(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】データ管理方法、装置及びデバイス並びにインテリジェントビークル
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20240628BHJP
B60R 16/023 20060101ALI20240628BHJP
H04L 43/10 20220101ALI20240628BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
B60R16/023 P
H04L43/10
H04L12/28 100A
(21)【出願番号】P 2022529406
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2020092762
(87)【国際公開番号】W WO2021098179
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】201911142908.5
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シウボー
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/116870(WO,A1)
【文献】特開2003-115847(JP,A)
【文献】特開2017-091355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0250611(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0258251(US,A1)
【文献】特開2019-089382(JP,A)
【文献】特開2019-134301(JP,A)
【文献】清水 直茂,GM無人運転車 打倒 グーグル最右翼 19年量産,日経Automotive 第85号 NIKKEI Automotive,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2018年03月11日,P.50-56
【文献】野辺 継男 TSUGUO NOBE,徹底解説 ICTが創るクルマの未来 第1版 ,第1版,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc. 望月 洋介,2015年12月11日,P.36-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
B60R 16/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ管理方法であって、
第1のインテリジェント運転コントローラにより、前記第1のインテリジェント運転コントローラに接続された第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信するステップであり、前記第1のグループのセンサは少なくとも1つの第1のセンサを含み、前記第1のデータは前記第1のグループのセンサにより収集されたデータである、ステップと、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信するステップであり、前記第2のデータは、前記第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータであり、前記第2のグループのセンサは少なくとも1つの第2のセンサを含む、ステップと、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、前記第1のデータ及び前記第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定するステップと
を含み、
各グループのセンサは、予め設定された規則に従ってグループ化された異なるセンサを含み、前記予め設定された規則は、まず、前記インテリジェントビークル内の各センサの位置に基づいて前記センサをグループ化することであり、同じグループ内のセンサは、前記インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集できることと、次いで、センサタイプに基づいて前記センサをグループ化することであり、各センサは1つのセンサグループのみに属することとを含
み、
前記第1のインテリジェント運転コントローラ及び前記第2のインテリジェント運転コントローラのそれぞれは、第1の制御モジュール、第2の制御モジュール及び相互接続モジュールを含み、
前記第1の制御モジュール及び前記第2の制御モジュールは、高速バスを通じて前記相互接続モジュールと別々に通信し、
前記第1の制御モジュールは、低速バスを通じて前記第2の制御モジュールと通信し、
前記相互接続モジュールは、異なるインテリジェント運転コントローラの間でデータを伝送するように構成され、
当該方法は、
前記第1のインテリジェント運転コントローラの前記第1の制御モジュールにより、前記相互接続モジュールを構成及び管理するステップと、
前記第1のインテリジェント運転コントローラの前記第2の制御モジュールにより、前記第1の制御モジュールが故障したときに前記相互接続モジュールを管理するステップと
を更に含む、方法。
【請求項2】
当該方法は、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、前記第1のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールを使用することにより、プローブ要求信号を前記第1のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに送信するステップと、
プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、前記第1の制御モジュールが故障していると決定するステップであり、Kは正の整数である、ステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法は、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、プローブ要求信号を前記第2のインテリジェント運転コントローラに送信するステップと、
プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、前記第2のインテリジェント運転コントローラが故障していると決定するステップであり、Kは正の整数である、ステップと
を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、前記第1のデータを前記第2のインテリジェント運転コントローラに送信するステップであり、それにより、前記第2のインテリジェント運転コントローラは、前記第1のデータ及び前記第2のデータに基づいて前記インテリジェントビークルの第2の移動軌跡を決定し、前記第2の移動軌跡を仲裁器に送信する、ステップを更に含む、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
当該方法は、
前記第1のインテリジェント運転コントローラにより、前記第1の移動軌跡を前記仲裁器に送信するステップであり、それにより、前記仲裁器は、前記第1の移動軌跡及び前記第2の移動軌跡に基づいて前記インテリジェントビークルの移動軌跡を決定する、ステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサ及びメモリを含むデータ管理デバイスであって、
前記メモリは、コンピュータ命令を記憶するように構成され、
前記プロセッサは、前記コンピュータ命令に従って、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、データ管理デバイス。
【請求項7】
第1のグループのセンサに接続された第1のインテリジェント運転コントローラと、第2のグループのセンサに接続された第2のインテリジェント運転コントローラとを含むデータ管理システムであって、
前記第1のインテリジェント運転コントローラは、
前記第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信するように構成され、前記第1のグループのセンサは少なくとも1つの第1のセンサを含み、前記第1のデータは前記第1のグループのセンサにより収集されたデータであり、
前記第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信するように構成され、前記第2のデータは、前記第2のグループのセンサにより収集されたデータであり、前記第2のグループのセンサは少なくとも1つの第2のセンサを含み、
前記第1のデータ及び前記第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定するように構成され、
前記第1のグループのセンサ及び前記第2のグループのセンサのそれぞれは、予め設定された規則に従ってグループ化された異なるセンサを含み、前記予め設定された規則は、まず、前記インテリジェントビークル内の各センサの位置に基づいて前記センサをグループ化することであり、同じグループ内のセンサは、前記インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集できることと、次いで、センサタイプに基づいて前記センサをグループ化することであり、各センサは1つのセンサグループのみに属することとを含
み、
前記第1のインテリジェント運転コントローラ及び前記第2のインテリジェント運転コントローラのそれぞれは、第1の制御モジュール、第2の制御モジュール及び相互接続モジュールを含み、
前記第1の制御モジュール及び前記第2の制御モジュールは、高速バスを通じて前記相互接続モジュールと別々に通信し、
前記第1の制御モジュールは、低速バスを通じて前記第2の制御モジュールと通信し、
前記第1の制御モジュールは、前記相互接続モジュールを構成及び管理するように構成され、
前記第2の制御モジュールは、前記第1の制御モジュールが故障したときに前記相互接続モジュールを管理するように構成され、
前記相互接続モジュールは、異なるインテリジェント運転コントローラの間でデータを伝送するように構成される、データ管理システム。
【請求項8】
前記第1のインテリジェント運転コントローラは、前記第1のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールを使用することにより、プローブ要求信号を前記第1のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに送信し、
プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、前記第1の制御モジュールが故障していると決定するように更に構成され、Kは正の整数である、請求項
7に記載のデータ管理システム。
【請求項9】
前記第1のインテリジェント運転コントローラは、
プローブ要求信号を前記第2のインテリジェント運転コントローラに送信し、
プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、前記第2のインテリジェント運転コントローラが故障していると決定するように更に構成され、Kは正の整数である、請求項7
又は8に記載のデータ管理システム。
【請求項10】
前記第1のインテリジェント運転コントローラは、前記第1のデータを前記第2のインテリジェント運転コントローラに送信するように更に構成され、
前記第2のインテリジェント運転コントローラは、前記第1のデータ及び前記第2のデータに基づいて前記インテリジェントビークルの第2の移動軌跡を決定し、前記第2の移動軌跡を仲裁器に送信するように構成される、請求項7乃至
9のうちいずれか1項に記載のデータ管理システム。
【請求項11】
前記第1のインテリジェント運転コントローラは、前記第1の移動軌跡を前記仲裁器に送信するように更に構成され、
前記仲裁器は、前記第1の移動軌跡及び前記第2の移動軌跡に基づいて前記インテリジェントビークルの移動軌跡を決定するように構成される、請求項
10に記載のデータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2019年11月20日に中国国家知識産権局に出願された「DATA MANAGEMENT METHOD, APPARATUS, AND DEVICE, AND INTELLIGENT VEHICLE」という名称の中国特許出願第201911142908.5号に対する優先権を主張し、その全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
この出願は、ビークル(vehicle)の分野に関し、特に、データ管理方法、装置及びデバイス並びにインテリジェントビークルに関する。
【背景技術】
【0003】
人工知能(artificial intelligence, AI)技術が従来のビークルの分野に適用されるにつれて、インテリジェント運転が徐々にビークルの分野では避けられない開発傾向になっている。インテリジェント運転の研究方向は自動運転(automated driving, AD)である。米国自動車技術者協会(SAE International)は、L0~L5のような、低いものから高いものまで自動化の程度に基づいた自動運転の複数のレベルを定義しており、L1は手動運転を表し、L5は完全自動運転を表す。インテリジェントビークルの機能安全性に対する要件はレベルと共に増加する。
【0004】
インテリジェントビークル内の様々なタイプのセンサは、ビークルゲートウェイを使用することによりインテリジェント運転コントローラに接続される。ビークルゲートウェイは、センサにより収集されたデータをインテリジェント運転コントローラに送信し、次いで、インテリジェント運転コントローラがビークルを制御する。インテリジェントビークルのセキュリティ及び信頼性の要件を満たすために、通常では、複数のビークルゲートウェイがインテリジェントビークル内に配置される。インテリジェント運転コントローラは、ビークルゲートウェイを使用することによりセンサと通信する。ビークルゲートウェイは、センサにより収集されたデータを収集して集約し、次いで、集約されたデータをインテリジェント運転コントローラに送信する。しかし、複数のゲートウェイの配置は、ビークル内の限られた空間を占有し、全体のビークルのコストを増加させる。したがって、実現するのが容易であり低いコストを有するデータ管理手法をどのように提供するかは、早急に解決すべき技術的課題になっている。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、センサ冗長性を実現し、インテリジェント運転のセキュリティ及び信頼性を確保するためのデータ管理方法、装置及びデバイス並びにシステムを提供する。さらに、外部ゲートウェイのような、ビークル内の限られた空間を占有する更なるハードウェアデバイスは追加されない。これは実現するのが容易であり低いコストを有する。
【0006】
第1の態様によれば、データ管理方法が提供され、当該方法は、インテリジェントビークルのセンサ管理システムに適用される。センサ管理システムは、少なくとも2つのグループのセンサ及び少なくとも2つのインテリジェント運転コントローラを含み、各グループのセンサは、1つのインテリジェント運転コントローラに接続され、異なるインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。当該方法は以下を含む。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信し、第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータであり、次いで、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信し、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータであり、第2のグループのセンサは少なくとも1つの第2のセンサを含み、第2のデータは第2のグループのセンサにより収集されたデータであり、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する。上記の方法によれば、センサはグループ化され、異なるインテリジェント運転コントローラに接続され、インテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより、センサにより収集されたデータを転送し、それにより、各グループのセンサにより収集されたデータの集約が各インテリジェント運転コントローラで実現され、センサ冗長性が実現される。この方法では、ビークル内の限られた空間を占有する外部ゲートウェイのようなハードウェアデバイスは追加されない。これは実現するのが容易であり低いコストを有する。
【0007】
可能な実現方式では、各グループのセンサは、予め設定された規則に従って分割された異なるセンサグループを含み、予め設定された規則は、まず、インテリジェントビークル内のセンサの位置に基づいてセンサをグループ化することを含み、同じグループ内のセンサは、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集できる。このように、仮に1つのグループのセンサ又は1つのセンサが故障したとしても、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータは、他のセンサグループに基づいて取得でき、次いで、センサタイプに基づいてセンサをグループ化し、各センサは1つのセンサグループのみに属する。
【0008】
他の可能な実現方式では、各インテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュール、第2の制御モジュール及び相互接続モジュールを含む。第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、高速バスを通じて相互接続モジュールと別々に通信し、第1の制御モジュールは、低速バスを通じて第2の制御モジュールと通信する。第1の制御モジュールは、相互接続モジュールを構成及び管理するように構成され、第2の制御モジュールは、第1の制御モジュールが故障したときに相互接続モジュールを管理するように構成され、相互接続モジュールは、異なるインテリジェント運転コントローラの間でデータを伝送するように構成される。
【0009】
他の可能な実現方式では、第1のインテリジェント運転コントローラは、3つのモードを含む。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高いとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、デュアルコントローラ冗長モードに設定される。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高くないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールのみの制御モードに設定される。第1の制御モジュールが故障したとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2の制御モジュールのみの制御モードに設定される。
【0010】
他の可能な実現方式では、第1のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールは、高速バスを通じて第2のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールと通信し、第1のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールは、低速バスを通じて第2のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールと通信する。
【0011】
他の可能な実現方式では、当該方法は以下を更に含む。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールを使用することにより、プローブ要求信号を第1のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに送信し、プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールが故障していると決定し、Kは正の整数である。
【0012】
他の可能な実現方式では、当該方法は以下を更に含む。第1のインテリジェント運転コントローラは、プローブ要求信号を第2のインテリジェント運転コントローラに送信し、プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラが故障していると決定し、Kは正の整数である。
【0013】
他の可能な実現方式では、当該方法は以下を更に含む。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータを第2のインテリジェント運転コントローラに送信し、それにより、第2のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第2の移動軌跡を決定し、第2の移動軌跡を仲裁器に送信する。
【0014】
他の可能な実現方式では、当該方法は以下を更に含む。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の移動軌跡を仲裁器に送信し、それにより、仲裁器は、第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡に基づいてインテリジェントビークルの移動軌跡を決定する。
【0015】
第2の態様によれば、この出願は、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによるデータ管理方法を実行するように構成されたユニットを含むデータ管理装置を提供する。
【0016】
第3の態様によれば、この出願は、プロセッサ及びメモリを含むデータ管理デバイスを提供し、メモリは、コンピュータ命令を記憶するように構成され、プロセッサは、コンピュータ命令に従って、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれかの1つを実行するように構成される。
【0017】
第4の態様によれば、この出願はインテリジェント運転ビークルを提供し、インテリジェントビークルはセンサ管理システムを含む。センサ管理システムは、少なくとも2つのグループのセンサを含み、各グループのセンサは、1つのインテリジェント運転コントローラに接続され、異なるインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信し、第1のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成される。第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである。第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信し、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータである。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する。
【0018】
第5の態様によれば、この出願はセンサ管理システムを提供し、センサ管理システムは、少なくとも2つのグループのセンサを含み、各グループのセンサは、1つのインテリジェント運転コントローラに接続され、異なるインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信し、第1のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成される。第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである。第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信し、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータである。第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する。
【0019】
第6の態様によれば、この出願はコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは、上記の態様における方法を実行することが可能になる。
【0020】
第7の態様によれば、この出願は命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは、上記の態様による方法を実行することが可能になる。
【0021】
上記の態様において提供される実現方式に基づいて、この出願は、更なる組み合わせを通じてより多くの実現方式を提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この出願によるインテリジェントビークルのデータ管理システムの論理アーキテクチャの概略図である。
【
図2】この出願によるインテリジェントビークルのデータ管理システムの他の論理アーキテクチャの概略図である。
【
図3】この出願によるインテリジェントビークルのセンサ管理システム内のセンサのグループ化の概略図である。
【
図4】この出願によるインテリジェントビークルのインテリジェント運転コントローラの構造の概略図である。
【
図5】この出願によるインテリジェントビークルのためのデータ管理方法の概略フローチャートである。
【
図6】この出願によるインテリジェントビークルのためのデータ管理方法の相互作用図である。
【
図7】この出願によるインテリジェントビークルのデータ管理装置の構造の概略図である。
【
図8】この出願によるインテリジェントビークルのデータ管理デバイスの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、この出願の実施形態における添付図面を参照して、この出願の技術的解決策について明確に説明する。
【0024】
図1は、この出願によるインテリジェントビークルのセンサ管理システムの論理構造の概略図である。図面に示すように、システムは、センサ11及びインテリジェント運転コントローラ12を含む。センサ11は、具体的には単一ポートのデバイスでもよい。すなわち、センサ11は、1つのデータ伝送ポートのみを含み、データ伝送ポートを通じてデータをインテリジェント運転コントローラ12に伝送する。システムは、2つ以上のインテリジェント運転コントローラ12を含む。冗長設計は、2つ以上のインテリジェント運転コントローラ12の異なるデバイスの間で形成される。インテリジェント運転コントローラ12のいずれかのデバイスが故障したとき、インテリジェントビークルの安全性及び信頼性に影響を与えるインテリジェント運転コントローラ12の単一障害点を回避するために、他のデバイスは、データ処理プロセスの完了を支援してもよい。
【0025】
図1におけるセンサ11は、具体的には、レーダ1101及びイメージキャプチャデバイス1102を含んでもよい。レーダ1101は、光検出及び測距(light detection and ranging, lidar)並びに無線検出及び測距(radio detection and ranging, radar)を含んでもよく、無線検出及び測距は、電波に基づいてミリメートル波レーダ(millimeter wave radar, mmw radar)及び超音波レーダ(Ultrasonic radar)に更に分割される。lidarは広い検出範囲及び高い検出精度を有し、mmw raderは強い浸透能力を有し、複雑で変化しやすい天候に適応でき、比較的安定した検出性能を有することを考慮して、実際の用途では、少なくとも1つのlidar及び1つのmmw raderが目標検出のためにインテリジェントビークルに構成される。イメージキャプチャデバイス1102は、カメラを有するいずれかのデバイスでもよく、例えば、カメラでもよい。
【0026】
上記のコンポーネント又はデバイスは、コントローラエリアネットワーク(controller area network, CAN)、ビークルイーサネット等を通じて互いに通信してもよい。これは、この出願では限定されない。冗長設計を形成するインテリジェント運転コントローラ12内のデバイスは、同じタイプのデバイスでもよく、或いは、いくつかの場合には異なるタイプのデバイス、例えば、異なるタイプのコントローラでもよい。さらに、インテリジェント運転コントローラ12は、この出願における単なる例である。他の可能な実現方式では、センサ管理システムは、他のタイプのコントローラ、例えば、ビークル制御ユニット、及びビークル制御ユニットに対応するセンサを含んでもよい。
【0027】
任意選択で、単一ポートのデバイスに加えて、さらに、センサはマルチポートのデバイスでもよい。これは、この出願では限定されない。
【0028】
図2は、この出願の実施形態によるインテリジェントビークルのセンサ管理システムの他の論理構造の図である。
図2と
図1との間の相違点は、インテリジェント運転コントローラの構造及びセンサとインテリジェント運転コントローラとの間の関係が
図2において更に説明されることである。図面に示すように、センサは、複数のグループに分割され、各グループのセンサは、1つのインテリジェント運転コントローラに接続され、異なるインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。説明を容易にするために、少なくとも2つのグループのセンサは、センサグループ1~Nとして順に示されてもよい。グループのセンサに接続されたインテリジェント運転コントローラは、インテリジェント運転コントローラ1~Nとして順に示されてもよく、Nは1よりも大きい正の整数である。
【0029】
インテリジェント運転コントローラi(iは1~Nのいずれかの整数である)は、グループのセンサ、すなわち、インテリジェント運転コントローラiに接続されたセンサグループiにより送信された第1のデータを受信し、他のインテリジェント運転コントローラ(例えば、インテリジェント運転コントローラ1~N内のインテリジェント運転コントローラi以外のインテリジェント運転コントローラ)により送信された第2のデータを受信してもよく、第2のデータは、他のインテリジェント運転コントローラに接続されたセンサグループ(例えば、センサグループ1~N内のセンサグループi以外のセンサグループ)により収集されたデータである。次いで、インテリジェント運転コントローラiは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの移動軌跡を決定する。
【0030】
図2に示す実施形態では、センサは、予め設定された規則に従って具体的にグループ化されてもよい。予め設定された規則は、まず、インテリジェントビークル内のセンサの位置に基づいてセンサをグループ化することでもよく、各センサは1つのセンサグループのみに属し、同じグループ内のセンサは、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集できる。或るグループのセンサ又は1つのセンサが故障したとき、領域内のデータ欠落のためにインテリジェントビークルが制御不能になるのを防ぐために、他のグループのセンサは、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域内のデータを依然として収集できる。次いで、センサは、センサタイプに基づいてグループ化され、それにより、センサグループ内の全てのセンサが同じタイプであるという理由で或るグループのセンサが或るタイプのデータを収集しない場合を回避するように、各グループのセンサは、可能な限り多くのセンサタイプをカバーする。
【0031】
理解を容易にするために、この出願は、センサグループ化プロセスを説明するための特定の例を更に提供する。
図3を参照する。センサ管理システムは、3つのタイプのセンサ、すなわち、lidar、radar及びcameraを含んでもよい。各タイプのセンサの数は4であり、4つのセンサは、前方、後方、左方及び右方のようなビークル本体の4つの方向をカバーする。センサは、まず、インテリジェントビークルの位置に基づいてグループ化される。例えば、2つの前方センサ、2つの左方センサ、1つの右方センサ及び1つの後方センサが第1のグループに分割され、1つの前方センサ、1つの左方センサ、2つの右方センサ及び2つの後方センサが第2のグループに分割される。このように、第1のグループのセンサ及び第2のグループのセンサの双方は、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集できる。次いで、センサは、センサのタイプに基づいてグループ化される。例えば、2つのlidar、2つのradar及び2つのcameraが第1のグループに分割され、他の2つのlidar、2つのradar及び2つのcameraが第2のグループに分割される。
【0032】
この例では、第1のグループのセンサは、前方lidar、左方camera、後方lidar、後方radar、右方radar及び右方cameraを含んでもよい。第2のグループのセンサは、前方radar、前方camera、左方lidar、左方camera、後方camera及び右方lidarを含んでもよい。各グループ内のセンサの数は、同じでもよく或いは異なってもよいことが理解され得る。例えば、いくつかの場合、第1のグループ内のセンサの数は7でもよく、第2のグループ内のセンサの数は5でもよい。実際の用途では、各グループ内のセンサの数のバランスは、各グループのセンサに接続されたインテリジェント運転コントローラのバランスを実現してもよい。
【0033】
各インテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュール、第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールを含む。第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールの双方は、相互接続モジュールを構成して管理してもよい。相互接続モジュールの構成は、主に、相互接続モジュールを起動するための伝送パラメータを構成することを含む。伝送パラメータは、ポート、仮想ローカルエリアネットワーク(Virtual Local Area Network, VLAN)及び伝送レートを含んでもよい。相互接続モジュールの管理は、主に、相互接続モジュールの動作状態を監視することと、相互接続モジュールにより伝送されたデータを検査することとを含む。
【0034】
デュアルコントローラ冗長構成が第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールを使用することにより相互接続モジュールで実行されたとき、第1の制御モジュールは、デフォルトで、相互接続モジュール上でパワーオン及びリセットデアサート(reset deassertion)を実行し、相互接続モジュールの伝送パラメータを構成し、相互接続モジュールを起動する。相互接続モジュールは、相互接続モジュールに接続されたグループのセンサにより送信されたデータを受信し、次いで、データをインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュール及び他のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに伝送する。このように、各インテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールは、インテリジェント運転コントローラに接続されたセンサにより収集されたデータと、他のセンサにより収集されて他のインテリジェント運転コントローラにより共有されたデータとを受信してもよい。したがって、各インテリジェント運転コントローラは、センサ1~Pにより収集されたデータを取得できる。
【0035】
インテリジェント運転コントローラが故障したとき、例えば、第1の制御モジュールが故障したとき、第2の制御モジュールは、相互接続モジュールを引き継ぎ、相互接続モジュールの動作状態を監視し、相互接続モジュールにより伝送されたデータを検査する。相互接続モジュールが監督されないという理由でインテリジェントビークルが制御不能である場合が回避でき、相互接続モジュールは依然として正常に動作できる。この場合、相互接続モジュールは、相互接続モジュールに接続されたグループのセンサにより送信されたデータを受信し、データを他のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに伝送してもよい。他のインテリジェント運転コントローラは、センサ1~Pからデータを依然として取得できる。これは、データ完全性を確保し、データ冗長性を実現する。相互接続モジュールに対する第1の制御モジュールの影響を回避するために、独立したクロック及び電源が相互接続モジュールに構成されてもよい点に留意すべきである。
【0036】
実際の用途では、インテリジェント運転コントローラの相互接続モジュール、第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、3つの独立したチップを使用することにより実現されてもよく、各チップは、プロセッサ及び記憶ユニットを含む。プロセッサは、いずれかのタイプのプロセッサでもよい。例えば、プロセッサは、中央処理装置(central processing unit, CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit, ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array, FPGA)でもよい。
【0037】
可能な実現方式では、インテリジェント運転コントローラは、代替として、2つの独立したチップを使用することにより実現されてもよい。相互接続モジュール及び第2の制御モジュールは、一方のチップに配置され、第1の制御モジュールは、他方のチップに独立して配置される。さらに、インテリジェント運転コントローラは、代替として、1つのチップを使用することにより実現されてもよく、相互接続モジュール及び第2の制御モジュールのソフトウェア機能は、第1の制御モジュールのチップを使用することにより実現される。
【0038】
信頼性及びコストを考慮して、実際の用途では、
図4を参照する。システムオンチップ(system on chip, SoC)が第1の制御モジュールとして使用されてもよく、セキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高いマイクロコントローラ(microcontroller unit, MCU)が第2の制御モジュールとして使用されてもよい。例えば、予め設定されたレベルは、自動車安全水準(automotive safety integration level, ASIL)Bであり、ASIL DのMCUは第2の制御モジュールとして使用されてもよい。相互接続モジュールは、ローカルエリアネットワークスイッチ(local area network switch, LSW)を使用することにより実現されてもよい。
【0039】
図1及び
図2に示すシステムアーキテクチャは、この出願において提供されるデータ管理方法において提供されるシステムアーキテクチャの単なる例である点に留意すべきである。
図3に示すセンサとインテリジェント運転コントローラとの間の接続関係は、この出願において提供されるデータ管理方法において提供されるセンサのグループ化をより良く説明するための単なる例である。
図4に示すインテリジェント運転コントローラの構造は、この出願において提供されるデータ管理方法において提供されるインテリジェント運転コントローラの構造をより良く説明するための単なる例である。これらは、この出願の実施形態に対する限定を構成しない。
【0040】
この出願はデータ管理方法を提供する。当該方法では、センサはグループ化され、各グループのセンサは、1つのインテリジェント運転コントローラに接続される。インテリジェント運転コントローラ内の相互接続モジュールは、インテリジェント運転コントローラ内のスイッチングセンタとして機能する。各インテリジェント運転コントローラは、スイッチングセンタを使用することにより、インテリジェント運転コントローラに接続された或るグループのセンサにより収集されたデータを受信し、他のグループのセンサにより収集されて他のインテリジェント運転コントローラにより送信されたデータを受信してもよい。このように、各インテリジェント運転コントローラは、センサ冗長性の解決策を実現するための完全なセンサデータを取得できる。インテリジェント運転コントローラは、完全なセンサデータに基づいてインテリジェントビークルの移動軌跡を生成し、移動軌跡に従ってインテリジェントビークルが移動するときの運転安全性が確保できる。さらに、当該方法では、ハードウェアデバイスがカスタマイズされる必要はなく、ビークルゲートウェイ及びビークルゲートウェイに接続されたケーブルのような更なるハードウェアデバイスが追加されない。したがって、ビークル内の限られた空間が占有されず、配備が簡単であり、コストが低減される。
【0041】
さらに、この出願では、デュアルコントローラ冗長構成がインテリジェント運転コントローラ内の第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールを使用することにより相互接続モジュールで更に実行され、それにより、第1の制御モジュールが故障したとき、第2の制御モジュールは相互接続モジュールを引き継いで監視し、相互接続モジュールに対する第1の制御モジュールの影響を回避する。相互接続モジュールは、相互接続モジュールでの冗長な制御管理を実現するために、データを他のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに依然として伝送できる。これは、単一のインテリジェント運転コントローラの信頼性及びセキュリティを改善する。さらに、センサは、まず、インテリジェントビークル内のセンサの位置に基づいてグループ化され、次いで、センサタイプに基づいてグループ化され、それにより、各グループのセンサは、ビークル本体の周囲の360度の領域をカバーできる。仮に或るセンサ又は或るグループのセンサが故障したとしても、信頼性及び耐故障能力を更に改善するために、インテリジェント運転コントローラはまた、他のグループのセンサにより収集されて他のインテリジェント運転コントローラにより共有されたデータに基づいてデータ冗長性を実現できる。
【0042】
次に、この出願において提供されるデータ管理方法について、センサシステムが2つのインテリジェント運転コントローラを含む例を使用することにより、
図5を参照して説明する。図面に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0043】
S501:第1のグループのセンサは、第1のデータを第1のインテリジェント運転コントローラに送信する。
【0044】
第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである。第1のグループのセンサは、第1のインテリジェント運転コントローラに接続され、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成される。実際の用途では、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサと第1のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続を通じて、センサ構成情報を第1のグループのセンサに事前に送信してもよく、それにより、第1のグループのセンサは、センサ構成情報に基づいて収集周期及びセンサ角度のような収集パラメータを構成する。このように、センサは、上記の収集パラメータに基づいて第1のデータを収集し、第1のグループのセンサと第1のインテリジェント運転コントローラとの間のリンクを通じて第1のデータを第1のインテリジェント運転コントローラに送信してもよい。
【0045】
第1のグループのセンサが第1のデータを送信するプロセスにおいて、第1のインテリジェント運転コントローラは、受信した第1のデータに基づいてセンサ構成情報を更に更新し、次いで、更新されたセンサ構成情報を第1のグループのセンサに送信してもよく、それにより、第1のグループのセンサは、更新された構成情報に基づいて収集パラメータを調整する。例えば、第1のデータのデータ量が要件を満たすことができないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、センサの収集周期を調整するようにセンサ構成情報を更に更新してもよい。
【0046】
第1のデータのデータ量が比較的大きいことを考慮して、第1のグループのセンサと第1のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続は、高速バスを使用することにより実現されてもよい。高速バスは、レートが予め設定されたレートよりも高いバスであり、具体的には、ビークルイーサネット又はペリフェラルコンポーネントインターコネクト・エクスプレス(Peripheral Component Interconnect express, PCI-Express)でもよい。第1のデータがビデオストリームであるとき、高速バスは、代替として、低電圧差動信号(Low Voltage Differential Signaling, LVDS)バスでもよい点に留意すべきである。
【0047】
S502:第2のグループのセンサは、第2のデータを第2のインテリジェント運転コントローラに送信する。
【0048】
第2のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第2のデータは第2のグループのセンサにより収集されたデータである。第2のグループのセンサは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続され、第2のインテリジェント運転コントローラは、第2のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成される。第2のグループのセンサは、第1のグループのセンサと同じ方式で、第2のデータを第2のインテリジェント運転コントローラに送信してもよい。第2のグループのセンサと第2のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続は、第1のグループのセンサと第1のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続と同じ方式で実現されてもよい。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0049】
S501及びS502は、同時に実行されてもよく、或いは、指定の順序で実行されてもよい点に留意すべきである。これは、この出願では限定されない。
【0050】
S503:第2のインテリジェント運転コントローラは、第2のデータを第1のインテリジェント運転コントローラに送信する。
【0051】
インテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。したがって、第2のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールを使用することにより、第2のデータを第1のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールに送信してもよい。このように、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより収集された第1のデータと、第2のグループのセンサにより収集された第2のデータとを取得してもよく、すなわち、完全なデータを取得できる。
【0052】
相互接続モジュールの間のリンク接続は、高速バスを使用することにより実現されてもよい。伝送レートを考慮して、リンク接続は、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet, GE)又は10ギガビットイーサネット(XGE, 10 GE)により実現されてもよい。
【0053】
S504:第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する。
【0054】
インテリジェント運転コントローラは、センサにより収集されたデータに基づく計算を通じて、インテリジェントビークルの移動軌跡を決定してもよいことが理解され得る。移動軌跡は、移動パラメータを使用することにより識別されてもよく、上記の移動パラメータに従って移動するようにインテリジェントビークルに指示するために使用される。移動パラメータは、移動速度、移動加速度及び移動方向を含む情報を具体的に含んでもよい。実際の用途では、移動速度、移動加速度及び移動方向は、時間と共に変化する曲線、すなわち、速度曲線、加速度曲線及び方向曲線を使用することにより表されてもよい。説明を容易にするために、この出願のこの実施形態では、第1のデータ及び第2のデータに基づいて第1のインテリジェント運転コントローラにより決定された移動軌跡は、第1の移動軌跡と呼ばれる。
【0055】
S505:第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の移動軌跡を仲裁器に送信する。
【0056】
センサ管理システムが複数のインテリジェント運転コントローラを含んでもよく、各インテリジェント運転コントローラが、センサにより収集されたデータに基づいて移動軌跡を決定してもよいことを考慮して、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の移動軌跡を仲裁器に更に送信してもよく、それにより、最終的な移動軌跡を決定するために、仲裁器が第1の移動軌跡及び他のインテリジェント運転コントローラにより送信された移動軌跡に基づいて仲裁を実行する。これは、インテリジェント運転のセキュリティ及び信頼性を確保できる。
【0057】
この実施形態では、仲裁器は、複数のインテリジェント運転コントローラにより送信された移動軌跡を仲裁できるコンポーネントである。一例として、仲裁器はビークル制御ユニットでもよい。ビークル制御ユニットは、受信した移動軌跡に基づいて最終的な移動軌跡を決定し、最終的な移動軌跡に従ってインテリジェントビークルが移動するのを制御してもよい。明らかに、いくつかの可能な実現方式では、仲裁器は、代替として、他のコンポーネントでもよく、例えば、移動軌跡の仲裁に専用のコンポーネントでもよい。
【0058】
第1のインテリジェント運転コントローラは、具体的には、仲裁器と第1のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続を通じて、第1の移動軌跡を仲裁器に送信してもよい。リンク接続は、高速バスを使用することにより実現されてもよい。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0059】
S506:第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータを第2のインテリジェント運転コントローラに送信する。
【0060】
具体的には、第1のインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールの間のリンク接続を通じて第2のインテリジェント運転コントローラと更に通信し、第1のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールを使用することにより第1のデータを第2のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールに送信してもよい。このように、第2のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより収集された第1のデータと、第2のグループのセンサにより収集された第2のデータとを取得してもよく、すなわち、完全なデータを取得してもよい。
【0061】
S507:第2のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第2の移動軌跡を決定する。
【0062】
具体的な実現方式では、第2のインテリジェント運転コントローラは、第1のインテリジェント運転コントローラと同じ方式で、インテリジェントビークルの移動軌跡を計算してもよい。説明を容易にするために、この出願のこの実施形態では、第1のデータ及び第2のデータに基づいて第2のインテリジェント運転コントローラにより決定された移動軌跡は、第2の移動軌跡と呼ばれる。
【0063】
S508:第2のインテリジェント運転コントローラは、第2の移動軌跡を仲裁器に送信する。
【0064】
第2のインテリジェント運転コントローラは、仲裁器と第2のインテリジェント運転コントローラとの間のリンク接続を通じて、第2の移動軌跡を仲裁器に送信してもよい。具体的な実現プロセスについては、第1のインテリジェント運転コントローラにより第1の移動軌跡を仲裁器に送信する関連内容の説明を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0065】
S509:仲裁器は、第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡に基づいてインテリジェントビークルの移動軌跡を決定する。
【0066】
具体的には、仲裁器は、インテリジェントビークルの移動軌跡を決定するために、予め設定された仲裁規則に従って第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡を仲裁してもよい。仲裁規則は、サービス要件に基づいて設定されてもよい。いくつかの可能な実現方式では、仲裁規則は、デフォルトで第1の移動軌跡をインテリジェントビークルの移動軌跡として決定し、第1の移動軌跡に検査コードエラーのようなエラーが発生したことを検出したとき、第2の移動軌跡をインテリジェントビークルの移動軌跡として決定することでもよい。他の可能な実現方式では、仲裁規則は、代替として、第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡を検出し、第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡の双方が検出に合格したとき、いずれかの移動軌跡をインテリジェントビークルの移動軌跡として選択し、一方の移動軌跡にエラーが発生したとき、他方の移動軌跡をインテリジェントビークルの移動軌跡として決定することでもよい。
【0067】
図5において破線により特定されるステップ、すなわち、S505~S509は任意選択のステップであり、S506及びS503は同時に実行されてもよく、或いは、指定の順序で実行されてもよい点に留意すべきである。同様に、S504及びS507並びにS505及びS508は、同時に実行されてもよく、或いは、指定の順序で実行されてもよい。これは、この出願では限定されない。
【0068】
この出願では、センサ冗長性に加えて、インテリジェントビークルの安全性及び信頼性を改善するために、冗長設計が単一のインテリジェント運転コントローラ内にも実現される。次に、インテリジェント運転コントローラのデータ処理プロセスについて、
図6に示すインテリジェント運転コントローラの内部構造を参照して更に説明する。
【0069】
図5に示す実施形態に基づいて、
図6は、或るグループのセンサと、センサに接続されたインテリジェント運転コントローラとの間の相互作用の概略図である。インテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュール、第2の制御モジュール及び相互接続モジュールを含む。例えば、或るグループのセンサは、前方lidar、左方camera、後方lidar、後方radar、右方radar及び右方cameraでもよく、リンク1を通じてインテリジェント運転コントローラに接続されてもよく、具体的には、インテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールに接続されてもよい。第1の制御モジュールは、リンク2を通じて相互接続モジュールに接続され、リンク3を通じて第2の制御モジュールに接続され、第2の制御モジュールは、リンク4を通じて第4の制御モジュールに接続される。リンク1、リンク2及びリンク4は、高速バスを使用することにより実現されてもよく、リンク3は、低速バスを使用することにより実現されてもよい。
【0070】
高速バスの具体的な実現方式については、
図5に示す実施形態における関連内容の説明を参照する。低速バスは、レートが予め設定されたレートよりも高くないバスであり、具体的には、シリアルペリフェラルインタフェース(Serial Peripheral Interface, SPI)、双方向2線同期シリアルバスインタフェースI2C、管理データ入出力(Management Data Input/output, MDIO)又はCANバスのうちいずれか1つでもよい。
【0071】
インテリジェント運転コントローラが起動されるとき、第1の制御モジュールは、相互接続モジュールを起動するように相互接続モジュールを構成してもよく、それにより、相互接続モジュールが通常作動状態になる。相互接続モジュールを構成するとき、第1の制御モジュールは、まず、相互接続モジュール上でパワーオン及びリセットデアサートを実行してもよい。パワーオン/オフ及びリセット/リセットデアサートのための制御信号が、第1の制御モジュール又は第2の制御モジュールの故障により影響を受けることを防止するために、第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、トランジットデバイスを使用することにより制御信号を送出してもよい。
【0072】
いくつかの可能な実現方式では、トランジットデバイスは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device, CPLD)レジスタでもよい。第1の制御モジュールは、第1の制御モジュールとCPLDとの間のリンク6を通じて、第1の制御信号をCPLDに送出してもよい。CPLDは、第1の制御信号に基づいて、CPLDと相互接続モジュールとの間のリンク7を通じて、パワーオン及びリセットデアサート命令を相互接続モジュールに送出し、相互接続モジュール上でパワーオン及びリセットデアサートを実行する。次いで、第1の制御モジュールは、ポート、VLAN及び伝送レートのような相互接続モジュールの伝送パラメータを構成するために、第1の制御モジュールと相互接続モジュールとの間のリンク5を通じて相互接続モジュール構成情報を送出してもよい。リンク5、リンク6及びリンク7は、低速バスを使用することにより実現されてもよい。例えば、リンク5はMDIOを使用することにより実現されてもよく、リンク6及びリンク7はSPI又はI2Cを使用することにより実現されてもよい。
【0073】
構成の後に、相互接続モジュールは動作を開始し、相互接続モジュールと第1の制御モジュールとの間のリンク2を通じてセンサにより収集されたデータを第1の制御モジュールに送信し、例えば、前方lidar、左方camera、後方lidar、後方radar、右方radar及び右方cameraにより収集されたデータを送信する。相互接続モジュール上での管理を実現し、相互接続モジュールが低い信頼性でデータを伝送するときにインテリジェントビークルが制御不能となる場合を回避するために、第1の制御モジュールは、リンク5を通じて、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory, SRAM)のエラー訂正コード(Error Correcting Code, ECC)及び相互接続モジュール内の各ポート及びパケット統計情報(パケットロス情報及びエラーパケット情報等)を更に読み取り、リンク5上で周期冗長検査(Cyclic Redundancy Check, CRC)を実行してもよい。
【0074】
明らかに、異なるインテリジェント運転コントローラの間の相互接続モジュールは、高速バスを使用することによりリンク接続(
図6に図示せず)を更に確立する。相互接続モジュールは、リンク接続を通じて、上記のデータを他のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールに送信する。他のインテリジェント運転コントローラは、
図6に示すインテリジェント運転コントローラと同じ方式で、データを他のインテリジェント運転コントローラ内の第1の制御モジュールに送信する。
【0075】
上記のデータ相互作用を通じて、各インテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールは、各グループのセンサにより収集されたデータを取得してもよい。すなわち、各インテリジェント運転コントローラは、センサデータ冗長性を実現するように、完全なデータを取得してもよい。
【0076】
実際の用途では、同じインテリジェント運転コントローラ内の第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、ハートビート監視を通じて互いの動作状態を監視してもよい。具体的には、インテリジェント運転コントローラは、第2の制御モジュールを使用することにより、プローブ要求信号を第1の制御モジュールに周期的に送信してもよい。第2の制御モジュールがK個の連続した周期にプローブ応答信号を検出しないとき、インテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールが故障していると決定する。
【0077】
Kは正の整数であり、Kの値は経験的な値に従って設定されてもよい。例えば、Kは3でもよい。いくつかの場合、例えば、セキュリティレベル要件が比較的高いとき、Kの値は、代替として、1でもよい。言い換えると、第2の制御モジュールが現在の周期にプローブ応答信号を検出しないとき、インテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールが故障していると決定する。
【0078】
第1の制御モジュールが故障したとき、第2の制御モジュールは、相互接続モジュールが正常に動作することを可能にするために、相互接続モジュールを引き継ぐ。このように、相互接続モジュールは、データを他のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールに伝送してもよい。相互接続モジュールを管理し、相互接続モジュールが低い信頼性でデータを伝送するときにインテリジェントビークルが制御不能となる場合を回避するために、第2の制御モジュールは、リンク8を通じてSRAM ECC及び相互接続モジュール内の各ポートのパケット統計情報を読み取り、リンク8上で周期冗長検査を実行してもよい。リンク8は、低速バスを使用することにより実現されてもよく、例えば、MDIOを使用することにより実現されてもよい。
【0079】
明らかに、ハートビート監視はまた、異なるインテリジェント運転コントローラの間で実行されてもよい。具体的には、ハートビート監視は、第2の制御モジュールの間のリンク接続を通じて、或いは、第2の制御モジュールと相互接続モジュールとの間のリンク接続及び相互接続モジュールの間のリンク接続により形成されたリンク接続を通じて、異なるインテリジェント運転コントローラの間で実行されてもよい。
【0080】
第1のインテリジェント運転コントローラと第2のインテリジェント運転コントローラとの間のハートビート監視が説明のための例として使用される。第1のインテリジェント運転コントローラは、上記の2つのリンク接続のいずれかを通じて、プローブ要求信号を第2のインテリジェント運転コントローラに送信する。第1のインテリジェント運転コントローラが、K個の連続した周期に第2のインテリジェント運転コントローラからプローブ応答信号を検出しないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラが故障していると決定する。インテリジェント運転の安全性及び信頼性を確保するために、第1のインテリジェント運転コントローラは、受信したデータに基づいて安全な停止を実行してもよい。
【0081】
さらに、インテリジェントビークルが停止した後に、第2の制御モジュールは、第2の制御モジュールとCPLDレジスタとの間のリンク9を通じて第2の制御信号を更に送出してもよく、CPLDレジスタは、リンク7を通じて、第2の制御信号に基づいてリセット及びパワーオフ命令を相互接続モジュールに送出する。相互接続モジュールが電源オフされた後に、バッテリの電力枯渇を回避するために、モバイルデータセンタ(mobile data center, MDC)が電源オフされる。リンク7及びリンク9は、低速バスを使用することにより実現されてもよく、例えば、SPI又はI2Cを使用することにより実現されてもよい。
【0082】
インテリジェント運転コントローラは、デュアルコントローラ冗長モード、第1の制御モジュールのみの制御モード及び第2の制御モジュールのみの制御モードを具体的に含む3つのモードと互換性があってもよい点に留意すべきである。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高いとき、例えば、インテリジェントビークルの自動運転レベルがL3以上であるとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、デュアルコントローラ冗長モードに設定される。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高くないとき、例えば、インテリジェントビークルの自動運転レベルがL3未満であるとき、或いは、インテリジェントビークルのための他の冗長解決策が存在するとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールのみの制御モードに設定される。第1の制御モジュールが故障した場合、第1のインテリジェント運転コントローラは第2の制御モジュールのみの制御モードに設定される。
【0083】
第1のインテリジェント運転コントローラがデュアルコントローラ冗長モードに設定されたとき、相互接続モジュールの構成プロセスについては、
図6に示す実施形態における関連内容の説明を参照する。第1のインテリジェント運転コントローラが第1の制御モジュールのみの制御モードに設定されたとき、第1の制御モジュールのみが構成モジュールと相互接続して管理する。構成プロセス及び管理プロセスについては、
図6に示す実施形態における関連内容の説明を参照する。第1のインテリジェント運転コントローラが第2の制御モジュールのみの制御モードに設定されたとき、第2の制御モジュールは、まず、相互接続モジュール上でパワーオン及びリセットデアサートを実行してもよい。詳細については、
図6を参照する。第2の制御モジュールは、まず、リンク9を通じて第3の制御信号をCPLDレジスタに送出してもよい。CPLDレジスタは、リンク7を通じて、第3の制御信号に基づいて、パワーオン及びリセットデアサート命令を送出する。相互接続モジュールが電源オンされ、リセットがアサート解除された後に、第2の制御モジュールは、リンク8を通じて相互接続モジュールを構成し、構成が成功した後にリンク8を通じて相互接続モジュールを管理する。
【0084】
簡潔な説明のために、方法の実施形態は、一連の動作の組み合わせとして記載されている点に留意すべきである。しかし、当業者は、この出願が記載の動作の順序に限定されないことを認識すべきである。
【0085】
上記の内容に基づいて当業者が考えることができる他の適切なステップの組み合わせも、この出願の保護範囲に含まれる。さらに、当業者はまた、明細書に記載されている全ての実施形態が例示的な実施形態であり、関連する動作が必ずしもこの出願に必須ではないことも認識すべきである。
【0086】
上記に、
図1~
図6を参照して、この出願において提供されるデータ管理方法について詳細に説明した。以下に、
図7及び
図8を参照して、この出願において提供されるデータ管理装置及びデバイスについて説明する。
【0087】
図7は、この出願によるデータ管理装置700を示す。管理装置700は、受信ユニット710及び記憶ユニット720を含む。
【0088】
受信ユニット710は、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信するように構成され、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成され、第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである。
【0089】
受信ユニット710は、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信するように更に構成され、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータである。
【0090】
決定ユニット720は、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定するように構成される。
【0091】
任意選択で、各グループのセンサは、予め設定された規則に従って分割された異なるセンサグループを含み、予め設定された規則は、まず、インテリジェントビークル内のセンサの位置に基づいてセンサをグループ化し、同じグループ内のセンサは、インテリジェントビークルの周囲の360度の領域のデータを収集でき、次いで、センサタイプに基づいてセンサをグループ化し、各センサは1つのセンサグループのみに属することを含む。
【0092】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュール、第2の制御モジュール及び相互接続モジュールを含む。第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、高速バスを通じて相互接続モジュールと別々に通信し、第1の制御モジュールは、低速バスを通じて第2の制御モジュールと通信する。第1の制御モジュールは、相互接続モジュールを構成及び管理するように構成され、第2の制御モジュールは、第1の制御モジュールが故障したときに相互接続モジュールを管理するように構成され、相互接続モジュールは、異なるインテリジェント運転コントローラの間でデータを伝送するように構成される。
【0093】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラは、3つのモードを含む。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高いとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、デュアルコントローラ冗長モードに設定される。インテリジェントビークルにより要求されるセキュリティレベルが予め設定されたレベルよりも高くないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールのみの制御モードに設定される。第1の制御モジュールが故障したとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2の制御モジュールのみの制御モードに設定される。
【0094】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールは、高速バスを通じて第2のインテリジェント運転コントローラの相互接続モジュールと通信し、第1のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールは、低速バスを通じて第2のインテリジェント運転コントローラの第2の制御モジュールと通信する。
【0095】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラは、プローブ要求信号を第1のインテリジェント運転コントローラの第1の制御モジュールに送信するように具体的に構成される。プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の制御モジュールが故障していると決定し、Kは正の整数である。
【0096】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラは、プローブ要求信号を第2のインテリジェント運転コントローラに送信するように具体的に構成される。プローブ応答信号がK個の連続した周期に受信されないとき、第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラが故障していると決定し、Kは正の整数である。
【0097】
任意選択で、データ管理装置700は、第1のデータを第2のインテリジェント運転コントローラに送信するように構成された第1の送信ユニットを更に含み、それにより、第2のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第2の移動軌跡を決定し、第2の移動軌跡を仲裁器に送信する。
【0098】
任意選択で、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1の移動軌跡を仲裁器に送信するように構成された第2の送信ユニットを更に含み、それにより、仲裁器は、第1の移動軌跡及び第2の移動軌跡に基づいてインテリジェントビークルの移動軌跡を決定する。
【0099】
この出願のこの実施形態による管理装置700は、対応して、この出願の実施形態に記載の方法を実行してもよい。さらに、
図5及び
図6における方法の対応する手順を実現するために、管理装置700内のユニットの上記及び他の動作及び/又は機能が別々に使用される。簡潔にするために、詳細は、ここでは再び説明しない。
【0100】
図8は、この出願によるデータ管理デバイス100の概略図である。図面に示すように、データ管理装置100は、プロセッサ101、記憶媒体102、通信インタフェース103及びメモリユニット104を含む。プロセッサ701、記憶媒体102、通信インタフェース103及びメモリユニット104は、バス105を使用することにより互いに通信するか、或いは、無線伝送のような他の方式で互いに通信してもよい。メモリ102は、命令を記憶するように構成され、プロセッサ101は、メモリ102に記憶された命令を実行するように構成される。メモリ102は、プログラムコードを記憶し、プロセッサ101は、以下の動作、すなわち、
第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信する動作であり、第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信するように構成され、第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである、動作と、
第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信する動作であり、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータである、動作と、
第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する動作と
を実行するように、メモリ102に記憶されたプログラムコードを呼び出してもよい。
【0101】
この出願のこの実施形態では、プロセッサ101はCPUでもよく、或いは、プロセッサ101は、他の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラム可能論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等でもよいことが理解されるべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、いずれかの従来のプロセッサ等でもよい。
【0102】
メモリ102は、読み取り専用メモリ及びランダムアクセスメモリを含み、命令及びデータをプロセッサ101に提供してもよい。メモリ102は、不揮発性ランダムアクセスメモリを更に含んでもよい。例えば、メモリ102は、デバイスタイプに関する情報を更に記憶してもよい。
【0103】
メモリ102は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリでもよく、或いは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(programmable ROM, PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(erasable PROM, EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electrically EPROM, EEPROM)又はフラッシュメモリでもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)でもよい。例示的であり非限定的な説明を通じて、多くの形式のRAM、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(static RAM, SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory, DRAM)、シンクロナス・ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM, SDRAM)、ダブルデータレート・シンクロナス・ダイナミックランダムアクセスメモリ(double data rate SDRAM, DDR SDRAM)、拡張シンクロナス・ダイナミックランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM, ESDRAM)、シンクロナスリンク・ダイナミックランダムアクセス・メモリ(synchlink DRAM, SLDRAM)、ダイレクト・ランバス・ランダムアクセスメモリ(direct rambus RAM, DR RAM)が使用されてもよい。
【0104】
バス105は、データバスに加えて、電力バス、制御バス、状態信号バス等を含んでもよい。しかし、明確な説明のために、図面における様々なタイプのバスがバス105として記されている。
【0105】
この出願のこの実施形態によるデータ管理デバイス100は、この出願の実施形態における管理装置400に対応してもよく、この出願の実施形態による
図5に示す方法における対応する主体に対応してもよいことが理解されるべきである。さらに、
図5に示す方法の対応する手順を実現するために、データ管理デバイス100内のモジュールの上記及び他の動作及び/又は機能が別々に使用される。簡潔にするために、詳細は、ここでは再び説明しない。
【0106】
他の可能な実施形態では、この出願はインテリジェント運転ビークルを更に提供する。インテリジェント運転ビークルは、
図1に示すセンサ管理システムを含み、
図5に示す方法の各動作ステップを実現するように構成される。簡潔にするために、詳細は、ここでは再び説明しない。
【0107】
他の可能な実施形態では、この出願はセンサ管理システムを更に提供する。センサ管理システムは、
図2に示す少なくとも2つのグループのセンサを含み、各グループのセンサは、
図2に示す1つのインテリジェント運転コントローラに接続され、異なるインテリジェント運転コントローラは、相互接続モジュールを使用することにより互いに通信する。
【0108】
第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のグループのセンサにより送信された第1のデータを受信し、第1のグループのセンサにより収集されたデータを受信するように構成され、第1のグループのセンサは少なくとも1つのセンサを含み、第1のデータは第1のグループのセンサにより収集されたデータである。
【0109】
第1のインテリジェント運転コントローラは、第2のインテリジェント運転コントローラにより送信された第2のデータを受信し、第2のデータは、第2のインテリジェント運転コントローラに接続された第2のグループのセンサにより収集されたデータである。
【0110】
第1のインテリジェント運転コントローラは、第1のデータ及び第2のデータに基づいてインテリジェントビークルの第1の移動軌跡を決定する。
【0111】
コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータ上でロードされて実行されたとき、この出願の実施形態による手順又は機能の全部又は一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク又は他のプログラム可能装置でもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよく、或いは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ又はデジタル加入者線(DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線又はマイクロ波)方式で、ウェブサイト、コンピュータ、訓練デバイス又はデータセンタから他のウェブサイト、コンピュータ、訓練デバイス又はデータセンタに伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータによりアクセス可能ないずれかの使用可能媒体、又は1つ以上の使用可能媒体を統合する訓練デバイス又はデータセンタのようなデータ記憶デバイスでもよい。使用可能媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk, SSD))等でもよい。
【0112】
さらに、記載の装置の実施形態は、単なる例である点に留意すべきである。別個の部分として記載されるユニットは、物理的に分離されてもよく或いは物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理的ユニットでもよく或いは物理的ユニットでなくてもよく、すなわち、1つの場所に位置してもよく或いは複数のネットワークユニットに分散されてもよい。この出願の解決策の目的を達成するために、モジュールの一部又は全部が実際の要件に基づいて選択されてもよい。さらに、この出願により提供される装置の添付の図面において、モジュールの間の接続関係は互いに通信接続を有することを示し、これは、1つ以上の通信バス又は信号ケーブルとして具体的に実現されてもよい、す。