(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20240628BHJP
G06Q 40/12 20230101ALI20240628BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2024027591
(22)【出願日】2024-02-27
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小泉 美果
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109799(JP,A)
【文献】特開2007-317092(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0044313(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザによるクレジットカードの使用を管理するためのプログラムであって、
前記メモリには、前記ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データと、前記ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データとが記憶され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、前記クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップと、
前記取得した取引明細データに係る会計データが、前記メモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されていない場合、前記取得した取引明細データから会計データを生成して前記メモリに記憶させるステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されている場合、前記取得した取引明細データと前記メモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出するステップと、
前記抽出した差分データを、前記メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記差分データを抽出するステップにおいて、前記取得した取引明細データに係る前記クレジットカードの使用を取消す取消データを抽出するステップと、
前記会計データを更新するステップにおいて、前記会計データの取消しを行うステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記会計データを更新するステップにおいて、前記会計データがすでに取り消されている場合、前記会計データの取消しを行わない、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記会計データを更新するステップにおいて、前記抽出した差分データが、前記取得した取引明細データの支払い方法と前記メモリに記憶されている会計データの支払い方法との差分である場合、前記会計データの支払い方法を変更するとともに、前記会計データの他の項目を変更する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記会計データを更新するステップにおいて、前記抽出した差分データが、前記取得した取引明細データの金額と前記メモリに記憶されている会計データの金額との差分である場合、前記会計データの金額を変更するとともに、前記会計データの他の項目を変更する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、さらに、
前記抽出した差分データを、前記ユーザが使用する端末装置へ送信して前記ユーザに対して通知するステップを実行させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記会計データを更新するステップにおいて、前記ユーザからの操作により、前記抽出した差分データを前記会計データに反映させる指示の入力を受け付けた場合、前記会計データを更新する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
制御部と、メモリとを備え、ユーザによるクレジットカードの使用を管理する情報処理装置であって、
前記メモリには、前記ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データと、前記ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データとが記憶され、
前記制御部は、
前記クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、前記クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップと、
前記取得した取引明細データに係る会計データが、前記メモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されていない場合、前記取得した取引明細データから会計データを生成して前記メモリに記憶させるステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されている場合、前記取得した取引明細データと前記メモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出するステップと、
前記抽出した差分データを、前記メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、ユーザによるクレジットカードの使用を管理するための方法であって、
前記メモリには、前記ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データと、前記ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データとが記憶され、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、前記クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップと、
前記取得した取引明細データに係る会計データが、前記メモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されていない場合、前記取得した取引明細データから会計データを生成して前記メモリに記憶させるステップと、
前記判定の結果が、前記取得した取引明細データに係る会計データが前記メモリに記憶されている場合、前記取得した取引明細データと前記メモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出するステップと、
前記抽出した差分データを、前記メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗での商品購入やサービスの提供を受ける際、またはオンライン上で商品購入やサービスの提供を受ける際に、現金以外の決済手段として、クレジットカードにより決済を行うことが増加している。これに伴い、クレジットカードによる決済を可能とする店舗(実店舗またはインターネット上の店舗)も増加している。
【0003】
このようなクレジットカードによる決済について、ユーザから、自己の利用状況を把握したいとの要望がある。そのため、特許文献1には、キャッシュカードとクレジットカード等を併用する利用者が、銀行口座とクレジットカードの利用状況を統合的に管理できるようにするため、銀行の口座取引データとクレジットカードの利用データを取得し、銀行口座の所定期間における予想残高を算出する、金融機関の利用状況管理方法についての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば企業等の事業者では、特許文献1に記載のような技術を利用して、クレジットカードによる決済についての利用状況を取得し、会計システムにおける会計データとして取り込むことが行われている。このような会計データは、例えば企業等の事業者において仕入、購買等の決済がされた場合、当該決済について帳簿に記帳する必要があるため、このような決済にクレジットカードが利用された場合に使用される。
【0006】
ただし、クレジットカードによる決済後、商品の不備等の理由により決済が取り消される場合がある。このような場合、クレジットカード会社では取消処理を行い、当該決済に係る引き落とし前の場合、口座引き落としがされないように処理を行う。ただし、上記のようにいったん会計データとして取り込まれたデータを、ユーザである事業者側で特定して取消処理を行うのは容易ではなかった。
【0007】
そこで、本開示では、会計システムにおいて、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、その後の変更情報を取得済の取引明細データに反映することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施の形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザによるクレジットカードの使用を管理するためのプログラムであって、メモリには、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データと、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データとが記憶され、プログラムは、プロセッサに、クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップと、取得した取引明細データに係る会計データが、メモリに記憶されているか否かを判定するステップと、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させるステップと、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出するステップと、抽出した差分データを、メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、当該取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させ、会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較し、差分を会計データに反映させる。そのため、会計システムにおいて、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、その後の変更情報を会計データに反映させることが可能になる。これにより、クレジットカードによる決済に係る会計データについて、リアルタイムかつ正確な管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1の会計システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の端末装置10の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1のサーバ20の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図3のユーザデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】
図3の取引明細データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】
図3の会計データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【
図7】会計システム1による会計データ更新処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】会計システム1による会計データ登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0013】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0014】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアの組合せである。
【0015】
<概要>
以下、本開示に係る会計システムについて説明する。本開示に係る会計システムは、ユーザである企業や個人事業主等の事業者に対して、会計処理のサービスを提供するためのシステムである。企業や個人事業主で行われる会計処理とは、仕入、売上、借入のような入出金の取引を(会計データとして)管理することであり、取引を帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)し、所定の決算期に決算処理として試算表を作成し、財務諸表である損益計算書や貸借対照表を作成している。また、決算処理の結果に基づき、法人税や事業所税、消費税等の申告書を作成する税務申告処理も行っている。本開示に係る会計処理システムは、仕入、売上等の入出金取引の入力を受け付けて帳簿への記帳を行って会計データとして登録し、試算表、財務諸表の作成し、税務申告の処理を支援するコンピュータシステムである。また、本開示に係る会計処理システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0016】
また、本開示に係る会計システムは、クレジットカード会社等から連携される、クレジットカードによる決済についての取引明細データを取得し、上記の会計データを生成して登録する処理を行っている。この処理により、本開示に係る会計システムは、ユーザである事業者によるクレジットカードの使用を管理している。なお、本開示に係る会計システムで管理されるクレジットカードは、法人を対象として発行された法人カードでもよく、個人を対象に発行されたカードでもよい。
【0017】
ところで、例えば、ユーザである事業者が事業に係る仕入、購買等の際にクレジットカードで決済し、その後、仕入商品の不備等の理由により返品し、クレジットカードによる決済が取り消される場合がある。この場合、クレジットカード会社(のシステム)では、当該決済についての取消処理を行い、当該決済に係る引き落とし前の場合、口座引き落としがされないように処理を行い、当該決済に係る引き落とし後の場合、口座に対して返金する処理を行う。
【0018】
しかし、事業者に対して会計処理のサービスを提供するような会計システムでは、クレジットカード会社から決済取消のデータが連携されたとしても、いったん会計データとして取り込まれたデータを特定し、取消処理を行うのは容易ではなかった。例えば、クレジットカード会社から連携される取引明細データが返品した商品のみであるとは限らず、一部の商品に対して取消処理を行うために会計データを特定するのは人による特定作業が必要であり、手間がかかるからである。
【0019】
そこで、本開示に係る会計システムは、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、当該取引明細データに係る会計データが登録(メモリに記憶)されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成して登録(記憶)させる。また、会計データが登録(メモリに記憶)されている場合、取得した取引明細データと登録(記憶)されている会計データとを比較し、差分を会計データに反映させる。
【0020】
上記のような構成により、会計システムにおいて、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、当該決済に係るその後の変更情報を会計データに反映させることを可能にしている。
【0021】
<実施の形態1>
以下、会計システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0022】
<1 会計システム1の全体構成>
図1ないし
図3を参照しながら、実施の形態1における会計システム1の構成について説明する。
【0023】
図1は、実施の形態1の会計システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、会計システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、外部サーバ(外部システム)30とを含む。端末装置10とサーバ20と外部サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施の形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。また、外部サーバ30は、サーバ20との間で情報のやり取りを行う。
【0024】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して会計システム1の機能である物品の仕入、購入等の取引についてのデータの登録、及び取引全体について会計処理を行う者であり、例えば事業者である企業の担当者、個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0025】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0026】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
サーバ20は、事業者であるユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データと、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データとを記憶して管理する装置である。サーバ20は、クレジットカードの識別データを使用して外部サーバ30にアクセスし、取引明細データを取得して取引明細データに係る会計データが登録(記憶)されているか否かを判定する。サーバ20は、取引明細データに係る会計データが登録されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成して登録する。また、サーバ20は、取引明細データに係る会計データが登録されている場合、取得した取引明細データと登録されている会計データとを比較して差分データを抽出し、会計データに反映させて会計データを更新する。
【0028】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0029】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0030】
外部サーバ30は、会計システム1の管理対象であるクレジットカード会社が、ユーザのクレジットカードに係る各種サービスを提供するためのサーバ装置である。外部サーバ30は、クレジットカードの識別データを使用したアクセスを受け付けると、所定の認証を行う。外部サーバ30は、所定の認証により正当なアクセスであると判定すると、当該ユーザに係るクレジットカードの使用状況を示す取引明細データを提供する。外部サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0031】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、
図1の端末装置10の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0032】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0033】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0034】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0035】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0036】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0037】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0038】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0039】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0040】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0041】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、会計システム1の機能である物品の仕入、購入等の取引についてのデータの登録、及び取引全体について会計処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、従業員の氏名等の情報が含まれる。
【0042】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0043】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0044】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0045】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0046】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0047】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、
図1のサーバ20の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0048】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0049】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザデータベース2021と、取引明細データベース2022と、会計データベース2023等を記憶する。
【0050】
ユーザデータベース2021は、会計システム1の管理対象である、企業や個人事業主等の事業者であるユーザと、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データを含む、クレジットカードに関する各種データを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0051】
取引明細データベース2022は、会計システム1の管理対象である、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引に関する各種データを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
会計データベース2023は、会計システム1の管理対象である、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データを含む、ユーザに係る仕入、売上、借入のような入出金を示す会計データを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0053】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、取引明細データ取得モジュール2033、取引明細データ判定モジュール2034、会計データ生成モジュール2035、差分データ抽出モジュール2036、ユーザ通知モジュール2037、及び会計データ更新モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0054】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0055】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0056】
取引明細データ取得モジュール2033は、ユーザデータベース2021に格納されている、クレジットカードの識別データを使用して外部サーバ30(所定の外部システム)にアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得する処理を制御する。取引明細データ取得モジュール2033が使用するクレジットカードの識別データとは、例えば、ユーザが使用するクレジットカードのカード番号であり、有効期限、名義人名、セキュリティコード等のデータが含まれてもよい。クレジットカードのカード番号は、カードごとに固有の番号が付与されているため、クレジットカードのカード番号でユーザのクレジットカードを識別可能である。ただし、外部サーバ30への認証に有効期限、名義人名、セキュリティコード等のデータが必要になる場合もあるため、取引明細データ取得モジュール2033は、これらのデータを使用して取引明細データを取得する。そのため、会計システム1では、あらかじめユーザによる、当該ユーザが使用するクレジットカードに関する上記の各種データの登録を受け付けておき、ユーザデータベース2021に格納する。
【0057】
取引明細データ取得モジュール2033は、例えば、クレジットカード会社が提供する外部サーバ30とのAPI連携により、自動で同期を行い、取引明細データを取得してもよい。
【0058】
取引明細データ取得モジュール2033が取得する取引明細データは、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引に関する各種データである。取引明細データは、具体的には、取引(決済)日付、利用した店舗等(オンラインショップ等も含む)、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータを含む。ここで、クレジットカードを利用した店舗等には、オンラインショップ等のプラットフォームを提供する、EC(Electronic Commerce)プラットフォームに展開されているオンラインショップ等を含む。
【0059】
取引明細データ取得モジュール2033は、取得した取引明細データを、例えば取引明細データベース2022に格納して記憶させる。
【0060】
取引明細データ判定モジュール2034は、取引明細データ取得モジュール2033が取得した取引明細データに係る会計データが、すでに登録されて記憶部202(メモリ25)に記憶されているか否かを判定する処理を制御する。取引明細データ判定モジュール2034は、会計データベース2023に格納されている、クレジットカードの使用に係る会計データを参照し、取得した取引明細データに係る会計データがすでに登録されているか否かを判定する。
【0061】
会計データベース2023には、後述する会計データ生成モジュール2035が生成した、ユーザのクレジットカード使用についての取引明細データからの会計データが格納されている。そのため、取引明細データ判定モジュール2034は、取得した取引明細データに係る会計データが、重複して登録されているか否かを判定する。
【0062】
取引明細データ判定モジュール2034は、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータと、会計データに含まれる、後述する日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータとを比較し、取引明細データに対応する会計データが存在するか否かを判定する。このとき、取引明細データ判定モジュール2034は、例えば、取引明細データの取引日付と会計データの日付との一致、取引明細データの店舗等及び購入品目等と会計データの借方/貸方及び摘要の記載内容との一致、取引明細データの金額と会計データの金額との一致、のいずれかまたは複数により、取引明細データに対応する会計データが存在するか否かを判定する。例えば、処理日付の変更、手数料の処理等による金額の変更、といった要因により、上記の項目が完全に一致しない場合もありえるため、取引明細データ判定モジュール2034は、一部の項目の一致により判定してもよい。
【0063】
取引明細データ判定モジュール2034は、取引明細データに対応する会計データが存在するか否かの判定を、取引明細データとそれに対応する会計データとを学習して、取引明細データに対応する会計データであるか否かを判定して出力する機械学習モデルにより判定してもよい。この機械学習モデルは、例えば、所定の教師データを使用した教師あり機械学習による学習モデルでもよく、教師なし機械学習による学習モデルでもよく、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)を用いた学習モデル等が含まれてもよい。
【0064】
会計データ生成モジュール2035は、取引明細データ判定モジュール2034の判定結果が、取得した取引明細データに係る会計データが記憶部202(メモリ25)に記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成して記憶させる処理を制御する。会計データ生成モジュール2035が生成する会計データは、ユーザに係る仕入、売上、借入のような入出金を示すものであり、具体的には、日付、借方/貸方、摘要、金額のデータを含む。このとき、会計データ生成モジュール2035は、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータから、会計データとして、日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータを生成する。
【0065】
会計データ生成モジュール2035が会計データを生成する処理は、例えば、以下のように行われるが、以下の処理に限られない。
・取引明細データに含まれる取引日付を、会計データに含まれる日付とする。
・取引明細データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータから、入出金の判定をして会計データに含まれる借方/貸方を決定する。
・取引明細データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータから、摘要の記載内容を決定して会計データに含まれる適用に格納する。
・取引明細データに含まれる金額を、会計データに含まれる金額とする。
【0066】
会計データ生成モジュール2035は、会計データを生成する際に、上記の機械学習モデルによる出力結果により生成してもよい。
【0067】
会計データ生成モジュール2035は、生成した会計データを、例えば会計データベース2023に格納して記憶させる。
【0068】
差分データ抽出モジュール2036は、取引明細データ判定モジュール2034の判定結果が、取得した取引明細データに係る会計データが記憶部202(メモリ25)に記憶されている場合、取得した取引明細データと記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出する処理を制御する。差分データ抽出モジュール2036は、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータと、会計データに含まれる日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータとを比較し、相違点についての差分データを抽出する。
【0069】
差分データ抽出モジュール2036が抽出する差分データは、例えば、以下のように行われるが、以下の処理に限られない。
・取引明細データに含まれる取引日付と、会計データに含まれる日付とが不一致の場合に取引明細データに含まれる取引日付を差分データとして抽出する。
・取引明細データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータと、会計データに含まれる借方/貸方の入出金とが不一致の場合に取引明細データに含まれるデータを差分データとして抽出する。
・取引明細データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータと、会計データに含まれる適用の記載内容とが不一致の場合に取引明細データに含まれるデータを差分データとして抽出する。
・取引明細データに含まれる金額と、会計データに含まれる金額とが不一致の場合に取引明細データに含まれる金額を差分データとして抽出する。
【0070】
差分データ抽出モジュール2036は、例えば、取得した取引明細データが、ユーザによるクレジットカード使用の決済に対する取消データである場合に、その取消データを差分データとして抽出してもよい。クレジットカード使用の決済に対する取消データとは、例えばクレジットカード決済の誤用(当該ユーザによる誤用、他のユーザによる誤用を含む)、利用した店舗等の都合(欠品等)による取消し、クレジットカード会社によるオーソリの取消し等の理由によるものであり、例えば金額データに当初の金額の正負を逆にしたデータ(利用金額のマイナスデータ)である。
【0071】
差分データ抽出モジュール2036は、例えば、取得した取引明細データによる支払方法(クレジットカード支払い)と、会計データに含まれる適用の記載内容による支払方法とが異なる場合、取引明細データによる支払方法(クレジットカード支払い)を差分データとして抽出してもよい。
【0072】
ユーザ通知モジュール2037は、差分データ抽出モジュール2036が抽出した差分データを、ユーザが使用する端末装置10へ送信してユーザに対して通知する処理を制御する。ユーザ通知モジュール2037は、差分データを当該ユーザが使用する端末装置10へ送信し、例えば差分データをディスプレイ150に表示させることによりユーザに対して通知する。
【0073】
会計データ更新モジュール2038は、差分データ抽出モジュール2036が抽出した差分データを、記憶部202(メモリ25)に記憶されている会計データに反映させて会計データを更新する処理を制御する。会計データ更新モジュール2038は、例えば、差分データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータを、会計データに含まれる日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータに反映させ、会計データを更新する。
【0074】
会計データ更新モジュール2038による会計データの更新は、例えば、以下のように行われるが、以下の処理に限られない。
・差分データに含まれる取引日付を、会計データに含まれる日付として更新する。
・差分データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータから、入出金の判定をして会計データに含まれる借方/貸方を決定して更新する。
・差分データに含まれる利用した店舗等、購入品目等のデータから、摘要の記載内容を決定して会計データに含まれる適用として更新する。
・差分データに含まれる金額を、会計データに含まれる金額として更新する。
【0075】
会計データ更新モジュール2038は、例えば、差分データが、ユーザによるクレジットカード使用の決済に対する取消データである場合に、会計データを取消す処理を行ってもよい。会計データ更新モジュール2038は、例えば、差分データが上記の取消データである場合に、対応する会計データを削除することにより取消しの処理を行ってもよく、対応する会計データを取消す仕訳、いわゆる逆仕訳を登録することにより取消しの処理を行ってもよい。なお、会計データ更新モジュール2038は、差分データに対応する取消しの処理がすでに行われている場合、取消の処理を行わないように制御してもよい。
【0076】
会計データ更新モジュール2038は、例えば、差分データが、支払方法の相違(クレジットカード支払い)である場合、会計データに含まれる適用の記載内容による支払方法を変更(クレジットカード支払いへの変更)してもよい。
【0077】
また、会計データ更新モジュール2038は、例えば、ユーザ通知モジュール2037によるユーザへの通知後、ユーザからの指示により差分データを会計データに反映させて会計データを更新してもよい。
【0078】
会計データ更新モジュール2038は、更新した会計データを、例えば会計データベース2023に格納して記憶させる。
【0079】
<2 データ構造>
図4ないし
図6を参照しながら、実施の形態1における会計システム1にて使用されるデータ構造について説明する。
【0080】
図4は、
図3のユーザデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5は、
図3の取引明細データベース2022のデータ構造の例を示す図である。また、
図6は、
図3の会計データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【0081】
図4に示すように、ユーザデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ事業者名」と、項目「法人/個人」と、項目「クレジットカード情報」等を含む。
【0082】
項目「ユーザID」は、会計システム1で管理する、物品の仕入、購入等の取引についてのデータの登録を行うユーザそれぞれを識別する情報である。
【0083】
項目「ユーザ事業者名」は、会計システム1にて管理するユーザの氏名または名称を示す情報であり、例えば、法人名称や個人事業主の氏名等が格納されている。
【0084】
項目「法人/個人」は、会計システム1にて管理するユーザが法人であるか、または個人(事業主)であるかの区分を示す情報であり、例えば、当該事業者が法人である場合は「法人」の情報が、当該事業者が個人事業主である場合は「個人」の情報が格納されている。
【0085】
項目「クレジットカード情報」は、会計システム1にて管理する、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データを含む、クレジットカードに関する各種データであり、具体的には、項目「カード番号」と、項目「名義人名」と、項目「有効期限」等を含む。この項目「クレジットカード情報」は、例えば、あらかじめユーザが、会計システム1を利用する際に登録した情報である。
【0086】
項目「カード番号」は、会計システム1にて管理する、ユーザが使用するクレジットカードのカード番号であり、クレジットカード会社により付与された、クレジットカードを識別する識別データである。
【0087】
項目「名義人名」は、会計システム1にて管理する、ユーザが使用するクレジットカードの名義人の氏名または名称であり、クレジットカード会社に登録されているデータである。
【0088】
項目「有効期限」は、会計システム1にて管理する、ユーザが使用するクレジットカードの有効期限であり、クレジットカード発行時にクレジットカード会社により設定されたデータである。
【0089】
サーバ20は、会計システム1がユーザから使用するクレジットカードの登録を受け付けることに伴って、ユーザデータベース2021のレコードを追加させる。
【0090】
図5に示すように、取引明細データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ事業者名」と、項目「取引明細情報」等を含む。
【0091】
項目「ユーザID」は、物品の仕入、購入等の取引についてのデータの登録を行うユーザそれぞれを識別する情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザID」に対応する。
【0092】
項目「ユーザ事業者名」は、会計システム1にて管理するユーザの氏名または名称を示す情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザ事業者名」に対応する。
【0093】
項目「取引明細情報」は、会計システム1にて管理する、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引に関する各種データであり、具体的には、項目「取引日付」と、項目「利用店名」と、項目「品目」と、項目「金額」等を含む。
【0094】
項目「取引日付」は、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引日付である。
【0095】
項目「利用店名」は、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引について利用した店舗等(オンラインショップ等も含む)の名称である。
【0096】
項目「品目」は、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引についての、購入品目の名称である。
【0097】
項目「金額」は、ユーザがクレジットカードを使用して決済を行った取引についての、利用した金額である。
【0098】
サーバ20の取引明細データ取得モジュール2033は、取引明細データを取得することに伴って、取引明細データベース2022の項目「取引明細情報」のレコードを追加する。
【0099】
図6に示すように、会計データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「仕訳データ詳細情報」等を含む。
【0100】
項目「ユーザID」は、物品の仕入、購入等の取引についてのデータの登録を行うユーザそれぞれを識別する情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザID」に対応する。
【0101】
項目「ユーザ事業者名」は、会計システム1にて管理するユーザの氏名または名称を示す情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザ事業者名」に対応する。
【0102】
項目「仕訳データ詳細情報」は、会計システム1にて管理する仕入や売上等の入出金の取引を記帳した仕訳データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「借方/貸方」と、項目「摘要」と、項目「金額」等を含む。この項目「仕訳データ詳細情報」は、事業者であるユーザが日々の取引について登録した情報に基づき、仕訳を行い、会計情報として登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0103】
項目「日付」は、会計システム1にて管理する取引が発生した日付の情報である。
【0104】
項目「借方/貸方」は、仕訳を行った仕訳データの借方または貸方の区別を示す情報であり、例えば、借方である場合は「借方」の情報が、貸方である場合は「貸方」の情報が格納されている。借方及び貸方は、現在帳簿への記帳で一般的に使用されている、複式簿記における記載項目である。
【0105】
項目「摘要」は、仕訳を行った仕訳データの勘定科目を示す情報である。勘定科目は、日々の取引の入力で使用される費目の内容を示す情報であり、例えば
図6に示すように、「仕入」、「買掛金」等の内容が格納されている。
【0106】
項目「金額」は、仕訳を行った仕訳データの金額を示す情報である。項目「金額」には、項目「摘要」が示す勘定科目の例である、「仕入」、「買掛金」等の金額が格納されている。
【0107】
サーバ20の会計データ生成モジュール2035は、会計データを生成することに伴って、会計データベース2023の項目「仕訳データ詳細情報」にレコードを追加する。また、会計データ更新モジュール2038は、会計データを生成することに伴って、会計データベース2023の項目「仕訳データ詳細情報」の該当するレコードを更新する。
【0108】
<3 動作>
以下、
図7及び
図8を参照しながら、実施の形態1における会計システム1による申請投稿データ受付処理、及び承認投稿データ受付処理について説明する。
【0109】
図7は、会計システム1による会計データ更新処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0110】
ステップS121において、サーバ20の取引明細データ取得モジュール2033は、ユーザデータベース2021に格納されている、クレジットカードの識別データを使用して外部サーバ30(所定の外部システム)にアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得する。ステップS121では、例えば、クレジットカード会社が提供する外部サーバ30とのAPI連携により、自動で同期を行い、取引明細データを取得する。
【0111】
ステップS122において、サーバ20の取引明細データ判定モジュール2034は、ステップS121で取得した取引明細データに係る会計データが、すでに登録されて記憶部202(メモリ25)に記憶されているか否かを判定する。ステップS122では、会計データベース2023に格納されている、クレジットカードの使用に係る会計データを参照し、取得した取引明細データに係る会計データがすでに登録されているか否かを判定する。ステップS122では、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータと、会計データに含まれる、後述する日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータとを比較し、取引明細データに対応する会計データが存在するか否かを判定する。
【0112】
ステップS123において、サーバ20の差分データ抽出モジュール2036は、ステップS122の判定結果が、取得した取引明細データに係る会計データが記憶部202(メモリ25)に記憶されている場合、取得した取引明細データと記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出する。ステップS123では、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータと、会計データに含まれる日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータとを比較し、相違点についての差分データを抽出する。
【0113】
ステップS124において、サーバ20の会計データ更新モジュール2038は、ステップS123で抽出した差分データを、記憶部202(メモリ25)に記憶されている会計データに反映させて会計データを更新する。ステップS124では、例えば、差分データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータを、会計データに含まれる日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータに反映させ、会計データベース2023の会計データを更新する。
【0114】
以上のように、会計システム1では、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、当該取引明細データに係る会計データが、すでに登録されているか否かを判定する。判定結果がすでに登録されている場合、取得した取引明細データと記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出し、差分データを会計データに反映させて会計データを更新する。
【0115】
図8は、会計システム1による会計データ登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図8に示すステップS121及びステップS122の処理は、
図7に示すステップS121及びステップS122の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0116】
ステップS223において、サーバ20の会計データ生成モジュール2035は、ステップS122の判定結果が、取得した取引明細データに係る会計データが記憶部202(メモリ25)に記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成する。ステップS223では、例えば、取引明細データに含まれる取引日付、利用した店舗等、購入品目または利用したサービスの名称等、金額のデータから、会計データとして、日付、借方/貸方、摘要の記載内容、金額のデータを生成する。
【0117】
ステップS224において、サーバ20の会計データ生成モジュール2035は、ステップS223で生成した会計データを、会計データベース2023に格納して記憶させる。
【0118】
以上のように、会計システム1では、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、当該取引明細データに係る会計データが、すでに登録されているか否かを判定する。判定結果が登録されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成し、記憶させる。
【0119】
<小括>
以上のように、本実施の形態によると、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、当該取引明細データに係る会計データが、すでに登録されているか否かを判定する。判定結果がすでに登録されている場合、取得した取引明細データと記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出し、差分データを会計データに反映させて会計データを更新する。そのため、会計システムにおいて、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、その後の変更情報を会計データに反映させることが可能になる。これにより、クレジットカードによる決済に係る会計データについて、リアルタイムかつ正確な管理が可能になる。
【0120】
また、本実施の形態によると、取得した取引明細データによる差分データが、ユーザによるクレジットカード使用の決済に対する取消データである場合、会計データの取消処理を行う。これにより、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、会計データに対する取消処理を行うことが可能になる。
【0121】
以上、開示に係る実施の形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施の形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0122】
<付記>
以上の各実施の形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0123】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、ユーザによるクレジットカードの使用を管理するためのプログラムであって、メモリ25には、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データ(2021)と、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データ(2023)とを記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップ(S121)と、取得した取引明細データに係る会計データが、メモリに記憶されているか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させるステップ(S223,S224)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出する(S123)と、抽出した差分データを、メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0124】
(付記2)差分データを抽出するステップにおいて、取得した取引明細データに係るクレジットカードの使用を取消す取消データを抽出するステップと、会計データを更新するステップにおいて、会計データの取消しを行うステップと、を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0125】
(付記3)会計データを更新するステップにおいて、会計データがすでに取り消されている場合、会計データの取消しを行わない、(付記2)に記載のプログラム。
【0126】
(付記4)会計データを更新するステップにおいて、抽出した差分データが、取得した取引明細データの支払い方法とメモリに記憶されている会計データの支払い方法との差分である場合、会計データの支払い方法を変更するとともに、会計データの他の項目を変更する、(付記1)に記載のプログラム。
【0127】
(付記5)会計データを更新するステップにおいて、抽出した差分データが、取得した取引明細データの金額とメモリに記憶されている会計データの金額との差分である場合、会計データの金額を変更するとともに、会計データの他の項目を変更する、(付記1)に記載のプログラム。
【0128】
(付記6)プログラムは、さらに、抽出した差分データを、ユーザが使用する端末装置へ送信してユーザに対して通知するステップを実行させる、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0129】
(付記7)会計データを更新するステップにおいて、ユーザからの操作により、抽出した差分データを会計データに反映させる指示の入力を受け付けた場合、会計データを更新する、(付記6)に記載のプログラム。
【0130】
(付記8)制御部203と、メモリ25(記憶部202)とを備え、ユーザによるクレジットカードの使用を管理する情報処理装置であって、メモリ25には、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データ(2021)と、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データ(2023)とを記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップ(S121)と、取得した取引明細データに係る会計データが、メモリに記憶されているか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させるステップ(S223,S224)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出する(S123)と、抽出した差分データを、メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0131】
(付記9)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、ユーザによるクレジットカードの使用を管理するための方法であって、メモリ25には、ユーザが使用するクレジットカードを識別する識別データ(2021)と、ユーザによるクレジットカードの使用に係る会計データ(2023)とを記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、クレジットカードの識別データを使用して所定の外部システムにアクセスし、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得するステップ(S121)と、取得した取引明細データに係る会計データが、メモリに記憶されているか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させるステップ(S223,S224)と、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出する(S123)と、抽出した差分データを、メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0132】
1 :会計システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
30 :外部サーバ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :ユーザデータベース
2022 :取引明細データベース
2023 :会計データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :取引明細データ取得モジュール
2034 :取引明細データ判定モジュール
2035 :会計データ生成モジュール
2036 :差分データ抽出モジュール
2037 :ユーザ通知モジュール
2038 :会計データ更新モジュール
【要約】 (修正有)
【課題】会計システムにおいて、クレジットカード会社から連携された取引明細データについて、その後の変更情報を取得済の取引明細データに反映するプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】会計システムにおいて、サーバによる会計データ更新処理は、クレジットカードの使用状況を示す取引明細データを取得し、取得した取引明細データに係る会計データが、メモリに記憶されているか否かを判定し、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されていない場合、取得した取引明細データから会計データを生成してメモリに記憶させ、判定の結果が、取得した取引明細データに係る会計データがメモリに記憶されている場合、取得した取引明細データとメモリに記憶されている会計データとを比較して差分データを抽出し、抽出した差分データを、メモリに記憶されている会計データに反映させて会計データを更新する。
【選択図】
図7