーバを含み得る。これらのサーバはすべて、
図6のサーバ602によって表される。サーバ602は、とりわけ、メモリ612に結合され、その上で動作する複数のアプリケーション614a、...、614nを有するプロセッサ610を含み得る。プロセッサ610は、データを取り出すためにメモリ612にアクセスし得る。プロセッサ610は、データに対して操作を実施することができる任意のデバイスであり得る。例は、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、およびフロントエンドプロセッサである。アプリケーション614a、...、614nは、プロセッサ610に結合され、以下でより詳細に説明されるような様々なタスクを実施するように構成される。本明細書で提示されるアプリケーション614a、...、614nは別個のエンティティとして図示され、説明されているが、これらのアプリケーションは様々な方法で組み合わされるかまたは分離され得ることを理解されたい。オペレーティングシステム(図示せず)は、プロセッサ610とアプリケーション614a、...、614nとの間の仲介として使用され得ることを理解されたい。
【0063】
プロセッサ610によってアクセス可能なメモリ612は、データを受信し、記憶し得る。メモリ612は、高速ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ、またはハードディスクもしくはフラッシュメモリなどの補助記憶ユニットであり得る。メモリ612は、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)などの任意の他のタイプのメモリ、またはビデオディスクおよびコンパクトディスクなどの光記憶媒体であり得る。また、システム600は、その上で動作するアプリケーション614a、...、614nを有するプロセッサ610を含むものとして本明細書で説明されているが、クラウドコンピューティングも使用され得ることを理解されたい。したがって、メモリ612はクラウドストレージを含み得る。
【0064】
1つまたは複数のデータベース616は、メモリ612に直接組み込まれ得るか、または(図示のように)メモリ612とは別個に、サーバ602から遠く離れて設けられ得る。データベース616へのリモートアクセスの場合、アクセスは上記で示されたような任意のタイプのネットワーク606を介して行われ得る。本明細書で説明されるデータベース616は、コンピュータによる迅速な検索および取出しのために編成されたデータまたは情報の集合として提供され得る。データベース616は、様々なデータ処理動作とともにデータの記憶、取出し、変更、および削除を容易にするように構造化され得る。データベース616は、その各々が1つまたは複数のフィールドで構成されるレコードに分割され得る1つのファイルまたはファイルのセットで構成され得る。データベース情報は、フィールドを迅速に検索し、並べ替え、グループ化し、選択するために、キーワードおよびソートコマンドを使用するクエリを通じて取り出され得る。データベース616は、1つまたは複数のサーバなどのデータ記憶媒体上のデータの任意の編成であり得る。上記で論じられたように、システム600はクラウドコンピューティングを使用してもよく、したがって、データベース616はクラウドストレージを含み得ることを理解されたい。
【0065】
一実施形態では、データベース616は、セキュアウェブサーバ、およびデータへのアクセスに使用されるプロトコルであるトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)をサポートすることが可能なハイパーテキストトランスポートプロトコルセキュア(HTTPS)である。セキュアウェブサーバとの間の通信は、セキュアソケットレイヤ(SSL)を使用してセキュア化され得る。ユーザのアイデンティティ検証は、すべてのユーザに対してユーザ名およびパスワードを使用して実施され得る。様々なレベルのアクセス許可が複数のレベルのユーザに提供され得る。
【0066】
代替的に、コンピュータネットワーク内のデバイスが情報を交換することを可能にする任意の知られている通信プロトコルが使用され得る。プロトコルの例は、IP(インターネットプロトコル)、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(伝送制御プロトコル)、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)、HTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)、FTP(ファイル転送プロトコル)、Telnet(Telnetリモートプロトコル)、SSH(セキュアシェルリモートプロトコル)である。
【0067】
図7は、
図6のプロセッサ610上で動作するアプリケーション614aの例示的な実施形態である。アプリケーション614aは例示的には、受信モジュール702、入札モジュール704、価格判定モジュール706、推奨モジュール708、および出力モジュール710を含む。
【0068】
受信モジュール702は例示的には、1つもしくは複数のデバイス604および/またはアクセス権発行器608から1つまたは複数の入力信号を受信する。各デバイス604から受信された入力信号は、ユーザ、たとえば、システム600内のユーザのアカウントに関連付けられたユーザの識別子を一意に識別する入力データを含み得る。ユーザ識別子は実際には、ユーザがイベントへの入場を確実にするためのシステム600へのアクセスを得ようと試みる際に受信され得る。次いで、ユーザ識別子は、システム600の機能へのアクセスをユーザに提供する前に(たとえば、ユーザ識別子と記憶されたユーザ識別子との比較を通じて)ユーザを認証するために、受信モジュール702によって入札モジュール704に送られ得る。
【0069】
受信モジュール702においてデバイス604から受信された入力データは、入札データならびに入札に関連付けられたユーザ固有の基準も含み得る。ユーザ固有の基準は、ユーザがアクセス権を取得したいと望む会場の座席カテゴリおよび/または座席もしくはセクションの場所を一意に識別し得る。支払いデータ(たとえば、クレジットカード情報、金融口座番号、口座引き落とし許可、電子資金振替情報、および他の関連する支払い情報)も受信され得る。次いで、入力データは、受信モジュール702によって、
図1、
図2、
図3、
図4、および
図5を参照して上記で論じられた方法ステップを実装するためにMLおよび/またはAI技法を使用するように構成された入札モジュール704、価格判定モジュール706、および推奨モジュール708に送られ得る。具体的には、入札モジュール704は、受信された入札に従って獲得され得るアクセス権を確認するように構成され得る。価格判定モジュール706は、ユーザ固有の基準を満たすアクセス権を確保するために支払われるべき価格を判定するために使用され得る。推奨モジュール708は、本明細書で上記で論じられたように、推奨事項(限定はしないが、所与のイベント、コンテンツプロバイダ、会場、座席カテゴリ、座席セクション、価格などについての推奨事項を含む)を生成するために使用され得る。
【0070】
次いで、モジュール704、706、および708はそれぞれ、その結果(たとえば、推奨事項、受信された入札に従って選択され得るアクセス権、またはユーザ固有の基準を満たすアクセス権を直ちに確保するために支払われるべき価格)を、情報をユーザに提示する、たとえば、ユーザのデバイス604に設けられた適切な出力デバイス上でレンダリングするか、またはネットワーク606を介して送られるインスタントプッシュ通知を通じてデバイス604に送信するために、出力モジュール710に出力し得る。電子メール、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、インスタントメッセージング(IM)、または他の適切な通信手段。
【0071】
一実施形態では、イベントの当日に会場にアクセスする際に、ユーザは、適切なスキャンデバイスを使用してアクセス権の一部分、たとえば、バーコード(1次元または2次元、すなわち、マトリックスバーコード)、またはアクセス権の全体をスキャンするために、(たとえば、自分のデバイス604に設けられた出力デバイスを使用して)アクセス権を提示し得る。アクセス権がスキャンされると、システム600はユーザの識別情報を提供され得、メモリ612および/またはデータベース616に記憶されたユーザプロファイルにアクセスし得る。別の実施形態では、購入証明はユーザのプロファイルに記憶される。会場にアクセスする際に、ユーザは次いで、自分のモバイルデバイスを会場スタッフに提示し得、会場スタッフは、ユーザのモバイルデバイスによって発せられた信号をキャプチャし処理するために任意の適切な獲得デバイスを使用し得る。発せられた信号は、ユーザのプロファイル情報、特にユーザの購入証明を含み得、ユーザを認証し、ユーザが会場にアクセスすることを許可されていること(すなわち、ユーザがイベントに入場するための正当な権利を獲得していること)を確認するのに役立ち得る。会場にアクセスするユーザを認証するために、顔認識、Bluetooth、無線周波数識別(RFID)アクセスなどの追加の認証技法もプロファイル管理モジュール504によって使用され得る。
【0072】
自分の座席に到着すると、ユーザはさらに、座席上に設けられた座席表示(たとえば、バーコード)をスキャンし得る。代替的に、会場のスタッフは、システム600にアクセスするためにスタッフに提供され得るデバイスを使用し、キーボードまたはタッチスクリーンなどの適切な入力手段またはインターフェース要素(図示せず)を使用して座席表示情報を手動でシステム600に入力し得る。所与のユーザによって占有された現在の座席の指示を取得するために他の技法が使用され得ることを理解されたい。次いで、システム600は、ユーザが正しい座席に到着したかどうかを判定するために、スキャンされた座席表示をユーザのプロファイルに関連付けられた座席割振り情報と比較し得る。システム600がスキャンされた座席表示と記憶された座席割振りデータとの間の不一致を識別した場合、その旨のメッセージが生成されてユーザに提示され、それによって、ユーザが誤った座席にいるという指示を提供し得る。このようにして、各ユーザが入札を勝ち取った際にユーザに一意に割り振られた座席に着席していることが確実にされ得る。
【0073】
異なるデータ信号接続を介して互いと通信する個別の構成要素のグループとしてブロック図に図示されているが、本実施形態はハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素の組合せによって提供され、いくつかの構成要素はハードウェアシステムまたはソフトウェアシステムの所与の機能または動作によって実装され、図示されたデータ経路の多くはコンピュータアプリケーションまたはオペレーティングシステム内のデータ通信によって実装されることが当業者によって理解されよう。したがって、図示された構造は本実施形態の教示の効率性のために提供される。
【0074】
本発明は方法として実行され得、システムにおいておよび/またはコンピュータ可読媒体上で具現化され得ることに留意されたい。上記で説明された本発明の実施形態は、例示的なものにすぎないことが意図されている。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0075】
100 コンピュータ実装方法、方法
400 方法
600 システム
602 サーバ
604 モバイルデバイス、デバイス
606 ネットワーク
608 アクセス権発行器
610 プロセッサ
612 メモリ
614a アプリケーション
614n アプリケーション
616 データベース
702 受信モジュール
704 入札モジュール
706 価格判定モジュール
708 推奨モジュール
710 出力モジュール