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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】喫煙具制御回路および喫煙具
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240628BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240628BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/46
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022542291
(86)(22)【出願日】2021-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021070999
(87)【国際公開番号】W WO2021139804
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】202020062619.6
(32)【優先日】2020-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李文娟
(72)【発明者】
【氏名】方小剛
(72)【発明者】
【氏名】余培侠
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208258102(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第03569078(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0159523(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0169314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路と、サンプリング回路と、電圧調整回路と、マイクロコントローラとを備える喫煙具制御回路であって、前記サンプリング回路は、第1のサンプリング回路および第2のサンプリング回路を備え、
前記第1のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の前端の第1の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記電圧調整回路は、電力管を有し、前記電力管がトランジスタであり、
前記第2のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の後端の第2の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記マイクロコントローラは、
前記電力管を複数の異なる予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御し、
異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記第1の電気パラメータおよび前記第2の電気パラメータを取得することにより、異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記電圧調整回路の対応する効率を決定し、
そして、前記電力管を、前記対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御する、ように構成され、
前記第1の電気パラメータおよび前記第2の電気パラメータは、電流および電圧を含み、
前記第1のサンプリング回路および前記第2のサンプリング回路はいずれも、第1のサンプリング電気接続部、第2のサンプリング電気接続部、サンプリング抵抗、演算増幅器、および前記第2のサンプリング電気接続部に電気的に接続された分圧回路を含み、
前記サンプリング抵抗は、前記第1のサンプリング電気接続部と第2のサンプリング電気接続部との間に電気的に接続され、
前記演算増幅器は、前記サンプリング抵抗の両端の電圧差を増幅・変換して、サンプリング電流を出力するために使用され、
前記分圧回路は、前記第2のサンプリング電気接続部の電圧を分圧して、サンプリング電圧を出力するために使用されることを特徴とする、喫煙具制御回路。
【請求項2】
前記第1のサンプリング回路および前記第2のサンプリング回路は、フィルタ回路をさらに含み、
前記フィルタ回路は、前記演算増幅器の出力端に電気的に接続され、前記フィルタ回路は、前記演算増幅器から出力されるサンプリング電流をフィルタリングするために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙具制御回路。
【請求項3】
前記分圧回路は、電気的に直列接続された第1の抵抗と第2の抵抗、および前記第2の抵抗の両端に電気的に並列接続された第1のコンデンサを含むことを特徴とする、請求項1に記載の喫煙具制御回路。
【請求項4】
前記第1のサンプリング回路および/または前記第2のサンプリング回路は、バイパススイッチをさらに含み、前記バイパススイッチは、前記サンプリング抵抗に並列接続され、前記バイパススイッチの制御端は、前記マイクロコントローラから出力される第1の制御信号を受信するために使用され、前記第1の制御信号は、前記バイパススイッチの導通と遮断を制御するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙具制御回路。
【請求項5】
前記電圧調整回路は、スイッチング回路、電源供給回路、駆動回路および昇圧回路を含み、
前記スイッチング回路は、入力端が前記電源回路に電気的に接続され、出力端が前記電源供給回路の電源入力端に電気的に接続され、制御端が前記マイクロコントローラから出力される第2の制御信号を受信するために使用され、前記第2の制御信号は、前記スイッチング回路の導通と遮断を制御するために使用され、
前記電源供給回路は、電源出力端が前記駆動回路の電源端に電気的に接続され、前記電源供給回路は、前記駆動回路に電力を供給するために使用され、
前記駆動回路は、信号入力端が前記マイクロコントローラから供給される駆動信号を受信するために使用され、信号出力端が駆動制御信号を出力し、前記駆動制御信号は、前記電力管を駆動・制御するために使用され、
前記昇圧回路は、前記電力管を有し、電源入力端が前記電源回路に電気的に接続され、電源出力端がヒータに電気的に接続され、信号受信端が前記駆動制御信号を受信するために使用され、信号制御端が、前記マイクロコントローラから出力される第3の制御信号を受信するために使用され、前記第3の制御信号は、前記昇圧回路の導通と遮断を制御するために使用されることを特徴とする、請求項1~4に記載の喫煙具制御回路。
【請求項6】
電源回路と、サンプリング回路と、電圧調整回路と、マイクロコントローラとを備える喫煙具制御回路であって、前記サンプリング回路は、第1のサンプリング回路および第2のサンプリング回路を備え、
前記第1のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の前端の第1の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記電圧調整回路は、電力管を有し、前記電力管がトランジスタであり、
前記第2のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の後端の第2の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記マイクロコントローラは、
前記電力管を複数の異なる予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御し、
異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記第1の電気パラメータおよび前記第2の電気パラメータを取得することにより、異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記電圧調整回路の対応する効率を決定し、
そして、前記電力管を、前記対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御する、ように構成され、
前記電圧調整回路は、スイッチング回路、電源供給回路、駆動回路および昇圧回路を含み、
前記スイッチング回路は、入力端が前記電源回路に電気的に接続され、出力端が前記電源供給回路の電源入力端に電気的に接続され、制御端が前記マイクロコントローラから出力される第2の制御信号を受信するために使用され、前記第2の制御信号は、前記スイッチング回路の導通と遮断を制御するために使用され、
前記電源供給回路は、電源出力端が前記駆動回路の電源端に電気的に接続され、前記電源供給回路は、前記駆動回路に電力を供給するために使用され、
前記駆動回路は、信号入力端が前記マイクロコントローラから供給される駆動信号を受信するために使用され、信号出力端が駆動制御信号を出力し、前記駆動制御信号は、前記電力管を駆動・制御するために使用され、
前記昇圧回路は、前記電力管を有し、電源入力端が前記電源回路に電気的に接続され、電源出力端がヒータに電気的に接続され、信号受信端が前記駆動制御信号を受信するために使用され、信号制御端が、前記マイクロコントローラから出力される第3の制御信号を受信するために使用され、前記第3の制御信号は、前記昇圧回路の導通と遮断を制御するために使用されることを特徴とする喫煙具制御回路。
【請求項7】
前記昇圧回路は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、充電回路、第1の電力管、および第2の電力管を含み、
前記第1のスイッチングトランジスタは、入力端が前記電源回路に電気的に接続され、出力端が前記充電回路の一端に電気的に接続され、前記充電回路の他端が前記第1の電力管の入力端および前記第2の電力管の入力端に電気的に接続され、制御端が前記第2のスイッチングトランジスタの入力端に電気的に接続され、
前記第2のスイッチングトランジスタは、出力端が接地し、制御端が前記第3の制御信号を受信するために使用され、前記第3の制御信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの導通と遮断を制御し、さらに前記第1のスイッチングトランジスタの導通と遮断を制御するために使用され、
前記第1の電力管は、出力端が接地し、制御端は、前記駆動回路から出力される第1の駆動制御信号を受信するために使用され、
前記第2の電力管は、出力端が前記ヒータに電気的に接続され、制御端が前記駆動回路から出力される第2の駆動制御信号を受信するために使用されることを特徴とする、請求項6に記載の喫煙具制御回路。
【請求項8】
前記充電回路は、インダクタを含むことを特徴とする、請求項7に記載の喫煙具制御回路。
【請求項9】
前記第1のスイッチングトランジスタは、PMOSトランジスタであり、前記第2のスイッチングトランジスタ、前記第1の電力管および前記第2の電力管はいずれも、NMOSトランジスタであることを特徴とする、請求項7に記載の喫煙具制御回路。
【請求項10】
前記昇圧回路は、フィルタ回路をさらに含み、前記フィルタ回路は、前記第2の電力管の出力端と前記ヒータとの間に電気的に接続されることを特徴とする、請求項7~請求項9のいずれか一つに記載の喫煙具制御回路。
【請求項11】
前記スイッチング回路は、第3のスイッチングトランジスタ、および第4のスイッチングトランジスタを含み、
前記第3のスイッチングトランジスタは、入力端が前記電源回路に電気的に接続され、出力端が前記電源供給回路に電気的に接続され、制御端が前記第4のスイッチングトランジスタの入力端に電気的に接続され、
前記第4のスイッチングトランジスタは、出力端が接地し、制御端が前記第2の制御信号を受信するために使用され、前記第2の制御信号は、前記第4のスイッチングトランジスタの導通と遮断を制御し、さらに前記第3のスイッチングトランジスタの導通と遮断を制御するために使用されることを特徴とする、請求項6に記載の喫煙具制御回路。
【請求項12】
前記第3のスイッチングトランジスタはPMOSトランジスタであり、前記第4のスイッチングトランジスタは、NMOSトランジスタであることを特徴とする、請求項11に記載の喫煙具制御回路。
【請求項13】
ヒータと、請求項1から12のいずれか一項に記載の喫煙具制御回路とを含むことを特徴とする、喫煙具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年1月11日に中国特許局に提出された、「喫煙具制御回路および喫煙具」と題する中国特許出願第202020062619.6号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、喫煙具の技術分野に関し、特に、喫煙具制御回路および喫煙具に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ、シガーなどは、使用時にタバコ葉を燃焼させてタバコベイパーを発生させる。上記のようなタバコ葉を燃焼させる製品の代わりに、燃焼させずに化合物を放出する製品を作る試みがなされている。このような製品の一例は、いわゆる加熱式タバコであり、タバコ葉加熱製品やタバコ葉加熱装置とも呼ばれる。材料は、例えば、タバコ葉や、他の非タバコ葉類製品や、ニコチンを含んでも含まなくてもよい混合物などの組合せであり得る。
【0004】
既存の低温加熱式タバコは、ディスクリートデバイス(インダクタやスイッチングトランジスタなど)による電圧調整回路、すなわち、負荷が異なる電力を必要とする場合、ディスクリートデバイスによる電圧調整回路を用いて必要な電圧を取得し、喫煙具内のヒータに供給して昇温・加熱することが一般的である。
【0005】
上述したディスクリートデバイスによる電圧調整回路では、電圧調整回路の出力電圧は、ヒータが必要とする電力によって異なるが、電圧調整回路における電力管の動作周波数が通常一定に保持されているため、電圧調整回路の損失が大きくなり、電源の使用率が低下する。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、喫煙具制御回路および喫煙具を提供し、既存の喫煙具におけるディスクリートデバイスの電圧調整回路の損失が大きく、電源の使用率が低いという問題を解決することを旨とする。
【0007】
本出願の第1の態様は、電源回路と、第1のサンプリング回路と、電圧調整回路と、第2のサンプリング回路と、マイクロコントローラとを備える喫煙具制御回路を提供し、
前記第1のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の前端の第1の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記電圧調整回路は、電力管を有し、
前記第2のサンプリング回路は、前記電圧調整回路の後端の第2の電気パラメータをサンプリングするために使用され、
前記マイクロコントローラは、
前記電力管を複数の異なる予め設定された各スイッチング周波数で動作させるように制御し、
異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記第1の電気パラメータおよび前記第2の電気パラメータを取得することにより、異なる予め設定されたスイッチング周波数での前記電圧調整回路の対応する効率を決定し、
そして、前記電力管を、前記対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御する、ように構成される。
【0008】
本出願の第2の態様は、喫煙具を提供し、前記喫煙具は、ヒータと、第1の態様に記載の喫煙具制御回路とを備える。
【0009】
本出願によって提供される喫煙具制御回路および喫煙具は、異なる予め設定されたスイッチング周波数での電気パラメータを取得することにより、電圧調整回路の対応する効率を決定し、続いて、電力管を、対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御し、それによって、電圧調整回路の損失を低減し、電源の使用率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
1つ以上の実施例は、それに対応する図面によって例示されており、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、同じ参照数字番号を有する図面の素子は、類似の素子を示し、図面では、特に説明されていない限り、縮尺の限定を構成しない。
【0011】
図1】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路を示すブロック図である。
図2】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路における電圧調整回路を示すブロック図である。
図3】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路におけるスイッチング回路および電源供給回路の模式図である。
図4】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路における駆動回路の模式図である。
図5】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路における昇圧回路の模式図である。
図6】本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路におけるサンプリング回路の模式図である。
図7】本出願の実施形態1によって提供される温度曲線の模式図である。
図8】本出願の実施形態2によって提供される喫煙具の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願を容易に理解するために、以下は図面および具体的な実施形態と合わせて、本出願をより詳細に説明する。なお、ある素子が他の素子に「固定」されるように表現される場合、他の素子に直接存在してもよいし、それらの間に1つ以上の中央にある素子が存在してもよいと理解できる。ある素子が他の素子に「電気的に接続」されるように表現される場合、直接他の素子に電気的に接続されてもよいし、それらの間に1つ以上の中央にある素子が存在してもよいと理解できる。本明細書で使用される「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの表現は、説明するためにのみ使用される。
【0013】
特に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではない。本明細書で使用される「および/または」という用語は、1つ以上の関連する記載項目の任意及びそのすべての組み合わせを含む。
実施形態1
【0014】
図1は、本出願の実施形態1によって提供される喫煙具制御回路であり、電源回路11、第1のサンプリング回路12、電圧調整回路13、第2のサンプリング回路14、マイクロコントローラ15を含む。
【0015】
電圧調整回路13は、電力管を有する。
【0016】
図2を参照すると、この例では、電圧調整回路13は、スイッチング回路131、電源供給回路132、駆動回路133および昇圧回路134を含む。
【0017】
スイッチング回路131は、入力端が電源回路11に電気的に接続され、出力端が電源供給回路132の電源入力端に電気的に接続され、制御端がマイクロコントローラ15から出力される第2の制御信号を受信するために使用され、第2の制御信号は、スイッチング回路131の導通と遮断を制御するために使用され、
電源供給回路132は、電源出力端が駆動回路133に電気的に接続され、電源供給回路132は、駆動回路133に電力を供給するために使用され、
駆動回路133は、信号入力端がマイクロコントローラ15から供給される駆動信号を受信するために使用され、信号出力端が駆動制御信号を出力し、前記駆動制御信号は、昇圧回路134における電力管を駆動・制御するために使用され、
昇圧回路134は、電力管を有し、電源入力端が電源回路11に電気的に接続され、電源出力端がヒータ16に電気的に接続され、信号受信端が、駆動回路133から出力される駆動制御信号を受信するために使用され、信号制御端が、マイクロコントローラ15から出力される第3の制御信号を受信するために使用され、前記第3の制御信号は、昇圧回路134の導通と遮断を制御するために使用される。
【0018】
図3図5から理解できるように、一例では、スイッチング回路131は、第3のスイッチングトランジスタQ5および第4のスイッチングトランジスタQ6を含み、
第3のスイッチングトランジスタQ5は、入力端が電源回路11(図ではBAT_IN)に電気的に接続され、出力端が電源供給回路132における集積チップU5のピン(VIN、EN)に電気的に接続され、制御端が第4のスイッチングトランジスタQ6の入力端に電気的に接続され、
第4のスイッチングトランジスタQ6は、出力端が接地し、制御端がマイクロコントローラ15から出力される制御信号10V8_ENを受信するために使用され、制御信号10V8_ENは、第4のスイッチングトランジスタQ6の導通と遮断を制御し、さらに第3のスイッチングトランジスタQ5の導通と遮断を制御するために使用される。
【0019】
この例では、第3のスイッチングトランジスタQ5は、PMOSトランジスタであり、第4のスイッチングトランジスタQ6は、NMOSトランジスタである。
【0020】
電源供給回路132は、集積チップU5およびその周辺回路を含み、集積チップU5のピンVOUTは、フィルタリングされた後、駆動回路133(図では10_8VDD)に電気的に接続される。
【0021】
駆動回路133は、集積チップU2およびその周辺回路を含み、集積チップU2のピンVDDは、10_8VDDに電気的に接続され、すなわち集積チップU5のピンVOUTに電気的に接続され、集積チップU2の信号入力ピンEN、HI、LIは、マイクロコントローラ15から供給される駆動信号BOOST_PWM_EN、BOOST_PWM_HI、BOOST_PWM_LIをそれぞれ受信するために使用され、集積チップU2の信号出力ピンHO、LOは、駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOをそれぞれ出力するために使用される。駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOは、昇圧回路134における電力管を駆動・制御するために使用される。
【0022】
昇圧回路134は、第1のスイッチングトランジスタQ1、第2のスイッチングトランジスタQ2、充電回路L1、第1の電力管Q3、および第2の電力管Q4を含み、
第1のスイッチングトランジスタQ1は、入力端が電源回路11(図ではBAT_IN)に電気的に接続され、出力端が充電回路L1の一端に電気的に接続され、充電回路L1の他端が第1の電力管Q3の入力端および第2の電力管Q4の入力端に電気的に接続され、制御端が第2のスイッチングトランジスタQ2の入力端に電気的に接続され、
第2のスイッチングトランジスタQ2は、出力端が接地し、制御端がマイクロコントローラ15から出力される制御信号EN_VCCを受信するために使用され、制御信号EN_VCCは、第2のスイッチングトランジスタQ2の導通と遮断を制御し、さらに第1のスイッチングトランジスタQ1の導通と遮断を制御するために使用され、
第1の電力管Q3は、出力端が接地し、制御端が駆動回路133の集積チップU2から出力される駆動制御信号BOOST_LOを受信するために使用され、
第2の電力管Q4は、出力端がヒータ16(図ではV+2およびV-2)に電気的に接続され、制御端が駆動回路133の集積チップU2から出力される駆動制御信号BOOST_HOを受信するために使用される。
【0023】
この例では、充電回路L1はインダクタであり、第1のスイッチングトランジスタQ1はPMOSトランジスタであり、第2のスイッチングトランジスタQ2、第1の電力管Q3および第2の電力管Q4はいずれもNMOSトランジスタである。第1の電力管Q3および第2の電力管Q4はハイパワーNMOSトランジスタを使用し、第2のスイッチングトランジスタQ2はローパワーNMOSトランジスタを使用する。なお、スイッチングトランジスタがNMOSトランジスタの場合、NMOSトランジスタのドレイン電極を入力端として、NMOSトランジスタのソース電極を出力端として、NMOSトランジスタのゲート電極を制御端として使用することができ、スイッチングトランジスタがPMOSトランジスタの場合、PMOSトランジスタのソース電極を入力端として、PMOSトランジスタのドレイン電極を出力端として、PMOSトランジスタのゲート電極を制御端として使用することができる。以下も同様であり、ここでは繰り返して説明しない。
【0024】
昇圧回路134は、フィルタ回路(図ではC8、C9およびC32)をさらに含み、フィルタ回路は、第2の電力管Q4の出力端とヒータ16との間に電気的に接続される。
【0025】
第1のサンプリング回路12は、電圧調整回路13の前端の第1の電気パラメータをサンプリングするために使用され、第2のサンプリング回路14は、電圧調整回路13の後端の第2の電気パラメータをサンプリングするために使用される。
【0026】
図6に示すように、一例では、第1の電気パラメータおよび第2の電気パラメータはいずれも、電流および電圧を含む。第1のサンプリング回路12および第2のサンプリング回路14はいずれも、第1のサンプリング電気接続部D+、第2のサンプリング電気接続部D-、第1のサンプリング電気接続部D+と第2のサンプリング電気接続部D-との間に電気的に接続されたサンプリング抵抗121(すなわちR111)と演算増幅器122、および第2のサンプリング電気接続部D-に電気的に接続された分圧回路124を含み、
演算増幅器122は、サンプリング抵抗121の両端の電圧差を増幅・変換して、サンプリング電流(図ではADC_IOUT)を出力するために使用され、
分圧回路124は、第2のサンプリング電気接続部D-の電圧を分圧して、サンプリング電圧(図ではADC_VOUT)を出力するために使用される。
【0027】
この例では、演算増幅器122は、演算増幅チップU1およびその周辺回路を含み、演算増幅器122の出力端とADC_IOUTは、演算増幅器122から出力されるサンプリング電流をフィルタリングするためのフィルタ回路123に電気的に接続されてもよい。フィルタ回路123は、RCフィルタ回路(図ではR114とC112)である。
【0028】
この例では、分圧回路124は、電気的に直列接続された第1の抵抗R112、第2の抵抗R113、および第2の抵抗R113の両端に電気的に並列接続された第1のコンデンサC111を含む。
【0029】
さらに、第1のサンプリング回路12および第2のサンプリング回路14はいずれも、バイパススイッチ(図示せず)をさらに含み、前記バイパススイッチは、サンプリング抵抗121に並列に接続され、前記バイパススイッチの制御端は、マイクロコントローラ15から出力される第1の制御信号を受信するために使用され、前記第1の制御信号は、前記バイパス回路の導通と遮断を制御するために使用される。バイパススイッチにより、サンプリング抵抗が回路内で常時直列に接続されることを回避し(この場合、バイパス回路が導通され、演算増幅器122の電源端を電源回路から切り離せることができる)、回路損失を低減することができる。
【0030】
マイクロコントローラ15は、
昇圧回路134における電力管を複数の異なる周波数で動作させるように制御し、
異なる予め設定されたスイッチング周波数での第1の電気パラメータおよび第2の電気パラメータを取得することにより、異なる予め設定されたスイッチング周波数での電圧調整回路13の対応する効率を決定し、
そして、昇圧回路134における電力管を、対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数で動作させるように制御する、ように構成される。
【0031】
一例として、電力管のスイッチング周波数をfn~fmとし、fn~fmからk個のスイッチング周波数、すなわちf1、f2、f3...fkを選択する。昇圧回路134における電力管を異なるスイッチング周波数で動作させるように順次制御し、複数の異なる周波数での第1の電気パラメータおよび第2の電気パラメータを取得して電圧調整回路13の効率を決定する。例えば、電力管のスイッチング周波数をf1とし、第1の電気パラメータの電圧をU1とし、電流をI1とし、第2の電気パラメータの電圧をU2とし、電流をI2とする場合、電圧調整回路13の効率は、Q1=P2/P1=(U2*I2)/(U1*I1)である。f1、f2、f3...fkに対応する電圧調整回路13の効率は、Q1、Q2、Q3...Qkである。
【0032】
ここで、予め設定されたスイッチング周波数f1、f2、f3...fkは、好ましくは、電力管のスイッチング周波数範囲fn~fm内で等ステップで設定され、例えば、f1=fn、f2=fn+X、X周波数でステップを増加する。
【0033】
Q1、Q2、Q3...Qkから最大効率(Qtの場合、対応する電力管のスイッチング周波数はftである)を見つけることで、昇圧回路134における電力管をftで動作させるように制御することができる。この動作周波数では、昇圧回路134の損失が最も小さく、電源の使用率が向上する。
【0034】
図7に示す温度曲線と合わせて、本実施例に係る喫煙具制御回路の動作過程を以下に説明する。
【0035】
図7に示すように、喫煙具が起動すると、ヒータの温度は初期温度から最高温度T1まで徐々に上昇する(この段階を予熱昇温段階とも呼ぶことができる)。昇温段階にかかる時間はS1で、一般的に数十秒と短いが、出力電力は非常に高く、出力電圧も出力電流も高い。
【0036】
最高温度T1まで上昇した後、ヒータの温度は、一定の温度範囲に保持され、または予め設定された温度値に保持される(この段階を保温段階とも呼ぶことができる)。保温段階の時間は数分と長いが、出力電力は比較的小さく、出力電圧も出力電流も小さい。
1)、予熱昇温段階
【0037】
予熱昇温段階において、マイクロコントローラ15は、制御信号10V8_ENを介して、第4のスイッチングトランジスタQ6を導通するように制御し、さらに第3のスイッチングトランジスタQ5を導通するように制御し、電源回路11は集積チップU5と導通し、集積チップU5は、昇圧して集積チップU2に電力を供給する。
【0038】
マイクロコントローラ15は、制御信号EN_VCCを介して、第2のスイッチングトランジスタQ2を導通するように制御し、さらに第1のスイッチングトランジスタQ1を導通するように制御する。マイクロコントローラ15は、駆動信号BOOST_PWM_EN(ハイレベル)、BOOST_PWM_HI、BOOST_PWM_LI(PWM信号)を集積チップU2に供給し、集積チップU2に駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOを出力させる。駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOは、第1の電力管Q3および第2の電力管Q4の導通と遮断を制御し(この場合、第1の電力管Q3および第2の電力管Q4のスイッチング周波数は高く、例えば350kHz-450kHzであってもよく、当該スイッチング周波数は、前述の方法で決定でき、すなわち対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数を動作周波数とする)、具体的には、第1の電力管Q3が導通され、かつ第2の電力管Q4が遮断される場合、電源回路11は、第1のスイッチングトランジスタQ1を介してインダクタL1を充電し、第1の電力管Q3が遮断され、かつ第2の電力管Q4が導通される場合、インダクタL1の逆起電力が電源回路11の電圧に重畳され、これにより、第2の電力管Q4を介して高い電圧を出力し、最後にフィルタ回路(フィルタコンデンサC8、C39、C32)でフィルタリングした後、安定した電圧を形成し、ヒータ16(V+2、V-2)に供給して加熱して昇温させる。
2)、保温段階
【0039】
保温段階において、マイクロコントローラ15は、制御信号10V8_ENを介して、第4のスイッチングトランジスタQ6を導通するように制御し、さらに第3のスイッチングトランジスタQ5を導通するように制御し、電源回路11は集積チップU5と導通し、集積チップU5は、昇圧して集積チップU2に電力を供給する。
【0040】
マイクロコントローラ15は、制御信号EN_VCCを介して、第2のスイッチングトランジスタQ2を導通するように制御し、さらに第1のスイッチングトランジスタQ1を導通するように制御する。マイクロコントローラ15は、駆動信号BOOST_PWM_EN(ハイレベル)、BOOST_PWM_HI、BOOST_PWM_LI(PWM信号)を集積チップU2に供給し、集積チップU2に駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOを出力させる。駆動制御信号BOOST_HO、BOOST_LOは、第1の電力管Q3および第2の電力管Q4の導通と遮断を制御し(この場合、第1の電力管Q3および第2の電力管Q4のスイッチング周波数は低く、例えば150kHz-250kHzであってもよく、当該スイッチング周波数も、前述の方法で決定でき、すなわち対応する効率における最高効率に対応する予め設定されたスイッチング周波数を動作周波数とする)、具体的には、第1の電力管Q3が導通され、かつ第2の電力管Q4が遮断される場合、電源回路11は、第1のスイッチングトランジスタQ1を介してインダクタL1を充電し、第1の電力管Q3が遮断され、かつ第2の電力管Q4が導通される場合、インダクタL1の逆起電力が電源回路11の電圧に重畳され、これにより、第2の電力管Q4を介して比較的高い電圧(該電圧は予熱昇温段階の電圧より低く、電流および出力電力も比較的低い)を出力し、最後にフィルタ回路(フィルタコンデンサC8、C39、C32)でフィルタリングした後、安定した電圧を形成し、ヒータ16(V+2、V-2)に供給して加熱して昇温させる。
実施形態2
【0041】
図8は、本出願の実施形態2によって提供される喫煙具であり、喫煙具100は、ヒータと、実施形態1に記載の喫煙具制御回路とを含む。
【0042】
ヒータは、中心加熱(加熱体の外周を介してエアロゾル形成基材に直接接触)や周辺加熱(筒状加熱体でエアロゾル形成基材を包み込む)のものであってもよく、ヒータはまた、熱伝導、電磁誘導、化学反応、赤外線作用、共鳴、光電変換、光熱変換の1つ以上によってエアロゾル形成基材を加熱して喫煙可能なエアロゾルを形成してもよい。好ましくは赤外線ヒータである。
【0043】
上記の明細書および図面は、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載された実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は、本出願の内容に対する追加の制限ではなく、本出願の開示内容をより完全かつ包括的に理解するために提供される。また、上記の技術的特徴を互いに組み合わせて形成した、以上に記載されていない様々な実施例は、全て本出願の明細書の範囲内にあると考えられ、さらに、当業者は上記の説明に基づいて改良または変形を行うことができ、その全ての改良および変形は、本出願に添付された請求項の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8