(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ワイヤレスゲストエンゲージメントシステムのためのアンテナデバイス及びその製造方法ならびにその使用方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20240628BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240628BHJP
E05B 19/00 20060101ALI20240628BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20240628BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240628BHJP
H04W 4/30 20180101ALI20240628BHJP
G06Q 50/12 20120101ALN20240628BHJP
【FI】
H04W76/10
E05B49/00 K
E05B19/00 J
H04B1/3827
H04W84/10 110
H04W4/30
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2023521791
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 US2021013622
(87)【国際公開番号】W WO2022076021
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-05-11
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519142228
【氏名又は名称】カーニバル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CARNIVAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】ジョン パジェット
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジー ヤンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス スティール
(72)【発明者】
【氏名】カイル プレステンバック
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ クリアド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンス ボール
(72)【発明者】
【氏名】アダム レナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グレン カーティス
(72)【発明者】
【氏名】マニー ベジョン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック メンデューク
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ラム
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】豪国特許出願公告第2017358533(AU,B2)
【文献】特開2020-184776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
E05B49/00
E05B19/00
H04B1/3827
G06Q50/12
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信技術を用いて、ゲストとのエンゲージメントを提供するシステムであって、前記ゲストはゲスト通信デバイスを備えていて、
前記システムのユーザに提供される複数のゲスト
通信デバイスであって、各ゲスト
通信デバイスは、ワイヤレス通信アンテナを含み、Bluetooth low energy(BLE)通信を使用して前記ゲスト
通信デバイスの固有の識別子をブロードキャストする周期的なビーコン信号を発するように動作可能である、前記複数のゲスト
通信デバイスと、
各々が異なる既知の位置に取り付けられ、センサに近接する前記複数のゲスト
通信デバイスのうちのゲスト
通信デバイスによってBLE通信を使用して発せられた前記固有の識別子を含む前記周期的なビーコン信号を検出するように動作可能である複数のセンサを含む、センサネットワークと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々を接続する、通信ネットワークと、
前記システムのクルーメンバに関連付けられた1つ又は複数のクルーデバイスであって、少なくとも1つのアンテナデバイスが、前記クルーデバイスのうちの少なくとも1つのクルーデバイスとそれぞれ結合され、信号を発し、且つ、前記クルーデバイスに近接する前記複数のゲスト通信デバイスのうちの前記ゲスト通信デバイスによってブロードキャストされた前記周期的なビーコン信号を受信するように動作可能である、前記アンテナデバイスと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々及び前記通信ネットワークを介して前記クルーデバイスの各々に通信可能に接続され、ログを格納する中央サーバであって、前記ログは前記センサネットワークのセンサによってBLE通信を使用して検出されたゲスト通信デバイスの各固有の識別子を、前記センサの前記既知の位置及びタイムスタンプと関連付け、前記クルーデバイスのうちの1つによる通信を使用して検出された前記ゲスト通信デバイスの各固有の識別子を格納する、又はこれらの動作を組み合わせて行う、前記中央サーバと
を含む、
システム。
【請求項2】
前記アンテナデバイスは、
選択された方向における第1のピーク指向性を有する第1の通信規格を使用して動作するように構成されている第1のワイヤレス通信アンテナと、
前記選択された方向に沿って前記第1のワイヤレス通信アンテナの端部領域に近接して配置され、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格を使用して動作するように構成されている第2のワイヤレス通信アンテナであって、前記選択された方向であり、前記第1のピーク指向性よりも大きい第2のピーク指向性を有する前記第1の通信規格を使用して前記第1のワイヤレス通信アンテナと一括してさらに動作する、前記第2のワイヤレス通信アンテナと
を含む、請求項1に記載の
システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の通信規格は、それぞれ、Bluetooth Low Energy(BLE)通信規格及び近距離無線通信(NFC)の通信規格を含む、請求項2に記載の
システム。
【請求項4】
前記第1のワイヤレス通信アンテナは、前記選択された方向に沿って延在する列に配置された1つ又は複数のディレクタを含む八木アンテナを含み、前記第2のワイヤレス通信アンテナは、前記1つ又は複数のディレクタのうちの1つのディレクタであるように構成されている、請求項2に記載の
システム。
【請求項5】
前記アンテナデバイスは、第1及び第2のプリント回路板(PCB)上に配置された前記第1及び第2のワイヤレス通信アンテナを有する前記第1及び第2のプリント回路板(PCB)をさらに含み、前記第1及び第2のPCBは、垂直に配置される、請求項2に記載の
システム。
【請求項6】
前記第2のPCBは、前記第1のPCBの端部領域で前記第1のPCBに取り付けられる、請求項5に記載の
システム。
【請求項7】
前記第1及び第2のPCBは、それぞれ、L字形状の2つのセグメントを形成するように配置される、請求項6に記載の
システム。
【請求項8】
前記第1及び第2のPCBは、それぞれ、前記L字形状の前記2つのセグメントの長いセグメント及び短いセグメントを形成するように配置される、請求項7に記載の
システム。
【請求項9】
前記第2のワイヤレス通信アンテナは、前記第2のPCB上に規定された矩形面積上に巻かれたコイルを含み、前記面積は、幅と前記幅に垂直な高さとを有し、前記幅は、前記第1のワイヤレス通信アンテナによって規定された平面と平行に測定される、請求項8に記載の
システム。
【請求項10】
前記クルーデバイスのうちの少なくとも1つのクルーデバイスと携帯可能である附属品であって、前記アンテナデバイスに取り付けられ、前記クルーデバイスを少なくとも部分的に取り囲むように構成されているケーシングを含む、前記附属品をさらに含み、前記アンテナデバイスは、前記附属品に配置される、請求項1に記載の
システム。
【請求項11】
前記アンテナデバイスは、前記ケーシングにスライド可能に取り付けられる、請求項10に記載の
システム。
【請求項12】
第1のワイヤレス通信アンテナは、前記ケーシングによって規定された平面と平行であり、前記アンテナデバイスは、展開位置と後退位置との間で移動するように構成されており、
前記後退位置において、前記第1のワイヤレス通信アンテナは、前記ケーシングとスタックし、
前記展開位置において、前記第1のワイヤレス通信アンテナの少なくとも一部は、前記ケーシングとスタックしない、
請求項11に記載の
システム。
【請求項13】
前記附属品は、
前記クルーデバイスと接続するための通信インタフェースと、
前記アンテナデバイスと接続されるPCBアセンブリと
をさらに含む、請求項10に記載の
システム。
【請求項14】
前記附属品は、前記PCBアセンブリ上に少なくとも部分的に組み立てられたNFCリーダをさらに含む、請求項13に記載の
システム。
【請求項15】
前記附属品は、前記PCBアセンブリに電気的に接続されたバッテリをさらに含む、請求項13に記載の
システム。
【請求項16】
ワイヤレス通信技術を使用してゲストとのエンゲージメントを提供するためのシステムであって、前記ゲストはゲスト通信デバイスを備えていて、
前記システムのユーザに提供される複数のゲスト
通信デバイスであって、各ゲスト
通信デバイスは、固有の識別子を有し、Bluetooth Low Energy(BLE)通信規格及び近距離無線通信(NFC)の通信規格のためにそれぞれ構成されている第1及び第2のワイヤレス通信アンテナを含む、前記複数のゲスト
通信デバイスと、
各々が異なる既知の位置に取り付けられた複数のセンサを含むセンサネットワークであって、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、前記センサに近接し、ゲスト
通信デバイスとのBLE通信に基づいて前記センサから固有の識別子を受信する前記ゲスト
通信デバイスを検出するように動作可能であり、前記複数のセンサのうちの少なくとも別のセンサは、前記センサに近接し、ゲスト
通信デバイスとのNFC通信に基づいて前記センサから固有の識別子を受信する前記ゲスト
通信デバイスを検出するように動作可能である、前記センサネットワークと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々を接続する、通信ネットワークと、
前記システムのクルーメンバに関連付けられた1つ又は複数のクルーデバイスであって、少なくとも1つのアンテナデバイスが、前記クルーデバイスのうちの少なくとも1つのクルーデバイスとそれぞれ結合され、信号を発し、且つ、前記クルーデバイスに近接する前記複数のゲスト通信デバイスのうちの前記ゲスト通信デバイスによってブロードキャストされた前記周期的なビーコン信号を受信するように動作可能である、前記アンテナデバイスと、
前記センサネットワークの前記複数のセンサの各々及び前記通信ネットワークを介して前記クルーデバイスの各々に通信可能に接続され、ログを格納する中央サーバであって、前記ログは前記センサネットワークのセンサによってBLE又はNFC通信を使用して受信されたゲスト通信デバイスの各固有の識別子を、前記センサの前記既知の位置及びタイムスタンプに関連付け、前記クルーデバイスのうちの1つによる通信を使用して検出された前記ゲスト通信デバイスの各固有の識別子を格納する、又はこれらの動作を組み合わせて行う、前記中央サーバと
を含む、
システム。
【請求項17】
前記アンテナデバイスは、
選択された方向における第1のピーク指向性を有する第1の通信規格を使用して動作するように構成されている第1のワイヤレス通信アンテナと、
前記選択された方向に沿って前記第1のワイヤレス通信アンテナの端部領域に近接して配置され、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格を使用して動作するように構成されている第2のワイヤレス通信アンテナであって、前記選択された方向であり、前記第1のピーク指向性よりも大きい第2のピーク指向性を有する前記第1の通信規格を使用して前記第1のワイヤレス通信アンテナと一括してさらに動作する、前記第2のワイヤレス通信アンテナと
を含む、請求項16に記載の
システム。
【請求項18】
前記第1及び第2の通信規格は、それぞれ、Bluetooth Low Energy(BLE)通信規格及び近距離無線通信(NFC)の通信規格を含む、請求項17に記載の
システム。
【請求項19】
前記第1のワイヤレス通信アンテナは、前記選択された方向に沿って延在する列に配置された1つ又は複数のディレクタを含む八木アンテナを含み、前記第2のワイヤレス通信アンテナは、前記1つ又は複数のディレクタのうちの1つのディレクタであるように構成されている、請求項17に記載の
システム。
【請求項20】
前記アンテナデバイスは、第1及び第2のプリント回路板(PCB)上に配置された前記第1及び第2のワイヤレス通信アンテナを有する前記第1及び第2のプリント回路板(PCB)をさらに含み、前記第1及び第2のPCBは、垂直に配置される、請求項17に記載の
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年10月25日に出願された、米国特許出願第16/663,942号の一部継続出願であり、米国特許出願第16/663,942号は、2019年1月18日に出願された、米国特許出願第16/252,269号の継続出願であり、利益を主張し、米国特許出願第16/252,269号は、2017年3月16日に出願された、米国特許出願第15/460,972号の一部継続出願であり、米国特許出願第15/460,972号は、2017年3月15日に出願された、米国特許出願シリアル番号第15/459,906号、現在は2018年8月7日に発行された、米国特許第10,045,184号の継続出願であり、米国特許商標庁に2016年11月11日に出願された、米国仮出願第62/420,998号及び2016年12月30日に出願された、第62/440,938号の利益を主張し、それらの開示は、その全文が参照により全ての目的のために本明細書に援用される。
【0002】
本主題は、ワイヤレス通信技術に関し、特に、限定的ではないが、アンテナデバイス及びその製造方法ならびにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホテル及びリゾート、クルーズ船、ならびに他の小売店及び商業施設のゲストは、ホストから高いレベルのサービス及びエンゲージメントを期待するようになった。サービスは、バッジ又は他の形式の身分証明書を提示する必要がなく、アクセスカードをスワイプし、若しくはタップする必要がなく、或いは他の方法で積極的に自分自身を認証する必要がなく、プライベート及び/又は制限されたエリアへの素早いアクセスが提供されることを含み得る。エンゲージメントは、ゲストが自分自身を識別し、ゲストの好み又は既存のブッキングをホストに思い出させることを必要とせずに、ホストによって自ら認識され、それに基づいてサービス及び推奨事項が提供されることを含み得る。
【0004】
低電力ワイヤレス通信技術及び分散型センサネットワークの最近の改善に依存し、ゲストが自分自身を積極的に識別し、且つ/或いは認証することを必要とせずに、新規のサービスをそれらのゲストに提供する、新規のゲストエンゲージメントシステムは、例えば、2017年3月15日に出願された「Wireless Guest Engagement System」と題された共通所有(commonly owned)の米国特許第10,045,184号に記載されるように、開発されており、本開示は、その全文が参照により全ての目的のために本明細書に援用される。それによって、ゲストエンゲージメントシステムは、ホストが、施設全体でゲストとシームレスに関与し、ゲストの以前の経験に基づいてゲストに推奨事項を提供することを可能にする。
【0005】
しかしながら、ホテル及びリゾートのゲストは、新規のゲストエンゲージメントシステムの単なる受益者ではない。例えば、ホテル及びリゾートのクルー、従業員、及びホストはまた、セキュリティ、ゲストエンゲージメント、及び他の目的のために、低電力ワイヤレス通信技術を活用し得る。
【0006】
残念ながら、従来のクルーデバイス及び関連付けられたアンテナは、これらの低電力ワイヤレスネットワークにおいて動作し、これらの新規のゲストエンゲージメントシステムの可能性を完全に実現するのに適していない。例として、従来のクルーデバイス及びアンテナは、混雑した環境において他のゲストとのワイヤレス通信を最適化することができない。これらの従来のクルーデバイスは、制御及び処理ソフトウェアが元の製造業者に残っているので、特定の機能性のためにクルーによって再プログラムされ、或いは具体的に開発されることもできない。
【0007】
以上を考慮して、従来のクルーデバイスの前述された障害及び欠陥を克服するために、低電力ワイヤレスネットワークにおける性能を最適化するための改善されたクルーデバイス及び附属品のためのシステム及び方法に関する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面の図は、限定としてではなく、例としてのみ、本教示と合致する1つ又は複数の実施形態を描いている。例えば、図が、縮尺通りに描かれていないことと、概して、同様の構造又は機能の要素が、図全体に例示的な目的のために同様の参照数字によって表されていることとに留意されたい。また、図が、好ましい実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。図は、記載された実施形態のあらゆる態様を示さず、本開示の範囲を限定しない。
【
図1】
図1A及び
図1Bは、ゲストエンゲージメントシステムのコンポーネントを示す高いレベルの機能ブロックダイアグラムである。
【
図2】
図2A-
図2Eは、ゲストエンゲージメントシステムにおいて使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、メダリオンが着脱可能に挿入され得る附属品とを示す。
【
図3】
図3A-
図3Eは、ゲストエンゲージメントシステムで使用されるメダリオン又はゲストデバイスと、メダリオンが着脱可能に挿入され得る附属品とを示す。
【
図4】
図4A-
図4Fは、メダリオンが着脱可能に挿入され得るさらなる附属品の分解透視図を示す。
【
図5】
図5A-
図5Lは、メダリオン又はゲストデバイスのコンポーネント部品を示すダイアグラムである。
【
図6】
図6は、メダリオンの機能コンポーネントを示すブロックダイアグラムである。
【
図7】
図7A-
図7Iは、メダリオンとのインタラクションに基づいてドアを自動的に解錠することを提供する自動ドアロックアセンブリ及びそのコンポーネントを示す。
【
図8】
図8A-
図8Nは、ゲストエンゲージメントシステムのセンサ及びそのコンポーネントを示すダイアグラムである。
【
図9】
図9は、ゲストエンゲージメントシステムのエンドデバイスを含む、追加のコンポーネントを示す高いレベルの機能ブロックダイアグラムである。
【
図10】
図10は、ゲストエンゲージメントシステムの一部として使用され得るゲーミングステーションの透視図である。
【
図11】
図11は、ゲストエンゲージメントシステムの機能を実装するために使用され得るコンピュータハードウェアプラットフォームの簡略化された機能ブロックダイアグラムである。
【
図12】
図12は、ゲストエンゲージメントシステムの機能を実装するために使用され得るコンピュータハードウェアプラットフォームの簡略化された機能ブロックダイアグラムである。
【
図13】
図13は、
図1Aのゲストエンゲージメントシステムの代替の例示的な一実施形態を示すダイアグラムである。
【
図14】
図14は、
図13のゲストエンゲージメントシステムに適合されたアンテナデバイスの例示的な一実施形態を示すダイアグラムである。
【
図15】
図15は、
図14のアンテナデバイスの代替の例示的な一実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、八木アンテナを含む。
【
図16】
図16は、
図14のアンテナデバイスの別の代替の例示的な実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、1つ又は複数のプリント回路板上に配置される。
【
図17】
図17は、
図16のアンテナデバイスの第1のワイヤレス通信アンテナの例示的な一実施形態を示す詳細図である。
【
図18】
図18は、
図16のアンテナデバイスの第1のワイヤレス通信アンテナの例示的な一実施形態を示す詳細図である。
【
図19】
図19は、
図16のアンテナデバイスの第2のワイヤレス通信アンテナの例示的な一実施形態を示す詳細図である。
【
図20】
図20は、
図16のアンテナデバイスの第2のワイヤレス通信アンテナの例示的な一実施形態を示す詳細図である。
【
図21】
図21は、
図16のアンテナデバイスの代替の例示的な一実施形態を示す詳細図であり、アンテナデバイスは、アンテナキャリアを含む。
【
図22】
図22は、
図16のアンテナデバイスの代替の例示的な一実施形態を示す詳細図であり、アンテナデバイスは、アンテナキャリアを含む。
【
図23】
図23は、
図21のアンテナデバイスの代替の例示的な一実施形態を示す分解透視図である。
【
図24】
図24A及び
図24Bは、それぞれ、第2のワイヤレス通信アンテナを有さない
図16のアンテナデバイスの例示的な第1のワイヤレス通信アンテナの、3次元(3D)放射パターン及び実現利得プロットである。
【
図25】
図25A及び
図25Bは、それぞれ、第2のワイヤレス通信アンテナを有する
図16のアンテナデバイスの例示的な第1のワイヤレス通信アンテナの、3次元(3D)放射パターン及び実現利得プロットである。
【
図26】
図26A及び
図26Bは、それぞれ、第2のワイヤレス通信アンテナを有する
図16のアンテナデバイスの別の例示的な第1のワイヤレス通信アンテナの、3次元(3D)放射パターン及び実現利得プロットである。
【
図27】
図27は、
図13のゲストエンゲージメントシステムに適合された附属品の例示的な一実施形態を示すダイアグラムである。
【
図28】
図28は、
図27の附属品の代替の例示的な一実施形態を示すダイアグラムであり、附属品は、アンテナデバイスを含むハードウェアコンポーネントを含む。
【
図29】
図29は、
図27の附属品の分解ダイアグラムであり、附属品は、クルーデバイスと共に組み立てられている。
【
図30】
図30は、
図23の附属品の別の代替の例示的な実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、後退位置にある。
【
図31】
図31は、
図23の附属品の別の代替の例示的な実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、展開位置にある。
【
図34】
図34は、
図23の附属品を使用するための一方法の例示的な一実施形態を示すフローチャートである。
【
図35】
図35は、
図30の附属品を示す詳細図であり、アンテナデバイスは、後退位置にある。
【
図36】
図36は、
図31の附属品を示す詳細図であり、アンテナデバイスは、展開位置にある。
【
図37】
図37は、
図23の附属品の代替の例示的な一実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、後退位置にあり、アンテナデバイスは、第1のワイヤレス通信アンテナを含む。
【
図38】
図38は、
図23の附属品の代替の例示的な一実施形態を示すダイアグラムであり、アンテナデバイスは、展開位置にあり、アンテナデバイスは、第1のワイヤレス通信アンテナを含む。
【
図41】
図41は、
図37の附属品を示す詳細図であり、附属品は、クルーデバイスに取り付けられていない。
【
図42】
図42は、
図38の附属品を示す詳細図であり、附属品は、クルーデバイスに取り付けられていない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細は、関連する教示の徹底的な理解を提供するために、例として記載される。しかしながら、本教示がそのような詳細なしに実行され得ることは、当業者にとって明らかであるはずである。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、及び/又は回路が、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細なしに、比較的高いレベルで記載される。
【0010】
本明細書に開示される様々な技術及び機器システムは、ワイヤレスセンシング技術を使用して、施設のユーザ又はゲストとの自動エンゲージメントを可能にする。
【0011】
ゲストエンゲージメントシステムは、ゲストによって着用され、或いは携帯されるメダリオンに基づいてゲストをセキュアに識別し、セキュアな識別に基づいてサービスをゲストに自動的に提供するためのワイヤレスセンシング技術に依存する。さらに、システムは、ゲストの位置及び経験のデータベースを維持し、サービスがゲストの位置に関係なくシームレスにサービスをゲストに提供されることを可能にすることによって、ゲストとの強化されたエンゲージメントを提供する。
【0012】
図1Aは、ゲストエンゲージメントシステム10のコンポーネントを示す概略的なブロックダイアグラムを提供する。
図1Aのゲストエンゲージメントシステム10は、船(例えば、クルーズ船)、ホテル、レストラン、リゾート、コンベンションセンター、医療センター又は他の治療施設、小売店又は他の商業施設、娯楽施設(例えば、コンサートホール、映画館、アリーナ、又はスタジアム、遊園地又はカジノ)、交通センター(例えば、空港、海港又はターミナル、鉄道の駅又はバスステーション、マルチモーダル交通センター)、又は他の施設又はそのような施設の組み合わせなどの施設において提供されてもよい。一実施例では、施設は、多数のゲストを受け入れるクルーズ船、又は複数のクルーズ船、関連海岸施設(例えば、港湾施設)、及び提携施設(例えば、クルーズゲストのために海岸アクティビティを提供する提携の施設)を含むクルーズ船ラインであってもよい。別の実施例では、施設は、1つ又は複数のホテル、レストラン、劇場、遊園地、及び1つ又は複数の地理的位置に分散された他の関連施設を含むリゾートであってもよい。さらなる一実施例では、施設は、複数の提携施設(例えば、ホテル、レストラン、博物館、アリーナ、モール又は他の小売場所)の位置を含む、コンベンション又はトレードショーなどの、特定のイベントと関連付けられた施設のセットであってもよい。概して、本明細書では、ゲストエンゲージメントシステムのユーザは、ゲスト12として言及される。クルーズ船の実施例では、ゲスト12は、クルーズ乗客を含み、より一般的には、スチュワード、スタッフ、及びゲストデバイス11の他のユーザを含み得る。他の実施例では、ゲスト12は、ゲストデバイス11のユーザを含むゲストエンゲージメントシステム10とインタラクトする任意の人物を含み得る。したがって、ゲスト12は、医療施設又は治療施設の例示的なコンテキストでは、他のユーザの中でも、患者、看護師、医師、及び訪問者を、コンベンション施設の例示的なコンテキストでは、コンベンション参加者及び/又は出展者を、様々なタイプの商業施設の例示的なコンテキストでは、買い物客、スタッフメンバ、旅行者、販売員、及び他人を言及してもよい。
【0013】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲスト12によって着用され、或いは携帯されるメダリオンなどの、ゲストデバイス11とワイヤレスで通信するように構成されており、ゲストデバイス11は各々、関連付けられたゲストを固有に識別し、ゲストエンゲージメントシステム10とのセキュアな通信のために構成されている。本明細書に詳述される実施例では、ゲストデバイス11は、メダリオンの形態をとり、概して、本開示では、メダリオンとして言及されるであろう。しかしながら、デバイス/メダリオン11は、他の形式をとることができ、したがって、用語メダリオンは、システム10の一部として使用されてもよいゲストデバイス11の範囲を限定することを意図していない。好ましくは、ゲストデバイス/メダリオン11は、ユーザによって容易に着用され、或いは携帯されるように、軽く、コンパクトである。ゲストデバイス/メダリオン11は、少なくとも1つのワイヤレス通信技術/プロトコルを使用して通信するように構成されており、好ましくは、2つ以上の異なるワイヤレス通信技術/プロトコルを使用して通信するように構成されている。例えば、メダリオン11は、近距離無線通信(NFC)規格とBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)規格との両方に従って通信するように構成され得るが、概して、メダリオン11は、エネルギー消費を低減するために、任意の所定の時間で規格のうちの1つのみを使用して動作してもよい。
【0014】
ゲストエンゲージメントシステム10は、施設全体に取り付けられたセンサ15のセンサネットワーク13を含み、ゲストのメダリオン11とワイヤレスで通信するように構成されている。ネットワーク13のセンサ15は、例えば、メダリオン11によって発せられたビーコン信号又は他の信号を検出することによって、ゲストの位置(又はセンサ15への近接)を感知するために使用されてもよい。センサ15はまた、メダリオン11と双方向通信を行い、メダリオン11に情報を送信し、メダリオン11から情報を受信し得る。センサ15はまた、ドアロック17a、自動ドア又はターンスタイル、販売端末17b、キャッシュレジスタ、スロットマシン、インタラクティブディスプレイ17c又はポータル17dなどと関連付けられているセンサなどの、システムの特定のインタフェースデバイス17又はインタフェース機能に配置されてもよく、或いは他の方法で関連付けられてもよい。いくつかの状況では、センサ15は、インタフェースデバイス17内に取り付けられ、他の状況では、インタフェースデバイス17と関連付けられたセンサ15は、インタフェースデバイスの近傍に取り付けられる。例えば、スポットライトセンサは、インタフェースデバイス17の真正面及び近くに位置するユーザのメダリオンによって発せられたビーコン信号のみを感知するように、インタフェースデバイス17とインタラクトするユーザが位置し得る位置の上方(例えば、インタフェースデバイス17の真正面及びインタフェースデバイス17から約1フィート離れた位置の上方)に配置され得る。特定のインタフェースデバイス17又はインタフェース機能と関連付けられるとき、センサ15は、メダリオン11と双方向通信を行ってもよく、例えば、特定のゲストのメダリオンのセキュアな認証に基づいてドアロックの自動解錠を提供するために、デバイスとメダリオンとの間にセキュアな通信チャネルを提供してもよい。
【0015】
さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、BLE対応のモバイルデバイス、タブレットコンピュータ、又はインタラクティブディスプレイなどのエンドデバイスを利用し、メダリオン11のセンシング(及びメダリオン11との通信)を介してサービスをゲストに提供し得る。エンドデバイスを使用して提供されるサービスは、センサネットワーク13及びインタフェースデバイス17のセンサ15を使用して提供される前述のサービスに加えて提供され、サービスを提供し得る。さらに詳細に以下で記載されるように(例えば、
図9の議論を参照)、エンドデバイスを介して提供されるサービスは、他のサービスの中でも、位置サービス(メダリオンのビーコン信号を感知するエンドデバイスに基づくメダリオンの位置センシング、及びシステムサーバ21への感知されたメダリオン及び位置の報告を含む)と、メダリオンに様々な動作モード(例えば、スリープ、ビーコン、及び双方向モード)を切り替えさせることとを含み得る。
【0016】
ゲストエンゲージメントシステム10はまた、センサのネットワーク13に、インタフェースデバイス17に、ゲストエンゲージメントシステム10及び関連施設全体に設けられた様々なセンサ15を介してワイヤレスでメダリオン11に、通信可能に接続された1つ又は複数のサーバ21を含む。1つ又は複数の通信ネットワーク19は、システム10の様々な要素間の通信機能を提供する。一実施例では、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストのメダリオンを認証し、暗号化及び復号化サービスを提供するために使用される少なくとも1つの認証サーバを含む。さらに、システムは、ゲスト情報(例えば、ゲストの予約、ゲストの好み、ゲストが参加したアクティビティのステータスなど)、支払い取引サーバ(例えば、ゲストの請求情報を含む)、位置情報(例えば、施設内のセンサ15の位置、及び、施設全体及び他の場所のメダリオン11の位置)などのデータベースを格納する1つ又は複数のサーバを含み得る。
【0017】
ここで、ゲストエンゲージメントシステム10の様々なコンポーネントの詳細な説明は、添付の図を参照して提供されるであろう。説明は、システムのコンポーネントの例示的な実施形態に焦点が当てられ、コンポーネント及びシステムの属性及び機能の範囲を限定しない。
【0018】
センサ15の2つの異なる構造は、システムにおいて使用され得る。一実施例では、ゲストエンゲージメントシステム10の個々のセンサ15は、センサ15の動作を少なくとも部分的に制御するプロセッサとメモリとを含む。そのような一実施例では、さらに、各センサは、センサ15を通信ネットワーク19に通信可能に接続するための通信ポートを含むネットワークトランシーバを含んでもよい。ネットワークトランシーバは、イーサネット、Wifi、又は他の適切なトランシーバであってもよい。
【0019】
代替的に或いは追加的に、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設全体に分散され、センサ15をセンサネットワーク周辺機器14に直接接続させるように動作可能であるセンサネットワーク周辺機器14を含んでもよい。そのような一実施例では、
図1Bは、センサ15を通信ネットワーク19に接続するために使用されるセンサネットワーク周辺機器14を示すゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13のより詳細な図を示す概略的なブロックダイアグラムを提供する。特に、図に示されるように、センサネットワーク13のセンサ15は各々、それぞれのセンサネットワーク周辺機器14に直接接続され、各々は、対応するセンサネットワーク周辺機器14から電力を受け取り、対応するセンサネットワーク周辺機器14の制御下で動作する。そして、センサネットワーク周辺機器14は、通信ネットワーク19に接続され、ネットワーク19を介してサーバ21と通信する。
【0020】
概して、各センサネットワーク周辺機器は、イーサネット、Wifi、又は他の適切なネットワークトランシーバなどの、通信ネットワーク19との通信のためのネットワークトランシーバを含む。さらに、各センサネットワーク周辺機器14は、少なくとも1つの関連付けられたセンサ15で接続するための少なくとも1つのポートを含む。例えば、典型的に、センサネットワーク周辺機器14は、複数のセンサ15又は他のデバイスが接続され得る1つ又は複数の通信バスを含む。例えば、センサネットワーク周辺機器14は、一実施例では、最大16個のセンサ15を接続するように各々動作可能である2つのバスを含んでもよい。これらの接続を介して、センサネットワーク周辺機器14は、センサ15によってキャプチャされたセンシング情報を通信ネットワーク19及びサーバ21に中継し、通信ネットワーク19及びサーバ21からセンサ15に戻る制御又は通信を中継する役割を果たす。さらに、センサネットワーク周辺機器14は、センサ15によってメダリオン11から受信されたデータ又は他の通信を通信ネットワーク19及びサーバ21に中継し、通信ネットワーク19及びサーバ21からセンサ15を介してメダリオン11に戻る制御又は通信を中継してもよい。
【0021】
各センサネットワーク周辺機器14は、プロセッサとメモリとを含み、各センサネットワーク周辺機器14に接続されたセンサ15の動作を制御するように動作可能である。特に、センサネットワーク周辺機器14の使用は、ゲストエンゲージメントシステム10が、最小限の(或いは全くない)オンボード処理能力及びメモリを有するセンサ15と、初期システム設置中に最小限の構成を必要とするセンサ15とを用いて機能することを可能にし得る。特に、センサネットワーク周辺機器14の使用を介して、個々のセンサ15は、センサ15による使用のための個々のネットワーク識別子(例えば、固有のネットワークアドレス)を格納し、センサ15自身を通信ネットワーク19上で識別し、ネットワーク19上でそれぞれのセンサ15によって送信されたデータをそれぞれのセンサ15において生じたものとして識別する必要がない。代わりに、センサネットワーク周辺機器14は、ネットワーク19を介して通信のためにセンサネットワーク周辺機器14に接続されたセンサ15から受信されたデータをパッケージングするように構成されており、特に、それぞれのセンサ15の識別子をそれぞれのセンサ15から受信されたデータと関連付けるように構成されている。さらに、センサネットワーク周辺機器14は、ネットワーク19を介して通信のためにセンサ15からのデータをパケット化するように構成されている。さらに、個々のセンサ15は、ネットワーク19上で通信するように動作可能である必要がなく、それぞれのセンサ15は、ネットワーク19を介して通信されたパケットの中からそれぞれのセンサに宛てられたパケットを識別し、処理するのに十分な処理能力を有する必要がない。代わりに、センサネットワーク周辺機器14は、ネットワーク19を介して通信されたデータを処理し、それぞれのセンサネットワーク周辺機器14及び/又はそれぞれのセンサネットワーク周辺機器14に接続されたセンサ15に宛てられたパケットを識別し、パケットに含まれる命令を処理し、処理された命令に従ってセンサネットワーク周辺機器14に接続された適切なセンサ15を制御するように構成されている。
【0022】
上述されたように、センサネットワーク周辺機器14の使用は、それによって、ワイヤレスゲストエンゲージメントシステム10が、ネットワーク通信回路を含まない、或いは処理能力及びメモリを全く含まない、或いは最小限の処理能力及びメモリを含む、低コストのセンサ15を使用して動作することを可能にする。さらに、センサネットワーク周辺機器14の使用は、ワイヤレスゲストエンゲージメントシステム10が、各センサ15に個々のネットワーク識別子を割り当てる必要がなく、且つ/或いはシステムの個々のセンサ15に関する情報を有するサーバ21を構成する必要がなく、動作のために構成され、動作を開始することを可能にする。代わりに、ワイヤレスゲストエンゲージメントシステム10は、多数のセンサ15を、施設全体に配置された近くのセンサネットワーク周辺機器14に直接接続し、通信ネットワーク19を介したサーバ21との通信のためにセンサネットワーク周辺機器14を構成することによって、動作のために構成され得る。
【0023】
前述の説明は、メダリオン11の存在を感知し、且つ/或いはメダリオン11と通信するように構成されているセンサ15に直接接続されているセンサネットワーク周辺機器14に焦点を当てたが、より一般的に、センサネットワーク13及びセンサネットワーク周辺機器14は、他のタイプのセンサ又はデバイス(概して、
図1Bにおいて数字16によって参照)を支援し得る。具体的に、センサネットワーク13及びセンサネットワーク周辺機器14は、通信ネットワーク19を介して、他のセンサ又はデバイス16の動作を制御し、センシングデータを他のセンサ又はデバイス16から中継するために使用され得る。センサ又はデバイス16は、煙又はCO(一酸化炭素)センサ、赤外線又は占有センサ、フォトダイオード又は光センサ、温度及び/又は湿度センサなどのセンサを含んでもよい。他のセンサ又はデバイス16はまた、スピーカ及び/又はマイク(例えば、パブリックアドレス(PA)システムの一部)、(例えば、通気口又は窓シェードを開閉するための)アクチュエータ又はコントローラ、(例えば、電気、暖房及び換気、電源をオン/オフするための)スイッチ又はリレー、カメラ(例えば、セキュリティシステムの一部として)などのデバイスを含み得る。さらに、センサネットワーク周辺機器14は、販売端末17b、インタラクティブディスプレイ17c、及び本明細書全体に記載される他のインタフェースデバイス17に取り付けられた(或いは関連付けられた)センサを支援するように構成され得る。
【0024】
センサネットワーク周辺機器14によって提供される機能性はまた、ワイヤレスゲストエンゲージメントシステム10の他のコンポーネントに組み込まれ得る。特に、センサネットワーク周辺機器14の機能性は、プロセッサと、メモリと、通信ネットワーク19を介した通信のためのネットワークトランシーバとを含むコンポーネントに組み込まれ得る。例えば、
図1Bに示されるように、ドアロック17aに関連付けられて提供されるアクセスパネル705は、センサネットワーク周辺機器14としての使用のために構成されていてもよい。
図7A-
図7Iに関連して、アクセスパネル705が、さらに詳細に以下で記載されることに留意されたい。
図1Bの実施例では、アクセスパネル705は、1つ又は複数のセンサ15をアクセスパネル705に接続するための少なくとも1つのポート及び/又はバスを含むことができ、アクセスパネル705は、センサネットワーク周辺機器14に関連して上述されたように、センサ15の動作を支援するように構成されていてもよい。
【0025】
上述されたように、ゲストデバイス11は、
図2Aに示される例示的なメダリオン11などの、メダリオン11の形態をとり得る。示されるように、メダリオン11は、約1.25インチ(0.75-2.5インチの範囲)の外径と、約3/8インチ(1/8-5/8インチの範囲)の厚さと、約1.8オンス(1.2-2.4オンスの範囲)の重さとを有するトークンの形態をとる。
【0026】
メダリオン11は、ゲスト12によって着用される異なる附属品に挿入可能であるように構成されている。附属品は、ゲストがメダリオンを不注意に失わず、或いは置き忘れないようにするように、メダリオン11が、ゲスト12にセキュアに取り付けられることを可能にする。
図2Bは、リストバンド又はブレスレットの形態をとる例示的な附属品201を示す。ランヤード、ペンダント、キーホルダ、ネックレス、ベルトバックル、水着(例えば、ビキニリング)、ボディピアスなどを含む、他のタイプの附属品はまた、使用されることができ、それらのいくつかは、
図4A-
図4Fに示されている。メダリオン11は、メダリオン11を受け入れるように形成され、寸法決めされるリストバンドの附属品201のキャビティに挿入されるように構成されている。示されるように、メダリオン11は、リストバンドの附属品201の後面を介して、すなわち、リストバンドが着用されるとき、ユーザの手首に接触するように設計されているリストバンドの内面などの、ユーザと向き合うように設計されている附属品201の側面を介して挿入される。メダリオン11は、附属品201がユーザによって着用されるとき、メダリオン11が附属品201から不注意に抜け落ちることができないようにするように、リストバンドの附属品201の後面を介して挿入される。特に、
図2Cに示されるように、メダリオンを受け入れるように構成されている附属品201のキャビティは、テーパ状にされることができ、したがって、メダリオン11が附属品201のキャビティに挿入され得るが、キャビティを通過し、その前面を介して附属品201から出ることができないようにする、角度をなした、或いは面取りされたエッジを有し得る。
図2Cの実施例では、エッジは、直角のエッジに対して約3度角度をなしている(前面又は背面に対して87度の角度に対応する)。詳細には、
図2Cの実施例のキャビティは、円筒形状を有さないことがあるが、代わりに、テーパ形状、例えば、円形のベースと、予め定められた角度(例えば、前面又は背面に対して87度(86-88度の範囲)の角度に対応する、直角のエッジに対して3度(+/-1度))で円形のベースに対して角度をなしたエッジとを有する錐体の断面の錐台形状を有してもよい。角度は、キャビティの後部/下部の開口部が、前部/上部の開口部よりも大きく、それによって、メダリオン11が、キャビティを通過することを防止するようなものである。
【0027】
同様に、
図2Cにも示されるように、メダリオン11は、外周面に沿って角度をなしたエッジを有するテーパ形状を有することができ、エッジは、キャビティの角度と等しい予め定められた角度(例えば、前面又は背面に対して87度(86-88度の範囲)の角度に対応する、直角のエッジに対して3度(+/-1度))で角度をなしてもよい。メダリオンの角度をなしたエッジは、メダリオン11の背面/下面11bに対して、メダリオン11の前面/上面11aで、より小さい寸法(例えば、より小さい直径)を有するようなものである。そのようにして、メダリオン11の角度をなしたエッジと附属品201のキャビティとの組み合わせは、メダリオン11が、メダリオン11の前面11aが外側に向き、背面11bが後方に向くような方法でのみ附属品201に配置され得るようにする。さらに、メダリオン11は、キャビティ内でメダリオン11の適合を容易にするように、キャビティよりもわずかに小さいように寸法決めされてもよい。例えば、メダリオン11は、キャビティの内寸/内径よりも0.75mm(例えば、0.5-1mmの範囲)小さい外径などの、外寸を有し、メダリオンがキャビティと完全に位置合わせされず、且つ/或いはキャビティに対して傾いていても、メダリオン11がキャビティに挿入されることを可能にしてもよい。
【0028】
まとめると、それによって、メダリオンは、以下の特徴のおかげで、附属品201に容易に且つセキュアに結合し得る。メダリオン11は、角度をなしたエッジを有し、附属品201の反対側に形成された角度をなしたエッジと位置合わせするように、メダリオンの「前」面から「後」面に予め定められた角度(例えば、3度)で傾斜している。角度をなしたエッジの設計は、附属品の「後」側にメダリオンを挿入することによって、附属品とメダリオン11の位置合わせを可能にする。メダリオン11が、附属品201の後面のみに挿入され、或いは附属品201の後面のみから取り外され得るので、附属品201からメダリオン11を離脱するのに必要とされる力は、後方にあり、したがって、メダリオンが附属品201にあるとき、附属品201を着用しているゲストの身体と対向する(且つ/或いは、メダリオンの容易な離脱を防止する別の表面と対向する)。そのようにして、附属品201が着用されるとき、メダリオン11は、附属品201から容易に離脱され、或いは取り外されることができない。
【0029】
前述の説明は、円形形状を有するメダリオン11と、円形形状を有する対応するキャビティとに焦点を当てた。しかしながら、本開示は、そのようなメダリオン及びキャビティに限定されない。より一般的には、メダリオン11と附属品の対応するキャビティとは、楕円形又は他の丸みを帯びた形状、又は正方形、長方形又は他の角度のある形状(例えば、三角形、五角形、六角形など)を有してもよい。各ケースでは、メダリオン11及び対応するキャビティは、角度をなしたエッジを含むテーパ形状を有し、メダリオン11が附属品201の後面のみに挿入され、或いは附属品201の後面のみから取り外され得るようにするように、メダリオンの「前」面から「後」面に予め定められた角度(例えば、3度)で傾斜している。そのようなケースでは、メダリオン11は、テーパ形状をメダリオン11に与えるように、実質的に同様の(或いは同一の)形状及び異なる寸法を有する前面及び後面を有してもよく、同様に、附属品のキャビティは、テーパ形状をキャビティに与えるように、実質的に同様の(或いは同一の)形状及び異なる寸法を有する前部及び後部の開口部を有してもよい。
【0030】
さらに、メダリオン11及び附属品201は、メダリオン11が附属品201のキャビティと予め定められた回転方向で自動的に配置される(例えば、附属品201におけるメダリオン11の自己位置合わせ)ようにするために使用される磁石を含み得る。さらに、磁石は、メダリオン11と附属品201との間に磁気的な接着を提供し、メダリオン11が附属品201から緩む(且つ/或いは落ちる)可能性を減らす。この目的のために、異なる数の磁石は、使用され得る。例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ又はそれ以上の磁石は、使用され得る。磁石は、メダリオン11及びキャビティの周辺の周りに等間隔に配置されてもよく、或いは、より一般的には、メダリオン11に取り付けられた各磁石が、メダリオン11が附属品のキャビティに所望の方向で挿入されるとき、キャビティの周辺に取り付けられた対応する磁石と位置合わせするように選択された周辺の周りの予め定められた位置に配置され得る。
【0031】
図2Dに示されるように、4つの磁石は、メダリオン11に設けられた4つの磁石と位置合わせされた位置で附属品201に設けられ、メダリオン11が常に、X軸及びY軸の正しい位置に方向付けられるようにし得る。特に、
図2Eに示されるように、逆極性の磁石は、メダリオン11を附属品201に対して特定の回転方向に自動的に位置合わせするように、メダリオン11及び附属品201の各位置に設けられ得る。例えば、
図2Eの磁石結合機構では、メダリオン11及び附属品201の上部の磁石(例えば、
図2Dに示される方向における「上部」)は、メダリオン11が、
図2D及び
図2Eに示される方向に対して上下逆に回転可能に挿入されるのを防止するように、メダリオン11及び附属品201の底部の磁石(例えば、
図2Dに示される方向における「底部」)に対して反転する極性を有する。この特徴は、
図2B及び
図2Cに関連して詳述された角度をなしたエッジと共に、メダリオン11が1つの方向にのみ附属品201に挿入され得る(或いは、1つの方向に優先的に附属品201に挿入される)ようにする。
図3Aに示されるように、メダリオン11は、金属製の外側リムと、金属製の外側リムの内部内に配置されたプラスチックボディとを有し得る。メダリオン11に含まれる電子部品は、プラスチックボディ内に取り付けられる。金属製の外側リムは、少なくとも1つの位置で中断され、オープンリングを形成し、結果として生じるギャップ内にプラスチック又は他の非導電性スペーサを含む。例えば、
図3Aの実施形態では、金属製の外側リムは、メダリオン11の外側リムに沿って配置されるとき、2つの直径方向に対向するギャップによって互いから間隔を空けて配置される、2つの別個の半円形の金属ハウジングで形成される。金属製の外側リム(又は金属製の外側リムの部品間)のギャップは、渦電流が金属製の外側リムの周りに流れることができないようにし、それによって、渦電流フローがメダリオン11のワイヤレス通信機能を著しく減衰させないようにする。代替的に、
図3Eに示されるように、円形の金属ハウジングは、射出成形プラスチックによって埋められる1つ又は複数のギャップを含み得る。また、
図3Eに示されるように、円形の金属ハウジングは、
図2D-
図2Eに関連して上述されたように、磁石を配置するためのくぼみを含み得る。概して、金属製の外側リングは、非磁性金属材料で形成され、例えば、磨かれたアルミニウムで形成され得る。
【0032】
図3Bに示されるように、金属製の外側リムの同様のギャップは、附属品201に含まれ得る。詳細には、附属品201が金属製であり、或いはメダリオン11を収容するように構成されているキャビティの周辺の周りに金属製のコンポーネントを含む実施形態では、附属品201は、キャビティの金属製の外側リムのギャップを含む。金属製の外側リム(又は金属製の外側リムの部品間)のギャップは、渦電流が金属製の外側リムの周りに流れることができないようにし、それによって、渦電流フローが附属品201に収容されたメダリオン11のワイヤレス通信機能を著しく減衰させないようにする。メダリオン11及び附属品201の金属製の外側リムのギャップの適切な機能を保証するために、メダリオン11が附属品201に取り付けられるとき、メダリオン11及び附属品201のギャップは、位置合わせされるべきである。具体的に、ギャップの位置合わせは、メダリオン11及び附属品201の外側の金属製リムが互いに接触する場合であっても、金属製のリムがメダリオン11の電子部品の周りに閉じられた金属製のループを共同して形成しないようにする。ギャップの位置合わせを保証するために、
図2D及び
図2Eに関連して上述されたたように、磁石は、附属品201内のメダリオン11の所望の回転位置合わせを提供するために使用され得る。磁石のジオメトリ及び極性は、金属製の外側リングのギャップが互いに位置合わせされた状態で(例えば、互いに隣接し、或いは互いに接触して)、メダリオンを附属品内で自己方向付けさせるように配置される。
【0033】
メダリオン11のギャップ及び附属品201のギャップは、メダリオン11及び附属品201が完全な位置合わせでない場合であっても、閉じられた金属製のループが形成されないようにするように、選択された幅を有する。代替的に或いは追加的に、
図3C及び
図3Dに示されるプラスチック又は他の絶縁ライナなどの絶縁ライナ41は、メダリオン11を収容する附属品201のキャビティの内面に沿って設けられ得る。絶縁ライナ41は、キャビティの全周に沿って延在することができ、或いは、絶縁ライナ41は、メダリオン11が附属品201の所望の方向に取り付けられるとき、メダリオン11の金属製の外側リムのギャップに接触するように配置され得る。絶縁ライナ41は、メダリオン11の金属製の外側リムのギャップと附属品201との間に絶縁性を提供することによって、附属品201の金属製のリムがメダリオン11の金属製の外側リムのギャップに短絡を形成しないようにする。
【0034】
図2Bに示されるように、附属品201は、リストバンドの形態をとり得る。しかしながら、他の附属品の形式はまた、使用され得る。例えば、
図4A-
図4Eは、附属品に挿入されたメダリオン11を有するように構成されている様々な他のタイプの附属品を示す。この点に関して、
図4Aは、スポーツバンド(例えば、シリコン製)と、スポーツバンドに適合し、磁石を保持するためのくぼみを含む保持リング(例えば、ステンレス鋼製であり、非導電性材料31で埋められたギャップを含む)と、ユーザの手首の周りにバンドを閉じるように設計された2部分留め具とを含むスポーツバンドの附属品を示す。保持リングは、その中心に、メダリオン11を着脱可能に収容するように構成されているキャビティを含む。
図4Bは、メダリオン11を着脱可能に収容するように構成されているキャビティを含み、さらに、キャビティの周辺の周りに非導電性材料31で埋められたギャップを含むクリップ(例えば、アルミニウム製)を示す。いくつかの実施例では、クリップは、キーホルダに取り付けられてもよい。
図4Cは、カフ(例えば、ナイロン製)を示し、カフは、カフに適合し、磁石を保持するためのくぼみを含む保持リング(例えば、ステンレス鋼製であり、プラスチックなどの非導電性材料で埋められたギャップを含む)を含む。保持リングは、その中心に、メダリオン11を着脱可能に収容するように構成されているキャビティを含む。
【0035】
図4Dは、ブレスレット(例えば、非導電性材料31で埋められたギャップ32を含むステンレス鋼製)と、ブレスレットに適合し、磁石を保持するためのくぼみ34を含む保持リング33(例えば、ステンレス鋼製であり、非導電性材料31で埋められたギャップを含む)とを示す。保持リングは、その中心に、メダリオン11を着脱可能に収容するように構成されているキャビティを含む。
図4Eは、ペンダント(例えば、非導電性材料31で埋められたギャップ32を含むステンレス鋼製)と、ペンダントに適合し、磁石を保持するためのくぼみを含む保持リング33(例えば、ステンレス鋼製であり、非導電性材料31で埋められたギャップを含む)とを示す。保持リングは、その中心に、メダリオン11を着脱可能に収容するように構成されているキャビティを含む。いくつかの実施例では、ペンダントは、ゲストによって着用するための装飾チェーンに取り付けるように構成されている。他の実施例では、ペンダントは、キーホルダ又は他のアイテムに取り付けるように構成されている。最後に、
図4Fは、時計型バンドを使用して着用されるように構成されているマウントを示す。マウント(例えば、非導電性材料31で埋められたギャップを含むステンレス鋼製)は、マウントに適合し、磁石を保持するためのくぼみを含む保持リング(例えば、ステンレス鋼製であり、非導電性材料31で埋められたギャップを含む)を有する。
【0036】
図4A-
図4Eに示される附属品は、メダリオン11が取り付けられ得る附属品の非限定的な実施例である。しかしながら、ランヤード、ペンダント、キーホルダ、ネックレス、ベルトバックル、水着(例えば、ビキニリング)、ボディピアスなどを含む、他のタイプの附属品はまた、使用されてもよい。
【0037】
メダリオン11の前述の説明は、
図5Aに示されるメダリオンなどの、メダリオン11の外部属性に焦点を当てた。具体的に、
図5Aは、例示的なメダリオン11の上面図、底面図、及び側面図を示す。以下の
図5B-
図5Eの説明は、メダリオンの様々な実施形態の内部構造を詳述する。
【0038】
図5B、
図5C、
図5D、及び
図5Eに示されるように、メダリオン11の異なる実施形態は、磁石501と、底部キャップ503と、フォームフィラー505と、バッテリアセンブリ507(例えば、CR2025バッテリ)と、絶縁膜スペーサ509と、プリント回路板アセンブリ(PCBA)511と、BLEアンテナ513(例えば、J字型BLEアンテナ)と、NFCアンテナ515(例えば、巻線コイルアンテナ)と、金属ハウジング517(例えば、アルミニウム製)と、上部キャップ519とを含む。BLEアンテナ513は、PCB511の上面にはんだ付けされることができ、NFCアンテナ515は、ポゴピンによってPCB511に接続されてもよい。
図5Eの実施形態では、NFCアンテナ515は、耐久性のためにシリコンでコーティングされている。
図5Bに示されるように、磁石501は、上部キャップ519(又は、代替的に、底部キャップ503)に設けられたくぼみに適合してもよく、くぼみによって所定の位置に保持されてもよい。代替的に、
図5Eに示されるように、磁石501は、NFCアンテナ515をコーティングするシリコンに設けられたくぼみに適合してもよく、くぼみによって所定の位置に保持されてもよい。
【0039】
図5B、
図5D、及び
図5Eの実施形態では、金属ハウジング517は、底部及び上部キャップ503,519とは別個に製造される。金属ハウジング517は、アルミニウム製又は他の金属製であってもよく、底部及び上部キャップ503及び519は、プラスチック製であってもよい。対照的に、
図5Cの実施形態では、上部キャップ519は、金属ハウジング517と一体的に形成される。例えば、
図5Cの実施形態では、上部キャップ519及び金属ハウジング517は、機械加工に続いて、上部キャップ519が、プラスチック又は他の絶縁材料で埋められる1つ又は複数のギャップによって中断される、その外周面の周りに配置されたオープン金属製リング(例えば、517で)を有するように、ブロック内に配置された金属及びプラスチック材料を含む材料のブロックから機械加工されてもよい。さらに、機械加工に続いて、上部キャップ519は、プラスチック(又は絶縁)センタを有する。この目的のために、機械加工に使用される材料のブロックは、プラスチックを含浸させた金属であってもよい。
【0040】
図5F及び
図5Gは、メダリオン11に使用されるPCBアセンブリ511の詳細図を示し、PCBの上面に取り付けられたJ字型BLEアンテナを詳細に示す。
図5Fに示されるように、J字型BLEアンテナは、スタンプカットされた鋼で形成され、機械曲げタブを含み、PCB上の配置のための位置合わせピンを含み得る。ピンはまた、グランド及びフィードパッドへの接続を提供してもよい。
図5Gに示されるように、J字型BLEアンテナは、金属メッキされた射出成形プラスチック部品としてレーザ直接構造化(LDS)プロセスを使用して形成されることができ、PCB上の配置及び位置合わせにおける使用のために成形部品の底部にスナップ特徴を含んでもよい。
【0041】
J字型BLEアンテナの詳細な概略図は、
図5H-
図5Lに提供される。
図5H-
図5Kは、それぞれ、前面、側面、後面、及び底面から提供されるBLEアンテナの詳細な概略図を示し、
図5Lは、BLEアンテナの透視図を提供する。アンテナの寸法及び寸法に関する設計公差は、ミリメートル(mm)単位で図に提供される。提供された寸法は、例示的であり、BLEアンテナは、BLEアンテナエレメントが使用される特定の用途に依存して、示された寸法に対してスケールアップされ、或いはスケールダウンされ得る。図に示される実施形態では、アンテナの寸法は、アンテナの全長が、例えば、放射エレメントの全長を2.4GHzで約1/4波長に設定することによって、アンテナが2.4GHz範囲における所望の周波数で共鳴することを可能にするように設定される。さらに、J字型アンテナの曲率半径は、アンテナがメダリオンの金属製の外側リングに接触しないようにしながら、アンテナが配置されるメダリオンのキャビティによって課される空間制約内でアンテナの曲率半径を最大化するように設定されてもよい。
【0042】
J字型BLEアンテナが、金属メッキされた射出成形プラスチック部品としてレーザ直接構造化(LDS)プロセスを使用して形成される実施形態では、後面(
図5Jに示される)は、射出成形プラスチック部品で形成されてもよく、前面(
図5Hに示される)は、実質的に完全に金属メッキされてもよい。前面に形成された金属メッキは、後面に延在してもよく、特に、
図5Jでは、灰色の陰影で示された後面のそれらの部分に延在してもよい。特に、金属メッキは、J字型アンテナの上部エッジ521に沿ってアンテナの後面に延在し、それによって、PCBA511のグランド端子に電気的に接続されるアンテナグランド端子を提供してもよい。さらに、金属メッキは、J字型アンテナの側部突起523上でアンテナの後面に延在し、それによって、PCBA511に電気的に接続されるRF信号端子を提供してもよい。したがって、動作では、PCBA511は、アンテナを使用してBLE信号を発するために、グランド端子(521で)とRF信号端子(523で)との間に信号を印加してもよく、アンテナを使用してBLE信号を受信するために、それらの端子で信号を感知してもよい。
【0043】
さらに、
図5Iに示される断面図に示されるように、J字型アンテナは、アンテナエレメントをPCBA511のグランドプレーンの上方に上げるために使用される2つの屈曲点を含む非平面プロファイルを有する。グランドプレーンよりも高いアンテナエレメントを配置することによって、アンテナエレメントは、より多くのRFエネルギーを放射することができる。最後に、J字型アンテナの角は、微細な周波数調整を可能にするために、直角(90度)ではないように、レーザトリミングによって形成され得る。
【0044】
図6は、メダリオン11の機能コンポーネントを示すブロックダイアグラムである。マイクロプロセッサ603と、メモリ601と、トランシーバ607及び609と、センサ605とを含む、
図6に示されるコンポーネントは、
図5B-
図5Eに示されるPCBA511の一部を形成する。
【0045】
図6に示されるように、メダリオン11は、メモリ601と、マイクロプロセッサ603と、加速度計などの任意のセンサ605と、1つ又は複数のトランシーバ607,609と、関連付けられたアンテナ513,515と、バッテリ507とを含む。コンポーネントは、PCBA511のPCBに内蔵された回路によって、互いに通信可能に且つ/或いは電気的に接続されてもよい。特に、メモリ601は、メモリ601に格納された機械実行可能なプログラミング命令がマイクロプロセッサ603によって実行され、メダリオン11に、本開示全体に記載されるものなどの機能を実行させ得るように、マイクロプロセッサ603に通信可能に接続される。プログラミング命令に加えて、メモリ601は、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用される固有の識別子を格納し、各メダリオンを固有に識別する。メモリ610はまた、暗号化及び復号化キーと、暗号化データとを格納し得る。例えば、一実施例では、メモリは、メダリオンを固有に識別し、メダリオンによって発せられたビーコン信号においてブロードキャストされるメダリオン11の公開識別子と、メダリオンを固有に識別し、メモリにおいて暗号化形式で格納され、(例えば、支払いにおける使用及びドアを解錠するために)メダリオンをセキュアに認証するために使用されるプライベート識別子との両方を格納する。さらに、マイクロプロセッサ603は、加速度センサなどの、1つ又は複数の任意のセンサ605と、1つ又は複数のトランシーバ607,609とに通信可能に接続される。
【0046】
上述されたように、メダリオンは、ゲストエンゲージメントシステム10とのワイヤレス通信のために構成されている少なくとも1つのトランシーバと関連付けられたアンテナとを含む。示されるように、メダリオン11は、異なる通信規格に従って各々動作する2つのトランシーバを含む。実施例では、第1のトランシーバ607は、BLE規格に従って動作し、BLE通信に使用される関連付けられたアンテナ513に接続され、第2のトランシーバ609は、NFC規格(例えば、無線周波数識別(RFID)規格)に従って動作し、NFC通信に使用される関連付けられたアンテナ515に接続される。
図6では、各トランシーバが専用アンテナを有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、2つ以上のトランシーバが同じアンテナを共有してもよい。
【0047】
上述されたように、BLEトランシーバ及びアンテナは、メダリオン11によって使用され、ゲストエンゲージメントシステム10が、ゲストの位置及びアイデンティティを判定し、サービスをゲストに提供することを可能にする周期的なビーコン信号を発する。BLEトランシーバ及びアンテナはまた、セキュアな通信に使用され得る。しかしながら、概して、BLEトランシーバ及びアンテナの動作は、バッテリ507が動作に十分な電力をメダリオン11に供給することを必要とする。バッテリ507の充電レベルが閾値を下回り、且つ/或いはバッテリ又はBLEトランシーバが故障するとき、メダリオン11は、BLE信号を使用して通信することができないことがある。それにもかかわらず、そのような状況では、メダリオンは、パッシブNFC/RFIDデバイスとして動作し得る。特に、パッシブNFC/RFIDデバイスとして機能するために、メダリオンは、動作のためにバッテリからの電力を必要としない。代わりに、メダリオンは、アンテナに電流フローを誘導する無線周波数信号から、NFCアンテナを介して採取される電力に基づいて動作する。パッシブNFC/RFIDデバイスとして動作するとき、メダリオンは、受信するRFID質問信号又はアンテナに十分な電流フローを誘導する他の信号に応答して、メダリオン固有の識別子を含む信号を送信するように構成されていてもよい。したがって、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストのメダリオンがそれらのバッテリから十分な動作電力を受け取らない場合であっても、ゲストに限定されたサービスを提供することが可能であり得る。
【0048】
バッテリ507がBLEトランシーバの動作に十分な電力を提供するとき、メダリオン11は、3つの異なる動作モードを使用して動作するように構成されている。具体的に、メモリ601は、マイクロプロセッサ603によって実行されるとき、メダリオン11に、3つの動作モードのうちの選択された1つに従って動作させるプログラミング命令を格納する。最初に、メダリオン11がバッテリ507を設けられていることによってまず起動されるとき、メダリオン11は、スリープ動作モードで動作する。スリープ動作モードは、バッテリ電力を節約する非常に低い電力の動作モードである。スリープ動作モードでは、メダリオン11は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からのネットワーク広告を周期的にリッスンし、広告が、認識されたゲストエンゲージメントシステム10から受信されない限り、スリープ動作モードのままである。スリープ動作モードでは、メダリオン11は、30秒に1回、1分に1回、5分に1回などの、周期的なスケジュールでネットワーク広告にリッスンする。ネットワーク広告が周期的なリッスン期間中に受信される場合、メダリオン11は、広告が、認識されたゲストエンゲージメントシステム10に関するものであるか否かを判定し、広告が、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からのものであると判定すると、メダリオン11は、双方向動作モードに切り替わる。
【0049】
双方向動作モードでは、メダリオン11は、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介してビーコン信号を発することと、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介して認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信にリッスンすることとの両方を行うように構成されている。さらに、双方向動作モードでは、メダリオン11は、NFCトランシーバ609及びアンテナ515を介して通信にリッスンしてもよい。双方向動作モードでは、メダリオン11は、周期的に、例えば、10ms毎、100ms毎などで、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信にリッスンする。双方向動作モードに関するさらなる詳細な情報は、ドアロックの説明に関連して以下に提供される。メダリオン11は、メダリオン11が、動作モードに、ビーコン動作モードに切り替えさせる、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信を受信するまで、双方向動作モードで動作し続けてもよい。双方向動作モードは、スリープ動作モードよりも高い電力を消費し得る。
【0050】
ビーコン動作モードでは、メダリオン11は、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介してビーコン信号を発するように構成されている。任意に、メダリオンは、BLEトランシーバ607及びアンテナ513を介して、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信に周期的にリッスンしてもよいが、リッスン期間は、双方向動作モードよりもビーコン動作モードでは、より低い頻度で(例えば、1秒毎、5秒毎など)発生する。その結果、ビーコン動作モードは、双方向動作モードよりも低い電力消費と関連付けられるが、スリープ動作モードよりも高い電力消費と関連付けられる。ビーコン動作モードでの周期的なリッスン期間は、動作モードに、双方向動作モードに切り替えさせる、認識されたゲストエンゲージメントシステム10からの通信にリッスンするために使用される。
【0051】
双方向動作モードとビーコン動作モードとの両方では、周期的なビーコン信号は、メダリオン11から送信される。概して、ビーコン信号は、メダリオンの固有の識別子を含み、周期的に(例えば、10ms毎、100ms毎、1秒毎など)送信される。ビーコン信号は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15によって感知され、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用され、施設内のメダリオン11のおおよその位置を判定し得る。より詳細に以下で説明されるように、ビーコン信号はまた、認識されたゲストエンゲージメントシステム10によって使用され、サービスをゲストに提供する。
【0052】
メダリオン11は、認識されたゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15とワイヤレスで通信し、ゲストエンゲージメントシステムが、センサ15が取り付けられている施設のユーザ又はゲストとの自動エンゲージメントを提供することを可能にする。センサ15は、施設全体に取り付けられることができ、いくつかのセンサ15は、システムの特定のインタフェースデバイス17又はインタフェース機能に取り付けられ、或いは他の方法で関連付けられる。
図1Aに示されるように、インタフェースデバイス17は、ドアロック17a、自動ドア又はターンスタイル、販売端末17b、キャッシュレジスタ、スロットマシン、インタラクティブディスプレイ17c又はポータル17dなどを含む。特定のインタフェースデバイス17は、ドアロック17aの機能性を提供し、
図7A-
図7Iに関して詳細に以下で記載される。
【0053】
ドアロック17aは、単に、ドアに向かって歩いて行き、手を伸ばしてハンドルを握り、ゲストのメダリオン11とのワイヤレス通信に基づいて自動的に解錠されるドアを開けることによって、クルーズ船の客室、リゾートルーム、又は他のアクセス制限された施設(例えば、VIPラウンジ、スパ、フィットネス施設、エレベータバンクなど)へアクセスを得る能力をゲストに提供する。具体的に、ドアロック17aは、ドアの前に(或いはごく接近して)メダリオン11の存在を検出し、許可されたゲスト又はサービスマン(例えば、客室係、メイド、又は設備エンジニア)に対してドアを解錠する。さらに、ドアロック17aは、視覚的且つ音声的な挨拶をゲストに提供し、ゲストの今後のアクティビティ、及び/又はクルー、スタッフメンバ、又はゲストのパーティの他のメンバからのメッセージについてのリアルタイム情報を提供し得るディスプレイパネルを含み得る。ドアロック表示パネルは、部屋にアクセスしようとする不正者の画像及びビデオ、ならびに部屋にアクセスするクルー、スタッフメンバ、及び他人の画像を記録するために使用されるパネル取り付けカメラを含み得る。
【0054】
図7A-
図7Iは、ゲストのメダリオン11とのインタラクションに基づいてドアを自動的に解錠するドアロック17aの機能性を提供する自動ドアロックアセンブリ700を例示的に示す。
図7Aに示されるように、自動ドアロックアセンブリ700は、船(例えば、クルーズ船)又はホテルで使用され、ゲストの部屋(例えば、客室又はホテルルーム)のドアを選択的に解錠し得る。具体的に、自動ドアロックアセンブリ700は、ゲストの部屋のドアを選択的に解錠し、部屋への入室を可能にするために使用され得る。概して、ドアは、部屋の内側から常に解錠されたままであり、ゲストが妨げられずに部屋を出ることを可能にする。
【0055】
自動ドアロックアセンブリ700は、より詳細に
図7E、
図7G、及び
図7Iに示されるラッチアセンブリ701と、ラッチアセンブリ701を選択的に解錠するドアロックモジュール703と、ドアに近接して取り付けられたアクセスパネル705とを含む。ラッチアセンブリ701は、ラッチ、ドアハンドル、ノブ、又はドアハンドル/ノブの機能性を提供する他の機械コンポーネントを含み、概して、ラッチアセンブリ701が制御するドア内に取り付けられる。ラッチアセンブリ701はまた、ソレノイドによって制御された施錠機構などの、電子的に制御された施錠及び解錠機構を含む。ラッチアセンブリ701の施錠及び解錠機構は、ドアロックモジュール703によって制御され、ドアロックモジュール703は、施錠及び解錠信号を、電子的に制御された施錠機構に送信するように動作可能である電子モジュールである。概して、ラッチアセンブリ701はまた、ドアが物理キーを使用して解錠されることを可能にするキーベース機構などの、機械的な施錠及び解錠機構を含み得る。
【0056】
ドアロックモジュール703は、ワイヤ又は他の導体によって、ラッチアセンブリ701に、より具体的に、ラッチアセンブリ701の施錠機構に、電気的に接続される。概して、ドアロックモジュール703は、バッテリ駆動であり、ドア内に取り付けられるが、ドアロックモジュール703は、実装形態に依存して異なる位置に配置され得る。同じバッテリは、ドアロックモジュール703と、ラッチアセンブリ701の電子的に制御された施錠及び解錠機構との両方に電力供給するために使用されてもよい。電子的に制御された施錠機構を制御することに加えて、ドアロックモジュール703は、アクセスパネル705とワイヤレスで通信し、アクセスパネル705からドアを解錠する命令を受信する。
【0057】
アクセスパネル705は、ドアロックモジュール703とワイヤレスで通信し、ドアを解錠する命令をドアロックモジュール703に提供する。アクセスパネル705はまた、ゲストのメダリオン11とワイヤレスで通信し、ゲストのメダリオン11に格納された情報のセキュアな読み取りに基づいて、ドアを解錠するようにドアロックモジュール703に命令するか否かを判定する。さらに、アクセスパネル705は、ゲストエンゲージメントシステム10の中央予約サーバ21と通信し、ドアへのアクセスを許可されたゲストに関する情報をセキュアに検索し、ゲストのメダリオン11から取得された情報(例えば、固有の暗号化識別子)がドアへのアクセスを許可されたゲストのそれと一致するか否かに基づいて、ドアを解錠するようにドアロックモジュール703に命令するか否かを判定する。アクセスパネル705は、バッテリ駆動であることがあり、概して、アクセスパネル705は、外部ソースから(例えば、パワー・オーバー・イーサネット(POE)を介して)電力を受け取る。いくつかの実施例では、アクセスパネル705は、例えば、Wi-Fiネットワークを介して、中央予約サーバ21とワイヤレスで通信する。しかしながら、概して、アクセスパネル705は、ワイヤードネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)に接続され、ワイヤードネットワークを介して中央予約サーバ21とワイヤレスで通信し、中央予約サーバ21を介して動作のための電力を受け取る。アクセスパネル705は、電力網又はジェネレータから受け取られた電力が中断される場合であっても、機能し続けることができるように、無停電電源装置(UPS)に接続されてもよい。
【0058】
図7C及び
図7Dは、例示的なアクセスパネル705の詳細図を提供する。図に示されるように、アクセスパネルは、フラットパネルディスプレイ(例えば、7インチのタッチセンシティブディスプレイ)と、内蔵カメラと、BLE及び/又はNFCを介してメダリオン11と通信するためのワイヤレストランシーバ及び関連付けられたアンテナとを含む。フラットパネルディスプレイは、ドアが解錠されているゲストに挨拶を提供するために、ドアが解錠されていないゲストに情報を提供するために、ならびに他の情報を提供するために使用され得る。アクセスパネル705のさらなる機能は、より詳細に以下で記載される。
【0059】
図7E、
図7G、及び
図7Iは、ドアハンドル/ノブ及びドアラッチ機構を含む、ラッチアセンブリ701の分解図を提供する。さらに、
図7Eは、ラッチアセンブリ701のケーシング内に配置されることができ、ラッチアセンブリ701の電子的に制御された解錠機構の動作を制御するドアロックモジュール703を示す。
【0060】
さらに、
図7E、
図7G、及び
図7Iに示されるように、ラッチアセンブリ701は、ドアハンドルのスピンドルに取り付けられ、ドアハンドルをラッチアセンブリ701の他の部分から電気的に絶縁するように構成されている電気的絶縁スリーブを含む。例えば、電気的絶縁スリーブは、ドアハンドルをラッチ機構から絶縁してもよい。ドアハンドルの電気的絶縁は、ドアハンドルが、ドアロックモジュール703によってそのISM無線機の通信アンテナとして使用されることを可能にし得る。さらに、ドアハンドルの電気的絶縁は、ドアロックモジュール703が、ドアハンドルの静電容量を監視し、ドアハンドルの静電容量の変化を識別することを可能にし得る。一実施例では、ドアロックモジュール703は、ドアハンドルを公称電圧(例えば、0.05V)に充電し、ドアハンドルの電位がいつゼロに戻ったかを判定することによって、ドアハンドルの電位の変化を測定する。ドアロックモジュール703によって実行される静電容量の監視は、人物がドアハンドルに接触し、或いはごく近接しているときにのみラッチアセンブリ701の解錠機構を起動するように、ドアロックモジュール703が、人物がいつドアハンドルにタッチし、接触し、或いはごく近接している(例えば、数センチメートル未満)かを判定することを可能にする。
【0061】
図7Fは、代替のラッチアセンブリ701の半透明図を示す。示されるように、ラッチアセンブリは、LEDステータスインジケータを含み、LEDステータスインジケータは、ドアラッチアセンブリのステータス情報を提供するために使用される、ドアハンドルのベースの周りに配置された半透明のリング形状インジケータとして示される。一実施例では、LEDステータスインジケータは、ゲストがドアを開けることを承認されるときに緑色の照明を提供し、ゲストがドアを開ける承認を拒否されるときに赤色の照明を提供してもよい。
【0062】
図7Hは、ドアロックモジュール703及びアクセスパネル705のコンポーネントを例示的に示すブロッダイアグラムである。
図7Hに示されるように、ドアロックモジュール703は、ドアロックモジュール703の動作を制御するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサ上での実行のための命令を格納するメモリとを含む。さらに、ドアロックモジュール703は、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、又は静電容量型近接センサなどの、センサを含み、ゲストの手がいつドアハンドルに接触し、或いはごく近接した状態になるかを判定するために使用される。さらに、ドアロックモジュール703は、アクセスパネル705との暗号化ワイヤレス通信のために、ISMバンドで動作する無線機などの、短距離無線機を含む。ドアロックモジュール703は、バッテリと、4.5V昇圧コンバータなどの昇圧コンバータとによって電力供給される。
【0063】
アクセスパネル705は、アクセスパネル705の動作を制御するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサ上での実行のための命令を格納するメモリとを含む。さらに、アクセスパネル705は、ドアロックモジュール703との暗号化ワイヤレス通信のために、ISMバンドで動作する無線機などの、短距離無線機を含む。アクセスパネル705は、バックアップ電力を提供するためのバックアップバッテリを含むことができ、概して、イーサネットケーブルを介して受信された電力などの外部ソースから電力を受信する電源を含む。さらに、アクセスパネル705は、BLEトランシーバ及びアンテナと、NFCトランシーバ及びアンテナと、などの、メダリオン11と通信するための1つ又は複数のトランシーバ及び関連付けられたアンテナを含む。いくつかの実施例では、具体的に、アクセスパネル705のアンテナは、アクセスパネル705のディスプレイの外側エッジを包み込むように設計されている。追加的に或いは代替的に、アクセスパネル705は、ドアの真正面の天井に配置されるスポットライトセンサ15と関連付けられ(且つ接続され)てもよく、アクセスパネル705の動作は、スポットライトセンサ15によって検出され、ドアの真正面に位置するゲストのメダリオン11から発せられたビーコン信号に基づいていてもよい。さらに、ネットワークトランシーバは、アクセスパネル705が、中央予約サーバ21とのゲストエンゲージメントシステム10の通信ネットワーク19を介してなどの、ワイヤード又はワイヤレスネットワークを介して通信することを可能にする。概して、各アクセスパネル705は、それが隣接して配置される1つの特定のドアと関連付けられ、アクセスパネル705は、アクセスパネル705が1つのドアの解錠を制御のみすることができ、ドアロックモジュール703がそのアクセスパネル705のみからのコマンドからの応答に動作するように、その1つのドアのドアロックモジュール703と1対1に関連付けられる。
【0064】
動作では、概して、ラッチアセンブリ701は、デフォルトとして、ドアを施錠状態に維持する。アクセスパネル705は、アクセスパネル705に近接して動作するメダリオン11によって送信された任意のビーコン信号を検出するように、そのBLEトランシーバ(又は関連付けられたセンサ15のBLEトランシーバ)を起動状態に維持する。この目的のために、アクセスパネル705及び/又はその関連付けられたセンサ15は、アクセスパネルから2-4フィートの範囲内にある認識されたメダリオンによって送信されたビーコン信号を検出するように構成されていてもよい。したがって、認識されたメダリオン11がアクセスパネル705及び/又はその関連付けられたセンサ15の読み取り範囲に入るとき、アクセスパネル705は、メダリオン11によって送信された周期的なビーコン信号の受信を開始し、ドア解錠シーケンスを開始する。
【0065】
第1に、認識されたビーコン信号の受信のタイミングに基づいて、アクセスパネル705は、メダリオンがゲストエンゲージメントシステム10からの通信にリッスンし得る次の期間がいつ発生し得るかを判定する。そして、判定された期間中、アクセスパネル705は、メダリオン11へのセキュアな接続を開始し、その接続を介して、(例えば、楕円曲線暗号(ECC)暗号化などの暗号化を使用して)アクセスパネル705がメダリオン固有のプライベート識別子を要求し得る。固有のプライベート識別子は、メダリオン11を固有に識別する、48バイトの暗号化コードなどの、暗号化コードの形態をとり得る。要求に応答して、アクセスパネル705及びメダリオン11は、セキュア且つ/或いは暗号化通信チャネルを確立し、通信チャネルを介して、メダリオンは、その固有のプライベート識別子をアクセスパネル705に提供する。概して、固有のプライベート識別子は、暗号化BLE接続を介して通信される。固有のプライベート識別子が受信されると、アクセスパネル705は、ローカルメモリを調べ、固有のプライベート識別子及びメダリオン11と関連付けられたゲストが現在の時間にドアへのアクセスを許可されているか否かを判定するように動作可能であるロック制御ユニット(LCU)を起動する。この目的のために、アクセスパネル705は、現在及び将来の時間にドアへのアクセスを許可されているメダリオン固有のプライベート識別子のレコードを含むホワイトリストをローカルメモリに維持する。メダリオン11から受信された固有のプライベート識別子が暗号化されている場合、LCUは、識別子を復号化し、復号化識別子がホワイトリストにあるか否かを判定する。アクセスパネル705が、固有のプライベート識別子及びメダリオン11と関連付けられたゲストが現在の時間にドアへのアクセスを許可されている(例えば、固有のプライベート識別子がホワイトリストに含まれている)と判定する場合、アクセスパネル705は、そのディスプレイスクリーンに歓迎メッセージを表示し、ドア解錠を開始する。代替では、アクセスパネル705が、受信された識別子がドアへのアクセスを許可されている識別子のレコードにリストされていないと判定する場合、アクセスパネル705は、ネットワーク19を介して予約サーバ21を調べ、ドアへのアクセスを許可されているメダリオンの識別子に関する更新情報(もしあるならば)を検索する。そして、受信された識別子が更新情報中にリストされていない場合、アクセスパネル705は、ゲストが現在の時間にドアへのアクセスを許可されていないと判定し、任意に、そのカメラを起動し、ゲストの写真を撮影し、写真を中央サーバ21に送信する。アクセスパネル705がその近傍内で複数のメダリオン11を検出するケースでは、アクセスパネル705が、検出された各メダリオンに関する上記のステップを実行し、ドアへのアクセスを許可されているメダリオン11と関連付けられた各ゲストを識別する歓迎メッセージをそのディスプレイスクリーンにゲストの選択言語で表示し、検出されたメダリオンのうちの少なくとも1つがホワイトリストにある場合、ドア解錠を開始することに留意されたい。
【0066】
ドアを解錠する一部として、アクセスパネル705は、そのISM無線機を起動し、関連付けられたドアロックモジュール703のISM無線機でセキュアな通信チャネルを確立する。セキュアな通信チャネルが確立され、ゲスト又はクルーメンバがドアへのアクセスを許可されると判定されると、アクセスパネル705は、セキュアなISMチャネルを介してアーミングコード(例えば、ドア解錠承認信号)をドアロックモジュール703に送信する。アーミングコードは、例えば、128ビットの高度暗号化規格(AES)を使用して、暗号化されているメッセージとして送信されてもよい。アーミングコードを受信することに応答して、ドアロックモジュール703は、ゲスト(又はクルーメンバ)の手がドアハンドルに接触し、或いはごく近接した状態になるときに監視するように、近接センサ(例えば、静電容量型近接センサ)を起動する。ゲスト(又はクルーメンバ)の手がドアハンドルに接触し、或いは近接した状態になることを判定すると、ドアロックモジュール703は、ラッチアセンブリ701の解錠機構(例えば、ソレノイド)を起動する。ドアが解錠され、開かれる場合、ドアロックモジュール703は、ドアが開かれたことをアクセスパネル705に伝達することができ、そして、アクセスパネル705は、ビーコン動作モードに戻るようにメダリオン11に命令することができる。
【0067】
任意に、常に、ドアロックモジュール703は、人物の手がいつドアハンドルに接触し、或いはごく近接した状態になるかを監視し得る。そして、ドア解錠承認信号が、アクセスパネル705から受信されておらず、ドアロックモジュール703が、人物の手がドアハンドルに接触した、或いはごく近接した状態になったと判定する場合、ドアロックモジュール703は、不正アクセス試行信号をアクセスパネル705に送信してもよい。不正アクセス試行信号を受信することに応答して、アクセスパネル705は、そのカメラを起動し、ドアにアクセスしようとした人物の写真を撮影し、写真を中央サーバ21に送信する。
【0068】
メダリオン11が双方向動作モードとビーコン動作モードとの両方において動作するように構成されている実施形態では、上述されたドア解錠シーケンスは、追加のステップを含み得る。メダリオン11が双方向動作モードで動作している場合、ドア解錠シーケンスは、上述されたように進行し得る。任意に、ドアが解錠されると判定されると、ドアロックモジュール703は、ドアが開かれたことをアクセスパネル705に伝達することができ、そして、アクセスパネル705は、メダリオンがビーコン動作モードに戻り得ることをメダリオン11に伝達することができる。
【0069】
メダリオン11がビーコン動作モードで動作している場合、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11が、アクセスパネル705とのセキュアな通信チャネルを確立し、アクセスパネル705にメダリオン固有のプライベート識別子を提供することを可能にするために、双方向動作モードに切り替えるようにメダリオン11に命令する必要があってもよい。この目的のために、一実施例では、メダリオンからのビーコン信号の受信のタイミングに基づいて、アクセスパネル705は、メダリオンがゲストエンゲージメントシステム10からの通信にリッスンし得る次の期間がいつ発生し得るかを判定し得る。そして、判定された期間中、アクセスパネル705は、通信をメダリオン11に送信し、メダリオンに双方向動作モードに切り替えさせる。例えば、アクセスパネル705は、メダリオン固有のプライベート識別子の要求を送信し、要求を受信することに応答して、メダリオンは、周期的なビーコン信号を送信し続けながら、双方向モードに切り替わってもよい。
【0070】
別の実施例では、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11がアクセスパネル705のごく近接に到達する前に(例えば、アクセスパネル705の2-4フィート以内にいる前に)、メダリオン11に、双方向動作モードに切り替えさせてもよい。実施例では、ゲストエンゲージメントシステム10によって提供される位置サービスは、ゲストのメダリオン11を介して施設内の各ゲストの位置を監視する。具体的に、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサ15のネットワーク13は、ネットワークの各センサ15のメダリオン11から受信されたビーコン信号を連続的に監視し、受信されたビーコン信号とビーコン信号に含まれる公開識別子とに基づいて、各センサ15に近接しているメダリオン11を識別する。メダリオン11の位置の監視に基づいて、ゲストエンゲージメントシステム10は、認識されたメダリオンが、メダリオン11と関連付けられる施錠されたドアに近づいているか否かを判定し得る。例えば、システム10は、メダリオン11が、メダリオンと関連付けられたゲストがアクセスを有するドアを含む廊下に入った、或いはメダリオン11がそのようなドアから予め定められた近傍(例えば、100フィート以下)に到達したと判定してもよい。判定に応答して、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11の通信範囲内にある1つ又は複数のセンサ15に、メダリオン11へのウェイクコマンドを送信させ、メダリオン11に、双方向動作モードに切り替えさせる。
【0071】
前述の実施例では、さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11がドアの近接に近づくとき、メダリオンがアクセスを有するドアのアクセスパネル705にウェイクコマンドを送信してもよい。ウェイクコマンドに応答して、アクセスパネルは、その読み取り範囲内にあり、アクセスパネル705によって格納された承認されたユーザリスト(例えば、ホワイトリスト)にある任意のメダリオン11に関するそのBLEトランシーバを監視し始め得る。
【0072】
上記で提供された自動ドアロックアセンブリ700の機能の説明は、アクセスパネル705とメダリオン11との間のBLEベースの検出及び通信に焦点を当てた。しかしながら、アクセスパネル705とメダリオン11との両方はまた、NFCベースの検出及び通信のために構成されており、アクセスパネル705はまた、NFCベースの通信に基づいて、関連付けられたドアを解錠するための機能性を提供する。他の使用ケースの中でも、メダリオンのバッテリが切れ、したがって、メダリオンがBLEベースのビーコン信号を発することができず、或いはBLEベースの通信を行うことができない状況では、NFCベースの通信は、使用され得る。NFCベースの通信を支援するために、アクセスパネル705は、その近傍の任意のパッシブNFCベースのデバイスに通電するために使用されるNFC読み取り信号又はNFC質問信号を周期的に発する。メダリオン11がアクセスパネル705の近傍に位置する場合、NFC読み取り信号は、メダリオンのNFCアンテナ及びトランシーバを起動し、メダリオン11に、メダリオン11の公開識別子を含むNFCベースの応答ビーコン信号をアクセスパネル705に提供させ得る。次いで、受信された応答信号に基づいて、アクセスパネル705は、メダリオン11とのセキュアなNFCベースの通信チャネルを確立することができ、上述されたBLEベースの解錠プロセスに類似するNFCベースの解錠プロセス(全ての通信がBLEトランシーバではなく、NFCトランシーバを使用して実行され得ることを例外として)に基づいてドア解錠を進めることができる。NFCベースの解錠プロセスはまた、例えば、NFC対応のアクセスカードを含む、メダリオン以外のNFC対応のデバイスを使用して使用され得る。
【0073】
インタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15に加えて、ゲストエンゲージメントシステム10は、1つの施設(又は複数の施設)全体に配置されたスタンドアロンセンサ15のセンサネットワーク13を含む。各センサ15は、既知の位置を有し、ネットワーク13内のセンサ15は、各センサ15によって検出された各メダリオン11のログを、関連付けられたタイムスタンプと共に作成することによって、施設内のメダリオン11の位置を追跡するために使用される。さらに、各センサ15は、その通信範囲内のメダリオン11との双方向通信を行うことができ、メダリオン11によって送信されたビーコン及び他の信号のセンシングを介したメダリオン11のセンシングと、メダリオン11への信号及びメダリオン11からの信号の送受信とを含み得る。スタンドアロンセンサ15の実施例は、
図8A-
図8Dに示され、記載される。具体的に、
図8A及び
図8Bは、指向性センサ又は無指向性センサの図を示し、
図8C及び
図8Dは、スポットライトセンサの図を示す。無指向性センサは、センサの周りの全方向に延在する長い通信範囲(例えば、30-50フィート、及び最大100フィート以上)を有し、指向性センサは、センサの周りのいくつかの(しかし、全てではない)方向に延在する同様に長い通信範囲(例えば、30-50フィート、及び最大100フィート以上)を有する。スポットライトセンサは、調整可能であり、最大7-10フィート以上に達し得る直径を有する、より短いビーム状の通信範囲を有し、典型的に、ビーム状は、無指向性センサよりも短い距離(例えば、15フィート以下)のセンサから、選択された方向に延在する通信範囲を有する。各センサの通信範囲は、上述された最大範囲値から下方に調整され得ることに留意されたい。
【0074】
図8Aは、ベースプレート811とレドーム801との間に取り付けられた電子部品PCB807及びアンテナPCB803を含む指向性又は無指向性センサの分解図を示す。アンテナPCB803は、アンテナPCB803上に取り付けられたアンテナエレメント802を有し、アンテナエレメント802は、アンテナPCB803の回路に通信可能に接続される、アンテナエレメント802は、センサに指向性又は無指向性感度を与える
図8E-
図8H及び
図8K-
図8Nに詳細に示されるものなどの、専有の形状を有する。アンテナPCB803は、ケーブル805を介して電子部品PCB807と通信し、コネクタ809は、電子部品PCB807とワイヤードネットワーク19との間の接続を提供する。センサ15は、(例えば、コネクタナット813を使用して)施設の天井又は壁に取り付けられ、或いは施設の天井又は壁にあることがあり、センサの近傍内(例えば、通信範囲内)に配置されたメダリオンを監視し、通信するために使用され得る。
図8Bは、全てのコンポーネントが一緒に取り付けられるときの指向性又は無方向性センサを示す。
【0075】
図8Cは、ベースプレート811とレドーム801との間に取り付けられた電子部品PCB807及びアンテナを含むスポットライトセンサの分解図を示す。さらに、化粧台814は、設けられ得る。アンテナPCB803は、アンテナPCB803上に取り付けられたアンテナエレメント802を有し、アンテナエレメント802は、アンテナPCB803の回路に通信可能に接続される。アンテナエレメント802は、スポットライト又はスポットビームの指向性感度をセンサに与える
図8I-
図8Jに詳細に示される専有の形状を有する。アンテナは、アンテナPCB803の表面に取り付けられたフォームスペーサ804を有するアンテナPCB803と、フォームスペーサ804に取り付けられたアンテナエレメント802とを含む。アンテナPCB803は、ケーブル805を介して電子部品PCB807と通信し、コネクタ809は、電子部品PCB807とワイヤードネットワーク19との間の接続を提供する。センサ15は、(例えば、コネクタナット813を使用して)施設の天井又は壁に取り付けられ、或いは施設の天井又は壁にあることがあり、センサの近傍内(例えば、通信範囲及びビーム内)に配置されたメダリオンを監視し、通信するために使用され得る。
図8Dは、全てのコンポーネントが一緒に取り付けられるときのスポットライトセンサを示す。
【0076】
図8A-
図8Dに示されるものなどの、センサ15に設けられたアンテナPCB803に取り付けられ得るアンテナエレメント802の詳細図は、
図8E-
図8Mに関連して提供される。
図8E-
図8Hは、
図8A及び8Bに示されるものなどの、指向性センサに設けられたアンテナエレメント802の詳細図を示す。アンテナエレメント802は、施設内の壁又は天井の取り付け位置のために設計されていてもよく、アンテナの前面への直線偏波(linear polarized)放射方向を得るための広ビーム幅を有する指向性センシング機能を提供してもよい。
図8E-
図8Gに示される上面図及び側面図に示されるように、アンテナエレメント802は、概して、中心線について対称である逆V字形状を有し、アンテナPCB803に取り付けるために使用されるアンテナの主面から下方に延在する2つのタブを含む。
図8Eに示される、アンテナの主面は、矩形中央部分の対向する側面から延在する対称的な平行四辺形形状の延在部を有する矩形中央部分を含む。インチ単位で測定された、アンテナエレメント802の例示的な寸法は、図に提供される。提供される寸法は、例示的であり、アンテナエレメント802は、アンテナエレメント802(及び関連付けられたセンサ15)が設計されている特定の用途に依存して、示される寸法に対してスケールアップされ、或いはスケールダウンされ得る。特に、寸法は、アンテナの中心周波数及びインピーダンス整合を変化させるために、選択され、調整され得る。例えば、提供される寸法は、対応するPCBグランド間隔及びハウジング誘電体近接が考慮されるとき、2.4GHzの共振動作周波数(ISMバンドのBLE動作範囲内)をアンテナエレメント802に提供するように選択されてもよい。アンテナの主面から下方に延在された下部タブは、PCB803に電気的に接続されたフィードタップ及びグランドタップとして機能し、また、アンテナエレメント802をPCBグランドプレーンからの適切な高さ間隔で維持するのに役立つ。
【0077】
図8I-
図8Jは、
図8C及び
図8Dに示されるものなどのスポットライト(又はスポットビーム)センサに設けられたアンテナエレメント802の詳細図を示す。アンテナエレメント802は、施設内の天井の取り付け位置(又は、ダウンチルトを用いた高所での壁の取り付け位置)のために設計されていてもよく、円偏光(CP)放射を得る高利得及び指向性狭ビーム(すなわち、スポットライト)センシング機能を提供してもよい。
図8I-
図8Jに示される上面図及び側面図に示されるように、アンテナエレメント802は、概して、平面形状を有し、正方形の辺に対して45度の角度で取り除かれた、対角線上に向かい合った角を有する正方形形状を有する。
図8Cに示されるように、
図8I及び
図8Jのアンテナエレメント802は、フォームスペーサ804を介してアンテナPCB803に取り付けられてもよい。ミリメートル(mm)単位で測定されたアンテナエレメント802の例示的な寸法は、図に提供される。提供される寸法は、例示的であり、アンテナエレメント802は、アンテナエレメント802(及び関連付けられたセンサ15)が設計されている特定の用途に依存して、示される寸法に対してスケールアップされ、或いはスケールダウンされ得る。特に、寸法は、アンテナの中心周波数、軸比、及びインピーダンス整合を変化させるために、選択され、調整され得る。例えば、提供される寸法は、対応するPCBグランド間隔及びハウジング誘電体近接が考慮されるとき、2.4GHzの共振動作周波数(ISMバンドのBLE動作範囲内)をアンテナエレメント802に提供するように選択されてもよい。
【0078】
図8K-
図8Nは、円形センサに設けられたアンテナエレメント802の詳細図を示す。例えば、
図8K-
図8Nに示されるアンテナエレメントは、無指向性センシングを提供してもよく、
図8A及び
図8Bに示されるものなどのセンサ15内で使用されてもよい。アンテナエレメント802は、施設内の天井の取り付け位置のために設計されてもよく、アジマス(azimuth)無指向性センシングパターンを得るための直線偏波広ビーム幅を提供してもよい。
図8K-
図8Mに示される上面図及び側面図に示されるように、アンテナエレメント802は、概して、中心線について対称な形状を有し、(例えば、
図8Aに示されるように)アンテナPCB803に取り付けるために使用されるアンテナの主面から下方に延在する2つのタブを含む。概して、
図8Kに示されるアンテナの主面は、円形形状を有する。インチ単位で測定された、アンテナエレメント802の例示的な寸法は、図に提供される。提供される寸法は、例示的であり、アンテナエレメント802は、アンテナエレメント802(及び関連付けられたセンサ15)が設計される特定の用途に依存して、示される寸法に対してスケールアップされ、或いはスケールダウンされ得る。特に、寸法は、アンテナの中心周波数及びインピーダンス整合を変化させるために、選択され、調整され得る。例えば、提供される寸法は、対応するPCBグランド間隔及びハウジング誘電体近接が考慮されるとき、2.4GHzの共振動作周波数(ISMバンドのBLE動作範囲内)をアンテナエレメント802に提供するように選択されてもよい。アンテナの主面から下方に延在される下部タブは、PCB803に電気的に接続されたフィードタップ及びグラウンドタップとして機能し、また、アンテナエレメント802をPCBグランドプレーンから適切な高さ間隔で維持するのに役立つ。フィードタップ及びグランドタップは、アンテナ放射エレメント802の表面上の異なる電流フロー方向を提供し得る。
【0079】
概して、ドアを解錠するために使用されるアクセスパネル705のアンテナなどの、ゲストエンゲージメントシステム10のインタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15は、インタフェースデバイス17にごく近接しているゲストのメダリオン11のみを感知するように、限定された範囲(例えば、2-4フィート)を有するように調整される。さらに、インタフェースデバイス17のセンサ15は、選択された方向のみにおいてメダリオン11を検出するように動作可能である指向性或いはスポットライトタイプのセンサであり得る。このように、アクセスパネル705と関連付けられたセンサは、センサから任意の方向において限定された距離内に配置されるメダリオン11のみを検出するように動作可能であってもよく、支払い端末又は自動販売機のセンサは、限定された角度範囲内(例えば、支払い端末又は自動販売機の真正面)と、センサから限定された距離(例えば、2フィート未満)内とに配置されるメダリオン11のみを検出してもよい。
【0080】
上述されたように、センサ15は、施設全体に配置され、施設全体のメダリオン11の位置を監視し、感知された信号に基づいてサービスをゲストに提供するために使用される。具体的に、センサ15は、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用され、選択可能な精度レベルで位置情報をゲストエンゲージメントシステム10に提供する。低い精度レベルでは、メダリオン11の位置は、任意の所定の時間に、メダリオン11からのビーコン信号を検出する1つ又は複数のセンサ15又は他のデバイスのアイデンティティに基づいて識別される。このように、任意の時間でのメダリオンの位置は、メダリオンの最新に検出されたビーコン信号を検出したセンサの既知の位置(及び/又は、既知の場合は他のデバイスの位置)に基づいて、概算され得る。より高い精度レベルでメダリオン11の位置を判定するために、メダリオンの位置は、ビーコン信号を受信したセンサの各々で測定されたビーコン信号の相対受信信号強度に基づいて、且つ/或いはセンサのセンシング範囲及びセンシングビーム(例えば、センシング範囲及びセンシング方向)の特性に基づいて判定される。特に、メダリオン11からのビーコン信号が3つ以上のセンサ15によって受信されるとき、センサ15の各々でのビーコン信号の相対受信信号強度(及び/又はセンサ15の各々でのビーコン信号の受信時間の間の遅延)は、センサ15の各々の既知の位置に対するメダリオン11の位置を三角測量するために使用され得る。
【0081】
施設内のメダリオン11の位置の監視は、センサネットワーク13のセンサ15によってだけでなく、ゲストエンゲージメントシステム10のインタフェースデバイス17に取り付けられたセンサ15によっても実行され得る。例えば、施設全体に配置された自動ドアロックアセンブリ700のアクセスパネル705は、アクセスパネル705を通り過ぎる全てのメダリオン11を検出するために使用され得る。アクセスパネル705は、全ての検出されたメダリオン11のアイデンティティを、関連付けられたタイムスタンプと共に全てのメダリオンの位置のログを維持する中央位置サーバに中継し得る。さらに、位置の監視は、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21と通信しているBLE又はNFC対応のモバイルデバイス、タブレットコンピュータ、又はインタラクティブディスプレイなどの、BLE又はNFC対応のデバイスによってメダリオン11のセンシングを介して実行され得る。ゲストのモバイルデバイス又はスタッフメンバのタブレットなどの、BLE又はNFC対応のモバイルデバイスは、デバイスの通信範囲内に配置されたメダリオン11を検出し、検出されたメダリオン11のアイデンティティを、検出のタイムスタンプ及びデバイスの位置情報(利用可能な場合)と共に中央位置サーバに報告してもよい。
【0082】
メダリオン11の位置の連続的なリアルタイム監視を提供するために、メダリオン11を検出するセンサ及びデバイスの各々は、全ての検出されたメダリオン11のアイデンティティを、検出時間のタイムスタンプと共に同じ中央位置サーバに中継する。したがって、中央位置サーバは、全てのメダリオンの位置のログを、関連付けられたタイムスタンプと共に維持する。したがって、中央位置サーバは、メダリオン11の最新のログエントリに基づいて、或いは、適切な場合には、(例えば、2つの異なる位置センシング方法論を組み合わせることによって、高められた位置精度を提供するために)メダリオン11のログにおける2つ以上の最新のエントリに基づいて、各メダリオンの最新の検出された位置を識別するために使用され得る。このように、ゲストエンゲージメントシステム10は、各メダリオンの位置のリアルタイム(又はほぼリアルタイム)評価を提供する。さらに、位置情報は、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用され、例えば、メダリオン11がエリアに到着し、エリアを動き回り、定められた時間エリアに留まり、或いはセンサ15を備えたエリア又は空間を出ると判定されるとき、パーソナライズされたインタラクションを促進するために使用されるシステムに通知イベントを提供するといった、追加のサービスをゲスト又は他人に提供し得る。
【0083】
さらに、位置ベースのサービスは、施設の入口及び/又は出口の近くに配置されたセンサ15の使用を介して向上され得る。具体的に、中央位置サーバによって維持されるログにおける特定のメダリオン11に関連する最後のエントリが、入口/出口位置に関するものであり、ログが、施設における後の時間でのメダリオン11のさらなる検出を含まない場合、システムは、メダリオン11(及びその関連付けられたゲスト)が施設を出たと判定してもよい。そして、メダリオン11が同じ(又は異なる)入口/出口位置で再び検出されるとき、メダリオンは、施設に再入場したと判定されてもよい。それによって、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設内にあるメダリオン11のログと、施設を出たメダリオン11のログとを維持してもよい。通知は、例えば、ゲストの家族が施設を出たこと、及び/又は施設に戻ったことを別のゲストに知らせるために、これらのログに基づいてユーザに提供され得る。
【0084】
上述された機能に加えて、さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、海上での集合(mustering)、緊急避難などに使用され得る。具体的に、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11の位置を監視するように構成されている施設(又は船)全体にセンサ15を含むので、ゲストエンゲージメントシステム10は、全てのゲストのメダリオン11の監視された位置に基づいて、施設内のゲストの位置に関する現在の最新情報を常に維持する。ゲストの位置に関する現在の情報に基づいて、ゲストエンゲージメントシステム10は、集合又は避難動作が行われるとき、ゲストを集合場所又は避難経路に動的に割り当て得る。具体的に、ゲストエンゲージメントシステム10は、集合又は避難動作がトリガされるとき、ゲストを、ゲストの現在位置に最も近い集合場所又は避難経路に割り当てるように、ゲストを集合場所又は避難経路に動的に割り当て得る。追加的に或いは代替的に、ゲストエンゲージメントシステム10は、集合又は避難動作がトリガされるとき、特定の集合場所又は避難経路をオーバーロードすることを避けるように、ゲストを集合場所又は避難経路に動的に割り当て得る。例えば、多数のゲストが施設の特定の部分内に集中している状況では(例えば、多数のゲストが船尾又は船尾の近くにいる)、動的な割り当ては、特定のゲストを船首又は船首の近くの集合場所又は避難経路に割り当て、集合場所又は避難経路がゲストでいっぱいにならないようにするために使用されてもよい。さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、集合又は避難動作中にメダリオン及びゲストの位置を監視し、ゲストの施設内での位置の変化(すなわち、移動)のリアルタイム監視に基づいて取得された更新されたリアルタイム情報に基づいて、特定のゲストの割り当てられた集合場所又は避難経路を動的に変更し得る。この態様では、ゲストが集合又は避難動作中に予期しない経路を辿る場合、例えば、ゲストが集合又は避難動作中に子供を救い出すために予期しない経路を辿る場合、或いはゲストが避難中に煙で満たされた廊下を迂回しなければならない場合、ゲストの割り当てられた集合場所又は避難経路は、更新され得る。
【0085】
さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、例えば、メダリオンが部屋に存在しないと判定し、且つ/或いは部屋と関連付けられた全てのゲストが(ゲストのメダリオンの監視された位置に基づいて)施設内の他の場所に位置していると判定することによって、集合又は避難動作中に全てのゲストがいない部屋を自動的に識別するために使用され得る。逆に、ゲストエンゲージメントシステム10は、(ゲストのメダリオンの監視された位置に基づいて)集合又は避難動作中にゲストが存在する部屋を自動的に識別し、クルー及び/又は緊急対応者を識別された部屋に誘導し、避難においてゲストを支援するために使用され得る。
【0086】
集合及び/又は避難において使用されるゲストエンゲージメントシステム10の上記の識別された特徴は、部分的に、集合又は避難動作中に情報をゲストに伝達するゲストエンゲージメントシステムの能力によって有効である。この目的のために、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設全体に配置されるアクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、ポータル17dなどに依存する。具体的に、ゲストエンゲージメントシステム10は、集合場所及び避難経路に向く矢印(又は、より詳細な指示)などの、インタフェースデバイス17のディスプレイ上での集合及び/又は避難の指示を提供する。さらに、指示は、メダリオンが各インタフェースデバイス17の近傍で検出される個々のゲストにカスタマイズされ、例えば、(例えば、他のゲストが自分のパーティ内の他のゲストと再集合することを可能にするために)特定の方向に避難するように1人のゲストに指示し、別の方向に避難するように異なるゲストに指示し得る。指示はまた、同じパーティ内の他のゲストに関する情報をゲストに提供し、例えば、ゲストの子供、配偶者、又は友人の現在位置、割り当てられた集合場所、及び/又は割り当てられた避難経路に関する情報をゲストに提供し得る。指示はまた、各ゲストにカスタマイズされ、ゲストの選択言語で表示し得る。
【0087】
ゲストエンゲージメントシステム10は、様々な異なるモダリティ及び端末を介して、サービス及びエンゲージメントをゲストに提供する。例えば、
図9に示されるように、ゲストエンゲージメントシステム10は、とりわけ、モバイルデバイス18a(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ18b、インタラクティブディスプレイ18c(例えば、タッチ対応ディスプレイスクリーン)、ウェブ対応テレビ(例えば、客室テレビ)、デスクトップコンピュータ18d及び/又はウェブインタフェース、キオスクなどのエンドデバイス18を介してサービス及びエンゲージメントを提供し得る。概して、エンドデバイス18は、プロセッサと、プログラム命令を格納するメモリと、ディスプレイと、タッチスクリーンなどのユーザ入力インタフェースとを含むが、追加のコンポーネント(又は、より少ないコンポーネント)は、使用されてもよい。インタラクティブディスプレイ18c、ウェブ対応テレビ、キオスクなどを含む、いくつかのエンドデバイス18はまた、インタフェースデバイス17として機能してもよく、その逆も同様であってもよい。特に、概して、BLE対応である(例えば、BLEトランシーバを含む)エンドデバイス18は、インタフェースデバイス17として機能し得る。逆に、ユーザ入力インタフェースを含み、より詳細に以下で記載されるゲストエンゲージメントアプリケーションへのアクセスを提供するインタフェースデバイス17は、エンドデバイス18として機能し得る。
【0088】
ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるサービス及びエンゲージメントは、専用のゲストエンゲージメントアプリケーションなどのエンドデバイス18上に格納され、エンドデバイス18によって実行されるアプリケーション又は他の実行可能なプログラムを介して提供されてもよい。代替的に或いは追加的に、サービス及びエンゲージメントは、エンドデバイス18によって実行され、サーバ21への通信接続を有するウェブブラウザを介してアクセスされるサーバ21上で実行されるゲストエンゲージメントインタフェースなどの、ウェブベースのインタフェースを介して提供されてもよい。概して、サービス及びエンゲージメントは、エンドデバイス18のネットワーク接続(例えば、インターネット接続)を介してゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21から検索されたデータ及び情報に少なくとも部分的に依存するが、特定のサービス及びエンゲージメントは、ネットワーク接続なしで、或いはサーバ21からデータ及び情報を検索することなく、提供され得る。サーバ21と通信する目的のために、エンドデバイス18は、通信ネットワーク19を介してサーバ21へのワイヤレス接続(例えば、エンドデバイス18a及び18bのケース)又はワイヤード接続(例えば、エンドデバイス18c及び18dのケース)を有するものとして
図9に示されている。通信ネットワーク19が、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのうちの1つ又は複数を含み得ることに留意されたい。
【0089】
図9に示されるように、サービス及びエンゲージメントが提供されるエンドデバイス18のいくつかは、BLE対応のモバイルデバイス18a、タブレットコンピュータ18b、又はインタラクティブディスプレイ18cなどの、BLE対応のデバイスであってもよい。そのようなエンドデバイス18がゲストエンゲージメントアプリケーションを実行するとき、任意に、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバを起動し、追加のサービスをユーザに提供してもよい。例えば、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバを起動し、起動されたBLEトランシーバを使用し、エンドデバイス18のBLE通信範囲内に位置するメダリオン11によって発せられたビーコン信号にリッスンしてもよい。任意に、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、受信のタイムスタンプ及びエンドデバイス18の位置情報(利用可能であるとき)と共に、ビーコン信号が受信されたメダリオン11の識別子をサーバ21に報告してもよい。さらに、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、起動されたBLEトランシーバを使用し、ビーコン信号が受信されたメダリオン11と双方向通信を行ってもよい。一実施例では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、メダリオン11の動作モードに変更させてもよい。1つの使用ケースでは、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、メダリオン11が広告を検出するとき、その通信範囲内の任意のメダリオン11にスリープモードを終了させるように、エンドデバイス18のBLEトランシーバにゲストエンゲージメントシステムからの広告を発させてもよい。別の使用ケースでは、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、ビーコンモードで動作しているメダリオン11に、双方向動作モード又はスリープ動作モードに入らせ、或いは双方向モードで動作しているメダリオン11に、ビーコン動作モード又はスリープ動作モードに入らせてもよい。
【0090】
いくつかの例では、追加的に或いは代替的に、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、アプリケーションがNFC対応のエンドデバイス18上で実行されるとき、エンドデバイス18のNFCトランシーバを起動してもよい。そのような状況では、アプリケーションは、メダリオン11を検出し、NFCを介してメダリオン11と通信を行うために使用され得る。特に、本明細書での説明は、エンドデバイス18とメダリオン11との間のBLEベースの通信に焦点を当てており、BLEベースのコンテキストで記載された特徴は、NFC対応のエンドデバイス18を使用するとき、エンドデバイス18とメダリオン11との間のNFCベースの通信を介して同様に有効であり得る。
【0091】
本明細書全体のゲストエンゲージメントアプリケーションへの言及は、ゲストエンゲージメントアプリケーションがエンドデバイス18に格納され、エンドデバイス18によって実行されるアプリケーション又は他の実行可能プログラムの形態をとる例だけでなく、ゲストエンゲージメントアプリケーションがウェブベースのインタフェース又は他の端末ベースのインタフェースの形態をとる例にも言及する。概して、アプリケーションベースのインタフェース及びウェブベースのインタフェースを介して提供されるユーザインタフェースは、類似し得るが、ゲストエンゲージメントアプリケーションの特定の機能は、アプリケーションベースのインタフェース上でのみ、或いはウェブベースのインタフェース上でのみ提供されてもよい。さらに、ゲストエンゲージメントアプリケーションへの言及は、ゲストに提供される機能のみを含むゲストフォーカスバージョンと、ホスト又はスタッフに提供される追加の機能を含むスタッフフォーカスバージョンと、スタッフメンバを監督する監督者に提供される機能を含む監督者フォーカスバージョンと、システム管理者のみに提供される機能を含む管理者バージョンとを含む、アプリケーションの異なるバージョンに言及してもよい。
【0092】
エンドデバイス18を介してゲストエンゲージメントアプリケーションを使用するために、概して、ゲストは、自分自身を識別し、認証する必要がある。識別されず且つ認証されない場合、ゲストは、アプリケーションの制限された特徴へのアクセスのみを有してもよく、特に、ゲストは、ユーザのプロファイルベースの情報へのアクセスを有さないことがある。ゲストエンゲージメントアプリケーションがBLE対応のエンドデバイス18上で実行される例では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、ゲストのメダリオン11からのBLEビーコン信号にリッスンすることができ、1つ又は複数のビーコン信号を検出することに応答して、検出されたビーコン信号に基づいて自動的に識別されるゲストのためにパーソナライズされたログオンページを提供することができる。次いで、ゲストは、パスワード又は個人識別番号(PIN)をアプリケーションに入力することによって、自分自身を認証し、アプリケーションにログインし得る。アプリケーションがBLE対応でないエンドデバイス18上で実行される場合、且つ/或いはゲストのメダリオンのビーコン信号がアプリケーションによって検出されない場合、ゲストは、ユーザ名とパスワード又は個人識別番号(PIN)との両方をアプリケーションに入力することによって、自分自身を識別し、認証し、アプリケーションにログインし得る。アプリケーションがゲスト自身のモバイルデバイス18a上で実行されるとき、ゲストは、ゲストがアプリケーションにアクセスするたびにパスワード又はPINを入力する必要がないように、アプリケーションにログインされたままにすることを選択し得ることに留意されたい。さもなければ、ユーザとのインタラクションが予め定められた時間に発生しない場合、ゲストは、アプリケーションから自動的にログアウトされてもよい。さらに、ログオンがメダリオンのビーコン信号を検出することに基づいているケースでは、メダリオンのビーコン信号がアプリケーション又はエンドデバイス18によって予め定められた時間にもはや検出されない場合、或いはメダリオン11がエンドデバイス18から離れたと判定される場合、ゲストは、自動的にログアウトされてもよい。
【0093】
ログインされると、アプリケーションは、自動的にアクセスし、識別され且つ認証されたゲストと関連付けられたプロファイル情報をサーバ21からセキュアに検索してもよい。次いで、アプリケーションはまた、アプリケーションからサーバ21にアップロードされる不足するプロファイル情報を提供し、記入し、或いはレビューするようにゲストに促すために使用され得る。プロファイル情報は、名前、身分証明写真、ブッキング及び他の予約情報、支払い情報(例えば、ゲストのための格納された支払いモダリティに関する情報)などを含んでもよい。プロファイル情報はまた、ゲストと関連付けられた追加のデータを含み、(ブッキング及び予約に基づいて、ならびに位置データに基づいて判定された)ゲストの過去、現在、及び将来のアクティビティと、(ブッキング及び予約に基づいて、ならびに位置データに基づいて判定された)過去、現在、及び将来の位置と、過去、現在、及び予定された将来の注文及び好みと、などに関する情報を含み得る。プロファイル情報はまた、ゲストと関連付けられた写真、音楽、ビデオ、及び他のタイプのデータを含み得る。
【0094】
アプリケーションのゲストフォーカスバージョンを介して、ゲストエンゲージメントシステム10は、様々なサービスをゲストに提供する。例えば、アプリケーションを使用するゲストは、アプリケーションを使用し、宿泊施設、レストラン、ショー、アクティビティなどの過去、現在、及び将来の登録を含む、ゲストのブッキング、登録、及び予約をレビューし得る。ゲストはまた、アプリケーションを使用し、利用可能な宿泊施設、レストラン、ショー、アクティビティなどに関する情報を受信し、予約を行い得る。情報は、ゲストのプロファイル情報に基づいてゲストのためにパーソナライズされた将来のブッキング、登録、及び予約に関する推奨事項に基づいていてもよい。ゲストはまた、アプリケーションを使用し、ゲストと関連付けられている写真、ビデオ、及び他のメディアアイテムを含む、ゲストエンゲージメントシステム10によって利用可能にする写真、ビデオ、及び他のメディアアイテムをレビューし得る。メディアアイテムのゲストとの関連付けは、ビデオがゲストのメダリオンによって訪問された位置で撮影されたことを示すプロファイル及びタグ情報と、写真が撮影されたときに、写真が撮影者に近接して検出された人物のメダリオンに基づいてゲストと関連付けられた人物を含むことを示すプロファイル及びタグ情報と、などの、ゲストのプロファイル情報をメディアアイテムのタグ情報と一致することに基づき得る。アプリケーションはまた、ゲーム(任意に、賭けベースのゲームを含む)、ショッピング、及び他の機能へのアクセスを提供してもよい。
【0095】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストに、アプリケーションのゲストフォーカスバージョンを使用してライブショーを見ることを可能にしてもよい。例えば、ショーは、ゲストエンゲージメントアプリケーションがアクセスされ得るゲストの客室テレビを介して見られ得る。詳細には、ゲストエンゲージメントアプリケーションを使用するゲストは、ゲストエンゲージメントシステム10が設置されている施設内の劇場又は他の会場において、或いは施設外において発生するショーなどの、ライブショーを、アプリケーションを介して見ることを選択してもよい。選択に応答して、ゲストは、イベントのライブオーディオ及び/又はビデオストリームを提示される。さらに、アプリケーションは、ゲストに、ライブショーに参加しているパフォーマとインタフェースすることを可能にする。詳細には、アプリケーションは、例えば、アプリケーションのユーザ入力インタフェース(例えば、客室テレビのオンスクリーンキーボード又はリモートコントロール)上でパフォーマに対するメッセージを入力し、或いはフィードバックボタン(例えば、「拍手」ボタン、「笑い」ボタン、「承認」ボタン、「ハート」ボタンなど)を選択することによって、ゲストに、パフォーマに対するインスタントメッセージ又は他のフィードバックを送信することを可能にし得る。次いで、インスタントメッセージ及びフィードバックは、ゲストから受信されたフィードバックをパフォーマに通知し、パフォーマがショーの間にゲストに関与することを可能にするように、パフォーマの前に設けられたスクリーンに表示され、且つ/或いはパフォーマに聴覚フィードバックとして(例えば、予め記録された拍手又は笑いの音を起動することによって)提供される。
【0096】
いくつかの実施例では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、アプリケーションのユーザ(ゲストとスタッフとの両方を含む)が、アプリケーションを使用して互いに通信することを可能にする通信機能を提供する。通信機能は、チャットベースの通信、インスタントメッセージ(IM)、ボイスメール又はビデオボイスメールなどの、ユーザ間のテキスト、音声、及び/又はビデオベースの通信を含み得る。さらに、通信機能は、ユーザが、位置情報を含む他のリンクされたユーザに関する情報を取得することを可能にし得る。リンクされたユーザは、ゲストのケースでは、ゲストのパーティにおける他のゲスト(例えば、子供、両親などの、同じ予約に属する他のゲスト)、又はゲストへのリンク要求を受け入れたゲストを含むことがあり、或いは、スタッフメンバのケースでは、スタッフメンバがサービスを提供すべき1人又は複数の人物(例えば、スタッフメンバによって配達されるべき食べ物又は飲み物を注文したゲスト)を含むことがある。例えば、ユーザがリンクされると、ゲストエンゲージメントアプリケーションの通信機能は、ゲストに、(例えば、別のゲストが施設内にいること又は施設を出たことを示すために)一般的な位置情報、及び/又は(例えば、他のゲストが自身の客室にいることを示すために)正確な位置情報を提供してもよい。通信機能はまた、別のリンクされたゲストがインスタント通信に利用可能であるか否かを示してもよく、いくつかの実施例では、通信に利用不可能であるとして施設を出たゲストを識別してもよい。
【0097】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを介して追加の機能を提供する。ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフフォーカスバージョンは、ホスト及びスタッフによって使用されるエンドデバイス18上で実行され、サービス及びエンゲージメントを施設のゲストに提供し得る。一般的に、ホスト及びスタッフは、BLE対応(例えば、エンドデバイスがBLEトランシーバ及びBLEアンテナを含む)である、タブレットコンピュータ18bのエンドデバイス上でゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフフォーカスバージョンにアクセスし得るが、いくつかの状況では、ホスト及びスタッフは、他のエンドデバイス(例えば、インタラクティブディスプレイ18c、ポータル、ドアロックのアクセスパネル705など)を介してアプリケーションにアクセスし得る。
【0098】
一実施例では、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフフォーカスバージョンは、スタッフによって使用され、ゲストに関与し得る。この目的のために、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、エンドデバイス18のBLEトランシーバを使用し、エンドデバイス18の近傍(例えば、BLE通信範囲)内の任意のメダリオン11を検出する。具体的に、BLEトランシーバは、エンドデバイス18の近傍内のメダリオン11によって発せられたビーコン信号を検出するために使用される。1つ又は複数のビーコン信号が検出されるとき、ゲストエンゲージメントアプリケーションのスタッフフォーカスバージョンは、発せられたビーコン信号に含まれる各メダリオンの公開識別子を検索し、検索された識別子及び関連付けられたゲストと関連付けられたプロファイル情報をサーバ21から検索するように構成されている。概して、検索されたプロファイル情報は、ゲストと関連付けられた写真及び名前(又はニックネーム)を含む。次いで、検索されたプロファイル情報は、エンドデバイス18のディスプレイ上に提供され、スタッフメンバ又はホストが、検索されたプロファイル情報に基づいてゲストに関与することを可能にする。例えば、検索されたプロファイル情報に基づいて、スタッフメンバは、ゲストを視覚的に識別し、名前又はニックネームによってゲストに挨拶し、ゲストの今後のブッキングをゲストと議論し得る。
【0099】
複数のゲストのプロファイル情報がエンドデバイス18によって受信される状況では、ゲストエンゲージメントアプリケーションは、複数のゲストのプロファイル情報を表示してもよい。いくつかの実施例では、プロファイルは、エンドデバイス18からの各ゲストの推定距離の順に表示されてもよく、推定距離は、各ゲストのメダリオン11と関連付けられ、エンドデバイス18によって検出されたそれぞれのBLEビーコン信号と関連付けられた信号強度又は伝送遅延に基づいて判定され得る。
【0100】
検索されたプロファイル情報に基づいて、スタッフメンバ又はホストは、ゲストを支援し得る。例えば、スタッフメンバ又はホストは、ゲストのブッキング、登録、及び予約をレビューし、ゲストのプロファイル情報に基づいてゲストのためにパーソナライズされた将来のブッキング、登録、及び予約に関する情報を提供し、且つ/或いは推奨事項又は予約を行い、ゲストへの配達の飲み物及び食べ物を注文し、ゲストが施設内の道を見つけるのを支援するなどをし得る。アプリケーションはまた、スタッフメンバ又はホストが、ゲストとゲーム(任意に、賭けベースのゲームを含む)を行うことを可能にし、さらなる機能を提供してもよい。
【0101】
さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、アプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを介して、支払い機能を提供し得る。上述されたように、メダリオン11は、メダリオン11と支払い端末(例えば、17b)との間にセキュアな通信チャネルを確立し、メダリオン11に格納されたメダリオン固有のプライベート識別子又は他の暗号化情報を使用してセキュアな通信チャネルを介してメダリオン11のアイデンティティを認証し、認証されたアイデンティティに基づいて、認証されたメダリオン11と関連付けられた支払い情報を使用して支払い取引を処理することによって、支払いに使用され得る。そのような支払い取引は、メダリオン11と支払い端末(例えば、17b)との間のBLE又はNFC通信を介して実行されることができ、自動販売機、キャッシュレジスタ、及びスタッフメンバ又はキャッシャが存在する必要がない他の支払い端末によって実行されることができる。さらに、合理化された支払いプロセスは、アプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを介して使用され得る。具体的に、アプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを介して、スタッフメンバは、ゲストの外見をゲストのプロファイルに格納された写真と比較することに基づくゲストの視覚認識を介して、ゲストの認証を実行し得る。特に、ゲストエンゲージメントシステム10は、アプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを使用するスタッフメンバに、ゲストの口座への支払いを承認するように指示してもよい。例えば、プロンプトは、アプリケーションを介して選択するスタッフメンバに応答して提示され、ゲストに代わって注文してもよい(例えば、食べ物又は飲み物の注文、エクスカーションの登録、ショーでの座席のブッキング、部屋のアップグレード、ゲームに参加するための支払いなど)。概して、プロンプトは、スタッフが支払いを承認することを可能にするために、2つの相補的な識別モダリティに依存してもよいが、異なる数の識別モダリティ(単一の識別モダリティを含む)は、使用されてもよい。例えば、プロンプトは、アプリケーションのスタッフフォーカスバージョンを実行し、(例えば、メダリオン11を検出するためにBLE及びNFC通信モダリティを使用して)支払いが請求されるべきゲストのメダリオン11を検出し、検出されたメダリオン11のプロファイル情報(写真を含む)をサーバ21から検索し、メダリオン11と関連付けられたゲストの写真を表示し、スタッフメンバに、スタッフメンバがインタラクションしているゲストが表示された写真に一致することを視覚的に確認するように指示し、ゲストが写真に一致するという確認をスタッフメンバから受信すると、支払いを処理するエンドデバイス18に依存してもよい。実施例では、使用される2つの相補的な識別モダリティは、メダリオン11の検出とゲストの識別の視覚的確認とであるが、他の実施例では、他のモダリティ(及び異なる数及びそれらの組み合わせ)は、使用され得る。
【0102】
ゲストエンゲージメントシステム10はまた、ウェイファインディング機能を提供し、ゲストエンゲージメントアプリケーションを介してウェイファインディングのためのインタフェースを提供する。ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるウェイファインディング機能は、移動基準フレーム内、ならびに固定基準フレーム内のウェイファインディングに使用され得る。例えば、クルーズ船でのウェイファインディングのケースでは、GPSなどの従来の位置判定システムは、複数の理由のために容易に使用されることができない。第1に、クルーズ船は、移動することがあり、したがって、船内のウェイファインディングは、固定(例えば、陸ベースの)基準フレームではなく、船の移動基準フレームに基づいていなければならない。その結果、GPSベースの位置判定及び他の固定基準フレームの位置判定は、ユーザのGPSベースの位置が、ユーザがどこに移動する船に対して位置しているかを判定するために使用されることができないので、限定的な使用である。第2に、クルーズ船は、(GPS信号が船内で受信されることができないように)GPSベースの信号の伝搬を妨害する実質的な多くの金属及び他の表面を含み、且つ/或いは金属製の表面から跳ね返る電磁信号の結果として実質的な信号ノイズを引き起こす。その結果、概して、従来の位置判定システムは、船上でのウェイファインディングに有効でない。
【0103】
上述された欠点に対処するために、ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサのネットワーク13に基づいて、ゲストエンゲージメントシステム10自体のウェイファインディング機能を提供する。詳細には、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11が検出された位置のデータベースを維持する。データベースの各レコードは、メダリオンの識別子(例えば、デバイスのビーコン信号の一部としてブロードキャストされるメダリオン11の公開識別子)と、位置の識別子(例えば、ビーコン信号を検出したセンサ15又は他のアンテナ又はデバイスの位置の識別子、及び/又は、三角測量、マルチラテレーション、又は他の位置判定方法に基づく、より正確な位置判定)と、タイムスタンプとを含む。したがって、ゲストエンゲージメントシステム10によって実行される位置判定は、センサネットワーク13のセンサに基づいて、ならびにエンドデバイス18、インタフェースデバイス17などによって検出されたビーコン信号に基づいて実行され得る。先に述べられたように、位置判定は、ビーコン信号が検出されたセンサ15のタイプ(例えば、スポットライトセンサは、無指向性センサよりも詳細な位置情報を提供する)に依存して、ビーコン信号を検出したセンサ15の数に依存して、複数のセンサからの三角測量、マルチラテレーション、伝送遅延、又は信号強度情報が使用されるか否かなどに依存して、異なるレベルの精度で実行されてもよい。
【0104】
したがって、ゲストエンゲージメントアプリケーションを介して提供されるウェイファインディングを含む、ゲストエンゲージメントシステム10によって提供されるウェイファインディング機能は、ゲストエンゲージメントシステム10によって実行される位置判定に基づいて提供される。具体的に、ゲストの位置は、ユーザのメダリオン11の位置を判定し、ゲストエンゲージメントアプリケーションを介して判定された位置をゲストに報告することによって、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21によって判定される。例えば、ゲストの位置は、ゲストによって現在使用中のエンドデバイス18に提供されるアプリケーションのユーザインタフェースに示された船の地図上或いは船の3次元モデル上に重ねられて表示されてもよい。このように、概して、ゲストの位置は、ゲストによって使用中のエンドデバイス18によって判定されないが、代わりに、概して、ゲストの位置は、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13によって検出されたゲストのメダリオン11の位置に基づいてゲストエンゲージメントシステム10によって(例えば、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21によって)判定される。
【0105】
上述されたように、ゲストエンゲージメントシステム10のセンサネットワーク13は、船上に配置された施設及び船外に配置された施設を含む複数の異なる施設に及び得ることに留意されたい。したがって、ゲストエンゲージメントシステム10は、固定施設(例えば、陸ベース)、移動施設(例えば、船ベース)、及び固定コンポーネントと移動コンポーネントとの両方を含む施設(例えば、船ベースの施設と陸ベースの施設との両方を含んでもよい、クルーズ中にクルーズ乗客によってアクセスされる施設)を含む、任意の施設における正確な位置判定及びウェイファインディングを提供するために使用され得る。そのようなケースでは、ゲストエンゲージメントシステム10は、現在、ゲストが固定(例えば、陸ベース)又は移動(例えば、船ベース)基準フレーム上に位置しているか否かに依存して、適切な固定又は移動基準フレームに従ってゲストの位置を自動的に判定し、ゲストの現在位置に対応するように判定された基準フレームにおいてゲストエンゲージメントアプリケーションを介して位置情報を提供し得る。
【0106】
上述されたように、ゲストエンゲージメントシステム10は、メダリオン11に基づいて、特に、メダリオン11によって発せられたビーコン信号が検出される位置に基づいて、ゲストの位置(position)/位置(location)を判定し得る。検出は、システム10のセンサ15の動作に依存し、より具体的に、各センサ15が設置されている既知の位置と、各センサのセンシング範囲(例えば、指向性センシング範囲の形状及び方向)とに依存する。検出はまた、モバイルデバイス18a及びタブレットコンピュータ18bなどの可変位置を有するエンドデバイス18を含むエンドデバイス18によってビーコン信号の検出に依存し得る。詳細には、エンドデバイス18のケースでは、固定位置を有するエンドデバイス18の位置は、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21によって格納されることができ、格納された位置情報は、検出されたメダリオン11の位置を判定するために使用されることができる。
【0107】
可動エンドデバイス18のケースでは、ゲストエンゲージメントシステム10は、2つの情報源に依存し、エンドデバイス18の現在位置を判定し、それによって、エンドデバイス18によって検出されたメダリオン11の位置を推論し得る。第1に、ゲストエンゲージメントシステム10は、ビーコン信号が検出されたメダリオン11の識別子を含むエンドデバイス18からの周期的な報告を受信することができ、報告が受信されたエンドデバイス18の位置を判定することによって、メダリオン11の位置を推論することができる。次いで、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18がシステム10の通信ネットワーク19に接続されるWi-Fi又は他のワイヤレスアクセスポイントのアイデンティティに基づいて、エンドデバイス18の位置を判定し得る。この目的のために、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設の各ワイヤレスアクセスポイントの取り付け位置を識別するデータベースを維持し、データベースを使用し、エンドデバイス18によって検出されたエンドデバイス18及びメダリオン11の位置を識別する。ワイヤレスアクセスポイントのアイデンティティは、エンドデバイス18によってゲストエンゲージメントシステム10に報告されることができ、或いはエンドデバイス18から受信されたパケットに含まれるヘッダ情報に基づいてゲストエンゲージメントシステム10によって判定されることができる。
【0108】
第2に、エンドデバイス18から受信された周期的な報告と、エンドデバイスによって検出されたメダリオン11を識別することとの一部として、ゲストエンゲージメントシステム10は、そのような情報が利用可能であるとき、エンドデバイス18の位置情報を受信してもよい。エンドデバイス18によって報告された位置情報は、GPSベースの位置判定などのエンドデバイス自体の位置判定機能に基づいてエンドデバイス18によって判定された位置であってもよい。そのような状況では、ゲストエンゲージメントシステム10は、エンドデバイス18によって提供される報告された位置情報を使用し、エンドデバイス18によって検出されたメダリオン11の位置を判定し得る。さらに、ゲストエンゲージメントシステム10は、移動基準フレームの位置に関する情報(例えば、エンドデバイス18が旅行している船のGPS位置)を使用し、移動基準フレームに対するエンドデバイス18の位置を判定し得る。
【0109】
ウェイファインディング機能は、ゲストエンゲージメントアプリケーションのユーザが、他のゲスト又はスタッフメンバをリアルタイムで追跡することによって、別のゲスト又はスタッフメンバを位置付けることを可能にするために、ゲストエンゲージメントシステム10によって使用され得る。このゲスト追跡機能は、他の状況の中でも、別のゲスト(例えば、友人、配偶者、子供、...)を位置付けるためにゲストによって、ならびに、ゲストを位置付けるために(例えば、食べ物、飲み物、又は他の注文を配達するために、或いは別の方法でゲストを支援するために)スタッフメンバ又はホストによって使用され得る。ゲスト追跡機能は、アプリケーションの1人のユーザが、ゲストエンゲージメントシステム10によって判定された他のゲストの現在位置に関する情報を、ゲストエンゲージメントアプリケーションを介して提供されることを可能にし、情報は、アプリケーションのユーザインタフェースに示された船(又は他の施設)の地図上或いは3次元モデル上に重ねられて表示される他のゲストの現在位置の表示を含む。ゲスト追跡機能はまた、(ユーザのメダリオン11の検出位置に基づいてゲストエンゲージメントシステム10によって判定された)ユーザの位置と、(他のゲストのメダリオン11の検出位置に基づいてゲストエンゲージメントシステム10によって判定された)他のゲストの位置との組み合わせに基づいて、1人のユーザに、他のゲストの現在位置へのウェイファインディングの方向を提供されることを可能にする。位置は、ユーザ及びゲストが施設を動き回るときにリアルタイムで更新されてもよく、ウェイファインディングの方向は、それに対応してリアルタイムで更新されてもよい。
【0110】
上述されたゲストエンゲージメントシステム10の機能は、以下のサービスが提供されることを可能にし得る(クルーズ船の実施例の例示的なコンテキストにおいて記載される)。
【0111】
ゲストエンゲージメントシステム10は、ゲストエンゲージメントアプリケーションを介して、ゲストが、システムが設置されている施設の外部からシステムに関与することを可能にする。例えば、ゲストは、アプリケーションのウェブベースバージョンを介して、或いはアプリケーションを実行するエンドデバイス18(例えば、携帯電話18a、タブレットコンピュータ18b、デスクトップコンピュータ18dなど)を介して、ゲストのプロファイルにアクセスすることによって、自宅から関与し得る。次いで、ゲストは、暇なときに、パスポート情報などの、任意の必要書類を入力し、健康フォーム及び旅行の詳細を記入し、好みの支払い形態を入力することによって、ゲストのプロファイルを追加し得る。ゲストはまた、写真をアップロードし、プロファイルをさらにパーソナライズするためにデジタルアバターを作成し、例えば、客室への優先配送に関して荷物をピックアップしてもらうためにサービスを手配し、或いは予約し得る。
【0112】
さらに、ゲストは、空港にいるとき、特に、ゲストが旅行前にメダリオン11を取得しているケースでは、関与し得る。例えば、ゲストエンゲージメントシステム10が動作可能である施設に旅行するゲストのケースでは、ゲストは、目的地の空港でスタッフメンバによって出迎えられてもよい。実施例では、空港に常駐されるスタッフメンバは、ゲストエンゲージメントアプリケーションを実行するエンドデバイス18を備えていてもよい。スタッフメンバは、エンドデバイス18及びアプリケーションを使用し、到着するゲストのメダリオン11を検出し、写真を含むゲストのプロファイル情報を検索し、メダリオン11の近接と写真に基づくゲストの視覚認識とに基づいてゲストを認識してもよい。したがって、スタッフメンバは、ゲストを自ら歓迎し、ゲストの書類ステータスを確認し、(例えば、ゲストを港湾ターミナルに向かう全てのモータコーチ車両に誘導するために)ゲストを空港内で誘導し得る。
【0113】
モータコーチ車両での移動では、ゲストは、エンドデバイス18(例えば、携帯電話18a又はタブレットコンピュータ18b)を介してゲストフォーカスアプリケーションに再びアクセスし、目的地の施設(例えば、一実施例では、クルーズ船)で提供されるオプションを調査し、アクティビティを予約し、ゲストが体験するようになる人々、場所及び文化についてさらに学び得る。
【0114】
さらに、クルーズターミナル(例えば、クルーズ船の実施例)では、ゲストは、ゲストが客室の鍵として機能するメダリオン11を既に備えているので、スタッフメンバとの最小限のさらなるインタラクションで船に乗ることを可能にし得る。さらに、ターミナルのスタッフメンバは、スタッフフォーカスアプリケーションを実行しているエンドデバイス18を使用し、到着するゲストを識別し、登録プロセスをまだ完了していないゲストを識別し、ゲストがプロセスを終了するのを支援するためにそれらのゲストに近づいてもよい。
【0115】
図10に示されるように、ゲストエンゲージメントシステム10の一部として使用され得るインタフェースデバイス17のさらなる実施例は、ゲーミングステーション100である。ゲーミングステーション100は、ゲストが、賭けベースのゲームと、他のゲストとの協力的なゲームと、他のゲストに対するヘッドツーヘッドゲームとを含む、ゲームを行い得る環境を提供する。
【0116】
概して、各ゲーミングステーション100は、複数のゲスト(例えば、
図10に示される実施例では、4人のゲスト)のための人間工学的な座席101を含むが、1人のゲストのためのゲーミングステーション100又は可変数のゲストのためのモジュラーゲーミングステーション100はまた、使用され得る。座席101は、ゲスト間に配置された中央フレームとゲーミングステーションの支持コンポーネントとで、ゲストを互いに向かい合わせに配置し得る。
図10に示されるように、数人のゲストはまた、互いに隣り合って着席し得る。ゲーミングステーション100は、中央フレームに取り付けられ、ゲームプレイ画面及び画像をユーザに表示するために使用される1つ又は複数のディスプレイスクリーン102と、中央フレームに取り付けられ、ユーザからの入力を受信するために使用されるキーボード、タッチパッド、タッチセンシティブディスプレイなどの入力デバイス103とを含む。入力デバイス103はまた、強化されたユーザ入力、ユーザ位置データ、及び/又はゲーミングステーション内のユーザのユーザ移動データを提供するために使用されるマイクロフォン(例えば、ゲーミングステーション100の異なる位置に配置された複数のマイクロフォンを含むマイクロフォンアレイ)、光学センサ、及び/又は超音波近接センサを含み得る。
【0117】
ゲーミングステーション100はまた、ステーション100内に(例えば、隠れた或いは別個の位置に)取り付けられ、ステーション100に現在着席し、或いは他の方法でステーション100を使用しているゲストを識別するために使用される1つ又は複数のセンサ15(図示せず)を含む。センサ15は、ユーザがゲーミングステーション100にログインし、ゲームを行うことを可能にするために、ステーション100のユーザのメダリオン11を検出するために使用される。センサ15はまた、ステーション100のユーザのメダリオン11へのセキュアな通信接続を確立し、メダリオン11を認証し、支払い取引に関与するために使用され得る。概して、センサ15は、ゲーミングステーション100に着席しているゲストのメダリオン11を検出するように、ゲーミングステーション100の座席101に向けられたセンシングビームを有する。いくつかの実施例では、センサ15のセンシングビームは、ゲーミングステーション100内にあるメダリオン11のみがセンサ15によって検出され得るように調整される。一実施例では、センサ15は、ゲーミングステーションが異なる各座席位置に位置するゲストを区別し得るように、位置付けられ、調節され、各座席位置のメダリオン11を別個に検出する。座席位置は、(ユーザの足元の財布/バッグを覆うために)幅2フィート、床から0-5フィート、及びテーブルのエッジから1フィート後ろから3フィートまでのエリアとして規定されてもよい。メダリオン11は、座席位置内に位置する附属品、ポケット(前面又は背面)、又はバッグ内にあるとき、検出されてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、ゲーミングステーション100はまた、ゲーミングステーション100の座席101上に延在するキャノピ105を含む。
図10の実施例では、キャノピ105は、2つのブレース107によって支持され、半透明材料又はメッシュ材料で形成される。ブレース107は、キャノピ105を支持し、多色照明を提供するために使用されるブレース107に内蔵された照明(例えば、LED照明)を有する。照明は、ゲーミングステーション100のプロセッサによって制御され、ゲーミングステーション100でプレイされているゲームに同期されている起動パターン及び/又は色パターンを有する照明を出力してもよい。さらに、ブレース107は、ブレース107に内蔵された水のミスト噴出口及び/又は香り/フレグランスのミスト噴出口を有し得る。ミスト噴出口は、ブレース107を介してゲーミングステーション100の座席101に延在するパイプによって、給水バルブ又はリザーバ(例えば、香りリザーバ)に接続されてもよい。給水バルブに接続されたミスト噴出口は、ゲーミングステーション100のプロセッサによって選択的に制御され、ゲーミングステーション100でプレイされているゲームに同期されている起動パターンを有する水ミストを出力してもよい。1つ又は複数の香りリザーバに接続されたミスト噴出口は、ゲーミングステーション100のプロセッサによって選択的に制御され、ゲーミングステーション100でプレイされているゲームに同期されている起動パターン及び/又は匂いを有する香り(又は香りの混合物)を出力してもよい。別個のミスト噴出口及びパイプは、ブレース107に設けられ、ミスト及び香りを別個に独立して提供してもよい。さらに、異なるミスト噴出口及びパイプは、ゲーミングステーション100において異なる香りを発するために設けられてもよい。
【0119】
典型的に、ゲーミングステーション100は、ディスプレイスクリーン及び照明を介して提供される視覚フィードバックに加えて、ユーザに関する追加の感覚フィードバックモダリティを含む。例えば、典型的に、ゲーミングステーション100は、聴覚フィードバックのためのスピーカ(例えば、中央フレーム、座席101、及びブレース107に取り付けられたスピーカ)、ならびに他の位置の中でも、ユーザ入力デバイス103及び座席101に取り付けられたアクチュエータによって提供されるハプティック又はタッチフィードバックを含む。
【0120】
ゲーミングステーション100はまた、ゲームプレイ画面及び画像がリアルタイムで表示され、他のゲストが進行中のゲームを見ることを可能にし得る1つ又は複数の外装ディスプレイスクリーン109を含み得る。いくつかの実施例では、外装ディスプレイスクリーン109は、タッチ対応であり、観戦するゲストが、ゲームプレイに参加し、且つ/或いはゲームプレイ及びプレーヤの結果に対して賭けをすることを可能にする。そのような実施例では、ゲーミングステーション100は、外装ディスプレイスクリーン109の前に位置するゲストのメダリオン11を感知するように配置された1つ又は複数の外装センサ15を含み得る。外装センサ15は、ゲストのメダリオン11を検出し、それらのゲストが外装ディスプレイスクリーン109を介してゲーミングステーション100にログインすることを可能にするために使用され、ゲストがゲームプレイに参加し、或いは賭けをすることを可能にし得る。外装ディスプレイスクリーン109はまた、座席位置がゲーミングステーション100において利用できるようになると、ゲストが、招待され、登録又は列の順番でゲームプレイに参加し得るように、ゲストによって使用され、ゲームプレイを登録し、或いはゲームプレイの列に加わり得る。
【0121】
ゲーミングステーション100の動作は、座席101内に設けられたコンピューティングプラットフォームによって制御されてもよい。典型的に、コンピューティングプラットフォームは、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、いくつかの実施形態では、3つ以上のプロセッサ)と、ゲームプレイのためのプログラム命令を格納するメモリと、電源(例えば、無停電電源装置(UPS)を含む)と、ディスプレイ及び入力デバイス102,103,及び109の各々への接続とを含み得る。コンピューティングプラットフォームはまた、通信ネットワーク19を介して、ゲストエンゲージメントシステム10のサーバ21に接続され得る。さらに、コンピューティングプラットフォームは、ミスト噴出口を制御するアクチュエータ、ならびに照明、音、及びハプティック又はタッチフィードバックを制御するコントローラに接続される。様々なフィードバックモダリティは、異なるプレーヤが、コンピューティングプラットフォームの制御下で、任意の時間に異なる感覚フィードバック(ミスト、香り、音、ハプティック、タッチ、光、及びディスプレイを含む)を提供され得るように、各プレーヤの座席位置に関して個別に制御されてもよい。
【0122】
追加的に且つ/或いは代替的に、ゲストエンゲージメントシステム10の上記で識別された特徴は、ユーザが施設内を移動するとき、ゲストにシームレスな経験を提供し得る。例として、ユーザは、ゲーミングステーション100の選択されたディスプレイスクリーン109上でゲームを開始し、ユーザの客室の選択されたアクセスパネル705上で同じゲームを継続し得る。この目的のために、ゲストエンゲージメントシステム10は、施設全体に配置されるアクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、ポータル17dなどに依存する。そのような実施例では、例えば、本明細書に記載されたメダリオン11の位置判定に基づくユーザの近接は、インタフェースデバイス17をトリガし、検出されたメダリオン11と関連付けられたユーザのプロファイル情報にアクセスし得る。したがって、アクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、ポータル17dなどは、ゲストの検出されたメダリオン11のプロファイル情報(ゲームの好み、プレイされている現在のゲームのステータス、ユーザの経歴情報、支払い情報などを含む)を検索するためにサーバ21とワイヤレスで通信する。プロファイル情報が受信されると、インタフェースデバイス17は、プレイされた最後のゲームのステータスをユーザに表示し、ユーザがプレイし続けたいか否かをインタフェースデバイス17上で直接ユーザに尋ね得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、ゲームは、ゲームをプレイしている船上の全てのゲストによって促進されるイベント及びアクティビティによって影響され得る。例えば、ゲーミングステーション100は、アクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、ポータル17dなどでユーザがゲームに参加する機会を提供するラッフルゲームを支援し得る。アクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、及び/又はポータル17dがゲストによってアクセスされるたびに、ラッフルゲームへのエントリが作成され、累積型ジャックポットは、集計され得る。他の実施例では、アクセスパネル705、インタラクティブディスプレイ17c、ポータル17dなどとのインタラクションは、既にラッフルに参加しているそれらのユーザに不利となり得る。それによって、ゲストエンゲージメントシステム10は、システム10とのシームレスなインタラクションに基づいて、船上の全てのユーザとのインタラクションを提供する。
【0124】
図11及び
図12は、汎用コンピュータハードウェアプラットフォームの機能ブロックダイアグラム図を提供する。
図11は、典型的に、本明細書に記載される任意のサーバ21などのサーバを実装するために使用され得るような、ネットワーク又はホストコンピュータプラットフォームを示す。
図12は、ゲストエンゲージメントシステム10のポータル(例えば、17d)又は他のタイプのワークステーション又は端末デバイスを実装するために使用され得るような、ユーザインタフェース要素を有するコンピュータを描写するが、適切にプログラムされる場合、
図12のコンピュータはまた、サーバとして機能してもよい。当業者は、そのようなコンピュータ機器の構造、プログラミング、及び一般的な動作に熟知していると考えられ、その結果、図面は、自明であるはずである。
【0125】
例えば、サーバは、パケットデータ通信のためのデータ通信インタフェースを含む。サーバはまた、プログラム命令を実行するための、1つ又は複数のプロセッサの形態の中央処理装置(CPU)を含む。典型的に、サーバプラットフォームは、内部通信バスと、プログラムストレージと、サーバによって処理され、且つ/或いは通信される様々なデータファイルのデータストレージとを含むが、サーバはしばしば、ネットワーク通信を介してプログラミング及びデータを受信する。そのようなサーバのハードウェア要素、オペレーティングシステム、及びプログラミング言語は、本質的に従来のものであり、当業者は、それを十分に熟知していると推定される。もちろん、サーバ機能は、多数の同様のプラットフォーム上で、分散方法で実装され、処理負荷を分散させてもよい。
【0126】
図13に目を向けると、ゲストエンゲージメントシステム10は、少なくとも1人のクルーメンバ40を含むものとして示されている。クルーメンバ40は、サービス又は製品をゲスト12に提供する任意の人物を含み得る。例示的なクルーメンバ40は、ホテル及び/又はリゾートのクルー、スタッフメンバ、従業員、及びホストを含み得る。クルーメンバ40は、クルーデバイス402を操作するものとして示されている。クルーデバイス402は、ワイヤレス通信のために構成され、任意にモバイルコンピューティング機能を有する、ハンドヘルド、モバイル、及び/又はポータブル電子デバイスを含み得る。例示的なクルーデバイス402は、双方向ワイヤレストランシーバ、ウォーキートーキー、携帯電話、スマートフォン、テーブルなどを含み得る。クルーデバイス402は、1つ又は複数の選択されたワイヤレス通信技術を介してゲストデバイス11及び/又はセンサ15と通信するように構成され得る。追加的に且つ/或いは代替的に、クルーデバイス402は、通信ネットワーク19を介してシステムサーバ21と通信し得る。追加的に且つ/或いは代替的に、クルーデバイス402は、ゲストデバイス11と同様の方法で、インタフェースデバイス17(
図1に示される)及び/又はエンドデバイス18(
図9に示される)と通信し得る。
【0127】
クルーデバイス402は、クルーデバイス402から供給された信号を発するように構成されているアンテナデバイス300と結合されているものとして示されている。追加的に且つ/或いは代替的に、アンテナデバイス300は、信号を受信し、信号をクルーデバイス402に送信し得る。多少異なる言い方をすると、クルーデバイス402が内蔵アンテナを含むか否か、且つ/或いは内蔵アンテナがゲストエンゲージメントシステム10において必要とされる機能を提供し得るか否かにかかわらず、アンテナデバイス300は、クルーデバイス402と他のワイヤレスネットワーク及び/又はデバイスとの間のインタフェースとして機能し、クルーデバイス402の追加の且つ/或いは代替のワイヤレス通信機能を提供し得る。さらに、アンテナデバイス300が、クルーデバイス402の内蔵機能から独立してワイヤレス通信機能を提供し得るので、クルーデバイス402が商業的に取得され、再プログラムされることができず、或いはカスタマイズされることができない場合であっても、アンテナデバイス300のハードウェア及び/又はソフトウェアは、プログラムされ、且つ/或いは具体的に開発され得る。有利には、ホテル及びリゾートのクルー、従業員、及びホストは、具体的にカスタマイズされたアンテナデバイス300を有するゲストエンゲージメントシステム10を十分に利用し得る。
【0128】
アンテナデバイス300は、クルーデバイス402の任意の附属品400の中、且つ/或いは附属品400上に配置されるものとして示されている。附属品400は、クルーデバイス402に取り付けられ、且つ/或いはクルーデバイス402と携帯し得る。一実施形態では、附属品400は、クルーデバイス402を少なくとも部分的に取り囲むためのケーシング420(
図27に示される)を含み得る。附属品400は、選択された機能を提供し得る追加の要素を含み得る。附属品400のハードウェア及び/又はソフトウェアは、クルーデバイス402が商業的に取得され、再プログラムされることができず、或いはカスタマイズされることができない場合であっても、プログラムされ、且つ/或いは特別に開発され得る。有利には、附属品400は、クルーデバイスと共に容易に使用され、ゲストエンゲージメントシステム10を十分に利用するためにカスタマイズされた機能を提供し得る。
【0129】
図14に目を向けると、アンテナデバイス300は、第1のワイヤレス通信アンテナ320及び任意の第2のワイヤレス通信アンテナ340を含むものとして示されている。第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340は、それぞれ、第1及び第2の通信規格に従って動作するように構成され得る。第1の通信規格は、第2の通信規格と異なり得る。一実施形態では、第1及び第2の通信規格は、それぞれ、Bluetooth通信規格及び近距離無線通信(NFC)の通信規格を含み得る。例示的なBluetooth通信規格は、Bluetooth Low Energy(BLE)通信規格を含み得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、指向性アンテナを含み得る。多少異なる言い方をすると、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、任意の他の方向と比較して方向360において(或いはz方向において)、最大利得で、且つ/或いは最小の干渉と共に、電力を放射するものとして示されている。例えば、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、八木アンテナ、対数周期アンテナ、コーナーリフレクタアンテナ、又はそれらの組み合わせを含み得る。第1のワイヤレス通信アンテナ320を使用することによって、クルーメンバ40(
図13に示される)は、第1のワイヤレス通信アンテナ320を、ゲストデバイス11を携帯する選択されたゲスト12に向け、BLE通信を介して、選択されたゲスト12と関連付けられた情報を取得し得る。有利には、選択されたゲスト12が混雑した環境におり、他のゲスト12によって囲まれている場合であっても、高いレベルの指向性を有する第1のワイヤレス通信アンテナ320は、アイデンティティ、好み及び/又は以前の経験などの、選択されたゲスト12から情報を取得し得る。したがって、クルーメンバ40と選択されたゲスト12との間のインタラクションは、パーソナライズされ得る。
【0131】
指向性は、指向性及び/又はピーク指向性などのパラメータを介して測定され得る。指向性は、特定の方向におけるアンテナデバイス300の電力密度の、同じ総電力伝送レベルの理論的な等方性エミッタの電力密度に対する比率であり得る。ピーク指向性は、最も集中された方向における(或いはエンドファイア(EF)領域での)アンテナデバイス300の電力密度の、同じ総電力伝送レベルの理論的な等方性エミッタの電力密度に対する比率であり得る。多少異なる言い方をすると、第1の通信規格を使用するアンテナデバイス300のピーク指向性は、方向360において測定され得る。
【0132】
第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性及び/又はピーク指向性を高め得る。多少異なる言い方をすると、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、方向360における第1のワイヤレス通信アンテナ320の利得を増加させ得る。第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第1のワイヤレス通信アンテナ320から発せられた電力と共に、方向360において、強め合って干渉するための特定の形状、ジオメトリ、寸法、及び/又は電気特性を有することによって、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を高め得る。一実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第1のワイヤレス通信アンテナ320に対して選択された距離で、且つ/或いは選択された方向で配置され、方向360における第1のワイヤレス通信アンテナ320から放射された電力を高め得る。有利には、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、2つ以上の目的のために使用されることができ、したがって、アンテナデバイス300の構造を単純化し得る。
【0133】
図15に目を向けると、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、八木アンテナを含むものとして示されている。八木アンテナは、駆動エレメント324と、リフレクタ322と、任意のディレクタ326とを含むことができ、各々は、x方向と平行であり、z方向に沿って分布され得る。駆動エレメント324は、附属品400(
図13に示される)及び/又はクルーデバイス402(
図13に示される)に配置されたトランスミッタ(図示せず)からのRF電流によって駆動され、且つ/或いは励起されるダイポールを含み得る。駆動エレメント324は、電波のソースとなり得る。
【0134】
リフレクタ322及びディレクタ326は、寄生エレメントであることがあり、それぞれ、x方向と平行であり、選択された長さの、細いロッドエレメントを含み得る。リフレクタ322及びディレクタ326からの波は、重畳し、干渉し、z方向における放射を高めることができ、駆動エレメント324のダイポールと比較して、第1のワイヤレス通信アンテナ320の利得の実質的な増加を実現し得る。
【0135】
第2のワイヤレス通信アンテナ340は、NFC通信に適したアンテナを含み得る。例示的な第2のワイヤレス通信アンテナ340は、誘導結合のために構成され得る。一実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、少なくとも1つの電磁コイル342(
図19に示される)を含み得る。例示的な電磁コイル342は、x-y平面内で巻き得る。
【0136】
第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第1のワイヤレス通信アンテナ320のディレクタとして機能し、方向360における第1のワイヤレス通信アンテナ320の利得を増加させ得る。多少異なる言い方をすると、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、方向360における第1のワイヤレス通信アンテナ320から受信される波を再放射し得る。第2のワイヤレス通信アンテナ340は、再放射された波が方向360において受信された波と同位相であるように、最も近接したディレクタ326から、選択された距離Dで配置されることがあり、強め合う干渉をもたらし、第1のワイヤレス通信アンテナ320の利得を増加させ得る。選択された距離Dは、第1のワイヤレス通信アンテナ320の波の周波数に依存し得る。例示的な距離Dは、2.4GHzの周波数で、八木アンテナの場合、(第1のワイヤレス通信アンテナ320として)2ミリメートルであり得る。例示的な一実施例では、八木アンテナは、4の比誘電率(Er)を有するFR(Flame Retardant(難燃剤))-4材料の八木・宇田マイクロストリップアンテナを含み得る。
【0137】
図16に目を向けると、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340は各々、第1及び第2のプリント回路板(PCB)328,348に配置され得る。多少異なる言い方をすると、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、第1のPCB328と一体化され、PCBアセンブリを形成し得る。同様に、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第2のPCB348と一体化され、別のPCBアセンブリを形成し得る。第1のPCB328は、x-z平面と平行であるものとして示されている。第2のPCB348は、x-y平面と平行であり、第1のPCB328と直交しているものとして示されている。
【0138】
第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340と、第1及び第2のPCB328,348とは、例示的な目的のみのために、特定の空間的方向で示されているが、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340と、第1及び第2のPCB328,348とは、限定されないが、上述されたように機能を実装するのに適した他の方法で方向付けられ得る。第1のPCB328は、例示的な目的のみのために、y方向に沿って第2のPCB348の端部領域で第2のPCB348と結合されるものとして示されているが、第1のPCB328は、限定されないが、第2のPCB348の任意の他の適切な領域で第2のPCB348と結合され得る。例えば、第1のPCB328は、第2のPCB348の中央領域で、すなわち、第2のワイヤレス通信アンテナ340の高さHに沿った中間領域で第2のPCB348と結合され得る。
【0139】
一実施形態では、第1及び第2のPCB328,348は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340が両方、x-z平面と位置合わせされるように、平行に配置され得る。多少異なる言い方をすると、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340の両方は、クルーデバイス402(
図31に示される)の底部に配置され、且つ/或いはクルーデバイス402の底部と平行に配置され得る。
【0140】
しかしながら、有利には、第1のPCB328と直交するものとして
図16に示される第2のPCB348は、近接するデバイス(ゲストデバイスなど)をスキャンするとき、クルーメンバ40(
図13に示される)又はゲスト12(
図13に示される)が、第2のワイヤレス通信アンテナ340の位置を、より容易に識別することができ、クルーデバイス402の大きい底部エリアにわたって第2のワイヤレス通信アンテナ340を捜す必要がないので、より使いやすいことがある。追加的に且つ/或いは代替的に、第2のワイヤレス通信アンテナ340の放射は、第1のワイヤレス通信アンテナ320の放射に対して、より侵入的でないことがある。
【0141】
第2のワイヤレス通信アンテナ340が、第2の通信規格に十分な利得を実現することと、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を改善することとの両方に関して、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340のうちの一方又は両方は、選択された方法で構成される必要があってもよい。一実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第2の通信規格(例えば、NFC通信規格)のために最大可能利得よりも小さい利得を実現するように構成されている必要があってもよい。最大可能利得は、第1のワイヤレス通信アンテナ320を考慮することなく、第2のワイヤレス通信アンテナ340が第2の通信規格下で個別に最適化されるときに実現され得る利得である。多少異なる言い方をすると、第2のワイヤレス通信アンテナ340の利得の犠牲は、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を損なわないために、或いは第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を改善さえするために第2のワイヤレス通信アンテナ340に必要とされてもよい。
【0142】
一実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、Wの幅(
図15及び
図19に示される)及びHの高さ(
図19にも示される)を有し得る。多少異なる言い方をすると、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、W×Hの面積に及び得る。最大化された面積は、第2のワイヤレス通信アンテナ340の利得を個別に改善するために所望される。多少異なる言い方をすると、典型的に、W及びHを最大化することは、所望される。さらに、典型的に、2:1のW:H比は、最大可能利得を実現するために使用される。
【0143】
しかしながら、上記のW:H比は、以下の理由のためにアンテナデバイス300を作るために変更される必要があり得る。所定のWと共に、より大きいHは、第1のワイヤレス通信アンテナ320の平面と平行であるx-z平面を超える第2のワイヤレス通信アンテナ340の、より大きい延在をもたらし得る。より大きい延在は、x-z平面を超える第1のワイヤレス通信アンテナ320の放射の、より大きい散乱をもたらすことがあり、したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を低下させ得る。したがって、W:H比は、低下され得る。一実施例では、第1のワイヤレス通信アンテナ320が、4の比誘電率(Er)を有するFR(Flame Retardant(難燃剤))-4材料の八木・宇田マイクロストリップアンテナを含むとき、3:1のW:H比は、第2のワイヤレス通信アンテナ340に見出され、第2の通信規格に十分な利得を実現することと、第1のワイヤレス通信アンテナ320の指向性を改善することとの両方を行い得る。第1及び/又は第2のワイヤレス通信アンテナ320,340の構成の最適化は、任意の適切なアンテナ設計及びシミュレーションソフトウェアツールを使用することによって実行され得る。いくつかの実施形態では、八木アンテナは、波長及び結合係数に基づいて形成され得る。ディレクタ326として機能する第2のワイヤレス通信アンテナ340の高さ及び幅(
図15に示される)は、第1及び/又は第2のワイヤレス通信アンテナ320,340の寄生負荷に基づいて最適化され得る。いくつかの実施形態では、より短い第2のワイヤレス通信アンテナ340(すなわち、小さいH)は、八木アンテナの典型的なディレクタエレメントに、より良く類似し、ディレクタ326として、より良い性能を有し得る。そのような結果は、理論的な計算に基づいて、且つ/或いはシミュレーションに基づいて予想され得る。
【0144】
図17及び
図18は、それぞれ、第1のPCB328上の例示的な第1のワイヤレス通信アンテナ320の上面及び底面を示す。それぞれ、上面は、y方向にあり、底面は、y方向に対してある。第1のワイヤレス通信アンテナ320は、平行に分配された3つのディレクタ326を含むものとして示されており、ディレクタ326A-326Cを含む。駆動エレメント324は、折り畳まれたダイポールを含むものとして示されている。
【0145】
図19及び
図20は、それぞれ、第2のPCB348上の例示的な第2のワイヤレス通信アンテナ340の上面及び底面を示す。第2のワイヤレス通信アンテナ340は、第2のPCB348と平行に巻かれた電磁コイル342を含むものとして示されている。
【0146】
第2のワイヤレス通信アンテナ340の上面は、例示の目的のみのために、z方向に向くものとして示されているが、第2のワイヤレス通信アンテナ340の上面は、限定されないが、z方向に対して、z方向に対して選択された角度で、且つ/或いは上述されたように機能を実装するのに適した他の方法で方向付けられ得る。
【0147】
図21に目を向けると、アンテナデバイス300は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340を少なくとも部分的に取り囲むアンテナキャリア380を含むものとして示されている。アンテナキャリア380は、任意の適切な材料で作られることができ、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340を保持するための予め規定されたスロットを提供することができる。アンテナキャリア380は、L字形状を有するものとして示されているが、任意の他の適切な形状、サイズ及び/又は寸法を有し得る。
【0148】
図22に目を向けると、アンテナキャリア380は、
図21とは異なる視野角から見られる。アンテナキャリア380は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340のうちの少なくとも1つの側面で覆うものとして示されている。一実施形態では、アンテナキャリア380は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340の全ての表面を覆い得るが、第1及び/又は第2のワイヤレス通信アンテナ320,340の表面の選択された領域への任意の開口部を規定し得る。
【0149】
図23に目を向けると、アンテナデバイス300の分解ダイアグラムは、示されている。アンテナキャリア380は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340を取り囲む上部及び底部カバー380A,380Bを含むものとして示されている。上部及び底部カバー380A,380Bは、任意の適切な材料で作られることができ、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340を保持するための予め規定されたスロットを提供することができる。
【0150】
図24Aは、第2のワイヤレス通信アンテナ340を有さない例示的な第1のワイヤレス通信アンテナ320の3次元(3D)放射パターンである。第1のワイヤレス通信アンテナ320の利得は、z方向に沿ってその端部領域で最大値に達する。
図24Bは、例示的な第1のワイヤレス通信アンテナ320の周波数の関数としての実現利得を示すプロットである。
【0151】
図25Aは、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340と、アンテナキャリア380とを含むアンテナデバイス300の3D放射パターンである。放射パターンは、アンテナデバイス300の利得が、z方向に沿ってその端部領域で最大値に達することを示す。さらに、利得は、アンテナデバイス300の中間領域付近で最小値に達し、最小値は、
図24Aの利得の最小値よりも可視的である。したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320のピーク指向性は、第2のワイヤレス通信アンテナ340との組み合わせを介して改善される。
図25Aに示されるように、アンテナデバイス300は、上部カバー380Aと底部カバー380B(
図23に示される)との間に取り囲まれた領域において共振中心周波数(すなわち、例えば、2.45GHzの所望の周波数の共振)を実現する最適化を介して実現され得る。
図25Bは、周波数の関数としての実現利得を示すプロットである。
【0152】
図26Aは、選択された最適化処理後に、第1のワイヤレス通信アンテナ320と、第2のワイヤレス通信アンテナ340と、アンテナキャリア380とを含むアンテナデバイス300の3D放射パターンである。多少異なる言い方をすると、
図26Aに示されるアンテナデバイス300は、
図25Aに示されるアンテナデバイス300と比較して、チューニングを介したさらなる最適化によって実現される。放射パターンは、アンテナデバイス300の利得が、z方向に沿ってその端部領域で最大値に達し、
図24Aの放射パターンの利得と比較して、より大きいことを示す。さらに、利得は、アンテナデバイス300の中間領域付近で最小値に達し、最小値は、
図24Aの利得の最小値よりも可視的である。したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320のピーク指向性は、第2のワイヤレス通信アンテナ340との組み合わせを介して改善される。
図26Bは、周波数の関数としての実現利得を示すプロットである。
【0153】
図27に目を向けると、例示的な附属品400は、ケーシング420と、ケーシング420に取り付けられたアンテナデバイス300とを含むものとして示されている。ケーシング420は、クルーデバイス402(
図13に示される)を少なくとも部分的に取り囲み得る。ケーシング420は、x-z平面と平行な平面形状を有するものとして示されている。クルーデバイス402がケーシング420内にあるとき、最大の表面積のクルーデバイス402の側面は、x-z平面と平行であり得る。
【0154】
任意に、アンテナデバイス300は、アンテナデバイスが方向362に沿って、ケーシング420、及び/又はクルーデバイス402に対して移動し得るように、ケーシング420に移動可能に結合され得る。例えば、移動は、スライド運動を含み得る。多少異なる言い方をすると、アンテナデバイス300は、アンテナデバイス300がケーシング420、及び/又はクルーデバイス402に対してスライドし得るように、ケーシング420にスライド可能に結合され得る。クルーデバイス402、及び/又はケーシング420に発生された電磁界が、アンテナデバイス300の放射パターンを変化し得るので、アンテナデバイス300をスライドすることは、アンテナデバイス300の放射パターンを調整し得る。有利には、アンテナデバイス300の放射パターンの指向性は、簡単な方法で変更され得る。
【0155】
図28に目を向けると、附属品400は、バッテリ440を含む所望の1つ又は複数の追加のハードウェアコンポーネントを含むものとして示されている。バッテリ440は、附属品400のハードウェアコンポーネントに電力供給するための、且つ/或いはクルーデバイス402(
図13に示される)に電力供給するための電源を含み得る。例示的なバッテリ440は、鉛蓄電池、リチウム・空気電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素電池、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意に、バッテリ440は、充電可能であり得る。
【0156】
追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、NFCリーダ460を含み得る。任意に、NFCリーダ460は、NFCライタ(図示せず)に内蔵され得る。NFCリーダ460は、ゲストデバイス11(
図13に示される)に埋め込まれたNFCタグなどの、NFCデバイスに格納された情報を読み取り得る。
【0157】
追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、クルーデバイス402と通信するための通信インタフェース480を含み得る。一実施形態では、通信インタフェース480は、トランシーバがアンテナデバイス300を介してデータを受信し、且つ/或いは送信し得るように、クルーデバイス402上のトランシーバ(図示せず)に接続するためのコネクタ及び/又はポートを含み得る。例示的な通信インタフェース480は、ユニバーサルシリアルバス(USB)、デジタルビジュアルインタフェース(DVI)、ディスプレイポート、シリアルATA(SATA)、IEEE1394インタフェース(FireWireとしても知られている)、シリアル、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)、スーパービデオグラフィックアレイ(SVGA)、スモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、音声ポート、及び/又は専有の入力/出力インタフェースを含み得る。一実施形態では、通信インタフェース480は、USB-Cコネクタなどの、USBコネクタを含み得る。
【0158】
追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、1つ又は複数のプロセッサ410を含み得る。プロセッサ410は、附属品400の計算機能が、クルーデバイス402の機能に限定されることなく、カスタマイズされ得るように、附属品400のいくつか又は全ての動作を指示するためのコントローラとして機能し得る。限定されないが、各プロセッサ410は、1つ又は複数の汎用マイクロプロセッサ(例えば、シングルコア又はマルチコアプロセッサ)、特定用途向け集積回路、特定用途向け命令セットプロセッサ、グラフィックスプロセシングユニット、物理演算ユニット、デジタル信号処理ユニット、コプロセッサ、ネットワーク処理ユニット、音声処理ユニット、暗号化処理ユニットなどを含み得る。プロセッサ410は、第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340うちの一方又は両方をオンにすること及び/又はオフにすることに関連する様々な動作を含むが、これらに限定されない、本明細書に記載された任意の方法を実行するように構成され得る。追加的に且つ/或いは代替的に、プロセッサ410は、バッテリ440からの電力供給、クルーデバイス402との通信、又はそれらの組み合わせを制御するように構成され得る。
【0159】
追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、視覚的、音声的、機械的、且つ/或いは他の技術によって、選択された動作のステータスをオペレータに示すためのインジケータデバイス430を含み得る。例示的なインジケータデバイス430は、1つ又は複数の発光デバイスを含み得る。一実施形態では、NFCリーダ460が第2のワイヤレス通信アンテナ340を介してデータを受信するとき、発光デバイスは、オンにし、且つ/或いは強度を変化し得る。追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、メモリ450(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM、ダイナミックRAM、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM、消去可能プログラマブルROM、電気的消去可能プログラマブルROM、フラッシュメモリ、セキュリティデジタル(SD)カードなど)を含み得る。
【0160】
追加的に且つ/或いは代替的に、附属品400は、任意のワイヤ-ド及び/又はワイヤレス通信方法を使用して、附属品400と別のコンピュータシステム(図示せず)との間でデータ及び/又は命令を交換するための通信モジュール(図示せず)を含み得る。例えば、例示的な通信方法は、無線、ワイヤレスファイデリティ(Wi-Fi)、セルラー、衛星、ブロードキャスト、又はそれらの組み合わせを含む。
【0161】
附属品400のハードウェアコンポーネントは、例えば、ハードウェアコネクタ及びバスを使用して、且つ/或いはワイヤレス方式で通信するように構成され得る。附属品400のいくつかのハードウェアコンポーネントは、ケーシング420及びアンテナデバイス300上に配置され、且つ/或いはケーシング420とアンテナデバイス300との間に分散され得る。
【0162】
図29に目を向けると、附属品400の分解ダイアグラムは、クルーデバイス402と共に示されている。ケーシング420は、底部アセンブリ420Aと、上部アセンブリ420Bと、弾性スキン(elastic skin)420Cとを含むものとして示されている。アンテナデバイス300は、保護のためにアンテナカバー382に取り付けられ得る。附属品400は、PCBアセンブリ470を含むことができ、PCBアセンブリ470は、例えば、NFCリーダ460(
図28に示される)、通信インタフェース480(
図28に示される)、プロセッサ410(
図28に示される)、及び/又はメモリ450(
図28に示される)を含む選択されたコンポーネントをPCBアセンブリ470上で一体化する。
【0163】
図30に目を向けると、アンテナデバイス300は、後退位置にあるものとして示されている。後退位置では、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、PCBアセンブリ470(
図29に示される)、ケーシング420及び/又はクルーデバイス402とスタックし得る。PCBアセンブリ470、ケーシング420及び/又はクルーデバイス402の回路(図示せず)が、アンテナデバイス300の放射パターンを変化し得る電磁界を放出し得るので、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、共振周波数での電磁界によって離調され(或いはロードされ)、したがって、無指向性(又は、より少ない指向性)になり得る。多少異なる言い方をすると、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、全ての方向において、より等しい利得を有し得る。有利には、アンテナデバイス300は、クルーメンバ40(
図13に示される)がゲスト12(
図13に示される)からの命令又はコマンドを待っているとき、任意の方向においてゲストデバイス11(
図13に示される)の近接を感知し得る。
【0164】
図31に目を向けると、アンテナデバイス300は、展開位置にあるものとして示されている。展開位置では、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、後退位置から、選択された距離にわたって移動されることによって、PCBアセンブリ470(
図29に示される)、ケーシング420及び/又はクルーデバイス402から遠位に配置され得る。PCBアセンブリ470(
図29に示される)、ケーシング420及び/又はクルーデバイス402の回路(図示せず)が、第1のワイヤレス通信アンテナ320から、より遠位になり得るので、回路からの電磁界は、第1のワイヤレス通信アンテナ320を離調するのに効果がより弱くなり得る。したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、より指向性になり得る。多少異なる言い方をすると、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、方向360において、より大きい利得を有し得る。したがって、相対的に無指向性アンテナ及び指向性アンテナを設置し、無指向性アンテナと指向性アンテナとの間を切り替える代わりに、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、位置を変えることによって相対的に無指向性或いは指向性があり得る。有利には、アンテナデバイス300の構造及び動作は、簡略化され得る。アンテナデバイス300は、ケーブル接続が後退位置と展開位置との間の移行中に維持され得るように、適切にルーティングされたケーブル(同軸ケーブルなど)を介して附属品400及び/又はクルーデバイス402と接続され得る。アンテナデバイス300とは対照的に、従来のアンテナは、ハンドヘルド電子デバイスのフォームファクタにおいて指向性放射パターンを示さない。特に、従来のアンテナは、NFCをアンテナ構造に内蔵したハンドヘルド電子デバイスにおいて、さらに少ない指向性放射パターンを示す。アンテナデバイス300の追加の且つ/或いは代替の固有の態様は、アンテナデバイス300の展開に基づいて指向性から等方性への放射パターンの意図した変更である。
【0165】
アンテナデバイス300は、方向360に沿って展開位置に移動し得る。有利には、アンテナデバイス300の動作は、オペレータが、選択されたゲスト12に向く方向にアンテナデバイス300をスライドし得るので、単純且つ直感的であり得る。しかしながら、後退位置と展開位置との間のアンテナデバイス300の移行は、例示的な目的のみのために、
図25及び
図26に示されている。アンテナデバイス300は、方向360とは異なる別の方向における展開位置に移動し得る。多少異なる言い方をすると、アンテナデバイス300の移動の方向は、限定されないが、第1のワイヤレス通信アンテナ320の方向と異なり得る。
【0166】
図32は、後退位置におけるアンテナデバイス300の3D放射パターンである。放射パターンは、全ての方向において同様であるものとして示されている。
図33は、展開位置におけるアンテナデバイス300の3D放射パターンである。放射パターンは、アンテナデバイス300のピーク指向性が、z方向に沿ってその端部領域(又はEF領域)で取得され、
図33の放射パターンのピーク指向性と比較して、より大きいことを示す。したがって、アンテナデバイス300のピーク指向性は、展開位置において改善される。
【0167】
図34に目を向けると、アンテナデバイス300を使用するための例示的な一方法490は、示されている。491では、任意に、アンテナデバイス300は、後退位置に配置され得る。後退位置では、アンテナデバイス300は、クルーデバイス402に近接し得る。多少異なる言い方をすると、アンテナデバイス300は、クルーデバイス402を保持するケーシング420に近接し得る。したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320(
図30に示される)は、より無指向性があり得る。いくつかの実施形態では、アンテナデバイス300は、クルーメンバによってクルーデバイス402と携帯されているとき、後退位置にあることがあり、したがって、クルーメンバからの任意のアクションを介して後退位置に配置される必要がない。
【0168】
492では、アンテナデバイス300は、附属品400から遠位に、展開位置に移動され得る。アンテナデバイス300は、クルーデバイス402と、アンテナデバイス300が向くゲストデバイス11(
図13に示される)との間のワイヤレス通信を確立するために、展開位置において指向性があり得る。例えば、アンテナデバイス300は、展開位置にあるようにゲストデバイス11に向かって移動され得る。多少異なる言い方をすると、方向360(
図31に示される)は、アンテナデバイス300からゲストデバイス11に向く方向と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、クルーデバイス402がゲストデバイス11と、BLE通信を介して、ワイヤレス通信を確立し得るように、指向性があり得る。
【0169】
図35に目を向けると、後退位置におけるアンテナデバイス300の詳細図は、示されている。アンテナデバイス300は、L字形状を有するものとして示され、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、クルーデバイス402とスタックされ、第2のワイヤレス通信アンテナ340は、ケーシング420のエッジに接触している。
【0170】
図36に目を向けると、展開位置におけるアンテナデバイス300の詳細図は、示されている。アンテナデバイス300は、クルーデバイス402から遠位に移動され得る。アンテナキャリア380は、オペレータによって手動で引っ張られ、且つ/或いは押され、全体として第1及び第2のワイヤレス通信アンテナ320,340を移動させ得る。追加的に且つ/或いは代替的に、後退位置と展開位置との間のアンテナデバイス300の移行は、自動的に且つ/或いはロボット制御で実装され得る。
【0171】
図37及び
図38は、それぞれ、後退位置及び展開位置におけるアンテナデバイス300を示す。
図25-
図26に示されたアンテナデバイス300とは対照的に、アンテナデバイス300は、第2のワイヤレス通信アンテナ340(
図30-
図31に示される)を有さない第1のワイヤレス通信アンテナ320を含む。したがって、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、BLE通信のために構成されていることができ、クルーデバイス402のNFCアンテナは、NFC通信に使用されることができる。このケースでは、第2のワイヤレス通信アンテナ340が、指向性放射に必要とされる強め合う干渉を実現するために利用可能ではないので、第1のワイヤレス通信アンテナ320は、少なくとも1つのディレクタ326(
図15に示される)を有し得る。
【0172】
図39及び
図40は、それぞれ、後退位置及び展開位置におけるアンテナデバイス300の詳細図を示す。
図41及び
図42は、クルーデバイス402を有さない附属品400の詳細図を示し、アンテナデバイス300は、それぞれ、後退位置及び展開位置にある。
【0173】
本開示に記載された様々な実施形態は、アンテナデバイス及びその製造方法ならびにその使用方法に関する。
【0174】
本明細書に開示された第1の態様に従って、アンテナデバイスが記載されており、アンテナデバイスは、
選択された方向における第1のピーク指向性を有する第1の通信規格を使用して動作するように構成されている第1のワイヤレス通信アンテナと、
選択された方向に沿って第1のワイヤレス通信アンテナの端部領域に近接して配置され、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格を使用して動作するように構成されている第2のワイヤレス通信アンテナであって、選択された方向であり、第1のピーク指向性よりも大きい第2のピーク指向性を有する第1の通信規格を使用して第1のワイヤレス通信アンテナと一括してさらに動作する、第2のワイヤレス通信アンテナと
を含む。
【0175】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第1及び第2の通信規格は、それぞれ、Bluetooth Low Energy(BLE)通信規格及び近距離無線通信(NFC)の通信規格を含む。
【0176】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信アンテナは、選択された方向に沿って延在する列に配置された1つ又は複数のディレクタを含む八木アンテナを含み、第2のワイヤレス通信アンテナは、1つ又は複数のディレクタのうちの1つのディレクタであるように構成されている。
【0177】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、アンテナデバイスは、第1及び第2のプリント回路板(PCB)上に配置された第1及び第2のワイヤレス通信アンテナを有する第1及び第2のプリント回路板(PCB)をさらに含み、第1及び第2のPCBは、垂直に配置される。
【0178】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第2のPCBは、第1のPCBの端部領域で第1のPCBに取り付けられる。
【0179】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第1及び第2のPCBは、それぞれ、L字形状の2つのセグメントを形成するように配置される。
【0180】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第1及び第2のPCBは、それぞれ、L字形状の2つのセグメントの長いセグメント及び短いセグメントを形成するように配置される。
【0181】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナは、第2のPCB上に規定された矩形面積上に巻かれたコイルを含み、面積は、幅と幅に垂直な高さとを有し、幅は、第1のワイヤレス通信アンテナによって規定された平面と平行に測定される。
【0182】
開示されたアンテナデバイスのいくつかの実施形態では、幅と高さとの比は、2:1よりも大きい。
【0183】
本明細書に開示された第1の態様に従って、モバイル電子デバイスと携帯可能である附属品が記載されており、附属品は、
アンテナデバイスと、
アンテナデバイスに取り付けられ、モバイル電子デバイスを少なくとも部分的に取り囲むように構成されているケーシングと
を含む。
【0184】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、アンテナデバイスは、ケーシングにスライド可能に取り付けられる。
【0185】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信アンテナは、ケーシングによって規定された平面と平行であり、アンテナデバイスは、展開位置と後退位置との間で移動するように構成されており、後退位置において、第1のワイヤレス通信アンテナは、ケーシングとスタックし、展開位置において、第1のワイヤレス通信アンテナの少なくとも一部は、ケーシングとスタックしない。
【0186】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、アンテナデバイスは、選択された方向にスライドすることによって後退位置から展開位置に移動するように構成されている。
【0187】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、第2のワイヤレス通信アンテナは、後退位置においてケーシングに近接し、展開位置においてケーシングに遠位である。
【0188】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、アンテナデバイスは、第1の通信規格を使用して動作するために、後退位置よりも展開位置において、より指向性がある。
【0189】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、附属品は、
モバイル電子デバイスと接続するための通信インタフェースと、
アンテナデバイスと接続されたPCBアセンブリと
をさらに含む。
【0190】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、附属品は、PCBアセンブリ上に少なくとも部分的に組み立てられたNFCリーダをさらに含む。
【0191】
開示された附属品のいくつかの実施形態では、附属品は、PCBアセンブリに電気的に接続されたバッテリをさらに含む。
【0192】
本明細書に開示された第1の態様に従って、モバイル電子デバイスと携帯可能であるアンテナデバイスを含む附属品を使用するための方法が記載されており、
附属品は、モバイル電子デバイスを少なくとも部分的に取り囲むように構成されており、選択された方向において第1のピーク指向性で第1の通信規格を使用して動作するように構成されている第1のワイヤレス通信アンテナを含み、
方法は、
アンテナデバイスを後退位置から展開位置に移動させることであって、アンテナデバイスのピーク指向性は、前記移動させることに基づいて増加する、移動させることと、
アンテナデバイスを展開位置から後退位置に戻すことであって、アンテナデバイスは、前記戻すことに基づいて、より無指向性となる、戻すことと
を含み、
第1のワイヤレス通信アンテナによって規定された平面は、ケーシングによって規定された平面と平行であり、
後退位置において、第1のワイヤレス通信アンテナは、ケーシングとスタックし、
展開位置において、第1のワイヤレス通信アンテナの少なくとも一部は、ケーシングとスタックしない。
【0193】
開示された方法のいくつかの実施形態では、方法は、モバイル電子デバイスが、第1の通信規格を使用して遠位の電子デバイスと通信するために、選択された方向を、アンテナデバイスから遠位の電子デバイスに向く方向と位置合わせすることをさらに含む。
【0194】
特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含む、本明細書に記載される全ての測定値、値、評価、位置、マグニチュード、サイズ、及び他の仕様は、正確ではなく、おおよそである。それらは、それらが関連する機能及びそれらが関係する技術分野において慣習的なものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0195】
保護の範囲は、ここで以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。その範囲は、本明細書とそれに続く経緯履歴とに照らして解釈されるとき、特許請求の範囲において使用される言語の通常の意味と一致するほど広く、全ての構造的且つ機能的な均等物を包含することを意図しており、解釈されるべきである。ただし、特許請求の範囲は、特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、そのように解釈されるべきでもない。そのような主題の任意の意図されない包含は、本明細書によって否認される。
【0196】
すぐ上で示されたものを除き、示され、或いは例示されたものは、コンポーネント、ステップ、特徴、オブジェクト、利益、利点、又は均等物を公衆に提供させることを意図しておらず、或いは解釈されるべきではない。
【0197】
本明細書で使用される用語及び表現は、特定の意味が本明細書でその他の方法で記載されている場合を除き、対応するそれぞれの調査及び研究の領域に関して、そのような用語及び表現に与えられる通常の意味を有することが理解されるであろう。第1及び第2などの関係用語は、1つのエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するためにのみ使用されてもよく、そのようなエンティティ又はアクション間のそのような実際の関係又は順序を必ずしも必要とするものではなく、或いは示唆するものではない。用語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、又はその任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置が、それらの要素のみを含むだけではなく、明示的にリストされていない他の要素又はそのようなプロセス、方法、物品、又はデバイスに固有の他の要素を含んでもよいように、非排他的包含をカバーすることを意図している。「1つの(a)」又は「1つの(an)」によって続く要素は、さらなる制約なしに、要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置における追加の同一要素の存在を排除しない。
【0198】
開示の要旨は、読者に、技術開示の性質を迅速に把握することを可能にするように提供される。それは、特許請求の範囲又は意味を解釈し、或いは限定するために使用され得ないことを理解すると共に提出される。さらに、前述の詳細な説明では、様々な特徴が、開示を合理化する目的のために様々な実施形態において一緒にグループ化されていることが分かり得る。この開示方法は、請求される実施形態が各請求項において明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明的主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明が本明細書によって援用され、各請求項は、別個に請求される主題としてそれ自体で有効である。
【0199】
前述は、ベストモード及び/又は他の実施例と考えられるものを記載したが、様々な変更がそこに加えられてもよく、本明細書に開示された主題が様々な形態及び実施例で実装されてもよく、教示が多数の用途において適用されてもよく、それらのいくつかのみが本明細書に記載されていることを理解する。以下の特許請求の範囲によって、本教示の真の範囲に入る任意の且つ全ての用途、変更及び変形を主張することが意図されている。