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特許7511691アナログデジタル変換器分解能利用のための改善較正された感知装置、システム、較正装置、方法、およびメモリ装置
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  • 特許-アナログデジタル変換器分解能利用のための改善較正された感知装置、システム、較正装置、方法、およびメモリ装置 図1
  • 特許-アナログデジタル変換器分解能利用のための改善較正された感知装置、システム、較正装置、方法、およびメモリ装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】アナログデジタル変換器分解能利用のための改善較正された感知装置、システム、較正装置、方法、およびメモリ装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 25/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
G01L25/00 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022580084
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 US2021036929
(87)【国際公開番号】W WO2021262454
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】16/913,687
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520123548
【氏名又は名称】ジェー. ブラッシュ シーオー., エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ゴードン
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010106(JP,A)
【文献】特開2001-013016(JP,A)
【文献】特開平11-326097(JP,A)
【文献】特開2006-115027(JP,A)
【文献】特開2017-159324(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0139174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00 -27/02
G01G 3/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態を感知し、前記感知された状態に基づいて可変抵抗を調整するように構成されたセンサと、
タップノードを介して前記可変抵抗に直列に結合された分圧抵抗と、
前記タップノードに結合され、前記可変抵抗を表す入力電圧を受信するように構成された入力、
基準電圧を受信するように構成された基準電圧入力、及び
出力電圧を提供するように構成された出力
を有するアナログデジタル変換器と、
前記アナログデジタル変換器の前記出力に結合された入力を有し、前記出力電圧を受信するように構成されたコントローラと、
を備え
前記分圧抵抗に抵抗値を設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって、前記センサへの刺激が除去されているときに前記アナログ-デジタル変換器の出力電圧が前記基準電圧よりも低くなるように較正されていることを特徴とする感知装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記出力電圧に基づいて、前記感知された状態を決定することと、
前記コントローラの出力を介して、前記感知された状態を表すデータを出力することと
を行うように構成される、請求項1に記載の感知装置。
【請求項3】
前記コントローラの前記出力に結合された入力を有し、前記感知された状態を表す前記データを送信するように構成された送信機
を備える、請求項2に記載の感知装置。
【請求項4】
前記感知装置は、少なくとも、
前記分圧抵抗を第1の抵抗に設定し、前記基準電圧を第1の電圧に設定することと、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧を検出することと、
前記出力電圧に基づいて前記基準電圧を第2の電圧に設定することと、
前記出力電圧を前記基準電圧未満にする前記分圧抵抗の第2の抵抗を決定することと、
前記分圧抵抗を前記第2の抵抗に設定することと
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項2に記載の感知装置。
【請求項5】
前記感知装置は、少なくとも、
前記センサへの刺激が除去されているとき、前記分圧抵抗を前記第1の抵抗に設定し、前記基準電圧を前記第1の電圧に設定することと、
前記基準電圧を、前記出力電圧未満である前記第2の電圧に設定することと
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項4に記載の感知装置。
【請求項6】
前記感知装置は、少なくとも、
前記分圧抵抗の最小利用可能抵抗に対応する下限と前記分圧抵抗の最大利用可能抵抗に対応する上限との間で二分探索を実行することによって、前記第2の抵抗を決定すること
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項4に記載の感知装置。
【請求項7】
前記感知装置は、少なくとも、
前記下限と前記上限との間の中間値を決定することと、
前記分圧抵抗を前記中間値に設定することと、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧未満であるかどうかをテストすることと
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項6に記載の感知装置。
【請求項8】
前記感知装置は、少なくとも、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧以上であるという条件で、前記下限を前記中間値に対応する値に設定し、前記二分探索を繰り返すこと
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項7に記載の感知装置。
【請求項9】
前記感知装置は、少なくとも、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧未満であるという条件で、前記上限を前記中間値に対応する値に設定し、前記二分探索を繰り返すこと
を行って前記分圧抵抗に抵抗値に設定するとともに前記基準電圧に電圧値を設定することによって較正される、請求項7に記載の感知装置。
【請求項10】
システムであって、
請求項1に記載の感知装置と、
前記感知装置に結合され、分圧抵抗及び基準電圧を設定することによって前記感知装置を較正するように構成された較正装置と
を備える、システム。
【請求項11】
前記較正装置は、前記感知装置を較正した後に前記感知装置から分離される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
設定に従う抵抗を有するように制御可能な分圧抵抗と、基準電圧を受信し、可変抵抗を表す入力電圧を出力電圧に変換するように構成されたアナログデジタル変換器とに結合されたコントローラであって、前記コントローラが、
前記分圧抵抗を第1の抵抗に設定し、前記基準電圧を第1の電圧に設定することと、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧を検出することと、
前記出力電圧に基づいて前記基準電圧を第2の電圧に設定することと、
前記出力電圧を前記基準電圧未満にする前記分圧抵抗の第2の抵抗を決定することと、
前記分圧抵抗を前記第2の抵抗に設定することと
を行うように構成されている、コントローラ
を備える、較正装置。
【請求項13】
前記可変抵抗はセンサの抵抗であり、前記コントローラは、前記センサから刺激が除去されたとき、前記分圧抵抗を前記第1の抵抗に設定し、前記基準電圧を前記第1の電圧に設定するように構成される、請求項12に記載の較正装置。
【請求項14】
前記コントローラは、前記基準電圧を前記出力電圧未満である前記第2の電圧に設定するように構成される、請求項12に記載の較正装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記分圧抵抗の最小利用可能抵抗に対応する下限と前記分圧抵抗の最大利用可能抵抗に対応する上限との間で二分探索を実行することによって、前記第2の抵抗を決定するように構成される、請求項12に記載の較正装置。
【請求項16】
前記コントローラは、前記二分探索を、少なくとも、
前記下限と前記上限との間の中間値を決定することと、
前記分圧抵抗を前記中間値に設定することと、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧未満であるかどうかをテストすることと
によって実行するように構成される、請求項15に記載の較正装置。
【請求項17】
前記コントローラは、前記二分探索を、少なくとも、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧以上であるという条件で、前記下限を前記中間値に対応する値に設定し、前記二分探索を繰り返すこと
によって実行するように構成される、請求項16に記載の較正装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記二分探索を、少なくとも、
前記アナログデジタル変換器の前記出力電圧が前記基準電圧未満であるという条件で、前記上限を前記中間値に対応する値に設定し、前記二分探索を繰り返すこと
によって実行するように構成される、請求項16に記載の較正装置。
【請求項19】
方法であって、
感知された状態を表す可変抵抗を有する分圧器構成において、分圧抵抗を第1の抵抗に設定することと、
前記分圧器のタップノードに結合された入力を有するアナログデジタル変換器の基準電圧を第1の電圧に設定することと、
前記アナログデジタル変換器の出力電圧を検出することと、
前記出力電圧に基づいて前記基準電圧を第2の電圧に設定することと、
前記出力電圧を前記基準電圧未満にする前記分圧抵抗の第2の抵抗を決定することと、
前記分圧抵抗を前記第2の抵抗に設定することと
を含む、方法。
【請求項20】
前記感知された状態を検出するためのセンサへの刺激が除去されているとき、前記分圧抵抗を前記第1の抵抗に設定し、前記基準電圧を前記第1の電圧に設定することと、
前記基準電圧を、前記出力電圧未満である前記第2の電圧に設定することと
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記分圧抵抗の最小利用可能抵抗に対応する下限と前記分圧抵抗の最大利用可能抵抗に対応する上限との間で二分探索を実行することによって、前記第2の抵抗を決定すること
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
較正方法をコンピューティング装置に実行させるように適合されたコンテンツを集合的に有する1つ又は複数のメモリ装置であって、前記方法は、
第1の抵抗に設定されるように分圧器の分圧抵抗を制御することであって、前記分圧器が、前記分圧抵抗と、感知された状態を表す可変抵抗とを含む、分圧器の分圧抵抗を制御することと、
第1の電圧に設定されるように、前記分圧器のタップノードに結合された入力を有するアナログデジタル変換器の基準電圧を制御することと、
前記アナログデジタル変換器の出力電圧を決定することと、
前記出力電圧に基づいて、第2の電圧に設定されるように、前記基準電圧を制御することと、
前記出力電圧を前記基準電圧未満にする前記分圧抵抗の第2の抵抗を決定することと、
前記第2の抵抗に設定されるように前記分圧抵抗を制御することと
を含む、較正方法をコンピューティング装置に実行させるように適合されたコンテンツを集合的に有する1つ又は複数のメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年6月26日に出願され、「CALIBRATING A SENSING DEVICE FOR IMPROVED ANALOG-TO-DIGITAL CONVERTER RESOLUTION UTILIZATION」と題された特許文献1の利益を主張する。
【0002】
本出願が参照により組み込まれる文書と矛盾する場合、本出願が優先される。
【背景技術】
【0003】
感知装置は、とりわけ、圧力、輝度又は光強度、温度などの状態を感知するセンサを含む。センサ生産、プロセス又は製造中の変動は、センサの可変応答特性をもたらし得る。その結果、同一であると推定され、同じ部品番号及び関連する仕様書を有する2つの圧力センサは、異なる圧力応答特性を有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2021/0401326号明細書
【文献】米国特許出願公開第2019/0110761号明細書
【文献】米国特許出願公開第2019/0110762号明細書
【文献】米国特許出願公開第2019/0110763号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】圧力感知装置に加えられた圧力を測定及び報告するためのシステムを示す環境図である。
図2】圧力感知装置を示す修正された回路図である。
図3】2つのセンサについて圧力感知装置のタップノードにおいて観測された電圧応答の一例を示すタイミング図である。
図4】圧力感知装置に結合された較正装置を示す修正された回路図である。
図5】圧力感知装置を較正する方法を示す流れ図である。
図6】分圧抵抗の抵抗レベルを決定するために二分探索を実行する方法を示す流れ図である。
図7】コンピュータシステム及びファシリティが動作する他の装置のうちの少なくともいくつかに通常組み込まれる構成要素のうちのいくつかを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明者らは、(異なる特性を有する)2つのセンサが、同一に構成された圧力感知装置において使用されるとき、圧力感知装置の能力及び分解能が十分に活用されないことを認識した。例えば、圧力感知装置は、電圧をデジタル化するアナログデジタル変換器(ADC)を含む。ADCが、同様に又は同一に構成され、かつ、異なる特性を有するセンサと共に使用されるとき、ADCのスパンの様々な範囲が動作中に利用されなくなる。これは、ADC分解能の損失をもたらす。更に、いくつかの圧力測定値に対応する電圧は、ADCの範囲外にあり得る。
【0007】
感知装置のADCとセンサとの間の相互運用性を改善し、ADCの分解能をより良好に使用するように較正される感知装置が、本明細書で説明される。感知装置は、較正段階において較正される。一実施形態では、較正は、ADCの基準電圧と分圧抵抗の抵抗値とを設定することを含む。次いで、感知装置は、較正段階中に設定された基準電圧及び抵抗値で動作する。
【0008】
図1は、圧力感知装置102に加えられた圧力を測定及び報告するためのシステム100を示す。システム100は、圧力感知装置102と、サーバ104と、ユーザ装置106とを含む。圧力感知装置102は、図1では、介護施設用ベッド108上に配置された圧力感知パッドとして示されているが、様々な実施形態では、任意のタイプのセンサであり得る。圧力感知装置102は、それに加えられた圧力を測定し、その圧力を表すデータを出力する。本明細書では圧力という用語が使用されるが、圧力感知装置102は、加えられた力又は衝撃を測定又は検出し得ることを理解されたい。
【0009】
いくつかの実施形態では、圧力感知装置102は、とりわけ、老人ホーム又は病院などの介護施設において使用される。圧力感知装置102は、被介護者が介護施設用ベッド108から動かされたかどうかを検出する。落下の場合、圧力感知装置102は、移動で加えられる圧力によって落下を検出するように動作する。例えば、圧力感知パッドとしての圧力感知装置102は、介護施設用ベッド108の布団、マットレス又はクッションの下、中、下又は上に配置され得る。圧力感知装置102は、被介護者によって加えられた圧力を検出する。検出された圧力は、人が介護施設用ベッド108上に位置しているかどうかを決定するために使用され、それによって、比較的小さい圧力測定値は、被介護者がもはや介護施設用ベッド108上に位置していないことを示す。図1では介護施設用ベッド108が示されているが、圧力感知装置102は、とりわけ、車椅子、フィールドストレッチャ、椅子、カウチ、ベビーベッド、揺りかご又は簡易ベッドにおいて使用され得ることに留意されたい。圧力感知装置102は、圧力を表すデータをサーバ104に送信する。
【0010】
いくつかの実施形態では、サーバ104は、メモリ(図示せず)に記憶された命令を実行するように構成された任意のタイプの集中型又は分散型コンピュータシステムである。サーバ104は、計算ユニットの中でも、算術及び論理ユニット(ALU)、中央処理ユニット(CPU)又はグラフィックス処理ユニット(GPU)を有する、とりわけ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ又はマイクロコントローラを含む。実行可能命令がサーバ104によって実行されたとき、実行可能命令は、サーバ104に、本明細書で説明される機能又は技法を実行させる。
【0011】
サーバ104は通信装置を含む。いくつかの実施形態では、通信装置は、とりわけ、モデム又はトランシーバである。サーバ104は、圧力感知装置102から圧力を表すデータを受信する。サーバ104は、データを記憶し、及び/又はデータをユーザ装置106に送信する。更に、サーバ104は、データを評価して、人が介護施設用ベッド108上に位置しているか(又は位置していないか)を決定し、人が介護施設用ベッド108上に位置しているかどうかを表すデータをユーザ装置106に送信する。
【0012】
いくつかの実施形態では、ユーザ装置106は、とりわけ、タブレット、コンピュータ又はスマートフォンを含む家庭用電子機器など、任意のタイプのコンピュータシステムである。いくつかの実施形態では、ユーザ装置106は、被介護者を介護する介護従事者であり得るユーザによって操作又は使用される。ユーザ装置106は、人が介護施設用ベッド108上に位置しているかどうかを表すデータを受信する。人が介護施設用ベッド108上に位置していないことを示すデータに応答して、ユーザ装置106は、例えば、ユーザ装置106のディスプレイ上にアラートを表示することによって、人が介護施設用ベッド108上に位置していない、又はもはや位置していないことを示す通知をユーザに出力する。アラートは、介護従事者が被介護者を訪問し、チェックし、又は検査するきっかけとなる。
【0013】
様々な実施形態では、圧力感知装置102は、代替として、又は圧力を表すデータをサーバ104に送信することに加えて、圧力を表すデータをユーザ装置106に直接送信することに留意されたい。ユーザ装置106は、データを評価して、人が介護施設用ベッド108上に位置しているかどうかを決定する。人が介護施設用ベッド108上に位置していないと決定したことに応答して、ユーザ装置106は、通知をユーザに出力する。
【0014】
図2は、圧力感知装置102の図を示す。圧力感知装置102は、可変抵抗112を有するセンサ110と、分圧抵抗114と、電圧供給源116と、アナログデジタル変換器(ADC)118と、基準電圧源120と、コントローラ122と、メモリ123と、送信機124とを含む。
【0015】
センサ110は、圧力(又は衝撃若しくは力)を感知し、感知された圧力に基づいて可変抵抗112を変化させるように構成された圧力センサである。いくつかの実施形態では、感知された圧力と可変抵抗112の抵抗との間の関係は、線形又は非線形であり、正又は負に相関し、及び/或いは比例又は反比例する。センサ110は、感知された圧力のその出力を可変抵抗112として示す。可変抵抗112は、分圧器構成において分圧抵抗114に直列に結合される。
【0016】
可変抵抗112は、接地若しくは別の基準電圧又はそれへの経路を提供する、接地ノード126に結合された第1の端子を有する。可変抵抗112は、タップノード128に結合された第2の端子を有する。
【0017】
分圧抵抗114は、本明細書で説明されるように、圧力感知装置102上で実行される較正に基づいて特定の抵抗値に設定される可変抵抗である。較正後、例えば、圧力感知装置102の動作中、分圧抵抗114は、それが較正又は構成される抵抗レベルを有する。
【0018】
様々な実施形態では、分圧抵抗114は、様々なタイプの制御可能及び変更可能な抵抗である。いくつかの実施形態では、分圧抵抗114は電気的に制御可能であり、それによって、分圧抵抗114は、分圧抵抗114によって提供される抵抗を表すデータを受信するように構成された制御端子を有する。抵抗を表すデータを受信したことに応答して、分圧抵抗114は、その導電性端子の間の抵抗を提供する。いくつかの実施形態では、分圧抵抗114は、とりわけ、デジタル抵抗器、スイッチドキャパシタ抵抗器、ポテンショメータ、又は加減抵抗器である。
【0019】
分圧抵抗114は、タップノード128に結合された第1の端子と、電圧供給源116に結合された第2の端子とを有する。電圧供給源116は、電源電圧を提供するように構成された任意のタイプの電圧源である。いくつかの実施形態では、電圧供給源116は、例えば、圧力感知装置102の電圧源に結合されたノードである。いくつかの実施形態では、電圧供給源116は、一定又は実質的に一定のレベルを有するレール電圧(又はシステム電圧(Vdd))を供給する。いくつかの実施形態では、ADC116の基準電圧は、圧力感知装置102のシステム電圧(Vdd)よりも低い。いくつかの実施形態では、電圧供給源116は、圧力感知装置102の、とりわけ、調節器又は変換器に結合される。
【0020】
ADC118は、タップノード128に結合された入力と、出力とを有する。ADC118は、接地ノード126に結合された第1の基準電圧入力と、基準電圧源120に結合された第2の基準電圧入力とを有する。ADC118は、入力において供給されるアナログ電圧を出力において供給されるデジタル電圧に変換するように構成された任意のタイプの装置である。いくつかの実施形態では、ADC118は、アナログ電圧の読出しを供給し、読出しは、アナログ電圧を表すデジタル信号である。ADC118は、ADC118の、数の量子化レベルを指定する分解能を有する。例えば、8ビット又は10ビットの分解能は、それぞれ、256又は1024の量子化レベルをもたらす。いくつかの実施形態では、ADC118は、アナログ電圧を表すデジタル信号を直列又は並列に出力し、その場合、ADC118の出力は出力バスである。出力バスは、各々がADC118の分解能の1ビットに対応するラインを含む。例えば、8ビットADCは、少なくとも8本のラインの出力バスを有する。
【0021】
基準電圧源120は、構成可能又は制御可能なレベルのDC電圧を供給する。いくつかの実施形態では、基準電圧源120は、とりわけ、調節器又は変換器である。いくつかの実施形態では、基準電圧源120は、とりわけ、調節器又は変換器によって供給されるノードである。いくつかの実施形態では、基準電圧源120は、DC-DC調節器であるか、又はDC-DC調節器によって供給される。いくつかの実施形態では、基準電圧源120は、圧力感知装置102の動作中に一定又は実質的に一定の電圧レベルを供給するように構成される。いくつかの実施形態では、圧力感知装置102の較正中、基準電圧源120は、本明細書で説明されるように、較正中に変更される電圧レベルを供給するように制御される。
【0022】
コントローラ122は、ADC118の出力に結合された入力と、出力とを有する。コントローラ122はまた、メモリ123に動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラ122は、コントローラによって実行されたとき、コントローラ122に本明細書で説明されるように動作させる命令(コンピュータ実行可能命令)を実行するように構成された任意のタイプの回路又は装置である。いくつかの実施形態では、コントローラ122は、プロセッサ又はマイクロコントローラであり、中央処理ユニット(CPU)又は任意の他のタイプの処理ユニットを含む。メモリ123は、任意のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。いくつかの実施形態では、メモリ123は、とりわけ、読取り専用メモリ(ROM)又はランダムアクセスメモリ(RAM)である。いくつかの実施形態では、メモリ123は静的又は動的である。メモリ123は、実行のためにコントローラ122によって取り出されるか又はアクセスされるコンピュータ実行可能命令を記憶する。コンピュータ実行可能命令は、コントローラ122によって実行されたとき、コントローラ122に本明細書で説明されるように動作させる。
【0023】
送信機124は、コントローラ122の出力に結合された入力を有する。送信機124は、データを送信するように構成された任意のタイプの通信装置である。いくつかの実施形態では、送信機124は、とりわけ、トランシーバ又はモデムである。いくつかの実施形態では、送信機124は、任意のタイプの通信プロトコルを使用して通信するように構成される。いくつかの実施形態では、プロトコルは、とりわけ、ロングタームエボリューション(LTE)などのセルラー通信プロトコル、又は電気電子技術者協会(IEEE)802プロトコル(口語的に「Wifi」として知られる)などの無線通信プロトコルである。いくつかの実施形態では、通信プロトコルはBluetooth(登録商標)である。
【0024】
動作中、センサ110は、圧力を感知し、感知された圧力に従って可変抵抗112の抵抗を設定する(又は、可変抵抗112に抵抗を提示する)。電源電圧は、分圧抵抗114及び可変抵抗112を含む分圧器によって分圧される。タップノード128の電圧は、電源電圧と、可変抵抗112と分圧抵抗114との和に対する可変抵抗112の比との積である。分圧器は、可変抵抗112をタップノード128における電圧に変換する。ADC118は、タップノード128において分圧器をタップする。ADC118は、アナログであるタップノード128の電圧をデジタル形式に変換する。ADC118は、タップノード128の電圧、したがって、感知された圧力を離散化すると言われることがある。
【0025】
コントローラ122は、変換された電圧を受信し、変換された電圧に基づいて、感知された圧力を決定する。いくつかの実施形態では、感知された圧力と可変抵抗112の抵抗との間の関係は、アプリオリに知られている。いくつかの実施形態では、分圧抵抗114の抵抗及び電源電圧もアプリオリに知られている。したがって、コントローラ122は、変換された電圧から可変抵抗112の抵抗を決定し、可変抵抗112の抵抗から、感知された圧力を決定する。
【0026】
コントローラ122は、感知された圧力を送信機124に出力する。送信機124は、本明細書で説明されるように、感知された圧力をサーバ104に送信するか、又は直接ユーザ装置106に送信する。コントローラ122は、感知された圧力を送信機124に出力する。圧力感知装置102、サーバ104、又はユーザ装置106は、圧力を、被介護者が圧力感知装置102に圧力を加えているかどうかを示す閾値と比較する。いくつかの実施形態では、圧力が閾値を下回る場合、人がセンサ110上に位置していないことを示すアラートが提供される。参照により本明細書に組み込まれ、測定された圧力の使用及び処理を開示する、2017年10月13日に出願された米国仮特許出願第62/572,373号、2018年10月12日に出願された特許文献2、2017年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/580,928号、2018年10月12日に出願された特許文献3、2017年10月13日に出願された米国仮特許出願第62/572,379号、2018年10月12日に出願された特許文献4、2018年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/643,695号、及び2018年6月29日に出願された米国仮特許出願第62/691,960号が、本明細書で参照される。参照により組み込まれた文書と本出願とが矛盾する場合、本出願が優先される。
【0027】
様々な要因により、様々なセンサの圧力に対する抵抗応答が異なることに留意されたい。例えば、製造又はプロセス変動は、圧力に対して異なる抵抗応答を有する異なるセンサをもたらす。変動により、圧力感知装置102の単一の構成は、圧力を検出するための異なるセンサの最適な使用をもたらさない。したがって、製造/組立て、設置又は再配置において、圧力感知装置102は較正段階において構成される。較正は、圧力感知装置102の精度を改善し、圧力感知装置102の他の要素をセンサ110の特定の又は一意の特性に合わせてより良好に調整する。
【0028】
図3は、2つのセンサ128a、128bについて圧力感知装置102のタップノード128において観測された電圧応答127a、127bの一例を示す。第1の電圧応答127aは、第1のセンサ128aが圧力感知装置102において使用されるとき、圧力感知装置102のタップノード128において観測される。第2の電圧応答127bは、第2のセンサ128bが圧力感知装置102において第1のセンサ128aの代わりに使用されるとき、圧力感知装置102のタップノード128において観測される。
【0029】
第1の時間間隔129aの間、圧力はセンサ128a、128bに加えられない。可変抵抗112と圧力との逆関係により、可変抵抗112は、実質的に可変抵抗112の上限まで増加する。その結果、電圧応答127a、127bは、各々最大化される。第2の時間間隔129bの間、圧力がセンサ128a、128bに加えられる。可変抵抗112は、圧力に対して減少する。その結果、電圧応答127a、127bも減少する。第3の時間間隔129cの間、圧力がセンサ128a、128bから除去される。可変抵抗112は増加し、実質的に最大化された電圧応答127a、127bをもたらす。第1のセンサ128a及び第2のセンサ128bの異なる応答により、ADC118の分解能及び量子化レベルは、ADC118の分解能利用を改善するために、センサごとに異なる電圧範囲に誘導される。
【0030】
いくつかの実施形態では、圧力感知装置を構成することは、分圧抵抗114の抵抗とADC118の基準電圧とを、ADC118のスパンをセンサ又はその可変抵抗112の動作範囲に集中させる値に設定することを含む。ADC118のスパンは、ADC118の基準電圧入力に提供される電圧間(例えば、接地と基準電圧との間)の範囲である。
【0031】
例えば、第1のセンサ128aが2ボルト(V)を上回る電圧範囲を利用しないことにより、第1のセンサ128aを使用する圧力感知装置102は、ADC118のスパンを2Vに制限するように構成される。更に、第2のセンサ128bは、2~2.5Vの電圧範囲を利用するので、第2のセンサ128bを使用する圧力感知装置102は、設定を、ADC118の範囲に、例えば、2.5V又は2.5V超(2.6V若しくは2.7Vを含む)に制限するように構成される。
【0032】
圧力感知装置を構成することは、ADC118の量子化雑音を低減する。量子化雑音は、アナログ入力電圧と、対応する変換された電圧(デジタル化された電圧)との間の差に比例する。ADC118のスパンをより良好に使用し、量子化雑音を最小化するために、分圧抵抗114と、基準電圧源120によってADC118に提供される基準電圧とを最適に設定することが望ましい。
【0033】
図4は、圧力感知装置102に結合された較正装置130を示す。較正装置130は、圧力感知装置102を較正する。いくつかの実施形態では、較正装置130は、較正段階中に圧力感知装置102に取外し可能に結合され、較正段階の完了後に圧力感知装置102から分離され、それによって、圧力感知装置102は独立して動作する。いくつかの実施形態では、較正装置130は、圧力感知装置102に恒久的に結合される。
【0034】
較正装置130は、コントローラ132及びメモリ136を含む。いくつかの実施形態では、較正装置130は、図4に示されているもの以外の要素を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ132は、コントローラ132によって実行されたとき、コントローラ132に本明細書で説明されるように動作させる命令(コンピュータ実行可能命令)を実行するように構成された任意のタイプの装置又は回路である。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ132は、プロセッサ又はマイクロコントローラであり、中央処理ユニット(CPU)又は任意の他のタイプの処理ユニットを含む。
【0035】
メモリ136は、任意のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、メモリ136は、とりわけ、読取り専用メモリ(ROM)又はランダムアクセスメモリ(RAM)である。更に、いくつかの実施形態では、メモリ136は静的又は動的である。メモリ136は、実行のためにコントローラ132によって取り出されるか又はアクセスされるコンピュータ実行可能命令を記憶する。コンピュータ実行可能命令は、コントローラ132によって実行されたとき、コントローラ132に、圧力感知装置102を較正することを含め、本明細書で説明するように動作させる。
【0036】
コントローラ132及びメモリ136は、動作可能に結合される。コントローラ132は、分圧抵抗114の制御入力に結合された第1の出力を有し、分圧抵抗114は、制御可能な可変抵抗として、制御入力を有するように図4に示されている。コントローラ132は、第1の出力を介して、分圧抵抗114に、特定の抵抗値を提示又は提供するように命令する。コントローラ132は、ADC118の第2の基準電圧入力に結合された第2の出力を有する。コントローラ132は、第2の出力を介して、特定のレベルを有する基準電圧をADC118に供給する。較正中、基準電圧はまだ決定されておらず、したがって、基準電圧源120は、動作中のように、及び図2に示されているように、第2の基準電圧入力にまだ結合されていない。コントローラ132は、ADC118の出力に結合された入力を有する。コントローラ132は、入力を介して、ADC118の変換された電圧出力を受信する。
【0037】
図5は、圧力感知装置102を較正する方法500を示す。方法500では、502において、較正装置130(又はそのコントローラ132)は、可変抵抗112が利用可能な最も高い抵抗レベルに設定されたとき、分圧抵抗114を第1の抵抗に設定し、ADC118の基準電圧を第1の電圧に設定する。いくつかの実施形態では、第1の抵抗は、利用可能である分圧抵抗114の最も低い抵抗レベルであるか、又は最も低い抵抗レベルよりも高い。いくつかの実施形態では、第1の電圧は、ADC118によってサポートされる最も高い電圧レベルである。
【0038】
較正装置130は、分圧抵抗114に、動作し、第1の抵抗を提供するように命令する。いくつかの実施形態では、第1の抵抗は0オーム(Ω)に近い。較正装置130は、第1の電圧をADC118に出力する。例えば、ADC118の範囲が0~10ボルト(V)である場合、較正装置130は、10Vのレベルを有する基準電圧を出力する。
【0039】
本明細書で説明されるように、可変抵抗112は、圧力がセンサ110に加えられていないときに利用可能な最も高い抵抗レベルを有する。いくつかの実施形態では、圧力感知装置102がマット又はパッドである場合、マット又はパッド上に身体を置くことを控えることによって、圧力が除去されることが保証される。説明を容易にするために本明細書では圧力が説明されるが、センサ110が圧力以外の状態又はメトリックを感知する場合、状態又はメトリック(又は刺激若しくはその触媒)が除去されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、センサ100は、とりわけ、温度、可視光、赤外光若しくは紫外光又は強度、或いは湿度を感知する。いくつかの実施形態では、可変抵抗112は圧力に反比例し、したがって、圧力を除去するか又は圧力を加えることを控えることによって、センサ110によって提示される可変抵抗112が最大化される。
【0040】
分圧抵抗114が第1の抵抗(例えば、利用可能な最も低い抵抗レベル)にあり、可変抵抗112が利用可能な最も高い抵抗レベルにあるとき、動作中に達するタップノード128の(及びADC118の出力の)最大電圧が識別される。
【0041】
設定された状態が有効である間、較正装置130は、504において、ADC118の出力電圧を検出する。検出された出力電圧は、圧力感知装置102及びそのセンサ110のための最大出力電圧である。506において、較正装置130は、ADC118の検出された出力電圧に基づいてADC118の基準電圧を第2の電圧に設定する。いくつかの実施形態では、第2の電圧は、ADC118の検出された出力電圧を下回る電圧レベルである。例えば、ADC118の基準電圧は、ADC118の検出された出力電圧を0.1、0.5又は1V下回る電圧レベルに設定される。
【0042】
508において、較正装置130は、基準電圧を下回るADC118の出力電圧をもたらす分圧抵抗114の第2の抵抗を決定する。いくつかの実施形態では、較正装置130は、分圧抵抗114の第2の抵抗を、計算的に、経験的に、及び/又は反復的に決定する。いくつかの実施形態では、較正装置130は、決定論的方法で分圧抵抗114の第2の抵抗を決定する。
【0043】
出力電圧が基準電圧に近い(同時に、基準電圧未満である)ほど、較正中のADC118及びそのセンサ110の量子化レベルの利用が良好になる。したがって、出力電圧を基準電圧のレベル未満のレベルに保持しながら、出力電圧と基準電圧との間のギャップを埋めることになる第2の抵抗を決定することが望ましい。出力電圧を基準電圧未満のレベルに保持することにより、ADC118のクリッピングが回避される。例えば、0~255までの256の量子化レベルを有する8ビットADCの場合、ADC出力が、とりわけ、254番目、253番目又は250番目の量子化レベルになることになる第2の抵抗が決定される。いくつかの実施形態では、255番目の量子化レベルは、基準電圧、又は基準電圧よりも大きいクリッピングされた電圧に対応する。本明細書では、第2の抵抗を反復的に決定するための二分探索が説明される。二分探索の反復の回数が増加するにつれて、出力レベルが基準電圧により近くなる可能性も増加する。
【0044】
510において、較正装置130は、分圧抵抗114を、決定された第2の抵抗に設定する。圧力感知装置102は、506において設定されたADC118の基準電圧、及び510において設定された分圧抵抗114で動作する。
【0045】
基準電圧を下回るADC118の出力電圧をもたらす第2の抵抗を決定するために、較正装置130は、第2の抵抗について二分探索を実行する。分圧抵抗114は、可変抵抗として、知られている最小及び最大の利用可能な抵抗レベルを有する。分圧抵抗114は、最初は第1の抵抗に設定される。いくつかの実施形態では、第1の抵抗は、最小利用可能抵抗レベルに対応する。較正装置130は、二分探索を実行して、ADC118の出力電圧が基準電圧を下回ることになる第2の抵抗を決定する。
【0046】
いくつかの実施形態では、電圧供給源116は、圧力感知装置102のシステム電圧(Vdd)(例えば、3.3V)を分圧抵抗114に供給する。したがって、(分圧抵抗114及び可変抵抗112を含む)分圧器は、接地電圧(例えば、0V)とシステム電圧(Vdd)(例えば、3.3V)との間で結合される。これは、分圧器が、センサ110の読取値を3.3V~0Vの範囲内で漸近的に変化することを可能にする。ADC116の基準電圧は、システム電圧(Vdd)よりも低く、範囲内にある。したがって、較正装置130は、分圧抵抗114の具体的な整合抵抗を決定する。整合抵抗は、センサ110の最大読取値(又は0圧力点)をADC118の基準電圧に置く。これは、利用可能なADC範囲がセンサ110の出力に関連し、センサ110の感度の最大量を提供するように、利用可能なADC範囲を最大化する。いくつかの実施形態では、例えば、製造又は材料による小さい又は中程度の差のみが各センサ110の抵抗112を変化させるときでも、正確な較正が達成される。
【0047】
逆に、ADC118の基準電圧がシステム電圧に等しかった場合、較正する能力は利用可能でないことがある。これは、特定のセンサに対して圧力感知装置102を正確に較正するために分圧抵抗114の量を調整することができないことによる。
【0048】
図6は、分圧抵抗114の第2の抵抗を決定するために二分探索を実行する方法600の流れ図を示す。方法600では、較正装置130(又はそのコントローラ132)は、602において、二分探索の下限を最小利用可能抵抗に対応する抵抗に設定し、二分探索の上限を最大利用可能抵抗に対応する抵抗に設定する。いくつかの実施形態では、下限は、最小利用可能抵抗又は最小よりも高い抵抗に設定される。同様に、上限は、最大利用可能抵抗又は最大よりも低い抵抗に設定される。
【0049】
二分探索の限界は、分圧抵抗114の最小及び最大利用可能抵抗によってブックエンドされる。604において、較正装置130は、下限と上限との間の中間値を決定する。いくつかの実施形態では、中間値は、下限と上限との間の任意の値である。いくつかの実施形態では、中間値は、下限及び上限の平均、又は下限及び上限の任意の他の関数である。
【0050】
較正装置130は、中間値をテストして、中間値が、ADC118の出力電圧が基準電圧を下回るという求められる条件を満たすかどうかを決定し、二分探索の方向を導く。較正装置130は、606において、分圧抵抗114の抵抗を中間値に設定し、608において、ADC118の出力電圧が基準電圧未満であるかどうかを決定する。
【0051】
否定の決定がなされた場合、中間値が所望の値よりも低く、条件が満たされなくなると結論付けられる。この場合、中間値よりも高い抵抗がテストされる。したがって、否定の決定がなされた場合、較正装置130は、610において、下限を中間値に設定する。したがって、較正装置130は、中間値を二分探索の下限として確立するが、二分探索の上限は、最大利用可能抵抗に対応する抵抗のままであり、求められる条件を満たす。次いで、方法600は614に進み、較正装置130は、停止のための基準が満たされるかどうかを決定する。614において否定の決定がなされた場合、方法は604に進み、上限及び新たに確立された下限に基づいて、後続の中間値が決定される。後続の中間値は、テストされ、二分探索の方向を再び導くために使用される。
【0052】
肯定の決定がなされた場合、中間値が、求められる条件を満たすと結論付けられる。二分探索は、同じく条件を満たす、中間値よりも低い値を決定するために継続される。そうするために、較正装置130は、612において、二分探索の上限を中間値に設定する。したがって、二分探索は狭められ、608における決定は、二分探索の方向をより低い抵抗に誘導する。いくつかの実施形態では、各反復の結果として、下限と上限との間の二分探索範囲が半分にされる。
【0053】
較正装置130は、任意の時点で方法600を終了し、確立された条件を満たす抵抗を利用する。いくつかの実施形態では、二分探索を停止することは、ADC118の出力電圧と基準電圧との間の差、又は、実行された二分探索の反復の回数など、任意の基準に基づき、それによって、反復は、ADC118の出力電圧が基準電圧と比較された回数、又は、比較が肯定の決定を生じた回数である。いくつかの実施形態では、基準は、二分探索を実行する際に消費される持続時間である。例えば、持続時間は5秒に制限され得、時間制限に達すると、方法600は停止される。
【0054】
614において、較正装置130は、停止のための基準が満たされたかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、停止のための基準は、ADC118の出力電圧と基準電圧との間の差が、0.1又は0.01Vなどの閾値を下回るときに満たされる。いくつかの実施形態では、停止のための基準は、実行された二分探索の反復の回数が10回又は50回の反復などの閾値を超えたときに満たされ、反復は、ADC118の出力電圧が基準電圧と比較された回数、又は、比較が肯定の決定を生じた回数である。いくつかの実施形態では、停止のための基準は、二分探索を実行する際に消費される持続時間が5秒又は10秒などの閾値に達したときに満たされる。いくつかの実施形態では、停止のための基準は、二分探索が分圧抵抗の抵抗に完全に収束したときに満たされる。いくつかの実施形態では、二分探索は、604における決定が新しい若しくは異なる中間値をもたらさないとき、又は、604における抵抗の設定が新しい若しくは異なる抵抗をもたらさないとき、完全に収束する。いくつかの実施形態では、停止のための複合基準が使用される。複合基準は、本明細書で説明される停止のための基準のうちの2つ以上など、停止のための複数の基準に基づく。
【0055】
いくつかの実施形態では、肯定の決定がなされた場合、求められる条件を満たす最後に決定された抵抗が、第2の抵抗として使用される。逆に、否定の決定がなされた場合、方法600は604に進み、ここで、較正装置130は下限と上限との間の中間値を決定する。
【0056】
いくつかの実施形態では、圧力感知装置102はパッドであり、特定の施設において使用される複数のパッドが較正される。患者は、理由の中でも、患者の再配置、パッドの交換又はパッドの破損により、2つ以上のパッドの間で動かされる。較正の結果として、異なるパッドから収集されたデータは、製造変動にもかかわらず、互いにより厳密に整合する。患者が動かされる前及び動かされた後に収集されたデータは、組合せ又は比較のために利用可能であり、データが同じパッドによって収集されたかのように処理される。いくつかの実施形態では、複数のパッドからのデータは、とりわけ、機械学習モデルを訓練するために使用される。
【0057】
一実施形態では、分圧抵抗114は、直列に結合された2つ以上の可変抵抗である。2つ以上の可変抵抗は、較正装置130のコントローラ132によって調整可能である。2つ以上の可変抵抗の使用により、抵抗値の選択及びテストにおけるより細かい粒度が可能になる。
【0058】
一実施形態では、本明細書で説明される圧力感知装置102の較正は、コントローラ122によって実行される。例えば、独立した較正装置130を利用して圧力感知装置102を較正する代わりに、コントローラ122は、本明細書で説明される技法を使用して圧力感知装置102を自己較正するように構成される。
【0059】
本明細書で説明される実施形態は、圧力感知装置102の他の構成に適用可能であることに留意されたい。例えば、可変抵抗112が圧力に比例する場合、分圧器における可変抵抗112と分圧抵抗114との位置決めが入れ替えられる。更に、ADC118の第1の基準電圧入力及び分圧抵抗114に提供される基準電圧がテストされ、較正される。
【0060】
本明細書で説明される実施形態は、説明を容易にするために圧力感知について説明したが、本明細書で説明される感知装置及びそのセンサ100は、状態/メトリックの中でも、温度、可視光、赤外光若しくは紫外光又は強度、或いは湿度を感知し得ることに留意されたい。
【0061】
図7は、コンピュータシステム及びファシリティが動作する他の装置のうちの少なくともいくつかに通常組み込まれる構成要素のうちのいくつかを示すブロック図である。様々な実施形態では、これらのコンピュータシステム及び他の装置200は、サーバコンピュータシステム、クラウドコンピューティングプラットフォーム、又は他の構成における仮想マシン、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップコンピュータシステム、ネットブック、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、テレビ、カメラ、自動車コンピュータ、電子メディアプレーヤなどを含むことができる。様々な実施形態では、コンピュータシステム及び装置は、以下の各々、コンピュータプログラムを実行するための中央処理ユニット(「CPU」)201;ファシリティ及び関連するデータ、カーネルを含むオペレーティングシステム、並びに装置ドライバを含む、プログラム及びデータが使用されている間そのプログラム及びデータを記憶するためのコンピュータメモリ202;プログラム及びデータを持続的に記憶するためのハードドライブ又はフラッシュドライブなどの永続的記憶装置203;コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム及びデータを読み取るためのフロッピー、CD-ROM、又はDVDドライブなどのコンピュータ可読媒体ドライブ204;並びにインターネット又は別のネットワーク、並びにスイッチ、ルータ、リピータ、電気ケーブル及び光ファイバ、発光体及び光受信器、無線送信機及び受信機などの、ネットワークのネットワーク化ハードウェアを介してデータを送受信するためにコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに接続するためのネットワーク接続205の各々のゼロ個以上を含む。上記のように構成されたコンピュータシステムは、典型的には、ファシリティの動作を支持するために使用されるが、当業者は、ファシリティが様々なタイプ及び構成の装置を使用して実装され、様々な構成要素を有してもよいことを理解するであろう。
【0062】
上に記載した様々な実施形態を組合せ、更なる実施形態を提供することができる。上記の発明を実施するための形態を考慮して、これら及び他の変更を実施形態に行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈すべきではないが、このような特許請求の範囲によって権利が与えられる全均等物の範囲に沿った全ての可能な実施形態を含むと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって制限されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7