IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

特許7511595表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
<>
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図1
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図2
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図3
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図4
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図5
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図6
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図7
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図8
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図9
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図10
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図11
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3208 20160101AFI20240628BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240628BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240628BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240628BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240628BHJP
   H05B 45/60 20220101ALI20240628BHJP
【FI】
G09G3/3208
G09G3/36
G09G3/20 611E
G09G3/20 611A
G09G3/20 611G
G09G3/20 621K
G09G3/20 612U
G02F1/133 535
G02F1/133 505
H05B33/14 A
H05B45/60
G09G3/20 612R
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022042477
(22)【出願日】2022-03-17
(62)【分割の表示】P 2020028662の分割
【原出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2022087119
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岡本 卓也
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-033066(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093125(WO,A1)
【文献】特開2013-020020(JP,A)
【文献】特開2006-084758(JP,A)
【文献】特開2016-062056(JP,A)
【文献】特開2006-011251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
G02F 1/133
H10K 50/10
H10K 59/10
H05B 45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発光の発光部を有し、上記発光部が配列され当該発光部の発光により画像データを表示する表示パネルと、
上記表示パネルを制御する表示制御部と、を備え、
上記表示パネルに動画を倍速駆動と通常駆動とで表示する表示装置であって、
上記表示制御部は、上記画像データを上記表示パネルに転送する画像データ転送部と、発光制御部と、を備え、
上記画像データ転送部は、
上記倍速駆動時に、上記画像データを毎回転送し、
上記通常駆動時に、上記画像データの1回の転送に対して上記画像データの転送の1回の間引きを実行して、上記画像データの転送を上記倍速駆動の1/2の周期で転送し、
上記発光制御部は、
上記画像データ転送部による上記画像データの転送とは独立して、上記発光部を発光させ、かつ、
上記発光部を発光させる発光周期を、上記倍速駆動の上記画像データの転送がある複数の期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送がある期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送の間引きの期間とで一定にして、上記発光部を発光させ
上記倍速駆動と上記通常駆動とが連続しており、
上記通常駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数が、上記倍速駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数の2倍である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記表示制御部が、動画表示において上記画像データの更新が無いと判断したとき、上記表示制御部は上記通常駆動をする
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
表示装置を搭載し、アプリケーションを実行可能な電子機器であって、
上記表示装置は、
自発光の発光部を有し、上記発光部が配列され当該発光部の発光により画像データを表示する表示パネルと、
上記表示パネルを制御する表示制御部と、を備え、
上記表示パネルに動画を倍速駆動と通常駆動とで表示し、
上記表示制御部は、上記アプリケーションから供給された上記画像データを上記表示パネルに転送する画像データ転送部と、発光制御部と、を備え、
上記画像データ転送部は、
上記倍速駆動時に、上記画像データを毎回転送し、
上記通常駆動時に、上記画像データの1回の転送に対して上記画像データの転送の1回の間引きを実行して、上記画像データの転送を上記倍速駆動の1/2の周期で転送し、
上記発光制御部は、
上記画像データ転送部による上記画像データの転送とは独立して、上記発光部を発光させ、かつ、
上記発光部を発光させる発光周期を、上記倍速駆動の上記画像データの転送がある複数の期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送がある期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送の間引きの期間とで一定にして、上記発光部を発光させ
上記倍速駆動と上記通常駆動とが連続しており、
上記通常駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数が、上記倍速駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数の2倍である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
上記表示制御部が上記アプリケーションはパフォーマンスが必要なアプリケーションであると判断したとき、上記画像データ転送部は、上記倍速駆動を行い、
上記表示制御部が上記アプリケーションは前記パフォーマンスが不要なアプリケーションであると判断したとき、上記画像データ転送部は、上記通常駆動を行う
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
バッテリーをさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器。
【請求項7】
動画を倍速駆動と通常駆動とで表示する表示装置が備える表示パネルを制御する表示制御方法であって、
前記表示パネルは、自発光の発光部を有し、上記発光部が配列され当該発光部の発光により画像データを表示し、
上記画像データを上記表示パネルに転送する画像データ転送工程と、発光制御工程と、を含み、
上記画像データ転送工程では、
上記倍速駆動時に、上記画像データを毎回転送し、
上記通常駆動時に、上記画像データの1回の転送に対して上記画像データの転送の1回の間引きを実行して、上記画像データの転送を上記倍速駆動の1/2の周期で転送し、
上記発光制御工程では、
上記画像データ転送工程における上記画像データの転送とは独立して、上記発光部を発光させ、かつ、
上記発光部を発光させる発光周期を、上記倍速駆動の上記画像データの転送がある複数の期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送がある期間と、上記通常駆動の上記画像データの転送の間引きの期間とで一定にして、上記発光部を発光させ
上記倍速駆動と上記通常駆動とが連続しており、
上記通常駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数が、上記倍速駆動時の上記画像データの転送の1周期あたりの発光回数の2倍である
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載の表示制御部としてコンピュータを機能させるための表示制御プログラムであって、上記画像データ転送部及び上記発光制御部としてコンピュータを機能させるための表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光部を有し、画像データを表示する表示パネルを制御する表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモバイル向けOLED(Organic Light Emitting Diode)表示装置、および、バックライトを備える液晶表示装置などの発光部を備える表示装置では、ちらつき等が懸念される。そのため、図9に示すように、60Hz間隔の垂直同期信号(VSYNC)によって、常時画像データを更新していた。
【0003】
しかしながら、60Hz間隔の垂直同期信号(VSYNC)によるデータの更新、すなわち駆動周波数が60Hzでは、動画などの早い動きに対応しきれず、画質が低下する虞がある。
【0004】
このため、図10における120Hzの図に示すように、駆動周波数を60Hzから120Hzに上げて、表示装置における画質の向上(例えば動画映像を滑らかに表示する等)を図ることが考えられる。しかしながら、駆動周波数を60Hzから120Hzに上げれば、駆動タイミングが倍になるため、消費電力が増大する。また、図10における60Hzの図に示すように、画像データの更新がない場合は、駆動周波数を120Hzから60Hzに下げて、フレーム間引き等を行い、データ転送しない期間(休止期間)を設けると、ちらつき等により表示品位が低下する虞がある。そこで、消費電力の増大および表示品位の低下を防ぐために種々の技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、表示パネルに、少なくとも2種類のフレームレートを切替えて画像表示を行わせる表示制御装置に関する技術が開示されている。当該表示制御装置は、外部から供給された画像データの更新の有無を、予め設定された画像更新期間毎に判断する画像データ更新判断部と、画像データ更新判断部の判断結果に応じてフレームレートを設定する第1フレームレート設定部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2016/093125(2016年6月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、表示装置の発光部をどのように制御するべきかについては記載がない。この点に関し、例えば、特許文献1に対して、図11および図12に示すように、データ転送しない期間(休止期間)に発光タイミング(Emission)を休止させる駆動を適用すると、ちらつき等により表示品位が低下する虞がある。発光部を備える表示装置では、消費電力を抑制しつつ、表示品位の低下を防止する技術が求められている。
【0008】
本発明は、上記の各問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、発光部を備える表示装置の表示品位の低下の防止と、消費電力の低減との両立を図ることができる表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示制御装置は、自発光の発光部を有し、画像データを表示する表示パネルを制御する表示制御装置であって、上記自発光の発光部の発光タイミングを制御する発光制御部を備え、上記発光制御部は、上記表示制御装置が上記画像データを上記表示パネルに転送しない休止期間と上記表示制御装置が上記画像データを上記表示パネルに転送する非休止期間との両方において、上記自発光の発光部を一定間隔にて発光させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、発光部を備える表示装置の表示品位の低下の防止と、消費電力の低減との両立を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図2図1に示す表示装置における画像データの更新タイミングおよび発光タイミングを示すタイミングチャートである。
図3図1に示す表示装置の表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態2に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図5】本発明の実施形態3に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図6図5に示す表示装置のフレームレート設定処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態4に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図8図7に示す表示装置のフレームレート設定処理の流れを示すフローチャートである。
図9】従来の表示装置における画像データの更新タイミングを示すタイミングチャートである。
図10】従来の表示装置における画像データの更新タイミングを示すタイミングチャートである。
図11図9に示す表示装置における画像データの更新タイミングに、発光タイミングを加えた例を示すタイミングチャートである。
図12図10に示す表示装置における画像データの更新タイミングに、発光タイミングを加えた例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下では、画像データを更新する周期の逆数のことをフレームレートと記載し、本発明が、フレームレート可変の表示装置に適用可能な発明であることを前提に説明する。また、本実施形態では、フレームレートが120Hzである倍速駆動、フレームレートが60Hzである通常駆動を切替えて画像データの更新タイミングを制御することによって映像表示を行う表示装置を例に説明する。
【0013】
(表示装置)
図1は、表示装置1の概略構成ブロック図を示し、図2の(a)(b)は、図1に示す表示装置1における画像データの更新タイミングおよび発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0014】
表示装置1は、図1に示すように、表示パネル101、表示制御部201、表示画像生成部301、画像データ格納部401を含んでいる。
【0015】
表示パネル101は、発光部11を有し、静止画像、動画像などの画像を表示するフレームレート可変な表示デバイスである。表示パネル101としては、例えば、OLED表示パネル、および、バックライトを備える液晶表示パネル等が挙げられる。
【0016】
表示制御部201は、上記表示パネル101に、2種類のフレームレート(120Hz、60Hz)を切替えて映像表示を行わせることによって、画像データの更新タイミングを制御する表示制御装置である。また、表示制御部201は、画像データの更新タイミングとは独立して、発光部11の発光タイミングを制御する表示制御装置でもある。
【0017】
表示画像生成部301は、外部からの画像信号から表示パネル101に表示すべき画像データを生成し、表示制御部201に転送する。
【0018】
画像データ格納部401は、表示制御部201が表示画像生成部301から受け取った画像データを一時的に格納し、格納された画像データは、表示制御部201によって必要に応じて読み出される。すなわち、画像データ格納部401は、表示画像生成部301から供給され、表示パネル101に転送する画像データを一時的に格納するVRAM(Video Random Access Memory)である。
【0019】
表示制御部201は、画像データの更新の有無を、予め設定された画像更新判断期間毎に判断する画像更新判断部(画像データ更新判断部)21と、発光タイミングの制御とは独立して、画像データの更新タイミングを制御する画像データ更新制御部28と、第1フレームレート設定部22によって設定されたフレームレートによりVSYNC(垂直同期信号)を生成し、画像データ格納部401に格納された画像データを、生成した上記VSYNCによるタイミングで表示パネル101に転送する画像データ転送部23と、画像データの更新タイミングとは独立して発光部11の発光タイミングを制御する発光制御部27と、を備えている。また、画像データ更新制御部28は、画像更新判断部21の判断結果に応じてフレームレートを設定する第1フレームレート設定部22を備えている。
【0020】
つまり、表示制御部201の第1フレームレート設定部22は、予め設定された画像更新判断期間毎に行われる画像データの更新の有無の判断結果から、フレームレートを設定する。また、第1フレームレート設定部22は、設定したフレームレートから表示更新のタイミングを生成する。表示制御部201の画像データ転送部23は、生成されたタイミングで表示パネル101に画像データを転送するようになっている。
【0021】
ここで、本実施形態における画像更新判断期間は120Hzとする。つまり、本実施形態では、120Hz間隔で画像データの更新の有無を判断するようになっている。なお、この画像更新判断期間は、120Hzに限定されるものではなく、60Hzや他の周波数であってもよい。
【0022】
表示制御部201の第1フレームレート設定部22は、通常の表示更新のタイミングを、図2の(a)に示す倍速駆動の120Hzとする。また、第1フレームレート設定部22は、パフォーマンスが不要な場合や表示更新がない場合は、表示更新のタイミングを、図2の(b)に示す通常駆動の60Hzとする。ここで、図2の(b)に示す60Hzの表示更新のタイミングは、120Hzの表示更新のタイミングにおいてフレーム間引きを行って実現している。具体的には、図2の(a)に示す120Hzのデータ転送間隔から、図2の(b)に示すように、フレームを1回間引いて、データ転送しない期間(休止期間)を設けることで、60Hzのデータ転送間隔、すなわち60Hzの表示更新のタイミングを実現している。
【0023】
例えば、表示画像生成部301から所定のタイミングで画像データの転送が無い場合、表示制御部201の画像データ転送部23は、画像更新が無いと判断して画像データ格納部401に既に格納されている画像データを読み出して、適宜、表示パネル101に転送する。この際、表示制御部201の画像データ転送部23は、パフォーマンスが不要な場合や表示更新の必要がない場合と判断し、図2の(b)に示すように、休止期間を設定することで、表示パネル101への画像データの転送を一時停止してフレームレートを120Hzから60Hzに下げる。
【0024】
なお、画像更新の有無の判断は、画像データ格納部401に格納されている画像データの更新有無で判断してもよい。
【0025】
このように、パフォーマンスが必要な場合および/または表示更新がある場合に、フレームレートを120Hz等の高い値に設定することによって、動画映像を滑らかに(スムーズに)表示することができる。また、上述の例では、発光タイミングの制御とは独立して、画像データの更新タイミングを制御する。これにより、従来のような酸化物半導体の液晶表示装置以外の液晶装置およびOLED表示装置でも更新タイミングに休止期間を設けることができる。その結果、パフォーマンスが不要な場合や表示更新がない場合に、フレームレートを下げたり、休止期間を設けたりすることによって、常時、フレームレートを高く設定している場合に比べて、消費電力を低減できる。
【0026】
また、表示制御部201の発光制御部27は、画像データの更新タイミングの制御とは独立して、所定の周期にて表示パネル101の発光部11を発光させるように、発光部11の発光タイミングを制御する。例えば、図2の(a)および(b)に示すように、発光制御部27は、フレームレートが120Hzから60Hzに下がったか否かに関わらず、120Hz間隔の周期にて発光部11を発光させる。これにより、図2の(b)のフレームを1回間引いて、データ転送しない期間である休止期間、すなわち、画像データ更新無しのタイミングにおいても発光制御部27は、表示パネル101の発光部11を発光させるように発光タイミングを制御することになる。その結果、表示パネル101が、発光の周期が少しでも変動すると表示品位が低下するOLED等の自発光のディスプレイであっても、表示品位を確保できる。
【0027】
なお、上述の例では、発光制御部27は、最速駆動(倍速駆動)のフレームレートと同じ120Hzの周期にて表示パネル101の発光部11を発光させているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、発光制御部27は、例えば、240Hz等、最速駆動のフレームレートよりも速い周期にて表示パネル101の発光部11を発光させてもよい。また、本実施形態では、発光制御部27は、表示パネル101の発光部11を常時発光させてもよい。
【0028】
(表示制御処理:表示制御方法)
上記構成の表示制御部201における表示制御処理について、図3に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、表示装置1の通常のフレームレートを120Hzとし、パフォーマンスが不要な場合や画像更新がない場合には、フレームレートを120Hzから60Hzに下げるものとする。従って、本実施形態では、フレームレートの上限値は、120Hzとなる。
【0029】
まず、表示制御部201の画像更新判断部21は、画像の更新(画像データの更新)の有無を判断する(S11)。ここで画像の更新有りと判断すれば、表示画像生成部301に表示用の画像データを生成させ(S12)、表示制御部201へ転送させる(S13)。
【0030】
次に、表示制御部201の画像更新判断部21は、表示画像生成部301から転送された画像データを画像データ格納部401へ格納する(S14)。
【0031】
続いて、表示制御部201の画像データ転送部23は、表示タイミング(VSYNC)を生成する(S16)。ここでは、S11において、画像更新判断部21が画像更新有りと判断しているため、第1フレームレート設定部22によって設定されたフレームレート120Hz間隔で表示更新が行える表示タイミング(VSYNC)を生成する。
【0032】
次に、表示制御部201の画像データ転送部23は、生成した表示タイミングで、画像データ格納部401に格納された画像データを読み出し(S17)、表示パネル101に転送する(S18)。表示パネル101は、表示制御部201から転送された画像データを表示する(S19)。
【0033】
一方、S11において、表示制御部201の画像更新判断部21が、画像更新が無いと判断すれば、S15に移行する。
【0034】
S15において、表示制御部201の第1フレームレート設定部22は、画像更新判断部21から画像更新が無いことを示す信号を受信し、画像データの転送を一時休止するか否かを判断する。ここで、画像データの転送を一時休止するとは、上述した図2の(b)に示す休止期間を設定することである。
【0035】
また、S15における一時休止の判断は、例えば前回のフレームにおいて画像表示を行っているか否かを確認することで行う。例えば、前回のフレームにおいて画像表示を行っているか否かの確認を、画像データ格納部401に格納されている画像データが更新されているか否かで行ってもよいし、表示画像生成部301から所定のタイミングで画像データの転送があるか無いかで行ってもよい(画像データ更新判断工程)。つまり、画像データが更新されていれば、前回のフレームにおいて画像表示を行っていると判断する。従って、画像データが更新されている場合、前回のフレームで画像表示が行われているため、一時休止すると判断し(S15のYes)、処理を終了する。このように、一時休止した場合、図2の(b)に示す60Hz更新となる(フレームレート設定工程)。
【0036】
一方、前回のフレームにおいて画像表示を行っていない場合(S15のNo)、表示パネル101の表示更新を行うために、S16に移行し、表示タイミングを生成し、S11において画像更新有りの場合と同じ処理を実行する。
【0037】
このようにして、画像更新されていると判断することで、通常、120Hz更新を行っている処理を、60Hz更新にしている。これにより、常時120Hz更新を行っている場合に比べて、消費電力の低減を図ることができる。
【0038】
表示制御部201の発光制御部27は、第1フレームレート設定部22による画像データの更新タイミングの制御とは独立して、表示パネル101の発光部11の発光タイミングを制御する。ここでは、表示制御部201の発光制御部27は、図3のステップS11の画像の更新の有無に関わらず、所定の周期(一定間隔)にて表示パネル101の発光部(表示素子)11の発光を行う(S20)。
【0039】
なお、図3では、各ステップの最後のS20において、発光制御部27が表示パネル101の発光部11の発光を行うように記載しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、発光制御部27は、画像データの更新タイミングの制御とは独立して、表示パネル101の発光部11の発光タイミングを制御するため、S19の画像表示の前に発光部11を発光させてもよい。
【0040】
(作用・効果)
上記構成の表示装置1において、第1フレームレート設定部22は、フレームレートを、画像更新判断部21により、画像更新無しと判断されたとき、前回の画像更新判断時のフレームレート(120Hz)よりも低いフレームレート(60Hz)に設定するようになっている。
【0041】
従って、画像更新無しと判断された場合には、フレームレートが前回の画像更新判断時のフレームレート(120Hz)よりも低いフレームレート(60Hz)になるので、フレームレートが120Hzの場合に比べて、消費電力を低減することができる。
【0042】
また、上記構成の表示装置1において、発光制御部27は、画像データの更新タイミングの制御とは独立して、所定の周期にて表示パネル101の発光部11を発光させるように、発光部11の発光タイミングを制御する。これにより、フレームを1回間引いて、データ転送しない期間である休止期間、すなわち、画像データ更新無しのタイミングにおいても発光制御部27は、表示パネル101の発光部11を発光させるように発光タイミングを制御することになる。その結果、表示パネル101が、発光の周期が少しでも変動すると表示品位が低下するOLED等の自発光のディスプレイであっても、表示品位を確保できる。
【0043】
なお、上記説明ではフレームレートは120Hzと60Hzの間での変更を例に説明したが、もちろんこれに限られるものではなく、表示装置が動作可能な任意の範囲でフレームレートを設定できるものである。すなわち、本実施形態では、表示装置が動作可能な範囲で任意の範囲でフレームレートの上限値および下限値を設定できるものである。例えば、上記説明ではフレームレートの上限値は120Hzであるが、本実施形態ではフレームレートの上限値は240Hzであってもよいし、360Hzであってもよいし、さらに大きい値としてもよい。また、上記説明ではフレームレートの下限値は60Hzであるが、本実施形態ではフレームレートの下限値は1Hzであってもよいし、0.1Hzであってもよいし、さらに小さい値としてもよい。
【0044】
例えば120Hz~30Hzまでの範囲でフレームレートを変える事ができるOLED表示装置の場合、120Hz~30Hzまでの範囲で所定のフレームレートの上限値および下限値の設定が可能である。また、例えば120Hz~1Hzまでの範囲でフレームレートを変える事が出来る液晶表示装置の場合、120Hzから1Hzまでの範囲でフレームレートの上限値および下限値の設定が可能である。
【0045】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0046】
(表示装置)
図4は、本実施形態に係る表示装置2の概略構成ブロック図を示す。表示装置2は、図1の表示装置1の構成に、ユーザによりフレームレートを指示するためのフレームレート指示部501が追加され、さらに、図1の表示制御部201に代えて、当該表示制御部201の画像データ更新制御部28の構成に、フレームレート指示部501によるユーザ指定のフレームレートの上限値の設定を行うための第2フレームレート設定部24が追加された表示制御部202を備えている。
【0047】
フレームレート指示部501は、ユーザにより例えば120Hzまたは60Hzのフレームレートを選択できるようになっており、選択されたフレームレートを表示制御部202の画像データ更新制御部29の第2フレームレート設定部24に送るようになっている。
【0048】
第2フレームレート設定部24は、フレームレート指示部501から送られたフレームレートが60Hzであれば、60Hzをフレームレートの上限値とし、第1フレームレート設定部22に送る。
【0049】
また、第2フレームレート設定部24は、フレームレート指示部501から送られたフレームレートが120Hzであれば、120Hzをフレームレートの上限値として、第1フレームレート設定部22に送る。
【0050】
すなわち、上記第1フレームレート設定部22は、上記第2フレームレート設定部24によりフレームレートの上限値が設定されたとき、当該第1フレームレート設定部22で設定されるフレームレートの上限値を、上記第2フレームレート設定部24で設定された上限値とする。
【0051】
(ユーザによりフレームレートが60Hzと選択された場合)
第2フレームレート設定部24は、第1フレームレート設定部22に対してフレームレートの上限値を60Hzにするように指示し、第1フレームレート設定部22は、必ず、フレームレートが60Hzを上まらないように画像データを表示パネル101に転送するように画像データ転送部23に指示を行う。
【0052】
なお、ユーザが設定できるフレームレートは勿論120Hz、60Hzに固定されるものではなく、表示装置が動作可能な任意のフレームレートから設定できるものである。
【0053】
ここで、表示パネル101への画像データの転送のタイミング、すなわち表示タイミングは、画像データ転送部23によって決められる。また、表示画像生成部301における画像生成の更新タイミングも表示タイミング(VSYNC)に従う。従って、画像データ転送部23は、生成した表示タイミングにより画像データを表示パネル101に転送する。
【0054】
具体的には、画像データ転送部23が生成する表示タイミング(VSYNC)の立ち下がり及び立ちがりを2回に1回停止することで、図2の(b)に示すように、表示画像生成部301も60Hz間隔で画像生成を行うようになり休止駆動を行うことができる。
【0055】
(ユーザによりフレームレートが120Hzと選択された場合)
この場合には、画像データ転送部23は、表示タイミングの上限を120Hzとする。このため、画像更新が連続でされた場合は120Hzで連続して画像データを表示パネル101に転送することになる。
【0056】
このように、ユーザがフレームレート指示部501により指示したフレームレートを、第1フレームレート設定部22により設定されたフレームレートの上限値に設定することによって、ユーザの要望に応じたフレームレートにより画像表示を行わせることができるという効果を奏する。
【0057】
本実施形態では、前記実施形態1に加えて、ユーザの要望に応じるために、フレームレートの上限値の設定をユーザにより行っているが、下記の実施形態3のように、バッテリー残量に応じてフレームレートの上限値を設定するようにしてもよい。
【0058】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1,2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0059】
(表示装置)
図5は、本実施形態に係る表示装置3の概略構成ブロック図を示す。表示装置3は、図4に示す表示装置2の構成に、表示装置3のバッテリー残量を検出(チェック)するためのバッテリー残量検出部(バッテリー残量チェック部)601が追加され、さらに、図4の表示制御部202に代えて、当該表示制御部202の画像データ更新制御部29の構成に、バッテリー残量検出部601の検出結果(バッテリー残量)に応じたフレームレートの上限値を設定する第3フレームレート設定部25を備えた表示制御部203を備えている。
【0060】
画像データ更新制御部30の第3フレームレート設定部25によりフレームレートの上限値が設定されたとき、第1フレームレート設定部22で設定されるフレームレートの上限値を、上記第3フレームレート設定部25で設定されたフレームレートの上限値とする。
【0061】
すなわち、上記第1フレームレート設定部22は、上記第3フレームレート設定部25によりフレームレートの上限値が設定されたとき、上記第1フレームレート設定部で設定されるフレームレートの上限値を、上記第3フレームレート設定部で設定された上限値とする。
【0062】
(フレームレート設定処理)
図6は、図5に示す表示装置3の第3フレームレート設定部25におけるフレームレート設定処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フレームレート設定処理は、前記実施形態1の説明で使用したフローチャート(図3)の最初のステップ(S11)を行う前に実行するものとする。
【0063】
第3フレームレート設定部25は、バッテリー残量検出部601から送られる信号からバッテリー残量を検出し(S31)、検出したバッテリー残量に応じた上限フレームレートを設定する(S32)。
【0064】
本実施形態におけるバッテリー残量のチェック対象は、表示装置3のバッテリーであるが、これに限定されるものではなく、表示制御部203が搭載される電子機器のバッテリーであればよい。
【0065】
本実施形態では、前記実施形態2に加えて、バッテリー残量に応じてフレームレートの上限値を設定するようにしているが、下記の実施形態4では、実行するアプリケーション毎にフレームレートの上限値を設定するようにしてもよい。
【0066】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1~3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0067】
(表示装置)
図7は、本実施形態に係る表示装置4の概略構成ブロック図を示す。なお、本実施形態では、表示装置4を、アプリケーションを実行可能なスマートフォン等の携帯情報端末に搭載した場合について説明する。
【0068】
表示装置4は、図5に示す表示装置3の構成に、実行されるアプリケーションを判断するアプリ実行判断部701が追加され、さらに、図5の表示制御部203に代えて、当該表示制御部203の画像データ更新制御部30の構成に、アプリ実行判断部701による判断結果に応じて、フレームレートの上限値を設定する第4フレームレート設定部26を備えた表示制御部204を備えている。ここで、アプリ実行判断部701は、上記判断結果として、実行されているアプリケーションの識別信号が表示制御部204に送信される。
【0069】
画像データ更新制御部31の第4フレームレート設定部26は、実行されているアプリケーションとフレームレートの上限値とが対応づけられたテーブルを有しており、実行しているアプリケーションを識別する信号を受信すると、上記テーブルを参照して、フレームレートの上限値が設定され、第1フレームレート設定部22で設定されるフレームレートの上限値を、上記第4フレームレート設定部26で設定されたフレームレートの上限値とする。
【0070】
すなわち、上記第1フレームレート設定部22は、上記アプリ実行判断部701により実行されているアプリケーションに応じて、当該第1フレームレート設定部22で設定されるフレームレートの上限値とする。
【0071】
(フレームレート設定処理)
図8は、図7に示す表示装置4の第4フレームレート設定部26におけるフレームレート設定処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フレームレート設定処理は、前記実施形態1の説明で使用したフローチャート(図3)の最初のステップ(S11)を行う前に実行するものとする。
【0072】
ここで、アプリケーション毎に、当該アプリケーションを実行したときの画像表示を表示パネル101に行わせるフレームレートの上限値が予め設定されている。例えば、レースゲーム等動作の激しいアプリケーションの場合、パフォーマンスが必要なのでフレームレート120Hzが上限値として設定され、クイズゲーム等あまり画像変化のないアプリケーソンの場合、パフォーマンスは必要無いので、フレームレート60Hzが上限値として設定されている。
【0073】
まず、第4フレームレート設定部26は、アプリ実行判断部701から送られた判断結果からアプリ実行信号を受信したか否かを判断する(S41)。ここで、実行アプリ識別信号を受信すると、実行されるアプリに合わせた上限フレームレートに設定し、処理を終了する(S42)。
【0074】
なお、上記フローチャートでは、アプリケーション毎に予め設定されたフレームレートの上限値を、第1フレームレート設定部22において設定したフレームレートの上限値として自動設定しているが、これに限定されるものではなく、1回目のアプリケーション実行時の画像データの更新タイミングを計測しフレームレートの上限値を求め、この上限値を記憶し、2回目以降のアプリケーション実行時に、記憶した上限値を第1フレームレート設定部22において設定したフレームレートの上限値として自動設定するようにしてもよい。
【0075】
または、使用するアプリケーション毎に、ユーザがフレームレートの上限値を設定するようにしてもよい。さらに、アプリケーションの製作者によって、フレームレートの上限値を予め決めていてもよい。
【0076】
なお、本実施形態では、表示装置4を、アプリケーションを実行可能なスマートフォン等の情報携帯端末に搭載した例について説明したが、このような情報携帯端末に限定されるものではなく、アプリケーション実行可能な電子機器であればよい。
【0077】
上記の各実施形態では、フレームレートの上限値の設定について詳細に説明したが、フレームレートの下限値は60Hzとして説明しているが、この下限値についてはこれに限定されない。本実施形態では、フレームレートの下限値は、表示パネル101の種類によって決めればよい。例えば、表示パネル101がOLEDの場合、フレームレートを30Hzまで落とすことができ、表示パネル101が酸化物半導体を用いた液晶パネルの場合、フレームレートを1Hzまで落とすことができる。
【0078】
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、フレームレート可変の表示装置に適用され、さらに、このような表示装置を搭載したパソコンなどの電子機器に適用され、消費電力の低減効果を有するため、特に、携帯型の電子機器、スマートフォン、ノートパソコン、ゲーム機器等に適用することができる。
【0079】
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示制御部201~204の制御ブロック(特に第1フレームレート設定部22、第2フレームレート設定部24、第3フレームレート設定部25、第4フレームレート設定部26)および発光制御部27は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0080】
後者の場合、第1フレームレート設定部22、第2フレームレート設定部24、第3フレームレート設定部25、第4フレームレート設定部26および発光制御部27は、各機能を実現するソフトウェアである表示制御プログラムの命令を実行するCPU、上記表示制御プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記表示制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記表示制御プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該表示制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記表示制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0081】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示制御装置は、発光部を有し、画像データを表示する表示パネルを制御する表示制御装置であって、上記発光部の発光タイミングを制御する発光制御部と、上記発光タイミングの制御とは独立して、上記画像データの更新タイミングを制御する画像データ更新制御部と、を備えている。
【0082】
本発明の態様2に係る表示制御装置は、上記態様1において、上記画像データ更新制御部による上記画像データの更新無しのタイミングにて上記表示パネルの上記発光部を発光させてもよい。
【0083】
本発明の態様3に係る表示制御装置は、上記態様1または2において、上記発光制御部は、所定の周期にて上記表示パネルの上記発光部を発光させてもよい。
【0084】
本発明の態様4に係る表示制御装置は、上記態様1~3の何れか1つにおいて、上記表示制御装置は、外部から供給された画像データの更新の有無を、予め設定された画像更新期間毎に判断する画像データ更新判断部をさらに備え、上記画像データ更新制御部は、上記画像データ更新判断部の判断結果に応じてフレームレートを設定することによって、上記表示パネルに、少なくとも2種類のフレームレートを切替えて画像表示を行わせる第1フレームレート設定部を備えていてもよい。
【0085】
本発明の態様5に係る表示制御装置は、上記態様4において、上記画像データ更新判断部が、外部から供給され、上記表示パネルに転送する画像データを格納する画像データ格納部に格納された画像データにより更新の有無を判断してよい。
【0086】
本発明の態様6に係る表示制御装置は、上記態様4または5において、上記第1フレームレート設定部は、上記画像データ更新判断部により、画像データ更新無しと判断されたとき、上記フレームレートを、前回の画像更新判断時のフレームレートよりも低いフレームレートに設定してもよい。
【0087】
本発明の態様7に係る表示制御装置は、上記態様4~6の何れか1態様において、画像データ更新制御部は、ユーザによりフレームレートの上限値を設定する第2フレームレート設定部をさらに備え、上記第1フレームレート設定部は、フレームレートの上限値を、上記第2フレームレート設定部で設定されたフレームレートの上限値としてもよい。
【0088】
本発明の態様8に係る表示制御装置は、上記態様4~7の何れか1態様において、上記表示制御装置は、当該表示制御装置を搭載する電子機器のバッテリー残量をチェックするバッテリー残量チェック部をさらに備え、上記画像データ更新制御部は、上記バッテリー残量チェック部により検知されたバッテリー残量に応じてフレームレートの上限値を設定する第3フレームレート設定部をさらに備え、上記第1フレームレート設定部は、フレームレートの上限値を、上記第3フレームレート設定部で設定されたフレームレートの上限値としてもよい。
【0089】
本発明の態様9に係る表示制御装置は、上記態様4~8の何れか1態様において、表示制御装置を搭載する電子機器において実行されるアプリケーション毎に、当該アプリケーションを実行したときの画像表示を表示パネルに行わせるフレームレートの上限値が設定されており、上記表示制御装置は、実行されているアプリケーションを判断するアプリ実行判断部をさらに備え、上記画像データ更新制御部は、実行されているアプリケーションに対応してフレームレートの上限値を設定する第4フレームレート設定部をさらに備え、上記第1フレームレート設定部は、上記アプリ実行判断部により、判断された実行されているアプリケーションの識別信号が送られ、実行されているアプリケーションに対応付けられたフレームレートの上限値としてもよい。
【0090】
本発明の態様10に係る表示制御方法は、表示パネルに、少なくとも2種類のフレームレートを切替えて画像表示を行わせる表示制御方法において、外部から供給された画像データの更新の有無を、予め設定された画像更新期間毎に判断する画像データ更新判断工程と、上記画像データ更新判断工程における判断結果に応じてフレームレートを設定するフレームレート設定工程と、を含むことを特徴としている。
【0091】
本発明の各態様に係る発光制御部および画像データ更新制御部は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記発光制御部および画像データ更新制御部が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記発光制御部および画像データ更新制御部をコンピュータにて実現させる発光制御部および画像データ更新制御部の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0092】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、発光部を有し、画像データを表示する表示パネルを制御する表示装置、このような表示装置を搭載した電子機器に利用することができ、これらの電子機器のうち、特に、バッテリー駆動する電子機器、例えばスマートフォン等の携帯情報端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1、2、3、4 表示装置
11 発光部
21 画像更新判断部(画像データ更新判断部)
22 第1フレームレート設定部
23 画像データ転送部
24 第2フレームレート設定部
25 第3フレームレート設定部
26 第4フレームレート設定部
27 発光制御部
28、29、30、31 画像データ更新制御部
101 表示パネル
201~204 表示制御部
301 表示画像生成部
401 画像データ格納部
501 フレームレート指示部
601 バッテリー残量検出部(バッテリー残量チェック部)
701 アプリ実行判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12