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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】垂直共振器面発光レーザ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/42 20060101AFI20240701BHJP
   H01S 5/183 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01S5/42
H01S5/183
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022560446
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021111723
(87)【国際公開番号】W WO2023279469
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】202110777105.8
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519028014
【氏名又は名称】常州縦慧芯光半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】VERTILITE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 FengXiang Road, WuJin High-tech Industrial Zone, Changzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】翁 ▲イ▼呈
(72)【発明者】
【氏名】張 成
(72)【発明者】
【氏名】劉 嵩
(72)【発明者】
【氏名】梁 棟
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0104867(US,A1)
【文献】特開2019-040953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にはm行n列にアレー状に配列される発光エリア及び各発光エリアを囲む非発光エリアを含む基板(mは1以上の整数であり、nは1以上の整数であり、mとnとの乗積は2以上である)と、
前記基板の表面に位置する第1ミラーと、前記第1ミラーの前記基板から離れる側に位置するアクティブと、前記アクティブの前記基板から離れる側に位置する第2ミラーとを含む発光ユニットであって、少なくとも一部の前記第1ミラーは前記発光エリアに位置し、前記アクティブ及び前記第2ミラーは前記発光エリアに位置し、前記発光ユニットは、放出ウィンドウと前記放出ウィンドウを含むエッジ領域とを更に含み、前記放出ウィンドウと前記エッジ領域は何れも前記第2ミラーの前記基板から離れる側の表面に位置する、m×n個のアレー状に配列される発光ユニットと、
前記第1ミラーの前記基板から離れる表面に位置し、且つ前記非発光エリアに位置する第1オーム金属層であって、
mは1である場合、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第1接続線の前記基板への投影は重ならないこと、
nは1である場合、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第2接続線の前記基板への投影は重ならないこと、
mは2以上であり、且つnは2以上である場合、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第1接続線の前記基板への投影は重ならず、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第2接続線の前記基板への投影は重ならず、前記第1接続線は同行の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が所在する直線であり、前記第2接続線は同列の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が所在する直線であること、
のうちのいずれか1つを満たす前記第1オーム金属層と、前記第2ミラーの前記基板から離れる側の表面に位置し、且つ前記エッジ領域に位置する、第2オーム金属層と
記第1オーム金属層の前記基板から離れる側に位置し、且つ前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置する第1不動態化層であって、前記第1不動態化層に第1ビアホールが設けられており、前記第1ビアホールは少なくとも一部の前記第1オーム金属層を露出させる、第1不動態化層と
記第1不動態化層の前記基板から離れる側に位置する第1パッドであって、且つ前記第1パッドの前記基板への投影と前記発光ユニットにおける放出ウィンドウの前記基板への投影は重ならず、前記第1パッドは前記第1ビアホールを通じて前記第1オーム金属層と接続される、第1パッドと
記第1パッドの前記基板から離れる表面に位置すると共に、前記発光エリア及び前記非発光エリアをカバーする、第2不動態化層であって
前記第2不動態化層及び前記第1不動態化層に第2ビアホールが設けられており、前記第2ビアホールは少なくとも一部の前記第2オーム金属層を露出させる、第2不動態化層と
記第2不動態化層の前記基板から離れる側の表面に位置する第2パッドであって、前記第2パッドの前記基板への投影と前記発光ユニットにおける放出ウィンドウの前記基板への投影は重ならず、前記第2パッドは前記第2ビアホールを通じて前記第2オーム金属層と接続される、第2パッドと、を含む
垂直共振器面発光レーザ。
【請求項2】
前記発光ユニットは第1オーム接触層を更に含み、前記第1オーム接触層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置し、前記第1ミラーは前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置する場合、前記第1オーム接触層は前記第1ミラー内に位置し、若しくは、前記第1ミラーは前記発光エリアのみに位置する場合、前記発光エリア内の第1オーム接触層は前記基板と前記第1ミラーとの間に位置する、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項3】
mは2以上であり、nは2以上であり、前記第1オーム金属層は、Aij個目の発光ユニットと、A(i+1)(j)個目の発光ユニットと、A(i)(j+1)個目の発光ユニットと、A(i+1)(j+1)個目の発光ユニットとの間の非発光エリアに位置し、ここで、iは1以上m-1以下であり、jは1以上n-1以下である、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項4】
前記第1オーム金属層の前記基板への投影図形は中央の対称図形であり、且つ前記第1オーム金属層の前記基板への投影図形の中心は第3接続線と第4接続線との交差点と重なり、Aij個目の発光ユニットの中心とA(i+1)(j+1)個目の発光ユニットの中心の接続線は前記第3接続線であり、A(i+1)(j)個目の発光ユニットの中心とA(i)(j+1)個目の発光ユニットの中心の接続線は前記第4接続線である、
請求項3に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項5】
前記第1オーム金属層の前記基板への投影図形は、円状又は菱形を含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項6】
前記第1パッドは前記非発光エリアに位置し、若しくは、前記第1パッドは前記非発光エリア及び前記発光ユニットにおけるエッジ領域に位置する、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項7】
前記第2パッドにm×n個の発光ウィンドウが設けられており、前記発光ウィンドウの前記基板への投影と前記放出ウィンドウの前記基板への投影は重なる、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項8】
前記第1パッドは、主接続部と、前記主接続部と繋ぐ少なくとも一つの第1方向帯状岐接続部とを含み、前記主接続部は前記m×n個のアレー状に配列される発光ユニットの側に位置し、前記第1方向帯状岐接続部は隣り合う2行の発光ユニットの間に位置する、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項9】
前記m×n個のアレー状に配列される発光ユニットはQ個の発光制御領域に区画され、前記第1パッドの数量はK1であり、前記第2パッドの数量はK2であり、QはK1とK2との乗積に相当し、Qは1以上でmとnとの乗積以下である、
請求項8に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項10】
前記第1パッドは、少なくとも一つの第2方向帯状岐接続部を更に含み、前記第2方向帯状岐接続部は前記第1方向帯状岐接続部と接続され、
前記第1パッドに含まれる第1方向帯状岐接続部及び第2方向帯状岐接続部の数量が何れも複数である場合、隣り合う第2方向帯状岐接続部と隣り合う第1方向帯状岐接続部は「井」の字の構造を構成し、且つ前記第2方向帯状岐接続部は隣り合う2列の発光ユニットの間に位置し、前記第2方向帯状岐接続部の前記基板への投影と前記発光ユニットにおける放出ウィンドウの前記基板への投影は重ならない、
請求項8に記載の垂直共振器面発光レーザ。
【請求項11】
前記発光ユニットは、酸化制限層を更に含み、前記酸化制限層は第2ミラー内に位置し、前記酸化制限層に酸化孔が設けられており、前記酸化孔は前記発光ユニットを限定する発光孔である、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体の技術分野に関し、例えば、垂直共振器面発光レーザに関する。
本願は、2021年07月09日に中国専利局に提出された、出願番号が202110777105.8である中国特許出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容は引用により本願に援用される。
【背景技術】
【0002】
垂直共振器面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser、VCSEL)は砒化ガリウムの半導体材料に基づいて研究されるものであって、小体積、低閾値電流、高変調周波数、光ファイバー結合のしやすさ等の利点があるため、光通信、光学相互接続、光学情報処理などの分野に利用されるだけではなく、三次元(3-Dimension、3D)認識における構造光技術の光源として携帯電話及び自動運転車におけるレーザライダーなどの電子消費分野にも利用されることができる。
【0003】
小型の垂直共振器面発光レーザを実現するために、垂直共振器面発光レーザにおける発光ユニットの間の寸法を縮小し続ける必要がある。しかし、垂直共振器面発光レーザの構造上の設置に制限されて、発光ユニットの間の寸法を縮小し続けることができない。
【発明の概要】
【0004】
本願は、垂直共振器面発光レーザにおける発光ユニットの間の寸法を低下させるための、垂直共振器面発光レーザを提供する。
【0005】
本願は、垂直共振器面発光レーザを提供し、前記垂直共振器面発光レーザは、
表面にはm行n列にアレー状に配列される発光エリア及び各発光エリアを囲む非発光エリアを含む基板と、
前記基板の表面に位置する第1ミラーと、前記第1ミラーの前記基板から離れる側に位置するアクティブと、前記アクティブの前記基板から離れる側に位置する第2ミラーとを含む発光ユニットであって、少なくとも一部の前記第1ミラーは前記発光エリアに位置し、前記アクティブ及び前記第2ミラーは前記発光エリアに位置する、m×n個のアレー状に配列される発光ユニットと、
前記第1ミラーの前記基板から離れる表面に位置し、且つ前記非発光エリアに位置する第1オーム金属層であって、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第1接続線の前記基板への投影は重ならず、前記第1オーム金属層の前記基板への投影と第2接続線の前記基板への投影は重ならず、前記第1接続線は同行の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が位置する直線であり、前記第2接続線は同列の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が位置する直線である、第1オーム金属層と、を含み、ここで、mは1以上の整数であり、nは1以上の整数であり、mとnとの乗積は2以上である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本願の実施例に係る垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図2図1のA1-A2方向の断面構造模式図である。
図3図1のB1-B2方向の断面構造模式図である。
図4図1のA1-A2方向のもう一つの断面構造模式図である。
図5図1のB1-B2方向のもう一つの断面構造模式図である。
図6図1のA1-A2方向の更に一つの断面構造模式図である。
図7図1のB1-B2方向の更に一つの断面構造模式図である。
図8】本願の実施例に係るもう一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図9】本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図10図9のA1-A2方向の断面構造模式図である。
図11図9のB1-B2方向の断面構造模式図である。
図12】本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図13図12のA1-A2方向の断面構造模式図である。
図14図12のB1-B2方向の断面構造模式図である。
図15】本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図16】本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。
図17図16のA1-A2方向の断面構造模式図である。
図18図16のB1-B2方向の断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、図面及び実施例を参照して本願について説明する。
【0008】
本願の実施例は垂直共振器面発光レーザを提供する。図1は本願の実施例に係る垂直共振器面発光レーザの平面図である。図2図1のA1-A2方向の断面構造模式図である。図3図1のB1-B2方向の断面構造模式図である。図1図3を参照し、当該垂直共振器面発光レーザは、表面にはm行n列にアレー状に配列される発光エリア10A及び発光エリア10Aを囲む非発光エリア10Bを含む基板10と、基板10の表面に位置する第1ミラー21と、第1ミラー21の基板10から離れる側に位置するアクティブ22と、アクティブ22の基板10から離れる側に位置する第2ミラー23とを含む発光ユニット20であって、少なくとも一部の第1ミラー21は発光エリア10Aに位置し、アクティブ22及び第2ミラー23は発光エリア10Aに位置する、m×n個のアレー状に配列される発光ユニット20と、第1ミラー21の基板10から離れる表面に位置し、且つ非発光エリア10Bに位置する第1オーム金属層30であって、第1オーム金属層30の基板10への投影と第1接続線L1の基板10への投影は重ならず、第1オーム金属層30の基板10への投影と第2接続線L2の基板10への投影は重ならず、第1接続線L1は任意な同行の発光ユニット20の中心を繋ぐ接続線が位置する直線であり、第2接続線L2は任意な同列の発光ユニット20の中心を繋ぐ接続線が位置する直線である、第1オーム金属層30と、を含み、ここで、mは1以上の整数であり、nは1以上の整数であり、mとnとの乗積は2以上である。前記発光ユニットは第2オーム接触層(図示せず)を更に含み、前記第2オーム接触層は前記第2ミラー23の上に位置する。
【0009】
図4図1のA1-A2方向のもう一つの断面構造模式図である。図5図1のB1-B2方向のもう一つの断面構造模式図である。図6図1のA1-A2方向の更に一つの断面構造模式図である。図7図1のB1-B2方向の更に一つの断面構造模式図である。
【0010】
図4図7を参照して、垂直共振器面発光レーザは第1オーム接触層24を更に含み、第1オーム接触層24は発光エリア10A及び非発光エリア10Bに位置する。図4図5を参照し、第1オーム接触層24は第1ミラー21内に位置し、若しくは、図6図7を参照し、第1オーム接触層24は第1ミラー21と基板10との間に位置する。第1オーム接触層24の配置により、第1オーム金属層30と第1ミラー21は良好なオーム接触が形成され、本願の実施例における第1オーム接触層の位置は実情に応じて設定されることは可能である。
【0011】
図1は、3行5列にアレー状に配列される発光エリア10Aを例示的に示し、3×5個のアレー状に配列される発光ユニット20が相応的に示されている。第1接続線L1は任意な同行の発光ユニット20の中心を繋ぐ接続線が位置する直線であり、第2接続線L2は任意な同列の発光ユニット20の中心を繋ぐ接続線が位置する直線であり、図1には1行目の発光ユニット20の中心を繋ぐ第1接続線L1、及び4列目の発光ユニット20の中心を繋ぐ第2接続線L2しか示さない。
【0012】
例示的に、同行の隣り合う発光ユニット20の間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニット20の間のピッチを算出するために、本願の実施例において、次の第1数学モデルを構築する:
図1に示すように、隣り合う4つの発光ユニット20の円中心は、辺長がP0である正方形を囲むように設定される。隣り合う4つの発光ユニット20の円中心はそれぞれO1、O2、O3及びO4である。第1オーム金属層30の中心O5は正方形の対角線の中心に位置する。第1オーム金属層30と発光ユニット20とのピッチはS0であり、発光ユニット20の半径はr1であり、第1オーム金属層30は円状で、半径はr2である。同行の隣り合う発光ユニット20の中心の間のピッチP0と同列の隣り合う発光ユニット20の中心の間のピッチP0とは次の数式(1)を満たす:
第1オーム金属層が同行の発光ユニットを繋ぐ第1接続線及び同列の発光ユニットを繋ぐ第2接続線に設けられる技術案について、第2数学モデルを構築し、第1オーム金属層が同行の隣り合う発光ユニットの中心を繋ぐ第1接続線の中心ところ及び同列の隣り合う発光ユニットの中心を繋ぐ第2接続線の中心ところに位置するように設定され、発光ユニットの半径はr1であり、第1オーム金属層の半径はr2であり、第1オーム金属層と発光ユニットとのピッチはS0であり、同行の隣り合う発光ユニットの中心の間のピッチP1と同列の隣り合う発光ユニットの中心の間のピッチP1とは次の数式(2)を満たす:
数式(1)と数式(2)を比べて、本願の実施例に係る技術案は、同行の隣り合う発光ユニットの中心の間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニットの中心の間のピッチを下げ、ひいては同行の隣り合う発光ユニットの間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニットの間のピッチを下げる。
【0013】
図1に示すように、同行の隣り合う発光ユニット20の中心の間のピッチP0及び同列の隣り合う発光ユニット20の中心の間のピッチP0は4つの発光ユニット20が構築する第1数学モデルに基づいて求められ、実際に使用の中に、mは1以上の整数であり、nは1以上の整数であり、mとnとの乗積は2以上であると共に、第1オーム金属層30の基板10への投影と第1接続線L1の基板10への投影は重ならず、第1オーム金属層30の基板10への投影と第2接続線L2の基板10への投影は重ならずことだけを保証すれば、第1オーム金属層が同行の発光ユニットを繋ぐ第1接続線及び同列の発光ユニットを繋ぐ第2接続線に設けられる技術案に比べて、本願の実施例に係る技術案が同行の隣り合う発光ユニットの間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニットの間のピッチを下げる効果を達成することができ、ひいては垂直共振器面発光レーザにおける発光ユニットの間の寸法を低下させる。
【0014】
図8は本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。上記の技術案を踏まえて、垂直共振器面発光レーザにおいて、図8を参照し、mは2以上であり、nは2以上であり、第1オーム金属層30は、Aij個目の発光ユニット20と、A(i+1)(j)個目の発光ユニット20と、A(i)(j+1)個目の発光ユニット20と、A(i+1)(j+1)個目の発光ユニット20との間の非発光エリア10Bに位置し、ここで、iは1以上m-1以下であり、jは1以上n-1以下である。
【0015】
m×n個のアレー状に配列される発光ユニット20を含む垂直共振器面発光レーザについて、ここで、mは2以上であり、nは2以上であり、第1オーム金属層30は隣り合う4つ発光ユニット20の間の非発光エリア10Bに位置するため、第1オーム金属層30の基板10への投影と第1接続線L1の基板10への投影は重ならず、第1オーム金属層30の基板10への投影と第2接続線L2の基板10への投影は重ならずことを保証することができ、第1オーム金属層が同行の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線及び同列の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線に設けられる技術案に比べて、本願の実施例に係る技術案が同行の隣り合う発光ユニットの間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニットの間のピッチを下げる効果を達成することができ、ひいては垂直共振器面発光レーザにおける発光ユニットの間の寸法を低下させる。
【0016】
次に、第1オーム金属層30の形状を説明する。上記の技術案を踏まえて、図8を例にして説明し、第1オーム金属層30の基板10への投影図形は中央の対称図形であり、且つ第1オーム金属層30の基板10への投影図形の中心は第3接続線L3と第4接続線L4との交差点と重なる。Aij個目の発光ユニット20の中心O4とA(i+1)(j+1)個目の発光ユニット20の中心O2の接続線は第3接続線L3であり、A(i+1)(j)個目の発光ユニット20の中心O1とA(i)(j+1)個目の発光ユニット20の中心O3の接続線は第4接続線L4である。
【0017】
第1オーム金属層30の基板10への投影図形は中央の対称図形であり、且つ第1オーム金属層30の基板10への投影図形の中心は第3接続線L3と第4接続線L4との交差点と重なるため、第3接続線L3が所在する方向及び第4接続線L4が所在する方向に、第1オーム金属層30と両側の発光ユニット20のピッチが同じであることを保証することができ、第1オーム金属層30のレイアウトの難易度を簡単化し、垂直共振器面発光レーザの作製の難易度を下げる。
【0018】
上記の技術案を踏まえて、第1オーム金属層30の基板10への投影図形は、円状又は菱形を含む。
【0019】
第1オーム金属層30の基板10への投影図形は円状又は菱形を含むため、第1オーム金属層30のレイアウトの難易度を簡単化し、垂直共振器面発光レーザの作製の難易度を下げる。
【0020】
図9は本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。図10図9のA1-A2方向の断面構造模式図である。図11図9のB1-B2方向の断面構造模式図である。図9図11を参照し、発光ユニット20は、放出ウィンドウ20aと放出ウィンドウ20aを含むエッジ領域20bとを更に含み、放出ウィンドウ20aとエッジ領域20bは何れも第2ミラー23の基板10から離れる側の表面に位置する。垂直共振器面発光レーザは、第2オーム金属層40と、第1不動態化層50と、第1パッド60と、第2不動態化層70と、第2パッド80とを更に含む。第2オーム金属層40は第2ミラー23の基板10から離れる側の表面に位置し、且つエッジ領域20bに位置する。第1不動態化層50は第1オーム金属層30の基板10から離れる側に位置し、且つ発光エリア10A及び非発光エリア10Bに位置し、第1不動態化層50に第1ビアホール50Aが設けられており、第1ビアホール50Aは少なくとも一部の第1オーム金属層30を露出させる。第1パッド60は第1不動態化層50の基板10から離れる側に位置し、且つ第1パッド60の基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならず、第1パッド60は第1ビアホール50Aを通じて第1オーム金属層30に接続される。第2不動態化層70は第1パッド60の基板10から離れる表面に位置すると共に、発光エリア10A及び非発光エリア10Bをカバーする。第2不動態化層70及び第1不動態化層50に第2ビアホール50Bが設けられており、第2ビアホール50Bは少なくとも一部の第2オーム金属層40を露出させる。第2パッド80は第2不動態化層70の基板10から離れる側の表面に位置し、第2パッド80の基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならず、第2パッド80は第2ビアホール50Bを通じて第2オーム金属層40に接続される。
【0021】
第1不動態化層50は第1オーム金属層30と第2オーム金属層40を保護するように設けられており、第1パッド60は第1ビアホール50Aを通じて第1オーム金属層30に接続され、第2パッド80は第2ビアホール50Bを通じて第2オーム金属層40に接続され、これにより、第1パッド60は第1オーム金属層30を通じて外部の電流信号を発光ユニット20における第1ミラー21内に流れ込ませ、若しくは、第2パッド80は第2オーム金属層40を通じて外部の電流信号を第2ミラー23内に流れ込ませることを実現する。
【0022】
第1ミラー21と第2ミラー23との屈折率は異なる。第1ミラー21及び第2ミラー23の厚さが予め設定された波長の4分の1の整数倍であると、第1ミラー21及び第2ミラー23は予め設定された波長の光が透過されることが可能である。第1ミラー21及び第2ミラー23は半導体材料であり、この半導体材料は周期的に生長してなり、即ち第1ミラー21及び第2ミラー23は異なる膜層から交互に生長してなる周期的な複層構造材料である。アクティブ22は量子井戸発光材料であって、前記アクティブ22は電流信号の作用下で発光し、放出された光は、第1ミラー21と第2ミラー23との間で反射した後、第2ミラー23から射出される。本願の実施例は、図面に示す垂直共振器面発光レーザが放出する光が第2ミラー23から射出される技術案を含み、垂直共振器面発光レーザが放出する光が第1ミラー21から射出される技術案を含んでもよい。
【0023】
本願の実施例において、第1オーム金属層30の基板10への投影と第1接続線L1の基板10への投影は重ならず、第1オーム金属層30の基板10への投影と第2接続線L2の基板10への投影は重ならず、且つ第1パッド60は第1オーム金属層30を通じて外部電流信号を発光ユニット20における第1ミラー21に印加し、第2パッド80は第2オーム金属層40を通じて外部電流信号を第2ミラー23に印加し、アクティブ22は電流信号の作用下で発光し、放出された光は、第1ミラー21と第2ミラー23との間で反射した後に射出され、第1オーム金属層が同行の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が所在する直線及び同列の発光ユニットの中心を繋ぐ接続線が所在する直線上に設けられる垂直共振器面発光レーザに比べて、本願の実施例に係る垂直共振器面発光レーザは同行の隣り合う発光ユニットの間のピッチ及び同列の隣り合う発光ユニットの間のピッチを下げる効果を達成することができ、ひいては垂直共振器面発光レーザにおける発光ユニットの間の寸法を低下させる。また、第1パッド60の基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならず、及び、第2パッド80の基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならず、これにより、第1サブパッド及び第2サブパッドが放出ウィンドウから射出される光に対して遮断することを回避でき、従って垂直共振器面発光レーザの発光効率を向上させる。
【0024】
次に、第1パッド60の基板10への投影位置を説明する。
【0025】
図12は本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。図13図12のA1-A2方向の断面構造模式図である。図14図12のB1-B2方向の断面構造模式図である。上記の技術案を踏まえて、図9図11を参照し、第1パッド60は非発光エリア10Bに位置し、若しくは、図12図14を参照し、第1パッド60は非発光エリア10B及び発光ユニット20におけるエッジ領域20bに位置する。
【0026】
第1パッド60の第1オーム金属層30との接続部分を除く部分は、第1不動態化層50を介して第1ミラー21に絶縁的に設けられ、そのため、第1パッド60の基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならずに第1パッド60が第1ミラー21に電流信号を伝送することを実現でき、且つ発光ユニット20の光の放出ウィンドウ20aからの射出に影響を与えない。従って、本願の実施例に係る技術案において、第1パッド60は図9図11に示す非発光エリア10Bに位置し、若しくは、第1パッド60は図12図14の参照に示す非発光エリア10B及び発光ユニット20におけるエッジ領域20bに位置し、これにより、第1パッドのレイアウトの活用度が向上される。
【0027】
上記の技術案を踏まえて、図10図11及び図13図14を参照し、第2パッド80にm×n個の発光ウィンドウ80Aが設けられており、発光ウィンドウ80Aの基板10への投影と放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重なる。
【0028】
第2パッド80に発光ユニット20の数量と同じの発光ウィンドウ80Aが設けられており、且つ発光ウィンドウ80Aの基板10への投影と放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重なり、第2パッドが放出ウィンドウから射出される光に対して遮断することを回避することで、垂直共振器面発光レーザの発光効率を向上させる。発光ウィンドウは、第2パッドが所在する金属膜層にフォトプロセスを行うことにより、定義されるものである。
【0029】
上記の技術案を踏まえて、図9図12を参照し、第1パッド60は、主接続部60aと、主接続部60aと繋ぐ少なくとも一つの第1方向帯状岐接続部60bとを含み、主接続部60aはm×n個のアレー状に配列される発光ユニット20の一側に位置し、第1方向帯状岐接続部60bは隣り合う2行の発光ユニット20の間に位置する。
【0030】
第1パッド60は、主接続部60aと、主接続部60aと繋ぐ少なくとも一つの第1方向帯状岐接続部60bとを含み、第1方向帯状岐接続部60bは隣り合う2行の発光ユニット20の間に位置し、主接続部60aは外部の駆動回路と接続され、主接続部60aは第1方向帯状岐接続部60bを通じて外部の駆動信号を第1ミラー21に印加し、第1方向帯状岐接続部60bは図9図11に示す非発光エリア10Bに位置し、若しくは、第1方向帯状岐接続部60bは図12図14に示す非発光エリア10B及び発光ユニット20におけるエッジ領域20bに位置し、ひいては、第1パッドが放出ウィンドウから射出される光に対して遮断することを回避し、従って垂直共振器面発光レーザの発光効率を向上させる。
【0031】
図15は本願の実施例に係るもう一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。上記の技術案を踏まえて、図15を参照し、m×n個のアレー状に配列される発光ユニットはQ個の発光制御領域100に区画され、第1パッド60の数量はK1であり、第2パッド80の数量はK2であり、QはK1とK2との乗積に相当し、Qは1以上でmとnとの乗積以下である。
【0032】
例示的に、mの値が6であり、nの値が5であり、Qの値が4であり、第1パッド60の数量が2であり、第2パッド80の数量が2である。本願の実施例では、発光制御領域100、第1パッド60及び第2パッド80の数量に対して限定しない。
【0033】
m×n個のアレー状に配列される発光ユニットはQ個の発光制御領域100に区画されることにより、第1パッド60及び第2パッド80を通じて印加される電流信号を領域別で同じ発光制御領域100に属する発光ユニット20に対して点灯し発光させることができる。
【0034】
図16は本願の実施例に係る更に一つの垂直共振器面発光レーザの平面図である。図17図16のA1-A2方向の断面構造模式図である。図18図16のB1-B2方向の断面構造模式図である。上記の技術案を踏まえて、図16図18を参照し、第1パッド60は、少なくとも一つの第2方向帯状岐接続部60cを更に含み、第2方向帯状岐接続部60cは第1方向帯状岐接続部60bと接続され、第1パッド60に含まれる第1方向帯状岐接続部60b及び第2方向帯状岐接続部60cの数量が何れも複数である場合、隣り合う第2方向帯状岐接続部60cと隣り合う第1方向帯状岐接続部60bは「井」の字の構造を構成し、且つ第2方向帯状岐接続部60cは隣り合う2列の発光ユニット20の間に位置し、第2方向帯状岐接続部60cの基板10への投影と発光ユニット20における放出ウィンドウ20aの基板10への投影は重ならず。
【0035】
隣り合う第2方向帯状岐接続部60cと隣り合う第1方向帯状岐接続部60bは「井」の字の構造を構成し、これにより、第1パッドを流れる電流の均一度を向上させ、ひいては異なる発光ユニットの発光の均一度を向上させる。
【0036】
上記の技術案を踏まえて、図16図17を参照し、発光ユニット20は、酸化制限層25を更に含み、酸化制限層25は第2ミラー23内に位置し、酸化制限層25に酸化孔25Aが設けられており、酸化孔25Aは発光ユニット20を限定する発光孔である。
【0037】
アクティブ22は量子井戸発光材料であって、前記アクティブ22は電流信号の作用下で発光し、放出された光は、第1ミラー21と第2ミラー23との間で反射した後、第2ミラー23から射出される。本願の実施例は、図面に示す垂直共振器面発光レーザが放出する光は酸化孔24Aから射出される技術案を含む。
【0038】
放出ウィンドウ20aの基板10への投影は酸化孔24Aの基板10への投影をカバーし、酸化層25は例示としてアルミの酸化物であり、酸化孔24Aは対応的にアルミである。
【0039】
図15図18には、図9に示す第1パッド60の構造を例にして説明し、図15図18に対応する技術案は、図12に示す第1パッド60が非発光エリア10B及び発光ユニット20におけるエッジ領域20bに位置する場合にも適用される。
【0040】
本願の実施例において、第1ミラーがP型であり、第2ミラーがN型であり、若しくは、第1ミラーがN型であり、第2ミラーがP型である。
【0041】
図8図18に示す垂直共振器面発光レーザでは、第1オーム接触層24は第1ミラー21内に位置する。図8図18に示す垂直共振器面発光レーザは、第1オーム接触層24が第1ミラー21と基板10との間に位置する技術案にも適用される。
図1
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