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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】電力変換ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240628BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M7/48 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023540881
(86)(22)【出願日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2023006390
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】杷野 満
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130542(JP,A)
【文献】特開2012-186352(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090307(WO,A1)
【文献】特表2018-512742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置される第1素子と、
前記筐体の内部に前記第1素子に水平方向に隣接して配置される第2素子と、
前記筐体の上面視して前記第1素子と前記第2素子とを覆う防爆板と、
前記第1素子に接続された放熱部材と、
前記放熱部材から前記第2素子に向かう方向に冷媒が流れるように前記筐体の内部に前記防爆板に沿って形成された流通流路と、
前記流通流路に前記冷媒の流れを生じさせる流体機械と、
を有し、
前記防爆板は、前記第1素子および前記第2素子に接続される積層導体であ
前記防爆板は、階層の異なる前記積層導体ごとに、上面視して異なる位置に開口を有し、
前記開口が、下側の前記積層導体の前記開口に対して、対応する上側の前記積層導体の前記開口が前記冷媒の流れ方向で下流に位置して、
下側の前記開口から上側の前記開口へと前記冷媒が流れる、
電力変換ユニット。
【請求項2】
前記防爆板の隅部は、絶縁補強部を有する、
請求項1記載の電力変換ユニット。
【請求項3】
前記防爆板は、前記第1素子および前記第2素子と上下方向に離間しており、
前記防爆板は、前記第1素子および前記第2素子に接続されるスペーサを有する、
請求項1記載の電力変換ユニット。
【請求項4】
前記絶縁補強部は、前記防爆板の縁部に沿って配置される、
請求項2記載の電力変換ユニット。
【請求項5】
前記防爆板は、階層の異なる前記積層導体の間に絶縁伝熱部が充填される、
請求項1記載の電力変換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換ユニットは、筐体に設けた棚と、棚上に収納されたユニットと、を有する。電力変換ユニットは、短絡防止、防爆のため、直流ヒューズを有する。電力変換ユニットは、ユニット等で短絡が発生した場合、他の健全ユニットへ影響を及ぼす可能性があった。各ユニットは、防爆機構を有する。一例としては、防爆機構が、ユニットを密閉するカバーを有する。
ユニットは、内部の用品を冷却する冷却機構を有する。冷却機構には、風冷機構、水冷機構がある。ユニットを密閉すると、ユニット内に熱がこもり、冷却効率が低下する可能性があった。
また、大容量の電力変換ユニットは、コスト削減、小型化から直流ヒューズをなくしている。直流ヒューズがないと、短絡が発生した場合、他の健全ユニットへ影響が及ぶ可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/207666号
【文献】日本国特開2016-111794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、防爆性能を向上させることができる電力変換ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電力変換ユニットは、筐体と、第1素子と、第2素子と、防爆板と、を備える。第1素子は、筐体の内部に配置される。第2素子は、筐体の内部に第1素子に水平方向に隣接して配置される。防爆板は、筐体の上面視して第1素子と第2素子とを覆う。防爆板は、第1素子および第2素子に接続される積層導体である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の電力変換ユニットの構成を示す斜視図。
図2】第1実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す斜視図。
図3】第1実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す断面図。
図4】第1実施形態の電力変換ユニットでの冷却風の流れを示す断面図。
図5】第2実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す斜視図。
図6】第2実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す断面図。
図7】第3実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す斜視図。
図8】第4実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す断面図。
図9】第4実施形態の電力変換ユニットでのユニットの構成を示す上面図。
図10】第5実施形態の電力変換ユニットでの電力制御ユニットの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、第1実施形態に係る電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における電力変換ユニットを示す斜視図である。図において、符号10は、電力変換ユニットである。
【0009】
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば図1に示すように、X軸方向は電力変換ユニット10の左右方向に平行である。Y軸方向は電力変換ユニット10の前後方向に平行である。Z軸方向は電力変換ユニット10の上下方向に平行である。
【0010】
本実施形態に係る電力変換ユニット10は、例えば、電気設備等に備えられる盤である。盤は、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤及び制御盤等である。電力変換ユニット10は、例えば、半導体素子、導体、ヒューズ、キャパシタ(コンデンサ)、トランス、開閉器、遮断器及び計測機器等の各種の回路構成要素を備える。
【0011】
電力変換ユニット10は、図1に示すように、操作部10a及び電力制御部10bを備える。操作部10aは、例えば、電力制御部10bの動作に関する操作者の入力操作を受け付ける。操作部10aは、操作者の入力操作に応じて電力制御部10bの動作を指示する信号を出力する。操作部10aは、例えば、操作ボタン等の入力機器及び液晶ディスプレイ等の表示器を備える。
【0012】
電力制御部10bは、例えば、筐体11と、複数のファン(流体機械)13と、複数の電力制御ユニット(ユニット)15と、を備える。
筐体11のZ軸方向での上部11aは、複数のファン13を支持する。上部11aに形成された排気口11A(図3参照)は、例えばZ軸方向に沿って各ファン13に臨んで通じている。筐体11のY軸方向での前部11bに形成された複数の吸気口11Bは、例えばY軸方向に沿って適宜の電力制御ユニット15に対向して臨んでいる。各吸気口11Bは、例えば矩形の開口である。
筐体11は、内部に配置される複数の電力制御ユニット15を支持する。
【0013】
複数のファン13は、例えば2つのファン13である。各ファン13は、筐体11の前部11bの各吸気口11Bから筐体11の外部の空気を内部に吸入する。各ファン13は、筐体11の上部11aの排気口11Aから筐体11の内部の空気を外部に排出する。各ファン13は、筐体11の内部を流れる空気により形成される冷却風Fによって複数の電力制御ユニット15を冷却する。
【0014】
複数の電力制御ユニット15は、例えば12個の電力制御ユニット15である。複数の電力制御ユニット15は、例えばZ軸方向に6段及びX軸方向に2列に並んで筐体11の内部に配置されている。複数の電力制御ユニット15のうち、最上段の2列の電力制御ユニット15以外の各々は、例えばY軸方向に沿って筐体11の各吸気口11Bに対向して臨むように配置されている。
【0015】
図2は、本実施形態の電力変換ユニット10での電力制御ユニット15の構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態の電力制御ユニット15の構成および熱と冷却風Fとの流れを示す断面図である。
各電力制御ユニット15は、例えば、素子ユニット21と、駆動ユニット23と、キャパシタユニット25と、を備える。
素子ユニット21と駆動ユニット23とは、図2図3に示すように、例えばZ軸方向に沿って積層されるように配置されている。
【0016】
素子ユニット21は、第1ユニット筐体31と、複数の半導体素子(第1素子)33と、ヒートシンク(放熱部材)35と、を備える。第1ユニット筐体31は、複数の半導体素子33及びヒートシンク35を内部で支持する。第1ユニット筐体31のY軸方向での前部31a及び後部31bには、例えばY軸方向に沿ってヒートシンク35に臨んで通じる前部開口31A及び後部開口31Bが形成されている。
【0017】
複数の半導体素子33は、例えば、ブリッジ接続されることによってブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子及び整流素子等である。スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のトランジスタである。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。
【0018】
複数の半導体素子33は、ヒートシンク35の素子配置面35Aに配置されている。ヒートシンク35の素子配置面35Aは、例えばヒートシンク35のZ軸方向での上部35aの上端面である。複数の半導体素子33は、例えば素子配置面35A上でX軸方向に沿って一列に並んで配置されている。
【0019】
ヒートシンク35の外形は、例えば直方体状である。ヒートシンク35のY軸方向に沿った長さは、例えば素子配置面35Aに配置される各半導体素子33のY軸方向の長さよりも所定長さだけ大きく形成されている。所定長さは、例えば各半導体素子33を素子配置面35Aに固定するために必要な長さ程度等である。
【0020】
ヒートシンク35は、複数のフィン部材35bを備える。各フィン部材35bの外形は、例えばY-Z平面に平行な板状である。複数のフィン部材35bは、上部35aからZ軸方向の下方に向かって延び、後述する駆動ユニット23の仕切り部材37aに接している。複数のフィン部材35bは、X軸方向に沿って所定間隔をあけて並んで配置されている。
ヒートシンク35の複数のフィン部材35bは、筐体11の内部を流れる空気の流路35cを形成する。ヒートシンク35での空気の流通方向は、複数のフィン部材35bによってY-Z平面に平行に設定されている。
【0021】
駆動ユニット23は、第2ユニット筐体37と、基板39とを備える。第2ユニット筐体37は、内部に配置される基板39を支持する。第2ユニット筐体37は、仕切り部材37aを備える。仕切り部材37aは、基板39が配置される第2ユニット筐体37の内部と、ヒートシンク35によって形成される空気の流路35cと、を隔てる。
【0022】
仕切り部材37aの外形は、例えばX-Y平面に平行な板状である。仕切り部材37aは、ヒートシンク35での流路35cを流れる空気(冷却風)Fが第2ユニット筐体37の内部に流れ込むことを禁止する。
基板39は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子等を駆動制御する駆動基板等を備える。
【0023】
キャパシタユニット25は、例えば素子ユニット21及び駆動ユニット23とは分離された状態でY軸方向に沿って素子ユニット21及び駆動ユニット23に隣接するように配置されている。
キャパシタユニット25は、図2図3に示すように、第3ユニット筐体(支持部材)41と、複数のキャパシタ(コンデンサ:第2素子)43と、を備える。第3ユニット筐体41は、内部に配置される複数のキャパシタ43を支持する。
【0024】
第3ユニット筐体41は、例えば、X軸方向での左側部41a及び右側部41bと、Z軸方向での上部41c及び下部41dと、上部41cと下部41dとの間の支持部材41eと、を備える。
左側部41a及び右側部41bの各々の外形は、例えばY-Z平面に平行な板状である。左側部41a及び右側部41bの各々には、空気(冷却風)Fが通り抜けるための複数の側部開口が形成されていてもよい。各側部開口は、例えば円形状に貫通する開口である。
【0025】
上部41c、下部41d及び支持部材41eの各々の外形は、例えばX-Y平面に平行な板状である。上部41cには、複数のキャパシタ43が挿入される複数の挿入孔45bが形成されている。各上部開口45cは、例えば円形状に貫通する開口である。上部41cには、空気(冷却風)Fが通り抜けるための複数の上部開口45cが形成されている。
【0026】
下部41dには、空気(冷却風)Fが通り抜けるための複数の下部開口が形成されてもよい。各下部開口は、例えば角丸長方形状に貫通する開口である。
複数のキャパシタ43が配置される支持部材41eには、空気(冷却風)Fが通り抜けるための複数の支持部開口(貫通孔)45eが形成されている。各支持部開口45eは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0027】
Z軸方向に沿って所定間隔をあけて配置されている上部41cと支持部材41eとの間には、Y軸方向に沿って空気(冷却風)Fが通り抜けるための一対の対向する開口45fが形成されている。各開口45fは、例えば長方形状の開口である。
【0028】
Z軸方向に沿って所定間隔をあけて配置されている下部41dと支持部材41eとの間のうち、Y軸方向での前部41fには空気(冷却風)Fが通り抜けるための開口45gが形成されている。開口45gは、例えば台形状の開口である。
下部41dと支持部材41eとの間のうち、Y軸方向での後部41gには空気(冷却風)Fが通り抜けるための複数の開口45hが形成されている。複数の開口45hは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0029】
各キャパシタ43は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子のオン及びオフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化するキャパシタ等を備える。
なお、第1ユニット筐体31、第2ユニット筐体37および第3ユニット筐体41は、一体として構成することもできる。
【0030】
電力制御ユニット15は、その上面が、防爆板50によって覆われている。電力制御ユニット15は、その上面が、防爆板50によって閉塞されている。防爆板50は導体である。防爆板50は、銅板とすることができる。防爆板50は、少なくとも複数の半導体素子33および複数のキャパシタ43を覆っている。防爆板50は、上面視して半導体素子33およびキャパシタ43が全て目視できない程度に覆っている。
【0031】
防爆板50は、素子ユニット21とキャパシタユニット25とを覆う。防爆板50は、素子ユニット21とキャパシタユニット25とを連続して覆う。防爆板50は、電力制御ユニット15の上面を閉塞する。閉塞するとは、電力制御ユニット15内で予期しがたいアークフラッシュ等が発生しても、これに伴う高温ガスや圧力波を、他の電力制御ユニット15に放出させないことを意味する。防爆板50は、電力制御ユニット15内で予期しがたいアークフラッシュ等が発生しても、これに伴う高温ガスや圧力波を、他の電力制御ユニット15に放出させない。
防爆板50は、上面視した電力制御ユニット15の輪郭にあわせて矩形輪郭を有する。防爆板50は、上面視した電力制御ユニット15の輪郭よりも若干小さい矩形輪郭を有する。
【0032】
防爆板50は、閉塞に必要な所定の厚さ寸法を有する。また、電力制御ユニット15で大容量の電力を変換する回路の一部として、必要な所定の厚さ寸法を有する。
防爆板50は、Y方向の両端部において、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して閉塞可能な構成を有する。防爆板50は、X方向の両端部において、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して閉塞可能な構成を有する。
【0033】
防爆板50は、X方向の端部が左側部41a及び右側部41bと離間している。防爆板50と左側部41aとの離間距離は、絶縁可能な距離である。この絶縁距離は、電力制御ユニット15における定格電圧等により設定される。防爆板50と右側部41bとの離間距離は、絶縁可能な距離である。この絶縁距離は、電力制御ユニット15における定格電圧等により設定される。
【0034】
防爆板50は、X方向において左側部41a及び右側部41bと接続されてもよい。この場合、防爆板50と左側部41aとは、絶縁物によって接続される。防爆板50と右側部41bとは、絶縁物によって接続される。防爆板50は、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に支持される。キャパシタユニット25において、防爆板50と第3ユニット筐体41との間に流通流路25cが形成される。
防爆板50は、Z方向で半導体素子33およびキャパシタ43と離間している。
【0035】
防爆板50は、複数の半導体素子33および複数のキャパシタ43にそれぞれ接続される。防爆板50は、複数の半導体素子33および複数のキャパシタ43とともに回路を構成するPN導体を兼ねる。防爆板50は、複数の導体板が積層される。防爆板50は、例えば導体板(積層導体)51と導体板(積層導体)52とが積層される。導体板51と導体板52とは、銅板とすることができる。導体板51と導体板52とは、厚さ1mm以上の銅板とすることができる。導体板51と導体板52とは、厚さ2mm程度、厚さ2mm±0.5mmの銅板とすることができる。導体板51と導体板52とは、いずれもX-Y平面に沿って延在する。
【0036】
導体板51と導体板52とは、上面視してほぼ同じ輪郭形状とすることが可能である。導体板51と導体板52とは、上面視して異なる輪郭形状とすることが可能である。導体板51は、例えば、導体板52よりもZ方向で上側に配置される。
導体板51と導体板52とは、Z方向に離間している。導体板51と導体板52との間には、Z方向に距離を有する。導体板51と導体板52とは、Z方向の隙間に、スペーサを配置することができる。スペーサは、絶縁物である。
導体板51と導体板52とは、それぞれが複数の半導体素子33および複数のキャパシタ43の異なる端子に接続される。
【0037】
導体板51は、接続部(スペーサ)51aを介して半導体素子33に接続される。接続部51aは、導体板51と半導体素子33との間のスペーサを兼ねる。導体板51と接続部51aとは、ボルト締めにより固定されている。接続部51aは、半導体素子33の上面に配置される。接続部51aは、半導体素子33の端子と一体でもよい。接続部51aは、導電性を有する導体からなる。接続部51aは、導体板52と接続されていない。接続部51aは、導体板52に形成された貫通孔(開口)52eを貫通している。貫通孔52eは、空気(冷却風)Fが通り抜けることができる。貫通孔52eは、上面視して導体板51が覆う。貫通孔52eは、Z方向の上側に導体板51が位置する。
【0038】
導体板51は、接続部(スペーサ)51bを介してキャパシタ43に接続される。接続部51bは、導体板51とキャパシタ43との間のスペーサを兼ねる。導体板51と接続部51bとは、ボルト締めにより固定されている。接続部51bは、キャパシタ43の上面に配置される。接続部51bは、キャパシタ43の端子と一体でもよい。接続部51bは、導電性を有する導体からなる。接続部51bは、導体板52と接続されていない。接続部51bは、導体板52に形成された貫通孔52eを貫通している。貫通孔52eは、空気(冷却風)Fが通り抜けることができる。貫通孔52eは、上面視して導体板51が覆う。貫通孔52eは、Z方向の上側に導体板51が位置する。
【0039】
導体板52は、接続部(スペーサ)52aを介して半導体素子33に接続される。接続部52aは、導体板52と半導体素子33との間のスペーサを兼ねる。導体板52と接続部52aとは、ボルト締めにより固定されている。接続部52aは、半導体素子33の上面に配置される。接続部52aは、半導体素子33の端子と一体でもよい。接続部52aは、導電性を有する導体からなる。
【0040】
導体板52は、接続部(スペーサ)52bを介してキャパシタ43に接続される。接続部52bは、導体板52とキャパシタ43との間のスペーサを兼ねる。導体板52と接続部52bとは、ボルト締めにより固定されている。接続部52bは、キャパシタ43の上面に配置される。接続部52bは、キャパシタ43の端子と一体でもよい。接続部52bは、導電性を有する導体からなる。
【0041】
導体板52とは、Z方向で半導体素子33およびキャパシタ43と離間している。導体板52と半導体素子33との間には、接続部52aおよび接続部52b以外にもスペーサを配置してもよい。この場合、スペーサは高熱伝導の絶縁物である。
【0042】
図4は、本実施形態の電力変換ユニット10における冷却風Fの流れを示す断面図である。
電力変換ユニット10は、図3図4に示すように、複数のファン13の駆動によって冷却をおこなう。ファン13により、筐体11の外部の空気は複数の吸気口11Bを介して筐体11の内部に吸い込まれる。筐体11の内部を通過した空気は各排気口11A及び各ファン13を介して筐体11の外部に排出される。筐体11の内部を通過する空気は、各吸気口11Bから各排気口11Aに至る流通経路で冷却風Fとして作用することによって複数の電力制御ユニット15を冷却する。
【0043】
冷却風Fは、先ず、各吸気口11Bから筐体11の内部に吸い込まれる。冷却風Fは、Y軸方向に沿って各電力制御ユニット15の素子ユニット21及び駆動ユニット23に向かって流れる。冷却風Fは、各電力制御ユニット15に到達する。
【0044】
ここで、素子ユニット21において、半導体素子33は、その下面でヒートシンク35に接触する。半導体素子33からは、図3に示すように、ヒートシンク35に熱が伝導する。半導体素子33は冷却される。
半導体素子33は、その上面で接続部51aおよび接続部52aを介して防爆板50に接続される。接続部51aおよび接続部52aを介して、半導体素子33から防爆板50に熱が伝導する。半導体素子33は冷却される。
【0045】
同時に、半導体素子33は、その上面で防爆板50の下面に対向する。半導体素子33の上面は、導体板52の下面に対向する。半導体素子33から防爆板50に熱が放射される。半導体素子33は冷却される。
素子ユニット21において、半導体素子33から防爆板50に伝わった熱は、後述するように冷却風Fの当たっているキャパシタユニット25に向けて移動する。
【0046】
電力制御ユニット15において、冷却風Fは、図3図4に示すように、素子ユニット21の第1ユニット筐体31の前部開口31Aからヒートシンク35に向かって流れる。
冷却風Fは、ヒートシンク35によって形成された流路35cを通過する。冷却風Fは、間隔をあけて並んで配置された複数のフィン部材35bの間を流れる。冷却風Fは、フィン部材35bを冷却する。冷却風Fは、ヒートシンク35を冷却する。ヒートシンク35からの放熱により、複数の半導体素子33が冷却される。
【0047】
冷却風Fは、ヒートシンク35及び第1ユニット筐体31の後部開口31Bを通過する。冷却風Fは、キャパシタユニット25の第3ユニット筐体41の内部を流れる。冷却風Fは、第3ユニット筐体41の内部のうち、上部41cと支持部材41eとの間を流れる。冷却風Fは、複数のキャパシタ43の間を流れる。冷却風Fは、各キャパシタ43を冷却する。
冷却風Fは、第3ユニット筐体41の内部を通過する。冷却風Fは、各排気口11A及び各ファン13に向かって流れる。冷却風Fは、筐体11の外部に排出される。
【0048】
ここで、キャパシタユニット25において、キャパシタ43は、図3に示すように、冷却風Fにより冷却される。
キャパシタ43は、その上面で接続部51bおよび接続部52bを介して防爆板50に接続される。接続部51bおよび接続部52bを介して、キャパシタ43から防爆板50に熱が伝導する。キャパシタ43は冷却される。
同時に、キャパシタ43は、その上面で防爆板50の下面に対向する。キャパシタ43の上面は、導体板52の下面に対向する。キャパシタ43から防爆板50に熱が放射される。半導体素子33は冷却される。
【0049】
キャパシタユニット25において、冷却風Fは、防爆板50の下面に沿って流れる。防爆板50は、冷却風Fにより冷却される。防爆板50が冷却されることで、キャパシタ43が冷却される。
キャパシタユニット25において、冷却風Fは、導体板52の貫通孔52eを通過する。これにより、導体板51と導体板52との間を冷却風Fが通過する。導体板51と導体板52とが冷却風Fによって冷却される。
【0050】
また、素子ユニット21において、冷却風Fは、防爆板50に直接当たっていない。しかし、防爆板50は、キャパシタユニット25において冷却風Fによって冷却されている。防爆板50は、素子ユニット21からキャパシタユニット25に熱が伝導する。防爆板50は、素子ユニット21から冷却風Fにより冷却されるキャパシタユニット25まで、熱を伝導する。防爆板50は、素子ユニット21を冷却することができる。防爆板50が冷却されることで、半導体素子33およびキャパシタ43が冷却される。
【0051】
キャパシタユニット25では、Y軸方向での一対の開口45f、開口45g及び複数の開口45hを冷却風Fが通過する。加えて、X軸方向及びZ軸方向の各々での複数の側部開口、複数の上部開口45cを冷却風Fが通過する。複数の下部開口45d及び複数の支持部開口45eを冷却風Fが通過する。さらに、導体板52の貫通孔52eを冷却風Fが通過する。Z軸方向に並んで配置される複数のキャパシタユニット25は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に沿って内部を通過する冷却風Fに対して、いわゆる風洞として機能する。
【0052】
本実施形態の電力変換ユニット10は、電力制御ユニット15の上面全域を覆う防爆板50を配置することで、防爆構造を構成しつつ、冷却に優れた電力変換ユニット10を提供することができる。
【0053】
本実施形態の電力変換ユニット10は、電力制御ユニット15の上面が、その全域で防爆板50によって覆われる構成とされているため、破損した用品の飛散を防止し、被害拡大を防ぐことができる。しかも防爆板50がPN導体を兼ねた積層導体とされており、導電性および熱伝導に優れた材料(銅)とされることで、低インダクタンス化を維持したまま、電力制御ユニット15内での熱のこもりを防ぐことができる。また、電力変換ユニット10は、電力制御ユニット15の部品点数を削減することができる。
【0054】
さらに、電力変換ユニット10は、電力制御ユニット15の上面がその全域で防爆板50によって覆われる構成とされているため、防爆板50のない構成に比べて、放熱面積も広くして、半導体素子33およびキャパシタ43の冷却効率を高めることができる。
【0055】
電力変換ユニット10では、半導体素子33をヒートシンク35によって主に冷却する。これに加えて、半導体素子33で発生した熱を導体である防爆板50に伝えて、防爆板50を熱の煽りで温度上昇させることで、半導体素子33をより一層冷却して冷却効率を向上することができる。
【0056】
電力変換ユニット10は、複数の半導体素子33が冷却風Fの流通方向に直交する方向に沿って一列に並んだ配置とされる。しかも、全ての半導体素子33が防爆板50に接続される。全ての半導体素子33の上面が防爆板50に対向する。このため、ヒートシンク35に加えて防爆板50による冷却効率を向上させることができる。例えば、複数の半導体素子33が冷却風Fの流通方向に沿って複数列に並んで配置される場合等に比べて、各半導体素子33を積極的に冷却することができるとともに、防爆板50による冷却をおこなうことができるため冷却風Fの流通方向でのヒートシンク35の長さを小さくすることができる。
【0057】
電力変換ユニット10は、冷却風Fの風下側であるキャパシタユニット25側において、冷却風Fが防爆板50に当たるようにしているため、導体である防爆板50の熱伝導により、風上側から風下側に熱を伝導させて引っ張り、キャパシタユニット25において防爆板50から放熱させることができる。キャパシタユニット25において防爆板50には冷却風Fが当たっているため、防爆板50は、半導体素子33の冷却にも寄与することができる。電力変換ユニット10は、上流側の半導体素子33が下流側のキャパシタ43に熱的に作用することを防ぐことができる。
【0058】
電力変換ユニット10は、防爆板50により冷却効率を向上することで、冷却風Fの流通経路が長くなることを抑制することができる。電力制御ユニット15での冷却風Fの流通経路が長くなることを抑制することによって、電力制御ユニット15の温度勾配の増大を抑制することができる。
防爆板50により半導体素子33の冷却効率を向上することで、ヒートシンク35での流通経路が長くなることを抑制することができる。ヒートシンク35での流通経路が長くなることを抑制することによって、ヒートシンク35の温度勾配の増大を抑制することができる。
【0059】
冷却風Fの流通経路が長くなることを抑制することにより、冷却風Fの圧力損失の増大を抑制することができる。冷却風Fの圧力損失を低減することによって、冷却風Fの風速を増大させ、複数の半導体素子33及び複数のキャパシタ43の冷却効率を向上させることができる。冷却風Fの流通方向でのヒートシンク35の長さが小さくなること、及び、冷却風Fの圧力損失が低減されることによって、冷却風Fの下流側に配置される他の電機機器の冷却効率を向上させることができる。
【0060】
電力変換ユニット10は、冷却風Fの流通方向の上流側に配置されるヒートシンク35を備える。このため、ヒートシンク35に配置される複数の半導体素子33を積極的に冷却することができる。しかも、ヒートシンク35に加え防爆板50により半導体素子33を冷却することができる。例えば相対的に発熱が大きい半導体素子33を他の回路要素よりも冷却風Fの流通方向の下流側に配置する場合等に比べて、複数の半導体素子33を効率よく冷却することができる。
【0061】
電力変換ユニット10は、複数の上部開口が形成された第3ユニット筐体41に加えて防爆板50を備える。このため、冷却風Fが第3ユニット筐体41の内部を防爆板50に沿って通過することを促すことができる。複数の第3ユニット筐体41および防爆板50の内部を風洞として機能させることによって、筐体11の内部での圧力損失の増大を抑制することができる。
【0062】
電力変換ユニット10は、筐体11の内部に冷却風Fの通風路を別途に設ける必要が生じることを防ぐことができる。電力変換ユニット10は、筐体11が大型になることを防ぐことができる。筐体11の内部の圧力損失を低減することによって、筐体11の内部での冷却風Fによる冷却能力を向上させ、筐体11の内部の容量を増大させることができる。防爆板50に沿って冷却風Fが流れることで冷却能力を向上させ、筐体11の内部の容量を増大させることができる。冷却風Fの冷却能力の増大により、各ファン13の消費電力の増大を抑制し、各ファン13を小型化することができる。
【0063】
電力変換ユニット10は、第2ユニット筐体37の内部と、ヒートシンク35によって形成される空気の流路35cと、を隔てる仕切り部材37aを備える。このため、ヒートシンク35の排熱が第2ユニット筐体37の内部の基板39に熱的に作用することを抑制することができる。同時に、素子ユニット21からキャパシタユニット25に熱を伝導させる防爆板50によって、素子ユニット21の冷却効率を上げることができる。
防爆板50によって、素子ユニット21の冷却効率を向上するとともに、素子ユニット21及び駆動ユニット23と、キャパシタユニット25とを分離することによって、保守容易性を向上させることができる。
【0064】
上述した実施形態では、素子ユニット21と、駆動ユニット23と、キャパシタユニット25とは、互いに分離されてもよいし、適宜の組み合わせで一体的に形成されてもよい。
【0065】
以下、第2実施形態に係る電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
【0066】
(第2の実施形態)
図5は、本実施形態の電力変換ユニット10での電力制御ユニット15の構成を示す斜視図である。図6は、本実施形態の電力制御ユニット15の構成を示す断面図である。
【0067】
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、絶縁補強部55に関する点である。
絶縁補強部55は、防爆板50の強度を増加するために設けられる。具体的には、絶縁補強部55は、防爆板50の四隅において、下側から上向きの爆風等によって、防爆板50がめくれる変形を起こすことを防止する。絶縁補強部55は、防爆板50の上面に取り付けられる。絶縁補強部55は、防爆板50の上面に接触する。絶縁補強部55は、少なくとも防爆板50の四隅に取り付けられる。
【0068】
絶縁補強部55は、絶縁材料からなる。絶縁補強部55は、防爆板50が下側から作用した力で、四隅がめくれ上がらないように強度を維持できる強度を付与可能な材質からなる。絶縁補強部55は、例えば、ダラスエポキシ樹脂からなる。絶縁補強部55は、防爆板50が下側から作用した力で、四隅がめくれ上がらないように強度を維持可能な太さおよび形状を有する。
【0069】
絶縁補強部55は、図5図6に示すように、棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55bとを有する。
【0070】
棒絶縁補強部55aは、防爆板50の四隅のうちY方向で同じ側に位置する2箇所を結ぶ。棒絶縁補強部55aは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、X方向に延在する辺に沿って配置される。棒絶縁補強部55aは、防爆板50におけるY方向の端部に沿って配置される。棒絶縁補強部55aは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、素子ユニット21における端部に配置される。
【0071】
棒絶縁補強部55aは、防爆板50の上面に固定される。棒絶縁補強部55aは、防爆板50に螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55aは、X方向の両端部において、防爆板50よりもX方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bと近接している。棒絶縁補強部55aは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bと接続されている。棒絶縁補強部55aは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bに固定されている。棒絶縁補強部55aは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bに螺合されてもよい。
【0072】
棒絶縁補強部55bは、防爆板50の四隅のうちY方向で同じ側に位置する2箇所を結ぶ。棒絶縁補強部55bは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、X方向に延在する辺に沿って配置される。棒絶縁補強部55bは、防爆板50におけるY方向の端部に沿って配置される。棒絶縁補強部55bは、防爆板50の矩形輪郭のうち、キャパシタユニット25における端部に配置される。
【0073】
棒絶縁補強部55bは、防爆板50の上面に固定される。棒絶縁補強部55bは、防爆板50に螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55bは、X方向の両端部において、防爆板50よりもX方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bと近接している。棒絶縁補強部55bは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bと接続されている。棒絶縁補強部55bは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bに固定されている。棒絶縁補強部55bは、X方向の端部がそれぞれ左側部41a及び右側部41bに螺合されてもよい。
【0074】
絶縁補強部55は、棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55bとが、Y方向において互いに対向する。棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55aとは、互いに平行に配置される。棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55aとは、ほぼ等しい太さである。
絶縁補強部55は、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されている。これにより、防爆板50が第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されている。
【0075】
本実施形態における電力変換ユニット10は、電力制御ユニット15の上面全域を覆う防爆板50に対して、絶縁補強部55を設けた構成とされているため、破損した用品の飛散を防止し、被害拡大をさらに防止することができる。積層導体とされた防爆板50に対して、絶縁補強部55が絶縁性に優れた材料とされることで、電力制御ユニット15における電気的な影響を考慮する必要がない。絶縁補強部55が絶縁性に優れた材料とされることで、積層導体とされた防爆板50に密着させることができる。絶縁補強部55により、破損による防爆板50の変形を抑制できる。
【0076】
絶縁補強部55が絶縁性に優れた材料とされることで、電力制御ユニット15内での熱のこもり防止性能に影響を与えることがない。絶縁補強部55が強度に優れた材料とされることで、防爆性をより一層向上することができる。
また、絶縁補強部55が第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることにより、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41を補強して、電力制御ユニット15の強度を向上することができる。
【0077】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0078】
本実施形態においては、棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55bとが、防爆板50の輪郭形状においてX方向の全長に延在する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55bとが、防爆板50の輪郭形状においてX方向の全長に対して、隅部を含む1/4~1/3程度の長さにそれぞれ延在する構成とすることもできる。
【0079】
以下、第3実施形態に係る電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
【0080】
(第3の実施形態)
図7は、本実施形態の電力変換ユニット10での電力制御ユニット15の構成を示す斜視図である。
本実施形態において、上述した第2実施形態と異なるのは、絶縁補強部55に関する点である。
【0081】
絶縁補強部55は、図7に示すように、棒絶縁補強部55cと棒絶縁補強部55dとを有する。
【0082】
棒絶縁補強部55cは、防爆板50の四隅のうちX方向で同じ側に位置する2箇所を結ぶ。棒絶縁補強部55cは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、Y方向に延在する辺に沿って配置される。棒絶縁補強部55cは、防爆板50におけるX方向の端部に沿って配置される。棒絶縁補強部55cは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、素子ユニット21からキャパシタユニット25にかけて延在する端部に配置される。
【0083】
棒絶縁補強部55cは、防爆板50の上面に固定される。棒絶縁補強部55cは、防爆板50に螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55cは、X方向の端部において、防爆板50よりも左側部41aと近接している。棒絶縁補強部55cは、X方向の端部において、防爆板50の輪郭よりもはみ出している。棒絶縁補強部55cは、X方向の端部が左側部41aと接続されている。棒絶縁補強部55cは、X方向の端部が左側部41aに固定されている。棒絶縁補強部55cは、X方向の端部が左側部41aに螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55cは、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定される。
【0084】
棒絶縁補強部55dは、防爆板50の四隅のうちX方向で同じ側に位置する2箇所を結ぶ。棒絶縁補強部55dは、上面視した防爆板50の矩形輪郭のうち、Y方向に延在する辺に沿って配置される。棒絶縁補強部55dは、防爆板50におけるX方向の端部に沿って配置される。棒絶縁補強部55dは、防爆板50の矩形輪郭のうち、素子ユニット21からキャパシタユニット25にかけて延在する端部に配置される。
【0085】
棒絶縁補強部55dは、防爆板50の上面に固定される。棒絶縁補強部55dは、防爆板50に螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55bは、X方向の両端部において、防爆板50よりも右側部41bと近接している。棒絶縁補強部55dは、X方向の端部が右側部41bと接続されている。棒絶縁補強部55dは、X方向の端部が右側部41bに固定されている。棒絶縁補強部55dは、X方向の端部が右側部41bに螺合されてもよい。
棒絶縁補強部55dは、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定される。
【0086】
絶縁補強部55は、棒絶縁補強部55cと棒絶縁補強部55dとが、X方向において互いに対向する。棒絶縁補強部55cと棒絶縁補強部55dとは、互いに平行に配置される。棒絶縁補強部55cと棒絶縁補強部55dとは、ほぼ等しい太さである。
絶縁補強部55は、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されている。これにより、防爆板50が第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されている。
【0087】
絶縁補強部55は、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることで、より強固に防爆板50を第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定することができる。
絶縁補強部55は、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることで、隙間をなくして防爆性能をより一層向上することができる。
【0088】
本実施形態においても、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0089】
本実施形態においては、棒絶縁補強部55cと棒絶縁補強部55dとが、防爆板50の輪郭形状においてY方向の全長に延在する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、棒絶縁補強部55aと棒絶縁補強部55bとが、防爆板50の輪郭形状においてY方向の全長に対して、隅部を含む1/4~1/3程度の長さにそれぞれ延在する構成とすることもできる。
【0090】
以下、第4実施形態に係る電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
【0091】
(第4の実施形態)
図8は、本実施形態の電力変換ユニット10での電力制御ユニット15の構成を示す断面図である。図9は、電力制御ユニット15の構成を示す模式上面図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、貫通孔(開口)51eに関する点である。
【0092】
防爆板50は、図8図9に示すように、上側の導体板51に貫通孔51eが形成される。貫通孔(開口)51eは、空気(冷却風)Fが通り抜けることができる。貫通孔51eは、上面視して導体板52に重なっている。貫通孔51eは、Z方向の下側に導体板52が位置する。貫通孔51eは、それぞれの貫通孔52eに対応する位置に配置される。具体的には、貫通孔51eは、冷却風Fの流れ方向に沿って貫通孔52eの下流となる位置に配置される。
【0093】
例えば、貫通孔51eは、上面視して接続部52aと重なる位置に配置される。貫通孔51eは、上面視して接続部52bと重なる位置に配置される。貫通孔51eの配置は、貫通孔52eの下流であれば、この位置に限定されない。
【0094】
貫通孔51eが冷却風Fの流れ方向に沿って貫通孔52eの下流となる位置に配置されることで、貫通孔52eを通り抜けた冷却風Fは、さらに貫通孔51eを通り抜ける。冷却風Fは、下側の導体板52に対して、その両面に沿って流れる。冷却風Fは、上側の導体板51に対して、その下面に沿って流れる。
【0095】
これにより、導体板52および導体板51が冷却される。したがって、冷却風Fによる防爆板50の冷却効率を向上することができる。
【0096】
本実施形態においても、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0097】
以下、第4実施形態に係る電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
【0098】
(第5の実施形態)
図10は、本実施形態の電力変換ユニット10での電力制御ユニット15の構成を示す断面図である。
本実施形態において、上述した第1~第4実施形態と異なるのは、絶縁伝熱部57に関する点である。
【0099】
絶縁伝熱部57は、導体板51と導体板52との間に配置される。絶縁伝熱部57は、導体板51と導体板52とにそれぞれ密着される。絶縁伝熱部57は、導体板51と導体板52との間の全域に充填される。なお、絶縁伝熱部57は、貫通孔52eに充填されてもよい。
【0100】
絶縁伝熱部57は、高強度の材質からなる。絶縁伝熱部57は、絶縁性を有する材質からなる。絶縁伝熱部57は、熱伝導性が高い材質からなる。絶縁伝熱部57の材質は、適宜選択することができる。あるいは、絶縁伝熱部57は、絶縁補強部55と同じ材質とすることができる。
【0101】
絶縁伝熱部57は、上面視して、防爆板50と同じ輪郭形状とすることができる。
あるいは、絶縁伝熱部57は、上面視して、防爆板50の輪郭形状よりも、X方向にはみ出した輪郭形状とすることができる。この場合、絶縁伝熱部57のX方向端部は、絶縁補強部55と同様に、第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定することができる。
【0102】
絶縁伝熱部57は、X方向の端部で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることで、より強固に防爆板50を第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定することができる。
【0103】
さらに、絶縁伝熱部57のX方向端部は、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることができる。
絶縁伝熱部57は、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることで、より強固に防爆板50を第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定することができる。
絶縁伝熱部57は、Y方向の全長で第1ユニット筐体31および第3ユニット筐体41に対して固定されることで、隙間をなくして防爆性能をより一層向上することができる。
【0104】
絶縁伝熱部57によって、上側の導体板51から下側の導体板52へと熱が伝導する。絶縁伝熱部57によって、下側の導体板52から上側の導体板51へと熱が伝導する。しかも、防爆板50の全域で、導体板51と導体板52との間の熱伝導が容易になる。絶縁伝熱部57の熱伝導により、さらに放熱が促進される。
これにより、導体板51の温度が高い場合には、冷却風Fが当たるとともに冷却風Fが沿って流れることで積極的に冷却される導体板52に熱を伝導させて、冷却効率を向上することができる。
【0105】
したがって、半導体素子33から防爆板50へと伝達された熱を、キャパシタユニット25に位置するとともに冷却効率の高い導体板52に伝えて、効率的に冷却することができる。
【0106】
本実施形態においても、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0107】
本実施形態においては、絶縁伝熱部57が、防爆板50の全域に充填される構成としたが、この構成に限定されない。例えば、絶縁伝熱部57を、X方向に延在する棒絶縁補強部55aと同等の部材が導体板51と導体板52との間に、Y方向に離間して複数配置された構成とすることもできる。
あるいは、絶縁伝熱部57を、Y方向に延在する棒絶縁補強部55cと同等の部材が導体板51と導体板52との間に、X方向に離間して複数配置された構成とすることもできる。
さらに、防爆板50の輪郭形状においてX方向の全長に対して、隅部を含む1/4~1/3程度の長さにそれぞれ延在する構成とすることもできる。
【0108】
さらに、上述した各実施形態における個々の構成を個別に選択して、それぞれ組み合わせて実施することも可能である。
例えば、絶縁伝熱部57を、Y方向に延在する棒絶縁補強部55cと同等の部材が導体板51と導体板52との間に、X方向に離間して複数配置されるとともに、冷却風Fの流れ方向に沿って貫通孔52eの下流となる位置に配置される貫通孔51eを有する構成とすることが可能である。
【0109】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、防爆板50を持つことにより、防爆性を高め、冷却性能を向上することができる。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
10…電力変換ユニット、11…筐体、13…ファン(流体機械)、15…電力制御ユニット(ユニット)、21…素子ユニット、23…駆動ユニット、25…キャパシタユニット、31…第1ユニット筐体、33…半導体素子(第1素子)、35…ヒートシンク(放熱部材)、35c…流路(流通流路)、37…第2ユニット筐体、39…基板、41…第3ユニット筐体(支持部材)、43…キャパシタ(コンデンサ、第2素子)、50…防爆板、51,52…導体板(積層導体)、51a,51b,51a,52b…接続部(スペーサ)、51e…貫通孔(開口)、52e…貫通孔(開口)、55…絶縁補強部、57…絶縁伝熱部、
【要約】
電力変換ユニットは、筐体と、第1素子と、第2素子と、防爆板と、を備える。第1素子は、筐体の内部に配置される。第2素子は、筐体の内部に第1素子に水平方向に隣接して配置される。防爆板は、筐体の上面視して第1素子と第2素子とを覆う。防爆板は、第1素子および第2素子に接続される積層導体である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10