(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】袋掴み爪装置及びこの袋掴み爪装置を備えた包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 43/54 20060101AFI20240701BHJP
B65B 5/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65B43/54
B65B5/00
(21)【出願番号】P 2020041471
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 邦武
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-156440(JP,A)
【文献】特開2018-095289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/00- 5/12
B65B43/00-43/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を把持するためのチャックを備え、前記チャックは、
一対のアーム本体の先端部の対向する内側に設けられた固定部と、前記
一対のアーム本体の先端
の前記固定部とは反対側の非対向の外側に突出する軸受片に軸支され
、前記固定部に対して開閉する可動部とからなり、前記可動部が固定部に対して開閉して前記固定部と可動部によって包装袋を把持又は開放する袋掴み爪装置であって、
前記固定部の後方に待機し、可動部が開くと、前記固定部の後方から前方に突出して固定部に付着した包装袋を剥離する剥離体を備えた、ことを特徴とする袋掴み爪装置。
【請求項2】
左右1対のアーム本体の先端部に包装袋を把持するためのチャックを備え、前記チャックは、
一対のアーム本体の先端部の対向する内側に
突出して設けられた固定部と、前記
一対のアーム本体の先端
の前記固定部とは反対側の非対向の外側に突出する軸受片に軸支され
、前記固定部に対して開閉する可動部とからなり、
前記アーム本体に可動ロッドが往復動可能に設けられ、前記可動ロッドがバネによって後端側に常時付勢され、前記可動ロッドの先端と前記可動部とがリンクにより連結し、前記可動ロッドの基端部にローラピンが設けられ、ローラピンを介して前記可動ロッドを往復動作させて、前記チャックの可動部を開閉して包装袋を把持又は開放し、
包装袋を剥離する剥離体が、前記アーム本体先端の固定部の後方に待機し、前記可動ロッド又はローラピンの往復動作に伴って固定部の後方から前方に突出して固定部に付着した包装袋を剥離することを特徴とする、請求項1に記載の袋掴み爪装置。
【請求項3】
剥離体の一端が前記チャックの可動部の回動軸に軸支され、前記可動部の回動に伴って前記剥離体が回動し、剥離体の回動により剥離体の他端が固定部から前方に突出して包装袋を剥離する、ことを特徴とする請求項2に記載の袋掴み爪装置。
【請求項4】
前記剥離体が薄板状の板体から構成され、前記板体の一端が前記チャックの可動部の回動軸に軸支され、可動部の回動に伴って回動する、ことを特徴とする請求項3に記載の袋掴み爪装置。
【請求項5】
アーム本体と平行にスライドロッドが移動可能に軸受けを介して取り付けられ、剥離体が前記スライドロッドの先端に設けられ、前記スライドロッドはバネにより基端側に付勢され、このスライドロッドの後端を前記ローラピンによって前方に押し出す、ことを特徴とする請求項2に記載の袋掴み爪装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の袋掴み爪装置を備えた、ことを特徴とする包装機。
【請求項7】
前記袋掴み爪装置の剥離体によって、包装袋を固定部の把持部材から剥離する際に、左右1対のアーム本体の先端が離間するよう操作する、ことを特徴とする請求項6に記載の包装機。
【請求項8】
左右1対のアーム本体の近
くにエアーノズルを配置し、前記剥離体によって、包装袋を固定部の把持部材から剥離する際に、前記エアーノズルからエアーを噴射して包装袋の剥離を助ける、ことを特徴とする請求項6に記載の包装機。
【請求項9】
剛性を有する線材の先端部を包装袋の面と接触するように折り曲げて剥離体とし、線材の後端を前記ローラピンを押し出す包装機の押圧機構の可動部材に連結し、包装袋の落下を案内する傾斜板を取り付けたことを特徴とする請求項6に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物を充填する包装袋を掴む爪装置及びこの袋掴み爪装置を備えた包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、給袋装置より供給された包装袋を把持するための袋把持装置(袋掴み爪装置)である。前記袋把持装置は、基端側がロータリー式包装機のテーブルに固定された左右1対の棒状の把持腕本体(アーム本体)を備えており、該把持腕本体の先端に固定部と可動部よりなるチャックを備えている。前記固定部は、把持部材を備え、把持腕本体の先端内側に一体に設けられている。可動部も、前記固定部の把持部材と対応する把持部材を備え、前記把持腕本体の先端外側に回動自在に軸支されている。前記把持腕本体内に、軸方向にロッドが移動自在に設けられ、バネによって後端側に常時付勢され、可動部は、前記ロッドの先端とリンクにより連結している。該袋把持装置は、前記ロッドの基端に設けられた受動部材(ローラピン)に対して往復動作を付与する駆動機構を備えている。
【0003】
前記特許文献1は、1対の把持腕本体の先端に設けられたチャックの固定部と可動部のうち、可動部がロッドの往復動作によって回動してチャックを開閉し、包装袋を把持又は開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の袋把持装置は、把持腕本体の先端側には各々チャックが設けられており、該チャックは把持腕本体と一体に構成された固定部と、把持腕本体内部に移動自在に設置されたロッドの先端とリンクを介して取付けられた可動部とよりなり、該固定部、可動部の互いに対応する位置にはそれぞれ、弾性部材よりなる把持部材が設けられている。
【0006】
しかし、従来の特許文献1の袋把持装置は、被包装物が軽いと、被包装物の充填が完了した後、チャックが包装袋を離しても包装袋が把持部材の弾性部材に密着し、ロータリー式包装機の搬出部で落ちないことがあったり、充填した包装袋を搬出する際に、落ちなかった包装袋と次に掴む包装袋とを同時に掴んでしまったりして、包装ミスを起こすことがあった 。本発明は、充填が完了した包装袋と新規の包装袋を二重に掴むことが無い袋掴み爪装置及びこの袋掴み爪装置を備えた包装機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の袋掴み爪装置は、包装袋を把持するためのチャックを備え、前記チャックは、一対のアーム本体の先端部の対向する内側に設けられた固定部と、前記一対のアーム本体の先端の前記固定部とは反対側の非対向の外側に突出する軸受片に軸支され、前記固定部に対して開閉する可動部とからなり、前記可動部が固定部に対して開閉して前記固定部と可動部によって包装袋を把持又は開放する袋掴み爪装置であって、前記固定部の後方に待機し、可動部が開くと、前記固定部の後方から前方に突出して固定部に付着した包装袋を剥離する剥離体を備えた、ことを特徴とする袋掴み爪装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の袋掴み爪装置は、前記構成によって、包装機の搬出セクションで確実に包装袋を搬出することができると共に、包装機に包装袋を二重取りすることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】本発明の実施例1の袋掴み爪装置の先端拡大図
【
図6】本発明の実施例1の袋掴み爪装置の使用状態図
【
図7】本発明の実施例1の袋掴み爪装置の使用状態図
【
図8】本発明の実施例2の袋掴み爪装置の使用状態図
【
図9】本発明の実施例3の袋掴み爪装置の側面図及び底面図
【
図11】袋掴み爪装置を備えた本発明の実施例5の包装機の側面図
【
図12】袋掴み爪装置を備えた本発明の実施例6の包装機の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
図1は本発明のロータリー式包装機M用の袋掴み爪装置1の斜視図、
図2は同袋掴み爪装置1の側面図、
図3は同袋掴み爪装置の底面図である。まず、これらの
図1、
図2、
図3を用いて実施例1の袋掴み爪装置の構成について説明する。なお、
図1、
図2、
図3の袋掴み爪装置1は、ロータリー式包装機Mに使用しているが、本発明はロータリー式包装機Mに限定されるものではなく、直線式の包装機であってもよい。
【0011】
袋掴み爪装置1は、アーム本体2と、包装袋3を掴むチャック4から構成されている。アーム本体2は、円筒形状をしており、基端部5にはロータリー式包装機MのテーブルM1に軸支するための軸受部6を備えている。前記アーム本体2は内部が空洞で、アーム本体2内の前記空洞に棒状の可動ロッド7が長手方向に往復動可能に挿入されている。前記可動ロッド7には、圧縮バネ8が外嵌しており、可動ロッド7を常時、アーム本体2の基端側に付勢している。可動ロッド7の基端側近くには、ローラピン9が取付けられ、アーム本体2の底面の楕円形の開口部10、ロータリー式包装機Mの押圧機構(
図12参照)M2により、前記ローラピン9を押圧することにより、可動ロッド7をアーム本体2の先端方向に移動する。
【0012】
前記アーム本体2の基端部5には、ローラピン9を支持、案内するガイド部材11が取り付けられている。ガイド部材11は、アーム本体2の外周部に固定リング11Aが嵌め込まれ、この固定リング11Aの下端から先端側に伸びるU字状のガイド部材11Bが突出している。
【0013】
図4は包装袋3を掴むチャック4の拡大図を示しており、このチャック4は、アーム本体2の先端部の内側に設けられた固定部4Aと、外側に設けられた可動部4Bとから構成されている。前記固定部4Aは、アーム本体2の先端内側に、一方の固定座4A1が内方に突出して一体に設けられ、前記一方の固定座4A1の内側に包装袋3を把持する一方の把持部材4A2が取り付けられている。
【0014】
前記可動部4Bは、アーム本体2の外側に取付座4B1が設けられ、この取付座4B1に回動爪4B2が軸支している。
図5に示すように、回動爪4B2は、取付座4B1の先端にボルト4B3とナット4B4を介して回動可能に軸支されている。前記回動爪4B2の先端には他方の固定座4B5が設けられ、この固定座4B5に他方の把持部材4B6が前記一方の把持部材4A2と対応させて取り付けられている。なお、前記一方の把持部材4A2と、他方の把持部材4B6は、合成ゴムのような弾性材で出来ており、包装袋3をしっかり把持する。
【0015】
前記回動爪4B2の中央部と、前記可動ロッド7の先端とをリンク12により連結している。前記可動ロッド7の出退により、リンク12を介して回動爪4B2がボルト4B3を中心にして回動し、可動ロッド7が前端側に出た時にはチャック4は開き、可動ロッド7が基端側に退いた時には、チャック4が閉じ、前記一方の把持部材4A2と他方の把持部材4B6により包装袋3の表裏面を把持する。
【0016】
図5に示すように、ボルト4B3に軸支する回動爪4B2の軸部の下部に、リング状のカラー13が前記ボルト4B3に軸支し、このカラー13の下部に、長方形状の板でできた剥離体14が前記ボルト4B3に取付けられ、バネ座金15を介してナット4B4で締め付けることにより、剥離体14をボルト4B3に固定している。回動爪4B2に対する剥離体14の取付角度は、
図4に示すように、回動爪4B2が開いた状態において、長方形の剥離体14は一方の把持部材4A2より先端側に出るようにボルト4B3に固定されている。回動爪4B2が閉じた時は、剥離体14はボルト4B3を中心にして基端方法に回転し、一方の把持部材4A2より基端側の後方に退避する。
【0017】
前記のように剥離体14をボルト4B3に軸支することにより、可動ロット7の出退に伴う回動爪4B2の開閉によって、剥離体14が一方の把持部材4A2に付着した包装袋3を剥離することができる。しかも、剥離体14を回動する特別な駆動機構を必要とせず、しかも回動爪4B2の回動に合わせて剥離体14が回動して一方の把持部材4A2に付着して包装袋3を剥離することができる。
【0018】
図6、
図7は使用状態を示し、ロータリー式包装機MのテーブルM1に軸支された一対の袋掴み爪装置1の底面図である。
図6では、チャック4の回動爪4B2が閉じており、包装袋3はチャック4に把持されている。この時、剥離体14はボルト4B3を中心にして基端側に回転して退避している。
図7では、チャック4の回動爪4B2が開いた状態を示しており、剥離体14は矢印に示すように回転して一方の把持部材4A2より前方に突出している。このため、包装袋3が一方の把持部材4A2に付着したとしても剥離体14によって剥離することができ、ロータリー式包装機Mの搬出セクションで確実に搬出することができると共に、ロータリー式包装機Mに包装袋3を二重取りすることが無い。
【0019】
(実施例2)
図8は、実施例2である。この実施例2は、前記実施例1の袋掴み爪装置1と同一であるが、相違する点は袋掴み爪装置1が左右に開閉する点である。実施例1のように、チャック4の回動爪4B2が開く際に、剥離体14が包装袋3を先端方向に押し出すだけでなく、袋掴み爪装置1が包装袋3の幅より大きく左右に開くことにより、確実に包装袋3を一方の把持部材4A2から引き剥がすことができる。このため、実施例1より確実に、包装が完了した包装袋3をロータリー式包装機Mの搬出セクションで確実に搬出することができると共に、ロータリー式包装機Mに包装袋3を二重取りすることが無い。
【0020】
(実施例3)
図9(A)は実施例3の袋掴み爪装置1の側面図、
図9(B)は同装置の爪開き時の側面図、
図9(C)は同装置の底面図である。これらの図を用いて実施例3を説明する。実施例3の袋掴み爪装置20のアーム本体2、チャック4等の構成は実施例1の袋掴み爪装置1の構成と基本的に同じであるので、同じ構成については図面の符号を同じくして詳細な説明は省略する。
【0021】
実施例1と、この実施例3の袋掴み装置20の相違点は、剥離体21及びこの剥離体21の駆動機構22である。前記剥離体21は直方体状のブロックで形成されており、前端の下部がテーパ状の傾斜面を有している。この剥離体21はアーム本体2の底部に配置された駆動機構22のスライドロッド23の先端部にネジにより固定されている。この剥離体21の形状は直方体状である必要はなく、立法体や板状や球状等であってもよい。
【0022】
剥離体21の駆動機構22は、棒状のスライドロッド23が軸受け24でアーム本体2の底部にスライド可能に設けられている。このスライドロッド23の基端部外周に圧縮バネ25が嵌め込まれており、常時、スライドロッド23を基端側に付勢している。スライドロッド23の基端部5には、スライドロッド23を前方に押し出すために、ローラピン9が当接するための当接部26が取り付けられている。
【0023】
ローラピン9はロータリー式包装機Mの押圧機構(
図11参照)M2により、前記ローラピン9を押し出すことにより、スライドロッド23をアーム本体2の先端方向にスライドする。
図9(A)では、スライドロッド23が先端方向に押し出されておらず、チャック4の回動爪4B2も閉じており、包装袋3はチャック4に把持されている。この時、剥離体21は、固定部4Aより基端側に退避している。
図9(B)では、ローラピン9がスライドロッド23を前方に押し出しており、可動ロッド7により、チャック4の回動爪4B2が開いており、剥離体21は固定部4Aより前方に突出している。このため、包装袋3が固定部4Aの一方の把持部材4A2に付着したとしても剥離体14によって剥離することができ、ロータリー式包装機Mの搬出セクションで包装袋3を確実に搬出することができると共に、ロータリー式包装機Mに包装袋3を二重取りすることが無い。
【0024】
(実施例4)
図10は、真空包装機Vに応用した実施例4である。この実施例4では、真空包装機Vにおいて、クランプ28の固定部28Aに包装袋3が付着した場合に、包装袋3を固定部28Aから剥離する。真空包装機Vのヒータ熱により固定部28Aの温度が上昇し、包装袋3を把持したクランプ28の固定部28Aに包装袋3が付着することがある。このため、包装袋3を剥離するための剥離体30を設けた。以下、
図10により実施例4を説明する・
【0025】
図10は真空包装機Vのチャンバー31を示している。チャンバー31は、図示しないロータに支持され、水平方向に回転してロータリー包装機Mで被包装物が充填された包装袋3がクランプ28に受け渡される。
このチャンバー31の前面には、図示していないが、蓋体で閉じられ内部は空洞となり、この空洞内は負圧となる。
【0026】
前記クランプ28は、固定部28Aと可動部28Bとからなり、可動部28Bはチャンバー31底部の貫通孔32に回動可能に挿通された回動軸33上端部に取り付けられている。一方の固定部(
図10の右側の固定部)28Aは、チャンバー31の背面壁に設けられており、他方の固定部(
図10の左側の固定部)28Aは、板状のクランプアーム34の上部に設けられている。クランプアーム34は、下端部が水平な回動軸(図示せず)に取り付けられており、この回動軸を中心に左右方向に回動して、包装袋3の袋口を横方向に引っ張ってシール台35上に緊張させ、袋口をシール可能にする。なお、他方の回動軸(
図10の左側の回動軸)33の軸受け36は前記クランプアーム34に取り付けられており、前記クランプアーム34が左方向に回転しても回動軸33も共に移動する。
【0027】
37は、回動軸33の下端部に設けられたユニバーサルジョイントであって、回動軸33はこの部分から上部が曲がるように構成されている。38は爪開閉リンクであって、両端部に回動軸33が連結しており、爪開閉リンク38の左下面に取り付けられたカムフォロワ39が、チャンバー31の回転に伴って溝形レール40内を移動する際に
図10の前後方向に移動して回動軸33を回動する。
本実施例4では、回動軸33のクランプ28の下部に剥離体30が設けられている。この剥離体30は、回動軸33の回動と共に回動し、可動部28Bが閉じた時は、包装袋3の後方に退き、開く時は前方に回転して包装袋3が固定部28Aに付着している場合は、固定部28Aから剥離する。
【0028】
(実施例5)
この実施例5は、実施例1及び実施例3を併用しながら、剥離体14、21によって剥離すると共に、エアーで確実に包装袋3を落下させる。この実施例5では、チャック4により吊り下げられた包装袋3の基端側に、エアーノズル機構41が配置され、上部にエアーノズル41Aがセットされている。ロータリー式包装機Mの押圧機構M2により、前記ローラピン9を押圧することにより、可動部4Bが開くと同時にエアーノズル41Aからエアーを噴射して包装袋3を吹き飛ばす。これにより、確実に包装袋3をクランプ28から落下させる。
【0029】
M2は、ロータリー式包装機Mの押圧機構であって、図示しない駆動源により昇降ロッド42を昇降動させ、くの字形のクランク機構43を操作する。昇降ロッド42が下方に下がると、クランク機構43の上端部の可動部材44がローラピン9を前方側に押し出し、可動ロッド7がチャック4の可動部4Bを開く。前記したように、可動部4Bが開くと同時に、エアーノズル41Aからエアーを噴射して包装袋3を吹き飛ばす。昇降ロッド42やクランク機構43は従来の機構と同じものを使用している。
【0030】
(実施例6)
この実施例6は、剛性を有する線材45の先端部を包装袋3の面と接触するように折り曲げて剥離体45Aとし、線材45の後端部45Bが前記ローラピン9を押し出す可動部材44に連結し、さらに、落下する包装袋3を案内する傾斜板47を前記線材45の後端部45Bに取り付けている。この実施例6は、線材45の剥離体45Aにより包装袋3を前方に押し出して確実に包装袋3を落下させる。さらに、この実施例6では、剥離体45Aの下部に傾斜する傾斜板47が設けられているので、落下する包装袋3を前方にスライドさせながら包装袋3をソフトに落下させる。
【0031】
この実施例6の押圧機構M2は、主要部を省略しているが、
図11と同様な構成であって、可動部材44はクランク機構43の先端部に備えられている。この可動部材44に線材45の基端部が取り付けられ、線材45の中間部45Cはチャック4側に伸び、先端部が水平に折り曲げられて剥離体45Aとなっている。傾斜板47は、前記線材45の基端部から下方にブラケット48が取り付けられ、このブラケット48に水平なロッド49が取り付けられ、このロッド49に傾斜板47が取り付けられている。傾斜板47は第1のネジ50により固定され、第1のネジ50を緩めることにより傾斜板47の角度を変更することができる。さらに、第2のネジ51により傾斜板47をロッド49に固定する。
【0032】
この実施例6の袋掴み爪装置1は、実施例1のような剥離体14を備えたものであってもよいし、剥離体14を備えていない一般的な袋掴み爪装置1であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の袋掴み爪装置は、ロータリー式包装機、直線式包装機、その他、真空包装機に応用可能である。
【符号の説明】
【0034】
M ロータリー式包装機、M1 テーブル、M2 押圧機構、V 真空包装機
(実施例1)
1 袋掴み爪装置、2 アーム本体、3 包装袋、4 チャック、4A 固定部、4A1 一方の固定座、4A2 一方の把持部材、4B 可動部、4B1 取付座、4B2 回動爪、4B3 ボルト、4B4 ナット、4B5 固定座、4B6 他方の把持部材、5 基端部、6 軸受部、7 可動ロッド、8 圧縮バネ、9 ローラピン、10 開口部、11 ガイド部材、11A 固定リング、11B ガイド部材、12 リンク、13 カラー、14 剥離体、15 バネ座金
(実施例3)
20 袋掴み爪装置、21 剥離体、22 駆動機構、23 スライドロッド、24 軸受け、25 圧縮バネ、26 当接部
(実施例4)
28 クランプ、28A 固定部、28B 可動部、30 剥離体、31 チャンバー、32 貫通孔、33 回動軸、34 クランプアーム、35 シール台、36 軸受け、37 ユニバーサルジョイント、38 爪開閉リンク、39 カムフォロワ、40 溝形レール
(実施例5)
41 エアーノズル機構、41A エアーノズル、42 昇降ロッド、43 クランク機構、44 可動部材
(実施例6)
45 線材、45A 剥離体、45B 後端部、45C 中間部、46 剥離体、47 傾斜板、48 ブラケット、49 ロッド、50 第1のネジ