(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】画像装置のための空間的位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2021523046
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 IB2019059755
(87)【国際公開番号】W WO2020100065
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-08-17
(32)【優先日】2018-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521083072
【氏名又は名称】トリグ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パルティエリ,ヨアフ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス,イシェイ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-028132(JP,A)
【文献】特表2001-526927(JP,A)
【文献】特開2010-075503(JP,A)
【文献】特開2002-186603(JP,A)
【文献】特表2014-505543(JP,A)
【文献】特開2001-061861(JP,A)
【文献】特開2016-131645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡装置に対してリアルタイムで取得された患者の画像を位置合わせする
システムの
作動方法であって、前記方法が、
前記患者をテーブル上に支持することであって、誘導システムの基準プレートが、前記テーブルに対して空間的に固定されており、前記基準プレートが、基準プレート位置センサまたは基準プレート送信機を含む、支持することと、
1つ以上の角度から、前記追跡装置に取り付けられた画像化トランスデューサの1つ以上の画像を撮影することと、
前記画像化トランスデューサおよび前記追跡装置の寸法および空間的配向を計算することと、
前記画像化トランスデューサおよび前記追跡装置の前記空間的配向に基づいて、変換マトリクスを計算することと、
前記変換マトリクスを使用して、画像化システムの座標を、取り付けられた追跡装置の座標に変換することと、
前記追跡装置に対する前記画像化トランスデューサの画像平面を計算することと、
前記画像平面の空間的位置を決定することであって、前記画像平面が前記画像化トランスデューサに対して一定で、かつ周知の位置にある、決定することと、
前記誘導システムの
前記追跡装置を用いて、前記患者に関係する物体を追跡することと、
画像化システムを用いてリアルタイムで前記物体の画像を取得することであって、前記テーブルが、前記画像の各々で画定されている、取得することと、
前記基準プレートに対して前記追跡装置を用いてリアルタイムで取得された
前記物体および前記画像化トランスデューサの前記画像を位置合わせすることと、
前記物体の空間的位置および配向を、関心標的を含む前記1つ以上の画像上にリアルタイムで重ね合わせることと、を含み、
前記画像を位置合わせすることは、前記患者のいずれの内部マーカーにも基づかず、かつ前記患者に取り付けられたいずれの外部マーカーにも基づか
ない、方法。
【請求項2】
前記画像を取得することの間に前記テーブルに対する前記患者のいかなる動きも補償するように、少なくとも1つの補償位置センサを前記患者に取り付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物体が、挿入ツールに取り付けられた位置センサを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記追跡装置が、磁気位置決めシステムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記追跡装置が、電磁位置決めシステムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記追跡装置が、超音波位置決めシステムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記追跡装置が、光学位置決めシステムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
追跡装置に対して画像を位置合わせする
システムの作動方法であって、
追跡装置が取り付けられている画像化トランスデューサの画像を獲得することと、
前記画像化トランスデューサおよび前記追跡装置の形状および寸法を識別することと、
前記画像化トランスデューサおよび前記追跡装置の空間的配向を計算することと、
前記画像化トランスデューサおよび前記追跡装置の前記空間的配向に基づいて、変換マトリクスを計算することと、
前記変換マトリクスを使用して、画像化システムの座標を、取り付けられた追跡装置の座標に変換し、それによって、前記画像化トランスデューサを用いて前記画像の位置合わせをリアルタイムで提供することと、
前記追跡装置に対する前記画像化トランスデューサの画像平面を計算することと、
前記画像平面が前記画像化トランスデューサに対して一定で、かつ周知の位置にあることを前提として、前記画像平面の空間的位置を決定することと、
追跡される器具の空間的位置および配向を、関心標的を含む前記画像上にリアルタイムで重ね合わせることと、を含む、方法。
【請求項9】
前記画像化トランスデューサの前記画像が、画像化エネルギーを放出する前記画像化トランスデューサの一部、前記追跡装置、および前記画像化トランスデューサの基準マーカーを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記識別することが、前記画像化トランスデューサ、および前記画像化エネルギーを放出する前記一部、前記追跡装置、ならびに前記基準マーカーの輪郭を検出することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記空間的配向の前記計算することが、前記追跡装置を基準として使用して、前記画像内の任意の関心ポイントの間の距離を計算することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記画像平面の前記空間的位置の前記決定することが、前記画像の各画素の空間的場所を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
侵襲性手技中に
前記器具の位置データを取得するように位置センサを前
記器具に取り付け、前記画像化トランスデューサの前記画像平面に対して前記位置データを位置合わせするように前記追跡装置を使用することを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、画像化トランスデューサの画像平面に対するセンサの場所および配向の位置合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
位置センサおよび画像化プローブを用いて器具を誘導するために使用される医療システムがある。例えば、画像化システムによって表示される平面(画像平面)の絶対的な場所および配向は、画像化プローブ上に置かれた位置センサを用いて決定することができる。針の経路および位置を追跡することが望まれる場合、例えば、追跡システムは、画像化システムによって獲得された画像に対する針の位置を追跡することができなければならない。
【0003】
針を追跡する1つの方法は、針位置センサを針の所定のポイントに取り付け、針先の正確な場所および配向を測定することである。しかしながら、画像化位置センサは、画像化トランスデューサ上の都合のよい任意の場所に取り付けられており、トランスデューサ位置センサをトランスデューサ画像化平面に対して正確に関係付けるようには、トランスデューサの画像平面に対して十分に算出された空間的位置および配向を有していない。解剖学的標的への針のナビゲーションは、獲得された画像を、針およびその針のその後の経路の表示のためにバックグラウンドとして使用するため、画像化トランスデューサ上の位置センサに対して画像化平面の正確な場所および配向を計算することは、不可欠である。
【0004】
融合画像化は、2つの異なる画像診断装置を融合する技術である。例えば、以下に限定されないが、肝臓治療などの特定の医療手技において、リアルタイム超音波は、以下に限定されないが、CT、MR、およびポジトロン断層撮影PET-CTなどの他の画像診断装置とともに融合される。融合画像化は、他の画像診断装置の画像とともに、超音波画像の位置合わせを必要とする。先行技術の画像化位置合わせは、基準マーカー(患者の内部または外部のいずれか)に対する画像を位置合わせすることを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、以下の本明細書にさらに詳細に記載されているように、画像化プローブ(これは、超音波プローブであってもよいが、これに限定されない)上に搭載された位置センサの位置および配向の位置合わせのための改善方法を提供しようとするものである。「プローブ」および「トランスデューサ」という用語は、全体を通じて区別なく使用される。
【0006】
位置センサは、追跡装置とも呼ばれ、磁気、光学、電磁、RF(無線周波数)、IMU(慣性測定ユニット)、加速度計、および/またはそれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。
【0007】
追跡装置は、画像化トランスデューサ上に固定され、それによって、追跡装置の位置および配向と、画像化トランスデューサの画像平面の位置および配向との間で維持される一定の空間的関係を画定する。
【0008】
較正方法を使用して、この一定の空間的関係を検出することができる。1つの非限定的で好適な較正方法は、イスラエル国のTrig Medical社に付与された米国特許第8887551号の方法であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。この一定の空間的関係を使用することによって、プロセッサが、追跡装置の位置および配向に基づいて、画像の正確な位置および配向を計算することができる。
【0009】
そのような較正方法を使用するためには、取り付けられた追跡装置に対して画像(例えば、超音波画像)を位置合わせするために、位置合わせ手順が、実行されなければならない。
【0010】
本発明は、以下に説明されているように、画像処理技術を使用する、取り付けられた追跡装置とともに、画像装置の画像(例えば、超音波トランスデューサの映像)を使用してこの位置合わせ手順を実行するための方法を提供する。
【0011】
この方法は、1つ以上の角度から画像トランスデューサの1つ以上の画像を撮影するか、または画像トランスデューサが1つ以上の角度から連続的に表示されるビデオクリップを取り込むための画像装置(例えば、カメラ、X線、CT)の使用を必要とする。追跡装置は、獲得された画像のうちの1つ以上の中に現れる。追跡装置の形状およびサイズは、既知である必要がある。
【0012】
したがって、本発明の一実施形態による、追跡装置に対して画像を位置合わせするための方法が提供され、この方法は、追跡装置が取り付けられている画像化トランスデューサの画像を獲得することと、画像化トランスデューサおよび追跡装置の形状および寸法を識別することと、画像化トランスデューサおよび追跡装置の空間的配向を計算することと、画像化トランスデューサおよび追跡装置の空間的配向に基づいて変換マトリクスを計算することと、画像化トランスデューサの座標を、取り付けられた追跡装置の座標に変換し、それによって、画像化トランスデューサを用いて画像の位置合わせを提供することと、画像化トランスデューサの画像平面を計算することと、画像平面がトランスデューサ本体に対して一定で、かつ周知の空間的関係にあることを前提とすることと、を含む。
【0013】
画像化トランスデューサの画像は、画像化エネルギーを放出する画像化トランスデューサの一部、追跡装置、および画像化トランスデューサの基準マーカーを含むことができる。識別するステップは、画像化トランスデューサ、および画像化エネルギーを放出するその一部、追跡装置、ならびに基準マーカーの輪郭を検出することを含むことができる。
【0014】
空間的配向を計算するステップは、追跡装置の形状を基準として使用して、画像内の任意の関心ポイントの間の距離を計算することを含むことができる。
【0015】
画像平面の空間的位置を決定するステップは、画像の各画素の空間的場所を決定することを含むことができる。
【0016】
この方法は、侵襲性手技中に侵襲性器具の位置データを取得するように位置センサを侵襲性器具に取り付け、画像化トランスデューサの画像平面に対して位置データを位置合わせするように追跡装置を使用することをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、以下の図面と併せて行われる、以降の詳細な説明からより完全に理解および認識されるであろう。
【
図1】本発明の非限定的な実施形態による、画像化プローブ(トランスデューサ)上に搭載された位置センサ(追跡装置)の簡略化された画像説明図であり、プローブの画像平面を示している。
【
図2】本発明の非限定的な実施形態による、追跡装置に対して画像を位置合わせするための方法の簡略化されたブロック図である。
【
図3A】本発明の非限定的な実施形態による、基準プレート、画像化テーブル、および位置センサの簡略化された説明図である。
【
図3B】本発明の非限定的な実施形態による、基準プレート、画像化テーブル、および位置センサの簡略化された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、
図1を参照すると、これは、画像化プローブ(トランスデューサ)12上に搭載された位置センサ(追跡装置)10を示す。
図1は、プローブ12の画像平面を示す。プローブ12は、プローブ12の左および/または右の側面にラグまたは突起部などの基準マーク14を有する。
【0019】
以下は、本発明の方法の1つの非限定的な説明であり、この説明は、
図2を参照しながら進める。
【0020】
ステップ1-映像/ビデオクリップの獲得(「画像」という用語は、映像、写真、ビデオクリップなどを包含する)。
取り付けられた追跡装置を用いて、トランスデューサの1つ以上の画像が獲得される。獲得された画像には、以下のものが視認可能である。
a.超音波エネルギー(またはRFなどの他の画像診断装置エネルギー)を放出するトランスデューサの一部を含むトランスデューサ。
b.取り付けられた追跡装置。
c.トランスデューサの左側または右側のノッチまたはマーカーなどの、トランスデューサの基準マーカー。
【0021】
ステップ2-画像処理技術を使用した形状および寸法の識別
画像を獲得した後、当技術分野で周知であり、市販されている画像処理技術を使用して、トランスデューサの形状、および取り付けられた追跡装置を識別する。この識別プロセスにより、トランスデューサ、および画像化エネルギー(例えば、超音波)を放出するその一部13(
図1)、取り付けられた追跡装置、ならびに基準マーカーの輪郭を検出する。
【0022】
ステップ3-識別された品目の3D寸法および空間的配向の計算
取り付けられた追跡装置の寸法は、既知である。この既知の幾何学的形状を使用して、プロセッサは、追跡装置の幾何学的形状を基準として使用して、同じ映像(画像)内の任意の関心ポイントの間の距離を計算する。トランスデューサおよび取り付けられた追跡装置の輪郭および細部が1つ以上の画像内で識別された後、識別された品目は、画像化エネルギー13を放出するその一部、および基準マーカー14の3D位置および配向を取得するために、追跡装置を参照しながら分析される。
【0023】
ステップ4-変換マトリクスの計算
トランスデューサに対する取り付けられた追跡装置の測定値、ならびに相対的な場所および配向に基づいて、変換マトリクスが計算され、このマトリクスを使用して、画像化システムの座標を、取り付けられた追跡装置の座標に変換することになる。このマトリクスは、トランスデューサを用いた画像(例えば、超音波画像)の位置合わせを表す。
【0024】
ステップ5-画像平面の計算
画像平面はトランスデューサに対して一定で周知の位置にあるため、追跡装置に対する画像平面の空間的位置が、決定される。さらに、画像上に提示された倍率を使用すると、追跡装置に対する画像の各画素の空間的場所が決定される。
【0025】
本発明の位置合わせ手順を用いて使用するための、一部の適用可能な位置決めシステムおよび追跡装置には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
a.追跡装置が任意のタイプの磁石もしくは磁気センサ、または磁場ソース発生器である磁気位置決めシステム。
b.追跡装置が任意のタイプの電磁センサ、または電磁ソース発生器である電磁位置決めシステム。
c.追跡装置が任意のタイプの超音波センサ(もしくはマイクロフォン)、または超音波ソース発生器(送信機もしくはトランスデューサ)である超音波位置決めシステム。
d.追跡装置が割り当て/配向マーカー、または任意のタイプの光源として使用される光学位置決めシステム。
e.上記のシステム以外の位置システムおよび装置、または上記のシステムの任意の組み合わせとして構築されるシステム。
【0026】
追跡される器具、例えば、針の空間的位置および配向は、超音波画像上にリアルタイムで重ね合わされて、挿入前に計画し、平面内および平面外の両方の手技での挿入中に、針の予想される位置および配向を示すことを可能にする。
【0027】
さらなる特徴として、患者のために使用される検査(画像化)テーブル、および侵襲性器具誘導システムを考慮に入れることが含まれる。画像平面(CT、MRI、X線など)に対する検査(画像化)テーブルの位置は、既知であり、画像に記録される。この相対位置は、DICOM(医用におけるデジタル画像と通信)プロトコルを介して取得することができる。
【0028】
CT、MR、およびX線による画像化の下での介入手技は、走査された画像の位置合わせを必要とする。先行技術の画像化位置合わせは、患者に取り付けられた内部または外部基準マーカーに対して画像を位置合わせすることを必要とする。対照的に、本発明は、患者に取り付けられた内部または外部基準マーカーに基づかない新規の位置合わせ技術を提供し、その位置合わせは、以下に限定されないが、光学、超音波、RF、電磁、磁気、IMUなどの任意のタイプの位置センサまたは送信機を含むベースプレート(基準プレート)50に対して行われる。
【0029】
侵襲性器具誘導システムは、基準プレートを有することを前提とする。侵襲性器具誘導システムの位置を知るために、基準プレートがテーブルに固定されるように侵襲性器具誘導システムを検査テーブル上に置き、検査テーブル上のプレートの画像を取得することができる。このシステムは、テーブル構造、またはテーブル上の基準マークに従って、画像化テーブルの位置に対してプレート(またはプレートに固定された既知の構造)を識別する。
【0030】
基準プレート50の3D座標は、画像化テーブルなどの、他の画像診断装置の既知の構造54に対して既知であり、画定されている。画像化テーブルの場所は、各画像化スライスにおいて画定される。次いで、基準プレート50の3D座標は、画像化テーブル(既知の構造54)に対して画定することができる。
【0031】
少なくとも1つのセンサが、患者に取り付けられて、画像化中に基準プレートおよび画像化テーブルに対して患者の任意の動きを補償することができる。この前提は、プレートが走査を実行した後まで(検査テーブル上のプレートの画像の取得から、CT、MRI、X線などによる患者の走査まで)移動しないことである。
【0032】
走査した後、走査したスライスの位置は、プレート50に対して位置合わせされ、走査テーブルに対するその位置は、既知である。したがって、プレートは、いずれの任意の位置にあることができ、その理由は、患者の位置が走査中にプレートに対して確立されているからである。
【0033】
位置センサが、侵襲性器具(例えば、針)に取り付けられて、侵襲性手技中に侵襲性器具の位置的データを取得する。
【0034】
挿入ツール(例えば、針)の空間的位置および配向は、標的を含むCT/MR/PETCT/X線の矢状画像上にリアルタイムで重ね合わされ、挿入前に計画し、平面内および平面外の両方の手技での挿入中に、針の予想される位置および配向を示すことを可能にする。
【0035】
別の選択肢としては、マルチ平面再構築(MPR)の既知のアルゴリズムを使用することであり、このアルゴリズムは、マルチ平面表示をリアルタイムで作成することができる、走査体積の画像の効率的な計算を提供する。プレートに関係するMPR体積およびスライスの任意の断面の空間的位置は、以前に走査された矢状画像断面の既知の空間的位置に基づいて計算される。本システムは、針を通過する位置合わせされた体積の1つ以上の断面をリアルタイムで提示し、任意の針角度での平面外の手技を可能にしており、描画された画像に完全な針を示すという利点を有する(平面内の手技の場合)。
【0036】
別の選択肢としては、特定の幾何学的形状(例えば、ピラミッド、多面体など)を有するプレートの外部または内部の特徴の画像を表示する少なくとも1つの画像スライスを、そのスライス(複数可)に対するプレート位置のための基準として使用することである。走査体積内のすべてのスライスの空間的関係は既知であるため、すべての画像スライスに対するプレートの空間的位置は、決定される。
【0037】
画像化システムは、針(または他の侵襲性器具)、および侵襲性器具上の他の2つのポイントに取り付けられている位置センサの画像を取得する。この2つのポイントは、侵襲性器具の長さが画像化プロセッサによって計算されることができるように、選択することができる(代替的に、侵襲性器具長は、手動で入力することができる)。
【0038】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、これらは、本発明の非限定的な実施形態による、基準プレート、画像化テーブル、および位置センサを示す。
【0039】
上述したように、融合画像化は、超音波画像の、他の画像診断装置の画像との位置合わせを必要とする。従来技術の画像化位置合わせは、基準マーカー(患者の内部または外部のいずれか)に対する画像を位置合わせすることを必要とする。対照的に、本発明は、内部または外部基準マーカーに基づかない新規の位置合わせ技術を提供し、その位置合わせは、以下に限定されないが、光学、超音波、RF、電磁、磁気、IMUなどの任意のタイプの位置センサまたは送信機を含むベースプレート(基準プレート)50に対して行われる。
【0040】
本発明の一実施形態では、プレート50に対する患者の位置は、位置センサを患者に取り付けることによって確立される。患者内の標的の画像スライスを取得するときに、位置センサによって感知されるような患者の位置は、針の挿入などの侵襲性手技中に患者の位置を計算するための基礎としての役割を果たす。位置センサは、例えば、骨の中に置かれる場合には移動しないが、逆に軟組織中では移動し得る。ただし、位置センサが移動する場合、この動きは、その位置センサ、および/または、例えば、肋骨の上または横隔膜の下の皮膚に搭載された他の位置センサを使用することによって感知および考慮されて、呼吸または他の要因の影響をキャンセルすることができる。呼吸の影響を検出する位置センサ(複数可)からの情報を使用して、侵襲性手技中または画像の融合中に患者の呼吸をいつ止めるべきかを患者に指示することができる。この情報を使用して、患者の現在の呼吸状態と、表示されているスライス内の呼吸状態との間の類似度をリアルタイムで示すこともできる。