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特許7511581駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム
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  • 特許-駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム 図1
  • 特許-駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム 図2
  • 特許-駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム 図3
  • 特許-駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム 図4a
  • 特許-駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム 図4b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法及び負荷時タップ切換器用の駆動システム
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/02 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
H01F29/02 C
H01F29/02 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021567957
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020061283
(87)【国際公開番号】W WO2020229123
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102019112715.7
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】プリュシング・カトリーン
(72)【発明者】
【氏名】シュマイサー・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シムベラ・ユルゲン
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-005623(JP,A)
【文献】特開昭58-188111(JP,A)
【文献】特開平07-161551(JP,A)
【文献】特表2002-532842(JP,A)
【文献】特開2002-023864(JP,A)
【文献】特開2000-223331(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0061806(US,A1)
【文献】特開平11-162754(JP,A)
【文献】特開2016-081982(JP,A)
【文献】特開平08-037117(JP,A)
【文献】国際公開第2000/036621(WO,A1)
【文献】特開2019-033638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/02
H02J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動システム(3)を用いて負荷時タップ切換器(8)の切換を実行する方法であって、駆動システム(3)が、駆動軸(16)に作用する少なくとも1つのモータ(12)と、制御装置(2)と、駆動軸(16)に直接的又は間接的に連結されたエンコーダシステム(13)とを含んでいる、前記方法において、
以下のステップ:
-負荷時タップ切換器(8)を切り換えるための信号が制御装置(2)によって受信されるステップ(40)と、
-増加方向(N+)又は低下方向(N-)から現在のタップ(N)へ切り換えられたかどうか、及び増加方向(N+)又は低下方向(N-)に次のタップ(NJ+1,NJ-1)へ切り換えられるかどうかが制御装置(2)を用いて特定されるステップ(50)と、
-ステップ(50)における特定に基づいて、負荷時タップ切換器(8)の駆動システム(3)のための複数の走行プロファイル(22)のうち1つが選択され、該選択された走行プロファイルに基づいて切換が実行されるステップ(60)と、
-駆動システム(3)を用いて、選択された走行プロファイル(22)により切換が実行及び監視されるステップ(70)と
によって特徴付けられた方法。
【請求項2】
複数の走行プロファイル(22)が制御装置(2)にメモリされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
可能な第1の走行プロファイル(22)が、増加方向(N+)への負荷時タップ切換器(8)の切換を表し、タップ(N)から次に高いタップ(NJ+1)へ切り換えられたかどうか、及び実際の切換時に、次に高いタップ(NJ+1)から後続の更に高いタップ(NJ+2)へ切り換えられるかどうかが切換前に特定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
可能な第2の走行プロファイル(22)が、低下方向(N-)への負荷時タップ切換器(8)の切換を記述し、タップ(NJ+2)から次に低いタップ(NJ+1)へ切り換えられたかどうかが切換前に特定され、次に低いタップ(NJ+1)から更に低いタップ(N)へ切り換えられるかどうかが実際の切換時にチェックされることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
走行プロファイル(22)によって、駆動軸(16)が180°の整数倍だけ回転することを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
可能な第3の走行プロファイル(22)が、増加方向(N+)への負荷時タップ切換器(8)の切換を記述し、タップ(NJ+1)から次に低いタップ(N)へ切り換えられたかどうかが切換前にチェックされ、負荷時タップ切換器(8)のフリーホイールを考慮して、タップ(N)から次に高いタップ(NJ+1)へ再び切り換えられるかどうかが実際の切換時にチェックされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
可能な第4の走行プロファイル(22)が、低下方向(N-)への負荷時タップ切換器(8)の切換を記述し、タップ(NJ+1)から次に高いタップ(NJ+2)へ切り換えられたかどうかが切換前にチェックされ、負荷時タップ切換器(8)のフリーホイールを考慮して、タップ(NJ+2)から次に低いタップ(NJ+1)へ再び切り換えられるかどうかが実際の切換時にチェックされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
負荷時タップ切換器(8)の伝動装置(15)のフリーホイールを考慮するために、走行プロファイル(22)によって、駆動軸(16)が180°の整数倍に加えて更なる角度だけ回転することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの別の次に高いタップ(NJ+X)又は少なくとも1つの別の次に低いタップ(NJ-X)へ到達するために、1つのタップ(N)から到達すべき次に高い第1のタップ(NJ+1)へ、又は次に低い第1のタップ(NJ-1)への走行プロファイル(22)が少なくとも1つの別の走行プロファイル(22)と組み合わされるように、第5の走行プロファイル(22)が構成されており、走行プロファイル(22)の割り当てが駆動システム(3)の作動前になされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
現在のタップ(N)が、制御装置(2)を用いて特定され、必要な走行プロファイル(22)の選択に用いられることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
各走行プロファイル(22)が2つの変数で形成されており、二次元の直交座標系(21)におけるn次の多項式関数として記述され得ることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
メモリされた走行プロファイル(22)が、制御装置(2)から、又は駆動システム(3)のパワーユニット(11)から呼び出されることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
-駆動システム(3)を負荷時タップ切換器(8)に結合する駆動軸(16)と、
-駆動軸(16)を駆動するモータ(12)と、
-フィードバックシステム(4)であって、駆動軸(16)の位置を特定するように、及び該位置に基づいてフィードバック信号を生成するように構成されたフィードバックシステムと、
-選択された走行プロファイル(22)及びフィードバック信号に依存してモータ(12)の動作に影響を及ぼすように構成された制御装置(10)と
を含んでいる、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法を実行する、負荷時タップ切換器(8)用の駆動システム(3)。
【請求項14】
制御装置(2)が制御ユニット(10)及びパワーユニット(11)を含んでおり、パワーユニット(11)がモータ(12)のエネルギー供給に用いられ、少なくとも1つの走行プロファイル(22)がパワーユニット(11)のメモリ(5)にメモリされており、制御ユニット(10)が走行プロファイル(22)を選択し、パワーユニット(11)が走行プロファイル(22)に対応してモータ(12)に作用することを特徴とする請求項13に記載の駆動システム(3)。
【請求項15】
フィードバックシステム(4)がエンコーダシステム(13)を含んでおり、エンコーダシステムは、少なくとも駆動軸(16)の位置を検出するように構成及び配置されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の駆動システム(3)。
【請求項16】
フィードバックシステム(13)が絶対値エンコーダ及び補助接点を含んでおり、絶対値エンコーダ及び補助接点が、少なくとも駆動軸(16)の絶対的な位置を検出するように組み合わせて構成及び配置されていることを特徴とする請求項15に記載の駆動システム(3)。
【請求項17】
絶対値エンコーダ及び補助接点が、モータ軸(14)、駆動軸(16)又はこれに連結された軸に直接的に、又は間接的に固定されていることを特徴とする請求項16に記載の駆動システム(3)。
【請求項18】
絶対値エンコーダが、シングルターンロータリエンコーダ、インクリメンタルエンコーダ又は仮想ロータリエンコーダとして構成されており、補助切換器が、少なくとも1つのマイクロスイッチ、レゾルバ又は正弦余弦エンコーダとして構成されていることを特徴とする請求項16に記載の駆動システム(3)。
【請求項19】
絶対値エンコーダ及び補助接点が、駆動軸(16)の位置又は別の軸の位置を走査に基づいて検出するように構成されていることを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の駆動システム(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法に関するものである。駆動システムは、駆動軸に作用する少なくとも1つのモータを含んでいる。制御装置及びエンコーダシステムが設けられており、エンコーダシステムは、駆動軸に直接的に、又は間接的に連結されている。
【0002】
また、本発明は、本発明による方法を実行する、負荷時タップ切換器用の駆動システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
負荷時タップ切換器用の駆動部は、例えば特許文献1から知られている。当該負荷時タップ切換器駆動部にはモータが配置されており、モータは、リンク機構を介して対応する負荷時タップ切換器に固結されている。操作はハード配線を用いてなされ、すなわち、モータ接触子の操作によってモータがオンあるいはオフされる。そして、駆動軸を介して負荷時タップ切換器が操作される。一度組み立てられると、駆動部をもはや変更することはできない。これにより、駆動部は、融通が利かず、フレキシブルでないものとなる。もっとも単純な適合は、複雑な改造を必要とする。
【0004】
通常、負荷時タップ切換器は、異なる変圧器への電圧の閉ループ制御のために用いられる。負荷時タップ切換器の操作のために駆動システムが用いられる。このとき、変圧器ハウジングに配置されたモータは、リンク機構を介して負荷時タップ切換器に結合されている。電気機械的な接触子の操作によって、モータにエネルギーが供給される。配線に応じて、モータは、その駆動軸が1つ方向へ、又は他の方向へ回転するように操作される。この種の操作は、融通が利かず、ひいてはフレキシブルでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国実用新案第202010011521号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、負荷時タップ切換器の動作のフレキシビリティ及びタップの切換時の安全性(確実性)を高める、負荷時タップ切換器を駆動する改良されたコンセプトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当該課題は、請求項1の特徴を含む、駆動システムを用いて負荷時タップ切換器の切換を実行する方法によって解決される。
【0008】
また、本発明の課題は、負荷時タップ切換器の動作のフレキシビリティ及びタップの切換時の安全性(確実性)を高める、負荷時タップ切換器用の駆動システムを提供することにある。
【0009】
当該課題は、請求項13の特徴を含む、負荷時タップ切換器用の駆動システムによって解決される。
【0010】
負荷時タップ切換器を切り換える本発明による方法を実行するために駆動システムが設けられている。駆動システムは、駆動軸に作用する少なくとも1つのモータを含んでいる。制御装置はエンコーダシステムと通信可能に接続されており、エンコーダシステムは、駆動軸に直接的に、又は間接的に連結されている。方法は、まず、制御装置によって負荷時タップ切換器を切り換えるための信号が受信されるというステップによって特徴付けられている。次のステップでは、現在のタップへ増加方向から切り換えられたか、又は低下方向から切り換えられたかが制御装置を用いて特定される。そして、次のタップへ、増加方向へ切り換えられるべきか、又は低下方向へ切り換えられるべきかが特定される。後続のステップでは、先行するステップにおける特定に基づき、負荷時タップ切換器の駆動システムのための複数の走行プロファイルのうち1つが選択される。そして、選択される走行プロファイルに基づき切換が実行される。最後のステップでは、選択された走行プロファイルに従って、駆動システムを用いて切換が実行及び監視される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数の走行プロファイルを制御装置にメモリすることが可能である。走行プロファイルをメモリするために、制御装置には目盛りを割り当てることが可能である。
【0012】
複数の走行プロファイルを応用するコンセプトによる負荷時タップ切換器における切換の動作は、より穏やかな切換が可能であるという利点を有している。なぜなら、負荷時タップ切換器の機械的な状況に切換を適合することが可能なためである。これにより、機械的な部材も保護されることが可能である。加えて、切換は、フレキシブルに構成されることが可能である。さらに、負荷時タップ切換器の選択器におけるフリーホイールのような構造上の特徴は、適当な走行プロファイルを用いて考慮される。
【0013】
本発明によれば、可能な第1の走行プロファイルは、増加方向への負荷時タップ切換器の切換を表す(記述する)ことができる。このとき、タップから次に高いタップへ切り換えられるかどうかが切換前に特定される。実際の切換時には、次に高いタップから後続のより高いタップへ切り換えられるべきかどうかが特定される。
【0014】
本発明によれば、可能な第2の走行プロファイルは、低下方向への負荷時タップ切換器の切換を記述することができる。このとき、タップから次に低いタップへ切り換えられるかどうかが切換前に特定される。実際の切換時には、次に低いタップからより低いタップへ切り換えられるかどうかがチェックされる。
【0015】
両方の場合では、選択された走行プロファイルによって、負荷時タップ切換器の駆動軸が180°の整数倍だけ回転する。好ましくは、負荷時タップ切換器の駆動軸は、180°又は360°回転する。駆動軸は、360°よりも大きく回転することが可能であってもよい。切換器タイプ及び駆動システムに応じて、駆動軸は、適当な値に従って回転する。
【0016】
本発明の可能な実施形態によれば、可能な第3の走行プロファイルは、増加方向への負荷時タップ切換器の切換を記述することができる。このとき、以前の切換時にタップから次に低いタップへ切り換えられたかどうかが切換前にチェックされる。そして、実際の切換時には、負荷時タップ切換器のフリーホイール(惰性)を考慮して、現在のより低いタップから再びより高いタップへ切り換えられる。
【0017】
本発明の可能な実施形態によれば、可能な第4の走行プロファイルは、低下方向への負荷時タップ切換器の切換を記述することができる。以前の切換時にタップから次に高いタップへ切り換えられたかどうかが切換前にチェックされる。そして、実際の切換時には、負荷時タップ切換器のフリーホイール(惰性)を考慮して、より高いタップから再びより低いタップへ切り換えられる。
【0018】
走行プロファイルは、駆動軸を180°の整数倍だけ回転させるように構成されている。加えて、伝動装置のフリーホイールが考慮されるように、回転する更なる角度量となる。切換器タイプ及び駆動システムに応じて、駆動軸は適当な値に従って回転し、フリーホイールの値がこれに加えられる。
【0019】
可能な別の一実施形態によれば、第5の走行プロファイルは、タップから到達すべき(近づくべき)次に高い第1のタップへ、又は次に低い第1のタップへの1つの走行プロファイルが少なくとも1つの別の走行プロファイルと組み合わせられるように構成されることができる。組合せに基づき、少なくとも1つの別の次に高いタップ又は少なくとも1つの別の次に低いタップが到達される。走行プロファイルの割り当ては、駆動システムの作動前に行われる。
【0020】
現在のタップは、制御装置を用いて特定される。特定された現在のタップは、1つ又は複数の必要な走行プロファイルの選択に用いられる。一般的な本発明の着想とは対照的に、方向のみが走行プロファイルの選択に用いられるわけではなく、負荷時タップ切換器の位置、すなわちタップも用いられる。
【0021】
各走行プロファイルは、2つの変数で形成されているとともに、n次の多項式関数として二次元の直交座標系において記述されることが可能である。
【0022】
メモリされた走行プロファイルは、駆動システムの制御装置又は制御ユニットから呼び出されることが可能である。
【0023】
方法を実行する負荷時タップ切換器用の本発明による駆動システムは、駆動システムを負荷時タップ切換器と結合する駆動軸を含んでいる。モータは、駆動軸を駆動するのに用いられる。フィードバックシステムは、駆動軸の位置を特定するように構成されている。特定された位置に基づき、フィードバック信号が生成される。制御装置は、選択された走行プロファイル及びフィードバック信号に依存してモータの動作に影響を及ぼすように構成されている。
【0024】
制御装置は、制御ユニット及びパワーユニットを含んでいる。パワーユニットは、モータのエネルギー供給に用いられる。少なくとも1つの走行プロファイルは、パワーユニットのメモリにメモリされている。制御ユニットは走行プロファイルを選択し、パワーユニットは走行プロファイルに合わせてモータへ作用する。
【0025】
走行プロファイルを有する改良されたコンセプトは、負荷時タップ切換器が切り換えられる前あるいは操作される前に、切換を実行する駆動システムのための走行プロファイルが選択されるという着想に基づくものである。ここで、以前はどの位置(タップ)にあり、どの位置(タップ)へ切り換えられるべきかをまず確認する必要がある。したがって、次の切換のための駆動システムについての対応する走行プロファイルが選択される。
【0026】
加えて、切換過程において負荷時タップ切換器がどこにあるか、すなわち、どの位置あるいはどのタップ位置(タップ)に位置しているかを確認することも可能である。実際の位置による切換方向の補足は、特別な場合には走行プロファイルの選択にも用いられることが可能である。特別な切換ステップあるいは切換に適合された走行プロファイルの選択によって、システム全体の安全性が高められる。さらに、機械的な部材には不要な負荷がかからない。加えて、可能であれば、切換の速度が最適化され、むしろ高められる。
【0027】
現在のタップ位置に関連して、切換方向(過去と未来)を知ることにより、次の切換に対して最適に構成された走行プロファイルを選択することが可能である。したがって、機械的なフリーホイール、遊び及び操作過程における特性は個別に考慮される。
【0028】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、切換信号は、降圧変圧器の閉ループ制御に必要な電圧制御器によって、手動の入力又は外部の信号によって生じる。
【0029】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置はメモリを備えており、当該メモリには、各走行プロファイル、切換ステップに対する走行プロファイルの割り当て及び現在のタップ位置がメモリされている。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は制御ユニット及びパワーユニットを備えており、制御ユニットのメモリには、切換ステップに対する走行プロファイルの割り当て及び実際のタップ切換位置がメモリされており、パワーユニットのメモリには走行プロファイルがメモリされている。
【0031】
改良されたコンセプトによる駆動システムは、目的に合わせて、すなわち事前に選択された走行プロファイルに従って駆動軸を駆動することができるようになっている。走行プロファイルは、速度又はトルクのみを設定するものではない。走行プロファイルは、どの時点で、又は駆動軸の度の位置において、どのようなトルク又はどのような速度が駆動軸においてなされるかを設定する。このような走行プロファイルを使用することで、切換器の切換の目的に合った部分に影響を与えることが可能である。駆動軸の現在の位置、すなわち実際値は、フィードバック信号を介して走行プロファイル、すなわち目標値と比較される。これにより、システムは、フレキシブルかつ安全(確実)となる。
【0032】
「駆動軸の位置」という用語は、駆動軸の位置、場合によっては公差範囲内での駆動軸の位置を一義的に特定することができる測定量も含む。
【0033】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動システムは、切換器の軸、負荷時タップ切換器の軸又は負荷時タップ切換器の対応する構成要素を駆動するために用いられる。これにより、負荷時タップ切換器により、1つ又は複数の操作、例えば動作手段の2つの巻線タップ間の切換又は例えば負荷切換、選択器操作若しくは切換選択器の操作のような切換の一部が実行される。
【0034】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的に負荷時タップ切換器、特に負荷時タップ切換器の軸に結合されている。
【0035】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的に負荷時タップ切換器、特に負荷時タップ切換器の軸に結合されている。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的にモータ、特にモータのモータ軸に結合されている。
【0037】
少なくとも1つの実施形態によれば、モータ軸の位置、特にモータ軸の絶対的な位置は、駆動軸の位置、特に駆動軸の絶対位置に対応している。すなわち、モータ軸の位置によって、場合によっては公差範囲内で駆動軸の位置を推定することが可能である。
【0038】
少なくとも1つの実施形態によれば、影響を及ぼすことは、モータの開ループ制御、閉ループ制御、制動、加速又は停止を含む。閉ループ制御は、例えば位置閉ループ制御、速度閉ループ制御、加速度閉ループ制御又はトルク閉ループ制御を含み得る。少なくともこのような閉ループ制御の場合には、駆動システムはサーボ駆動システムであるといえる。
【0039】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動システムは監視ユニットを含んでおり、当該監視ユニットは、フィードバック信号に基づいて切換器の1つ又は複数の操作を監視するように構成されている。監視は、特に、個別の操作又はその一部が特にあらかじめ規定された期間内で規定どおりに実行されるかどうかを監視することを含んでいる。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は、制御ユニットと、開ループ制御又は閉ループ制御されるモータのエネルギー供給のためのパワーユニットとを含んでいる。制御ユニットは、パワーユニットを制御するように構成されている。パワーユニットには走行プロファイルがメモリされており、当該走行プロファイルは、2つの変数で形成されているとともに、n次の多項式関数として二次元の直交座標系において記述されることが可能である。
【0041】
少なくとも1つの実施形態によれば、パワーユニットは、コンバータ、特にサーボコンバータとして構成されているか、又は駆動機械のための同等の電子的な、特に完全に電子的なユニットとして構成されている。
【0042】
様々な実施形態によれば、制御装置は、フィードバックシステムを全体的に、又は部分的に含んでいる。
【0043】
駆動軸の絶対的な位置は、制御装置によって例えば比較されることが可能である。偏差が重大であれば、制御装置は、エラーメッセージを出力するか、又は安全措置を導入することが可能である。
【0044】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、モータのロータ位置を検出するように、及び駆動軸の位置についての値をロータ位置に依存して特定するように構成されている。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、ロータ位置は、モータのロータが存在し、場合によってはロータの完全な回転の数と組み合わされている角度範囲である。
【0046】
これにより、ロータの構成、特に極対数に応じて、モータ軸の位置又は絶対的な位置が、例えば制御装置によって少なくとも180°まで正確に特定されることができる。これにより、1つ又は複数の伝動装置を用いた減速によって、駆動軸の位置の達成可能な精度が大幅により大きくなる。ここで、制御装置による評価は、ある程度仮想的なエンコーダ機能に相当する。したがって、フィードバックシステムの絶対値エンコーダの完全な故障時にも、少なくとも1つの非常動作を維持することができ、及び/又は負荷時タップ切換器を安全な位置へもたらすことができる。
【0047】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、駆動軸の絶対的な位置又は駆動軸に結合された別の軸の絶対的な位置を検出するように、及び検出された位置に基づいて少なくとも1つの出力信号を生成するように構成及び配置された絶対値エンコーダを含んでいる。フィードバックシステムは、少なくとも1つの出力信号に基づいて駆動軸の位置についての値を検出するように構成されている。
【0048】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、直接的に、又は間接的に、モータ軸、駆動軸又はこれに結合された軸に固定されている。
【0049】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、マルチターンロータリエンコーダ又はシングルターンエンコーダを含んでいる。
【0050】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、駆動軸の位置又は別の軸の位置を走査方法に基づいて検出するように構成されている。
【0051】
少なくとも1つの実施形態によれば、走査方法は、光学式、磁気式、容量式、抵抗式又は誘導式の走査方法を含んでいる。
【0052】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、駆動軸の絶対的な位置又は駆動軸に結合された別の軸の絶対的な位置を検出するように、及び検出された位置に基づいて少なくとも1つの出力信号を生成するように構成及び配置された絶対値エンコーダと補助接点の組合せを含んでいる。フィードバックシステムは、少なくとも1つの出力信号に基づいて駆動軸の位置についての値を検出するように構成されている。
【0053】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダ及び補助接点は、直接的に、又は間接的に、モータ軸、駆動軸又はこれに結合された軸に固定されている。
【0054】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、シングルターンロータリエンコーダ、インクリメンタルエンコーダ又は仮想エンコーダとして構成されている。補助接点は、少なくとも1つのマイクロスイッチ、レゾルバ又は正弦余弦エンコーダとして構成されている。
【0055】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダ及び補助接点は、駆動軸の位置又は別の軸の位置を走査方法に基づいて検出するように構成されている。
【0056】
少なくとも1つの実施形態によれば、走査方法は、光学式、磁気式、容量式、抵抗式又は誘導式の走査方法を含んでいる。
【0057】
少なくとも1つの実施形態によれば、走行プロファイルは、2つの変数で形成されているとともに、n次の多項式関数として二次元の直交座標系において記述されることが可能である。
【0058】
少なくとも1つの実施形態によれば、変数は、駆動システムの直接的な量又は間接的な量、例えば時間、駆動軸の回転角度、電流、電圧、速度、トルク又は加速度である。
【0059】
少なくとも1つの実施形態によれば、変数は、座標系のそれぞれ1つの軸によって記述されることが可能である。
【0060】
少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は、第2のモータへ作用することが可能である。
【0061】
少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は第2のパワーユニットを備えることができ、当該第2のパワーユニットは、第2のモータへ作用することが可能である。
【0062】
少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は、第2のモータが第1のモータのフィードバックシステムの実際値の走行プロファイルを走行するように第2のモータへ作用することが可能である。
【0063】
少なくとも1つの実施形態によれば、負荷時タップ切換器は、負荷切換器、選択器及びダブル反転切換選択器又は反転切換選択器を備えている。
【0064】
以下に、本発明及びその利点を添付の概略的な図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】変圧器の異なるタップ間で切り換えられることが可能な負荷時タップ切換器のための駆動部を示す図である。
図2】改良されたコンセプトによる、負荷時タップ切換器の操作のための方法経過を示す図である。
図3】改良されたコンセプトによる、駆動システムを有する負荷時タップ切換器の一実施形態の概略的な図である。
図4a】駆動軸の回転角度を時間の関数として示す、本発明による駆動システムのための走行プロファイルを示す図である。
図4b】トルクを駆動軸の回転角度の関数として示す、本発明による駆動システムのための走行プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の同一の要素又は同一に作用する要素には同一の符号を用いる。また、見やすさのために、各図の説明に必要な符号のみが各図に図示されている。各図は単に本発明の実施例を示すものであり、本発明は、図示された実施例に限定されるものではない。
【0067】
図1には、変圧器9の調整巻線20のタップN,N,...,Nとの負荷時タップ切換器8の協働の概略的な構造が示されている。選択器18及び負荷切換器17の駆動のためにモータ12が設けられており、当該モータは、伝動装置15を介して選択器18及び負荷切換器17、したがって負荷時タップ切換器8へ作用する。増加方向N+においてタップNから次に高いNJ+1へ切り換えるために、又は低下方向N-において変圧器9の調整巻線20のタップNから次に低いNJ-1へ切り換えるために、モータ12は、モータ軸14及び駆動軸16を介して負荷時タップ切換器8へ作用する。
【0068】
図2には、本発明による駆動システム3(図3参照)を用いた、負荷時タップ切換器8を操作するための方法推移が示されている。第1のステップ40では、まず、「切換」のための信号が制御装置2へ与えられる。当該信号は、電圧レギュレータ、監視システム又は手動の入力(ここでは不図示)によって生成される。すなわち、これにより変圧器9(図1)の電圧に適合させるために、負荷時タップ切換器8は、例えば操作される必要がある。しかし、メンテナンス中の調整走行、すなわち、保守点検動作における負荷時タップ切換器8の操作も考えられる。そして、制御装置2では、次のステップ50において、変圧器9のどの方向へ(増加方向N+又は低下方向N-)切り換えられるか、すなわちどのタップN,N,...Nあるいはタップ切換位置へ切り換えられるかがチェックされる。さらに、どの方向から(増加方向N+又は低下方向N-)、すなわちどの位置あるいはタップ位置から現在の位置(タップN)へ切り換えられたかがチェックされる。当該ステップの順序は任意である。次のステップ60では、結果に対応した走行プロファイル22が選択され、当該走行プロファイル22によって負荷時タップ切換器8が後続のステップ70において操作される。
【0069】
この単純な方法により、単純な負荷時タップ切換器8を2つあるいは4つのみの走行プロファイル22によって操作することが可能である。
【0070】
ここで、可能な第1の走行プロファイル22は、始めに低下方向N-へ切り換えられた場合に、増加方向N+へ負荷時タップ切換器8を切り換えることを記述する。換言すれば、切換前にタップNからタップNJ+1へ切り換えられ、タップNJ+1からタップNJ+2へ切り換えられるようになっている。したがって、同一方向、すなわち増加方向N+へ切り換えられる。このとき、負荷時タップ切換器8の駆動軸16は、好ましくは180°又は360°回転する。しかし、駆動軸16は、360°より多く回転することも可能である。
【0071】
可能な第2の走行プロファイル22は、始めに逆の切換方向へ切り換えられた場合に、低下方向N-へ負荷時タップ切換器8を切り換えることを記述する。換言すれば、切換前にタップNJ+2からタップNJ+1へ切り換えられ、タップNへ切り換えられるようになっている。したがって、同一方向へ切り換えられる。このとき、駆動軸16は、好ましくは180°又は360°回転する。しかし、駆動軸16は、360°より多く回転することも可能である。
【0072】
例えば、機械的なフリーホイール(惰性)(不図示)が、負荷時タップ切換器8に取り付けられており、低下方向N-から増加方向N+への交換又はその逆(すなわち、第1の切換方向から第2の切換方向であり、当該第2の切換方向が第1の切換方向とは逆である)へ切り換えられる時に起動されれば、当該フリーホイールは、切換時に考慮される必要がある。当該フリーホイールは、負荷時タップ切換器8の機械的なシステムの構成要素であり、例えば最終ロック装置によりバネ蓄勢器又は選択器18において組み入れられている。このために、第3及び第4の走行プロファイル22が制御装置2にメモリされる。当該走行プロファイル22は、第1あるいは第2の走行プロファイル22の特性とは異なる特性を有している。例えば、第3及び第4の走行プロファイル22における駆動軸16は、以前の切換の第1及び第2の走行プロファイル2の場合よりも大きい角度回転する。180°の駆動軸の回転により行われる切換時には、フリーホイールを考慮する値を共に含む必要がある。そして、駆動システム3は、180°より大きい角度だけ駆動軸16を回転させる。このとき、フリーホイールの割合が切換の実行に必要な基本的な値へ加えられる。これにつづく切換が再び同一方向(低下方向N-又は増加方向N+)となる場合には、対応する走行プロファイル22が用いられる。
【0073】
第1及び第2の、あるいは第3及び第4の走行プロファイル22は、その(算術)符号を除いて、同一に構成されることが可能である。基本的には、走行プロファイル22は、各変数において互いに異なっていてよい。当該走行プロファイルは、例えばより迅速に、又はより緩慢に推移することが可能である。当該走行プロファイルは、互いに部分的に同一であってよいが、別の部分によって補足されることが可能である。
【0074】
まとめると、走行プロファイル22は、最後の切換の切換方向(低下方向N-又は増加方向N+)及び次の切換の切換方向(低下方向N-又は増加方向N+)に基づいて選択される。
【0075】
しかし、より複雑な負荷時タップ切換器8の場合には、負荷時タップ切換器8が存在するタップの現在の位置あるいはタップ切換位置も考慮する必要がある。そして、制御装置2では、更にステップ50において、現在どのタップの位置あるいはタップ切換位置に負荷時タップ切換器8があるかがチェックされる。さらに、どの位置あるいはどのタップへ切り換えられるべきか、及びどの位置あるいはタップから現在の位置へ切り換えられたかがチェックされる。当該ステップの順序は任意である。次のステップ60では、結果に対応した走行プロファイル22が選択され、当該走行プロファイル22によって負荷時タップ切換器8が後続のステップ70において操作される。
【0076】
ここで、第5の走行プロファイル22も設けることができる。当該第5の走行プロファイルは、いわゆる負荷時タップ切換器8の通過位置において、又は非対称に構成された負荷時タップ切換器8において必要であり得る。ここで、制御装置2は、次の切換がいわゆる通過位置であることを認識する。このことは、走行プロファイル22によって到達すべき第1のタップNJ+1又はNJ-1では停止すべきでないことを意味している。選択され、到達すべきタップNJ+X又はNJ-X(Xは2以上)は、少なくとも1つの別の走行プロファイル22によって初めて達成され得る。このような切換の認識がなされ、当該認識においては、所定のタップNから他の所定のタップNJ+X又はNJ-Xへの切換ステップあるいは切換方向(低下方向N-又は増加方向N+)が少なくとも1つの別の走行プロファイル22に割り当てられる。当該割り当ては、駆動システム3の作動前になされるとともに、制御装置2あるいは制御ユニット10のメモリ50にメモリされている。当該走行プロファイル22も、その特性において第1及び第2の走行プロファイル22とは異なっている。いわゆる通過位置では、駆動軸16は、負荷時タップ切換器8の(現在のタップNからタップNJ+1又はNJ-1への)通常の切換時よりも数倍頻繁に回転する必要がある。したがって、当該走行プロファイル22は、2つの所定のタップNとNJ+Xの間又はNとNJ-Xの間の所定の切換に割り当てられている。
【0077】
原則的には、(過去及び未来の)切換方向及び現在の位置あるいはタップ切換位置の特定の組合せにより、明確に当該切換に適合する走行プロファイル22を選択及び実行することが可能である。
【0078】
図3には、負荷時タップ切換器8用の駆動システム3の例示的な実施形態の概略的な図示が示されている。駆動システム3は、駆動軸16を介して負荷時タップ切換器8に結合されている。駆動システム3は、モータ軸14を介して、及び任意で伝動装置15を介して駆動軸16を駆動することができるモータ12を含んでいる。駆動システム3の制御装置2はパワーユニット11を含んでおり、当該パワーユニットは、例えば、モータ12の開ループ制御又は閉ループ制御されたエネルギー供給のためのコンバータを含んでいる(不図示)。制御ユニット10は、パワーユニット11の制御のために、例えばバス19を介して接続されている。駆動システム3は、フィードバックシステム4として用いられ、フィードバックシステム4の一部であるとともにパワーユニット11に接続されているエンコーダシステム(センサシステム)13を備えている(不図示)。また、エンコーダシステム13は、駆動軸16に直接的に、又は間接的に結合されている(不図示)。
【0079】
エンコーダシステム13は、位置、特に角度位置、例えば駆動軸16の絶対的な角度位置についての少なくとも1つの第1の値を検出するように構成されている。このために、エンコーダシステム13は、例えば絶対値エンコーダ(絶対値センサ)、特にマルチターン絶対値エンコーダを含むことができ、当該絶対値エンコーダは、駆動軸16、モータ軸14又は他の軸に固定されており、その位置は、一義的に駆動軸16の絶対的な位置に結び付けられている。モータ軸14の位置に基づく駆動軸16の位置は、例えば伝動装置15の変速比を介して一義的に特定可能である。
【0080】
フィードバックシステム4は、駆動軸16の位置についての値を検出するために構成されている。
【0081】
制御装置2、特に制御ユニット11及び/又はパワーユニット12は、値に基づいてフィードバックシステムが生成するフィードバック信号に依存してモータ12を開ループ制御又は閉ループ制御するように構成されている。
【0082】
パワーユニット11は、メモリされた走行プロファイル22を有するメモリ5を備えている。フィードバックシステム4として用いられるエンコーダシステム13は、駆動軸16の位置をパワーユニット11へ通知し、これにより、駆動軸16が走行プロファイル22を正確に走行するか、あるいは設定されたパラメータを遵守するかどうかを監視する。
【0083】
パワーユニット11には、複数の走行プロファイル22がメモリされている。走行プロファイル22のうち1つが、制御ユニット11を介して、図1に記載された方法に基づき選択される。
【0084】
図4a及び図4bには、負荷時タップ切換器8の切換操作のためのモータ12のあり得る走行プロファイル22が示されている。ここでは、走行プロファイル22は、例示的に、それぞれ二次元の直交座標系21に記入された2つの変数を有するn次の多項式関数として示されている。図4aに示された走行プロファイル22では、X軸24に時間t、すなわち駆動軸16がどのくらい長くモータ12を操作するかが記入されている。Y軸25には駆動軸16の回転角度ωが記入されている。図4aにおいて(座標)軸24,25に記入された量は、単に例であり、本発明を限定する者として理解されるべきではない。X軸24及びY軸25に記入された変数は、駆動システム3の直接的な量又は間接的な量であってよい。直接的な量は、例えば、時間t、駆動軸16の回転角度ω、電流又は電圧であり得る。間接的な量は、速度、トルク、加速度又はこれに類するものであり得る。
【0085】
図4bには、切換器1の切換操作のためのモータ12のあり得る走行プロファイル22が示されている。ここで、トルクM(t)の間接的な量は、回転角度ωの関数として記入されているとともに、n次の多項式関数として図示されている。図4bに示された走行プロファイル22では、X軸24に回転角度ωが記入されている。Y軸25には、駆動軸16に作用するトルクM(t)が記入されている。
【0086】
走行プロファイル22は、駆動軸16が走行しなければならない目標値を設定する。走行プロファイル22の走行時には、フィードバックシステム4を介して検出される実際値は、目標値との偏差を有することがある。目標値からのあり得る設定された実際値の偏差に依存して、モータ16への作用を中断又は継続することが可能である。偏差は、手動で設定されることができるか、又は学習プロセスを用いて算出されることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
2 制御装置
3 駆動システム
4 フィードバックシステム
5 メモリ
8 負荷時タップ切換器
9 変圧器
10 制御ユニット
11 パワーユニット
12 モータ
13 エンコーダシステム
14 モータ軸
15 伝動装置
16 駆動軸
17 負荷切換開閉器
18 選択器
19 バス
20 調整巻線
21 直交座標系
22 走行プロファイル
24 X軸
25 Y軸
40 ステップ
50 ステップ
60 ステップ
70 ステップ
N+ 増加方向
N- 低下方向
,N,...N タップ
T 時間
M(t) トルク
ω 回転角度
図1
図2
図3
図4a
図4b