(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】樹脂製容器の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/16 20060101AFI20240628BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20240628BHJP
B29B 11/08 20060101ALI20240628BHJP
B29B 11/14 20060101ALI20240628BHJP
B29C 49/22 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B29C45/16
B29C49/06
B29B11/08
B29B11/14
B29C49/22
(21)【出願番号】P 2022536351
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 JP2021026173
(87)【国際公開番号】W WO2022014540
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2020122556
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【氏名又は名称】森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 保夫
(72)【発明者】
【氏名】大池 俊輝
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0157800(US,A1)
【文献】特開平3-076624(JP,A)
【文献】特許第2931428(JP,B2)
【文献】特開2015-009451(JP,A)
【文献】米国特許第6077579(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/16
B29C 49/00-49/80
B29B 11/08
B29B 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延長する凸部を内周面または外周面に有し、有底筒状に形成されたプリフォームの第1層を、透光性を有する第1の樹脂材料で射出成形する第1射出成形工程と、
前記第1層の前記凸部の形成面側に着色された第2の樹脂材料を射出し、前記凸部を軸方向に沿って露出させつつ前記第1層の凸部を除く領域に着色された第2層を積層する第2射出成形工程と、
前記第2射出成形工程で得られたプリフォームを射出成形時の保有熱を有する状態でブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形工程と、を含み、
前記樹脂製容器は、前記凸部の賦形による軸方向に延長する透光領域と、前記第2層の賦形による非透光領域とを有する
樹脂製容器の製造方法。
【請求項2】
前記第1射出成形工程では、前記第1層の内周面に前記凸部を形成し、
前記第2射出成形工程では、前記第1層の内周面と前記第1層の内周側に配置された金型との間に前記第2の樹脂材料を射出し、プリフォームの内周面に前記凸部を露出させつつ前記第1層の内周側に前記第2層を積層する
請求項1に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項3】
前記第1射出成形工程では、前記第1層の外周面に前記凸部を形成し、
前記第2射出成形工程では、前記第1層の外周面と前記第1層の外周側に配置された金型との間に前記第2の樹脂材料を射出し、プリフォームの外周面に前記凸部を露出させつつ前記第1層の外周側に前記第2層を積層する
請求項1に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項4】
前記第1射出成形工程で得られた前記第1層における前記凸部の径方向寸法は、前記第2層の厚さよりも大きく、
前記第2射出成形工程で、前記凸部の先端は径方向に対向する前記第2層の金型に押し当てられる
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項5】
前記ブロー成形の前に、前記第2射出成形工程で得られた前記プリフォームの温度調整を行う温度調整工程をさらに有し、
前記温度調整工程において前記プリフォームの少なくとも前記凸部の位置が局所的に加熱される
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項6】
軸方向に延長する凸部を内周面または外周面に有し、有底筒状に形成されたプリフォームの第1層を、透光性を有する第1の樹脂材料で射出成形する第1射出成形部と、
前記第1層の前記凸部の形成面側に着色された第2の樹脂材料を射出し、前記凸部を軸方向に沿って露出させつつ前記第1層の凸部を除く領域に着色された第2層を積層する第2射出成形部と、
前記第2射出成形部で得られたプリフォームを射出成形時の保有熱を有する状態でブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形部と、を備え、
前記樹脂製容器は、前記凸部の賦形による軸方向に延長する透光領域と、前記第2層の賦形による非透光領域とを有する
樹脂製容器の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製容器の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内容物に対する遮光性や容器の美観を向上させるために、容器胴部を着色して不透明にした樹脂製容器が知られている。容器胴部が不透明である場合には内容物の残量が把握しにくくなるため、この種の樹脂製容器では縦長の透明領域からなる窓を容器胴部に形成することも行われている。
【0003】
容器胴部に窓を形成した、いわゆる窓付きの樹脂製容器は、主に押出ブロー成形法で製造されるが、三層成形法やインサート成形法による製造方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6061250号公報
【文献】実公平1-33291号公報
【文献】実開昭60-75009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、押出ブロー成形法で窓付きの樹脂製容器を製造すると、容器の美観や寸法精度が概して低くなる。しかも、押出ブロー成形法では後工程の作業が必須となり、廃材も多く発生してしまう。
【0006】
また、三層成形法で窓付きの樹脂製容器を製造する場合、製造に特殊なホットランナー型が必要になる。しかも、三層成形法では所望の形状となるように透明材と着色材を同時に射出することになるがその射出制御が非常に困難であり、製造コストが高くなってしまう。
【0007】
また、インサート成形法で窓付きの樹脂製容器を製造する場合、プリフォームをインサートする成形部品を予め蓄えておく必要がある。しかも、成型部品にインサートする際にはプリフォームが十分冷却されていなければならず、冷却されたプリフォームをブロー成形の前に再加熱する工程が必要となるので、その分製造コストが高くなる。
【0008】
そこで、本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、美的外観や寸法精度に優れた窓付きの樹脂製容器を、従来よりも低コストで製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である樹脂製容器の製造方法は、軸方向に延長する凸部を内周面または外周面に有し、有底筒状に形成されたプリフォームの第1層を、透光性を有する第1の樹脂材料で射出成形する第1射出成形工程と、第1層の凸部の形成面側に着色された第2の樹脂材料を射出し、凸部を軸方向に沿って露出させつつ第1層の凸部を除く領域に着色された第2層を積層する第2射出成形工程と、第2射出成形工程で得られたプリフォームを射出成形時の保有熱を有する状態でブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形工程と、を含む。樹脂製容器は、凸部の賦形による軸方向に延長する透光領域と、第2層の賦形による非透光領域とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、美的外観や寸法精度に優れた窓付きの樹脂製容器を、従来よりも低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本実施形態のプリフォームの一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のブロー成形装置の構成を模式的に示す図である。
【
図4】本実施形態の第1例のプリフォームの製造工程を示す図である。
【
図5】本実施形態の第2例のプリフォームの製造工程を示す図である。
【
図6】プリフォームの製造工程を示す横断面図である。
【
図8】容器の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
【0013】
<樹脂製容器の構成例>
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る樹脂製容器(以下、単に容器とも称する)10の構成例を説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の容器10の一例を示す図である。
図1に示す容器10は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂材料で形成される。容器10は、上端に口部11を有する首部12と、首部12から連続する筒状の胴部13と、胴部13から連続する底部14とを有している。
【0015】
容器10の胴部13および底部14は、図示を省略するが、容器内面に臨む内層と容器外面に臨む外層とが積層された構造を有している。当該構造は、後述のプリフォーム20をブロー成形することで形成される。
【0016】
また、容器10の胴部13は、着色されて光を透過させる性質(透光性)の低い非透光領域15と、非透光領域15よりも透光性の高い透光領域16を有する。非透光領域15は、容器10の胴部13の大部分を占める領域であり、内容物に対する遮光性や容器の美観を向上させるために着色されている。非透光領域15は、積層構造のプリフォーム20の外層または内層のいずれかに着色された樹脂材料を用いることで形成できる。
【0017】
透光領域16は、胴部13の周方向の一部に部分的に形成され、容器10の軸方向に沿って延長する筋状の領域である。透光領域16は、内容物の残量を容器10の外部から確認するための窓としての機能を担う。透光領域16は、積層構造のプリフォーム20の外層または内層の一方に透明な樹脂材料を用い、着色された樹脂材料が透明な樹脂材料と径方向に重ならない領域を部分的に設けることで形成できる。
【0018】
<プリフォームの構成例>
図2は、本実施形態の容器10の製造に適用されるプリフォーム20の例を示す。
図2(a)は、本実施形態の第1例のプリフォーム20の縦断面図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb-IIb線断面図である。
図2(c)は、本実施形態の第2例のプリフォームの縦断面図であり、
図2(d)は、
図2(c)のIId-IId線断面図である。
【0019】
図2(a)、(c)に示すプリフォーム20の全体形状は、いずれも一端側が開口され、他端側が閉塞された有底円筒形状である。第1例および第2例のプリフォーム20は、円筒状に形成された胴部23と、胴部23の他端側を閉塞する底部24と、胴部23の一端側の開口に形成された首部22とを備える。また、第1例および第2例のプリフォーム20は、透明な第1層25と着色された第2層26が積層された多層構造を有している。この第1層25と第2層26は、後述のように2段階の射出成形により形成される。
【0020】
図2(a)、(b)に示す第1例のプリフォーム20においては、透明な第1層25が外周側に形成され、着色された第2層26が内周側に形成されている。第1例のプリフォーム20においては、外周側に位置する第1層25に首部が形成され、この第1層25の首部22から底部24にかけて内周側に第2層26が積層されている。また、第1例のプリフォーム20では、第1層25の底部中央に穴27が形成され、第2層26によって第1層25の穴27が内側から塞がれている。
【0021】
また、第1例のプリフォーム20の第1層には、内周側に突出する凸部28aが周方向の一部に形成されている。凸部28aは、プリフォーム20の首部22から底部24に亘ってプリフォーム20の軸方向に延長している。内周側に向けて径方向に突出する凸部28aの先端はプリフォーム20の内周面に臨み、
図2(b)に示すように、プリフォーム20の内周面において第2層26と凸部28aの先端は面一となっている。
【0022】
第1層25の凸部28a以外の領域では、透明な第1層25の内周側に着色された第2層26が位置しているので、透明な第1層25ごしに第2層26の色が外側に現れる。したがって、第1層25の凸部28a以外の領域は、ブロー成形後の容器10の非透光領域15に対応する。
一方、第1層25の凸部28aの領域では、径方向において第1層25のみが存在し、着色された第2層26が形成されていない。そのため、第1層25の凸部28aの領域では光がよく透過する。したがって、第1層25の凸部28aの領域は、ブロー成形後の容器10の透光領域16に対応する。
【0023】
一方、
図2(c)、(d)に示す第2例のプリフォーム20においては、透明な第1層25が内周側に形成され、着色された第2層26が外周側に形成されている。第2例のプリフォーム20においては、内周側に位置する第1層25に首部22が形成され、この第1層25の胴部23から底部24にかけて外周側に第2層26が積層されている。
【0024】
また、第2例のプリフォーム20の第1層25には、外周側に突出する凸部28bが周方向の一部に形成されている。凸部28bは、プリフォーム20の胴部23から底部24に亘ってプリフォーム20の軸方向に延長している。外周側に向けて径方向に突出する凸部28bの先端はプリフォーム20の外周面に臨み、
図2(d)に示すように、プリフォーム20の外周面において第2層26と凸部28bの先端は面一となっている。
【0025】
第1層25の凸部28b以外の領域では、外周面に第2層26が臨んでいるので、第2層26の色がそのまま外側に現れる。したがって、第1層25の凸部28b以外の領域は、ブロー成形後の容器10の非透光領域15に対応する。
一方、第1層25の凸部28bの領域では、径方向において第1層25のみが存在し、着色された第2層26が形成されていない。そのため、第1層25の凸部28bの領域では光がよく透過する。したがって、第1層25の凸部28bの領域は、ブロー成形後の容器10の透光領域16に対応する。
なお、第1層25および第2層26の形状や寸法などの仕様は、製造する容器10の形状に応じて適宜調整される。
【0026】
以下、第1層25を形成する樹脂材料を第1の樹脂材料とも称し、第2層26を形成する樹脂材料を第2の樹脂材料とも称する。例えば、第1の樹脂材料は透明であり、第2の樹脂材料は着色剤の添加によって内部着色されている。ここで、第2の樹脂材料に対して相対的に高い透光性を確保できる範囲で、第1の樹脂材料にも着色剤が添加されてもよい。一方、第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料よりも透光性が低い範囲で多少の透光性を備えていてもよい。
【0027】
第1の樹脂材料および第2の樹脂材料は、いずれも熱可塑性の合成樹脂であり、容器10の仕様に応じて適宜選択できる。具体的な材料の種類としては、例えば、PET、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、Tritan(トライタン(登録商標):イーストマンケミカル社製のコポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PS(ポリスチレン)、COP/COC(環状オレフィン系ポリマー)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル:アクリル)、PLA(ポリ乳酸)などが挙げられる。
【0028】
第1の樹脂材料と第2の樹脂材料は、容器10の仕様に応じて組み合わせを適宜設定できるが、互いに溶着性の高い材料を組み合わせることが好ましい。一例として、第1の樹脂材料と第2の樹脂材料を、着色剤の組成の異なる同種の樹脂材料(例えば、PET同士)としてもよい。あるいは、一方の樹脂材料をPPとし、他方の樹脂材料をPETとしてもよい。
【0029】
<容器の製造装置の説明>
図3は、本実施形態のブロー成形装置の構成を模式的に示す図である。本実施形態のブロー成形装置30は、容器の製造装置の一例であって、プリフォーム20を室温まで冷却せずに射出成形時の保有熱(内部熱量)を活用して容器10をブロー成形するホットパリソン方式(1ステージ方式とも称する)を採用する。
【0030】
ブロー成形装置30は、第1射出成形部31と、第1温度調整部32と、第2射出成形部33と、第2温度調整部34と、ブロー成形部35と、取り出し部36と、搬送機構37とを備える。第1射出成形部31、第1温度調整部32、第2射出成形部33、第2温度調整部34、ブロー成形部35および取り出し部36は、搬送機構37を中心として所定角度(例えば60度)ずつ回転した位置に配置されている。
【0031】
(搬送機構37)
搬送機構37は、
図3の紙面垂直方向の軸を中心に回転する回転板37aを備える。回転板37aには、プリフォーム20の首部22(または容器10の首部12)を保持するネック型37b(
図3では不図示)が、所定角度ごとにそれぞれ1以上配置されている。搬送機構37は、回転板37aを回転させることで、ネック型37bで保持されたプリフォーム20(または容器10)を、第1射出成形部31、第1温度調整部32、第2射出成形部33、第2温度調整部34、ブロー成形部35、取り出し部36の順に搬送する。なお、搬送機構37は、回転板37aを昇降させることもでき、第1射出成形部31や第2射出成形部33における型閉じや型開き(離型)に係る動作も行う。
【0032】
(第1射出成形部31)
第1射出成形部31は、キャビティ型40、コア型41、ホットランナー型42を備え、プリフォーム20の第1層25を製造する。
図3に示すように、第1射出成形部31には、ホットランナー型42に第1の樹脂材料を供給する第1射出装置38が接続されている。
【0033】
図4(a)、(b)は、第1例のプリフォーム20(
図2(a)、(b))の第1層25を成形する第1射出成形部31aを示す。
図5(a)は、第2例のプリフォーム(
図2(c)、(d))の第1層25を成形する第1射出成形部31bを示す。なお、本明細書において第1射出成形部31a、31bを区別する必要がないときには、第1射出成形部31と総称する。
【0034】
図4(a)、
図5(a)に示すように、第1射出成形部31においては、上記のキャビティ型40、コア型41と、搬送機構37のネック型37bとを型閉じして第1層25の型空間が形成される。そして、上記の型空間内にホットランナー型42を介して第1射出装置38から第1の樹脂材料を流し込むことで、第1射出成形部31においてプリフォーム20の第1層25が製造される。
【0035】
図4(a)に示すように、第1射出成形部31aのコア型41には、第1層25の凸部28aを形成するための溝部41aが形成されている。これにより、第1射出成形部31aは、第1層25の内周に凸部28aを形成することができる。
一方、
図5(a)に示すように、第1射出成形部31bのキャビティ型40には、第1層25の凸部28bを形成するための溝部40aが形成されている。これにより、第1射出成形部31bは、第1層25の外周に凸部28bを形成することができる。
【0036】
なお、第1射出成形部31aの溝部41aおよび第1射出成形部31bの溝部40aのそれぞれの径方向深さ(つまり、凸部28a、28bの径方向の突出量)は、いずれも第2層26の厚さよりも長く設定されている。
【0037】
また、
図4(b)に示すように、第1射出成形部31aにおいては、コア型41に近接する位置まで軸方向に移動可能なバルブピン43がホットランナー型42の内部に設けられる。バルブピン43は、第1の樹脂材料が型空間に充填されるまではホットランナー型42の内部に収容され、第1の樹脂材料が型空間に充填された後にコア型41に近接する位置まで突出する。このような射出成形時のバルブピン43の移動により、第1層25の底部中央に、樹脂材料の肉厚が周辺部よりも薄い薄膜部27aを形成することができる。
【0038】
また、第1射出成形部31の型開きをしたときにも、搬送機構37のネック型37bは開放されずにそのままプリフォーム20の第1層25を保持して搬送する。第1射出成形部31で同時に成形されるプリフォーム20の数(すなわち、ブロー成形装置30で同時に成形できる容器10の数)は、適宜設定できる。なお、
図3では、4つのプリフォームを同時に搬送する構成を示している。
【0039】
(第1温度調整部32)
第1温度調整部32は、図示しない温度調整用の金型ユニット(温調ポットおよび温調コア)を備える。第1温度調整部32は、射出成形後の高温状態にあるプリフォーム20の第1層25を、所定温度に保たれた金型ユニットに収容することで冷却する。また、第1温度調整部32は、第2射出成形部33に搬送される前に、プリフォーム20の第1層25の温度分布を所定の状態に調整する機能も担う。
【0040】
(第2射出成形部33)
第2射出成形部33は、キャビティ型50、コア型51、ホットランナー型52を備え、第1層25の外周部または内周部に第2層26を射出成形する。
図3に示すように、第2射出成形部33には、ホットランナー型52に第2の樹脂材料を供給する第2射出装置39が接続されている。
【0041】
図4(c)は、第1例のプリフォーム20の第2層26を成形する第2射出成形部33aを示す。
図5(b)は、第2例のプリフォーム20の第2層26を成形する第2射出成形部33bを示す。なお、本明細書において第2射出成形部33a、33bを区別する必要がないときには、第2射出成形部33と総称する。
【0042】
第2射出成形部33aは、第1射出成形部31aで射出成形されたプリフォーム20の第1層25を収容する。
図4(c)に示すように、第2射出成形部33aを型閉じした状態では、第1層25の内周側の首部から底部にかけて、コア型51の表面との間に型空間が形成される。上記の型空間内にホットランナー型52を介して第2射出装置39から第2の樹脂材料を充填することで、第1層25の内周側に第2層26が成形される。これにより、第1例のプリフォーム20が製造される。
【0043】
また、第2射出成形部33aのコア型51の先端部には、曲面状の凹陥部51aが形成されている。凹陥部51aは、型閉じしたときに、キャビティ型の中心に位置する第2の樹脂材料の出口と対向し、第1層25の穴27との間に樹脂溜まりの空間を形成する。
【0044】
さらに、第2射出成形部33aにおいて、第1層25を収容するキャビティ型50の型空間の軸方向深さは、第1層25の軸方向長さよりも短くしてもよい。これにより、キャビティ型50に第1層25を収容したときに、第1層25の底部がキャビティ型50の底面に押し当てられて両者が接触し、第1層25の底部とキャビティ型50の間に隙間が生じることを抑制できる。
【0045】
一方、第2射出成形部33bは、第1射出成形部31bで射出成形されたプリフォーム20の第1層25を収容する。
図5(b)に示すように、第2射出成形部33bを型閉じした状態では、第1層25の外周側の胴部から底部にかけて、キャビティ型50の内面との間に型空間が形成される。上記の型空間内にホットランナー型52を介して第2射出装置39からの第2の樹脂材料を充填することで、第1層25の外周側に第2層26が成形される。これにより、第2例のプリフォーム20が製造される。
【0046】
(第2温度調整部34)
第2温度調整部34は、第2射出成形部33で製造されたプリフォーム20の均温化や偏温除去を行い、プリフォーム20の温度を最終ブローに適した温度(例えば約90℃~105℃)に調整する。また、第2温度調整部34は、射出成形後の高温状態のプリフォーム20を冷却する機能も担う。
【0047】
図7に示すように、第2温度調整部34は、キャビティ型(ポット型)60と、加熱ロッド61とを備える。
キャビティ型60は、第2射出成形部33で製造されたプリフォーム20を収容可能な温調空間を有する金型である。キャビティ型60は、プリフォーム20の軸方向に沿って上下3段に分割された構成であり、上から順に、上段型60a、中段型60b、下段型60cを有する。
【0048】
上段型60a、中段型60b、下段型60cのそれぞれには、ヒーターが設けられていたり、内部に温度調整媒体(冷却媒体)の流れる流路(不図示)が形成されていたりする。そのため、キャビティ型60の温度は、ヒーターや温度調整媒体により所定の温度に保たれる。なお、上段型60a、中段型60b、下段型60cのヒーターや温度調整媒体の温度を変更することで、プリフォーム20の温度分布を軸方向において変化させてもよい。
【0049】
加熱ロッド61は、プリフォーム20の内部に挿入され、プリフォーム20を保持しているネック型37bに対して進退可能に配置される。
図7(a)では、加熱ロッド61がネック型37bに挿入されている状態を示している。
【0050】
加熱ロッド61には、軸方向に沿って伸びる加熱片62が取り付けられている。
図7(b)に示すように、加熱片62は、周方向においてプリフォーム20の凸部28a(28b)と対応する位置に部分的に配置され、プリフォーム20の凸部28a(28b)を局所的に加熱する機能を担う。
【0051】
(ブロー成形部35)
ブロー成形部35は、第2温度調整部34で温度調整されたプリフォーム20に対してブロー成形を行い、容器10を製造する。
ブロー成形部35は、容器10の形状に対応した一対の割型であるブローキャビティ型と、底型と、延伸ロッドおよびエア導入部材(いずれも不図示)を備える。ブロー成形部35は、プリフォーム20を延伸しながらブロー成形する。これにより、プリフォーム20がブローキャビティ型の形状に賦形されて容器10を製造することができる。
【0052】
(取り出し部36)
取り出し部36は、ブロー成形部35で製造された容器10の首部12をネック型37bから開放し、容器10をブロー成形装置30の外部へ取り出すように構成されている。
【0053】
<容器の製造方法の説明>
次に、本実施形態のブロー成形装置30による容器10の製造方法について説明する。
図8は、容器10の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【0054】
(ステップS101:第1射出成形工程)
まず、
図4(a)、
図5(a)に示すように、第1射出成形部31において、キャビティ型40、コア型41および搬送機構37のネック型37bで形成された型空間に第1射出装置38から第1の樹脂材料が射出され、プリフォーム20の第1層25が成形される。
【0055】
第1例のプリフォーム20を成形する場合には第1射出成形部31aが用いられ、
図6(a)に示すように、内周側に凸部28aを有する第1層25が成形される。凸部28aの径方向の突出量raは、コア型41の溝部41aの径方向寸法に倣って、第2層26の厚さt2よりも長く設定されている。
第1射出成形部31aにおいては、
図4(b)に示すように、プリフォーム20の第1層25が成形された後、コア型41に近接する位置までバルブピン43を突出させる工程が行われる。これにより、第1層25の底部中央には、肉厚が周辺部よりも薄い薄膜部27aが形成される。
【0056】
一方、第2例のプリフォーム20を成形する場合には第1射出成形部31bが用いられ、
図6(b)に示すように、外周側に凸部28b有する第1層25が成形される。凸部28bの径方向の突出量rbは、キャビティ型40の溝部40aの径方向寸法に倣って、第2層26の厚さt2よりも長く設定されている。
【0057】
その後、第1射出成形部31が型開きされると、搬送機構37の回転板37aが所定角度回転し、ネック型37bに保持されたプリフォーム20の第1層25が、射出成形時の保有熱を含んだ状態で第1温度調整部32に搬送される。
【0058】
(ステップS102:第1温度調整工程)
次に、第1温度調整部32において、温度調整用の金型ユニットにプリフォーム20の第1層25が収容され、第1層25の冷却と、温度分布の調整(均温化や偏温除去)が行われる。その後、搬送機構37の回転板37aが所定角度回転し、ネック型37bに保持されたプリフォーム20の第1層25が、第2射出成形部33に搬送される。
【0059】
(ステップS103:第2射出成形工程)
続いて、第2射出成形部33にプリフォーム20の第1層25が収容され、第2層26の射出成形が行われる。第1例のプリフォーム20を成形する場合には第2射出成形部33aが用いられ、第2例のプリフォーム20を成形する場合には第2射出成形部33bが用いられる。
【0060】
第2射出成形部33aにおいては、
図4(c)、
図6(a)に示すように、第1層25の内周側の首部22から底部24にかけて、第1層25の内周に臨むコア型51との間に型空間が形成される。凸部28aの径方向の突出量raは第2層26の厚さt2よりも長いので、第2射出成形部33aに第1層25を収容して型閉じすると、第1層の凸部28aはコア型51に押し当てられて密着する(
図6(a)参照)。そのため、第1層25の凸部28aとコア型51の間に隙間が生じることを抑制でき、凸部28aの内面側に第2の樹脂材料が流入することを防ぐことができる。これにより、第1例のプリフォーム20の内周側に第1層25が露出する領域を形成できる。
【0061】
上記の型空間内にホットランナー型52から第2の樹脂材料が充填される。第1層25の底部には薄膜部27aが形成されているが、第2の樹脂材料の射出圧で薄膜部27aが破断されて底部に穴27ができ、上記の穴27から第2の樹脂材料が第1層25の内周側に導かれる。
図4(c)に示すように、第1層25の外周側にはキャビティ型50が臨み、キャビティ型50によって第1層25の形状が外周側から保持される。このため、第2の樹脂材料が第1層25と接触しても第1層25の熱変形を抑制できる。
【0062】
また、第1層25の穴27とコア型51の凹陥部51aの間には、樹脂溜まりの空間が形成される。穴27を通過した第2の樹脂材料は、コア型51の凹陥部51aに当たって樹脂溜まりの空間で攪拌された後、第1層25の内周とコア型51の表面の間の型空間に流入する。樹脂溜まりの空間で第2の樹脂材料が攪拌されることで、第1層25の薄膜部27aの破片は高温の第2の樹脂材料と混合されて溶ける。これにより、薄膜部27aの破片を視認できない程度に消散させることができる。
【0063】
また、第2射出成形部33aにおいて、第1層25を収容するキャビティ型50の型空間の軸方向深さは第1層25の軸方向長さよりも短い。そのため、第1層25の底部24がキャビティ型50の底面に押し当てられ、第1層25の底部24とキャビティ型50の間に隙間が生じることが抑制される。したがって、第1層25とキャビティ型50の間に第2の樹脂材料が流れ込みにくくなり、第2の樹脂材料が第1層25の外周を被覆する成形不良の発生が抑制される。
以上のようにして、第1例のプリフォーム20を成形する場合、第1層25の内周側に第2層26を形成することができる。
【0064】
一方、第2射出成形部33bにおいては、
図5(b)、
図6(b)に示すように、第1層25の外周側の胴部23から底部24にかけて、第1層25の外周に臨むキャビティ型50との間に型空間が形成される。凸部28bの径方向の突出量rbは第2層26の厚さt2よりも長いので、第2射出成形部33bに第1層25を収容して型閉じすると、第1層25の凸部28bはキャビティ型50に押し当てられて密着する(
図6(b)参照)。これにより、第1層25の凸部28bとキャビティ型50の間に隙間が生じることを抑制でき、凸部28bの外面側に第2の樹脂材料が流入することを防ぐことができる。これにより、第2例のプリフォーム20の外周側に第1層25が露出する領域を形成できる。
【0065】
上記の型空間内にホットランナー型52から第2の樹脂材料が充填される。
図5(b)に示すように、第1層25の内周側にはコア型51が挿入され、コア型51によって第1層25の形状が内周側から保持される。このため、第2の樹脂材料が第1層25と接触しても第1層25の熱変形を抑制できる。以上のようにして、第2例のプリフォームを成形する場合、第1層25の外周側に第2層26を形成することができる。
【0066】
以上のように、第1射出成形工程および第2射出成形工程により、第1例または第2例のプリフォーム20が製造される。
その後、第2射出成形部33が型開きされると、搬送機構37の回転板37aが所定角度回転し、ネック型37bに保持されたプリフォーム20が、射出成形時の保有熱を含んだ状態で第2温度調整部34に搬送される。
【0067】
(ステップS104:第2温度調整工程)
続いて、第2温度調整部34にプリフォーム20が収容され、プリフォーム20の温度を最終ブローに適した温度に近づけるための温度調整が行われる。
【0068】
図7に示すように、第2温度調整部34では、加熱ロッド61の加熱片62によって、プリフォーム20の凸部28a(28b)の位置が内周側から局所的に加熱される。
プリフォーム20の凸部28a(28b)の位置は、径方向の全域に亘って第1の樹脂材料で形成されている。そのため、プリフォーム20の凸部28a(28b)の位置は、第2射出成形部33で高温の第2の樹脂材料が積層された領域と比べると保有熱が小さく、ブロー成形時に変形しにくい。第2温度調整部34で凸部28a(28b)の位置を局所的に加熱することで、プリフォーム20の周方向における偏温が小さくなり、特に容器10の透光領域16の賦形性を向上させることができる。
【0069】
その後、搬送機構37の回転板37aが所定角度回転し、ネック型37bに保持された温度調整後のプリフォーム20が、ブロー成形部35に搬送される。
【0070】
(ステップS105:ブロー成形工程)
続いて、ブロー成形部35において、容器10のブロー成形が行われる。
まず、ブローキャビティ型を型閉じしてプリフォーム20を型空間に収容し、エア導入部材(ブローコア)を下降させることで、プリフォーム20の首部22にエア導入部材が当接される。そして、延伸ロッドを降下させてプリフォーム20の底部24を内面から抑えて、必要に応じて縦軸延伸を行いつつ、エア導入部材からブローエアを供給することで、プリフォーム20を横軸延伸する。これにより、プリフォーム20は、ブローキャビティ型の型空間に密着するように膨出して賦形され、容器10にブロー成形される。なお、プリフォーム20が容器10より長い場合、底型は、ブローキャビティ型の型閉じ前はプリフォーム20の底部24と接触しない下方の位置で待機させ、型閉じ後に成形位置まで素早く上昇させる。
【0071】
本実施形態では、第1例または第2例のプリフォーム20をブロー成形することで、第2層26の延伸により容器10の非透光領域15が形成され、第1層25の凸部の延伸により容器10の透光領域16が形成される。これにより、胴部13に筋状の窓が形成された容器10が製造される。
【0072】
(ステップS106:容器取り出し工程)
ブロー成形が終了すると、ブローキャビティ型が型開きされる。これにより、ブロー成形部35から容器10が移動可能となる。
続いて、搬送機構37の回転板37aが所定角度回転し、容器10が取り出し部36に搬送される。取り出し部36において、容器10の首部12がネック型37bから開放され、容器10がブロー成形装置30の外部へ取り出される。
【0073】
以上で、容器10の製造方法における1つのサイクルが終了する。その後、搬送機構37の回転板37aを所定角度回転させることで、上記のS101からS106の各工程が繰り返される。なお、ブロー成形装置30の運転時には、1工程ずつの時間差を有する6組分の容器の製造が並列に実行される。
【0074】
また、ブロー成形装置30の構造上、第1射出成形工程、第1温度調整工程、第2射出成形工程、第2温度調整工程、ブロー成形工程および容器取り出し工程の各時間はそれぞれ同じ長さになる。同様に、各工程間の搬送時間もそれぞれ同じ長さになる。
【0075】
以上のように、本実施形態では、第1射出成形工程で縦筋状の凸部28a、28bを有する第1層25が射出成形され、第2射出成形工程では第1層25の内周部または外周部において、凸部以外の領域に第2層26を射出成形することで窓付き容器に適した多層構造のプリフォーム20が製造される。本実施形態では、透明材と着色材を2段階で射出成形するので、射出成形時に透明材と着色材を同時に射出する必要はなく、三層成形法と比べてプリフォーム20の製造コストを低減できる。
【0076】
また、本実施形態では、射出成形時の保有熱を有する状態でブロー成形を行うホットパリソン方式を採用する。例えば、冷却されたプリフォームを嵌合して多層構造のプリフォームを製造し、再加熱後にブロー成形を行う場合(コールドパリソン方式)と比べると、本実施形態の場合、プリフォームを常温近くまで冷却せずにすみ、プリフォームの組み立てや再加熱の工程も不要となる。そのため、本実施形態によれば、プリフォーム20の射出成形から容器10のブロー成形までの一連の工程を比較的短時間で完了できる。これにより、胴部13に筋状の窓を有する容器10をより短いサイクルで製造でき、従来と比べて容器10の製造コストを大幅に低減できる。
【0077】
さらに、本実施形態では、プリフォーム20を延伸させつつブロー成形するいわゆるストレッチブロー成形で容器が製造される。したがって、本実施形態では、押出ブロー成形法の容器と比べて容器10の美的外観や寸法精度を向上させることができる。また、本実施形態では、押出ブロー成形法と比べて廃材の発生も抑制できるので、この点でも容器10の製造コストを低減できる。
【0078】
<実施形態の変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0079】
第2温度調整部34の構成は、上記実施形態のように、加熱片62を取り付けた加熱ロッド61を用いてプリフォーム20を局所的に加熱する構成に限定されない。例えば、
図9(a)、(b)に示すように、プリフォーム20の凸部28a(28b)に向けて加熱ロッド61を近づけて、中心軸に対して加熱ロッド61を偏心配置してもよい。
図9の構成によっても、プリフォームの凸部28a(28b)が内周側から局所的に加熱され、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
このとき、プリフォーム20の凸部28a(28b)に対して第2温度調整部34のキャビティ型60の間隔を調整することで、プリフォーム20の凸部28a(28b)の偏温をさらに制御してもよい。
【0080】
また、上記実施形態の第1温度調整部32においても、第2温度調整部34と同様に、プリフォーム20の凸部28a、28bを局所的に加熱してもよい。
【0081】
また、上記実施形態において、第1射出成形工程と第2射出成形工程の間の第1温度調整工程は省略されてもよい。つまり、ブロー成形装置30は、第1温度調整部32を有さずに、第1射出成形部31、第2射出成形部33、第2温度調整部34、ブロー成形部35、取り出し部36が、搬送機構37を中心に72度ずつ回転した位置に配置された構成(5ステーション機)であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態の
図2(c)、(d)に示す第2例のプリフォーム20においては、内周側に露出せずに内容物と接触しない外層(第2層26)の樹脂材料として、リサイクル材(例えば粉砕材(フレーク材))を使用してもよい。
【0083】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
10…容器、15…非透光領域、16…透光領域、20…プリフォーム、25…第1層、26…第2層、28a,28b…凸部、30…ブロー成形装置、31…第1射出成形部、32…第1温度調整部、33…第2射出成形部、34…第2温度調整部、35…ブロー成形部、38…第1射出装置、39…第2射出装置、50…キャビティ型、51…コア型