(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240628BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240628BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240628BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240628BHJP
H10K 50/87 20230101ALI20240628BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20240628BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/00 302
G09F9/00 342
G09F9/00 348Z
G09F9/00 350Z
G09F9/30 365
H10K50/842
H10K50/844
H10K50/87
H10K59/00
(21)【出願番号】P 2023101349
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2021175946の分割
【原出願日】2021-10-27
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0140258
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0123246
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン, ジュファン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドヒョン
(72)【発明者】
【氏名】カン, ミンジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】イム, ヒチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム, ウンジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ギテク
(72)【発明者】
【氏名】シン, ホンデ
(72)【発明者】
【氏名】リー, シヌ
(72)【発明者】
【氏名】オ, ミンホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ジェホ
(72)【発明者】
【氏名】キム, キョンフン
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-027811(JP,A)
【文献】特表2019-517035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0064615(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0204924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び前記表示領域の外部に位置する非表示領域を含み、前記表示領域上の複数の画素領域に対応して複数の発光素子を含む発光アレイを備えたアレイ基板;及び、
前記アレイ基板上に位置し、前記発光アレイを密封し、密封構造物に向かい合う補強基板を前記アレイ基板に固定する密封構造物を含み、
前記密封構造物は、
前記アレイ基板に向かい合って位置する第1の粘着層;
前記補強基板に向かい合って位置する第2の粘着層;及び、
前記第1及び第2の粘着層との間に配置される障壁層を含み、
前記密封構造物は、前記補強基板に向かい合って位置しつつ、前記第2の粘着層と前記補強基板との間に配置される保護構造物をさらに含み、
前記アレイ基板、前記保護構造物
が備えられた前記密封構造物、及び前記補強基板が順次に積層されて、一方からみて階段式形状を形成している、表示装置。
【請求項2】
前記保護構造物の上面の少なくとも一部分が露出する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記階段式形状は、
前記アレイ基板の非表示領域の一部を露出する下層部、
前記保護構造物の
上面の一部が露出する中間部、及び
前記補強基板の上面が露出する上層部、
を有する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記保護構造物は、
保護層、
一面は、前記第2の粘着層に向かい合
い、一面に対応する他面は、前記保護層の一面に向かい合う粘着補強フィルム、及び、
一面は、前記保護層の他面に向かい合い、一面に対応する他面は、前記補強基板に向かい合う除電コーティング膜を含む、
請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記保護構造物は、前記密封構造物の最上部に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保護層は、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)を含む絶縁材料からなる、
請求項4
に記載の表示装置。
【請求項7】
前記除電コーティング膜は、
前記保護層の面抵抗を10
5~10
10Ω/sqの範囲で維持する、
請求項4
に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保護層は、前記アレイ基板への外部衝撃を遮断しながら、前記アレイ基板の反ることによる破損を防止するように30μmよりも厚い厚さを有し、100μmよりも薄い厚さを有する、
請求項4
に記載の表示装置。
【請求項9】
前記補強基板は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe、Zn成分、又はこれらの合金から選択された金属材料からなる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記補強基板の厚さは、0.1mm~1.5mmの範囲内であり、
前記密封構造物の厚さは、30μm~300μmの範囲内である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2の粘着層それぞれの厚さは、10μm~100μmの範囲内である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1の粘着層は、オレフ
ィン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマーから選択された高分子材料からなり、前記第2の粘着層は、カルボキシル基が含まれていない高分子材料からなる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2の粘着層は、それぞれカルボキシル基が含まれていないオレフ
ィン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマー、アミン系ポリマー、フェノール系ポリマー及び酸無水物系ポリマーから選択された高分子材料からなる、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記障壁層の厚さは、10μmよりも大きく、前記第1及び第2の粘着層それぞれの厚さよりも小さい範囲内である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記障壁層は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe、Znまたはその合金から選択された金属材料からなる、
請求項1
に記載の表示装置。
【請求項16】
前記障壁層は、延伸率が4%よりも大きく、かつ降伏強度(yield strength)値が360MPaよりも小さい金属材料からなる、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を密封するための密封構造物を含む表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、TV、携帯電話、ノートパソコン及びタブレットなどのような種々の電子機器に適用される。このため表示装置の薄型化、軽量化及び低消費電力化などを開発させるための研究が続いている。
【0003】
表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気湿潤表示装置(Electro-Wetting Display device:EWD)、電界発光表示装置(Electro-Luminescence Display Device:ELDD)又は有機発光表示装置(OLED)などが例に挙げられる。
【0004】
有機発光表示装置(Organic light emitting display;OLED)は、映像が表示される表示領域に配列される複数の画素領域と、複数の画素領域に対応する複数の有機発光素子とを含む。有機発光素子は、自ら発光する自発光素子であるため、有機発光表示装置は、液晶表示装置に比べて回答速度が早く、発光効率、輝度及び視野角が大きくて、明暗比及び色再現率に優れる長所がある。
【0005】
有機発光素子は、水分及び酸素などによって劣化しやすい有機材料を含む。これによって、有機材料が水分及び酸素などに晒すことを防ぎ、有機材料の劣化を遅延するために、有機発光表示装置は、複数の有機発光素子を密封する封止フィルム及び封止フィルム上の封止基板を含んでいてもよい。
【0006】
モバイル、携帯用機器に使用される小型サイズのパネルは、パネルの面積が小さいため、素子での発熱が早く放出され、合着の問題は少ないものの、モニタ、タブレット、テレビ受像機に使用される大型サイズのパネルでは、パネルの面積が大きいため、最適な放熱効果と合着力のための封止構造が必要である。
【0007】
図36は、従来技術による表示装置を示した図面である。
【0008】
図36を参照すると、トランジスタアレイ410上に発光アレイ420が配置され、密封材415で封止したアレイ基板405上に封止基板423が配置されている。さらに、足りない剛性を確保するために表示装置400は、封止基板420上に配置される別途インナープレート430をさらに備えることができる。 インナープレート430は、接着部材435を介してカバーボトム460に付着し得る。この場合、別途インナープレート430を配置するため空間の確保が必要であり、インナープレート430の重さにより、表示装置400のスリム化及び軽量化に限界がある問題点がある。また、封止基板420とインナープレート430を接着するために配置された接着テープ425の厚さだけ、封止基板420とインナープレート430との間に発生したエアギャップ(air gap)によって第1の垂直離隔空間(g1)が発生して、放熱性能を低下させる限界がある。
【0009】
さらに、封止基板420の上部面の一側には印刷回路基板440、フレキシブル回路基板445及び集積回路チップ450が付着し、印刷回路基板440から所定の距離だけ離隔した位置にインナープレート430が配置されることによって、印刷回路基板440の配置された部分の上部にはインナープレート430が付着していない。これによって、印刷回路基板440、フレキシブル回路基板445及び集積回路チップ450の配置された領域だけ、インナープレート430が付着していない水平離隔空間(g3)及び第2の垂直離隔空間(g2)における放熱が行われない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、別途インナープレートの構成を除去しつつ、比較的厚い厚さの補強基板を固定する程の厚さからなりながらも、工程不良が防止できる密封構造物を含む表示装置を提供するためのものである。
【0011】
また本発明は、多層構造物の密封構造物を導入することによって、比較的に厚い厚さの補強基板を設けることができ、剛性の増大及び放熱効果を向上させることを目的とする。
【0012】
また本発明は、アレイ基板の側面方向及び前面方向に水分が浸透することを抑制して、パネルの前面に不良が発生することを防止することを目的とする。
【0013】
また本発明は、多層構造物の密封構造物を導入して、表示装置が反る反り現象を軽減させることを目的とする。
【0014】
また本発明は、多層構造物の密封構造物を導入して、表示装置の剛性を確保しながらも、インナープレートは排除することによって、表示装置の内部構成を単純化し得、器具部品の多様性及び複雑性を最小化しながらも、既存の表示装置よりもスリムかつ軽量化した表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
また本発明は、多層構造物の密封構造物を導入しても、非表示領域上にナローベゼルを具現し、パネルを駆動するための軟性回路基板が破損することを防止することを目的とする。
【0016】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されないし、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施例によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一例示は、表示領域及び表示領域の外部に位置する非表示領域を含み、表示領域上の複数の画素領域に対応して複数の発光素子を含む発光アレイを備えたアレイ基板、及びアレイ基板上に配置されて発光アレイを密封し、密封構造物に向かい合う平板状の補強基板をアレイ基板に固定する密封構造物を含む表示装置を提供する。ここで、密封構造物は、アレイ基板に向かい合う第1の粘着層、補強基板に向かい合う第2の粘着層、及び第1の粘着層と第2の粘着層との間に配置される障壁層を含む。すなわち、密封構造物は、障壁層で分離された第1及び第2の粘着層の積層構造からなる。また、密封構造物は、第2の粘着層上に配置されながら、補強基板に向かい合う保護構造物をさらに含めて構成することができる。
【0018】
これによって、密封構造物は、単一層の粘着材料における工程不良を防止するための臨界よりも大きな厚さで設けられ得る。このような密封構造物により、比較的大きな厚さの補強基板を固定することに対する信頼度の低下が防止されるため、補強基板による剛性及び放熱効果を十分確保することができる。
【0019】
よって、別途インナープレートを排除することができるため、スリム化及び軽量化に有利になり得、封止基板とインナープレートとの間の離隔空間による放熱効果の低下を防止することができる。
【0020】
密封構造物のうち第1の粘着層がアレイ基板に接するため、第1の粘着層のみが無機フィラーを含む混合物からなることで、密封構造物を設けるのに消耗するコストが減少し得る。また、第2の粘着層が無機フィラーを含まないだけ、第2の粘着層に含まれた粘着性高分子材料の含量が多くなり得るため、第2の粘着層の粘着性が比較的大きくなり得、それによって、補強基板がさらに堅固に付着し得る。
【0021】
また、第2の粘着層がカルボキシル基が含まれていない高分子材料を含む混合物からなることで、障壁層の腐食又は膜の均一度低下を防止することができ、表示装置の不良発生を防止することができる。
【0022】
さらに、補強基板は、アレイ基板のパッド部から密封構造物よりも遠く離隔するため、アレイ基板のパッド部に接続される軟性回路基板は、補強基板と接触することを防止することができる。これによって、軟性回路基板の損傷を軽減又は防止することができる。
【0023】
本発明の他の例示は、表示領域及び表示領域の外部に位置する非表示領域を含み、表示領域上の複数の画素領域に対応する複数の発光素子を含む発光アレイを備えたアレイ基板;及びアレイ基板上に位置して、発光アレイを密封し、密封構造物に向かい合う平板状の補強基板をアレイ基板に固定しつつ、多層構造からなる密封構造物を含む表示装置を提供する。ここで、密封構造物は、アレイ基板に向かい合って位置する第1の粘着層;保護層に向かい合って位置する第2の粘着層;第1及び第2の粘着層の間に位置する障壁層とを含む。また、密封構造物は、補強基板と第2の粘着層との間に位置する保護構造物をさらに含めて構成することができる。
【0024】
また、保護構造物のうち保護層は、外部衝撃を遮断しながら、反ることによる破損を防止できる厚さで提供することで、表示装置の剛性をさらに確保することができる。
【0025】
また、本発明の他の一例示は、発光アレイを備えたアレイ基板を設けるステップ、第1の粘着層と、障壁層と、第2の粘着層とを含む密封構造物を設けるステップ、アレイ基板上に密封構造物の第1の粘着層を付着させるステップ、とを含む表示装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施例によれば、アレイ基板と補強基板を結束して、アレイ基板の発光アレイを密封するための密封構造物が障壁層で分離された第1及び第2の粘着層の積層構造からなる。これによって、密封構造物は、単一層の粘着材料における工程不良が防止される臨界よりも約二倍程大きい厚さで設けることができる。すなわち、密封構造物は、工程不良なしで比較的厚く設けることができる。
【0027】
それによって、比較的厚い補強基板を設けることができるため、補強基板による剛性及び放熱効果を十分確保することができる。
【0028】
よって、剛性を確保するため別途インナープレートを排除することができるため、スリム化及び軽量化に有利になり、組立工程が単純となる長所がある。また、インナープレートと封止基板との間の離隔空間による放熱効果の低下を防止することができる長所がある。
【0029】
また、密封構造物に表示装置の剛性を確保するため保護構造物をさらに含めて構成することによって、表示装置上に外部衝撃が発生する場合も、アレイ基板の発光アレイには損傷を発生することを防止できる利点がある。
【0030】
また、保護構造物の保護層は、外部衝撃を遮断しながら、反ることによる破損を防止できる厚さで提供して、表示装置の剛性をさらに確保することができることから、付着工程中に外部衝撃が発生する場合も、密封構造物の損傷を防止し、さらにはアレイ基板の発光アレイの損傷を防止することができる。
【0031】
また、密封構造物を多層構造に具現することで、表示装置が反る反り現象を軽減させ得る利点を提供する。
【0032】
また、熱伝導度の高い材料を補強基板として適用することで、効果的に熱を分散させることができることから、パネル上に残像が発生することを減少させ、発光アレイの寿命を向上させ得る利点を提供する。
【0033】
さらに、補強基板の厚さと幅を調節して、軟性回路基板が密封構造物又は補強基板と接触することを防止することで、軟性回路基板の損傷を防止することができる利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1実施例による表示装置の分解斜視図。
【
図2】
図1のアレイ基板と集積回路チップに対応するブロック図。
【
図3】
図2の画素領域に対応する等価回路の一例示を示した図面。
【
図4】
図3の駆動薄膜トランジスタ及び有機発光素子の一例示を示した図面。
【
図5】
図1のアレイ基板、密封構造物、補強基板、軟性回路基板及び印刷回路基板を示した図面。
【
図6】
図1のアレイ基板、密封構造物、補強基板、軟性回路基板及び印刷回路基板の配置例示を示した図面。
【
図9】本発明の第2実施例による表示装置を示した図面。
【
図10】本発明の第3実施例による表示装置を示した図面。
【
図11】本発明の第4実施例による表示装置を示した図面。
【
図15a】障壁層の様々な構造を説明するために示した図面。
【
図15b】障壁層の様々な構造を説明するために示した図面。
【
図15c】障壁層の様々な構造を説明するために示した図面。
【
図15d】障壁層の様々な構造を説明するために示した図面。
【
図16a】粘着層を構成する材料による不良が発生するか否かを説明するために示した写真。
【
図16b】粘着層を構成する材料による不良が発生するか否かを説明するために示した写真。
【
図17】粘着層を構成する材料による不良が発生するか否かを説明するために示した写真 。
【
図18】粘着層を構成する材料による不良が発生するか否かを説明するために示した写真 。
【
図19】金属材料別にパネルの内部で測定された最大温度及び残像改善率を示した表。
【
図20】本発明の第5実施例による表示装置を示した図面。
【
図22】保護層の厚さ変化による表示装置の剛性評価結果を示した表。
【
図23a】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図23b】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図23c】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図23d】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図23e】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図23f】剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した図面。
【
図24】保護層の厚さ変化によるパネルの反り量を示した表。
【
図25】密封構造物の構成によるパネルの反り量変化を示したグラフ。
【
図26】パネルの反り変化量を図式的に示した図面。
【
図27】高温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフ。
【
図28】常温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフ。
【
図29】本発明の位置実施例による表示装置の製造方法を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0035】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施例を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すことに使われる。
【0036】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接連結されるか又は接続されてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
【0037】
以下では、本発明の各実施例による表示装置について添付の図面を参考にして説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1実施例による表示装置の分解斜視図である。
【0039】
図1に示されたように、本発明の一実施例による表示装置は、アレイ基板10と、アレイ基板10上に配置される密封構造物30とを含む。
【0040】
アレイ基板10は、少なくとも一側縁に配置されるパッド部を含む。データライン(
図2のDL)を駆動する集積回路チップ21が実装された少なくとも一つの軟性回路基板22は、アレイ基板10の少なくとも一側縁に配置されたパッド部に連結される。
【0041】
また、少なくとも一つの軟性回路基板22は、アレイ基板10の駆動タイミングを制御する集積回路チップ23が実装された印刷回路基板24にさらに連結される。すなわち、少なくとも一つの軟性回路基板22がアレイ基板10と印刷回路基板24との間に配置される。少なくとも一つの軟性回路基板22及び印刷回路基板24は、
図1におけるアレイ基板10の上部に示されている。
図1では、このような回路基板を明確に示すために上述のように示したが、実際の表示装置では、後述の図面のように少なくとも一つの軟性回路基板22と印刷回路基板24が補強基板40上に配置される。
【0042】
密封構造物30は、密封構造物30に向かい合う平板状の補強基板40をアレイ基板10に固定する。
【0043】
密封構造物30は、アレイ基板10に向かい合う第1の粘着層31、補強基板40に向かい合う第2の粘着層32、第1の粘着層31と第2の粘着層32との間に配置される障壁層33、とを含む。第1及び第2の粘着層31,32は、粘着性を有する高分子材料を含む。障壁層33は、第1及び第2の粘着層31,32よりも薄い厚さからなる。すなわち、密封構造物30は、薄膜状の障壁層33で分離された第1及び第2の粘着層31,32を含む。それによって、密封構造物30は、厚さによる粘着材料の工程不良を防止しつつ、比較的厚い厚さからなってもよい。第1及び第2の粘着層31,32に対する障壁層33の厚さは、様々である。例えば、障壁層33は、第1の粘着層31、第2の粘着層32又は両方ともさらに厚い厚さを有し得る。障壁層33の厚さが様々であり得るため、障壁層33の厚さは、第1の粘着層31よりも厚く、第2の粘着層32よりも小さいかその逆であってもよい。
【0044】
具体的には、粘着材料が比較的厚い単一層で配置される場合、異物の挿入、及び押されることによる厚さのバラ付きなどの工程不良が頻繁かつ容易に発生し得る。この点、単一層の粘着材料は、工程不良を防止するための臨界厚さ以下に配置される必要がある。
【0045】
他方、本発明の第1実施例による表示装置の密封構造物30は、単一層の粘着材料からなるものではなく、障壁層33で分離された第1及び第2の粘着層31,32からなる。よって、密封構造物30は、工程不良を防止するための単一粘着層の臨界厚さに対し約二倍の厚さからなってもよい。しかし、その代案として単一粘着層の臨界厚さよりは大きいものの、臨界厚さの2倍未満の厚さからなってもよい。一部の他の実施例では、密封構造物30の厚さは、放熱及び剛性の要求に基づいて単一粘着層の臨界厚さの2倍よりも大きくてもよい。
【0046】
さらに、密封構造物30の厚さが増加するほど、密封構造物30によって固定されうる補強基板40の臨界厚さも増加し得るため、補強基板40による剛性及び放熱効果が向上し得る。それによって、別途インナープレートが不要であるため、表示装置のスリム化及び軽量化に有利になり得、放熱効果の低下を防止するか、効果的に減少し得る。
【0047】
また、本発明の第1実施例による表示装置は、密封構造物30によってアレイ基板10上に固定される補強基板40をさらに含んでいてもよい。
【0048】
また、本発明の第1実施例による表示装置は、アレイ基板10、密封構造物30及び補強基板40を収納するボトムカバー50をさらに含んでいてもよい。
【0049】
ボトムカバー50は、補強基板40に向かい合う底部51を含む。または、ボトムカバー50は、底部51の縁からアレイ基板10側へ延びる側面部52をさらに含んでいてもよい。また、放熱及び剛性を改善させることを可能にする追加層等(layers)又は構造物等が含まれていてもよい。
【0050】
図2は、
図1のアレイ基板と集積回路チップに対応するブロック図である。
図3は、
図2の画素領域に対応する等価回路の一例示を示した図面である。
図4は、
図3の駆動薄膜トランジスタ及び有機発光素子の一例示を示した図面である。
【0051】
図2に示されたように、本発明の第1実施例による表示装置は、映像が表示される表示領域(AA;Active Area)を含むアレイ基板10と、アレイ基板10の信号配線(GL,DL)にそれぞれの信号を供給する駆動部61,62,63とを含む。駆動部61,62,63のうち一部は、アレイ基板10に連結される少なくとも一つの軟性回路基板22に実装された集積回路チップ21、及び少なくとも一つの軟性回路基板22に連結される印刷回路基板24に実装された集積回路チップ23で具現することができる。そして、駆動部61,62,63のうち他の一部は、アレイ基板10に内装することができる。
【0052】
アレイ基板10は、表示領域(AA)に定義された複数の画素領域(PA;Pixel Area)を含む。
【0053】
複数の画素領域(PA)それぞれは、いずれか色相に対応する光を放出する領域である。複数の画素領域(PA)のうち互いに隣合い、互いに異なる色相に対応する二つ以上の画素領域(PA)は、多様な色相の光を放出する単位画素をなすことができる。すなわち、いずれか単位画素を具現し、互いに隣合う二つ以上の画素領域(PA)から放出される光の組み合わせによって、単位画素は、多様な色相を表示することができる。
【0054】
アレイ基板10は、データ信号(VDATA)を記録する水平ラインを選択するためのスキャン信号(SCAN)を供給するゲートライン(GL)と、データ信号(VDATA)を供給するデータライン(DL)とを含む。水平ラインは、複数の画素領域(PA)のうち水平方向に揃って配置される画素領域等からなる。
【0055】
さらに、アレイ基板10は、発光素子を駆動するための第1及び第2の駆動電源(VDD、VSS)を供給する第1及び第2の駆動電源ライン(
図3のVDDL、VSSL)をさらに含んでいてもよい。
【0056】
駆動部61,62,63は、タイミングコントローラ61、データライン(DL)に連結されるデータ駆動部62、及びゲートライン(GL)に連結されるゲート駆動部63を含む。
【0057】
タイミングコントローラ61は、外部から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)をアレイ基板10の解像度に合わせて再整列し、再整列されたデジタルビデオデータ(RGB’)をデータ駆動部62に供給する。
【0058】
タイミングコントローラ61は、垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、ドットクロック信号(DCLK)、及びデータイネーブル信号(DES)などのタイミング信号に基づいて、データ駆動部62の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号(DDC)と、ゲート駆動部63の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号(GDC)を供給する。
【0059】
ゲート駆動部63は、ゲート制御信号(GDC)に基づいて、一フレーム期間の間に複数の水平ラインに対応する複数のゲートライン(GL)に順次にスキャン信号(SCAN)を供給する。
【0060】
すなわち、ゲート駆動部63は、一フレーム期間のうち各水平ラインに対応する各水平期間の間に各水平ラインに対応するゲートライン(GL)にスキャン信号(SCAN)を供給する。
【0061】
データ駆動部62は、データ制御信号(DDC)に基づいて再整列されたデジタルビデオデータ(RGB’)をアナログデータ電圧に変換する。データ駆動部62は、再整列されたデジタルビデオデータ(RGB’)に基づいて、各水平期間の間にスキャン信号(SCAN)が供給される水平ラインの画素領域等(PA)にそれぞれ対応するデータ信号(VDATA)をデータライン(DL)に供給する。
【0062】
図3に示されたように、各画素領域(PA)は、有機発光素子(OLED)と、有機発光素子(OLED)に駆動信号を供給する画素回路とを含んでいてもよい。
【0063】
画素回路は、駆動薄膜トランジスタ(DT)、スイッチング薄膜トランジスタ(ST)及びストレージキャパシタ(Cst)を含んでいてもよい。但し、これは単に例示だけであり、各画素領域(PA)は、画素回路と共に、駆動薄膜トランジスタ(DT)及び有機発光素子(OLED)のうち少なくとも一つの劣化を補償するための補償回路(未図示)をさらに含んでいてもよい。補償回路は、センシング又は基準電源(未図示)を供給するために少なくとも一つの薄膜トランジスタを含んでいてもよい。
【0064】
有機発光素子(OLED)は、第1及び第2電極(すなわち、アノード電極及びカソード電極)と、第1及び第2電極の間に配置される発光層とを含む。発光層は、第1及び第2電極の間の駆動電流に基づいて光を放出する。有機発光素子(OLED)は、二つ以上の発光層を含む多重スタック構造であってもよい。
【0065】
駆動薄膜トランジスタ(DT;Driving Transistor)は、第1の駆動電源(VDD)を供給する第1の駆動電源ライン(VDDL)と、第1の駆動電源(VDD)よりも低い電位の第2の駆動電源(VSS)を供給する第2の駆動電源ライン(VSSL)との間に、有機発光素子(OLED)と直列に配置される。
【0066】
スイッチング薄膜トランジスタ(ST;Switching Transistor)は、各画素領域(PA)のデータ信号(VDATA)を供給するデータライン(DL)と、駆動薄膜トランジスタ(DT)のゲート電極との間に配置される。
【0067】
ストレージキャパシタ(Cst)は、第1ノード(ND1)と第2ノード(ND2)との間に配置される。第1ノード(ND1)は、スイッチング薄膜トランジスタ(ST)と駆動薄膜トランジスタ(DT)のゲート電極との間の接点である。第2ノード(ND2)は、駆動薄膜トランジスタ(DT)と有機発光素子(OLED)との間の接点である。
【0068】
かかる画素回路において、スイッチング薄膜トランジスタ(ST)は、ゲートライン(GL)のスキャン信号(SCAN)に基づいてターンオンされる。ターンオンされたスイッチング薄膜トランジスタ(ST)を介してデータライン(DL)のデータ信号(VDATA)が、第1ノード(ND1)に連結された駆動薄膜トランジスタ(DT)のゲート電極及びストレージキャパシタ(Cst)に供給される。
【0069】
ストレージキャパシタ(Cst)は、第1ノード(ND1)に供給されたデータ信号(VDATA)で充電される。
【0070】
駆動薄膜トランジスタ(DT)は、第1ノード(ND1)に供給されたデータ信号(VDATA)及びストレージキャパシタ(Cst)の充電電圧に基づいてターンオンされる。このとき、ターンオンされた駆動薄膜トランジスタ(DT)によって、データ信号(VDATA)に対応する駆動電流が、第2ノード(ND2)、すなわち、有機発光素子(OLED)に供給される。
【0071】
図4に示されたように、アレイ基板10は、複数の画素領域(PA)に対応する複数の画素回路を含むトランジスタアレイ110と、複数の画素領域(PA)に対応する複数の有機発光素子(OLED)を含む発光アレイ120とを含む。
【0072】
トランジスタアレイ110は、複数の画素領域(PA)に対応する表示領域(AA)を含むベース基板111、及びベース基板111上に配置されて、各画素領域(PA)に対応する駆動薄膜トランジスタ(DT)を含んでいてもよい。そして、トランジスタアレイ110は、駆動薄膜トランジスタ(DT)が平らに覆う平坦化膜115をさらに含んでいてもよい。
【0073】
ベース基板111は、平板の絶縁材料からなってもよい。一例として、ベース基板111は、ガラス又はプラスチックからなってもよい。
【0074】
駆動薄膜トランジスタ(DT)は、ベース基板111を覆うバッファ膜112上に配置されるアクティブ層(ACT;Active layer)、アクティブ層(ACT)のチャンネル領域上に配置されるゲート絶縁層113、ゲート絶縁層113上に配置されるゲート電極(GE;Gate Electrode)、バッファ膜112とアクティブ層(ACT)とゲート電極(GE)とを覆う層間絶縁膜114上に配置されて、アクティブ層(ACT)のソース領域に連結されるソース電極(SE;Source Electrode)、及び層間絶縁膜114上に配置されて、アクティブ層(ACT)のドレイン領域に連結されるドレイン電極(DE;Drain Electrode)とを含んでいてもよい。
【0075】
バッファ膜112は、窒化シリコーン(SiNx)及び酸化シリコーン(SiOy)などのように、アクティブ層(ACT)の粘着に容易な絶縁材料からなってもよい。バッファ膜112は、アクティブ層(ACT)の固定に役立つだけでなく、ベース基板111を介する水分又は酸素の浸透を遮断し、ベース基板111の欠点がベース基板111上の層間絶縁膜114及び平坦化膜115に繋がることを遮断することができる。但し、ベース基板111の材料によって、バッファ膜112は、トランジスタアレイ110における省略も可能である。
【0076】
アクティブ層(ACT)は、シリコーン半導体又は酸化物半導体からなってもよい。
【0077】
さらに、
図4に示してはいないが、トランジスタアレイ110は、スイッチング薄膜トランジスタ(
図3のST)、スイッチング薄膜トランジスタ(ST)のゲート電極に連結されるゲートライン(
図3のGL)、スイッチング薄膜トランジスタ(ST)のソース電極及びドレイン電極のうちいずれかに連結されるデータライン(
図3のDL)をさらに含んでいてもよい。
【0078】
ゲートライン(GL)は、駆動薄膜トランジスタ(DT)のゲート電極(GE)と同様、ゲート絶縁膜113上に配置されうる。
【0079】
データライン(DL)は、駆動薄膜トランジスタ(DT)のソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)と同様、層間絶縁膜114上に配置されうる。
【0080】
層間絶縁膜114は、バッファ膜112上に配置され、アクティブ層(ACT)及びゲート電極(GE)を平らに覆う。層間絶縁膜114は、有機絶縁材料及び無機絶縁材料のうちいずれか又は二つ以上の絶縁材料が積層された構造からなってもよい。無機絶縁材料の例としては、窒化シリコーン(SiNx)及び酸化シリコーン(SiOy)などが挙げられる。有機絶縁材料の例としては、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などが挙げられる。
【0081】
平坦化膜115は、層間絶縁膜114と同様、有機絶縁材料及び無機絶縁材料のうちいずれか又は二つ以上の絶縁材料が積層された構造からなってもよい。
【0082】
発光アレイ120は、トランジスタアレイ110の平坦化膜115上に配置されて、複数の画素領域(PA)に対応する複数の有機発光素子(OLED)を含んでいてもよい。
【0083】
各有機発光素子(OLED)は、相互対向する第1及び第2電極121,122と、第1と第2電極121,122の間に配置される発光層123とを含んでいてもよい。
【0084】
発光アレイ120は、トランジスタアレイ110上に配置されて、複数の画素領域(PA)にそれぞれ対応する複数の第1電極121、トランジスタアレイ110上に配置されて、各画素領域(PA)の外部に対応し、第1電極121の縁を覆うバンク124、第1電極121及びバンク124上に配置される発光層123、及び発光層123上に配置されて、複数の画素領域(PA)に対応する第2電極122とを含んでいてもよい。
【0085】
密封構造物30は、アレイ基板10上に配置されて、発光アレイ120を覆う。密封構造物30は、厚さ及び材料の相違する膜等が積層された構造からなってもよく、密封構造物30のうち一部は、粘着性を有する材料からなってもよい。
【0086】
密封構造物30の第1の粘着層31は、発光アレイ120を平らに覆い、発光アレイ120を密封する。
【0087】
図5は、
図1のアレイ基板、密封構造物、補強基板、軟性回路基板及び印刷回路基板を示した図面である。
【0088】
図5に示されたように、ゲートライン(GL)にスキャン信号(SCAN)を供給するゲート駆動部(
図2の63)は、アレイ基板10に内装することができる。
【0089】
一例として、ゲート駆動部(
図2の63)は、表示領域(AA)の外部である非表示領域(NA)のうち表示領域(AA)の一側縁に隣接して配置される一部領域(GDA;Gate Driver Area)に配置されうる。ここで、非表示領域(NA)は、ベゼル領域とも称され得る。
【0090】
データライン(DL)にデータ信号(VDATA)を供給するデータ駆動部(
図2の62)は、軟性回路基板22に実装される集積回路チップ21で具備することができる。
【0091】
集積回路チップ21の実装された軟性回路基板22は、アレイ基板10の一側縁と印刷回路基板24との間に連結されうる。
【0092】
タイミングコントローラ(
図2の61)は、印刷回路基板24に実装された集積回路チップ23で具備することができる。
【0093】
アレイ基板10は、非表示領域(NA)のうち表示領域(AA)の他の一側縁に隣接して配置されるパッド部10pをさらに含んでいてもよい。
【0094】
データ駆動部(
図2の62)の集積回路チップ21が実装された軟性回路基板22は、一側に配置されたパッド部22pを含む。このような軟性回路基板22のパッド部22pがアレイ基板10のパッド部10pにボンディングされることにより、アレイ基板10と軟性回路基板22が相互電気的に連結されうる。
【0095】
図6は、
図1のアレイ基板、密封構造物、補強基板、軟性回路基板及び印刷回路基板の配置例示を示した図面である。
図7は、
図6のab断面に対する一例を示した図面である。
図8は、
図6のcb断面に対する一例を示した図面である。
【0096】
図6及び
図7に示されたように、本発明の第1実施例による表示装置は、複数の画素領域(
図4のPA)に対応する複数の発光素子(
図4のOLED)を含む発光アレイ(
図4の120)を備えたアレイ基板10、及びアレイ基板10上に配置され、発光アレイ120を密封して、密封構造物30に向かい合う平板状の補強基板40をアレイ基板10上に固定する密封構造物30を含む。
【0097】
密封構造物30は、アレイ基板10に向かい合う第1の粘着層31、補強基板40に向かい合う第2の粘着層32、及び第1の粘着層31と第2の粘着層32との間に配置される障壁層33を含む。
【0098】
第1の粘着層31と第2の粘着層32それぞれは、粘着性を有する高分子材料からなる。
【0099】
一例として、第1の粘着層31は、オレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Expoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマーから選択された第1の高分子材料311からなってもよい。そして、第2の粘着層32は、それぞれカルボキシル基が含まれていないオレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー、アクリレート(Acrylate)系ポリマー、アミン系ポリマー、フェノール系ポリマー及び酸無水物系ポリマーから選択された第2の高分子材料321からなってもよい。特に、第2の粘着層32は、後述する障壁層33の膜均一度及び腐食防止のためにカルボキシル基が含まれていない第2の高分子材料321からなるのが好ましい。
【0100】
アレイ基板10の放熱のため、第1及び第2の粘着層31,32のうち少なくとも第1の粘着層31は、粘着性の第1の高分子材料311と金属材料の第1パーティクル312とを含む混合物からなってもよい。一例として、金属材料の第1パーティクル312は、Ni又は他の金属材料からなるパウダーであってもよい。
【0101】
すなわち、アレイ基板10に直接接する第1の粘着層31は、粘着性の第1の高分子材料311と金属材料の第1パーティクル312を含む混合物からなることで、粘着性高分子材料又は様々な材料の中で、より高い熱伝導性を有し得る。
【0102】
同様、本発明の第1実施例によれば、第2の粘着層32もまた、粘着性の第2の高分子材料321と金属材料の第2パーティクル322を含む混合物からなることで、粘着性高分子材料よりも高い熱伝導性を有し得る。
【0103】
こうすれば、アレイ基板10で発生した駆動熱が密封構造物30を介して放出される速度が向上し得るため、アレイ基板10に対する放熱効果が向上し得る。
【0104】
また、アレイ基板10の発光アレイ120に対する透湿防止のために第1の粘着層31は、吸湿性無機フィラー313をさらに含む混合物からなってもよい。吸湿性無機フィラー313は、CaO、MgO、BaO、及び様々な材料のうち少なくとも一つであってもよい。
【0105】
第1の粘着層31と違って、第2の粘着層32は、発光アレイ120と接しないため、発光アレイ120の透湿防止のための無機フィラーを含む必要がない。この点、第2の粘着層32は、吸湿性無機フィラーを含まないで、粘着性の第2の高分子材料321と金属材料の第2パーティクル322のみを含んでいてもよい。こうすれば、比較的高価である吸湿性無機フィラーが密封構造物30に投入される量が減少し得、密封構造物30を設けるコストが軽減し得る。また、吸湿性無機フィラーを含まないだけ、第2の粘着層32に含まれた第2の高分子材料321の混合割合が第1の粘着層31に比べて増加し得るため、第2の粘着層32の接着性が第1の粘着層31の接着性よりも向上し得る。これによって、第2の粘着層32上に補強基板40の固定がさらに堅く行われることによって、アレイ基板10と補強基板40の合着力に対する信頼度がさらに向上し得る。また、第1の粘着層31と第2の粘着層32の多層構造で形成することによって、パネルが反る反り(Warpage)現象が軽減し得る信頼度も向上し得る長所がある。
【0106】
ここで、アレイ基板10は、支持基板と称することができ、補強基板40は、合着基板と称することができ、密封構造物30は、合着構造物と称することができる。また、第1の粘着層31は、密封粘着層と称することができ、障壁層33は、合着補強熱伝導層と称することができ、第2の粘着層32は、合着補強粘着層と称することができる。これによって、合着構造物は、支持基板上の密封粘着層、合着補強熱伝導層及び合着補強粘着層で構成されるものと称することができる。
【0107】
第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)は、それぞれ工程不良が防止される単一粘着層の臨界値以下に限定することができる。そして、第1及び第2の粘着層31,32の厚さ(31th,32th)の和は、補強基板40の固定に対する信頼度を確保することができる臨界以上に限定されうる。
【0108】
一例として、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)は、10μm~100μmの範囲内であってもよい。
【0109】
障壁層33は、金属材料及び無機絶縁材料のうちいずれかからなってもよい。すなわち、障壁層33は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe、Znなどの金属材料を含めて構成され得る。他の例において、障壁層33は、SiOx及びSiONxなどのような無機絶縁材料の薄膜からなってもよい。
【0110】
障壁層33は、第1及び第2の粘着層31,32との合着を補強し、反り(Warpage)を軽減するため積層構造物に具現するために導入することができる。具体的には、第1の粘着層31及び第2の粘着層32は、それぞれ粘着性を有する高分子材料311,321を含めて構成されている。このため、相対的に堅い材質を有する障壁層33が第1の粘着層31及び第2の粘着層32の間に配置されて、障壁層33の一面及び他面にそれぞれ第1の粘着層31及び第2の粘着層32が接着されることによって、合着力を向上させて第1の粘着層31、障壁層33及び第2の粘着層32が合着して積層された構造からなる密封構造物30に具現され得る。
【0111】
障壁層33の厚さ(33th)は、孔不良が容易に発生することを防止できる臨界以上に限定することができる。そして、障壁層33による密封構造物30の厚さの増加を最小限にするために、障壁層33の厚さ(33th)は、第1及び第2の粘着層31,32の厚さ(31th,32th)よりも小さい値に限定することができる。
【0112】
例示として、障壁層33の厚さ(33th)は、10μmよりも大きく、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)よりも小さい範囲内であってもよい。
【0113】
このように、本発明の第1実施例による密封構造物30は、障壁層33で分離された第1及び第2の粘着層31,32を含むため、工程不良なしで、単一層の粘着材料よりも約二倍ほど大きな厚さで具現することができる。
【0114】
これによって、密封構造物30によって固定される補強基板40が厚い厚さで設けられるため、剛性の増大及び放熱効果の向上を容易に実現することができる長所がある。
【0115】
すなわち、密封構造物30の厚さ(30th)が30μm~300μmの範囲内であるとき、補強基板40の厚さ(40th)は、0.1mm~1.5mmの範囲の厚さに具現することができる。
【0116】
一例として、補強基板40は、ガラス、金属及びプラスチック高分子のうちいずれか材料からなってもよい。例えば、補強基板40は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe又はZn成分が含まれた金属材料からなってもよい。
【0117】
さらに、表示装置は、アレイ基板10、軟性回路基板22、印刷回路基板24、密封構造物30及び補強基板40を収納するボトムカバー50をさらに含んでいてもよい。
【0118】
ボトムカバー50は、補強基板40とボトムカバー50との間に配置される少なくとも一つの粘着パターン70を介して補強基板40と結合することができる。
【0119】
図6及び
図8に示されたように、表示装置は、アレイ基板10に接続される少なくとも一つの軟性回路基板22、及び少なくとも一つの軟性回路基板22に連結される印刷回路基板24をさらに含む。
【0120】
各軟性回路基板22には、アレイ基板10のデータライン(DL)を駆動するデータ駆動部(
図2の62)に対応する集積回路チップ21が実装される。
【0121】
印刷回路基板24には、データ駆動部(
図2の62)及びゲート駆動部(
図2の63)の駆動タイミングを制御するタイミングコントローラ(
図2の61)に対応する集積回路チップ23が実装される。
【0122】
印刷回路基板24は、ボトムカバー50の底部51に向かい合う補強基板40の一面上に配置される。
【0123】
各軟性回路基板22の一側は、アレイ基板10のパッド部(
図5の10p)に接続され、各軟性回路基板22の他の一側は、印刷回路基板24のパッド部(未図示)に接続される。
【0124】
印刷回路基板24がボトムカバー50の底部51に向かい合う補強基板40の一面上に配置され、補強基板40は、アレイ基板10上に密封構造物30を介して固定される。よって、軟性回路基板22は、密封構造物30及び補強基板40に掛かった形態で配置される。
【0125】
ここで、軟性回路基板22が堅い、かつ多少荒い面を有し得る補強基板40の縁に接する場合、軟性回路基板22の動きによって軟性回路基板22と補強基板40との間の衝突が繰り返されるため、軟性回路基板22の損傷が不可避である。
【0126】
これによって、本発明の第1実施例によれば、軟性回路基板22が補強基板40に接することを防止するために、補強基板40は、密封構造物30よりも小さい幅からなる。
【0127】
すなわち、密封構造物30のうちアレイ基板10のパッド部10pに隣接した一側縁は、アレイ基板10のパッド部10pから第1間隔30gで離隔し得る。この場合、補強基板40のうちアレイ基板10のパッド部10pに隣接した一側縁は、アレイ基板10のパッド部10pから第1間隔30gよりも大きな第2間隔40gで離隔し得る。
【0128】
他に説明すれば、補強基板40は、アレイ基板10のパッド部10pから密封構造物30よりも後退した地点に配置され、密封構造物30のうちアレイ基板10のパッド部10pに隣接した一部は、補強基板40で覆われずに露出する。
【0129】
また、各軟性回路基板22に実装される集積回路チップ21は、印刷回路基板24に隣接して配置されうる。一例として、各軟性回路基板22に実装される集積回路チップ21は、補強基板40と軟性回路基板22との間の重畳領域に配置されうる。
【0130】
こうすれば、集積回路チップ21により軟性回路基板22が補強基板40から離隔し得るため、軟性回路基板22と補強基板40との間の衝突が軽減し得る。
【0131】
これにより、各軟性回路基板22は、密封構造物30のうち露出した一部に掛かる形態で配置されうる。
【0132】
この場合、各軟性回路基板22と密封構造物30との間の接触と、繰り返した衝突が不可避である。但し、密封構造物30は、補強基板40よりも軟性であるため、密封構造物30との接触による軟性回路基板22の損傷度は、補強基板40との衝突による軟性回路基板22の損傷度に比べて軽減し得る。よって、表示装置の信頼度の低下及び寿命の低下を防止することができる。また、軟性回路基板22の損傷が最小化される補強基板40との最小限の離隔距離の設定及び配置により、パネルのベゼル幅を減少させ得るナローベゼル(narrow bezel)効果と共に露出する密封構造物30の表面の領域を減少させることで、補強基板40とアレイ基板10との合着力及び放熱効果を向上させることができる。
【0133】
さらに、積層構造からなり、比較的厚い厚さを有する密封構造物30及び補強基板40上に軟性回路基板22が配置されることによって、軟性回路基板22で発生する熱がアレイ基板10へ伝達されることを抑制することができる。言い換えれば、軟性回路基板22は、熱伝導率の高い補強基板40の上部及びパネルの最外郭部に配置されることで放熱効果が増大し得る。
【0134】
以上のように、本発明の第1実施例による表示装置は、障壁層33を介して積層された第1及び第2の粘着層31,32を含む密封構造物30を含む。密封構造物30は、第1及び第2の粘着層31,32の積層構造からなることで、工程不良なしで、単一層の粘着材料よりも厚く配置されうる。
【0135】
これによって、補強基板40が比較的厚く配置されうるため、補強基板40による剛性及び放熱効果が向上し得る。
【0136】
それによって、表示装置は、剛性を確保するため別途インナープレートを備える必要がないので、スリム化及び軽量化に有利になり得る。また、インナープレートと補強基板40との間の離隔領域による放熱効果の低下を防止することができる。
【0137】
さらに、インナープレートを排除することにより、表示装置の組み立てが容易になり得る。
【0138】
図9は、本発明の第2実施例による表示装置を示した図面である。
【0139】
図9に示されたように、本発明の第2実施例による表示装置において、密封構造物30の第2の粘着層32は、粘着性の第2の高分子材料321のみからなってもよい。
【0140】
すなわち、
図6に示された第2の粘着層32と違って、第2の金属パーティクル(
図6の322)を含まないため、それだけ第2の粘着層32に含まれた高分子材料の混合割合が第1の粘着層31に比べて増加し得る。これにより、第2の粘着層32の接着性が第1の粘着層31の接着性よりも向上し得るため、補強基板40の固定に対する信頼度が向上し得る長所がある。
【0141】
図10は、本発明の第3実施例による表示装置を示した図面である。
【0142】
図10に示されたように、本発明の第3実施例による表示装置において、密封構造物30は、金属材料からなる障壁層33と共に、第1の粘着層31と障壁層33との間に配置される第1の補助障壁層34、及び第2の粘着層32と障壁層33との間に配置される第2の補助障壁層35のうち少なくとも一つをさらに含んでいてもよい。
【0143】
すなわち、密封構造物30は、第1及び第2の補助障壁層34,35のうちいずれかをさらに含んでいてもよく、それとも、第1及び第2の補助障壁層34,35をいずれもさらに含んでいてもよい。
【0144】
第1及び第2の補助障壁層34,35それぞれは、SiOx及びSiONxなどのような無機絶縁材料からなる。
【0145】
こうすれば、第1及び第2の粘着層31,32の間に金属材料の障壁層33が配置されるに伴い、密封構造物30の熱伝導性が向上し得る。これと共に、第1及び第2の補助障壁層34,35によって第1及び第2の粘着層31,32それぞれと障壁層33との間の粘着性が向上することで、密封構造物30の密封力と堅固性が向上し得る。また、金属材料の障壁層33上、下部に無機絶縁材料を含む第1及び第2の補助障壁層34,35が配置されることによって、金属材料の障壁層33上に発生し得るピンホール(pin hole)が第1及び第2の補助障壁層34,35で満たされ得、ピンホールの不良を防止することができる。
【0146】
図11は、本発明の第4実施例による表示装置を示した図面である。
図12は、
図11のab断面に対する一例を示した図面である。
図13は、
図11のcb断面に対する一例を示した図面である。
図14は、
図13の「I」部分を拡大して示した図面である。そして、
図15a~
図15dは、障壁層の種々の構造を説明するために示した図面である。ここで、
図5~
図10と同一又は類似の構成要素については簡略に説明することとする。
【0147】
図11~
図13を参照すると、本発明の第4実施例による表示装置は、底部51及び側面部52を有するボトムカバー50、粘着パターン70、複数の画素領域に対応する複数の発光素子を含む発光アレイ120を備えたアレイ基板10と、アレイ基板10上に配置され、発光アレイ120を密封しながらアレイ基板10に向かい合う平板状の補強基板40を固定させる密封構造物30を含めて構成することができる。
【0148】
ここで、アレイ基板10は、支持基板と称することができ、補強基板40は、合着基板と称することができ、密封構造物30は、合着構造物と称することができる。また、第1の粘着層31は、密封粘着層と称することができ、障壁層33は、合着補強熱伝導層と称することができ、第2の粘着層32は、合着補強粘着層と称することができる。これによって、合着構造物は、支持基板上の密封粘着層、合着補強熱伝導層及び合着補強粘着層で構成されるものと称することができる。
【0149】
アレイ基板10は、トランジスタアレイ110及び発光アレイ120を含む。トランジスタアレイ110は、透明な材質のガラス又はプラスチックからなるベース基板111(
図4参照)上に形成される。発光アレイ120は、複数の画素領域に対応する複数の有機発光素子(OLED)を含んでいてもよい。
【0150】
アレイ基板10は、表示領域(AA、
図2参照)及び表示領域(AA)を囲んでいる非表示領域(NA、
図2参照)を含んでいてもよい。非表示領域(NA)のうち表示領域(AA)の一側縁部に隣接して複数のパッド部10pが相互離隔して配置され得る。
【0151】
アレイ基板10の表示領域(AA)上には発光アレイ120が配置され、発光アレイ120の前面を密封する密封構造物30が配置され得る。密封構造物30は、アレイ基板10の一側末端(edge,ed3)からそれぞれ第1距離(a1)及び一側末端(ed3)と他の方向のアレイ基板10の他側末端(ed4)から第2距離(a2)だけ離隔した位置に配置され得る。ここで、第1距離(a1)及び第2距離(a2)は、同じ距離だけ離隔し得る。または、アレイ基板10の一側末端(ed3)には複数のパッド部10pが配置されていることから、第2距離(a2)は、ナローベゼル(narrow bezel)を具現するための最小距離値を有し、第1距離(a1)は、複数のパッド部10pに対する最小限の配置空間を有するために、第2距離(a2)よりもさらに大きい値を有し得る。
【0152】
密封構造物30がアレイ基板10の各側面の末端部(ed3,ed4)から所定の距離だけ離隔して位置することによって、アレイ基板10上部の表面一部が露出し得る。
【0153】
密封構造物30は、アレイ基板10に向かい合って位置する第1の粘着層31、補強基板40に向かい合って位置する第2の粘着層32、第1の粘着層31と第2の粘着層32の間に配置される障壁層33、とを含めて構成され得る。
【0154】
アレイ基板10に向かい合って位置する第1の粘着層31は、粘着性を有する第1の高分子材料311を含んでいてもよい。第1の粘着層31は、アレイ基板10の側面方向に水分が浸透することを抑制し、アレイ基板10上に備えられた発光アレイ120上に損傷を引き起こす外部ガス及び酸素の流入を防止するためにアレイ基板10の全体面を囲むように構成され得る。
【0155】
第1の粘着層31は、第1の高分子材料311からなる。例えば、第1の粘着層31は、オレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマーから選択された高分子材料からなってもよい。
【0156】
一例において、第1の粘着層31は、上述した粘着性の第1の高分子材料311と金属材料の第1パーティクル312を含む混合物で構成することができる。金属材料の第1パーティクル312は、ニッケル(Ni)を含んでいてもよい。金属材料の第1パーティクル312は、第1の粘着層31内に含まれることによって、粘着性高分子材料の単一物質からなる場合よりも相対的に高い熱伝導性を有し得、放熱効果が向上し得る。
【0157】
第1の粘着層31は、吸湿性無機フィラー313をさらに含めて構成され得る。吸湿性無機フィラー313は、アレイ基板10の発光アレイ120に水分が浸透することを防止する役割を果たす。吸湿性無機フィラー313は、CaO、MaO及びBaOのうち少なくとも一つ以上を含んでいてもよい。
【0158】
障壁層33は、第1の粘着層31及び第2の粘着層32の間に配置されて、アレイ基板10の前面(front face)方向に湿気が浸透することを防止する役割を果たす。また、障壁層33は、第1及び第2の粘着層31,32との合着を補強して、積層構造に具現することで、補強基板40の厚さが厚くなる場合も、固定及び合着に対する信頼度を確保する役割を果たす。さらに、密封構造物30内に障壁層33が存在することで、アレイ基板10と補強基板40の反り(Warpage)現象の軽減効果を増大させる。
【0159】
補強基板40の固定に対する信頼度を確保するために障壁層33を構成する材料の延伸率は高く、降伏強度(yield strength)値は低い材料であればあるほど、補強基板40の固定に対する信頼度の確保が容易である。一例において、障壁層33を構成する材料の延伸率は、4%以上であり、降伏強度値は、360MPa以下の値を有するのが好ましい。
【0160】
このような障壁層33は、金属材料及び無機絶縁材料のうち少なくともいずれかを含めて構成され得る。例えば、障壁層33は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe、Znなどの金属材料及び上述した金属材料系合金を含めて構成され得る。また、障壁層33は、シリコーン酸化物(SiOx)又はシリコンオキシ窒化物(SiONx)などのような無機絶縁材料を含めて構成され得る。
【0161】
障壁層33は、単一層構造又は多層構造で形成され得る。例えば、
図15a~
図15dを参照すると、障壁層33は、金属材料を含む金属膜33aからなる単一層構造で形成されるか(
図15a)、無機絶縁材料を含む無機絶縁膜33bからなる単一層構造で形成されるか(
図15b)、互いに異なる金属材料を含む第1の金属膜33c及び第2の金属膜33dが積層された構造で形成されるか(
図15c)、又は互いに異なる無機絶縁材料を含む第1の無機絶縁膜233e及び第2の無機絶縁膜33fが積層された構造(
図15d)で形成され得る。
【0162】
また、たとえ図面には示していないものの、障壁層33は、第1の金属膜33c及び第2の金属膜33dが積層された構造を一サイクル(cycle)として、複数のサイクルが積層される多層構造を有し得る。また、第1の無機絶縁膜33e及び第2の無機絶縁膜33fが積層された構造を一サイクル(cycle)として複数のサイクルが積層される多層構造を有し得る。さらに、金属膜33a又は無機絶縁膜33bの単一層の薄膜構造が繰り返して積層して積層された構造物で形成されてもよい。
【0163】
障壁層33を互いに異なる材料を含む多層構造で形成すると、アレイ基板10の前面方向に湿気が浸透することを防止する障壁特性が向上し得る。
【0164】
第2の粘着層32は、補強基板40に向かい合って位置する。第2の粘着層32は、補強基板40を固定する役割を果たし、粘着性を有する高分子材料を含めて構成され得る。
【0165】
第2の粘着層32は、カルボキシル基が含まれていない高分子材料からなる。例えば、第2の粘着層32は、それぞれカルボキシル基が含まれていないオレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー、アクリレート(Acrylate)系ポリマー、アミン系ポリマー、フェノール系ポリマー及び酸無水物系ポリマーから選択された高分子材料からなってもよい。
【0166】
第2の粘着層32は、カルボキシル基が含まれていない高分子材料で形成することで、障壁層33が損傷することを防止して、表示装置の不良が発生することを予防することができる。これによって、表示装置の信頼性を確保することができる。
【0167】
具体的に、粘着層は、粘着対象との接着のために粘着性を有する高分子材料を用いている。しかし、粘着性を有する高分子材料にカルボキシル基が含まれていれば、障壁層33が損傷して、表示装置の不良の原因になり得る。以下、図面を参照して説明することとする。
【0168】
図16a、
図16b、
図17及び
図18は、粘着層を構成する材料による不良が発生するか否かを説明するために示した写真である。
【0169】
例えば、
図16a及び
図16bを参照すると、障壁層33がアルミニウムのような金属材料からなる場合、カルボキシル基の含まれた高分子材料が含まれた粘着層を適用すれば、障壁層33を構成している材料と粘着層の間の化学反応によって粘着層上に複数の気泡(BB,air bubbles)が形成される(
図16a)。
【0170】
複数の気泡は、粘着層と接触している障壁層33まで拡散して、障壁層33の表面にも複数の気泡が発生するようになる。障壁層33の表面に発生した気泡は、酸素又は水分の浸透経路になり、金属材料からなる障壁層33を腐食させるようになり、この腐食した部分へさらに酸素又は水分が浸透することによって、パネルの前面に不良(Df)を引き起こし得る(
図17参照)。
【0171】
特に、
図18に示したように、かかる気泡が障壁層33の末端部(E,edge)上に発生すると、末端部(E)の気泡の空隙を通じた水気浸透速度が早くなるにつれて、障壁層33の腐食(Cr)速度もさらに早く行われ得る。
【0172】
また、障壁層33が無機絶縁材料を含めてなる場合は、カルボキシル基が含まれている高分子材料を粘着層として用いると、障壁層23の表面が凸凹になり得る。言い換えれば、障壁層23の膜均一度が低下し得る。膜均一度が低下すると、粘着能力が低くなり、障壁層23に損傷が発生する場合、パネルに不良を引き起こし得る。
【0173】
これに対して、本発明の実施例によってカルボキシル基が含まれていない高分子材料を第2の粘着層32として用いる場合、
図16bで示したように、第2の粘着層32の表面に気泡が発生することなく滑らかな表面を維持することができ、障壁層33の腐食を防止することで、良質のパネルを形成することができる。また、障壁層33の膜均一度も均一に維持することができ、粘着能力が低下することを防止することができる。
【0174】
第2の粘着層32は、発光アレイ120と接触していないことから、吸湿性無機フィラーは含まず、粘着性の第2の高分子材料321と金属材料の第2パーティクル322のみを含めて形成することができる。金属材料の第2パーティクル322が第2の粘着層32内に含まれることによって、粘着性の第2高分子材料321の単一物質からなる場合よりも相対的に高い熱伝導性を有し得、放熱効果が向上し得る。
【0175】
第2の粘着層32上には平板状の補強基板40が配置され得る。補強基板40は、障壁層33に向かい合う第2の粘着層32の一面と対向する他面に位置し得る。
【0176】
補強基板40は、発光アレイ120が発光する際の熱を効果的に分散させ、かつ放熱が可能であるように金属材料を含めて構成され得る。例えば、補強基板40は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe又はZn成分が含まれた金属材料又はこれらの合金からなってもよい。他の例において、補強基板40は、ガラス又は高分子プラスチック材料を含めて構成され得る。
【0177】
金属材料のうち、熱伝導度が高い方に属する鉄とニッケルの合金からなるインバー(Invar)の熱伝導度は16W/K.mであり、ステンレス鋼(SUS)の熱伝導度は23.9W/K.mである。これに反して、アルミニウム(Al)の熱伝導度は193W/K.mであって、インバー(Invar)及びステンレス鋼(SUS)よりも熱伝導度が約10倍程高くて、より効果的に熱を分散させることができる。これによって、アルミニウム(Al)からなる補強基板40は、インバー(Invar)又はステンレス鋼(SUS)を補強基板40に導入する場合よりも高い放熱効果を確保することができる。
【0178】
特に、熱伝導度は、表示装置の放熱に係り、パネルの内部温度に影響を及ぼすことによって、残像及び発光アレイの寿命と関連性が高い。例えば、熱伝導度が高いほど、パネルの内部温度が減少し、温度が減少するにつれてパネル上に残像が発生することを減少させることができ、発光アレイの寿命も増加する利点を具現することができる。
【0179】
図19は、金属材料別にパネルの内部で測定された最大温度及び残像改善率を示した表である。
【0180】
図19を参照すると、補強基板40を構成する材料としてインバー(Invar)を用いる場合、パネルの内部で測定された最大温度は、40.3度と測定された。これに対して、補強基板40を構成する材料としてアルミニウム(Al)を用いる場合は、パネルの内部で測定された最大温度は、アルミニウム(Al)の厚さを1.0mmとする場合は34.6度と測定され、1.5mmとする場合は34度の温度を示めすものと測定された。
【0181】
言い換えれば、アルミニウム(Al)を補強基板40として用いる場合、パネルの内部で測定された最大温度がインバー(Invar)を補強基板40として用いる場合よりも5.7度及び6.3度低い温度(△T)を示すことによって、アルミニウムの高い熱伝導度によってパネルの内部温度が効果的に減少することを確認することができる。
【0182】
パネルの内部最大温度が1度低くなるほど、基礎残像が改善する割合は、約4%ずつ高くなることから、アルミニウム(Al)の厚さを1.0mmとする場合は、残像改善率がインバー(Invar)の場合に対比して、22.8%高くなり、アルミニウム(Al)の厚さを1.5mmとする場合は、25.2%高くなる。すなわち、アルミニウムがインバーよりも放熱効果が高いことを確認することができる。
【0183】
また、同じアルミニウム(Al)材料を補強基板として適用する場合も、アルミニウムの厚さによって熱伝導度に変化が表れることを確認することができる。言い換えれば、アルミニウムの厚さが厚いほど、熱伝導度も高くなる。これによって、補強基板40は、熱を効果的に分散させ、放熱効果を向上させるために0.3mm~1.5mmの範囲の厚さに具現する。
【0184】
さらに、アルミニウム(Al)は、密度が2.68g/cm3であり、密度が8.2g/cm3であるインバー(Invar)及び7.7g/cm3であるステンレス鋼(SUS)と比較して密度が相対的に低くて重さが軽い。これによって、同じ厚さで補強基板に適用する場合、パネルの重さを2倍~3倍減少させることによって、表示装置のスリム化及び軽量化が可能である。
【0185】
第1の粘着層31の厚さ(31th)及び第2の粘着層32の厚さ(32th)は、不良が発生することを防止できる厚さ以上に限定することができる。ここで、不良は、一例であり、各々の第1の粘着層31及び第2の粘着層32上に孔が発生するものと理解することができるが、これに限定されるものではない。
【0186】
また、第1の粘着層31の厚さ(31th)及び第2の粘着層32の厚さ(32th)は、工程上の不良が発生することを防止できる臨界厚さ以下に限定され得る。ここで、工程上の不良は、異物が挿入されるか押される現象によって厚さ均一度が低下するなどの現象と理解することができる。また、粘着層が臨界厚さよりも厚くなる場合、外部によって露出する面積が増加することから水分の浸透が容易になり得、不良が発生し得る。
【0187】
例えば、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)は、10μm~100μmの範囲であってもよい。第1又は第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)を10μmよりも薄い厚さで形成する場合、孔不良が発生し得ることから、少なくとも10μmよりも厚い厚さで形成するのが好ましい。また、第1又は第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)を100μmよりも厚い厚さで形成する場合には工程上の不良が発生し得る。
【0188】
また、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)を足した総厚さは、補強基板40の固定に対する信頼度を確保することができる厚さ(40th)で限定され得る。ここで、補強基板40の固定に対する信頼度は、補強基板40の厚さが厚くなる場合も、補強基板40が第2の粘着層32から分離されないように固定し得ると理解することができる。例えば、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)を足した総厚さは、少なくとも20μmよりも厚い厚さで形成するのが好ましい。
【0189】
障壁層33の厚さ(33th)は、10μmよりも大きく、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)よりも小さい範囲内であってもよい。こうすると、障壁層33の孔及び/又はピンホールの不良が防止され得ながらも、障壁層33によって密封構造物30の厚さ(30th)が不要に増加することを防止することができる。
【0190】
これによって、本発明の一実施例による密封構造物30は、障壁層33の上下部にそれぞれ第1の粘着層31及び第2の粘着層32が位置することで、単一層の粘着層で構成する場合よりも工程不良がなく、安定した形状のさらに厚い厚さの密封構造物30を具現することができる。
【0191】
また、より厚い厚さの密封構造物30を具現することができることから、密封構造物30によって固定される補強基板40もより厚い厚さを有するように具現することができる。また、密封構造物30を多層構造で構成することによって、補強基板40をより厚い厚さを有するように形成する場合も、押される現象のような不良が発生しない、かつアレイ基板10と補強基板40を安定的に合着させることができる。
【0192】
また、密封構造物30によって補強基板40をより厚く形成することができるようになり、発光アレイ120から発光する際の熱を効果的に分散させて放熱量を向上させることができる。これによって、発熱によって発生し得る反り現象を軽減させることができる。
【0193】
一方、さらに
図11~
図14を参照すると、表示装置は、アレイ基板10に接続される少なくとも一つ以上の軟性回路基板22と、軟性回路基板22と連結される印刷回路基板24をさらに含む。各々の軟性回路基板22にはデータ駆動部(
図2の62)に対応する集積回路チップ21が実装されている。また、印刷回路基板24にはタイミングコントローラ(
図2の61)に対応する集積回路チップ23が実装されている。
【0194】
印刷回路基板24は、補強基板40の一面上に配置される。各々の軟性回路基板22の一側は、軟性回路基板22のパッド部22pを介してアレイ基板10のパッド部10pと電気的に接続され、軟性回路基板22の他の一側は、印刷回路基板24のパッド部(未図示)に接続される。
【0195】
軟性回路基板22は、補強基板40からアレイ基板10に長方形のライン状に延びた形態で配置される。ここで、軟性回路基板22が堅い材質であり、かつ多少荒い面を有する補強基板40の縁部に接触されると、軟性回路基板22に損傷が発生し得る。これによって、補強基板40の幅(w1)は、密封構造物30の幅(w2)よりも小さい幅を有する。
【0196】
具体的に、密封構造物30の一側末端部(ed1)は、アレイ基板10の一側末端部(ed3)から発光アレイ120の配置された内側方向に第1間隔(a1)だけ離隔して位置する。密封構造物30の一側末端部(ed1)と対向する他側末端部(ed2)は、アレイ基板10の他側末端部(ed4)から第2間隔(a2)だけ離隔して位置し得る。ここで、アレイ基板10の一側末端部(ed3)には複数のパッド部10pが配置されていることから、第1間隔(a1)は、第2間隔(a2)よりも相対的に大きい間隔で離隔し得る。
【0197】
また、補強基板40は、密封構造物30の一側末端部(ed1)から第1 間隔(b1)だけ離隔して位置し、他側末端部(ed2)から第2間隔(b2)だけ離隔して位置し得る。これによって、密封構造物30のうち第2の粘着層32の表面一部は、補強基板40で覆われずに露出する。
【0198】
一方、補強基板40の厚さを調節して、補強基板40が密封構造物30の一側末端部(ed1)からアレイ基板10の配置された内側方向に離隔する第1間隔(b1)である移動偏差値(Shift Off-set,C)を調節することができる。移動偏差値(C)を調節することで、軟性回路基板22が補強基板40又は密封構造物30と接触して損傷することを防止することができる。
【0199】
さらに、表示装置のナローベゼル(narrow bezel)を具現することができる効果のために、軟性回路基板22及び密封構造物30それぞれは、アレイ基板10の一側末端部(ed3)からそれぞれ最小間隔(S1,S2、
図14参照)だけ離隔して位置するようになり、補強基板40も移動偏差値(C)を考慮して、密封構造物40の一側末端部(ed1)から第1間隔(b1、
図13参照)だけ離隔して配置される。
【0200】
すなわち、ナローベゼルを具現可能な効果を極大化するために、補強基板40は、アレイ基板10の一側末端部(ed3)から発光アレイ120の配置されている内側方向に最小間隔だけ離隔するものの、アレイ基板10の表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面と重畳するように配置され得る。
【0201】
アレイ基板10の発光面の反対側、つまり非発光面に密封構造物30及び補強基板40が順次に積層して配置され得る。これによって、アレイ基板10、密封構造物30及び補強基板40は、階段式形状を有するように配置される。階段式形状の最下層部は、アレイ基板10の非発光面である非表示領域(NA)の一部が露出する領域であり、中間層は、密封構造物30の第2の粘着層32の上面の一部が露出する領域であり、最上層部は、補強基板40の上面が露出する領域である。一例において、表示装置は、アレイ基板10の4側面方向からそれぞれ視るとき、前記階段式形状を有し得る。他の例において、表示装置は、複数のパッド部10p,22pが配置されているアレイ基板10の少なくとも一方向から視るとき、前記階段式形状を有し得る。
【0202】
かかる階段式形状を有する表示装置は、平面視、アレイ基板10、密封構造物30及び補強基板40の面積がそれぞれ相違する大きさを有し得る。一例において、平面視、アレイ基板10、密封構造物30及び補強基板40のうち、アレイ基板10の面積が相対的に最も大きく、補強基板40の面積が相対的に最も小さくてもよい。そして、密封構造物30は、アレイ基板10の面積よりは小さく、補強基板40の面積よりは大きい面積を有し得る。他の例において、4個の辺のうち3個の辺が補強基板40の辺と重畳し、密封構造物30の4個の辺のうち補強基板40と重畳しない他の辺が露出して、その上に複数のパッド10p,22pが配置され得る。
【0203】
以下、
図14及び下記の[式1]を参照して、移動偏差値(C)について説明することとする。
【0204】
【0205】
C=移動偏差値(Shif Off-set)
B=密封構造物の厚さ+補強基板の厚さ
A=パッド部と密封構造物の間の距離
【0206】
図14及び[式1]を参照すると、補強基板40が密封構造物30の一側末端部(ed1)から第1間隔だけ内側方向に離隔する位置が変わる値を移動偏差値(shift off-set,C)と定義し得る。傾斜角(θ)は、一側はアレイ基板10と接続され、他の一側は印刷回路基板24に接続されながら発生する軟性回路基板22の傾斜角と定義し得る。そして、パッド部と密封構造物の間の距離(A)は、密封構造物30の末端部及び前記密封構造物30の一側末端部に向かい合う方向に位置するアレイ基板10上に配置されたパッド部10pの一側末端部の間の距離と定義し得る。
【0207】
移動偏差値(C)は、密封構造物40と補強部材40の厚さ和(B)が大きくなるほど、大きい値を有することになる。
【0208】
アレイ基板10上のパッド部10pは、モジュールの損傷が発生し得る可能性のため位置が固定されており、密封構造物30の位置も固定されていることから、パッド部と密封構造物の間の距離(A)値は、ほぼ固定した値を有する。また、軟性回路基板22の傾斜角(θ)は、5度~30度の傾斜角度範囲を有し、好ましくは、約11.3度であってもよい。次の実施例は、軟性回路基板22の傾斜角(θ)が約11.3度を維持する場合について説明する。これによって、移動偏差値(C)は、密封構造物40の厚さと補強基板40の厚さの和(B)の値によって定められる。特に、補強基板40の厚さ変化に従って移動偏差値(C)が変化し得、補強基板40が密封構造物30の一側末端部(ed1)から表示領域のアレイ基板10の配置された内側方向に移動して配置され得る。以下、[表1]を参照して説明することとする。
【0209】
【0210】
[表1]は、パッド部と密封構造物の間の距離(A)、密封構造物30の厚さ及び軟性回路基板22の傾斜角(θ)が同じ値を有する場合、補強基板40の厚さに変化を与えたとき、移動偏差値(C)の変化を測定して示した表である。[表1]における実施例1~実施例7を参照すると、補強基板40の厚さが0.3mmから5.0mmまで増加する場合、移動偏差値(C)も2.0mmから25mmまで増加することを確認することができる。
【0211】
言い換えれば、補強基板40の厚さが0.3mmから5.0mmまで増加すると、補強基板40が密封構造物30の一側末端部(ed1)から表示領域のアレイ基板10の内側方向に2.0mm~25mmまで移動して配置させ得ると理解することができる。
【0212】
移動偏差値(C)が大きくなるほど、補強基板40が移動配置される離隔距離が増加することから、軟性回路基板22が補強基板40と接触して発生する損傷を減少させることができる。また、補強基板40の厚さが厚くなるほど、軟性回路基板22が密封構造物30の一側角部に接触することも防止することができる。
【0213】
一方、上述したように、移動偏差値(C)が大きくなるほど、軟性回路基板20の損傷は防止できる反面、臨界範囲を超えると、補強基板40の放熱効果が低下し、アレイ基板10と補強基板40との合着力が低下するか、またはパネルが反る反り現象が増加し得る。これによって、移動偏差値(C)は、臨界範囲を越えないように限定するのが好ましい。一例において、補強基板40は、表示領域(AA)と同じ大きさの領域を有するか、表示領域(AA)から非表示領域(NA)方向に延びて、非表示領域(NA)と重畳するように位置する大きさの領域を有する場合、放熱効果を維持することができる。
【0214】
具体的に、補強基板40が表示領域(AA)よりも小さい幅又は小さい大きさを有するようになると、アレイ基板10上の表示領域(AA)上に補強基板40によって覆われていない未重畳領域が発生するようになる。未重畳領域が発生すると、この部分のアレイ基板10で発生した駆動熱に対する放熱性能が低下して、該領域における残像が発生する問題を引き起こす。
【0215】
これによって、補強基板40の放熱特性を確保しながら、表示装置のナローベゼル及びスリム化を維持するように移動偏差値(C)は、臨界範囲内に限定するのが好ましい。移動偏差値(C)の臨界範囲は、表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面を基準に、非表示領域(NA)の幅(NAW)の範囲内で設定することができる。以下、[式2]を参照して説明することとする。
【0216】
【0217】
ここで、Dは、非表示領域(NA)の幅(NAW)のうちどれ位多い部分が補強基板40と重畳するかを示す割合(百分率)を示し得る。非表示領域(NA)の幅(NAW)は、アレイ基板10の一側末端部から表示領域(AA)までの距離と理解することができる。パッド部のマージン幅は、アレイ基板10の一側末端部から密封構造物30の一側末端部までの距離と理解することができる。また、Cは、移動偏差値と理解することができる。この場合、非表示領域(NA)の幅(NAW)は、固定されており、密封構造物30の位置も固定されていることから、パッド部のマージン幅も固定した値を有する。
【0218】
これによって、[式2]を参照すると、移動偏差値(C)が変化することによって補強基板40が配置され得るため、移動偏差値(C)の臨界範囲は、割合(D)の範囲に基づいて決定され得る。
【0219】
例えば、[表1]の実施例1~実施例7は、非表示領域(NA)の全体幅を約9mmと構成し、パッド部のマージン幅を約2mmと構成して測定した。しかし、上述した非表示領域(NA)の全体幅及びパッド部のマージン幅の値は、本明細書の実施例を説明するために示したものであり、これに限定されるものではない。
【0220】
この場合、実施例1における割合(百分率)(D)は、54%である。実施例5における割合(百分率)(D)は、-35.9%である。非表示領域(NA)の幅(NAW)に対して、非表示領域(NA)における補強基板40が重畳する部分の割合(百分率)(D)が-35.9%である場合、補強基板40は、非表示領域(NA)の幅(NAW)全体及び表示領域(AA)の一部まで露出するように配置される。すなわち、表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界における表示領域(AA)方向の内側に補強基板40が配置される。
【0221】
補強基板40が非表示領域(NA)の幅(NAW)で占める割合(D)が(-)値を有する場合、補強基板40が非表示領域(NA)をいずれも露出させ、表示領域(AA)の一部領域まで露出させることによって、この部分のアレイ基板10で発生した駆動熱に対する放熱性能が低下する問題を引き起こし得る。
【0222】
これによって、補強基板40の放熱特性を確保しつつ、表示装置のナローベゼル及びスリム化を維持できる移動偏差値(C)は、表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面を基準に、補強基板40が非表示領域(NA)の幅(NAW)で占める割合(D)が10%よりも大きい値を有し、55%よりは小さい値を有する範囲を補強基板40を移動して配置することができる臨界範囲に限定され得る。また、好ましくは、少なくとも表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面と重畳して補強基板40を配置するようにする。
【0223】
これによって、補強基板40は、表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面を基準に、非表示領域(NA)の幅(NAW)の10%~55%の範囲を満たしつつ、補強基板40の厚さが増加すると、補強基板40は、密封構造物30の最上部表面の一部が露出するように密封構造物30よりも小さい幅で構成されるようになる。
【0224】
補強基板40が前記臨界範囲路から外れるように配置されると、上述したように、放熱性能が低下するにつれて、アレイ基板10上で発熱が多く発生して、相対的に温度の高いパッド部10pの周辺領域では、発熱によってパネルが反る反り現象により、アレイ基板10のパッド部10pと軟性回路基板22のパッド部22pの合着が分離されるなど、合着に係る問題が発生し得る。また、補強基板40の厚さを臨界厚さよりもさらに厚く形成して、移動偏差値(C)の臨界範囲から外れるように配置されると、アレイ基板10の非表示領域(NA)、つまりベゼル領域は、増加するしかなく、これによって、ナローベゼルを具現することができなくなる。
【0225】
これに対して、本発明の実施例によれば、補強基板40の厚さを調節して、移動偏差値(C)を臨界範囲内で調節することで、軟性回路基板22が密封構造物30又は補強基板40と接触して損傷が発生し得ることを防止する。さらに、アレイ基板、密封構造物及び補強基板の間の垂直離隔空間がなくなり、軟性回路基板及び密封構造物又は補強基板の間の水平離隔空間を最小化しつつ、放熱特性を確保して、ナローベゼルを具現可能な利点を具現することができる。
【0226】
図20は、本発明の第5実施例による表示装置を示した図面である。
図21は、
図20のcb断面に対する一例を示した図面である。ここで、上述した他の実施例と異なる構成要素についてのみ説明することとする。
【0227】
図20を参照すると、本発明の第5実施例による表示装置において、密封構造物30は、保護構造物295をさらに含めて構成され得る。保護構造物295は、第2の粘着層32上に配置され、補強部材40に向かい合う一面及び前記一面と対向しながら第2の粘着層32に向かい合う他面を含めて構成される。保護構造物295は、密封構造物30の最上部に位置し得る。保護構造物295は、保護層280、除電コーティング膜290及び粘着補強フィルム285を含めてなってもよい。保護層280は、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate、以下、PETとも言う。)を含む絶縁材料からなってもよい。
【0228】
保護構造物295は、表示装置の剛性(rigidity)をさらに確保するために第2の粘着層32上に導入する。剛性は、ある物体が力を受けるとき、模様や嵩の変形に対して抵抗しようとする性質と理解することができる。保護構造物295を密封構造物30にさらに含めて構成することで、表示装置に外部から衝撃が加えられたとき、下部の発光アレイ120を備えたアレイ基板10が損傷することを防止することができる。さらに、アレイ基板10及び補強基板40を合着して維持する側面からも、保護層280の物性及び固有性質による傷補完効果により、表示パネルが反る反り現象を軽減させることができる。ここで、保護構造物295は、合着補強剛性層と称することができる。
【0229】
補強部材40に向かい合う保護層280の一面には、除電処理して形成された除電コーティング膜(anti-static coating film)290が配置され、第2の粘着層32に向かい合う他面には離型処理して形成された粘着補強フィルム285が配置され得る。
【0230】
保護層280は、絶縁体であるPETで構成されており、PETは、1011Ω/sqよりも高い面抵抗値を有しており、静電気的な引力が高い。すると、保護層280を含む密封構造物の移送時、2枚以上の密封構造物が互いに分離されないか、工程過程中に落下して破損する問題が発生し得る。また、静電気的な引力が高いことから、静電気が発生して、表示装置上に不良と作用し得る。
【0231】
これによって、保護層280の一面に導電性物質をコーティングする除電処理によって除電コーティング膜290を形成して、静電気発生量を減少させることができる。除電コーティング膜290を形成することで、保護層280は、静電分散性を有する面抵抗を有し得る。例えば、除電コーティング膜290が形成された保護層280は、105~1010Ω/sqの範囲の面抵抗値を有する。除電コーティング膜290は、粘着性を有する導電性物質を保護層280上に塗布して形成することができる。一例において、除電コーティング膜290は、導電性接着剤(conductive adhesive)を含んでいてもよい。ここで、第2の粘着層32がカルボキシル基の含まれていない高分子材料を含めてなっていることから、保護層280の他面に形成された粘着補強フィルム285との接着力を向上させることができる。例えば、第2の粘着層32をカルボキシル基の含まれていないオレフイン(olefin)系高分子材料を含めてなる場合、粘着補強フィルム285を保護層280から除去すると、保護層280と第2の粘着層32の間の粘着力が低下し得る。これによって、保護層280と第2の粘着層32の間に粘着補強フィルム285を配置して、保護層280と第2の粘着層32の間の粘着力を維持することができる。
【0232】
表示装置の剛性をさらに確保するため保護層280の厚さは、30μmよりも厚く、100μmよりも薄い厚さを有するのが好ましい。
【0233】
すなわち、ナローベゼルを具現可能な効果を向上させるために、補強基板40は、アレイ基板10の一側末端部(ed3)から発光アレイ120の配置されている内側方向に最小間隔だけ離隔するものの、アレイ基板10の表示領域(AA)と非表示領域(NA)の境界面と重畳するように配置され得る。
【0234】
一方、アレイ基板10の発光面の反対側、つまり非発光面に密封構造物30及び補強基板40が順次に積層して配置され得る。これによって、アレイ基板10、保護構造物295が備えられた密封構造物30及び補強基板40は、階段式形状を有するように配置される。階段式形状の最下層部は、アレイ基板10の非発光面である非表示領域(NA)の一部が露出する領域であり、中間層は、密封構造物30の保護構造物295上面の一部が露出する領域で、最上層部は、補強基板40の上面が露出する領域である。一例において、表示装置は、アレイ基板10の4側面方向からそれぞれ視るとき、前記階段式形状を有し得る。
【0235】
一方、密封構造物30の最上部に位置する保護構造物295の保護層280の厚さが厚くなるほど、表示装置の剛性も増加して、パネルの損傷を防止することができる。以下、図面を参照して説明することとする。
【0236】
図22は、保護層の厚さ変化による表示装置の剛性評価結果を示した表である。
図23a~
図23fは、剛性評価時、補強基板の傷及びパネル上に発生した暗点を示した写真である。
【0237】
表示装置の剛性評価は、補強基板40の露出面に剛性評価用検査装備を利用して一定した力、例えば、1kgfの力から5kgfの力までそれぞれ30秒間加圧した後、パネル上に暗点が発生したか否かを確認して、不良有無を判断することができる。剛性評価用検査装備は、プッシュプルゲージ装置により尖った形態のチップを利用して測定した。
【0238】
ここで、比較例は、補強基板としてインバー(Invar)材料を用い、第2の粘着層、障壁層及び保護層などは適用せずに評価を行った。第1実験例~第5実験例は、補強基板としてアルミニウム材料を用いて、第2の粘着層32上に保護層280が配置された構造に対して評価を行った。ここで、第1実験例~第3実験例は、保護層280の厚さは固定した状態で、第2の粘着層32の厚さを変更した場合であり、第4実験例及び第5実験例は、第2の粘着層32の厚さは固定した状態で、保護層280の厚さを変更した場合を示す。
【0239】
具体的に、第1実験例は、第2の粘着層32の厚さを50μmとし、保護層280の厚さは、75μm厚さとして測定した。第2実験例は、第2の粘着層32の厚さを30μmとし、保護層280の厚さは、75μm厚さとして測定した。第3実験例は、第2の粘着層32の厚さを15μmとし、保護層280の厚さは、75μm厚さとして測定した。第4実験例は、第2の粘着層32の厚さを50μmとし、保護層280の厚さは、100μm厚さとして測定した。そして、第5実験例は、第2の粘着層32の厚さを50μmとし、保護層280の厚さは、38μm厚さとして測定した。
【0240】
かかる剛性評価を行った結果、
図22の表で示したように、比較例では、1kgf~4kgfの範囲では、傷性の暗点が発生しなかったが、5kgfの力を印加時、傷性の暗点が発生する不良が発生した。これは、パネル上に発生した暗点を示した
図23bで確認することができる。比較例において、5kgfで剛性評価を行った補強基板の表面を示した
図23a及びパネルの画素を示した
図23bを参照すると、補強基板の表面に傷マーク(M1)が表された場合、パネルの画素上にも暗点不良(D1)が表されることを確認することができる。
【0241】
これに対して、第1~第4実験例では、1kgf~5kgfの範囲でいずれも不良が発生しなかった。具体的に、第3実施例において、それぞれ4kgf及び5kgfの力で剛性評価を行った補強基板の表面を示した
図22c及び
図23eと、パネルの画素を示した
図23d及び
図23fを参照すると、補強基板の表面上には傷マーク(M2,M3)が発生したが、パネルの画素上には暗点不良が発生しないことを確認することができる。
【0242】
また、第1実験例よりも第2の粘着層32の厚さは同一であるものの、保護層280の厚さが38μmと、相対的に薄い厚さを利用して評価した第5実験例では、不良が発生した。
【0243】
上述した評価から、第2の粘着層32上に保護層280を配置することで、下部の構造物を外部衝撃から保護できることを確認することができる。特に、保護層280の厚さが厚いほど、剛性をさらに確保することができることから、表示装置に外部から衝撃が発生する場合も、アレイ基板10上の発光アレイ120に損傷が発生することを防止できることを確認することができる。
【0244】
一方、表示装置の剛性を確保するために保護層280の厚さが厚いのが好ましいが、臨界厚さを超えると、表示装置を構成する構造物の間の熱膨脹係数差によって反り(warpage)現象が増加して、表示装置が破損し得る。これによって、保護層280の厚さは、臨界厚さを越えないのが好ましい。以下、図面を参照して説明することとする。
【0245】
図24は、保護層の厚さ変化によるパネルの反り量を示した表である。
【0246】
パネルの反り量を測定するために、70度に工程チャンバの温度を上昇させた後、常温でパネルが反る量を測定した。パネルが反る量は、検査用石定盤(surface plate)上にパネルのアレイ基板10の位置する面が石定盤の面に向かい合うように配置し、反り量測定者を利用してパネルの4角で反った量を測定する方式により測定することができる。
【0247】
図24を参照すると、第1実験例~第3実験例は、第2の粘着層32の厚さは、いずれも50μm厚さと同一であり、保護層280の厚さを38μm(第1実験例)、75μm(第2実験例)及び100μm(第3実験例)に変化させてパネルが反る量を測定した。
【0248】
第1実験例~第3実験例の結果を参照すると、工程チャンバに入る前である初期水平程度は、第1実験例~第3実験例いずれも反らなかった。
【0249】
これに対して、工程チャンバの温度を70℃に上昇させた後に、パネルが反った量を測定した結果、保護層280の厚さが相対的に最も薄い第1実験例では、反る程度が2.5mm~6mmの範囲を有する反面、保護層280の厚さが厚くなるほど、反る程度が増加し(第2実験例)、保護層280の厚さが相対的に最も厚い第3実験例では、パネル破損する不良が発生することを確認することができる。
【0250】
このような測定結果を通じて、表示装置の剛性を確保するためには、保護層280の厚さが厚いのが好ましいが、臨界厚さを超えると、パネルが破損し得ることから、保護層280の厚さは、臨界厚さを越えないように限定するのが好ましい。一例において、保護層280は、表示装置の剛性を確保しつつ、パネルが反って破損することを防止できる臨界厚さとして38μm~75μm厚さで形成するのが好ましい。
【0251】
また、本発明の一実施例による表示装置によれば、密封構造物30を多層構造で形成し、多層構造で構成された密封構造物30上に補強基板40を配置することで、単一層で密封構造物を配置して補強基板を配置する場合よりも、表示装置が反る反り(warpage)現象が軽減し得る。以下、
図25を参照して説明することとする。ここで、第1実施例のように、補強基板40は、合着基板、密封構造物30は、合着構造物と称することができる。
【0252】
図25は、密封構造物の構成によるパネルの反り量変化を示したグラフである。
【0253】
図25を参照すると、比較例1(CE1)のグラフは、アレイ基板10上に粘着層の単一層及び補強基板40を配置し、工程チャンバの温度を85度で行ってパネルが反る量を示したグラフであり、比較例2(CE2)のグラフは、アレイ基板10上に粘着層の単一層及び補強基板40を配置し、工程チャンバの温度を60度で行ってパネルが反る量を示したグラフである。
【0254】
また、実施例1(EM1)及び実施例2(EM2)のグラフは、アレイ基板10上に多層構造で構成された密封構造物30及び補強基板40を配置し、工程チャンバの温度を85度で行う場合(実施例1、EM1)と、工程チャンバの温度を60度で行いながら、アレイ基板10上に多層構造で構成された密封構造物30及び補強基板40を配置した場合(実施例2、EM2)を示したグラフである。ここで、多層構造で構成された密封構造物30は、第1の粘着層30と、障壁層33、第2の粘着層32が積層された構造と理解することができる。ここに保護層280が追加され得る。また、障壁層33は、アルミニウム(Al)系金属材料を適用し、補強基板40は、アルミニウム(Al)系金属材料を適用することができる。
【0255】
パネルが反る量は、検査用石定盤(surface plate)上にアレイ基板10の位置する面が石定盤の面に向かい合うように配置し、反り量測定子を利用してパネルの4角で反った量を測定する方式により測定することができる。
【0256】
比較例(CE1,CE2)及び実施例(EM1,EM2)を参照すると、同じ温度で行うとき、多層構造で構成された密封構造物30を適用する実施例(EM1,EM2)のパネルの反り量が、粘着層の単一構造物で配置した比較例(CE1,CE2)のパネルの反り量よりも小さいことを確認することができる。
【0257】
特に、85度の工程チャンバの温度よりも60℃と下げる場合、反り量は、85度で行う場合の58%水準にさらに減少することを確認することができる。
【0258】
また、補強基板40の厚さが厚くなるほど、反り量はさらに減少することを確認することができる。例えば、多層構造で構成された密封構造物30及び補強基板40を配置し、工程チャンバの温度が60度である実施例2(EM)における補強基板40の厚さが0.1mmである場合、反り量は400mmに近いものの、同じ構造物における補強基板40の厚さが1mmである場合の反り量は、200mmよりも小さい値を有することから、反り量が50%以上減少することを確認することができる。
【0259】
かかる実験例によるグラフから、多層構造で構成された密封構造物30を適用しながら、補強基板40の厚さを厚くする場合、単一層で密封構造物を配置する場合よりも、表示装置が反る反り(warpage)現象が軽減し得ることを確認することができる。
【0260】
また、本発明の一実施例による表示装置によれば、密封構造物30の厚さが厚いほど、同じ厚さの補強基板40を適用時、パネルが反る反り現象が軽減し得る。以下、
図26~
図28を参照して説明することとする。
【0261】
図26は、パネルの反り変化量を図式的に示した図面である。
図27は、高温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフである。そして、
図28は、常温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフである。
【0262】
図26を参照すると、パネルの反りは、アレイ基板を基準に、アレイ基板の中心部分が凸に突出すると、反り変化量は、ネガティブ(-)値を有すると定義し、アレイ基板の中心部分が凹に折られると、反り変化量は、ポジティブ(+)値を有すると定義し得る。ここで、密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定するために、アレイ基板上に密封構造物及びアルミニウム(Al)材料からなる補強基板が配置されたパネル構造物を適用した。一例において、密封構造物は、第1の粘着層、障壁層及び第2の粘着層からなるか、または第1の粘着層、障壁層、第2の粘着層及び保護構造物からなってもよい。
【0263】
反り変化量は、工程チャンバ内に上述した構造物を配置し、工程チャンバの温度を高温、例えば、60度の温度まで加熱してパネルが反ることを測定し、パネルがさらに平らになるまで維持した後、工程チャンバの温度を常温まで冷却させて、常温でパネルが反ることを測定した。
【0264】
アレイ基板上に密封構造物及びアルミニウム(Al)材料からなる補強基板が配置されたパネル構造物は、60μm厚さを有する密封構造物及び0.6mm厚さを有する補強基板を提供する第1実験例(EX1)と、480μm厚さを有する密封構造物及び0.6mm厚さを有する補強基板を提供する第2実験例(EX2)と、60μm厚さを有する密封構造物及び1.0mm厚さを有する補強基板を提供する第3実験例(EX3)と、480μm厚さを有する密封構造物及び1.0mm厚さを有する補強基板を提供する第4実験例(EX2)を利用して測定した。
【0265】
かかる測定方法によって、高温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフである
図27で示したように、第1実験例(EX1)及び第2実験例(EX2)を比較すると、同じ厚さを有する補強基板を適用する場合、密封構造物の厚さが厚くなる第2実験例(EX2)で反り変化量が減少することを確認することができる。また、補強基板の厚さは、第1実験例(EX1)及び第2実験例(EX2)よりも相対的に厚い第3実験例(EX3)及び第4実験例(EX4)で反り変化量がさらに小さく示されることを確認することができる。
【0266】
また、室温で密封構造物の厚さ変化による反り変化量を測定したグラフである
図28を参照すると、第1実験例(EX1)及び第2実験例(EX2)で反り変化量がネガティブ(-)方向に減少し、同じ厚さを有する補強基板を適用する場合、密封構造物の厚さが厚くなる第2実験例(EX2)で反り変化量が減少することを確認することができる。また、補強基板の厚さが第1実験例(EX1)及び第2実験例(EX2)よりも相対的に厚い第3実験例(EX3)及び第4実験例(EX4)で反り変化量がさらに小さく表されることを確認することができる。
【0267】
このような高温及び常温反り量がネガティブ(-)方向に減少することは、高温反り量の場合、密封構造物の厚さが厚くなるほど、中立面が移動するにつれて高温反り量が減少し、常温反り量の場合、密封構造物の厚さが厚くなるほど、元の平らな表面に戻ろうとするストレス緩和(stress relaxation)効果がさらに大きく発生するにつれて反り量がネガティブ(-)方向に減少すると理解することができる。
【0268】
本発明の実施例による有機発光表示装置は、多層構造物からなる密封構造物を導入することで、熱伝導度の高い材料からなる補強基板の厚さを確保することができ、剛性の増大及び放熱効果を向上させることができる。また、補強基板の厚さを確保することができ、効果的に熱を分散させることができることから、パネル上に残像が発生することを減少させ、表示装置の寿命を向上させることができる。
【0269】
また、多層構造物からなる密封構造物を導入し、その上部に補強基板を配置することによって、補強基板の厚さが厚くなる場合にも固定に対する信頼度を確保して、アレイ基板と補強基板の合着力を向上させることができる。また、多層構造の密封構造物に障壁層を導入することで、第1の粘着層と第2の粘着層の合着力を向上させることができる。さらに、多層構造物の密封構造物を導入することで、表示装置が反る反り現象を軽減させることができる。加えて、補強基板の厚さを調節して、補強基板の移動偏差値を臨界範囲内で調節することで、軟性回路基板が密封構造物又は補強基板と接触して損傷が発生し得ることを防止しながらナローベゼルを具現することができる。
【0270】
図29は、本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示した図面である。
図30~
図35は、
図29の各ステップを示した工程図である。
【0271】
図29に示されたように、本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、複数の画素領域(PA)に対応する複数の発光素子(OLED)を含む発光アレイ120を備えたアレイ基板10を設けるステップ(S10)、相互対向する第1及び第2の粘着層31,32と、第1及び第2の粘着層31,32の間に配置される障壁層33とを含む密封構造物30を設けるステップ(S20)、及び発光アレイ120が第1の粘着層31で密封されるように、アレイ基板10上に密封構造物30を配置するステップ(S30)とを含む。他の例において、密封構造物30は、第2の粘着層32上に保護構造物295(
図20参照)をさらに含めて構成することができる。
【0272】
また、本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、アレイ基板10上に密封構造物30を配置するステップ(S30)後、平板状の補強基板40を設けるステップ(S40)、及び第2の粘着層32に補強基板40を付着させるステップ(S50)をさらに含んでいてもよい。
【0273】
具体的には、
図30に示されたように、発光アレイ120を備えたアレイ基板10が設けられる(S10)。
【0274】
図2に示したように、アレイ基板10は、表示領域(AA)に定義された複数の画素領域(PA)、及び各画素領域(PA)の画素回路に駆動信号を供給するゲートライン(GL)とデータライン(DL)とを含む。
【0275】
図4に示したように、アレイ基板10は、複数の画素領域(PA)に対応する複数の画素回路を含むトランジスタアレイ110、及び複数の画素領域(PA)に対応する複数の有機発光素子(OLED)を含む発光アレイ120をさらに含む。
【0276】
さらに、
図5に示したように、アレイ基板10は、表示領域(AA)の外部である非表示領域(NA)のうち一部に配置されるパッド部10pをさらに含む。
【0277】
一方、多層構造の密封構造物30が設けられる(S20)。
【0278】
密封構造物30は、第1の粘着層31、障壁層33及び第2の粘着層32が順次に積層された構造からなる。すなわち、密封構造物30は、障壁層33で分離された第1及び第2の粘着層31,32の積層構造からなる。
【0279】
第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)は、10μm~100μmの範囲内で選択される。こうすれば、第1及び第2の粘着層31,32それぞれにおける異物、及び押されることなどの工程不良を防止することができるため、第1及び第2の粘着層31,32を含む密封構造物30の厚さ(30th)が大きくなり得る。
【0280】
すなわち、密封構造物30の厚さ(30th)は、30μm~300μmの範囲内であってもよい。
【0281】
第1の粘着層31は、オレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマーから選択された第1の高分子材料311(
図6参照)からなってもよい。第2の粘着層32は、それぞれカルボキシル基が含まれていないオレフイン(Olefin)系ポリマー、エポキシ(Epoxy)系ポリマー及びアクリレート(Acrylate)系ポリマー、アミン系ポリマー、フェノール系ポリマー及び酸無水物系ポリマーから選択された第2の高分子材料321(
図6参照)からなってもよい。
【0282】
第1及び第2の粘着層31,32それぞれは、粘着性高分子材料311,321と、金属材料のパーティクル等312,322(
図6参照)とを含む混合物からなってもよい。一例として、金属材料の第1パーティクル312は、Niからなるパウダーであってもよい。こうすれば、第1及び第2の粘着層31,32の熱伝導性が向上することで、密封構造物30による放熱効果が向上し得る。ここで、第2の粘着層32は、第1の粘着層31と違って、カルボキシル基が含まれていない粘着性の第2の高分子材料321からなる。
【0283】
または、アレイ基板10に接触される第1の粘着層31は、粘着性の第1の高分子材料311と、金属材料の第1パーティクル312とを含む混合物からなり、第2の粘着層(
図9の32’)は、カルボキシル基が含まれていない粘着性の第2の高分子材料321からなる。こうすれば、第2の粘着層32の接着性が第1の粘着層31よりも向上し得、密封構造物30を設けるコストが軽減し得る。
【0284】
さらに、第1の粘着層31は、吸湿性無機フィラー313をさらに含む混合物からなってもよい。吸湿性無機フィラー313は、CaO、MgO及びBaOのうち少なくとも一つであってもよい。こうすれば、第1の粘着層31による透湿防止効果が向上し得る。
【0285】
障壁層33は、第1及び第2の粘着層31,32を分離させるためのものであって、金属材料及び無機絶縁材料のうちいずれか薄膜からなってもよい。一例として、障壁層33は、Al、Cu、Sn、Ag、Fe、Znなどの金属材料を含めて薄膜(foil)からなってもよい。障壁層33は、他の例において、SiOx及びSiONxなどのような無機絶縁材料の薄膜からなってもよい。
【0286】
障壁層33の厚さ(33th)は、10μmよりも大きく、第1及び第2の粘着層31,32それぞれの厚さ(31th,32th)よりも小さい範囲内であってもよい。こうすれば、障壁層33の孔不良を防止しつつ、障壁層33によって密封構造物30の厚さが不要に増加することを防止することができる。
【0287】
または、
図10に示したように、密封構造物30は、金属材料からなる障壁層33の両側に配置される第1及び第2の補助障壁層34,35のうち少なくとも一つをさらに含んでいてもよい。
【0288】
さらに、密封構造物30を設けるステップ(S20)において、密封構造物30は、両面が第1及び第2の臨時カバー層36,37で覆われた状態で設けることができる。
【0289】
すなわち、密封構造物30を設けるステップ(S20)において、密封構造物30のうち第1の粘着層31が第1の臨時カバー層36で覆われ、第2の粘着層32が第2の臨時カバー層37で覆われた状態で、密封構造物30が設けられる。第1の臨時カバー層36及び第2の臨時カバー層37それぞれは、その後、密封構造物30から容易に除去するために、それぞれ第1の粘着層31及び第2の粘着層32に向かい合う一面にシリコンコーティングのような離型膜が形成され得る。また、第1の臨時カバー層36及び第2の臨時カバー層37の他面には、除電処理して形成された除電コーティング膜が形成され得る。
【0290】
他の例において、密封構造物30の第2の粘着層32上に保護構造物295(
図20参照)をさらに含めて構成する場合には、保護層280の一面に粘着補強フィルム285が形成され、他面に除電コーティング膜290(
図20参照)が形成され得る。
【0291】
次いで、アレイ基板10上に密封構造物30を配置するステップ(S30)は、密封構造物30の第1の粘着層31から第1の臨時カバー層36を除去するステップと、ローラーを用いてアレイ基板10に第1の粘着層31を密着させるステップとを含んでいてもよい。
【0292】
すなわち、
図31に示されたように、第1の臨時カバー層36が密封構造物30から除去され、第1の粘着層31が露出する。
【0293】
また、
図32に示されたように、密封構造物30の第1の粘着層31をアレイ基板10上に整列させた状態で、少なくとも一つのローラー170を用いて所定の圧力を密封構造物30又はアレイ基板10に印加する。これにより、密封構造物30の第1の粘着層31がアレイ基板10上に密着する。
【0294】
次に、
図33に示されたように、平板状の補強基板40が設けられた後(S40)、補強基板40が密封構造物30に付着する(S50)。
【0295】
また、補強基板40を密封構造物30に付着させるステップ(S50)は、密封構造物30の第2の粘着層32から第2の臨時カバー層37を除去するステップと、第2の粘着層32に補強基板40を付着させるステップとを含んでいてもよい。
【0296】
平板状の補強基板40を設けるステップ(S40)において、補強基板40は、ガラス、金属及びプラスチック高分子のうちいずれか材料からなってもよい。密封構造物30の増加した厚さによって、補強基板40の厚さ(40th)は、0.1mm~1.5mmの範囲内であってもよい。
【0297】
図33に示したように、第2の臨時カバー層37は、アレイ基板10上に付着した密封構造物30から除去されて、第2の粘着層32が露出する。
【0298】
他の例において、密封構造物30の第2の粘着層32上に保護構造物295(
図20参照)をさらに含めて構成する場合には、保護構造物295の最上部表面が露出し得る。
【0299】
また、
図34に示されたように、補強基板40が密封構造物30の第2の粘着層32上に付着する(S50)。これにより、補強基板40が密封構造物30を介してアレイ基板10と結合する。
【0300】
本発明の一実施例によれば、補強基板40による剛性がアレイ基板の形態を維持することができるほど確保されるため、アレイ基板10と補強基板40とを結合した状態の中間工程物が他の場所に移送されうる。これによって、アレイ基板10と補強基板40を収納するボトムカバー50を含まないセル装置を提供することができるため、活用範囲が大きくなり得る長所がある。
【0301】
または、アレイ基板10と補強基板40を収納するボトムカバー50を含むモジュール装置を提供することもできる。モジュール装置が設けられる過程は、次のとおりである。
【0302】
図35に示されたように、少なくとも一つの軟性回路基板22がアレイ基板10に連結され、少なくとも一つの軟性回路基板22に連結された印刷回路基板24は、補強基板40上に配置される。
【0303】
このとき、補強基板40は、アレイ基板10のパッド部10pから密封構造物30よりも遠く配置される。よって、各軟性回路基板22は、補強基板40でない密封構造物30に掛かった形態で配置される。
【0304】
また、ボトムカバー50は、アレイ基板10、密封構造物30、補強基板40、少なくとも一つの軟性回路基板22及び印刷回路基板24を収納し、補強基板40上に配置された少なくとも一つの粘着パターン70を介して補強基板40と結束される。
【0305】
以上のように、本発明の各実施例による表示装置は、障壁層33を介して第1及び第2の粘着層31,32の積層構造からなる密封構造物30を含み、密封構造物30は、第1及び第2の粘着層31,32の積層構造により比較的大きな厚さで設けることができる。すなわち、密封構造物30の厚さ(30th)は、単一層の粘着材料における工程不良を防止するため臨界厚さの約二倍であってもよい。
【0306】
これによって、密封構造物30で固定されうる補強基板40もまた、比較的大きな厚さで設けることができる。よって、補強基板40による剛性及び放熱効果を十分確保することができるため、インナープレートが不要となる。すなわち、インナープレートを除去することができるため、スリム化及び軽量化に有利になり得る。
【0307】
また、密封構造物を多層構造に具現することで、表示装置が反る反り現象を軽減させることができる。
【0308】
また、熱伝導度の高い材料を補強基板として適用することで、効果的に熱を分散させることができることから、パネル上に残像が発生することを減少させ、発光アレイの寿命を向上させることができる。
【0309】
さらに、補強基板の厚さを調節して、補強基板の位置を移動配置することで、軟性回路基板が密封構造物又は補強基板と接触することを防止して、軟性回路基板の損傷を防止し、補強基板の最適配置を通じて相対的に発熱の激しいパッド部領域への放熱効果を増加させながらも、表示パネルのナローベゼル効果を向上させることができる。
【0310】
以上、説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということは、本発明の属する技術分野における従来の知識を有する者にとって明白である。
【符号の説明】
【0311】
10 アレイ基板
22 軟性回路基板
24 印刷回路基板
30 密封構造物
31,32 第1、第2の粘着層
33 障壁層
280 保護層
285 粘着補強フィルム
290 除電コーティング膜
295 保護構造物
40 補強基板
50 ボトムカバー
311 第1の高分子材料
321 第2の高分子材料
312 第1パーティクル
322 第2パーティクル
313 無機フィラー