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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】農業用作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20240628BHJP
   A01C 11/02 20060101ALI20240628BHJP
   A01D 69/00 20060101ALI20240628BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B60K20/02
A01C11/02 330A
A01D69/00 302B
F02D29/02 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022561640
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2021005795
(87)【国際公開番号】W WO2021230588
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0058427
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0057621
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
【住所又は居所原語表記】127, LS-ro, Dongan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, 14119 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】チョン、スンホ
(72)【発明者】
【氏名】アン、スンギ
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-077763(JP,A)
【文献】特開2004-322825(JP,A)
【文献】特開平11-082733(JP,A)
【文献】実開平05-087364(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
A01D 69/00
A01C 11/02
F02D 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを支持する車両本体;
前記エンジンが発生させた駆動に対して変速を遂行する油圧トランスミッション;
前記油圧トランスミッションの斜板制御軸に連結され、前記斜板制御軸を回転させるためのHSTペダル;
前記HSTペダルの回転による回転力を前記斜板制御軸に伝達するために前記HSTペダルを前記斜板制御軸に連結するリンク部;
前記リンク部および前記斜板制御軸のそれぞれに結合された結合部材;
前記斜板制御軸に直接結合されて前記斜板制御軸の回転を感知して感知値を獲得するセンサ部;および
前記感知値によって前記エンジンの回転数を制御する制御部を含
前記リンク部は、前記HSTペダルの回転により移動されながら前記結合部材を通じて前記斜板制御軸を回転させる、農業用作業車両。
【請求項2】
前記センサ部は前記斜板制御軸の回転中心軸上に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項3】
前記斜板制御軸には前記センサ部が挿入されるための感知溝が形成され、
前記センサ部は前記感知溝に挿入されて前記斜板制御軸と共に回転する感知部材、および前記感知部材の回転を通じて前記斜板制御軸の回転を感知して前記感知値を獲得する獲得器具を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項4】
前記センサ部を支持する支持部を含み、
前記支持部は前記センサ部が有するセンサカバーが結合された支持本体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項5】
前記支持部は前記支持本体を貫通して形成された連結孔を含み、
前記センサ部は前記斜板制御軸に結合される感知部材を含み、
前記感知部材は前記連結孔に挿入されて前記斜板制御軸に結合されたことを特徴とする、請求項4に記載の農業用作業車両。
【請求項6】
前記支持部は前記支持本体を貫通して形成された調整孔を含み、
前記調整孔は前記斜板制御軸の中立位置を調整するための調整器具に対向するように配置されたことを特徴とする、請求項4に記載の農業用作業車両。
【請求項7】
前記センサ部を支持する支持部を含み、
前記支持部はクラッチを収容するためのクラッチハウジングおよび前記油圧トランスミッションが有するミッションハウジングのうち少なくとも一つに結合されたことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項8】
前記感知値を利用して前記斜板制御軸の中立位置に関する中立獲得値を獲得する中立獲得部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項9】
前記エンジンの回転数を制御するための基準となる中立認識値を保存する中立認識部、および前記中立認識値と前記中立獲得値が一致するように補正するための中立補正部を含み、
前記制御部は前記中立認識値と前記感知値間の差を利用して前記エンジンの回転数を制御することを特徴とする、請求項8に記載の農業用作業車両。
【請求項10】
前記中立認識値と前記中立獲得値のうち少なくとも一つを表示するディスプレイ部を含むことを特徴とする、請求項9に記載の農業用作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土地を利用して人間生活に必要な作物を栽培するのに利用される農業用作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用作業車両は、土地を利用して人間生活に必要な作物を栽培するのに利用されるものである。例えば、コンバイン(Combine)、トラクタ(Tractor)、田植機などが農業用作業車両に該当する。コンバインは稲、麦、小麦、豆などの作物を刈り取って脱穀する作業を遂行するものである。トラクタは牽引力を利用して作物を栽培するのに必要な作業を遂行するものである。田植機は苗代や育苗箱で育てた苗を田に移して植える作業を遂行するものである。
【0003】
図1は、従来技術に係る農業用作業車両の概略的なブロック図である。
【0004】
図1を参照して、従来技術に係る農業用作業車両100は、エンジン200が発生させた駆動に対して変速を遂行する油圧トランスミッション(HST、Hydrostatic Transmission)110、前記油圧トランスミッション110の斜板制御軸111に連結されたHSTペダル120、前記HSTペダル120の回転を感知するセンサ部130、および前記センサ部130の感知値によって前記エンジン200の回転数(RPM)を制御する制御部140を含む。前記HSTペダル120はリンケージ(Linkage)を利用した連結リンク121を通じて前記斜板制御軸111に連結される。
【0005】
運転者が前記HSTペダル120を操作すると、前記HSTペダル120は回転されながら前記連結リンク121を通じて前記斜板制御軸111を回転させることによって、前記油圧トランスミッション110が変速を遂行するようにする。この場合、前記センサ部130は前記HSTペダル120の回転を感知して前記感知値を獲得する。前記センサ部130は前記HSTペダル120の回転を直接的に感知したり前記連結リンク121の移動を感知して、前記HSTペダル120の回転を間接的に感知することができる。前記センサ部130が前記感知値を獲得すると、前記制御部140は前記感知値によって前記エンジン200の回転数を制御する。これに伴い、従来技術に係る農業用作業車両100は前記油圧トランスミッション110が遂行する変速に対応するように前記エンジン200の回転数を制御する。
【0006】
このような従来技術に係る農業用作業車両100は、前記エンジン200の回転数を制御するにおいて、前記センサ部130が前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動を感知して獲得した前記感知値を利用するように具現される。しかし、前記HSTペダル120が前記連結リンク121を通じて前記斜板制御軸111に連結されるため、従来技術に係る農業用作業車両100は製造偏差、前記斜板制御軸111と前記HSTペダル120を連結する前記連結リンク121構造の複雑性などによって前記感知値が正確でない場合もある。
【0007】
これに伴い、従来技術に係る農業用作業車両100は、前記感知値に対するデッド区間を大きく具現しなければならない。この場合、前記HSTペダル120に対する操作程度が大きくないので、前記感知値がデッド区間内に存在すると、前記制御部140は前記エンジン200の回転数を制御するにおいて前記感知値を反映しないように具現される。前記HSTペダル120の操作により前記感知値がデッド区間を越えた以後へのみ、前記制御部140は前記感知値を利用して前記エンジン200の回転数を制御するように具現される。したがって、従来技術に係る農業用作業車両100は、前記HSTペダル120に対する操作程度が小さい場合には前記感知値を前記エンジン200の回転数を制御するのに反映できないので、前記エンジン200の回転数制御に対する正確性が低い問題がある。
【0008】
また、前記HSTペダル120に対する操作力が前記HSTペダル120の回転と前記連結リンク121の移動を通じて前記斜板制御軸111に伝達される伝達過程で製造偏差、作動偏差などによって操作力に損失が発生するので、前記HSTペダル120に対する操作量と前記油圧トランスミッション110が有する斜板の実際の作動量間に偏差が発生せざるを得ない。この場合、従来技術に係る農業用作業車両100は、前記センサ部130が前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動を感知して獲得した前記感知値を利用するので、前記HSTペダル120に対する操作量と前記油圧トランスミッション110が有する斜板の実際の作動量間に発生した偏差が前記感知値に反映されざるを得ない。したがって、従来技術に係る農業用作業車両100は前記感知値と前記斜板の実際の作動量間に偏差が発生するので、前記油圧トランスミッション110が遂行する変速と前記エンジン200の回転数を連動させるにおいて正確性が低い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述したような問題点を解決しようと案出されたもので、油圧トランスミッションが遂行する変速を感知する感知値に対するデッド区間を減少させ得る農業用作業車両を提供するためのものである。
【0010】
本発明は、HSTペダルに対する操作量と油圧トランスミッションが有する斜板の実際の作動量間に発生した偏差が油圧トランスミッションが遂行する変速を感知する感知値に及ぼす影響を減少させ得る農業用作業車両を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような課題を解決するために、本発明は次のような構成を含むことができる。
【0012】
本発明に係る農業用作業車両は、エンジンを支持する車両本体;前記エンジンが発生させた駆動に対して変速を遂行する油圧トランスミッション;前記油圧トランスミッションの斜板制御軸に連結され、前記斜板制御軸を回転させるためのHSTペダル;前記斜板制御軸に直接結合されて前記斜板制御軸の回転を感知して感知値を獲得するセンサ部;および前記感知値によって前記エンジンの回転数を制御する制御部を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、次のような効果を図ることができる。
【0014】
本発明は油圧トランスミッションが遂行する変速を感知する感知値に対するデッド区間を減少させることができるため、油圧トランスミッションが遂行する変速に対応するようにエンジンの回転数を制御する作動の正確性を向上させることができる。
【0015】
本発明はHSTペダルに対する操作量と油圧トランスミッションが有する斜板の実際の作動量間に発生した偏差が油圧トランスミッションが遂行する変速を感知する感知値に及ぼす影響を減少させることができるため、油圧トランスミッションが遂行する変速とエンジンの回転数を連動させるにおいて正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術に係る農業用作業車両の概略的なブロック図である。
【0017】
図2】本発明に係る農業用作業車両の一例を示した概略的な側面図である。
【0018】
図3】本発明に係る農業用作業車両において油圧トランスミッション、HSTペダル、およびセンサ部を示した概略的な斜視図である。
【0019】
図4】本発明に係る農業用作業車両の一例を示した概略的なブロック図である。
【0020】
図5】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸、センサ部、および支持部間の配置関係を説明するための概略的な一部側断面図である。
【0021】
図6】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸と感知部材に対する概略的な分解斜視図である。
【0022】
図7】本発明に係る農業用作業車両においてセンサ部と支持部に対する概略的な分解斜視図である。
【0023】
図8】本発明に係る農業用作業車両において結合部材に対する概略的な正面図である。
【0024】
図9】本発明に係る農業用作業車両において結合部材、斜板制御軸、および第1リンク部材間の結合関係を説明するための概略的な正面図である。
【0025】
図10】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸と調整器具間の連結関係を説明するための概念的な平面図である。
【0026】
図11】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸と調整器具間の作動関係を説明するための概念的な側面図である。
図12】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸と調整器具間の作動関係を説明するための概念的な側面図である。
図13】本発明に係る農業用作業車両において斜板制御軸と調整器具間の作動関係を説明するための概念的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明に係る農業用作業車両の実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図2および図3を参照すると、本発明に係る農業用作業車両1は土地を利用して人間生活に必要な作物を栽培するのに利用されるものである。例えば、本発明に係る農業用作業車両1はトラクタ、コンバイン、田植機などであり得る。
【0029】
本発明に係る農業用作業車両1は車両本体2、油圧トランスミッション(HST、Hydrostatic Transmission)3、HSTペダル4、センサ部5、および制御部6を含むことができる。
【0030】
図2および図3を参照すると、前記車両本体2はエンジン20を支持するものである。前記車両本体2には前記エンジン20、前記油圧トランスミッション3、前記HSTペダル4、および前記制御部6等が結合され得る。前記車両本体2には運転者が搭乗するための運転席21が設けられる。前記車両本体2には車輪22が結合され得る。前記エンジン20が発生させた駆動が前記油圧トランスミッション3を経て前記車輪22に伝達されると、前記車両本体2は前記車輪22が回転するにつれて走行方向に走行することができる。
【0031】
図2図5を参照すると、前記油圧トランスミッション3は前記エンジン20が発生させた駆動に対して変速を遂行するものである。前記油圧トランスミッション3が変速を遂行するにつれ、前記車両本体2が走行する走行速度が変更され得る。前記油圧トランスミッション3は油圧モータ(図示されず)と油圧ポンプ(図示されず)を利用して変速を遂行できる。
【0032】
前記油圧トランスミッション3は斜板制御軸31を含むことができる。前記斜板制御軸31は前記油圧トランスミッション3が有する斜板(Swash Plate)(図示されず)に連結され得る。前記斜板制御軸31が回転軸を中心として回転することによって前記斜板が回転され得る。この場合、前記斜板制御軸31の回転方向と回転角度により、前記斜板の傾斜方向と傾斜角度が調節され得る。前記斜板の傾斜方向と傾斜角度が調節されることによって、前記油圧ポンプと前記油圧モータ間に循環する作動流体の流量、流動速度などが調節されることによって変速がなされ得る。
【0033】
前記斜板制御軸31は前記油圧トランスミッション3の外側に突出し得る。この場合、前記斜板制御軸31は前記油圧トランスミッション3が有するミッションハウジング32の外側に突出し得る。前記ミッションハウジング32は前記油圧トランスミッション3が有する部品を保護するケースに該当し得る。前記ミッションハウジング32は前記車両本体2に結合され得る。
【0034】
図2図5を参照すると、前記HSTペダル4は前記車両本体2の走行速度を調節するためのものである。前記HSTペダル4は運転者が足を利用して操作できるように前記運転席21に配置され得る。前記HSTペダル4は前記車両本体2に回転可能に結合され得る。前記HSTペダル4は前記斜板制御軸31に連結され得る。これに伴い、運転者が前記HSTペダル4を踏むと、前記HSTペダル4は運転者の踏力によって回転しながら前記斜板制御軸31を回転させることができる。この場合、前記油圧トランスミッション3は前記車両本体2の走行速度を増加させる変速を遂行できる。運転者が前記HSTペダル4から足を離すと、前記HSTペダル4は復原力によって回転しながら前記斜板制御軸31を回転させることができる。この場合、前記油圧トランスミッション3は前記車両本体2の走行速度を減少させる変速を遂行できる。前記HSTペダル4はリンク部41を通じて前記斜板制御軸31に連結され得る。前記HSTペダル4を回転させる復原力は、前記HSTペダル4に結合されたスプリング(Spring)などのような弾性部材、または作動流体を利用した油圧シリンダーなどによって提供され得る。前記リンク部41は複数個のリンク部材を利用して前記HSTペダル4の回転による回転力を前記斜板制御軸31に伝達することができる。
【0035】
図2図5を参照すると、前記センサ部5は前記斜板制御軸31の回転を感知して前記感知値を獲得するものである。前記センサ部5は前記感知値を前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記感知値によって前記エンジン20の回転数を制御することができる。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は前記油圧トランスミッション3が遂行する変速に対応するように前記エンジン20の回転数を制御することができる。
【0036】
前記センサ部5は前記斜板制御軸31に直接結合され得る。これに伴い、前記センサ部5は前記斜板制御軸31の回転を直接的に感知して前記感知値を獲得することができる。したがって、本発明に係る農業用作業車両1は次のような作用効果を図ることができる。
【0037】
まず、図1に図示された通り、前記センサ部130が前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動を感知して前記斜板制御軸111の回転を間接的に感知する比較例の場合、製造偏差、作動偏差などを考慮して前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動による前記センサ部130の前記感知値に対するデッド区間を大きく具現しなければならない。したがって、比較例は前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動による前記センサ部130の前記感知値がデッド区間を越えた以後に、前記感知値を利用して前記エンジン200の回転数を制御するように具現される。これに伴い、比較例は前記HSTペダル120に対する操作程度が小さい場合には、前記感知値を前記エンジン200の回転数を制御するのに反映できない。したがって、比較例は前記エンジン200の回転数制御に対する正確性が低い問題がある。
【0038】
また、比較例は前記センサ部130が前記HSTペダル120の回転または前記連結リンク121の移動を感知して獲得した前記感知値を利用するため、前記HSTペダル120に対する操作量と前記油圧トランスミッション110が有する斜板の実際の作動量間に発生した偏差が前記感知値に反映されざるを得ない。これに伴い、比較例は前記感知値と前記斜板の実際の作動量間に偏差が発生するため、前記油圧トランスミッション110が遂行する変速と前記エンジン200の回転数を連動させるのにおいて正確性が低い問題がある。
【0039】
これとは異なり、本発明に係る農業用作業車両1は図2図5に図示された通り、前記センサ部5が前記斜板制御軸31に直接結合されて前記斜板制御軸31の回転を直接的に感知するように具現されるため、比較例においてのデッド区間をなくすか、顕著に減少させることができる。前記HSTペダル4が回転するにつれて前記斜板制御軸31が回転すると、前記センサ部5はすぐに前記斜板制御軸31の回転を感知して前記感知値を獲得するためである。また、本発明に係る農業用作業車両1は前記センサ部5が前記斜板制御軸31に直接結合されて前記斜板制御軸31の回転を直接的に感知するため、前記HSTペダル4に対する操作量と前記油圧トランスミッション3が有する斜板の実際の作動量間に発生した偏差が前記感知値に及ぼす影響を減らすことができる。したがって、本発明に係る農業用作業車両1は、前記油圧トランスミッション3による変速に対応するように前記エンジン20の回転数を正確に制御できるため、前記エンジン200の回転数制御に対する正確性を向上させることができる。
【0040】
図5を参照すると、前記センサ部5は前記斜板制御軸31の回転中心軸上に配置され得る。前記センサ部5は前記斜板制御軸31と一直線をなすように前記斜板制御軸31の回転中心軸の延長線上で前記斜板制御軸31に直接結合され得る。
【0041】
図2図6を参照すると、前記センサ部5は感知部材51、および獲得器具52を含むことができる。
【0042】
前記感知部材51は前記斜板制御軸31に結合されるものである。前記感知部材51は前記斜板制御軸31に形成された感知溝(311、図6に図示される)に挿入され得る。これに伴い、前記感知部材51は前記斜板制御軸31が回転するにつれて共に回転され得る。したがって、前記センサ部5は前記感知溝311に挿入された感知部材51を利用して前記斜板制御軸31の回転を直接的に感知することができる。前記感知溝311は前記斜板制御軸31の突出面312に形成された溝(Groove)で具現され得る。前記斜板制御軸31の突出面312は前記斜板制御軸31が前記ミッションハウジング32から突出した方向側に配置された終わりの面に該当し得る。前記感知部材51は全体として四角板状に形成され得るが、これに限定されず、前記感知溝311に挿入されて前記斜板制御軸31と共に回転され得るものであれば円盤状などの他の形態で形成されてもよい。前記感知溝311は前記感知部材51に対して相補的な形態で形成され得る。
【0043】
前記獲得器具52は、前記感知部材51の回転を通じて前記斜板制御軸31の回転を感知して前記感知値を獲得することができる。前記獲得器具52は前記感知部材51の回転を感知できるように前記感知部材51に連結され得る。前記獲得器具52は獲得された前記感知値を有線通信、無線通信等を通して前記制御部6に提供することができる。
【0044】
図2図6を参照すると、前記制御部6は前記センサ部5が獲得した前記感知値によって前記エンジン200の回転数を制御するものである。前記制御部6は前記感知値に対応する制御信号を生成した後に、前記制御信号を伝送することによって前記エンジン200の回転数を制御することができる。例えば、前記HSTペダル4が運転者の踏力によって回転しながら前記斜板制御軸31を回転させることによって前記油圧トランスミッション3が前記車両本体2の走行速度を増加させる変速を遂行する場合、前記制御部6は前記エンジン200の回転数が増加するように前記エンジン200を制御することができる。例えば、前記HSTペダル4が復原力によって回転しながら前記斜板制御軸31を回転させることによって前記油圧トランスミッション3が前記車両本体2の走行速度を減少させる変速を遂行する場合、前記制御部6は前記エンジン200の回転数が減少するように前記エンジン200を制御することができる。前記制御部6は電子制御装置(ECU、Electronic Control Unit)で具現されてもよい。
【0045】
図2図7を参照すると、本発明に係る農業用作業車両1は支持部7を含むことができる。
【0046】
前記支持部7は前記センサ部5を支持するものである。前記センサ部5は前記支持部7に支持されることによって、前記斜板制御軸31に直接結合された状態で維持され得る。前記支持部7は前記ミッションハウジング32に結合され得る。前記支持部7はクラッチハウジング(23、図5に図示される)に結合されてもよい。前記クラッチハウジング23は本発明に係る農業用作業車両1が有するクラッチ(図示されず)を収容するものである。前記支持部7は前記ミッションハウジング32と前記クラッチハウジング23のうち少なくとも一つに結合されてもよい。
【0047】
前記支持部7は支持本体71を含むことができる。
【0048】
前記支持本体71は前記支持部7の全体的な外観をなすものである。前記支持本体71は前記ミッションハウジング32から離隔した位置に配置され得る。前記支持本体71と前記ミッションハウジング32の間には前記斜板制御軸31が配置され得る。前記HSTペダル4に連結された前記リンク部41は、前記支持本体71と前記ミッションハウジング32の間で前記斜板制御軸31に連結され得る。この場合、前記斜板制御軸31には前記リンク部41が連結され得る。前記リンク部41は前記HSTペダル4の回転に連動して移動されながら前記斜板制御軸31を回転させることができる。前記支持本体71は全体としてティー(T)字状の板状に形成され得るが、これに限定されず、前記ミッションハウジング32から離隔した位置で前記センサ部5を支持できる形態であれば他の形態で形成されてもよい。
【0049】
前記支持本体71は前記センサ部5を支持することができる。前記支持本体71には前記センサ部5が有するセンサカバー(50、図5に図示される)が結合され得る。前記センサカバー50は前記感知部材51と前記獲得器具52を収容するものである。前記感知部材51は前記センサカバー50から突出するように配置され得る。前記センサカバー50は前記支持本体71を基準として前記斜板制御軸31の反対側から前記支持本体71に結合され得る。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は前記センサカバー50が前記支持本体71と前記ミッションハウジング32の間に配置された前記リンク部41に干渉されないように具現され得る。したがって、本発明に係る農業用作業車両1は前記センサカバー50と前記支持本体71間の結合を利用して前記センサ部5に対する支持力を確保するとともに、前記HSTペダル4の回転により前記斜板制御軸31が円滑に回転するように具現され得る。
【0050】
前記支持部7は連結孔72を含むことができる。
【0051】
前記連結孔72は前記支持本体71を貫通して形成されたものである。前記感知部材51は前記連結孔72に挿入されて、前記支持本体71を基準として前記センサカバー50の反対側に位置した前記斜板制御軸31に結合され得る。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は、前記センサカバー50が前記HSTペダル4と前記斜板制御軸31間の連結に干渉されないように配置されても、前記感知部材51は前記連結孔72を通じて前記斜板制御軸31の回転を直接的に感知できるように具現される。前記連結孔72は全体として円盤形態で形成され得るが、これに限定されず、前記感知部材51が前記斜板制御軸31に結合されるように挿入され得る形態であれば、四角板状などの他の形態で形成されてもよい。
【0052】
前記支持部7は調整孔73を含むことができる。
【0053】
前記調整孔73は前記支持本体71を貫通して形成されたものである。前記調整孔73は調整器具(33、図7に図示される)に対向するように配置され得る。前記調整器具33は前記斜板制御軸31の中立位置を調整するためのもので、前記ミッションハウジング32から突出するように配置され得る。前記調整器具33は前記斜板制御軸31から離隔した位置に配置され得る。前記調整器具33には調整溝331が形成され得る。前記調整溝331は前記調整器具33の前方面332に形成され得る。前記前方面332は前記調整孔73に向かうように配置された前記調整器具33の面である。
【0054】
前記調整孔73が前記調整器具33に対向するように配置されるため、本発明に係る農業用作業車両1は前記支持本体71が前記ミッションハウジング32と前記クラッチハウジング23のうち少なくとも一つに結合された状態でも、作業者が前記調整孔73を通じて前記調整器具33を利用して前記斜板制御軸31の中立位置を調整する調整作業を遂行できるように具現される。したがって、本発明に係る農業用作業車両1は、前記調整作業が遂行されるにおいて前記支持本体71を分離する作業が要求されないため、前記調整作業の容易性を向上させることができるだけでなく、前記調整作業にかかる時間を短縮するのに寄与することができる。前記調整孔73は全体として円盤形態で形成され得るが、これに限定されず、前記調整作業が遂行され得る空間を提供できる形態であれば、四角板状などの他の形態で形成されてもよい。前記調整孔73と前記連結孔72がいずれも前記支持本体71に形成された場合、前記支持本体71は前記調整孔73が前記調整器具33に対向するとともに、前記連結孔72が前記斜板制御軸31に対向するように配置され得る。
【0055】
ここで、本発明に係る農業用作業車両1は、前記HSTペダル4と前記斜板制御軸31間の連動性を向上できるように、結合部材(43、図8図9に図示される)を含んで具現され得る。
【0056】
図2図9を参照すると、前記結合部材43は前記斜板制御軸31に結合されたものである。前記結合部材43は前記斜板制御軸31の外側面に接触するように前記斜板制御軸31に結合され得る。これに伴い、前記結合部材43は前記斜板制御軸31の突出面312に結合された前記感知部材51に対して干渉されないように前記斜板制御軸31に結合され得る。前記結合部材43には前記リンク部41の第1リンク部材42が結合され得る。これに伴い、前記第1リンク部材42は前記HSTペダル4の回転により移動されながら前記結合部材43を通じて前記斜板制御軸31を回転させることができる。
【0057】
前記結合部材43は結合本体431、挿入孔432、第1締め付け部材433、第2締め付け部材434、および締結部材435を含むことができる。
【0058】
前記結合本体431は前記第1リンク部材42に結合されたものである。前記結合本体431は前記第1リンク部材42が移動するにつれて回転され得る。
【0059】
前記挿入孔432は前記斜板制御軸31が挿入されるものである。前記斜板制御軸31は前記挿入孔432に挿入されて前記結合本体431が回転するにつれて共に回転するように連結され得る。
【0060】
前記第1締め付け部材433は前記挿入孔432の一側で前記結合本体431から突出したものである。前記第1締め付け部材433は前記挿入孔432に挿入された前記斜板制御軸31の一側面を加圧することができる。図8に図示された通り、前記結合本体431に結合された前記第1締め付け部材433の部分に対する幅433Hは、前記結合本体431の幅431Hに比べてさらに短く具現され得る。これに伴い、前記第1締め付け部材433は前記結合本体431に結合された部分を基準として弾性的に移動され得る。
【0061】
前記第2締め付け部材434は前記挿入孔432の他側で前記結合本体431から突出したものである。前記第2締め付け部材434は前記挿入孔432に挿入された前記斜板制御軸31の他側面を加圧することができる。図8に図示された通り、前記結合本体431に結合された前記第2締め付け部材434の部分に対する幅434Hは、前記結合本体431の幅431Hに比べてさらに短く具現され得る。これに伴い、前記第2締め付け部材434は前記結合本体431に結合された部分を基準として弾性的に移動され得る。この場合、前記挿入孔432は前記第2締め付け部材434と前記第1締め付け部材433の間に配置され得る。これに伴い、前記第2締め付け部材434と前記第1締め付け部材433が前記挿入孔432に挿入された前記斜板制御軸31を加圧する加圧力を利用して、前記結合部材43と前記斜板制御軸31が共に回転されるように互いに連結され得る。
【0062】
前記締結部材435は前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434に締結されるものである。前記締結部材435が前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434に締結される程度によって、前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434が前記斜板制御軸31を加圧する加圧力が調節され得る。したがって、本発明に係る農業用作業車両1は、前記締結部材435を利用して前記結合部材43と前記斜板制御軸31間の連動性を向上できるように具現されることによって、製造公差などにより前記結合部材43と前記斜板制御軸31間の連動性が低下することを防止することができる。例えば、前記結合部材43と前記斜板制御軸31間の連動性が低い場合、前記締結部材435は締結のための回転を通じて前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434にさらに締結されることによって、前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434を互いに近づく方向に移動させることができる。これに伴い、前記第1締め付け部材433と前記第2締め付け部材434が前記挿入孔432に挿入された前記斜板制御軸31を加圧する加圧力が増大するため、前記結合部材43と前記斜板制御軸31間の連動性が向上し得る。したがって、前記HSTペダル4と前記斜板制御軸31間の連動性が向上するため、本発明に係る農業用作業車両1は前記HSTペダル4に対する操作を通じて前記斜板制御軸31をさらに精密かつ正確に調節できるように具現される。
【0063】
図2~4を参照すると、本発明に係る農業用作業車両1は中立獲得部81、およびディスプレイ部82を含むことができる。
【0064】
前記中立獲得部81は前記センサ部5が獲得した前記感知値を利用して前記斜板制御軸31の中立位置に関する中立獲得値を獲得するものである。前記斜板制御軸31の中立位置は、前記油圧トランスミッション3が前進変速または後進変速を遂行しない中立状態の時の前記斜板制御軸31の位置を意味し得る。前記中立獲得部81は前記センサ部5から前記感知値が提供され、前記感知値を利用して前記中立獲得値を獲得することができる。例えば、前記中立獲得部81は電圧値(V)で定義される中立獲得値を獲得することができる。
【0065】
前記ディスプレイ部82は様々な情報を表示するものである。前記ディスプレイ部82は前記中立獲得部81が獲得した前記中立獲得値を表示することができる。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は前記ディスプレイ部82を通じて前記中立獲得値が確認されるように具現されるため、前記斜板制御軸31の中立位置に対する確認作業の容易性を向上させることができる。前記ディスプレイ部82は前記運転席21に設置され得る。
【0066】
図2図4を参照すると、本発明に係る農業用作業車両1は中立認識部83、および中立補正部84を含むことができる。
【0067】
前記中立認識部83は中立認識値を保存するものである。前記中立認識値は前記エンジン20の回転数を制御するための基準となる値である。前記制御部6は前記中立認識値と前記感知値間の差を利用して前記エンジン20の回転数を制の器具に偏差が発生する可能性がある。前記油圧トランスミッション3の内部偏差が発生していない場合、前記中立認識値と前記中立獲得値は互いに同一であってもよい。前記油圧トランスミッション3の内部偏差が発生した場合、前記中立認識値と前記中立獲得値は互いに異なり得る。前記ディスプレイ部82は前記中立認識値と前記中立獲得値を表示することができる。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は前記ディスプレイ部82を通じて、前記中立認識値と前記中立獲得値が互いに同一であるかどうかが確認され得るように具現されることによって、前記油圧トランスミッション3の内部偏差が発生したかを確認する作業の容易性を向上させることができる。前記中立認識値は電圧値(V)で定義される値であり得る。前記ディスプレイ部82は前記中立認識値と前記中立獲得値のうち少なくとも一つを表示してもよい。
【0068】
前記中立補正部84は前記中立認識値と前記中立獲得値が一致するように補正するためのものである。前記油圧トランスミッション3の内部偏差が発生して前記中立認識値と前記中立獲得値が互いに異なるようになると、作業者は前記中立補正部84を通じて前記中立認識値と前記中立獲得値が一致するように補正することができる。
【0069】
前記中立補正部84は前記中立認識値を補正できるように具現され得る。前記中立認識値と前記中立獲得値が互いに異なるようになると、作業者は前記中立補正部84を通じて前記中立認識値が前記中立獲得値に一致するように前記中立認識値を補正することができる。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両1は前記中立補正部84を通じて前記中立認識値を補正する簡単な作業だけで、前記油圧トランスミッション3が遂行する変速に対応するように前記エンジン20の回転数を制御する作業の正確性が維持されるように具現され得る。前記中立補正部84を通じて前記中立認識値が補正されると、前記中立認識部83は補正された前記中立認識値を保存することによって、前記制御部6が補正された前記中立認識値を利用して前記エンジン20の回転数を制御するようにすることができる。前記ディスプレイ部82は補正された前記中立認識値を表示することができる。この場合、前記ディスプレイ部82は前記中立補正部84を通じて前記中立認識値が変動する過程を表示することによって、前記中立認識値を補正する作業の容易性を向上させることができる。例えば、前記ディスプレイ部82に前記中立獲得値が2.70V、前記中立認識値が2.51Vで表示された場合、作業者は前記中立補正部84を操作して前記中立認識値を2.70Vに補正することによって前記中立認識値と前記中立獲得値を一致させることができる。前記中立補正部84は作業者が操作可能なボタン、スイッチなどと構造で具現され得る。
【0070】
図2図13を参照すると、本発明に係る農業用作業車両1は前記油圧トランスミッション3の内部偏差が発生した場合、前記調整器具33を利用して前記斜板制御軸31の中立位置が補正されるように具現され得る。この場合、前記斜板制御軸31と前記調整器具33は前記ミッションハウジング32内部で互いに連動され得る。前記斜板制御軸31は斜板制御延長軸313、斜板制御連結部材314、および斜板駆動軸315を含むことができる。前記調整器具33は調整延長軸333、調整連結部材334、および調整偏心軸335を含むことができる。この時、前記斜板制御延長軸313、前記斜板駆動軸315、および前記調整偏心軸335は連動部材34により連結され得る。
【0071】
前記斜板制御延長軸313は前記斜板制御軸31から突出したものである。前記斜板制御延長軸313は前記斜板制御軸31から突出して前記ミッションハウジング32の内部に位置するように延長され得る。前記斜板制御軸31が回転されると、前記斜板制御延長軸313はともに回転され得る。この場合、前記斜板制御延長軸313は制御中心点313aを中心として回転され得る。
【0072】
前記斜板制御延長軸313と前記斜板制御軸31は一体に形成されてもよい。
【0073】
前記斜板制御連結部材314は前記斜板制御延長軸313と前記斜板駆動軸315を連結するものである。前記斜板制御連結部材314の一側は前記斜板制御延長軸313と結合され、他側は前記斜板駆動軸315と結合され得る。前記斜板制御延長軸313が回転すると、前記斜板制御連結部材314はともに回転され得る。この場合、前記斜板制御連結部材314は前記斜板制御延長軸313の制御中心点313aを中心として回転され得る。前記制御中心点313aは前記斜板制御延長軸313の回転中心に該当するものである。
【0074】
前記斜板駆動軸315は、前記斜板に連結されて前記斜板を回転させるものである。前記斜板駆動軸315の一端は前記斜板制御連結部材314に結合され得る。前記斜板駆動軸315の他端は前記斜板に連結され得る。前記斜板制御連結部材314が前記制御中心点313aを中心として回転すると、前記斜板駆動軸315は前記斜板制御延長軸313の制御中心点313aを中心として空転(Revolution)しながら前記斜板を回転させることができる。前記斜板駆動軸315の他端は前記斜板を回転させるアクチュエータ(図示されず)に連結されてもよい。この場合、前記斜板制御連結部材314が回転すると、前記斜板駆動軸315は前記斜板制御延長軸313の制御中心点313aを中心として空転しながら前記アクチュエータを作動させることができる。前記アクチュエータの作動によって前記斜板が回転することができる。
【0075】
作業者が前記HSTペダル4を作動させる足踏力は、前記HSTペダル4を回転させ、前記リンク部41を移動させ、前記斜板制御軸31を回転させ、前記斜板制御延長軸313を回転させ、前記斜板制御連結部材314を回転させ、前記斜板駆動軸315を空転させ、最終的に前記斜板を回転させることになる。
【0076】
前記斜板制御軸31、前記斜板制御延長軸313、前記斜板制御連結部材314、および前記斜板駆動軸315は一体に形成されてもよい。
【0077】
前記調整延長軸333は前記調整器具33から突出したものである。前記調整延長軸333は前記調整器具33から突出して前記ミッションハウジング32の内部に位置するように延長され得る。前記調整器具33が回転すると前記調整延長軸333はともに回転され得る。前記調整延長軸333と前記調整器具33は一体に形成されてもよい。
【0078】
前記調整連結部材334は前記調整延長軸333と前記調整偏心軸335を連結するものである。前記調整連結部材334の一面は前記調整延長軸333と結合され、前記調整連結部材334の他面は前記調整偏心軸335と結合され得る。前記調整延長軸333が回転すると前記調整連結部材334はともに回転され得る。
【0079】
前記調整偏心軸335の一端は前記調整連結部材334に結合され得る。前記調整偏心軸335は前記調整延長軸333および前記調整連結部材334の調整中心点334aから離隔して配置され得る。前記調整中心点334aは前記調整延長軸333と前記調整連結部材334の回転中心に該当するものである。前記調整連結部材334が前記調整中心点334aを中心として回転すると、前記調整偏心軸335は前記調整中心点334aを中心として空転し得る。すなわち、前記調整連結部材334がその場で回転すると、前記調整偏心軸335は前記調整中心点334aを中心としてスイング(Swing)移動され得る。
【0080】
作業者が前記調整孔73を通じて前記調整器具33を調整する操作力は、前記調整器具33を回転させ、前記調整延長軸333を回転させ、前記調整連結部材334を回転させ、前記調整偏心軸335を空転させることになる。
【0081】
前記調整器具33、前記調整延長軸333、前記調整連結部材334、および前記調整偏心軸335は一体に形成されてもよい。
【0082】
前記連動部材34は前記調整偏心軸335の空転を通じて伝達された操作力を前記斜板駆動軸315に伝達するものである。これに伴い、前記連動部材34は前記調整偏心軸335と前記斜板駆動軸315が連動して移動されるようにすることができる。前記連動部材34は一側が前記斜板制御延長軸313に連結され、他側が前記調整偏心軸335に連結され得る。前記連動部材34の一側と前記連動部材34の他側の間には前記斜板駆動軸315が配置され得る。前記調整偏心軸335が前記調整中心点334aを中心として空転する場合、他側が前記調整偏心軸335に連結された前記連動部材34が前記斜板制御延長軸313の制御中心点313aを中心として回転することになり、前記斜板駆動軸315は前記斜板制御延長軸313の制御中心点313aを中心として空転し得る。前記連動部材34はトーションスプリング(Torsion Spring)で具現され得る。
【0083】
ここで、前記調整器具33を通じて前記斜板制御軸31の中立位置が補正される過程を具体的に詳擦すると、次の通りである。
【0084】
図12に図示された通り、操作力によって前記調整連結部材334が前記調整中心点334aを中心として時計回り方向に回転すると、前記調整偏心軸335が前記調整中心点334aを中心として時計回り方向に空転しながら前記連動部材34の他側を移動させることができる。これに伴い、前記連動部材34は前記制御中心点313aを中心として反時計回り方向に回転しながら前記斜板駆動軸315を前記制御中心点313aを中心として反時計回り方向に空転させることができる。したがって、前記斜板駆動軸315は前記制御中心点313aを中心として反時計回り方向にスイング移動され得る。これに伴い、前記斜板制御軸31に対する反時計回り方向への補正がなされ得る。
【0085】
図13に図示された通り、操作力によって前記調整連結部材334が前記調整中心点334aを中心として反時計回り方向に回転すると、前記調整偏心軸335が前記調整中心点334aを中心として反時計回り方向に空転しながら前記連動部材34の他側を移動させることができる。これに伴い、前記連動部材34は前記制御中心点313aを中心として時計回り方向に回転しながら前記斜板駆動軸315を前記制御中心点313aを中心として時計回り方向に空転させることができる。したがって、前記斜板駆動軸315は前記制御中心点313aを中心として時計回り方向にスイング移動され得る。これに伴い、前記斜板制御軸31に対する時計回り方向への補正がなされ得る。
【0086】
前記油圧トランスミッション3の継続した使用によって内部偏差が発生した場合、作業者は前記調整器具33を通じて前記斜板制御軸31の中立位置を補正して前記油圧トランスミッション3の誤作動を防止することができる。
【0087】
ここで、本発明に係る農業用作業車両1は前記調整器具33と前記中立補正部84をすべて含むことができる。前記油圧トランスミッション3の継続した使用によって内部偏差が発生した場合、作業者は前記調整器具33と前記中立補正部84を通じて対応することができる。
【0088】
作業者は前記調整器具33の操作を通じて前記油圧トランスミッション3の内部偏差に対応するように前記斜板制御軸31の中立位置を補正することができる。この時、前記斜板制御軸31の中立位置に対する補正に対応して前記中立獲得値が変動され得る。作業者は前記中立補正部84の操作を通じて前記中立認識値を補正することによって、前記中立認識値と前記中立獲得値を一致させることができる。
【0089】
このように、本発明に係る農業用作業車両1は前記調整器具33と前記中立補正部84をすべて含むように具現されることによって、前記中立認識値と前記中立獲得値が互いに異なる場合に対応する対応力を向上させることができる。
【0090】
以上で説明した本発明は前述した実施例および添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形および変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において明白であろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13