(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】足部環境改善機器
(51)【国際特許分類】
A43B 7/083 20220101AFI20240701BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20240701BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20240701BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A43B7/083
A41D13/002 105
A41D13/005
A41D13/06
(21)【出願番号】P 2020152148
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】320009347
【氏名又は名称】モノデバイスストラクチャー合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 吉弘
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-042963(JP,A)
【文献】特開2009-118879(JP,A)
【文献】特開2009-011460(JP,A)
【文献】特開2008-035974(JP,A)
【文献】登録実用新案第3220123(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 23/30
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
A41D13/00- 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下肢における少なくとも一部に装着される装着部と、
前記装着部に設けられて足部に送風する送風部と、
を備え、
前記装着部は、前記下肢における下腿部に装着される第1装着部と、前記足部に
おける少なくとも足の甲及び土踏まずを覆うように装着される第2装着部とを備え、
前記送風部は、前記第1装着部に設けられ、
前記第1装着部と前記第2装着部とは、連結部によって連結されていることを特徴とする足部環境改善機器。
【請求項2】
前記送風部から送られる空気を前記足部へ案内する流路を有した案内部材を備えていることを特徴とする請求項
1に記載の足部環境改善機器。
【請求項3】
加熱部を備えていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の足部環境改善機器。
【請求項4】
温度を検出する温度センサー及び湿度を検出する湿度センサーのうちの少なくとも一方と、前記温度センサー及び前記湿度センサーのうちの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記送風部及び前記加熱部のうちの少なくとも一方を制御する制御部とを備えていることを特徴とする請求項
3に記載の足部環境改善機器。
【請求項5】
前記制御部は、外部の通信機器と通信可能な通信部を備えていることを特徴とする請求項
4に記載の足部環境改善機器。
【請求項6】
電源として二次電池を備えていることを特徴とする請求項1~請求項
5のうちいずれか一項に記載の足部環境改善機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば履物を履いたときの足部の環境を改善する足部環境改善機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の足部環境改善機器として、例えば特許文献1に示す履物用送風装置が知られている。この履物用送風装置は、履物に取り付けられた状態で履物と足との間から履物内に送風する装置であり、本体を備えている。本体は、収容部と、収容部の最上部から延設されるノズル部とを備えている。
【0003】
収容部には、モータ、モータに電力を供給する電池、及びモータによって回転駆動される羽根車などが収容されている。そして、履物用送風装置は、ノズル部が履物と足との間に挿入されるように履物に引っ掛けた状態で電池の電力によってモータを駆動して羽根車を回転駆動させることで、ノズル部から履物内に送風する。これにより、履物内を除湿、乾燥、及び冷却し、履物を履いた状態での足の快適性を向上するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の履物用送風装置は、ノズル部と収容部との間の隙間に履物の側壁を挿入することによりノズル部を履物の側壁に引っ掛けるようにして履物に取り付けて使用される。このため、上述の履物用送風装置は、履物に取り付けることで、履物の柔軟性が損なわれて機能が低下したり履物の外観に影響を与えたりするなど、履物に対して様々な影響を与えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する足部環境改善機器は、下肢における少なくとも一部に装着される装着部と、前記装着部に設けられて足部に送風する送風部と、を備えたことを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、履物ではなく下肢における少なくとも一部に装着される装着部に設けられた送風部によって足部に送風できるので、履物を履いたときの足部の蒸れの抑制や汗の気化による冷却を行うことができる。したがって、履物に対して影響を与えることなく履物を履いたときの足部の環境を改善できる。
【0008】
上記足部環境改善機器において、前記装着部は、前記下肢における下腿部に装着される第1装着部と、前記足部に装着される第2装着部とを備え、前記送風部は、前記第1装着部に設けられていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、装着部を下肢に対して安定して装着することができる上に、第2装着部を覆うとともに第1装着部を覆わない履物を履いた場合には、送風部によって外気を履物内に供給することができる。
【0010】
上記足部環境改善機器は、前記送風部から送られる空気を前記足部へ案内する流路を有した案内部材を備えていることが好ましい。
この構成によれば、送風部から送られる空気を案内部材によってより確実に足部へ導くことができる。
【0011】
上記足部環境改善機器は、加熱部を備えていることが好ましい。
この構成によれば、送風部による送風が低温である場合や履物の周囲が低温である場合には、加熱部によって足部や履物内の空気を暖めることができる。このため、足部で肌寒さを感じることを抑制できる。
【0012】
上記足部環境改善機器は、温度を検出する温度センサー及び湿度を検出する湿度センサーのうちの少なくとも一方と、前記温度センサー及び前記湿度センサーのうちの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記送風部及び前記加熱部のうちの少なくとも一方を制御する制御部とを備えていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、履物を履いたときに温度センサー及び湿度センサーのうちの少なくとも一方の検出結果に基づいて足部の環境が快適になるように送風部及び加熱部のうちの少なくとも一方を制御することで、履物を履いたときの足部の環境を適切に改善できる。
【0014】
上記足部環境改善機器において、前記制御部は、外部の通信機器と通信可能な通信部を備えていることが好ましい。
この構成によれば、外部の通信機器によって足部環境改善機器を遠隔操作することができる。
【0015】
上記足部環境改善機器は、電源として二次電池を備えていることが好ましい。
この構成によれば、コンセントが無い場所でも足部環境改善機器を使用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、履物に対して影響を与えることなく履物を履いたときの足部の環境を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態の足部環境改善機器の使用状態を示す側面模式図。
【
図3】足部環境改善機器の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】変更例の足部環境改善機器の使用状態を示す側面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、足部環境改善機器の一実施形態について図面を参照して説明する。
一般に、人体において、下肢は、股関節よりも下の部位を示す。下肢は、大腿、下腿、及び足によって構成されている。大腿は、膝よりも上の部位(太股)である。下腿は、膝から足首までの部位である。足は、足首よりも下の部位である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、足部環境改善機器11は、ユーザーの下肢12の一部に装着される装着部13と、装着部13に着脱自在に設けられた本体14とを備えている。装着部13は、靴下のような糸編み布、通常の糸とゴム製の糸とを二重織りしてなる織物、及びクロロプレンゴムなどの伸縮性(弾力性)を有する素材などによって構成されている。
【0020】
装着部13は、下腿部15の一部である足首16に対して巻き付けるようにして環状にした状態で着脱自在に装着される帯状の第1装着部17と、足部18に対して巻き付けるようにして環状にした状態で着脱自在に装着される帯状の第2装着部19と、第1装着部17と第2装着部19とを連結する帯状の連結部20とを有している。つまり、装着部13は、一例として足首16から足部18にかけての部位に密着して装着するサポートするサポーターのような形態になっている。
【0021】
第1装着部17及び第2装着部19は、共に両端部に一例として面ファスナー(図示略)を有しており、足首16及び足部18のサイズに合わせてそれぞれ形成する環の大きさを調整して装着される。第2装着部19は、一例として足の甲及び土踏まずを通るように足部18の一部に巻き付けて装着される。連結部20は、足部18の内側部に沿って湾曲して延びている。第1装着部17の表面における足首16との接触部には、振動などによる第1装着部17のずれを抑制するべく、ゴム材などによる滑り止めを設けることが好ましい。
【0022】
本体14は、足部18に送風する送風部21と、制御部22と、電源としての二次電池23とを備え、例えば合成樹脂製のケース24に収容された形態で第1装着部17に対して着脱自在に取り付けられている。この場合、例えば、第1装着部17にケース24を収容するための蓋付きのポケット(図示略)を形成し、当該ポケットにケース24を収容するようにしてもよい。二次電池23は、ケース24内に固定されていてもよいし、ケース24に対して着脱自在に取り付けられていてもよい。
【0023】
送風部21は、ケース24内において、制御部22及び二次電池23よりも下側の位置に配置されている。送風部21は、回転駆動用のモーター(図示略)を有した例えば多翼ファンや軸流ファンなどによって構成される。送風部21は、その幅をより小さくするために、空気を吸い込む方向と空気を吹き出す方向とが直交する構造の多翼ファンによって構成することが好ましい。
【0024】
ケース24における送風部21と対応する位置には、送風部21が外気を吸い込むための吸引口32が形成されている。ケース24の下端部には、送風部21の駆動によって生じた空気流を吹き出すためのノズル25が下方に向かって突出するように形成されている。ノズル25には、ノズル25から吹き出される空気を足部18へ案内する扁平筒状の案内部材26が着脱自在に取り付けられている。この場合、案内部材26は、内部に流路を有しており、ノズル25と一体に形成されていてもよい。
【0025】
案内部材26は、連結部20に沿って湾曲して延びている。案内部材26は、ユーザーが履物27を履いたときに、足部18の動きを阻害し難く、且つ内部の流路が潰れ難い素材によって構成することが好ましい。案内部材26を構成する素材としては、例えばゴムスポンジなどのエラストマーが挙げられる。また、足首16の表面に対して垂直な方向(水平方向)における案内部材26の厚さは、履物27と足部18との間の隙間を考慮すると、10mm以下に設定することが好ましい。すなわち、案内部材26の厚さは、薄ければ薄いほど好ましい。
【0026】
第2装着部19における足部18の足の甲と対応する位置には、足部18を加熱する加熱部28が設けられている。加熱部28は、例えば、紐状電熱ヒーター、面状電熱布ヒーター、フィルム電熱ヒーター、及びシリコンラバーヒーターなどによって構成される。加熱部28は、第2装着部19に対して着脱自在に取り付けられている。
【0027】
この場合、例えば、第2装着部19に加熱部28を収容するためのポケット(図示略)を形成し、当該ポケットに加熱部28を収容するようにしてもよい。第2装着部19における加熱部28と隣り合う位置には、温度を検出する温度センサー及び湿度を検出する湿度センサーを構成する温湿度センサー29が着脱自在に取り付けられている。
【0028】
次に、足部環境改善機器11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、制御部22は、足部環境改善機器11全体を統括的に制御する。制御部22は、マイクロコンピューターなどによって構成され、CPU、ROM、及びRAMを備えている。ROMには、履物27を履いたときの足部18の環境を快適にするためのプログラムを含む各種制御プログラムが記憶されている。さらにROMには、履物27を履いたときの足部18の環境が快適であるための温度及び湿度の条件、送風部21による送風の強度を調節する条件、及び加熱部28を運転及び停止する条件などの各種条件データなどが記憶されている。
【0029】
履物27を履いたときの足部18の環境が快適であるための温度及び湿度の条件や足部18が肌寒さを感じる条件などは、予め行った実験やシミュレーションに基づいて設定される。RAMには、CPUによる演算結果及び処理結果である各種データなどが一時記憶される。
【0030】
制御部22は、例えばスマートフォンなどの外部の通信機器30と通信可能な通信部31を備えている。制御部22は、二次電池23、温湿度センサー29、加熱部28、及び送風部21とそれぞれ電線(図示略)によって電気的に接続されている。制御部22は、温湿度センサー29の検出結果に基づいて送風部21及び加熱部28を制御する。二次電池23の電力は、制御部22を介して温湿度センサー29、加熱部28、及び送風部21にそれぞれ供給される。
【0031】
次に、足部環境改善機器11の作用について説明する。
図1及び
図2に示すように、ユーザーが足部環境改善機器11を装着した状態で足首16まで覆わないスニーカーなどの履物27を履いた場合には、ユーザーの足部18が履物27によって覆われる。このとき、第1装着部17及び送風部21は履物27の外に位置し、第2装着部19は履物27内に足部18と一緒に収容される。さらにこのとき、案内部材26は、足部18に対して連結部20を介して密着した状態で、履物27の内側壁と足部18の内側部との間に挿入される。なお、足部環境改善機器11は、素足の上から装着してもよいし、靴下を履いた上から装着してもよい。
【0032】
履物27内における足部18の周囲の環境は、温湿度センサー29によって温度及び湿度を検出することによって常に制御部22によって把握される。履物27を履いた状態で運動したり長時間歩いたりしたときなどには、履物27内の温度及び湿度が上昇する。このため、履物27内は、足部18が汗をかいて蒸し暑い環境になってしまう。
【0033】
そして、制御部22は、ROMに記憶された履物27を履いたときの足部18の環境が快適であるための温度及び湿度の条件と、温湿度センサー29の検出結果とを比較して、履物27内における足部18の周囲の環境が快適でないと判断すると、送風部21を駆動させる。
【0034】
送風部21は、履物27の外に位置しているため、駆動されると、送風部21からノズル25及び案内部材26を介して履物27内の足部18のつま先側に向かって履物27内の空気よりも温度や絶対湿度が低い履物27外の空気が吹き送られる。このため、履物27内の足部18の周囲に履物27外の空気の流れができるので、汗の気化冷却を伴って履物27内の温度が低下する。
【0035】
さらに履物27内に低湿度の空気が継続的に取り込まれることで、履物27内の湿度が低下する。制御部22は、ROMに記憶された履物27を履いたときの足部18の環境が快適であるための温度及び湿度の条件と、温湿度センサー29の検出結果とに基づいて、履物27内における足部18の周囲の環境が快適になるように、送風部21の運転及び停止や出力風量の最適化制御を行う。
【0036】
すなわち、制御部22は、ROMに記憶された履物27を履いたときの足部18の環境が快適であるための温度及び湿度の条件と、温湿度センサー29の検出結果とを比較して、履物27内における足部18の周囲の環境が常に快適になるように、送風部21の駆動をフィードバック制御する。これにより、履物27内における足部18の周囲の環境が常に快適な状態で維持される。
【0037】
また、送風部21の駆動による履物27内への送風だけでは、履物27内の湿度について最適な状態に維持できても、履物27内に取り込まれる外気の条件や汗などの水分の気化による冷却状態によっては履物27内の温度が下がり過ぎて足部18に肌寒さを感じることがある。加えて、冬季などの履物27の周囲の空気の温度が低いときにも足部18に肌寒さを感じることがある。
【0038】
このため、制御部22は、ROMに記憶している足部18が肌寒さを感じる条件と、温湿度センサー29の検出結果とに基づいて加熱部28に対する通電を制御して足部18の周囲の空気を適度に加熱する。これにより、足部18に感じる肌寒さが改善される。
【0039】
このように足部環境改善機器11は、履物27内の足部18に対して送風部21による適度な送風及び加熱部28による適度な加熱を行うことにより、履物27内の足部18の周囲の環境を好適に改善させることができる。足部環境改善機器11は、履物27ではなくユーザーの足首16から足部18にかけて装着されるので、履物27を別の履物に履き替えても履物27を履いた場合の足部環境改善機器11の機能と同様の機能を発揮することができる。
【0040】
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)足部環境改善機器11は、下肢12の一部に装着される装着部13と、装着部13に設けられて足部18に送風する送風部21とを備えている。この構成によれば、履物27ではなく下肢12の一部に装着される装着部13に設けられた送風部21によって足部18に送風できるので、履物27を履いたときの足部18の蒸れの抑制や汗の気化による冷却を行うことができる。したがって、履物27に対して影響を与えることなく履物27を履いたときの足部18の環境を改善できる。
【0041】
(2)足部環境改善機器11において、装着部13は、足首16に装着される第1装着部17と、足部18に装着される第2装着部19とを備え、送風部21は、第1装着部17に設けられている。この構成によれば、装着部13を下肢12に対して安定して装着することができる上に、第2装着部19を覆い且つ第1装着部17を覆わない履物27を履いた場合には、送風部21によって外気を履物27内に供給することができる。
【0042】
(3)足部環境改善機器11において、第2装着部19には、加熱部28が設けられている。この構成によれば、加熱部28によって足部18を温めることができるので、足部18で肌寒さを感じることを抑制できる。
【0043】
(4)足部環境改善機器11は、送風部21から送られる空気を足部18へ案内する流路を有した案内部材26を備えている。この構成によれば、送風部21から送られる空気を案内部材26によってより確実に足部18へ導くことができる。
【0044】
(5)足部環境改善機器11は、温度及び湿度を検出する温湿度センサー29と、温湿度センサー29の検出結果に基づいて送風部21及び加熱部28を制御する制御部22とを備えている。この構成によれば、履物27を履いたときに温湿度センサー29の検出結果に基づいて足部18の環境が快適になるように送風部21及び加熱部28を制御することで、履物27を履いたときの足部18の温湿度環境を適切に改善できる。
【0045】
(6)足部環境改善機器11は、外部の通信機器30と通信可能な通信部31を備えている。この構成によれば、例えばスマートフォンなどの外部の通信機器30により、通信機器30のディスプレイで詳細な情報を確認しながら足部環境改善機器11の遠隔操作や各種の設定を容易に行うことができる。
【0046】
(7)足部環境改善機器11は、電源として二次電池23を備えている。この構成によれば、電源を有線接続するための例えばコンセントなどの外部電源が無い場所でも足部環境改善機器11を使用することができる。
【0047】
(8)足部環境改善機器11において、本体14はケース24に収容された形態で第1装着部17に対して着脱自在に取り付けられ、加熱部28及び温湿度センサー29は第2装着部19に対して着脱自在に取り付けられている。このため、装着部13からケース24、加熱部28、及び温湿度センサー29を取り外すことで、装着部13を容易に洗濯することができる。
【0048】
(9)足部環境改善機器11において、装着部13は、伸縮性を有する素材によって構成され、足首16に装着される第1装着部17と、足部18に装着される第2装着部19とを備えている。このため、足部環境改善機器11は、装着部13の伸縮性によって足首16及び足部18の変化(動き)に対して追従することができるので、足首16及び足部18に対して安定して装着することができる。したがって、足部環境改善機器11は、装着された状態で歩いたり走ったりするような運動を行うことによって強い振動などの様々な外力が与えられた場合でも、装着状態を維持することができる。すなわち、足部環境改善機器11は、上述のような外力が与えられても、装着位置からずれたり外れたりし難い。
【0049】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0050】
・
図4に示すように、履物27が例えばショートブーツのような足首16まで覆うタイプのものである場合には、第1装着部17が下腿部15における足首16よりも上側に装着し、連結部20の長さ及び案内部材26の長さをそれぞれ第1装着部17から第2装着部19までの距離及びノズル25から足部18までの距離に合わせて長くしてもよい。
【0051】
・足部環境改善機器11は、二次電池23を省略し、電源としてコンセントに接続したアダプターなどの外部の直流電源装置から電源コードによって電力が供給される構成にしてもよい。
【0052】
・足部環境改善機器11は、二次電池23を省略し、電源として小型のモバイルバッテリーを採用してもよい。この場合、モバイルバッテリーは、ズボンのポケットなどに収容された状態で例えばUSBケーブルなどによって本体14に電力を供給するようにしてもよい。
【0053】
・通信部31は省略してもよい。
・第2装着部19に温度を検出する温度センサー及び湿度を検出する湿度センサーのうちのいずれか一方を設け、制御部22は温度センサーの検出結果及び湿度センサーの検出結果のうちのいずれか一方に基づいて送風部21及び加熱部28のうちのいずれか一方を制御するように構成してもよい。
【0054】
・加熱部28は省略してもよい。
・装着部13は、最低限の下腿部15を覆う形となる足首16に装着される第1装着部17のみによって構成してもよいし、足部18及び足首16の全体を覆う靴下のような袋状に形成してもよい。
【0055】
・装着部13は、例えば野球用のストッキングのような形態にしてもよい。
・足部環境改善機器11は、全体が履物27によって覆われていてもよい。
・案内部材26は省略してもよい。この場合、案内部材26は、ノズル25に含まれることが好ましい。つまり、ノズル25を案内部材26と同様の長さにして、送風部21から送られる空気をノズル25によって足部18まで導くようにしてもよい。
【0056】
・本体14に外気温度を検出する外気温度センサーを設け、外気温度センサーの検出結果を使用して送風部21及び加熱部28のうちの少なくとも一方を制御部22によって制御するようにしてもよい。
【0057】
・温湿度センサー29は省略してもよい。この場合、ユーザーが手動操作によって送風部21及び加熱部28の運転及び停止や強弱の調節をできるように構成することが好ましい。
【0058】
・案内部材26における内面及び外面のうち少なくとも一方に加熱部28を設けてもよいし、案内部材26に加熱部28を埋設してもよい。このようにすれば、案内部材26の内部の流路を流れる空気を加熱部28によって暖めることができる。
【0059】
・案内部材26を発熱体によって構成してもよい。
・案内部材26は、足部18と連結部20との間に、足部18と接触するように配置してもよい。
【0060】
・案内部材26における内面及び外面のうち少なくとも一方に温湿度センサー29を設けてもよいし、案内部材26に温湿度センサー29を埋設してもよい。
・ケース24は、第1装着部17に固定されていてもよい。
【0061】
・加熱部28は、第2装着部19に固定されていてもよい。
・温湿度センサー29は、第2装着部19に対して固定されていてもよい。
・装着部13の表面における履物27の内面と密着し易い部位には、通気性を有したスペーサーを設けるようにしてもよい。この場合、スペーサーは、例えば、空気が流れ易い構造を持つメッシュ状の素材やスポンジ状の素材などによって構成することが好ましい。このようにすれば、履物27内で空気を流れ易くすることができる。
【0062】
・履物27は、例えばロングブーツのような膝下まで覆うタイプのものであってもよい。この場合、第1装着部17は、大腿に装着することが好ましい。
・装着部13は、下肢12全体を覆う例えばストッキングのような形態であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
11…足部環境改善機器
12…下肢
13…装着部
14…本体
15…下腿部
16…足首
17…第1装着部
18…足部
19…第2装着部
20…連結部
21…送風部
22…制御部
23…二次電池
24…ケース
25…ノズル
26…案内部材
27…履物
28…加熱部
29…温湿度センサー
30…通信機器
31…通信部
32…吸引口