(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】先進逆流診断を有する質量流量制御器
(51)【国際特許分類】
G05D 7/06 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
(21)【出願番号】P 2021522474
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 US2019058163
(87)【国際公開番号】W WO2020087013
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-08-01
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ジョン シプカ
(72)【発明者】
【氏名】ランディー バーナム
(72)【発明者】
【氏名】アダム ポール スターツ
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-176774(JP,A)
【文献】特表2014-504766(JP,A)
【文献】特開平06-341880(JP,A)
【文献】特開平06-028040(JP,A)
【文献】特開平07-225616(JP,A)
【文献】特開2004-280688(JP,A)
【文献】特開2000-205917(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0141069(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量流量制御器であって、
流体を受け取るように構成される入口と、
前記流体が通過する流路と、
該質量流量制御器の出口から出る前記流体の順方向の流量を調節するように構成される弁と、
前記流路を通る流体及び弁動作を監視するように構成される少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサ及び前記弁に通信可能に結合されたコントローラと、
集中化コントローラと、
を備え、該コントローラは、所定のセットポイント値及び前記少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて前記弁を制御するように調整され、前記コントローラは診断システムを更に備え、該診断システムは、
流体の逆流量に関連する少なくとも1つの所定の値を決定し、
前記少なくとも1つの所定の値に基づいて前記コントローラの動作を制御し、
前記少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとるように構成され、
前記集中化コントローラは、
複数のコントローラから前記ログを診断データとして受信し、
該複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御し、
前記診断データ
の前記ログに基づいて、
前記逆流量が或る期間にわたる全流量の或るパーセンテージを超える場合に前記コントローラを安全状態に入らせる又は前記質量流量制御器をシャットダウンするように構成される、質量流量制御器。
【請求項2】
前記逆流量の前記所定の値は全流量のパーセンテージである、請求項1に記載の質量流量制御器。
【請求項3】
質量流量制御器の動作を制御する診断システムであって、
少なくとも1つのセンサ及び弁に通信可能に結合されたコントローラと、
集中化コントローラと、を備え、
該コントローラは、所定のセットポイント値及び前記少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて前記弁を制御するように調整され、前記コントローラは、
流体の逆流量に関連する少なくとも1つの所定の値を決定し、
前記少なくとも1つの所定の値に基づいて前記コントローラの動作を制御し、
前記少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとるように構成され、
前記集中化コントローラは、
複数のコントローラから前記ログを診断データとして受信し、
該複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御し、
前記診断データ
の前記ログに基づいて、
前記逆流量が或る期間にわたる全流量の或るパーセンテージを超える場合に前記コントローラを安全状態に入らせる又は前記質量流量制御器をシャットダウンするように構成される、診断システム。
【請求項4】
前記逆流量の前記所定の値は全流量のパーセンテージである、請求項
3に記載の診断システム。
【請求項5】
質量流量制御器の動作を制御する方法であって、
少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、
所定のセットポイント値及び前記少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて弁を制御することと、
流体の逆流量に関連する少なくとも1つの所定の値を決定することと、
前記少なくとも1つの所定の値に基づいてコントローラの動作を制御することと、
前記少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとることと、
集中化コントローラが、複数のコントローラから前記ログを診断データとして受信することと、
集中化コントローラが、該複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御することと、
集中化コントローラが、前記診断データ
の前記ログに基づいて、
前記逆流量が或る期間にわたる全流量の或るパーセンテージを超える場合に前記コントローラを安全状態に入らせる又は前記質量流量制御器をシャットダウンすることと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記逆流量の前記所定の値は全流量のパーセンテージである、請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの工業プロセスは、様々なプロセス流体の精密な制御を必要とする。例えば、半導体産業では、質量流量計(MFM)を用いて、プロセスチャンバーに導入されるプロセス流体の量が精密に測定される。質量流量の測定に加えて、質量流量制御器(MFC)を用いると、プロセスチャンバーに導入されるプロセス流体の量が精密に測定及び制御される。流体という用語は、本明細書において用いられる場合、流量の制御が重要となり得る任意のタイプの気体又は蒸気に当てはまることを理解されたい。
【0002】
これらのデバイスのメンテナンスは、許容可能な性能レベルを維持するために必要とされる。これらのデバイスのメンテナンスは、時宜にかなったものであり、デバイス動作の先進知識を必要とするものとすることができ、したがって、維持するのに費用がかかる可能性がある。多くのMFCは、制限された能力を有する内蔵ハードウェアに基づく自己診断能力を有する。既存のMFC診断システムの制限された能力及び複雑な設計はMFCのコストを増加させるだけである。
【0003】
本開示の主題の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。添付の図面は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】或る特定の例示の実施形態による、制御及び先進診断エレクトロニクスを有する質量流量制御器を示す図である。
【
図2A】或る特定の例示の実施形態による、質量流量制御器の動作を診断し制御するためのアルゴリズムの図である。
【
図2B】或る特定の例示の実施形態による、質量流量制御器の動作を診断し制御するためのアルゴリズムの図である。
【
図3】或る特定の例示の実施形態による、コンピューティングマシン及びシステムアプリケーションを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の様々な実施形態の作成及び使用について以下詳細に考察するが、本開示は、多種多様の具体的な状況で具現化することができる多くの適用可能な発明の概念を提供することが理解されるべきである。本明細書で考察する具体的な実施形態は、単に例示的なものであり、本開示の範囲を定めるものではない。明確にするために、本開示では、実際の実施態様の全ての特徴については記載していない場合がある。当然ながら、任意のこうした実際の実施形態の展開において、実施態様によって異なる、システム関連の制約及びビジネス関連の制約とのコンプライアンス等、開発者の具体的な目標を達成するために、多くの実施態様に特有の判断を行わなければならない。さらに、こうした開発努力は、複雑かつ時間がかかる可能性があるが、本開示の利益を有する当業者には日常的な業務である、ということが理解されよう。
【0006】
既知の条件、すなわち、圧力、体積、及び温度の下で特定のタイプの流体を制御するために調整されたMFCは、設置、メンテナンス、及び試験中にしばしばデチューンする(detuned:調整が狂う)可能性がある。さらに、MFCは、未知の動作条件によって、又は、単に、使用、すなわち、損耗(wear and tear)によってデチューンする可能性がある。全てを考慮すると、MFCのデチューニングは、正常及び異常のMFC可変挙動を理解し、認識された問題に、その問題が、関連する動作、例えば、製造サプライチェーンにおける歩留まりに影響を及ぼす前に、作用することによって判定することができる。したがって、先進MFC診断システムは、製造サプライチェーンの動作を改善することができる。しかしながら、深い考慮がない状態では、そのような問題に対処するシステムの設計及び開発は、複雑かつ非常に高価である可能性がある。
【0007】
過去に調整されたMFCの動作を較正し制御するために使用される先進診断システムが本明細書で開示される。診断システムは、セットポイント値に対する調節及び逆流量等の選択変数を監視し、問題が認識されると、通知を生成し、MFCが較正し、シャットダウンするようにさせることができる。診断システムは、セットポイント、温度、圧力、及び体積等の、修正された単数又は複数の調整変数に基づいてMFCを再調整することができる。さらに、逆流量が望ましくないレベルに達する場合、診断システムは、MFCをシャットダウンすることができる。さらに、先進診断システムを、完全にファームウェア等のソフトウェアで又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで設計し開発することができる。
【0008】
本明細書において用いられる場合、調整(tune)は、修理を始める以前の、例えば研究所又はMFC製造施設で過去に調整されているMFCを指す。本明細書において用いられる場合、較正は、MFCを調整するときから動作するときまでの又はその動作中の任意の変化を反映するために制御変数を調節する(adjust)MFCコントローラ上で実施される操作を指す。セットポイントは、識別子及び値を含む変数である。セットポイントは、所望の流量であり、流体タイプ、圧力、体積、及び温度等の既知の因子に基づいて調整ステージ中に設定される。MFC動作中に、例えば、MFCの通常動作によって引き起こされるわずかなドリフトを補正するために、セットポイントに対する多くの調節が存在する場合がある。後で論じるように、調節の数は、MFCに関する、又はより具体的には、MFCの調整用変数に関するいくつかの問題を反映する可能性がある。本明細書において用いられる場合、逆流量は、流体源に戻る(back to)方向への流体の流量を指す。一例として、製造プロセス、例えば、半導体デバイスの製造で使用される流体は、上流供給源から下流プロセスチャンバーまで移動する。この例では、逆流量は、上流供給源に戻る方向に移動する流体に関する。
【0009】
図1は、開示の実施形態に係る熱式質量流量制御器(MFC)100の一例を示しているが、他のタイプの質量流量感知方法を含むことができる。質量流量制御器100は、MFC100のコンポーネントが取り付けられるプラットフォームであるブロック110を備える。熱式質量流量計140、及び制御弁170を含む弁組立体150が、流体入口120と流体出口130との間でブロック110に取り付けられる。熱式質量流量計140は、通常、流体の大部分が流れるバイパス142と、流体のより少ない部分が流れる熱式流量センサ146とを含む。バイパス142は、様々な既知の流量で質量流量センサを流れる流体とバイパス142を流れる流体との間の適切な関係を求めるように、既知の流体で調整され、それにより、熱式流量センサ出力信号から、流量計を通る総流量を求めることができる。そして、熱式流量センサ146及びバイパス142を制御弁170及び制御及び診断及びコントローラ160に接続し、その後、再び、既知の条件下で調整することができる。そして、制御及び診断及びコントローラ160並びに制御弁170の応答は、設定値又は入力圧力の変化に対するシステムの全体的な応答が既知であり、その応答を用いて所望の応答を提供するようにシステムを制御することができるように、特徴付けられる。制御及び診断及びコントローラ160の他の機能は、
図2及び
図3に関してより詳細に論じるように、ゼロ指向(zero trending)、ゼロ推奨(zero recommended)、不十分ゼロ判定(bad zero determination)、過剰ゼロドリフト(excessive zero drift)、及び逆流(back streaming)に関連する先進診断特徴を含む。
【0010】
熱式流量センサ146は、取付けプレート108に取り付けられたセンサハウジング102(熱式流量センサ146を示すために取り除かれて示されている部分)内に収容される。熱式流量センサ146は、通常キャピラリーチューブと呼ばれる小さな直径のチューブであり、センサ入口部分146A、センサ出口部分146B、及び周囲に2つの抵抗コイル又は巻線147、148が配置されているセンサ測定部分146Cを備える。動作時、センサ測定部分146Cと熱接触している2つの抵抗巻線147、148に電流が与えられる。抵抗巻線147、148における電流は、測定部分146Cを流れる流体を、バイパス142を流れる流体の温度より高い温度まで加熱する。巻線147、148の抵抗は、温度によって変化する。流体がセンサ導管を流れる際、熱が上流の抵抗器147から下流の抵抗器148に向かって伝達され、温度差はセンサを通る質量流量に比例する。
【0011】
2つの抵抗巻線147、148から、センサを通る流量に関連する電気信号が導出される。電気信号は、抵抗巻線の抵抗の差から、又は各巻線を特定の温度で維持するために各抵抗巻線に与えられるエネルギーの量の差から等、多数の異なる方法で導出することができる。熱式質量流量計における流体の流量と相関する電気信号を求めることができる様々な方法の例については、例えば、引用することにより本明細書の一部をなす、所有者が共通の米国特許第6,845,659号に記載されている。信号処理の後に抵抗巻線147、148から導出される電気信号は、センサ出力信号を含む。
【0012】
センサ出力信号を質量流量計における質量流量と相関させて、電気信号が測定されるときに流体流量を求めることができる。センサ出力信号を、通常、最初にセンサ146における流量と相関させ、次いで、バイパス142における質量流量と相関させることにより、流量計を通る総流量を求めることができ、それに従って制御弁170を制御することができる。センサ出力信号と流体流量との間の相関は、複雑であり、流体種、流量、入口及び/又は出口圧力、温度等を含む多数の動作条件によって決まる。
【0013】
生のセンサ出力を流体流量に相関させるプロセスは、質量流量制御器の調整及び/又は較正を必要とする。例えば、センサ部分に既知の量の既知の流体を流し、流体流量を正確に表す応答を提供するように或る特定の信号処理パラメーターを調節することにより、質量流量センサを調整することができる。例えば、センサ出力の0V~5V等、指定された電圧範囲が、ゼロからセンサに対する範囲の最上値までの流量範囲に対応するように、出力を正規化することができる。センサ出力の変化が流量の変化に線形に対応するように、出力は線形にすることもできる。例えば、出力が線形にされる場合、流体出力を2倍にすることにより、電気出力が2倍になる。センサの動的応答、すなわち、流量又は圧力変化が求められるときに発生する圧力又は流量の変化の不正確な影響が求められ、それによりこうした影響を補償することができる。センサの診断は、センサがメンテナンスを必要とするか否か、又は、MFCの他の態様が注意又はメンテナンスを必要とするか否かを判定するために実施することもできる。
【0014】
エンドユーザーによって使用される流体のタイプが、調整及び/又は較正で使用される流体のタイプと異なる場合、又はエンドユーザーによって使用される、入口及び出口圧力、温度、流量の範囲等の動作条件が、調整及び/又は較正で使用されるものと異なる場合、質量流量制御器の動作は一般に質が低下する。この理由で、流量計は、追加の流体(「代用流体」と呼ぶ)及び/又は動作条件を用いて調整又は較正することができ、十分な応答を提供するために必要ないかなる変化も、ルックアップテーブルに格納される。本発明の譲受人によって所有されかつ引用することにより本明細書の一部をなす、「Flow Sensor Signal Conversion」と題するWang他の米国特許第7,272,512号は、使用される各異なるプロセス流体に対して装置を較正するために代用流体を必要とするのではなく、異なるガスの特性を用いて応答を調節するシステムを記載している。
【0015】
さらに、質量流量制御器100は、限定されないが通常はバイパス142の上流のいずれかの箇所において、流路内の圧力を測定するために流路に結合された圧力変換器112を含むことができる。圧力変換器112は、圧力を示す圧力信号を提供する。開示する実施形態によれば、圧力変換器112を用いて、流量測定中に圧力が測定される。
【0016】
診断及びコントローラ160は、所望の質量流量を示す設定値と、センサ導管内を流れる流体の実際の質量流量を示す質量流量センサからの電気流量信号とに従って、制御弁170の位置を制御する。そして、比例制御、積分制御、比例-積分(PI)制御、微分制御、比例-微分(PD)制御、積分-微分(ID)制御及び比例-積分-微分(PID)制御等、従来のフィードバック制御方法を用いて、質量流量制御器における流体の流量が制御される。流体の所望の質量流量を示す設定値信号と質量流量センサによって検知される実際の質量流量に関連するフィードバック信号との差である誤差信号に基づいて、制御信号(例えば、制御弁駆動信号)が生成される。制御弁は、主流体流路(通常、バイパス及び質量流量センサの下流)内に配置され、主流体流路を通って流れる流体の質量流量を変化させるように制御する(例えば、開閉する)ことができ、この制御は、質量流量制御器100によって与えられる。
【0017】
図示する例では、流量は、導体158によって電圧信号として閉ループシステム並びに診断及びコントローラ160に供給される。信号は、増幅され、処理され、流量を変更するように導体159を用いて制御弁組立体150に供給される。この目的で、コントローラ160は、質量流量センサ140からの信号を所定値と比較し、それに従って、所望の流量を達成するように制御弁170を調節する。制御弁170は、2標準リットル毎分以上の流量で動作するように構成されたピエゾ式又は他の技術の弁とすることができる。
【0018】
ここで、
図2A及び2Bを参照すると、例示の実施形態による、MFC100の診断及び制御動作のためのアルゴリズムの図が示される。
図2Aは、MFC100の動作をローカルに診断し制御するためのアルゴリズムの図である。ブロック200にて、選択変数、すなわち、MFCプロセス及び制御変数が監視される。プロセス変数は、測定される圧力、温度、体積、及び流体の流量を含むことができる。制御変数は、セットポイント、セットポイント調節、温度体積、流体タイプ、流量、及び所定の変数等の既知の変数を含むことができる。セットポイント変数は、測定される流量である。所定の変数は、所望のセットポイントの数、セットポイント調節、逆流、及び逆流量とすることができる。所望のセットポイント及び所望の流量は、既知の流体タイプ、圧力、温度、方向、及び体積に基づく。セットポイント調節は、コントローラ160によって行われる調節の数である。ブロック202にて、セットポイント調節の数が決定される。MFC100動作の通常のコース中に、流体流量は所望のセットポイントから逸脱する可能性がある。ブロック204にて、セットポイント調節の数は少なくとも1つの所定の数と比較される。比較は、全ガス時間(total gas hours)の関数としての全数の調節、例えば、全ガスの関数としての128の調節の間のものとすることができる。この情報は、あるがままの(as-found)較正チェックを実施する前にMFC100の構造及び安定性を理解するのに役立つ。ゼロ調節又は128の調節は、例えば、潜在的な問題を示すことができる。ゼロ調節は、システムプロトコルが順守されていないこと、MFC100が間違って設置されたこと、汚染物質蓄積、又はMFC100のドリフティングを示すことができ、それは、おそらくは、機能しないMFCを意味する可能性がある。128の調節は、例えば、MFC100コンポーネントの劣化及び/又は動作条件の逸脱を示すことができる。その中のいずれもが、診断又は健全度チェック及び場合によっては較正を構成する。ブロック206にて、通知メッセージが生成される。通知メッセージは、温度についての少なくとも1つの値、弁ドライブ、セットポイント、センサ流量、ガス流時間(gas flow hours)、時間、流体タイプ、及び全流体時間に基づくセットポイント調節の残りの数のうちの少なくとも1つを含むことができる。ブロック208にて、変数又は選択変数は特定の状況に基づいて較正される。較正は、所望のセットポイントをリセットすることだけを必要とすることができる。しかしながら、較正は、部分的に又は完全に異なる既知の変数設定に基づいてMFC100の部分的な又は完全な再調整を必要とする場合がある。較正は、所定の数のセットポイント値調節、比較の結果、及びユーザー入力のうちの1つに基づいて少なくとも部分的に実施される。他の変数を監視することもできる。ブロック210にて、逆流量を監視することができる。逆流量が、所定の値、例えば、全流量の或るパーセンテージ又は或る期間にわたる全流量の或るパーセンテージを超える場合、MFC100の動作が制御される(ブロック212)。この場合、アルゴリズムは、MFC100をハードフォールト(hard fault)又は安全状態に強制的にもたらし得る。ブロック214にて、出来事はログをとられる。ログをとられる情報は、日付、時間、及びデバイス識別子を含むことができる。ブロック208及びブロック214は、この実施形態において、ローカルに実施されるものとして述べられるが、較正コマンドをリモートで実施することができ、ロギングシステム(logging system)を、ロギングデータをリモートで記憶するように設計することができることが理解されるべきである。ここで、
図2Bを参照すると、診断又はロギングデータを処理し、診断及びコントローラ160を、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)又は分散制御システム(DCS:Distributed Control System)等の集中化コントローラから制御するためのアルゴリズムの図が示される。ブロック216にて、集中化コントローラは、複数のMFC100から通知メッセージ及び/又はロギングデータを受信する。この情報に従って、プロセスエンジニアが行動することができる。ブロック218にて、MFC100並びに診断及びコントローラ160は、較正され得る、又は、それらの動作が制御され得る。
【0019】
本明細書において用いられる場合、ハードフォールトという用語は、例えば、温度の変化を検出するMFCの能力に影響を及ぼし得るセンサ内の液体のせいで、MFC100が動作可能でないことを意味する。安全状態は、MFC100を強制的に所定の弁状態にもたらすソフトウェア又はハードウェア設定である。安全状態は、プロセス及びツールアラームのための起動及び回復中に使用される。
【0020】
ここで
図3を参照すると、例示の実施形態によるコンピューティングマシン300及びシステムアプリケーションモジュール400が示されている。コンピューティングマシン300は、様々なコンピューター、モバイルデバイス、ラップトップコンピューター、サーバー、組み込みシステム、又は本明細書に提示するコンピューティングシステムのうちの任意のものに対応することができる。モジュール400は、コンピューティングマシン300が本明細書に提示する様々な方法及び処理機能を実行するのを容易にするように設計された、1つ以上のハードウェア又はソフトウェア要素、例えば、他のOSアプリケーション並びにユーザー及びカーネル空間アプリケーションを含むことができる。コンピューティングマシン300は、プロセッサ310、システムバス320、システムメモリ330、記憶媒体340、入力/出力インターフェース350、ネットワーク370、例えば、ローカルループ、セルラー/GPS、Bluetooth(登録商標)又はWiFiと通信するためのネットワークインターフェース360、及び一連のセンサ380、例えば、
図1に関連して識別されたセンサのいずれか等の、様々な内部コンポーネント又は付属コンポーネントを含むことができる。
【0021】
コンピューティングマシンは、従来のコンピューターシステム、組み込みコントローラ、ラップトップ、サーバー、モバイルデバイス、スマートフォン、ウェアラブルコンピューター、カスタマイズされたマシン、他の任意のハードウェアプラットフォーム、又はそれらの任意の組み合わせ若しくはそれらのうちの複数として実装することができる。コンピューティングマシンは、データネットワーク又はバスシステムを介して相互接続された複数のコンピューティングマシンを用いて機能するように構成された分散システムとすることができる。
【0022】
プロセッサ310は、本明細書に記載する動作及び機能を実行し、要求フロー及びアドレスマッピングを管理し、計算を実行しコマンドを生成するために、コード命令を実行するように設計することができる。プロセッサ310は、コンピューティングマシンにおけるコンポーネントの動作を監視及び制御するように構成することができる。プロセッサ310は、汎用プロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、再構成可能プロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、コントローラ、状態機械、ゲートロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、他の任意の処理ユニット、又はそれらの任意の組み合わせ若しくはそれらのうちの複数とすることができる。プロセッサ310は、単一の処理ユニット、複数の処理ユニット、単一の処理コア、複数の処理コア、専用処理コア、コプロセッサ、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる。或る特定の実施形態によれば、プロセッサ310は、コンピューティングマシン300の他のコンポーネントとともに、1つ以上の他のコンピューティングマシン内で実行するソフトウェアベース又はハードウェアベースの仮想コンピューティングマシンとすることができる。
【0023】
システムメモリ330は、リードオンリーメモリ(「ROM」)、プログラマブルリードオンリーメモリ(「PROM」)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(「EPROM」)、フラッシュメモリ、又は電力の印加の有無にかかわらずプログラム命令又はデータを記憶することができる他の任意のデバイス等、不揮発性メモリを含むことができる。システムメモリ330はまた、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)及び同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(「SDRAM」)等の揮発性メモリも含むことができる。システムメモリ330を実装するために、他のタイプのRAMも用いることができる。システムメモリ330は、単一のメモリモジュール又は複数のメモリモジュールを用いて実装することができる。システムメモリ330は、コンピューティングマシンの一部であるものとして示すが、当業者であれば、主題となる技術の範囲から逸脱することなく、システムメモリ330はコンピューティングマシン300とは別個にすることができることが理解されよう。システムメモリ330は、記憶媒体340等の不揮発性記憶デバイスを含むか又はそれとともに動作することができることも理解されるべきである。
【0024】
記憶媒体340は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(「CD-ROM」)、デジタルバーサタイルディスク(「DVD」)、ブルーレイディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、他の不揮発性メモリデバイス、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、任意の磁気記憶デバイス、任意の光記憶デバイス、任意の電気記憶デバイス、任意の半導体記憶デバイス、任意の物理ベース記憶デバイス、他の任意のデータ記憶デバイス、又はそれらの任意の組み合わせ若しくはそれらのうちの複数を含むことができる。記憶媒体340は、1つ以上のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム及びプログラムモジュール、データ又は他の任意の情報を記憶することができる。記憶媒体340は、コンピューティングマシンの一部とするか又はコンピューティングマシンに接続することができる。記憶媒体340はまた、サーバー、データベースサーバー、クラウドストレージ、ネットワークアタッチトストレージ等、コンピューティングマシンと通信する1つ以上の他のコンピューティングマシンの一部とすることもできる。
【0025】
アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールは、コンピューティングマシンが本明細書に提示する様々な方法及び処理機能を実行することを容易にするように構成された1つ以上のハードウェア又はソフトウェア要素を含むことができる。アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールは、システムメモリ330、記憶媒体340又は両方と関連してソフトウェア又はファームウェアとして記憶される1つ以上のアルゴリズム又は命令のシーケンスを含むことができる。したがって、記憶媒体340は、プロセッサ310による実行のために命令又はコードを記憶することができる機械又はコンピューター可読媒体の例を表すことができる。機械又はコンピューター可読媒体は、概して、プロセッサ310に命令を提供するために用いられる任意の単数又は複数の媒体を指すことができる。アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールに関連するこうした機械又はコンピューター可読媒体は、コンピューターソフトウェア製品を含むことができる。アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールを含むコンピューターソフトウェア製品はまた、ネットワーク、任意の信号搬送媒体、又は他の任意の通信若しくは配信技術を介してアプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールをコンピューティングマシンに配信する1つ以上のプロセス又は方法にも関連付けることができることが理解されるべきである。アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールはまた、ハードウェア回路、若しくは、マイクロコード等、ハードウェア回路を構成するための情報、又はFPGA若しくは他のPLDのための構成情報も含むことができる。1つの例示の実施形態では、アプリケーションモジュール400及び他のOSアプリケーションモジュールは、本明細書に提示するフローチャート及びコンピューターシステムによって記載される機能動作を実行することができるアルゴリズムを含むことができる。
【0026】
入力/出力(「I/O」)インターフェース350は、1つ以上の外部デバイスに結合し、1つ以上の外部デバイスからデータを受信し、1つ以上の外部デバイスにデータを送信するように構成することができる。こうした外部デバイスは、様々な内部デバイスとともに、周辺デバイスとしても知られ得る。I/Oインターフェース350は、様々な周辺デバイスをコンピューティングマシン又はプロセッサ310に結合するために電気的接続及び物理的接続の両方を含むことができる。I/Oインターフェース350は、周辺デバイス、コンピューティングマシン又はプロセッサ310の間でデータ、アドレス及び制御信号を通信するように構成することができる。I/Oインターフェース350は、小型コンピューターシステムインターフェース(「SCSI」)、シリアル接続SCSI(「SAS」)、ファイバーチャネル、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(「PCI」)、PCIエクスプレス(PCIe)、シリアルバス、パラレルバス、アドバンストテクノロジーアタッチメント(「ATA」)、シリアルATA(「SATA」)、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、Thunderbolt、FireWire(登録商標)、様々なビデオバス等、任意の標準インターフェースを実装するように構成することができる。I/Oインターフェース350は、1つのインターフェース又はバス技術のみを実装するように構成することができる。代替的に、I/Oインターフェース350は、複数のインターフェース又はバス技術を実装するように構成することができる。I/Oインターフェース350は、システムバス320の一部として、システムバス320の全てとして、又はシステムバス320とともに動作するように、構成することができる。I/Oインターフェース350は、1つ以上の外部デバイス、内部デバイス、コンピューティングマシン又はプロセッサ310の間で送信をバッファリングするための1つ以上のバッファを含むことができる。
【0027】
I/Oインターフェース350は、コンピューティングマシンを、マウス、タッチスクリーン、スキャナー、電子デジタイザー、センサ、受信機、タッチパッド、トラックボール、カメラ、マイクロフォン、キーボード、他の任意のポインティングデバイス、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々な入力デバイスに結合することができる。I/Oインターフェース350は、コンピューティングマシンを、ビデオディスプレイ、スピーカー、プリンター、プロジェクター、触覚フィードバックデバイス、オートメーション制御、ロボットコンポーネント、アクチュエーター、モーター、ファン、ソレノイド、弁、ポンプ、送信機、信号発信器、ライト等を含む様々な出力デバイスに結合することができる。
【0028】
コンピューティングマシン300は、ネットワーク上での1つ以上の他のシステム又はコンピューティングマシンへのNIC360を通しての論理接続を用いて、ネットワーク化環境において動作することができる。ネットワークとしては、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、インターネット、ワイヤレスアクセスネットワーク、有線ネットワーク、モバイルネットワーク、電話網、光ネットワーク又はそれらの組み合わせを挙げることができる。ネットワークは、任意のトポロジーのパケット交換ネットワーク、回線交換ネットワークとすることができ、任意の通信プロトコルを使用することができる。ネットワーク内の通信リンクは、光ファイバーケーブル、光空間通信(free-space optics)、導波路、導体、ワイヤレスリンク、アンテナ、無線周波数通信等、様々なデジタル又はアナログ通信媒体を伴うことができる。
【0029】
プロセッサ310は、システムバス320を介してコンピューティングマシンの他の要素又は本明細書で考察した様々な周辺機器に接続することができる。システムバス320は、プロセッサ310内、プロセッサ310外、又はその両方とすることができることが理解されるべきである。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ310、コンピューティングマシンの他の要素、又は本明細書で考察した様々な周辺機器のうちの任意のものを、システムオンチップ(「SOC」)、システムオンパッケージ(「SOP」)又はASICデバイス等の単一のデバイスに組み込むことができる。
【0030】
実施形態は、本明細書に記載及び例示した機能を具現化するコンピュータープログラムを含むことができ、コンピュータープログラムは、機械可読媒体に記憶された命令と命令を実行するプロセッサとを備えるコンピューターシステムにおいて実装される。しかしながら、コンピュータプログラミングにおいて実施形態を実装する多くの異なる方法があり得ることが明らかであるはずであり、実施形態は、例示的な実施形態において別段の開示がない限り、コンピュータープログラム命令のいかなる1つのセットにも限定されるものとして解釈されるべきではない。さらに、熟練したプログラマーであれば、添付のフローチャート、アルゴリズム、及び出願の本文における関連する説明に基づき、開示する実施形態のうちの一実施形態を実装するためにこうしたコンピュータープログラムを書くことができるであろう。したがって、プログラムコード命令の特定のセットの開示は、実施形態を作成及び使用する方法を十分に理解するために必要であるとみなされない。さらに、当業者であれば、本明細書に記載する実施形態の1つ以上の態様を、1つ以上のコンピューティングシステムにおいて具現化され得るように、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせによって実行することができることが理解されよう。さらに、コンピューターによって実行される行為に対するいかなる言及も、2つ以上のコンピューターがその行為を実行することができるため、単一のコンピューターによって実行されるものと解釈されるべきではない。
【0031】
本明細書に記載した例示の実施形態は、前述した方法及び処理機能を実行するコンピューターハードウェア及びソフトウェアとともに使用することができる。本明細書に記載したシステム、方法及び手続きは、プログラマブルコンピューター、コンピューター実行可能ソフトウェア又はデジタル回路において具現化することができる。ソフトウェアは、コンピューター可読媒体に記憶することができる。例えば、コンピューター可読媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、RAM、ROM、ハードディスク、リムーバブルメディア、フラッシュメモリ、メモリスティック、光媒体、光磁気媒体、CD-ROM等を挙げることができる。デジタル回路としては、集積回路、ゲートアレイ、ビルディングブロックロジック、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を挙げることができる。
【0032】
上記で提示した実施形態において記載したシステム例、方法例及び行為例は、例示的なものであり、代替実施形態では、様々な実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、或る特定の行為は、異なる順序で、互いに並行して実施し、完全に省略し、及び/又は異なる例示の実施形態の間で組み合わせることができ、及び/又は、或る特定の追加の行為を実施することができる。したがって、こうした代替実施形態は本明細書の説明に含まれる。
【0033】
本明細書において用いられる場合、文脈によりその他の場合が明らかに示される場合を除き、単数形(the singular forms "a", "an" and "the")は、複数形も包含することを意図される。本明細書において用いられる場合、「備える、含む(comprises)」及び/又は「備えている、含んでいる(comprising)」という用語は、述べられている特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。本明細書において用いられる場合、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連付けられて列挙された項目のうちの1つ以上の任意及び全ての組み合わせを含む。本明細書において用いられる場合、「X~Y(between X and Y)」及び「約X~Y(between about X and Y)」等の句は、X及びYを含むと解釈されるべきである。本明細書において用いられる場合、「約X~Y(between about X and Y)」等の句は、「約X~約Y(between about X and about Y)」を意味する。本明細書において用いられる場合、「約XからY(from about X to Y)」等の句は、「約Xから約Y(from about X to about Y)」を意味する。
【0034】
本明細書において用いられる場合、「ハードウェア」は、ディスクリート部品の組み合わせ、集積回路、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ又は他の好適なハードウェアを含むことができる。本明細書において用いられる場合、「ソフトウェア」は、1つ以上のオブジェクト、エージェント、スレッド、コード行、サブルーチン、別個のソフトウェアアプリケーション、1つ以上のプロセッサにおける(プロセッサは、1つ以上のマイクロコンピューター又は他の好適なデータ処理ユニット、メモリデバイス、入力出力デバイス、ディスプレイ、キーボード若しくはマウス等のデータ入力デバイス、プリンター及びスピーカー等の周辺機器、関連するドライバー、制御カード、電源、ネットワークデバイス、ドッキングステーションデバイス、又はプロセッサ若しくは他のデバイスとともにソフトウェアシステムの制御下で動作する他の好適なデバイスを含む)、2つ以上のソフトウェアアプリケーションで動作する2つ以上のコード行若しくは他の好適なソフトウェア構造、又は他の好適なソフトウェア構造を含むことができる。1つの例示的な実施形態では、ソフトウェアは、オペレーティングシステム等、汎用ソフトウェアアプリケーションで動作する1つ以上のコード行又は他の好適なソフトウェア構造と、専用ソフトウェアアプリケーションで動作する1つ以上のコード行又は他の好適なソフトウェア構造とを含むことができる。本明細書において用いられる場合、「結合する(couple)」並びに「結合する(couples)」及び「結合された(coupled)」等の同族の用語は、物理的接続(銅伝導体等)、仮想接続(データメモリデバイスのランダムに割り当てられたメモリロケーション等を介する)、論理接続(半導体デバイスの論理ゲート等を介する)、他の好適な接続、又はこうした接続の好適な組み合わせを含むことができる。「データ」という用語は、データフィールド、データバッファ、データ値及び送信者/受信者アドレスデータを有するデータメッセージ、受信システム又はコンポーネントにデータを用いて或る機能を実行させる、データ値及び1つ以上の演算子を有する制御メッセージ、又はデータの電子処理のための他の好適なハードウェア若しくはソフトウェアコンポーネント等、データを使用し、搬送し、又は記憶するための好適な構造を指すことができる。
【0035】
概して、ソフトウェアシステムは、所定のデータフィールドに応答して所定の機能を実行するようにプロセッサ上で動作するシステムである。例えば、システムは、システムが実行する機能と、システムが機能を実行するデータフィールドとによって定義することができる。本明細書において用いられる場合、NAMEシステム(NAMEは、通常は、システムによって実行される汎用機能の名称である)は、プロセッサ上で動作し、開示されるデータフィールドに対して開示された機能を実行するように構成されるソフトウェアシステムを指す。具体的なアルゴリズムが開示されない限り、関連するデータフィールドを用いて機能を実行する当業者には既知である任意の好適なアルゴリズムは、本開示の範囲内にあるものとして企図される。例えば、送信者アドレスフィールド、受信者アドレスフィールド及びメッセージフィールドを含むメッセージを生成するメッセージシステムは、バッファデバイス又はバッファシステム等、プロセッサの好適なシステム又はデバイスから、送信者アドレスフィールド、受信者アドレスフィールド及びメッセージフィールドを取得することができ、送信者アドレスフィールド、受信者アドレスフィールド及びメッセージフィールドを、好適な電子メッセージフォーマット(電子メールメッセージ、TCP/IPメッセージ、又は送信者アドレスフィールド、受信者アドレスフィールド及びメッセージフィールドを有する他の任意の好適なメッセージフォーマット等)にアセンブルすることができ、ネットワーク等の通信媒体によって、プロセッサの電子メッセージングシステム及びデバイスを用いて電子メッセージを送信することができる、プロセッサ上で動作するソフトウェアを含む。当業者であれば、本開示の例示的な実施形態を示すように意図されているが、好適なプログラミング言語でのプログラミング又はプロセッサに精通していない人等、当業者以外の人に指導を提供するようには意図されていない、上述した開示に基づいて、特定のアプリケーションに対して特定の符号化を提供することができるであろう。或る機能を実行する具体的なアルゴリズムは、フローチャート形式で又は他の好適なフォーマットで提供することができ、データフィールド及び関連する機能は、例示的な動作順序で示すことができ、順序は、好適であるように再配置することができ、限定するように明示的に言及されない限り限定するものとして意図されない。
【0036】
上に開示した実施形態は、例示の目的で、かつ当業者が本開示を実施することができるように提示されているが、本開示は、網羅的であるように、又は開示した形態に限定されるようには意図されていない。当業者には、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの非実質的な変更形態及び変形形態が明らかとなろう。特許請求の範囲は、開示した実施形態及び任意のこうした変更形態を広く包含するように意図されている。さらに、以下の条項は、本開示の更なる実施形態を表し、本開示の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0037】
条項1.質量流量制御器であって、流体を受け取るように構成される入口と、流体が通過する流路と、質量流量制御器の出口から出る流体の順方向の流量を調節するように構成される弁と、流路を通る流体及び弁動作を監視するように構成される少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサ及び弁に通信可能に結合されたコントローラとを備え、コントローラは、所定のセットポイント値及び少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて弁を制御するように調整され、コントローラは診断システムを更に備え、診断システムは、流体の逆流に関連する少なくとも1つの所定の値を決定し、少なくとも1つの所定の値に基づいてコントローラの動作を制御するように構成される、質量流量制御器。
条項2.流量の所定の値は全流量のパーセンテージである、条項1に記載の質量流量制御器。
条項3.流量の所定の値は、或る期間にわたる全流量のパーセンテージである、条項1に記載の質量流量制御器。
条項4.診断システムは、少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとるように更に構成される、条項1に記載の質量流量制御器。
条項5.診断システムは、コントローラをハードフォールト及び安全状態の一方に入らせるように更に構成される、条項1に記載の質量流量制御器。
条項6.集中化コントローラを更に備え、集中化コントローラは、複数のコントローラから診断データを受信し、複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御するように構成される、条項1に記載の質量流量制御器。
条項7.質量流量制御器の動作を制御する診断システムであって、少なくとも1つのセンサ及び弁に通信可能に結合されたコントローラを備え、コントローラは、所定のセットポイント値及び少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて弁を制御するように調整され、コントローラは、流体の逆流に関連する少なくとも1つの所定の値を決定し、少なくとも1つの所定の値に基づいてコントローラの動作を制御するように構成される、診断システム。
条項8.流量の所定の値は全流量のパーセンテージである、条項7に記載の診断システム。
条項9.流量の所定の値は、或る期間にわたる全流量のパーセンテージである、条項7に記載の診断システム。
条項10.コントローラは、少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとるように更に構成される、条項7に記載の診断システム。
条項11.コントローラは、コントローラをハードフォールト及び安全状態の一方に入らせるように更に構成される、条項7に記載の診断システム。
条項12.集中化コントローラを更に備え、集中化コントローラは、複数のコントローラから診断データを受信し、複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御するように構成される、条項7に記載の診断システム。
条項13.質量流量制御器の動作を制御する方法であって、少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、所定のセットポイント値及び少なくとも1つのセンサからの通信情報に基づいて弁を制御することと、流体の逆流に関連する少なくとも1つの所定の値を決定することと、少なくとも1つの所定の値に基づいてコントローラの動作を制御することとを含む、方法。
条項14.流量の所定の値は全流量のパーセンテージである、条項13に記載の方法。
条項15.流量の所定の値は、或る期間にわたる全流量のパーセンテージである、条項13に記載の方法。
条項16.少なくとも1つの所定の値を決定することに応答して、日付、時間、及びデバイス識別子のログをとることを更に含む、条項13に記載の方法。
条項17.コントローラをハードフォールト及び安全状態の一方に入らせることを更に含む、条項13に記載の方法。
条項18.集中化コントローラにおいて、複数のコントローラから診断データを受信することと、複数のコントローラのうちの少なくとも1つのコントローラの動作を制御することとを更に含む、条項13に記載の方法。