IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許7511664溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法
<>
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図1
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図2
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図3
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図4
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図5
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図6
  • 特許-溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】溶接機用の直流電圧変換器及び溶接機の直流電圧変換器を稼働させるための方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/09 20060101AFI20240628BHJP
   B23K 9/10 20060101ALI20240628BHJP
   B23K 9/095 20060101ALI20240628BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B23K9/09
B23K9/10 Z
B23K9/095 505B
H02M3/155 H
H02M3/155 W
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022559612
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2021058312
(87)【国際公開番号】W WO2021198265
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】20167100.5
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504380611
【氏名又は名称】フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】FRONIUS INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】クノル・トーマス
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-077582(JP,A)
【文献】特開2013-215791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接機(1)を稼働させるための方法であって、
前記溶接機(1)の直流電圧変換器(2)が、入力端子(Ue+)に入力する入力直流電圧(Ue)を、出力端子(Ua+)に出力し、前記溶接機(1)の溶接電源部(5)の電源入力部に入力する出力直流電圧(Ua)に変換し、
前記直流電圧変換器(2)の1つの回路部(A)の少なくとも1つのスイッチング素子(S1)が、1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングされ、
溶接フェーズ(X)が、前記溶接機(1)に対して設けられていて、この溶接フェーズ(X)中に、前記スイッチング周波数(f1)は、1つの定格スイッチング周波数(f1x)に一致し、
前記溶接電源部(5)は、前記溶接フェーズ(X)中に前記電源入力部に入力する前記出力直流電圧(Ua)を電源出力部に出力する溶接電圧(Ua′)になるように制御することを特徴とする当該方法において、
アークが発生しない溶接中断フェーズ(L)が、前記溶接機(1)に対して設けられていて、この溶接中断フェーズ(L)中に、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)が、前記定格スイッチング周波数(f1x)よりも小さい溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングされ、
伝達される制御信号(S)及び/又は前記溶接機(1)内で決定されたパラメータ(P)が、前記溶接フェーズ(X)を前記溶接中断フェーズ(L)に切り換え、及び/又は前記溶接中断フェーズ(L)を前記溶接フェーズ(X)に切り換え、
前記溶接フェーズ(X)を最適に開始させるために必要な出力直流電圧(Ua)を前記溶接電源部(5)に供給するため、前記出力直流電圧(Ua)が、前記溶接中断フェーズ(L)中に維持されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記制御信号(S)は、インターフェースを介して伝達されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記直流電圧変換器の少なくとも1つの別の回路部(B,C)の少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)が、少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)でスイッチングされ、
エネルギーを前記入力端子(Ue+)から前記出力端子(Ua+)に伝達するため、前記溶接フェーズ(X)では、前記少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)は、1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)に一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)は、前記定格スイッチング周波数(f1x)に一致することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶接中断フェーズ(L)では、前記少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)は、前記1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)よりも小さい1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)でスイッチングされることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)は、前記溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記溶接中断フェーズ(L)では、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)及び/又は複数の前記スイッチング素子(S2,S3)のうちの少なくとも1つのスイッチング素子が停止されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記制御信号(S)は、所定の溶接開始又は溶接終了のためのスイッチ又はボタンを操作することによって生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータ(P)は、出力側の、減少若しくは増大した溶接電圧及び/又は減少/増大した電流によって決定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
直流電圧変換器(2)と溶接電源部(5)とを有する溶接機(1)であって、
前記直流電圧変換器(2)は、入力端子(Ue+)に入力する入力直流電圧(Ue)を、出力端子(Ua+)に出力し、前記溶接機(1)の溶接電源部(5)の電源入力部に入力する出力直流電圧(Ua)に変換するように構成されていて、
前記直流電圧変換器(2)は、1つの回路部(A)内の少なくとも1つのスイッチング素子(S1)と1つの制御装置(3)とを含み、
前記制御装置(3)は、前記スイッチング素子(S1)を前記溶接機(1)の溶接フェーズ(X)中に1つの定格スイッチング周波数(f1)に一致するスイッチング周波数(f1)でスイッチングするように構成されていて、
前記溶接電源部(5)は、前記溶接フェーズ(X)中に前記電源入力部に入力する前記出力直流電圧(Ua)を電源出力部に出力する溶接電圧(Ua′)になるように制御するように構成されている当該溶接機(1)において、
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)を、前記溶接機(1)の、アークが発生しない溶接中断フェーズ(L)中に前記1つの定格スイッチング周波数(f1x)よりも小さい溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングするように構成されていて、
伝達される制御信号(S)及び/又は前記溶接機(1)内で決定されたパラメータ(P)が、前記溶接フェーズ(X)を前記溶接中断フェーズ(L)に切り換え、及び/又は前記溶接中断フェーズ(L)を前記溶接フェーズ(X)に切り換えるように設けられていて、
前記制御装置(3)は、前記溶接フェーズ(X)を最適に開始させるために必要な出力直流電圧(Ua)を前記溶接電源部(5)に供給するため、前記出力直流電圧(Ua)を前記溶接中断フェーズ(L)中に維持するように構成されていることを特徴とする溶接機(1)。
【請求項11】
前記制御信号(S)は、インターフェースを介して伝達される制御信号(S)であることを特徴とする請求項10に記載の溶接機(1)。
【請求項12】
前記1つの回路部(A)が、1つのインダクタンス(L1)と1つのフリーホイーリングダイオード(D1)とを含み、
前記インダクタンス(L1)の第1コイル端子が、前記入力端子(Ue+)に接続されていて、前記インダクタンス(L1)の第2コイル端子が、前記1つのスイッチング素子(S1)の第1スイッチング端子と前記フリーホイーリングダイオード(D1)の陽極とに接続されていて、
前記1つのスイッチング素子(S1)の第2スイッチング端子が、グランド(U-)に接続されていて、前記フリーホイーリングダイオード(D1)の陰極が、前記出力端子(Ua+)に接続されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の溶接機(1)。
【請求項13】
前記直流電圧変換器(2)は、少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)と少なくとも1つの別のインダクタンス(L)と少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオード(D)とを有する少なくとも1つの別の回路部(B,C)を含み、
前記少なくとも1つの別の回路部(B,C)内では、前記少なくとも1つの別のインダクタンス(L)のそれぞれ1つの第1コイル端子が、前記入力端子(Ue+)に接続されていて、前記少なくとも1つの別のインダクタンス(L)のそれぞれ1つの第2コイル端子が、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)のそれぞれ1つの第1スイッチング端子と前記少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオード(D2)のそれぞれ1つの陽極とに接続されていて、
前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)のそれぞれ1つの第2スイッチング端子が、グランド(U-)に接続されていて、前記少なくとも1つのフリーホイーリングダイオード(D1)のそれぞれ1つの陰極が、前記出力端子(Ua+)に接続されていること、及び
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)を前記溶接機(1)の溶接フェーズ(X)中に1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)に一致する少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)でスイッチングするように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の溶接機(1)。
【請求項14】
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)を前記溶接機(1)の溶接中断フェーズ(L)中に前記別の定格スイッチング周波数(f2x、f3x)よりも小さい1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)でスイッチングするように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の溶接機(1)。
【請求項15】
前記別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)は、前記溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致することを特徴とする請求項14に記載の溶接機(1)。
【請求項16】
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)及び/又は複数の前記別のスイッチング素子(S2,S3)のうちの少なくとも1つのスイッチング素子を前記溶接機(1)の前記溶接中断フェーズ(L)中に停止するように構成されていることを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の溶接機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接機を稼働させるための方法に関する。この場合、当該溶接機の直流電圧変換器が、入力端子に入力する入力直流電圧を出力端子に出力する出力直流電圧に変換し、当該直流電圧変換器の少なくとも1つのスイッチング素子が、1つのスイッチング周波数でスイッチングされ、溶接フェーズが、当該溶接機に対して設けられていて、この溶接フェーズ中に、当該スイッチング周波数は、1つの定格スイッチング周波数に一致する。この場合、溶接中断フェーズが、当該溶接機に対して設けられていて、この溶接中断フェーズ中に、当該少なくとも1つのスイッチング素子が、当該定格スイッチング周波数よりも小さい溶接中断スイッチング周波数に一致する1つのスイッチング周波数でスイッチングされる。さらに、本発明は、溶接機用の直流電圧変換器に関する。この場合、当該直流電圧変換器は、入力端子に入力する入力直流電圧を出力端子に出力する出力直流電圧に変換するように構成されていて、当該直流電圧変換器は、1つの回路部内の少なくとも1つのスイッチング素子と1つの制御装置とを含み、当該制御装置は、当該スイッチング素子を当該溶接機の溶接フェーズ中に1つの定格スイッチング周波数に一致するスイッチング周波数でスイッチングするように構成されている。当該制御装置は、当該少なくとも1つのスイッチング素子を当該溶接機の溶接中断フェーズ中に当該1つの定格スイッチング周波数よりも小さい溶接中断周波数に一致する1つのスイッチング周波数でスイッチングするように構成されている。さらに、本発明は、直流電圧変換器と溶接電源部とを含む溶接機に関する。この場合、当該溶接電源部は、出力直流電圧を溶接フェーズ中に溶接電圧及び/又は溶接電流に制御するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
直流電圧変換器は、入力側の入力直流電圧を出力側の出力直流電圧に変換する。ブーストコンバータとも呼ばれる昇圧コンバータの場合、出力直流電圧は、入力直流電圧よりも大きい。これに対して、ステップダウンコンバータとも呼ばれる降圧コンバータの場合、出力直流電圧は、入力直流電圧よりも小さい。溶接技術の分野では、特に昇圧コンバータが使用される。
【0003】
したがって、例えば、入力側の入力直流電圧を出力側のより高い出力直流電圧に変換する昇圧コンバータが、直流電圧変換器として溶接機で使用される。この場合、溶接工程時の溶接フェーズ中に、エネルギーが、当該入力側から当該出力側に伝達される。この場合、溶接フェーズが、アークの発生によって開始する。当該直流電圧変換器の出力側が、中間回路コンデンサに並列に接続され得る。これにより、当該出力直流電圧が、当該中間回路コンデンサに入力する。当該溶接工程の溶接フェーズ中に、特に十分な溶接電圧を供給するため、溶接電源部が、当該直流電圧変換器の出力側に、すなわち中間回路コンデンサに後続接続されている。当該溶接電源部は、当該出力直流電圧を、特に電位分離された適切な溶接電圧及び/又は溶接電流になるように制御する。この場合、当該溶接電圧/溶接電流は、希望した溶接工程に応じてパルス状に及び/又は連続して出力され得る。このような溶接機は、例えば欧州特許第2850725号明細書に開示されている。
【0004】
しかしながら、溶接機の稼働時に、溶接フェーズが、溶接されない溶接中断フェーズによって中断される。例えば、当該溶接機内に存在する制御電子装置、制御装置、ディスプレイ等を稼働させるため、この溶接中断フェーズ中に、僅かな量のエネルギーが、直流電圧変換器から出力部に接続されている溶接電源部に引き続き伝達される。当該溶接中断フェーズでは、アークが発生しないので、当該エネルギー量はより少ない。しかしながら、当該直流電圧変換器は、当該溶接フェーズと当該溶接中断フェーズとの双方で稼働している。この場合、当然に、当該溶接中断フェーズ中にも、深刻なエネルギー損失が、当該直流電圧変換器内で発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許第2850725号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、本発明の課題は、溶接フェーズの正確で制御された開始を可能にする溶接機用の直流電圧変換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、溶接中断フェーズが当該溶接機に対して設けられていて、この溶接中断フェーズ中に、当該少なくとも1つのスイッチング素子が当該定格スイッチング周波数よりも小さい溶接中断スイッチング周波数に一致する1つのスイッチング周波数でスイッチングされる方法によって解決される。さらに、この課題は、直流電圧変換器によって解決される。この場合、当該直流電圧変換器は、入力端子に入力する入力直流電圧を出力端子に出力する出力直流電圧に変換するように構成されていて、当該直流電圧変換器は、1つの回路部内の少なくとも1つのスイッチング素子と1つの制御装置とを含み、当該制御装置は、当該スイッチング素子を当該溶接機の溶接フェーズ中に1つの定格スイッチング周波数に一致するスイッチング周波数でスイッチングするように構成されている。さらに、この課題は、本発明の直流電圧変換器及び溶接電源部を含む溶接機によって解決される。この場合、当該溶接電源部は、出力直流電圧を溶接フェーズ中に溶接電圧及び/又は溶接電流に制御するように構成されている。当該溶接中断フェーズ中に、エネルギーが、当該直流電圧変換器の入力部から当該直流電圧変換器の出力部に伝達される。当然に、当該溶接電圧に対する制御は、例示にすぎず、明らかに、溶接電流が調整されるように、又は、溶接電圧と溶接電流との双方が調整されるように、当該出力直流電圧は制御され得る。この関係は、定電圧制御/定電流制御と呼ばれる。
【0008】
溶接機の溶接中断フェーズでは、直流電圧変換器のスイッチング素子が停止されないで、当該スイッチング素子のスイッチング周波数だけが、溶接中断スイッチング周波数に低減され、当該溶接機の溶接中断フェーズ中に、溶接フェーズ用の希望した出力直流電圧が、出力端子で維持され続ける。この出力直流電圧は、当該溶接中断フェーズ中に当該溶接機を稼働させる(例えば、制御電子装置、制御装置、ディスプレイ等に給電する)のに十分である。(当該溶接中断フェーズ中も)当該スイッチング素子を定格スイッチング周波数で持続して稼働させることとは対照的に、当該溶接中断スイッチング周波数を当該溶接中断フェーズで使用すると、当該溶接中断フェーズ中のエネルギー損失が著しく低減する。
【0009】
さらに、溶接中断フェーズ中に出力端子に出力する必要なレベルにある出力直流電圧によって、溶接工程の制御された正確な開始が、当該溶接フェーズの開始時に既に確保されることが保証される。
【0010】
特に、溶接フェーズ中に、出力直流電圧が、溶接電源部によって溶接電圧になるように制御される。この場合、当該溶接電圧が、負荷に供給される。
【0011】
特に、当該1つの回路部が、1つのインダクタンスと1つのフリーホイーリングダイオードとを含む。この場合、当該インダクタンスの第1コイル端子が、当該入力端子に接続されていて、当該インダクタンスの第2コイル端子が、当該1つのスイッチング素子の第1スイッチング端子と当該フリーホイーリングダイオードの陽極とに接続されている。この場合、当該1つのスイッチング素子の第2スイッチング端子が、グランドに接続されていて、当該フリーホイーリングダイオードの陰極が、当該出力端子に接続されている。
【0012】
この配置は、昇圧コンバータを示す。この場合、本発明は、昇圧コンバータの他の構成にも適用され得る。当然に、本発明の方法は、別の種類の直流電圧変換器(降圧コンバータ、昇降圧コンバータ、…)で使用されることも考えられる。
【0013】
特に、当該直流電圧変換器の少なくとも1つの別の回路部の少なくとも1つの別のスイッチング素子が、少なくとも1つの別のスイッチング周波数でスイッチングされる。この場合、当該溶接フェーズでは、当該少なくとも1つの別のスイッチング周波数は、1つの別の定格スイッチング周波数に一致する。したがって、本発明の方法は、複数のスイッチング素子を有する直流電圧変換器にも使用され得る。
【0014】
当該直流電圧変換器は、少なくとも1つの別のスイッチング素子と少なくとも1つの別のインダクタンスと少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオードとを有する少なくとも1つの別の回路部を含み得る。この場合、当該少なくとも1つの別の回路部内では、当該少なくとも1つの別のインダクタンスのそれぞれ1つの第1コイル端子が、当該入力電圧に接続されていて、当該少なくとも1つの別のインダクタンスのそれぞれ1つの第2コイル端子が、当該少なくとも1つの別のスイッチング素子のそれぞれ1つの第1スイッチング端子と当該少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオードのそれぞれ1つの陽極とに接続されている、この場合、当該少なくとも1つの別のスイッチング素子のそれぞれ1つの第2スイッチング端子が、グランドに接続されていて、当該少なくとも1つのフリーホイーリングダイオードのそれぞれ1つの陰極が、当該出力端子に接続されている。この場合、当該制御装置は、当該少なくとも1つの別のスイッチング素子を当該溶接機の溶接フェーズ中に1つの別の定格スイッチング周波数に一致する少なくとも1つの別のスイッチング周波数でスイッチングするように構成されている。
【0015】
当該構成は、多相昇圧コンバータを示す。この場合、別の方式で構成された多相の昇圧コンバータ若しくは降圧コンバータ又は本発明の制御装置を含む一般的な直流電圧変換器が考えられる。
【0016】
当該1つの別の定格スイッチング周波数は、当該1つの定格スイッチング周波数に一致する。したがって、溶接フェーズでは、複数のスイッチング素子の非常に簡単な制御が、当該制御装置によって可能である。複数の回路部の複数のスイッチング素子が位相シフト制御されると、特に有益である。すなわち、n個の回路部を有する1つの変換器の場合、i番目の回路部(ここで、1≦i≦n)が、最初の回路部に対する(T(i-1))/nの期間の時間シフトによってスイッチングされる。この場合、Tは、周期に位置する。この方法は、インターリーブモード(Interleaved Modus)として公知である。
【0017】
特に、当該溶接中断フェーズでは、当該少なくとも1つの別のスイッチング周波数は、当該1つの別の定格スイッチング周波数よりも小さい1つの別の溶接中断スイッチング周波数でスイッチングされる。
【0018】
これに応じて、当該制御装置は、当該少なくとも1つの別のスイッチング素子を当該溶接機の溶接中断フェーズ中に当該別の定格スイッチング周波数よりも小さい1つの別の溶接中断スイッチング周波数でスイッチングするように構成され得る。
【0019】
さらに、直流電圧変換器が、少なくとも1つの別のスイッチング素子を有する場合、溶接中断損失電力をさらに低減するため、これらのスイッチング素子のうちの複数のスイッチング素子、特に全てのスイッチング素子がそれぞれ、当該1つの別の定格スイッチング周波数よりも小さい溶接中断スイッチング周波数でスイッチングされ得る。
【0020】
当該少なくとも1つの別の溶接中断スイッチング周波数は、当該1つの溶接中断スイッチング周波数に一致する。これにより、当該溶接中断フェーズでは、当該制御装置による複数のスイッチング素子の非常に簡単な制御が可能である。
【0021】
特に、当該溶接中断フェーズでは、当該少なくとも1つの別のスイッチング素子が停止される。これに応じて、当該制御装置は、当該溶接中断フェーズ中に当該少なくとも1つの別のスイッチング素子を停止するように構成され得る。
【0022】
したがって、複数のスイッチング素子が存在する場合、当該当該溶接中断フェーズ中に当該溶接中断損失電力を最大限に低減するため、複数のスイッチング素子、特に全てのスイッチング素子が、1つのスイッチング素子になるまで停止され得る。当該溶接中断フェーズ中に出力直流電圧の低下を回避し、当該溶接工程の迅速な開始を当該溶接フェーズの開始時に既に可能にするため、少なくとも1つのスイッチング素子が、当該溶接中断フェーズ中に当該1つの溶接中断スイッチング周波数で稼働される。それぞれ1つのスイッチング素子を有する3つの回路部が、直流電圧変換器内に設けられている場合、溶接中断損失電力が、43Wから2Wに低減され得る。この場合、溶接機の溶接中断フェーズでは、第1回路部の第1スイッチング素子が、2kHzの溶接中断スイッチング周波数で稼働され、第2回路部及び第3回路部の残りのそれぞれのスイッチング素子が停止される。
【0023】
特にインターフェース、例えばRS-485バスを介して伝達された制御信号が、直流電圧変換器を溶接フェーズから溶接中断フェーズに切り換え、及び/又は溶接中断フェーズから溶接フェーズに切り換える。
【0024】
当該制御信号は、例えば溶接機のバーナーに配置された、所定の溶接開始又は溶接終了のためのスイッチ/ボタンを操作することによって生成され得る。溶接フェーズの開始又は停止を知らせるため、当該制御信号は、別の方法で出力されてもよい。
【0025】
さらに、溶接機内で決定されたパラメータが、溶接フェーズを溶接中断フェーズに切り換えでき、及び/又は溶接中断フェーズを溶接フェーズに切り換えできる。この場合、当然に、制御信号は、当該パラメータによって出力されてもよい。
【0026】
例えば、出力側の特定の、例えば変更された、すなわち減少若しくは増大した溶接電圧及び/又は特定の、例えば減少/増大した電流が、パラメータとして使用され得る。これにより、溶接中断フェーズへの切り換え又は溶接中断フェーズからの切り換えの要求が認識され得る。溶接中断フェーズへの又は溶接中断フェーズからのイベント駆動型の切り換えが実行されてもよい。この場合、例えば、溶接工程中の短絡が、イベントとみなせ得る。
【0027】
当該パラメータは、例えば溶接機の調整部又は制御部によって認識及び/又は処理され得る。
【0028】
以下に、例示的で、概略的で、限定的でない好適な本発明の構成を示す図1~7を参照して、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】直流電圧変換器を示す。
図2】直流電圧変換器と溶接電源部とを有する溶接機を示す。
図3】単相昇圧コンバータを直流電圧変換器として示す。
図4】多相昇圧コンバータを直流電圧変換器として示す。
図5】整流器と多相昇圧コンバータと溶接電源部とを有する溶接機を示す。
図6】スイッチング素子のスイッチング状態の推移を示す。
図7】出力直流電圧の推移を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、直流電圧変換器2を概略的に示す。直流電圧変換器2は、入力直流電圧Ueを出力直流電圧Uaに変換する。この場合、入力直流電圧Ueは、入力端子Ue+に入力し、出力直流電圧Uaは、出力端子Ua+に出力する。正確には、入力直流電圧Ueは、入力端子Ue+とグランドU-との間に入力し、出力直流電圧Uaは、出力端子Ua+とグランドU-との間に出力する。一般に、1つの共通のグランドU-が、直流電圧変換器2で使用されるが、例えば、入力側と出力側とに対して相関する回路構成を使用することによって、複数の異なるグランドU-を使用することも可能である。当該回路構成は、電位を分離することによって、例えば変圧器によって実現され得る。
【0031】
図2に概略的に示されているように、直流電圧変換器2は、溶接機1内で使用され得る。出力直流電圧Uaが、直流電圧変換器2によって出力端子Ua+に出力される。溶接機1は、電源入力部と電源出力部とを有する溶接電源部5をさらに含む。この溶接電源部は、溶接フェーズ(Schweissphase)X中に当該電源入力部に入力する出力直流電圧Uaを当該電源出力部に出力する溶接電圧Ua′になるように制御する。この溶接電圧Ua′は、連続的でもよく又はパルス変調されてもよい。溶接中断フェーズ(Leerlaufphase)L中には、出力直流電圧Uaが、溶接電源部5の当該電源入力部に入力する。ここでは、溶接電圧Ua′への当該制御は、例示にすぎない。同様に、溶接電流が制御されてもよく、又は、溶接電流と溶接電圧とが交互に制御されてもよい。当該制御は、溶接工程に適合するように調整されている。
【0032】
直流電圧変換器2は、溶接フェーズX中にアナログ式又はデジタル式に構成され得る制御装置3によって定格スイッチング周波数f1xに一致するスイッチング周波数f1で稼働される。これは、直流電圧変換器2のスイッチング素子S1がスイッチング周波数f1でスイッチングされることを意味する。本発明によれば、スイッチ周波数f1は、フェーズに応じて-スイッチ周波数f1に一致する-定格スイッチング周波数f1xと溶接中断スイッチング周波数f1Lとに分類され、結果として切り換えられる。
【0033】
溶接機1は、溶接フェーズX後に溶接中断フェーズLに切り換えられる。従来の技術によれば、直流電圧変換器2は、この溶接中断フェーズL中に引き続き定格スイッチング周波数f1xで稼働される、すなわち結果として損失(スイッチング損失、電力損失、エネルギー損失)を伴って稼働される。しかしながら、本発明によれば、対照的に、直流電圧変換器2は、溶接機1の溶接中断フェーズL中に定格スイッチング周波数f1xよりも低い溶接中断周波数f1Lで稼働される。したがって、当該損失は、最小に保持され、出力直流電圧Uaは、当該溶接中断フェーズL中に低下しない。したがって、溶接中断フェーズLの終了後と、溶接フェーズXの開始時とに、溶接工程が常に即座に開始され得ることが達成される。
【0034】
溶接フェーズXでは、(図2に破線で示された)負荷Z-溶接工程の場合は、アーク- が、出力端子Ua+又は溶接電源部5の電源出力部に接続されている。この場合、エネルギーが、当該接続によって入力側から出力側に伝達される。溶接フェーズXの少なくとも開始時に発生されるアークが、この溶接フェーズX中に持続する。溶接中断フェーズLでは、当該負荷は、出力端子Ua+又は溶接電源部5に接続されていない。この場合、エネルギーが、出力側で出力されず、アークが発生しない。
【0035】
スイッチング素子S1が、より低い溶接スイッチング周波数f1Lに起因してより少ない回数でスイッチングするので、溶接フェーズXのときよりも小さいスイッチング損失が、本発明の溶接中断フェーズL中に発生する。それにもかかわらず、溶接機1内に存在する制御電子装置、制御装置、ディスプレイ等に給電するため、十分に高い出力直流電圧Uaが、直流電圧変換器2によって溶接機1に供給される。
【0036】
図3には、簡単な単相昇圧コンバータが、直流電圧変換器2として示されている。当該昇圧コンバータは、インダクタンスL1とフリーホイーリングダイオードD1とスイッチング素子S1とを有する単相回路部を含む。インダクタンスL1とフリーホイーリングダイオードD1とは直列に接続されている。インダクタンスL1の第1コイル端子が、入力端子Ue+に接続されていて、インダクタンスL1の第2コイル端子が、フリーホイーリングダイオードD1の陽極に接続されている。フリーホイーリングダイオードD1の陰極が、出力端子Ua+に接続されている。さらに、直流電圧変換器2の出力端子Ua+が、中間回路コンデンサCaの第1コンデンサ端子に接続されている。中間回路コンデンサCaの第2コンデンサ端子が、グランドU-に接続されている。したがって、出力直流電圧Uaが、中間回路コンデンサCaで出力する。
【0037】
したがって、インダクタンスL1の第2コイル端子(及びフリーホイーリングダイオードD1の陽極)が、スイッチング素子S1(例えば、MOSFET、GTOサイリスタ、バイポーラトランジスタ等)を介してグランドU-に接続されている。スイッチング素子S1は、スイッチング周波数f1で開閉される。この場合、制御装置3が、スイッチング周波数f1を制御するために設けられている。一般的なスイッチング周波数f1は、20kHz~150kHzである。この場合、特に先進的な半導体技術を使用して、より高いスイッチング周波数f1も考えられる。スイッチング素子S1のデューティー比は、例えば0~95%である。
【0038】
したがって、スイッチング素子S1が閉じられている場合、フリーホイーリングダイオードD1の陽極は、グランドU-に接続されていて、スイッチング素子S1が開かれている場合、フリーホイーリングダイオードD1の陽極は、グランドU-から分離されている。
【0039】
スイッチング素子S1が閉じられている(導通フェーズである)ときに、インダクタンスL1の第2コイル端子が、グランドU-に接続されている。これにより、入力電圧Ueが、インダクタンスL1に入力する。その結果、コイル電流iLが、インダクタンスL1に通電する。コイル電流iLは、スイッチング素子S1が閉じる初期時点以降に上昇する。エネルギーが、コイル電流iLによってインダクタンスLに(一時的に)蓄積される。フリーホイーリングダイオードD1の陽極が、閉じられているスイッチング素子S1によって同様にグランドU-に接続されているので、フリーホイーリングダイオードD1が遮断する。
【0040】
その後に、スイッチング素子S1が開かれると(遮断フェーズ)、コイル電流iLが、インダクタンスLによって維持される。したがって、電位が、インダクタンスL1の第2コイル端子で上昇し、同様にフリーホイーリングダイオードD1の陽極で上昇する。フリーホイーリングダイオードD1の当該電位が、フリーホイーリングダイオードD1の閾値電圧を上回ってフリーホイーリングダイオードD1の陰極の電圧を超えると、フリーホイーリングダイオードD1が導通する。コイル電流iLが、グランドU-に向かってフリーホイーリングダイオードD1と中間回路コンデンサCaとに通電する。これにより、中間回路コンデンサCaが充電される。当該充電中に、インダクタンスL1の磁場中に蓄積されたエネルギーの少なくとも一部と、入力直流電圧Ueによって供給されたエネルギーとが、中間回路コンデンサCaに伝達される。したがって、中間回路コンデンサCaが充電される一方で、インダクタンスL1の電流が減少する。この場合、出力直流電圧Uaが、中間回路コンデンサCaに印加する。
【0041】
スイッチング素子S1が、遮断フェーズ後に再び閉じられると(導通フェーズ)、中間回路コンデンサCaに印加する出力直流電圧Uaが、中間回路コンデンサCaによって当該出力直流電圧Uaの値に維持される。当該導通フェーズ中に、エネルギーが、入力側から出力側に直接に流れないが、インダクタンスL1に再び蓄積される。
溶接フェーズX中に、スイッチング素子S1が、制御装置3によって定格スイッチング周波数f1xに一致するスイッチング周波数f1でスイッチングされる。スイッチング素子S1の導通フェーズ中の出力直流電圧Uaの低下を回避するように、この定格スイッチング周波数f1xと対応するデューティー比とを制御することができる。
【0042】
本発明によれば、溶接中断フェーズL中に、当該スイッチング素子は、定格スイッチング周波数f1xよりも小さい溶接中断スイッチング周波数f1Lに一致するスイッチング周波数f1でスイッチングされる。特に、制御装置3が、この切り換えを請け負う。したがって、スイッチング損失が著しく低減される。そして、溶接中断フェーズLの終了後と、溶接フェーズXの開始時とに、溶接工程が即座に開始され得ることを保証するため、出力直流電圧Uaが、溶接中断フェーズL中により小さい値に低下することが回避される。また、溶接中断フェーズL中も、スイッチング素子S1の導通フェーズ中の出力直流電圧Uaの低下を阻止するため、当然に、溶接中断スイッチング周波数f1L及び対応するデューティー比も適切に制御することができる。
【0043】
図4は、多相昇圧コンバータを直流電圧変換器として示す。1つの回路部Aだけではなくて、少なくとも1つの別の回路部B,Cが設けられている以外は、当該構成は、図3に示された直流電圧変換器2と同じである。すなわち、全体では複数の並列の回路部A,B,Cが設けられている。この場合、3つの回路部A,B,C-すなわち、2つの別の回路部B,Cが設けられている。それぞれの回路部A,B,Cは1つのインダクタンスL1,L2,L3と、1つのスイッチング素子S1,S2,S3と、それぞれの回路部A,B,Cごとに上記の単相の直流電圧変換器2と同様に接続されている1つのフリーホイーリングダイオードD1,D2,D3とを含む。インダクタンスL1,L2,L3の第1コイル端子が、入力端子Ue+に一緒に接続されていて、複数のフリーホイーリングダイオードD1の複数の陰極が、中間回路コンデンサCaの第1コンデンサ端子に一緒に接続されていて、且つ出力端子Ua+に接続されている。それぞれの回路部A,B,Cごとに、単一の中間回路コンデンサCaが設けられてもよい(図示せず)。この場合、これらの中間回路コンデンサCaは、互いに並列に接続されている。
【0044】
スイッチング素子S1,S2,S3の第2端子がそれぞれ、グランドU-に接続されていて、制御装置3によってスイッチング周波数f1,f2,f3でそれぞれ制御される、すなわち開閉される。
【0045】
制御装置3は、スイッチング周波数f1,f2,f3を制御するために設けられている。回路構成を複数の回路部A,B,Cにすることによって、(同じ設計による)1つの回路部A,B,Cだけが稼働するときよりも高い出力が、出力側で発生し得る。しかしながら、溶接中断フェーズLでは、この場合におけるより多数のスイッチング素子S1,S2,S3及びインダクタンスL1,L2,L3のスイッチング損失に起因して、より高い溶接中断損失電力も発生する。
【0046】
溶接フェーズXでは、別のスイッチング素子S2,S3はそれぞれ、定格スイッチング周波数f2x,f3xに一致する別のスイッチング周波数f2,f3でスイッチングされる。この場合、定格スイッチング周波数f2x,f3xは、定格スイッチング周波数f1xに一致してもよい。
【0047】
本発明によれば、溶接フェーズXで、別のスイッチング素子S2,S3がそれぞれ、別の定格スイッチング周波数f2x,f3xよりも小さい別の溶接中断スイッチング周波数f2L,f3Lに一致する別のスイッチング周波数f2,f3でスイッチングされる。別の溶接中断スイッチング周波数f2L,f3lは、溶接中断スイッチング周波数f1Lに一致してもよい。溶接中断フェーズLでは、これらの別のスイッチング素子S2,S3のうちの1つ又は複数のスイッチング素子が停止されてもよい。しかしながら、少なくとも1つのスイッチング素子S1が、当該溶接中断フェーズ中に溶接中断周波数f1Lでスイッチングする。
【0048】
別のスイッチング素子S2,S3がそれぞれ、別のスイッチング周波数f2,f3とは違う別の溶接中断スイッチング周波数f2L,f3Lでスイッチングされてもよい。この場合、別の溶接中断スイッチング周波数f2L,f3Lはそれぞれ、定格スイッチング周波数f2x,f3xよりも小さい。このため、別のスイッチング素子S2,S3に対しても、より少ないスイッチング損失が発生する。何故なら、別のスイッチング素子S2,S3も、溶接フェーズXの場合よりも低い周波数でスイッチングするからである。
【0049】
特に、溶接中断フェーズLでは、全てのスイッチング素子S1,S2,S3が、それぞれの定格スイッチング周波数f1x,f2x,f3xよりも小さい溶接中断スイッチング周波数f1L,f2L,f3Lでスイッチングされる。この場合、溶接中断スイッチング周波数f1L,f2L,f3Lは、特に等しい。
【0050】
しかしながら、回路部Aのスイッチング素子S1が、溶接中断フェーズL中に定格スイッチング周波数f1xよりも小さい溶接中断スイッチング周波数f1Lでスイッチングされ、別の回路部B,Cの別のスイッチング素子S2,S3が停止される(遮断フェーズ)と、際立って有益である。当該遮断フェーズは、別のスイッチング素子S2,S3が持続して開いていることを意味する。したがって、非常に少ない溶接中断損失電力が達成され得る。
【0051】
図5は、溶接機1を概略的に示す。溶接機1は、例えば1つの多相昇圧コンバータを直流電圧変換器2として含む。当然に、複数の単相昇圧コンバータ又は1つの単相昇圧コンバータ又は複数の多相昇圧コンバータを有する溶接機1も考えられる。回路部A,B,Cの数も、例示的な3にすぎず、あらゆる数の回路部A,B,Cが考えられる。他の構成が、直流電圧変換器2用に使用されてもよい。
【0052】
溶接機1は、もう1つの整流器段4を入力側に含む。整流器段4は、交流電源の3つの相電源P1,P2,P3に接続されていて、相電源P1,P2,P3ごとにそれぞれ1つの下の整流器ダイオードDu1,Du2,Du3及び上の整流器ダイオードDo1,Do2,Do3を含む。明らかに、整流器ダイオードDu1,Du2,Du3,Do1,Do2,Do3は、スイッチング素子によって構成されてもよい。下の整流器ダイオードDu1,Du2,Du3の陽極はそれぞれ、グランドU-に接続されていて、下の整流器ダイオードDu1,Du2,Du3の陰極は、それぞれの相電源P1,P2,P3に接続されている。上の整流器ダイオードDo1,Do2,Do3の陽極は、同様にそれぞれの相電源P1,P2,P3に接続されていて、上の整流器ダイオードDo1,Do2,Do3の陰極は、直流電圧変換器2の入力端子Ue+に接続されている。さらに、上の整流器ダイオードDo1,Do2,Do3の陰極を下の整流器ダイオードDu1,Du2,Du3の陽極に接続する平滑コンデンサ4が、整流器段4内に設けられている。整流器段4の機能は基本的に公知であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0053】
整流器段4は、オプションとみなせる。整流器段4を含まず、例えばインターリーブモードで稼働される溶接機1も設けられ得る。
【0054】
溶接機1の直流電圧変換器2は、図3及び4に基づいて説明したように稼働される。制御装置3が、スイッチング周波数f1,f2,f3を制御するために設けられている。溶接フェーズXでは、スイッチング周波数f1,f2,f3は、定格スイッチング周波数f1x,f2x,f3x、例えば35kHzに一致する。溶接機1の溶接フェーズXでは、(図5に破線で示された)負荷Zが、溶接電源部5を介して直流電圧変換器2の出力側に接続されている。溶接中断フェーズLでは、エネルギーが、当該出力側から負荷Zに出力されない。
【0055】
溶接機1の溶接中断フェーズLでは、少なくとも1つのスイッチング素子S1が、スイッチング周波数f1としての溶接中断スイッチング周波数f1Lでスイッチングされる。この場合、溶接中断スイッチング周波数f1Lは、定格スイッチング周波数f1よりも小さい。これにより、中間回路コンデンサCaの出力直流電圧Uaが、溶接中断フェーズL中に一定に維持される。
【0056】
特にインターフェースを介して伝達された制御信号S及び/又は溶接機1内で決定されたパラメータPが、直流電圧変換器2を、溶接フェーズXから溶接中断フェーズLに切り換えることができ、及び/又は溶接中断フェーズLを溶接フェーズXに切り換えることができる。図5に示されているように、当該切り換えは、制御信号S及び/又はパラメータPが、制御装置3に供給されることによって実行され得る。
【0057】
図6は、3相の直流電圧変換器2のスイッチング素子S1,S2,S3のスイッチングパターンを例示する。スイッチング素子S1,S2,S3は、溶接フェーズX中に適切に位相シフト制御される。見て取れるように、溶接中断フェーズLでは、スイッチング素子S1は、定格スイッチング周波数f1xよりも小さい溶接中断スイッチング周波数f1Lでスイッチングされる。特に、(図示されているように)その他のスイッチング素子S2,S3は、溶接中断フェーズL中に停止される。
【0058】
従来の技術によれば、溶接中断フェーズLでは、全てのスイッチング素子S1,S2,S3が、それぞれの定格スイッチング周波数f1x,f2x,f3xで引き続き稼働された。このため、エネルギー損失が発生する。
【0059】
溶接中断フェーズL中にエネルギー損失を回避するため、直流電圧変換器2が、溶接機の溶接中断フェーズ中に停止、すなわち遮断されてもよい。当該停止、すなわち遮断は、スイッチング素子S1,S2,S3がもはや制御されず、すなわち開かれたままであることによって実行される。しかしながら、これにより、出力側の中間回路コンデンサCaが、溶接中断フェーズL中に放電し、入力側からエネルギーを供給されないので、出力直流電圧Uaが低下する。したがって、制御電子装置、制御装置、ディスプレイ等が、他の方法でエネルギーを供給されなければならないので、この場合は、これらの制御電子装置、制御装置、ディスプレイ等を稼働するため、非常に低い電圧が、溶接機1に供給され得る。
【0060】
さらに、出力側で必要なエネルギー又は出力直流電圧Uaを供給できるようにするため、溶接中断フェーズLに後続する当該溶接機の別の溶接フェーズに対して、直流電圧変換器2が、適切な稼働状態に再び移行されなければならないという問題が、溶接機1の溶接中断フェーズL中の直流電圧変換器2の停止時に発生し得る。この適切な稼働状態に移行されるまで、ある程度の時間が経過する。このため、溶接機1が、別の溶接工程に対して準備されるまで、例えば50msの範囲内の遅延時間tvが発生し得る。したがって、溶接機1の溶接中断フェーズL中のスイッチング素子S1,S2,S3又は直流電圧変換器2の停止時に、実際の溶接工程の新たな直接の開始、すなわちアークの発生が、制御されないか又は所定の時点に実行されない。その結果、安定な溶接フェーズが遅れて開始するか、又は、アークが発生しないか若しくは弱く発生する(溶接フェーズは、アークの発生によって開始する)。図7には、溶接中断フェーズL中の全ての回路部の停止時の出力直流電圧Uaが、破線で示されている。見て取れるように、昇圧コンバータにおける溶接中断フェーズL中の出力直流電圧Uaが、入力直流電圧Ueに低下する。溶接フェーズXに再び切り換えられた後に、出力直流電圧Uaが、その完全な値に再び到達するまで、特定の遅延時間tv、ここでは50msが持続する。このため、当該溶接工程は、時間遅延して初めて開始し得る。
【0061】
一方で、図7には、溶接中断フェーズL中に1つ又は複数のスイッチング素子S1,S2,S3を本発明にしたがってスイッチングさせるための出力直流電圧Uaが、実線で示されている。少なくとも1つのスイッチング素子S1,S2,S3が、溶接中断スイッチング周波数f1L,f2L,f3Lで引き続きスイッチングしているので、出力直流電圧Uaは、溶接中断フェーズL中でも維持され続ける。したがって、直流電圧変換器2が、必要な出力直流電圧Uaを連続して供給するので、溶接中断フェーズLの終了後と、溶接フェーズXの開始時とに、溶接工程が即座に開始され得る。したがって、直流電圧変換器2は、溶接フェーズXを最適に開始させるために必要な出力直流電圧Uaを溶接電源部5に持続して供給する。当該溶接工程の計画された開始と溶接フェーズXへの直流電圧変換器2の実際の切り換えとの間の遅延が、直流電圧出力部Ua+の既に十分に高い出力直流電圧Uaによって回避される。したがって、当該溶接工程は、溶接中断フェーズLの直後の溶接フェーズXの開始時に開始する。この場合、直流電圧変換器2の損失は最小である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下の構成も包含し得る。
1.
溶接機(1)を稼働させるための方法であって、
前記溶接機(1)の直流電圧変換器(2)が、入力端子(Ue+)に入力する入力直流電圧(Ue)を、出力端子(Ua+)に出力し、前記溶接機(1)の溶接電源部(5)の電源入力部に入力する出力直流電圧(Ua)に変換し、
前記直流電圧変換器(2)の1つの回路部(A)の少なくとも1つのスイッチング素子(S1)が、1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングされ、
溶接フェーズ(X)が、前記溶接機(1)に対して設けられていて、この溶接フェーズ(X)中に、前記スイッチング周波数(f1)は、1つの定格スイッチング周波数(f1x)に一致し、
前記溶接電源部(5)は、前記溶接フェーズ(X)中に前記電源入力部に入力する前記出力直流電圧(Ua)を電源出力部に出力する溶接電圧(Ua′)になるように制御する当該方法において、
アークが発生しない溶接中断フェーズ(L)が、前記溶接機(1)に対して設けられていて、この溶接中断フェーズ(L)中に、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)が、前記定格スイッチング周波数(f1x)よりも小さい溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングされ、
特にインターフェースを介して伝達される制御信号(S)及び/又は前記溶接機(1)内で決定されたパラメータ(P)が、前記溶接フェーズ(X)を前記溶接中断フェーズ(L)に切り換え、及び/又は前記溶接中断フェーズ(L)を前記溶接フェーズ(X)に切り換え、
前記溶接フェーズ(X)を最適に開始させるために必要な出力直流電圧(Ua)を前記溶接電源部(5)に供給するため、前記出力直流電圧(Ua)が、前記溶接中断フェーズ(L)中に維持される当該方法。
2.
前記直流電圧変換器の少なくとも1つの別の回路部(B,C)の少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)が、少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)でスイッチングされ、
エネルギーを前記入力端子(Ue+)から前記出力端子(Ua+)に伝達するため、前記溶接フェーズ(X)では、前記少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)は、1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)に一致する上記1に記載の方法。
3.
前記少なくとも1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)は、前記定格スイッチング周波数(f1x)に一致する上記2に記載の方法。
4.
前記溶接中断フェーズ(L)では、前記少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)は、前記1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)よりも小さい1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)でスイッチングされる上記1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.
前記少なくとも1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)は、前記溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する上記4に記載の方法。
6.
前記溶接中断フェーズ(L)では、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)及び/又は複数の前記スイッチング素子(S2,S3)のうちの少なくとも1つのスイッチング素子が停止される上記1~3のいずれか1つに記載の方法。
7.
前記制御信号(S)は、所定の溶接開始又は溶接終了のためのスイッチ又はボタンを操作することによって生成される上記1に記載の方法。
8.
前記パラメータ(P)は、出力側の、減少若しくは増大した溶接電圧及び/又は減少/増大した電流によって決定されている上記1に記載の方法。
9.
直流電圧変換器(2)と溶接電源部(5)とを有する溶接機(1)であって、
前記直流電圧変換器(2)は、入力端子(Ue+)に入力する入力直流電圧(Ue)を、出力端子(Ua+)に出力し、前記溶接機(1)の溶接電源部(5)の電源入力部に入力する出力直流電圧(Ua)に変換するように構成されていて、
前記直流電圧変換器(2)は、1つの回路部(A)内の少なくとも1つのスイッチング素子(S1)と1つの制御装置(3)とを含み、
前記制御装置(3)は、前記スイッチング素子(S1)を前記溶接機(1)の溶接フェーズ(X)中に1つの定格スイッチング周波数(f1)に一致するスイッチング周波数(f1)でスイッチングするように構成されていて、
前記溶接電源部(5)は、前記溶接フェーズ(X)中に前記電源入力部に入力する前記出力直流電圧(Ua)を電源出力部に出力する溶接電圧(Ua′)になるように制御するように構成されている当該溶接機(1)において、
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)を、前記溶接機(1)の、アークが発生しない溶接中断フェーズ(L)中に前記1つの定格スイッチング周波数(f1x)よりも小さい溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する1つのスイッチング周波数(f1)でスイッチングするように構成されていて、
特にインターフェースを介して伝達される制御信号(S)及び/又は前記溶接機(1)内で決定されたパラメータ(P)が、前記溶接フェーズ(X)を前記溶接中断フェーズ(L)に切り換え、及び/又は前記溶接中断フェーズ(L)を前記溶接フェーズ(X)に切り換えるように設けられていて、
前記制御装置(3)は、前記溶接フェーズ(X)を最適に開始させるために必要な出力直流電圧(Ua)を前記溶接電源部(5)に供給するため、前記出力直流電圧(Ua)を前記溶接中断フェーズ(L)中に維持するように構成されている当該溶接機(1)。
10.
前記1つの回路部(A)が、1つのインダクタンス(L1)と1つのフリーホイーリングダイオード(D1)とを含み、
前記インダクタンス(L1)の第1コイル端子が、前記入力端子(Ue+)に接続されていて、前記インダクタンス(L1)の第2コイル端子が、前記1つのスイッチング素子(S1)の第1スイッチング端子と前記フリーホイーリングダイオード(D1)の陽極とに接続されていて、
前記1つのスイッチング素子(S1)の第2スイッチング端子が、グランド(U-)に接続されていて、前記フリーホイーリングダイオード(D1)の陰極が、前記出力端子(Ua+)に接続されている上記9に記載の溶接機(1)。
11.
前記直流電圧変換器(2)は、少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)と少なくとも1つの別のインダクタンス(L)と少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオード(D)とを有する少なくとも1つの別の回路部(B,C)を含み、
前記少なくとも1つの別の回路部(B,C)内では、前記少なくとも1つの別のインダクタンス(L)のそれぞれ1つの第1コイル端子が、前記入力電圧(Ue)に接続されていて、前記少なくとも1つの別のインダクタンス(L)のそれぞれ1つの第2コイル端子が、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)のそれぞれ1つの第1スイッチング端子と前記少なくとも1つの別のフリーホイーリングダイオード(D2)のそれぞれ1つの陽極とに接続されていて、
前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)のそれぞれ1つの第2スイッチング端子が、グランド(U-)に接続されていて、前記少なくとも1つのフリーホイーリングダイオード(D1)のそれぞれ1つの陰極が、前記出力端子(Ua+)に接続されていること、及び
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)を前記溶接機(1)の溶接フェーズ(X)中に1つの別の定格スイッチング周波数(f2x,f3x)に一致する少なくとも1つの別のスイッチング周波数(f2,f3)でスイッチングするように構成されている上記10に記載の溶接機(1)。
12.
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つの別のスイッチング素子(S2,S3)を前記溶接機(1)の溶接中断フェーズ(L)中に前記別の定格スイッチング周波数(f2x、f3x)よりも小さい、特に前記溶接中断スイッチング周波数(f1L)に一致する1つの別の溶接中断スイッチング周波数(f2L,f3L)でスイッチングするように構成されている上記11に記載の溶接機(1)。
13.
前記制御装置(3)は、前記少なくとも1つのスイッチング素子(S1)及び/又は複数の前記別のスイッチング素子(S2,S3)のうちの少なくとも1つのスイッチング素子を前記溶接機(1)の前記溶接中断フェーズ(L)中に停止するように構成されている上記9~11のいずれか1つに記載の溶接機(1)。
【符号の説明】
【0062】
1 溶接機
2 直流変換器
3 制御装置
4 整流器段
5 溶接電源部
A 回路部
B 回路部
C 回路部
Ue 入力直流電圧
Ua 出力直流電圧
Ua′ 溶接電圧
Ue+ 入力端子
Ua+ 出力端子、直流電圧出力部
U- グランド
X 溶接フェーズ
L 溶接中断フェーズ
f1 スイッチング周波数
f1x 定格スイッチング周波数
f1L 溶接中断スイッチング周波数
Z 負荷
S1 スイッチング素子
S2 スイッチング素子
S3 スイッチング素子
L1 インダクタンス
L2 インダクタンス
L3 インダクタンス
D1 フリーホイーリングダイオード
D2 フリーホイーリングダイオード
D3 フリーホイーリングダイオード
Ca 中間回路コンデンサ
Du 下の整流器ダイオード
Do 上の整流器ダイオード
Ce 平滑コンデンサ
P1 相電源
P2 相電源
P3 相電源
iL コイル電流
S 制御信号
P パラメータ
tv 遅延時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7