(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】食品材料の計量供給装置
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240628BHJP
B65G 17/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A23L5/00 Z
B65G17/04
(21)【出願番号】P 2022541758
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2021029393
(87)【国際公開番号】W WO2022030632
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2020134717
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】美野 弘文
(72)【発明者】
【氏名】大平落 毅
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-51372(JP,A)
【文献】実開昭50-70196(JP,U)
【文献】実開昭51-10791(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00-5/49
B65G 17/00-17/48
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品材料を計量して供給する計量供給装置であって、
回動可能な無端の搬送部材を含む搬送装置と、
前記搬送部材の回動途中で前記搬送部材に凹部を形成するように構成され、前記凹部の両側に配置されるサイド部材を含み、前記凹部とその両側の前記サイド部材によって計量枡を形成するように構成された計量枡形成装置と、
前記搬送部材を回動させる駆動装置と、
食品材料を前記計量枡に充填する充填計量装置と、を備え、
食品材料を前記計量桝に充填した後、食品材料を前記搬送部材から供給する、計量供給装置。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記計量枡形成装置を介して、前記搬送部材を回動させる、請求項1に記載の計量供給装置。
【請求項3】
前記搬送部材の凹部は、食品材料を前記搬送部材から供給するときに消滅している、請求項1又は2に記載の計量供給装置。
【請求項4】
前記計量枡形成装置は、前記凹部が形成された前記搬送部材を保持する計量枡保持装置と、前記搬送部材を前記計量枡保持装置に向かって押圧する搬送部材押圧装置を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の計量供給装置。
【請求項5】
前記充填計量装置は、食品材料を所定量に計量するために、前記計量枡からはみ出た食品材料を排除する計量装置を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の計量供給装置。
【請求項6】
前記計量装置は、圧縮空気を噴射するエアノズルを含む、請求項5に記載の計量供給装置。
【請求項7】
前記計量枡形成装置は、更に、前記計量桝の容量を変更するための計量枡容量調整装置を含む、請求項1~6の何れか1項に記載の計量供給装置。
【請求項8】
前記計量枡容量調整装置は、前記両側のサイド部材のうちの一方の位置を前記搬送部材の幅方向に移動させる機構を含む、請求項7に記載の計量供給装置。
【請求項9】
前記計量枡容量調整装置は、前記搬送部材の凹部の深さを変更する機構を備える、請求項7に記載の計量供給装置。
【請求項10】
前記搬送装置は、更に、前記凹部を消滅させた後の前記搬送部材の搬送面を清掃する清掃装置を含む、請求項1~9の何れか1項に記載の計量供給装置。
【請求項11】
更に、前記計量枡形成装置の搬送方向下流側に配置された供給装置を備える、請求項1~10の何れか1項に記載の計量供給装置。
【請求項12】
更に、前記搬送部材を間欠的に回動させるように前記駆動装置を制御する制御装置を備える、請求項1~11の何れか1項に記載の計量供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品材料を所定量に計量し供給する装置に関するものであり、さらに詳細には、レーズンや豆などの粒状固形物を安定して供給することのできる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品材料を計量供給する装置は、これまでに様々な提案がされている。
【0003】
特許文献1に開示された装置は、前後のスプロケットに掛け渡されるチェーンにベルトを波形状にして取付けた形態で、チェーンとベルトが一体で回転し、波形状のベルトに形成される凹部に被計量物を収容して計量搬送する装置である。
【0004】
特許文献2に開示された装置は、搬送部と搬送終端部を有し可変形材よりなる無端体より構成されるフィーダ機構を備え、無端体は搬送部では波状に変形し搬送終端部では搬送方向に沿った平滑状に変形する装置である。
【0005】
特許文献3に開示された装置は、裏面にカム部材と押し下げ装置を有するモジュラープラスチックコンベアベルトを備え、該ベルトはベルト表面にフライトの形成と非形成が可能な装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-051372号公報
【文献】実開平03-113311号公報
【文献】特表2009-542553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、及び特許文献2の装置は、波形状のベルトに形成される凹部に被計量物を供給し搬送するが、凹部の容積変更が出来ない。
【0008】
特許文献3の装置において、モジュラープラスチックコンベアベルトは製品搬送時にはフライトを形成し、クリーニングする箇所では表面を平らにする構成であるが、凹部を形成する構成ではなく、製品を所定量に計量し供給することが出来ない。
【0009】
本発明は、特許文献1~3とは異なる構成を採用した、食品材料の計量供給装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するためのもので、食品材料の計量供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、食品材料の計量供給装置であって、搬送部材を備える搬送装置と、前記搬送部材で凹部を形成し、前記凹部とサイド部材で計量枡を形成する計量枡形成装置と、前記計量枡に前記食品材料を充填する充填計量装置と、前記計量供給装置の動作を制御する制御装置を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記計量枡形成装置を介して前記搬送部材を駆動する駆動装置を備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記搬送部材は、前記食品材料の充填時は前記凹部を形成し、前記食品材料の供給時は前記凹部を消滅する構成であることを特徴とする。
【0014】
また、前記計量枡形成装置は、前記凹部を形成した前記搬送部材を保持する計量枡保持装置と、前記搬送部材を前記計量枡保持装置に押圧して前記凹部を形成する搬送部材押圧装置と、を備える事を特徴とする。
【0015】
また、前記充填計量装置は、前記計量枡に充填してはみ出した前記食品材料を排除し、前記食品材料を所定量に計量する計量装置を備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記計量装置は、圧縮空気を噴射するエアノズルであることを特徴とする。
【0017】
また、前記計量枡形成装置は、計量枡容量調整装置を備えることを特徴とする。
【0018】
また、前記計量枡容量調整装置は、前記サイド部材の幅方向の位置調整機構を備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記計量枡容量調整装置は、前記搬送部材の前記凹部の深さ調整機構を備えることを特徴とする。
【0020】
また、前記搬送装置は、前記搬送部材の搬送面が平らに形成されているときに、搬送面を清掃する清掃装置を備えることを特徴とする。
【0021】
また、前記計量枡形成装置の搬送方向下流側に供給装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、レーズンや豆などの粒状の食品材料を所定量に計量し、安定して供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置の概略的な正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置の概略的な側面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置の概略的な背面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置の概略的な部分正面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る計量供給装置の概略的な部分正面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る計量供給装置の概略的な部分側面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る計量供給装置の概略的な部分背面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る計量供給装置の概略的な正面図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置の応用例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の実施形態に係る計量供給装置1を、
図1乃至
図4を参照して説明する。以下の説明において、既知の構成の詳細な説明を省略する。
【0025】
計量供給装置1は、食品材料Rを菓子生地片Dの上に供給する装置であり、菓子生地片Dは、搬送コンベア7で搬送され、クリームFが菓子生地片Dの上面に載置されている。本実施形態では、食品材料Rは、例えば、レーズンである。
【0026】
計量供給装置1は、主に
図1に示すように、箱型のフレーム1Aと、搬送装置2と、計量枡形成装置3と、駆動装置5(
図3参照)と、充填計量装置4と、供給装置6と、制御装置9を備える。
【0027】
搬送装置2は、無端状のモジュラーベルトである搬送部材2Aと、コンベアプレート2Bと、ローラ2Cと、清掃装置2Dと、テンショナ2Nを備える。
【0028】
モジュラーベルトである搬送部材2Aは、
図4に示すように、回動方向又は搬送方向Aに回動可能であり、複数のモジュール2Gを回動方向Aに連結することによって構成されている。隣接したモジュール2G同士は、連結端部(連結部)2Kのところでピンによって回転可能に連結されている。複数のモジュール2Gを無端状に連結したときの搬送部材2Aの外側及び内側をそれぞれ、搬送面2F及び裏面2Hと称する。搬送部材2Aは、搬送面2F側にも裏面2H側にも屈曲自在である。搬送部材2Aは、コンベアプレート2B及びローラ2Cに掛け回され且つそれらの周りを回動可能(自在)に構成される。1つのモジュール2Gにおける搬送面2Fは、凹凸のない平らな形状を有している。
【0029】
正面視(例えば、
図4)において、コンベアプレート2Bは、後で詳細に説明する計量枡形成装置3と供給装置6の間において、搬送部材2Aを水平に支持するように配置される。一対の回転ローラ2Tが、水平に支持された搬送部材2Aの上に、搬送部材2Aの幅方向に互いに離間するように配置され、上下方向に延びる回転軸を中心に回転するように構成される。また、ローラ2Cは、コンベアプレート2Bの下方において、フレーム1Aから突出するように延びる(フレーム1Aに立設された)シャフトに回転可能に支持(軸支)される。
【0030】
清掃装置2Dは、コンベアプレート2Bの下方に配置される。清掃装置2Dは、後述する凹部2Lを消滅させた後の搬送面2Fに当接してそれを清掃する板状のスクレーパ2Eを備える。
【0031】
また、テンショナ2Nは、搬送部材2Aのリターン側(
図4において左方から右方に回動する部分)の内側に配置され、搬送部材2Aにその裏面2H側からテンションを加える(掛ける)ように構成される。テンショナ2Nは、バー2Pを備え、バー2Pの一方の端は、フレーム1Aから突出するように延びるシャフト2Rに回転可能に支持され、他方の端は、錘として機能する錘ローラ2Sを回転可能に支持している。
【0032】
計量枡形成装置3は、搬送部材2Aの搬送側(
図4において右方から左方に回動する部分)において搬送部材2Aに計量桝8を形成すると共に搬送部材2Aを回動方向Aに、即ち、反時計回りに回動させるための装置であり、計量枡保持装置11と、搬送部材押圧装置13と、ガイド機構15と、計量枡容量調整装置17を備える。
【0033】
計量枡保持装置11は、搬送部材2Aの搬送側(
図4において右方から左方に回動する部分)において搬送部材2Aの下方に配置され、下側タイミングベルト11Aと、複数の板状の下側プロフィル11Bと、駆動プーリ11Cと、従動プーリ11Dを備える。
【0034】
下側タイミングベルト11Aは、無端状のタイミングベルトである。複数の板状の下側プロフィル11Bは、下側タイミングベルト11Aの外側の表面から突出するように延び、下側タイミングベルト11Aの周方向に所定の間隔Lで配置されている。
【0035】
下側プロフィル11Bは、その長手方向(下側タイミングベルト11Aの幅方向)に沿って延び且つ先端部を有し、先端部は、搬送部材2Aの連結端部2Kが嵌合する溝11Eを有する。
【0036】
駆動プーリ11Cは、フレーム1Aの正面側(
図4における手前側)に設けられた軸受に回転可能に支持された駆動シャフトに取付けられる。また、従動プーリ11Dは、フレーム1Aから正面側に突出するように延びるシャフトに回転可能に支持される。
【0037】
駆動プーリ11Cは、従動プーリ11Dに対して、搬送部材2Aの搬送側における下流に向かって上方(
図4における左斜め上方)に配置される。下側タイミングベルト11Aは、これらのプーリ11C、11Dに掛け回され、
図4において左回り(反時計回り)に回動されるように駆動される。
【0038】
搬送部材押圧装置13は、搬送部材2Aの搬送側(
図4において右方から左方に走行する部分)において搬送部材2Aの上方に配置され、上側タイミングベルト13Aと、複数の板状の上側プロフィル13Bと、駆動プーリ13Cと、従動プーリ13Dと、上下動機構13Eを備える。
【0039】
上側タイミングベルト13Aは、無端状のタイミングベルトである。複数の板状の上側プロフィル13Bは、上側タイミングベルト13Aの外側の表面から突出するように延び、上側タイミングベルト13Aの周方向に上記所定の間隔Lで配置されている。
【0040】
上側プロフィル13Bは、その長手方向(上側タイミングベルト13Aの幅方向)に沿って延び且つ先端部を有し、先端部は、円弧状の断面を有する。
【0041】
駆動プーリ13Cは、フレーム1Aの正面側(
図4における手前側)に設けられた軸受に回転可能に支持された駆動シャフトに取付けられる。また、従動プーリ13Dは、フレーム1Aから正面側に突出するように延びるシャフトに回転可能に支持される。
【0042】
駆動プーリ13Cは、従動プーリ13Dに対して、搬送部材2Aの搬送側における下流に向かって上方(
図4における左斜め上方)に配置される。上側タイミングベルト13Aは、これらのプーリ13C、13Dに掛け回され、
図4において右回り(時計回り)に且つ下側タイミングベルト11Aと同速度で回動されるように駆動される。
【0043】
下側タイミングベルト11Aと上側タイミングベルト13Aが搬送部材2Aを介して互いに対向している面は、互いに平行であり、搬送部材2Aの搬送側における下流に向かって上方(
図4における左斜め上方)に傾き、例えば、その傾斜角度は水平方向に対して20度に設定される。また、下側タイミングベルト11Aは、隣接した下側プロフィル11Bの中間に上側タイミングベルト13Aから延びる上側プロフィル13Bが位置するように配置される。
【0044】
下側タイミングベルト11A、下側プロフィル11B、上側タイミングベルト13A、及び上側プロフィル13Bによって、それらの間に波形状の空間3Aが形成される。搬送部材2Aが空間3Aに配置されることによって、搬送部材2Aは波形状に配置され、それにより、複数の凹部2Lが形成される。凹部2Lは、後述する計量枡8の一部でもあり、搬送方向Aに見たとき、計量桝8の前面(前側の側壁)、後面(後側の側壁)、及び底面を構成する。
【0045】
また、搬送部材2Aの連結端部2Kが、下側タイミングベルト11Aの下側プロフィル11Bの先端部の溝11Eに嵌合するとき、連結端部2Kのところで連結されている隣接した2つのモジュール2Gの外側の表面は、下側プロフィル11Bの先端部において平らな面を形成した状態で載置される。
【0046】
これに関して、搬送方向Aに見たとき、複数の凹部2Lの各々の前後において隣接した2つのモジュール2Gの上面(搬送面2F)によって形成された平らな面を含む平面を、傾斜面2Mと称する。
【0047】
第1の実施形態においては、
図2に示すように、上側タイミングベルト13A及び上側プロフィル13Bは、搬送方向Aに見たとき、下側タイミングベルト11A及び下側プロフィル11Bの右側(
図2における右側)だけに存在し(片寄り)、即ち、下側タイミングベルト11Aの一部が上側タイミングベルト13Aと上下に重なるように配置される。上側プロフィル13Bは、後述する計量枡8の一部でもあり、搬送方向Aに見たとき、計量桝8の右側の側壁(サイド部材)の役割を兼ねる。
【0048】
図3に示すように、上下動機構13Eは、搬送部材押圧装置13を、傾斜面2Mに対する直角方向に所定の範囲内で移動させるように構成される。搬送部材押圧装置13を計量枡保持装置11から遠ざけたとき、搬送部材2Aを計量枡保持装置11と搬送部材押圧装置13の間に配置したりそれから取出したりすることが容易であり、それにより、洗浄やメンテナンスの際の作業負担を低減させることが可能である。
【0049】
ガイド機構15は、ガイド部材15Aと、搬送部材ガイド15B、15Cと、オサエレール15Dを備える。
【0050】
ガイド部材15Aは、搬送方向Aに見たとき、搬送部材2Aに隣接してその左側(
図2における左側)に配置される板状のガイドであり、後述する計量枡8の一部でもあり、計量桝8の左側の側壁(サイド部材)の役割を兼ねる。
【0051】
オサエレール15Dは、ガイド部材15Aの内面(右側面)に取付けられる。オサエレール15Dは、下側プロフィル11Bの先端溝11Eに載置されたモジュール2Gによって形成された平らな面を上方から押さえるように配置され、それにより、連結端部2Kが先端溝11Eから脱落するのを防止する。
【0052】
搬送部材ガイド15B、15Cは、ガイド部材15Aの搬送方向Aの上流側と下流側に取付けられ、直線状の搬送部材2Aを案内し搬送方向Aの幅方向の位置を決めるように構成される。
【0053】
上記の構成により、搬送方向Aに見たとき、計量桝8が搬送部材2Aのうちの左側に形成される(
図2参照)。即ち、計量枡8は、搬送部材2Aの凹部2Lと、搬送部材2Aのうちの右側で凹部2Lに嵌入している上側プロフィル13B(一方のサイド部材)と、搬送部材2Aの左側に隣接しているガイド部材15A(他方のサイド部材)とによって囲まれた空間である。
【0054】
計量枡容量調整装置17は、計量枡8の容量を変更又は調整する装置であり、ガイド機構15及び搬送部材2Aの幅方向位置を搬送部材押圧装置13に対して移動させる(調整する)機構を含み、かかる機構は、ガイドベース17Aと、2本のシャフト17Bと、調整ネジ17Cを備える(
図1参照)。
【0055】
ガイドベース17Aは、ガイド機構15のガイド部材15Aに取付けられる。2本のシャフト17Bは、フレーム1Aから突出するように延び、ガイドベース17Aは、シャフト17Bに摺動自在に嵌合している。調整ネジ17Cは、フレーム1Aに回転可能に支持され且つフレーム1Aから突出するように延び、ガイドベース17Aは、調整ネジ17Cと螺合する。かくして、調整ネジ17Cを回転させることによって、ガイドベース17Aを搬送部材2Aの幅方向に移動させることが可能である。つまり、調整ネジ17Cを回転させることにより、ガイド部材15A、搬送部材ガイド15B、15C、及び搬送部材2Aを、凹部2Lに嵌入している上側プロフィル13B(搬送部材押圧装置13)に対して幅方向に移動させ、それにより、計量枡8の容量を変更又は調整することができる。
【0056】
駆動装置5は、計量枡保持装置11の下側タイミングベルト11A及び搬送部材押圧装置13の上側タイミングベルト13Aを回動させる(駆動する)ための装置であり、駆動部5Aと、センサ5Bと、サーボモータ等の制御モータM1を備える。
【0057】
駆動部5Aは、制御モータM1と連動するように連結された歯車列を備える。下側タイミングベルト11Aの駆動プーリ11C及び上側タイミングベルト13Aの駆動プーリ13Cは、制御モータM1の作動によって同速度で逆方向に回転するように、歯車列に連結される。
【0058】
センサ5Bは、下側タイミングベルト11Aの下側プロフィル11Bを検知するセンサである。駆動装置5は、搬送コンベア7からの信号に基づいて、下側タイミングベルト11A及び上側タイミングベルト13Aを駆動し、センサ5Bの検知信号に基づいて、下側タイミングベルト11A及び上側タイミングベルト13Aを停止させるように構成される。
【0059】
また、駆動装置5は、計量枡形成装置3を介して搬送部材2Aを回動させる(駆動する)ことが可能である。即ち、駆動装置5は、計量枡保持装置11の下側タイミングベルト11Aと搬送部材押圧装置13の上側タイミングベルト13Aを回動させることを介して、搬送部材2Aを搬送方向(回動方向)Aに回動させる(駆動する)ことが可能である。
【0060】
充填計量装置4は、充填装置4Aと、計量装置4Bと、貯留装置4Cを備える。
【0061】
充填装置4Aは、搬送部材2Aが傾斜面2Mに沿って計量枡8を形成する区間において、搬送部材2Aの上方に配置された充填ホッパ4Dを備える。また、充填装置4Aは、充填ホッパ4D内の食品材料Rの残量を検知するセンサ4Kを備える。
【0062】
計量装置4Bは、充填ホッパ4Dの搬送方向Aの下流端部に配置されたエアノズル4Eを備える。エアノズル4Eは、圧縮空気を搬送方向Aの上流側に向かって且つ傾斜面2Mに沿って噴射する向きに配置される。
【0063】
貯留装置4Cは、貯留ホッパ4Fと、貯留ホッパ4F内部に配置されたアジテータ4Gと、アジテータ駆動部4Hと、制御モータM2を備える。貯留ホッパ4Fは、充填ホッパ4Dの上方に配置される。貯留装置4Cは、センサ4Kの検知信号に基づいて、制御モータM2を駆動するように構成され、充填ホッパ4D内の食品材料Rの残量が少なくなると、アジテータ駆動部4Hによってアジテータ4Gを回転させ、充填ホッパ4Dに食品材料Rを供給するように構成される。
【0064】
供給装置6は、計量枡形成装置4の下流側に配置され、供給ホッパ6Aと、プッシャ6Bと、供給ホッパ上下動用のアクチュエータ6Cと、プッシャ上下動用のアクチュエータ6Dと、スプレー装置6Eを備える。
【0065】
供給ホッパ6Aは、搬送コンベア7の搬送面の上方に配置され、アクチュエータ6Cによって上下動可能である。供給ホッパ6Aは、内面が下方に向かって狭くなる形状を有するが、その下面の出口は、菓子生地片Dの上のクリームFよりもひとまわり大きい形状を有する。
【0066】
プッシャ6Bは、アクチュエータ6Dによって上下動可能である。プッシャ6Bの押圧面(下面)は、凹部を有し、プッシャ6Bの外周面は、供給ホッパ6Aの出口よりひとまわり小さい形状を有し、それにより、プッシャ6Bは、供給ホッパ6Aの内側に侵入することが可能である。
【0067】
プッシャ6Bの押圧面(下面)の凹部は、食品材料Rの粘着防止の為に、凹凸形状を有していてもよいし、圧縮空気を噴射させる複数の小孔を有していてもよい。
【0068】
スプレー装置6Eは、プッシャ6Bの下面にアルコール等の液体を噴霧することが可能であり、それにより、プッシャ6Bの下面への食品材料Rの粘着を防止する。
【0069】
制御装置9は、入力手段9Aと、演算手段9Bと、制御手段9Cを備える。
【0070】
次に、計量供給装置1を用いた菓子製品Pの成形動作を説明する。
【0071】
搬送コンベア7を間欠動作させ、長方形の菓子生地片Dを、その上面にクリームFが載置した状態で供給ホッパ6Aの下方に搬送し、搬送コンベア7を停止させる。
【0072】
制御装置9は、搬送コンベア7の停止信号に基づいて、駆動装置5の制御モータM1を作動させる。
【0073】
それにより、下側の駆動プーリ11Cと上側の駆動プーリ13Cを同速度で逆方向に回転させ、下側タイミングベルト11Aの下側プロフィル11Bと上側タイミングベルト13Aの上側プロフィル13Bを回動させることによって、搬送部材2Aを搬送方向Aに回動させる。
【0074】
その後、制御装置9は、センサ5Bによる下側タイミングベルト11Aの下側プロフィル13Bの感知信号に基づいて、制御モータM1を停止させる。
【0075】
かくして、駆動装置5(制御モータM1)は、計量枡形成装置3を介して搬送部材2Aを間欠的に回動させる(駆動する)。
【0076】
図4に示すように、搬送部材2Aを、搬送部材ガイド15Bの案内により、空間3Aの入口3Bに向かって回動させる。入口3Bでは、下側タイミングベルト11Aの下側プロフィル11Bと上側タイミングベルト13Aの上側プロフィル13Bを交互に搬送方向Aに沿って移動させる。
【0077】
回動している搬送部材2Aを、先行する下側プロフィル11Bによって下側から支持し、次いで、上側プロフィル13Bによって上側から押圧し、次いで、後続する下側プロフィル11Bによって下側から支持する。それにより、搬送部材2Aの凹部2Lが形成され、凹部2Lが形成された搬送部材2Aは、搬送部材押圧装置13によって計量桝保持装置11に向かって押圧された状態で、計量桝保持装置11によって保持される。それと同時に、凹部2L、上側プロフィル13B、及びガイド部材15Aにより、計量枡8が形成される。このようにして、複数の凹部2L(複数の計量枡8)が所定の間隔Lで形成され、凹部2Lを傾斜面2Mに沿って上方へ移動させる。
【0078】
計量枡8を充填ホッパ4Dの下方に搬送方向Aに回動させると、充填ホッパ4D内の食品材料Rが計量枡8内に落下し、計量枡8が充填される。充填ホッパ4Dの下流端部に配置されたエアノズル4Eから圧縮空気を噴射することによって、計量枡8の上端(搬送面2M)からはみ出た食品材料Rを吹き飛ばして排除する。これにより、食品材料Rの計量が行われる。圧縮空気の噴射は、連続噴射であってもよいが、間欠噴射であることが望ましい。間欠噴射の場合、圧縮空気を、搬送部材2Aの間欠動作に同調して、例えば、0.05秒間噴射することが好ましい。
【0079】
この計量が行われる箇所(傾斜面2M)は傾斜しているので、エアノズル4Eで吹き飛ばされた食品材料Rは、充填ホッパ4D内の上流側に戻される。
【0080】
エアノズル4Eから噴射される圧縮空気によって、非接触で食品材料Rを吹き飛ばす(摺り切りを行う)ので、充填計量装置4は、食品材料Rを潰さずに、食品材料Rを計量枡8の容量(所定量)に計量することができる。
【0081】
搬送部材2Aは、空間3Aの出口3Cを通過した後、搬送部材ガイド15Cに案内される。凹部2Lが形成されていた搬送部材2Aは、出口3Cで上側プロフィル13Bの押圧と下側プロフィル11Bの保持から解放され、凹部2L(計量枡8)を消滅させて、コンベアプレート2B上で直線状になる。計量枡8に収容されていた食品材料Rは、平らな搬送面2F上でひと塊となって搬送される。ひと塊の食品材料Rの幅を、一対の回転ローラ2Tによって整え、食品材料Rを搬送部材2Aから供給ホッパ6Aに供給される。
【0082】
制御装置9は、搬送コンベア7の停止信号に基づいて駆動装置5の制御モータM1を作動させることに加えて、搬送コンベア7の停止信号に基づいて、供給装置6の供給ホッパ6Aを上昇端位置から下降端位置に下降させる。
【0083】
コンベアプレート2Bに支持されている搬送部材2Aの搬送面2F上には、計量枡8によって計量された食品材料Rが、塊になって搬送方向に間をあけて(順番に)載置されている。その最先端のひと塊の食品材料Rを、搬送部材2Aの間欠動作によって、コンベアプレート2Bの下流端から供給ホッパ6Aに向かって落下させる。このとき、供給ホッパ6Aが菓子生地片D上のクリームFの周囲を囲っているので、食品材料RはクリームFの外周からはみ出すことなく、クリームF上に載置される。
【0084】
その後、プッシャ6Bを上昇端位置から下降端位置に下降させ、クリームF上に落下した食品材料Rを潰さない程度に(軽度に)上から押圧し、クリームFに食い込ませる。
【0085】
プッシャ6Bの押圧面は凹部を形成しているので、押圧する際に食品材料Rが中央に寄り、周囲にはみ出すことを抑制している。
【0086】
その後、供給ホッパ6A、プッシャ6Bを、その順番で上昇端位置に上昇させる。次いで、スプレー装置6Eにより、上昇したプッシャ6Bの下面に向かって、液体を噴霧する。搬送コンベア7を間欠的に作動させ、食品材料Rが載置された菓子生地片Dを下流に搬送するとともに、次の菓子生地片Dを供給ホッパ6Aの下方に搬送して、搬送コンベア7が停止させる。
【0087】
下流の装置において、クリームF上に食品材料Rが載置された菓子生地片DにクリームFをさらに載置し、その上から菓子生地片Dを載置し、それにより、菓子製品Pを完成させる。
【0088】
次に、
図5乃至
図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る計量供給装置31を説明する。上述した第1の実施形態の構成要素の機能と同様の機能を奏する構成要素に、第1の実施形態の構成要素と同じ符号を付し、その構成要素の説明を省略する。
【0089】
計量供給装置31は、箱型のフレーム1Aと、搬送装置2と、計量枡形成装置33と、駆動装置5と、充填計量装置4と、供給装置6と、制御装置9を備える。
【0090】
計量枡形成装置33は、計量枡保持装置11と、搬送部材押圧装置43と、ガイド機構45と、計量枡容量調整装置47とを備える。
【0091】
搬送部材押圧装置43は、2つの上側タイミングベルト13Aと、2組の複数の板状の上側プロフィル13Bと、2つの駆動プーリ13Cと、2つの従動プーリ13Dを、幅方向に間隔をあけて備える。
【0092】
図5に示すように、2つの駆動プーリ13Cは、フレーム1Aの正面側(
図5における手前側)に設けられた軸受に回転可能に支持された駆動シャフトに間隔をあけて取付けられる。また、2つの従動プーリ13Dは、フレーム1Aから正面側に突出するように延びるシャフトに、2つの駆動プーリ13Cと同じ間隔をあけて回転可能に支持される(
図6参照)。下側タイミングベルト11A、下側プロフィル13B、上側タイミングベルト13A、及び上側のプロフィル13Bによって、それらの間に波形状の空間3Aが形成される。搬送部材2Aが空間3Aに配置されることによって、搬送部材2Aは波形状に配置され、それにより、複数の凹部2Lが形成される。
【0093】
第2の実施形態においては、左側及び右側の上側プロフィル13Bは、計量枡8の一部でもあり、搬送方向Aに見たとき、計量桝8の左側及び右側の側壁(サイド部材)の役割を兼ねる。すなわち、計量枡8は、搬送部材2Aの凹部2Lと、搬送部材2Aの左側及び右側で凹部2Lに嵌入している左側及び右側のプロフィル13Bとによって囲まれた空間である。
【0094】
計量枡容量調整装置47は、計量枡8の容量を調整する装置であり、搬送部材押圧装置43を傾斜面2Mの直角方向に移動させることによって、搬送部材2Aの凹部2Lの深さを変更する(調整する)上下装置47Aを備える。
【0095】
図7に示すように、上下装置47Aは、フレーム1Aの内部において、傾斜面2Mの直角方向に沿って互いに平行に配置された2つのシャフト47Bと、搬送部材押圧装置43に取付けられたベース47Cと、ベース47Cの両端部に設けられた2対の軸受47Dとを備え、各シャフト47Bは、軸受47Dに摺動自在に挿入されている。上下装置47Aは、更に、ベース47Cの中間部に設けられたナットプレート47Fと、ネジシャフト47Eと、ハンドル47Gを備え、ネジシャフト47Eのネジ部は、ナットプレート47Fに螺合し、ネジシャフト47Eは、回転可能であり、ハンドル47Gは、ネジシャフト47Eの軸端部に取付けられている。
【0096】
かくして、ハンドル47Gを回転させることにより、ベース47Cに取付けられた搬送部材押圧装置43を傾斜面2Mに対する直角方向に移動させることが可能であり、それにより、計量枡8の容量を調整することが可能である。
【0097】
駆動装置5において、計量枡保持装置11の駆動プーリ11Cと搬送部材押圧装置43の駆動プーリ13Cとは、リンク機構を用いて結合された4つのギヤ47Hからなる歯車列を介して制御モータM1に連結され、搬送部材押圧装置43を上下動させた(傾斜面2Mに対して直角方向に移動させた)とき、計量枡保持装置11の下側プロフィル11Bと搬送部材押圧装置43の上側プロフィル43Bの搬送方向Aの位置関係が変化しない(ずれない)ように構成されている。
【0098】
第1の実施形態と同様に、駆動装置5は、計量枡保持装置11の下側タイミングベルト11Aと搬送部材押圧装置43の上側タイミングベルト13Aを回動させることを介して、搬送部材2Aを搬送方向(回動方向)Aに回動させることが可能である。
【0099】
計量供給装置31の動作は、第1の実施形態の計量供給装置1の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0100】
次に、
図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る計量供給装置61を説明する。上述した第1の実施形態の構成要素の機能と同様の機能を奏する構成要素に、第1の実施形態の構成要素と同じ符号を付し、その構成要素の説明を省略する。
【0101】
計量供給装置61は、箱型のフレーム1Aと、搬送装置62と、計量枡形成装置63と、駆動装置65と、充填計量装置64と、供給装置6と、制御装置9を備える。
【0102】
搬送装置62は、平ベルトである搬送部材62Aと、ローラ2Cと、清掃装置2Dと、テンショナ62Nを備える。
【0103】
搬送部材62Aは、屈曲自在な無端状の平ベルトであり、搬送部材62Aの外側を搬送面62Fと称する。搬送部材62Aは、後述する計量枡保持装置71の回転ドラム71A及びローラ2Cに掛け回され、それらの周りを回動自在に構成される。搬送面62Fはそれ自体、凹凸のない平らな形状を有する。
【0104】
また、テンショナ62Nは、搬送部材62Aのリターン側(
図8において左方から右方に回動する部分)の内側に配置され、搬送部材62Aにその裏面側からテンションを加える(掛ける)ように構成される。テンショナ62Nは、上述したテンショナ2Nと同様に構成されるのがよい。
【0105】
計量枡形成装置63は、計量枡保持装置71と、搬送部材押圧装置73と、ガイド部材75を備える。
【0106】
計量枡保持装置71は、回転ドラム71Aと、複数の板状の下側プロフィル71Bと、複数の吸引孔71Dを備える。複数の下側プロフィル71Bは、回転ドラム71Aの外周面71Cから突出するように延び、回転ドラム71Aの周方向に等間隔に配置される。第3の実施形態において、隣接した下側プロフィル71Bとその間の外周面71Cとによって形成される(囲まれた)領域を空間71Fと称する。
【0107】
また、複数の吸引孔71Dは、隣接した下側プロフィル71Bの間の外周面71Cに設けられる。吸引孔71Dは、回転ドラム71Aの内側空間を介して、図示しない吸引装置に連通している。回転ドラム71Aは、上流端部63A(後述する搬送部材押圧装置73が搬送部材62Aを後述する回転ドラムの外周面71Cに向かって押圧する位置)から下流端部63B(食品材料Rを供給装置6に落下させる位置)までの区間において、搬送部材62Aを外周面71Cに吸着して保持するように構成されている。その他の区間では、吸引孔71Dは、回転ドラム71Aの内側空間に設けられたカム71Eによって覆われ、それにより、搬送部材62Aは、空間71Fから解放される。
【0108】
搬送部材押圧装置73は、プッシャ73Aと、アクチュエータ73Bを備える。
【0109】
プッシャ73Aは、空間71Fと相補的な(相似の)形状を有し、アクチュエータ73Bに前進後退自在に駆動されるように構成される。プッシャ73Aを前進させることにより、搬送部材62Aを空間71F内に押圧することが可能であり、それにより、搬送部材62Aの凹部62Lが形成される。
【0110】
ガイド部材75は、円形であり、回転ドラム71Aの幅方向両側に取付けられ、サイド部材の役割を果たすように構成される。
【0111】
上記の構成により、第3の実施形態における計量枡8は、搬送部材62Aの凹部62Lと、搬送部材62Aの左右に隣接するガイド部材75(サイド部材)とによって囲まれた空間である。
【0112】
駆動装置65は、回転ドラム71Aを間欠的に回転駆動する装置であり、制御モータM1を備える。制御モータM1は、フレーム1Aの正面側(
図8における手前側)に設けられた軸受に回転可能に支持される駆動シャフトに取付けられる。
【0113】
また、駆動装置65は、計量枡形成装置63の回転ドラム71Aを駆動することを介して、搬送部材62Aを駆動することが可能である。
【0114】
充填計量装置64は、回転ドラム71Aの上方に配置され、充填装置64Aと、計量装置64Bを備える。
【0115】
充填装置64Aは、搬送部材62Aが回転ドラム71Aの空間71Fのところで計量枡8を形成する区間において、回転ドラム71Aの上方に配置された充填ホッパ64Dを備える。
【0116】
計量装置64Bは、回転ドラム71Aの上端付近に且つ充填ホッパ64Dの搬送方向Aの下流端部に配置されエアノズル4Eを備える。エアノズル4Eは、圧縮空気を搬送方向Aの上流側に向かって且つ回転ドラム71Aの外周面に沿って噴射する向きに配置される。
【0117】
次に、計量供給装置61を用いた菓子製品Pの成形動作を説明する。
【0118】
プッシャ73Aの押圧動作と吸引孔71Dからの吸引により、搬送部材62Aの凹部62Lを形成して、凹部62Lを空間71F内に保持することによって、計量枡8が形成される。
【0119】
駆動装置65による回転ドラム71Aの間欠的な回転駆動による回転ドラム71Aの回転動作を繰り返すことにより、複数の計量枡8を回転ドラム71Aの外周上の搬送部材62Aに形成する。
【0120】
エアノズル4Eから圧縮空気を噴射することによって、計量枡8の上面からはみ出た食品材料Rを吹き飛ばして排除する。これにより、食品材料Rを計量枡8の容量に計量する。
【0121】
回転ドラム71Aを駆動することにより、搬送部材62Aの間欠移動を繰返し、計量された食品材料Rを収容した計量枡8を、
図8に示す下流端部63Bに到達させる。
【0122】
計量枡8を下流端部63Bに到達させると、吸引孔71Dは、カム71Eによって塞がれ、搬送部材62Aは、吸引されなくなり、吸引孔71Dから解放される。吸引孔71Dから解放された搬送部材62Aは、凹部62Lを消滅させ、下側プロフィル71Bの外周に沿って平らになり、それにより、計量枡8に収容されていた食品材料Rを、供給ホッパ6A内に落下させる。
【0123】
下流端部63Bで回転ドラム71Aから解放された搬送部材62Aは、その搬送面62Fを清掃装置2Dによって清掃した後、上流端部63Aに戻される。
【0124】
計量供給装置61を、第1の実施形態と同様に、制御装置9によって搬送コンベア7と連動させることにより、ひと塊の食品材料Rを、菓子生地片Dの上のクリームFの上に供給する。供給装置6のプッシャ6Bを下降させ、食品材料Rを軽度に上から押圧して、クリームFに食い込ませる。その後、下流の装置において、菓子製品Pを完成させる。
【0125】
本発明の実施形態に係る計量充填装置を説明したけれども、本発明は、これに限らず、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更が可能であり、それらも本発明に包含されることはいうまでもない。
【0126】
上記の第1及び第2の実施形態では、搬送部材は、モジュラーベルトであったけれども、その代わりに、例えば、平ベルトを用い、平ベルトの幅方向両端部に、回動方向に等間隔に孔を設けてもよい。この場合、計量枡保持装置の下側プロフィルの先端部は、かかる孔に挿入される突起を設けるように構成され、それにより、凹部を形成し、計量枡を保持する。
【0127】
また、計量枡保持装置は、下側タイミングベルト、下側プロフィル、上側タイミングベルト、上側プロフィルを備えていたけれども、その代りに、例えば、搬送部材の両側に配置された駆動チェーンと、両側の駆動チェーンを繋ぐバーを間隔をあけて備え、そのバーで搬送部材を保持する装置とすることも可能である。
【0128】
上記の実施形態では、計量装置は、エアノズルを用いて非接触にて摺り切りしたが、潰れにくい食品材料であれば、板状のスクレーパや回転ブラシ等で摺り切りすることも可能である。また、食品材料が転がりやすい形状の場合、充填する箇所が傾斜していれば、自重で転がり、搬送中に計量ができることもある。
【0129】
食品材料は、豆やチョコチップ等の粒状固形物であってもよい。
【0130】
また、上記第1~第3の実施形態では、食品材料Rを搬送コンベア上の菓子生地片に供給したけれども、その代りに、例えば
図9に示すように、計量供給装置1を包あん機80の重合ノズル81の上方に配置し、粒状固形物の食品材料Rを重合ノズル81のインナパイプに供給し、食品材料Rを外皮材で包あんした製品を成形してもよい。
【0131】
また、上記第1~第3の実施形態では、食品材料Rを搬送コンベア上の菓子生地片Dの上に供給したけれども、その代りに、粒状固形物を含む食品材料Rを扁平なパン生地片に供給し、後続の成形装置において、食品材料Rを包み込み包あん成形してもよい。
【0132】
供給装置6は、更に、プッシャ6Bの下降端位置を変更できるように構成されてもよい。例えば、アクチュエータ6Dとして電動シリンダを採用し、電動シリンダのストロークを変更することによって、プッシャ6Bの下降端位置を、製品に合わせて調整してもよい。変形例として、プッシャ上下動アクチュエータ6Dの取付け位置を上下動できるように構成することによって、プッシャ6Bの下降端位置を、製品に合わせて調整してもよい。プッシャ6Bの下降端位置を調整することにより、生地片上に供給される食品材料Rの所定供給量の大小に対応して、食品材料Rを適切に押圧することが可能である。また、プッシャ6Bの下降端位置を調整することにより、食品材料Rの性状(硬さ、粘着具合、形状による転がりやすさ等)の違いに応じて、食品材料Rへの押圧の強弱を調整することが可能である。
【0133】
計量桝8の容量を変更する必要がなければ、計量桝容量調整装置17、47を省略してもよい。また、供給装置6を省略して、食品材料Rを搬送装置2、62から菓子生地片Dの上面に直接供給してもよい。また、第1及び第2の実施形態の計量枡容量調整装置17において、右側のサイド部材を移動させてもよいし、左側のサイド部材を移動させてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1、31、61 計量供給装置
2、62 搬送装置
3、33、63 計量枡形成装置
4 充填計量装置
5 駆動装置
6 供給装置
8 計量枡
9 制御装置
2A,62A 搬送部材
4A、64A 充填装置
4B、64B 計量装置
4E エアノズル
11、71 計量枡保持装置
13、43、73 搬送部材押圧装置
15、45、75 ガイド機構
17、47 計量枡容量調整装置
D 菓子生地片
F クリーム
R 食品材料
P 菓子製品