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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】スプレーキャニスター装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/30 20060101AFI20240701BHJP
   B65D 83/14 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A47K13/30 Z
B65D83/14 600
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021571515
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 US2020070018
(87)【国際公開番号】W WO2020243737
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】16/426,436
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】524208711
【氏名又は名称】ビーミス マニュファクチャリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルビア,ジャクリーン
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0028797(US,A1)
【文献】国際公開第2018/017430(WO,A1)
【文献】特開2002-066406(JP,A)
【文献】特表2008-531402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座組立体で使用されるスプレーキャニスター装置であって、前記スプレーキャニスター装置は、
環状スリーブ部、端部、前記環状スリーブ部に沿って延在する少なくとも1つの突出部材、および少なくとも部分的に前記端部に沿って延在する開放口を含む、キャニスター筐体、
アクチュエータキャップを含むキャニスターであって、前記キャニスターは、中に液体製品を収納し、前記アクチュエータキャップはスプレーノズルを含む、キャニスター、
シャーシ要素、および
前記シャーシ要素に摺動可能に結合されたトレーであって、前記トレーは、キャニスター筐体の少なくとも1つの突出部材のうちの1つを受け入れて前記キャニスター筐体と前記トレーとの間に嵌め込み係合をもたらすために、少なくとも1つの細長いスロットを含む、トレーを含み、
ここで前記キャニスターは、前記キャニスター筐体の前記環状スリーブ部に位置し、前記アクチュエータキャップは、前記キャニスター筐体の前記端部に少なくとも部分的に受け入れられ、前記スプレーノズルは、前記キャニスター筐体の前記開放口の近傍に位置し、
ここで前記キャニスター筐体と前記キャニスターは、前記アクチュエータキャップの前記スプレーノズルから、および前記キャニスター筐体の前記開放口を通して、液体製品の放出を引き起こすように、互いに対して移動可能である、
スプレーキャニスター装置。
【請求項2】
前記トレーに動作可能に接続されたモーターをさらに含み、前記モーターは、前記シャーシ要素の軌道部に沿って、格納位置と伸長位置との間で前記トレーの摺動可能な移動を引き起こすように構成される、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項3】
前記キャニスター筐体は、前記キャニスター筐体と前記トレーとの間の係合、および前記キャニスター筐体と前記トレーとの間の切り離しのうち少なくとも1つを促進するために、取手部をさらに含む、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項4】
前記アクチュエータキャップの第1の表面は、第1の嵌合部を含み、および前記キャニスター筐体の前記端部の内側表面は、第2の嵌合部を含み、前記内側表面の前記第2の嵌合部は、前記スプレーノズルの前記開放口との位置合わせを容易にするために、前記アクチュエータキャップの前記第1の嵌合部に、対応し、且つ係合するように、構成される、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項5】
前記アクチュエータキャップの前記第1の表面が、前記端部の前記内側表面の凸部に対応する凹部をさらに含む、請求項4に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項6】
前記トレーは、前記キャニスターを少なくとも部分的に囲み且つ係合して、前記キャニスター筐体と前記キャニスターを前記トレーに対して固定するための、1つ以上のリブ要素をさらに含む、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項7】
前記液体製品は、皮膚保護剤、軟膏剤、鉱油、シリコーン流体、ジメチコーン、シクロメチコン、ペトロラタム、たら肝油、ラノリン、酸化亜鉛、タルク、カラミン、カオリン、局所用デンプン(topical starch)、アラントイン、バリア材料、皮膚保湿剤、スキンローション、保湿クリーム、皮膚シーラント、水、薬剤、清浄液、水分バリア、およびそれらの組合せの1つ以上を含む、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの突出部材は、細長い2つのレールを含み、ここで、前記シャーシ要素の止め部材に当接するために、前記2つの細長いレールの間に、ロック構造が延在する、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項9】
前記ロック構造と前記止め部材との間の当接が前記キャニスター筐体の移動を抑制して、キャニスター筐体とキャニスターとの間における相対的運動を促進し、該相対運動がキャニスターの前記アクチュエータキャップを圧縮する、請求項8に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項10】
1つ以上のセンサーをさらに含み、前記1つ以上のセンサーは、キャニスターに適用された力の量を検出するための力センサーとキャニスター筐体がトレーに係合されているかどうかを検知するための圧力センサーの1つ以上を含む、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項11】
前記トレーは歯付ラックを含み、および前記モーターは、前記歯付ラックに係合するように構成された歯車に回転可能に結合され、前記モーターは、前記歯車を回転させて、前記トレーを、格納位置と伸長位置との間で、摺動可能に動かすように構成される、請求項2に記載のスプレーキャニスター装置。
【請求項12】
前記キャニスター筐体は、キャニスター筐体とトレーとの間の係合を容易にするために、前記環状スリーブ部から延在する取手部を含む、請求項1に記載のスプレーキャニスター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はスプレーキャニスター装置、とりわけ便座組立体において使用されるスプレーキャニスター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便座組立体は、ユーザーの会陰部を洗浄し清潔にするための、ビデを含むものなどが、知られている。そのような組立体は、自身を効果的にケアすることができないか、あるいは支援なしで自身を洗浄したり清潔にしたりすることができない個人のための医療分野において関心を持たれている。こうした個人の多くにとって、会陰部における過剰な湿度は継続的な問題になる。例えば、過剰な湿度は、発赤、剥離、かぶれ、イースト菌の感染などの多くの問題を引き起こし得る。既知の便座組立体がユーザーの会陰部を洗浄し乾燥させるために構成さているが、そのような皮膚の問題は依然として起こり得る。これらの懸念に取り組むために、様々な薬剤またはスプレーが個人の会陰部に適用されて、失禁、傷の排膿、または汗による過剰な水分から皮膚を保護する場合がある。
【0003】
そのような薬剤は、洗浄と乾燥の動作の後にそれらが塗布されて、過剰な水分の集積による皮膚の損傷または感染症をさらに予防するように、便座組立体に組み入れられる場合がある。薬剤を投薬するために、便座組立体は、会陰部上に薬剤をスプレーするように構成された霧化スプレー組立体を含んでもよい。しかし、高齢または関節炎などの他の関連する病気のために手先が器用でない場合がある個人にとって、薬剤キャニスターの交換は困難なものになり得る。現在利用可能な選択肢は、キャニスターの交換において便座組立体内の正確な位置合わせが必要であるため、手先が器用でない個人にとって一定の困難さを与える。
【0004】
据え付けの間にユーザーが手作業で位置合わせを実施することを必要とせずにスプレーキャニスター装置が適切に位置合わせされることを確かなものにするための改良されたアライメント構造を備えた、確実に据え付けられ且つ取り外すことができる、薬剤を薬投するための便座組立体用スプレーキャニスター装置があれば、有益である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1キャニスター筐体、キャニスター、およびトレーを含むスプレーキャニスター装置の斜視図であり、トレーがシャーシ要素に摺動可能に結合され、且つ、摺動可能な移動を引き起こすためのモーターに接続されている。
図2図1のキャニスター筐体とキャニスターの斜視図であり、キャニスターはキャニスター筐体のスリーブ部に位置している。
図3キャニスターに収容された液体製品をスプレーするためのスプレーノズルを有するアクチュエータキャップを含む、キャニスターの正面やや上からの図である。
図4図3のキャニスターの斜視図であり、アクチュエータキャップがキャニスターから取り除かれて、キャニスターの押圧可能な放出口を示している。
図5A環状スリーブ部、キャップ形の部分を備えた端部、ハンドル、開放口、および開放口内に延在する突出したフィンガー部を有する、キャニスター筐体の斜視図である。
図5B図5Aのキャニスター筐体の反対側の斜視図であり、キャニスター筐体の環状スリーブ部に沿って延在する2つの細長いレール、およびその間に延在するロック構造を示している。
図6Aキャニスター筐体の平面図であり、キャニスター筐体の内部、およびキャニスター筐体のキャップ形の部分の内表面にあるV字形の突起を示している。
図6Bキャニスター筐体の一部の斜視図であり、開放口、突出したフィンガー部、およびV字形の突起を示している。
図7キャニスターのアクチュエータキャップの斜視図であり、ノズルと、キャニスター筐体のキャップ形部分内にあるV字形突起に対応する窪んだ切欠きとを示している。
図8図8は、図1のトレーとシャーシ要素の斜視図であり、シャーシ要素に摺動可能に結合されたトレーが示されており、ここでトレーの近位側面は、湾曲した側壁部と、キャニスター筐体の細長いレールを受け入れるための一対の細長いスロットとを含み、トレーはキャニスターの固定のための押圧部材と一対のリブ部材とをさらに含んでいる。
図9シャーシ要素の斜視図であり、トレーが取り外されて、軌道部、センサー開孔部、ギア開孔部、複数のクリップ部材、および止め部材を示している。
図10トレーの遠位側面の斜視図であり、シャーシ要素の軌道部においてトレーを摺動可能に動かすようにピニオンギアを噛み合わせるための、歯付ラックを示している。
図11スプレーキャニスター装置の底部の一部分の斜視図であり、モーターに回転可能に結合されたピニオンギア、およびピニオンギアとトレーの歯付ラックとの間の、シャーシ要素のギア開孔部を介した係合を示している。
図12シャーシ要素に摺動可能に結合されたトレーの斜視図であり、作用力を検出するための力センサー、およびキャニスター筐体とキャニスターがトレーによって係合されたかどうかを検知するための圧力センサーを示している。
図13図1のスプレーキャニスター装置の断面図であり、伸長位置におけるスプレーキャニスター装置を示しており、ここでピニオンギアはトレーの歯付ラックに噛み合っており、およびシャーシ要素の止め部材はキャニスター筐体のロック構造に当接している。
図14Aベースユニット、シートカバー、メンテナンスカバー、およびスプレーキャニスター装置カバーを含む、便座組立体の一部分の斜視図である。
図14B図14Aの便座組立体の斜視図であり、便座組立体のベースユニットの中に配置されるモーター、シャーシ要素、および摺動可能に結合されたトレーを示すために、一部が取り外されている。
図14C図14Aの便座組立体の斜視図であり、開位置にあるメンテナンスカバーを示しており、キャニスター筐体とキャニスターが、シャーシ要素に摺動可能に結合されたトレーに係合するように、ベースユニットの開孔部の中に差し込まれている。
図14D図14Aの便座組立体の開孔部の平面図であり、ベースユニットにおけるシャーシ要素に摺動可能に結合された細長いスロットを包含するトレーを示している。
図14E図14Dに類似する図であり、キャニスター筐体、および便座組立体のベースユニットの中のトレーに係合されたキャニスターを示している。
図14F図14Bに類似する図であり、キャニスター筐体、および便座組立体のベースユニットの中のトレーに係合されたキャニスターを示している。
図14G便座組立体のベースユニットの一部分の斜視図であり、キャニスターのノズルから液体製品をスプレーするためにベースユニットの開放口を通って伸長位置に向かって伸びるトレー、キャニスター筐体、およびキャニスターを示している。
図14H図14Gに類似する斜視図であり、キャニスターのアクチュエータキャップが、キャニスターに収容された液体製品をスプレーするために、キャップ形の部分の内表面に対して押圧されている状態で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示によると、液体製品を収容するキャニスター、開放口を有するキャニスター筐体、シャーシ要素、およびシャーシ要素に摺動可能に結合されたトレーを含む、スプレーキャニスター装置が提供される。キャニスターはアクチュエータキャップを含み、該キャニスターは、使用中、アクチュエータキャップのノズルが開放口の近傍に配置されるように、キャニスター筐体に配置される。キャニスター筐体とそこに配置されるキャニスターは、少なくとも1つの突出部材を介して、トレーに係合され得る。トレーは、一旦係合されると、シャーシ要素に沿って格納位置と伸長位置との間で摺動可能に動かすことができ、キャニスターのアクチュエータキャップを押圧して液体製品をスプレーするための、キャニスターとキャニスター筐体との間の相対運動を促進する。1つのアプローチによって、格納位置はキャニスターの収納のために使用され、および、伸長位置は液体製品をキャニスターから散布または分配するために使用される。
【0007】
より具体的には、スプレーキャニスター装置は、スプレーキャニスター装置がユーザーの会陰部に液体製品を散布するために使用され得るように、便座組立体の中に配置され得る。シャーシ要素が便座組立体の中に配置される場合があり、および、トレーが上記のとおりシャーシ要素に摺動可能に結合される場合がある。モーターがトレーに動作可能に結合されて、トレーを、便座組立体内の格納位置と、便座組立体の開放口から外に向かって延在する伸長位置との間で、摺動可能に動かしてもよい。キャニスター筐体とそこに配置されるキャニスターは、便座組立体の開放口を通って便座組立体の中へ差し込まれて、トレーに係合する場合がある。そのように構成されて、キャニスター筐体とそこに配置されるキャニスターは、トレーと共に格納位置と伸長位置との間で移動されて、それにより液体製品がユーザーの会陰部にスプレーされる場合がある。
【0008】
付加的に、キャニスター筐体は、手先の器用さが制限された個人にとって、便座組立体内でのキャニスターとキャニスター筐体との位置合わせが容易になるように、少なくとも1つの挿嵌接続部を含む場合がある。例えば、キャニスターのアクチュエータキャップは、ノズルが作動中にキャニスター筐体のいずれかの部分によって覆われたり閉鎖されたりしないようにノズルと開放口との位置合わせを促進するために、キャニスター筐体の内側の第2の合わせ面に対応し且つ係合するように構成される第1の合わせ面を含む場合がある。また上述のように、一実施形態では、キャニスター筐体は、付加的な挿嵌接続部を有し、トレーに係合するための少なくとも1つの突出部材を含む。トレーは、キャニスター筐体が所定の配向においてのみトレーに係合されるようにキャニスター筐体の突出部材を受け入れるためのスロットを包含してもよく、それにより、トレーが伸長位置にあるときにキャニスター筐体の開放口がユーザーの会陰部に隣接して配置される。付加的に、便座の開放口とキャニスター筐体の形状とは、以下でより詳細に説明されるとおり、キャニスターとキャニスター筐体が所望の配向でのみ据え付けられるように、もう1つの挿嵌接続部を形成する場合がある。
【0009】
そのように構成されて、これらの複数の挿嵌接続部は、キャニスター筐体中のキャニスターの位置決めにおいて、手先が器用でないユーザーを支援して、ノズルとキャニスター筐体の開放口との間の位置合わせを容易にし、次にキャニスター筐体とキャニスターをトレーに固定するために便座組立体の中に挿入することを支援する。
【0010】
ここで、図1を参照すると、キャニスター筐体(102)と、キャニスター(104)と、シャーシ要素(108)に摺動可能に結合されたトレー(106)とを含むスプレーキャニスター装置(100)が示される。モーター(110)がシャーシ要素(108)に固定され、且つ動作可能にトレー(106)に結合される場合があり、その結果、格納位置(図1を参照)と伸長位置(図13を参照)との間で、トレー(106)が移動され得る。キャニスター(104)は、液体製品を収容し、および、本体(111)と、液体製品をスプレーするためのノズル(114)を備えたアクチュエータキャップ(112)とを包含する。キャニスター筐体(102)は、環状スリーブ部(116)、端部(118)、および開放口(120)を包含し、開放口(120)は、環状スリーブ部(116)と端部(118)において少なくとも部分的に延在する。示されるように、キャニスター(104)は、キャニスター筐体(102)の環状スリーブ部(116)に位置し、および、アクチュエータキャップ(112)は、端部(118)に少なくとも部分的に受け入れられ、その結果、ノズル(114)が開放口(120)に隣接して配置される。キャニスター筐体(102)およびそこに配置されるキャニスター(104)は、図示されるように、トレー(106)に係合される場合がある。操作中、モーター(110)は、トレー(106)をキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)に係合させて、トレー(106)を摺動可能に伸長位置に移動させ、および、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)を互いに対して移動させてアクチュエータキャップ(112)を押圧し、ノズル(114)から液体製品をスプレーさせる場合があり、これは以下でさらに詳述される。
【0011】
図2は、キャニスター筐体(102)の中に配置されるキャニスター(104)の斜視図を示す。示されるように、キャニスター筐体(102)は、概してキャニスター(104)に一致するように、およびキャニスター(104)を少なくとも部分的に受け入れるように、形づくられる。キャニスター筐体(102)は、キャニスター筐体(102)の内側(122)を画定する環状スリーブ部(116)と端部(118)とを含む。端部(118)は、環状スリーブ部(116)から延在し、第1のより大きな直径から第2のより小さな直径へと半径方向内側に先細りになっており、および、キャニスター(104)のアクチュエータキャップ(112)を受け入れるように構成されたキャップ形の部分(124)を終端とする。例示される実施形態では、開放口(120)は、部分的にスリーブ部(116)と端部(118)の両方にかけて延在し、およびキャニスター筐体(102)の内側(122)へのアクセスを可能にしている。他の実施形態において、開放口(120)は、アクチュエータキャップ(112)のノズル(114)が開放口(120)と位置合わせされ且つ開放口(120)を通して液体製品をスプレーすることができれば、いかなる既知のやり方で形作られてもよい。
【0012】
一実施形態では、キャニスター(104)は、キャニスター筐体(102)の中に確実に係合されて、スプレーキャニスター装置(100)の通常の作動に干渉する恐れがあるキャニスター(104)の偶然の離脱を抑制する。キャニスター筐体(102)の中でキャニスター(104)を固定するために、キャニスターのリム面(128)を係合して、キャニスター(104)がキャニスター筐体(102)から離脱することを抑制するか、または意図しない分離を防止するように、突出するフィンガー部(126)が提供される場合がある。例示されるように、フィンガー部(126)は概してアーチ形状のタブであり、開放口(120)の中でキャニスター筐体の内側(122)に向かって半径方向内側に延在する。キャニスター(104)をキャニスター筐体(102)の中に固定するために、キャニスター(104)は、環状スリーブ部(116)の中へ軸方向に前進される場合がある。一旦、キャニスター(104)のリム(128)がフィンガー部(126)のエッジ(130)を過ぎて前進されると、フィンガー部(126)は、キャニスター(104)のリム(128)に対してリバウンドして締まり嵌めし、その結果、フィンガー部(126)の縁(130)がリム(128)に当接する。そのように構成されて、フィンガー部(126)の縁(130)とキャニスター(104)のリム(128)との間の当接は、キャニスター(104)のキャニスター筐体(102)からの離脱を抑制するか、または意図しない分離を防止する。付加的に、以下でさらに詳述されるように、キャニスター筐体(102)は、トレー(106)との係合および切り離しを容易にするために、取手部(123)を含む場合がある。
【0013】
図3図4では、キャニスター(104)の実施形態が、スプレーキャニスター装置(100)の他の構成要素から分離されて示される。アクチュエータキャップ(112)は、キャニスター(104)の上端部(132)に結合されて、示される。キャニスター(104)のリム(128)は、キャニスター(104)の上端部(132)の近くで半径方向外側に伸びる。キャニスター(104)に収容された液体製品をスプレーするために、アクチュエータキャップ(112)の天面(134)が垂直方向下向きに押圧されて、キャニスターの放出口(136)(図4に示される)を押圧し、アクチュエータキャップ(112)を通して、およびノズル(114)から、液体製品を放出する場合がある。本明細書に記載されるように、キャニスター(104)中の液体製品は、ユーザーの会陰部に散布するための、複数の異なる液体製品を含む場合がある。例えば、液体製品は、限定されないが、皮膚保護剤、軟膏剤、クリーム、酸化亜鉛、カラミン、バリア溶液、清浄液、保湿剤、皮膚シーラント、水、薬剤、清浄液などの1つ以上含む場合がある。いくつかのアプローチでは、液体製品はバリア溶液であり、その結果、該バリア溶液がユーザーの会陰部に適用されてユーザーの皮膚のこの部分を保護し、および、例えば、ビデを介して清潔にした後の過度の水分を抑制する。加えて、キャニスター(104)は、底表面(137)を含み、該底表面(137)は、キャニスター(104)がキャニスター筐体(102)の中に位置して液体製品をスプレーするためにアクチュエータキャップ(112)を押圧する時、力をかけられ得る。
【0014】
図5A図5Bは、ある実施形態のキャニスター筐体(102)の対向する側面を示す。上述のように、キャニスター筐体(102)は、キャニスター筐体(102)の内側(122)を画定する環状スリーブ部(116)と端部(118)とを含み、上記内部(122)にキャニスター(104)が受け入れられ得る。図示された実施形態において、キャニスター筐体(102)は、一体化躯体またはモノリシック構造を含む。他の実施形態では、キャニスター筐体(102)は、キャニスター筐体(102)を作成するために組み立てられ得る別個の要素を含む場合がある。
【0015】
図5Bは、図5A中に示されるキャニスター筐体(102)の対向する側面の斜視図を示す。例示されるように、キャニスター筐体(102)は、第1の細長いレール(140)と第2の細長いレール(140)の形態をとる一対の突出部材(138)を含む。細長いレール(140、140’)は、環状スリーブ部(116)に沿って延在する。図14Aから図14Fにかけて記載されるように、各細長いレール(140、140’)の底縁部(142、142’)は、それぞれ、便座組立体の中に挿入するために、丸みをつけられる場合がある。突出部材(138)がトレー(106)の中の対応するスロット(図8に示される)に係合されて、それらの間に挿嵌接続部を提供する場合がある。他の実施形態では、突出部材(138)は、複数のタブまたは他の構造などの、トレー(106)に係合するように構成された他の構成によって形成され得る。操作中、突出部材(138)は、キャニスター筐体(102)がトレー(106)に係合された時に所望の配向を維持することを確かなものにすることによって、キャニスター筐体(102)が便座組立体に差し込まれる時の位置合わせを容易にする。
【0016】
図5Bにおいて例示されるように、ロック構造(143)は、細長いレール(140、140’)の間に延在して含まれる。ロック構造(143)は、トレー(106)が前進し続け且つキャニスター(104)がトレー(106)の構成要素によって押圧される間に、キャニスター筐体(102)が前進するのを抑制することによって、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)との相対運動を促進にするように含まれる場合があり、このことは図13に関して以下でより詳細に検討される。
【0017】
図6A図6Bは、端部(118)とそのキャップ形の部分(124)とを示し、および、図7は、キャップ形の部分(124)の中に受け入れられるアクチュエータキャップ(112)の天面(134)を示す。キャニスター(104)がキャニスター筐体(102)に挿入されると、ノズル(114)は、液体製品が開放口(120)から確実にスプレーされ得るように、典型的には開放口(120)の近傍に配置される。ノズル(114)と開放口(120)との間の位置合わせを容易にするために、アクチュエータキャップ(112)の天面(134)は、キャニスター筐体(102)のキャプ形の部分(124)の内側表面(148)にある第2の嵌合部(146)に対応し、および係合するように構成された、第1の嵌合部(144)を含む場合がある。第1の嵌合部(144)と第2の嵌合部(146)との間の係合は、アクチュエータキャップ(112)とキャップ形の部分(124)の内側表面(148)との間における付加的な挿嵌接続を提供する。図7に例示された形態では、アクチュエータキャップ(112)の天面(134)における第1の嵌合部(144)は、窪んだ、三角形の切り欠き(150)の形態にある。図6A図6Bに示されるように、キャップ形の部分(124)の内表面(148)は、窪んだ切欠き(150)に対応するV字形の突起(152)を含む。そのように構成されて、V字形の突起(152)は、キャニスター(104)がキャニスター筐体(102)の中に差し込まれる時、表面(148)における窪んだ切欠き(150)に係合するように構成されて、開放口(120)とノズル(114)の位置合わせを促進する。
【0018】
付加的に、または代替的に、キャップ形の部分(124)の内側表面(148)とアクチュエータキャップ(112)の天面(134)は、キャニスター(104)のキャニスター筐体(102)の中への挿入が、ノズル(114)が開放口(120)に位置合わせされない配向にあると、アクチュエータキャップ(112)を所望の位置合わせへと回転させることになるように、輪郭形成される場合がある。例えば、アクチュエータキャップ(112)の天面(134)は、パラボラ状の凹部(154)を含んでもよく、および、キャップ形の部分(124)の内側表面(148)は、対応するパラボラ状の凸部(156)を含んでもよい。アクチュエータキャップ(112)をキャニスター筐体(102)の端部(118)とキャップ形の部分(124)に受け入れると、凹部と凸部(154、156)が当接して、力がキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の一方または両方にかけられるとき、凹部と凸部(154、156)が嵌合して位置合わせされ、およびノズル(114)が開放口(120)に隣接して配置されるように、アクチュエータキャップ(112)を回転させる場合がある。そのように構成されて、始めにキャニスター(104)がキャニスター筐体(102)の中に挿入されるとき、ノズル(144)が面している方向に関わらず、一旦完全にそこに差し込まれると、パラボラ状の凹部と凸部(154、156)との間の接触、および第1の嵌合部(144)と第2の嵌合部(146)との間の挿嵌接続の両方が、ノズル(114)と開放口(120)との間の所望の位置合わせを促進する。
【0019】
図8は、シャーシ要素(108)に摺動可能に結合されたトレー(106)を、キャニスター筐体(102)とキャニスター(102)が取り外された状態で、示す。例示されるように、トレー(106)は、概して、キャニスター筐体(102)の環状スリーブ部(116)に対応し、且つ環状スリーブ部(116)を受け入れるように形づくられた、湾曲した側壁部(158、158’)を含む。トレー(106)は、その近位側面(162)に沿って平行に延在してその間に第1の開放口(166)と第2の開放口(168)を有する細長いチャネル(164)を画定する2つの細長いスロット(160、160’)をさらに含む。細長いスロット(160、160’)は、挿嵌接続のかたちで、キャニスター筐体(102)の一対の細長いレール(140、140’)の形をした突出部材(138)を受け入れて、所望の位置合わせを促進するように構成される。そのように構成されて、細長いレール(140、140’)は、ステープラーの中に位置するステープルの脚のように、スロット(160、160’)の中に納まり、その結果、キャニスター筐体(102)が所望の配向においてのみトレー(106)に係合する。トレー(106)は、以下でより詳細に議論されるように、アクチュエータキャップ(112)を押圧して液体生成物をそこからスプレーするために、キャニスター(104)の底表面(137)に対して当接し、および力を加えるための、押圧部材(170)をさらに含む。
【0020】
図示されるように、トレー(106)は、キャニスター(104)とキャニスター筐体(102)をトレー(106)に固定するために、少なくとも2つのリブ部材(172、172’)を付加的に含み得る。1つの例示的な実施形態では、リブ部材(172、172’)は、概してアーチ形の構成を有し、キャニスター(104)とキャニスター筐体(102)をトレー(106)に固定するために、キャニスター(104)の一部のまわりを部分的に包むように構成される。リブ部材(172、172’)は、それらがキャニスター(104)の外側表面の全周または一部のまわりにスナップフィットするように、可撓性または半可撓性のプラスチック製であり得る。一旦、キャニスター(104)がキャニスター筐体(102)の中に配置されると、細長いレール(140、140’)はトレー(106)のスロット(160、160’)の中へ前進されてもよく、およびキャニスター(104)がリブ部材(172、172’)の間にスナップフィットして、キャニスター(104)とキャニスター筐体(102)とをトレー(106)に対して着脱可能に固定してもよい。
【0021】
図9に示されるとおり、シャーシ要素(108)は、トレー(106)の湾曲した側壁部(158、158’)に対応する曲面の軌道部(174、174’)を含み、およびその間に配置される窪み(176)を有する。シャーシ要素(108)はまた、トレー(106)をシャーシ要素(108)に摺動可能に固定するために、曲面の軌道部(174、174’)の対向する縁(180、180’)のそれぞれから延在する複数のクリップ(178)を含む場合がある。シャーシ要素(108)の窪み(176)の中に配置される開孔部(182)は、モーター(110)のギア(184)(図11)が直接トレー(106)に係合し、トレー(106)をシャーシ要素(108)の軌道部(174、174’)に沿って摺動可能に動かすことを可能にするために含まれている。窪み(176)におけるもう1つの開孔部(186)は、トレー(106)における対応する開孔部(188)と位置合わせされて、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がトレー(106)に係合されたかどうかを検知するために、圧力センサー(図示せず)が、シャーシ要素(108)とトレー(106)を通って延在することを可能にする。付加的に、シャーシ要素(108)のネジ山が切られた開孔部(190)は、例えば、ネジファスナーを介して、モーター(110)をシャーシ要素(108)に結合するために使用される(図11に示す)。
【0022】
シャーシ要素(108)は、突出するアーム(194)の形をとる止め部材(192)をさらに含む。止め部材(192)は、トレー(106)がシャーシ要素(108)の軌道部(174、174’)に沿って摺動可能に前進される時、2つの細長いスロット(160、160’)によって画定されるチャネル(164)が、止め部材(192)を越えて前進されるように、位置され、このことはスプレーキャニスター装置(100)の操作に関して以下でより詳細に説明される。
【0023】
図10は、トレー(106)の遠位側面(196)の背面斜視図であり、図11により詳細に示されるように、モーター(110)に接続されたピニオンギア(184)によって係合され得る、歯付ラック(198)を示している。付加的に、圧力センサーを適合するためにシャーシ要素(108)の開孔部(186)と位置合わせされるトレー(106)の開孔部(188)は、トレー(106)が、圧力センサーに干渉することなく軌道部(174、174’)に沿って前進することを可能とするように、開孔部(188)がトレー(106)の上表面(200)の中まで延在するような寸法にされる。開孔部(188)は、トレー(106)が軌道部(174、174’)上の所定の点を越えて摺動することを抑制するために、開孔部(188)の縁を横断して延在するクロスバー(189)をさらに含んでもよい。操作において、トレー(106)が伸長位置まで前進されるとき、トレーのチャネル(164)は、止め部材(192)を越えて、クロスバー(189)が止め部材(192)に当接してそれによりトレー(106)が延伸され過ぎることが抑制されるまで、前進される。
【0024】
図11に関しては、スプレーキャニスター装置(100)の真下からの視野が示され、モーター(110)は、ピニオンギア(184)に回転可能に結合され、シャーシ要素(108)の開孔部(182)の中に十分な隙間をとって配置されるピニオンギア(184)を回転させるように構成され、その結果、ピニオンギア(184)は、トレー(106)の歯付ラック(198)に接触して、トレー(106)を格納位置と伸長位置との間で摺動可能に移動させる。モーター(110)は、バッテリーまたは壁コンセントへの接続などの電源によって電力供給されて、ユーザーの入力に応じて、ピニオンギア(184)により、格納位置と伸長位置との間でトレー(106)を摺動可能に移動させる場合がある。例えば、スプレーキャニスター装置(100)は、例えば、有線または無線の接続のいずれかを使用するスイッチまたはリモートコントロールを介して、制御される場合がある。
【0025】
図12に示されるように、スプレーキャニスター装置(100)は、スプレーキャニスター装置(100)の様々な操作特性を検出するために、1つ以上のセンサーを付加的に含む場合がある。例えば、例示された実施態様では、力センサー(202)がトレー(106)の押圧部材(170)の近傍に位置して、液体生成物をスプレーするために押圧材(170)がキャニスター(104)の底表面(137)に適用する力を検出する場合がある。トレー(106)が延伸され、押圧部材(170)がキャニスター(104)の底表面(137)を押圧する時、力センサー(202)は、スプレーされる液体製品の量が制御されるように、所定量だけの力が底表面(137)に適用されることを確かなものにする場合がある。例えば、スプレーキャニスター装置(100)のすべての操作が実質的に同等の量の液体製品をスプレーすることが、望ましくあり得る。一旦、一定の力が押圧部材(170)によってキャニスター(104)の底表面(137)に適用されると、モーター(110)が回転を逆転し、押圧部材(170)によって適用される力が停止して、トレー(106)が格納位置まで引き戻されるように、力センサー(202)に対して力の閾値がセットされる場合がある。
【0026】
付加的に、上で検討されたような圧力センサー(204)が、トレー(106)におけるキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の存在を検知するために、含まれる場合がある。上述のように、圧力センサー(204)がシャーシ要素(108)における開孔部(186)とトレー(106)における開孔部(188)との近傍に配置される場合があり、および圧力センサー(204)は、キャニスター(104)がリブ部材(172、172’)によって固定されてキャニスター(104)とキャニスター筐体(102)がトレー(106)に係合されるときに押下され得る押下可能アーム(206)を含む。いくつかの実施形態では、圧力センサー(204)の押下可能アーム(206)がキャニスター(104)とキャニスター筐体(102)の存在を検出しないとき、格納位置と伸長位置との間のトレー(106)の移動は、スプレーキャニスター装置(100)の制御回路を介して、例えば、抑制される場合がある。
【0027】
ここで図13を参照すると、伸長位置にあるスプレーキャニスター装置(100)の断面図が示される。初期操作中、トレー(106)、キャニスター筐体(102)、およびキャニスター(104)はすべて、共に、スプレーキャニスター装置(100)の伸長位置に向かって、前進される。トレー(106)、キャニスター筐体(102)、およびキャニスター(104)が外へ前進されるに従って、トレー(106)の細長いスロット(160、160’)の間で形成された(および、図10により明白に示された)チャネル(164)は、シャーシ要素(108)の止め部材(192)を越えて移動する。延伸の所望の長さに対応する所定のポイントにおいて、チャネル(164)の第2の開放口(168)は、止め部材(192)を超えて前進され、止め部材(192)はキャニスター筐体(102)のロック構造(143)に係合して当接し、そしてキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がトレー(106)と共に前進するのを妨げる。そのように構成されて、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)は、シャーシ要素(108)の止め部材(192)によって静止状態に保たれ、且つトレー(106)は伸長位置に向かって前進を続ける。このことが生じると、トレー(106)の押圧部材(170)がキャニスター(104)の底表面(137)に接触して力を加え、キャニスター筐体(102)のキャップ形の部分(124)の内側表面(148)に対してアクチュエータキャップ(112)を押圧して、開放口(120)から液体製品をスプレーする。そのように構成されて、キャニスター(104)に収容された液体製品は、トレー(106)が伸長位置に入るまでスプレーされない。液体製品がスプレーされた後、上記プロセスの逆転が生じてもよい。モーター(110)は、ピニオンギア(184)の方向を逆転させてトレー(106)を格納位置まで摺動可能に移動させ、従って、止め部材(192)をキャニスター筐体(102)のロック構造(143)から解除させて、スプレーキャニスター装置(100)を初期の格納位置まで戻してもよい。
【0028】
上述のように、スプレーキャニスター装置(100)は、ベースユニット(302)とシートカバー(304)を含む便座組立体(300)の中に配置される場合がある。スプレーキャニスター装置(100)に加えて、便座組立体(300)のベースユニット(302)は、例えば、ビデ・タイプの便座において一般的なスプレーノズルや会陰部を乾燥させるドライヤーなどの、様々な既知の特徴を含む場合がある。便座組立体(300)におけるスプレーキャニスター装置(100)の据え付けと操作は、図14Aから図14Hに関して説明される。図14Aを参照すると、スプレーキャニスター装置(100)の動作を制御するために、便座組立体は、スプレーキャニスター装置(100)に収容された液体製品をユーザーの会陰部に選択的にスプレーするための、例えば、リモートコントロール、ボタン、または特にスイッチなどの、ユーザーインタフェース(306)に動作可能に結合される場合がある。例えば、例示される実施形態(図14Aから図14Hを参照)では、ユーザーインタフェース(306)は、ベースユニット(302)の正面における単一のボタン(308)の形をとる。ボタン(308)の発動が、モーター(110)によって、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)とに係合されたトレー(106)を伸長位置まで前進させて、会陰部表面に液体製品をスプレーさせる場合がある。ボタン(308)の複数の発動が、スプレーされる液体製品の量の変化を引き起こすように構成される場合がある(すなわち、1つの押下が第1の量の液体製品をスプレーし、2つの押下が、第1の量よりも多い第2の量の液体製品第をスプレーしてもよい)。他の実施形態では、有線または無線どちらかのリモートコントロールが、スプレーキャニスター装置(100)を操作するために使用されてもよい。
【0029】
示されるように、ベースユニット(302)は、スプレーキャニスター装置カバー(310)とメンテナンスカバー(312)を含み、両方とも閉位置にある。スプレーキャニスター装置カバー(310)は、トレー(106)、キャニスター筐体(102)、およびキャニスター(104)がそこを通って前進され得る開放口(313)を覆う。いくつかの実施形態では、スプレーキャニスター装置カバー(310)は、ベースユニット(302)の中のばねから適用される張力によって閉位置に保持される場合がある。例えば、ばねは、一端においてスプレーキャニスター装置カバー(310)に取り付けられ、他端においてベースユニット(302)の一部に取り付けられ、その結果、スプレーキャニスター装置カバー(310)によって覆われた開放口(313)を通してトレー(106)とキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)を前進させることが、スプレーキャニスター装置カバー(310)を退去させてスプレーキャニスター装置(100)がスプレー動作を実施することが可能になる。一旦、トレー(106)とキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がベースユニット(302)へ引き戻されると、スプレーキャニスター装置カバー(310)は、ばねによって適用された張力によって開放口を覆うように、跳ね戻る場合がある。メンテナンスカバー(312)は、枢動的に開きいてその下にある構成部品へのアクセスを提供するように、ヒンジによってベースユニット(302)に接続される場合がある。
【0030】
図示される実施形態では、ベースユニット(302)は、ベースユニット(302)に配置され得るドライヤーを覆う、乾燥カバー(314)をさらに含む。ベースユニット(310)は、もし含まれていればドライヤーやスプレーノズルなどの、ベースユニット(310)に収容される他の様々な構成要素に加えて、スプレーキャニスター装置(100)のモーター(110)に電力を提供するために、電線(316)を介して標準的な壁コンセントなどの電源に結合される場合がある。シャーシ要素(108)、トレー(106)、およびスプレーキャニスター装置(100)のモーター(110)のいずれもが、ベースユニット(310)の内部に配置される。図14Bでは、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)は、まだトレー(106)に係合されていない。
【0031】
図14Cで示されるように、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)を据え付けるために、ユーザーは、メンテナンスカバー(312)を枢動させて開く場合がある。メンテナンスカバー(312)によって覆われた開孔部(318)は、便座組立体(300)におけるキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の挿入および取り出しのために、ベースユニット(302)の内部へのアクセスを許す。1つのアプローチによって、開孔部(318)は、ベースユニット(302)において、そこに配置されたトレー(106)との係合のために、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の挿入を容易にするように形づくられる。例えば、開孔部(318)は、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がベースユニット(302)の中に所望の配向でのみ挿入されることを許すために、図6Aに示されるような、突出部材(138)を含むキャニスター筐体(102)の形状に一致するように形づくられてもよく、および、細長いレール(140、140’)の形態をした突出部材(138)の挿入を容易にするために、切り欠き部(320)を含んでもよい。そのように構成されて、開孔部(318)はキャニスター筐体(102)の環状スリーブ部(116)を受け入れるように形づくられ、および切り欠き部(320)は突出部材(138)を受け入れるように形づくられてもう1つの挿嵌接続部を提供し、それによりキャニスター(104)とキャニスター筐体(102)の所望の配向での挿入を容易にする。
【0032】
一旦、キャニスター内の液体製品が少なくなるか、消耗されると、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)は、トレー(106)から切り離され、開孔部(318)を通して取り外され、および別のキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)が据え付けられ得る。図2に関して上述されたように、キャニスター筐体(102)は、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の挿入と取り出しを容易にするために、取手部(123)を含む場合がある。取手部(123)は、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)をトレー(106)との係合から切り離して開孔部(318)から取り外すために、ユーザーが、例えば、指をそこに差し込んで引くための、グリップ部を提供する。一般に、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)の両方は、それらが便座組立体(300)のベースユニット(302)から一旦取り出されると処分されてもよいように、使い捨てである。
【0033】
図14Dは、便座組立体(300)にキャニスター筐体(102)とキャニスター(104)が据え付けられてトレー(106)に係合される前の開孔部(318)を上から示す。切り欠き部(320)が示され、および、開孔部(318)は、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がある角度で挿入されることを許すように胚珠形状に構成されて例示される。図14Eは、図14Dと同じ視点を示すが、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)は今、開孔部(318)を通して据え付けられている。
【0034】
図14Fを参照すると、便座組立体(300)のベースユニット(302)の一部分は、スプレーキャニスター装置(100)を含むベースユニット(302)の内部を示すために、表示されていない。ベースユニット(302)において格納位置にあるスプレーキャニスター装置(100)を示すために、ベースユニット(302)内に収容されている他のすべての構成要素も表示されていない。この位置から、ユーザーは、例えば、ボタン(308)または別の遠隔制御装置を介して、スプレーキャニスター装置(100)の操作を制御する場合がある。
【0035】
図14Gでは、スプレーキャニスター装置(100)は、完全延伸位置のほんの手前にあり、トレー(106)、キャニスター筐体(102)、キャニスター(104)と共に、ベースユニット(302)の開放口(313)を通して前進され、ユーザーの会陰部に液体製品を適用する準備ができている状態で示される。この時点で、シャーシ要素(108)の止め部材(192)は、キャニスター筐体(102)のロック構造(143)と接触して、キャニスター筐体(102)とキャニスター(104)がベースユニット(302)からそれ以上前進することを抑制している。図14Hに示されるように、トレー(106)がさらに前進し続けると、トレー(106)の押圧部材(170)は、キャニスター(104)の底表面(137)にして力を適用し、キャニスター筐体のキャップ形の部分(124)の内側表面(148)に対してアクチュエータキャップ(112)を押圧して、ノズル(114)から液体製品を放出してスプレーする。
【0036】
一旦、所定量の液体製品がユーザーの会陰部にスプレーされると、トレー(106)、キャニスター筐体(102)、およびキャニスター(104)は、モーター(110)によってベースユニット(302)まで引き戻されてもよく、スプレーキャニスター装置カバー(310)は、ばねによってはね戻って開放口(313)を覆ってもよく、その結果、一旦スプレーキャニスター装置が格納位置まで戻ると、単一のスプレー作業が完了する。
【0037】
「1つの」(“a”、“an”)などの単数形の使用は、文脈によって本明細書において他に示されるか、明白に否定されない限り、単数と複数の両方を対象にするように意図される。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(including)」、および「収容する(containing)」は、非限定的な用語として解釈されるべきである。特定の実施形態を「好ましい」実施形態として説明すること、および実施形態、特徴、または範囲を好ましいとする他の説明、またはそれらが好ましいという示唆は、限定的であるとはみなされない。本開示は、現時点で、あまり好ましくないと考えられる実施形態も包含するとみなされ、そのようなものとして本明細書に記載され得る。本明細書で他に示されない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、本明細書に記載される全ての方法は、任意の適切な順で実行することが出来る。本明細書に提供される、あらゆるすべての例、または典型的な用語(例えば「など(such as)」)の使用は、本開示をよく例示するように意図されているにすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる記述も、本開示のデバイス、または好ましい実施形態の性質または利点に関して、制限するようには意図されない。本発明は、本明細書に詳述される特定事項の、準拠法によって許容されるような、全ての変更および等価物を含む。さらに、本明細書で特に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾する場合を除き、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。請求されない文言は、発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。本明細書において、特定の特徴が請求される発明の構成要素を構成するとの記述または示唆は、添付の請求項に反映されていない限り、限定することを意図していない。製品に特許番号を表示すること、またはサービスに関連して特許番号を特定することは、本書に記載されたすべての実施形態が当該製品またはサービスに組み込まれることを表明するものとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H