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特許7511600プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240628BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022069409
(22)【出願日】2022-04-20
(65)【公開番号】P2023159612
(43)【公開日】2023-11-01
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】川出 まり恵
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-080717(JP,A)
【文献】特開2018-055302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
決済手段が利用可能な加盟店の事業者装置から、前記加盟店が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得する取得機能と、
前記デバイス情報に基づいて、前記1以上のデバイスの中から、前記加盟店向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定する特定機能と、
前記特定されたデバイスに、前記広告情報を記憶する広告記憶部と、前記加盟店で実行された前記決済手段による決済の履歴に関する決済履歴情報を記憶する決済記憶部とを参照して、前記決済履歴情報に基づいて前記広告情報を出力させる出力機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項2】
前記取得機能は、前記事業者装置である前記加盟店の加盟店装置から、前記加盟店の売り上げを示す売上情報を取得し、
前記出力機能は、前記特定されたデバイスに、前記売上情報に基づいて前記広告情報を出力させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記出力機能は、前記加盟店に関する事業者情報を記憶する事業者記憶部を参照して、前記特定されたデバイスに、前記事業者情報に基づいて前記広告情報を出力させる、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記広告情報の広告主の広告主装置から、前記加盟店向けの広告に関する広告条件を受け付ける条件受付機能をさらに実現させ、
前記取得機能は、前記広告条件に関する情報に限定した前記デバイス情報を取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記広告情報の広告主の広告主装置から、前記加盟店向けの広告を出力することで前記加盟店に付与するインセンティブの登録を受け付けるインセンティブ受付機能をさらに実現させ、
前記出力機能は、前記事業者装置に、前記事業者向けの広告に対する出力の設定を受け付けるための出力設定インタフェースとともに、前記登録されたインセンティブを出力させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
決済手段が利用可能な事業者が所持又は管理する1以上のデバイスに関するデバイス情報を取得する第1取得機能と、
前記デバイス情報に基づいて、前記1以上のデバイスの中から、少なくとも1つのデバイスを特定する特定機能と、
前記事業者に関して実行された前記決済手段による決済の履歴に関する決済履歴情報を取得する第2取得機能と、
前記決済履歴情報に基づいて、前記事業者向けの広告を示す広告情報を、前記特定された少なくとも1つのデバイスに対して送信する送信機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項7】
決済手段が利用可能な加盟店の事業者装置から、前記加盟店が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得する取得部と、
前記デバイス情報に基づいて、前記1以上のデバイスの中から、前記加盟店向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定する特定部と、
前記特定されたデバイスに、前記広告情報を記憶する広告記憶部と、前記加盟店で実行された前記決済手段による決済の履歴に関する決済履歴情報を記憶する決済記憶部とを参照して、前記決済履歴情報に基づいて前記広告情報を出力させる出力部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
決済手段が利用可能な加盟店の事業者装置から、前記加盟店が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得し、
前記デバイス情報に基づいて、前記1以上のデバイスの中から、前記加盟店向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定し、
前記特定されたデバイスに、前記広告情報を記憶する広告記憶部と、前記加盟店で実行された前記決済手段による決済の履歴に関する決済履歴情報を記憶する決済記憶部とを参照して、前記決済履歴情報に基づいて前記広告情報を出力させる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の端末装置に保存されたWebサイトの履歴情報やログイン情報、いわゆるCookieを利用したターゲティングにより、この顧客に対して商品またはサービスの広告を効率的に出力させる技術が知られている(例えば、非特許文献)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社 デジタルアイデンティティ,“Cookieとは? 仕組みやWeb広告における役割、廃止に関する情報”,[online],令和4年2月8日,ヤフー株式会社,[令和4年3月22日検索],インターネット,<URL: https://ads-promo.yahoo.co.jp/service/start-articles/basic/cookie-ads/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、BtoCマーケティングだけでなく、BtoBマーケティングおいても効率的に広告を出力させたいという要望がある。しかしながら、上記のようなCookieに保存されているWebサイトの履歴情報等は個人的なものにすぎず、BtoBマーケティングでは、ターゲットが異なるためこれらの情報を用いて効率化が図りづらいという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、BtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告を効率的に出力させることができるプログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、事業者の事業者装置から、事業者が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得する取得機能と、デバイス情報に基づいて、1以上のデバイスの中から、事業者向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定する特定機能と、特定されたデバイスに、広告情報を記憶する広告記憶部を参照して、広告情報を出力させる出力機能と、を実現させる。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、事業者の事業者装置から、事業者が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得する取得部と、デバイス情報に基づいて、1以上のデバイスの中から、事業者向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定する特定部と、特定されたデバイスに、広告情報を記憶する広告記憶部を参照して、広告情報を出力させる出力部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、事業者の事業者装置から、事業者が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得し、デバイス情報に基づいて、1以上のデバイスの中から、事業者向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定し、特定されたデバイスに、広告情報を記憶する広告記憶部を参照して、広告情報を出力させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、BtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告を効率的に出力させることができるプログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る広告システムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る広告システムの概要の一例を説明するための図である。
図3】本実施形態に係る広告システムの概要の一例を説明するための図である。
図4】本実施形態に係る広告システムの概要の一例を説明するための図である。
図5】本実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る広告システムにおける広告情報の出力例を示す図である。
図7】本実施形態に係る広告システムの動作例を示す図である。
図8】本実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されても良い。
【0013】
本実施形態に係る広告システム1は、BtoBマーケティングとして、商品やサービスを顧客に提供する事業者(以下、単に「事業者」ともいう)に広告を出稿するためのシステムである。本実施形態では、広告の出稿先の事業者と広告主とをつなげる基盤として広告システム1の仕組みを提供する者、いわゆるプラットフォーマーを事業者に決済手段を提供する決済事業者とする例を説明する。しかしながら、広告システム1のプラットフォーマーをこの決済事業者に限定する趣旨ではない。事業者は、例えば、決済事業者が提供する決済手段が利用可能な加盟店であってもよい。
【0014】
広告システム1では、例えば、事業者に関する事業者情報を提供してもらい、事業者が所持するデバイス(以下、「事業者デバイス」ともいう)に、事業者向けの広告を示す広告情報を出力させる。また、広告システム1では、事業者に対して、事業者情報の提供やこの広告の出稿を受け入れる対価として、決済手段を利用するための手数料(例えば、後述する加盟店手数料等)を削減したり決済手段に関する機能を無償化にしたりする。このように、事業者に対して広告を出したい広告主と広告を受けたい事業者とが広告システム1上でつながることができる。
【0015】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係る広告システム1のシステム構成例を説明する。
【0016】
図1に示すように、広告システム1は、決済事業者のサーバ装置100と、広告主の広告主装置200と、事業者の事業者サーバ310と、事業者の第1端末装置320aおよび第2端末装置320bと、を含む。第1端末装置320aと第2端末装置320bとは、特に区別の必要がない場合、総称して「端末装置320」ともいう。端末装置320が含む装置の数は、例えば、2つに限定されず、3つ以上であってよい。サーバ装置100は、第1ネットワークNを介して、広告主装置200と、事業者サーバ310と、端末装置320と、通信可能に接続されている。
【0017】
事業者システム300は、事業者サーバ310と、端末装置320と、を含む。事業者サーバ310は、第2ネットワークN2を介して、端末装置320と通信可能に接続されている。
【0018】
第1ネットワークN1は、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network、IEEE802.11に準拠する通信(いわゆるWi-Fi(登録商標))を含む)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、可視光通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電力線通信ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0019】
第2ネットワークN2は、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される、事業者システム300内の内部ネットワークである。
【0020】
サーバ装置100は、広告主装置200や事業者サーバ310、外部システム500との通信が可能な情報処理装置である。本実施形態では、サーバ装置100は、事業者が利用可能な決済手段(以下、単に「決済手段」ともいう)を提供する決済事業者が使用する装置とする。この決済手段は、例えば、クレジットカード決済、デビットカード決済、または電子マネー決済等であってもよい。サーバ装置100は、所定のプログラムを実行することにより、事業者情報や事業者向けの広告に関する広告情報を管理し、事業者サーバ310から事業者情報を取得し、端末装置320に対して広告を出力させるために広告情報を送信する。
【0021】
決済事業者は、例えば、決済に関する代行サービスを提供するPSP(Payment Service Provider)、またはPF(Payment Facilitator)等の決済代行業者であってもよい。
【0022】
広告主装置200は、広告主が使用する情報処理装置である。この広告主は、事業者向けのBtoBビジネスを行う者である。
【0023】
事業者サーバ310は、事業者が使用する情報処理装置であり、事業者装置の一態様である。事業者サーバ310は、事業者が所持するデバイスを制御・管理するサーバ機能を有する。
【0024】
端末装置320は、事業者が所持するデバイスであり、例えば、POSレジ端末、ハンティ端末、スマートフォンやラップトップ、またはタブレット等である。端末装置320は、例えば、事業者装置の一態様であってもよい。端末装置320は、例えば、スマートフォンやラップトップ、またはタブレット等の汎用的な端末の場合、商品またはサービス(以下、「商品等」ともいう)の入力の受け付け、受け付けた商品等の代金の合計金額(決済金額)の算出等のPOSレジ機能を備えたアプリがインストールされていてもよい。本実施形態では、第1端末装置320aを事業者の店舗で使用されている汎用的なタブレットとし、第2端末装置320bを事業者の店舗で使用されているPOSレジ端末とする例を説明する。
【0025】
外部システム500は、いわゆるサードパーティシステムである。外部システム500は、例えば、第1ネットワークN1を介して、サーバ装置100と通信可能に接続されている。外部システム500は、例えば、事業者や広告主、決済事業者等が利用する、決済を実行する決済インフラ(例えば、クレジットカードシステムまたは銀行システム等)であってもよい。本実施形態では、決済インフラに、事業者や広告主、決済事業者等のアカウント(口座)があるものとする。
【0026】
<2.概要>
図2~4を参照して、広告システム1の概要の一例を説明する。
【0027】
図2は広告システム1で行われる広告ビジネスのイメージを示す図である。図2に示すように、広告システム1では、例えば、広告ビジネスにおける1~4の参画者について、以下のように割り振りとなっている。
・1.広告主:事業者に商材(商品またはサービス)を売り込みたい者
・2.広告媒体:事業者が所持するデバイス
・3.広告ターゲット:決済手段が利用可能な加盟店(以下、単に「加盟店」ともいう)等の事業者
・4.プラットフォーマー:事業者に決済手段を提供する決済事業者
【0028】
(1)広告ターゲットである事業者は、プラットフォーマーである決済事業者に、この事業者向けの広告を出すための事業者情報を提供する。(2)決済事業者は、事業者情報を事業者向けの広告に利用するにあたって、事業者情報の提供の対価を事業者に提供する。事業者情報は、事業者に関する情報である。事業者情報の詳細は後述する。
【0029】
(3)広告媒体である事業者デバイスは、プラットフォーマーである決済事業者に、事業者向けの広告を出稿するための広告枠を提供する。この広告枠は、例えば、WebサイトのWebページ上に設けられた広告枠であってもよいし、事業者デバイスにインストールされたネイティブアプリの画面上に設けられた広告枠等であってもよい。(4)決済事業者は、広告主に、提供された広告枠に事業者向けの広告を出稿する提案を行う。(5)広告主は、決済事業者に、提案された広告枠への事業者向けの広告を依頼し、その対価を提供する。
【0030】
(6)プラットフォーマーである決済事業者は、広告媒体の事業者デバイスを所持する事業者に、広告枠の対価を提供する。(7)決済事業者は、事業者デバイスが提供する広告枠に事業者向けの広告を出力させるために、広告情報を配信して、広告ターゲットである事業者向けにこの広告を出力させる。(8)出力された広告を視聴した事業者は、広告で紹介された広告主が販売する商材を購入する。
【0031】
上記のように、広告システム1では、広告媒体を所持し、かつ広告ターゲットである事業者は、事業者情報と広告枠の提供とについてその対価の提供を受けることができる。この対価の原資は、広告主からの広告の依頼の対価から得ることができる。
【0032】
<2-1.事前登録>
図3は、広告システム1で広告を出稿させるために必要な情報を事前登録する際の処理の流れの例を示す図である。なお、図3~4の例では、広告と事業者または事業者デバイスとを事前にマッチングさせて(言い換えれば、組み合わせて)、マッチングさせた事業者または事業者デバイスに対して広告を出力する例を説明するが、本発明にかかわる広告の出力態様はこれに限定されない。例えば、広告を出力する際に都度マッチングさせてもよいし、特にマッチングさせずに広告条件に合致した事業者または事業者デバイスに対して広告を出力させてもよい。
【0033】
(1a)図3に示すように、広告主装置200は、広告主に関する広告主情報をサーバ装置100に提供する。(2a)サーバ装置100の取得部112は、提供された広告主情報を取得する。(3a)登録部113は、取得された広告主情報を、広告記憶部142に登録する。
【0034】
広告主情報は、例えば、広告主を識別するための広告主識別情報、広告主の代表者、広告主の名称、所在地、および/または連絡先(例えば、電話番号、メールアドレス、Webサイトのアカウント名等)、広告主が利用する口座等の決済アカウントを示す決済アカウント情報等を含んでもよい。
【0035】
広告主情報は、例えば、事業者向けの広告を出力することで事業者に付与するインセンティブを示すインセンティブ情報を含んでもよい。このインセンティブの内容は、原資を広告主が支払う広告の依頼の対価とする場合、広告主の要求により登録されたものであってもよい。広告主情報は、例えば、広告主が利用する口座の決済アカウント情報、および/または決済手段情報を含んでもよい。事業者に付与するインセンティブは、例えば、広告主が提供するサービスや商品に利用可能なクーポン、または事業者が指定する口座への所定金額の振込等であってもよい。
【0036】
決済手段情報は、広告主や事業者等の利用者が利用する決済手段に関する情報である。決済手段情報は、例えば、決済手段の種別を示す種別情報(例えば、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済等)、決済手段を識別するための決済手段識別情報(例えば、カード番号、口座番号等)、決済手段を提供する決済事業者識別情報、決済手段を利用する利用者の利用者識別情報等を含む。
【0037】
(1b)広告主装置200は、サーバ装置100に、事業者向けの広告に関する広告条件の設定の要求を行う。(2b)サーバ装置100の受付部111は、要求された広告条件の設定を受け付ける。(3b)サーバ装置100の登録部113は、設定された広告条件を示す広告条件情報を、広告記憶部142に登録する。広告条件は、例えば、広告主ごとに設定されてもよいし、特定のカテゴリごと(例えば、商品またはサービスのブランドごとや事業ごと等)や広告ごとに設定されてもよい。本例では、広告ごとの広告条件が設定されている例を説明する。
【0038】
広告条件は、例えば、広告の出力先を制限するものであってもよい。この場合、広告条件情報は、例えば、広告の出力先の事業者の類型(例えば、オフィスや店舗の所在エリア、業種、事業規模等)、広告の出力先のデバイスを制約するデバイス制約情報、および/または広告の出力先の事業者の事業者情報を広告の効果検証を含む情報の取得・利活用に同意すること等を含んでもよい。デバイス制約情報は、例えば、後述するデバイス情報と同様の項目を含み、項目のそれぞれが許容されるものを規定してもよい(例えば、デバイスの種別であれば、許容される種別を規定する等)。
【0039】
広告条件は、例えば、広告の出力態様を規定するものであってもよい。この場合、広告条件情報は、例えば、出力先の媒体(例えば、Webサイト、Webブラウザ以外の特定のアプリ等)、出力タイミング(例えば、所定期間における出力回数、曜日、時間帯、期間など)等を含んでもよい。
【0040】
(4a)事業者サーバ310は、事業者に関する事業者情報をサーバ装置100に提供する。(5a)サーバ装置100の取得部112は、提供された事業者情報を取得する。(6a)サーバ装置100の登録部113は、取得された事業者情報を、事業者記憶部141に登録する。
【0041】
(4b)事業者サーバ310は、サーバ装置100に、出力設定インタフェースを介して、事業者向けの広告に対する出力の設定の要求を行う。(5b)サーバ装置100の受付部111は、要求された出力の設定を受け付ける。(6b)サーバ装置100の登録部113は、この設定された内容を示す出力設定情報を、広告記憶部142に登録する。
【0042】
出力設定インタフェースは、事業者向けの広告に対する出力の設定を受け付けるためのユーザインタフェースである。以下、出力設定インタフェースを、「出力設定UI」ともいう。出力設定UIは、例えば、広告システム1において事業者が各種設定・各種要求をするための操作入力手段をまとめたダッシュボード(以下、単に「ダッシュボード」ともいう)であってもよい。
【0043】
出力設定情報は、例えば、出力先の媒体、出力態様(例えば、画面出力、音声出力、またはその両方等)、出力タイミング等を設定するものであってもよい。
【0044】
(7)サーバ装置100のマッチング部114a1は、広告主が要求する広告Aと、事業者または事業者デバイスとをマッチングさせる。例えば、広告aの広告条件が「事業者が美容院を経営していること」かつ「事業者デバイスが、Webブラウザがインストールされたデバイスであること」とする条件の場合、マッチング部114a1は、美容院を経営する事業者A1が所持し、かつWebブラウザがインストールされたタブレットである第1端末装置320aを、広告aの出力先としてマッチングする。他方、マッチング部114a1は、美容院を経営する事業者A1が所持するデバイスであっても、WebブラウザがインストールされていないPOSレジ端末である第2端末装置320bはマッチングしない。また、他の例として、マッチング部114a1は、広告aの広告条件が「オーナーが個人で経営している美容院あること」とする条件の場合、広告aと個人経営の事業者A2とをマッチングしてもよい。言い換えれば、マッチング部114a1は、広告aの出力先として事業者A2が所持するデバイスを全てマッチングする。特定部114aは、マッチング部114a1により広告aとマッチングさせた事業者デバイスを、事業者向けの広告情報を出力する事業者デバイスとして特定する。
【0045】
(8)サーバ装置100の登録部113は、上記マッチングの結果、すなわち広告aの出力先として特定された事業者デバイスを、広告記憶部142に登録する。
【0046】
<2-1.事前登録>
図4は、広告システム1で広告を出稿する際の処理の流れの例を示す図である。
【0047】
(1)サーバ装置100の出力部114は、広告記憶部142や事業者記憶部141に登録された各種情報を参照して、広告aを第1端末装置320aに出力するために、広告aの広告情報を生成する。(2)出力部114は、通信部130を介して、第1端末装置320aに生成した広告情報を送信する。
【0048】
広告情報は、例えば、広告を出力するためのコンテンツの種別や形式を示すコンテンツ情報、広告を表示するためのテキストデータ(HTMLデータを含む)、広告を表示するための画像データ(静止画と動画を含む)、広告の音声を出力するための音声データ、広告を出力するためのデータにアクセスするためのURL等を含んでもよい。
【0049】
(3)第1端末装置320aは、送信された広告情報を受信して、事業者の代表者や従業員等に対して、Webサイトやネイティブアプリの画面等で広告aを出力する。(4)出力部は、第1端末装置320aにこの広告aを出力した履歴を広告出力履歴情報として、広告記憶部142に登録する。
【0050】
(4)サーバ装置100の精算部115は、広告aの広告主には広告aを出力した対価を請求し、他方、事業者情報を提供し広告aを出力させた事業者A1や事業者A2にはその対価の支払い(インセンティブの付与を含む)をするための精算を行う。精算部115は、例えば、決済事業者が提供する決済手段の加盟店である事業者A1について、その加盟店手数料から広告出力の対価を差し引いて精算してもよい。(5)精算部115は、精算の結果に基づいて、広告主から広告aを出力した対価の支払いを受けるための決済指示と、事業者に対して情報提供や広告aを出稿させた対価の支払いを行うための決済指示と、を外部システム500である決済インフラに行う。(6)決済インフラは、決済指示に基づいて、決済のための処理を行う。
【0051】
上記構成のもと、広告システム1は、広告主が要求した広告条件に合致する事業者デバイスまたは事業者を特定し、この特定の結果に基づいて事業者デバイスに広告を出力させることができる。このため、広告主のニーズにあった事業者デバイスをターゲットに広告を出力させることができ、BtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告を効率的に出力させることができる。
【0052】
<3.サーバ装置の機能構成>
図5を参照して、本実施形態に係るサーバ装置100の機能構成を説明する。図5に示すように、サーバ装置100は、制御部110と、通信部130と、記憶部140と、を備える。
【0053】
制御部110は、受付部111と、取得部112と、登録部113と、出力部114と、精算部115と、検証部116と、を備える。
【0054】
[受付部]
受付部111は、広告主装置200や事業者サーバ310、またはその他の外部装置から、各種要求を受け付ける。
【0055】
受付部111は、例えば、条件受付部111aを備えてもよい。条件受付部111aは、広告情報の広告主の広告主装置200から、事業者向けの広告に関する広告条件を受け付ける。
【0056】
受付部111は、例えば、インセンティブ受付部111bを備えてもよい。インセンティブ受付部111bは、例えば、事業者向けの広告を出力することで事業者に付与するインセンティブの登録を受け付ける。登録部113は、この受け付けられたインセンティブを示すインセンティブ情報を広告記憶部142に登録してもよい。
【0057】
インセンティブ情報は、例えば、インセンティブの提供条件、インセンティブの提供方法、インセンティブ精算方法の条件等を含んでもよい。また、インセンティブは、例えば、事業者ごとに設定されていてもよいし、事業者の類型ごとに設定されていてもよい。
【0058】
[取得部]
取得部112は、広告主装置200や事業者サーバ310、またはその他の外部装置から、各種情報を取得する。取得部112が各種情報を取得する態様に関してはどのような態様でもよい。取得部112は、ダッシュボードの画面に対して事業者から事業者情報が入力された際、この入力された事業者情報を示すメッセージを随時受信してもよい。また他の例として、取得部112は、例えば、広告主装置200や事業者サーバ310から、事業者情報や広告主情報を示すファイルをイベントドリブンまたはサイクリックに受信してもよい。また他の例として、取得部112は、例えば、広告主装置200や事業者サーバ310が実装するAPIに情報の参照を指示して、その参照の結果として情報を取得してもよい。
【0059】
取得部112は、事業者装置(事業者サーバ310や端末装置320)から、事業者が所持する1以上のデバイスを示すデバイス情報を取得する。
【0060】
デバイス情報は、事業者が所持するデバイスを示す情報である。デバイス情報は、例えば、可搬型機器か否か、デバイスを識別するためのデバイス識別情報、デバイスの種別(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ディスクトップPC、POSレジ、および/またはハンディ端末等)、特定のソフト(例えば、Webブラウザや特定のネイティブアプリ等)がインストール済みか否かを示す情報、デバイスのIPアドレス、デバイスのドメイン名、デバイスの位置情報(例えば、GPS情報等)、デバイスのセキュリティ状況等を含んでもよい。このセキュリティ状況は、例えば、マルウェア対策ソフトがインストール済みか否か、特定の脆弱性の有無、セキュリティリスクの高いソフトがインストールされていないかどうか等を示すものであってもよい。
【0061】
取得部112は、例えば、事業者装置である加盟店の加盟店装置(例えば、事業者サーバ310または端末装置320)から、加盟店の売り上げを示す売上情報を取得してもよい。売上情報は、事業者単位の売上を示すものであってもよいし、事業者の店舗ごとの売上を示すものであってもよい。
【0062】
取得部112は、例えば、条件受付部111aが受け付けた広告条件に関する情報に限定したデバイス情報を取得してもよい。この広告条件は、例えば、広告情報を出力するデバイスを限定する条件であってもよい。取得部112は、例えば、広告条件が「デバイスの位置が日本国内であること」とする広告を出力させる事業者デバイスを限定する条件である場合、デバイス情報としてデバイスの位置情報を取得してもよい。取得部112は、例えば、広告条件と関係のないデバイス情報は取得対象から外してもよい。
【0063】
デバイス情報は機密性の高い情報を多く含むため、取得するデバイス情報を必要最低限にする必要があることが考えられる。上記構成によれば、取得部112は、広告条件に合わせてデバイス情報を取得するため、セキュリティを確保しつつ、事業者向けの広告を効率的に出力させるための情報を取得することができる。
【0064】
[登録部]
登録部113は、受付部111が受け付けた各種要求や取得部112が取得した各種情報等を、記憶部140に登録する。
【0065】
[出力部]
出力部114は、後述する特定部114aにより特定された事業者デバイスに、広告情報を記憶する広告記憶部142を参照して、広告情報を出力させる。
【0066】
上記構成によれば、出力部114は、出力する広告に合った種別の事業者デバイスや広告情報と互換性のある特定のソフトをインストールしている事業者デバイスに広告を出力させることができる。このため、広告の内容に合った事業者デバイスをターゲットに広告を出力させることができ、BtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告を効率的に出力させることができる。
【0067】
出力部114は、特定部114aを備える。特定部114aは、取得部112により取得されたデバイス情報に基づいて、1以上の事業者デバイスの中から、事業者向けの広告を示す広告情報を出力する事業者デバイスを特定する。特定部114aは、例えば、広告の出力先の事業者デバイスとして、特定の種別(例えば、スマートフォンやタブレットのように可搬型の通信端末等)のデバイスを特定してもよい。また、特定部114aは、例えば、広告の出力先の事業者デバイスとして、広告情報と互換性のある特定のソフトをインストールしているデバイスを特定してもよい。また、特定部114aは、例えば、広告の出力先の事業者デバイスとして、セキュリティ状況が一定の基準を満たすデバイスを特定してもよい。
【0068】
特定部114aは、例えば、マッチング部114a1を備えてもよい。マッチング部114a1は、広告主の広告と、事業者または事業者デバイスとをマッチングさせる。前者の場合、言い換えれば、広告と、広告の出力先として事業者が所持するデバイスを全てマッチングさせる。特定部114aは、マッチング部114a1により広告とマッチングさせた事業者デバイスを、事業者向けの広告情報を出力するデバイスとして特定する。
【0069】
事業者が加盟店の場合、出力部114は、この加盟店で実行された決済手段による決済の履歴に関する決済履歴情報を記憶する決済記憶部141aを参照して、特定部114aにより特定されたデバイスに、この決済履歴情報に基づいて、広告情報を出力させてもよい。
【0070】
決済履歴情報は、例えば、事業者に対して決済手段により顧客から支払い決済された事業者の事業者識別情報、支払い決済した取引相手の識別情報(例えば、事業者識別情報等)、商品名またはサービス名、支払い決済した顧客の顧客情報、決済金額、支払い決済に利用された決済手段の決済手段情報(例えば、銀行振込みによる決済であれば銀行の口座番号やクレジットカード決済であればクレジットカード番号等)を含んでもよい。
【0071】
出力部114は、例えば、決済履歴情報に基づいて商品やサービスの売れ行きを特定する。出力部114は、特定した商品やサービスの売れ行きにより、売れ筋の商品やサービスと同じ種類の商品やサービスに関する広告に限定、または同じ種類の商品やサービスに関する広告を優先的に事業者デバイスに出力されてもよい。また、出力部114は、例えば、決済履歴情報に基づいて所定の閾値を超える回数分の支払い決済した取引相手を特定し、特定された取引相手と同じ類型(例えば、同じ業種や同じ対応エリア等)の事業者の事業者デバイスに広告を出力させてもよい。
【0072】
上記構成によれば、出力部114は、特定の商品やサービスの売れ行きや事業者における資金移動の状況等をふまえて広告を出力させることができる。また、出力部114は、取引が相対的に多い業種等をターゲットにして広告を出力させることもできる。さらに、決済事業者が提供する決済手段による決済履歴であれば、外部からの情報提供がなくても自前で用意することが可能である。このため、出力部114はBtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告をより効率的に出力させることができる。
【0073】
出力部114は、例えば、特定部114aにより特定されたデバイスに、取得部112により取得された売上情報に基づいて、広告情報を出力させてもよい。出力部114は、例えば、業種や規模ごとに設けられた基準より所定期間における売上金額の統計値(例えば、合計値や平均値等)が高いと判定した場合は、事業者への投資を提案する内容の広告を優先的に出力させてもよい。他方、業種や規模ごとに設けられた基準より所定期間における売上金額の統計値が低いと判定した場合は、事業者への融資を提案する内容の広告を優先的に出力させてもよい。
【0074】
売上情報は、所定期間における、各事業者または各店舗の売上を示す情報である。売上情報は、例えば、事業者識別情報または店舗識別情報、売上金額、売上個数、各売上における売上日時等を含む。
【0075】
売上情報は、例えば、事業者の店舗で使用されている事業者デバイスが発行したPOSデータを含んでもよい。POSデータは、例えば、商品が購入またはサービスが提供された日時、商品が購入またはサービスが提供された店舗、商品が購入された個数、購入された商品名または提供されたサービス名、購入された商品の価格等を含んでもよい。また、POSデータは、商品を購入またはサービスを提供した顧客の顧客情報(例えば、顧客の個人情報)や顧客の類型(例えば、顧客の性別や年齢層)を含んでもよい。
【0076】
上記構成によれば、出力部114は、加盟店の売上状況をふまえて広告を出力させることができる。このため、出力部114はBtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告をより効率的に出力させることができる。
【0077】
出力部114は、例えば、事業者に関する事業者情報を記憶する事業者記憶部141を参照して、特定部114aにより特定されたデバイスに、この事業者情報に基づいて、広告情報を出力させてもよい。出力部114は、例えば、事業者の事業規模に応じて出力させる広告を特定し(例えば、規模が中小企業であれば中小企業向けの広告に特定する)、この特定した広告に限定、またはこの特定した広告を優先的に出力させてもよい。出力部114は、例えば、事業者の店舗の対応エリアに応じて、出力させる広告を特定し(例えば、対応エリアが東京であれば東京にある店舗の広告に特定する)、この特定した広告に限定、またはこの特定した広告を優先的に出力させてもよい。
【0078】
事業者情報は、例えば、事業者のオーナーに関するオーナー情報、事業者が経営する店舗(またはフランチャイズ契約する店舗)の店舗情報、創業時期、事業規模、事業者の決済アカウント情報(口座情報)や資金移動情報、および/または事業者の売上情報等を含む。
【0079】
事業者情報は、例えば、公示情報を含んでもよい。公示情報は、公示されている事業者に関する情報であって、例えば、登記情報やインターネットの情報を含む。インターネトの情報は、例えば、SNSに掲載されている情報、各事業者のWebサイト(いわゆる、コーポレートサイト)で公開されている情報、またはEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)で開示されている情報等であってもよい。
【0080】
店舗情報は、事業者の店舗に関する情報である。店舗情報は、例えば、各店舗を識別するための店舗識別情報、店名、店舗で扱う商品やサービスを示す情報、開業時期、連絡先、住所、各店舗が対応可能なエリアを示す対応エリア(例えば、操業エリアや配達可能エリア等)、および/または営業日時等を含んでもよい。
【0081】
上記構成によれば、出力部114は、事業者や事業者の店舗の実態や状況をふまえて広告を出力させることができる。このため、出力部114はBtoBマーケティングにおいて事業者向けの広告をより効率的に出力させることができる。
【0082】
出力部114は、例えば、事業者装置(事業者サーバ310や端末装置320)に、事業者向けの広告に対する出力の設定を受け付けるための出力設定インタフェースとともに、登録されたインセンティブを示すインセンティブ情報を出力させてもよい。このような構成によれば、出力部114は、出稿を受け入れることで付与されるインセンティブを事業者に提示することで、広告の出稿を受け入れるこの事業者のモチベーションを上げることができる。このため、事業者向けの広告に対する出力の設定にあたって、事業者が積極的に広告の出稿を受け入れることを促進することができる。
【0083】
<広告情報の出力パターン>
ここで、図6を参照して、出力部114(特定部114aを含む)による広告情報の出力パターンの例を説明する。図6は、出力部114による広告情報の出力パターンの例を示す表である。図6に示すように、特定部114aは、例えば、酒類卸Aが広告主の場合、広告を出力する事業者の事業者情報とこの事業者の店舗の店舗情報とに基づいて、事業者の業種と店舗の開業時期と対応エリアを特定する。出力部114は、この特定の結果に基づいて、直近3カ月間に開店したホテルが所持するデバイスに対し、輸入ワインの仕入れを提案する広告情報を、出力させてもよい。
【0084】
[精算部]
図5に戻って説明を続ける。精算部115は、記憶部140に記憶する精算情報に基づいて、広告を出稿した対価の広告主からの支払いと、情報提供や広告の出稿を受け入れた対価の事業者への支払い(インセンティブの付与を含む)とをするための精算を行う。精算部115は、この精算のために、広告主から広告を出稿した対価の支払いを受けるための決済指示と、事業者に対して情報提供や広告の出稿した対価の支払いを行うための決済指示と、を外部システム500である決済インフラに行ってもよい。
【0085】
精算情報は、例えば、精算にあたっての決済手段、決済に使用するアカウント(口座)の決済アカウント情報、精算の条件等を含んでもよい。
【0086】
[検証部]
検証部116は、以下の履歴情報に基づいて、事業者装置に広告を出力させたことによる効果を検証する(効果の度合いを算出する)。
・広告出力履歴情報
・広告視聴履歴情報:事業者デバイスに出力された広告の閲覧等の履歴を示す情報。取得部112が事業者デバイスから取得する。
・決済履歴情報・売上情報:事業者デバイスに広告を出力した後に記憶部140に登録された情報
【0087】
検証部116は、上記検証の結果を示す情報を広告主に提供するために、通信部130により広告主装置200に送信してもよい。
【0088】
[通信部]
通信部130は、ネットワークNを介して、広告主装置200や事業者装置(事業者サーバ310や端末装置320)、またはその他の外部の装置等との間で各種情報を送受信する。
【0089】
[記憶部]
記憶部140は、広告システム1に関する各種情報を記憶する。記憶部140は、例えば、事業者記憶部141と、広告記憶部142と、を備える。事業者記憶部141は、事業者情報を記憶する。広告記憶部142は、広告主情報、広告情報、出力設定情報、インセンティブ情報、および/または広告出力履歴情報等を関連付けて記憶する。
【0090】
<4.動作例>
図7を参照して、サーバ装置100の動作例を説明する。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0091】
図6に示すように、サーバ装置100の条件受付部111aは、広告情報の広告主の広告主装置200から、事業者向けの広告に関する広告条件を受け付ける(S10)。取得部112は、この広告条件に基づいて、事業者装置から、デバイス情報を取得する。具体的には、取得部112は、広告条件に関する情報に限定したデバイス情報を取得する(S11)。
【0092】
サーバ装置100の特定部114aは、デバイス情報に基づいて、事業者が所持する1以上のデバイスの中から、事業者向けの広告を示す広告情報を出力するデバイスを特定する(S12)。サーバ装置100の出力部114は、この特定されたデバイスに、上記広告情報を記憶する広告記憶部142を参照して、この広告情報を出力させる(S13)。
【0093】
<5.ハードウェア構成>
図8を参照して、上述してきたサーバ装置100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0094】
図8に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、および表示装置813を含む。
【0095】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、サーバ装置100の制御部110が備える各機能部等は、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0096】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0097】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、事業者情報や広告情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0098】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0099】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0100】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0101】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0102】
なお、上記実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0103】
[変形例]
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0104】
[変形例1]
上記実施形態に係るサーバ装置100の制御部110に含まれる機能部の一部は、広告主装置200や事業者装置が備えていてもよい。
【0105】
[変形例2]
上記実施形態では、事業者情報を記憶する事業者記憶部や広告情報を記憶する広告記憶部は、サーバ装置100が備える例を説明したが、サーバ装置100以外の装置、例えば広告主装置200や事業者装置、外部システム500の装置が備えてもよい。また例えば、事業者装置が備える事業者記憶部を参照する際は、事業者装置が当該参照のために実装するAPIを利用してもよいし、事業者装置にスクレイピングモデル等のようにリモートアクセスしてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…広告システム、100…サーバ装置、110…制御部、111…受付部、112…取得部、113…登録部、114…出力部、115…精算部、116…検証部、130…通信部、140…記憶部、200…広告主装置、300…事業者システム、310…事業者サーバ、320…端末装置、500…外部システム、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8